令和7年3月10日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和5年(ワ)第70079号損害賠償請求事件口頭弁論終結日令和6年11月18日判決 原告有限会社PXZ 同訴訟代理人弁護士鷹見雅和同補佐人弁理士田中秀喆 被告中日本高速道路株式会社 同訴訟代理人弁護士前田泰志同補佐人弁理士宮部岳志 主文 被告は、原告に対し、2億6744万2241円及びこれに対する令和4年9月30日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、これを5分し、その3を原告の負担とし、その余を被告の負担とする。 4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求被告は、原告に対し、6億6860万5594円並びにうち3億4352万3659円に対する令和2年3月31日から支払済みまで年5分の割合による 金員及びうち3億2508万1935円に対する令和4年9月30日から支払 済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等事案の要旨本件は、発明の名称を「車両誘導システム」とする特許第6159845号の特許(以下「本件特許」という。)に係る特許権(以下「本件特許権」とい う。)の特許権者である原告が、別紙物件目録記載1ないし5の各システム(以下、これらを併せて「被告各システム」という。)が本件特許の特許請求 特許」という。)に係る特許権(以下「本件特許権」とい う。)の特許権者である原告が、別紙物件目録記載1ないし5の各システム(以下、これらを併せて「被告各システム」という。)が本件特許の特許請求の範囲の請求項1及び2に係る各発明の技術的範囲に属し、被告による被告各システムの使用が上記各発明の実施に当たると主張して、被告に対し、民法709条に基づき、特許法102条3項により算定された損害として、6億68 60万5594円並びにうち本件特許権の設定登録日である平成29年6月16日から令和2年3月31日までの被告各システムの使用により生じた損害3億4352万3659円に対しては令和2年3月31日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法(以下「改正前民法」という。)所定の年5分の割合による遅延損害金及びうち令和2年4月1日から令和4年9月 30日までの被告各システムの使用により生じた損害3億2508万1935円に対しては令和4年9月30日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲各証拠(以下、書証番号は、特記しない限り枝番を含む。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 (1) 当事者ア原告は、コンピュータソフトウェアの設計、製造、販売及びコンサルティング等を主な業とする有限会社である。 イ被告は、高速道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理事業、サービスエリア(休憩所、給油所その他の施設)の建設、管理事業を主な業 とする株式会社である。 (2) 本件特許(甲1、2、10、弁論の全趣旨)ア原告代表者は、平成16年9月13日(以下「本件原出願日」という。)、発明の名称を「車 を主な業 とする株式会社である。 (2) 本件特許(甲1、2、10、弁論の全趣旨)ア原告代表者は、平成16年9月13日(以下「本件原出願日」という。)、発明の名称を「車両誘導システム」とする特許第4379879号の特許(以下「親出願特許」という。)に係る特許出願(特願2004-300749号。以下「本件親出願」という。)をし、平成21年10 月2日、親出願特許に係る特許権の設定登録(請求項の数9)を受けた。 イ原告代表者は、本件親出願につき、別紙分割一覧のとおり、分割出願を繰り返し、平成27年5月13日、第5世代に当たる特願2014-243621号の一部を特願2015-98590号として分割出願し(第6世代)、平成28年4月4日、更にその一部を分割して特願201 6-75107号として出願(以下「本件出願」という。)して、平成29年6月16日に特許第6159845号として本件特許権の設定登録(請求項の数2)を受けた(以下、本件出願の願書に添付した明細書及び図面を併せて「本件明細書」といい、以下、本件明細書の段落を示す場合、【0001】などということがある。)。 ウ本件特許権については、平成30年3月14日を受付日として、原告代表者から原告に対し、特定承継による本権の移転を原因とする特許権移転登録が経由された。 (3) 本件特許の特許請求の範囲本件特許の特許請求の範囲の記載は以下のとおりである(甲2)。以下、 本件特許の特許請求の範囲の各請求項を、順次、「請求項1」、「請求項2」といい、各請求項に係る発明を、順次、「本件発明1」、「本件発明2」といい、これらの発明を併せて「本件各発明」という。 ア請求項1有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されて といい、各請求項に係る発明を、順次、「本件発明1」、「本件発明2」といい、これらの発明を併せて「本件各発明」という。 ア請求項1有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されて いる、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステムで あって、前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段と、前記第1の検知手段に対応して設置された第1の遮断機と、車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と、 前記通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段と、前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車両を、ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道路料金所、サービ スエリア又はパーキングエリアから出るルートへ通じる第1のレーンへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段と、を備え、前記誘導手段は、前記第1のレーンに設けられた第2の遮断機と、前 記第2のレーンに設けられた第3の遮断機と、を含み、さらに、前記第2の遮断機を通過した車両を検知する第2の検知手段と、前記第3の遮断機を通過した車両を検知する第3の検知手段と、を備え、前記第1の検知手段により車両の進入が検知された場合、前記車両が 通過した後に、前記第1の遮断機を下ろし、前記第2の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第2の遮断機を下ろすことを特徴とする車両誘導システム。 イ請求項2 通過した後に、前記第1の遮断機を下ろし、前記第2の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第2の遮断機を下ろすことを特徴とする車両誘導システム。 イ請求項2請求項1のシステムにおいて、さらに、前記第3の検知手段により車 両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第3の遮断機 を下ろすことを特徴とする車両誘導システム。 (4) 本件各発明の構成要件の分説前記(3)の請求項は、次の構成要件に分説することができる(以下、各構成要件につき、頭書の記号に従って「構成要件A」などという。)。 ア本件発明1(請求項1) A 有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されている、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステムであって、B 前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段と、 C 前記第1の検知手段に対応して設置された第1の遮断機と、D 車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と、E 前記通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段と、F 前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収 が可能な車両を、ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出るルートへ通じる第1のレーンへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第 2のレーンへ誘導する誘導手段と、を備え、G 前記誘導手段は、前記第1のレーンに TCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第 2のレーンへ誘導する誘導手段と、を備え、G 前記誘導手段は、前記第1のレーンに設けられた第2の遮断機と、前記第2のレーンに設けられた第3の遮断機と、を含み、H さらに、前記第2の遮断機を通過した車両を検知する第2の検知手段と、前記第3の遮断機を通過した車両を検知する第3の検知手段と、 を備え、 I 前記第1の検知手段により車両の進入が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第1の遮断機を下ろし、前記第2の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第2の遮断機を下ろすことを特徴とするJ 車両誘導システム。 イ本件発明2(請求項2)K 請求項1のシステムにおいて、さらに、前記第3の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第3の遮断機を下ろすことを特徴とする車両誘導システム。 (5) 被告が設置する設備の概要 ア ETC(ElectronicTollCollectionSystem、自動料金支払システム)とは、無線通信技術を使って自動的に有料道路の通行料金の支払いを行うシステムである。また、スマートインターチェンジ(以下「SIC」という。)とは、自動車専用道路の主にサービスエリアやパーキングエリアで一般道路と接続するETC 専用のインターチェンジである。(乙1ないし3)イ被告が設置するSICのETC設備については、被告、東日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社の3社の名義による設計要領があり、その一つである「設計要領第8集通信施設編第10編追補1 スマートIC用ETC設備」(以下、 いては、被告、東日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社の3社の名義による設計要領があり、その一つである「設計要領第8集通信施設編第10編追補1 スマートIC用ETC設備」(以下、「本件設計要領」という。)は、 自動車専用道路においてSIC用のETCを整備するために適用されるものであって、SIC用のETCを構成する各設備及びこれらの設備の配置設計が記載されている(甲11、弁論の全趣旨)。 (6) 被告による被告各システムの設置及び使用の態様被告は、自らが管理する自動車専用道路に以下のSICを設置し、これを 使用している(甲3ないし7)。 ア双葉SIC被告は、平成18年10月1日、中央自動車道に接続する双葉サービスエリア(Aiに所在。以下「双葉SA」という。)において双葉SICの運用を開始し、これを業として使用している。双葉SICには、別紙物件目録記載1の四つのシステム(以下、頭書の番号に従って「被告シ ステム1-1」ないし「被告システム1-4」といい、被告システム1-1ないし1-4を総称して「被告システム1」という。)が設けられている。 イ梓川SIC被告は、平成22年11月27日、長野自動車道に接続する梓川サー ビスエリア(上り線がBiに所在、下り線がCiに所在。以下「梓川SA」という。)において梓川SICの運用を開始し、これを業として使用している。梓川SICには、別紙物件目録記載2の四つのシステム(以下、頭書の番号に従って「被告システム2-1」ないし「被告システム2-4」といい、被告システム2-1ないし2-4を総称して「被告シ ステム2」という。)が設けられている。 ウ湖東三山SIC被告は、平成25年10月21日、名神高速道路に接続する湖東三山パーキ いい、被告システム2-1ないし2-4を総称して「被告シ ステム2」という。)が設けられている。 ウ湖東三山SIC被告は、平成25年10月21日、名神高速道路に接続する湖東三山パーキングエリア(Diに所在。以下「湖東三山PA」という。)において湖東三山SICの運用を開始し、これを業として使用している。湖東 三山SICには、別紙物件目録記載3の四つのシステム(以下、頭書の番号に従って「被告システム3-1」ないし「被告システム3-4」といい、被告システム3-1ないし3-4を総称して「被告システム3」という。)が設けられている。 エ愛鷹SIC 被告は、平成28年3月19日、東名高速道路に設けられた愛鷹パー キングエリア(Eiに所在。以下「愛鷹PA」という。)において愛鷹SICの運用を開始し、これを業として使用している。愛鷹SICには、別紙物件目録記載4の四つのシステム(以下、頭書の番号にしたがって「被告システム4-1」ないし「被告システム4-4」といい、被告システム4-1ないし4-4を総称して「被告システム4」という。)が設 けられている。 オ三方原SIC被告は、平成29年3月18日、東名高速道路に設けられた三方原パーキングエリア(Fiに所在。以下「三方原PA」という。)において三方原SICの運用を開始し、これを業として使用している。三方原SI Cには、別紙物件目録記載5の四つのシステム(以下、頭書の番号に従って「被告システム5-1」ないし「被告システム5-4」といい、被告システム5-1ないし5-4を総称して「被告システム5」という。)が設けられている(以下、双葉SIC、梓川SIC、湖東三山SIC、愛鷹SIC及び三方原SICを総称して、「被告各SIC」という。) (7) いし5-4を総称して「被告システム5」という。)が設けられている(以下、双葉SIC、梓川SIC、湖東三山SIC、愛鷹SIC及び三方原SICを総称して、「被告各SIC」という。) (7) 被告各システム(甲11、乙1、2、弁論の全趣旨)ア被告システム1-1について(ア) 被告システム1-1の構成配置等被告システム1-1は、一般道路から中央自動車道(上り線)に接続する双葉SAに入るために設置された双葉SICの入口用設備であり、 被告システム1-1の模式図、被告システム1-1を構成する各設備の名称、各設備の用途・目的、模式図との対応関係は、別紙被告設備図目録の「被告システム1-1」のとおりである(以下、被告各システムに設置された設備につき、模式図に記載の番号等と各設備の名称(例えば、「①発進制御機1」など)により表記する。)。 (イ) 被告システム1-1の作動手順(ステップ) 被告システム1-1は、通行する車両に対し、以下のとおり作動する。 a ステップ1一般道路から中央自動車道(上り線)に接続する双葉SAに入ろうとする車両は、レーンaに進入し、㋐車両検知器(SS1)を通過した上、㋑車両検知器(SS2)に至り、①発進制御機1手前で一時停 止する(その時点で①発進制御機1、④発進制御機2及び⑤発進制御機3の開閉バーはいずれも閉じている。)。 b ステップ2㋑車両検知器(SS2)が車両の通行を検知すると、③路側無線装置の通信機能が稼動し、③路側無線装置と車両に搭載されたETC車 載器との間でETC処理を行うための無線通信が行われ、車載器情報がチェックされて、無線通信が可能な場合は、課金のための入口情報が書き込まれる。 c ステップ3ステップ2の無線通信の結果、ETC処理 の間でETC処理を行うための無線通信が行われ、車載器情報がチェックされて、無線通信が可能な場合は、課金のための入口情報が書き込まれる。 c ステップ3ステップ2の無線通信の結果、ETC処理が可能と判定された場合 (通行料金の支払をETCで行う車両(以下「ETC車」という。ただし、本件明細書において、「ETC車」とは、「ETCによる料金徴収が可能な車両」と定義されている。)である場合)、⑤発進制御機3の開閉バーは閉じたまま、①発進制御機1及び④発進制御機2の開閉バーが開くとともに、⑧路側表示器に通行可表示がされることで、当 該車両は、レーンbを経由して双葉SAと接続するレーンcを通行し、双葉SAに入る。 d ステップ4ステップ2の無線通信の結果、ETC処理が行えないと判定された場合(③路側無線装置と車載器の間での通信不成立等により、正常に ETC処理が行えない車両(以下「異常ETC車」という。)及び通 行料金の支払をETC以外の支払手段で行う車両(ICカード未挿入も含む。)(以下「非ETC車」という。)の場合)、係員のボタン操作により、①発進制御機1の開閉バーと、④発進制御機2又は⑤発進制御機3の開閉バーのいずれかとを、同時に開くとともに、⑧路側表示器に「通行可」の表示又は「退出路」及び矢印の表示がされること により、当該車両は、レーンbを経由して、レーンc又は一般道路に接続するレーンdを通行し、レーンcを通行した場合は双葉SAに入り、レーンdを通行した場合は一般道路に合流する。 ①発進制御機1、④発進制御機2及び⑤発進制御機3と、②車両検知器(SS3)、⑥車両検知器(SS4)及び⑦車両検知器(SS5) とは、それぞれ対となって設置されており、ステップ3及び4において、各車両検知 、④発進制御機2及び⑤発進制御機3と、②車両検知器(SS3)、⑥車両検知器(SS4)及び⑦車両検知器(SS5) とは、それぞれ対となって設置されており、ステップ3及び4において、各車両検知器が車両の通過を検知すると、対応する各発進制御機の開閉バーが自動的に閉じる。 