平成20(行コ)398 青色申告承認取消処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成19年(行ウ)第775号等)

裁判年月日・裁判所
平成21年4月23日 東京高等裁判所 租税
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判決文本文8,959 文字)

- 1 -主文 本件控訴をいずれも棄却する。 控訴費用は控訴人らの負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 処分行政庁が平成18年7月7日付けで控訴人A株式会社に対してした平成16年4月1日から平成17年3月31日までの事業年度以後の法人税に係る青色申告の承認の取消処分を取り消す。 処分行政庁が平成18年7月7日付けで控訴人A株式会社に対してした平成16年4月1日から平成17年3月31日までの事業年度の法人税に係る重加算税の賦課決定処分を取り消す。 処分行政庁が平成18年7月7日付けで控訴人B株式会社に対してした平成15年7月1日から平成16年6月30日までの事業年度以後の法人税に係る青色申告の承認の取消処分を取り消す。 処分行政庁が平成18年7月7日付けで控訴人B株式会社に対してした平成15年7月1日から平成16年6月30日までの事業年度の法人税に係る重加算税の賦課決定処分を取り消す。 第2事案の概要 本件は,控訴人A株式会社(以下「控訴人A」という)の平成16年4月。 1日から平成17年3月31日までの事業年度(以下「平成17年3月期の事」。)(「」。)業年度というの法人税及び控訴人B株式会社以下控訴人Bというの平成15年7月1日から平成16年6月30日までの事業年度(以下「平成16年6月期の事業年度」という)の法人税につき,それぞれ法人税法(平。 成18年法律第10号による改正前のもの。以下同じ)127条1項3号及。 び国税通則法68条1項に該当する事由があるとして,平成18年7月7日付- 2 -けで当該各事業年度以後の法人税に係る青色申告の承認の取消処分及び当該各事業年度の法人税に係る重加算税の賦課決定処分がされたため,控訴人らが,上記各 由があるとして,平成18年7月7日付- 2 -けで当該各事業年度以後の法人税に係る青色申告の承認の取消処分及び当該各事業年度の法人税に係る重加算税の賦課決定処分がされたため,控訴人らが,上記各条項に該当する事由は存しないなどとして,同各処分の取消しを求めている事案である。 ,,原審は上記各処分にはいずれも控訴人ら主張の取消事由は存しないとして控訴人らの請求をいずれも棄却した。そこで,控訴人らは,これを不服として控訴した。 関連法令等の定め及び前提事実次のとおり訂正,付加するほか,原判決の「事実及び理由」の「第2事案の概要」2及び3記載のとおりであるから,これを引用する。 原判決7頁3行目の「12月」の前に「同年」を加え,同頁末行から8頁1行目にかけての「の賦課決定処分」を削り,同行目の「以下」の次に「,同処分のうち重加算税に係る部分を」を加え,同頁17行目から同18行目にかけての「の賦課決定処分」を削り,同行目の「以下」の次に「,同処分のうち重加算税に係る部分を」を加え,同頁末行の次に改行して次のとおり加える。 「(6)控訴人Aの平成17年3月期の事業年度の法人税に係る重加算税の賦課の根拠及び計算は,原判決別紙「重加算税の賦課の根拠及び計算」記載1のとおりである。 (7)控訴人Bの平成16年6月期の事業年度の法人税に係る重加算税の賦課の根拠及び計算は,原判決別紙「重加算税の賦課の根拠及び計算」記載2のとおりである」。 争点 本件においては,控訴人Aの本件青色申告承認取消処分及び本件重加算税賦課決定処分並びに控訴人Bの本件青色申告承認取消処分及び本件重加算税賦課決定処分の各適否が争われており,その具体的な争点は,本件各青色申告承認取消処分に係る当該各事業年度に法人税法127条1項3号所定の青色申告の- 3 -承認 色申告承認取消処分及び本件重加算税賦課決定処分の各適否が争われており,その具体的な争点は,本件各青色申告承認取消処分に係る当該各事業年度に法人税法127条1項3号所定の青色申告の- 3 -承認の取消要件及び国税通則法68条1項所定の重加算税の賦課要件としての隠ぺい,仮装があったか(争点(1)ないし(4) ,本件各重加算税賦課決定処分)について,その前提となる各更正処分に理由付記がないことが違法として取消事由になるか(争点(2)及び(4) ,である。 ) 争点についての当事者の主張次のとおり当審における主張を付加するほか,原判決の「事実及び理由」の「第2事案の概要」5(1)ないし(4)記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,12頁1行目の「ものである」の次の「」を「」に改める。 ,。 (1)控訴人らの主張ア隠ぺい,仮装について(ア)期ズレ(いわゆる売上げの繰延べ)という悪質性が軽微な事案である本件は,総額3億円を超える高額の株式所得を完全に脱税する意図で過少申告を行った悪質な事案に係る最高裁平成7年4月28日判決の判示の射程外である。 また,同判決の基準に照らしても,同判決にいう「特段の行動」とは極めて悪質な行為に限定されてしかるべきであり,本件はこれに当たらない。 (イ)最高裁平成7年4月28日判決の判示に従って重加算税の課税要件,,の解釈を明示する事務運営指針においてもいわゆる期ズレの場合には「当該行為が相手方との通謀又は証ひょう書類等の破棄,隠匿若しくは改ざんによるもの等」でなければ,重加算税の賦課要件である隠ぺい,仮装に当たらないとしているところ,本件では相手方との通謀,証ひょう書類(減額した金額を記載した振替伝票はこれに当たらない)の改。 ざん等がないことは原審で主張したとおりであるので,隠 ある隠ぺい,仮装に当たらないとしているところ,本件では相手方との通謀,証ひょう書類(減額した金額を記載した振替伝票はこれに当たらない)の改。 ざん等がないことは原審で主張したとおりであるので,隠ぺい,仮装がない。 イ理由付記について- 4 -青色申告承認取消処分の通知を行えば,これと同時にされた更正処分の理由付記を要しないとすることは,青色申告制度により税申告を行っている者の権利を侵害するものであって,法人税法130条2項に違反するから,更正処分は取り消されるべきであり,したがって,これと直接的に連動してされた重加算税賦課決定処分も違法性を承継し,取り消されるべきである。 ウ本件のような売上げの繰延べについて重加算税を賦課することは,最高裁平成7年4月28日判決の事実関係総合判断説を無視し,国税庁が自ら行っている事務運営指針の解釈をも無にするものであり,構成要件(課税要件)明確主義,ひいては租税法律主義の趣旨に明らかに反するもので,本件各処分は違法である。 (2)控訴人らの主張に対する被控訴人の反論アア(ア)について控訴人Aは,平成17年3月期の事業年度に係る法人税の負担の軽減を図るために,故意に同事業年度に係る完成工事収入の一部を除外して計上し,また,控訴人Bは,平成16年6月期の事業年度に係る法人税の負担の軽減を図るために,故意に同事業年度に係る投資収益の一部を除外して計上したのであり,これらの行為は,最高裁平成7年4月28日判決にいう「当初から所得を過少に申告することを意図し,その意図を外部からもうかがい得る特段の行動」であることは明らかである。 隠ぺい,仮装があるかどうかは,その事業年度ごとに判断すべきであると解されるから,その除外した収入又は収益をその翌事業年度(以降)に計上したからといって,当該事実が否定 」であることは明らかである。 隠ぺい,仮装があるかどうかは,その事業年度ごとに判断すべきであると解されるから,その除外した収入又は収益をその翌事業年度(以降)に計上したからといって,当該事実が否定されることにはならないのであって,控訴人らの上記行為が隠ぺい,仮装に当たることは明らかである。 イア(イ)について「当該行為が相手方との通謀又は証ひょう書類等の破棄,隠匿若しくは- 5 -改ざんによるもの等でないとき」という留保を付したのは,過失により売上げ等の収入の計上が繰り延べられた場合に重加算税を賦課しないようにしたものであるところ,本件がこれに当たらないことは原審で主張したとおりである。 ウウについて「悪質性」という極めて観念的であいまいな基準をもって重加算税の賦課要件を充足するかどうかを判断すべきとする控訴人らの主張は,課税要件明確主義,ひいては租税法律主義の趣旨にそぐわない。 第3当裁判所の判断 当裁判所も,控訴人らの本訴請求はいずれも理由がないものと判断する。 その理由は,以下のとおりである。 