令和3(ネ)10101 特許権侵害差止請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
令和4年9月5日 知的財産高等裁判所 2部 判決 控訴棄却 東京地方裁判所 平成30(ワ)28929
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判決文本文175,599 文字)

- 1 -令和4年9月5日判決言渡令和3年(ネ)第10101号 特許権侵害差止請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成30年(ワ)第28929号)口頭弁論終結日 令和4年6月1日判 決当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり主 文1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 3 なお、原判決主文1項及び2項(被控訴人の特許第3935188号に係る特許権に基づく請求を認容した部分に限る。)は、被控訴人の訴えの取下げにより、失効している。 事実及び理由第1 控訴の趣旨1 原判決を取り消す。 2 被控訴人の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は第1、2審とも被控訴人の負担とする。 第2 事案の概要1 被控訴人は、いずれも発明の名称を「レーザ加工装置」とする特許第3935188号(以下「本件特許1」という。)に係る特許権(以下「本件特許権1」という。)及び特許第3990711号(以下「本件特許2」といい、本件特許1と併せて「本件各特許」という。)に係る特許権(以下「本件特許権2」といい、本件特許権1と併せて「本件各特許権」という。)を有する者であり、控訴人は、少なくとも原判決別紙1被告製品目録記載の各製品(以下「被告製品」という。)を製造し、譲渡するなどしていた者である。本件は、被控訴人が、控訴人が被告製品を製造し、譲渡するなどすることは被控訴人の本件各特許権を侵害すると主張し、- 2 -特許法100条1項及び同条2項に基づいて、控訴人に対し、被告製品の製造、譲渡等の差止め及び被告製品の廃棄を求める事案である。 原審は、被控訴人の請求を全部認容したと すると主張し、- 2 -特許法100条1項及び同条2項に基づいて、控訴人に対し、被告製品の製造、譲渡等の差止め及び被告製品の廃棄を求める事案である。 原審は、被控訴人の請求を全部認容したところ、控訴人は、これを不服として本件控訴を提起した。なお、被控訴人は、当審において、本件特許権1に基づく請求に係る訴えを取り下げた。 2 前提事実、争点及び争点に関する当事者の主張次のとおり改め、後記3のとおり当審で追加された争点及び争点に関する当事者の主張を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」欄の第2の2及び3並びに第3(16頁23行目(行数は、原判決左余白欄の付記による。)から241頁5行目まで)に摘示のとおり(ただし、本件特許権1に係る主張については、本件特許権2に係る主張において引用するなどの本件特許権2に関係する部分を含むが、本件特許権1のみに関する部分を除く。)であるから、これを引用する。 (1) 原判決17頁12行目及び16行目並びに18頁1行目及び3行目の各「願書に添付した」をいずれも「設定登録時の」と改める。 (2) 原判決19頁13行目の「以下のとおりである(」の次に「甲2の2、2の3。」を加える。 (3) 原判決23頁20行目の「被告」から21行目末尾までを「控訴人は、少なくとも、業として、被告製品を製造し、譲渡し、及び輸出し、並びに被告製品の譲渡の申出をしていた(なお、控訴人が現時点においてこれらの行為をしているか否かについては、当事者間に争いがある。)。」と改める。 (4) 原判決30頁15行目の「原告は」を「仮に、本件発明1の「改質領域」が「多光子吸収によるもの」に限定されないのであれば、被控訴人は、上記説明により、」と改める。 (5) 原判決30頁26行目の「「要点」」を「「要点」欄に記 は」を「仮に、本件発明1の「改質領域」が「多光子吸収によるもの」に限定されないのであれば、被控訴人は、上記説明により、」と改める。 (5) 原判決30頁26行目の「「要点」」を「「要点」欄に記載した点」と改める。 (6) 原判決31頁2行目の「審査官が,」の次に「本件発明1と、引用発明で- 3 -はない」を加える。 (7) 原判決32頁9行目の「特開2002-205180号公報」から10行目から11行目にかけての「「乙63発明」という。)」までを「特開2002-205180号公報(乙63。以下「乙63公報」という。)に記載された発明(以下「乙63発明」という。)」と改める。 (8) 原判決32頁21行目の「その条件」を「微小空洞(ヴォイド)が観察される条件」と改める。 (9) 原判決32頁25行目から26行目にかけての「残存する」を「残存するような」と改める。 (10) 原判決33頁9行目の「本件発明1に関する」を「本件発明1がそのような特徴を備えないとする」と改める。 (11) 原判決33頁13行目及び15行目、34頁17行目、22行目から23行目にかけて及び24行目並びに35頁12行目の各「被告製品による」をいずれも「被告製品によって形成される」と改める。 (12) 原判決37頁11行目の「固体のシリコン内部で」を「固体のシリコン内部では空洞は生じず、したがって、」と改める。 (13) 原判決37頁15行目の「空間には,真空ないし気体が存在する」を「空間は真空であるか、そこには気体が存在する」と改める。 (14) 原判決37頁18行目の「必要があるから」の次に「、固体内部のある箇所の温度が融点に達した後も」を加える。 (15) 原判決37頁19行目の「要しない」を「持たず」と改める。 (1 (14) 原判決37頁18行目の「必要があるから」の次に「、固体内部のある箇所の温度が融点に達した後も」を加える。 (15) 原判決37頁19行目の「要しない」を「持たず」と改める。 (16) 原判決38頁3行目の「被告製品」の次に「のレーザのパルス幅」を加える。 (17) 原判決40頁24行目の「原告は,」及び41頁7行目の「確認されたことは,」の各次にいずれも「被告製品を用いて形成される」を加える。 (18) 原判決42頁24行目の「当該部分の」を「当該部分における」と改める。 - 4 -(19) 原判決43頁5行目の「主張するが」の次に「、この観察は」を加える。 (20) 原判決44頁17行目の「J. Achiev. Mater. Manuf. Eng.」を「Journalof Achievement in Materials and Manufacturing Engineering」と改める。 (21) 原判決45頁25行目の「New J. Phys.」を「New Journal of Physics」と改める。 (22) 原判決47頁11行目、13行目、14行目、18行目及び25行目の各「被告製品による」をいずれも「被告製品によって形成される」と改める。 (23) 原判決48頁9行目の「「改質スポット」に」の次に「ついて」を加える。 (24) 原判決48頁10行目、20行目及び24行目の各「被告製品による」をいずれも「被告製品によって形成される」と改める。 (25) 原判決48頁21行目の「実施形態よりも」を「実施形態におけるものよりも」と改める。 (26) 原判決49頁21行目及び50頁17行目の各「被告製品による」をいずれも「被告製品によって形成される」と改める。 (27) 原判決 りも」を「実施形態におけるものよりも」と改める。 (26) 原判決49頁21行目及び50頁17行目の各「被告製品による」をいずれも「被告製品によって形成される」と改める。 (27) 原判決50頁20行目の「集光用レンズが」を「集光用レンズは」と改める。 (28) 原判決51頁8行目の「始める」を「始まる」と改める。 (29) 原判決51頁20行目の「被告製品による」を「被告製品によって形成される」と改める。 (30) 原判決55頁3行目の「多光子吸収は」を「単光子吸収は、」と改める。 (31) 原判決55頁7行目の「従ったとしても」の次に「、被控訴人は」を加える。 (32) 原判決55頁9行目の「説明されてきたというのであるから」を「説明されてきたと主張するのであるから」と改める。 (33) 原判決56頁4行目の「本件発明1」を「本件特許1」と改める。 (34) 原判決56頁23行目の「本件先行特許」から24行目から25行目にか- 5 -けての「発明ですら」までを「本件先行特許の権利範囲が最も広いと説明していたのであり、その最も広い権利範囲を有する本件先行特許に係る発明ですら」と改める。 (35) 原判決57頁19行目の「存在したとしても」の次に「、それは」を加える。 (36) 原判決58頁15行目及び21行目の各「被告製品による」をいずれも「被告製品によって形成される」と改める。 (37) 原判決59頁4行目及び60頁18行目の各「越える」をいずれも「超える」と改める。 (38) 原判決61頁15行目の「仮に最も安定な状態であったとしても」を「仮にそのような状態が最も安定したものであったとしても」と改める。 (39) 原判決64頁19行目の「元と」を「元の単結晶と」と改める。 (40 行目の「仮に最も安定な状態であったとしても」を「仮にそのような状態が最も安定したものであったとしても」と改める。 (39) 原判決64頁19行目の「元と」を「元の単結晶と」と改める。 (40) 原判決65頁15行目から16行目にかけての「反論足り得ていない」を「反論たり得ていない」と改める。 (41) 原判決66頁5行目、68頁18行目及び23行目から24行目にかけて、69頁11行目、14行目、16行目及び24行目から25行目にかけて並びに70頁1行目及び21行目から22行目にかけての各「被告製品による」をいずれも「被告製品によって形成される」と改める。 (42) 原判決77頁2行目及び3行目の各「ないし「改質スポット」」をいずれも削る。 (43) 原判決77頁23行目及び25行目並びに同頁26行目から78頁1行目にかけての各「被告製品による」をいずれも「被告製品によって形成される」と改める。 (44) 原判決78頁3行目及び19行目の各「ないし「改質スポット」」をいずれも削る。 (45) 原判決78頁13行目、15行目及び20行目の各「被告製品による」を- 6 -いずれも「被告製品によって形成される」と改める。 (46) 原判決78頁14行目の「実施形態よりも」を「実施形態におけるものよりも」と改める。 (47) 原判決79頁23行目の「その主張」を「本件発明1に係る主張」と改める。 (48) 原判決82頁8行目の「被告製品による」を「被告製品における」と改める。 (49) 原判決84頁7行目、10行目及び12行目並びに85頁3行目の各「被告製品による」をいずれも「被告製品によって形成される」と改める。 (50) 原判決86頁18行目の「被告製品では」を「被告製品は」と改める。 (51) 及び12行目並びに85頁3行目の各「被告製品による」をいずれも「被告製品によって形成される」と改める。 (50) 原判決86頁18行目の「被告製品では」を「被告製品は」と改める。 (51) 原判決88頁8行目の「定義していないから」の次に「、これらについては」を加える。 (52) 原判決88頁11行目の「被告製品による」を「被告製品における」と改める。 (53) 原判決92頁16行目の「相違点に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (54) 原判決96頁16行目の「本件明細書」を「本件明細書1」と改める。 (55) 原判決98頁13行目から14行目にかけての「記載されている以上,」の次に「ここにいう「スクライブ・ライン」が」を加える。 (56) 原判決99頁4行目の「スクライブ・ライン207」から5行目の「切断する」までを「スクライブ・ライン207に対向する部分をローラーで押圧して切断する」と改める。 (57) 原判決104頁9行目の「相違点に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (58) 原判決108頁20行目及び22行目の各「乙24発明1」をいずれも「乙24公報」と改める。 - 7 -(59) 原判決109頁20行目の「相違点Aに係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (60) 原判決112頁17行目の「実施不可能であるとして,」の次に「乙26公報は」を加える。 (61) 原判決114頁13行目及び117頁18行目の各「相違点に係る」の次にいずれも「本件発明1-1の」を加える。 (62) 原判決118頁7行目の「本件特許」を「本件特許1」と改める。 (63) 原判決123頁1行目の「相違点に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (64) 原判決127頁15行目 (62) 原判決118頁7行目の「本件特許」を「本件特許1」と改める。 (63) 原判決123頁1行目の「相違点に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (64) 原判決127頁15行目の「相違点8(相違点A)に係る」及び17行目の「当該相違点に係る」の各次にいずれも「本件発明1-1の」を加える。 (65) 原判決129頁9行目及び131頁24行目の各「相違点に係る」の次にいずれも「本件発明1-1の」を加える。 (66) 原判決132頁6行目の「本件発明1」を「本件発明1-1」と改める。 (67) 原判決132頁25行目の「相違点」を「相違点に係る本件発明1-1の構成」と改める。 (68) 原判決133頁13行目及び134頁2行目から3行目にかけての各「相違点8(相違点A)に係る」の次にいずれも「本件発明1-1の」を加える。 (69) 原判決137頁11行目から12行目にかけての「に電極が積層されたもの」を削る。 (70) 原判決137頁19行目の「相違点に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (71) 原判決139頁3行目の「(3頁左下欄6行ないし9行),」の次に「乙58発明1を」を加える。 (72) 原判決139頁25行目の「その」を「乙58公報の」と改める。 (73) 原判決140頁8行目及び143頁14行目の各「相違点に係る」の次に- 8 -いずれも「本件発明1-1の」を加える。 (74) 原判決144頁15行目の「相違点の」を「相違点に係る本件発明1-1の構成の」と改める。 (75) 原判決145頁17行目の「相違点7(相違点A)に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (76) 原判決149頁1行目の「相違点に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (77) 原判決145頁17行目の「相違点7(相違点A)に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (76) 原判決149頁1行目の「相違点に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (77) 原判決150頁11行目の「構成は,」の次に「乙25発明1に」を加える。 (78) 原判決151頁12行目の「左下7行」を「右上15行」と改める。 (79) 原判決151頁24行目の「本件明細書」を「本件明細書1」と改める。 (80) 原判決152頁5行目の「相違点」から6行目の「適用することで」までを「相違点に係る本件発明1-1の構成は、乙25発明1に周知慣用技術を適用することで」と改める。 (81) 原判決154頁15行目の「相違点に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (82) 原判決155頁21行目の「合成ガラス」を「合成石英ガラス」と改める。 (83) 原判決155頁21行目の「反対側」の次に「の面」を加える。 (84) 原判決157頁19行目の「マーキングライン」を「マーキング予定ライン」と改める。 (85) 原判決157頁23行目末尾に「を備え、」を加える。 (86) 原判決159頁5行目、161頁19行目及び164頁9行目の各「相違点に係る」の次にいずれも「本件発明1-1の」を加える。 (87) 原判決163頁14行目の「マーキングライン」を「マーキング予定ライン」と改める。 (88) 原判決163頁18行目末尾に「を備え、」を加える。 - 9 -(89) 原判決164頁19行目の「構成」を「本件発明1-1の構成」と改める。 (90) 原判決166頁8行目末尾に「、」を加える。 (91) 原判決166頁17行目末尾に「を備え、」を加える。 (92) 原判決167頁24行目の「相違 件発明1-1の構成」と改める。 (90) 原判決166頁8行目末尾に「、」を加える。 (91) 原判決166頁17行目末尾に「を備え、」を加える。 (92) 原判決167頁24行目の「相違点に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (93) 原判決168頁24行目から25行目にかけての「本件明細書」を「本件明細書1」と改める。 (94) 原判決169頁20行目の「乙60発明1’」を「乙60公報」と改める。 (95) 原判決169頁25行目及び171頁21行目の各「相違点に係る」の次にいずれも「本件発明1-1の」を加える。 (96) 原判決171頁18行目の「光学的損傷」を「光学破壊群」と改める。 (97) 原判決172頁20行目の「相違点Aに係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (98) 原判決174頁20行目の「本件発明1-1」の次に「に係る特許請求の範囲の記載」を加える。 (99) 原判決175頁22行目の「,原告の上記解釈を前提とすれば」を削る。 (100) 原判決175頁24行目の「開示されていないところ」の次に「、被控訴人の上記解釈を前提とすると」を加える。 (101) 原判決177頁1行目及び7行目の各「本件発明1-1」をいずれも「本件発明1-1に係る特許請求の範囲の記載」と改める。 (102) 原判決177頁19行目から20行目にかけて及び178頁5行目の各「本件発明1-1及び本件発明1-2」をいずれも「本件発明1に係る本件明細書1の発明の詳細な説明の記載」と改める。 (103) 原判決179頁22行目の「本件発明1」を「本件発明2」と改める。 (104) 原判決181頁16行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 - 10 -(105) 原判決 原判決179頁22行目の「本件発明1」を「本件発明2」と改める。 (104) 原判決181頁16行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 - 10 -(105) 原判決182頁1行目の「組み合わせ」を「組合せ」と改める。 (106) 原判決184頁13行目の「仮に存在するとしても」の次に「、相違点Aに係る本件発明2-1の構成は、」を加える。 (107) 原判決185頁25行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-2の」を加える。 (108) 原判決186頁7行目の「本件発明1-1」から8行目の「及び」までを削る。 (109) 原判決186頁10行目の「これらの」を「この」と改める。 (110) 原判決186頁18行目の「構成は,」の次に「乙24発明2に」を加える。 (111) 原判決189頁3行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 (112) 原判決190頁8行目の「その相違点1に係る構成」を「相違点1に係る本件発明2-1の構成」と改める。 (113) 原判決190頁26行目の「その相違点2に係る構成」を「相違点2に係る本件発明2-1の構成」と改める。 (114) 原判決191頁23行目から24行目にかけて及び192頁2行目の各「本件発明」をいずれも「本件発明2-1」と改める。 (115) 原判決192頁4行目の「相違点Aに係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 (116) 原判決192頁6行目の「相違点A」の次に「に係る本件発明2-1の構成」を加える。 (117) 原判決193頁3行目の「乙24発明2」を「乙24発明2’」と改める。 (118) 原判決194頁9行目の「相違点に係る」及び19行目の「相違点Fに係る」の各次にいずれも「本件発明2 (117) 原判決193頁3行目の「乙24発明2」を「乙24発明2’」と改める。 (118) 原判決194頁9行目の「相違点に係る」及び19行目の「相違点Fに係る」の各次にいずれも「本件発明2-2の」を加える。 - 11 -(119) 原判決194頁25行目の「乙25公報」から26行目の「乙28公報」までを「乙25公報及び乙27公報」と改める。 (120) 原判決197頁14行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 (121) 原判決197頁22行目の「同様に,」の次に「乙26発明2に」を加える。 (122) 原判決198頁6行目及び22行目の各「相違点4に係る」の次にいずれも「本件発明2-1の」を加える。 (123) 原判決199頁16行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 (124) 原判決201頁10行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-2の」を加える。 (125) 原判決201頁22行目の「当該相違点」から23行目の「組み合わせ」までを「当該相違点に係る本件発明2-2の構成は、乙26発明2に、乙26公報に記載された他の構成、乙27発明及び乙25発明Aを組み合わせ」と改める。 (126) 原判決202頁9行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 (127) 原判決202頁25行目の「乙26」を「乙26発明2」と改める。 (128) 原判決203頁11行目の「その相違点1に係る構成」を「相違点4に係る本件発明2-1の構成」と改める。 (129) 原判決203頁17行目の「解される」の次に「。」を加える。 (130) 原判決203頁20行目の「その相違点2に係る構成」を「相違点5に係る本件発明2-1の構成」と改める。 (131) 9) 原判決203頁17行目の「解される」の次に「。」を加える。 (130) 原判決203頁20行目の「その相違点2に係る構成」を「相違点5に係る本件発明2-1の構成」と改める。 (131) 原判決204頁15行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-2の」を加える。 (132) 原判決205頁13行目の「相違点に係る」の次に「本件発明1-1の」- 12 -を加える。 (133) 原判決205頁14行目の「相違点②に係る」及び23行目の「相違点に係る」の各次にいずれも「本件発明2-1の」を加える。 (134) 原判決207頁18行目から19行目にかけての「対比すると」の次に「、両発明は」を加える。 (135) 原判決207頁20行目の「構成は,」の次に「乙57公報に記載された発明に」を加える。 (136) 原判決208頁1行目から2行目にかけての「乙57公報に記載された発明」を「乙57発明1」と改める。 (137) 原判決208頁6行目の「本件発明1-1」から8行目末尾までを「本件発明1-1と乙57発明1との相違点に係る本件発明1-1の構成の容易想到性に加え、相違点①に係る本件発明2-2の構成の容易想到性について更に主張する。」と改める。 (138) 原判決208頁9行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-2の」を加える。 (139) 原判決208頁14行目から15行目にかけての「対比すると」の次に「、両発明は」を加える。 (140) 原判決208頁16行目から17行目にかけての「乙27公報に記載された発明を適用することで」を「乙57公報に記載された発明に乙27発明を適用することで」と改める。 (141) 原判決209頁4行目の「相違点①及び②」の次に「に係る本件発明2-1の構成」を加える。 発明を適用することで」を「乙57公報に記載された発明に乙27発明を適用することで」と改める。 (141) 原判決209頁4行目の「相違点①及び②」の次に「に係る本件発明2-1の構成」を加える。 (142) 原判決209頁6行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 (143) 原判決209頁9行目の「乙27発明」を「乙27公報」と改める。 (144) 原判決210頁9行目の「解される」の次に「。」を加える。 - 13 -(145) 原判決210頁11行目の「乙57」を「乙57公報」と改める。 (146) 原判決210頁19行目の「乙58公報」を「乙57公報」と改める。 (147) 原判決211頁6行目の「その構成」を「相違点①に係る本件発明2-2の構成」と改める。 (148) 原判決211頁8行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-2の」を加える。 (149) 原判決211頁25行目の「相違点に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (150) 原判決211頁26行目の「相違点②に係る」及び212頁2行目の「相違点に係る」の各次にいずれも「本件発明2-1の」を加える。 (151) 原判決212頁9行目から10行目にかけての「乙58公報の」を「乙58公報に記載された発明において」と改める。 (152) 原判決213頁18行目から19行目にかけての「対比すると」の次に「、両発明は」を加える。 (153) 原判決213頁20行目の「構成は,」の次に「乙58公報に記載された発明に」を加える。 (154) 原判決214頁3行目の「本件発明1-1」から5行目末尾までを「本件発明1-1と乙58公報に記載された発明との相違点に係る本件発明1-1の構成の容易想到性に加え、相違点①に係る本 。 (154) 原判決214頁3行目の「本件発明1-1」から5行目末尾までを「本件発明1-1と乙58公報に記載された発明との相違点に係る本件発明1-1の構成の容易想到性に加え、相違点①に係る本件発明2-2の構成の容易想到性について更に主張する。」と改める。 (155) 原判決214頁6行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-2の」を加える。 (156) 原判決214頁11行目から12行目にかけての「対比すると」の次に「、両発明は」を加える。 (157) 原判決214頁13行目から14行目にかけての「乙27公報に記載された発明を適用することで」を「乙58公報に記載された発明に乙27発明を適用- 14 -することで」と改める。 (158) 原判決214頁23行目の「相違点①及び②」の次に「に係る本件発明2-1の構成」を加える。 (159) 原判決214頁25行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 (160) 原判決215頁13行目の「乙57公報」を「乙58公報」と改める。 (161) 原判決215頁23行目の「解される」の次に「。」を加える。 (162) 原判決216頁21行目の「その構成」を「相違点①に係る本件発明2-2の構成」と改める。 (163) 原判決216頁23行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-2の」を加える。 (164) 原判決217頁14行目の「本件発明1-1」から16行目末尾までを「本件発明1-1と乙25発明1との相違点に係る本件発明1-1の構成の容易想到性に加え、相違点①及び②に係る本件発明2-1の構成の容易想到性について更に主張する。」と改める。 (165) 原判決217頁17行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 (166 、相違点①及び②に係る本件発明2-1の構成の容易想到性について更に主張する。」と改める。 (165) 原判決217頁17行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 (166) 原判決217頁24行目の「乙25公報記載の」を「乙25公報に記載された発明において」と改める。 (167) 原判決219頁7行目の「構成は,」の次に「乙25公報に記載された発明に」を加える。 (168) 原判決219頁16行目の「本件発明1-1」から17行目末尾までを「本件発明1-1と乙25発明1との相違点に係る本件発明1-1の構成の容易想到性に加え、相違点①に係る本件発明2-2の構成の容易想到性について更に主張する。」と改める。 (169) 原判決219頁18行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-2の」- 15 -を加える。 (170) 原判決219頁23行目から24行目にかけての「対比すると」の次に「、両発明は」を加える。 (171) 原判決219頁25行目から26行目にかけての「乙27公報に記載された発明を適用することで」を「乙25公報に記載された発明に乙27発明を適用することで」と改める。 (172) 原判決220頁9行目の「相違点①及び②」の次に「に係る本件発明2-1の構成」を加える。 (173) 原判決220頁11行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 (174) 原判決221頁6行目の「解される」の次に「。」を加える。 (175) 原判決222頁4行目の「その構成」を「相違点①に係る本件発明2-2の構成」と改める。 (176) 原判決222頁6行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-2の」を加える。 (177) 原判決222頁20行目の「加えての相違点として」を 係る本件発明2-2の構成」と改める。 (176) 原判決222頁6行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-2の」を加える。 (177) 原判決222頁20行目の「加えての相違点として」を「加え」と改める。 (178) 原判決222頁23行目の「本件発明1-1」から25行目末尾までを「本件発明1-1と乙59発明1との相違点に係る本件発明1-1の構成の容易想到性に加え、相違点①及び②に係る本件発明2-1の構成の容易想到性について更に主張する。」と改める。 (179) 原判決222頁26行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 (180) 原判決224頁18行目の「構成は,」の次に「乙59公報に記載された発明に」を加える。 (181) 原判決225頁1行目の「本件発明1-1」から2行目末尾までを「本- 16 -件発明1-1と乙59発明1の相違点に係る本件発明1-1の構成の容易想到性に加え、相違点①に係る本件発明2-2の構成の容易想到性について更に主張する。」と改める。 (182) 原判決225頁3行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-2の」を加える。 (183) 原判決225頁8行目から9行目にかけての「対比すると」の次に「、両発明は」を加える。 (184) 原判決225頁10行目から11行目にかけての「乙27公報に記載された発明を適用することで」を「乙59公報に記載された発明に乙27発明を適用することで」と改める。 (185) 原判決225頁20行目の「相違点①及び②」の次に「に係る本件発明2-1の構成」を加える。 (186) 原判決225頁22行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 (187) 原判決226頁1行目の「組み合わせ」を「組合せ」と改め 件発明2-1の構成」を加える。 (186) 原判決225頁22行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 (187) 原判決226頁1行目の「組み合わせ」を「組合せ」と改める。 (188) 原判決226頁20行目の「解される」の次に「。」を加える。 (189) 原判決226頁24行目の「乙28」を「乙28公報」と改める。 (190) 原判決227頁16行目の「その構成」を「相違点①に係る本件発明2-2の構成」と改める。 (191) 原判決227頁18行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-2の」を加える。 (192) 原判決228頁9行目の「本件発明1-1」から11行目末尾までを「本件発明1-1と乙60発明1との相違点に係る本件発明1-1の構成の容易想到性に加え、相違点①及び②に係る本件発明2-1の構成の容易想到性について更に主張する。」と改める。 (193) 原判決228頁12行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」- 17 -を加える。 (194) 原判決230頁2行目の「構成は,」の次に「乙60公報に記載された発明に」を加える。 (195) 原判決230頁11行目の「本件発明1-1」から12行目末尾までを「本件発明1-1と乙60発明1との相違点に係る本件発明1-1の構成の容易想到性に加え、相違点①に係る本件発明2-2の構成の容易想到性について更に主張する。」と改める。 (196) 原判決230頁13行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-2の」を加える。 (197) 原判決230頁18行目から19行目にかけての「対比すると」の次に「、両発明は」を加える。 (198) 原判決230頁20行目から21行目にかけての「乙27公報に記載された発明を適用することで」 原判決230頁18行目から19行目にかけての「対比すると」の次に「、両発明は」を加える。 (198) 原判決230頁20行目から21行目にかけての「乙27公報に記載された発明を適用することで」を「乙60公報に記載された発明に乙27発明を適用することで」と改める。 (199) 原判決231頁4行目の「相違点①及び②」の次に「に係る本件発明2-1の構成」を加える。 (200) 原判決231頁6行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-1の」を加える。 (201) 原判決232頁4行目の「解される」の次に「。」を加える。 (202) 原判決232頁6行目の「乙60」を「乙60公報」と改める。 (203) 原判決233頁1行目の「その構成」を「相違点①に係る本件発明2-2の構成」と改める。 (204) 原判決233頁3行目の「相違点に係る」の次に「本件発明2-2の」を加える。 (205) 原判決233頁23行目から24行目にかけての「本件発明2-1」の次に「に係る特許請求の範囲の記載」を加える。 - 18 -(206) 原判決233頁26行目の「用いられており」から234頁2行目末尾までを「用いられている。」と改める。 (207) 原判決234頁6行目の「本件発明2-2」及び11行目の「本件発明2-1」の各次にいずれも「に係る特許請求の範囲の記載」を加える。 (208) 原判決234頁19行目及び22行目の各「及び「改質スポット」」をいずれも削る。 (209) 原判決235頁5行目の「構成要件2H」の次に「に係る特許請求の範囲の記載」を加える。 (210) 原判決235頁16行目の「本件発明1-1と同様の理由で,本件発明2-1についても」を「本件発明1-1に係る特許請求の範囲の記載と同様の理由で、本 特許請求の範囲の記載」を加える。 (210) 原判決235頁16行目の「本件発明1-1と同様の理由で,本件発明2-1についても」を「本件発明1-1に係る特許請求の範囲の記載と同様の理由で、本件発明2-1に係る特許請求の範囲の記載についても」と改める。 (211) 原判決236頁8行目の「いずれについても」の次に「、特許請求の範囲の記載に関し」を加える。 (212) 原判決236頁15行目及び19行目の各「本件発明2-1及び本件発明2-2」をいずれも「本件発明2に係る本件明細書2の発明の詳細な説明の記載」と改める。 (213) 原判決237頁11行目から12行目にかけての「原告と被告が」を削る。 (214) 原判決239頁16行目の「本件各発明」を「本件各特許」と改める。 (215) 原判決241頁1行目の「ML200PlusⅢ,ML200Plus」を「ML200PlusⅢ、ML200PlusⅤ」と改める。 3 当審で追加された争点及び争点に関する当事者の主張(1) 争点7-1(本件発明2の特開2002-192370号公報(平成14年7月10日公開。以下「乙150公報」という。)を主引用例とする進歩性欠如)について(控訴人の主張)- 19 -ア 本件発明2の進歩性判断の基準日本件出願2に係る優先権主張の根拠となる基礎出願(特願2002-67348号。以下「本件基礎出願」という。)の明細書(乙31)の記載によると、本件基礎出願に係る発明にいう「改質領域」は、多光子吸収によって形成されるものと解されるところ、本件発明2の「改質領域」が多光子吸収によって形成されるものに限定されないとの解釈を前提とすると、本件発明2の「改質領域」は、本件基礎出願の明細書に記載された技術的事項の範囲を超える態様のもの ころ、本件発明2の「改質領域」が多光子吸収によって形成されるものに限定されないとの解釈を前提とすると、本件発明2の「改質領域」は、本件基礎出願の明細書に記載された技術的事項の範囲を超える態様のものを包含していることになり、本件基礎出願との関係で新たな技術的事項を導入するものである。 また、本件発明2-1の「切断予定ライン」についても、それ自体は、本件基礎出願の明細書に記載されているものの、本件明細書2には、本件基礎出願の明細書に記載されていなかった新たな技術的事項(本件発明2-1の構成要件2Hに係る態様)が記載されているから、本件発明2-1の「切断予定ライン」は、本件基礎出願の明細書に記載された技術的事項の範囲を超えることになり、本件基礎出願との関係で新たな技術的事項を導入するものである。 したがって、本件基礎出願に基づく優先権主張は認められず、本件発明2の進歩性の有無を判断するに当たっては、本件特許2の優先日(平成14年3月12日)ではなく、本件特許2の原出願日(平成15年3月11日)を基準にすべきである。 イ 乙150公報に記載された発明乙150公報には、本件発明2と対比すべき発明として、次の発明(以下「乙150発明」という。)が記載されている。 2a シリコンウェハ(加工対象物1)の内部に、切断の起点となる改質領域を形成するレーザ加工装置であって、2b 前記シリコンウェハが載置される載置台107と、2c レーザ光を出射するレーザ光源101と、2d 前記載置台107に載置された前記シリコンウェハの内部に、前記レーザ光源101から出射されたレーザ光Lを集光し、そのレーザ光Lの集光点の位置で- 20 -前記改質領域を形成させる集光用レンズ105と、2e 前記改質領域を前記シリコンウェハの内部に形成 ーザ光源101から出射されたレーザ光Lを集光し、そのレーザ光Lの集光点の位置で- 20 -前記改質領域を形成させる集光用レンズ105と、2e 前記改質領域を前記シリコンウェハの内部に形成するために、レーザ光Lの集光点を前記シリコンウェハの内部に位置させた状態で、前記シリコンウェハの切断予定ライン5に沿ってレーザ光Lの集光点を移動させるステージ制御部115と、2g シリコンウェハの表面を撮像する撮像素子121と、を備え、2h 前記切断予定ライン5は、前記シリコンウェハの内側部分と外縁部との境界付近に始点及び終点が位置し、2r 前記ステージ制御部は、前記載置台107の移動を制御する2i ことを特徴とするレーザ加工装置100。 ウ 本件発明2-1の進歩性欠如(ア) 本件発明2-1と乙150発明との対比本件発明2-1と乙150発明は、次の一致点で一致し、相違点1で相違する。 (一致点)2A 半導体基板の内部に、切断の起点となる改質領域を形成するレーザ加工装置であって、2B 前記半導体基板が載置される載置台と、2C レーザ光を出射するレーザ光源と、2D 前記載置台に載置された前記半導体基板の内部に、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を集光し、そのレーザ光の集光点の位置で前記改質領域を形成させる集光用レンズと、2E 前記改質領域を前記半導体基板の内部に形成するために、レーザ光の集光点を前記半導体基板の内部に位置させた状態で、前記半導体基板の切断予定ラインに沿ってレーザ光の集光点を移動させる制御部と、を備え、2H 前記切断予定ラインは、前記半導体基板の内側部分と外縁部との境界付近に始点及び終点が位置する、- 21 -2I ことを特徴とするレーザ加工装置。 (相 させる制御部と、を備え、2H 前記切断予定ラインは、前記半導体基板の内側部分と外縁部との境界付近に始点及び終点が位置する、- 21 -2I ことを特徴とするレーザ加工装置。 (相違点1)本件発明2-1は、「前記載置台に載置された前記半導体基板を赤外線で照明する赤外透過照明と、前記赤外透過照明により赤外線で照明された前記半導体基板における前記改質領域を撮像可能な撮像素子と、を備え」るのに対し、乙150発明は、シリコンウェハの表面を撮像する撮像素子121を備えるものの、赤外透過照明を備えない点。 (イ) 相違点1に係る本件発明2-1の構成の容易想到性a 乙150発明は、シリコンウェハの内部にレーザ光を集光させ、その部分に改質領域を形成するものであり、外部から視認し得ない改質領域の様子をシリコンウェハを透過する赤外線等により検査・観察して、改質領域が所望どおりに形成されているかを確認する必要があるところ(例えば、特開平4-172192号公報(以下「乙154公報」という。)、特開昭53-114347号公報(以下「乙152公報」という。)及び特開平10-323778号公報(以下「乙209公報」という。)に記載があるとおり、ウェハのレーザ加工時に赤外線等を用いて加工状態を観察することは、本件特許2の優先日当時の当業者にとって自明であった。)、乙150公報には、乙150発明の撮像素子121につき、赤外線用のものを用いることができることが明記されており(【0091】)、乙150発明の撮像素子121は、シリコンウェハの内部に観察面を合わせることで、シリコンウェハの内部の改質領域を観察することができるものである。 b また、特公昭62-45965号公報(以下「乙155公報」という。)、特開平8-220008号公報(以下「 を合わせることで、シリコンウェハの内部の改質領域を観察することができるものである。 b また、特公昭62-45965号公報(以下「乙155公報」という。)、特開平8-220008号公報(以下「乙156公報」という。)、特開平10-332332号公報(以下「乙157公報」という。)、特開平8-264488号公報(以下「乙158公報」という。)、特開平5-259275号公報(以下「乙159公報」という。)、特開平9-17831号公報(以下「乙160公報」という。)及び特開平11-121517号公報(以下「乙161公報」という。)- 22 -に記載があるとおり、赤外光を半導体ウェハ(半導体基板)に照射し、半導体ウェハを透過した赤外光を測定することで切断時の半導体ウェハの内部の状態を検査・観察することは、本件特許2の原出願日前(本件特許2の優先日前)において、普通に行われていた周知の技術であった。 c 以上のとおり、乙150発明において、レーザ加工時の加工状態を観察・監視するために、上記bの周知技術を適用し、シリコンウェハを赤外線で照明する赤外透過照明を設け、シリコンウェハを透過した赤外線を撮像装置121で撮像するように構成することは、乙150公報に接した当業者において、容易に想到し得たものである。そして、内部に改質領域が形成されたシリコンウェハを透過した赤外線は、シリコンウェハの内部の改質領域に係る情報を含むから、乙150発明の撮像素子121は、シリコンウェハの内部の改質領域を撮像することが可能である。 したがって、本件特許2の原出願日当時の当業者は、相違点1に係る本件発明2-1の構成に容易に想到し得たものである。 (ウ) 被控訴人が主張する相違点B(本件発明2-1は、「前記切断予定ラインは、前記半導体基板の内側部分と外縁部 当時の当業者は、相違点1に係る本件発明2-1の構成に容易に想到し得たものである。 (ウ) 被控訴人が主張する相違点B(本件発明2-1は、「前記切断予定ラインは、前記半導体基板の内側部分と外縁部との境界付近に始点及び終点が位置する、」との構成を有するのに対し、乙150発明’は、それに対応する構成を有しない点。)に係る本件発明2-1の構成の容易想到性a 特開平6-224298号公報(以下「乙162公報」という。)、乙28公報及び特開2002-43254号公報(以下「乙164公報」という。)に記載があるとおり、ウェハ状の加工対象物を切断する技術の分野において、「半導体基板の端の一定の幅をもった部分を「外縁部」とし、半導体基板の外縁部以外の部分を「内側部分」とした上で、「外縁部」に切断予定ラインがかからないように、「外縁部」と「内側部分」との境界付近に「切断予定ライン」の始点及び終点を位置させることによって、「内側部分」の内部に「切断予定ライン」が設定されるようにする」との技術は、本件特許2の原出願日(本件特許2の優先日)において、当業者に周知の技術であった。 - 23 -そして、相違点Bに係る本件発明2-1の構成が乙150公報(【図16】)に示唆されていることや、乙150発明の目的(加工対象物を切断することにより作製される製品の歩留まりや生産性の向上(乙150公報の【0118】))を考慮すると、当業者は、切断された半導体ウェハを一体的に保持するようにして加工対象物の切断工程における歩留まりを向上させるため、乙150発明に上記の周知技術を適用することを動機付けられるというべきである。 b 乙162公報(【0019】、【0024】)には、ウエハのダイシングの際、ウエハの周縁部に、「切断されたウエハを一体的に保持する補強部材とし 術を適用することを動機付けられるというべきである。 b 乙162公報(【0019】、【0024】)には、ウエハのダイシングの際、ウエハの周縁部に、「切断されたウエハを一体的に保持する補強部材としての機能を果たす切り残し部分を設けることで、ダイシング工程における歩留まりを向上させる」との構成が開示されている。また、乙162公報(【図2】)には、「半導体基板の端の一定の幅をもった部分を「外縁部」とし、半導体基板の外縁部以外の部分を「内側部分」とした上で、「外縁部」に切断予定ラインがかからないように、「外縁部」と「内側部分」との境界付近に「切断予定ライン」の始点及び終点を位置させることによって、「内側部分」の内部に「切断予定ライン」が設定されるようにする」との構成が開示されている。 そして、上記のとおり、乙150発明は、歩留まりや生産性の向上を目的の一つとする発明であるから、当業者は、歩留まりを向上させることを可能にする乙162公報に記載された上記構成を乙150発明に適用するよう動機付けられる。 c 以上によると、仮に、相違点Bを本件発明2-1と乙150発明の相違点として認定するとしても、相違点Bに係る本件発明2-1の構成は、本件特許2の原出願日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 エ 本件発明2-2の進歩性欠如本件発明2-2と乙150発明とを対比すると、両発明の間には、前記ウ(ア)の相違点1と同様の相違点が存在する。 そして、前記ウ(イ)のとおり、本件特許2の原出願日当時の当業者は、上記相違点に係る本件発明2-2の構成に容易に想到し得たものである。 - 24 -(被控訴人の主張)ア 本件発明2の進歩性判断の基準日(ア) 本件発明2-1本件発明2-1の進歩性の有無の判断に当たり、本件特許2の原出 易に想到し得たものである。 - 24 -(被控訴人の主張)ア 本件発明2の進歩性判断の基準日(ア) 本件発明2-1本件発明2-1の進歩性の有無の判断に当たり、本件特許2の原出願日を基準にすべきことは争わない。その理由は、本件発明2-1が本件基礎出願の明細書に記載されていない構成要件2Hを発明特定事項としているからである。 (イ) 本件発明2-2本件基礎出願の明細書(【請求項1】、【請求項3】、【0006】、【0007】、【0010】、【0011】)をみると、本件基礎出願の請求項1に係る発明が「改質領域が多光子吸収により形成されるものでなければならない発明」を表しているのに対し、請求項3に係る発明は、「改質領域が多光子吸収により形成されるものでなくてもよい発明」を表しており、また、本件基礎出願の明細書に記載された発明は、「半導体基板の内部に改質領域が形成されると、改質領域を起点として比較的小さな力で半導体基板に割れが発生する」という事項を課題解決原理としているのであって、「改質領域が多光子吸収により形成されるものであること」という事項を課題解決原理としているわけではないことが明らかである。そうすると、本件基礎出願の明細書には、「改質領域が多光子吸収により形成されるものでなくてもよい発明」が記載されているといえるから、本件発明2-2の「改質領域」は、本件基礎出願の明細書に記載された技術的事項の範囲を超える内容のものを発明特定事項とするものではない。 したがって、本件発明2-2については、その全体につき優先権主張が認められ、その進歩性の有無を判断するに当たっては、本件特許2の優先日を基準にすべきである。仮に、本件明細書2に本件発明2-1の構成要件2Hに関する態様のものが記載されたことにより、①本件基礎出願の められ、その進歩性の有無を判断するに当たっては、本件特許2の優先日を基準にすべきである。仮に、本件明細書2に本件発明2-1の構成要件2Hに関する態様のものが記載されたことにより、①本件基礎出願の明細書に記載された構成(本件発明2-2の構成要件2Nにいう「切断予定ライン」が「半導体基板の内側部分と外縁部との境界付近に始点及び終点が位置する」ものを含まないという構成)に、②新たな- 25 -構成(本件発明2-2の構成要件2Nにいう「切断予定ライン」が「半導体基板の内側部分と外縁部との境界付近に始点及び終点が位置する」ものであるとの構成)が追加されたと解されるとしても、少なくとも本件基礎出願の明細書に記載されていた上記①の構成については、優先権主張が認められるべきであるから、その進歩性を判断するに当たっては、本件特許2の優先日を基準にすべきである。 イ 乙150公報に記載された発明乙150公報には、控訴人が主張する構成2hが開示されていない。したがって、乙150公報に記載された発明については、構成2hを備えないものとして認定するのが相当である(以下、被控訴人が主張する乙150公報に記載された発明(構成2hを備えないもの)を「乙150発明’」という。)。 ウ 本件発明2-1の進歩性(ア) 本件発明2-1と乙150発明’との対比上記イによると、本件発明2-1と乙150発明’との一致点は、控訴人が主張する一致点から構成要件2Hを除いたものとなるから、構成要件2Hは、本件発明2-1と乙150発明’との相違点(次の相違点B)となる。また、控訴人が主張する相違点1は、乙150発明’が「改質領域を撮像可能な撮像素子」を備えていないことが明らかでないとする点で相当でないから、控訴人が主張する相違点1は、次の相違点Aのように認定され た、控訴人が主張する相違点1は、乙150発明’が「改質領域を撮像可能な撮像素子」を備えていないことが明らかでないとする点で相当でないから、控訴人が主張する相違点1は、次の相違点Aのように認定されるべきである。 (相違点A)本件発明2-1は、「前記載置台に載置された前記半導体基板を赤外線で照明する赤外透過照明と、前記赤外透過照明により赤外線で照明された前記半導体基板における前記改質領域を撮像可能な撮像素子と、を備え」るのに対し、乙150発明’は、赤外透過照明を備えておらず、撮像素子121を備えるものの、その撮像素子121は、半導体基板の表面を撮像対象とするのみであり、半導体基板の内部に形成される改質領域を撮像可能とするものではない点。 (相違点B)- 26 -本件発明2-1は、「前記切断予定ラインは、前記半導体基板の内側部分と外縁部との境界付近に始点及び終点が位置する、」との構成を有するのに対し、乙150発明’は、それに対応する構成を有しない点。 (イ) 相違点に係る本件発明2-1の構成の想到困難性a 相違点A(a) 乙150発明’の撮像素子121は、半導体基板の表面からの反射光を利用してフォーカス調整をするためのものであり(乙150公報の【0049】、【0050】、【0091】)、それを改質領域の観察用のものに変えることに対する動機付けはない。また、乙150発明’の撮像素子121は、観察用光源117からの可視光又は加工用のレーザ光源101からのレーザ光Lを撮像するものであるから(乙150公報の【0049】、【0091】)、乙150発明’において赤外透過照明を導入することに対しても動機付けがない。そもそも、乙150発明’は、加工対象物の内部にレーザ光を集光して切断予定ラインに沿って走査するだけで加工対 0091】)、乙150発明’において赤外透過照明を導入することに対しても動機付けがない。そもそも、乙150発明’は、加工対象物の内部にレーザ光を集光して切断予定ラインに沿って走査するだけで加工対象物を切断するという目的を達成できる発明であるから、それを実施する上で改質領域の撮像を必要とするものではない(乙150公報には、改質領域を撮像することの示唆もない。)。 (b)ⅰ 控訴人は、乙150発明の撮像素子121につき赤外線用のものを用い得ることが乙150公報に記載されていると主張するが、乙150発明の撮像素子121が半導体基板の表面からの反射光を利用してフォーカス調整するための撮像素子であることに変わりはないから、控訴人が主張する乙150公報の記載は、相違点Aに係る本件発明2-1の構成の容易想到性を根拠付けるものではない。 ⅱ 控訴人は、乙155公報ないし乙161公報を根拠に、「赤外光を半導体ウェハに照射し、半導体ウェハを透過した赤外光を測定することで切断時の半導体ウェハの内部の状態を検査・観察すること」が本件特許2の原出願日前(本件特許2の優先日前)において周知技術であったと主張するが、乙155公報ないし乙161公報をみても、そのような周知技術は認められない。 - 27 -(c) 以上のとおりであるから、本件特許2の原出願日当時の当業者が相違点Aに係る本件発明2-1の構成に容易に想到し得たということはできない。 b 相違点B(a) 乙150公報には、相違点Bに係る本件発明2-1の構成(構成要件2H)を設けることに対する動機付けがあることを示す記載はない。 (b)ⅰ 控訴人は、乙162公報、乙28公報及び乙164公報を根拠に、「半導体基板の端の一定の幅をもった部分を「外縁部」とし、半導体基板の外縁部以外の部分を「 付けがあることを示す記載はない。 (b)ⅰ 控訴人は、乙162公報、乙28公報及び乙164公報を根拠に、「半導体基板の端の一定の幅をもった部分を「外縁部」とし、半導体基板の外縁部以外の部分を「内側部分」とした上で、「外縁部」に切断予定ラインがかからないように、「外縁部」と「内側部分」との境界付近に「切断予定ライン」の始点及び終点を位置させることによって、「内側部分」の内部に「切断予定ライン」が設定されるようにする」との技術が本件特許2の原出願日(本件特許2の優先日)における周知技術であったと主張するが、乙162公報、乙28公報及び乙164公報をみても、そのような周知技術は認められない。 ⅱ 控訴人は、乙162公報には上記周知技術と同様の構成及び「切断されたウエハを一体的に保持する補強部材としての機能を果たす切り残し部分を設ける」との構成が開示されているとも主張するが、乙162公報に記載された構成は、ブレード交換のための中断及び再開の際の位置ずれの防止というフルカットブレードダイシングに特有の課題を解決するものであるから(【請求項1】、【0001】ないし【0007】)、そのような課題を有しない乙150発明’にこれを適用する動機付けはない。 (c) 以上のとおりであるから、本件特許2の原出願日当時の当業者が相違点Bに係る本件発明2-1の構成に容易に想到し得たということはできない。 エ 本件発明2-2の進歩性(ア) 主位的主張本件発明2-2については、その全体につき優先権主張が認められるから、乙150公報は、特許法29条1項3号の刊行物に当たらない。 - 28 -(イ) 予備的主張a 本件発明2-2のうち前記ア(イ)の①の構成については、優先権主張が認められるから、乙150公報は、特許法29条1項3号の刊行 号の刊行物に当たらない。 - 28 -(イ) 予備的主張a 本件発明2-2のうち前記ア(イ)の①の構成については、優先権主張が認められるから、乙150公報は、特許法29条1項3号の刊行物に当たらない。 b 本件発明2-2のうち前記ア(イ)の②の構成についてみると、本件発明2-2は、本件発明2-1と同じ構成を備えた上、「前記半導体基板はシリコン基板であり、」との構成を付加したものであるから、前記ウのとおり、本件発明2-1が進歩性を欠かない以上、本件発明2-2が進歩性を欠くということはできない。 (2) 争点7-2(本件発明2の特開平11-177137号公報(以下「乙151公報」という。)を主引用例とする進歩性欠如)について(控訴人の主張)ア 乙151公報に記載された発明乙151公報には、本件発明2と対比すべき発明として、次の発明(以下「乙151発明」という。)が記載されている。 2a 基板201の一方の表面に島状窒化物半導体202が形成された半導体ウエハー200の基板201の内部に、加工変質部を形成するレーザー加工機であって、2b 前記基板201が載置されるステージと、2c レーザー光線を照射するYAGレーザー照射装置と、2d 前記ステージに載置された前記基板201の内部に、YAGレーザー照射装置から発振されたレーザー光線を集光し、そのレーザー光線の焦点の位置で加工変質部を形成させるレーザーの光学系と、2e 前記基板201の内部にあるブレイク・ライン204に沿って形成された前記加工変質部を形成するために、YAGレーザー照射装置から発振されたレーザー光線の焦点を前記基板201の内部に位置させた状態で、前記ブレイク・ライン204に沿ってYAGレーザー照射装置から発振されたレーザー光線の焦 成するために、YAGレーザー照射装置から発振されたレーザー光線の焦点を前記基板201の内部に位置させた状態で、前記ブレイク・ライン204に沿ってYAGレーザー照射装置から発振されたレーザー光線の焦点を移動させる制御部と、を備え、- 29 -2r 前記制御部は、前記ステージ及び前記レーザーの光学系の少なくとも1つの移動を制御する、2i ことを特徴とするレーザー加工機。 イ 本件発明2-1の進歩性欠如(ア) 本件発明2-1と乙151発明との対比本件発明2-1と乙151発明は、次の一致点で一致し、相違点1ないし3で相違する。なお、本件発明2-1において、加工対象物である半導体基板及びシリコン基板には溝部の特定がないから、被控訴人が主張する相違点A(本件発明2-1は、基板の表面に溝部を形成する必要がなく、半導体基板の内部に改質領域を形成してこれを切断加工するレーザ加工装置であるのに対し、乙151発明’は、基板の表面に溝部を形成することを必須の構成として、「加工変質部」すなわち「ブレイク・ライン」を溝部の底面の下部に形成することにより半導体ウエハーを切断加工するレーザ加工装置である点。)は存在しない。 (一致点)2A 半導体基板の内部に、改質領域を形成するレーザ加工装置であって、2B 前記半導体基板が載置される載置台と、2C レーザ光線を出射するレーザ光源と、2D 前記載置台に載置された前記半導体基板の内部に、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を集光し、そのレーザ光の集光点の位置で前記改質領域を形成させる集光用レンズと、2E 前記改質領域を前記半導体基板の内部に形成するために、レーザ光の集光点を前記半導体基板の内部に位置させた状態で、前記半導体基板の前記切断予定ラインに沿ってレーザ光の集 せる集光用レンズと、2E 前記改質領域を前記半導体基板の内部に形成するために、レーザ光の集光点を前記半導体基板の内部に位置させた状態で、前記半導体基板の前記切断予定ラインに沿ってレーザ光の集光点を移動させる制御部と、を備える、2I レーザ加工装置。 (相違点1)本件発明2-1は、改質領域が「切断の起点」となるのに対し、乙151発明は、- 30 -改質領域に相当する加工変質部が、切断の起点となるものか明らかでない点。 (相違点2)本件発明2-1は、「前記載置台に載置された前記半導体基板を赤外線で照明する赤外透過照明と、前記赤外透過照明により赤外線で照明された前記半導体基板における前記改質領域を撮像可能な撮像素子と、を備え」るのに対し、乙151発明は、当該構成を備えない点。 (相違点3)本件発明2-1は、「切断予定ラインは、前記半導体基板の内側部分と外縁部との境界付近に始点及び終点が位置する」を備えるのに対し、乙151発明は、当該構成を備えない点。 (イ) 相違点に係る本件発明2-1の構成の容易想到性a 相違点1乙151公報の記載(【0023】、【0045】)によると、乙151発明の窒化物半導体ウエハー100は、ダイサー等の切断手段ではなく、ローラーによる荷重を受けることで切断分離されるものであるところ、乙151発明の窒化物半導体ウエハー100がローラーの荷重を受けると、荷重を受ける側とは反対側に位置する加工変質部に引張応力が働き、加工変質部から割れが始まり、加工変質部が形成されていた位置に切断端面ができる。すなわち、乙151発明においても、ブレイク・ラインに沿って形成される加工変質部が切断の起点となる。 したがって、相違点1は、本件発明2-1と乙151発明との間の実質的な相違点では 端面ができる。すなわち、乙151発明においても、ブレイク・ラインに沿って形成される加工変質部が切断の起点となる。 したがって、相違点1は、本件発明2-1と乙151発明との間の実質的な相違点ではない。 b 相違点2(a) 前記(1)(控訴人の主張)ウ(イ)bのとおり、ウェハ状の加工対象物を切断する技術の分野において、赤外光を半導体ウェハに照射し、半導体ウェハを透過した赤外光を測定することで切断時の半導体ウェハの内部の状態を検査・観察することは、本件特許2の優先日前において、普通に行われていた周知の技術であった。 - 31 -(b) 乙151発明は、窒化物半導体が形成された半導体ウエハーの基板の内部にレーザ光を集光させ、その部分に加工変質部を形成するものであり、外部から視認し得ない加工変質部の様子を半導体ウエハーを透過する赤外線等により検査・観察し、加工変質部が所望どおりに形成されているかを確認する必要がある。 (c) したがって、乙151発明において、加工対象物を透過する光(赤外線を含む。)の照射により加工状態を検査・観察するために、上記(a)の周知技術を適用し、加工対象物の切断時の検査・観察を行う構成を付加すること(相違点2に係る本件発明2-1の構成とすること)は、本件特許2の原出願日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 c 相違点3(a) 前記(1)(控訴人の主張)ウ(ウ)aのとおり、ウェハ状の加工対象物を切断する技術の分野において、「半導体基板の端の一定の幅をもった部分を「外縁部」とし、半導体基板の外縁部以外の部分を「内側部分」とした上で、「外縁部」に切断予定ラインがかからないように、「外縁部」と「内側部分」との境界付近に「切断予定ライン」の始点及び終点を位置させることによって、「内側部分」の内部 以外の部分を「内側部分」とした上で、「外縁部」に切断予定ラインがかからないように、「外縁部」と「内側部分」との境界付近に「切断予定ライン」の始点及び終点を位置させることによって、「内側部分」の内部に「切断予定ライン」が設定されるようにする」との技術は、本件特許2の優先日において、当業者に周知の技術であった。 そして、乙151発明が「歩留まりを高めること」を目的の一つとしていること(乙151公報の【0047】、【0049】)も考慮すると、当業者は、切断された半導体ウェハを一体的に保持するようにして加工対象物の切断工程における製造歩留まりを向上させるため、乙151発明に上記周知技術を適用するよう動機付けられるというべきである。 (b) なお、上記(a)の周知技術が認められないとしても、乙162公報には、相違点3に係る本件発明2-1の構成が記載されているところ、上記(a)のとおり、乙151発明は、歩留まりの向上を目的の一つとする発明であるから、当業者は、歩留まりを向上させることを可能にする乙162公報に記載の上記構成を乙151- 32 -発明に適用するよう動機付けられる。 (c) 以上のとおり、乙151発明において相違点3に係る本件発明2-1の構成とすることは、本件特許2の原出願日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 ウ 本件発明2-2の進歩性欠如(ア) 本件発明2-2と乙151発明との対比本件発明2-2と乙151発明との間には、前記イ(ア)の相違点1及び2のほか、次の相違点4が存在する。なお、前記イ(ア)のとおり、被控訴人が主張する相違点Aは存在しない。 (相違点4)本件発明2-2では、加工対象物が「シリコン基板」であるのに対し、乙151発明では、加工対象物が「基板201の一方の表面に島状窒化物半 被控訴人が主張する相違点Aは存在しない。 (相違点4)本件発明2-2では、加工対象物が「シリコン基板」であるのに対し、乙151発明では、加工対象物が「基板201の一方の表面に島状窒化物半導体202が形成された半導体ウエハー200の基板201」である点。 (イ) 相違点に係る本件発明2-2の構成の容易想到性a 相違点1前記イ(イ)aのとおり、相違点1は、本件発明2-2と乙151発明との間の実質的な相違点ではない。 b 相違点2前記イ(イ)bのとおり、乙151発明において相違点2に係る本件発明2-2の構成とすることは、本件特許2の優先日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 c 相違点4(a) 乙151公報(【0024】)には、切断分離される対象である基板の材料として、サファイア以外の種々のものが選択可能であるとの記載があるところ、特開平5-343741号公報(乙165)、特開2000-331946号公報(乙166)、特開平11-46045号公報(乙167)等に記載があるとおり、- 33 -窒化物半導体の基板の材料としてシリコンを用いることは、本件特許2の優先日当時において、周知の技術であった。 したがって、乙151発明において、加工対象物である「一方の表面に島状窒化物半導体202が形成された半導体ウエハー200」の「基板201」の材料を「シリコン」とし、相違点4に係る本件発明2-2の構成とすることは、本件特許2の優先日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 (b) 特開平6-120334号公報(以下「乙168公報」という。)及び特開平3-276662号公報(以下「乙169公報」という。)に記載があるとおり、「ウェハ状の加工対象物の切断予定ラインに沿ってレーザ光を集光させることに 号公報(以下「乙168公報」という。)及び特開平3-276662号公報(以下「乙169公報」という。)に記載があるとおり、「ウェハ状の加工対象物の切断予定ラインに沿ってレーザ光を集光させることにより、加工対象物を切断する」との技術は、本件特許2の優先日前において周知の技術であり、このようなレーザ光による切断がサファイア基板等に限らずシリコン基板にも適用できることも、本件特許2の優先日前において周知の技術であった。 そうすると、「半導体基板の内部に、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を集光し、そのレーザ光の集光点の位置で前記改質領域を形成」して「半導体基板を切断」するとの技術を開示する乙151公報に接した当業者は、乙151発明をシリコン基板にも適用できることを直ちに想起するといえる。 したがって、この点でも、乙151発明において相違点4に係る本件発明2-2の構成とすることは、本件特許2の優先日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 (被控訴人の主張)ア 乙151公報に記載された発明乙151公報には、本件発明2と対比すべき発明として、控訴人が主張する乙150発明は記載されていない。乙151公報に記載された発明は、次のとおり(控訴人が主張する乙151発明の構成と相違する構成には、「2a’」のように「’」を付し、相違する部分に下線を付した。)認定するのが相当である(以下、被控訴人が主張する乙151公報に記載された発明を「乙151発明’」という。)。 - 34 -2a’基板201の一方の表面に溝部203が形成され、他方の表面に島状窒化物半導体202が形成された半導体ウエハー200の基板201であって、サファイア基板やスピネル基板のように、ダイヤモンドスクライバーのみで切断することは困難で、ダイサーのみで切断しようとす 島状窒化物半導体202が形成された半導体ウエハー200の基板201であって、サファイア基板やスピネル基板のように、ダイヤモンドスクライバーのみで切断することは困難で、ダイサーのみで切断しようとすると、その切断面にクラック、チッピングが発生しやすく綺麗に切断できない基板201の前記溝部203の下部に、加工変質部を形成するレーザー加工機であって、2b 前記基板201が載置されるステージと、2c レーザー光線を照射するYAGレーザー照射装置と、2d’前記ステージに載置された前記基板201の前記溝部203の下部に、YAGレーザー照射装置から発振されたレーザー光線を集光し、そのレーザー光線の焦点の位置で微視的なマイクロ・クラックの集合を形成させるレーザーの光学系と、2e’前記基板201の前記溝部203の下部に、予定したラインに沿って形成された前記微視的なマイクロ・クラックの集合である前記加工変質部を形成するために、YAGレーザー照射装置から発振されたレーザー光線の焦点を前記基板201の内部に位置させた状態で、前記予定したラインに沿ってYAGレーザー照射装置から発振されたレーザー光線の焦点を直線的に移動させる制御部と、を備え、2r 前記制御部は、前記ステージ及び前記レーザーの光学系の少なくとも1つの移動を制御する、2i ことを特徴とするレーザー加工機。 イ 本件発明2-1の進歩性(ア) 本件発明2-1と乙151発明’との対比本件発明2-1と乙151発明’との間に控訴人が主張する相違点1ないし3が存在することは争わないが、両発明の間には、次の相違点Aも存在する。 (相違点A)本件発明2-1は、基板の表面に溝部を形成する必要がなく、半導体基板の内部に改質領域を形成してこれを切断加工するレーザ加工装置で ないが、両発明の間には、次の相違点Aも存在する。 (相違点A)本件発明2-1は、基板の表面に溝部を形成する必要がなく、半導体基板の内部に改質領域を形成してこれを切断加工するレーザ加工装置であるのに対し、乙15- 35 -1発明’は、基板の表面に溝部を形成することを必須の構成として、「加工変質部」すなわち「ブレイク・ライン」を溝部の底面の下部に形成することにより半導体ウエハーを切断加工するレーザ加工装置である点。 (イ) 相違点に係る本件発明2-1の構成の想到困難性a 相違点1(a) 乙151発明’においては、溝部が形成され、その底部の下部にブレイク・ライン204(加工変質部)が形成されるのであるから、切断における溝部と加工変質部の役割は不明であり、加工変質部を「切断の起点」にすることが容易に想到し得たといえる根拠はない。 (b) 控訴人は、乙151発明の窒化物半導体ウエハー100がローラーの荷重を受けると、加工変質部から割れが始まるから、相違点1は本件発明2-1と乙151発明との間の実質的な相違点でないと主張するが、乙151発明’において、溝部203の底面に当然に存在する傷ないし凹凸が切断の起点とならないと考えるべき理由はなく、結局、乙151発明’における「切断の起点」は、不明というほかない。したがって、相違点1は、本件発明2-1と乙151発明’との間の実質的な相違点である。 (c) 相違点1に係る本件発明2-1の構成を得るためには、溝を形成することなく研磨面の内側に改質領域を形成するようにする必要があるところ、乙151発明’には、そのようにする動機付けはないし、かえって、そのようにすることには阻害要因がある。 (d) 以上のとおり、相違点1は、本件発明2-1と乙151発明’との間の実質的な相違点で 乙151発明’には、そのようにする動機付けはないし、かえって、そのようにすることには阻害要因がある。 (d) 以上のとおり、相違点1は、本件発明2-1と乙151発明’との間の実質的な相違点であり、本件特許2の優先日当時の当業者は、相違点1に係る本件発明2-1の構成に容易に想到することができなかったものである。 b 相違点2(a) 乙151発明’は、乙150発明’と同様、それを実施する上で改質領域の撮像を必要とするものではなく、乙151公報には、改質領域を撮像することを- 36 -示唆する記載はない。 乙151発明’が主として想定している加工対象物は、サファイアやスピネルの基板であり、それらは、可視光の透過率と赤外光の透過率との間に顕著な差があるものではないから、当業者は、仮に加工変質部を観察することに想到したとしても、「赤外透過照明」や「赤外線で照明された加工変質部を撮像可能な撮像素子」を設けようとの発想に至らない。 (b) 控訴人は、乙155公報ないし乙161公報を根拠に、「赤外光を半導体ウェハに照射し、半導体ウェハを透過した赤外光を測定することで切断時の半導体ウェハの内部の状態を検査・観察すること」が本件特許2の優先日前における周知技術であったと主張するが、乙155公報ないし乙161公報をみても、そのような周知技術は認められない。 (c) 以上のとおりであるから、本件特許2の原出願日当時の当業者が相違点2に係る本件発明2-1の構成に容易に想到し得たということはできない。 c 相違点3(a) 乙151公報には、相違点3に係る本件発明2-1の構成(構成要件2H)を設けることに対する動機付けがあることを示す記載はない。 (b)ⅰ 控訴人は、乙162公報、乙28公報及び乙164公報を根拠に、「半導体基 は、相違点3に係る本件発明2-1の構成(構成要件2H)を設けることに対する動機付けがあることを示す記載はない。 (b)ⅰ 控訴人は、乙162公報、乙28公報及び乙164公報を根拠に、「半導体基板の端の一定の幅をもった部分を「外縁部」とし、半導体基板の外縁部以外の部分を「内側部分」とした上で、「外縁部」に切断予定ラインがかからないように、「外縁部」と「内側部分」との境界付近に「切断予定ライン」の始点及び終点を位置させることによって、「内側部分」の内部に「切断予定ライン」が設定されるようにする」との技術が本件特許2の優先日における周知技術であったと主張するが、乙162公報、乙28公報及び乙164公報をみても、そのような周知技術は認められない。 ⅱ 控訴人は、乙162公報には相違点3に係る本件発明2-1の構成が記載されているとも主張するが、乙162公報に記載された構成は、ブレード交換のため- 37 -の中断及び再開の際の位置ずれの防止というフルカットブレードダイシングに特有の課題を解決するものであるから(【請求項1】、【0001】ないし【0007】)、そのような課題を有しない乙151発明’にこれを適用する動機付けはない。 (c) 以上のとおりであるから、本件特許2の原出願日当時の当業者が相違点3に係る本件発明2-1の構成に容易に想到し得たということはできない。 d 相違点A(a) 乙151公報には、「基板の表面に溝部が形成されていないウェハ」を「基板に達する切断のための溝形成」という工程を経ることなく好適に切断加工ができることについての開示はないし、その余の証拠にも、乙151発明’に係るレーザ加工機を、基板の表面に溝が形成されていなくても切断できるように改変することを示唆する記載はない。 (b) 乙151発明’にお についての開示はないし、その余の証拠にも、乙151発明’に係るレーザ加工機を、基板の表面に溝が形成されていなくても切断できるように改変することを示唆する記載はない。 (b) 乙151発明’における「基板に溝部を形成し、当該溝部の底部にブレイク・ラインをレーザー照射により形成する」との技術的事項は、乙151発明’における課題解決手段の本質的部分であるから(乙151公報の【0008】ないし【0012】)、乙151発明’に係るレーザ加工機を「基板の表面に溝部が形成されていないウェハ」を「基板に達する切断のための溝形成」という工程を経ることなく好適に切断加工ができるように改変することは、乙151発明’における上記の本質的部分を変更することになる。このような改変は、乙151公報に記載された課題を解決できないものに改変することを意味するから、乙151発明’にそのような改変を加えることには、明白な阻害要因がある。 (c) そもそも、本件発明2-1は、「加工対象物の表面を加工せずに、その内部に、切断の起点となる改質領域を形成する」という発明であり、「半導体基板上に複数の機能素子が形成されていたとしても、機能素子が破壊されるのを防止して、半導体基板を切断予定ラインに沿って精度良く切断することを可能にする」という効果を奏するものであって(本件明細書2の【0008】)、基板の表面に溝部を- 38 -形成することを必須の構成とする乙151発明’とは、その技術思想において異なるものである。 (d) 以上のとおりであるから、本件特許2の原出願日当時の当業者が相違点Aに係る本件発明2-1の構成に容易に想到し得たということはできない。 ウ 本件発明2-2の進歩性(ア) 本件発明2-2と乙151発明’との対比本件発明2-2と乙151発明’との 相違点Aに係る本件発明2-1の構成に容易に想到し得たということはできない。 ウ 本件発明2-2の進歩性(ア) 本件発明2-2と乙151発明’との対比本件発明2-2と乙151発明’との間には、控訴人が主張する相違点1及び2並びに被控訴人が主張する相違点Aが存在するほか、次の相違点B(控訴人が主張する相違点4を乙151発明’の構成に合わせて訂正したもの)が存在する。 (相違点B)本件発明2-2では、加工対象物が「シリコン基板」であるのに対し、乙151発明’では、加工対象物が「サファイア基板やスピネル基板のように、ダイヤモンドスクライバーのみで切断することは困難で、ダイサーのみで切断しようとすると、その切断面にクラック、チッピングが発生しやすく綺麗に切断できない基板201」である点。 (イ) 相違点に係る本件発明2-2の構成の想到困難性a 相違点1及び2前記イ(イ)a及びbのとおりであるから、相違点1及び2に係る本件発明2-2の構成は、本件特許2の優先日当時の当業者が容易に想到し得たものではない。 b 相違点A(a) 前記イ(イ)dのとおりである。 (b) また、乙151発明’は、加工対象物が「サファイア基板やスピネル基板のように、ダイヤモンドスクライバーのみで切断することは困難で、ダイサーのみで切断しようとすると、その切断面にクラック、チッピングが発生しやすく綺麗に切断できない基板201」であることから、その表面に溝部を形成し、溝部の底面の下部にブレイク・ラインを形成して、これを切断加工することをその中核的な技- 39 -術思想としているのに対し、本件発明2-2は、加工対象物がシリコンウェハであることから、わざわざその表面に溝部を形成する必要はなく、その内部に切断の起点となる改質領域を形成 核的な技- 39 -術思想としているのに対し、本件発明2-2は、加工対象物がシリコンウェハであることから、わざわざその表面に溝部を形成する必要はなく、その内部に切断の起点となる改質領域を形成して、これを切断加工することをその中核的な技術思想とするものである。 (c) 以上によると、相違点Aに係る本件発明2-2の構成は、本件特許2の優先日当時の当業者が容易に想到し得たものではない。 c 相違点B(a) 乙151発明’は、窒化物半導体素子の製造方法の技術分野において、「結晶性の良い窒化物半導体の単結晶膜を得るために採用されるサファイアやスピネル基板などの上に窒化物半導体が形成された半導体ウエハーは、ダイヤモンドスクライバーのみで切断することは困難で、ダイサーのみで切断しようとすると、その切断面にクラック、チッピングが発生しやすく綺麗に切断できない、基板から窒化物半導体層が部分的に剥離する、などの問題があった」という課題を前提とした発明であり(乙151公報の【0001】、【0004】、【0006】)、従来の方法における「ダイヤモンドスクライバーにより、ダイサーで形成した溝部の底面にスクライブ・ラインを形成する」という工程に代えて、「レーザー照射により、溝部の底面にブレイク・ラインを形成する」という工程を採用することを前提にしたものであり(乙151公報の【0013】、【請求項1】)、「これにより、より幅が狭くかつ深い溝部に高精度のブレイク・ライン形成を可能にし」たものである(乙151公報の【0064】)。そうすると、乙151発明’の加工対象物をシリコンウェハ(通常、基板の表面に溝部が形成されることがないもの)に変えるということは、技術分野が相違することになるとともに、乙151発明’を無意味にするものであるから、当業者が乙15 工対象物をシリコンウェハ(通常、基板の表面に溝部が形成されることがないもの)に変えるということは、技術分野が相違することになるとともに、乙151発明’を無意味にするものであるから、当業者が乙151発明’の加工対象物をシリコンウェハに変えようとすることはあり得ない。 (b)ⅰ 控訴人が主張する乙151公報の【0024】は、窒化物半導体の基板の材料となり得るものの全てが乙151発明’の加工対象物として想定されている- 40 -ことを示す記載ではないところ、シリコン基板は、乙151発明’の加工対象物として想定されたものではない。 ⅱ 控訴人は、乙168公報及び乙169公報を根拠に、「ウェハ状の加工対象物の切断予定ラインに沿ってレーザ光を集光させることにより、加工対象物を切断する」との技術が本件特許2の優先日における周知技術であったなどと主張するが、乙168公報及び乙169公報に記載された技術は、いずれも「ウェハ状の加工対象物の内部に加工変質部を形成する」というものではなく、乙151発明’とは無関係のものであるから、乙168公報及び乙169公報の記載は、乙151発明’の加工対象物をシリコン基板に変えることが当業者において容易に想到し得たものであることの根拠とはならない。 (c) 以上のとおりであるから、本件特許2の優先日当時の当業者が相違点Bに係る本件発明2-2の構成に容易に想到し得たということはできない。 (3) 争点7-3(本件発明2の乙152公報を主引用例とする進歩性欠如)について(控訴人の主張)ア 乙152公報に記載された発明乙152公報には、本件発明2と対比すべき発明として、次の発明(以下「乙152発明」という。)が記載されている。 