平成29(行ウ)216 相続税更正処分等取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成30年9月27日 東京地方裁判所 租税
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判決文本文52,901 文字)

平成30年9月27日判決言渡平成29年(行ウ)第216号相続税更正処分等取消請求事件主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 処分行政庁が原告P1に対し,平成27年11月11日付けでした,平成24年▲月▲日相続開始に係る相続税更正処分のうち,納付すべき金額1270万9700円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。 2 処分行政庁が原告P2に対し,平成27年11月11日付けでした,平成24年▲月▲日相続開始に係る相続税更正処分のうち,納付すべき金額95万1700円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。 3 処分行政庁が原告P3に対し,平成27年11月11日付けでした,平成24年▲月▲日相続開始に係る相続税更正処分のうち,納付すべき金額97万0 600円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。 第2 事案の概要本件は,原告らが,別表1「課税処分等の経緯」(以下「別表1」という。)記載のとおり,被相続人P4(以下「本件被相続人」という。)が平成24年▲月▲日死亡したことによって開始した相続(以下「本件相続」という。)に 係る相続税(以下「本件相続税」という。)の申告及び修正申告をしたところ,処分行政庁は,平成27年11月11日,財産評価基本通達(昭和39年4月25日付け直資56ほかによる国税庁長官通達。ただし,平成24年3月2日付け課評2-8ほかによる改正前のもの。以下「評価通達」という。)に基づき,相続の対象となる土地の価額を算定し,別表1記載のとおり,相続税の各 更正処分(以下「本件各更正処分」という。)及び過少申告加算税の各賦課決 定処分(以下「本件各賦課 」という。)に基づき,相続の対象となる土地の価額を算定し,別表1記載のとおり,相続税の各 更正処分(以下「本件各更正処分」という。)及び過少申告加算税の各賦課決 定処分(以下「本件各賦課決定処分」といい,本件各更正処分と併せて「本件各更正処分等」という。)をしたが,評価通達による土地の評価額は,不動産鑑定によって評価された適切な市場における客観的な交換価値を著しく超えるものであり,違法であるとして,本件各更正処分等の取消しを求める事案である。 1 関係法令等の定め関係法令等の定めは,別紙2「関係法令等の定め」に記載のとおりである(なお,同別紙中で定義した略称等は,以下の本文においても同様に用いることがある。)。 2 前提事実(証拠等を掲げていない事実は当事者間に争いがない。) ⑴ 当事者等本件被相続人は,平成24年▲月▲日死亡した。その法定相続人は,妻であるP5及び子の原告らであった。(乙6,8)⑵ 相続財産本件被相続人の相続財産として,別表2「本件各土地の概要」(以下 「別表2」という。)記載の不動産(以下同表の順号1ないし9の土地をそれぞれ順号ごとに「本件1土地」,「本件2土地」などといい,本件1土地ないし本件9土地を併せて「本件各土地」という。),その他の土地(合計額1775万2312円),家屋(住所省略)(価額43万2327円),その他の家屋・構築物(合計額3048万3790円), 有価証券(合計額688万6172円),現金・預貯金等合計7861万5865円,その他の財産合計2030万9664円が存在した。また,本件被相続人の相続債務等4447万8486円が存在した。(甲4の1から4の3,乙8)⑶ 本件相続開始時の本件各土地の状況 ア の財産合計2030万9664円が存在した。また,本件被相続人の相続債務等4447万8486円が存在した。(甲4の1から4の3,乙8)⑶ 本件相続開始時の本件各土地の状況 ア本件各土地は,いずれもα市に所在する土地であり,本件相続開始 時の本件各土地の区域区分,地積及び現況地目は別表2のとおりであった。 イ評価通達を前提とすると,本件5土地を除く本件1土地ないし本件8土地は,関東信越国税局長が定めた平成24年分財産評価基準書によれば,評価通達13に定める路線価方式により評価する地域に所在し,本件 5土地は,評価通達40に定める方式により評価する地域に所在し,本件1土地ないし本件8土地に面する路線に付された路線価及び形状は,別図1ないし4のとおりである。また,当該各土地(ただし,本件5土地は,農地であるから,その農地が宅地であるとした場合)は,いずれも評価通達14-2が定める「普通住宅地区」に所在し,当該各土地に係る評価通 達27に定める借地権割合はいずれも50パーセントであり,当該各土地の存する地域における評価通達94に定める借家権割合はいずれも30パーセントである。本件9土地は,評価通達21に定める倍率方式により評価する地域に所在し,同局長が定めた倍率は1.2倍である。また,当該土地が所在する状況類似地域の標準宅地の1平方メートル当たりの価 格は1万0800円である。 ⑷ 課税処分等の経緯等ア原告らに対する課税処分等の経緯は,別表1記載のとおりであり,詳細な経緯は後記イ以下に記載のとおりである。 イ原告ら及びP5の間で,平成24年12月2日に遺産分割協議が成立 し,本件1土地ないし本件8土地の各土地は,原告P1が取得し,本件9土地は,P5が取得することと 載のとおりである。 イ原告ら及びP5の間で,平成24年12月2日に遺産分割協議が成立 し,本件1土地ないし本件8土地の各土地は,原告P1が取得し,本件9土地は,P5が取得することとなった。 ウ原告ら及びP5は,P6不動産鑑定士(以下「P6鑑定士」という。)が作成した平成24年8月8日付け不動産評価報告書(以下「本件報告書」という。)を基に算出した金額が本件各土地の評価額であるなどとした相 続税の申告書(以下「本件当初申告書」という。)を,同年12月10日(法 定申告期限内)に処分行政庁に対して提出した。 エ原告ら及びP5は,春日部税務署の所部職員による本件相続税の調査を受け,同調査において誤りがあると指摘された事項のうち,本件各土地に係る相続税評価以外の事項について修正した修正申告書(以下「本件修正申告書」という。)を,平成27年2月2日に処分行政庁に対して提出した。 オ処分行政庁は,本件各土地の時価は評価通達に基づく相続税評価額(以下「通達評価額」という。)であるとして,平成27年11月11日付けで,原告らに対し,本件各更正処分等をした。 カ原告らは,本件各更正処分等を不服として,平成27年12月28日付けで異議申立てをしたが,処分行政庁は,平成28年3月4日付けで,同 異議申立てをいずれも棄却する旨の決定をした。 キ原告らは,さらに平成28年4月1日付けで審査請求をしたが,国税不服審判所長は,平成29年1月24日付けで,同審査請求をいずれも棄却する旨の裁決をした。 ク原告らは,平成29年5月11日,本件訴えを提起した。(顕著な事実) 3 本件各更正処分等の根拠及び適法性についての被告の主張本件各更正処分等の根拠及び適法性についての被告の主張は,後記5に掲げる 年5月11日,本件訴えを提起した。(顕著な事実) 3 本件各更正処分等の根拠及び適法性についての被告の主張本件各更正処分等の根拠及び適法性についての被告の主張は,後記5に掲げるほか,別紙3「課税処分の根拠」(以下「別紙3」という。)に記載のとおりである(なお,同別紙中で定義した略語は,以下本文においても同様に用いることがある。)。 4 争点本件各土地の価額の評価 5 争点に対する当事者の主張(被告の主張)⑴ 相続財産を評価するに当たって適用される評価通達の定めに一般的な合理 性があり,かつ,同通達に定める評価方法によるべきではない特別な事情が ない限り,当該財産は同通達に定める評価方法に従って評価すべきであって,当該評価方法に従って算定された評価額は,相続税法22条に規定する時価であると推認されるというべきであるから,当該評価額に基づく課税処分は適法である。 ⑵ 評価通達の合理性 本件各土地の評価に際して適用される評価通達の定めは,いずれも合理性を有するものである。 ア評価通達に定められた市街地的形態を形成する地域にある宅地の価額について,各国税局長が定めた路線価を基に評価する方式である路線価方式は,売買実例価額,公示価格,不動産鑑定士等による鑑定評価額,精通者 意見価格等に基づき,また,評価上の安全性にも配慮して地価公示価格と同水準の価格の80パーセントを目途として定められた路線価を基に,評価する土地の形状等により,地区ごとに区分した上で,その奥行による補正(評価通達15),側方路線等による影響を加算(評価通達16ないし18),不整形地の場合の補正(評価通達20),間口狭小又は奥行長大 による補正(評価通達20-3)等をして,評価対象地の個別の事情も 通達15),側方路線等による影響を加算(評価通達16ないし18),不整形地の場合の補正(評価通達20),間口狭小又は奥行長大 による補正(評価通達20-3)等をして,評価対象地の個別の事情もその評価額に反映させるものであることからすると,宅地の時価を求める方式として合理性を有していると認められる。 イ固定資産税評価額に国税局長が一定の地域ごとにその地域の実情に即するように定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する倍率方式に おける倍率は,売買実例価額,公示価格,不動産鑑定士等による鑑定評価額,精通者意見価格等に基づき,評価上の安全性も考慮し公示価格と同水準の価格の80パーセントを目途に国税局長が定めたものであるから,その倍率には,合理性が認められ,倍率方式は,宅地の時価を求める方式として合理性を有していると認められる。 ウ市街地農地及び市街化区域の雑種地の価額は,宅地の価額を基にいわゆ る宅地比準方式により評価することとされているところ,市街化区域とは,既に市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域であり(都市計画法7条2項),市街地農地及び市街化区域の雑種地は,付近の宅地価格の影響により農地又は雑種地としての価額よりむしろ宅地の価額に類似する価額で取引されるもので ある。したがって,これらの土地を宅地に比準して評価することは,合理性を有しているものと認められる。 エ評価すべき土地が広大地である場合は,その広大地の面する路線価に広大地補正率を乗じて計算した価額にその広大地の地積を乗じて計算した金額により評価することとされているところ,これは,その地域における 標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で開発行為を行うと を乗じて計算した価額にその広大地の地積を乗じて計算した金額により評価することとされているところ,これは,その地域における 標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものについて,当該負担による価額の低下分について補正を行うものである。また,当該補正を行う際に用いられる広大地補正率も,収集した鑑定評価事例を基に,1平方メートル当たりの鑑定評価額が正面路線価に占める割合と評 価対象地の地積との関係を統計学の手法(最小二乗法による回帰分析)を用いて分析・検討を行い,評価の簡便性や安全性にも配慮して定められた算式によって求められるものである。したがって,このような広大地の評価方法は,合理性を有していると認められる。 オ貸宅地,貸家建付地及び貸し付けられている雑種地の評価方法も合理性 を有するものである。 ⑶ 本件各土地の相続税評価額本件各土地の評価に際して適用される評価通達の定めは,いずれも合理性を有するものであるところ,本件各土地を評価通達の定めに基づき評価した際の相続税評価額(通達評価額)は,次のとおりである。 ア本件1土地について 本件1土地に係る事実関係本件1土地は,同土地の上に,本件被相続人が所有する倉庫が存しており,当該倉庫は,P7病院に対して貸し付けられていた。 本件1土地の通達評価額 2251万2974円本件相続開始日における本件1土地の現況地目は宅地であり,実質的 にも,本件1土地の上には,本件被相続人が所有する倉庫が存していたことからすれば,本件1土地の評価上の区分は宅地であると認められる。そして,当該倉庫は,P7病院に対して貸し付けられていたのであるから,本件1土地 地の上には,本件被相続人が所有する倉庫が存していたことからすれば,本件1土地の評価上の区分は宅地であると認められる。そして,当該倉庫は,P7病院に対して貸し付けられていたのであるから,本件1土地の評価の類型は「貸家建付地」である。 したがって,評価通達の定めに基づき本件1土地の通達評価額を算出 すると,その計算過程は,別表3の付表1のとおりであり,その通達評価額は2251万2974円となる。 イ本件2土地について本件2土地に係る事実関係本件2土地は,同土地の上に,本件被相続人が所有する建物及び構築 物が存しており,当該建物及び構築物は,バッティングセンターとして,本件被相続人の事業の用に供されていた。 本件2土地の通達評価額 4352万8823円本件相続開始日における本件2土地の現況地目は宅地であり,実質的にも,本件2土地の上には,本件被相続人が所有する建物及び構築物が 存していたことからすれば,本件2土地の評価上の区分は宅地であると認められる。そして,当該建物及び構築物は,バッティングセンターとして,本件被相続人の事業の用に供されていたのであるから,本件2土地の評価の類型は「自用地」である。 したがって,評価通達の定めに基づき本件2土地の通達評価額を算出 すると,その計算過程は,別表3の付表2のとおりであり,その通達評 価額は4352万8823円となる。 ウ本件3土地について本件3土地に係る事実関係本件3土地は,同土地の上に,本件被相続人が所有する倉庫が存しており,当該倉庫は,株式会社P8(以下「P8」という。)に対して貸 し付けられていた。 本件3土地の通達評価額 5028万8273円本件相続開始日における本件3土地の現況地目は 当該倉庫は,株式会社P8(以下「P8」という。)に対して貸 し付けられていた。 本件3土地の通達評価額 5028万8273円本件相続開始日における本件3土地の現況地目は宅地であり,実質的にも,本件3土地の上には,本件被相続人が所有する倉庫が存していたことからすれば,本件3土地の評価上の区分は宅地であると認められ る。そして,当該倉庫は,P8に対して貸し付けられていたのであるから,本件3土地の評価の類型は「貸家建付地」である。 したがって,評価通達の定めに基づき本件3土地の通達評価額を算出すると,その計算過程は,別表3の付表3のとおりであり,その通達評価額は5028万8273円となる。 エ本件4土地について本件4土地に係る事実関係本件4土地は,同土地の上に,本件被相続人が所有する建物が存しており,当該建物は,下總保雄ほか3名(以下「下總ほか3名」という。)に対して賃貸借により貸し付けられていた。 本件4土地の通達評価額 510万0510円本件相続開始日における本件4土地の現況地目は宅地であり,実質的にも,本件4土地の上には,本件被相続人が所有する建物が存していたことからすれば,本件4土地の評価上の区分は宅地であると認められる。そして,当該建物は,下總ほか3名に対して貸し付けられていたの であるから,本件4土地の評価の類型は「貸家建付地」である。 