イ被告システム1-2について(ア) 被告システム1-2の構成配置等 被告システム1-2は、中央自動車道(上り線)に接続する双葉SAから一般道路に出るために設置された双葉SICの出口用設備であり、被告システム1-2の模式図、被告システム1-2を構成する各設備の名称、各設備の用途・目的、模式図との対応関係は、別紙被告設備図目録の「被告システム1-2」のとおりである。 (イ) 被告システム1-2の作動手順(ステップ)被告システム1-1は、通行する車両に対し、以下のとおり作動する。 a ステップ1中央自動車道(上り線)に接続する双葉SAから一般道路に出ようとする車両は、レーンaに進入し、㋑車両検知器(SS2)設置部に 至り、①発進制御機1手前で一時停止する。(その時点で①発進制御 機1、④発進制御機2及び⑤発進制御機3はいずれも閉じている)。 b ステップ2㋑車両検知器(SS2)が車両の通行を検知すると、③路側無線装置の通信機能が稼動し、③路側無線装置と車両に搭載されたETC車載器との間でETC処理を行うための無線通信が行われ、車載器情報 がチェックされて、無線通信が可能な場合は、課金情報が書き込まれる。 c ステップ3ステップ2の無線通信の結果、ETC処理が可能と判定された場合(ETC車の場合)、⑤発進制御機3の開閉バーは閉じたまま、①発 進制御機1と④発進制御機2の開閉バーが開き、⑧路側表示器に通行 ステップ2の無線通信の結果、ETC処理が可能と判定された場合(ETC車の場合)、⑤発進制御機3の開閉バーは閉じたまま、①発 進制御機1と④発進制御機2の開閉バーが開き、⑧路側表示器に通行可表示がされることで、当該車両は、レーンbを経由して一般道路に接続するレーンcを通行し、一般道路に合流する。 d ステップ4ステップ2の無線通信の結果、ETC処理が行えないと判定された 場合(異常ETC車及び非ETC車の場合)、係員のボタン操作により、①発進制御機1の開閉バーと、④発進制御機2又は⑤発進制御機3の開閉バーのいずれかを、同時に開くとともに、⑧路側表示器に「通行可」の表示又は「退出路」及び矢印の表示がされることにより、当該車両はレーンbを経由して、レーンc又は双葉SAと接続するレ ーンdを通行し、レーンcを通行した場合は、一般道路に合流し、レーンdを通行した場合は、双葉SAに入る。 ①発進制御機1、④発進制御機2及び⑤発進制御機3と、②車両検知器(SS3)、⑥車両検知器(SS4)及び⑦車両検知器(SS5)とは、それぞれ対となって設置されており、ステップ3及び4におい て、各車両検知器が車両の通過を検知すると、対応する各発進制御機 の開閉バーが自動的に閉じる。 ウ被告システム1-3及び1-4について(ア) 被告システム1-3及び1-4の構成配置等被告システム1-3は、一般道路から中央自動車道(下り線)に接続する双葉SAに入るために設置された双葉SICの入口用設備、被告 システム1-4は同双葉SAから一般道路に出るために設置された双葉SICの出口用設備であり、被告システム1-3及び1-4の模式図、同システムを構成する各設備の名称、各設備の用途・目的、模式図との対応関係は、それぞれ別紙 SAから一般道路に出るために設置された双葉SICの出口用設備であり、被告システム1-3及び1-4の模式図、同システムを構成する各設備の名称、各設備の用途・目的、模式図との対応関係は、それぞれ別紙被告設備図目録の「被告システム1-3」及び「被告システム1-4」のとおりである。 (イ) 被告システム1-3及び1-4の作動手順(ステップ)被告システム1-3については前記ア(イ)と、被告システム1-4については前記イ(イ)と、それぞれ同じ(ただし、中央自動車道(上り線)を中央道自動車道(下り線)と読み替える。)。 エ被告システム2-1ないし2-4 被告システム2-1ないし2-4の構成配置等及び作動手順(ステップ)については、被告システム2-1は前記アと、被告システム2-2は前記イと、被告システム2-3及び2-4は前記ウと、それぞれ同じ(ただし、中央自動車道を長野自動車道と、双葉SAを梓川SAと、別紙被告設備図目録の「被告システム1-1」ないし「被告システム1-4」 を「被告システム2-1」ないし「被告システム2-4」と、それぞれ読み替える。)。 オ被告システム3-1ないし3-4被告システム3-1ないし3-4の構成配置等及び作動手順(ステップ)については、被告システム3-1は前記アと、被告システム3-2は前 記イと、被告システム3-3及び3-4は前記ウと、それぞれ同じ(た だし、中央自動車道を名神高速道路と、双葉SAを湖東三山PAと、別紙被告設備図目録の「被告システム1-1」ないし「被告システム1-4」を「被告システム3-1」ないし「被告システム3-4」と、それぞれ読み替える。)。 カ被告システム4-1ないし4-4 被告システム4-1ないし4-4の いし「被告システム1-4」を「被告システム3-1」ないし「被告システム3-4」と、それぞれ読み替える。)。 カ被告システム4-1ないし4-4 被告システム4-1ないし4-4の構成配置等及び作動手順(ステップ)については、被告システム4-1は前記アと、被告システム4-2は前記イと、被告システム4-3及び4-4は前記ウと、それぞれ同じ(ただし、中央自動車道を東名高速道路と、双葉SAを愛鷹PAと、別紙被告設備図目録の「被告システム1-1」ないし「被告システム1-4」 を「被告システム4-1」ないし「被告システム4-4」と、それぞれ読み替える。)。 キ被告システム5-1ないし5-4被告システム5-1ないし5-4の構成配置等及び作動手順(ステップ)については、被告システム5-1は前記アと、被告システム5-2は前 記イと、被告システム5-3及び5-4は前記ウと、それぞれ同じ(ただし、中央自動車道を東名高速道路と、双葉SAを三方原PAと、別紙被告設備図目録の「被告システム1-1」ないし「被告システム1-4」を「被告システム5-1」ないし「被告システム5-4」と、それぞれ読み替える。)。 (8) 被告各システムの構成要件充足性被告各システムは、本件発明1に係る構成要件Dを充足する(弁論の全趣旨)。 争点 (1) 被告各システムが本件発明1の技術的範囲に属するか(争点1) (2) 被告各システムが本件発明2の技術的範囲に属するか(争点2) (3) 信義則違反ないし権利濫用(争点3)(4) 損害の発生及び額(争点4)争点に関する当事者の主張(1) 争点1(被告各システムが本件発明1の技術的範囲に属するか)について(原告の主張) ア構 権利濫用(争点3)(4) 損害の発生及び額(争点4)争点に関する当事者の主張(1) 争点1(被告各システムが本件発明1の技術的範囲に属するか)について(原告の主張) ア構成要件Aの充足性被告各システムは、サービスエリア又はパーキングエリア(以下「サービスエリア等」という。)において、ETC車専用出入口から当該サービスエリア等に出入りする車両を誘導するシステムであるから、構成要件Aを充足する。 これに対し、被告は、本件出願時の願書に添付した特許請求の範囲の当初請求項の数は18であり、その中には、請求項1とは別に、請求項4として、「一般道路と有料道路との間の料金所にETC専用レーンを有するインターチェンジに利用される車両誘導システムに於いて、路側アンテナと車載器との間で通信不能又は通信不可が発生したとき、車両が 前記ETC車用レーンから離脱しえる手段を設けたことを特徴とする、システム」が含まれていたが、原告代表者は、特許庁から拒絶理由通知を受け、本件特許の特許請求の範囲を、請求項1と2のみに限定する旨の補正を行ったことから、上記補正の経緯からすると、請求項1の技術的思想は、補正により削除された上記請求項4の技術的思想が除かれた ものと解すべきであるとして、「路側アンテナと車載器との間で通信不能又は通信不可が発生したとき、当該車両が前記ETC車用レーンから離脱」することは、構成要件Aの「車両を誘導するシステム」の構成から除かれていると主張する。しかし、ある請求項が削除されたからといって、当該請求項の技術的思想が排除されるものではない。 イ構成要件Bの充足性 被告各システムにおいては、サービスエリア等に出入りする車両を検知する②車両検知器(SS3)が設置さ 項の技術的思想が排除されるものではない。 イ構成要件Bの充足性 被告各システムにおいては、サービスエリア等に出入りする車両を検知する②車両検知器(SS3)が設置されている。そして、ETCによる料金徴収が可能で②車両検知器(SS3)を通過した車両は、被告各システムを通ってサービスエリア等に入る又は出ることになるから、②車両検知器(SS3)は「第1の検知手段」に該当し、被告各システム は、構成要件Bを充足する。 被告は、進行方向最も手前に配置された車両検知器を「第1の検知手段」と解するのが一般的な解釈であり、②車両検知器(SS3)は進行方向最も手前に配置された車両検知器に当たらないと主張するが、構成要件B及び本件明細書上、「第1の検知手段」が進行方向最も手前に配置 された車両検知器に限る旨の記載はないから、被告の主張は理由がない。 ウ構成要件Cの充足性前記イのとおり、②車両検知器(SS3)は、「第1の検知手段」に当たる。そして、被告各システムにおいては、②車両検知器(SS3)が車両を検知すると①発進制御機1の開閉バーを閉じるから、「第1の検知 手段」である②車両検知器(SS3)に対応して①発進制御機1が設けられているといえる。したがって、被告各システムの①発進制御機1は「第1の検知手段に対応して設置された第1の遮断機」に該当するから、被告各システムは、構成要件Cを充足する。 エ構成要件Eの充足性 (ア) 構成要件Eの解釈「ETCによる料金徴収が可能」な場合とは、無線通信が可能な場合であって、「ETCによる料金徴収が不可」な場合とは、車両が一般車(ETC車載器を搭載していない車両)である場合か、又は、ETC車載器を搭載していても正常な通信が行えない車両すなわち 信が可能な場合であって、「ETCによる料金徴収が不可」な場合とは、車両が一般車(ETC車載器を搭載していない車両)である場合か、又は、ETC車載器を搭載していても正常な通信が行えない車両すなわち無線通信が不 能又は不可な車両である場合であるから、構成要件Eにいう「ETCに よる料金徴収が可能か判定する」は「無線通信が可能か判定する」と同義である。 これに対し、被告は、「ETCによる料金徴収が可能か判定する」とは「ETC車かどうか(ETC車載器を搭載しているかどうか)の判定」であるなどと主張する。しかし、本件明細書には、「ETC車」とは、E TCによる料金徴収が可能な車両をいい、「一般車」とは、ETCシステムを利用出来ない車両を言う。」(【0006】)とあり、続けて「更に、ETC車であっても、その車載器が路側アンテナと正常通信が出来ない場合も起こり得る。例えば、車載器に対するETCカードの未挿入、不完全挿入、直前挿入等の場合である。」(【0007】)と記載がある。そ して、本件各発明は、このような一般車や正常通信ができないETC車の問題を解決すべく、「一般車がETC車用出入口に進入した場合又はETC車に対してETCシステムが正常に動作しない場合(路側アンテナと車載器の間で通信不能・不可)であっても、車両を安全に誘導する車両誘導システムを提供することを目的とする。」(【0010】)と明示さ れている。また、実施例に関しても、本件明細書には、「ゲート前アンテナ3との間で無線通信が可能と判定されたとき、」(【0034】)、「ゲート前アンテナ3との間で無線通信が不能又は不可と判定されたとき、」(【0035】)、「無線通信が不能・不可の車両が」(【0036】)との記載があるが、それらをまとめて、「ゲート前ア 34】)、「ゲート前アンテナ3との間で無線通信が不能又は不可と判定されたとき、」(【0035】)、「無線通信が不能・不可の車両が」(【0036】)との記載があるが、それらをまとめて、「ゲート前アンテナ3には、車両に搭載 されたETC車載器とデータを通信する通信手段および受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段とが備えられている。」(【0037】)と記載されている。これらの記載からすれば、構成要件Eにいう「ETCによる料金徴収が可能か判定する」は「無線通信が可能か判定する」と同義であるといえるから、被告の主張 する解釈は採り得ない。 (イ) 被告各システムが構成要件Eを充足すること被告各システムは、③路側無線装置が車両に搭載されたETC車載器との間で無線通信することで受信したデータ(通信が不能又は不可の場合にエラーとして取得される情報も当然含まれる。)を認識して、無線通信が可能か否かの判定を行っているから、「通信手段によって受信したデ ータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段」を備えているといえ、構成要件Eを充足する。 オ構成要件Fの充足性(ア) 構成要件Fの解釈構成要件Fの「ETCゲート」とは、有料道路料金所出入口におい て、料金を徴収又は精算するための情報(データ)の送受信を行うものである。 これに対し、被告は、本件明細書において、「路側アンテナ(ETCゲート)5から車載器に対する入口情報を受信して」(【0034】)、「入口情報の送信」(【0043】)などと記載されていることからする と、構成要件Fの「ETCゲート」は入口情報のみを送受信するものと解されるが、そのような「ETCゲート」を出口に設置することは無意味で 送信」(【0043】)などと記載されていることからする と、構成要件Fの「ETCゲート」は入口情報のみを送受信するものと解されるが、そのような「ETCゲート」を出口に設置することは無意味であるから、結局、構成要件Fの「ETCゲート」なるものの意義が不明であるなどと主張する。しかし、上記の記載は、有料道路の入口料金所で使用するETCシステムを利用した車両誘導システム の実施例(【図3】、【図4】)に関する説明のため、「入口情報」の送受信に関する記載となっているものであって、有料道路料金所出口においては、ETCゲートが料金を徴収又は精算するための情報(データ)の送受信を行うことは明らかである。 また、入口料金所と出口料金所とでETCゲート(アンテナ)の機 能・動作が違うことは、本件明細書の【0003】において、「図2に 示すように、多くの有料道路で使用される入口発券方式においては、入口料金所で、路側アンテナ3、5から車載器20に入口情報を無線送信し、有料道路7を走行後、出口料金所で、車載器20から路側アンテナ3、5に入口情報を無線送信し、別途備える料金計算コンピュータで料金計算を行なって、その料金情報を路側アンテナ3、5から 車載器20に向けて無線送信している。」と正しく記載されている。そもそも、上記の記載は、本件特許の出願当時に公知であったETCアンテナに関する技術事項に係るものであるから、背景技術の欄に簡単に説明があれば足り、その後の実施形態等の説明では適宜省略しても何ら問題ない。 さらに、本件明細書においては、「路側アンテナであるゲート前アンテナ3とETCゲート5を一緒にして、ゲート前アンテナ3の地点に設置し、無線通信が可能であるか否かの判定と可能な場合に さらに、本件明細書においては、「路側アンテナであるゲート前アンテナ3とETCゲート5を一緒にして、ゲート前アンテナ3の地点に設置し、無線通信が可能であるか否かの判定と可能な場合に入口情報の送信とを一度に実行してもよい。」(【0043】)との記載があり、通信手段である「ゲート前アンテナ」と「ETCゲート」の機能を一 つの構成要素で兼ねることも示唆されている。 以上によれば、構成要件Fの「ETCゲート」とは、有料道路料金所出入口において、料金を徴収又は精算するための情報(データ)の送受信を行うものであることは明らかである。 (イ) 被告各システムが構成要件Fを充足すること 前記(ア)のとおり、構成要件Fの「ETCゲート」とは、有料道路料金所出入口において、料金を徴収又は精算するための情報(データ)の送受信を行うものであるから、被告各システムの③路側無線装置は「ETCゲート」に該当する。そして、被告各システムは、③路側無線装置によって受信したデータでETCによる料金徴収が可能と判断 (無線通信が可能と判断)された場合、①発進制御機1及び④発進制 御機2の開閉バーが開くとともに、⑧路側表示器に「↑通行可直進」と表示されるが、その際、⑤発進制御機3の開閉バーは閉じたままであるので、当該車両は、⑧路側表示器、①発進制御機1及び④発進制御機2の開閉状態に従ってレーンabcを通行し、サービスエリア等又は一般道路へと進行する。 つまり、被告各システムは、ETCによる料金徴収が可能な車両を、③路側無線装置を通って、サービスエリア等に入るルート又はそれらから出るルートへ通じるレーンabcへ誘導しているので、⑧路側表示器、①発進制御機1及び④発進制御機2が「誘導手段」に、 可能な車両を、③路側無線装置を通って、サービスエリア等に入るルート又はそれらから出るルートへ通じるレーンabcへ誘導しているので、⑧路側表示器、①発進制御機1及び④発進制御機2が「誘導手段」に、レーンabcが「第1のレーン」に、それぞれ該当する。 さらに、③路側無線装置によって受信したデータでETCによる料金徴収が不可と判断(無線通信が不能又は不可と判断)された場合、⑧路側表示器に「ETCカード挿入異常」、「インターホンでご案内します」、「STOP 停車お待ち下さい」などと表示され、①発進制御機1及び⑤発進制御機3の開閉バーが開くとともに、⑧路側表示器に 「退出路」及び矢印の表示がされ、他方④発進制御機2の開閉バーは閉じたままであるので、当該車両は、⑧路側表示器、①発進制御機1及び⑤発進制御機3の開閉状態に従ってレーンabdを通行するところ、レーンabdは、当該車両が通過しようとしたETC車専用出入口手前又は一般道路へ通じている。 