争点(1)(控訴人Aの本件青色申告承認取消処分の適法性)について(1)事実認定は原判決の 事実及び理由 の第3当裁判所の判断1(2),「」「」記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決18頁13行目の「入力し」を「入力し直して,総勘定元帳に記載した上」に改める。 ,,(2)上記引用に係る認定事実によれば,控訴人Aは,同社のC営業所から送付された売上集計表,仕訳日計等の記載により同営業所の平成17年3月分の本件完成工事収入が1億1494万1180円であることを認識し,いったんは上記金額を本件完成工事収入として経理システムに入力してデータを作成しながら,平成17年3月期の事業年度の所得を過少に申 分の本件完成工事収入が1億1494万1180円であることを認識し,いったんは上記金額を本件完成工事収入として経理システムに入力してデータを作成しながら,平成17年3月期の事業年度の所得を過少に申告して法人税の負担を軽減するために,既に入力したデータから殊更に2000万円を控除し,その改変したデータの金額に基づいて帳簿書類を作成し直したものであるところ,控訴人Aが,上記のとおり平成17年3月期の事業年度に生じたもので,同事業年度に計上すべき本件完成工事収入から2000万円を故意に除外して経理システムにデータを入力して帳簿書類を作成したことは,同事業年度に係る帳簿書類に取引の一部を隠ぺいして記載したことに該当す- 6 -るから,同事業年度について法人税法127条1項3号所定の青色申告の承認の取消要件がある。 なお,控訴人Aは,上記に対する反論として,売上げ(収入)の繰延べであるとして,重加算税の賦課に係る事案である最高裁平成7年4月28日判決及び重加算税の取扱いについての事務運営指針に言及するが,これらの点については,後記3(1)において判断する。 争点(2)(控訴人Aの本件重加算税賦課決定処分の適法性)について(1)隠ぺい,仮装についてア上記2(1)引用に係る認定事実によれば,控訴人Aは,同社のC営業所から送付された売上集計表,仕訳日計等の記載により同営業所の平成17年3月分の本件完成工事収入が1億1494万1180円であることを認識し,いったんは上記金額を本件完成工事収入として経理システムに入力してデータを作成しながら,平成17年3月期の事業年度の所得を過少に申告して法人税の負担を軽減するために,既に入力したデータから殊更に2000万円を控除し,その改変したデータの金額に基づいて帳簿書類を作成し,これに基づき法人税の確 年3月期の事業年度の所得を過少に申告して法人税の負担を軽減するために,既に入力したデータから殊更に2000万円を控除し,その改変したデータの金額に基づいて帳簿書類を作成し,これに基づき法人税の確定申告書を提出したものであるところ,控訴人Aが上記のとおり平成17年3月期の事業年度に生じた本件完成工事収入から2000万円を故意に除外して経理システムにデータを入力して帳簿書類を作成し,これに基づき法人税確定申告書を提出したことは,同事業年度に係る法人税の課税標準等の計算の基礎となるべき収入に係る事実の一部を隠ぺいし,その隠ぺいしたところに基づき納税申告書を提出していたものであるから,国税通則法68条1項所定の重加算税の賦課要件がある。 イこれに対し,控訴人Aは,同社の上記行為は,事務運営指針第1の3柱書所定の「相手方との通謀又は証ひょう書類等の破棄,隠匿若しくは改ざんによるもの等」でなく,本件完成工事収入のうち平成17年3月期の事- 7 -業年度に計上しなかった2000万円については,翌事業年度に計上したので,同第1の3(1)所定の「売上げ等の収入の計上を繰り延べている場合において,その売上げ等の収入が翌事業年度(括弧内略)の収益に計上されていることが確認されたとき」に該当し,同第1の1(2)の「帳簿書類の隠匿,虚偽記載等」には該当しない旨主張する。 