平成20(受)1631 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成22年10月22日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄自判 東京高等裁判所 平成19(ネ)3361
ファイル
hanrei-pdf-80782.txt

判決文本文8,925 文字)

- 1 - 主文 原判決中,上告人敗訴部分を破棄する。 前項の部分につき,被上告人の控訴を棄却する。 控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。 理由 上告代理人荒井紀充ほかの上告受理申立て理由(ただし,排除されたものを除く。)について 1 本件は,A(以下「A」という。)の発行する普通株式を保有していた被上告人が,上告人において,Aの発行する種類株式に係る株券を買い付けるに当たり,普通株式と共に公開買付けによらなければならなかったのに,これによらなかったことが違法であり,その結果,その保有していた普通株式を売却する機会を逸し,損害を被ったなどと主張して,上告人に対し,不法行為に基づく損害賠償を求める事案である。 2 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。 (1) 平成18年1月当時,Aの発行する株式のうち,C種類株式(議決権はあるが,利益配当請求権はなく,同年10月1日以降であれば普通株式への転換が可能であるという内容の種類株式)に係る株券の所有者は,B(以下「B」という。)及びC(以下「C」という。)の2名のみであったが,他方,普通株式に係る株券の所有者は多数おり,被上告人も,Aの発行する普通株式1500株を保有していた。 (2) 上告人は,C種類株式に係る株券の買付けを公開買付けによらないで行うことにつき,B及びCの同意を得た上で,平成18年1月31日にBから,同年2- 2 -月21日にCから,それぞれが所有する上記株券の全部を公開買付けによらずに買い付けた(以下「本件各買付け」という。)。 3 公開買付けの要否に関する法令等(1) 平成18年法律第65号による改正前の証券取引法(以下「証取法」という。)は,27 開買付けによらずに買い付けた(以下「本件各買付け」という。)。 3 公開買付けの要否に関する法令等(1) 平成18年法律第65号による改正前の証券取引法(以下「証取法」という。)は,27条の2第1項本文において,その株券等(同項に規定する有価証券をいう。以下同じ。)について有価証券報告書を提出しなければならない発行者の株券等につき,当該発行者以外の者が,取引所有価証券市場外において買付け等を行う場合には,公開買付けによらなければならないとして,上記の場合における公開買付けの原則を定めるとともに,その例外を定める同項ただし書6号において,「政令で定める株券等の買付け等」については,公開買付けによる必要はない旨を定めていた。 (2) 上記(1)の「政令」である平成18年政令第377号による改正前の証券取引法施行令(以下「施行令」という。)7条5項4号は,上記(1)の「政令で定める株券等の買付け等」として,①株券等の所有者が少数である場合として内閣府令で定める場合であって,②当該株券等に係る特定買付け等を公開買付けによらないで行うことにつき,当該株券等のすべての所有者が同意している場合として内閣府令で定める場合における当該特定買付け等を規定する。 これと同旨の規定は,平成15年政令第116号証券取引法施行令の一部を改正する政令により新たに設けられたものであり,その後,政令への委任の根拠となる規定であった平成16年法律第97号による改正前の証券取引法(以下「旧証取法」という。)27条の2第1項ただし書の号数の変更等に伴う改正がされたものの,上記①及び②の内容自体は,本件各買付けの時点まで何らの変更もされていな- 3 -い。 (3) 上記(2)の「内閣府令」である平成18年内閣府令第86号による改正前の「発行者以外の者によ の,上記①及び②の内容自体は,本件各買付けの時点まで何らの変更もされていな- 3 -い。 (3) 上記(2)の「内閣府令」である平成18年内閣府令第86号による改正前の「発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令」(以下「他社株府令」という。)