したがって,評価通達の定めに基づき本件4土地の通達評価額を算出すると,その計算過程は,別表3の付表4のとおりであり,その通達評価額は510万0510円となる。 オ本件5土地について本件5土地に係る事実関係 本件5土地は,畑として利用されていた。 本件5土地の通達評価額 おりであり,その通達評価額は510万0510円となる。 オ本件5土地について本件5土地に係る事実関係 本件5土地は,畑として利用されていた。 本件5土地の通達評価額 2646万1277円本件相続開始日における本件5土地の現況地目は畑であり,本件5土地は市街化区域内にある農地に該当することから,本件5土地の評価上の区分は「市街地農地」である。 したがって,評価通達の定めに基づき本件5土地の通達評価額を算出すると,その計算過程は,別表3の付表5のとおりであり,その通達評価額は2646万1277円となる。 カ本件6土地について本件6土地に係る事実関係 本件6土地は,株式会社P9(以下「P9」という。)に対して貸し付けられており,同土地の上には,同社が所有する建物が存していた。 本件6土地の通達評価額 659万9730円本件相続開始日における本件6土地の現況地目は宅地であり,実質的にも,本件6土地の上には,P9が所有する建物が存していたことから すれば,本件6土地の評価上の区分は宅地であると認められる。そして,本件6土地は,P9に対して貸し付けられていたのであるから,その評価の類型は「貸宅地」である。 したがって,評価通達の定めに基づき本件6土地の通達評価額を算出すると,その計算過程は,別表3の付表6のとおりであり,その通達評 価額は659万9730円となる。 キ本件7土地について本件7土地に係る事実関係本件7土地は,P10株式会社(以下「P10」という。P10は平成11年4月にP11株式会社(以下「P11」という。)と合併した。)に対して貸し付けられ,本件相続開始時点においては,P11が所有す る倉庫の敷地の一部として 以下「P10」という。P10は平成11年4月にP11株式会社(以下「P11」という。)と合併した。)に対して貸し付けられ,本件相続開始時点においては,P11が所有す る倉庫の敷地の一部として利用されていた。 本件7土地の通達評価額 242万8317円本件相続開始日における本件7土地の現況地目は雑種地及び宅地であり,実質的にも,本件7土地は,P11が所有する倉庫の敷地の一部として利用されていたことからすれば,本件7土地の評価上の区分は宅地 であると認められる。そして,本件7土地は,P11に対して貸し付けられていたのであるから,その評価の類型は「貸宅地」である。 したがって,評価通達の定めに基づき本件7土地の通達評価額を算出すると,その計算過程は,別表3の付表7のとおりであり,その通達評価額は242万8317円となる。 ク本件8土地について本件8土地に係る事実関係本件8土地は,株式会社P12(以下「P12」という。)に対して賃貸借により貸し付けられており,駐車場の用に供されていた。 本件8土地の通達評価額 2083万7376円 本件相続開始日における本件8土地の現況地目は雑種地であるところ,本件8土地は,市街化区域内の雑種地に該当することから,宅地比準方式により評価することとなり,また,その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大で開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるから,広大地に該当すると 認められる。そして,本件8土地は,P12に対して貸し付けられてお り,駐車場の用に供されていたのであるから,その評価の類型は「貸し付けられている雑種地」である。 したがって,評価通達の定めに基づき本件8土地の通達 本件8土地は,P12に対して貸し付けられてお り,駐車場の用に供されていたのであるから,その評価の類型は「貸し付けられている雑種地」である。 したがって,評価通達の定めに基づき本件8土地の通達評価額を算出すると,その計算過程は,別表3の付表8のとおりであり,その通達評価額は2083万7376円となる。 ケ本件9土地について本件9土地に係る事実関係本件9土地は,本件被相続人の居住の用に供されていた。 本件9土地の通達評価額 1288万4383円本件相続開始日における本件9土地の現況地目は宅地であり,また, 本件9土地は,その地域における標準的な宅地の地積に比して地積が広大で開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要であるから,広大地に該当すると認められる。そして,本件9土地は,本件被相続人の居住の用に供されていたのであるから,その評価の類型は「自用地」である。 したがって,評価通達の定めに基づき本件9土地の通達評価額を算出すると,その計算過程は,別表3の付表9のとおりであり,その通達評価額は1288万4383円となる。 ⑷ 以上のとおり,本件各土地の評価に際して適用される評価通達の定めは,いずれも合理性を有するものであるところ,本件各土地については評価通達 の定めによることができない特別の事情は存しないから,本件各土地の価額は,いずれも評価通達の定めに従って算定するのが相当であって,同通達の定めに従って算定された本件各土地の通達評価額は相続税法22条の規定する時価(客観的交換価値)と推認されるものである。 ⑸ 原告らの主張に対する反論 ア本件1土地について 原告らは,戸建住宅地域における地積過大地には,当然に何らかの開発が行われるとの (客観的交換価値)と推認されるものである。 ⑸ 原告らの主張に対する反論 ア本件1土地について 原告らは,戸建住宅地域における地積過大地には,当然に何らかの開発が行われるとの前提を置いた上で,そのような土地については,公共公益的施設用地の負担が生じないとしても各種開発費用が発生し減価が生じ得るにもかかわらず,評価通達には,こうした事情を適切に評価することができない構造的な欠陥があり,平成29年9月20日付け課 評2-46ほか2課共同「財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)」(以下「改正評価通達」という。)により評価通達24-4が廃止され,新たに改正評価通達20-2(地積規模の大きな宅地の評価)が新設されたことは,原告らの主張を裏付けるものであるなどと主張する。 そもそも,原告らが主張する各種開発費用が如何なるものをいうのか定かではないが,そのような費用は,地積が広大であるとの事情のみをもって当然に発生し得るというものではなく,また,仮に発生したとしても開発の態様によって様々であるから,これらについて一律に減額補正を行うことは相当ではないというべきであって,戸建住宅地域におけ る地積過大地であるということから当然に当該土地の取引価額(評価額)が低下するという関係にはないことも踏まえると,地積が広大な土地の評価について,評価通達24-4に定める広大地の評価以外に,評価通達において定型的な減価要因として位置付けられていないとしても,評価通達に定める評価方法の一般的な合理性が失われるということ はない。 また,改正評価通達は,広大地の評価は,面積に応じて比例的に減額する評価方法であることから,広大地の形状によっては,取引価額が相続税評価額を上回る事例等,それを加味して決まる取引 はない。 また,改正評価通達は,広大地の評価は,面積に応じて比例的に減額する評価方法であることから,広大地の形状によっては,取引価額が相続税評価額を上回る事例等,それを加味して決まる取引価額と相続税評価額が大きく乖離している事例が多数発生したり,富裕層の節税策に利 用されている事例が発生したりしていたという問題点を踏まえ,面積に 応じて比例的に減額する広大地の評価方法から,各土地の個性に応じて面積・形状に基づき評価する方法に見直し,実際の取引価額と相続税評価額との乖離を解消するとともに,適用要件の明確化を図ったものであり,従前の評価通達24-4の定めに構造的瑕疵があったなどとはいえない。 原告らの主張する評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情とは,結局のところ,本件報告書における本件1土地の評価額に合理性及び信用性があることを前提とするものであるが,不動産鑑定評価は,性質上一定の幅があり得ることなどからすると,少なくとも,不動産鑑定士による鑑定評価額が評価 通達により決定される価格を下回るというだけでは,評価通達に定める評価方法によるべきではない特別の事情が認められるわけではない上,本件報告書及びその評価は,後記のとおり,不動産鑑定評価基準にのっとったものではなく,その合理性及び信用性にも疑義がある。本件1土地の通達評価額が時価である旨の推認は覆らない。 原告らは,本件1土地を評価するに当たって評価通達を用いるべきであったとしても,評価通達24-4に定める広大地として,本件1土地を評価すべきであったと主張する。しかしながら,本件1土地は,その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地であると認められるものの,本 達24-4に定める広大地として,本件1土地を評価すべきであったと主張する。しかしながら,本件1土地は,その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地であると認められるものの,本件1土地に開発行為を行うとした場合に,路 地上開発を行うことにより,その地域における標準的な宅地の地積に分割することが可能であり,公共公益的施設用地(潰れ地)を生じさせる必要性は認められないため,本件1土地は広大地に該当しない。 イ本件2土地ないし本件4土地について 戸建住宅地域における地積過大地についての評価通達には構造的な欠 陥 る。 原告らが主張する評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情とは,結局のところ,本件報告書における物件2の評価額に合理性及び信用性があることを前提とするものである。しかし,本件報告書は,本件2土地ないし本件4土地を 一体として評価しているところ,不動産鑑定評価基準においては,不動産の種類別に応じた鑑定評価の手法等を活用する必要があるとされており,本件2土地は,「自用の建物及びその敷地」に,本件3土地及び本件4土地は,「貸家及びその敷地」にそれぞれ該当し,類型が異なり,また,本件3土地と本件4土地では,賃借人が異なり,自由な使用収益 を制限する権利者も異なるから,本件2土地ないし本件4土地は,それぞれその類型に応じた鑑定評価の手法を活用する必要があり,一体評価に理由はない。 ウ本件5土地について 原告らは,評価通達40について,宅地における路線価方式と同様に,戸建住宅地域における地積過大地については適切な評価ができないとい地域における地積過大地について評価通達には構造的な欠陥がある旨の原告らの主張には 通達40について,宅地における路線価方式と同様に,戸建住宅地域における地積過大地については適切な評価ができないとい地域における地積過大地について評価通達には構造的な欠陥がある旨の原告らの主張には理由がないから,評価通達40についての原告らの主 張も理由がない。 原告らが主張する評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情とは,結局のところ,本件報告書における本件5土地の評価額に合理性及び信用性があることを前提とするものであるが ある。 エ本件6土地について 原告らは,本件6土地の本件報告書における価額を406万9000円と主張しているが,本件報告書の本件6土地の価額は,1032万4000円であって,被告が主張する本件6土地の通達評価額659万9730円を上回っており,そもそも本件6土地の通達評価額について論 難する原告らの主張には理由がない。 戸建住宅地域における地積過大地について評価通達には構造的な欠陥 原告らが主張する評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情とは,結局のところ,本件報 告書における本件6土地の評価額に合理性及び信用性があることを前提ある。 オ本件7土地及び本件8土地について 原告らは,被告が主張する本件8土地の通達評価額においては,評価 通達24-4に定める広大地補正率による補正を行っているところ,同補正率の計算式が不合理である旨主張する。しかしながら,評価通達24-4に定める広大地補正率は,収集した鑑定評価事例を基に,1平方メートル当たりの鑑定評価額が正面路線価に占める割合と評価対象地の地積との関係を統計学の手法(最小二乗法による回帰分析)を用いて分 4-4に定める広大地補正率は,収集した鑑定評価事例を基に,1平方メートル当たりの鑑定評価額が正面路線価に占める割合と評価対象地の地積との関係を統計学の手法(最小二乗法による回帰分析)を用いて分 析・検討を行い,評価の簡便性や安全性にも配慮して定められた算式によって求められるものであり,合理性を有するものであるから,広大地補正率を導く計算式が不合理である旨の原告らの主張は理由がない。 原告らは,土地の一体性は更地化の容易性によって判定すべきであるとし,本件7土地の利用に関する契約書においては使用目的が通行用と されており,借地権が発生しておらず更地化が容易であることから,本 件7土地及び本件8土地を一つの評価単位として評価すべきであると主張する。本件被相続人とP10との間で取り交わされた平成9年10月1日付けの土地賃貸借契約書第1項には,「甲(本件被相続人のこと)は,その所有に係わる次に掲げる土地について乙(P10のこと)に対し乙の用途に基づき使用する事を承諾する。」と記載されており,本件 7土地は,本件相続開始日において,P11が所有する倉庫の敷地の一部として利用されていたのであるから,「貸宅地」として評価するのが相当である。本件7土地に借地権が発生していないとして,本件7土地及び本件8土地を一体として評価すべき旨の原告らの主張には理由がない。 原告らが主張する評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情とは,結局のところ,本件報告書における物件5の評価額に合理性及び信用性があることを前提ある。 カ本件9土地について 評価通達24-4に定める広大地補正率に係る計算式が不合理である旨の原告らの主 原告らが主張する評価通達の定 理性及び信用性があることを前提ある。 カ本件9土地について 評価通達24-4に定める広大地補正率に係る計算式が不合理である旨の原告らの主 原告らが主張する評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情とは,結局のところ,本件報 告書における本件9土地の評価額に合理性及び信用性があることを前提ある。 原告らは,本件9土地を評価するに当たって評価通達を適用すべきであるとしても,本件9土地の所在する地域においては,原則として開発 が認められていないことから,評価通達24-4に定める広大地として 評価したことは誤りである旨主張する。当該主張は,原告らに有利となるべき評価通達24-4に定める広大地の評価の適用を否定するものであって,その主張する趣旨は明らかではないが,被告が主張する通達評価額の合理性を論難する趣旨と解したとしても,評価通達24-4に定める広大地として評価したことに誤りはない。