しかしながら,控訴人Aは,平成17年3月期の事業年度の所得を過少に申告して法人税の負担を軽減するために,同事業年度に計上すべき収入の一部を故意に除外して帳簿書類に虚偽の記載をしたものであるから,事務運営指針第1の1(2)②の「帳簿書類への虚偽記載」に該当することが明らかであり,このように収入の一部を故意に除外して,これを翌期に計上することは,同3(1)にいう収入の計上の繰延べに該当しな 事務運営指針第1の1(2)②の「帳簿書類への虚偽記載」に該当することが明らかであり,このように収入の一部を故意に除外して,これを翌期に計上することは,同3(1)にいう収入の計上の繰延べに該当しないと解されるし,また,振替伝票を書き換えて(甲18の1,総勘定元帳に記載す)ること(その前後関係を問わない)は,同3柱書にいう「証ひょう書類。 等の…改ざんによるもの等」に当たるというべきである。 ウまた,控訴人Aは,最高裁平成7年4月28日判決にいう重加算税の賦課要件である「特段の行動」とは極めて悪質な行為に限定されてしかるべきであり,本件はこれに当たらず,悪質な事案に係る同判決の判示の射程外であると主張する。 しかしながら,最高裁平成7年4月28日判決は,帳簿書類に不実(隠ぺい,仮装)の記載をしていない事案に係るものである点で本件とは事案を異にするものであり「重加算税を課するためには,納税者のした過少,申告行為そのものが隠ぺい,仮装に当たるというだけでは足りず,過少申告行為そのものとは別に,隠ぺい,仮装と評価すべき行為が存在し,これに合わせた過少申告がされたことを要」し「納税者が,当初から所得を,過少に申告することを意図し,その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上,その意図に基づく過少申告をしたような場合には,重加算- 8 -税の右賦課要件が満たされるものと解すべきである」との一般論を示しているところ,そこにいう「特段の行動」とは過少申告行為そのものとは別の「隠ぺい,仮装と評価すべき行為」という重加算税の賦課要件を指すものであり,控訴人Aが主張するような極めて悪質な行為に限定して重加算税を賦課する趣旨ではないのであり,控訴人Aにおいて隠ぺい行為が存在することは上記ア説示のとおりであるから,控訴人Aがした過少申告につ あり,控訴人Aが主張するような極めて悪質な行為に限定して重加算税を賦課する趣旨ではないのであり,控訴人Aにおいて隠ぺい行為が存在することは上記ア説示のとおりであるから,控訴人Aがした過少申告について,同判決の説示に照らしても重加算税の賦課要件があることが明らかである。 エ以上のとおりで,控訴人Aの過少申告について国税通則法68条1項所定の重加算税の賦課要件があるのであり,これに重加算税を賦課することが課税要件明確主義,租税法律主義の趣旨に反する旨の控訴人Aの主張が理由がないことは,以上の認定説示に照らし明らかである。 (2)理由付記について控訴人Aの主張が理由がないことは,原判決の「事実及び理由」の「第3当裁判所の判断」2(2)記載のとおりであるから,これを引用する。 争点(3)(控訴人Bの本件青色申告承認取消処分の適法性)について(1)事実認定は原判決の 事実及び理由 の第3当裁判所の判断3(2),「」「」記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決24頁19行目の「末日」の次に「まで」を加え,25頁13行目の「エ」を「オ」に改める。 (2)上記引用に係る認定事実によれば,控訴人Bは,本件投資契約の中途解約による投資収益を平成16年6月期の事業年度において一括計上すべきことを認識しながら,同事業年度に収益の全額を一括計上すると多額の法人税の負担が生じることから,同事業年度の法人税の負担を軽減するために,リース個別台帳に本件投資契約が中途解約された事実を殊更に記載せず,同契約が中途解約されていないのと同様に,残存契約年数で按分した収益の額の- 9 -みを同事業年度の帳簿書類に分割計上したものであるところ,これは,控訴人Bが平成16年6月期の事業年度において本件投資契約の中途解約及びこれによる投 に,残存契約年数で按分した収益の額の- 9 -みを同事業年度の帳簿書類に分割計上したものであるところ,これは,控訴人Bが平成16年6月期の事業年度において本件投資契約の中途解約及びこれによる投資収益の一括発生の事実を隠ぺいし,本件投資契約の存続及び投資収益の按分発生を仮装して同事業年度の帳簿書類を作成したものであり,同事業年度に係る帳簿書類に取引の一部を隠ぺい,仮装して記載したことに該当することが明らかであるから,同事業年度について法人税法127条1項3号所定の青色申告の承認の取消要件がある。 