つまり、被告各システムは、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度ETC車専用出入口手前又は一般道路へ通じるレーンabdへ誘導しているので、⑧路側表示器、①発進制御機1及び⑤発進制御機3が「誘導手段」に、レーンabdが「第2のレーン」に、それぞれ該当する。 したがって、被告各システムは、構成要件Fを充足する。 カ構成要件G、H、I及びJの充足性前記オのとおり、被告各システムにおいて、④発進制御機2及び⑤発進制御機3は、車両を誘導するものであって、それぞれレーンc及びレーンdに設けられている。 また、⑥車両検知器(SS4)は、④発進制御機2を通過した車両を 検知するものであり、⑦車両検知器(SS5)は、⑤発進制御機3を通過した車両を検知する レーンc及びレーンdに設けられている。 また、⑥車両検知器(SS4)は、④発進制御機2を通過した車両を 検知するものであり、⑦車両検知器(SS5)は、⑤発進制御機3を通過した車両を検知するものである。さらに、当該車両の通過の際、②車両検知器(SS3)が車両を検知すると①発進制御機1の開閉バーが、⑥車両検知器(SS4)が車両を検知すると④発進制御機2の開閉バーが、⑦車両検知器(SS7)が車両を検知すると⑤発進制御機3の開閉 バーが、それぞれ閉じられる。 このことからすると、被告各システムの④発進制御機2及び⑤発進制御機3は、それぞれ、「第2の遮断機」及び「第3の遮断機」に該当し、②車両検知器(SS3)、⑥車両検知器(SS4)及び⑦車両検知器(SS5)は、それぞれ、「第1の検知手段」、「第2の検知手段」及び「第3 の検知手段」に該当するといえる。 加えて、前記アのとおり、被告各システムが車両を誘導するシステムであることは明らかである。 したがって、被告各システムは、構成要件G、H、I及びJを充足する。 キ小括以上によれば、被告各システムは、本件発明1の技術的範囲に属する。 (被告の主張)ア構成要件Aの充足性(ア) 「有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置され ている、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステム」 の解釈本件親出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の請求項1には、「一般道路と有料道路との間の料金所にETC専用レーンを有するインターチェンジに利用される車両誘導システムに於いて」と記載されており、「サービスエリア又はパーキングエリア」の記載は、その後の補正 により追加されたものである。この追加について、補正要 するインターチェンジに利用される車両誘導システムに於いて」と記載されており、「サービスエリア又はパーキングエリア」の記載は、その後の補正 により追加されたものである。この追加について、補正要件に反しない解釈をするならば、「サービスエリア又はパーキングエリア」の記載は独自の意味を有しないと解するほかないから、本件親出願の分割出願である本件特許の特許請求の範囲の請求項1における構成要件Aの「サービスエリア又はパーキングエリア」の記載も、独自の意味を有しない。 また、原告代表者は、特許庁から拒絶理由通知を受け、本件出願時の願書に添付した特許請求の範囲の請求項4「一般道路と有料道路との間の料金所にETC専用レーンを有するインターチェンジに利用される車両誘導システムに於いて、路側アンテナと車載器との間で通信不能又は通信不可が発生したとき、車両が前記ETC車用レーンから離脱しえる 手段を設けたことを特徴とする、システム」を削除し、特許請求の範囲を請求項1と2のみに限定する旨の補正を行ったが、本件各発明と上記請求項4の発明は、異なる技術的思想に基づくものである。そうすると、上記補正によって、請求項1の技術的思想は、補正により削除された上記請求項4の技術的思想が除かれたものと解すべきである。したがって、 「路側アンテナと車載器との間で通信不能又は通信不可が発生したとき、当該車両が前記ETC車用レーンから離脱」することは、構成要件Aの「車両を誘導するシステム」の構成から除かれている。 上記の点に加え、高速道路の出入口には入口と出口を兼ねるものが存在しないことは当業者の技術常識であることからすると、構成要件Aは、 ETC車専用入口から有料道路に入る車両及びETC車専用出口から有 料道路を出る車両を誘導するシ を兼ねるものが存在しないことは当業者の技術常識であることからすると、構成要件Aは、 ETC車専用入口から有料道路に入る車両及びETC車専用出口から有 料道路を出る車両を誘導するシステムと解釈すべきである。 (イ) 被告各システムが構成要件Aを充足しないこと被告各システムは、料金収受設備に進入する車両がETCによる課金処理が可能であることを前提としており、料金収受処理の完了した車両が料金収受設備を通過することを許容しているだけであるから、ETC 車専用入口から有料道路に入る車両及びETC車専用出口から有料道路を出る車両を誘導していない。被告各システムでは、ETC車専用レーンにおいて、非ETC車(ETC車載器を搭載した、ETCカード未挿入の車両、ETCカード不完全挿入の車両及びETCカード直前挿入の車両並びにETC車載器を搭載していない車両)と異常ETC車(ET C車載器を搭載し料金収受処理が正常に完了しなかった車両)は、通過が許可されず、人手による状況確認が行われ、その結果に応じて、必要な場合には料金収受設備から退出させるための誘導を行うが、同誘導は、上記のとおり構成要件Aの構成に含まれないものである。 以上によれば、被告各システムは、構成要件Aの「ETC車専用出入 口から出入りをする車両を誘導するシステム」には該当しない。 イ構成要件Bの充足性(ア) 構成要件Bの解釈前記アの解釈を踏まえると、構成要件Bの「前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りする車両」とは、有料道路 料金所に入る又は出る車両と解釈すべきである。また、仮に、「有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両」を、「有料道路料金所、サービスエリア又はパーキン 、有料道路 料金所に入る又は出る車両と解釈すべきである。また、仮に、「有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両」を、「有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りする意図をもって料金収受設備に進入する車両」と解したとしても、複数の車両検知手段が設置されている状況では、「第1の検知手段」とは、 進行方向最も手前に配置されたものと解するのが一般的な解釈である。 (イ) 被告各システムが構成要件Bを充足しないこと被告各システムでは、目的に応じて複数の車両検知機が設置されているが、いずれの車両検知器も、有料道路料金所に進入した車両のうち、ETC車専用レーンに進入した車両を検知するのであって、有料道路料金所に入る又は出る車両を検知するものではない。 また、被告各システムでは、サービスエリア等への進入路(高速道路入口)に設けられた料金収受設備であれば㋐車両検知器(SS1)が、サービスエリア等からの退出路(高速道路出口)に設けられた料金収受設備であれば㋑車両検知器(SS2)が、進行方向最も手前に配置された検知手段に該当するが、いずれの車両検知器も、有料道路料金所、サ ービスエリア等に出入りをする車両を検知するものではないから、被告各システムにおいて「第1の検知手段」は存在しない。 これに対し、原告は、②車両検知器(SS3)が「第1の検知手段」に当たると主張するが、②車両検知器(SS3)は、進行方向最も手前に配置された検知手段ではないし、①発信制御機1の開閉バーの閉のた めに車両を検知するものであるから、有料道路料金所、サービスエリア等に出入りをする車両を検知する「第1の検知手段」には当たらない。 以上によれば、被告各システムは、構成要件Bを充足しない。 めに車両を検知するものであるから、有料道路料金所、サービスエリア等に出入りをする車両を検知する「第1の検知手段」には当たらない。 以上によれば、被告各システムは、構成要件Bを充足しない。 ウ構成要件Cの充足性前記イのとおり、被告各システムにおいて、構成要件Bの規定する 「第1の検知手段」は存在しないから、それに対応する遮断機も存在しない。 この点、原告は、②車両検知器(SS3)を第1の検知手段とみなし、被告システムの①発進制御機1が②車両検知器(SS3)に対応し、構成要件Cの「第1の遮断機」に該当すると主張しているが、②車両検知 器(SS3)は、①発進制御機1の開閉バーを閉じるタイミングを得る ものにすぎず、①発進制御機1の開放には一切関与していないから、被告各システムは、構成要件Cを充足しない。 エ構成要件Eの充足性(ア) 構成要件Eの解釈本件明細書の実施例の記載を見ると、「ゲート前アンテナ3との間で無 線通信が可能と判定されたとき…有料道路7へと進むことが出来る。」(【0034】)、「ゲート前アンテナ3との間で無線通信が不能又は不可と判定されたとき…選択する地点に戻る。」(【0035】)、「図4に戻り、ゲート前アンテナ3には、車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段および受信したデータを認識して、ETCによる料金徴 収が可能か判定する判定手段とが備えられている。」(【0037】)と記載され、無線通信が可能であるか否かの判定とETCによる料金徴収が可能か否かの判定とが明確に書き分けられていることから、本件各発明の基本思想において、「ETCによる料金徴収が可能か判定」とは無線通信が可能であるか否かの判定と異なるものであることは明らかである。 かの判定とが明確に書き分けられていることから、本件各発明の基本思想において、「ETCによる料金徴収が可能か判定」とは無線通信が可能であるか否かの判定と異なるものであることは明らかである。 そして、本件明細書【0006】の「この出願書類では、「ETC車」とは、ETCによる料金徴収が可能な車両をいい、「一般車」とは、ETCシステムを利用出来ない車両を言う。」との記載を踏まえると、構成要件Eの「ETCによる料金徴収が可能か判定」とは、ETC車かどうか(ETC車載器を搭載しているかどうか)の判定を意味すると解さ れる。 (イ) 被告各システムが構成要件Eを充足しないこと被告各システムにおいては、ETC車用レーンに進入する車両について、ETC車載器を搭載している車両か、一般車であるかを区別する判定は行われていない。したがって、被告各システムは、構成要件Eを充 足しない。 オ構成要件Fの充足性(ア) 構成要件Fの解釈本件明細書の【0034】及び【0043】の記載に照らすと、構成要件Fの「ETCゲート」とは、「入口情報を送信する路側アンテナ」であり、有料道路料金所に設けられ、車載器に対して入口情報を送信する ものである。そうすると、ETCゲートを有料道路料金所の本線出口又はサービスエリア等の有料道路出口に設置することにより、出口において無用な入口情報をETC車に送信してしまうことになるため、有料道路料金所の本線出口又はサービスエリア等の有料道路出口にETCゲートが設置されることはあり得ない。また、構成要件Fが「ETCゲート を通って」有料道路料金所又はサービスエリア等に入ることを規定していることからすると、有料道路料金所よりも手前に配置される「ETCゲート」がいかなるものであ また、構成要件Fが「ETCゲート を通って」有料道路料金所又はサービスエリア等に入ることを規定していることからすると、有料道路料金所よりも手前に配置される「ETCゲート」がいかなるものであるか不明である。以上によれば、構成要件Fの「ETCゲート」の意義は不明であって、被告各システムの構成要素に対応させることができないというべきである。 仮に、サービスエリア等に設けられた被告各システムにおける③路側無線装置が「ETCゲート」に当たるとしても、構成要件Fの「第1のレーン」及び「第2のレーン」については、以下のとおり解釈すべきである。 まず、「第1のレーン」については、構成要件Fが、「第1のレーン」 は「ETCゲートを通ってサービスエリア又はパーキングエリアに入るルートへ通じる」と規定していることからすると、サービスエリア等に設けられた料金収受設備として有料道路へ進入するための経路に設置されたものについては、「第1のレーン」は、ETCゲートよりも進行方向手前に位置するもの、すなわち、料金収受設備への進入路となる。 次に、「第2のレーン」については、前記アのとおり、本件特許の特 許請求の範囲の請求項1の技術的思想は、補正により削除された請求項4の技術的思想が除かれたものと解されることから、構成要件Fの「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車専用出入口に通じる第2のレーン」からは「路側アンテナと車載器との間で通信不能又は通信不可が発生したとき、車両が前記ETC車用レーンから離脱しえ る手段」が除外されていると解すべきである。 また、原告は、本件明細書【0043】の記載を根拠に、本件発明には、ETCゲートと【図4】に示される実施形態におけるゲート前アンテナ(通信手段)3を兼ねる形態 」が除外されていると解すべきである。 また、原告は、本件明細書【0043】の記載を根拠に、本件発明には、ETCゲートと【図4】に示される実施形態におけるゲート前アンテナ(通信手段)3を兼ねる形態も含まれ得る旨主張するが、この記載は、削除された当初の請求項4に係る発明の実施形態を説明するもので あるから、本件発明1の解釈において参酌することは誤りである。 (イ) 被告各システムが構成要件Fを充足しないこと。 前記(ア)のとおり、構成要件Fの「ETCゲート」の意義が不明である以上、被告各システムに「ETCゲート」なるものは存在しない。 また、仮に、原告が主張するとおり、③路側無線装置を「ETCゲー ト」と解した場合、被告各システムでは③路側無線装置の手前において「第1のレーン」は存在せず、したがって、「第1のレーン」への車両の誘導も行っていない。 さらに、被告各システムは、非ETC車と異常ETC車をETC車用レーンから離脱させるための退出手段を設けており、同退出手段は、 「車両が前記ETC車用レーンから離脱し得る手段」に相当するものの、前記(ア)のとおり、「路側アンテナと車載器との間で通信不能又は通信不可が発生したとき、車両が前記ETC車用レーンから離脱し得る手段」が構成要件Fから除外されている結果、被告各システムにおける非ETC車と異常ETC車をETC車用レーンから離脱させるための退出手段 は、構成要件Fの「第2のレーン」に該当しない。 したがって、被告各システムは、構成要件Fを充足しない。 カ構成要件G、H、I及びJの充足性被告各システムは、前記ウのとおり、構成要件Cを充足せず、また、前記オのとおり、構成要件Fを充足しないから、構成要件G、H及びIも充足しない。 さらに、 構成要件G、H、I及びJの充足性被告各システムは、前記ウのとおり、構成要件Cを充足せず、また、前記オのとおり、構成要件Fを充足しないから、構成要件G、H及びIも充足しない。 さらに、前記アのとおり、被告各システムは、ETC車用レーンにおいて、非ETC車と異常ETC車のみを誘導するシステムであるから、構成要件Jの「車両誘導システム」を充足しない。 キ小括以上によれば、被告各システムは、本件発明1の技術的範囲に属しな い。 (2) 争点2(被告各システムが本件発明2の技術的範囲に属するか)について(原告の主張)被告各システムは、⑦車両検知器(SS5)が車両の通過を検知すると⑤発進制御機3の開閉バーを閉じるから、被告各システムは、構成要件Kを充 足する。 したがって、被告各システムは、本件発明2の技術的範囲に属する。 (被告の主張)前記(1)(被告の主張)のとおり、被告各システムは本件発明1の技術的範囲に属さず、また、構成要件Gの規定する「第3の遮断機」を有しないか ら、構成要件Kを充足しない。 したがって、被告各システムは、本件発明2の技術的範囲に属しない。 (3) 争点3(信義則違反ないし権利濫用)について(被告の主張)被告は、道路公団の民営化により、高速道路株式会社法に基づいて設立 され、高速道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理を効率的に行うこ と等により、道路交通の円滑化を図り、もって国民経済の健全な発展と国民生活の向上に寄与することを目的とする株式会社であって(同法1条)、公益性を有する会社である。そして、SICとは、既存の高速道路の有効活用や、地域生活の充実、地域経済の活性化を推進することを目的に導入されているETC専用インターチェンジ 会社であって(同法1条)、公益性を有する会社である。そして、SICとは、既存の高速道路の有効活用や、地域生活の充実、地域経済の活性化を推進することを目的に導入されているETC専用インターチェンジである。 他方で、原告は、このような高速道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理を効率的に行うこと等とは無関係の一私企業にすぎない。しかも、原告は、本件各発明の発明者ではなく、本件特許権の設定登録がされた後、発明者から本件特許権の譲渡を受けた者にすぎない。それにもかかわらず、原告は、本件特許発明がETCに多少なりとも関わりがあることを奇貨と して、不当な利得を図るために殊更本件特許権を譲り受けた上、被告を含む高速道路株式会社法に基づいて設立された法人に対してライセンス料の支払を求め、同法人らがそれに応じないとみるや、特許権侵害に基づく損害賠償請求をしており、このような行為は、上記高速道路株式会社法1条の定める公益に反し、一人原告のみが国民全体の損害において利得を得よ うとするものである。すなわち、原告のこのような行為は、単に特許権の行使という外形を構えるに止まり、真に権利を救済しようとするものでないことは、明白であって、全体において、専ら不当な利益の獲得を目的として特許権を持ってその具に供するものであるから、社会通念上特許権の目的に違背し、その機能として許されるべきものではない。 