すなわち,本件9土地は, 市街化調整区域に所在する土地であるが,α市は,都市計画法34条11号に基づく区域(市が条例で指定する区域で,一定の建築物の建築が可能であるとされている区域)を指定しているところ,本件9土地は当該区域に含まれており,本件報告書に添付された建築計画概要書によれば,本件9土地の上に存する建物は,北東側に存する幅員25.5メー トルの国道4号線を建築基準法上の道路として建築確認を受けており,このことも踏まえれば,本件9土地において開発は認められており,評価通達24-4に定める広大地として本件9土地を評価したことに誤りはない。 キ本件報告書の合理性及び信用性について 本件報告書は,不動産鑑定評価基準に則ったものではなく,そ り,評価通達24-4に定める広大地として本件9土地を評価したことに誤りはない。 キ本件報告書の合理性及び信用性について 本件報告書は,不動産鑑定評価基準に則ったものではなく,その合理性及び信用性にも疑義がある。 本件報告書には,地域分析に係る事項として,物件1ないし物件6(本件1土地ないし本件9土地との対応関係は,別表2記載のとおり)のいずれについても近隣地域並びに同一需給圏の範囲及び状況が記載され ておらず,不動産鑑定評価基準に定める鑑定評価報告書に係る記載事項を網羅していないことから,対象不動産に係る標準的使用及び最有効使用の判定の妥当性や取引事例の選択の妥当性について,検証することができない。また,本件報告書には,関与不動産鑑定士又は関与不動産鑑定業者と対象不動産に利害関係を有する者との縁故関係の有無につい て,縁故関係がある旨の記載はあるものの,その内容についての記載は なく,この点でも,不動産鑑定評価基準に定める鑑定評価報告書に係る記載事項を網羅していない。 本件報告書は,開発法のみを採用して評価をしているところ,不動産鑑定評価基準における開発法によって求める価格は,比準価格,収益価格及び積算価格の検証手段という位置付けにすぎないのであるから,開 発法のみによって評価額を決定することに合理性があるとはいえない。 不動産鑑定評価基準においては,複数の試算価格を求めた上で各試算価格の再吟味及び説得力に係る判断を行い,最終的に鑑定評価額の決定へと導くものとされているところ,本件報告書においては,合理的な理由がないにもかかわらず,試算価格の査定を放棄し,開発法のみによって 評価を行っている。本件報告書における評価方法は,不動産鑑定評価基準にのっとったものとは認められない。さらに, ,合理的な理由がないにもかかわらず,試算価格の査定を放棄し,開発法のみによって 評価を行っている。本件報告書における評価方法は,不動産鑑定評価基準にのっとったものとは認められない。さらに,本件報告書における開発法による物件1及び物件2の評価においては,本件各土地が所在する地域で定められている建築物の敷地面積の最低限度を150平方メートルとするβ地区地区整備計画による制限を考慮しておらず,その妥当 性にも疑義がある。 本件報告書は,物件1及び物件2の一部につき,評価通達26の定めによる貸家建付地の評価をし,物件2について,小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(租税特別措置法69条の4)を適用した金額をもってその評価額としているところ,評価通達と不動産鑑定 評価基準は,別個の算定基準であり,両者を組み合わせて適用することは予定されておらず,また,上記特例は,一定の要件に該当する場合に相続税の課税価格に算入すべき価額を減額するものであって,相続財産の時価そのものの算定に係る規定ではないから,当該規定に基づき評価額を減額することは明らかな誤りである。さらに,不動産鑑定評価基準 においては,各論において,「底地」(評価通達でいう「貸宅地」)又 は「貸家及びその敷地」(評価通達でいう「貸家建付地」〔評価通達では貸家は別途評価〕)の各類型に係る評価方法を定めているところ,本件報告書の評価方法は,これと異なるものであり,不動産鑑定評価基準にのっとったものと認める余地はない。 本件報告書の作成者であるP6鑑定士は,原告P2の配偶者であり, また,原告P2は,P6鑑定士が所属し,代表取締役を務める有限会社P13(以下「P13」という。)において,同社の設立時から取締役を務めていた者であって,特に, 士は,原告P2の配偶者であり, また,原告P2は,P6鑑定士が所属し,代表取締役を務める有限会社P13(以下「P13」という。)において,同社の設立時から取締役を務めていた者であって,特に,平成18年2月1日から平成20年6月10日までの期間においては同社の代表取締役であった者である。P6鑑定士と原告P2が縁故関係にあることは明白であるにもかかわら ず,本件報告書には縁故関係に関する内容の記載はなく,このことは,本件報告書の信用性を疑わせるものである。 (原告らの主張)⑴ 評価通達の定めの合理性についてア評価通達の路線価方式の規定は,評価が容易に行えるよう簡易な評価方 式として設定されており,個別事情を正確には反映できず,また,地積過大地については,後記のとおり,土地の特殊性を反映させた正確な評価ができない場合が存在する。 イ倍率方式が宅地の時価を定める方式として合理性を有していることは,否認ないし争う。 ウ市街地農地及び市街地区域の雑種地を宅地に比準して評価することが合理性を有していることについては,否認ないし争う。当該土地を宅地に準じて評価することの合理性自体は争わないが,宅地の場合と同様に地積過大地について適切な評価ができない場合がある。 エ広大地の評価方法が合理性を有していることは,否認ないし争う。その 理由は後記のとおりである。 オ貸宅地,貸家建付地及び貸し付けられている雑種地の評価方法が合理性を有していることについては,認める。 ⑵ 本件各土地の相続税評価額についてア本件1土地について本件各更正処分等においては,評価通達により,広大地と認定はせず (評価通達24-4の適用をせず),単なる路線価方式により評価し,借地権及び借家権割合を乗じ算 いてア本件1土地について本件各更正処分等においては,評価通達により,広大地と認定はせず (評価通達24-4の適用をせず),単なる路線価方式により評価し,借地権及び借家権割合を乗じ算定した。 主位的主張a 評価通達の一般的合理性が認められないこと 評価通達には,本件1土地のような戸建住宅地域における地積過 大地を適切に評価ができないという構造的な欠陥がある。広大地については,評価通達24-4が規定されており,これに該当する場合には,正面路線価に地積と広大地補正率をかけて減価を行うが,広大地としてかかる規定の適用を受ける要件を満たさない場合,通常の路線価方式によることとなる。しかし,こうした構造は,以下 の点で合理性を欠くものといえる。 ① 面積要件における不合理性まず,広大地として評価通達24-4の適用があるためには,「その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地」であること(以下「面積要件」という)を求めている。 そして,市街化区域においてかかる面積要件を満たすのは,三大都市圏においては,500平方メートル以上とされている。 しかし,500平方メートル未満の面積であったとしても,土地の最有効使用において戸建分譲素地として開発相当と評価され,減価が生じる土地も存するものの,そういった土地にはかか る広大地補正の余地が一切なく,土地の一体利用を前提とする路 線価方式を用いることとなり,分割利用を想定した価額を算出し得ない。この点に関し,奥行き補正があることを根拠にかかる構造の合理性を肯定した裁判例もあるが,以下のとおりこれは明らかに実態を反映しておらず,合理性の根拠とはならない。 評価通達24-4は,当該土地の正面路線価に地積と広大地補 があることを根拠にかかる構造の合理性を肯定した裁判例もあるが,以下のとおりこれは明らかに実態を反映しておらず,合理性の根拠とはならない。 評価通達24-4は,当該土地の正面路線価に地積と広大地補 正率【0.6-0.05×地積㎡÷1000】を乗じて計算を行うところ,地積次第ではあるが,路線価に地積を乗じた価額からおおよそ約5割減となることになる。しかし,奥行き補正は,奥行が100メートル以上ある縦長の物件であったとしても,最大で0.8を乗ずる補正しか行われない。仮に495平方メートルと500平方 メートルの形状の類似した土地があった場合に,両者を通達に当てはめてみると,明らかに495平方メートルの土地の価値の方が大きく算出されてしまう。 利用としてはほとんど差異のない二つの土地について,大きな評価の差が生じるどころか,面積の小さな土地の方が明らかに高 く評価されてしまうという不都合が生じる。 ② 公共公益的施設用地の負担の要件における不合理性次に,評価通達24-4の適用要件として,「開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められる」場合であること(以下「潰れ地要件」という)が求められている。 しかし,かかる道路を設置する以外にも開発相当と判断される土地については,各種開発費用が発生し減価が生じるが,当該規定は潰れ地が生じる場合に限定しており,こうしたその他開発費用の負担を考慮した適切な価額を算出できないものとなっている。 ⒝ 平成29年9月20日,評価通達の一部改正が決定され,評価通 達24-4が全面的に廃止され,地積過大地の評価のための規定として改正評価通達20-2が新設され,平成30年1月1日から適用されることになった。その主な改正点 価通達の一部改正が決定され,評価通 達24-4が全面的に廃止され,地積過大地の評価のための規定として改正評価通達20-2が新設され,平成30年1月1日から適用されることになった。その主な改正点としては,潰れ地要件の廃止と地積のみを変数とする計算式から,形状を考慮した補正率を用いた計算式に変更されたことであり,これは,改正前の評価通達に は,地積過大地の評価における構造的瑕疵があったため,改正を迫られたものであり,原告らの主張を裏付けるものである。 b 評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情が認められること本件1土地は,地積過大(659.18平方メートル)で,その所 在地域は,一般戸建住宅の多い住宅地域に属しているため,本件1土地の最有効使用は「戸建分譲素地」である。そして,開発には開発諸費用が必要となり,こうした負担を考慮した上で算定される「市場における客観的交換価値」は,1382万3000円である(本件報告書参照)。本件各更正処分等の根拠とされる本件1土地の評価額(2 251万2974円)は,これを大きく上回り,2倍近いものとなっている。これは,市場価額として想定される幅を超え,市場における客観的交換価値から著しく乖離するものといえる。 よって,本件1土地につき評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情が認められ,評 価額は1382万3000円である。 予備的主張(評価通達に合理性が認められるとしても適用に誤りがあること)仮に,本件1土地につき評価通達を用いるべきであったとしても,広大地として評価通達24-4を適用すべき土地であったにも関わらず これを適用しておら しても適用に誤りがあること)仮に,本件1土地につき評価通達を用いるべきであったとしても,広大地として評価通達24-4を適用すべき土地であったにも関わらず これを適用しておらず,評価通達の適用に誤りがあるから違法である。 評価通達24-4を適用し,広大地補正を行う要件として,上記の①面積要件②潰れ地要件に加え,マンション適地でないこと,既にマンション敷地等の敷地用地として開発されてないこと(原則として容積率が300パーセント以上の地域はマンション適地とされる)(以下③「容積率要件」という)が必要である。 a 本件1土地の地積は659.18平方メートルであり,500平方メートルを超える。 b 本件1土地は,住宅地に存すること,周辺の土地と比して面積が過大であることから,開発分割し,敷地延長ではなく,道路を設置する方法が最有効使用と判定される土地である。 c 容積率は200パーセントである。 d 以上のとおり,本件1土地は,①面積要件,②潰れ地要件,③容積率要件のいずれも充足する。 そして,評価通達24-4を適用し本件1土地を評価した場合,その評価額は,1532万4000円(≒4万1000円(正面路線価)× 0.567(補正率)×659.18(地積㎡))である。 イ本件報告書の物件2(本件2土地ないし本件4土地)について まず,物件2は,本件各更正処分等の根拠となる評価において,土地の単位として,本件2土地,本件3土地及び本件4土地と分割して認定された。その上で,各土地につき評価通達の定める評価方法により,広 大地と認定されず(評価通達24-4の適用をしない),路線価方式によって評価された。 評価通達の一般的合理性が認められないこと た。その上で,各土地につき評価通達の定める評価方法により,広 大地と認定されず(評価通達24-4の適用をしない),路線価方式によって評価された。 評価通達の一般的合理性が認められないこと本件1土地に関する主張と同様,評価通達の規定には,物件2のような戸建住宅地域における地積過大地については適切な評価ができな いという構造的な欠陥がある。 b 評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別な事情が認められること評価通達を適用するとすれば,本件2土地ないし本件4土地を個別に評価することに誤りがあるとはいえない。しかし,不動産鑑定においては,物件2は一体として評価すべきである。すなわち,本件4土 地については,建物の一部を間借りさせる形で賃貸しているだけであり,これをひとつの利用単位として1区画を形成するとすべきではなく,また,更地化の容易性によって土地の一体性は判定すべきであり,物件2に借地権は存在せず,所有建物に賃借権が設定されている(P8の倉庫,P14の事務所)のみであり,立退料等により更地化が容 易であり,分割よりも立退きによる方が土地の価値を維持することができるから,分割して評価すべきでない。物件2を一つの土地の単位として評価すべきである。 そして,物件2は地積過大(2767.18平方メートル)であり,一般住宅の多い住宅地域に所在するため,物件2の最有効使用は「戸 建分譲素地」である。そのため,開発には開発諸費用が必要となり,こうした負担を考慮した上で算定される「市場における客観的交換価値」は5050万7000円である(本件報告書参照)。本件各更正処分等の根拠とされる物件2の評価額(計9891万7606円)は,これを大きく た負担を考慮した上で算定される「市場における客観的交換価値」は5050万7000円である(本件報告書参照)。本件各更正処分等の根拠とされる物件2の評価額(計9891万7606円)は,これを大きく上回り,2倍近いものとなっている。これは,市場価額 として想定される幅を超え,市場における客観的交換価値から著しく乖離するものといえる。 よって,物件2につき評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情が認められ,評価額は5050万7000円である。 ウ本件5土地について 本件各更正処分等は,本件5土地を市街地農地と判定し,評価通達40(路線価に基づいて算出されたその土地が宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価格から1平方メートル当たりの宅地造成費を減じたものに,地積を乗じるという方法)によって評価した。 