なお,控訴人Bは,上記に対する反論として,売上げ(収益)の繰延べであるとして,重加算税の賦課に係る事案である最高裁平成7年4月28日判決及び重加算税の取扱いについての事務運営指針に言及するが,これらの点については,後記5(1)において判断する。 争点(4)(控訴人Bの本件重加算税賦課決定処分の適法性)について(1)隠ぺい,仮装についてア上記4(1)引用に係る認定事実によれば,控訴人Bは,本件投資契約の中途解約による投資収益を平成16年6月期の事業年度において一括計上すべきことを認識しながら,同事業年度に収益の全額を一括計上すると多額の法人税の負担が生じることから,同事業年度の法人税の負担を軽減するために,リース個別台帳に本件投資契約が中途解約された事実を殊更に記載せず,同契約が中途解約されていないのと同様に,残存契約年数で按分した収益の額のみを当該事業年度の帳簿書類に分割計上し,これに基づ,,き同事業年度の法人税の確定申告書を提出したものであるところこれは控訴人Bが平成16年6月期の事業年度において,法人税の課税標準等の計算の基礎となるべき本件投資契約の中途解約及びこれによる投資収益の一括発生という事実を隠ぺいし,本件投資契約 のであるところこれは控訴人Bが平成16年6月期の事業年度において,法人税の課税標準等の計算の基礎となるべき本件投資契約の中途解約及びこれによる投資収益の一括発生という事実を隠ぺいし,本件投資契約の存続及び投資収益の按分発生という事実を仮装し,その隠ぺい,仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときに当たるから,国税通則法68条1項所定の重加算- 10 -税の賦課要件がある。 イこれに対し,控訴人Bは,控訴人Bの上記行為は,事務運営指針第1の3柱書所定の「相手方との通謀又は証ひょう書類等の破棄,隠匿若しくは改ざんによるもの等」でなく,本件投資契約の投資利益については,平成17年6月期及び平成18年6月期の事業年度に計上しているので,同第1の3(1)所定の売上げ等の繰延べに該当するから,同第1の1の「帳簿書類の隠匿,虚偽記載等」に該当しない旨主張する。 しかしながら,控訴人Bは,平成16年6月期の事業年度の所得を過少に申告して法人税の負担を軽減するために,同事業年度に計上すべき収益の一部を故意に除外して帳簿書類に虚偽の記載をしたものであるから,事務運営指針第1の1(2)②の「帳簿書類への虚偽記載」に該当することが明らかであり,このように収入の一部を故意に除外して,これを翌期以降に計上することは,同3(1)にいう収入の計上の繰延べに該当しないことが明らかである。 ウまた,控訴人Bは,最高裁平成7年4月28日判決にいう重加算税の賦課要件である「特段の行為」とは極めて悪質な行為に限定されてしかるべきであり,本件はこれに当たらず,悪質な事案に係る同判決の判示の射程外であると主張する。 しかしながら,最高裁平成7年4月28日判決の判示は,上記3(1)ウのとおりであり,控訴人Bにおいて隠ぺい,仮装行為が存在することは上記ア説示のとおり に係る同判決の判示の射程外であると主張する。 しかしながら,最高裁平成7年4月28日判決の判示は,上記3(1)ウのとおりであり,控訴人Bにおいて隠ぺい,仮装行為が存在することは上記ア説示のとおりであるから,控訴人Bがした過少申告について,同判決の説示に照らしても重加算税の賦課要件があることが明らかである。 エ以上のとおりで,控訴人Bの過少申告について国税通則法68条1項所定の重加算税の賦課要件があるのであり,これに重加算税を賦課することが課税要件明確主義,租税法律主義の趣旨に反する旨の控訴人Bの主張が理由がないことは,以上の認定説示に照らし明らかである。 - 11 -(2)理由付記について控訴人Bの主張が理由がないことは,原判決の「事実及び理由」の「第3当裁判所の判断」4(2)記載のとおりであるから,これを引用する。 よって,控訴人らの請求をいずれも棄却した原判決は相当であり,本件控訴,。 はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし主文のとおり判決する東京高等裁判所第7民事部裁判長裁判官大谷禎男裁判官杉山正己裁判官相澤哲

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