よって、本件訴訟における原告の請求自体、信義則に反し又は権利濫用に当たるものであって、許されない。 (原告の主張)原告代表者は、本件各発明の発明者であるから、原告代表者の保有特許権を同人を代表者とする法人である原告が譲り受けることは、何ら不当ではな い。また、原告が、被告の事業内容に無関係な事業しか行っていな 表者は、本件各発明の発明者であるから、原告代表者の保有特許権を同人を代表者とする法人である原告が譲り受けることは、何ら不当ではな い。また、原告が、被告の事業内容に無関係な事業しか行っていないからと いって、被告に対して権利行使を行うことが不当な利益の獲得を目的としているとはいえない。 被告の主張は、公共性を有する会社の行う事業においては特許権者が権利主張をすることができないと言っているのと同じである。 公共工事においても、第三者の特許権等の知的財産権を実施又は使用する 場合には、権利者から許諾を受けるのが当然であって、原告の権利行使は信義則違反ないし権利濫用には該当しない。 (4) 争点4(損害発生の有無及び額)について(原告の主張)ア被告各システムの売上金額 (ア) 被告各システムの車両通行量被告は、被告各システムにつき、本件特許権の登録日である平成29年6月16日以降、これらを継続的に使用して、被告各システムを通過する車両から利用料を徴収した。原告が入手できる一般的な資料(雑誌「高速道路と自動車」、公益財団法人高速道路調査会発行)から 把握できた平成29年6月16日から令和4年9月30日の期間における被告各システムの車両通行量は、別紙「被告システム1~5の車両通行量(日平均通行量から推計)」に記載のとおりである。 (イ) 被告の売上金額被告各システムの使用による売上金額(平成29年6月16日から令 和4年9月30日までの間)は、通行車両から徴収する利用料であり、その額は、以下のとおり算定される。 a ターミナルチャージ被告は、各有料道路を通行する車両につき、150円のターミナルチャージを徴収している。ターミナルチャージとは、利用距離に関係 なく固定的に 以下のとおり算定される。 a ターミナルチャージ被告は、各有料道路を通行する車両につき、150円のターミナルチャージを徴収している。ターミナルチャージとは、利用距離に関係 なく固定的に徴収される料金であり、被告が設置管理する高速道路で は、利用1回当り(入/出)、150円と設定されている。そうすると、被告各システムを利用して有料道路を使用する車両は、被告各システムの「入」又は「出」に際し、150円の半分である75円を負担しているといえるから、同額は売上金額算定の基礎となる。 b 走行距離に応じた通行料金 原告は、走行距離に応じて料金を徴収しており、その額は、有料道路であれば、原則24.6円/kmである。そして、少なくとも、被告各システムを利用する車両が支払う走行料金のうち、被告各システムと一つ隣のインターチェンジとの間を走行することによる料金部分(すなわちこの走行距離に応じて支払う料金の最低額)については、 被告各システムの売上げとみなすことができるから、被告各システムの利用による売上金額として考慮される。 c ターミナルチャージと走行距離に応じた通行料金の合計額(a) 被告システム1双葉SICの隣接インターチェンジは、甲府昭和IC(距離5km) 及び韮崎IC(距離6.2km)であり、平均5.6kmの距離にあるから、当該距離の通行料金は138円となり、これとターミナルチャージの75円と合計すると213円である。 (b) 被告システム2梓川SICの隣接インターチェンジは、安曇野IC(距離3.7k m)及び松本IC(距離3.6km)であり、平均3.65kmの距離にあるから、当該距離の通行料金は90円となり、これとターミナルチャージの75円と合計すると1 ジは、安曇野IC(距離3.7k m)及び松本IC(距離3.6km)であり、平均3.65kmの距離にあるから、当該距離の通行料金は90円となり、これとターミナルチャージの75円と合計すると165円である。 (c) 被告システム3湖東三山SICの隣接インターチェンジは、八日市IC(距離10. 1km)及び彦根IC(距離11.2km)であり、平均10.65 kmの距離にあるから、当該距離の通行料金は262円となり、これとターミナルチャージの75円を合計すると337円である。 (d) 被告システム4愛鷹SICの隣接インターチェンジは、沼津IC(距離2.6km)及び富士IC(距離15.6km)であり、平均9.1kmの距離に あるから、当該距離の通行料金は224円となり、これとターミナルチャージの75円を合計すると299円である。 (e) 被告システム5三方原SICの隣接インターチェンジは、浜松IC(距離4.9km)及び浜松西IC(距離5.6km)であり、平均5.25kmの 距離にあるから、当該距離の通行料金は129円となり、ターミナルチャージの75円と合計すると204円である。 (ウ) 被告各システムの売上金額被告各システムを使用した平成29年6月16日から令和4年9月30日までの被告の売上金額は、上記(ア)の車両通行量に上記(イ)cの1 台当たりの平均的な徴収金額を乗じることにより算定されるところ、その金額は、別紙「被告システム1~5に関する損害金額」の「売上高(税抜き)」の各合計欄に記載のとおりである。 イ実施料相当額被告による本件発明1及び2の使用に対し原告が受けるべき金銭の額 は、通過車両の徴収利用料金の5パーセントを下らない。また、本件の損害賠償金は、特許権の侵害 おりである。 イ実施料相当額被告による本件発明1及び2の使用に対し原告が受けるべき金銭の額 は、通過車両の徴収利用料金の5パーセントを下らない。また、本件の損害賠償金は、特許権の侵害に基づく損害賠償金であり、消費税の課税対象となるので、上記ア(ウ)の売上金額に消費税相当額を上乗せするのが相当である。したがって、令和元年9月までは8パーセントを、同10月以降は10パーセントを、それぞれ売上金額に乗じて算定した金額を、 各売上金額に上乗せするべきである。 以上により算定される被告各システムの使用に関する消費税を含む実施料相当額は、別紙「被告システム1~5に関する損害金額」の「実施料相当額」の各合計額欄に記載のとおりであり、それらの合計額は6億0782万3265円である。 ウ弁護士費用 本件損害賠償請求に関する弁護士費用相当の損害額は、前記イの損害賠償金額の10パーセントを下るものではないから、本件請求と相当因果関係のある損害金としての弁護士費用は、被告各システムの実施料相当額の10パーセントである6078万2329円である。 エ小括 以上によれば、被告による本件特許権の侵害に基づく損害額の合計は、6億6860万5594円である。 そして、被告各システムは、平成29年6月16日から令和4年9月30日までの間、継続的に使用されているところ、令和2年4月1日の改正民法施行により民事法定利率が変更されたから、本件特許権の設定登 録日である平成29年6月16日から令和2年3月31日までの被告各システムの使用により生じた損害である3億4352万3659円に対しては令和2年3月31日から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金及びうち令和2年 令和2年3月31日までの被告各システムの使用により生じた損害である3億4352万3659円に対しては令和2年3月31日から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金及びうち令和2年4月1日から令和4年9月30日までの被告各システムの使用により生じた損害である3億2508万 1935円に対しては令和4年9月30日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金が発生している。 (被告の主張)ア特許法102条3項の算定方法仮に、特許権侵害があるとしても、被告が行う高速道路事業は、利益 を得るために行われるものではなく、SICも地域住民の利便性の向上 を図るなど公益のために建設されたものである。したがって、一般的な営利企業に妥当する侵害品の売上高を基準とする算定方法を本件特許権侵害において用いることは相当ではなく、本件特許権侵害による特許法102条3項に基づく算定については、侵害品の売上高を基準としない算定方法を採用すべきである。すなわち、被告のように利益を生み出さ ない事業活動において実施が必要となる特許発明の実施料相当額は、当該実施に係る設備工事の契約によって生じる設備費用に基づき、この設備費用に付加する必要があるその他費用の金額と解するのが相当である。 イ設備費用本件各発明にはETCシステムが含まれているが、ETCシステム自 体は周知技術であるから、設備費用の算定に当たっては、ETCシステムの構成に含まれていない部分、すなわちSIC設備に特有な部分である退出路部分の設備である⑤発進制御機3及び⑦車両検知器(SS5)のみが、その対象となると解される。これを前提とした被告各システムの設備費用は、以下のとおりである。 被告システム1 179 る退出路部分の設備である⑤発進制御機3及び⑦車両検知器(SS5)のみが、その対象となると解される。これを前提とした被告各システムの設備費用は、以下のとおりである。 被告システム1 1797万1206円被告システム2 1747万2656円被告システム3 2703万8175円被告システム4 3744万1950円被告システム5 3318万5589円 ウその他費用設備費用に対するその他費用の比率は通常3パーセントが相当であるが、本件各発明は公知技術のみを利用しており、かつ、第三者権利を侵害する可能性が高いことを踏まえると、2パーセントが相当である。したがって、前記イの被告各システムの設備費用に2パーセント乗じた額 がその他費用となるところ、その金額は以下のとおりであるから、これ らの合計額である266万2190円が本件各発明に係る実施料に当たる。 被告システム1 35万9424円被告システム2 34万9453円被告システム3 54万0763円 被告システム4 74万8839円被告システム5 66万3711円エ売上げから算定する場合の実施料率仮に、原告が主張する算定方法に拠ったとしても、実施料率は2パーセントとすべきである。 第3 当裁判所の判断本件明細書の記載事項等(1) 本件明細書(甲2)には、以下の記載がある(下記記載中に引用する図面については、別紙本件明細書図面目録参照。)。 ア 【技術分野】 【0001】本発明は車両誘導システムに関し、更に具体的には有料道路の出入口に設置されたETC車用出入口に利用される車両を安全に誘導する車両誘導システムに関する。 イ 【背景技術】 【0002】近年、有料道路の料金所にETC 、更に具体的には有料道路の出入口に設置されたETC車用出入口に利用される車両を安全に誘導する車両誘導システムに関する。 イ 【背景技術】 【0002】近年、有料道路の料金所にETCシステム(ElectronicTollCollectionSystem:ノンストップ料金自動支払いシステム)が設置されるようになってきた。図1に示すように、ETCシステムは、料金所ゲートに設置した路側アンテナ3、 5と、車両14に装着した車載器20との間で無線通信を用いて自動 的に通行料金の決済を行ない、料金所をノンストップで通行することができるシステムである。…【0003】図2に示すように、多くの有料道路で使用される入口発券方式においては、入口料金所で、路側アンテナ3、5から車載器20に入口情報 を無線送信し、有料道路7を走行後、出口料金所で、車載器20から路側アンテナ3、5に入口情報を無線送信し、別途備える料金計算コンピュータで料金計算を行なって、その料金情報を路側アンテナ3、5から車載器20に向けて無線送信している。都市内高速道路のような均一料金の単純徴収方式では、入口から出口までの間の少なくとも 1カ所に、このようなETCが設置されていればよい。なお、路側アンテナ3、5は1本又は2本以上であってよい。 ウ 【発明が解決しようとする課題】【0006】しかし、現時点では全車両がETCシステム対応車ではないので、有 料道路の料金所のレーンには、「ETC専用」と表示されたETC車専用レーンと、「ETC一般」と表示されたETC車も一般車も混在して通れるレーンと、「一般」と表示されたETCシステムを利用出来ないレーンとが混在している。このため、一般車が誤ってETC車専用レーンに進入する場合 ETC一般」と表示されたETC車も一般車も混在して通れるレーンと、「一般」と表示されたETCシステムを利用出来ないレーンとが混在している。このため、一般車が誤ってETC車専用レーンに進入する場合が起こり得る。なお、この出願書類では、「ETC 車」とは、ETCによる料金徴収が可能な車両をいい、「一般車」とは、ETCシステムを利用出来ない車両を言う。 【0007】更に、ETC車であっても、その車載器が路側アンテナと正常通信が出来ない場合も起こり得る。例えば、車載器に対するETCカードの 未挿入、不完全挿入、直前挿入等の場合である。 【0008】このような場合、開閉バーが下りて進行出来なくなるので、車両を止めてインターホンで係員を呼び出す必要がある。これにより、料金所の渋滞が助長され、ETCの本来の目的に沿わなくなる。また、開閉バーが下りて通行を止められた車両が、レーンからバック走行をして 出ようとすると、後続の車両と衝突するおそれもあり、非常に危険である。 エ 【課題を解決するための手段】【0010】従って、本発明は、一般車がETC車用出入口に進入した場合又はE TC車に対してETCシステムが正常に動作しない場合(路側アンテナと車載器の間で通信不能・不可)であっても、車両を安全に誘導する車両誘導システムを提供することを目的とする。 【0011】更に本発明は、ETCシステムを利用した車両誘導システムにおいて、 例えば、逆走車の走行を許さず、或いは先行車と後続車の衝突を回避し得る、安全な車両誘導システムを提供することを目的とする。 【0012】上記目的に鑑みて、本発明に係る車両誘導システムは、一般道路と有料道路との間の料金所にETC車用レーンを有するインターチェンジ な車両誘導システムを提供することを目的とする。 【0012】上記目的に鑑みて、本発明に係る車両誘導システムは、一般道路と有料道路との間の料金所にETC車用レーンを有するインターチェンジ に利用される車両誘導システムであって、路側アンテナと車載器と間で通信不能又は通信不可が発生したとき、車両が前記ETC車用レーンから離脱しえる手段を設けたことを特徴とする。 【0013】更に、上述の車両誘導システムにおいて、前記ETC車用レーンから 離脱しえる手段は、前記ETC車用レーンから分岐して前記車両が前 記料金所へ再進入するレーン又は一般者用レーンへ誘導されるレーンとすることができる。 【0014】更に、上述の車両誘導システムにおいて、前記路側アンテナは、車載器との間で無線通信可能か否かを判定するためのゲート前アンテナと 入口情報及び料金情報の送受信を行なうETCアンテナとを有するようにすることもできる。 【0015】更に、上述の車両誘導システムにおいて、前記システムは、遮断機、第1の車両検知装置、ゲート前アンテナ、第2の車両検知装置、誘導手 段、第3の車両検知装置、第4の車両検知装置及びETCゲートを有し、前記第1の車両検知装置が車両の進入を検知すると、前記遮断機を閉じて後続車との間を一定の間隔を空けるようにし、前記第2の車両検知装置が進入車両を検知すると、車両がゲート前アンテナを通過したことを確認して、このタイミングで通信可能又は通信不能・不可のいずれであ るかを判定し、前記第3又は第4の車両検知装置が進入車両を検知すると、後続車のために前記遮断機を開くようにすることもできる。 【0016】更に、上述の車両誘導システムにおいて、少なくとも1つの誘導装置を有し、前記ゲート前アン 両検知装置が進入車両を検知すると、後続車のために前記遮断機を開くようにすることもできる。 【0016】更に、上述の車両誘導システムにおいて、少なくとも1つの誘導装置を有し、前記ゲート前アンテナが車載器との間で通信可能又は通信不 可・不能と判定したとき、その判定結果に基づいて前記誘導装置により車両を所定の誘導先に誘導するようにすることもできる。 【0017】更に、本発明に係る車両誘導システムは、ETC車載器搭載車が一般道路と有料道路との出入りをする時に、ETC車専用出入口から出入り をする車両を誘導するシステムであって、一般道路と有料道路との出入 りをする車両を検知する検知手段と、車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段と、前記通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段と、前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車両を、ETCゲートを通って一般道路から有料道路へ入る、または有料 道路から一般道路へ出るルートへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口へ誘導する誘導手段を備え、前記検知手段により車両の進入が検知された場合、遮断機を下ろすことにより、進入した車両のバック走行と後続の車両の進入を防ぐことを特徴とする。 【0018】更に、上述の車両誘導システムを有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置することもできる。 