2a 半導体ウエハー(13)の表面(18)に、切断の起点となる溝 載された発明乙152公報には、本件発明2と対比すべき発明として、次の発明(以下「乙152発明」という。)が記載されている。 2a 半導体ウエハー(13)の表面(18)に、切断の起点となる溝(23、23’)を形成するレーザ加工装置であって、2b 前記半導体ウエハー(13)が載置されるXYテーブル(17)と、2c レーザ光線(11)を出射するレーザ発振器(10)と、2d 前記XYテーブル(17)に載置された前記半導体ウエハー(13)の表面(18)に、前記レーザ発振器(10)から出射されたレーザ光線(11)を集光し、そのレーザ光線(11)の集光点の位置で前記溝(23、23’)を形成させる集光レンズ(14)と、- 41 -2e 前記溝(23、23’)を前記半導体ウエハー(13)の表面(18)に形成するために、レーザ光線(11)の集光点を前記半導体ウエハー(13)の表面(18)に位置させた状態で、前記半導体ウエハー(13)の素子(15)間に沿って(すなわち、切断予定ラインに沿って)レーザ光線(11)の集光点を移動させるようにXYテーブル(17)を制御する制御部と、2f 前記XYテーブル(17)に載置された前記半導体ウエハー(13)を赤外線で照明する構成と、2g 監視装置としての赤外線イメージ変換装置と、を備え2q 前記半導体ウエハー(13)は、赤外線で透視状態となるものであり、2r 前記制御部は、前記XYテーブル(17)の移動を制御する、2i ことを特徴とするレーザ加工装置。 イ 本件発明2-1の進歩性欠如(ア) 本件発明2-1と乙152発明との対比本件発明2-1と乙152発明は、次の一致点で一致し、相違点1及び2で相違する。 (一致点)2A 半導体基板に、切断の起点と 進歩性欠如(ア) 本件発明2-1と乙152発明との対比本件発明2-1と乙152発明は、次の一致点で一致し、相違点1及び2で相違する。 (一致点)2A 半導体基板に、切断の起点となる領域を形成するレーザ加工装置であって、2B 前記半導体基板が載置される載置台と、2C レーザ光を出射するレーザ光源と、2D 前記載置台に載置された前記半導体基板に、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を集光し、そのレーザ光の集光点の位置で前記切断の起点となる領域を形成させる集光レンズと、2E 前記切断の起点となる領域を前記半導体基板に形成するために、レーザ光の集光点を前記半導体基板に位置させた状態で、前記半導体基板の切断予定ラインに沿ってレーザ光の集光点を移動させる制御部と、2F 前記載置台に載置された前記半導体基板を赤外線で照明する赤外透過照明- 42 -と、2G 前記赤外透過照明により赤外線で照明された前記半導体基板における切断の起点となる領域を撮像可能な撮像素子と、を備えた2I ことを特徴とするレーザ加工装置。 (相違点1)本件発明2-1では、「切断の起点となる領域」が「半導体基板の内部」に位置する「改質領域」であるのに対し、乙152発明では、「切断の起点となる領域」が「半導体ウエハー(13)の表面(18)」に位置する「溝(23、23’)」である点。 (相違点2)本件発明2-1は、「切断予定ラインは、前記半導体基板の内側部分と外縁部との境界付近に始点及び終点が位置する」を有するのに対し、乙152発明は、当該構成を有しない点。 (イ) 相違点に係る本件発明2-1の構成の容易想到性a 相違点1(a)ⅰ 乙150公報、特開2003-1457号公報(平成15年1月8日公開 乙152発明は、当該構成を有しない点。 (イ) 相違点に係る本件発明2-1の構成の容易想到性a 相違点1(a)ⅰ 乙150公報、特開2003-1457号公報(平成15年1月8日公開。以下「乙170公報」という。)、特開2003-1458号公報(平成15年1月8日公開。以下「乙171公報」という。)、特開2003-10986号公報(平成15年1月15日公開。以下「乙172公報」という。)、特開2003-10992号公報(平成15年1月15日公開。以下「乙173公報」という。)等に記載があるとおり、半導体基板を分割するに際し、半導体基板の内部にレーザ光の集光点を位置付けてレーザ光を照射し、半導体基板の内部に切断の起点となる改質領域を形成することは、本件特許2の原出願日における周知技術であった。 ⅱ 乙152発明と上記ⅰの周知技術は、レーザ光を用いて半導体基板を分割する技術に関するものであり、両者の技術分野は共通する。また、乙152発明は、- 43 -レーザ光による飛散、蒸着物が素子の表面に付着することがなく、歩留まりを向上させることを目的(課題)の一つとする発明であり、上記ⅰの周知技術は、発塵粉体がほとんどないことを可能にし(乙150公報の【0101】)、製品(例えば半導体チップ液晶等の表示装置)の歩留まりや生産性を向上させることができるものであり(乙150公報の【0118】)、両者の目的(課題)は共通する。さらに、本件特許2の優先日当時において、加工対象物のレーザ光を照射した部分から飛散物が生じたり、溶融物が残るなどにより製造工程に支障を来したりすることは、当業者に一般的に知られており(沖山俊裕著「レーザ割断」(精密工学会誌60巻2号196~199頁(平成6年))。以下「乙190文献」という。)、加工対象物のレー 製造工程に支障を来したりすることは、当業者に一般的に知られており(沖山俊裕著「レーザ割断」(精密工学会誌60巻2号196~199頁(平成6年))。以下「乙190文献」という。)、加工対象物のレーザ光を照射した部分からの蒸散物(飛散物)がレンズ等に付着するとの課題も、当業者にとって周知であった(特開平8-66790号公報(以下「乙174公報」という。)、特開平8-178856号公報(以下「乙175公報」という。)、特開2001-1175号公報(以下「乙176公報」という。)及び特開2002-35985号公報(以下「乙177公報」という。))。乙152発明においても、集光レンズ(14)が加工対象物である半導体ウエハー(13)に面していることから、半導体ウエハー(13)のレーザ光を照射した部分からの蒸散物(飛散物)が集光レンズ(14)に付着するなどの周知の課題があった。 ⅲ 以上によると、本件特許2の原出願日当時の当業者は、上記ⅱの周知の課題を解決するため、乙152発明に上記ⅰの周知技術を適用するよう動機付けられるというべきである。したがって、乙152発明において、相違点1に係る本件発明2-1の構成要件2A、2D及び2Eの構成とすることは、本件特許2の原出願日当時の当業者が容易に想到し得たものである。そして、乙152発明において、半導体ウエハー(13)の内部に切断の起点となる改質領域を形成した場合、乙152発明の赤外線イメージ変換装置は、当該改質領域を撮像することになるから、乙152発明において、相違点1に係る本件発明2-1の構成要件2Gの構成とすることも、本件特許2の原出願日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 - 44 -(b)ⅰ 乙151公報は、サファイア等の半導体基板201を分割するためのブレイク・ラインを形成するに することも、本件特許2の原出願日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 - 44 -(b)ⅰ 乙151公報は、サファイア等の半導体基板201を分割するためのブレイク・ラインを形成するに際し、基板201の内部に切断の起点となる加工変質部204を形成する技術を開示している(【0016】、【0048】)。 ⅱ 乙152発明は、レーザ光を用いて半導体基板をペレット(チップ)に分割する技術に関するものであり、上記ⅰの技術も、レーザ光を用いて半導体基板を分割する技術に関するものであるから、両者の技術分野は共通する。また、前記(a)ⅱのとおり、乙152発明は、レーザ光による飛散、蒸着物が素子の表面に付着することがなく、歩留まりを向上させることを目的(課題)の一つとする発明であり、上記ⅰの技術は、歩留まりを向上させる作用機能を有し(乙151公報の【0012】、【0019】、【0049】)、両者の目的(課題)等は共通する。さらに、前記(a)ⅱのとおり、本件特許2の優先日当時において、レーザ光を用いた加工技術に関し、加工対象物のレーザ光を照射した部分からの蒸散物(飛散物)がレンズ等に付着するとの課題は、当業者にとって周知であった。乙152発明においても、前記(a)ⅱのとおり、集光レンズ(14)が加工対象物である半導体ウエハー(13)に面していることから、半導体ウエハー(13)のレーザ光を照射した部分からの蒸散物(飛散物)が集光レンズ(14)に付着するなどの周知の課題があった。 ⅲ 以上によると、本件特許2の優先日当時の当業者は、上記ⅱの周知の課題を解決するため、乙152発明に上記ⅰの技術を適用するよう動機付けられるというべきである。したがって、乙152発明において、相違点1に係る本件発明2-1の構成要件2A、2D及び2Eの構成とすることは 解決するため、乙152発明に上記ⅰの技術を適用するよう動機付けられるというべきである。したがって、乙152発明において、相違点1に係る本件発明2-1の構成要件2A、2D及び2Eの構成とすることは、本件特許2の優先日当時の当業者が容易に想到し得たものである。そして、乙152発明において、半導体ウエハー(13)の内部に切断の起点となる改質領域を形成した場合、乙152発明の赤外線イメージ変換装置は、当該改質領域を撮像することになるから、乙152発明において、相違点1に係る本件発明2-1の構成要件2Gの構成とすることも、本件特許2の原出願日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 b 相違点2- 45 -(a) 前記(1)(控訴人の主張)ウ(ウ)aのとおり、ウェハ状の加工対象物を切断する技術の分野において、「半導体基板の端の一定の幅をもった部分を「外縁部」とし、半導体基板の外縁部以外の部分を「内側部分」とした上で、「外縁部」に切断予定ラインがかからないように、「外縁部」と「内側部分」との境界付近に「切断予定ライン」の始点及び終点を位置させることによって、「内側部分」の内部に「切断予定ライン」が設定されるようにする」との技術は、本件特許2の優先日において、当業者に周知の技術であった。 そして、前記a(b)ⅱのとおり、乙152発明が「歩留まりの向上」を目的の一つとしていることも考慮すると、当業者は、切断された半導体ウェハを一体的に保持するようにして加工対象物の切断工程における歩留まりを向上させるため、乙152発明に上記周知技術を適用するよう動機付けられるというべきである。 (b) なお、上記(a)の周知技術が認められないとしても、乙162公報には、相違点2に係る本件発明2-1の構成が記載されているところ、前記a(b)ⅱのとお よう動機付けられるというべきである。 (b) なお、上記(a)の周知技術が認められないとしても、乙162公報には、相違点2に係る本件発明2-1の構成が記載されているところ、前記a(b)ⅱのとおり、乙152発明は、歩留まりの向上を目的の一つとする発明であるから、当業者は、歩留まりを向上させることを可能にする乙162公報に記載の上記構成を乙152発明に適用するよう動機付けられる。 (c) 以上のとおり、乙152発明において相違点2に係る本件発明2-1の構成とすることは、本件特許2の原出願日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 (ウ) 被控訴人が主張する相違点A(本件発明2-1は、「前記赤外透過照明により赤外線で照明された前記半導体基板における前記改質領域を撮像可能な撮像素子と、を備え、」という構成を有するのに対し、乙152発明は、当該構成を有しない点。)に係る本件発明2-1の構成の容易想到性乙152発明の「監視装置としての赤外線イメージ変換装置」においては、半導体ウエハー(13)の内部に形成される改質領域(加工変質部)を監視し、素子(15)間に沿って(切断予定ラインに沿って)改質領域(加工変質部)が形成さ- 46 -れているかを確認する必要がある。また、切断予定ラインに対してレーザ加工済みのラインがずれているか否かをレーザ加工装置上で確認することは、本件特許2の優先日前において一般的に行われていたものであり、当業者は、上記の確認をする機能がなければ、レーザ加工装置として成り立たないものと認識していた。 したがって、乙152発明において相違点Aに係る本件発明2-1の構成とすることは、本件特許2の原出願日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 ウ 本件発明2-2の進歩性欠如(ア) 本件発明2-2と乙152 2発明において相違点Aに係る本件発明2-1の構成とすることは、本件特許2の原出願日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 ウ 本件発明2-2の進歩性欠如(ア) 本件発明2-2と乙152発明との対比本件発明2-2と乙152発明との間には、前記イ(ア)の相違点1のほか、次の相違点3が存在する。 (相違点3)本件発明2-2は、「前記半導体基板はシリコン基板であ」るのに対し、乙152発明は、「前記半導体ウエハー(13)は、赤外線で透視状態となるもの」である点。 (イ) 相違点に係る本件発明2-2の構成の容易想到性a 相違点1本件発明2-2の構成要件2J、2M、2N及び2Pは、それぞれ本件発明2-1の構成要件2A、2D、2E及び2Gと同じである。したがって、前記イ(イ)aのとおり、乙152発明において、相違点1に係る本件発明2-2の構成とすることは、本件特許2の優先日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 b 相違点3半導体ウエハーとしてのシリコン基板は、本件特許2の優先日前において極めて一般的なものであり(原央編「ULSIプロセス技術」(平成9年)。乙178)、また、シリコン基板は、赤外線で透視状態となるものである(実開平1-108508号公報(乙179)、乙150公報、本件明細書2等)。 したがって、乙152発明において、相違点3に係る本件発明2-2の構成とす- 47 -ることは、本件特許2の優先日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 (ウ) 被控訴人が主張する相違点Aに係る本件発明2-2の構成の容易想到性前記イ(ウ)のとおりであるから、乙152発明において相違点Aに係る本件発明2-2の構成とすることは、本件特許2の優先日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 ( -2の構成の容易想到性前記イ(ウ)のとおりであるから、乙152発明において相違点Aに係る本件発明2-2の構成とすることは、本件特許2の優先日当時の当業者が容易に想到し得たものである。 (被控訴人の主張)ア 乙152公報に記載された発明乙152公報に控訴人が主張する乙152発明が記載されていることは争わない。 イ 本件発明2-1の進歩性(ア) 本件発明2-1と乙152発明との対比本件発明2-1と乙152発明との間に控訴人が主張する相違点1及び2が存在することは争わないが、両発明の間には、次の相違点Aも存在する。 (相違点A)本件発明2-1は、「前記赤外透過照明により赤外線で照明された前記半導体基板における前記改質領域を撮像可能な撮像素子と、を備え、」という構成を有するのに対し、乙152発明は、当該構成を有しない点。 (イ) 相違点に係る本件発明2-1の構成の想到困難性a 相違点1(a) 乙152発明は、半導体ウエハーの表面にレーザ光線を用いて溝を形成し、圧力を加えて微細なペレットに分割する技術を前提に、レーザ光線を従来とは反対側の面(ウエハーの素子が形成された面とは反対側の面)から入射するようにすることで、レーザ光線により飛散蒸発するウエハー材が各素子の上面に付着することを防止するものである(乙152公報の特許請求の範囲、1頁左欄14行ないし右欄17行)。したがって、乙152発明の溝を「半導体基板の内部に位置する改質領域」に変えることは、発明の前提を変えることを意味し、乙152発明の課題解決手段(レーザ光線をウエハーの素子が形成された面とは反対側の面から入射する- 48 -ようにするもの)を無意味なものにすることを意味するから、そのような改変は、当業者が容易に想到し得るものではない 段(レーザ光線をウエハーの素子が形成された面とは反対側の面から入射する- 48 -ようにするもの)を無意味なものにすることを意味するから、そのような改変は、当業者が容易に想到し得るものではない。 (b)ⅰ 控訴人は、乙190文献及び乙174公報ないし乙177公報に記載された周知の課題並びに乙150公報及び乙170公報ないし乙173公報に記載された「半導体基板の内部に切断の起点となる改質領域を形成する」との周知技術に基づき、相違点1に係る本件発明2-1の構成は当業者が容易に想到し得ると主張する。 しかしながら、仮に、控訴人が乙190文献及び乙174公報ないし乙177公報に記載されていると主張する課題が乙152発明にも当てはまるとしても、その場合に採用される課題解決手段は、乙174公報ないし乙177公報に記載された課題解決手段であるはずであるから、これらの刊行物に記載された課題解決手段と異なる乙150公報及び乙170公報ないし乙173公報に記載された技術を採用する動機付けはない。また、乙150公報及び乙170公報ないし乙173公報に記載された技術は、課題解決手段という点からは乙152発明と全く異なる技術であり、乙152発明の「切断の起点となる領域」(溝)を「半導体基板の内部に位置する改質領域」に変更することを動機付けるものではない。 ⅱ 控訴人は、乙174公報ないし乙177公報に記載された周知の課題及び乙151公報に記載された技術に基づき、相違点1に係る本件発明2-1の構成は当業者が容易に想到し得るとも主張する。 しかしながら、仮に、控訴人が乙174公報ないし乙177公報に記載されていると主張する課題が乙152発明にも当てはまるとしても、その場合に採用される課題解決手段は、乙174公報ないし乙177公報に記載された課題解決 に、控訴人が乙174公報ないし乙177公報に記載されていると主張する課題が乙152発明にも当てはまるとしても、その場合に採用される課題解決手段は、乙174公報ないし乙177公報に記載された課題解決手段であるはずであるから、これらの刊行物に記載された課題解決手段と異なる乙151公報に記載された技術を採用する動機付けはない。また、乙151公報に記載された技術は、控訴人が主張するような抽象的な技術(「サファイア等の半導体基板201を分割するためのブレイク・ラインを形成するに際し、基板201の内部に切断- 49 -の起点となる加工変質部204を形成する」との技術)ではない(なお、乙151公報に記載された加工変質部204は、切断の起点となるかどうかが不明なものである。)。さらに、乙151公報に記載された技術は、乙152発明と全く異なる技術であり、乙152発明の「切断の起点となる領域」(溝)を「半導体基板の内部に位置する改質領域」に変更することを動機付けるものではない。 (c) 以上のとおりであるから、本件特許2の原出願日当時の当業者が相違点1に係る本件発明2-1の構成に容易に想到し得たということはできない。 b 相違点2(a) 乙152公報には、相違点2に係る本件発明2-1の構成(構成要件2H)を設けることに対する動機付けがあることを示す記載はない。 (b)ⅰ 控訴人は、乙162公報、乙28公報及び乙164公報を根拠に、「半導体基板の端の一定の幅をもった部分を「外縁部」とし、半導体基板の外縁部以外の部分を「内側部分」とした上で、「外縁部」に切断予定ラインがかからないように、「外縁部」と「内側部分」との境界付近に「切断予定ライン」の始点及び終点を位置させることによって、「内側部分」の内部に「切断予定ライン」が設定されるようにする 」に切断予定ラインがかからないように、「外縁部」と「内側部分」との境界付近に「切断予定ライン」の始点及び終点を位置させることによって、「内側部分」の内部に「切断予定ライン」が設定されるようにする」との技術が本件特許2の優先日における周知技術であったと主張するが、乙162公報、乙28公報及び乙164公報をみても、そのような周知技術は認められない。 ⅱ 控訴人は、乙162公報には相違点2に係る本件発明2-1の構成が記載されているとも主張するが、乙162公報に記載された構成は、ブレード交換のための中断及び再開の際の位置ずれの防止というフルカットブレードダイシングに特有の課題を解決するものであるから(【請求項1】、【0001】ないし【0007】)、そのような課題を有しない乙152発明にこれを適用する動機付けはない。 (c) 以上のとおりであるから、本件特許2の原出願日当時の当業者が相違点2に係る本件発明2-1の構成に容易に想到し得たということはできない。 c 相違点A- 50 -乙152発明は、そもそも半導体基板の内部に改質領域を形成するものですらないから、乙152公報に接した当業者は、改質領域を撮像しようとする動機付けを有しない。 したがって、本件特許2の原出願日当時の当業者が相違点Aに係る本件発明2-1の構成に容易に想到し得たということはできない。 ウ 本件発明2-2の進歩性(ア) 本件発明2-2と乙152発明との対比本件発明2-2と乙152発明との間には、控訴人が主張する相違点1及び3並びに被控訴人が主張する相違点Aが存在する。 (イ) 相違点に係る本件発明2-2の構成の想到困難性a 相違点1前記イ(イ)aのとおりであるから、相違点1に係る本件発明2-2の構成は、本件特許2の優先日当時の当 違点Aが存在する。 (イ) 相違点に係る本件発明2-2の構成の想到困難性a 相違点1前記イ(イ)aのとおりであるから、相違点1に係る本件発明2-2の構成は、本件特許2の優先日当時の当業者が容易に想到し得たものではない。 なお、乙150公報及び乙170公報ないし乙173公報は、いずれも本件特許2の優先日前に頒布された刊行物でない。 b 相違点A前記イ(イ)cのとおりであるから、相違点Aに係る本件発明2-2の構成は、本件特許2の優先日当時の当業者が容易に想到し得たものではない。 c なお、被控訴人は、本件特許2の優先日当時の当業者が相違点3に係る本件発明2-2の構成に容易に想到し得たことを争うものではない。 第3 当裁判所の判断1 当裁判所も、被控訴人の本件特許権2に基づく請求は全部理由があるものと判断する。その理由は、次のとおり改め、当審で追加された争点に対する判断として後記2を付加し、当審における控訴人の補充主張に鑑み後記3を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」欄の第4の1ないし16及び18ないし29(241頁7行目から427頁4行目まで及び430頁19行目から455頁25行目まで)- 51 -に説示のとおり(ただし、本件特許権1に関する部分については、本件特許権2に係る判断において引用するなどの本件特許権2に関係する部分を含むが、本件特許権1のみに関する部分を除く。)であるから、これを引用する。 (1) 原判決259頁24行目の「切断予定ラインに沿った」を「切断予定ラインに沿って形成された」と改める。 (2) 原判決262頁23行目の「ウェハ状のウェハ状の」を「ウェハ状の」と改める。 (3) 原判決263頁14行目の「であるシリコンウェハ」を削る。 (4) 原判決264頁2行目の「 。 (2) 原判決262頁23行目の「ウェハ状のウェハ状の」を「ウェハ状の」と改める。 (3) 原判決263頁14行目の「であるシリコンウェハ」を削る。 (4) 原判決264頁2行目の「シリコンウェハ」を「シリコン」と改める。 (5) 原判決264頁8行目の「現象」の次に「の発生機序やその理論的根拠等」を加える。 (6) 原判決264頁10行目の「考えられる」を「考えられるところ、前記(b)の課題の解決のためには、当該発生機序やその理論的根拠等まで逐一明らかにする必要はなかったものである」と改める。 (7) 原判決264頁19行目の「,「溶融処理領域とは」から21行目の「いずれか一つを意味する。」」までを削る。 (8) 原判決265頁6行目から7行目にかけての「「多光子吸収」」から9行目の「理解できる」までを「「多光子吸収」によって「溶融処理領域」が形成され得ることが知られていたという意味にとどまり、「溶融処理領域」につき、これが必ず「多光子吸収」によって形成されるものであり、単光子吸収によって形成されるものは含まないと積極的に定義したとまではいえないと理解できる」と改める。 (9) 原判決265頁13行目の「甲51文献」を「証拠(乙45)」と改める。 (10) 原判決265頁15行目の「多光子吸収」から16行目の「見解」までを「多光子吸収が支配的な役割を果たしていない場合(単光子吸収が支配的な役割を果たしている場合)があるとの見解」と改める。 (11) 原判決265頁22行目の「したがって,」の次に「現在において」を加- 52 -える。 (12) 原判決267頁14行目及び24行目の各「基本出願」をいずれも「基本特許出願」と改める。 (13) 原判決268頁4行目の「改質領域」を「微小クラック」 を加- 52 -える。 (12) 原判決267頁14行目及び24行目の各「基本出願」をいずれも「基本特許出願」と改める。 (13) 原判決268頁4行目の「改質領域」を「微小クラック」と改める。 (14) 原判決268頁6行目の「引用文献」の次に「に記載された発明」を加える。 (15) 原判決268頁8行目の「相違点」の次に「の想到困難性」を加える。 (16) 原判決268頁23行目の「そのような」から24行目の「権利行使は」までを「そのような被控訴人の対応に照らすと、本件特許権1に基づく被控訴人の権利行使は」と改める。 (17) 原判決269頁1行目の「基本出願」を「基本特許出願」と改める。 (18) 原判決269頁16行目の「本件発明1」を「本件特許権1」と改める。 (19) 原判決269頁25行目の「存在したとしても」の次に「、それは」を加える。 (20) 原判決270頁8行目の「の記載」を削る。 (21) 原判決270頁18行目の「乙62ないし67」を「乙62、64ないし67」と改める。 (22) 原判決271頁1行目の「審査過程において」の次に「、乙62出願に係る拒絶理由通知に対し」を加える。 (23) 原判決271頁16行目及び272頁7行目の各「本件出願1」の次にいずれも「に係る原出願」を加える。 (24) 原判決273頁13行目の「甲52」の次に「、71」を加える。 (25) 原判決273頁18行目の「被告製品による」を「被告製品によって形成される」と改める。 (26) 原判決273頁24行目の「さらに」を「なお」と改める。 (27) 原判決274頁9行目の「被告製品における」の次に「パルスレーザ光の」- 53 -を加える。 (28) 原判決275頁10行目の「 73頁24行目の「さらに」を「なお」と改める。 (27) 原判決274頁9行目の「被告製品における」の次に「パルスレーザ光の」- 53 -を加える。 (28) 原判決275頁10行目の「被告製品の加工領域」を「被告製品によって形成されるレーザ加工領域」と改める。 (29) 原判決275頁15行目の「シリコン」から16行目の「あり続ける」までを「熱衝撃波が通過する間もシリコンが固体のままであり続ける」と改める。 (30) 原判決275頁25行目の「シリコン」から26行目の「あり続ける」までを「熱衝撃波が進行した後もシリコンが固体のままであり続ける」と改める。 (31) 原判決277頁12行目の「8分の1未満」を「8分の1程度」と改める。 (32) 原判決277頁16行目の「達するかを」の次に「具体的に」を加える。 (33) 原判決277頁23行目の「5.0μジュールであり」の次に「(甲23)」を加える。 (34) 原判決277頁25行目から26行目にかけての「焦点におけるエネルギー密度」を「ピークパワー密度」と改める。 (35) 原判決280頁12行目の「シリコンにおける」の次に「単結晶、」を加える。 (36) 原判決280頁16行目から17行目にかけての「被告製品による」を「被告製品によって形成される」と改める。 (37) 原判決281頁4行目の「ピーク」を「スペクトル全体」と改める。 (38) 原判決282頁5行目の「粒形」を「粒径」と改める。 (39) 原判決282頁7行目及び15行目の各「多結晶シリコン」の次にいずれも「の存在」を加える。 (40) 原判決282頁18行目の「ピーク」を「幅広のピーク」と改める。 (41) 原判決283頁4行目から5行目にかけての「単結晶シリコンが多く存在 ン」の次にいずれも「の存在」を加える。 (40) 原判決282頁18行目の「ピーク」を「幅広のピーク」と改める。 (41) 原判決283頁4行目から5行目にかけての「単結晶シリコンが多く存在している」を「単結晶シリコンも存在している」と改める。 (42) 原判決286頁7行目の「また」から同頁15行目末尾までを「そうすると、被告製品によって形成されるシリコンウェアのレーザ加工領域において、割れ- 54 -等やわずかな結晶方向のずれの存否と、エピタキシャル成長が生じているか否かについては直ちに関連するものではなく、上記控訴人の主張は採用できない。」と改める。 (43) 原判決287頁19行目の「短時間」を「ごく短時間」と改める。 (44) 原判決288頁4行目の「論じられているのは」の次に「非熱的加工(甲55)を特徴とする」を加える。 (45) 原判決288頁5行目の「被告製品におけるような」の次に「熱的加工を特徴とする」を加える。 (46) 原判決288頁22行目の「したがって」から289頁3行目末尾までを「したがって、控訴人が指摘する実験結果は、被告製品によって形成されるレーザ加工領域において被控訴人が主張するようなシリコンの溶融及び再固化が生じるとのメカニズムと直ちに矛盾するとまでは認められない。」と改める。 (47) 原判決289頁9行目の「相当であって」を「相当であり」と改める。 (48) 原判決290頁7行目の「前記イ(ケ)」を「前記イ(ク)」と改める。 (49) 原判決290頁10行目の「領域でも,」の次に「単結晶から」を加える。 (50) 原判決293頁5行目の「これらの記載から」を「本件明細書1のその余の記載をみても」と改める。 (51) 原判決294頁8行目の「シリコンウェハ内部」 の次に「単結晶から」を加える。 (50) 原判決293頁5行目の「これらの記載から」を「本件明細書1のその余の記載をみても」と改める。 (51) 原判決294頁8行目の「シリコンウェハ内部」から9行目の「レーザの焦点」までを「集光用レンズによってシリコンウェハの内部に形成されたレーザの焦点」と改める。 (52) 原判決294頁19行目の「20μm程度」を「30μm程度」と改める。 (53) 原判決294頁22行目の「限定」から295頁1行目の「考慮すれば」までを「限定はされておらず、また、改質スポットは、レーザ光の焦点であるレーザ光のビームスポットよりも広い範囲まで及ぶことも許容されていると解されるから、被告製品によって形成されるレーザ加工領域において改質スポットが存在する位置を考慮しても、パルスレーザ光の照射によって改質スポットが形成されるので- 55 -あれば、当該位置は、レーザ光が集光した箇所として、構成要件1Dの「集光点」に該当し、また」と改める。 (54) 原判決295頁10行目の「構成要件1D」を「構成要件1E」と改める。 (55) 原判決296頁15行目から16行目にかけての「印加することにすることによって」を「印加することによって」と改める。 (56) 原判決296頁24行目の「「切断」」を「控訴人が主張する「切断」」と改める。 (57) 原判決296頁26行目の「被告製品によるシリコンウェハ内部のレーザ加工領域」を「被告製品によって形成されるシリコンウェハの内部のレーザ加工領域」と改める。 (58) 原判決297頁3行目の「存在しており」を「存在しているところ」と改める。 (59) 原判決297頁19行目から20行目にかけての「その時点」を「チップの分割の時点」と改める。 (60 8) 原判決297頁3行目の「存在しており」を「存在しているところ」と改める。 (59) 原判決297頁19行目から20行目にかけての「その時点」を「チップの分割の時点」と改める。 (60) 原判決298頁6行目から7行目にかけての「本件発明1-1」の次に「に係る請求項」を加える。 (61) 原判決298頁23行目の「(【0015】)」の次に「、「本実施形態によれば、パルスレーザ光の繰り返し周波数の大きさやパルスレーザ光の集光点の相対的移動速度の大きさを調整することにより、ピッチpを制御することができる。」(【0041】)」を加える。 (62) 原判決300頁4行目の「証拠(甲13)」の次に「、被告製品の構成のうち当事者間に争いがない部分」を加える。 (63) 原判決301頁26行目の「甲2の1」を「甲2の2」と改める。 (64) 原判決318頁16行目の「構成要件2D」を「構成要件2A、2D、2E及び2G」と改める。 (65) 原判決318頁17行目の「半導体基板内」を「半導体基板の内部」と改- 56 -める。 (66) 原判決319頁18行目の「「改質領域」を」の次に「加工対象物の」を加える。 (67) 原判決319頁19行目の「課題解決の手段についてために」を「課題を解決するために」と改める。 (68) 原判決320頁8行目の「現象」の次に「の発生機序やその理論的根拠等」を加える。 (69) 原判決320頁10行目の「考えられる」を「考えられるところ、前記(b)の課題の解決のためには、当該発生機序やその理論的根拠等まで逐一明らかにする必要はなかったものである」と改める。 (70) 原判決320頁15行目の「加工対象物」を「半導体基板」と改める。 (71) 原判決320頁25行目の「「多 その理論的根拠等まで逐一明らかにする必要はなかったものである」と改める。 (70) 原判決320頁15行目の「加工対象物」を「半導体基板」と改める。 (71) 原判決320頁25行目の「「多光子吸収」」から321頁2行目の「理解できる」までを「「多光子吸収」によって「溶融処理領域」が形成され得ることが知られていたという意味にとどまり、「溶融処理領域」につき、これが必ず「多光子吸収」によって形成されるものであり、単光子吸収によって形成されるものは含まないと積極的に定義したとまではいえないと理解できる」と改める。 (72) 原判決321頁9行目の「構成」から「「改質スポット」」までを「構成要件2A、2D、2E及び2Gにいう「改質領域」」と改める。 (73) 原判決322頁19行目の「の記載」を削る。 (74) 原判決323頁10行目の「本件発明1」を「本件発明2」と改める。 (75) 原判決326頁6行目の「レーザ光を」を「レーザ光が」と改める。 (76) 原判決326頁15行目の「シリコンウェハ内部」から「焦点」までを「集光用レンズによってシリコンウェハの内部に形成されたレーザの焦点」と改める。 (77) 原判決326頁23行目の「20μm程度」を「30μm程度」と改める。 (78) 原判決328頁18行目の「印加することにすることによって」を「印加- 57 -することによって」と改める。 (79) 原判決329頁1行目の「「切断」」を「控訴人が主張する「切断」」と改める。 (80) 原判決329頁9行目の「加工対象物」の次に「(半導体基板)」を加える。 (81) 原判決329頁11行目の「その時点」を「チップの分割の時点」と改める。 (82) 原判決330頁1行目の「構成要件2Nと同じ」を「 加工対象物」の次に「(半導体基板)」を加える。 (81) 原判決329頁11行目の「その時点」を「チップの分割の時点」と改める。 (82) 原判決330頁1行目の「構成要件2Nと同じ」を「構成要件2Nと同様、」と改める。 (83) 原判決330頁18行目の「となる記載」を削る。 (84) 原判決331頁7行目の「半導体基板」の次に「が載置された載置台又は集光用レンズ」を加える。 (85) 原判決331頁11行目の「用いられているとして」を「用いられているところ」と改める。 (86) 原判決331頁18行目の「移動を指す」を「移動をも含む」と改める。 (87) 原判決333頁22行目及び25行目並びに334頁17行目から18行目にかけて及び23行目の各「対象物」をいずれも「加工対象物」と改める。 (88) 原判決335頁2行目の「照明光源を」を「赤外線照明を」と改める。 (89) 原判決335頁2行目及び3行目から4行目にかけての各「当該照明光源」をいずれも「当該赤外線照明」と改める。 (90) 原判決335頁7行目の「撮像素子」を「赤外線対応カメラ」と改める。 (91) 原判決335頁8行目及び12行目の各「上記照明光源」をいずれも「上記赤外線照明」と改める。 (92) 原判決335頁10行目の「上記の撮像素子」及び12行目の「上記撮像素子」をいずれも「上記赤外線対応カメラ」と改める。 (93) 原判決335頁12行目から13行目にかけての「,対象物を基準として」- 58 -を削る。 (94) 原判決335頁14行目の「対象物」を「加工対象物」と改める。 (95) 原判決337頁19行目の「半導体基板の」を「半導体基板を取り囲む」と改める。 (96) 原判決337頁25行目の「被告製品 決335頁14行目の「対象物」を「加工対象物」と改める。 (95) 原判決337頁19行目の「半導体基板の」を「半導体基板を取り囲む」と改める。 (96) 原判決337頁25行目の「被告製品による」を「被告製品における」と改める。 (97) 原判決338頁9行目の「位置させて」の次に「、「外縁部」に「切断予定ライン」がかからないように」を加える。 (98) 原判決338頁11行目の「被告製品によって形成される」を「被告製品における」と改める。 (99) 原判決338頁23行目の「構成要件2D」を「構成要件2H」と改める。 (100) 原判決351頁15行目の「基板など」を「基板等の」と改める。 (101) 原判決353頁4行目の「前記(1)」の次に「及び弁論の全趣旨」を加える。 (102) 原判決354頁21行目の「サファイア基板」を「「サファイア基板」に窒化物半導体層を積層させた窒化物半導体ウエハー」と改める。 (103) 原判決354頁26行目、355頁3行目、16行目及び22行目から23行目にかけて並びに356頁1行目、20行目及び24行目の各「切断」をいずれも「分離」と改める。 (104) 原判決357頁11行目の「前記(2)」を「前記ア」と改める。 (105) 原判決358頁15行目の「基板に」を「基板上に」と改める。 (106) 原判決359頁20行目の「この相違点に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (107) 原判決364頁14行目、16行目及び17行目の各「破断開封アンプル」をいずれも「破断開封用アンプル」と改める。 (108) 原判決365頁16行目から17行目にかけての「望ましいこと」の次- 59 -に「、レーザービームのスポット直径を0.1mmより小さくすること れも「破断開封用アンプル」と改める。 (108) 原判決365頁16行目から17行目にかけての「望ましいこと」の次- 59 -に「、レーザービームのスポット直径を0.1mmより小さくすること」を加える。 (109) 原判決366頁3行目の「前記(1)」の次に「及び弁論の全趣旨」を加える。 (110) 原判決366頁3行目の「構成」を「発明」と改める。 (111) 原判決366頁6行目の「乙26公報には」の次に「乙26発明1の」を加える。 (112) 原判決366頁10行目の「記載」の次に「及び弁論の全趣旨」を加える。 (113) 原判決368頁18行目の「相違点③に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (114) 原判決369頁5行目の「【0037】及び【0038】」を「【0036】及び【0037】」と改める。 (115) 原判決373頁19行目の「前記(1)」の次に「及び弁論の全趣旨」を加える。 (116) 原判決374頁23行目の「最大50μmとされており」の次に「(表1)」を加える。 (117) 原判決376頁12行目の「スポット」を「改質スポット」と改める。 (118) 原判決376頁23行目から24行目にかけての「乙57発明1」を「乙57発明1”」と改める。 (119) 原判決377頁7行目の「相違点」の次に「の認定」を加える。 (120) 原判決378頁5行目の「相違点となるとはいえず,」の次に「両発明の間に控訴人の主張する」を加える。 (121) 原判決378頁8行目の「相違点⑦に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (122) 原判決379頁7行目から8行目にかけての「形成する」の次に「乙57発明1”のような」を加える。 - 60 -(123) 原判決 に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (122) 原判決379頁7行目から8行目にかけての「形成する」の次に「乙57発明1”のような」を加える。 - 60 -(123) 原判決379頁9行目から10行目にかけての「目的として」の次に「乙57発明1”に」を加える。 (124) 原判決382頁12行目の「従って,」を「従って」と改める。 (125) 原判決384頁3行目の「前記(1)」の次に「及び弁論の全趣旨」を加える。 (126) 原判決384頁23行目の「構成aにおいて,」の次に「半導体基板である加工対象物の」を加える。 (127) 原判決386頁1行目の「スポット」を「改質スポット」と改める。 (128) 原判決386頁9行目から10行目にかけての「に電極が積層されたもの」を削る。 (129) 原判決386頁22行目の「相違点」の次に「の認定」を加える。 (130) 原判決387頁20行目の「相違点となるとはいえず,」の次に「両発明の間に控訴人の主張する」を加える。 (131) 原判決387頁23行目の「相違点⑥」の次に「に係る本件発明1-1の構成の容易想到性」を加える。 (132) 原判決389頁19行目末尾に「(1頁左下欄5行ないし16行)」を加える。 (133) 原判決393頁11行目の「3頁右上欄16行」を「3頁右上欄17行」と改める。 (134) 原判決394頁4行目の「前記(1)」の次に「及び弁論の全趣旨」を加える。 (135) 原判決395頁19行目の「使用し,」の次に「「」を加える。 (136) 原判決395頁23行目の「開けた」の次に「」」を加える。 (137) 原判決396頁24行目の「一部に,」の次に「相違点⑥は被控訴人主張の相違点Aの一部に、」を加え 」を加える。 (136) 原判決395頁23行目の「開けた」の次に「」」を加える。 (137) 原判決396頁24行目の「一部に,」の次に「相違点⑥は被控訴人主張の相違点Aの一部に、」を加える。 (138) 原判決397頁17行目末尾に改行して以下のとおり加える。 - 61 -「(相違点⑥)本件発明1-1では、1パルスのパルスレーザ光の照射により、そのパルスレーザ光の集光点の位置で「改質スポット」が形成され、加工対象物の切断予定ラインに沿って形成された「複数の改質スポット」が「前記改質領域」を形成するのに対し、乙25発明1”では、1パルスのパルスレーザ光の照射により、そのパルスレーザ光の集光点の位置で「微小なクラック」が形成され、加工対象物の切断予定ラインに沿って形成された「複数の前記微小なクラック」が「前記連続的なクラック」を形成する点。」(139) 原判決397頁18行目の「相違点③に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (140) 原判決397頁25行目の「前記(1)ア(イ)b」を「前記(1)ア(イ)a及びb」と改める。 (141) 原判決398頁4行目から5行目にかけての「前記(1)ア(イ)a」を「前記(1)ア(ア)」と改める。 (142) 原判決398頁5行目から6行目にかけての「石英ガラスなどの種々の透明材料」を「厚板の合成石英ガラス」と改める。 (143) 原判決405頁4行目の「前記(1)」の次に「及び弁論の全趣旨」を加える。 (144) 原判決405頁5行目の「(ただし」から同行目から6行目にかけての「加える。)」までを削る。 (145) 原判決405頁9行目の「マーキングとなる」を削る。 (146) 原判決405頁10行目から11行目にかけての「改質領域」を「改質 目から6行目にかけての「加える。)」までを削る。 (145) 原判決405頁9行目の「マーキングとなる」を削る。 (146) 原判決405頁10行目から11行目にかけての「改質領域」を「改質スポット」と改める。 (147) 原判決405頁20行目の「変質されて」を「変質させて」と改める。 (148) 原判決406頁8行目の「マーキングとなる」を削る。 (149) 原判決406頁15行目の「加工領域」を「加工領域群」と改める。 - 62 -(150) 原判決406頁17行目の「前記加工対象物」の次に「の内部」を加える。 (151) 原判決406頁20行目の「予定ライン」を「切断予定ライン」と改める。 (152) 原判決406頁21行目の「前記加工領域」を「前記加工領域群」と改める。 (153) 原判決407頁4行目の「相違点2に」の次に「、相違点③は被控訴人主張の相違点Aの一部に」を加える。 (154) 原判決407頁8行目の「光学的損傷」を「光学的損傷群」と改める。 (155) 原判決407頁15行目末尾に改行して以下のとおり加える。 「(相違点③)本件発明1-1では、1パルスのパルスレーザ光の照射により、そのパルスレーザ光の集光点の位置で「改質スポット」が形成され、加工対象物の切断予定ラインに沿って形成された「複数の改質スポット」が「前記改質領域」を形成するのに対し、乙59発明1’では、1パルスのパルスレーザ光の照射により、そのパルスレーザ光の集光点の位置で「光学的損傷」が形成され、加工対象物のマーキング予定ラインに沿って形成された「複数の前記光学的損傷」が「前記光学的損傷群」を形成する点。」(156) 原判決407頁16行目の「相違点」の次に「の認定」を加える。 (157) 原判 キング予定ラインに沿って形成された「複数の前記光学的損傷」が「前記光学的損傷群」を形成する点。」(156) 原判決407頁16行目の「相違点」の次に「の認定」を加える。 (157) 原判決407頁24行目の「レーザによる」を「パルスレーザ光によって形成される」と改める。 (158) 原判決407頁26行目の「相違点となるとはいえず,」の次に「両発明の間に控訴人の主張する」を加える。 (159) 原判決408頁3行目の「相違点①に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (160) 原判決408頁7行目の「部分があるから」の次に「、加工対象物の内- 63 -部に設けた加工領域を本件発明1-1の「切断」の用に供するか、乙59発明1’の「マーキング」の用に供するかは」を加える。 (161) 原判決416頁18行目末尾に「」(16頁3行ないし15行)」を加える。 (162) 原判決416頁19行目を削る。 (163) 原判決417頁6行目の「前記(1)」の次に「及び弁論の全趣旨」を加える。 (164) 原判決417頁6行目の「構成」を「発明」と改める。 (165) 原判決417頁14行目末尾に「、」を加える。 (166) 原判決417頁20行目の「光学破壊によって光学破壊群を形成する」を「前記光学破壊によって前記光学破壊群を形成する」と改める。 (167) 原判決417頁23行目末尾に「を備え、」を加える。 (168) 原判決419頁6行目から7行目にかけての「前記加工対象物」の次に「の内部」を加える。 (169) 原判決419頁19行目の「相違点4に」の次に「、相違点④は被控訴人主張の相違点Aの一部に、」を加える。 (170) 原判決419頁24行目の「集光点を」の次に「直線的に」を加える (169) 原判決419頁19行目の「相違点4に」の次に「、相違点④は被控訴人主張の相違点Aの一部に、」を加える。 (170) 原判決419頁24行目の「集光点を」の次に「直線的に」を加える。 (171) 原判決420頁8行目末尾に改行して以下のとおり加える。 「(相違点④)本件発明1-1では、1パルスのパルスレーザ光の照射により、そのパルスレーザ光の集光点の位置で「改質スポット」が形成され、加工対象物の切断予定ラインに沿って形成された「複数の改質スポット」が「前記改質領域」を形成するのに対し、乙60発明1”では、1パルスのパルスレーザ光の照射により、そのパルスレーザ光の集光点の位置で「光学破壊」が形成され、加工対象物の予め決められた経路に沿って形成された「複数の前記光学破壊」が「前記光学破壊群」を形成する点。」- 64 -(172) 原判決420頁9行目の「相違点」の次に「の認定」を加える。 (173) 原判決420頁17行目の「レーザによる」を「パルスレーザ光によって形成される」と改める。 (174) 原判決420頁19行目の「相違点となるとはいえず,」の次に「両発明の間に控訴人の主張する」を加える。 (175) 原判決420頁26行目の「「マーキングとなる光学的損傷」」を「「マーキングとなる光学破壊群」ないし「光学破壊」」と改める。 (176) 原判決421頁4行目の「したがって」の次に「、この点については」を加える。 (177) 原判決421頁7行目の「光学的損傷」を「光学破壊群」と改める。 (178) 原判決421頁8行目の「と併せて」を「も考慮し」と改める。 (179) 原判決421頁9行目の「相違点②」を「相違点②及び④」と改める。 (180) 原判決421頁10行目の「相違 (178) 原判決421頁8行目の「と併せて」を「も考慮し」と改める。 (179) 原判決421頁9行目の「相違点②」を「相違点②及び④」と改める。 (180) 原判決421頁10行目の「相違点②に係る」の次に「本件発明1-1の」を加える。 (181) 原判決421頁14行目の「記載されているから」を「記載されており、また」と改める。 (182) 原判決421頁16行目の「乙60発明1」を「乙60発明1”」と改める。 (183) 原判決423頁4行目の「本件発明1-1」の次に「に係る特許請求の範囲」を加える。 (184) 原判決423頁16行目末尾に改行して以下のとおり加える。 「(1) 特許請求の範囲の記載がサポート要件を満たすか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が発明の詳細な説明に記載された発明であって、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくても当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解- 65 -決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断するのが相当である(知財高裁平成17年(行ケ)第10042号同年11月11日特別部判決・判時1911号48頁参照)。」(185) 原判決423頁17行目の「(1)」を「(2)」と改める。 (186) 原判決423頁20行目の「前記1(2)ア」を「前記1(2)」と改める。 (187) 原判決423頁26行目の「沿った」を「沿って形成された」と改める。 (188) 原判決424頁5行目の「【0007】ないし【0010】」を「【0007】、【0008】及び【0010】」と改める。 (189) 原判決 「沿った」を「沿って形成された」と改める。 (188) 原判決424頁5行目の「【0007】ないし【0010】」を「【0007】、【0008】及び【0010】」と改める。 (189) 原判決424頁19行目の「前記(ア)」を「前記(イ)」と改める。 (190) 原判決424頁26行目の「沿った」を「沿って形成された」と改める。 (191) 原判決425頁11行目の「以上によれば」の次に「、本件発明1-1に係る特許請求の範囲の記載について」を加える。 (192) 原判決426頁2行目の「本件発明1-1」の次に「に係る特許請求の範囲の記載」を加える。 (193) 原判決426頁10行目末尾に改行して以下のとおり加える。 「 特許法36条4項1号は、明細書の発明の詳細な説明は、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載しなければならないと定めるところ、この規定にいう「実施」とは、物の発明については、その物の生産等をする行為をいうのであるから(特許法2条3項1号)、物の発明について実施可能要件を満たすためには、明細書の発明の詳細な説明の記載が、当業者において、その記載及び出願時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、当該発明に係る物を生産することができる程度のものでなければならない。」(194) 原判決426頁15行目から16行目にかけての「本件発明1-1及び本件発明1-2」を「本件発明1に係る本件明細書1の発明の詳細な説明の記載」と改める。 - 66 -(195) 原判決426頁19行目の「前記1(2)イ」を「前記1(1)」と改める。 (196) 原判決427頁2行目の「本件発明1-1及び本件発明1-2」を「本件発明1に係る本件明細 6 -(195) 原判決426頁19行目の「前記1(2)イ」を「前記1(1)」と改める。 (196) 原判決427頁2行目の「本件発明1-1及び本件発明1-2」を「本件発明1に係る本件明細書1の発明の詳細な説明の記載」と改める。 (197) 原判決431頁9行目の「切断」を「分離」と改める。 (198) 原判決431頁18行目の「相違点①」の次に「に係る本件発明2-1の構成」を加える。 (199) 原判決432頁22行目の「前記8(1)」の次に「及び弁論の全趣旨」を加える。 (200) 原判決432頁22行目の「構成」を「発明」と改める。 (201) 原判決433頁9行目の「相違点①」の次に「に係る本件発明2-1の構成」を加える。 (202) 原判決433頁21行目の「【0037】及び【0038】」を「【0036】及び【0037】」と改める。 (203) 原判決433頁24行目の「これらは」から同行目から25行目にかけての「記載とはいえず」までを「これらは、乙26発明2の加工対象物を半導体基板に置き換える動機付けとなる記載とはいえず」と改める。 (204) 原判決434頁25行目の「相違点②」及び436頁3行目の「相違点①」の各次にいずれも「に係る本件発明2-1の構成」を加える。 (205) 原判決436頁15行目から16行目にかけての「本件発明2-1」を「本件発明2-2」と改める。 (206) 原判決436頁21行目の「本件特許2の原出願日前に」を削る。 (207) 原判決437頁8行目の「その少なくとも」を「少なくともその」と改める。 (208) 原判決437頁23行目の「相違点①」の次に「に係る本件発明2-1の構成」を加える。 (209) 原判決438頁9行目から10行目にかけての「本 」を「少なくともその」と改める。 (208) 原判決437頁23行目の「相違点①」の次に「に係る本件発明2-1の構成」を加える。 (209) 原判決438頁9行目から10行目にかけての「本件発明2-1」を- 67 -「本件発明2-2」と改める。 (210) 原判決439頁18行目の「相違点①」の次に「に係る本件発明2-1の構成」を加える。 (211) 原判決439頁25行目の「前記11(1)ア(イ)b」を「前記11(1)ア(イ)a及びb」と改める。 (212) 原判決440頁8行目の「石英ガラスなどの透明材料」を「厚板の合成石英ガラス」と改める。 (213) 原判決441頁5行目の「本件発明2-1」を「本件発明2-2」と改める。 (214) 原判決441頁8行目の「相違点②」の次に「に係る本件発明2-2の構成」を加える。 (215) 原判決442頁1行目及び9行目から10行目にかけての各「光学的損傷」をいずれも「光学的損傷群」と改める。 (216) 原判決442頁11行目の「相違点①」の次に「に係る本件発明2-1の構成」を加える。 (217) 原判決442頁23行目から24行目にかけての「本件発明2-1」を「本件発明2-2」と改める。 (218) 原判決444頁2行目及び3行目の各「相違点①」の次にいずれも「に係る本件発明2-1の構成」を加える。 (219) 原判決444頁13行目から14行目にかけての「本件発明2-1」を「本件発明2-2」と改める。 (220) 原判決444頁25行目及び445頁12行目の各「本件発明2-1及び本件発明2-2」をいずれも「本件発明2に係る特許請求の範囲」と改める。 (221) 原判決445頁17行目の「本件発明2-1」の次に「に係る特許請求の範囲の記載 12行目の各「本件発明2-1及び本件発明2-2」をいずれも「本件発明2に係る特許請求の範囲」と改める。 (221) 原判決445頁17行目の「本件発明2-1」の次に「に係る特許請求の範囲の記載」を加える。 (222) 原判決445頁21行目の「半導体基板の」を「半導体基板を取り囲む」- 68 -と改める。 (223) 原判決445頁26行目の「切断予定ラインを」を「切断予定ラインが」と改める。 (224) 原判決446頁3行目の「半導体基板の」を「半導体基板を取り囲む」と改める。 (225) 原判決446頁9行目の「前記4(2)ア」を「前記4(2)」と改める。 (226) 原判決447頁9行目の「前記ア」を「前記イ」と改める。 (227) 原判決448頁1行目の「本件発明2-1」の次に「に係る特許請求の範囲の記載」を加える。 (228) 原判決448頁7行目及び13行目並びに449頁1行目の各「本件発明2-2」の次にいずれも「に係る特許請求の範囲の記載」を加える。 (229) 原判決449頁8行目、11行目から12行目にかけて及び22行目の各「本件発明2-1及び本件発明2-2」をいずれも「本件発明2」と改める。 (230) 原判決449頁9行目及び23行目の各「本件発明2-1及び本件発明2-2」をいずれも「本件発明2に係る本件明細書2の発明の詳細な説明の記載」と改める。 (231) 原判決449頁14行目の「前記4(2)」を「前記4(1)」と改める。 (232) 原判決450頁2行目の「甲5」から3行目の「118」までを「甲5、6、8、39、40、76、乙1、2、13ないし15、17ないし20、79、84、86ないし94、117、118、148、210、211、当審証人 A、当審控訴人代表者 118」までを「甲5、6、8、39、40、76、乙1、2、13ないし15、17ないし20、79、84、86ないし94、117、118、148、210、211、当審証人 A、当審控訴人代表者本人」と改める。 (233) 原判決450頁6行目の「●●●●●●●●●●●●●●●●●●」の次に「。」を加える。 (234) 原判決450頁23行目の「本契約」を●●●●●●●●●●と改める。 (235) 原判決450頁26行目の「被告は、被告は」を「控訴人は、」と改める。 - 69 -(236) 原判決451頁8行目の「原告から被告にして」を「控訴人から被控訴人に対して」と改める。 (237) 原判決451頁16行目の「●●●●」の次に「●●●●●」を加える。 (238) 原判決451頁18行目の「●●●●●●●●」を「●●●●●●●●●」と改める。 (239) 原判決451頁20行目の「●●●●●」を「●●●●●●●」と改める。 (240) 原判決451頁21行目末尾に●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●を加える。 (241) 原判決452頁11行目から12行目にかけての「レーザエンジンを搭載したダイシング装置」を「SDエンジンを搭載したSD装置」と改める。 (242) 原判決452頁19行目から20行目にかけての「●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●」を「●●●●●●●●●●●●●●●」と改める。 (243) 原判決452頁21行目の「●●●●●●●」を「●●●●●●」と改める。 (244) 原判決452頁22行目の「●●●●●●●●●●●●●●」を「●●●●●●●●●●●」と改める。 (245) 原判決453頁11行目の「●●●」を「●●● ●●●●●」と改める。 (244) 原判決452頁22行目の「●●●●●●●●●●●●●●」を「●●●●●●●●●●●」と改める。 (245) 原判決453頁11行目の「●●●」を「●●●」と改める。 (246) 原判決453頁18行目の「●●●」を「●●●●●●」と改める。 (247) 原判決453頁21行目から22行目にかけての「●●●●●●●」を「●●●●●●」と改める。 (248) 原判決454頁1行目の「このような」の次に「●●●●●●●●●●●●」を加える。 (249) 原判決454頁12行目の●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●と改める。 (250) 原判決454頁16行目の「乙20~23」を「乙20、22、23」- 70 -と改める。 (251) 原判決455頁1行目の「被告」から2行目の「譲渡の申出をしており」までを「控訴人は、少なくとも、業として、被告製品を製造し、譲渡し、及び輸出し、並びに被告製品の譲渡の申出をしていたものであり」と改める。 2 当審で追加された争点について(1) 争点7-1(本件発明2の乙150公報を主引用例とする進歩性欠如)についてア 乙150公報の記載事項本件特許2の優先日の後であり本件特許2の原出願日の前に頒布された刊行物である乙150公報には、次の記載がある。 【0001】【発明の属する技術分野】【0002】本発明は、半導体材料基板、圧電材料基板やガラス基板等の加工対象物の切断に使用されるレーザ加工方法に関する。 【0003】【従来の技術】レーザ応用の一つに切断があり、レーザによる一般的な切断は次の通りである。例えば半導体ウェハやガラス基板のような加工対象物の切断する箇所に、加工対象物が吸収する波長のレーザ光を照射し、レーザ の技術】レーザ応用の一つに切断があり、レーザによる一般的な切断は次の通りである。例えば半導体ウェハやガラス基板のような加工対象物の切断する箇所に、加工対象物が吸収する波長のレーザ光を照射し、レーザ光の吸収により切断する箇所において加工対象物の表面から裏面に向けて加熱溶融を進行させて加工対象物を切断する。しかし、この方法では加工対象物の表面のうち切断する箇所となる領域周辺も溶融される。よって、加工対象物が半導体ウェハの場合、半導体ウェハの表面に形成された半導体素子のうち、上記領域付近に位置する半導体素子が溶融する恐れがある。 【0004】【発明が解決しようとする課題】加工対象物の表面の溶融を防止する方法として、例えば、特開2000-219528号公報や特開2000-15467号公報に- 71 -開示されたレーザによる切断方法がある。これらの公報の切断方法では、加工対象物の切断する箇所をレーザ光により加熱し、そして加工対象物を冷却することにより、加工対象物の切断する箇所に熱衝撃を生じさせて加工対象物を切断する。 【0005】しかし、これらの公報の切断方法では、加工対象物に生じる熱衝撃が大きいと、加工対象物の表面に、切断予定ラインから外れた割れやレーザ照射していない先の箇所までの割れ等の不必要な割れが発生することがある。よって、これらの切断方法では精密切断をすることができない。特に、加工対象物が半導体ウェハ、液晶表示装置が形成されたガラス基板や電極パターンが形成されたガラス基板の場合、この不必要な割れにより半導体チップ、液晶表示装置や電極パターンが損傷することがある。また、これらの切断方法では平均入力エネルギーが大きいので、半導体チップ等に与える熱的ダメージも大きい。 【0006】本発明の目的は、加工対象物の表面に不必要な割れを発 ターンが損傷することがある。また、これらの切断方法では平均入力エネルギーが大きいので、半導体チップ等に与える熱的ダメージも大きい。 【0006】本発明の目的は、加工対象物の表面に不必要な割れを発生させることなくかつその表面が溶融しないレーザ加工方法を提供することである。 【0007】【課題を解決するための手段】本発明に係るレーザ加工方法は、加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射し、加工対象物の切断予定ラインに沿って加工対象物の内部に多光子吸収による改質領域を形成する工程を備えることを特徴とする。 【0008】本発明に係るレーザ加工方法によれば、加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射しかつ多光子吸収という現象を利用することにより、加工対象物の内部に改質領域を形成している。加工対象物の切断する箇所に何らかの起点があると、加工対象物を比較的小さな力で割って切断することができる。本発明に係るレーザ加工方法によれば、改質領域を起点として切断予定ラインに沿って加工対象物が割れることにより、加工対象物を切断することができる。よって、比較的小さな力で加工対象物を切断することができるので、加工対象物の表面に切断予定ラインから外れた不必要な割れを発生させることなく加工対象物の切断が可能と- 72 -なる。 【0009】また、本発明に係るレーザ加工方法によれば、加工対象物の内部に局所的に多光子吸収を発生させて改質領域を形成している。よって、加工対象物の表面ではレーザ光がほとんど吸収されないので、加工対象物の表面が溶融することはない。なお、集光点とはレーザ光が集光した箇所のことである。切断予定ラインは加工対象物の表面や内部に実際に引かれた線でもよいし、仮想の線でもよい。 【0011】本発明に係るレーザ加工方法によれば、加工対 。なお、集光点とはレーザ光が集光した箇所のことである。切断予定ラインは加工対象物の表面や内部に実際に引かれた線でもよいし、仮想の線でもよい。 【0011】本発明に係るレーザ加工方法によれば、加工対象物の内部に集光点を合わせて、集光点におけるピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上でかつパルス幅が1μs以下の条件でレーザ光を照射している。このため、加工対象物の内部では多光子吸収による光学的損傷という現象が発生する。この光学的損傷により加工対象物の内部に熱ひずみが誘起され、これにより加工対象物の内部にクラック領域が形成される。このクラック領域は上記改質領域の一例であるので、本発明に係るレーザ加工方法によれば、加工対象物の表面に溶融や切断予定ラインから外れた不必要な割れを発生させることなく、レーザ加工が可能となる。このレーザ加工方法の加工対象物としては、例えば、ガラスを含む部材がある。なお、ピークパワー密度とは、パルスレーザ光の集光点の電界強度を意味する。 【0012】本発明に係るレーザ加工方法は、加工対象物の内部に集光点を合わせて、集光点におけるピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上でかつパルス幅が1μs以下の条件でレーザ光を照射し、加工対象物の切断予定ラインに沿って加工対象物の内部に溶融処理領域を含む改質領域を形成する工程を備えることを特徴とする。 【0013】本発明に係るレーザ加工方法によれば、加工対象物の内部に集光点を合わせて、集光点におけるピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上でかつパルス幅が1μs以下の条件でレーザ光を照射している。よって、加工対象物の内部は多光子吸収によって局所的に加熱される。この加熱により加工対象物の内部に溶融処理領域が形成される。この溶融処理領域は上記改質領域の一例であるので、- ザ光を照射している。よって、加工対象物の内部は多光子吸収によって局所的に加熱される。この加熱により加工対象物の内部に溶融処理領域が形成される。この溶融処理領域は上記改質領域の一例であるので、- 73 -本発明に係るレーザ加工方法によれば、加工対象物の表面に溶融や切断予定ラインから外れた不必要な割れを発生させることなく、レーザ加工が可能となる。このレーザ加工方法の加工対象物としては、例えば、半導体材料を含む部材がある。 【0017】加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射するとは、一つのレーザ光源から出射されたレーザ光を集光して加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射する、を例示できる。これによればレーザ光を集光しているので、レーザ光源が一つであってもレーザ光の集光点の電界強度を多光子吸収の発生が可能な大きさにすることができる。 【0019】改質領域は、加工対象物の内部に合わされたレーザ光の集光点に対して、加工対象物を相対的に移動させることにより形成される。これによれば、上記相対的移動により、加工対象物の表面上の切断予定ラインに沿って加工対象物の内部に改質領域を形成している。 【0020】改質領域を形成する工程後、切断予定ラインに沿って加工対象物を切断する切断工程を備えるようにしてもよい。改質領域形成工程において加工対象物を切断できない場合、この切断工程により加工対象物を切断する。切断工程は、改質領域を起点として加工対象物を割るので、比較的小さな力で加工対象物を切断することができる。これにより、加工対象物の表面に切断予定ラインから外れた不必要な割れを発生させることなく加工対象物の切断が可能となる。 【0024】本発明に係るレーザ加工方法は、半導体材料の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射し、半導体材料の切断予定ラ インから外れた不必要な割れを発生させることなく加工対象物の切断が可能となる。 【0024】本発明に係るレーザ加工方法は、半導体材料の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射し、半導体材料の切断予定ラインに沿って半導体材料の内部にのみ溶融処理領域を形成する工程を備える、ことを特徴とする。本発明に係るレーザ加工方法によれば、上記と同様の理由により加工対象物の表面に不必要な割れを発生させることなくかつその表面が溶融しないレーザ加工が可能となる。なお、溶融処理領域の形成は多光子吸収が原因の場合もあるし、他の原因の場合もある。 【0025】【発明の実施の形態】- 74 -【0026】以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態に係るレーザ加工方法は、多光子吸収により改質領域を形成している。多光子吸収はレーザ光の強度を非常に大きくした場合に発生する現象である。まず、多光子吸収について簡単に説明する。 【0028】このような多光子吸収を利用する本実施形態に係るレーザ加工の原理について図1~図6を用いて説明する。図1はレーザ加工中の加工対象物1の平面図であり、図2は図1に示す加工対象物1のII-II線に沿った断面図であり、図3はレーザ加工後の加工対象物1の平面図であり、図4は図3に示す加工対象物1のIV-IV線に沿った断面図であり、図5は図3に示す加工対象物1のV-V線に沿った断面図であり、図6は切断された加工対象物1の平面図である。 【0029】図1及び図2に示すように、加工対象物1の表面3には切断予定ライン5がある。切断予定ライン5は直線状に延びた仮想線である。本実施形態に係るレーザ加工は、多光子吸収が生じる条件で加工対象物1の内部に集光点Pを合わせてレーザ光Lを加工対象物1に照射して改質領域7を形成する。なお、 予定ライン5は直線状に延びた仮想線である。本実施形態に係るレーザ加工は、多光子吸収が生じる条件で加工対象物1の内部に集光点Pを合わせてレーザ光Lを加工対象物1に照射して改質領域7を形成する。なお、集光点とはレーザ光Lが集光した箇所のことである。 【0030】レーザ光Lを切断予定ライン5に沿って(すなわち矢印A方向に沿って)相対的に移動させることにより、集光点Pを切断予定ライン5に沿って移動させる。これにより、図3~図5に示すように改質領域7が切断予定ライン5に沿って加工対象物1の内部にのみ形成される。本実施形態に係るレーザ加工方法は、加工対象物1がレーザ光Lを吸収することにより加工対象物1を発熱させて改質領域7を形成するのではない。加工対象物1にレーザ光Lを透過させ加工対象物1の内部に多光子吸収を発生させて改質領域7を形成している。よって、加工対象物1の表面3ではレーザ光Lがほとんど吸収されないので、加工対象物1の表面3が溶融することはない。 【0031】加工対象物1の切断において、切断する箇所に起点があると加工対象物1はその起点から割れるので、図6に示すように比較的小さな力で加工対象物1- 75 -を切断することができる。よって、加工対象物1の表面3に不必要な割れを発生させることなく加工対象物1の切断が可能となる。 【0032】なお、改質領域を起点とした加工対象物の切断は、次の二通りが考えられる。一つは、改質領域形成後、加工対象物に人為的な力が印加されることにより、改質領域を起点として加工対象物が割れ、加工対象物が切断される場合である。 これは、例えば加工対象物の厚みが大きい場合の切断である。人為的な力が印加されるとは、例えば、加工対象物の切断予定ラインに沿って加工対象物に曲げ応力やせん断応力を加えたり、加工対象物に温度差を与 。 これは、例えば加工対象物の厚みが大きい場合の切断である。人為的な力が印加されるとは、例えば、加工対象物の切断予定ラインに沿って加工対象物に曲げ応力やせん断応力を加えたり、加工対象物に温度差を与えることにより熱応力を発生させたりすることである。他の一つは、改質領域を形成することにより、改質領域を起点として加工対象物の断面方向(厚さ方向)に向かって自然に割れ、結果的に加工対象物が切断される場合である。これは、例えば加工対象物の厚みが小さい場合、改質領域が1つでも可能であり、加工対象物の厚みが大きい場合、厚さ方向に複数の改質領域を形成することで可能となる。なお、この自然に割れる場合も、切断する箇所の表面上において、改質領域が形成されていない部分まで割れが先走ることがなく、改質部を形成した部分のみを割断することができるので、割断を制御よくすることができる。近年、シリコンウェハ等の半導体ウェハの厚さは薄くなる傾向にあるので、このような制御性のよい割断方法は大変有効である。 【0033】さて、本実施形態において多光子吸収により形成される改質領域として、次の(1)~(3)がある。 【0036】次に、本実施形態に係るレーザ加工において、クラック領域形成による加工対象物の切断のメカニズムについて図8~図11を用いて説明する。図8に示すように、多光子吸収が生じる条件で加工対象物1の内部に集光点Pを合わせてレーザ光Lを加工対象物1に照射して切断予定ラインに沿って内部にクラック領域9を形成する。クラック領域9は一つ又は複数のクラックを含む領域である。図9に示すようにクラック領域9を起点としてクラックがさらに成長し、図10に示すようにクラックが加工対象物1の表面3と裏面21に到達し、図11に示すように- 76 -加工対象物1が割れることにより加工対象 ようにクラック領域9を起点としてクラックがさらに成長し、図10に示すようにクラックが加工対象物1の表面3と裏面21に到達し、図11に示すように- 76 -加工対象物1が割れることにより加工対象物1が切断される。加工対象物の表面と裏面に到達するクラックは自然に成長する場合もあるし、加工対象物に力が印加されることにより成長する場合もある。 【0037】(2)改質領域が溶融処理領域の場合レーザ光を加工対象物(例えばシリコンのような半導体材料)の内部に集光点を合わせて、集光点における電界強度が1×108(W/cm2)以上でかつパルス幅が1μs以下の条件で照射する。 これにより加工対象物の内部は多光子吸収によって局所的に加熱される。この加熱により加工対象物の内部に溶融処理領域が形成される。溶融処理領域とは一旦溶融後再固化した領域、溶融状態中の領域及び溶融から再固化する状態中の領域のうち少なくともいずれか一つを意味する。また、溶融処理領域は相変化した領域や結晶構造が変化した領域ということもできる。また、溶融処理領域とは単結晶構造、非晶質構造、多結晶構造において、ある構造が別の構造に変化した領域ということもできる。つまり、例えば、単結晶構造から非晶質構造に変化した領域、単結晶構造から多結晶構造に変化した領域、単結晶構造から非晶質構造及び多結晶構造を含む構造に変化した領域を意味する。加工対象物がシリコン単結晶構造の場合、溶融処理領域は例えば非晶質シリコン構造である。なお、電界強度の上限値としては、例えば1×1012(W/cm2)である。パルス幅は例えば1ns~200nsが好ましい。 【0038】本発明者は、シリコンウェハの内部で溶融処理領域が形成されることを実験により確認した。実験条件は次ぎの通りである。 (A)加工対象物:シリコンウェハ(厚さ s~200nsが好ましい。 【0038】本発明者は、シリコンウェハの内部で溶融処理領域が形成されることを実験により確認した。実験条件は次ぎの通りである。 (A)加工対象物:シリコンウェハ(厚さ350μm、外径4インチ)(B)レーザ光源:半導体レーザ励起Nd:YAGレーザ波長:1064nmレーザ光スポット断面積:3.14×10-8cm2発振形態:Qスイッチパルス- 77 -繰り返し周波数:100kHzパルス幅:30ns出力:20μJ/パルスレーザ光品質:TEM00偏光特性:直線偏光(C)集光用レンズ倍率:50倍NA:0.55レーザ光波長に対する透過率:60パーセント(D)加工対象物が載置される載置台の移動速度:100mm/秒【0039】図12は上記条件でのレーザ加工により切断されたシリコンウェハの一部における断面の写真を表した図である。シリコンウェハ11の内部に溶融処理領域13が形成されている。なお、上記条件により形成された溶融処理領域の厚さ方向の大きさは100μm程度である。 【0042】なお、シリコンウェハは、溶融処理領域を起点として断面方向に向かって割れを発生させ、その割れがシリコンウェハの表面と裏面に到達することにより、結果的に切断される。シリコンウェハの表面と裏面に到達するこの割れは自然に成長する場合もあるし、加工対象物に力が印加されることにより成長する場合もある。なお、溶融処理領域からシリコンウェハの表面と裏面に割れが自然に成長するのは、一旦溶融後再固化した状態となった領域から割れが成長する場合、溶融状態の領域から割れが成長する場合及び溶融から再固化する状態の領域から割れが成長する場合のうち少なくともいずれか一つである。いずれの場合も切断後の切断面は図12に示すよう ら割れが成長する場合、溶融状態の領域から割れが成長する場合及び溶融から再固化する状態の領域から割れが成長する場合のうち少なくともいずれか一つである。いずれの場合も切断後の切断面は図12に示すように内部にのみ溶融処理領域が形成される。加工対象物の内部に溶融処理領域を形成する場合、割断時、切断予定ラインから外れた不必要な割れが生じにくいので、割断制御が容易となる。 【0044】次に、本実施形態の具体例を説明する。 - 78 -[第1例]本実施形態の第1例に係るレーザ加工方法について説明する。図14はこの方法に使用できるレーザ加工装置100の概略構成図である。レーザ加工装置100は、レーザ光Lを発生するレーザ光源101と、レーザ光Lの出力やパルス幅等を調節するためにレーザ光源101を制御するレーザ光源制御部102と、レーザ光Lの反射機能を有しかつレーザ光Lの光軸の向きを90°変えるように配置されたダイクロイックミラー103と、ダイクロイックミラー103で反射されたレーザ光Lを集光する集光用レンズ105と、集光用レンズ105で集光されたレーザ光Lが照射される加工対象物1が載置される載置台107と、載置台107をX軸方向に移動させるためのX軸ステージ109と、載置台107をX軸方向に直交するY軸方向に移動させるためのY軸ステージ111と、載置台107をX軸及びY軸方向に直交するZ軸方向に移動させるためのZ軸ステージ113と、これら三つのステージ109、111、113の移動を制御するステージ制御部115と、を備える。 【0045】Z軸方向は加工対象物1の表面3と直交する方向なので、加工対象物1に入射するレーザ光Lの焦点深度の方向となる。よって、Z軸ステージ113をZ軸方向に移動させることにより、加工対象物1の内部にレーザ光Lの集光点Pを 象物1の表面3と直交する方向なので、加工対象物1に入射するレーザ光Lの焦点深度の方向となる。よって、Z軸ステージ113をZ軸方向に移動させることにより、加工対象物1の内部にレーザ光Lの集光点Pを合わせることができる。また、この集光点PのX(Y)軸方向の移動は、加工対象物1をX(Y)軸ステージ109(111)によりX(Y)軸方向に移動させることにより行う。X(Y)軸ステージ109(111)が移動手段の一例となる。 【0046】レーザ光源101はパルスレーザ光を発生するNd:YAGレーザである。レーザ光源101に用いることができるレーザとして、この他、Nd:YVOレーザ、Nd:YLFレーザやチタンサファイアレーザがある。クラック領域や溶融処理領域を形成する場合、Nd:YAGレーザ、Nd:YVO4 レーザ、Nd:YLFレーザを用いるのが好適である。屈折率変化領域を形成する場合、チタンサファイアレーザを用いるのが好適である。 【0047】第1例では加工対象物1の加工にパルスレーザ光を用いているが、多- 79 -光子吸収を起こさせることができるなら連続波レーザ光でもよい。なお、本発明においてレーザ光はレーザビームを含む意味である。集光用レンズ105は集光手段の一例である。Z軸ステージ113はレーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせる手段の一例である。集光用レンズ105をZ軸方向に移動させることによっても、レーザ光の集光点を加工対象物の内部に合わせることができる。 【0048】レーザ加工装置100はさらに、載置台107に載置された加工対象物1を可視光線により照明するために可視光線を発生する観察用光源117と、ダイクロイックミラー103及び集光用レンズ105と同じ光軸上に配置された可視光用のビームスプリッタ119と、を備える。ビームスプリッ 視光線により照明するために可視光線を発生する観察用光源117と、ダイクロイックミラー103及び集光用レンズ105と同じ光軸上に配置された可視光用のビームスプリッタ119と、を備える。ビームスプリッタ119と集光用レンズ105との間にダイクロイックミラー103が配置されている。ビームスプリッタ119は、可視光線の約半分を反射し残りの半分を透過する機能を有しかつ可視光線の光軸の向きを90°変えるように配置されている。観察用光源117から発生した可視光線はビームスプリッタ119で約半分が反射され、この反射された可視光線がダイクロイックミラー103及び集光用レンズ105を透過し、加工対象物1の切断予定ライン5等を含む表面3を照明する。 【0049】レーザ加工装置100はさらに、ビームスプリッタ119、ダイクロイックミラー103及び集光用レンズ105と同じ光軸上に配置された撮像素子121及び結像レンズ123を備える。撮像素子121としては例えばCCD(charge-coupled device)カメラがある。切断予定ライン5等を含む表面3を照明した可視光線の反射光は、集光用レンズ105、ダイクロイックミラー103、ビームスプリッタ119を透過し、結像レンズ123で結像されて撮像素子121で撮像され、撮像データとなる。 【0050】レーザ加工装置100はさらに、撮像素子121から出力された撮像データが入力される撮像データ処理部125と、レーザ加工装置100全体を制御する全体制御部127と、モニタ129と、を備える。撮像データ処理部125は、撮像データを基にして観察用光源117で発生した可視光の焦点が表面3上に合わ- 80 -せるための焦点データを演算する。