【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人丸目美良の上告趣意第一点及び第二点について。 第一審判決は、その判示犯罪事実を被告人の同公判廷における自白だけで
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人丸目美良の上告趣意第一点及び第二点について。 第一審判決は、その判示犯罪事実を被告人の同公判廷における自白だけで認定したのではなく、A作成の被害届及び盗難被害追加届をその補強証拠としたものである。そして、右の各書面は被告人が同公判で、これを証拠とすることに同意した証拠能力のある書面であり、その証拠調べも適法に為されている。したがつて、同判決がこれを証拠としたのはもとより違法でない。もつとも、右各書面及び所論の上申書によれば、本件被害物件の真の所有者はBであることが窺われるから、同判決がこれをA所有と認定したのは明らかに誤りであるが、同人は右物件につき、保管者として、所持を有していた事実は動かないところであり、盗犯は他人の所持を冒す罪であるから、右の誤認は判決には少しも影響を及ぼさないものといわなければならない。また、同判決が被告人の右自白だけで、被告人が本件窃盗の犯人であること及び共謀の事実を認定していることは、所論の通りであるが、補強証拠は必ずしも犯罪構成要件の総べてに亘つて存しなければならないわけのものではなく、本件の如く、被告人の自白と他の証拠とを綜合すれば、被告人の犯行事実が認定され得る場合には被告人が犯人であることや共謀の事実の如きは、被告人の自白だけでこれを認めても違憲でないことは当裁判所の幾つかの判例の趣旨によつて明らかである(昭和二二年(れ)第一五三号、同二三年六月九日大法廷判決、同年(れ)第九四七号、同年一〇月二一日第一小法廷判決、同年(れ)第一八五一号、同二四年四月七日同小法廷判決、昭和二三年(れ)第一三八二号、同二四年一一月二日大法廷判決参照)。論旨は総べて理由がない。なお、本件については他に刑訴法第四一一条を適用すべき事由も認 第一八五一号、同二四年四月七日同小法廷判決、昭和二三年(れ)第一三八二号、同二四年一一月二日大法廷判決参照)。論旨は総べて理由がない。なお、本件については他に刑訴法第四一一条を適用すべき事由も認められない。 - 1 -よつて、刑訴法第四〇八条に則り主文の通り判決する。 右は裁判官全員一致の意見によるものである。 昭和二五年一一月一七日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官河村又介- 2 -
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