【0026】…上記目的に鑑みて、本発明に係る車両誘導システムは、有料道路料 金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されている、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステムであって、前記有料道路料 みて、本発明に係る車両誘導システムは、有料道路料 金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されている、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステムであって、前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段と、前記第1の検知手段に対応して設置された第1の遮断機と、車両に搭載されたETC車載器とデータを通信 する通信手段と、前記通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段と、前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車両を、ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキン グエリアから出るルートへ通じる第1のレーンへ誘導し、ETCによる 料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段と、を備え、前記誘導手段は、前記第1のレーンに設けられた第2の遮断機と、前記第2のレーンに設けられた第3の遮断機と、を含み、さらに、前記第2の遮断機を通過した車両を検知する第2の検知手段と、前記第 3の遮断機を通過した車両を検知する第3の検知手段と、を備え、前記第1の検知手段により車両の進入が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第1の遮断機を下ろし、前記第2の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、第2の遮断機を下ろすことを特徴とする。 更に、上述の車両誘導システムにおいて、前記第3の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、第3の遮断機を下ろすようにすることがで 断機を下ろすことを特徴とする。 更に、上述の車両誘導システムにおいて、前記第3の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、第3の遮断機を下ろすようにすることができる。…オ 【発明の効果】【0027】 本発明によれば、一般車がETC車用出入口に進入した場合又はETC車に対してETCシステムが正常に動作しない場合であっても、車両を安全に誘導する車両誘導システムを提供することが出来る。 【0028】更に本発明によれば、ETCシステムを利用した車両誘導システムに おいて、例えば、逆走車の走行を許さず、或いは先行車と後続車の衝突を回避し得る、安全な車両誘導システムを提供することが出来る。 カ 【発明を実施するための最良の形態】【0031】[入口料金所用のETCシステム利用車両誘導システム] 図3は入口料金所で使用するETCシステムを利用した車両誘導シス テムを示す。 【0032】車両は、一般道路8から有料道路7に向かって進行し、その間に料金所9が設けられている。従来、料金所9には、3つのレーンが用意されていた。レーン(A→D)はETC専用、レーンB、Cは一般車用 である。本実施形態では、新たにAから分岐するレーンE(「再進入レーン」ともいう。)が用意されている。ここで、ルートA→DはETCゲート5を通り有料道路7へ進むルートであり、ルートA→Eは料金所9へ再進入するためのレーンである。 【0033】 レーンA→Dには、基本的には、路側アンテナ3、5が備えられ、車載器との間で無線通信を行なっている。図4はレーンA→D、A→Eの詳細を示し、これに沿って更に説明する。車両が、一般道路8から進入して、予め開いている遮断機1を通り、車両検知装置 、5が備えられ、車載器との間で無線通信を行なっている。図4はレーンA→D、A→Eの詳細を示し、これに沿って更に説明する。車両が、一般道路8から進入して、予め開いている遮断機1を通り、車両検知装置2aにより検知され、無線通信が可能か否かを判定する路側アンテナ(ゲート前 アンテナ)3の側を通過し、車両検知装置2bにより検知される。 【0034】ゲート前アンテナ3との間で無線通信が可能と判定されたとき、誘導装置4-2は閉じたままで誘導装置4-1が開き、車両検知装置2cの側を通り、路側アンテナ(ETCゲート)5から車載器に対する入 口情報を受信して、車両は有料道路7へと進むことが出来る。 【0035】ゲート前アンテナ3との間で無線通信が不能又は不可と判定されたとき、誘導装置4-1は閉じたままで誘導装置4-2が開き、レーンEに進んで、車両検知装置2dの側を通り、再度レーンA、B、Cのい ずれかを選択する地点に戻る。従来、再進入レーンEが存在しなかっ たので、開閉バー4-1が下りて進行出来なくなると、車両を止めてインターホン等で係員を呼び出す必要があった。これにより、料金所9の渋滞が助長され、ETCの本来の目的が達成できない状態となる。 また、開閉バー4-1が下りて通行を止められた車両が、レーンDからバック走行をしてレーンAから出ようとすると、後続の車両と衝突 するおそれもあり、非常に危険であった。しかし、再進入レーンEを設けることで、このような不具合、危険をシステム的に解決することができる。 【0037】図4に戻り、ゲート前アンテナ3には、車両に搭載されたETC車載 器とデータを通信する通信手段および受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段とが備えられている。 図4に戻り、ゲート前アンテナ3には、車両に搭載されたETC車載 器とデータを通信する通信手段および受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段とが備えられている。 【0038】誘導装置4-1、4-2としては、例えば遮断機の形態にし、ルートDへ誘導する時にはルートD側の遮断機を開けてルートE側の遮断機 を閉じ、ルートEへ誘導する時にはルートE側の遮断機を開けてルートD側の遮断機を閉じて誘導する方法がある。また、表示パネルの形態にし、それぞれのルートで「通行可能」「通行不可」などの文字を表示させてもよいし、通行可能なルートには「↑」(矢印)、通行不可能なルートには「×」(バツ印)などの記号や絵を表示させてもよい。ま た、「ETC読み取り不能」等のルートEへ誘導する理由を表示させてもよい。また、遮断機形式と表示パネル形式とを併用してもよい。 【0040】図4に示す複数個の車両検知装置2a、2b、2c、2dの機能について着目しながら、図5に示すフローを使って、図3、4の車両誘導 システムの誘導方法を簡単に説明する。最初の車両検知装置2aが車 両の進入を検知すると(ステップS02)、遮断機1を閉じて後続車との間を一定の間隔を空けるようにしている(ステップS03)。遮断機1は、…(中略)…車両検知装置2c又は2dが車両を検知しないと開かないので、先行車と後続車の衝突が回避でき、また先行車がレーンAを逆走するのを阻止できる。2番目の車両検知装置2bが進入車 両を検知すると(ステップS05)、車両がゲート前アンテナ3を通過したことを確認し、このタイミングで通信可能又は通信不能・不可のいずれであるかを判定する(ステップS06、S07)。判定時期を確定し、車両が通過していない プS05)、車両がゲート前アンテナ3を通過したことを確認し、このタイミングで通信可能又は通信不能・不可のいずれであるかを判定する(ステップS06、S07)。判定時期を確定し、車両が通過していない状態と車両の通過したにも拘わらず無線通信が行なわれなかった状態とを識別できるようにしている。 【0041】通信可能であれば、誘導装置4-1が開きレーンDに誘導され有料道路7に進む(ステップS08)。反対に、通信不能・不可であれば、誘導装置4-2が開きレーンEに誘導され、再度レーンA、B、Cを選択する場所に戻る(ステップS13)。ここで、「通信不能・不可」に は、一般車が誤って進入した場合、及びETC車が何らかの理由で無線通信に成功しなかった場合を含んでいる。 【0043】なお、路側アンテナであるゲート前アンテナ3とETCゲート5を一緒にして、ゲート前アンテナ3の地点に設置し、無線通信が可能であ るか否かの判定と可能な場合に入口情報の送信とを一度に実行してもよい。 【0046】この実施形態によれば、次のような効果が得られる。 (1)本実施例は、従来のインターチェンジに大幅な変更を加えることな く、新たに再進入レーンEを用意するだけで実現できる。 (2)ETCレーンに進入した後、ETC無線通信が不能・不可であっても再進入レーンEが用意されているので渋滞が発生しない。 (3)車両検知装置2aが進入車両を検知すると遮断機1を閉じ、その後車両検知装置2c、2dが進入車両を検知しないと遮断機1を開けないので、進入車両の不法な逆方向走行を阻止することができる。 (4)更に、遮断機1と車両検知装置2c、2dの間にある車両は1台限定されるので、進入車両と後続車両との間で衝突事故が回避できる。 ので、進入車両の不法な逆方向走行を阻止することができる。 (4)更に、遮断機1と車両検知装置2c、2dの間にある車両は1台限定されるので、進入車両と後続車両との間で衝突事故が回避できる。 【0063】(スマートインターチェンジの車両誘導システム)図11は、変形例を示し、具体的には、スマートインターチェンジに 本発明の車両誘導システムを導入した例である。スマートインターチェンジとは、高速道路のパーキング-エリアやサービス-エリアにETCゲートを設置して一般道路と接続する、ETC車専用のインターチェンジ(料金所)のことで、2004年から実験的に導入が計画されている。従来のインターチェンジに比べ低費用で建設・管理できる のが特徴で、高速道路の利便性の向上や、周辺地域の活性化が期待されている。しかしながら、一般車がスマートインターチェンジに進入して立ち往生した場合に備えて係員が常駐していなければならないので、経済的でない。 【0064】 図11に示すように、一般道路8と有料道路7との間に、パーキング-エリア又はサービス-エリア11が設けられている。一般道路8から有料道路7に入るための入口料金所12と、反対に有料道路7から一般道路8に出るための出口料金所13がある。一般車レーンB、Cが無いことを除き、入口料金所12のレーン(A→D)と(A→E) の役割、及び出口料金所13のレーン(A→D)と(A→E)の役割 は、図3、4、6及び7のそれと同じである。 【0065】本発明の車両誘導システムによれば、一般車の進入を阻止し、ETC車のみを対象に出来るので、インターチェンジを無人化でき、経済効果が期待できる。 キ 【図面の簡単な説明】【0071】…【図3】本発明の実施形 よれば、一般車の進入を阻止し、ETC車のみを対象に出来るので、インターチェンジを無人化でき、経済効果が期待できる。 キ 【図面の簡単な説明】【0071】…【図3】本発明の実施形態に係る入口料金所用のETCシステム利用車両誘導システムの構成を示す図である。 【図4】図3の車両誘導システムの部分拡大図である。 【図5】図3の車両誘導システムの誘導方法を説明するフローチャートである。 【図6】本発明の実施形態に係る出口料金所用のETCシステム利用車両誘導システムの構成を示す図である。 【図7】図6の変形例である。 …【図11】本発明の応用例であり、スマートインターチェンジに応用した例を示す図である。 (2) 前記(1)の記載事項及び本件特許の特許請求の範囲の記載によれば、本件 明細書には、本件各発明に関し、以下のとおりの開示があると認められる。 ア近年、有料道路の料金所にETCが設置されるようになってきたが、現時点では、全車両がETC対応車ではないので、有料道路の料金所のレーンには、「ETC専用」と表示されたETC車専用レーンと、「ETC一般」と表示されたETC車も一般車も混在して通れるレーンと、「一般」 と表示されたETCを利用出来ないレーンとが混在しているため、一般 車が誤ってETC車専用レーンに進入する場合が起こり得るし、ETC車載器を搭載した車両(本件明細書【0006】に定義する「ETC車」をいう。)であっても、その車載器が路側アンテナと正常通信が出来ない場合も起こり得る(【0002】、【0006】及び【0007】)。このような場合、開閉バーが下りて進行出来なくなるので、車両を止めてイン ターホンで係員を呼び出す必要があるが、これにより 来ない場合も起こり得る(【0002】、【0006】及び【0007】)。このような場合、開閉バーが下りて進行出来なくなるので、車両を止めてイン ターホンで係員を呼び出す必要があるが、これにより、料金所の渋滞が助長され、ETCの本来の目的に沿わなくなり、また、開閉バーが下りて通行を止められた車両がレーンからバック走行をして出ようとすると、後続の車両と衝突するおそれもあり、非常に危険である(【0008】)。 イ本件各発明は、前記アの課題を解決するため、一般車がETC車用出 入口に進入した場合又はETC車載器を搭載した車両に対してETCシステムが正常に動作しない場合であっても、車両を安全に誘導し、ETCシステムを利用した車両誘導システムにおいて、例えば、逆走車の走行を許さず、或いは先行車と後続車の衝突を回避し得る、安全な車両誘導システムを提供することを目的として、複数の遮断機、複数の検知手 段、通信手段及びETCによる料金徴収が不可能な車両の退避路を設置する本件特許の特許請求の範囲の請求項1及び2に係る構成を採用したものである(【0010】ないし【0013】、【0017】、【0018】及び【0038】)。 本件各発明によれば、一般車がETC車用出入口に進入した場合又は ETCによる料金徴収が可能な車両であっても、車載器に対するETCカードの未挿入、不完全挿入、直前挿入等の場合など車載器が路側アンテナと正常通信が出来ず、ETCが正常に動作しない場合であっても、車両を安全に誘導する車両誘導システムを提供することができ、さらに、ETCを利用した車両誘導システムにおいて、例えば、逆走車の走行を 許さず、或いは先行車と後続車の衝突を回避し得る、安全な車両誘導シ ステムを提供することができるとの作用効果を奏 、ETCを利用した車両誘導システムにおいて、例えば、逆走車の走行を 許さず、或いは先行車と後続車の衝突を回避し得る、安全な車両誘導シ ステムを提供することができるとの作用効果を奏する(【0027】及び【0028】)。 争点1(被告各システムが本件発明1の技術的範囲に属するか)について(1) 構成要件Aの充足性についてア 「ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステム」の 解釈本件特許の特許請求の範囲の請求項1には、「有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されている、ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステムであって」(構成要件A)、「前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車 両を、ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出るルートへ通じる第1のレーンへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段と、 を備え」(構成要件F)との記載がある。 また、本件明細書には、「本発明は、一般車がETC車用出入口に進入した場合又はETC車に対してETCシステムが正常に動作しない場合(路側アンテナと車載器の間で通信不能・不可)であっても、車両を安全に誘導する車両誘導システムを提供することを目的とする。」(【001 0】)、「更に、上述の車両誘導システムを有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置することもできる。」(【0018】)との記載がある。 上記の各記載からすると、構成要件Aの「ETC車専用出入口 に、上述の車両誘導システムを有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置することもできる。」(【0018】)との記載がある。 上記の各記載からすると、構成要件Aの「ETC車専用出入口」とは、「有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに設置されて いる」ものであり、これらに入るか又はこれらから出るために設置され ているものであると理解することができる。また、上記の「ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する」(構成要件F)及び「本発明は、一般車がETC車用出入口に進入した場合又はETC車に対してETCシステムが正常に動作しない場合(路側アンテナ と車載器の間で通信不能・不可)であっても、車両を安全に誘導する車両誘導システムを提供することを目的とする。」(【0010】)との記載からすると、本件発明1は、「ETCによる料金徴収が不可能な車両」を誘導することを、「誘導」の概念に含んでおり、構成要件Aの「車両」には、ETC車専用出口を通過して有料道路料金所、サービスエリア等か ら出る車両又はETC車専用入口を通過して有料道路料金所、サービスエリア等に入る車両のみならず、ETC車専用出口又は入口を通過しようと試みたものの、ETCによる料金徴収が不可能であったために、ETC車専用出口又は入口を通過することができなかった車両を含むものと理解することができる。そして、証拠(甲11)によれば、通常、有 料道路に設置されるETCにおいては、入口と出口が別に設置されており、入口と出口の両方を兼ねる出入口が存在しないと認められることからすると、構成要件Aの、「ETC車専用出入口から出入りをする車両」とは、「有料道路 るETCにおいては、入口と出口が別に設置されており、入口と出口の両方を兼ねる出入口が存在しないと認められることからすると、構成要件Aの、「ETC車専用出入口から出入りをする車両」とは、「有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリア」に入るためにETC車専用入口を通過しようとする車両及び「有料道路料金所、 サービスエリア又はパーキングエリア」から出るためにETC車専用出口を通過しようとする車両をいうと理解することができる。 