評価通達の一般的合理性が認められないこと 評価通達40は,路線価から宅地化するための費用を差し引いて地積を乗じるものであって,ここで差引いている宅地造成費は農地を宅地にするためのものにすぎず,分譲・開発するための費用(複数地を売るための販売管理費,造成等の整地費用,水道・ガス配管等の施設設置費用の他,土地の区割りに不可欠な測量費,登記手続費用,借入 金利等の諸経費)を勘案するものではない。ゆえに,宅地における路線価方式と同様に,戸建住宅地域における地積過大地については適切な評価ができないという構造的な欠陥がある。 b 評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別な事情が認められること 本件5土地は地積過大(653.93平方メートル)であり,一般住宅の多い住宅地域に所在す 評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別な事情が認められること 本件5土地は地積過大(653.93平方メートル)であり,一般住宅の多い住宅地域に所在するため,現況は畑であるものの,その最有効使用は「戸建分譲素地」と判定される。そのため,開発には開発諸費用が必要となり,こうした負担を考慮した上で算定される「市場における客観的交換価値」は2209万3000円である(本件報告 書参照)。そして,評価通達による本件5土地の評価額(2646万1277円)は,これを400万円程上回っている。これは,市場における客観的交換価値から乖離するものといえる。 よって,本件5土地につき評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情が認められ,評 価額は2209万3000円である。 エ本件6土地について本件各更正処分等においては,評価通達により,本件6土地を路線価方式により評価した。 評価通達の一般的合理性が認められないこと本件1土地で行った主張と同様,評価通達の規定には,地積は50 0平方メートル未満であるものの,本件6土地のような戸建住宅地域における地積過大地については適切な評価ができないという構造的な欠陥がある。 b 評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情が認められること 本件6土地は地積過大(328.59平方メートル)であり,一般住宅の多い住宅地域に所在するため,その最有効使用は「戸建分譲素地」と判定され,開発に必要な費用等を勘案した額が「市場における客観的交換価値」といえる。そのため,一体評価の定める評価通達の定める評価方法によっては適正な時価 るため,その最有効使用は「戸建分譲素地」と判定され,開発に必要な費用等を勘案した額が「市場における客観的交換価値」といえる。そのため,一体評価の定める評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできな い特別の事情が認められる。 そして,本件6土地の市場における客観的交換価値に相当する額は406万9000円である(本件報告書参照)。 オ本件報告書の物件5(本件7土地及び本件8土地)についてまず,本件各更正処分等の根拠となる評価では,土地の単位として, 本件7土地,本件8土地と分割して認定した。 その上で,各土地につき,評価通達により,本件7土地を路線価方式によって評価をし,本件8土地は広大地と認定して評価通達24-4を適用した。 しかし,不動産鑑定における更地評価は,かかる土地の更地化の容易 性によって土地の一体性は判定すべきである。 本件相続開始時における本件7土地の利用に関する契約書には明確に通行目的とは記載されていない。しかし,一方で同契約書には「乙の用途に基づき使用することを承諾する」と書かれているのみで,明確に工場の敷地として利用するとは記載されていない。そして,原告P1名義での契約書を作成した時点で「通行目的」と明確に記載されたという事 実は,同契約書作成の前後で,本件7土地の利用形態は変更されていないことに鑑みれば,それまでの利用が通行目的だったことを確認的に合意したものであると考えられる。本件7土地については,借地権が発生しておらず更地化が容易であることから,物件5を一体評価すべきである。 以下物件5を一つの土地の単位として評価すべきとして主張を行う。 a 評価通達の一般的合理性が認められないこと本件各更正処分等において,本件8 ことから,物件5を一体評価すべきである。 以下物件5を一つの土地の単位として評価すべきとして主張を行う。 a 評価通達の一般的合理性が認められないこと本件各更正処分等において,本件8土地部分の評価については,広大地補正を行っているが,評価通達24-4の定める広大地補正率の計算式は以下の通り実態を反映しない不正確なものとなっている。 広大地補正率は,地積のみを変数として定められている。しかし,潰れ地の大きさは,間口や形状,奥行等様々な要因の影響を受けるものであり,地積のみに比例しない。それは,以下の両土地の比較からも明らかである。 同じ道路に接する間口300メートル・奥行20メートルの長方形 の土地(「土地A」とする)と,間口20メートル・奥行が300メートルの長方形の土地(「土地B」とする)があったとする。この場合,土地B は,各土地に通ずるための縦長の面積の大きな道路を設置する必要が生じるのに対し,土地A は単に分割すれば足り,一切潰れ地は発生しない。 b 評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定す ることのできない特別の事情が認められること物件5は,地積過大(3318.11平方メートル)であり,一般住宅の多い住宅地域に所在するため,物件5の最有効使用は「戸建分譲素地」である。α市の開発指導要綱8条3項によれば,地積が3000平方メートルを超える土地を開発する場合,通り抜け道路を設け る必要があるとされている。そして,その幅員は6メートル以上である必要がある。また,開発指導要綱9条によれば,公園又は緑地を設置する必要がある。前記最有効使用は,こうした行政規制等も適切に反映させたうえで最大限戸建用地を画地するものであり,かかる開発想定は合理的である。一 また,開発指導要綱9条によれば,公園又は緑地を設置する必要がある。前記最有効使用は,こうした行政規制等も適切に反映させたうえで最大限戸建用地を画地するものであり,かかる開発想定は合理的である。一方で,かかる行政規制による減価が被告のい うところの「統計学」で反映されているはずはなく,とりわけ物件5のような地積3000平方メートルを超える事例においては,評価通達は適切な評価を行うことができないものである。そのため,開発には開発諸費用が必要となり,こうした負担を考慮した上で算定される「市場における客観的交換価値」は1170万6000円である(本 件報告書参照)。本件各更正処分等での根拠とされる物件5(本件7土地,本件8土地)の評価額(計2326万5693円)は,これを大きく上回り,約2倍となっている。これは,市場価額として想定される幅を超え,市場における客観的交換価値から著しく乖離するものといえる。 よって,物件5につき,評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情が認められ,評価額は1170万6000円である。 カ本件9土地について本件各更正処分等においては,評価通達により,本件9土地について, 標準宅地比準方式を用い,広大地補正を行った(評価通達24-4を適 用)。 主位的主張a 評価通達の一般的合理性が認められないこと物件5についての主張と同様,本件各更正処分等において,広大地補正を行っているが,評価通達24-4の定める広大地補正率の計算 式は実態を反映しない不正確なものとなっている。すなわち,かかる広大地補正率は,地積のみを変数として定められているが,開発費用の負担は,地積のみに応じて変動するものではなく,間口や形状等によって左右さ 実態を反映しない不正確なものとなっている。すなわち,かかる広大地補正率は,地積のみを変数として定められているが,開発費用の負担は,地積のみに応じて変動するものではなく,間口や形状等によって左右されるものである。 b 評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定す ることのできない特別の事情が認められること本件9土地は地積過大(1985.40平方メートル)であり,一般住宅の多い住宅地域に所在するため,最有効使用は「戸建分譲素地」である。そのため,開発には開発諸費用が必要となり,こうした負担を考慮した上で算定される「市場における客観的交換価値」は939 万2000円である(本件報告書参照)。本件各更正処分等での根拠とされる本件9土地の評価額(1288万4383円)は,これを300万円程上回り,市場における客観的交換価値から乖離するものといえる。 よって,本件9土地につき,評価通達の定める評価方法によっては 適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情が認められ,評価額は939万2000円である。 予備的主張(評価通達適用の誤り)仮に評価通達を適用すべきものであるとしても,その適用を誤っているから,本件9土地の評価全体として適法性の推定を受けない。 すなわち,本件9土地は市街化調整区域に所在し,α市が指定した都 市計画法34条11号に基づく区域に含まれているものの,開発には,土地が最低でも都市の根幹となる道路まで通じる4メートル以上の幅員の道路に接していることを要するところ,道路の幅員に法地や傾斜部分は含まないから,本件9土地について,国道4号線の高架部分は含まれず,接する道路の幅員が2.2メートルしかなく,開発を行うことが できない。被告の主張する するところ,道路の幅員に法地や傾斜部分は含まないから,本件9土地について,国道4号線の高架部分は含まれず,接する道路の幅員が2.2メートルしかなく,開発を行うことが できない。被告の主張する建築確認とα市の開発許可は別問題である。 評価通達24-4を適用したことは誤りである。 なお,被告は,原告らの評価通達適用の誤りに関する主張の趣旨が不明であるというが,評価通達の適用に誤りが認められれば,それによる評価の適法性が推定されないことになるので,原告らは,このような主 張を行っている。 キ本件報告書の合理性及び信用性について 本件報告書における本件各土地に関する鑑定は,不動産鑑定評価基準にのっとった合理的なものであり,信用性が認められる。 被告は,本件報告書には,近隣地域並びに同一需給圏の範囲及び状況 の記載がなく,最有効使用の判定や取引事例の選択の妥当性の検証ができない旨主張する。しかしながら,本件報告書には,現地写真や住宅地図,路線価等が添付されており,近隣地域及び同一需給圏内の類似地域の状況については,本文及び資料1比準表や取引事例等に係る位置図にも記載されている。そして,住宅地図や写真から,当該地域を含む周辺 地域は,広く街区整然とし,地勢平坦な戸建住宅地域となっていることは一目瞭然である。また,かかる判断は,不動産鑑定の専門家であるP6鑑定士が現地見分も行った上でされており,これらの判定を誤ることは考えられない。 本件報告書は,開発法のみを採用している。不動産鑑定評価基準では, 広大地につき,三方式(取引事例比較法,土地残余法,原価法)によっ て得られた価格を関連づけ,さらに,開発法によって得られた価格を比較考量して決定するとされているところ,こ 評価基準では, 広大地につき,三方式(取引事例比較法,土地残余法,原価法)によっ て得られた価格を関連づけ,さらに,開発法によって得られた価格を比較考量して決定するとされているところ,これは,専門的見地から,三方式によれば,どれだけの信頼できる数字が得られるか検討し,その上でどの方式にどれだけ比重を置くのかを決定することをいう。本件報告書は,三方式を検討しなかったのではなく,むしろ検討したがためにこ れらを採用しないという専門的判断をし,比重を0とする判断を下しており,これは,三方式を用いるとした不動産鑑定評価基準の趣旨に反するものではない。不動産鑑定評価基準も,「対象不動産の種類,所在地の実情,資料の信頼性等により三方式の併用が困難な場合においても,その考え方をできるだけ参酌するように努めるべきである。」(総論第 8章第7節),「鑑定評価の三方式を併用することが困難な場合にはその理由を記載するものとする。」(総論第9章第2節Ⅵ3)と規定しており,三方式のいずれも用いない場合があることを当然の前提としている。そして,開発法は,三方式の考え方を活用した手法であり,特定の類型に応じた固有の手法として位置付けられるものであり,当該類型に おいては正確性の高い評価を導くものと解されるから,開発法を尊重することは正当である。本件報告書が開発法のみをもって鑑定したことは,何ら不合理なことではない。 本件報告書の開発想定図は,β地区地区整備計画に合致していない。 しかしながら,都市計画法33条1項は,地区計画に合致しないものに ついて開発許可してはならないと定めるものではなく,地区計画に反しない場合には開発許可をしなければならないとするのみである。地区計画に合致していない場合の開発許可は裁量処分であり,地区計画 ついて開発許可してはならないと定めるものではなく,地区計画に反しない場合には開発許可をしなければならないとするのみである。地区計画に合致していない場合の開発許可は裁量処分であり,地区計画に合致しないことをもって一律に開発が不許可とされるものではない。都市計画において最低面積を定める趣旨は,土地が細分化され,利用価値の乏 しい地積の小さな土地が生じることを防止する点にあるところ,本件報 告書の開発想定図の150平方メートルを下回る土地は,過少面積となるものではなく,同趣旨に反しない合理的なものであるから,開発が許可されることが相当程度想定される。 本件報告書では,借地権や借家権の認定される物件について,評価通達を用いているところ,不動産鑑定評価基準に則り,更地の価額を求め た上で,借地権や借家権の負担分について不動産鑑定士の専門的判断として評価通達の計算を採用するものであり,計算理論上,二重考慮や考慮不尽は生じず,不合理なものとはいえない。 本件報告書は,物件2について,小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(租税特別措置法69条の4)を適用しているとこ ろ,P6鑑定士は,当該規定が不動産の評価を行うためのものではないことは承知しており,当該規定を用いている部分は,不動産鑑定として財産評価を行ったものではなく,あくまでかかる規定の適用があり得るとの注意を促した部分にすぎない。最終的に,当該規定を適用するかどうか判断するのは税理士であり,本件報告書の当該部分が鑑定の妥当性 を左右するという関係にはない。 P6鑑定士には,原告P2との間に縁故関係が存在するものの,かかる関係が存することは,公正な鑑定が行われない可能性がある一事情にすぎず,これをもって鑑 を左右するという関係にはない。 P6鑑定士には,原告P2との間に縁故関係が存在するものの,かかる関係が存することは,公正な鑑定が行われない可能性がある一事情にすぎず,これをもって鑑定全体の信用性が失われるわけではない。鑑定の内容的な部分において適切な算定・評価がなされていれば,問題はな いところ,P6鑑定士は,不動産鑑定士としての職責と専門知識の下,客観的に適切かつ緻密な不動産鑑定を行っている。P6鑑定士の縁故関係は,本件報告書の信用性に影響を及ぼさない。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実 前提事実に加え,後掲の各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実を認 めることができる(なお,特に証拠の記載がないものは争いのない事実である。)