3条の2の4第1項は,上記(2)の①の「株券等の所有者が少数である場合として内閣府令で定める場合」を「株券等の所有者が25名未満である場合」であると定め,また,同条2項は,上記(2)の②の「当該株券等に係る特定買付け等を公開買付けによらないで行うことにつき,当該株券等のすべての所有者が同意している場合として内閣府令で定める場合」を「当該株券等に係る特定買付け等を公開買付けによらないで行うことに同意する旨を記載した書面が当該株券等のすべての所有者から提出された場合」であると定める。 この規定は,平成15年内閣府令第28号の改正により新たに設けられた規定であり,本件各買付けの時点まで何らの変更もされていない(以下,施行令7条5項4号及び他社株府令3条の2の4第1項の定める株券等の所有者の人数についての要件を「25名未満要件」,施行令7条5項4号及び他社株府令3条の2の4第2項の定める株券等の所有者の同意についての要件を「同意要件」という。)。 (4) 上記(2)及び(3)にいう特定買付け等とは,株券等の買付け等を行う相手方の人数と,当該買付け等を行う日前60日間に,取引所有価証券市場外において行った当該株券等の発行者の発行する株券等の買付け等の相手方の人数との合計が10名以下である場合における株券等の買付け等をいう(施行令7条5項1号,同条4項)。 上記の特定買付け等については,平成15年政令第116号及び同年内閣府令第28号による改正前は,当該株券等の買付け等を である場合における株券等の買付け等をいう(施行令7条5項1号,同条4項)。 上記の特定買付け等については,平成15年政令第116号及び同年内閣府令第28号による改正前は,当該株券等の買付け等を行う者及びその特別関係者の株券- 4 -等所有割合の合計が3分の1を超えない場合につき,公開買付けによる必要はないものとされていたところ,更に,上記改正により,25名未満要件及び同意要件をいずれも充足する特定買付け等については,上記の割合の合計が3分の1を超える場合であっても,公開買付けによる必要がないものとされた。 4 原審は,次のとおり判断し,被上告人の上告人に対する請求を9400円及びその遅延損害金の支払を求める限度で認容した。 (1) 施行令7条5項4号,他社株府令3条の2の4第1項及び第2項所定の「株券等」とは,買付者が,種類株式を発行している会社の特定の種類株式を取引所有価証券市場外において買い付けることを企図している場合においても,当該買付けの対象とされた種類株式に係る株券等のみならず,当該買付けの対象としていない株券等も含めたすべての株券等をいうものと解すべきである。 (2) AにおけるC種類株式に係る株券の所有者はB及びCの2名であったが,他に普通株式に係る株券の所有者が多数いたから,本件各買付けは,施行令7条5項4号,他社株府令3条の2の4第1項及び第2項所定の要件を充足していないので,公開買付けによらないことができる場合に当たらない。本件各買付けを公開買付けによらずに行ったことは,普通株式の株主である被上告人との関係でも違法なものとして,不法行為を構成する。 5 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。 (1) 平成15年政令第116号及び同年内閣府令第28号に 違法なものとして,不法行為を構成する。 5 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。 (1) 平成15年政令第116号及び同年内閣府令第28号による改正により,施行令7条5項4号,他社株府令3条の2の4第1項及び第2項において,25名未満要件及び同意要件をいずれも充足する特定買付け等については,当該特定買付- 5 -け等を行う者及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が3分の1を超える場合であっても,公開買付けによる必要がないものとされ,公開買付け規制に新たな例外が設けられたことは,前記3のとおりである。上記改正は,企業活動の活性化のためには,事業再編等を容易にできるようにする必要があるにもかかわらず,上記改正前における公開買付け規制が,経営支配権の移動を伴う株式等の相対取引を制約し,事業再編等の支障となっていたことから,事業再編等の迅速化及び手続の簡素化を図ることなどを目的として行われたものであって,25名未満要件及び同意要件を充足する特定買付け等については,公開買付けによらずに買付けを行い得るものとすることがその目的に資するとの判断に基づくものである。 