他方、本件特許の特許請求の範囲の請求項1及び本件明細書上、本件発明1の「車両誘導システム」が、ETC車専用出口から出る又はETC車専用入口から入る車両のみを誘導するシステムであり、かつ、ET C車専用出口又は入口を通過しようと試みたものの、料金徴収が不可能 であったためにETC車専用出口又は入口を通過することができなかった車両の誘導を排除していることをうかがわせる記載は見当たらない。 以上によれば、構成要件Aの「ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステム」とは、有料道路料金所、サービスエリア等に入るためにETC車専用入口を通過しようとする車両又は有料道路料金 所、サービスエリア等から出るためにETC車専用出口を通過しようとする車両を誘導するシステムと解される。 イ被告各システムのあてはめ前提事実 (5)、(6)及び(7)のとおり、被告各システムは、いずれもサービスエリア等に設置されたSICの入口又は出口用設備であるから、「サ ービスエリア又はパーキングエリアに設置されている」「システム」に該当する。そして、被告各システムは、一般道路から被告各システムに設置されたETC車専用入口を通過してサービスエリア等に入ろうとする車両又はサービスエリア等から当該E 設置されている」「システム」に該当する。そして、被告各システムは、一般道路から被告各システムに設置されたETC車専用入口を通過してサービスエリア等に入ろうとする車両又はサービスエリア等から当該ETC車専用出口を通過して一般道路に出ようとする車両に対し、③路側無線装置の通信機能が稼動して、③路側無 線装置と車両に搭載されたETC車載器との間でETC処理を行うための無線通信が行われ、無線通信の結果、ETC処理が可能と判定された場合(ETC車である場合)、⑤発進制御機3の開閉バーは閉じたまま、①発進制御機1及び④発進制御機2の開閉バーが開くとともに、⑧路側表示器に通行可表示を行うことで、車両は、レーンbを経由してレーンcを通行 し、サービスエリア等に入るか又は一般道路に合流し、また、ETC処理が行えないと判定された場合(異常ETC車及び非ETC車の場合)、①発進制御機1の開閉バーと、④発進制御機2又は⑤発進制御機3の開閉バーのいずれかを同時に開くとともに、⑧路側表示器に「通行可」の表示又は「退出路」及び矢印の表示がされることにより、車両はレーンbを経由 して、レーンc又はレーンdへ通行するものである。そうすると、被告各 システムは、有料道路料金所、サービスエリア等に入るためにETC車専用入口を通過しようとする車両、有料道路料金所、サービスエリア等から出るためにETC車専用出口を通過しようとする車両を、上記各発進制御機及び⑧路側表示器によって、レーンc又はレーンdのいずれかに誘導するものといえるから、「ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導 するシステム」に該当する。 以上によれば、被告各システムは、構成要件Aを充足する。 ウ被告の主張について被告は、構成要件Aの「サービスエリア又はパ 口から出入りをする車両を誘導 するシステム」に該当する。 以上によれば、被告各システムは、構成要件Aを充足する。 ウ被告の主張について被告は、構成要件Aの「サービスエリア又はパーキングエリア」は独自の意味を有さないから、構成要件Aの「ETC車両専用出入口から出入り する車両」とは、「ETC車専用入口から有料道路に入る車両」及び「ETC車専用出口から有料道路を出る車両」と解釈すべきと主張する。しかし、構成要件Aの「ETC専用出入口」について、有料道路のみに入る又は出るものに限定されていると解釈することはできず、かつ、同「車両」について、ETCによる料金徴収が不可能だったために現実にETC専用 出入口から出入りできなかった車両を含まないと解釈することができないことは、前記アで説示したとおりである。 また、被告は、被告各システムでは、ETC車に対する誘導はしておらず、非ETC車と異常ETC車についてのみ、金収受設備から退出させるための誘導を行っているが、路側アンテナと車載器との間で通信不 能又は通信不可が発生したとき、車両がETC車用レーンから離脱することは、構成要件Aの「車両を誘導するシステム」の構成から除かれているから、構成要件Aを充足しないと主張する。しかし、異常ETC車及び非ETC車すなわちETCによる料金徴収が不可能な車両を誘導するシステムが構成要件Aの「誘導するシステム」に含まれることは、構 成要件Eにおいて、「ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記 ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段と、を備え」と規定されていることからも明らかである。また、本件明細書上も、本件発明1において、路側アンテナと車載器との間で通 前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段と、を備え」と規定されていることからも明らかである。また、本件明細書上も、本件発明1において、路側アンテナと車載器との間で通信不能又は通信不可が発生したときに車両が前記ETC車用レーンから離脱することを「車両を誘導するシステム」の 構成から除く旨の記載があるとは認められない。そうすると、本件特許の出願当初の特許請求の範囲の請求項4が削除されたことをもって、当然に、路側アンテナと車載器との間で通信不能又は通信不可の車両の誘導が、車両構成要件Aの「車両を誘導するシステム」の構成から除かれたということはできない。 さらに、被告は、被告各システムがETCによる料金徴収が可能な車両を誘導していないとも主張する。しかし、前記イのとおり、被告各システムは、ETC車に対しても、⑤発進制御機3の開閉バーは閉じたまま、①発進制御機1及び④発進制御機2の開閉バーが開くとともに、⑧路側表示器に通行可表示がされることで、レーンcに誘導しており、異 常ETC車及び非ETCだけでなくETC車も誘導しているものである。 以上によれば、被告の上記主張は、いずれも採用することができない。 (2) 構成要件Bの充足性についてア 「前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段」の解釈 前記(1)で説示したとおり、構成要件Aの「ETC車専用出入口から出入りをする車両を誘導するシステム」とは、有料道路料金所、サービスエリア等に入るためにETC車専用入口を通過しようとする車両又は有料道路料金所、サービスエリア等から出るためにETC車専用出口を通過しようとする車両を誘導するシステムと解されるから、同システムの 構成要素 ためにETC車専用入口を通過しようとする車両又は有料道路料金所、サービスエリア等から出るためにETC車専用出口を通過しようとする車両を誘導するシステムと解されるから、同システムの 構成要素の一部である「第1の検知手段」が検知する「前記有料道路料 金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両」についても、有料道路料金所、サービスエリア等に入るためにETC車専用入口を通過しようとする車両又は有料道路料金所、サービスエリア等から出るためにETC車専用出口を通過しようとする車両と解するのが相当である。 また、本件特許の特許請求の範囲の請求項1には、「第1の検知手段」につき、「前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段」(構成要件B)、「前記第1の検知手段に対応して設置された第1の遮断機」(構成要件C)及び「前記第1の検知手段により車両の進入が検知された場合、前記車両が通過 した後に、前記第1の遮断機を下ろし」(構成要件I)との記載があるのみで、「第1の検知手段」が設置される位置について特定する記載はない。 本件明細書の【図3】、【図4】、【図6】、【図7】及び【図11】で示される実施例は、いずれも遮断機が進行方向最も手前に設置されているため、同遮断機に対応する第1の車両検知器が複数の車両検知器のうち最 も進行方向手前に設置されているものの、これらは実施例にすぎず、「前記システムは、遮断機、第1の車両検知装置、ゲート前アンテナ、第2の車両検知装置、誘導手段、第3の車両検知装置、第4の車両検知装置及びETCゲートを有し、前記第1の車両検知装置が車両の進入を検知すると、前記遮断機を閉じて後続車との間を一定の間隔を空けるように し」(【0 誘導手段、第3の車両検知装置、第4の車両検知装置及びETCゲートを有し、前記第1の車両検知装置が車両の進入を検知すると、前記遮断機を閉じて後続車との間を一定の間隔を空けるように し」(【0015】)、「前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段と、前記第1の検知手段に対応して設置された第1の遮断機と」(【0026】)との記載はあるものの、これらの記載は第1の車両検知器の位置について限定をするものではない。そうすると、「第1の検知手段」は、有料道路料金所、 サービスエリア等に入るためにETC車専用入口を通過しようとする車 両又は有料道路料金所、サービスエリア等から出るためにETC車専用出口を通過しようとする車両を検知する手段であれば足りると解するのが相当である。 イ被告各システムのあてはめ前提事実(7)のとおり、被告各システムにおいて、②車両検知器(SS 3)は、①発進制御機1を制御するために設置され、車両が①発進制御機1を通過したかを検知するものである。そして、①発進制御機1は、被告各システムを構成する設備の一部であり、一般道路から被告各システムを通過して有料道路料金所、サービスエリア等に入ろうとする車両又は有料道路料金所、サービスエリア等から被告各システムを通過して 一般道路に出ようとする車両は、レーンc及びレーンdのいずれを走行する場合であっても、レーンaに設置された①発進制御機1を通過するものである。そうすると、②車両検知器(SS3)は、有料道路料金所、サービスエリア等に入るためにETC車専用入口を通過しようとする車両又は有料道路料金所、サービスエリア等から出るためにETC車専用 出口を通過しようとする車両を検知するものといえ 道路料金所、サービスエリア等に入るためにETC車専用入口を通過しようとする車両又は有料道路料金所、サービスエリア等から出るためにETC車専用 出口を通過しようとする車両を検知するものといえる。以上によれば、被告各システムを構成する②車両検知器(SS3)は、「前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両を検知する第1の検知手段」に当たるから、構成要件Bを充足する。 ウ被告の主張について 被告は、②車両検知器(SS3)を含む被告各システムに設置された各車両検知器機が、有料道路料金所に出る又は入る車両を検知するものではない旨主張する。しかし、構成要件Bの「前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに出入りをする車両」が有料道路料金所から出る又は有料道路料金所に入る車両に限定されないことは、前 記アで説示したとおりである。 また、被告は、「第1の検知手段」が複数の車両検知器のうち進行方向最も手前に配置された車両検知器をいうものであり、被告各システムでは、SIC入口において進行方向最も手前に配置された㋐車両検知器(SS1)及びSIC出口において進行方向最も手前に配置された㋑車両検知器(SS2)が、いずれも、有料道路料金所、サービスエリア等 に出入りする車両を検知するものではないから、構成要件Bを充足しないと主張する。しかし、前記アのとおり、本件特許の特許請求の範囲の請求項1は「第1の検知手段」が設置される位置を特定していないから「第1の検知手段」が進行方向最も手前に配置された車両検知器であるとの被告の主張は採用できない。 (3) 構成要件Cの充足性について前記(2)で説示したとおり、被告各システムにおける②車両検知器(SS3)は、構成要件Bの「第 置された車両検知器であるとの被告の主張は採用できない。 (3) 構成要件Cの充足性について前記(2)で説示したとおり、被告各システムにおける②車両検知器(SS3)は、構成要件Bの「第1の検知手段」に該当するところ、前提事実(7)のとおり、被告各システムにおいては、②車両検知器(SS3)が車両の通過を検知すると、これに対応する①発進制御機1の開閉バーが自動的に閉じ るから、被告各システムの①発進制御機1は、「前記第1の検知手段に対応して設置された第1の遮断機」に該当する。 以上によれば、被告各システムは、構成要件Cを充足する。 (4) 構成要件Eの充足性についてア 「ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段」の解釈 本件特許の特許請求の範囲の請求項1には、「ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段と」(構成要件E)、「前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車両を、…第1のレーンへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、…第2のレーンへ誘導する誘導手段と、を備え」(構成要件F)との記載がある。また、 本件明細書には、「車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通 信手段と、前記通信手段によって受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段と、前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車両を、ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリ アから出るルートへ通じる第1のレーンへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレ ビスエリア又はパーキングエリ アから出るルートへ通じる第1のレーンへ誘導し、ETCによる料金徴収が不可能な車両を、再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーンへ誘導する誘導手段と、を備え」(【0026】)との記載がある。これらの記載からすると、本件発明1のシステムは、「車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信 手段」によって「受信したデータ」に基づき、「ETCによる料金徴収が可能か判定」するものであって、同判定結果により、ETCによる料金徴収が可能か否かによって車両の誘導先を異にするものであると理解することができるから、当該システムが備える「ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段」は、その文言のとおり、ETCにより通行料 金の支払が可能かを判定する判定手段と解するのが相当である。 イ被告各システムのあてはめ前提事実(7)のとおり、被告各システムは、車両がレーンa に進入し、㋑車両検知器(SS2)が車両の通行を検知すると、③路側無線装置の通信機能が稼動し、③路側無線装置と車両に搭載されたETC車載器との間 でETC処理を行うための無線通信が行われ、無線通信の結果、ETCによる料金徴収が可能と判定された場合(ETC車の場合)、⑤発進制御機3の開閉バーは閉じたまま、①発進制御機1及び④発進制御機2の開閉バーが開くとともに、⑧路側表示器に通行可表示がされることで、車両は、レーンbを経由してレーンc(レーンcは、入口用設備ではサービスエリ ア等、出口用設備では一般道路に接続)を通行し、無線通信の結果、ET C処理が行えないと判定された場合(異常ETC車及び非ETC車の場合)、係員のボタン操作により、①発進制御機1の開閉バーと、④発進制御 では一般道路に接続)を通行し、無線通信の結果、ET C処理が行えないと判定された場合(異常ETC車及び非ETC車の場合)、係員のボタン操作により、①発進制御機1の開閉バーと、④発進制御機2又は⑤発進制御機3の開閉バーのいずれかとを、同時に開くとともに、⑧路側表示器に「通行可」の表示又は「退出路」及び矢印の表示がされることにより、車両はレーンbを経由して、レーンc又はレーンd(レ ーンdは、入口用設備では一般道路、出口用設備ではサービスエリア等に接続)を通行するものである。以上によれば、被告各システムは、構成要件Eの「ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段」に該当する構成を備えているから、構成要件Eを充足する。 ウ被告の主張について 被告は、構成要件Eの「ETCによる料金徴収が可能か判定」とはETC車かどうか(ETC車載器を搭載しているかどうか)の判定であることを前提に、被告各システムにおいては、ETC車用レーンに進入する車両について、ETC車であるかを区別する判定は行われていないから、構成要件Eを充足しないと主張する。この点、本件明細書には、「なお、この 出願書類では、「ETC車」とは、ETCによる料金徴収が可能な車両をいい、「一般車」とは、ETCシステムを利用出来ない車両を言う。」(【0006】)、「更に、ETC車であっても、その車載器が路側アンテナと正常通信が出来ない場合も起こり得る。例えば、車載器に対するETCカードの未挿入、不完全挿入、直前挿入等の場合である。」(【0007】)との 記載がある。これらの記載から、本件明細書における定義では、「ETC車」の中に、ETC車載器を搭載しているものの、ETCによる料金徴収ができない車両(すなわち異常ETC車及び非ETC車の一部)を含ん 記載がある。