。 ⑴ 本件相続開始時,本件1土地は,同土地上に,本件被相続人が所有する倉庫があり,当該倉庫は,P7病院に対して貸し付けられていた。 ⑵ 本件相続開始時,本件2土地は,同土地上に,本件被相続人が所有する建 物及び構築物があり,当該建物及び構築物は,バッティングセンターとして,本件被相続人の事業の用に供されていた。 ⑶ 本件相続開始時,本件3土地は,同土地上に,本件被相続人が所有する倉庫があり,当該倉庫は,P8に対して貸し付けられていた。 ⑷ 本件相続開始時,本件4土地は,同土地上に,本件被相続人が所有する建 物があり,当該建物は,下總ほか3名に対して貸し付けられていた。 ⑸ 本件相続開始時,本件5土地は,畑として利用されていた。 ⑹ 本件相続開始時,本件6土地は,P9に対して貸し付けられており,同土地上には,同社が所有する建物(プレハブ)があった。(甲1,乙13,17) ⑺ 本件7土地は,平成9年10月1日,P10に対し貸し付けられ 件6土地は,P9に対して貸し付けられており,同土地上には,同社が所有する建物(プレハブ)があった。(甲1,乙13,17) ⑺ 本件7土地は,平成9年10月1日,P10に対し貸し付けられた。その後,P10は,平成11年4月,P11と合併し,本件相続開始時,本件7土地は,P11が賃借使用しており,P11が所有する倉庫の敷地の一部として利用されていた。(甲1,乙9の2,13,18。なお,原告らは,本件7土地について,その利用に関する契約書において,使用目的が通行目的 とされており,借地権が発生していない旨主張する。しかしながら,原告P1とP11との間で,平成26年4月1日,本件7土地について,用途を車の通行目的とする旨記載された土地賃貸借契約書が締結されている(甲9)ものの,これは本件相続開始後に作成されたものであり,元々,本件被相続人とP10が締結した本件7土地の土地賃貸借契約書においては,本件被相 続人が本件7土地をP10の用途に基づき使用することを承諾する旨しか 記載されておらず,具体的な使用目的は記載されていない(乙18)。そして,本件相続開始時の本件7土地は,P10と合併したP11が所有する倉庫の敷地の南西角に位置し,その付近は,隣地及び道路との間に柵が設置されており,P11が同土地を使用して他の土地に出入りするような状況にはなく,本件7土地は,倉庫の敷地の一部として使用されていたといわざるを 得ない(甲1,乙9の2)。これらの事実からすれば,本件7土地は,P10に対し,倉庫の敷地として使用する目的で貸し付けられ,本件相続開始時においても,同様の状況であったことが認められ,原告らの主張は理由がない。)⑻ 本件相続開始時,本件8土地は,P12に対して貸し付けられており,駐 車場として使用 けられ,本件相続開始時においても,同様の状況であったことが認められ,原告らの主張は理由がない。)⑻ 本件相続開始時,本件8土地は,P12に対して貸し付けられており,駐 車場として使用されていた。 ⑼ 本件相続開始時,本件9土地は,本件被相続人の居住の用に供されていた。 2 相続税法22条及び評価通達について相続税法22条は,相続,遺贈又は贈与により取得した財産の価額は,当該財産の取得の時における時価によると定めるところ,ここにいう「時価」とは, 相続の場合についていえば,相続開始時の当該財産の客観的交換価値をいうものと解すべきである。 そして,財産の客観的交換価値は,必ずしも一義的に確定されるものではなく,個別に評価する方法を採ると,その評価方式,基礎資料の選択の仕方等により異なった評価額が生じることが避け難く,また,課税庁の事務負担が重く なり,課税事務の迅速な処理が困難となるおそれがあることなどから,課税実務においては,各種財産の評価方法に共通する原則や各種財産の評価単位ごとの評価方法を具体的に定めた評価通達によって,画一的な評価方法により財産を評価することとされている。このような扱いは,適用される評価通達が合理的なものである限りにおいて,納税者間の公平,納税者の便宜,徴税費用の節 減という観点からみて相当であり,かつ,租税負担の実質的な公平も実現する ことができるものである。 そうすると,評価対象の不動産に適用される評価通達の定める評価方法が適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有するものであり,かつ,当該不動産の相続税の課税価格がその評価方法に従って決定された場合には,その課税価格は,その評価方法によっては適正な時価を適切に算定することので きない特別の事情の存しない限り のであり,かつ,当該不動産の相続税の課税価格がその評価方法に従って決定された場合には,その課税価格は,その評価方法によっては適正な時価を適切に算定することので きない特別の事情の存しない限り,相続開始時における当該不動産の客観的交換価値としての適正な時価を上回るものではないと推認するのが相当である。 3 評価通達の一般的な合理性について⑴ 市街地的形態を形成する地域にある宅地について評価通達は,市街地的形態を形成する地域にある宅地について,その宅地 の面する路線に付された路線価を基とし,15⦅奥行価格補正⦆から20-5⦅容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価⦆までの定めにより計算した金額によって評価する方式である路線価方式により評価することとし(評価通達11,13),路線価は,売買実例価額,公示価格,不動産鑑定士等による鑑定評価額,精通者意見価格等を基として国税局長がその路 線ごとに評定した1平方メートル当たりの価額とするとしている(評価通達14)。そして,路線価は,毎年1月1日を評価時点として,売買実例価額,公示価格,不動産鑑定士等による鑑定評価額,精通者意見価格等を基にするだけではなく,土地の価額には相当の値幅があることや,1年間の地価変動に対応するなどの評価上の安全性も考慮し,地価公示価格と同水準の価格の 80パーセントを目途として定められている(争いのない事実)。 路線価方式は,公示価格を始めとする種々の価格を基とし,評価上の安全性も考慮して定められた路線価を基として,評価通達15ないし20-5の規定(奥行価格補正,側方路線影響加算,二方路線影響加算,不整形地の評価等)による修正を行って評価するものであり,広大地の場合はさておくと して,市街地的形態を形成する地域にある し20-5の規定(奥行価格補正,側方路線影響加算,二方路線影響加算,不整形地の評価等)による修正を行って評価するものであり,広大地の場合はさておくと して,市街地的形態を形成する地域にある宅地の時価を算定する方法として 一般的な合理性を有するものと認めるが相当である。 ⑵ 市街地的形態を形成する地域にある宅地以外の宅地について評価通達は,市街地的形態を形成する地域にある宅地以外の宅地については,固定資産税評価額に国税局長が一定地域ごとにその地域の実情に即するように定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する方式である倍率 方式により評価することとし(評価通達11,21),その倍率は,その宅地の固定資産税評価額に地価事情の類似する地域ごとに,その地域にある宅地の売買実例価額,公示価格,不動産鑑定士等による鑑定評価額,精通者意見価格等を基として国税局長が定めることとしている(評価通達21-2)。 その倍率の具体的な定め方は,地価事情の類似する区域ごとに,標準地を設 け,この標準地の正常価格(公示価格水準)について,路線価を評定する場合と同様に,その地域にある宅地の売買実例価額,公示価格,不動産鑑定士等による鑑定評価額,精通者意見価格等を基に評価した価格を基とし,課税上の基準とするものであるという面からの安全性を織り込み,かつ,隣接地域間におけるバランス保持という面からの検討を行って評価額を求め,この 評価額を,その標準地の固定資産税評価額で割って得られる値を基として,定めるというものである(乙4)。倍率方式は,このような適用される倍率の定め方等からすれば,広大地の場合はさておくとして,市街地的形態を形成する地域にある宅地以外の宅地の時価を算定する方法として,一般的な合理性を有するものと認めるのが相当 ,このような適用される倍率の定め方等からすれば,広大地の場合はさておくとして,市街地的形態を形成する地域にある宅地以外の宅地の時価を算定する方法として,一般的な合理性を有するものと認めるのが相当である。 ⑶ 広大地についてア評価通達は,評価すべき土地が,広大地,すなわち,その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な土地で都市計画法4条12項に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地(都市計画法4条14項に規定する道路,公園等の公共施設の用に供される土 地,都市計画法施行令27条に定める教育施設,医療施設等の公益的施設 の用に供される土地(その他これらに準ずる施設で,開発行為の許可を受けるために必要とされる施設の用に供される土地を含む。)をいう。)の負担が必要と認められるもの(ただし,評価通達22-2に規定する大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものを除く。)である場合に,その広大地が路線価地域に所在する場 合は,その広大地の面する路線の路線価に,広大地補正率(0.6から0. 05に当該広大地の地積を1000平方メートルで除した割合を乗じて計算した数値を控除した数値)を乗じて計算した価額に,その広大地の地積を乗じて計算した金額で評価し,その広大地が倍率地域に所在する場合は,その広大地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとし た場合の1平方メートル当たりの価額を評価通達14に定める路線価として,広大地補正率を乗じて計算した価額に,その広大地の地積を乗じて計算した金額で評価することとしている(評価通達24-4)。 イ広大地は,一般に,都市計画法4条12項に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地(潰れ地 その広大地の地積を乗じて計算した金額で評価することとしている(評価通達24-4)。 イ広大地は,一般に,都市計画法4条12項に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地(潰れ地)の負担が生じること,他方,中 高層の集合住宅等の敷地用地に適しているもの等に関してはそのような負担が生じないことに着目し,評価通達15から20-5までの減算に代えて,これとは別に,評価額を減算する方法を定めたものであり,その趣旨は一般的な合理性があるといえる。 そして,広大地補正率は,収集した鑑定評価事例を基に,1平方メート ル当たりの鑑定評価額が正面路線価に占める割合と評価対象地の地積との関係を統計学の手法(最小二乗法による回帰分析)を用いて分析・検討を行って定められたものであること,その鑑定評価は,評価対象地の形状,道路との位置関係等の土地の個別要因に基づいて最も経済的・合理的となるような開発想定図を作成し,それに基づき鑑定評価額を算出したもので あることが認められ(乙4),広大地補正率の定め方についても,一般的 な合理性があるといえる。 さらに,広大地に該当するか否かの判定に当たっては,基本的に開発許可面積基準が指標とされており,三大都市圏の市街化区域においては,500平方メートル以上のものが広大地に該当し得るという運用がされている(乙4)ところ,広大地における評価額の減算が,都市計画法4条1 2項に規定する開発行為を行うとした場合に潰れ地の負担が生じることなどに着目したものであることからすれば,開発面積基準を広大地該当性の指標とすることには,一般的な合理性があるといえる。 原告らは,広大地に該当するためには,三大都市圏の市街化区域においては,500平方メートル以上とされてい ,開発面積基準を広大地該当性の指標とすることには,一般的な合理性があるといえる。 原告らは,広大地に該当するためには,三大都市圏の市街化区域においては,500平方メートル以上とされているが,500平方メートル 未満の面積であったとしても,土地の最有効使用において戸建分譲素地として開発相当と評価され,減価が生じる土地も存するにもかかわらず,そういった土地には広大地補正の余地が一切なく,土地の一体利用を前提とする路線価方式を用いることとなり,分割利用を想定した価額を算出し得ず,広大地の面積要件が不合理である旨主張する。 しかしながら,前記のとおり,開発許可面積基準を広大地該当性の指標とすることには,一般的な合理性があり,仮に,原告らの主張するような不都合が生じるとすれば,その場合には,評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情が認められるとすれば足りるのであり,原告らの主張するような事情を もって,多数の事案を公平かつ迅速に処理することを目的とした評価通達の広大地における評価額の減算の一般的な合理性が否定されるとはいえない。 原告らは,道路を設置する以外にも開発相当と判断される土地については,各種開発費用が発生し減価が生じるが,評価通達は,広大地とな るのは潰れ地が生じる場合に限定しており,評価通達の広大地の定め は,こうしたその他開発費用の負担を考慮した適切な価額を算出できないものとなっており,不合理である旨主張する。 しかしながら,潰れ地の負担が生じない場合の各種開発費用は,地積が広大であることによって当然に発生するものではなく,発生したとしても,その程度は様々であると考えられ,このような費用の発生を考慮 かしながら,潰れ地の負担が生じない場合の各種開発費用は,地積が広大であることによって当然に発生するものではなく,発生したとしても,その程度は様々であると考えられ,このような費用の発生を考慮 し,定型的な減価要因を定めるのは相当とはいえず,この点によって,評価通達の広大地の定めの一般的な合理性が否定されるものとはいえない。 原告らは,平成29年9月20日,評価通達の一部改正により,評価通達24-4が全面的に廃止され,地積過大地の評価のための規定とし て改正評価通達20-2が新設され,平成30年1月1日から適用されることになったことは,改正前の評価通達には,地積過大地の評価における構造的瑕疵があったため,改正を迫られたものであり,原告らの主張を裏付けるものである旨主張する。 しかしながら,原告らの指摘する評価通達の改正は,広大地補正率が 個別の土地の形状等とは関係なく,面積に応じて比例的に減額するものであったため,社会経済情勢の変化に伴い,広大地の形状によっては,それを加味して決まる取引価額が相続税評価額を上回るなど取引価額と相続税評価額が乖離する事例が多数発生し,富裕層の節税策に利用されている事例も発生していたこと,広大地の適用要件が定性的(相対的) なものであり,広大地に該当するか否かの判断に苦慮するなどの問題が生じていたことから,面積に応じて比例的に減額する広大地の評価方法から,各土地の個性に応じて面積・形状に基づき評価する方法に見直し,実際の取引価額と相続税評価額との乖離を解消するとともに,適用要件の明確化を図ることを目的としたものであり(甲13,14),もとも との広大地の定めに原告の主張するような構造的瑕疵があったことを 前提とするものではなく,原告らの主張を裏付け に,適用要件の明確化を図ることを目的としたものであり(甲13,14),もとも との広大地の定めに原告の主張するような構造的瑕疵があったことを 前提とするものではなく,原告らの主張を裏付けるものではない。 