この焦点データを基にしてステージ制御部115がZ軸ステージ113を移動制御することによ 基にして観察用光源117で発生した可視光の焦点が表面3上に合わ- 80 -せるための焦点データを演算する。この焦点データを基にしてステージ制御部115がZ軸ステージ113を移動制御することにより、可視光の焦点が表面3に合うようにする。よって、撮像データ処理部125はオートフォーカスユニットとして機能する。また、撮像データ処理部125は、撮像データを基にして表面3の拡大画像等の画像データを演算する。この画像データは全体制御部127に送られ、全体制御部で各種処理がなされ、モニタ129に送られる。これにより、モニタ129に拡大画像等が表示される。 【0052】次に、図14及び図15を用いて、本実施形態の第1例に係るレーザ加工方法を説明する。図15は、このレーザ加工方法を説明するためのフローチャートである。加工対象物1はシリコンウェハである。 【0053】まず、加工対象物1の光吸収特性を図示しない分光光度計等により測定する。この測定結果に基づいて、加工対象物1に対して透明な波長又は吸収の少ない波長のレーザ光Lを発生するレーザ光源101を選定する(S101)。次に、加工対象物1の厚さを測定する。厚さの測定結果及び加工対象物1の屈折率を基にして、加工対象物1のZ軸方向の移動量を決定する(S103)。これは、レーザ光Lの集光点Pが加工対象物1の内部に位置させるために、加工対象物1の表面3に位置するレーザ光Lの集光点を基準とした加工対象物1のZ軸方向の移動量である。この移動量を全体制御部127に入力される。 【0054】加工対象物1をレーザ加工装置100の載置台107に載置する。そして、観察用光源117から可視光を発生させて加工対象物1を照明する(S105)。照明された切断予定ライン5を含む加工対象物1の表面3を撮像素子121により撮像する。 0の載置台107に載置する。そして、観察用光源117から可視光を発生させて加工対象物1を照明する(S105)。照明された切断予定ライン5を含む加工対象物1の表面3を撮像素子121により撮像する。この撮像データは撮像データ処理部125に送られる。この撮像データに基づいて撮像データ処理部125は観察用光源117の可視光の焦点が表面3に位置するような焦点データを演算する(S107)。 【0055】この焦点データはステージ制御部115に送られる。ステージ制御部115は、この焦点データを基にしてZ軸ステージ113をZ軸方向の移動させる- 81 -(S109)。これにより、観察用光源117の可視光の焦点が表面3に位置する。 なお、撮像データ処理部125は撮像データに基づいて、切断予定ライン5を含む加工対象物1の表面3の拡大画像データを演算する。この拡大画像データは全体制御部127を介してモニタ129に送られ、これによりモニタ129に切断予定ライン5付近の拡大画像が表示される。 【0056】全体制御部127には予めステップS103で決定された移動量データが入力されており、この移動量データがステージ制御部115に送られる。ステージ制御部115はこの移動量データに基づいて、レーザ光Lの集光点Pが加工対象物1の内部となる位置に、Z軸ステージ113により加工対象物1をZ軸方向に移動させる(S111)。 【0057】次に、レーザ光源101からレーザ光Lを発生させて、レーザ光Lを加工対象物1の表面3の切断予定ライン5に照射する。レーザ光Lの集光点Pは加工対象物1の内部に位置しているので、溶融処理領域は加工対象物1の内部にのみ形成される。そして、切断予定ライン5に沿うようにX軸ステージ109やY軸ステージ111を移動させて、溶融処理領域を切断予定ライン5に の内部に位置しているので、溶融処理領域は加工対象物1の内部にのみ形成される。そして、切断予定ライン5に沿うようにX軸ステージ109やY軸ステージ111を移動させて、溶融処理領域を切断予定ライン5に沿うように加工対象物1の内部に形成する(S113)。そして、加工対象物1を切断予定ライン5に沿って曲げることにより、加工対象物1を切断する(S115)。これにより、加工対象物1をシリコンチップに分割する。 【0058】第1例の効果を説明する。これによれば、多光子吸収を起こさせる条件でかつ加工対象物1の内部に集光点Pを合わせて、パルスレーザ光Lを切断予定ライン5に照射している。そして、X軸ステージ109やY軸ステージ111を移動させることにより、集光点Pを切断予定ライン5に沿って移動させている。これにより、改質領域(例えばクラック領域、溶融処理領域、屈折率変化領域)を切断予定ライン5に沿うように加工対象物1の内部に形成している。加工対象物の切断する箇所に何らかの起点があると、加工対象物を比較的小さな力で割って切断することができる。よって、改質領域を起点として切断予定ライン5に沿って加工対象- 82 -物1を割ることにより、比較的小さな力で加工対象物1を切断することができる。 これにより、加工対象物1の表面3に切断予定ライン5から外れた不必要な割れを発生させることなく加工対象物1を切断することができる。 【0059】また、第1例によれば、加工対象物1に多光子吸収を起こさせる条件でかつ加工対象物1の内部に集光点Pを合わせて、パルスレーザ光Lを切断予定ライン5に照射している。よって、パルスレーザ光Lは加工対象物1を透過し、加工対象物1の表面3ではパルスレーザ光Lがほとんど吸収されないので、改質領域形成が原因で表面3が溶融等のダメージを受けることは イン5に照射している。よって、パルスレーザ光Lは加工対象物1を透過し、加工対象物1の表面3ではパルスレーザ光Lがほとんど吸収されないので、改質領域形成が原因で表面3が溶融等のダメージを受けることはない。 【0060】以上説明したように第1例によれば、加工対象物1の表面3に切断予定ライン5から外れた不必要な割れや溶融が生じることなく、加工対象物1を切断することができる。よって、加工対象物1が例えば半導体ウェハの場合、半導体チップに切断予定ラインから外れた不必要な割れや溶融が生じることなく、半導体チップを半導体ウェハから切り出すことができる。表面に電極パターンが形成されている加工対象物や、圧電素子ウェハや液晶等の表示装置が形成されたガラス基板のように表面に電子デバイスが形成されている加工対象物についても同様である。よって、第1例によれば、加工対象物を切断することにより作製される製品(例えば半導体チップ、圧電デバイスチップ、液晶等の表示装置)の歩留まりを向上させることができる。 【0061】また、第1例によれば、加工対象物1の表面3の切断予定ライン5は溶融しないので、切断予定ライン5の幅(この幅は、例えば半導体ウェハの場合、半導体チップとなる領域同士の間隔である。)を小さくできる。これにより、一枚の加工対象物1から作製される製品の数が増え、製品の生産性を向上させることができる。 【0062】また、第1例によれば、加工対象物1の切断加工にレーザ光を用いるので、ダイヤモンドカッタを用いたダイシングよりも複雑な加工が可能となる。例えば、図16に示すように切断予定ライン5が複雑な形状であっても、第1例によ- 83 -れば切断加工が可能となる。これらの効果は後に説明する例でも同様である。 【0065】[第2例]次に、本実施形態の第2例について うに切断予定ライン5が複雑な形状であっても、第1例によ- 83 -れば切断加工が可能となる。これらの効果は後に説明する例でも同様である。 【0065】[第2例]次に、本実施形態の第2例について説明する。この例は光透過性材料の切断方法及び切断装置である。光透過性材料は加工対象物の一例である。この例では、光透過性材料としてLiTaO3からなる厚さが400μm程度の圧電素子ウェハ(基板)を用いている。 【0066】第2例に係る切断装置は、図14に示すレーザ加工装置100及び図19、図20に示す装置から構成される。図19及び図20に示す装置について説明する。圧電素子ウェハ31は、保持手段としてのウェハシート(フィルム)33に保持されている。このウェハシート33は、圧電素子ウェハ31を保持する側の面が粘着性を有する樹脂製テープ等からなり、弾性を有している。ウェハシート33は、サンプルホルダ35に挟持されて、載置台107上にセットされる。なお、圧電素子ウェハ31は、図19に示されるように、後に切断分離される多数個の圧電デバイスチップ37を含んでいる。各圧電デバイスチップ37は回路部39を有している。この回路部39は、圧電素子ウェハ31の表面に各圧電デバイスチップ37毎に形成されており、隣接する回路部39の間には所定の間隙α(80μm程度)が形成されている。なお、図20は、圧電素子ウェハ31の内部のみに改質部としての微小なクラック領域9が形成された状態を示している。 【0067】次に、図21に基づいて、第2例に係る光透過性材料の切断方法について説明する。まず、切断対象材料となる光透過性材料(第2例においては、LiTaO3からなる圧電素子ウェハ31)の光吸収特性を測定する(S201)。光吸収特性は、分光光度計等を用いることにより測定可能である。 る。まず、切断対象材料となる光透過性材料(第2例においては、LiTaO3からなる圧電素子ウェハ31)の光吸収特性を測定する(S201)。光吸収特性は、分光光度計等を用いることにより測定可能である。光吸収特性が測定されると、その測定結果に基づいて、切断対象材料に対して透明若しくは吸収の少ない波長のレーザ光Lを出射するレーザ光源101を選定する(S203)。第2例においては、基本波波長が1064nmであるパルス波(PW)型のYAGレーザが選定されている。このYAGレーザは、パルスの繰り返し周波数が20Hzであり、パルス幅が6nsであり、パルスエネルギは300μJである。また、YA- 84 -Gレーザから出射されるレーザ光Lのスポット径は、20μm程度である。 【0068】次に、切断対象材料の厚さを測定する(S205)。切断対象材料の厚さが測定されると、その測定結果に基づいて、レーザ光Lの集光点が切断対象材料の内部に位置するように、レーザ光Lの光軸方向における切断対象材料の表面(レーザ光Lの入射面)からのレーザ光Lの集光点の変位量(移動量)を決定する(S207)。レーザ光Lの集光点の変位量(移動量)は、切断対象材料の厚さ及び屈折率に対応して、たとえば切断対象材料の厚さの1/2の量に設定される。 【0069】図22に示されるように、実際のレーザ光Lの集光点Pの位置は、切断対象材料雰囲気(たとえば、空気)中の屈折率と切断対象材料の屈折率との違いにより、集光用レンズ105で集光されたレーザ光Lの集光点Qの位置よりも切断対象材料(圧電素子ウェハ31)の表面から深いところに位置するようになる。すなわち、空気中の場合、「レーザ光Lの光軸方向でのZ軸ステージ113の移動量×切断対象材料の屈折率=実際のレーザ光Lの集光点移動量」という関係が成り立つこ 表面から深いところに位置するようになる。すなわち、空気中の場合、「レーザ光Lの光軸方向でのZ軸ステージ113の移動量×切断対象材料の屈折率=実際のレーザ光Lの集光点移動量」という関係が成り立つことになる。レーザ光Lの集光点の変位量(移動量)は、上述した関係(切断対象材料の厚さ及び屈折率)を考慮して設定される。その後、X-Y-Z軸ステージ(本実施形態においては、X軸ステージ109、Y軸ステージ111及びZ軸ステージ113により構成される)上に配置された載置台107に対してウェハシート33に保持された切断対象材料を載置する(S209)。切断対象材料の載置を終えると、観察用光源117から光を出射して、出射した光を切断対象材料に照射する。そして、撮像素子121での撮像結果に基づいて、レーザ光Lの集光点が切断対象材料の表面上に位置するようにZ軸ステージ113を移動させてフォーカス調整を行う(S211)。ここでは、観察用光源117によって得られる圧電素子ウェハ31の表面観察像を撮像素子121により撮像し、撮像データ処理部125が、撮像結果に基づいて、観察用光源117から出射された光が切断対象材料の表面上で焦点を結ぶようにZ軸ステージ113の移動位置を決定し、ステージ制御部115に出力する。ステージ制御部115は、撮像データ処理部125からの出力信号- 85 -に基づいて、Z軸ステージ113の移動位置が、観察用光源117から出射された光が切断対象材料の表面上に焦点を結ぶ、すなわちレーザ光Lの集光点を切断対象材料の表面上に位置させるための位置となるようにZ軸ステージ113を制御する。 【0070】観察用光源117から出射された光のフォーカス調整が終わると、レーザ光Lの集光点を切断対象材料の厚さ及び屈折率に対応した集光点に移動させる(S213) Z軸ステージ113を制御する。 【0070】観察用光源117から出射された光のフォーカス調整が終わると、レーザ光Lの集光点を切断対象材料の厚さ及び屈折率に対応した集光点に移動させる(S213)。ここでは、切断対象材料の厚さ及び屈折率に対応して決定されたレーザ光Lの集光点の変位量分だけZ軸ステージ113をレーザ光Lの光軸方向に移動させるように、全体制御部127がステージ制御部115に出力信号を送り、出力信号を受けたステージ制御部115がZ軸ステージ113の移動位置を制御する。上述したように、切断対象材料の厚さ及び屈折率に対応して決定されたレーザ光Lの集光点の変位量分だけZ軸ステージ113をレーザ光Lの光軸方向に移動させることにより、レーザ光Lの集光点の切断対象材料の内部への配置が完了する(S215)。 【0071】レーザ光Lの集光点の切断対象材料の内部への配置が完了すると、レーザ光Lを切断対象材料に照射すると共に、所望の切断パターンにしたがってX軸ステージ109及びY軸ステージ111を移動させる(S217)。レーザ光源101から出射されたレーザ光Lは、図22に示されるように、集光用レンズ105により、隣接する回路部39の間に形成された所定の間隙α(上述したように、80μm)に臨む圧電素子ウェハ31の内部に集光点Pが位置するように集光される。上述した所望の切断パターンは、圧電素子ウェハ31から複数の圧電デバイスチップ37を分離するために、隣接する回路部39の間に形成された間隙にレーザ光Lが照射されるように設定されており、レーザ光Lの照射状態をモニタ129で確認しながらレーザ光Lが照射されることになる。 【0073】レーザ光源101から出射されたレーザ光Lを、圧電素子ウェハ31の内部に集光点Pが位置するように集光させ、この集光点Pにお モニタ129で確認しながらレーザ光Lが照射されることになる。 【0073】レーザ光源101から出射されたレーザ光Lを、圧電素子ウェハ31の内部に集光点Pが位置するように集光させ、この集光点Pにおけるレーザ光Lのエネルギー密度が切断対象材料の光学的損傷若しくは光学的絶縁破壊のしきい値を- 86 -越えると、切断対象材料としての圧電素子ウェハ31の内部における集光点P及びその近傍のみに微小なクラック領域9が形成される。このとき、切断対象材料(圧電素子ウェハ31)の表面及び裏面に損傷を及ぼすことはない。 【0074】次に、図23~図27に基づいて、レーザ光Lの集光点を移動させてクラックを形成する点について説明する。図23に示される略直方体形状の切断対象材料32(光透過性材料)に対して、切断対象材料32の内部にレーザ光Lの集光点が位置するようにレーザ光Lを照射することにより、図24及び図25に示されるように、切断対象材料32の内部における集光点及びその近傍のみに微小なクラック領域9が形成される。また、レーザ光Lの集光点がレーザ光Lの光軸に交差する切断対象材料32の長手方向Dに移動するように、レーザ光Lの走査あるいは切断対象材料32の移動が制御されている。 【0075】レーザ光源101からはレーザ光Lがパルス状に出射されることから、レーザ光Lの走査あるいは切断対象材料32の移動を行った場合、クラック領域9は、図25に示されるように、切断対象材料32の長手方向Dに沿ってレーザ光Lの走査速度あるいは切断対象材料32の移動速度に対応した間隔を有して複数のクラック領域9が形成されていくことになる。レーザ光Lの走査速度あるいは切断対象材料32の移動速度を遅くすることにより、図26に示されるように、クラック領域9間の間隔を短くして、形成されるクラッ のクラック領域9が形成されていくことになる。レーザ光Lの走査速度あるいは切断対象材料32の移動速度を遅くすることにより、図26に示されるように、クラック領域9間の間隔を短くして、形成されるクラック領域9の数を増やすことも可能である。また、レーザ光Lの走査速度あるいは切断対象材料の移動速度を更に遅くすることにより、図27に示されるように、クラック領域9が、レーザ光Lの走査方向あるいは切断対象材料32の移動方向、すなわちレーザ光Lの集光点の移動方向に沿って連続的に形成されることになる。クラック領域9間の間隔(形成されるクラック領域9の数)の調整は、レーザ光Lの繰り返し周波数及び切断対象材料32(X軸ステージあるいはY軸ステージ)の移動速度の関係を変化させることでも実現可能である。また、レーザ光Lの繰り返し周波数及び切断対象材料32の移動速度を高くすることでスループットの向上も可能である。 - 87 -【0076】上述した所望の切断パターンに沿ってクラック領域9が形成されると(S219)、物理的外力印加又は環境変化等により切断対象材料内、特にクラック領域9が形成された部分に応力を生じさせて、切断対象材料の内部(集光点及びその近傍)のみに形成されたクラック領域9を成長させて、切断対象材料をクラック領域9が形成された位置で切断する(S221)。 【0081】このように、第2例においては、集光用レンズ105により、レーザ光源101から出射されたレーザ光Lを、その集光点が光透過性材料(圧電素子ウェハ31)の内部に位置するように集光することで、集光点におけるレーザ光Lのエネルギー密度が光透過性材料の光学的損傷若しくは光学的絶縁破壊のしきい値を越え、光透過性材料の内部における集光点及びその近傍のみに微小なクラック領域9が形成される。そして、形成 おけるレーザ光Lのエネルギー密度が光透過性材料の光学的損傷若しくは光学的絶縁破壊のしきい値を越え、光透過性材料の内部における集光点及びその近傍のみに微小なクラック領域9が形成される。そして、形成されたクラック領域9の位置にて光透過性材料が切断されるので、発塵量が極めて低く、ダイシング傷、チッピングあるいは材料表面でのクラック等が発生する可能性も極めて低くなる。また、光透過性材料は、光透過性材料の光学的損傷若しくは光学的絶縁破壊により形成されたクラック領域9に沿って切断されるので、切断の方向安定性が向上し、切断方向の制御を容易に行うことができる。また、ダイヤモンドカッタによるダイシングに比して、ダイシング幅を小さくすることができ、1つの光透過性材料から切断された光透過性材料の数を増やすことが可能となる。これらの結果、第2例によれば、極めて容易且つ適切に光透過性材料を切断することができる。 【0082】また、物理的外力印加又は環境変化等により切断対象材料内に応力を生じさせることにより、形成されたクラック領域9を成長させて光透過性材料(圧電素子ウェハ31)を切断するので、形成されたクラック領域9の位置にて光透過性材料を確実に切断することができる。 【0084】また、複数の回路部39が形成された圧電素子ウェハ31(光透過性材料)を各圧電デバイスチップ37毎に切断分離する場合、集光用レンズ105により、隣接する回路部39の間に形成された間隙に臨むウェハ部分の内部に集光点- 88 -が位置するようにレーザ光Lを集光し、クラック領域9を形成させるので、隣接する回路部39の間に形成された間隙の位置において、圧電素子ウェハ31を確実に切断することができる。 【0085】また、光透過性材料(圧電素子ウェハ31)の移動あるいはレーザ光Lを走査して 、隣接する回路部39の間に形成された間隙の位置において、圧電素子ウェハ31を確実に切断することができる。 【0085】また、光透過性材料(圧電素子ウェハ31)の移動あるいはレーザ光Lを走査して集光点をレーザ光Lの光軸に交差する方向、たとえば直交する方向に移動させることにより、クラック領域9が集光点の移動方向に沿って連続的に形成されることになり、切断の方向安定性がより一層向上して、切断の方向制御をより一層容易に行うことができる。 【0086】また、第2例においては、発塵粉体がほとんどないため発塵粉体の飛散防止のための潤滑洗浄水が不要となり、切断工程でのドライプロセス化を実現することができる。 【0087】また、第2例においては、改質部(クラック領域9)の形成がレーザ光Lによる非接触加工にて実現されるため、ダイヤモンドカッタによるダイシングにおけるブレードの耐久性、交換頻度等の問題が生じることはない。また、第2例においては、上述したように、改質部(クラック領域9)の形成がレーザ光Lによる非接触加工にて実現されるため、光透過性材料を完全に切断しない、光透過性材料を切り抜くような切断パターンに沿って、光透過性材料を切断することが可能である。本発明は、前述した第2例に限定されるものではなく、たとえば、光透過性材料は圧電素子ウェハ31に限られることなく、半導体ウェハ、ガラス基板等であってもよい。レーザ光源101も、切断する光透過性材料の光吸収特性に対応して適宜選択可能である。また、第2例においては、改質部として、レーザ光Lを照射することにより微小なクラック領域9を形成するようにしているが、これに限られるものではない。たとえば、レーザ光源101として超短パルスレーザ光源(たとえば、フェムト秒(fs)レーザ)を用いることで、屈折率変化(高屈折率 クラック領域9を形成するようにしているが、これに限られるものではない。たとえば、レーザ光源101として超短パルスレーザ光源(たとえば、フェムト秒(fs)レーザ)を用いることで、屈折率変化(高屈折率)による改質部を形成することができ、このような機械的特性の変化を利用してクラック領域9を発生させることなく光透過性材料を切断することができる。 - 89 -【0088】また、レーザ加工装置100において、Z軸ステージ113を移動させることによりレーザ光Lのフォーカス調整を行うようにしているが、これに限られることなく、集光用レンズ105をレーザ光Lの光軸方向に移動させることによりフォーカス調整を行うようにしてもよい。 【0089】また、レーザ加工装置100において、所望の切断パターンにしたがってX軸ステージ109及びY軸ステージ111を移動するようにしているが、これに限られることなく、レーザ光Lを所望の切断パターンにしたがって走査するようにしてもよい。 【0091】また、撮像素子121として赤外線用のものを用いることにより、レーザ光Lの反射光を利用してフォーカス調整を行うことができる。この場合には、ダイクロイックミラー103を用いる代わりにハーフミラーを用い、このハーフミラーとレーザ光源101との間にレーザ光源101への戻り光を抑制するような光学素子を配設する必要がある。なお、このとき、フォーカス調整を行うためのレーザ光Lにより切断対象材料にダメージが生じないように、フォーカス調整時にレーザ光源101から照射されるレーザ光Lの出力は、クラック形成のための出力よりも低いエネルギー値に設定ことが好ましい。 【0092】第2例の観点から本発明の特徴を以下に説明する。 【0093】本発明に係る光透過性材料の切断方法は、レーザ光源から出射したレ のための出力よりも低いエネルギー値に設定ことが好ましい。 【0092】第2例の観点から本発明の特徴を以下に説明する。 【0093】本発明に係る光透過性材料の切断方法は、レーザ光源から出射したレーザ光を、その集光点が光透過性材料の内部に位置するように集光し、光透過性材料の内部における集光点及びその近傍のみに改質部を形成させる改質部形成工程と、形成された改質部の位置にて光透過性材料を切断する切断工程と、を備えていることを特徴としている。本発明に係る光透過性材料の切断方法では、改質部形成工程において、レーザ光の集光点が光透過性材料の内部に位置するようにレーザ光を集光することで、光透過性材料の内部における集光点及びその近傍のみに改質部が形成される。切断工程では、形成された改質部の位置にて光透過性材料が切断されることになり、発塵量が極めて低く、ダイシング傷、チッピングあるいは材料表- 90 -面でのクラック等が発生する可能性も極めて低くなる。また、光透過性材料は、形成された改質部の位置で切断されるので、切断の方向安定性が向上し、切断方向の制御を容易に行うことができる。また、ダイヤモンドカッタによるダイシングに比して、ダイシング幅を小さくすることができ、1つの光透過性材料から切断された光透過性材料の数を増やすことが可能となる。これらの結果、本発明によれば、極めて容易且つ適切に光透過性材料を切断することができる。 【0094】また、本発明に係る光透過性材料の切断方法においては、発塵粉体がほとんどないため、発塵粉体の飛散防止のための潤滑洗浄水が不要となり、切断工程でのドライプロセス化を実現することができる。 【0095】また、本発明に係る光透過性材料の切断方法においては、改質部の形成がレーザ光による非接触加工にて実現されるため、従来の技術のよ り、切断工程でのドライプロセス化を実現することができる。 【0095】また、本発明に係る光透過性材料の切断方法においては、改質部の形成がレーザ光による非接触加工にて実現されるため、従来の技術のようにダイヤモンドカッタによるダイシングにおけるブレードの耐久性、交換頻度等の問題が生じることはない。また、本発明に係る光透過性材料の切断方法においては、上述したように改質部の形成がレーザ光による非接触加工にて実現されるため、光透過性材料を完全に切断しない、光透過性材料を切り抜くような切断パターンに沿って、光透過性材料を切断することが可能である。 【0096】また、光透過性材料には、複数の回路部が形成されており、改質部形成工程において、隣接する回路部の間に形成された間隙に臨む光透過性材料部分の内部に集光点が位置するようにレーザ光を集光し、改質部を形成させることが好ましい。このように構成した場合には、隣接する回路部の間に形成された間隙の位置において、光透過性材料を確実に切断することができる。 【0098】また、改質部形成工程において、集光点をレーザ光の光軸と交差する方向に移動させることにより、改質部を集光点の移動方向に沿って連続的に形成することが好ましい。このように、改質部形成工程において、集光点をレーザ光の光軸と交差する方向に移動させることにより、改質部を集光点の移動方向に沿って連続的に形成することで、切断の方向安定性がより一層向上して、切断の方向制御を- 91 -より一層容易に行うことができる。 【0099】本発明に係る光透過性材料の切断方法は、レーザ光源から出射したレーザ光を、その集光点が光透過性材料の内部に位置するように集光し、光透過性材料の内部における集光点及びその近傍のみにクラックを形成させるクラック形成工程と、形成されたクラ 、レーザ光源から出射したレーザ光を、その集光点が光透過性材料の内部に位置するように集光し、光透過性材料の内部における集光点及びその近傍のみにクラックを形成させるクラック形成工程と、形成されたクラックの位置にて光透過性材料を切断する切断工程と、を備えていることを特徴としている。 【0100】本発明に係る光透過性材料の切断方法では、クラック形成工程において、レーザ光の集光点が光透過性材料の内部に位置するようにレーザ光を集光することで、集光点におけるレーザ光のエネルギー密度が光透過性材料の光学的損傷若しくは光学的絶縁破壊のしきい値を越え、光透過性材料の内部における集光点及びその近傍のみにクラックが形成される。切断工程では、形成されたクラックの位置にて光透過性材料が切断されることになり、発塵量が極めて低く、ダイシング傷、チッピングあるいは材料表面でのクラック等が発生する可能性も極めて低くなる。 また、光透過性材料は、光透過性材料の光学的損傷若しくは光学的絶縁破壊により形成されたクラックに沿って切断されるので、切断の方向安定性が向上し、切断方向の制御を容易に行うことができる。また、ダイヤモンドカッタによるダイシングに比して、ダイシング幅を小さくすることができ、1つの光透過性材料から切断された光透過性材料の数を増やすことが可能となる。これらの結果、本発明によれば、極めて容易且つ適切に光透過性材料を切断することができる。 【0101】また、本発明に係る光透過性材料の切断方法においては、発塵粉体がほとんどないため、発塵粉体の飛散防止のための潤滑洗浄水が不要となり、切断工程でのドライプロセス化を実現することができる。 【0102】また、本発明に係る光透過性材料の切断方法においては、クラックの形成がレーザ光による非接触加工にて実現されるため、従来の技術 なり、切断工程でのドライプロセス化を実現することができる。 【0102】また、本発明に係る光透過性材料の切断方法においては、クラックの形成がレーザ光による非接触加工にて実現されるため、従来の技術のようにダイヤモンドカッタによるダイシングにおけるブレードの耐久性、交換頻度等の問題が生じることはない。また、本発明に係る光透過性材料の切断方法においては、上述し- 92 -たようにクラックの形成がレーザ光による非接触加工にて実現されるため、光透過性材料を完全に切断しない、光透過性材料を切り抜くような切断パターンに沿って、光透過性材料を切断することが可能である。 【0103】また、切断工程において、形成されたクラックを成長させることにより光透過性材料を切断することが好ましい。このように、切断工程において、形成されたクラックを成長させることにより光透過性材料を切断することにより、形成されたクラックの位置にて光透過性材料を確実に切断することができる。 【0105】本発明に係る光透過性材料の切断装置は、レーザ光源と、光透過性材料を保持する保持手段と、レーザ光源から出射されたレーザ光を、その集光点が光透過性材料の内部に位置するように集光させる光学素子と、光透過性材料の内部におけるレーザ光の集光点及びその近傍のみに形成された改質部の位置にて光透過性材料を切断する切断手段と、を備えたことを特徴としている。 【0106】本発明に係る光透過性材料の切断装置では、光学素子により、レーザ光の集光点が光透過性材料の内部に位置するようにレーザ光が集光されることで、光透過性材料の内部における集光点及びその近傍のみに改質部が形成される。そして、切断手段が、光透過性材料の内部におけるレーザ光の集光点及びその近傍のみに形成される改質部の位置で光透過性材料を切断するので 過性材料の内部における集光点及びその近傍のみに改質部が形成される。そして、切断手段が、光透過性材料の内部におけるレーザ光の集光点及びその近傍のみに形成される改質部の位置で光透過性材料を切断するので、光透過性材料は、形成された改質部に沿って確実に切断されることになり、発塵量が極めて低く、ダイシング傷、チッピングあるいは材料表面でのクラック等が発生する可能性も極めて低くなる。また、光透過性材料は、改質部に沿って切断されるので、切断の方向安定性が向上し、切断方向の制御を容易に行うことができる。また、ダイヤモンドカッタによるダイシングに比して、ダイシング幅を小さくすることができ、1つの光透過性材料から切断された光透過性材料の数を増やすことが可能となる。これらの結果、本発明によれば、極めて容易且つ適切に光透過性材料を切断することができる。 【0107】また、本発明に係る光透過性材料の切断装置においては、発塵粉体が- 93 -ほとんどないため、発塵粉体の飛散防止のための潤滑洗浄水が不要となり、切断工程でのドライプロセス化を実現することができる。 【0108】また、本発明に係る光透過性材料の切断装置においては、改質部がレーザ光による非接触加工にて形成されるため、従来の技術のようにダイヤモンドカッタによるダイシングにおけるブレードの耐久性、交換頻度等の問題が生じることはない。また、本発明に係る光透過性材料の切断装置においては、上述したように改質部がレーザ光による非接触加工にて形成されるため、光透過性材料を完全に切断しない、光透過性材料を切り抜くような切断パターンに沿って、光透過性材料を切断することが可能である。 【0109】本発明に係る光透過性材料の切断装置は、レーザ光源と、光透過性材料を保持する保持手段と、レーザ光源から出射されたレーザ光を 断パターンに沿って、光透過性材料を切断することが可能である。 【0109】本発明に係る光透過性材料の切断装置は、レーザ光源と、光透過性材料を保持する保持手段と、レーザ光源から出射されたレーザ光を、その集光点が光透過性材料の内部に位置するように集光させる光学素子と、光透過性材料の内部におけるレーザ光の集光点及びその近傍のみに形成されるクラックを成長させて光透過性材料を切断する切断手段と、を備えたことを特徴としている。 【0110】本発明に係る光透過性材料の切断装置では、光学素子により、レーザ光の集光点が光透過性材料の内部に位置するようにレーザ光が集光されることで、集光点におけるレーザ光のエネルギー密度が光透過性材料の光学的損傷若しくは光学的絶縁破壊のしきい値を越え、光透過性材料の内部における集光点及びその近傍のみにクラックが形成される。そして、切断手段が、光透過性材料の内部におけるレーザ光の集光点及びその近傍のみに形成されるクラックを成長させて光透過性材料を切断するので、光透過性材料は、光透過性材料の光学的損傷若しくは光学的絶縁破壊により形成されたクラックに沿って確実に切断されることになり、発塵量が極めて低く、ダイシング傷、チッピングあるいは材料表面でのクラック等が発生する可能性も極めて低くなる。また、光透過性材料は、クラックに沿って切断されるので、切断の方向安定性が向上し、切断方向の制御を容易に行うことができる。また、ダイヤモンドカッタによるダイシングに比して、ダイシング幅を小さくするこ- 94 -とができ、1つの光透過性材料から切断された光透過性材料の数を増やすことが可能となる。これらの結果、本発明によれば、極めて容易且つ適切に光透過性材料を切断することができる。 【0111】また、本発明に係る光透過性材料の切断装置において れた光透過性材料の数を増やすことが可能となる。これらの結果、本発明によれば、極めて容易且つ適切に光透過性材料を切断することができる。 【0111】また、本発明に係る光透過性材料の切断装置においては、発塵粉体がほとんどないため、発塵粉体の飛散防止のための潤滑洗浄水が不要となり、切断工程でのドライプロセス化を実現することができる。 【0112】また、本発明に係る光透過性材料の切断装置においては、クラックがレーザ光による非接触加工にて形成されるため、従来の技術のようにダイヤモンドカッタによるダイシングにおけるブレードの耐久性、交換頻度等の問題が生じることはない。また、本発明に係る光透過性材料の切断装置においては、上述したようにクラックがレーザ光による非接触加工にて形成されるため、光透過性材料を完全に切断しない、光透過性材料を切り抜くような切断パターンに沿って、光透過性材料を切断することが可能である。 【0114】また、光透過性材料は、その表面に複数の回路部が形成された光透過性材料であって、光学素子は、隣接する回路部の間に形成された間隙に臨む光透過性材料部分の内部に集光点が位置するようにレーザ光を集光することが好ましい。 このように構成した場合、隣接する回路部の間に形成された間隙の位置において、光透過性材料を確実に切断することができる。 【0116】また、集光点をレーザ光の光軸と交差する方向に移動させるための集光点移動手段を更に備えていることが好ましい。このように、集光点をレーザ光の光軸と交差する方向に移動させるための集光点移動手段を更に備えることにより、クラックを集光点の移動方向に沿って連続的に形成することが可能となり、切断の方向安定性がより一層向上して、切断の方向制御をより一層容易に行うことができる。 【0117】【発明の効果】 により、クラックを集光点の移動方向に沿って連続的に形成することが可能となり、切断の方向安定性がより一層向上して、切断の方向制御をより一層容易に行うことができる。 【0117】【発明の効果】- 95 -【0118】本発明に係るレーザ加工方法によれば、加工対象物の表面に溶融や切断予定ラインから外れた割れが生じることなく、加工対象物を切断することができる。よって、加工対象物を切断することにより作製される製品(例えば、半導体チップ、圧電デバイスチップ、液晶等の表示装置)の歩留まりや生産性を向上させることができる。 【図1】 【図2】 【図3】 - 96 -【図4】 【図5】 【図6】 【図8】 【図9】 - 97 -【図10】 【図11】 【図14】 【図16】 - 98 -【図19】 【図20】 【図22】 イ 乙150公報に記載された発明(ア) 前記ア及び弁論の全趣旨によると、乙150公報には、本件発明2と対比すべき発明として、被控訴人が主張する乙150発明’(控訴人が主張する乙150発明から構成2hを除いたもの)が記載されていると認められる。 (イ) 控訴人は、乙150公報には控訴人が主張する構成2h(「前記切断予定ライン5は、前記シリコンウェハの内側部分と外縁部との境界付近に始点及び終点が位置し、」との構成)が記載されていると主張する。 - 99 -しかしながら、乙150公報(【図16】を除く。)には、切断予定ライン5が加工対象物(半導体基板)のどの部分に位置するのかを特定する記載はみられず、他方、【図16】は、切断予定ライン5が加工対象物1の上に設定される様子を示している。そこで、乙150公報の切断予 イン5が加工対象物(半導体基板)のどの部分に位置するのかを特定する記載はみられず、他方、【図16】は、切断予定ライン5が加工対象物1の上に設定される様子を示している。そこで、乙150公報の切断予定ラインの加工対象物上の位置については、同図を基に解釈するほかないところ、同図においては、「外縁部」(半導体基板を取り囲む端の一定の幅をもった部分)に当たる部分は特定されておらず、したがって、「内側部分」(半導体基板の外縁部以外の部分)がどこであるかも特定されておらず、そのため、切断予定ライン5が加工対象物1の「外縁部」にかからないように「内側部分」に設定されていると見て取ることはできない。また、同図に示されるように切断予定ライン5を設定すると、半導体基板の全体としての機械的強度が向上し、半導体基板の搬送工程や機能素子形成のための加熱工程等において、半導体基板が切断されてしまうという不測の事態を防止することができるとの効果(本件明細書2の【0062】参照)を得ることができるとは解し難い。 以上によると、被控訴人が主張するとおり、乙150公報には、控訴人が主張する構成2hは記載されていないものといわざるを得ない。 ウ 本件発明2-1と乙150発明’との対比本件発明2-1と乙150発明’とを対比すると、両発明の間には、乙150発明’の構成に照らし、少なくとも次の相違点①(被控訴人が主張する相違点Aと同じもの)が存在すると認められる。 (相違点①)本件発明2-1は、「前記載置台に載置された前記半導体基板を赤外線で照明する赤外透過照明と、前記赤外透過照明により赤外線で照明された前記半導体基板における前記改質領域を撮像可能な撮像素子と、を備え」るのに対し、乙150発明’は、赤外透過照明を備えておらず、撮像素子121を備えるものの、その 記赤外透過照明により赤外線で照明された前記半導体基板における前記改質領域を撮像可能な撮像素子と、を備え」るのに対し、乙150発明’は、赤外透過照明を備えておらず、撮像素子121を備えるものの、その撮像素子121は、半導体基板の表面を撮像対象とするのみであり、半導体基板の内部に形成される改質領域を撮像可能とするものではない点。 - 100 -エ 相違点①に係る本件発明2-1の構成の容易想到性(ア) 控訴人は、乙154公報、乙152公報及び乙209公報を根拠に、ウェハのレーザ加工時に赤外線等を用いて加工状態を観察することは本件特許2の優先日当時の当業者にとって自明であったと主張する。そこで、乙154公報、乙152公報及び乙209公報の記載内容について検討する。 a 乙154公報について(a) 乙154公報には、次の記載がある。 「技術分野本発明はレーザ加工装置に関し、特にLSI(大規模集積回路)や液晶パネルなどの薄膜基板をレーザ光により加工するレーザ加工装置に関する。 従来技術LSIなどの金属配線を切断したり、あるいは多層薄膜回路基板の上層のみを除去する場合、これら切断や除去などの加工を正しく行うために、加工状態をモニタしてレーザパワーなどを制御する必要がある。 たとえば、LSIのA𝓁配線を複数パルスのレーザ光で一部切断する場合、A𝓁配線の切断が完了したか否かを検出してレーザ発振を停止させないと、そのレーザ光によってA𝓁配線の下の絶縁層まで切断し、LSIを不良品にしてしまうおそれがある。 また、任意のA𝓁配線間をレーザCVD(Chemical Vapor Deposition)法によりW(タングステン)などの配線を描画し、コンタクトホールを設けて電気的に接続する場合には、これら配線の上に被っている 配線間をレーザCVD(Chemical Vapor Deposition)法によりW(タングステン)などの配線を描画し、コンタクトホールを設けて電気的に接続する場合には、これら配線の上に被っている保護膜や層間絶縁膜を除去する必要がある。 これらの保護膜や層間絶縁膜を上記の処理と同様に複数パルスのレーザ光で除去する場合、A𝓁配線を切断してしまわないために、保護膜や層間絶縁膜の除去程度をモニタしてレーザ発振を停止させる必要がある。 以上、複数パルスのレーザ光により切断や除去などの加工を行う場合について述- 101 -べたが、単一パルスのレーザ光で切断や除去などの加工を行う場合でも、レーザパルスエネルギの変動や被加工物の膜厚のバラツキ、および膜素材の違いなどにより正しく加工されないこともあるので、加工状態をモニタする必要がある。 従来、この種のレーザ加工装置においては、顕微鏡で加工位置を見ながら感覚的に切断や除去などの加工の完了を判断しており、定量的な加工状態のモニタは行われていなかった。 このような従来のレーザ加工装置では、顕微鏡で加工位置を見ながら感覚的に切断や除去などの加工の完了を判断していたので、LSIなどの金属配線の切断時に下層絶縁膜にダメージを与えたり、あるいは金属配線上の絶縁膜にコンタクトホールを開けたりする時に金属配線自体を切断してしまったりすることがあり、加工の歩留りが悪くなるという問題があった。 