これらの記載から、本件明細書における定義では、「ETC車」の中に、ETC車載器を搭載しているものの、ETCによる料金徴収ができない車両(すなわち異常ETC車及び非ETC車の一部)を含んでいるといえる。しかし、構成要件Eが「ETCによる料金徴収が可能か判定」と規定している以上、その文言と異なり、「ETC車」であるか否か を判定するものと解することはできないから、本件明細書の上記の記載を 参酌しても、「ETCによる料金徴収が可能か判定」について、ETC車かどうか(ETC車載器を搭載しているかどうか)の判定と解することはできないというべきである。以上によれば、被告の上記主張は、前提を欠き、採用することができない。 (5) 構成要件Fの充足性について ア 「ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る」の解釈本件特許の特許請求の範囲の請求項1には、「ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る」(構成要件F)との記載があるものの、同請求項1には、この記載以外に「E TCゲート」の記載はなく、「ETCゲート」が何を指すのかは、同請求項1の記載からは直ちに明らかではない。 そこで、本件明細書を参酌すると、本件明細書には、「図2に示すように、多くの有料道路で使用される入口発券方式においては、入口料金所で、路側アンテナ3、5から車載器20に入口情報を無線送信し、有料 道路7を走行後、出口料金所で、車載器20から路側アンテナ3、5に入口情報を無線送信し、別途備える料金計算コンピュータで料金計算を行なって、その料金情報を路側アンテナ3、5から車載器20に向けて無線送信している。」(【0003】)、「レーンA→Dには、基 、5に入口情報を無線送信し、別途備える料金計算コンピュータで料金計算を行なって、その料金情報を路側アンテナ3、5から車載器20に向けて無線送信している。」(【0003】)、「レーンA→Dには、基本的には、路側アンテナ3、5が備えられ、車載器との間で無線通信を行なってい る。…無線通信が可能か否かを判定する路側アンテナ(ゲート前アンテナ)3の側を通過し、車両検知装置2bにより検知される。」(【0033】)、「ゲート前アンテナ3との間で無線通信が可能と判定されたとき、…路側アンテナ(ETCゲート)5から車載器に対する入口情報を受信して、車両は有料道路7へと進むことが出来る。」(【0034】)、「図4 に戻り、ゲート前アンテナ3には、車両に搭載されたETC車載器とデ ータを通信する通信手段および受信したデータを認識して、ETCによる料金徴収が可能か判定する判定手段とが備えられている。」(【0037】)、「なお、路側アンテナであるゲート前アンテナ3とETCゲート5を一緒にして、ゲート前アンテナ3の地点に設置し、無線通信が可能であるか否かの判定と可能な場合に入口情報の送信とを一度に実行しても よい。」(【0043】)との記載がある。これらの記載からすると、本件明細書においては、ETC車専用出入口に設置された路側無線装置のうち、車両に搭載されたETC車載器とデータを通信する通信手段及び受信したデータを認識してETCによる料金徴収が可能か判定する無線装置を「路側アンテナ3」又は「ゲート前アンテナ3」と、入口では車載 器に対し入口情報を無線送信し、出口では車載器から入口情報を受信し、料金情報を送信する無線装置を、「路側アンテナ5」又は「ETCゲート」と、それぞれ称していると理解できる。そうすると、構成要件Fの「E に対し入口情報を無線送信し、出口では車載器から入口情報を受信し、料金情報を送信する無線装置を、「路側アンテナ5」又は「ETCゲート」と、それぞれ称していると理解できる。そうすると、構成要件Fの「ETCゲート」とは、入口では車載器に対し入口情報を無線送信し、出口では車載器から入口情報を受信し、料金情報を送信するETC側に設置 された無線装置であると解するのが相当である。以上によれば、構成要件Fの「ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリア」「に入る」又は「から出る」とは、入口では車載器に対し入口情報を無線送信し、出口では車載器から入口情報を受信し、料金情報を送信するETC側に設置された無線装置を通過して、有料道 路料金所、サービスエリア等に入る、又は有料道路料金所、 サービスエリア等から出ることを意味すると解釈するのが相当である。 イ被告各システムのあてはめ前提事実(7)のとおり、被告各システムでは、③路側無線装置は、ETC処理を行うために、車両に取り付けられた車載器と無線通信を行う無 線装置であって、入口用設備では、車載器情報がチェックされて、無線 通信の結果、ETCによる料金徴収が可能と判定された場合は、課金のための入口情報が書き込まれ、出口用設備では、車載器情報がチェックされて、無線通信の結果、ETCによる料金徴収が可能と判定された場合は、課金情報が書き込まれるものであるから、③路側無線装置は、入口では車載器に対し入口情報を無線送信し、出口では車載器から入口情 報を受信し、料金情報を送信していると認められる。よって、③路側無線装置は、構成要件Fの「ETCゲート」に該当する。 また、前提事実(7)のとおり、被告各システムは、③路側無線装置と車載器との無線通信 受信し、料金情報を送信していると認められる。よって、③路側無線装置は、構成要件Fの「ETCゲート」に該当する。 また、前提事実(7)のとおり、被告各システムは、③路側無線装置と車載器との無線通信の結果、ETC処理が可能と判定された場合(ETC車の場合)、③発進制御機3の開閉バーを閉じたまま、①発進制御機1及 び④発進制御機2の開閉バーが開くとともに、路側表示器⑧において通行可の表示がされて、車両は、入口用設備においては、レーンaに設置された③路側無線装置を通過し、レーンcを通行して、サービスエリア等に入り、出口用設備においては、レーンaに設置された③路側無線装置を通過し、レーンcを通行して、サービスエリア等から出て一般道路 に合流するから、被告各システムは、「前記判定手段により判定した結果に従って、ETCによる料金徴収が可能な車両を」「ETCゲートを通って」レーンcに誘導しているといえる。そして、上記のとおり、車両は、レーンcを通行して、入口用設備においてはサービスエリア等に入り、出口用設備においてはサービスエリア等から出て一般道路に合流するか ら、レーンcは、構成要件Fの「サービスエリア又はパーキングエリアに入る」又は「サービスエリア又はパーキングエリアから出る」「ルートへ通じる第1のレーン」に該当し、①発進制御機1及び④発進制御機2の開閉バーが開く動作並びに⑧路側表示器の通行可の表示は、「第1のレーンへ誘導」に当たる。他方で、被告各システムでは、車載器との無線 通信の結果、ETC処理が行えないと判定された場合(非ETC車及び 異常ETC車の場合)、係員のボタン操作により、①発進制御機1の開閉バーと、④発進制御機2又は⑤発進制御機3の開閉バーのいずれかとを、同時に開くとともに、⑧路側表示器に「 非ETC車及び 異常ETC車の場合)、係員のボタン操作により、①発進制御機1の開閉バーと、④発進制御機2又は⑤発進制御機3の開閉バーのいずれかとを、同時に開くとともに、⑧路側表示器に「通行可」の表示又は「退出路」及び矢印の表示がされることにより、車両は、レーンbを経由して、レーンc又はレーンdを通行するところ、入口用設備においては、レーン dは一般道路に接続しており、レーンdを通行する車両は一般道路に合流し、出口用設備においては、レーンdはサービスエリア等に接続しており、レーンdを走行する車両はサービスエリア等に入る。そして、前提事実(7)及び別紙被告設備図目録の模式図からすると、被告各システムは、入口用設備において、レーンdと接続する一般道路がETC車専用 入口手前に戻るルートに、出口用設備において、レーンdと接続するサービスエリア等がETC車専用出口手前に戻るルートに、それぞれ物理的に繋がっているから、レーンdは、ETC車専用出入口手前へ戻るルートに通じているといえる。そうすると、レーンdは、「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルートに通じる第2のレーン」に該当し、①発 進制御機1及び⑤発進制御機3が開く動作及び⑧路側表示器の通行可等の表示は、「第2のレーンへ誘導する誘導手段」に該当する。 以上によれば、被告各システムは、構成要件Fを充足する。 ウ被告の主張について被告は、本件明細書の【0034】及び【0043】の記載に照らす と、「ETCゲート」とは、「入口情報を送信する路側アンテナ」であって、構成要件Fの文言上、有料道路料金所よりも手前に配置されるものであることからすると、「ETCゲート」がいかなるものであるか不明であり、これを被告各システムの構成要素に対応させ 側アンテナ」であって、構成要件Fの文言上、有料道路料金所よりも手前に配置されるものであることからすると、「ETCゲート」がいかなるものであるか不明であり、これを被告各システムの構成要素に対応させることができないから、被告各システムには、構成要件Fの「ETCゲート」なるものは存 在しないと主張する。しかし、本件明細書の【0034】は、「入口料金 所用のETCシステム利用車両誘導システム」(【0031】)に関する説明であるため、入口情報に関してしか記載されていないものであって、同【0003】の記載から、「ETCゲート」は、入口では車載器に対して入口情報を無線送信し、出口では車載器からこれに対して入口情報が無線送信され、料金計算コンピュータで計算された料金情報を車載器に 向けて無線送信する路側アンテナであると理解することができ、③路側無線装置がこれに当たることは、前記イで説示したとおりである。 また、被告は、③路側無線装置が「ETCゲート」に当たると解釈したとしても、構成要件Fの「第1のレーン」は、ETCゲートよりも進行方向手前に位置するもの、すなわち、料金収受設備への進入路となる ところ、被告各システムにおいてETCによる料金徴収が可能な車両が進行するレーンは、ETCゲートよりも先に存在するため、被告各システムにおいて、ETCゲートよりも進行方向手前に位置する「第1のレーン」は存在しないと主張する。確かに、構成要件Fでは、「ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリア に入る」又は「から出る」「ルートへ通じる第1のレーン」と記載されていることからすると、「第1のレーン」は、ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア等に入る又は出るルートより進行方向手前にある は「から出る」「ルートへ通じる第1のレーン」と記載されていることからすると、「第1のレーン」は、ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア等に入る又は出るルートより進行方向手前にあることになる結果、第1のレーンは、ETCゲートよりも進行方向手前に位置するとの解釈も成り立ち得る。しかし、構成要件Fにおい ては、ETCによる料金徴収が可能な車両の誘導に係る「ETCゲートを通って前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアに入る、または前記有料道路料金所、サービスエリア又はパーキングエリアから出るルートへ通じる第1のレーン」と対比する形で、ETCによる料金徴収が不可能な車両の誘導に係る「再度前記ETC車専用出入口 手前へ戻るルート又は一般車用出入口に通じる第2のレーン」との記載 があるところ、後者においては、「ルート」が「第2のレーン」に通じるものとして規定されていない。また、本件明細書には、【図3】に示される実施形態について、「レーン(A→D)はETC専用」、「ルートA→DはETCゲートを通り有料道路7へ進むルート」(【0033】)との記載があり、SICに係る【図11】に示される実施形態について、「図11 に示すように、一般道路8と有料道路7との間に、パーキング-エリア又はサービス-エリア11が設けられている。一般道路8から有料道路7に入るための入口料金所12と、反対に有料道路7から一般道路8に出るための出口料金所13がある。一般車レーンB、Cが無いことを除き、入口料金所12のレーン(A→D)と(A→E)の役割、及び出口 料金所13のレーン(A→D)と(A→E)の役割は、図3、4、6及び7のそれと同じである。」(【0064】)との記載がある。これらの記載並びに本件明細書の【図3】 (A→E)の役割、及び出口 料金所13のレーン(A→D)と(A→E)の役割は、図3、4、6及び7のそれと同じである。」(【0064】)との記載がある。これらの記載並びに本件明細書の【図3】、【図7】及び【図11】によれば、本件明細書において、ETCによる料金徴収が可能な車両が有料道路等に合流するために走行する車線は「A→D」のみであって、この「A→D」 は「レーン」であるとも「ルート」であるとも称呼されているから、ETCによる料金徴収が可能な車両が有料道路等に合流するために走行する車線として、「ルート」に加えて「ルート」に通じる「レーン」が存在することが開示されているとは認められない。このように、構成要件Fにおいて、ETCによる料金徴収が不可能な車両については「ルート」 が「第2のレーン」に通じるものとして記載されておらず、本件明細書上も、ETCによる料金徴収が可能な車両が有料道路等に合流するために走行する車線として、「ルート」に加えて「ルート」に通じる「レーン」を開示しているとは認められないことからすると、構成要件Fの「ルートへ通じる」の部分に技術的な意味はなく、「ルート」と「第1のレーン」 は同義であると解するほかない。そうすると、構成要件Fの文言上、「第 1のレーン」が「ETCゲート」より進行方向手前に位置するものとまではいえないから、被告の主張は、前提を欠くものであって、採用できない。 さらに、被告は、本件出願時の願書に添付された特許請求の範囲の請求項4「一般道路と有料道路との間の料金所にETC専用レーンを有する インターチェンジに利用される車両誘導システムに於いて、路側アンテナと車載器との間で通信不能又は通信不可が発生したとき、車両が前記ETC車用レーンから離脱しえる手 所にETC専用レーンを有する インターチェンジに利用される車両誘導システムに於いて、路側アンテナと車載器との間で通信不能又は通信不可が発生したとき、車両が前記ETC車用レーンから離脱しえる手段を設けたことを特徴とする、システム」が補正により削除されたことからすると、請求項1の技術的思想は、補正により削除された請求項4の技術的思想が除かれたものと解す べきであるから、構成要件Fの「再度前記ETC車専用出入口手前へ戻るルート又は一般車専用出入口に通じる第2のレーン」からは「路側アンテナと車載器との間で通信不能又は通信不可が発生したとき、車両が前記ETC車用レーンから離脱しえる手段」が除外されていると主張するが、同主張が採用できないことは、前記(1)ウのとおりである。 さらに、被告は、本件明細書の【0043】の記載は、上記補正により削除された請求項4に対応するものであるから、「ETCゲート」の解釈に当たって、同記載を参酌することはできないと主張する。しかし、本件明細書の【0043】は、【図3】及び【図4】に示される実施形態を【図5】のフローチャートにより説明するものの一部であるところ、 【図5】のフローチャートでは、「車両のETC読取に成功」しなかった場合、「車両のETCは料金徴収が可能」でなかった場合のいずれであっても、退避路であるレーンEへ車両を誘導するとされていることからすると、【図4】で示される実施形態は、本件出願時の願書に添付された特許請求の範囲の請求項4に係る発明だけでなく、本件発明1にも対応す るものといえる。したがって、本件発明1の解釈において、【図4】の実 施形態について説明した本件明細書の【0043】の記載を参酌することは妨げられないというべきである。 以上によれば、被告の のといえる。したがって、本件発明1の解釈において、【図4】の実 施形態について説明した本件明細書の【0043】の記載を参酌することは妨げられないというべきである。 以上によれば、被告の上記主張は、いずれも採用することができない。 (6) 構成要件G、H及びIの充足性についてア構成要件Gの充足性について 前記(5)で説示したとおり、被告各システムのレーンcは構成要件Fの「第1のレーン」に、同レーンdは構成要件Fの「第2のレーン」に、それぞれ該当する。そして、前提事実(7)のとおり、被告各システムにおいては、レーンcに④発進制御機2が、レーンdに⑤発進制御機3が、それぞれ設置されているから、④発進制御機2及び⑤発進制御機3は、それぞ れ構成要件Gの「第1のレーンに設けられた第2の遮断機」及び「前記第2のレーンに設けられた第3の遮断機」に該当する。 以上によれば、被告各システムは、構成要件Gを充足する。 イ構成要件Hの充足性について前記アのとおり、④発進制御機2及び⑤発進制御機3は、それぞれ「第 2の遮断機」及び「第3の遮断機」に該当するところ、前提事実(7)のとおり、被告各システムは、①発進制御機1、④発進制御機2及び⑤発進制御機3と、②車両検知器(SS3)、⑥車両検知器(SS4)及び⑦車両検知器(SS5)とが、それぞれ対となって設置されており、各車両検知器が車両の通過を検知すると、対応する各発進制御機の開閉バーが自動的 に閉じるものであるから、⑥車両検知器(SS4)が「前記第2の遮断機を通過した車両を検知する第2の検知手段」、⑦車両検知器(SS5)が「前記第3の遮断機を通過した車両を検知する第3の検知手段」に該当する。 以上によれば、これらの検知手段を備えた被告 第2の遮断機を通過した車両を検知する第2の検知手段」、⑦車両検知器(SS5)が「前記第3の遮断機を通過した車両を検知する第3の検知手段」に該当する。 以上によれば、これらの検知手段を備えた被告各システムは、構成要 件Hを充足する。 