原告らは,評価通達24-4の定める広大地補正率は,地積のみを変数として定められているところ,潰れ地の大きさは,間口や形状,奥行等様々な要因の影響を受けるものであり,地積のみに比例せず,広大地補正率は,実態を反映しない不正確なものとなっている旨主張する。 しかしながら,前記のとおり,広大地補正率は,収集した鑑定評価事例を基に,1平方メートル当たりの鑑定評価額が正面路線価に占める割合と評価対象地の地積との関係を統計学の手法(最小二乗法による回帰分析)を用いて分析・検討を行って定められたものであること,その鑑定評価は,評価対象地の形状,道路との位置関係等の土地の個別要因に 基づいて最も経済的・合理的となるような開発想定図を作成し,それに基づき鑑定評価額を算出したものであることから,広大地補正率は一般的な合理性がある。仮に,これによると,実態とずれ,不都合が生じる場合には,評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情が認められるとすれば足りるのであ り,原告らの主張は理由がない。 ⑷ 市街地農地及び市街化区域の雑種地についてア評価通達は,市街化区域内にある農地である市街地農地について,利用の単位となっている一団の農地を評価単位とし,その農地が宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額からその農地を宅地に転用する場 合において通常必要と認められる1平方メートル当たりの造成費に相当する金額として,整地,土盛り又は土止めに要する費用の額 とした場合の1平方メートル当たりの価額からその農地を宅地に転用する場 合において通常必要と認められる1平方メートル当たりの造成費に相当する金額として,整地,土盛り又は土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長の定める金額を控除した金額に,その農地の地積を乗じて計算した金額によって評価する(宅地比準方式)としている(評価通達7-2,40)。 また,評価通達は,雑種地については,原則として,その雑種地と状況 が類似する付近の土地についての評価通達の定めるところにより評価した1平方メートル当たりの価額を基とし,その土地とその雑種地との位置,形状等の条件の差を考慮して評定した価額に,その雑種地の地積を乗じて計算した金額によって評価することとしており(評価通達82),市街化区域の雑種地については,状況が類似する付近の宅地,農地,山林等 に比準して評価することになるところ,市街化区域の農地等の価額は,宅地の価額を基に宅地比準方式により評価することとしているので,市街化区域の雑種地は宅地比準方式により評価することとなる(乙4)。 市街地農地及び市街化区域の雑種地は,付近の宅地価格の影響により農地又は雑種地としての価額よりむしろ宅地の価額に類似する価額で取引 されるものであり(乙4),宅地比準方式は,広大地の場合も含め,これらの土地の時価を算定する方法として,一般的な合理性を有するものと認めるのが相当である。 イ原告らは,評価通達40は,路線価から宅地化するための費用を差し引いて地積を乗じるものであって,ここで差し引いている宅地造成費は農地 を宅地にするためのものにすぎず,分譲・開発するための費用(複数地を売るための販売管理費,造成等の整地費用,水道・ガス配管等の施設設置費用の のであって,ここで差し引いている宅地造成費は農地 を宅地にするためのものにすぎず,分譲・開発するための費用(複数地を売るための販売管理費,造成等の整地費用,水道・ガス配管等の施設設置費用の他,土地の区割りに不可欠な測量費,登記手続費用,借入金利等の諸経費)を勘案するものではなく,宅地における路線価方式と同様に,戸建住宅地域における地積過大地については適切な評価ができないという 構造的な欠陥がある旨主張する。 しかしながら,原告らの主張する費用は地積過大地であることによって,当然に発生するものではなく,開発の態様によって発生する程度は様々であるから,このような費用の発生を考慮し,広大地の規定(評価通達24-4,40-2等)以外に定型的な減価要因を定めるのは相当とはいえず, 原告らの主張する点をもって,評価通達40に構造的な欠陥があるとはい えず,その一般的な合理性は否定されない。仮に,評価通達40によると不都合が生じる場合には,評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情があるという場合に当たるとすべきである。 ⑸ 貸宅地,貸家建付地及び貸し付けられている雑種地について 評価通達は,借地権の目的となっている貸宅地の価額については,自用地としての価額(評価通達11から22-3まで,24,24-2,24-4及び24-6から24-8までの定めにより評価した宅地の価額)から,借地権の価額を乗じて計算した金額を控除した金額によって評価し(評価通達25⑴,27),貸家の敷地の用に供されている貸家建付地の価額について は,上記自用地としての価額から,当該価額に借地権割合,借家権割合及び賃貸割合をそれぞれ乗じた金額を控除した価額によって評価し(評価通達2 の敷地の用に供されている貸家建付地の価額について は,上記自用地としての価額から,当該価額に借地権割合,借家権割合及び賃貸割合をそれぞれ乗じた金額を控除した価額によって評価し(評価通達26),貸し付けられている雑種地(賃借権の目的となっている雑種地)の価額については,自用地としての価額(評価通達82から84までの定めにより評価した雑種地の価額)から,賃借権の価額を控除した金額によって評価 することとしている(評価通達86⑴)ところ,これらの定めが一般的な合理性を有することについて,当事者間に争いはなく,その内容をみても,一般的な合理性を有するものと認めるのが相当である。 4 本件相続開始時における本件各土地の客観的な交換価値について以下本件各土地について,評価通達の定める評価方法によっては適正な時価 を適切に算定することのできない特別の事情が存するかも踏まえた上で,その本件相続開始時における客観的な交換価値を検討する。 ⑴ 本件1土地についてア評価通達の定める評価方法による評価額前記認定事実によれば,本件相続開始日における本件1土地の現況地 目は宅地であり,同土地の上には,本件被相続人が所有する倉庫が存在 していたことから,本件1土地の評価通達による評価上の区分は宅地であると認められる。そして,当該倉庫は,P7病院に対して貸し付けられていたから,本件1土地の評価の類型は「貸家建付地」に該当する。 次に,本件1土地の所在する地域における標準的な宅地の使用は,戸建て住宅の敷地であり(乙9の1,25),また,β地区地区整備計画 において,同地域の建築物の敷地面積の最低限度が150平方メートルとされており(乙21),同地域内に存する標準地である公示地の地積が222平方メートルであるこ 25),また,β地区地区整備計画 において,同地域の建築物の敷地面積の最低限度が150平方メートルとされており(乙21),同地域内に存する標準地である公示地の地積が222平方メートルであること(甲1,乙25)からすれば,同地域における標準的な宅地の地積は,概ね150ないし230平方メートルとみるべきである。本件1土地の地積は,695.18平方メートルで あるから,本件1土地の所在する地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大な宅地であると認められる。 もっとも,本件1土地を分割分譲するとした場合,建築基準法では,敷地延長による方法でも間口と奥行との規制を満たせば,建物の建築が可能であり,分譲価格による経済性の面からは道路新設の申請のための 図面作りや認定許可までの期間を考慮すれば,敷地延長の方が有利であり,本件1土地に路地状部分を有する宅地を組み合わせ,戸建住宅分譲用地として開発することで,本件1土地が所在する地域における標準的な宅地の地積に分割することが可能である。したがって,潰れ地を生じさせる必要性がないため,本件1土地は広大地に該当しない。 したがって,評価通達の定める評価方法による本件1土地の評価額は,別表3の付表1のとおり,2251万2974円となる。 イ評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情の有無原告らは,本件1土地について,「市場における客観的な交換価値」 は,本件報告書の鑑定評価額である1382万3000円であり,本件 各更正処分等の根拠とされる本件1土地の評価額(2251万2974円)は,市場価額として想定される幅を超え,市場における客観的交換価値から著しく乖離しており,本件1土地につき評価通達の定める評価 各更正処分等の根拠とされる本件1土地の評価額(2251万2974円)は,市場価額として想定される幅を超え,市場における客観的交換価値から著しく乖離しており,本件1土地につき評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情が認められる旨主張する。 そこで検討すると,本件報告書を作成したP6鑑定士は,原告P2の配偶者であり,また,原告P2は,P6鑑定士が代表取締役を務めるP13において,その設立時から取締役を務め,一時期代表取締役を務めていたこともあり(争いのない事実),P6鑑定士と原告P2との間には縁故関係があるところ,これのみをもって本件報告書の合 理性及び信用性を否定すべきではないものの,本件報告書の合理性及び信用性は慎重に検討すべきである。 b 次に,本件報告書は,本件1土地について,面大地は個別性が高く,また,分割販売するには道路敷設の有無にかかわらず相当の費用が掛かるなどとして,開発法のみによって本件1土地の価額を鑑定評価し ている(甲1)。しかしながら,不動産鑑定評価基準は,更地の鑑定評価額は,更地並びに自用の建物及びその敷地の取引事例に基づく比準価格並びに土地残余法による収益価格を関連づけて決定し,再調達原価が把握できる場合には,積算価格をも関連づけて決定すべきであり,当該更地の面積が近隣地域の標準的な土地の面積に比べて大きい 場合等においては,開発法による価格を比較考量して決定するものとしており(各論第1章第1節Ⅰ1)(甲2,乙20),開発法はあくまで比較考量するための評価手法にすぎず,開発法のみによって決定した鑑定評価額は,不動産鑑定評価基準にのっとったものとはいえない。 なお,原告らは,不動産鑑定評価基準に「対象不動産の種類, まで比較考量するための評価手法にすぎず,開発法のみによって決定した鑑定評価額は,不動産鑑定評価基準にのっとったものとはいえない。 なお,原告らは,不動産鑑定評価基準に「対象不動産の種類,所在 地の実情,資料の信頼性等により三方式の適用が困難な場合においても,その考え方をできるだけ参酌するように努めるべきである。」(総論第8章第7節),「鑑定評価の三方式を併用することが困難な場合にはその理由を記載するものとする。」(総論第9章第2節Ⅵ3)との規定があることを指摘し,不動産鑑定評価基準も,三方式(取引事 例比較法,土地残余法,原価法)のいずれも用いない場合があることを当然の前提としている旨主張する。しかしながら,不動産鑑定評価基準に原告らの指摘する規定はある(甲2)ものの,これらの規定は,三方式のうち複数の方式を用いることができない場合を想定しており,およそ三方式のいずれも用いることができない場合を想定したも のとは解されず,原告らの主張は理由がない。 c さらに,本件報告書は,本件1土地について,開発法により査定した価格から,評価通達26の定めによる「貸家建付地」とし,借家権価値相当分を控除している(甲1)ところ,不動産鑑定評価基準と評価通達は,それぞれ異なった理論に基づく算定方法であり,組み合わ せて適用することが予定されたものではなく,不動産鑑定評価基準においては,「貸家及びその敷地」の鑑定評価額は,実際実質賃料に基づく純収益等の現在価値の総和を求めることにより得た収益価格を標準とし,積算価格及び比準価格を比較考量して決定するものとされており(甲2),評価通達による「貸家建付地」による控除を行うこと を予定していないため,不動産鑑定評価基準と評価通達を組み合わせて算出された鑑定評価 比準価格を比較考量して決定するものとされており(甲2),評価通達による「貸家建付地」による控除を行うこと を予定していないため,不動産鑑定評価基準と評価通達を組み合わせて算出された鑑定評価額に合理性及び信用性はない。 d 以上からすると,本件1土地について,本件報告書の鑑定評価額に合理性及び信用性はなく,その他の証拠を検討しても,本件1土地につき評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定す ることのできない特別の事情があるとは認められず,本件1土地の通 達評価額である2251万2974円は,本件相続開始時における本件1土地の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るものではないと推認される。 ⑵ 本件2土地ないし本件4土地(物件2)についてア評価通達の定める評価方法による評価額 本件2土地について前記認定事実によれば,本件相続開始日における本件2土地の現況地目は宅地であり,本件2土地は,同土地上に本件被相続人が所有し,バッティングセンターとして本件被相続人の事業の用に供されていた建物及び建築物が存在していたから,本件2土地の評価上の区分は宅地で あると認められる。そして,当該建物及び建築物は,バッティングセンターとして本件被相続人の事業の用に供されていたから,本件2土地の評価の類型は「自用地」に該当する。したがって,評価通達の定める評価方法による本件2土地の評価額は,別表3の付表2のとおり,4352万8823円である。 本件3土地について前記認定事実によれば,本件相続開始日における本件3土地の現況地目は宅地であり,同土地上には,本件被相続人が所有する倉庫が存在していたから,本件3土地の評価上の区分は宅 3土地について前記認定事実によれば,本件相続開始日における本件3土地の現況地目は宅地であり,同土地上には,本件被相続人が所有する倉庫が存在していたから,本件3土地の評価上の区分は宅地であると認められる。そして,当該倉庫は,P8に対して貸し付けられていたから,本件3土地 の評価の類型は「貸家建付地」に該当する。したがって,評価通達の定める評価方法による本件3土地の評価額は,別表3の付表3のとおり,5028万8273円である。 本件4土地について前記認定事実によれば,本件相続開始日における本件4土地の現況地 目は宅地であり,同土地上には,本件被相続人が所有する建物が存在し ていたことから,本件4土地の評価上の区分は宅地であると認められる。そして,当該建物は,下總ほか3名に対して貸し付けられていたから,本件4土地の評価の類型は「貸家建付地」に該当する。したがって,評価通達の定める評価方法による本件4土地の評価額は,別表3の付表4のとおり,510万0510円である。 