ところで,旧証取法27条の2第1項は,株券等の買付け等を行う者が特定の種類の株券等のみを買付け等の対象とし得ることを前提として,買付け等の対象としようとする種類の株券等の買付け等についての公開買付けの要否を規律したものであるから,同項5号の規定を受けて定められた25名未満要件及び同意要件も,買付け等の対象としようとする特定の種類の株券等の特定買付け等について,これを公開買付けによらずに行うための要件を定めたものと解するのが合理的である。そして,事業の再編等のためには,その再編等のために発行された特定の種類の株券等のみの特定買 等の特定買付け等について,これを公開買付けによらずに行うための要件を定めたものと解するのが合理的である。そして,事業の再編等のためには,その再編等のために発行された特定の種類の株券等のみの特定買付け等をすることが必要な場合がある上,有価証券報告書の提出義務を負うのは,証券取引所に上場されている有価証券を発行する会社等(旧証取法24条1項)であるから,一般に,その会社が発行する株券等の所有者が多数に及ぶことは明らかであって,このような実情や上記改正の目的をも考慮すると,上記各要件は,買付け等の対象としようとする特定の種類の株券等の特定買付け等を前提として定められたものというべきである。上記各要件にいう「株券等」を当該特- 6 -定買付け等の対象とならない種類の株券等(普通株式に係る株券を含む。)も含めたすべての株券等を意味するものであると解すると,上記各要件が充足される余地は実際上極めて限定されたものとなり,事業再編等の迅速化及び手続の簡素化のために上記の各規定が設けられた趣旨がおよそ没却されることになる。 以上に加え,特定買付け等が公開買付けにより行われるか否かは,当該特定買付け等の対象となる特定の種類の株券等の所有者の利害に直接影響するものであるものの,その株券等の所有者において当該特定買付け等を公開買付けによらないで行うことにつき同意しているのであれば,その株券等の所有者にその株券等の公開買付けによる売却の機会を保障する必要はないことから,同意要件を設けたものであって,特定買付け等を行う者において買付けの対象としない他の種類の株券等があるとしても,その所有者の利害に重大な影響を及ぼすものではないものとして,その同意は必要とされなかったものと解するのが相当である。 そして,本件各買付けの時点で適用される施行令7条5項4号,他 あるとしても,その所有者の利害に重大な影響を及ぼすものではないものとして,その同意は必要とされなかったものと解するのが相当である。 そして,本件各買付けの時点で適用される施行令7条5項4号,他社株府令3条の2の4第1項及び第2項の定める25名未満要件及び同意要件の内容が,上記平成15年改正後の証券取引法施行令7条5項4号及び他社株府令3条の2の4第1項及び第2項のそれと異なるところがないことは,前記3(2)及び(3)のとおりである。 以上によれば,施行令7条5項4号,他社株府令3条の2の4第1項及び第2項所定の「株券等」には,特定買付け等の対象とならない株券等が含まれると解する余地はないものというべきである。 (2) そうすると,本件各買付けにつき,25名未満要件及び同意要件を充足しているか否かを検討するに当たり,買付けの対象とされたC種類株式に係る株券以- 7 -外の株式等に係る株券等の所有者の人数やその同意の有無を考慮する余地はない。 そして,前記事実関係によれば,上告人が特定買付けの対象としたC種類株式に係る株券の所有者は,BとCのみであり,その買付けを公開買付けによらないで行うことにつき両名の同意を得ていたというのであるから,本件各買付けを公開買付けによる必要はなく,本件各買付けを公開買付けによらずに行ったことは,証取法27条の2第1項に違反するものとはいえず,普通株式の株主である被上告人との関係で,不法行為法上違法なものであるということはできない。 6 上記と異なる見解の下に,被上告人の請求を認容した原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,原判決中,上告人敗訴部分は破棄を免れない。