発明の目的本発明は上記のような従来のものの問題点を除去すべくなされたもので、定量的な加工状態のモニタが可能となり、加工の歩留りを向上させることができるレーザ加工装置の提供を目的とする。 発明の構成本発明によるレーザ加工装置は、被加工物上にレーザ光を照射して加工を行うレーザ加工装置であって、前記被 り、加工の歩留りを向上させることができるレーザ加工装置の提供を目的とする。 発明の構成本発明によるレーザ加工装置は、被加工物上にレーザ光を照射して加工を行うレーザ加工装置であって、前記被加工物の加工位置近傍を加熱するための加熱用のレーザ光を照射するポンピング用レーザと、前記被加工物の加工状態を検査するための検査光を照射する照射手段と、前記加熱用のレーザ光により加熱された前記被加工物から反射した前記検査光の光量を検出し、前記被加工物の加工部分の膜厚変化を検知する検出手段とを有することを特徴とする。 実施例次に、本発明について図面を参照して説明する。 第1図は本発明の一実施例を示す構成図である。図において、加工用レーザ1から出射されたレーザ光(以下加工用レーザ光とする)はダイクロイックミラー4,- 102 -11およびAO変調素子5を介して対物レンズ12に入射され、対物レンズ12によりXYステージ14上に載置された基板13の表面に集光される。 ポンピング用レーザ2から出射されたレーザ光(以下ポンピング用レーザ光とする)は角度補正ミラー3とダイクロイックミラー4,11とAO変調素子5とを介して対物レンズ12に入射され、対物レンズ12によりXYステージ14上の基板13の表面に集光される。 プローブ用レーザ8から出射されたレーザ光(以下プローブ用レーザ光とする)は偏光ビームスプリッタ9とλ/4板10とダイクロイックミラー11とを介して対物レンズ12に入射され、対物レンズ12によりXYステージ14上の基板13の表面に集光される。 また、基板13から反射されたプローブ用レーザ光は対物レンズ12と、ダイクロイックミラー11と、λ/4板10と、偏光ビームスプリッタ9と、フィルタ7とを介してフォトディテクタ6に入射される る。 また、基板13から反射されたプローブ用レーザ光は対物レンズ12と、ダイクロイックミラー11と、λ/4板10と、偏光ビームスプリッタ9と、フィルタ7とを介してフォトディテクタ6に入射される。」(1頁左欄16行~2頁右下欄5行)「金属配線上の絶縁層を除去する場合や金属配線を切断する場合、本発明の一実施例ではサーマルウェーブ法と呼ばれる原理を用いて基板13の加工状態の検出を行っている。 以下、サーマルウェーブ法の概略について説明する。…第6図はサーマルウェーブ法による欠陥検査装置を示す構成図である。図において、Arレーザ21はビームエクスパンダ22を介してAO素子23に入射され、AO素子23により変調を受けてから対物レンズ31て基板32上に集光される。 基板32上に集光されたレーザスポットは一部基板32に吸収され、変調同期に応じた熱の波(サーマルウェーブ)が基板32内部に伝搬する。 このとき、基板32の光学的定数(反射率など)は温度系数を持っているため、光学的定数自体がそのサーマルウェーブの変調を受ける。 たとえば、基板32の表面の反射率をR、周囲温度をT0、基板32の表面温度- 103 -をTとすれば、次式が成立する。 ΔR/R=1/R・ΔR/ΔT・(T-T0)………(1)A𝓁の場合、ΔR/ΔT≒1.5X104(1/℃)である。 基板32の表面温度Tは熱的定数に依存するが、基板32内部にボイドなどの欠陥があれば、基板32内部の熱伝搬が変わるため、表面温度Tも変化する。この様子を第7図に示す。 第7図(a)に示すように、基板32が均質なときの表面温度をT1とし、第7図(b)に示すように、基板32内部にボイドなどの欠陥33があるときの表面温度をT2とすると、欠陥33があるときには基板32内部で 図(a)に示すように、基板32が均質なときの表面温度をT1とし、第7図(b)に示すように、基板32内部にボイドなどの欠陥33があるときの表面温度をT2とすると、欠陥33があるときには基板32内部で熱伝搬しにくくなり、結果的にT2>T1となる。 この温度上昇により基板32の光学定数も変化する。 このとき、HeNeレーザ27から出射したレーザ光をビームエクスパンダ28と偏光ビームスプリッタ29とλ/4板30と対物レンズ31とを介して、プローブ光として基板32に集光照射し、基板32からの反射光をフィルタ26を通してフォトディテクタ25てモニタすることにより、基板32からの反射光の強度変化により基板32内部の欠陥33を検出することができる。 フォトディテクタ25での検出結果はロックインアンプ24で増幅されて図示せぬ制御部に送られ、この制御部で基板32内部の欠陥33の有無が判定される。 本発明の一実施例では上記のサーマルウェーブ法により基板13の加工状態のモニタを行い、基板13上の金属膜や金属配線(図示せず)上の絶縁層(図示せず)の除去加工時の終端検出や、金属配線切断時の加工完了検出を行っている。 第2図は本発明の一実施例による絶縁膜除去加工を示す図である。第2図(a)はA𝓁配線15b上から絶縁膜16a,16bを除去する加工の開始時の状態を示す図であり、第2図(b)はA𝓁配線15b上から絶縁膜16a,16bを除去する加工が完了した時の状態を示す図である。 これらの図において、基板13上にはA𝓁配線15a,15bと絶縁膜16a,- 104 -16bとが積層されており、A𝓁配線15bの上から絶縁膜16a,16bを除去する場合、まず加工用レーザ1からの加工用レーザ光が対物レンズ12により基板13の表面に集光照射される。 このと -16bとが積層されており、A𝓁配線15bの上から絶縁膜16a,16bを除去する場合、まず加工用レーザ1からの加工用レーザ光が対物レンズ12により基板13の表面に集光照射される。 このとき、加工用レーザ光は絶縁膜16a,16bを透過してA𝓁配線15b上に集光され[第2図(a)参照]、そのときの熱によりA𝓁配線15b上の絶縁膜16a、16bが吹き飛ばされる[第2図(b)参照]。 A𝓁配線15bの表面温度は絶縁膜16a,16bまたは絶縁膜16a,16bの厚さにより変化するので、除去前のA𝓁配線15bの表面温度をT3とし、除去後のA𝓁配線15bの表面温度をT4とすると、T4>T3となり、絶縁膜16a,16bを除去した後のA𝓁配線15bの表面の反射率が第3図に示すように上昇する。 よって、基板13に対する加工用レーザ光による加工時の発熱の影響がなくなったときに、ポンピング用レーザ光を角度補正ミラー3によりプローブ用レーザ光の照射位置から加工径以上の距離だけ移動させて照射し、プローブ用レーザ光をフォトディテクタ6によりモニタする。 これにより、プローブ用レーザ光による基板13からの反射光の光量が絶縁膜16a,16bの除去前と除去後とで変化したことをフォトディテクタ6で検出することによって、A𝓁配線15b上から絶縁膜16a,16bを除去したことを検出することができる。 すなわち、加工用レーザ光をA𝓁配線15b上の絶縁膜16g,16bに照射した後に、プローブ用レーザ光による基板13からの反射光強度が所定の強度、つまり絶縁膜16a,16bが積層されていないときのA𝓁配線15bからの反射光強度に達したときに、加工用レーザ1のレーザ発振を停止することにより、良好なコンタクトホール17をA𝓁配線15b上に形成することができる。 第 bが積層されていないときのA𝓁配線15bからの反射光強度に達したときに、加工用レーザ1のレーザ発振を停止することにより、良好なコンタクトホール17をA𝓁配線15b上に形成することができる。 第4図は本発明の一実施例によるA𝓁配線の切断加工を示す図である。第4図(a)はA𝓁配線15cを切断する加工の開始時の状態を示す図であり、第4図- 105 -(b)はA𝓁配線15cを切断する加工が完了した時の状態を示す図である。 これらの図において、基板13上にはA𝓁配線15c,15dと絶縁膜16c,6dとが積層されており、A𝓁配線15cを切断する場合、まず加工用レーザ1からの加工用レーザ光が対物レンズ12により基板13の表面に集光照射される。 このとき、加工用レーザ光は絶縁膜16c,16dを透過してA𝓁配線15C上の切断箇所に集光され[第4図(a)参照]、A𝓁配線15c上の切断箇所を切断する[第4図(b)参照]。 この加工用レーザ光を基板13に照射した後に、基板13に対する加工用レーザ光による加工時の発熱の影響がなくなったときに、ポンピング用レーザ光を角度補正ミラー3によりプローブ用レーザ光の照射位置から加工径以上の距離たけ移動させて照射し、プローブ用レーザ光をフォトディテクタ6によりモニタする。 A𝓁配線15cの切断前と切断後とてはポンピング用レーザ光による熱伝搬の程度が異なるので、ポンピング用レーザ光の熱でプローブ用レーザ光による基板13からの反射光強度が変化する。 よって、この強度変化をフォトディテクタ6により検知すれば、A𝓁配線15cの切断が完了したか否かを判定することができる。 上述のように、加工用レーザ光を基板13に照射した後に、ポンピング用レーザ光およびプローブ用レーザ光によりA𝓁配線15b上からの絶縁膜16a, 5cの切断が完了したか否かを判定することができる。 上述のように、加工用レーザ光を基板13に照射した後に、ポンピング用レーザ光およびプローブ用レーザ光によりA𝓁配線15b上からの絶縁膜16a,16bの除去の検出、またはA𝓁配線15cの切断の検出を行うことにより、A𝓁配線15b上の絶縁膜16a,16bにコンタクトホール17を開ける時にA𝓁配線15b自体を切断してしまったり、あるいはA𝓁配線15Cの切断時に下層絶縁膜にダメージを与えたりすることがなくなり、加工の歩留りを向上させることができる。 第5図は本発明の他の実施例を示す構成図である。図において、本発明の他の実施例は加工用のレーザ光とポンピング用のレーザ光とを兼用とした以外は本発明の一実施例と同様の構成となっており、同一部品には同一符号を付しである。また、それら同一部品の動作も本発明の一実施例と同様である。 - 106 -加工・ポンピング兼用レーザ18から出射されたレーザ光はプログラムアッテネータ19と角度補正ミラー3とAO変調素子5とダイクロイックミラー11とを介して対物レンズ12に入射され、対物レンズ12によりXYステージ14上の基板13の表面に集光される。 基板13に対して加工を行う場合にはプログラムアッテネータ19の透過率を高め、レーザパワーを強めて加工用のレーザ光として使用し、サーマルウェーブ法により基板13に対して測定を行う場合にはプログラムアッテネータ19の透過率を低くし、レーザパワーを弱めてポンピング用のレーザ光として使用する。 これにより、ポンピング用レーザ2とその光学系が不要となるので、構成部品数を減らすことができる。 このように、加工用レーザ光を照射した後に、ポンピング用レーザを照射して基板13の加工部分近傍を加熱し、その熱の伝搬程度の変化 ザ2とその光学系が不要となるので、構成部品数を減らすことができる。 このように、加工用レーザ光を照射した後に、ポンピング用レーザを照射して基板13の加工部分近傍を加熱し、その熱の伝搬程度の変化をフォトディテクタ6によりモニタして基板13の加工部分の膜厚変化を検知するようにすることによって、定量的な加工状態のモニタが可能となり、加工の歩留りを向上させることができる。 また、角度補正ミラー3によりポンピング用レーザ光およびプローブ用レーザ光の照射位置を基板13の表面で分離することが可能な構成とすることにより、水平方向の熱伝搬変化を検知することが可能となるため、A𝓁配線15cの切断などの加工状態をより正確に検知することが可能となる。」(2頁右下欄13行~5頁左上欄10行)「発明の効果以上説明したように本発明によれば、レーザ光を被加工物に照射した後に、その被加工物の加工位置近傍にポンピング用レーザ光を照射して加熱し、被加工物から反射した検査光の光量変化により被加工物の加工部分の膜厚変化を検知するようにすることによって、定量的な加工状態のモニタが可能となり、加工の歩留りを向上させることができるという効果がある。」(5頁左上欄19行~右上欄7行)また、第4図(a)にはプローブ用レーザ光がA𝓁配線15cの表面に照射され- 107 -ている様子が、第4図(b)にはプローブ用レーザ光が基板13の表面に照射されている様子がそれぞれ示されている。 (b) 上記(a)のとおり、乙154公報には、プローブ用レーザから出射されたレーザ光(プローブ用レーザ光)を基板に照射し、その反射光を観測することで、基板の加工状態を検査するとの技術が記載されている。しかしながら、乙154公報にいう加工状態の検査は、例えば、A𝓁配線を切断する際に、A𝓁 ーブ用レーザ光)を基板に照射し、その反射光を観測することで、基板の加工状態を検査するとの技術が記載されている。しかしながら、乙154公報にいう加工状態の検査は、例えば、A𝓁配線を切断する際に、A𝓁配線の下にある絶縁層まで切断してしまわないよう、A𝓁配線の切断が完了したか否かを検出したり、A𝓁配線を覆っている保護膜や層間絶縁膜を除去する際に、A𝓁配線を切断してしまわないよう、保護膜や層間絶縁膜の除去の程度を検出したり、金属配線上の絶縁層を除去する際に、絶縁膜が積層されていない状態に至ったことを検出したりするものであって、半導体基板をペレットに切断するに際し、半導体基板の切断が好適にされるように、すなわち、改質領域が好適に形成されるように加工状態を観察するものではない。また、プローブ用レーザ光は、基板の表面に集光され、当該表面から反射されるものであって、半導体基板を透過してその内部の様子を観察するものではない。もっとも、プローブ用レーザ光は、基板の内部にボイド等の欠陥があることも検知するものではあるが、それは、プローブ用レーザ光を基板の表面に集光照射し、当該表面からの反射光の光量変化により、基板の内部の欠陥を検出するというもの(サーマルウェーブ法)であって、基板の内部にプローブ用レーザ光を照射し、内部の改質領域の状態を直接検知するというものではない。 そうすると、乙154公報によっても、シリコンウェハの内部にレーザ光を集光させて改質領域を形成し、これを切断の起点とするという乙150発明’が属する技術の分野において、外部から視認し得ない改質領域自体の様子を観察することが本件特許2の原出願日当時の当業者にとって自明であったと認めることはできない。 b 乙152公報について(a) 乙152公報には、次の記載がある。 「3.発明の詳 体の様子を観察することが本件特許2の原出願日当時の当業者にとって自明であったと認めることはできない。 b 乙152公報について(a) 乙152公報には、次の記載がある。 「3.発明の詳細な説明- 108 -本発明は、半導体装置の加工方法に係り、特にレーザ光線を用いて半透明な半導体ウエハーを微細なペレットに分割する加工方法に関する。 従来、ダイヤモンド針などのカツタで、半導体ウエハーの素子間に機械的に溝を形成した後、ウエハー全体に圧力を加えて、ウエハーを微細なペレットに分割している。しかし、機械的手段によると歩留りが悪い為、最近レーザ光線を用いて溝を形成することが行なわれている。すなわち、レーザ発振器を用い、この発振器からのレーザ光線を集光レンズなどからなる光学系で、ウエハー上に集光させて照射する。そして、この光学系あるいはウエハーを平面的に動かして素子間に複数条の溝を形成している。そして、従来同様に圧力を加えて微細なペレットを得ている。 しかしながら、レーザ光線をウエハーの素子が形成された表面側から照射する為、レーザ光線により飛散蒸発するウエハー材が、各素子の上面に付着し、その素子の機能を低下させたり不良品とするなどの欠点がある。 本発明は、上記欠点に対処してなされたもので、レーザ光線による飛散、蒸発物が素子の表面に付着することがなく、しかも歩留りが向上する半導体装置の加工方法を得るにある。 以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。 第1図において、レーザ発振器(10)のレーザ光線(11)の放射口側には、そのレーザ光線(11)の放射方向を90°変えるダイクロイツクミラ(12)が配置されている。このミラ(12)により反射されたレーザ光線(11)は、実線で示すように前記ミラ(12)と半導体ウ 側には、そのレーザ光線(11)の放射方向を90°変えるダイクロイツクミラ(12)が配置されている。このミラ(12)により反射されたレーザ光線(11)は、実線で示すように前記ミラ(12)と半導体ウエハー(13)との間に配置された集光レンズ系(14)により集光される。このレンズ系(14)は、図示しない駆動機構により上下動するように構成されている。また、この半導体ウエハー(13)は、サフアイアのような可視光でかなり透明な物質で構成され、その素子(15)が形成された面(16)を下側にしてXYテーブル(17)上に載置されている。すなわち、XYテーブル(17)の上面と素子(15)とが接触し、また、この面の反対側の面(18)は、前記集光レンズ系(14)に対向している。 - 109 -また、前記ダイクロイツクミラ(12)を挾んで前記レンズ系(14)と対向する位置には、レンズ(20)が配置されている。このレンズ(20)は、前記ウエハー(13)の素子(15)を観察する監視装置を構成するもので、前記レーザ光線(11)の光軸に同軸上に配置されている。また、このレンズ(20)の前記ミラ(12)と反対側には、結像板(21)及び接眼レンズ(22)が順に配置されている。 このように構成し、前記監視装置で前記半導体ウエハー(13)の素子(15)の位置を確認しながら、その素子間(15)に対応する反対側の面(18)に溝(23)を形成する。すなわち、接眼レンズ(22)からのぞきながら、前記レンズ(20)を上下動させて、前記ウエハー(13)の面(16)上に焦点を合わせる。そして、XYテーブル(17)を左右に動かし、所望位置すなわち各素子(15)間にその焦点位置が合ったときに、XYテーブル(17)の動きを停止させる。 そして、前記レーザ発振器(10)を駆動して、レ そして、XYテーブル(17)を左右に動かし、所望位置すなわち各素子(15)間にその焦点位置が合ったときに、XYテーブル(17)の動きを停止させる。 そして、前記レーザ発振器(10)を駆動して、レーザ光線(11)を放射する。 このとき、レーザ光線(11)は、ウエハー(13)に溝(23)が形成される以前に、その熱などで素子(15)が破壊しない程度のエネルギー強度に選定する。 この場合、レーザ光線(11)は、従来と異なり反対側の面(18)に照射するので、従来に比して大きなエネルギ強度を選定することができる。そして集光レンズ(14)を上下動して、このレーザ光線(11)を前記ウエハー(13)の反対側の面(18)上に照射する。このレーザ光線(11)の光軸と前記監視装置の光軸とは、同軸上に形成されているので、前記素子(15)間の位置に対応する反対側の面(18)上に溝(23)を形成することができる。このようにして、監視しながらレーザ光線(11)を照射し、前記XYテーブル(17)を左右に動かして、ウエハー(13)の反対側の面(18)上に複数条の溝(23)(23)′(23)′を刻設する。そして、ウエハー(13)全体に圧力を加えて、微細なペレットに分割する。 なお、ウエハー(13)が厚い場合は、第2図に示すように行なえば良い。すな- 110 -わち、前記監視装置により素子(15)間の位置を確認し、レンズ(14)の位置をまず、(A)の位置に合わせる。そして、レーザ光線(11)の焦点をウエハー(13)の面(16)に合わせて照射する。このとき、ウエハー(13)は、半透明材料から構成されているので、単位面積あたりのエネルギ強度を弱くすればレーザ光線(11)は面(18)側を破壊するには至らない。したがって、エネルギ強度を、そのレーザ光線(11)が集光した焦点位 透明材料から構成されているので、単位面積あたりのエネルギ強度を弱くすればレーザ光線(11)は面(18)側を破壊するには至らない。したがって、エネルギ強度を、そのレーザ光線(11)が集光した焦点位置でウエハー(13)を破壊するように選定すればよい。そして、面(16)側に溝(23)′を刻設した後、前記実施例同様にレンズ(14)を(B)位置に配置して溝(23)を刻設する。このようにすれば、厚いウエハーでも良好に微細なペレットに分割することが可能となる。このとき、面(16)に溝(23)′を形成するときに、レーザ光線(11)による飛散物、蒸発物が素子(15)の側面に付着するが素子(15)の上面には付着しないので問題とならない。 なお、前記実施例では、ウエハー材として、可視光で透視状態となるサファイアなどで形成されたウエハー(13)を加工する場合について説明したが、ウエハーが赤外線で透視状態となる場合にも、本発明は適用可視となる。この場合、ウエハーを赤外線で照射し、操作者とウエハーとの間に監視装置として赤外線イメージ変換装置を設けて観察して行なう。また、反対側の面(18)が粗面に形成されている場合は、可視光あるいは赤外線光が透過しにくいので、液体等で濡らして光学的に平らな面とすれば良い。 本発明は、素子上に飛散物、蒸発物が付着することがなく、素子の機能を低下させることがない。また、機械的に溝を形成するものに比して、歩留りが向上するなどの効果を奏する。」(1頁左欄13行~2頁右下欄18行)- 111 - (b) 上記(a)のとおり、乙152公報には、レーザ光線を半導体ウエハーの素子が形成された表面側から照射すると、レーザ光線により飛散・蒸発するウエハー材が各素子の上面に付着し、素子の機能を低下させたり、不良品にしたりするなどの欠 2公報には、レーザ光線を半導体ウエハーの素子が形成された表面側から照射すると、レーザ光線により飛散・蒸発するウエハー材が各素子の上面に付着し、素子の機能を低下させたり、不良品にしたりするなどの欠点があったことから、加工する際に半導体ウエハーの素子が形成された表面側をレーザ光線の入射側(上側)と反対側(下側)に置いて上記欠点を克服した上、これにより上側から見えなくなった素子を観察するための監視装置(レンズ20、結像板(21)及び接眼レンズ(22)。なお、半導体ウエハーが赤外線で透視状態となる場合は、赤外線を照射し、赤外線イメージ変換装置を設ける。)を設け、半導体ウエハーの下側にある素子の位置を確認した上で、半導体ウエハーの上側(半導体ウェハーが厚い場合には、上側と下側の双方)に溝(23)(23)′を刻設するとの技術を開示するものである。 そうすると、乙152公報に記載された監視装置は、ウエハーの内部に入り込ん- 112 -だ可視光線又は赤外線を観測するものではあるものの、乙152公報によっても、シリコンウェハの内部にレーザ光を集光させて改質領域を形成し、これを切断の起点とするという乙150発明’が属する技術の分野において、外部から視認し得ない改質領域自体の様子を観察することが本件特許2の原出願日当時の当業者にとって自明であったと認めることはできない。 c 乙209公報について(a) 乙209公報には、次の記載がある。 【発明の詳細な説明】【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、LCD基板を構成するガラス板のような透明脆性材料をレーザ光により加工するレーザ加工に関する。 【0002】【従来の技術】例えば、LCD基板に使用されるガラス板のような脆性材料を分割する場合には、一般的にはダイヤモンド等の硬 うな透明脆性材料をレーザ光により加工するレーザ加工に関する。 【0002】【従来の技術】例えば、LCD基板に使用されるガラス板のような脆性材料を分割する場合には、一般的にはダイヤモンド等の硬い工具を用いガラス表面に線状に溝を形成し、その後、機械的な応力を加えてその線状の溝に沿って割断、分割する。 【0003】この分割方法では、溝形成時に切り屑が発生し、割断時にも同様に、切り屑、微細な破片などが発生し、これらの小片が最終製品の歩留まりを下げる一因となっている。また、直線ではなく曲線状に分割するときには、分割面以外にもクラックが発生し、最終製品の信頼性を低下させる要因となっている。 【0004】このような問題点を回避する方法として、レーザ、電熱ヒータ等を熱源とし、熱応力でクラック(亀裂)を進展させてガラス板等を割断する方法がある(特開平1-108006号公報、特開平3-489号公報等)。 【0005】レーザを加熱源として割断する場合のレーザ加工装置の構成例を図5に示す。図5において、レーザ発振器1から出力されたレーザ光2は、反射鏡11で反射され、集光レンズ3で、脆性材料である被加工物4のほぼ表面上に集光される。そして、被加工物4は、XYテーブル5によって、レーザ光2に対して相対的- 113 -に移動される。 【0006】このとき、レーザ光2の照射は被加工物4が溶融するまでには至らない低い密度のパワーで加熱する。この移動するレーザ光2の照射によって、被加工物4の表面上では、図6の(a)に示すように、レーザ光2の照射点を中心として、レーザ光2の進行方向と逆方向(熱源後方)に、上記中心から遠くなるに従って、温度傾斜が緩やかとなる温度分布が発生する。 【0007】そして、この温度分布によって、図6の(b)に示すように、レーザ光2によ 光2の進行方向と逆方向(熱源後方)に、上記中心から遠くなるに従って、温度傾斜が緩やかとなる温度分布が発生する。 【0007】そして、この温度分布によって、図6の(b)に示すように、レーザ光2による加熱源近傍では円周方向には圧縮応力が作用するが、レーザ照射点からある距離を越えると、引張応力が作用するという熱応力が発生する。 【0008】また、レーザ光2による加熱源近傍にクラックが存在する場合、加熱源に近いクラック先端においては、図6の(c)に示すような応力拡大係数KICが作用する。この応力拡大係数KICが破壊靭性値Kcを超えると、クラックが進展する。 【0009】したがって、レーザ光2による加熱源を任意の軌跡に沿ってXYテーブル5で走査すると、その軌跡に追従するようにクラックが進展し、被加工物4を割断、分割することができる。 【0010】上述したレーザ光による割断方法では、通常のレーザ切断のように被加工物を溶融、蒸発に至るまで加熱しないので、加工に伴う溶融物、蒸発物が発生しない。また、上記レーザ切断による方法と比べてもクリーンな加工ができる。また、レーザ等による加熱源の軌跡によっては、曲線の加工も実現できる。 【0011】【発明が解決しようとする課題】上記レーザ光による割断方法を用いて、ガラス板等の透明脆性材料を割断する場合には、加熱源のレーザ光として、ガラスに対して吸収率の高い波長を持つCO2レーザ、或いは吸収率は高くはないがレーザ発振器がコンパクトでメンテナンスの容易なNd:YAGレーザが用いられる。 【0012】上述したCO2レーザ、Nd:YAGレーザが用いられる場合であっ- 114 -ても、クラックの進展はレーザ走査(定速)に対し、間欠的に急激に進行する。これは、被加工物である脆性材料に応力が増大し、その応力が急激に ザ、Nd:YAGレーザが用いられる場合であっ- 114 -ても、クラックの進展はレーザ走査(定速)に対し、間欠的に急激に進行する。これは、被加工物である脆性材料に応力が増大し、その応力が急激に解放されることにより、クラックが間欠的に進展するものである。クラックの間欠的な進展距離が大きいと、所望の進展方向以外へのクラックが進展する可能性が大となる。 【0013】ところが、従来の技術においては、このクラックの進展を正確に検出することができなかったため、クラック先頭位置に応じた適切な動作制御を行うことが困難であり、加工精度が低下するという不具合が発生していた。 【0014】本発明の目的は、透明脆性材料のレーザ加工における亀裂の先頭位置を正確に検出することが可能な亀裂の先頭位置検出方法及び装置を実現することである。 【0015】また、本発明の他の目的は、正確に検出した透明脆性材料の亀裂の先頭位置に基づいて、レーザ光の走査速度を制御し、レーザ加工精度を向上することが可能な透明脆性材料のレーザ加工方法及び装置を実現することである。 【0016】【課題を解決するための手段】(1)本発明は、上記目的を達成するために、次のように構成される。すなわち、レーザ発振器によりレーザ光を発生させ、このレーザ光を加工光学系により透明脆性材料である被加工物の加工位置まで誘導させ、搬送手段により上記被加工物を移動させ、レーザ照射位置を決定し、被加工物を割断する透明脆性材料のレーザ加工における亀裂の先頭位置検出方法において、上記被加工物の上記レーザ光の照射部分近辺に検出用光を照射し、上記被加工物の上面を透過した検出用光が上記被加工物の下面及び上面で反射しながら、上記被加工物の亀裂進展の位置に進行し、この亀裂位置で反射して上記被加工物から出射した上記検出光を に検出用光を照射し、上記被加工物の上面を透過した検出用光が上記被加工物の下面及び上面で反射しながら、上記被加工物の亀裂進展の位置に進行し、この亀裂位置で反射して上記被加工物から出射した上記検出光を撮像手段に入射させ、この撮像手段により撮像された映像から、上記レーザ光の照射による上記被加工物の亀裂の先頭位置を検出する。 【0017】(2)好ましくは、上記(1)において、上記撮像手段で撮像された- 115 -映像を、この映像における光量が所定の閾値を越えるか否かにより二値化し、光量が上記所定の閾値を越える境界部分を上記亀裂の先頭位置と判断する。 【0018】(3)また、レーザ発振器によりレーザ光を発生させ、このレーザ光を加工光学系により透明脆性材料である被加工物の加工位置まで誘導させ、搬送手段により上記被加工物を移動させ、レーザ照射位置を決定し、被加工物を割断する透明脆性材料のレーザ加工における亀裂の先頭位置検出装置において、上記被加工物の上記レーザ光の照射部分近辺に検出用光を照射する検出用光源と、上記被加工物の上面を透過した検出用光が上記被加工物の下面及び上面で反射しながら、上記被加工物の亀裂進展の位置に進行し、この亀裂位置で反射して上記被加工物から出射した上記検出光を入射する撮像手段と、上記撮像手段により撮像された映像から、上記レーザ光の照射による上記被加工物の亀裂の先頭位置を検出する先頭位置検出手段と、を備える。 【0019】(4)好ましくは、上記(3)において、上記先頭位置検出手段は、上記撮像手段で撮像された映像を、この映像における光量が所定の閾値を越えるか否かにより二値化し、光量が上記所定の閾値を越える境界部分を上記亀裂の先頭位置と判断する。 【0020】(5)また、レーザ発振器によりレーザ光を発生させ、このレーザ光を 光量が所定の閾値を越えるか否かにより二値化し、光量が上記所定の閾値を越える境界部分を上記亀裂の先頭位置と判断する。 【0020】(5)また、レーザ発振器によりレーザ光を発生させ、このレーザ光を加工光学系により透明脆性材料である被加工物の加工位置まで誘導させ、搬送手段により上記被加工物を移動させ、レーザ照射位置を決定し、被加工物を割断する透明脆性材料のレーザ加工方法において、上記被加工物の上記レーザ光の照射部分近辺に検出用光を照射し、この検出用光により照射された被加工物を撮像手段により撮像し、撮像した映像から、上記レーザ光の照射による上記被加工物の亀裂の先頭位置を検出し、検出した上記亀裂の先頭位置に基づいて、上記搬送手段による上記被加工物の移動を制御する。 【0021】(6)好ましくは、上記(5)において、上記亀裂の先頭位置と上記レーザ光の照射部分との相対距離を算出し、算出した相対距離が適正な値となるよ- 116 -うに、上記搬送手段による上記被加工物の移動速度を制御する。 【0022】(7)また、レーザ光を発生するレーザ発振器と、レーザ光を透明脆性材料である被加工物の加工位置まで誘導する加工光学系と、上記被加工物を移動させ、レーザ光の照射位置を決定する搬送手段とを有し、レーザ光を用いて被加工物を割断する透明脆性材料のレーザ加工装置において、上記被加工物の上記レーザ光の照射部分近辺に検出用光を照射する検出用光源と、上記検出用光により照射された被加工物を撮像する撮像手段と、上記撮像手段により、撮像された映像から、上記レーザ光の照射による上記被加工物の亀裂の先頭位置を検出し、検出した上記亀裂の先頭位置に基づいて、上記搬送手段による上記被加工物の移動を制御する移動制御手段と、を備える。 【0023】(8)好ましくは、上記(7)におい 記被加工物の亀裂の先頭位置を検出し、検出した上記亀裂の先頭位置に基づいて、上記搬送手段による上記被加工物の移動を制御する移動制御手段と、を備える。 【0023】(8)好ましくは、上記(7)において、上記移動制御手段は、上記亀裂の先頭位置と上記レーザ光の照射部分との相対距離を算出し、算出した相対距離が適正な値となるように、上記搬送手段による上記被加工物の移動速度を制御する。 【0024】レーザ加工において、検出光は透明脆性材料である被加工物表面に入射される。そして、この被加工物の上面を透過した検出光は、数%が被加工物内部を伝搬し積分され、レーザ光の照射による上記被加工物の亀裂進展面で反射し、発光する。撮像手段には、加工進展部(亀裂進展部)と未加工部とが明暗で分割された映像が得られ、この映像の明暗の境の位置を判別する事により、亀裂の先頭位置を検出することができる。 【0025】検出した亀裂先頭位置から、レーザ光の照射部分までの相対距離を算出し、算出した相対距離が、適正な値となるように、被加工物の移動速度が制御され、所望の分割方向以外への方向への亀裂進展が抑制される。 【0026】【発明の実施の形態】本発明による透明脆性材料のレーザ加工における亀裂の先頭位置検出方法及びそれを用いたレーザ加工装置の一実施形態について、添付図面を- 117 -参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態である亀裂の先頭位置検出方法を用いたレーザ加工装置の概略構成図である。この図1において、1はレーザ発振器、2はレーザ発振器1から出力されるレーザ光、11は反射鏡、3は集光レンズ(この集光レンズ3、反射鏡11は加工光学系を構成する)、4はガラス板などの透明脆性材料である被加工物である。 【0027】また、5はXYテーブル(搬送手段)、6は検出用光源、 射鏡、3は集光レンズ(この集光レンズ3、反射鏡11は加工光学系を構成する)、4はガラス板などの透明脆性材料である被加工物である。 【0027】また、5はXYテーブル(搬送手段)、6は検出用光源、7は光電変換を行うカメラ(撮像手段)、8はカメラ7に加工部の像を結像する結像レンズである。また、9はカメラ7が検出した信号を処理し、XYテーブル5の動作を制御するXYテーブル制御部(移動制御手段)である。 【0028】レーザ発振器1から出力されたレーザ光2は、反射鏡11により反射され、集光レンズ3を透過した後、被加工物4の加工位置に照射される。そして、XYテーブル5を、移動させる事により、被加工物4に対してレーザ光2を相対的に走査する。これにより加工が進行する。 【0029】図2は、カメラ7により、被加工物4のクラック先頭位置(亀裂先頭位置)を検出する方法の説明図である。図2において、被加工物4に対して検出用光源6からの検出用光を、被加工物4の表面に対して、ある角度θで照射する。この角度θは、被加工物4の材質によって異なるが、検出用光が被加工物4によって全反射されない臨界角以上の角度と設定される。 【0030】また、検出用光の被加工物4への照射位置はレーザ走査方向に対し直角であり、照射範囲は図2に示すように、レーザ光2を走査する走査線10により、分割される領域が、光源6側の方が充分に大となるように設定される。 【0031】カメラ7は、被加工物4のレーザ光2が照射される面とは反対側の面に対して角度θで交差する直線上に配置される。この角度θは、検出用光源6からの検出光が被加工物4に入射する角度θと、同じ角度である。また、被加工物4の加工部分の像をカメラ7に結像させるためのレンズ8が、上記角度θで交差する直線上であって、被加工物4とカメラ7との 源6からの検出光が被加工物4に入射する角度θと、同じ角度である。また、被加工物4の加工部分の像をカメラ7に結像させるためのレンズ8が、上記角度θで交差する直線上であって、被加工物4とカメラ7との間に配置されている。 - 118 -【0032】図3は、被加工物4のクラック進展部を検出する方法の原理説明図である。この図3に示すように、検出用光源6から出射され、被加工物の表面を透過した光は、その数%が被加工物4の表面及び裏面(上面及び下面)で反射しながら線Lのように進む。 【0033】そして、上述した照射範囲内に入射した光が積分され、加工進展部の面、つまり割断面ですべて反射され、強い光として結像レンズ8を通過し、カメラ7に結像する。 【0034】カメラ7で撮像された映像は、図4の(a)に示すようになる。そして、カメラ7で撮像された映像は、XYテーブル制御部9に供給される。このXYテーブル制御部9は、カメラ7で撮像された映像を、光量が所定の閾値Mを越えるか否かで二値化し(図4の(b))、明暗の境界部分を判断する。これにより、正確な加工進展位置B(クラック先頭位置)を検出することができる。つまり、XYテーブル制御部9は、被加工物4の亀裂の先頭位置を検出する先頭位置検出手段として動作する。 【0035】また、図4(a)の点Aをレーザ照射位置とすれば、このレーザ照射位置Aと加工進展位置Bとの相対距離Dが判明する。そして、XYテーブル制御部9は、上記相対距離Dが所定の適正距離を維持するように、XYテーブル5の移動速度を制御する。 【0036】つまり、XYテーブル制御部9は、距離Dが適正距離より小となれば、XYテーブル5の移動速度を高速とし、距離Dが適正距離より大となれば、XYテーブル5の移動速度を低速とする。このようにして、XYテーブル制 り、XYテーブル制御部9は、距離Dが適正距離より小となれば、XYテーブル5の移動速度を高速とし、距離Dが適正距離より大となれば、XYテーブル5の移動速度を低速とする。このようにして、XYテーブル制御部9により、レーザ照射位置Aと加工進展位置Bとの相対距離Dをフィードバックして、適正距離を維持するように、XYテーブル5の移動速度を制御する。 【0037】以上のように、本発明の一実施形態によれば、検出用光源6からの検出用光を被加工物に照射し、カメラ7で撮像した映像に基づいて、クラック先端を正確に検出する。また、検出したクラック先端位置に基づいて、レーザ照射位置A- 119 -と加工進展位置Bとの相対距離Dが適正な値となるように、XYテーブル制御部9によりXYテーブル5の移動速度を制御するように構成される。 【0038】したがって、透明脆性材料のレーザ加工における亀裂の先頭位置を正確に検出することが可能な亀裂の先頭位置検出方法及び装置を実現するができる。 【0039】また、被加工物4の加工進展、つまり、間欠的に進むクラックの進展距離を制御して、急激にクラックが進展したとき、所望の分割方向以外への方向へのクラック進展を抑制し、レーザ加工精度を向上することが可能な透明脆性材料のレーザ加工方法及び装置を実現することができる。 【0040】また、加工進展を、カメラ7で常にモニタリングしているので、加工位置の調整等をフィードバックしながら実行でき、さらに、加工精度を向上することができる。 【0041】なお、上述した例においては、被加工物4のレーザ光が照射される面に対して、検出用光源6からの光を照射するように、検出用光源6を配置したが、被加工物4のレーザ光が照射される面とは反対側の面に対して、検出用光源6からの光を照射するように、検出用光源6を 射される面に対して、検出用光源6からの光を照射するように、検出用光源6を配置したが、被加工物4のレーザ光が照射される面とは反対側の面に対して、検出用光源6からの光を照射するように、検出用光源6を配置することもできる。 【0042】ただし、この場合には、結像レンズ8及びカメラ7は、被加工物4のレーザ光が照射される面側に配置される。 【0043】【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているため、次のような効果がある。被加工物のレーザ光の照射部分近辺に検出用光を照射し、被加工物の上面を透過した検出用光が被加工物の亀裂進展位置に進行し反射して出射した検出光を撮像手段に入射させ、この撮像手段により撮像された映像から、レーザ光の照射による上記被加工物の亀裂の先頭位置を検出するように構成される。 【0044】したがって、透明脆性材料のレーザ加工における亀裂の先頭位置を正確に検出することが可能な亀裂の先頭位置検出方法及び装置を実現することができる。 - 120 -【0045】また、検出用光を被加工物に照射し、撮像手段で撮像した映像に基づいて、亀裂先端を正確に検出し、検出した亀裂先端部に基づいて、搬送手段による被加工物の移動を制御するように構成される。 【0046】したがって、レーザ加工精度を向上することが可能な透明脆性材料のレーザ加工方法及び装置を実現することができる。 【0047】また、レーザ照射位置と加工進展位置との相対距離が適正な値となるように、XYテーブル制御部によりXYテーブルの移動速度を制御するように構成される。 【0048】したがって、被加工物の加工進展距離を制御して、急激にクラックが進展したとき、所望の分割方向以外への方向へのクラック進展を抑制し、レーザ加工精度を向上することが可能な透明脆性材料のレーザ加工 048】したがって、被加工物の加工進展距離を制御して、急激にクラックが進展したとき、所望の分割方向以外への方向へのクラック進展を抑制し、レーザ加工精度を向上することが可能な透明脆性材料のレーザ加工方法及び装置を実現することができる。 【0049】また、加工進展を、カメラで常にモニタリングしているので、加工位置の調整等をフィードバックしながら実行でき、さらに、加工精度を向上することができる。 【図2】 - 121 -【図3】 (b) 上記(a)のとおり、乙209公報には、次の技術が記載されている。すなわち、レーザ光を被加工物(ガラス板のような透明脆性材料)のほぼ表面上に集光させた上、熱応力の作用によって被加工物の表面に亀裂を発生させ、これを進展させることによって被加工物を加工する際、亀裂の進展はレーザ光の走査(定速)に対して間欠的に急激に進行するため、亀裂の間欠的な進展距離が大きいと、所望の進展方向以外の方向へ亀裂が進展するという問題があった。