イ評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情の有無 原告らは,不動産鑑定の視点からみると,本件4土地については,建物の一部を間借りさせる形で賃貸しているだけであり,これを一つの利用単位として1区画を形成するとすべきではなく,また更地化の容易性 によって土地の一体性は判定すべきであり,本件2土地ないし本件4土地に借地権は存在せず,所有建物に賃借権が設定されているのみであり,立退料の支払等によって更地化が容易であるから,物件2を一体として評価すべきであり,そして,物件2は,地積過大であり,最有効使用は「戸建分譲素地」であるから,開発諸費用を考慮する必要が のみであり,立退料の支払等によって更地化が容易であるから,物件2を一体として評価すべきであり,そして,物件2は,地積過大であり,最有効使用は「戸建分譲素地」であるから,開発諸費用を考慮する必要があるな どとして,物件2の「市場における客観的交換価値」は,本件報告書の鑑定評価額である5050万7000円であり,通達評価額合計9891万7606円はこれを大きく上回っており,市場における客観的交換価値から大きく乖離しているから,物件2につき評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事 情がある旨主張する。 そもそも相続税法22条の時価は,相続開始時の客観的な交換価値を意味するから,相続開始時の現況を前提として算定すべきものであり,相続開始時の現況を無視し,更地化の容易性を根拠として算定すべきものではない。 次に,原告らの主張は,本件報告書を基にするものであるところ, 前記のとおり,本件報告書は,原告P2と縁故関係のあるP6鑑定士が作成したものであり,その合理性及び信用性は慎重に検討する必要がある。 b また,不動産鑑定評価基準は,「自用の建物及びその敷地」の鑑定評価額は,積算価格,比準価格及び収益価格を関連づけて決定するも のとし,「貸家及びその敷地」の鑑定評価額は,実際実質賃料に基づく純収益等の現在価値の総和を求めることにより得た収益価格を標準とし,積算価格及び比準価格を比較考量して決定するものとしている(甲2)ところ,前記認定事実によれば,不動産鑑定評価基準を前提とすると,本件相続開始時,本件2土地は,「自用の建物及びその敷 地」についての手法を,本件3土地及び本件4土地は,「貸家及びその敷地」についての手法を用いて評価すべきであり 定評価基準を前提とすると,本件相続開始時,本件2土地は,「自用の建物及びその敷 地」についての手法を,本件3土地及び本件4土地は,「貸家及びその敷地」についての手法を用いて評価すべきであり,用いる手法が本件2土地と本件3土地及び本件4土地で異なることになるから,本件2土地ないし本件4土地を一体として評価することは,不動産鑑定評価基準にのっとるものとはいえない。 c さらに,本件報告書は,本件2土地ないし本件4土地を一体として,開発法のみによって鑑定評価額を算出している(甲1)ところ,前記のとおり,開発法のみによって鑑定評価するのは,不動産鑑定評価基準にのっとったものとはいえない。 d そして,本件報告書は,本件2土地の一部及び本件3土地の一部に ついて,評価通達26の「貸家建付地」として,開発法による鑑定評価額から借地権及び借家権相当額を控除し,本件2土地及び本件3土地について,特定事業用宅地等に該当するとみなし,小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(租税特別措置法69条の4)を適用し,開発法による評価額から減額をしている(甲1)。不動産 鑑定評価基準と評価通達を組み合わせて算定した鑑定評価額に合理性 がないのは前記のとおりである。また,小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例は,飽くまで一定の要件の下で相続税の課税価格に算入すべき額を減額するものであり,相続財産の時価評価に関するものではなく,不動産鑑定評価基準と小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例を組み合わせて算定した鑑定評価額に 合理性はない。 以上からすると,本件2土地ないし本件4土地について,一体として評価すべきではなく,また,原告らの主張の根拠となる本件報告書の鑑定評価額に合理性及 せて算定した鑑定評価額に 合理性はない。 以上からすると,本件2土地ないし本件4土地について,一体として評価すべきではなく,また,原告らの主張の根拠となる本件報告書の鑑定評価額に合理性及び信用性はなく,その他の証拠を検討しても,本件2土地ないし本件4土地につき評価通達の定める評価方法によっては 適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情があるとは認められない。本件2土地ないし本件4土地の各通達評価額である4352万8823円,5028万8273円,510万0510円は,それぞれ本件相続開始時における本件2土地ないし本件4土地の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るものではないと推認される。 ⑶ 本件5土地についてア評価通達の定める評価方法による評価額前記認定事実によれば,本件相続開始日における本件5土地の現況地目は畑であり,現に畑として利用されており,本件5土地は市街化区域内にある農地に該当するから,本件5土地の評価上の区分は「市街地農地」に 該当する。したがって,本件5土地の評価通達の定める評価方法による評価額は,別表3の付表5のとおり,2646万1277円である。 イ評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情の有無原告らは,本件5土地について,最有効使用は「戸建分譲素地」と判定 され,開発諸費用の負担を考慮した「市場における客観的な交換価値」は, 本件報告書の鑑定評価額である2209万3000円であり,本件各更正処分等の根拠とされる本件5土地の評価額(2646万1277円)は,市場価額として想定される幅を超え,市場における客観的交換価値から著しく乖離しており,本件5土地につき評価通達の定める評価方法 更正処分等の根拠とされる本件5土地の評価額(2646万1277円)は,市場価額として想定される幅を超え,市場における客観的交換価値から著しく乖離しており,本件5土地につき評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情が認められる 旨主張する。 しかしながら,不動産鑑定による評価額には一定の幅があり得るものであることからすれば,単に不動産鑑定による鑑定評価額が評価通達の定める評価方法による評価額を下回るというだけで,評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情が あるということにはならない。本件においても,仮に,本件報告書による鑑定評価額の算出過程に問題がなかったとしても,評価通達の定める評価方法による本件5土地の評価額が不動産鑑定によるあり得る評価額の範囲内に収まっていないことを認めるに足りる証拠はないのであるから,上記特別の事情があるとはいえない。 また,原告らの主張の根拠となる本件報告書は,前記のとおり,原告P2と縁故関係のあるP6鑑定士が作成したものであり,その合理性及び信用性は慎重に検討する必要がある。そして,本件報告書は,開発法のみによって本件5土地を鑑定評価している(甲1)ところ,前記のとおり開発法のみによる鑑定評価は不動産鑑定評価基準にのっとったものではなく, 本件報告書の本件5土地の鑑定評価額に合理性及び信用性はないといわざるを得ない。 さらに,その他の証拠を検討しても,本件5土地につき評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情があるとは認められず,本件5土地の通達評価額である2646万 1277円は,本件相続開始時における本件5土地の客観的な交換価値 方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情があるとは認められず,本件5土地の通達評価額である2646万 1277円は,本件相続開始時における本件5土地の客観的な交換価値と しての適正な時価を上回るものではないと推認される。 ⑷ 本件6土地についてア評価通達の定める評価方法による評価額前記認定事実によれば,本件相続開始日における本件6土地の現況地目は宅地であり,同土地上には,P9が所有する建物(プレハブ)が存在し ていたから,本件6土地の評価上の区分は宅地であると認められる。そして,前記認定事実によれば,本件6土地は,P9に対して貸し付けられていたから,その評価の類型は「貸宅地」に該当する。したがって,評価通達の定める評価方法による本件6土地の評価額は,別表3の付表6のとおり,659万9730円である。 イ評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情の有無原告らは,本件6土地について,最有効使用は「戸建分譲素地」と判定され,開発に必要な費用等を勘案した額が「市場における客観的交換価値」であり,その額は,本件報告書による鑑定評価額である406万9000 円であり,一体評価をする評価通達によるべきではない特別の事情が認められる旨主張する。 しかしながら,原告らが「市場における客観的交換価値」を算定したという本件報告書による本件6土地の鑑定評価額は1032万4000円であり(甲1),評価通達の定める評価方法による評価額を上回っており, 原告らの主張はその前提を欠く。そして,その他の証拠を検討しても,本件6土地につき評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできな 価方法による評価額を上回っており, 原告らの主張はその前提を欠く。そして,その他の証拠を検討しても,本件6土地につき評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情があるとは認められず,本件6土地の通達評価額である659万9730円は,本件相続開始時における本件6土地の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るものではないと 推認される。 ⑸ 本件7土地及び本件8土地(物件5)についてア評価通達の定める評価方法による評価額 本件7土地及び本件8土地の評価単位原告らは,本件7土地及び本件8土地を一体として評価すべきである旨主張する。 そこで検討すると,前記認定事実によれば,本件相続開始日において,本件7土地と本件8土地は,フェンスにより区分されており,一体として利用されているような状況ではなく,そして,本件7土地はP11に対して倉庫の敷地として貸し付けられ,本件8土地はP12に対して貸し付けられ,駐車場の用に供されており,賃借人も異なり,利用状況も 大きく異なっていたから,本件7土地及び本件8土地は個別に評価すべきである。 原告らの主張は,更地化の容易性を根拠とするものの,相続税法22条の時価は,相続開始時の客観的な交換価値を意味するから,相続開始時の現況を前提として算定すべきものであり,相続開始時の現況を無視 し,更地化の容易性を根拠として算定すべきものではない。原告らの主張は理由がない。 本件7土地について前記認定事実によれば,本件相続開始日における本件7土地の現況地目は雑種地及び宅地であり,本件7土地は,P11が所有する倉庫の敷 地の一部として使用されて 本件7土地について前記認定事実によれば,本件相続開始日における本件7土地の現況地目は雑種地及び宅地であり,本件7土地は,P11が所有する倉庫の敷 地の一部として使用されていたから,本件7土地の評価上の区分は宅地であると認められる。そして,本件7土地は,P11に対して貸し付けられていたから,その評価の類型は「貸宅地」に該当する。したがって,本件7土地の評価通達の定める評価方法による評価額は,別表3の付表7のとおり,242万8317円である。 本件8土地について 前記認定事実によれば,本件相続開始日における本件8土地の現況地目は雑種地であり,市街化区域内の雑種地に該当し,また,3040平方メートルとその地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が過大で開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるから,広大地に該当する。そして,本件8土地は,P 12に対して貸し付けられ,駐車場の用に供されており,その評価の類型は「貸し付けられている雑種地」に該当する。したがって,本件土地8の評価通達の定める評価方法による評価額は,別表3の付表8のとおり,2083万7376円である。 イ評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定すること のできない特別の事情の有無原告らは,本件7土地及び本件8土地を一体として評価することを前提として,地積過大であり,最有効使用は「戸建分譲素地」であることなどから,開発諸費用の負担を考慮した上で算定される「市場における客観的交換価値」は,本件報告書の鑑定評価額である1170万6000円であ り,これは,評価通達の定める評価方法による評価額を大きく上回り,市場価額として想定される幅 算定される「市場における客観的交換価値」は,本件報告書の鑑定評価額である1170万6000円であ り,これは,評価通達の定める評価方法による評価額を大きく上回り,市場価額として想定される幅を超え,市場における客観的交換価値から著しく乖離しており,評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情がある旨主張する。 しかしながら,本件7土地及び本件8土地を一体として評価すべきでは ないことは前記のとおりである。 また,原告らの主張の根拠となる本件報告書は,原告P2と縁故関係のあるP6鑑定士が作成したものであり,その合理性及び信用性は慎重に検討すべきである上,本件7土地及び本件8土地を一体として鑑定評価しているという問題があり,さらに,開発法のみによって本件7土地及び本件 8土地の鑑定評価をしている(甲1)ところ,開発法のみによる鑑定評価 が不動産鑑定評価基準にのっとったものではなく,合理性及び信用性がないことは前記のとおりである。 そして,その他の証拠を検討しても,本件7土地及び本件8土地につき評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情があるとは認められず,本件7土地及び本件8土地 の各通達評価額である242万8317円,2083万7376円は,それぞれ本件相続開始時における本件7土地及び本件8土地の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るものではないと推認される。 ⑹ 本件9土地についてア評価通達の定める評価方法による評価額 前記認定事実によれば,本件相続開始日における本件9土地の現況地目は宅地である。そして,本件各更正処分等においては,本件9土地を広大地としてい 価通達の定める評価方法による評価額 前記認定事実によれば,本件相続開始日における本件9土地の現況地目は宅地である。そして,本件各更正処分等においては,本件9土地を広大地としているところ,原告らは,本件9土地は広大地ではないと主張するものの,広大地であるとする方が原告らに有利であるので,それを前提として評価通達による評価方法による評価額を算定することとする。そし て,本件9土地は,本件被相続人の居住の用に供されていたから,その評価の類型は「自用地」に該当する。したがって,本件9土地の評価通達の定める評価方法による評価額は,別表3の付表9のとおり,1288万4383円である。 なお,原告らは,評価通達の適用に誤りが認められれば,評価の適法性 が推定されないことになる旨主張するところ,仮に,本件9土地を広大地として評価したことが誤りであったとしても,原告らにとって有利となる評価額をより低額にする方向で誤っているのであるから,その評価額が適正な時価を上回るものではないとの推認を覆すものではない。 