ウ構成要件I の充足性について前記(2)及び(3)のとおり、②車両検知器(SS3)は「第1の検知手段」に、①発進制御機1は「第1の遮断機」に、それぞれ該当し、前記アのとおり、④発進制御機2は、構成要件Gの「第1のレーンに設けられた第2の遮断機」に該当し、前記イのとおり、⑥車両検知器(SS4) は、「前記第2の遮断機を通過した車両を検知する第2の検知手段」に該当する。また、前提事実(7)のとおり、被告各システムは、②車両検知器(SS3)が車両の通過を検知すると①発進制御機1の開閉バーが自動的に閉じ、⑥車両検知器(SS4)が車両の通過を検知すると④発進制御機2の開閉バーが自動で閉じるものである。そうすると、被告各シス テムは、「前記第1の検知手段により車両の進入が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第1の遮断機を下ろし、前記第2の検知手段により車両の通過が検知された場合、前記車両が通過した後に、前記第2の遮断機を下ろすことを特徴」としているといえる。 以上によれば、被告各システムは、構成要件Iを充足する。 (7) 構成要件Jの充足性前記(1)で説示したとおり、被告各システムは「車両を誘導するシステム」であるから、構成要件Jの「車両誘導システム」にも該当する。 よって、被告各システムは、構成要件Jを充足する。 (8) 小括 以上によれば、被告各システムは、本件発明1の技術的範囲に属する。 争点2(被告各システムが本件発明2の にも該当する。 よって、被告各システムは、構成要件Jを充足する。 (8) 小括 以上によれば、被告各システムは、本件発明1の技術的範囲に属する。 争点2(被告各システムが本件発明2の技術的範囲に属するか)について前記2(6)のとおり、⑦車両検知器(SS5)が構成要件Kの「第3の検知手段」に、⑤発進制御機3が構成要件Kの「第3の遮断機」に、それぞれ該当し、前提事実(7)のとおり、被告システムにおいては、⑦車両検知器(SS5) が車両の通過を検知すると、⑤発進制御機3の開閉バーが閉じるから、被告各 システムは、構成要件Kを充足する。 以上によれば、被告各システムは、本件発明2の技術的範囲に属する。 争点3(信義則違反ないし権利濫用)について被告は、本件各発明の発明者でなく、高速道路事業に無関係な原告が、公益事業に関して特許権侵害に基づく損害賠償請求をすることは、高速道路株式会 社法1条の定める公益に反し、一人原告のみが国民全体の損害において利得を得ようとするものであるから、原告による本件請求は、信義則違反ないし権利濫用であると主張する。しかし、被告が設置する被告各システムに高速道路事業の一環としての公益性を認め得ることが、当該事業を行うに当たって他人の特許権を侵害する場合に当該特許に係る実施料相当額を支払う義務を否定する 根拠となるものではない。原告は、原告代表者から移転を受けた本件特許権に基づき、被告に対して本件特許権の侵害を理由とする損害賠償請求として実施料相当額の支払を求めているにすぎず、かつ、本件全証拠によっても、その請求に係る損害額が算定根拠のない著しく過大なものであるなど、信義則違反ないし権利濫用を基礎付けるに足りる事実を認めることもできないから、本件請 求が正当な権 かつ、本件全証拠によっても、その請求に係る損害額が算定根拠のない著しく過大なものであるなど、信義則違反ないし権利濫用を基礎付けるに足りる事実を認めることもできないから、本件請 求が正当な権利行使の範囲を超えるものということはできない。 以上によれば、被告が主張する事由により、原告による本件特許権侵害に係る損害賠償請求が信義則に反し又は権利の濫用に当たるとは認められないというべきである。 争点4(損害の発生及び額)について (1) 本件各発明の実施について前提事実(6)のとおり、被告は、遅くとも平成29年6月16日以降、被告各システムを本件各SICに設置し、同システムによって、通過する車両から通行料金等を徴収しているものである。そして、被告が、本件各発明の技術的範囲に含まれる被告各システムを設置して、被告各システムにより被 告各SICから各有料道路に出入りする車両を誘導していることは、本件各 発明の「使用」(特許法2条3項1号)に当たる。 (2) 被告各システムの使用による車両1台当たりの売上額ア証拠(甲8、弁論の全趣旨)によれば、被告各システムを利用して高速道路に出入りする車両が被告に支払う金員(通行料金等)は、高速道路の利用1回に対して課する固定額150円(ターミナルチャージ)及 び利用距離に対して課する可変額部分(通行料金)であり、通行料金は1km当たり24.6円(普通区間、普通車)であると認められる。 そして、高速道路を利用する場合は、1回につき入口及び出口を利用することになるから、被告各SICを入口又は出口で利用した車両は、被告各SICに加えて被告各SICとは別の他のインターチェンジも通過する ことになる。そうすると、少なくとも上記ターミナルチャージの半額であ るから、被告各SICを入口又は出口で利用した車両は、被告各SICに加えて被告各SICとは別の他のインターチェンジも通過する ことになる。そうすると、少なくとも上記ターミナルチャージの半額である75円が被告各システムの使用に係る売上げに当たるといえる。 また、被告各SICから出入りする車両は、少なくとも被告各SICと隣接するインターチェンジとの間を走行するから、被告各SICとこれに隣接するインターチェンジまでの距離に対応する可変額部分(通行 料金)は、被告各システムの使用に係る売上げに当たるということができ、証拠(甲17ないし21)によれば、被告各システムに係る上記可変額分(通行料金)の額は、以下のとおりと認められる。 (ア) 被告システム1双葉SICの隣接インターチェンジは、甲府昭和IC(距離:5k m)及び韮崎IC(距離:6.2km)であり、平均5.6kmの距離にあるから、同距離に1km当たりの額24.6円を乗じた当該距離の通行料金(1円未満四捨五入)は138円である。 (イ) 被告システム2梓川SICの隣接インターチェンジは、安曇野IC(距離:3.7k m)及び松本IC(距離:3.6km)であり、平均3.65kmの 距離にあるから、同距離に1km当たりの額24.6円を乗じた当該距離の通行料金(1円未満四捨五入)は90円である。 (ウ) 被告システム3湖東三山SICの隣接インターチェンジは、八日市IC(距離:10. 1km)及び彦根IC(距離:11.2km)であり、平均10.6 5kmの距離にあるから、同距離に1km当たりの額24.6円を乗じた当該距離の通行料金(1円未満四捨五入)は262円である。 (エ) 被告システム4愛鷹SICの隣接インターチェンジは、沼津IC(距離:2 距離にあるから、同距離に1km当たりの額24.6円を乗じた当該距離の通行料金(1円未満四捨五入)は262円である。 (エ) 被告システム4愛鷹SICの隣接インターチェンジは、沼津IC(距離:2.6km)及び富士IC(距離:15.6km)であり、平均9.1kmの距離 にあるから、同距離に1km当たりの額24.6円を乗じた当該距離の通行料金(1円未満四捨五入)は224円である。 (オ) 被告システム5三方原SICの隣接インターチェンジは、浜松IC(距離:4.9km)及び浜松西IC(距離:5.6km)であり、平均5.25km の距離にあるから、同距離に1km当たりの額24.6円を乗じた当該距離の通行料金(1円未満四捨五入)は129円である。 イ前記アの被告各システムに係る通行料金にターミナルチャージの75円を合計すると被告各システムを通過する車両一台当たりの売上金額は、被告システム1が213円、被告システム2が165円、被告システム 3が337円、被告システム4が299円、被告システム5が204円であると、それぞれ認められる。したがって、上記金額が被告各システムの使用による車両1台当たりの売上げと解するのが相当である。 (3) 被告各システムを利用した車両の台数証拠(甲16)によれば、平成29年6月16日から令和4年9月30日 まで被告各SICを通過した車両の台数(1日当たり平均)は、別紙「被告 システム1~5の車両通行量(日平均通行量から推計)」の「日平均通行量」欄に各記載のとおりと認められ、これに各月の日数を乗じて月当たりの通過台数を計算すると、同別紙の「月通行量」欄に各記載のとおりとなる。そして、前提事実(6)のとおり、被告各SICの全ての出入口に被告システム1ないし5が設置されて れに各月の日数を乗じて月当たりの通過台数を計算すると、同別紙の「月通行量」欄に各記載のとおりとなる。そして、前提事実(6)のとおり、被告各SICの全ての出入口に被告システム1ないし5が設置されているから、本件特許権が登録された平成29年6月1 6日から令和4年9月30日までの被告各システムの通過台数は、被告各SICの通行量と同じ、すなわち、上記同別紙の「月通行量」欄記載のとおりと認められる。 (4) 被告各システムの使用による売上額被告各システムの使用による売上額は、前記(2)で認定した被告各システ ムの使用による車両1台当たりの売上額に前記(3)の被告各システムを利用した車両の台数を乗じて算定され、その額(1円未満四捨五入)は、別紙「被告システム1~5に関する損害金額(裁判所認定)」の「売上高(税抜き)」欄に各記載のとおりと認められる。 (5) 本件各発明の実施料率 証拠(甲3ないし7、乙1)によると、被告各システムはSICに設置されるものであって、被告各システムの設置により高速道路へのアクセスが向上し、これにより物流効率化による地域産業の発展や地域の活性化、災害時の救援、復旧活動の迅速化などの多面的な効果が期待でき、さらに、利用車をETC搭載車に限定することで、現金の収受を伴わないため、設備費や人 件費を抑えられることが認められる。また、原告は、自ら本件各発明を実施しておらず、今後も実施する可能性がないこと、被告は、原告からの警告を受けた後も本件各発明の実施を継続していることが、それぞれ認められる。 上記各事情を総合すると、本件において、本件各発明の実施料率は、2パーセントと認めるのが相当である。 (6) 損害額 ア実施料相当額前記(1)ないし(5)によれば、 上記各事情を総合すると、本件において、本件各発明の実施料率は、2パーセントと認めるのが相当である。 (6) 損害額 ア実施料相当額前記(1)ないし(5)によれば、被告各システムに係る本件各発明の「実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額」(特許法102条3項)は、別紙「被告システム1~5に関する損害金額(裁判所認定)」の「売上高(税抜き)」欄記載の額に、実施料率2パーセントを乗じて算定されると ころ、その額(1円未満四捨五入)は、同別紙「実施料相当額」の合計欄に各記載のとおりと認められる。そして、実施料相当額に係る損害については消費税が課されるから、令和元年9月までの売上げについては8パーセントの消費税額(1円未満四捨五入。以下同じ。)を、令和元年10月以降の売上げについては10パーセントの消費税を、それぞれ加 算すると、その額は、同別紙の「実施料相当額(税込み)」の「合計」欄に各記載のとおりと認められる。 イ弁護士費用相当額本件の事案の難易、請求額、認容額その他諸般の事情を斟酌すると、被告による不法行為と相当因果関係にある弁護士費用相当額は、実施料 相当額(消費税含む)の10パーセントと認めるのが相当であり、その額(1円未満四捨五入)は、同別紙「弁護士費用」合計欄に各記載のとおりと認められる。 ウ小括以上によれば、被告システム1ないし5に係る各損害額は、別紙「被告 システム1~5に関する損害金額(裁判所認定)」の「損害金合計」の「合計」欄に各記載のとおりであり、その合計額は2億6744万2241円である。そして、被告による被告各システムの使用は継続的な不法行為であるといえるから、当該不法行為によって生じた損害金に係る遅延損害金については、被告各シス り、その合計額は2億6744万2241円である。そして、被告による被告各システムの使用は継続的な不法行為であるといえるから、当該不法行為によって生じた損害金に係る遅延損害金については、被告各システムが使用された最終の日であると 原告が主張する令和4年9月30日を起算日として、同日からの民法所 定の年3パーセントの割合による遅延損害金の請求を認めるのが相当である。これに対し、原告は、平成29年6月16日から令和2年3月31日までの損害金については、同日から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金を請求するものであるが、上記のとおり、本件は、被告各システムの使用による継続的な不法行為であって、令和 2年3月31日までと同年4月1日からで不法行為の態様が異なるものではなく、仮に、原告の主張が当該不法行為により毎月損害が発生するというものであったとしても、原告は月ごとの損害額を主張立証しているものではないから、原告の上記請求は理由がないというべきである。 以上によれば、上記の不法行為に基づく原告の被告に対する損害賠償 請求としては、損害金2億6744万2241円及びこれに対する令和4年9月30日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める限度で認めるのが相当である。 (7) 被告の主張について被告は、特許法102条3項により算定される実施料相当額の損害は、一 般には、売上額に実施料率を乗じて算定されるが、被告の高速道路に係る事業は、営利を目的しておらず公益事業に当たるものであるから、売上額に実施料相当額を乗じる算定方法を採用することは相当ではなく、当該実施に係る設備工事の契約に係る設備費用に基づき、この設備費用に付加する必要があるその他 おらず公益事業に当たるものであるから、売上額に実施料相当額を乗じる算定方法を採用することは相当ではなく、当該実施に係る設備工事の契約に係る設備費用に基づき、この設備費用に付加する必要があるその他費用、すなわち設備費用の2パーセントとするのが相当であると 主張する。 確かに、高速道路株式会社法1条に定める被告の目的からすれば、被告の高速道路に係る事業は、公益性を有するものであるといえるものの、被告は株式会社であり、証拠(甲22)によれば、被告は、被告が設置管理する高速道路を利用する車両から通行量を徴収することにより収益を上げていると 認められるし、被告の主張を前提とすると、特許権侵害行為による売上げが あるにもかかわらず、特許権侵害行為が公益性を有しているということを理由として、当該特許発明の実施料相当額が売上額に基づいて算定されず、その結果、特許権者が、本来であれば特許発明の実施許諾に応じないような不当に低い実施料相当額をもって特許権侵害を甘受しなければならないことになり、相当でないというべきである。 また、被告は、被告各システムの設備工事の契約に係る設備費用の2パーセントを実施料相当額と認めるべきことの証拠として、実施許諾契約書(乙10ないし17)を提出するが、うち乙第10ないし16号証については、いずれも被告が特許権者として自らが有する特許権に係る発明の実施を許諾する契約に係るものであって、被告が特許発明を実施する者として実施料相 当額を支払う内容の契約に係るものではなく、また、乙第17号証の契約書は、そもそも被告が契約の直接当事者ですらないものである。しかも、いずれの契約書も、工事の請負契約に係るものであって、特許発明の継続的な使用に関するものではない。したがって、これらの契約書の存在をも は、そもそも被告が契約の直接当事者ですらないものである。しかも、いずれの契約書も、工事の請負契約に係るものであって、特許発明の継続的な使用に関するものではない。したがって、これらの契約書の存在をもって、被告の主張する算定方法が相当であるということはできない。 以上によれば、特許法102条3項による損害額の算定に係る被告の上記主張は採用できないというべきである。 第3 結論以上によれば、原告の請求は、主文第1項の限度で理由があるから、この限度で認容し、その余の請求を棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第29部 裁判官 塚田久美子 裁判官 木村洋一 裁判長裁判官國分隆文は、差支えにつき署名押印することができない。 裁判官 塚田久美子 (別紙)物件目録 1-1 双葉スマートインターチェンジ上りレーン入口車両誘導システム1-2 双葉スマートインターチェンジ上りレーン出口車両誘導システム 1-3 双葉スマートインターチェンジ下りレーン入口車両誘導システム1-4 双葉スマートインターチェンジ下りレーン出口車両誘導システム 2-1 梓川スマートインターチェンジ上りレーン入口車両誘導システム ーチェンジ下りレーン入口車両誘導システム1-4 双葉スマートインターチェンジ下りレーン出口車両誘導システム 2-1 梓川スマートインターチェンジ上りレーン入口車両誘導システム2-2 梓川スマートインターチェンジ上りレーン出口車両誘導システム 2-3 梓川スマートインターチェンジ下りレーン入口車両誘導システム2-4 梓川スマートインターチェンジ下りレーン出口車両誘導システム 3-1 湖東三山スマートインターチェンジ上りレーン入口車両誘導システム3-2 湖東三山スマートインターチェンジ上りレーン出口車両誘導システム 3-3 湖東三山スマートインターチェンジ下りレーン入口車両誘導システム3-4 湖東三山スマートインターチェンジ下りレーン出口車両誘導システム 4-1 愛鷹スマートインターチェンジ上りレーン入口車両誘導システム4-2 愛鷹スマートインターチェンジ上りレーン出口車両誘導システム 4-3 愛鷹スマートインターチェンジ下りレーン入口車両誘導システム4-4 愛鷹スマートインターチェンジ下りレーン出口車両誘導システム 5-1 三方原スマートインターチェンジ上りレーン入口車両誘導システム5-2 三方原スマートインターチェンジ上りレーン出口車両誘導システム 5-3 三方原スマートインターチェンジ下りレーン入口車両誘導システム 5-4 三方原スマートインターチェンジ下りレーン出口車両誘導システム以上 (別紙) 分割一覧 親出願特許(本件発明) ム以上 (別紙)分割一覧 親出願特許(本件発明)
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