そこで、乙209公報に記載された技術は、被加工物上のレーザ光の照射部分近辺に検出用光を照射した上、被加工物の上面を透過し、下面及び上面で反射しながら進行し、亀裂の位置で反射した検出用光を撮像手段に入射させ、撮像手段により撮像された映像から亀裂の先頭位置を検出し、検出した亀裂の先頭位置に基づいて被加工物の移動を制御し、もって、所望の進展方向以外の方向への亀裂の進展を抑制するものである。 そうすると、乙209公報に記載された検出用光は、被加工物の表面を透過してその内部を進行するものではあるものの、乙209公報によっても、シリコンウェハの内部にレーザ光を集光させて改質領域を形成し、これを切断の起点とするという乙150発明’が属する技術分野において、外部から視認し得ない改 るものではあるものの、乙209公報によっても、シリコンウェハの内部にレーザ光を集光させて改質領域を形成し、これを切断の起点とするという乙150発明’が属する技術分野において、外部から視認し得ない改質領域自体の様子を観察することが本件特許2の原出願日当時の当業者にとって自明であったと認めることはできない。 d 以上のとおりであるから、乙154公報、乙152公報及び乙209公報によっても、シリコンウェハの内部にレーザ光を集光させて改質領域を形成し、これ- 122 -を切断の起点とするという乙150発明’が属する技術分野において、外部から視認し得ない改質領域自体の様子を観察することが本件特許2の原出願日当時の当業者にとって自明であったと認めることはできず、その他、そのような事実を認めるに足りる証拠はない(仮に、控訴人が主張する「ウェハの加工時に赤外線等を用いて加工状態を観察する」との技術が本件特許2の原出願日当時の当業者にとって自明であったとしても、そこでいう「加工状態を観察する」とは極めて抽象的な概念であり、「加工状態を観察する」といっても実に様々な態様のものを含むのであるから、乙150発明’において相違点①に係る本件発明2-1の構成とすることを具体的に動機付けるものとはいえない。)。 (イ) 控訴人は、乙150公報(【0091】)には、乙150発明の撮像素子121として赤外線用のものを用いることができると記載されていると主張するが、乙150公報(【0049】、【0050】、【0054】、【0055】、【0069】、【0091】)によると、乙150発明’においては、観察用光源117が光を発して加工対象物1の表面3を照明し、撮像素子121が照明された加工対象物1の表面3を撮像し、この撮像データが撮像データ処理部125に送られ、撮 と、乙150発明’においては、観察用光源117が光を発して加工対象物1の表面3を照明し、撮像素子121が照明された加工対象物1の表面3を撮像し、この撮像データが撮像データ処理部125に送られ、撮像データ処理部125がこの撮像データに基づいて観察用光源117の光の焦点が加工対象物1の表面3に位置するような焦点データを演算し、この焦点データがステージ制御部115に送られ、ステージ制御部115がこの焦点データに基づいてZ軸ステージ113をZ軸方向に移動させるのであり、要するに、観察用光源117及び撮像素子121は、レーザ光Lのフォーカス調整を行うものである。 そして、乙150公報には、加工対象物1の表面3を照射してフォーカス調整を行うにすぎない乙150発明’の観察用光源117及び撮像素子121について、加工対象物の内部の改質領域を撮像するとの構成を採用する動機付けとなる記載ないし示唆はないから、撮像素子121として赤外線用のものを用い得るとしても、そのことは、乙150発明’において相違点①に係る本件発明2-1の構成とすることを動機付けるものとはいえない。 - 123 -(ウ) 控訴人は、乙155公報ないし乙161公報を根拠に、赤外光を半導体ウェハ(半導体基板)に照射し、半導体ウェハを透過した赤外光を測定することで切断時の半導体ウェハの内部の状態を検査・観察することは本件特許2の原出願日前の周知技術であったと主張する。そこで、乙155公報ないし乙161公報の記載内容について検討する。 a 乙155公報について(a) 乙155公報には、次の記載がある。 「本発明は特に半導体ウエハの結晶欠陥を観察するのに適した試料観察装置に関する。 近年ICの高集積化と共により商品質の半導体ウエハが要求されている。中でも表面にエピタキシ 、次の記載がある。 「本発明は特に半導体ウエハの結晶欠陥を観察するのに適した試料観察装置に関する。 近年ICの高集積化と共により商品質の半導体ウエハが要求されている。中でも表面にエピタキシヤル成長半導体層を備えた半導体ウエハではこのエピタキシヤル層の改善が急務である。下地である半導体基板内部の結晶欠陥は銅を拡散してこの欠陥部にデコレートし、透過赤外光で暗部として観察することができる。 一方、エピタキシヤル層中の結晶欠陥はその表面にピツト(段差)として現われる。 従つて初期のエピタキシヤル層を得るには両者の相関を観ながら基体の品質、基体表面清浄化処理、エピタキシヤル成長条件を決定することが望ましい。 従来、試料表面及び内部像を観察するものとして、試料内部は透過赤外光で、試料表面は落射照明光の反射光で夫々イメージコンバータチユーブを用いて切換え観察する顕微鏡が公知である。 しかしながら表面像は通常のイメージコンバータチユーブによる光学顕微鏡の光学系を用いて捕えた場合、エピタキシヤル層表面のピツトは微細であるが故に不鮮明である上に、切換え操作の為に基板内部の欠陥との対応付けは難しく、殊にピツト、欠陥が多数存在するときには両者の相関を得ることは困難であつた。 他方、公知の微分干渉顕微鏡又は位相差顕微鏡に依ればピツト像の検出は可能なるものの基板内部の観察は出来なかつた。 - 124 -本発明は上記従来の光学顕微鏡が不鮮明であり、ピツトと基板内部の対応付けが困難であるという事情に鑑みて為されたもので、試料表面像を得る、可視光を用いた微分干渉顕微鏡又は位相差顕微鏡と、透過赤外光を可視光に変換して試料内部像を得る手段と、ピント調整手段とを備え、試料表面像及び内部像を同一視野内でオーバーラツプさせて観察するようにされてなり、 いた微分干渉顕微鏡又は位相差顕微鏡と、透過赤外光を可視光に変換して試料内部像を得る手段と、ピント調整手段とを備え、試料表面像及び内部像を同一視野内でオーバーラツプさせて観察するようにされてなり、以つて従来より鮮明でかつピツト像、内部欠陥両者の対応を容易につけることが出来る試料観察装置を提供するものである。 以下本発明を一実施例につき図面を参照して詳述する。 第1図は本実施例を説明する為の装置の概略的な断面図である。先ず透過赤外光を用いる微分干渉顕微鏡、落射可視光を用いる光学顕微鏡及びピント調整手段の各部に分けて説明する。 微分干渉顕微鏡では、第1のハロゲンランプ1から発した可視光はコンデンサレンズ2、ボラライザー(偏光板)3及び絞り4を径たのちハーフミラー5で試料6方向に直角に曲げられ、さらに断面がくさび状を為すウオラストンプリズム7、対物レンズ8を通つて試料6上方より落射照明する。反射光は再び前記対物レンズ8、プリズム7、ハーフミラー5をこの順に通過したのち、アナライザー(偏光板)9、接眼レンズ10を経て光電変換手段である、可視光から赤外光にわたつて感知するビジコン11(Pbo-Pbsビジコン、その他Siビジコン等)の入射面11aに結像し、白黒モニタテレビジヨン12の画面上に試料表面像を写し出す。 ここでボラライザー3で直線偏光にされた可視光は、ウオラストンプリズム7で互いに偏向方向が直角な2つの成分を有する光となつて試料に照射される。その反射光は試料表面の凹凸に応じた位相差を有し、アナライザー9を経てビジコン入射面11a上に形成された像には前記位相差に応じた色の分布が現われる。モニタテレビジヨン12の試料表面像は色の分布が白黒の濃淡として現われる。即ち試料表面の微細な波長オーダーの凹凸が濃淡パターンとして観察される。 形成された像には前記位相差に応じた色の分布が現われる。モニタテレビジヨン12の試料表面像は色の分布が白黒の濃淡として現われる。即ち試料表面の微細な波長オーダーの凹凸が濃淡パターンとして観察される。 次に試料内部像を得る光学顕微鏡では、第2のハロゲンランプ13から発した赤- 125 -外成分を含む光はコンデンサレンズ14a,14bを通過したのち、ミラー15で試料6方向に直角に曲げられ、赤外光のみを通過させるシリコンフイルタ15a、コンデンサレンズ16a,16bを介して試料6を裏面より赤外光を照射する。コンデンサレンズ16aと16b間には偏光観察可能にする偏光板17、及び絞り18が挿入されている。試料を通過した赤外光は、前記対物レンズ8、接眼レンズ10を経てビジコン入射面11aに結像し、ここで光電変換され、可視光に変換された試料内部像をモニタテレビジヨン12の画面上に写し出す。」(1頁左欄14行ないし2頁右欄5行)(b) 上記(a)のとおり、乙155公報には、第2のハロゲンランプ13から発せられた赤外成分を含む光がシリコンフイルタ15aを介して赤外光のみとなり、これが試料6(半導体ウエハ)の裏面(試料6を挟んで接眼レンズ10と反対側)から試料6に照射されて試料6を透過し、対物レンズ8、接眼レンズ10を経てビジコン入射面11aに結像し、ここで光電変換され、可視光に変換された試料6の内部像がモニタテレビジヨン12の画面上に写し出され、他に観測された試料6の表面像とあいまって、試料6の結晶欠陥を観察するとの技術が記載されている。 そうすると、乙155公報は、半導体ウエハである試料6を透過した赤外光を観測して半導体ウエハの内部の状態を観察するとの技術を開示するものではあるものの、半導体ウエハの切断に際して半導体ウエハの内部の改質領域 と、乙155公報は、半導体ウエハである試料6を透過した赤外光を観測して半導体ウエハの内部の状態を観察するとの技術を開示するものではあるものの、半導体ウエハの切断に際して半導体ウエハの内部の改質領域の状態を検査・観察する技術を開示するものではない。 b 乙156公報について(a) 乙156公報には、次の記載がある。 【0001】【産業上の利用分野】この発明は、例えば半導体ウエハや光検出素子の欠陥、ならびに液晶パネルなどの被検体の欠陥を検査する装置の改良に関するものである。 【0002】【従来の技術】図6は従来のこの種の検査装置で半導体ウエハの検査を行う場合の- 126 -例を示す図であり、図において、1は被検体、2は被検体を保持する微動台、3は被検体と接触するプローブ、4は被検体のプローブからの電気エネルギを供給する第1の電極、5は同じく電気エネルギを供給する第2の電極、6は直流電源、7は直流電源から被検体に流れる電流を測定する電流検出部、8は電流検出部の判定基準電流値を設定するしきい値設定部、そして9は異常な電流が流れた時に点灯する欠陥表示灯である。 【0003】次に動作について説明する。微動台2は被検体1の位置と高さを精密に設定することができる。ここで被検体上の電極4と電極5が各々対応するプローブ3と接触するように微動台の位置を調整すると、直流電源6と電流検出部7と被検体1とからなる閉回路に電流が流れる。なお、この例での被検体は、P-N接合の整流器とする。ここで、整流器の正方向に直流電圧を印加すると順電流が流れる。 正常な整流器の場合、この電流値は一定の値である。また、整流器の逆方向に直流電圧を印加すると微少な逆電流が流れる。正常な整流器の場合、この電流値は上述の電流値とは別な値となる。ここで、しきい値設定部8の な整流器の場合、この電流値は一定の値である。また、整流器の逆方向に直流電圧を印加すると微少な逆電流が流れる。正常な整流器の場合、この電流値は上述の電流値とは別な値となる。ここで、しきい値設定部8の値を上述の順電流と逆電流の値に設定しておくと、電流検出部7は上記設定した電流に合致しない被検体を検出した時、欠陥表示灯9を点灯させて検査員に欠陥品の存在を知らしめることができる。 【0004】【発明が解決しようとする課題】従来の検査装置は以上のように構成されているので、欠陥の検査はあらかじめ設定してある電流値と被検体に流れる電流値との差異を検出することによって行われていた。しかしながら電力半導体を除けば近年の半導体デバイスは省電力化の方向へ移行してるため、上述の設定する電流値はごく微少であり、当然の事ながら検出すべき電流の絶対値も低くなり、このため微少な雑音や環境の変化で誤検出を生じるなどの問題を有していた。また、半導体ウエハは製造プロセスに投入される前に、クラック等の欠陥の検査が実施される。しかし、一般にクラックは半導体ウエハのへきかい面に沿って発生するために半導体ウエハ- 127 -の地の模様と見誤り易く、目視または可視カメラなどによるクラックの検査方法では満足の行く検出性能および誤検出性能を実現することは困難であった。 【0005】この発明の実施例1による赤外検査装置は、上述のような問題点を解消するためになされたものであり、半導体ウエハなどの微少なクラックなどの欠陥の有無の検査を容易にかつ高い検出率で実施することができる装置を実現するものである。 【0010】【課題を解決するための手段】この発明の実施例1による検査装置は、赤外線を透過する被検体の裏面側より赤外光を照射する手段を備えたものである。 【0015】【作用】 のである。 【0010】【課題を解決するための手段】この発明の実施例1による検査装置は、赤外線を透過する被検体の裏面側より赤外光を照射する手段を備えたものである。 【0015】【作用】この発明の実施例1による赤外検査装置は、被検体の裏面より赤外光を照射することができるため、被検体の透過光を映像化することができる。このため例えばパターン焼き付け加工などを施す前の半導体ウエハの段階での、表面に現れる部分が微少なクラックをも検出することが可能となる。 【0020】【実施例】実施例1.図1は、この発明の実施例1を示す構成図であり、図において1は赤外光を透過する被検体、2は被検体を保持する微動台、10は別に設けた赤外光源、11は赤外光源に密着して設置した拡散器、12は拡散器から出射した赤外線、13は被検体を透過した赤外線、14は赤外線レンズ、15は赤外線レンズを装着した赤外線カメラ、そして16は赤外線カメラの映像信号を入力するモニタである。 次に動作について説明する。赤外光源10からでた赤外線は、拡散器11によって空間的に均一にされて、出射した赤外線12となる。出射した赤外線12は被検体1を、その裏面から照射する。ここで被検体1は微動台2によって、この例では両側より保持されている。このため微動台を調整することにより、赤外線カメラに対して任意の水平および垂直の位置に被検体の位置を設定することができる。すなわ- 128 -ち被検体の任意の位置を撮像すること、および被検体にピントを合わせることを行うことが可能となる。さて、出射した赤外線12は被検体1を裏面から照射して、表面へ通り抜けて、透過した赤外線13となる。透過した赤外線13は赤外線レンズ14によって赤外線カメラ15の内部の受光素子に被検体の像を結ぶ。赤外線カメラ15はこの 2は被検体1を裏面から照射して、表面へ通り抜けて、透過した赤外線13となる。透過した赤外線13は赤外線レンズ14によって赤外線カメラ15の内部の受光素子に被検体の像を結ぶ。赤外線カメラ15はこの像を光電変換した後、増幅、信号処理して規定のビデオ信号に変換する。モニタ16はこのビデオ信号を入力し、目視で確認できる映像にして表示する。ここで被検体1が、例えばパターン加工などを施す前の半導体のシリコンウエハとすると、その中に潜む微少なクラックを目視で確認することはすでに述べたように困難であるが、この装置を用いればクラックとその他の部分とは赤外線の透過状態が異なるために、容易にクラックを検出することが可能となる。詳細に説明すると、まずシリコンウエハは3~5μmの赤外線を透過する。ここでクラック以外の部分はシリコンの単結晶であるために、その赤外線画像は赤外線の透過状態が一定であるために、一様である。一方クラックの部分はその部分で赤外線の反射および吸収が生じるために、クラックと同じ形の「影」が発生する。このためモニタ画像を目視で検査することによって微少なクラックまでも容易に発見することができる。なお、上記実施例ではクラックの検出をモニタを目視することによって人間が行う装置について述べたが、計算機とソフトウェアを備えて自動検出を実施しても良い。また、上記実施例では半導体ウエハの被検体について説明したが、それ以外の赤外線を透過する物であってもかまわない。さらに上記実施例では3~5μmの帯域で感度を有する赤外線カメラを用いた例について説明したが、被検体と赤外光源の種類に応じて8~10μmの帯域で感度を有するカメラを用いても良いし、さらにこれ以外の波長帯で感度を有する赤外線カメラを用いても、もちろん良い。なお、上記実施例では赤外光源が発生する赤外線を空 源の種類に応じて8~10μmの帯域で感度を有するカメラを用いても良いし、さらにこれ以外の波長帯で感度を有する赤外線カメラを用いても、もちろん良い。なお、上記実施例では赤外光源が発生する赤外線を空間的に均一に分布させるために拡散器を用いたが、赤外光源が発生する赤外線が使用する赤外線カメラの分解能と視野の広さに比べて、十分な均一性を有している場合は用いなくともかまわない。 また、上記実施例では微動台で保持した被検体を水平、垂直の方向に移動させたが、- 129 -赤外線カメラを移動しても良いし、またさらにはこれら両者を移動できるようにしても、もちろん良い。 【0025】【発明の効果】以上のように、この発明の実施例1によれば赤外光源を赤外線を透過する被検体の裏面より照射して赤外線カメラで検査するようにしたので従来目視あるいは可視カメラで検出することが困難であった微少なクラックのような欠陥をも発見することができる検査装置を実現することが可能となった。 (b) 上記(a)のとおり、乙156公報には、赤外光源10から出た赤外線が拡散器11によって空間的に均一にされて出射した赤外線12となり、出射した赤外線12が被検体1(半導体ウエハ等)の裏面(被検体1を挟んで赤外線カメラ15と反対側)から照射され、表面へ通り抜けて被検体1を透過した赤外線13となり、透過した赤外線13が赤外線レンズ14によって赤外線カメラ15の内部の受光素子に被検体1の像を結び、赤外線カメラ15がこの像を光電変換した後、増幅・信号処理をして規定のビデオ信号に変換し、モニタ16がこのビデオ信号を入力し、目視で確認できる映像にして表示し、もって、被検体1の欠陥(半導体ウエハの光検出素子の欠陥等)を検出するとの技術が記載されている。 そうすると、乙156公報は、半導体ウエハ のビデオ信号を入力し、目視で確認できる映像にして表示し、もって、被検体1の欠陥(半導体ウエハの光検出素子の欠陥等)を検出するとの技術が記載されている。 そうすると、乙156公報は、半導体ウエハ等である被検体1を透過した赤外線13を観測して被検体1の内部の状態を観察するとの技術を開示するものではあるものの、半導体ウエハの切断に際し半導体ウエハの内部の改質領域の状態を検査・観察する技術を開示するものではない。 c 乙157公報について(a) 乙157公報には、次の記載がある。 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線を利用した撮像により、半導体ウェーハ等の内部に形成された特定の領域を検出する方法に関し、詳しくは、深さ方向に複数積層された回路面の中から、特定の領域を検出するようにした領域の検出方法- 130 -に関するものである。 【0002】【従来の技術】図6に示すようなIC等の回路が表面に複数形成された半導体ウェーハ50は、ストリート51によって区画されており、切削領域であるストリート51に沿って切削される前に、回路面に形成された特殊なパターンであるターゲット52が撮像手段によって検出される等して、切削すべきストリート51が検出される。 【0003】例えば、図6に示す回路においては、ターゲット52とストリート51との位置関係が予め決まっており、両者の位置関係は、切削装置に備えたメモリ等の記憶手段に予め記憶されている。従って、ターゲット52が検出されれば、自動的にストリート51も検出される。 【0004】しかし、上記の手法では、半導体ウェーハの表裏を反転して裏面を上にして裏面側から切削を遂行したり、または回路面がサンドイッチ状に内部に形成された回路が表裏面に現れない特殊なワークを切削したりする場合に かし、上記の手法では、半導体ウェーハの表裏を反転して裏面を上にして裏面側から切削を遂行したり、または回路面がサンドイッチ状に内部に形成された回路が表裏面に現れない特殊なワークを切削したりする場合には、切削すべき領域を検出することができない。 【0005】そこで出願人は、赤外線の透過性を利用すれば、半導体ウェーハの内部を観察できることに着目し、赤外線を利用した撮像手段を開発し、特開平7-75955号公報において開示した。 【0006】赤外線の透過性を利用すれば、焦点の位置を調整することにより、半導体ウェーハの裏面や内部を撮像することもでき、検出すべき回路面が裏面や内部に形成されている場合にも、切削すべき領域を検出することができる。 【0007】【発明が解決しようとする課題】ところが、複数の回路面が積層されている半導体ウェーハにおいては、赤外線を照射して深さ方向の焦点を変化させると、赤外線の透過性によって積層された複数の回路面を検出してしまい、ストリートとの位置関係が予めわかっているターゲットを有する回路面がどれであるのかを探し出すこと- 131 -ができないという問題が生じる。また、オートフォーカスにより自動的に焦点を合わせる場合にも、撮像素子が焦点位置を判断することができないことがありうる。 【0008】従って、従来の赤外線による切削領域の検出においては、検出すべき回路面を的確に検出できるようにすることに解決しなければならない課題を有している。 【0009】【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための具体的手段として本発明は、半導体ウェーハの内部に形成された検出すべき領域を赤外線によって撮像して検出する領域の検出方法であって、半導体ウェーハの種別によって検出すべき領域の深さ方向の位置を予め記憶手段に記憶させてお 明は、半導体ウェーハの内部に形成された検出すべき領域を赤外線によって撮像して検出する領域の検出方法であって、半導体ウェーハの種別によって検出すべき領域の深さ方向の位置を予め記憶手段に記憶させておき、該記憶手段に記憶させた位置に撮像手段の焦点を合わせて半導体ウェーハの所要位置を検出するようにした領域の検出方法を提供するものである。 【0010】本発明においては、半導体ウェーハの種別によって検出すべき領域の深さ方向の位置を予め記憶手段に記憶させておき、記憶手段に記憶させた位置に撮像手段の焦点を合わせて半導体ウェーハの所要位置を検出するようにしたことにより、複数の回路面が積層された半導体ウェーハであっても、検出すべき領域を的確かつ迅速に検出することができる。 【0015】【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例として、半導体ウェーハを切削(ダイシング)する際に行う切削領域の検出について説明する。 【0016】切削しようとする半導体ウェーハ10の内部には、図1に示すように、複数の回路面、例えば回路面11、12が積層されており、積層された複数の回路面のうちの一つの回路面11には、従来例で示した半導体ウェーハと同様に、切削領域であるストリートが形成され、また、当該ストリートと一定の位置関係を有する特殊なパターンであるターゲットが形成されている。また、通常、半導体ウェーハ10は、図2に示すように回路が形成された表面を表側にして、保持テープ15- 132 -を介してフレーム16に保持されているが、本実施の形態においては、回路面は裏側になるか、またはサンドイッチ状になって内部に形成されており、視認することはできない。 【0017】半導体ウェーハ10のダイシングは、例えば、図3に示す切削装置の一つであるダイシング装置20において行われる またはサンドイッチ状になって内部に形成されており、視認することはできない。 【0017】半導体ウェーハ10のダイシングは、例えば、図3に示す切削装置の一つであるダイシング装置20において行われる。このダイシング装置20においては、フレーム16に保持された半導体ウェーハ10は、チャックテーブル21に載置される。そして、チャックテーブル21のX軸方向の移動によって、アライメントユニット22の直下に半導体ウェーハ10が位置付けられ、装置の内部に設けられて装置の各部を制御する制御装置(図示せず)の制御の下、パターンマッチングによりターゲットを検出し、切削位置であるストリート13と切削ブレード23との位置合わせ、即ち、アライメントが遂行される。 【0018】アライメントユニット22は、図4に示すように、光を照射する照明手段23と、半導体ウェーハ10において反射した光を拡大する光学手段24と、光学手段24から供給される光を撮像する撮像手段25とから概略構成されている。 【0019】照明手段23は、内部に発光体26を備えており、この発光体26は、調光器27を介して電源(図示せず)に接続され、可視光線及び赤外線を発することができる。また、発光体26の下方には熱線吸収フィルタ28が取り付けられている。 【0020】光学手段24には、対物レンズ29と、ハーフミラー30と、赤外線狭帯域フィルタ31とを備えており、対物レンズ29は、半導体ウェーハ10と対峙する位置に配設され、その上方に配設されたハーフミラー30は、グラスファイバー32を介して照明手段23と接続されている。更に、ハーフミラー30の上方には、赤外線のみを透過する赤外線狭帯域フィルタ31が配設されている。なお、ここに配設するフィルタは、赤外線狭帯域フィルタと可視光線を透過する可視光線狭帯域フ れている。更に、ハーフミラー30の上方には、赤外線のみを透過する赤外線狭帯域フィルタ31が配設されている。なお、ここに配設するフィルタは、赤外線狭帯域フィルタと可視光線を透過する可視光線狭帯域フィルタとを切り替えることができ、赤外線によるアライメント、可視光線によるアライメントができる切り替え式のものであってもよい。 - 133 -【0021】撮像手段25は、例えば、光域が広く可視光線から赤外線までを認識可能なCCDカメラ等の撮像素子33を含んでおり、光学手段24に対して光軸が一致するよう配設されている。更に、撮像手段25には、半導体ウェーハ10の焦点位置を、例えばZ軸上の座標によって記憶させることができるメモリ等からなる記憶手段34を備え(制御装置内に備えてもよい)、この記憶手段34に記憶させた焦点位置に自動的に焦点を合わせる機能を有している。また、撮像手段25はモニター35に接続され、撮像した画像はモニター35に表示されるようになっている。 【0022】通常、ターゲットを有する回路面のZ軸上の位置は、半導体ウェーハの設計段階で決定されている。従って、アライメントを行う前に、予めZ軸上の位置を記憶手段34に設定しておくことができる。また、ターゲットを有する回路面のZ軸上の位置が設計段階で決定されていなかった場合には、撮像手段25によって撮像して得た情報に基づいてオペレータが観察して検出した位置を記憶手段34に設定すればよい。 【0023】回路面11のZ軸上の位置を記憶させる際は、ダイシング装置20の操作パネル36を操作して、記憶手段34に、回路面11のZ軸上の位置を数値によって入力して記憶させておく。例えば、図1に示したように、チャックテーブル21の表面をZ軸上の原点とした場合には、この原点からの相対的な距離Dが焦点位置と 34に、回路面11のZ軸上の位置を数値によって入力して記憶させておく。例えば、図1に示したように、チャックテーブル21の表面をZ軸上の原点とした場合には、この原点からの相対的な距離Dが焦点位置として記憶手段34に設定される。 【0024】そして、照明手段23の発光体26から赤外線成分を含む光を半導体ウェーハ10に照射すると共に、対物レンズ29を上下動させる等して、予め記憶手段34に記憶させておいたZ軸上の焦点位置Dに撮像素子33の焦点を合わせると、モニター35には、図5に示したようなターゲット14を有する回路面11の画像が表示される。 【0025】図5に示した回路面において、ストリート14は、所定間隔を置いて格子状に配列された直線状領域であり、ストリート14によって区画された多数の- 134 -矩形領域17には、回路パターンが施されている。また、ターゲット14は、ストリート13の切削位置の検出時の基準となる特徴点であり、ストリート13とターゲット14との位置関係は予め記憶手段34に記憶されている。従って、ターゲット14をパターンマッチング等で検出すれば、自動的にストリート13の位置を検出することができ、ストリート13と切削ブレード23との位置合わせ、即ち、アライメントが行われる。 【0026】従来は、記憶手段34に焦点位置を記憶させておかなかったために、回路面が裏側になった半導体ウェーハの場合には、回路面を検出することが困難であった。また、回路面がサンドイッチ状になって内部に複数の回路面が積層されている回路面が表裏に現れないタイプの半導体ウェーハの場合は、深さ方向に焦点を変化させると複数の回路面を検出してしまい、ストリートとの位置関係がわかっている回路面のみを検出することが困難であった。 【0027】しかし、記憶手段34に焦 導体ウェーハの場合は、深さ方向に焦点を変化させると複数の回路面を検出してしまい、ストリートとの位置関係がわかっている回路面のみを検出することが困難であった。 【0027】しかし、記憶手段34に焦点位置を記憶させておけば、撮像素子33は、記憶手段34に記憶させた焦点位置に焦点を合わせるのみで容易に所望の回路面を検出することができるのである。従って、オペレータがモニター35に映し出された画像を見ながら焦点を定める必要がなくなる。 【0030】以上のようにして切削すべき領域が検出されてアライメントが行われた後、検出された領域が切削されてダイシングが行われるのである。 【0031】なお、本発明に係る領域の検出方法は、上記説明したアライメント時の切削領域の検出だけでなく、切削途中における切削状況の監視等にも利用することができる。 【0032】【発明の効果】以上説明したように本発明は、半導体ウェーハの種別によって検出すべき領域の深さ方向の位置を予め記憶手段に記憶させておき、記憶手段に記憶させた位置に撮像手段の焦点を合わせて半導体ウェーハの所要位置を検出するようにしたことにより、複数の回路面が積層された半導体ウェーハであっても、検出すべ- 135 -き領域を的確かつ迅速に検出することができるため、切削等を正確かつ効率よく遂行することができる。 (b) 上記(a)のとおり、乙157公報には、発光体26が赤外線成分を含む光を発し、これを半導体ウェーハ10に照射し、半導体ウェーハ10において反射した光がこれを拡大する光学手段24(対物レンズ29、ハーフミラー30及び赤外線狭帯域フィルタ31を備えるもの)を通り、光学手段24から供給される光が撮像手段25(撮像素子33を含むもの)によって撮像された上、制御装置による制御の下、パターンマッチン ーフミラー30及び赤外線狭帯域フィルタ31を備えるもの)を通り、光学手段24から供給される光が撮像手段25(撮像素子33を含むもの)によって撮像された上、制御装置による制御の下、パターンマッチングによりターゲット14(半導体ウェーハ10の内部に形成された特殊なパターン)が検出され、ストリート13(半導体ウェーハの内部に形成された切削領域)と切削ブレード23との位置合わせ(アライメント)が行われるとの技術が記載されている。なお、この技術は、切削途中における切削状況の監視等にも利用することができるものである。 そうすると、乙157公報は、半導体ウェーハ10において反射した赤外線を用いて半導体ウェーハ10の内部に形成されたターゲット14及びストリート13を検出し、これにより、半導体ウェーハの切削に先立ってストリート13と切削ブレード23との位置合わせを行うのみならず、切削途中においても、切削状況の監視等を行うとの技術を開示するものではあるものの、半導体ウェーハの内部の改質領域の状態を検査・観察する技術を開示するものではない。 d 乙158公報について(a) 乙158公報には、次の記載がある。 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、半導体ウェハからチップを切り出すためにウェハをスクライブするウェハスクライブ装置及び方法に関する。 【0002】【従来の技術】図2は従来のレーザダイオードの半導体チップを切り出すためのウェハスクライブ装置の主要部を示す斜視図である。図2において、半導体ウェハ1- 136 -01を裏返して表面を下に向けてステージ台102に固定し、次に半導体ウェハ101のオリエンテーションフラット104の位置を検出する。半導体ウェハ101の表面上に形成されたレーザダイオードチップの分割ラインに対応する裏面( に向けてステージ台102に固定し、次に半導体ウェハ101のオリエンテーションフラット104の位置を検出する。半導体ウェハ101の表面上に形成されたレーザダイオードチップの分割ラインに対応する裏面(上側の面)の線に沿うべくオリエンテーションフラット104に直交する方向にツール103により複数のスクライブラインを形成する。また、さらに半導体ウェハ101の裏面にオリエンテーションフラット104に平行な方向にオリエンテーションフラット104から所定の距離ごとに複数のスクライブラインを形成する。 【0003】なお、レーザダイオードチップは短冊形で、オリエンテーションフラット104に平行な方向のスクライブラインは高精度な位置が要求されるがオリエンテーションフラット104に直交する方向のスクライブラインの位置は精度が要求されない。 【0004】【発明が解決しようとする課題】上述した従来のウェハスクライブ装置では、ウェハの裏面をスクライブしているため、ウェハ表面に設けられた回路パターン等を直接観察できないのでオリエンテーションフラットを基準にチップの切り出しを行っているが、切り出し精度が悪く、特にオリエンテーションフラットに平行な方向のスクライブラインの位置精度が要求される精度に対して十分でないという問題があった。 【0005】【課題を解決するための手段】本発明のウェハスクライブ装置は、半導体ウェハをスクライブするツールと、半導体ウェハを固定し赤外光を透過するプレートと、前記プレートを一平面上で移動及び回転させるXYθテーブルと、前記半導体ウェハに向かって赤外光を出射する赤外光源と、前記赤外光による前記半導体ウェハの透過映像を撮像する赤外カメラと、前記赤外カメラで撮像した透過映像から前記半導体ウェハ上のチップ分割線の位置を認識する画像認識 に向かって赤外光を出射する赤外光源と、前記赤外光による前記半導体ウェハの透過映像を撮像する赤外カメラと、前記赤外カメラで撮像した透過映像から前記半導体ウェハ上のチップ分割線の位置を認識する画像認識ユニットとを含み、前記ツールを前記チップ分割線に沿って移動させて前記半導体ウェハをスクライブすること- 137 -を特徴とする。 【0006】本発明のウェハスクライブ方法は、半導体ウェハを赤外光を透過するプレートに固定し、前記半導体ウェハの赤外光による透過映像から前記半導体ウェハ上のチップ分割線の位置を認識し、前記チップ分割線に沿ってツールを移動させて前記半導体ウェハをスクライブすることを特徴とする。 【0007】本発明は、表面に電子回路が設けられた半導体ウェハの裏面をスクライブする半導体ウェハスクライブ方法において、前記半導体ウェハの表面を赤外光を透過するプレートに固定し、前記半導体ウェハの赤外光による透過映像から前記半導体ウェハ上のチップ分割線の位置を認識し、前記チップ分割線に沿ってツールを移動させて前記半導体ウェハの裏面をスクライブすることを特徴とする。 【0008】【実施例】次に本発明について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例のウェハスクライブ装置の主要部の斜視図である。 【0009】本実施例は、半導体ウェハ1からチップ2を切り出すために半導体ウェハ1をスクライブするもので、半導体ウェハ1をスクライブするツール3と、半導体ウェハ1を吸着固定し、光を透過するガラスプレート4と、ガラスプレート4が固定され、ウェハ1を任意の位置及び向きへ位置決めするXYθテーブル5と、XYθテーブル5の下方よりウェハ1に向かって赤外光を出射する赤外光源6と、赤外光によるウェハ1の透過映像を撮像する赤外カメラ7と、赤外カメラ7で撮像し 置及び向きへ位置決めするXYθテーブル5と、XYθテーブル5の下方よりウェハ1に向かって赤外光を出射する赤外光源6と、赤外光によるウェハ1の透過映像を撮像する赤外カメラ7と、赤外カメラ7で撮像した透過映像から切り出すべきチップ2の位置を認識する画像認識ユニット8とで構成される。 【0010】ツール3は一定直線上を往復移動しスクライブする先端を半導体ウェハ1に対し押し付けたり離したりするように上下動が可能である。ガラスプレート4には真空吸着用の複数の孔が設けられている。XYθテーブル5の中央部には上下に貫通する穴が設けられ、XYθテーブル5の下側に設けられた赤外光源6からの赤外光はガラスプレート4上の半導体ウェハ1に到達する。半導体ウェハ1はガ- 138 -リウムヒ素等の赤外光を透過する素材からなる。半導体ウェハ1には表面にチップ分割線を示すマークをアルミニウム等により設けておく。 【0011】半導体ウェハ1を裏面が上側となるようにガラスプレート4に吸着固定させ、XYθテーブル5により赤外カメラ7の視野内に半導体ウェハ1を移動させる。次に赤外光源6から赤外光を半導体ウェハ1に出射し、その透過光を赤外カメラ7で撮像する。これにより半導体ウェハ1の表面に形成されたパターン画像を画像認識ユニット8に取り込み、分割線を示すマークに従ってスクライブする線を検出する。検出した半導体ウェハ1上の線に沿ってツール3がスクライブできるようにXYθテーブル5により半導体ウェハ1を位置決めし、ツール3を移動させて半導体ウェハ1の裏面をスクライブする。このように縦横に複数のスクライブラインを半導体ウェハ1に設ける。 【0012】本発明は、赤外光源を半導体ウェハの上側に設け、赤外カメラをガラスプレートの下側に設けてもよい。また、半導体ウェハを吸着するプレ 縦横に複数のスクライブラインを半導体ウェハ1に設ける。 【0012】本発明は、赤外光源を半導体ウェハの上側に設け、赤外カメラをガラスプレートの下側に設けてもよい。また、半導体ウェハを吸着するプレートはガラスプレートに限らず赤外線を透過する材質のものであればよい。 【0013】【発明の効果】以上説明したように本発明は、半導体ウェハの表面に形成されたパターンの赤外光による透過像からスクライブ位置を検出してスクライブを行っているため、半導体ウェハの裏面をスクライブするために表面をプレートに固定した場合でも、位置精度よく半導体ウェハをスクライブできるという効果がある。 (b) 上記(a)のとおり、乙158公報には、ウェハスクライブ装置の下部に設けられた赤外光源6から出射された赤外光がガリウムヒ素等の赤外光を透過する素材からなる半導体ウェハ1(XYθテーブル5に固定された赤外光を透過するガラスプレート4に表面を下側にして吸着固定されたもの)に到達してこれを透過し、赤外カメラ7がその透過光を撮像し、これにより画像認識ユニット8が半導体ウェハ1の表面に形成されたパターン画像(チップ分割線を示すマーク)を取り込み、チップ分割線を示すマークに従ってスクライブする線を検出するとの技術が記載され- 139 -ている。 そうすると、乙158公報は、半導体ウェハ1を透過した赤外光を観測して半導体ウェハ1の表面(ガラスプレート4に吸着固定された側の面)に形成されたチップ分割線を示すマークに従ってスクライブする線を検出するとの技術を開示するものではあるものの、半導体ウェハの内部の改質領域の状態を検査・観察する技術を開示するものではない。 e 乙159公報について(a) 乙159公報には、次の記載がある。 【0001】【産業上の利用分野 の、半導体ウェハの内部の改質領域の状態を検査・観察する技術を開示するものではない。 e 乙159公報について(a) 乙159公報には、次の記載がある。 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造方法にかかり、詳しくは、半導体ウエハを個々の半導体チップに分割する方法に関する。 【0002】【従来の技術】従来から、半導体素子や集積回路が形成された半導体ウエハを個々の半導体チップに分割する方法として、スクライビング法といわれる方法がある。 この分割方法は、半導体素子が形成されていないウエハ裏面に伸張性を有する仮止テープを貼付したのち、半導体ウエハの表面に半導体チップの外形に沿う浅い分割溝(分割用切込み)をダイアモンドカッタやレーザ照射によって形成し、半導体ウエハをゴムローラなどで押圧して撓ませ、前記した分割溝に沿って半導体ウエハを割る、というものである。 【0003】【発明が解決しようとする課題】ところが、このスクライビング法によれば、分割溝の形成の際にワレ、カケが発生することがある。特に、半導体ウエハの端部が鋭角となって欠けやすく、かつ欠けた部分が素子形成面であるウエハ表面に付着して電極間の短絡を起こし、素子信頼性を低下させるという問題があった。 【0004】さらに、このようにしてワレ、カケが発生するのは、ウエハ表面、すなわち半導体素子形成面であり、これによって半導体チップの外見を損なうという- 140 -問題もあった。 【0005】本発明はかかる従来の問題点に鑑み、分割時に発生するワレ、カケ等の破片が素子形成面へ付着することと、このようなワレ、カケが素子表面側に発生することの防止を目的としている。 【0006】【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明の半導体製造方法は、 面へ付着することと、このようなワレ、カケが素子表面側に発生することの防止を目的としている。 