そして,以上説示したところによれば,同部分に関する被上告人の請求は理由がなく,これを棄却 に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,原判決中,上告人敗訴部分は破棄を免れない。そして,以上説示したところによれば,同部分に関する被上告人の請求は理由がなく,これを棄却した第1審判決は正当であるから,上記部分につき,被上告人の控訴を棄却することとする。 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。なお,裁判官須藤正彦の補足意見がある。 裁判官須藤正彦の補足意見は,次のとおりである。 私は法廷意見に賛成するものであるが,本件各買付け後に改正された証券取引法,同法施行令及び内閣府令の規定が,基本的に現行の金融商品取引法等にも引き継がれており,かつ,前記4(1)の原審の判断は,その改正内閣府令の解釈をも根拠としているので,それらのことにかんがみ,以下の点を補足しておきたい。 1 公開買付けは,会社支配権や株価に重大な影響を及ぼし得る取引所有価証券市場外での大量の株券等の取得に際して,情報を開示させ,一般株主にも保有株式の売却の機会を公平に与え,そのことによって証券取引市場の信用を確保しようと- 8 -する制度である。そこで,特定買付け等の場合であっても,買付け等の後における当該特定買付け等を行う者の所有に係る株券等の株券等所有割合とその者の特別関係者の株券等所有割合とを合計した割合(以下,この合計した割合を「特定買付け等株券等所有割合」という。)が3分の1を超えるときには,公開買付けによるべき旨の規制を課すこととしたのであるが(いわゆる3分の1ルール),平成16年法律第97号による改正前の証券取引法(旧証取法),同年政令第354号による改正前の証券取引法施行令,平成18年内閣府令第86号による改正前の「発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(他社株府令)」は,法廷意見 (旧証取法),同年政令第354号による改正前の証券取引法施行令,平成18年内閣府令第86号による改正前の「発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(他社株府令)」は,法廷意見が述べる理由から,特定の種類の株券等を対象とする特定買付け等を前提に,当該特定買付け等の対象となる株券等(以下「特定買付け等対象株券等」という。)についての25名未満要件及び同意要件のいずれをも充足する場合に,特定買付け等株券等所有割合が3分の1を超えても公開買付けは免除されるとして,その規制を緩和した。 しかしまた,特定買付け等株券等所有割合が3分の2以上になると,それによって上場廃止や会社法上の特別決議(同法309条2項)に基づく組織再編行為が可能となるから,そのことを通じて買付け等対象外株券等(当該特定買付け等の対象とならない株券等を指す。普通株式に係る株券を含む。)の所有者はいわゆる手残り株を抱えるなど著しく不安定な地位に陥る可能性がある。そこで,平成18年法律第65号証券取引法等の一部を改正する法律2条の規定による改正後の証券取引法(以下「新証取法」という。)の下で,同年政令第377号による改正後の証券取引法施行令(以下「新施行令」という。)6条の2第1項7号及び同年内閣府令第86号による改正後の「発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関す- 9 -る内閣府令」(以下「新他社株府令」という。)2条の5第2項1号は,そのように特定買付け等株券等所有割合が3分の2以上となり,かつ,買付け等対象外株券等が発行されている場合に,①特定買付け等対象株券等についての25名未満要件及び同意要件を充足することに加えて,②公開買付けによらないで行うことについての当該買付け等対象外株券等に係る種類株主総会の同意決議,又は,当該買付け等対象 付け等対象株券等についての25名未満要件及び同意要件を充足することに加えて,②公開買付けによらないで行うことについての当該買付け等対象外株券等に係る種類株主総会の同意決議,又は,当該買付け等対象外株券等の所有者が25名未満である場合のすべての所有者の同意書面の提出もまた公開買付けを免除するための要件として要求し(3分の2基準),いわゆる全部勧誘義務(新証取法27条の2第5項,新施行令8条5項3号,新他社株府令5条5項),全部買付義務(新証取法27条の13第4項,新施行令14条の2の2)の導入による売却の機会の保障と相まって,それら少数株主となる買付け等対象外株券等の所有者の保護を図ったのである(なお,金融商品取引法の下でも,これらの規定はそのまま引き継がれている。)