イ評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定すること のできない特別の事情の有無 原告らは,本件9土地は,地積過大であり,最有効使用は「戸建分譲素地」であり,開発諸費用の負担を考慮した上で算定される「市場における客観的交換価値」は,本件報告書の鑑定評価額である939万2000円であり,本件各更正処分等での根拠とされる本件9土地の評価額を約300万円上回り,市場における客観的交換価値から乖離しており,評価通達 の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情がある旨主張する。 しかしながら,不動産鑑定による評価額には一定の 的交換価値から乖離しており,評価通達 の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情がある旨主張する。 しかしながら,不動産鑑定による評価額には一定の幅があり得るものであることからすれば,単に不動産鑑定による鑑定評価額が評価通達の定める評価方法による評価額を下回るというだけで,評価通達の定める評価方 法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情があるということにはならない。本件においても,仮に,本件報告書による鑑定評価額の算出過程に問題がなかったとしても,評価通達の定める評価方法による本件9土地の評価額が不動産鑑定によるあり得る評価額の範囲内に収まっていないことを認めるに足りる証拠はないのであるから,上 記特別の事情があるとはいえない。 また,本件報告書は,前記のとおり,原告P2と縁故関係のあるP6鑑定士が作成したものであるから,その合理性及び信用性は慎重に検討すべきである上,本件報告書は,開発法のみによって本件9土地の鑑定評価をしている(甲1)ところ,開発法のみによる鑑定評価が不動産鑑定評価基 準にのっとったものではなく,合理性及び信用性がないことは前記のとおりである。 そして,その他の証拠を検討しても,本件9土地につき評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情があるとは認められず,本件9土地の通達評価額である1288万 4383円は,本件相続開始時における本件9土地の客観的な交換価値と しての適正な時価を上回るものではないと推認される。 5 本件各更正処分等の適法性前記認定事実に加え,証拠(甲4の1から4の3,乙8)及び弁論の全趣旨によれば,本件相続について原告らに課さ しての適正な時価を上回るものではないと推認される。 5 本件各更正処分等の適法性前記認定事実に加え,証拠(甲4の1から4の3,乙8)及び弁論の全趣旨によれば,本件相続について原告らに課される相続税及び過少申告加算税は,別紙3に記載のとおりであると認められ,本件各更正処分等における相続税及 び過少申告加算税と同額であることが認められる。したがって,本件各更正処分等は,適法である。 第4 結論よって,原告らの請求はいずれも理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官林俊之 裁判官小川弘持 裁判官三貫納有子(別紙1省略)(別表1省略)(別表2省略)(別表3省略) (別表4省略) (別図1省略)(別図2省略)(別図3省略)(別図4省略) (別紙3)課税処分の根拠第1 本件各更正処分の根拠原告らに係る本件相続税の課税価格及び納付すべき税額は,別表3「課税価格及び納付すべき相続税額等の計算明細表」(以下「別表3」という。)に記 載したとおりであり,その計算根拠の詳細は,次のとおりである。 1 課税価格の合計額(別表3順号⑳の「合計額」欄の金額)3億0064万1000円上記金額は,原告ら及び他の相続人(P5)がそれぞれ本件相続により取得した次の⑴の財産の価額から,同人らが承継又は負担する次の⑵の債務等の金額 を控除した後の各人の課税価格(ただし,国税通則法〔平成25年法律第5号による改正前のもの。以下「通則法」という。〕118条1項の規定により各人ごとに1000円未満 する次の⑵の債務等の金額 を控除した後の各人の課税価格(ただし,国税通則法〔平成25年法律第5号による改正前のもの。以下「通則法」という。〕118条1項の規定により各人ごとに1000円未満の端数金額を切り捨てた後の各金額。別表3順号⑳の各課税価格)の合計額である。 原告P1 1億9776万6000円 原告P2 962万7000円原告P3 981万8000円他の相続人 8343万0000円⑴ 本件相続により取得した財産の価額の合計額(別表3順号⑰の「合計額」欄の金額) 3億4512万1793円上記金額は,原告ら及び他の相続人が本件相続により取得した財産の総額であり,次のアないしオの合計額である。 ア土地等の価額(別表3順号①及び⑪の「合計額」欄の金額の合計額)2億0839万3975円 額の合計額である。 本件各土地の価額(別表3順号①の「合計額」欄の金額)1億9064万1663円上記金額は,本文第2の5において,被告が主張する本件各土地の相続税評価額(通達評価額)の合計額である。 その他の土地の価額(別表3順号⑪の「合計額」欄の金額)1775万2312円上記金額は,本件各土地以外の土地の価額の合計額であり,原告らが本件修正申告書に記載した金額(本件修正申告書第11表の土地の「計」の金額1億3559万7312円から同表の本件各土地の価額〔「(住 所省略)」の価額2209万3000円,「(住所省略)」の価額939万2000円,「(住所省略)」の価額5050万7000円,「(住所省略)」の価額1032万4000円,「(住所省略) (住 所省略)」の価額2209万3000円,「(住所省略)」の価額939万2000円,「(住所省略)」の価額5050万7000円,「(住所省略)」の価額1032万4000円,「(住所省略)」の価額1382万3000円及び「(住所省略)」の価額1170万6000円〕を控除した金額)と同額である。 イ家屋の価額(別表3順号⑫及び⑬の「合計額」欄の金額の合計額)3091万6117円る。 家屋(住所省略)の価額(別表3順号⑫の「合計額」欄の金額) 43万2327円上記金額は,(住所省略)に所在する家屋の相続税評価額(通達評価額)であり,その計算の根拠は,別表3の付表10のとおりである。 なお,原告らは,本件修正申告書において,当該家屋を自用家屋であるとして52万4408円と評価しているところ(本件修正申告書第1 1表の所在場所等の「(住所省略)」欄),当該家屋の一部は貸し付けら れていると認められることから,評価通達93の定めに基づき計算している。 その他の家屋の価額(別表3順号⑬の「合計額」欄の金額)3048万3790円 が本件修正申告書に記載した金額(本件修正申告書第11表の家屋・構築物の「計」の金額3100万8198円から同表〔「(住所省略)」の価額52万4408円〕を控除した金額)と同額である。 ウ有価証券の価額(別表3順号⑭の「合計額」欄の金額) 688万6172円上記金額は,本件被相続人が有していた有価証券の価額であり,原告らが本件修正申告書に記載した金額(本件修正申告書第15表の番号⑳の「各人の合計」欄の金額)と同額である。 エ現金・預貯金等の金額(別表3順号⑮の「合計額」欄の金額) 7861万5865円上記金額は,本件被相続人が有し 件修正申告書第15表の番号⑳の「各人の合計」欄の金額)と同額である。 エ現金・預貯金等の金額(別表3順号⑮の「合計額」欄の金額) 7861万5865円上記金額は,本件被相続人が有していた現金・預貯金の価額の合計額であり,原告らが本件修正申告書に記載した金額(本件修正申告書第15表の番号㉑の「各人の合計」欄の金額)と同額である。 オその他の財産の価額(別表3順号⑯の「合計額」欄の金額) 2030万9664円上記金額は,本件相続により原告ら及び他の相続人が取得したその他の財産(相続税法〔ただし,平成25年法律第5号による改正前のもの。以下同じ。〕3条1項1号の規定により相続又は遺贈により取得したものとみなされる保険金及び定期金に関する権利)の価額であり,原告らが本件修正 申告書に記載した金額(本件修正申告書第15表の番号㉗の「各人の合計」 欄の金額)と同額である。 ⑵ 債務等の金額(別表3順号⑱の「合計額」欄の金額)4447万8486円上記金額は,本件相続に係る債務及び葬式費用の合計額であり,原告らが本件修正申告書に記載した金額(本件修正申告書第15表の番号㉟の「各人の 合計」欄の金額)と同額である。 2 納付すべき相続税額本件相続に係る原告らの納付すべき相続税額は,相続税法15条ないし17条の規定に基づき,次のとおり算出したものである。 ⑴ 課税価格の合計額(別表3順号⑳の「合計額」欄の金額) 3億0064万1000円上記金額は,前記1記載の金額である。 ⑵ 遺産に係る基礎控除額(別表3順号㉑の「合計額」欄の金額)9000万0000円上記金額は,相続税法15条の規定により,5000万円と1000万円 に本件被相続人に係る相続人の数である4を乗じて算出した40 額(別表3順号㉑の「合計額」欄の金額)9000万0000円上記金額は,相続税法15条の規定により,5000万円と1000万円 に本件被相続人に係る相続人の数である4を乗じて算出した4000万円との合計額である。 ⑶ 課税遺産総額(別表3順号㉒の金額)2億1064万1000円上記金額は,前記⑴の金額から前記⑵の金額を控除した金額である。 ⑷ 法定相続分に応ずる取得金額(別表3順号㉔の各人欄の金額)ア原告P1(法定相続分6分の1) 3510万6000円イ原告P2(法定相続分6分の1) 3510万6000円ウ原告P3(法定相続分6分の1) 3510万6000円エ他の相続人(法定相続分2分の1) 1億0532万0000円 上記各金額は,相続税法16条の規定により,前記⑶の課税遺産総額2億 1064万1000円を民法900条の規定による相続分の割合(別表3順号㉓の各人欄の割合)に応じて取得したものとした場合の各人の取得金額(ただし,昭和34年1月28日付け直資10による国税庁長官通達「相続税法基本通達の全部改正について」〔ただし,平成24年6月27日付け課資2-10による改正前のもの。〕16-3の定めにより,各人ごとに1000 円未満の端数金額を切り捨てた後の金額)である。 ⑸ 相続税の総額の基礎となる税額(別表3順号㉕の各人欄の金額)ア原告P1 502万1200円イ原告P2 502万1200円ウ原告P3 502万1200円 エ他の相続人 2512万8000円上記各金額は,前記⑷アないしエの各 2万1200円ウ原告P3 502万1200円 エ他の相続人 2512万8000円上記各金額は,前記⑷アないしエの各金額に,相続税法16条に定める税率を乗じて算出した金額である。 ⑹ 相続税の総額(別表3順号㉕の「合計額」欄の金額)4019万1600円 上記金額は,前記⑸アないしエの各金額の合計額である。 ⑺ 原告らの算出税額(別表3順号㉗の各人欄の金額)ア原告P1 2643万8616円イ原告P2 128万6998円ウ原告P3 131万2532円 上記各金額は,相続税法17条の規定により,前記⑹の金額に,原告らの課税価格(別表3順号⑳の各人欄の金額)が前記⑴の課税価格の合計額(別表3順号⑳の「合計額」欄の金額)に占める割合(別表3順号㉖の各人欄の割合)をそれぞれ乗じて算出した金額である。 ⑻ 原告らの納付すべき相続税額(別表3順号㉙の各人欄の金額) ア原告P1 2643万8600円 イ原告P2 128万6900円ウ原告P3 131万2500円上記各金額は,前記⑺アないしウの各金額について,通則法119条1項の規定により,それぞれ100円未満の端数金額を切り捨てた後の金額である。 第2 本件各更正処分の適法性本件相続に係る原告らの納付すべき相続税額は,それぞれ前記第1の2⑻アないしウであるところ,これらの各金額は,本件各更正処分における原告らの納付すべき相続税額と同額であるから,本件各更正処分はい 本件相続に係る原告らの納付すべき相続税額は,それぞれ前記第1の2⑻アないしウであるところ,これらの各金額は,本件各更正処分における原告らの納付すべき相続税額と同額であるから,本件各更正処分はいずれも適法である。 第3 本件各賦課決定処分の根拠 前記第2で述べたとおり,本件各更正処分はいずれも適法であるところ,原告らは,納付すべき相続税額を過少に申告していたものであり,また,納付すべき税額を過少に申告していたことについて,通則法65条4項に規定する正当な理由は存在しない。 したがって,本件各更正処分に伴って原告らに課される過少申告加算税の額 は,それぞれ,次のとおりとなる。 1 原告P1に課される過少申告加算税の額(別表4順号⑤の「原告P1」欄の金額)146万6500円上記金額は,次の⑴及び⑵の金額の合計額である。 ⑴ 通則法65条1項の規定により課される過少申告加算税額137万2000円上記金額は,本件各更正処分により原告P1が新たに納付すべき相続税額1372万円(ただし,通則法118条3項の規定により1万円以下の端数を切り捨てた後のもの)に100分の10を乗じて計算した金額である。 ⑵ 通則法65条2項の規定により加算される過少申告加算税額 9万4500円上記金額は,通則法65条2項の規定に基づき,本件各更正処分における原告P1の相続税額2643万8600円と本件修正申告書に係る原告P1の相続税額1270万9700円(本件修正申告書の原告P1に係る「修正申告額」の「申告納税額」欄の金額)との差額に,同条3項1号に規定する累積 増差税額43万8900円(本件修正申告書の原 P1の相続税額1270万9700円(本件修正申告書の原告P1に係る「修正申告額」の「申告納税額」欄の金額)との差額に,同条3項1号に規定する累積 増差税額43万8900円(本件修正申告書の原告P1に係る「修正する額」の「申告納税額」欄の金額)を加算した金額1416万7800円のうち,期限内申告税額に相当する金額と50万円とのいずれか多い金額(本件では本件当初申告書記載の原告P1の申告納税額1227万0800円)を超える部分に相当する税額189万円(ただし,通則法118条3項の規定により1 万円未満の端数を切り捨てた後のもの)に100分の5を乗じて計算した金額である。 2 原告P2に課される過少申告加算税の額(別表4順号⑤の「原告P2」欄の金額)3万3000円 上記金額は,通則法65条1項の規定に基づき,本件各更正処分により原告P2が新たに納付すべき相続税額33万円(ただし,通則法118条3項の規定により1万円未満の端数を切り捨てた後のもの)に100分の10を乗じて計算した金額である。 3 原告P3に課される過少申告加算税の額(別表4順号⑤の「原告P3」欄の金 額)3万4000円上記金額は,通則法65条1項の規定に基づき,本件各更正処分により原告P3が新たに納付すべき相続税額34万円(ただし,通則法118条3項の規定により1万円未満の端数を切り捨てた後のもの)に100分の10を乗じて計 算した金額である。 第4 本件各賦課決定処分の適法性本件各更正処分により原告らに課される過少申告加算税の額は,それぞれ前記第3のとおりであるところ,これらの各金額は,いずれも本件各賦課決定処分の額と同額であるから,本件各賦課決定処分は適法である。 以上 額は,それぞれ前記第3のとおりであるところ,これらの各金額は,いずれも本件各賦課決定処分の額と同額であるから,本件各賦課決定処分は適法である。 以上

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