。 以上の立法の経緯に照らせば,旧証取法,これと実質的に異なるところはない平成18年法律第65号による改正前の証券取引法(証取法)の下での同年政令第377号による改正前の証券取引法施行令(施行令)7条5項4号,他社株府令3条の2の4第1項及び第2項所定の「株券等」及び「当該株券等」(以下で「株券等」,「当該株券等」と称するときは,特に断らない限り,これらを指す。)が特定買付け等対象株券等を意味することを前提とした上で,新他社株府令は,初めて買付け等対象外株券等の所有者に一定の関与を認めるに至ったのであり,そのことは立法担当者,市場関係者等の共通の認識として蓄積され,しかも,新証取法がそのまま現行の金融商品取引法に引き継がれた後も,以上の点についての新施行令,新他社株府令の規定は何らの変更もされていないから,定着しているとみられるの- 10 -である。 2 上記のような立法の当否それ自体については,賛否両論があり得るとは思われるが,上記のような,25名未満要件及び同 何らの変更もされていないから,定着しているとみられるの- 10 -である。 2 上記のような立法の当否それ自体については,賛否両論があり得るとは思われるが,上記のような,25名未満要件及び同意要件をいずれも充足する特定買付け等につき公開買付けによる必要がないとする規定が設けられた趣旨や平成18年改正の経緯等に照らせば,原審のような解釈,すなわち,上記の「株券等」や「当該株券等」が,買付け等の対象としていない株券等も含めたすべての株券等をいうものと解する余地はないというべきである。 3 また,本件に即していうならば,経営難に陥った企業の事業再編等の成就のためには当該企業の株式(種類株式)の取得による資金投入がしばしば必要とされるところ,上記の原審のような解釈は,出資者(本件におけるBなど)をして,後日,当該企業の経営が健全化したなどの時点で取得株式を相対で売却して投下資金をスムーズに回収することの見通しに不安を抱かしめ,出資を差し控えさせることにもなりかねないから,避けなければならないのである。 4 ところで,原審は,上記の「株券等」や「当該株券等」に,買付けの対象としていない株券等も含めたすべての株券等が含まれるとする根拠として,新施行令6条の2第1項及び新他社株府令2条の5第2項の文言を指摘するが,その文言解釈の観点から見ても,上記のような解釈は疑問である。というのも,特定買付け等株券等所有割合が3分の2以上となると買付け等対象外株券等の所有者の地位は一層不安定になるのに,上記の解釈では,かえって,その割合が3分の1を超え,3分の2未満の状態のときでさえも要求されていたそれらの者の全員同意が一部不要ならしめられて種類株主総会の決議で足りるということになるのであり(新他社株府令2条の5第2項1号イ),そのことの合理性を説明 の2未満の状態のときでさえも要求されていたそれらの者の全員同意が一部不要ならしめられて種類株主総会の決議で足りるということになるのであり(新他社株府令2条の5第2項1号イ),そのことの合理性を説明できないように思われる。 - 11 -更に,上記の解釈によると,同条第1項で買付け等対象外株券等も含めたすべての株券等を指す「株券等」や「当該株券等」の所有者の数は25名未満でなければならないから,同条第2項1号ロにおいて,買付け等対象外株券等の所有者数が25名未満であるとの要件をわざわざ定めることは無意味であろう。 もっとも,同号は,特定買付け等株券等所有割合が3分の2以上になる場合に要件を加重し,買付け等を行う者の売買契約の自由についての規制を強めるのだから,何がしかの疑義を招かないようにする意味でも,内閣府令よりも証券取引法施行令で規定する方が望ましかったのではないかとの感を抱かされるところである。 (裁判長裁判官須藤正彦裁判官古田佑紀裁判官竹内行夫裁判官千葉勝美)

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る