【0006】【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明の半導体製造方法は、半導体ウエハを分割するための分割用切込みを半導体ウエハの一面に形成する際において、該一面を半導体素子が形成されていない面にしたことに特徴を有している。 【0007】なお、半導体ウエハを透過しうる光線を他面側から半導体ウエハに向かって照射し、該透過光線によって前記半導体素子の形成位置を確認しながら前記分割用切込みを形成することが好ましく、さらには、前記分割用切込みを形成するまえに、仮止シート材を半導体素子が形成されている面に設けることが好ましい。 【0008】【作用】上記構成によれば、分割用切込みは、半導体素子が形成されていない面に形成されるので、分割用切込み形成時に発生するワレ、カケ等のキズが半導体形成面に発生することはなくなる。また、仮止シート材を半導体素子が形成されている面に設けると、分割時に発生するワレ、カケ等の破片が、半導体素子形成面に付着することがなくなる。 【0009】【実施例】以下、本発明による半導体ウェハの製造方法の一実施例を、その手順にしたがって説明する。なお、第1図それぞれは手順ごとの半導体ウェハを示す説明図であり、これらの図における符号10は半導体ウエハ、11は半導体チップで、Aは半導体ウエハ10表面に形成された半導体素子である。 【0010】まず、図1(a)に示すように、半導体ウエハ10に伸張性を有する仮止シート材12を貼り付ける。貼付の際には、半導体ウエハ10の表面、すなわ- 141 -ち、半導体素子が形成されている面10aと仮止シート材12とを向かい合わせ、仮止めシート材12によって表面10aが覆われ 2を貼り付ける。貼付の際には、半導体ウエハ10の表面、すなわ- 141 -ち、半導体素子が形成されている面10aと仮止シート材12とを向かい合わせ、仮止めシート材12によって表面10aが覆われるようにしておく。 【0011】仮止シート材12を張り付けたのち、ダイヤモンドカッタ13によって半導体ウエハ10の所定位置にスクライブライン(分割用切込み)14を形成する。 スクライブライン14は半導体素子裏面、すなわち、半導体素子が形成されていない面10bに形成する。スクライブライン14刻設時には、シート材12外側に、赤外線ランプ15を、さらに、ウエハ10は挟んでこの赤外線ランプ15と対向する位置に赤外線カメラ16を配設しておく。そして、赤外線ランプ15から半導体ウエハ10に向かって赤外光Rを照射し、半導体ウエハ10を透過した赤外光Rを赤外線カメラ16によって捕らえる。捕られた透過赤外光RはCRTモニター17に映し出され、この透過赤外光Rによって、半導体ウエハ10上の半導体素子A配置構成が確認される。そのため、ウエハ裏面10bであるにもかかわらず、スクライブライン14を正確に形成することができる。また、スクライブライン14形成時には、従来と同様、ダイヤモンドカッタ13と接する部分に、ワレ、カケといった破損が生じることが考えられる。しかしながら、スクライブライン14は、ウエハ裏面10bに刻設されるので、ワレ、カケ等の破損によってチップ外見が損なれることにはならない。また、このとき、半導体ウエハ10の表面10aは仮止シート材12によって覆われているため、これら破片が付着することも起こらない。 【0015】【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ワレ、カケといった分割時に発生する半導体ウエハの破損箇所を、半導体素子が形成されていない面 これら破片が付着することも起こらない。 【0015】【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ワレ、カケといった分割時に発生する半導体ウエハの破損箇所を、半導体素子が形成されていない面、すなわち、半導体ウエハの裏面に限定することができた。したがって、ワレ、カケ等の破片がその反対面であるウエハ表面に付着しにくくなるとともに、分割作業によって半導体チップの外見上の見映えを損なうといった不都合がなくなった。そのため、製造歩留まりが向上し、さらには素子の信頼性も向上した。 【0016】くわえて、仮止シート材を半導体素子が形成されている面、すなわち、- 142 -半導体ウエハ表面に設ければ、この仮止シート材によって、ウエハ表面にワレ、カケ等の破片が付着することを完全に防止でき、歩留まりおよび素子の信頼性をより向上させることが可能になる。 (b) 上記(a)のとおり、乙159公報には、半導体ウエハ10(半導体素子Aが形成された表面10a(仮止シート材12を貼付したもの)を下側に、裏面10bを上側に配置したもの)の下方に配設した赤外線ランプ15が半導体ウエハ10に向かって赤外光Rを照射し、半導体ウエハ10を透過した赤外光Rが赤外線カメラ16(半導体ウエハ10を挟んで赤外線ランプ15と反対側に配設されたもの)によって捕らえられ、捕らえられた赤外光RがCRTモニター17に映し出され、もって、下側にあり、かつ、仮止シート材12によって覆われた半導体ウエハの表面10aに形成された半導体素子Aの配置構成を確認し、半導体ウエハの裏面10bにスクライブライン14を正確に形成するとの技術が記載されている。 そうすると、乙159公報は、半導体ウエハ10を透過した赤外線Rを観測して、下側にあり、かつ、仮止シート材12によって覆われた半導体ウエハ1 ブライン14を正確に形成するとの技術が記載されている。 そうすると、乙159公報は、半導体ウエハ10を透過した赤外線Rを観測して、下側にあり、かつ、仮止シート材12によって覆われた半導体ウエハ10の表面10aに形成された半導体素子Aの配置構成を確認するとの技術を開示するものではあるものの、半導体ウェハの内部の改質領域の状態を検査・観察する技術を開示するものではない。 f 乙160公報について(a) 乙160公報には、次の記載がある。 【0001】【発明の属する技分野】本発明はウエハプロービング装置に関し、特に、半導体LSIチップをウエハ状態で電気検査をする際に使うプロービング用の端子が形成されたプローブウエハを被検査ウエハ上に正確にアライメントし、プロービングを行なうウエハプロービング装置に関する。 【0002】【従来の技術】従来のウエハプロービング装置について図面を参照して詳細に説明- 143 -する。 【0003】図2は、従来の第一の例を示す側面図である。図2に示す第一のウエハプロービング装置は、半導体ウエハ18を検査するための検査ステージ11と、検査ステージ11の周囲に設置されたプローブカード自動位置合わせ機構12と、プローブカード自動位置合わせ機構12の構成要素であり、表面に数本等間隔で平行に幅を持った導電線(a~c)が形成された絶縁性のゴム13と、前記のおのおのの導電線(a~c)に接続されており、独立して各導電線(a~c)に電気信号が送信可能な電源14と、検査ステージ11の上方に位置するプローブカード15と、プローブカード15が装着されているインサートリング16と、プローブカード15に対してほぼ垂直に装着されているプローブ針17と、を含んで構成される(例えば、特開平1-265175号公報)。 【0 、プローブカード15が装着されているインサートリング16と、プローブカード15に対してほぼ垂直に装着されているプローブ針17と、を含んで構成される(例えば、特開平1-265175号公報)。 【0011】図5は、従来の第二の例を示す断面図である。図5に示すウエハプロービング装置は、複数のプローブ針を備えたテストプローブ装置の各プローブ針の先端を、ウエハの表面側に配列された複数のパッドに接触させる半導体素子検査方法において、上記ウエハを透過可能な検出用電磁波を上記ウエハの裏面側から照射すると共に、上記ウエハを載置するチャック台においては、少なくとも上記プローブ針の配置面積に相当する部分を上記電磁波が透過可能に構成しておき、上記電磁波のウエハ表面近傍での反射波によって上記ウエハの裏面側から上記各パッドと各プローブ針先端との位置を把握し、これにより両者の位置合わせを行うことを特徴とする(例えば、特開平5-142296号公報)。 【0015】【発明が解決しようとする課題】上述した従来の第一のウエハプロービング装置は、プローブ針とプローブカード自動位置合わせ機構上の導電線との間の電気的接触により求めたプローブ針配列と検査ステージの中心との位置関係と、CCDカメラを使ったパターン認識装置又はレーザを用いた認識機構により求めた検査ステージの中心とウエハの中心、ウエハの中心とICチップの形成位置の各位置関係からプロ- 144 -ーブ針配列とICチップの間の位置合わせを行なうため、プローブ針と半導体ウエハに形成されたICチップの電極パッドの位置関係を直接測定しておらず、各位置関係により間接的に位置関係を求めるため精度が各位置関係の精度の和となり精度が劣化し、さらに微細化された半導体ウエハに適用するには精度が不足するという問題点があった。 【0 測定しておらず、各位置関係により間接的に位置関係を求めるため精度が各位置関係の精度の和となり精度が劣化し、さらに微細化された半導体ウエハに適用するには精度が不足するという問題点があった。 【0016】上述した従来の第二のウエハプロービング装置は、プローブ針の先端とウエハのマーカを同時に観察する撮像光学系において、プローブ針の先端又は先端近傍のみを観察するように、その光学系の焦点深度を充分浅くする必要があり、あるいは、微細な半導体ウエハのパターン上のマーカをみれる様、その光学系を高倍率にするため必然的に焦点深度が浅くなり、そのため各プローブ針の先端をウエハ表面のわずか上方に位置させるか、又はウエハ表面に接触させる必要がある。このため、プローブ針がウエハ表面上の電極パッド以外の部分と又は接触しても良い部分以外の部分と、プローブ針とウエハ間距離が極めて狭いために、接触してしまう可能性がある、又は接触することにより半導体回路を破壊してしまう恐れがあるという問題点があった。 【0017】【課題を解決するための手段】第1の発明のウエハプロービング装置は、シリコンを透過する波長域の赤外光で被検査ウエハを照明する手段と、被検査ウエハのパターン面側にプロービング用の端子を配置したシリコンをベースにしたプローブウエハと、前記プローブウエハを被検査ウエハ面に対し垂直に移動させ、プローブウエハのプロービング端子を被検査ウエハ面に接触させたり離したりするプローブウエハ退避手段と、シリコンを透過する赤外域の一波長において被検査ウエハのパターン面上に焦点が合い、シリコンを透過する赤外域の別の一波長で前記プローブウエハ退避手段により退避状態である前記プローブウエハのプロービング端子に焦点が合う色収差をもつ赤外光用対物レンズと、シリコンを透過する前記赤外域の一 リコンを透過する赤外域の別の一波長で前記プローブウエハ退避手段により退避状態である前記プローブウエハのプロービング端子に焦点が合う色収差をもつ赤外光用対物レンズと、シリコンを透過する前記赤外域の一波長のみを透過する第一のダイクロイックフィルタと、シリコンを透過する前記赤外域- 145 -の別の一波長のみを透過する第二のダイクロイックフィルタと、前記第一のダイクロイックフィルタと前記第二のダイクロイックフィルタを前記赤外光用対物レンズの光路中に交互に出し入れする切り換え手段と、前記赤外光用対物レンズからの赤外光光束を結像する結像レンズと、前記結像レンズの結像面上に撮像面が位置する赤外カメラと、被検査ウエハパターンと前記プローブウエハのプロービング端子の像より双方のずれ量を算出しアライメントする手段と、を備えて構成される。 【0020】【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照して詳細に説明する。 【0021】図1は本発明の一実施例を示す構成図である。図1に示すウエハプロービング装置は、被検査ウエハ10の裏面よりシリコンを透過する波長域の赤外光で照明する赤外光照明装置1と、被検査ウエハ10のパターン面側にプロービング用の端子を配置したシリコンをベースにしたプローブウエハ2と、プローブウエハ2を被検査ウエハ10の表面に対し垂直に移動させ、プローブウエハ2のプロービング端子を被検査ウエハ10に接触させたり離したりするプローブウエハ退避装置3と、シリコンを透過する赤外域の一波長において被検査ウエハ10のパターン面上に焦点が合い、シリコンを透過する赤外域の別の一波長でプローブウエハ退避装置3により退避状態であるプローブウエハ2のプロービング端子に焦点が合う色収差をもつ赤外対物レンズ4と、シリコンを透過する前記赤外域の一波長のみを透 を透過する赤外域の別の一波長でプローブウエハ退避装置3により退避状態であるプローブウエハ2のプロービング端子に焦点が合う色収差をもつ赤外対物レンズ4と、シリコンを透過する前記赤外域の一波長のみを透過する第一のダイクロイックフィルタ5と、シリコンを透過する前記赤外域の別の一波長のみを透過する第二のダイクロイックフィルタ6と、第一のダイクロイックフィルタ5と第二のダイクロイックフィルタ6を赤外対物レンズ4の光路中に交互に出し入れする切り換え装置7と、赤外対物レンズ4からの光束を結像する結像レンズ8と、結像レンズ8の結像面上に撮像面が位置する赤外カメラ9と、被検査ウエハ10のパターンとプローブウエハ2のプロービング端子の像より双方のずれ量を算出しアライメントする手段91と、を含んで構成される。 【0022】赤外光照明装置1にて被検査ウエハ10の裏面よりシリコンを透過す- 146 -る波長域の赤外光で照明し、被検査ウエハ10の表面よりプローブウエハを通して被検査ウエハ10のパターンと退避状態のプローブウエハ2のプロービング端子とをそれぞれ別の波長において同時に焦点が合う様な色収差をもった赤外対物レンズ4により観察する。 【0023】被検査ウエハ10のパターン面上に焦点があう光の波長のみ透過させる第一のダイクロイックフィルタ5とプローブウエハ退避装置3により退避状態であるプローブウエハ2のプロービング端子に焦点が合う光の波長のみ透過させる第二のダイクロイックフィルタ6を切り換え装置7により切り換えて、被検査ウエハ10のパターンと退避状態のプローブウエハ2のプロービング端子双方を同一の光学系で観察することで正確な相対位置を測定して、高精度なアライメントを実現する。 【0024】アライメントを取った後、プローブウエハ退避装置3によりプローブ ウエハ2のプロービング端子双方を同一の光学系で観察することで正確な相対位置を測定して、高精度なアライメントを実現する。 【0024】アライメントを取った後、プローブウエハ退避装置3によりプローブウエハ2を被検査ウエハ10上におろしプロービングを行なう。ここで被検査ウエハ10のパターンと退避状態のプローブウエハ2のプロービング端子の像は結像レンズ8により赤外カメラ9の撮像面上に結像される。被検査ウエハ10のパターンと退避状態のプローブウエハ2のプロービング端子それぞれの像は図示しない画像処理装置により処理され、相対位置から位置ズレ量が算出される。この位置ズレ量を補正するように被検査ウエハ10を保持する図示しない検査ステージを駆動して被検査ウエハ10を動かしアライメントを取る。 【0025】赤外対物レンズ4の色収差は結像レンズ8を含んだものであり、赤外カメラ9の撮像面にうつる結像レンズ8により結像される像において、被検査ウエハ10のパターン面上とプローブウエハ退避装置3により退避状態であるプローブウエハ2のプロービング端子とにそれぞれシリコンを透過する異なる2波長の赤外光で同時に焦点が合うようにプローブウエハ退避装置3の退避量を決め、あるいは、赤外対物レンズ4に色収差をもたせている。 【0026】- 147 -【発明の効果】本発明のウエハプロービング装置は、色収差をもたせた赤外対物レンズを用いて被検査ウエハのパターンとプローブウエハのプロービング端子の双方を同一の光学系により認識することにより、両者の位置ズレを直接測定できるため、高精度に測定でき、かつ非接触であるため無用な被検査ウエハへの接触を減らすことができる。すなわち、プローブ針をウエハから十分離した退避状態で、第1の波長の赤外光を照射してウエハの位置を撮像し、第2の波長 度に測定でき、かつ非接触であるため無用な被検査ウエハへの接触を減らすことができる。すなわち、プローブ針をウエハから十分離した退避状態で、第1の波長の赤外光を照射してウエハの位置を撮像し、第2の波長の赤外光を照射してプローブ針の位置を撮像し、この両撮像データにもとづいて双方のずれ量を計算してアライメントを行なうから、プローブ針とウエハ間距離を十分にとれるので、プローブ針がウエハ表面上の電極パッド以外の部分または接触してもよい部分以外の部分に接触して、半導体回路を破壊してしまう恐れがないという効果がある。 【図1】 (b) 上記(a)のとおり、乙160公報には、パターン面側を上にして置かれた被検査ウエハ10の下方に赤外光照明装置1を配設し、被検査ウエハ10の上方にプローブウエハ2(被検査ウエハ10のパターン面側と対峙する側にプロービング端- 148 -子が配置されたもの)を位置させ、プローブウエハ2の上方に赤外光用対物レンズ4を配設し、その上方に下から順に第1のダイクロイックフィルタ5及び第2のダイクロイックフィルタ6(相互に出し入れが可能なもの)、結像レンズ8並びに赤外カメラ9が配設されたウエハプロービング装置において、赤外光照明装置1により被検査ウエハ10の裏面から赤外光で照明し、被検査ウエハ10の表面(パターン面側)からプローブウエハ2を通した被検査ウエハ10のパターンと、退避状態(プロービング端子を被検査ウエハ10から十分離した状態)にあるプローブウエハ2のプロービング端子とを、それぞれ別の波長において同時に焦点が合うような色収差をもった赤外光用対物レンズ4により観察し、これらを赤外カメラ9で撮像し、もって、被検査ウエハ10のパターンと退避状態にあるプローブウエハ2のプロービング端子の双方の正確な相対位置を測定して、高 収差をもった赤外光用対物レンズ4により観察し、これらを赤外カメラ9で撮像し、もって、被検査ウエハ10のパターンと退避状態にあるプローブウエハ2のプロービング端子の双方の正確な相対位置を測定して、高精度なアライメントを実現するとの技術が記載されている。 そうすると、乙160公報は、被検査ウエハ10等を透過した赤外光を観測して、被検査ウエハ10のパターンとプロービング端子との相対位置を測定するとの技術を開示するものではあるものの、半導体ウエハの切断に際し半導体ウエハの内部の改質領域の状態を検査・観察する技術を開示するものではない。 g 乙161公報について(a) 乙161公報には、次の記載がある。 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器内の基板上へ半導体素子を搭載する半導体素子搭載装置および半導体素子搭載方法にかかわり、特に光を集光することによって局部的に加熱する局部加熱装置を用いることによって、短時間に局所的に加熱し、また位置合わせに透過画像方式を用いることによって、高精度な位置合わせを可能とした、基板への熱影響の少ない、高精度に半導体素子を搭載する半導体素子搭載装置および半導体素子搭載方法を提供するものである。 【0002】- 149 -【従来の技術】半導体素子の一例として光デバイスを装置基板へ搭載して光モジュールを製造する方法を説明する。光モジュールの製作にあたっては、基板上に光デバイスを高精度に位置合わせした後固定する必要がある。従来、基板上に光デバイスを位置合わせする方法として、光デバイスを機械的に精度合わせする方法、光デバイスを起動して光デバイスの特性を利用して位置合わせする方法、視覚認識カメラ等の光学装置を用いて位置合わせを行う方法等があり、位置合わせの後、基板全体をヒータによって加熱 精度合わせする方法、光デバイスを起動して光デバイスの特性を利用して位置合わせする方法、視覚認識カメラ等の光学装置を用いて位置合わせを行う方法等があり、位置合わせの後、基板全体をヒータによって加熱してはんだを溶融させて半導体素子を基板に固定していた。 【0008】赤外線透過画像を用いて基板のマーキングパターンやリードパターンの重心と半導体素子に設けたマーキングパターンとを位置合わせし、ヒータ加熱する方法も提案されている…。 【0009】図6を用いて、この赤外線透過画像を用いた位置合わせ方式を説明する。この精密位置合わせ方式は、赤外線透過画像を用いてLD素子(レーザダイオード)の位置合わせを行なっている。赤外線透過画像を用いた半導体素子搭載装置は、ヒータ51を搭載したXYθステージ11と、XYθステージ11上にLDチップを移動させるチップ吸着アーム13と、CCDカメラ54と、赤外線顕微鏡53と、モニタ21と、画像処理装置55と、XYθステージ11の下方に設けた赤外線照射手段から投射される赤外光とから構成される。 【0010】LDチップ31は、チップ吸着アーム13に吸着され、ヒータ51上に置かれたシリコン基板40上に若干隙間をあけて配置される。シリコン基板40下面から赤外光を照射しシリコン基板40およびLDチップ31設けたマーカーを赤外光を透過させて認識する。シリコン基板40およびLDチップ31にはそれぞれマーカが2対設けられており、各マーカの面積重心から位置を求め、マーカの相対的な位置から位置ずれと角度ずれを算出し、XYθステージ11を制御する。位置決めが完了した時点でヒータ51を加熱し、予めシリコン基板40上に設けられたAuSn 多層接合層を溶融しLDチップ31を接合している。 【0011】基板上のパターンと半導体素子のパターンを同 。位置決めが完了した時点でヒータ51を加熱し、予めシリコン基板40上に設けられたAuSn 多層接合層を溶融しLDチップ31を接合している。 【0011】基板上のパターンと半導体素子のパターンを同時に一つの視覚認識カ- 150 -メラで認識して位置合わせを行う方法では、高精度に位置合わせをすることは可能となる。しかしながら、この方法は、半導体素子を固定する際、半導体素子ごと基板全体を加熱することによって基板全体を加熱するので、基板上に熱に弱い部品を先に搭載しておくことが出来ないという問題、基板が加熱により膨張し、基板の熱膨張と半導体素子を保持しているハンドの熱膨張の差によって、微小な位置ずれを生じ、高精度な搭載が必ずしも行われているとは限らないという問題を有している。 このような、半導体素子搭載方法で搭載されるLDチップは、およそ0.6×0. 4×0.1の大きさであるが、フォトダイオード(PD)0.3×0.4×0.1の大きさであり、要求される位置合わせ精度は0.6μmであり、上記方法によれば、熱膨張の差による誤差が大きな問題となる。 【0012】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基板上に熱に弱い部品が搭載されていた場合であっても、加熱固定が可能で、また基板上のパターンおよび搭載部品の形状誤差、つまり基板および部品製造時の製造誤差が有る場合でも、製造誤差を考慮してオフセットによる補正を行う場合生じるオフセット誤差を持たず、高精度に位置合わせを行い、かつ加熱固定の際の位置ズレ量の小さい高精度な半導体素子搭載を可能とする半導体素子搭載装置および搭載方法を提供することにある。 【0013】【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、赤外線により透過認識可能なパターンをそれぞれ2対形成した基板および半導体 載装置および搭載方法を提供することにある。 【0013】【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、赤外線により透過認識可能なパターンをそれぞれ2対形成した基板および半導体素子を用い、基板および半導体素子を透過する光源と、透過光を用いて基板および半導体素子の位置合わせ用パターンを認識する赤外線カメラと、精密位置合わせ制御部と、赤外線透過画像を得られるようにしたステージおよびハンドと、光を集光することによって半導体素子または基板を局部的に加熱する局部加熱手段から半導体搭載装置を構成する。 【0014】さらに本発明は、該半導体素子搭載装置を用いて、前記ステージ上に- 151 -載置された基板上に前記ハンドを用いて半導体素子を搬送し、前記赤外線光源および赤外線カメラにより、基板および半導体素子に形成された位置合わせ用のパターンを認識して精密位置合わせを行った後、半導体素子または基板を局部的に加熱することによって接合部を局所加熱し、基板と半導体素子を固定する。 【0015】【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態を図1~図3を用いて説明する。ここでは、半導体素子として光デバイスを用いた例を示している。この実施の形態は、画像認識用の赤外線透過光用光源と、光を集光することによって局部加熱する加熱装置を構成する照射用集光レンズとが、位置合わせ時と加熱時とで入れ替わるように構成された請求項1記載の光デバイス搭載装置である。図1は、装置の全体構成を示す概念図であり、図2は照射・加熱部を拡大して示す斜視図であり、図3は図2に示した照射・加熱部の断面図である。 【0016】光デバイス搭載装置100は、XYθステージ11と、吸着アーム13を有するハンド12と、赤外線カメラ14と、赤外線用光源15と、光ビーム照射用 図2に示した照射・加熱部の断面図である。 【0016】光デバイス搭載装置100は、XYθステージ11と、吸着アーム13を有するハンド12と、赤外線カメラ14と、赤外線用光源15と、光ビーム照射用集光レンズ16と、シャッター17と、モニタ21と、制御系22と、操作パネル23と、プリアライメントステージ24とを有して構成されている。 【0017】XYθステージ11は、基板40を載置する面を有し、X軸およびY軸方向に移動可能に、Z軸上で回転可能に構成されている。XYθステージ11は、上面に基板11を位置決めする複数の位置決めピン111を有している。また、ステージ11は、基板40を載置する部分に貫通穴112が設けられ透過画像が得られるように構成されるか、若しくは石英等の可視から近赤外光を透過する材質で構成されている。 【0018】ハンド12は、吸着アーム13を有しており、プリアライメントステージ24からステージ11まで光デバイス30を搬送し、ステージ11上の基板40上に搭載するように構成され、光デバイス30および基板40を透過した赤外線が赤外線カメラ14へ入力されるのを妨げないように構成されている。 - 152 -【0019】赤外線カメラ14は、ステージ11の上方に位置し、光デバイス30および基板40を透過した赤外線透過光による透過画像を撮影し、画像信号をモニタ21および制御系22へ出力する。 【0020】赤外線の光源15は、XYθステージ11の下方に配置され、可視から近赤外の領域の波長を照射し、透過画像を形成する。 【0021】集光用集光レンズ16は、図示を省略した光源からの光を、ステージ11上に載置された半導体40上の限定された個所に集光し、基板40を加熱するように構成されている。 【0022】シャッター17は、加熱の際の光を遮 ンズ16は、図示を省略した光源からの光を、ステージ11上に載置された半導体40上の限定された個所に集光し、基板40を加熱するように構成されている。 【0022】シャッター17は、加熱の際の光を遮る材質で構成され、赤外線カメラ14を保護する役目を持っている。 【0023】モニタ21は、赤外線カメラ14から送られた画像を表示するもので、位置合わせなどの監視に用いられる。制御系22は、この装置100のすべてを制御する装置で、赤外線カメラ14からの信号に基づいてXYθステージ11を移動制御させる働きをも有することができる。操作パネル23は、この装置100を制御する指令を入力する手段である。プリアライメントステージ24は、光デバイス30が所定の位置に載置される手段で、光デバイス30のプリアライメントを行う。 【0024】基板40をシリコン(Si)で、光デバイス30をインジウム-燐(InP)で構成され、赤外線を透過することが可能とされるとともに、基板40と光デバイス30には赤外線によって透過認識可能なパターンをそれぞれ2対形成しており、該パターンを用いた赤外線透過画像認識を可能としている。 【0025】次に本実施の形態にかかる光デバイス搭載装置の動作を説明する。まず、プリアライメントステージ24に光デバイス30をプリアライメントして載置し、ステージ11に位置合わせ用ピン111を用いて基板40を所定の位置に載置しておく。プリアライメントステージ24に載置されている光デバイス30を吸着ハンド12の吸着アーム13にて吸着し、ステージ11上に載置された基板40の上方に若干の隙間を空けて保持する。 - 153 -【0026】光源15からの赤外線を基板40および光デバイス30に照射して得られた透過画像は、赤外線カメラ14によって撮影され、モニタ21に の上方に若干の隙間を空けて保持する。 - 153 -【0026】光源15からの赤外線を基板40および光デバイス30に照射して得られた透過画像は、赤外線カメラ14によって撮影され、モニタ21に映し出されるとともに、透過画像データは制御系22に入力される。 【0027】モニタ21に映し出された透過画像中の基板40および光デバイス30の2対のパターンから、基板40および光デバイス30の相対的な位置関係を認識し、位置ズレ量および角度ズレ量を算出する。XYθステージ11に設けられたX軸可動部およびY軸可動部ならびにθ可動部を、制御系22を介して操作パネル23によって制御し、光デバイス30と基板40の精密な位置合わせを行う。このステージ11のX、Y、θの移動による位置合わせは、作業者がモニタを監視しながら操作パネル23から指令を入力する手動操作で行うことができ、また、得られたパターンを制御系22が認識して自動的に行うようにすることもできる。 【0028】精密位置合わせ後、基板40と光デバイス30の間に設けた若干の隙間を無くし、基板40と光デバイス30を接触させる。 【0029】その後、操作パネル23から加熱の指示を出すと、シャッター17が閉じ赤外線カメラ14を加熱光線から保護し、赤外線用光源15を局部加熱装置の照射用集光レンズ16と入れ替え、加熱用光を集光して接合個所を局部加熱し、あらかじめ形成しておいた基板40側または光デバイス30側のはんだ層を溶融し、基板40と光デバイス30を固定する。 【0030】この局部加熱は、光を集光することによって加熱する部分を光デバイス30搭載部に集光して、制限された領域例えば直径0.5~3mm範囲のみを加熱することができる。また、基板40の照射・加熱部の回りには熱を伝えにくいガラス板等の熱伝導の悪い物質 熱する部分を光デバイス30搭載部に集光して、制限された領域例えば直径0.5~3mm範囲のみを加熱することができる。また、基板40の照射・加熱部の回りには熱を伝えにくいガラス板等の熱伝導の悪い物質を配置し、それ以外の部分には金属等の熱伝導の良い、熱の逃げやすい物質を配置しておくことで、局部加熱をより一層効果的にすることができる。 【0031】上記の方法では、基板40と光デバイス30の隙間を無くし基板40と光デバイス30を接触させる際に、位置ずれを生じるおそれが考えられる。この- 154 -ことを考慮し、基板40と光デバイス30を接触させた後に、再度赤外線透過画像を用いて位置ズレ量をチェックし、位置ずれを生じていた場合には再度、光デバイス30を持ち上げ、基板40と隙間を作った後、位置合わせを行うことによって、より信頼性の高い搭載を行うことが可能となる。 【0032】以上説明したように、この実施の形態にかかる光デバイス搭載装置よれば、基板および部品の製造時の製造誤差にかかわり無く、また製造誤差をオフセット量により補正する必要もなく、赤外線透過画像により高精度に位置合わせを行い、かつ加熱固定の際の位置ズレ量を小さくすることができ、基板上に高精度に光デバイスを搭載することができるという効果が得られる。 【0033】上に説明した装置では、監視用光源15と加熱用光源15を別に設け、互いに入れ替えるように構成したが、加熱用光源をXYθステージ11の下方に位置させ、赤外線用光源15として、局部加熱装置の照射用集光レンズ16から出る参照光、すなわち照射位置を明確にするために集光レンズから出る可視光で高温に加熱するだけのエネルギーを持っていない光を使用することによって、請求項2に示す半導体素子搭載装置を構成することができる。この場合は、透過画像用赤 置を明確にするために集光レンズから出る可視光で高温に加熱するだけのエネルギーを持っていない光を使用することによって、請求項2に示す半導体素子搭載装置を構成することができる。この場合は、透過画像用赤外線光源15と加熱用集光レンズ16を入れ替える必要がなくなり、操作性を向上させることができる。 【0038】【発明の効果】以上のように、光デバイス(半導体素子)の実際の搭載位置を透過画像を用いて確認して行うようにした本発明によれば、基板や部品(半導体素子)の形状精度のバラツキに関係なく、また視覚認識カメラでとらえた搭載位置間のオフセット量に配慮すること無く、高精度に位置決めすることができるとともに、光を集光して局所加熱を行うので、熱に弱い部品をあらかじめ基板上に搭載しておくことができ、しかも、熱による基板の熱膨張の影響を非常に微小とすることができるので、加熱時に位置合わせがずれるおそれを排除し、高い精度で半導体素子を搭載をすることができる。 - 155 -(b) 上記(a)のとおり、乙161公報には、XYθステージ11と、その上方に配設された吸着アーム13を有するハンド12と、その上方に配設された赤外線カメラ14と、XYθステージ11の下方に配設された赤外線用光源15等を備える光デバイス搭載装置において、基板40(位置合わせ用のパターンが形成されたもの)をXYθステージ11の上に載置し、ハンド12の吸着アーム13により光デバイス30(位置合わせ用のパターンが形成されたもの)を基板40の上方に若干の隙間を空けて保持した上、赤外線用光源15から基板40及び光デバイス30に対して赤外線を照射し、これらを透過した画像が赤外線カメラ14によって撮影され、モニタ21に映し出されるとともに、当該画像のデータが制御系22に入力され、もって、基板 ら基板40及び光デバイス30に対して赤外線を照射し、これらを透過した画像が赤外線カメラ14によって撮影され、モニタ21に映し出されるとともに、当該画像のデータが制御系22に入力され、もって、基板40及び光デバイス30の相対的な位置関係を認識し、前者に後者を搭載する際の高精度の位置合わせを行うとの技術が記載されている。 そうすると、乙161公報は、基板40及び光デバイス30を透過した赤外線を観測して、基板40及び光デバイス30の相対的な位置関係を認識するとの技術を開示するものではあるものの、半導体ウェハの切断に際し半導体ウェハの内部の改質領域の状態を検査・観察する技術を開示するものではない。 (エ) 小括以上のとおり、シリコンウェハの内部にレーザ光を集光させて改質領域を形成し、これを切断の起点とするという乙150発明’が属する技術分野において、外部から視認し得ない改質領域自体の様子を観察することが本件特許2の原出願日当時の当業者にとって自明であったとはいえず、また、乙150公報には、加工対象物の表面を照射してフォーカス調整を行うにすぎない乙150発明’の観察用光源及び撮像素子について、加工対象物の内部の改質領域を撮像するとの構成を採用する動機付けとなる記載ないし示唆はなく、さらに、半導体ウェハの切断に際し、半導体ウェハの内部の改質領域の状態を検査・観察することが本件特許2の原出願日当時の周知技術であったということもできないから、結局、本件特許2の原出願日当時の当業者は、相違点①に係る本件発明2-1の構成に容易に想到し得たとは認めら- 156 -れないといわざるを得ず、その他、そのような事実を認めるに足りる証拠はない。 オ 本件発明2-2と乙150発明’との対比本件発明2-2の構成要件2O及び2Pは、それぞれ本件発明 156 -れないといわざるを得ず、その他、そのような事実を認めるに足りる証拠はない。 オ 本件発明2-2と乙150発明’との対比本件発明2-2の構成要件2O及び2Pは、それぞれ本件発明2-1の構成要件2F及び2Gと同一であるから、本件発明2-2と乙150発明’との間にも、少なくとも前記ウの相違点①が存在することになる。 カ 相違点①に係る本件発明2-2の構成の容易想到性前記エにおいて説示したとおりであるから、仮に、本件発明2-2の全部又は一部について国内優先権の効力が認められないとしても、本件特許2の原出願日当時の当業者は、相違点①に係る本件発明2-2の構成の容易に想到し得たとは認められない。 キ 争点7-1についてのまとめ以上のとおりであるから、その余の点について判断するまでもなく、乙150公報を主引用例とする本件発明2の進歩性欠如をいう控訴人の主張は、理由がない。 (2) 争点7-2(本件発明2の乙151公報を主引用例とする進歩性欠如)についてア 乙151公報の記載事項本件特許2の優先日(本件特許2の原出願日)の前に頒布された刊行物である乙151公報には、次の記載がある。 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は紫外域から橙色まで発光可能な発光ダイオードやレーザーダイオード、さらには高温においても駆動可能な3-5族半導体素子の製造方法に係わり、特に、基板上に窒化物半導体積層された半導体ウエハーから窒化物半導体素子を分割する製造方法に関する。 【0002】【従来技術】今日、高エネルギーバンドギャップを有する窒化物半導体(InXGaYAl1-X―YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を利用した半導体素子が種々開- 157 -発されつつある。窒化物半導体を利用したデバイス例として、青 ンドギャップを有する窒化物半導体(InXGaYAl1-X―YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を利用した半導体素子が種々開- 157 -発されつつある。窒化物半導体を利用したデバイス例として、青色、緑色や紫外がそれぞれ発光可能な発光ダイオードや青紫光が発光可能な半導体レーザが報告されている。さらには高温においても安定駆動可能かつ機械的強度が高い各種半導体素子などが挙げられる。 【0005】サファイアやスピネルなどに積層される窒化物半導体はヘテロエピ構造である。窒化物半導体はサファイア基板などとは格子定数不整が大きく熱膨張率も異なる。また、サファイア基板は六方晶系という結晶構造を有しており、その性質上へき開性を有していない。さらに、サファイア、窒化物半導体ともモース硬度がほぼ9と非常に硬い物質である。 【0006】したがって、ダイヤモンドスクライバーのみで切断することは困難であった。また、ダイサーでフルカットすると、その切断面にクラック、チッピングが発生しやすく綺麗に切断できなかった。また、場合によっては基板から窒化物半導体層が部分的に剥離する場合があった。 【0007】そのため窒化物半導体ウエハーは所望のチップごとに分割する方法として特開平8-274371号などに記載されているようにダイヤモンドスクライバーやダイサーを組み合わせて使用する方法が考えられている。…【0008】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、あらかじめダイサーなどで半導体ウエハー500の厚みを部分的に薄くさせた溝部503を形成し、溝部503にダイヤモンドスクライバーでスクライブ・ライン504を形成させる場合、ダイヤモンドスクライバーの刃先が溝部503の底に接触しなければならない。 【0009】即ち、通常ダイサーの円盤幅よりもダイヤモンドスクライバー クライバーでスクライブ・ライン504を形成させる場合、ダイヤモンドスクライバーの刃先が溝部503の底に接触しなければならない。 【0009】即ち、通常ダイサーの円盤幅よりもダイヤモンドスクライバーの刃先の方が大きい。そのため図6の如く、ダイヤモンドスクライバーの刃先601が半導体ウエハー500に形成された溝部503の底面に届かない場合がある。この状態でスクライバーを駆動させると半導体ウエハーの平面では図7の如き、所望のスクライブ・ライン703が形成されず歪んだスクライブ・ライン704が形成され- 158 -る傾向にある。これらを防止する目的でダイヤモンドスクライバーの刃先が溝部503の底に接触するためにはダイサーで形成した溝部503の幅を広くする必要がある。溝部503が広くなると半導体ウエハーからの半導体素子の採り数が減少する。 【0010】他方、溝の幅を狭くした場合は刃先が溝の底に接触させるために溝部503の深さを浅くする必要がある。溝部503を浅くすると半導体ウエハーの分離部の厚みが厚くなり半導体ウエハーを正確に分離することが困難になる傾向がある。したがって、何れも正確により小さい窒化物半導体素子を形成することができないという問題があった。 【0011】より小さい窒化物半導体素子を正確に量産性よく形成させることが望まれる今日においては上記切断方法においては十分ではなく、優れた窒化物半導体素子の製造方法が求められている。窒化物半導体の結晶性を損傷することなく半導体ウエハーを正確にチップ状に分離することができれば、半導体素子の電気特性等を向上させることができる。しかも、1枚の半導体ウエハーから多くの半導体素子を得ることができるため生産性をも向上させられる。 【0012】したがって、本発明は窒化物半導体ウエハーをより小さいチップ を向上させることができる。しかも、1枚の半導体ウエハーから多くの半導体素子を得ることができるため生産性をも向上させられる。 【0012】したがって、本発明は窒化物半導体ウエハーをより小さいチップ状に分割するに際し、切断面のクラック、チッピングの発生をより少なくする。また、窒化物半導体の結晶性を損なうことなく、かつ歩留りよく所望の形、サイズに分離された窒化物半導体素子を量産性良く形成することができる製造方法を提供することを目的とする。 【0013】【課題を解決するための手段】本発明は、基板101上に窒化物半導体102が形成された半導体ウエハー100を窒化物半導体素子110に分割する窒化物半導体素子の製造方法である。特に、半導体ウエハー100は第1及び第2の主面を有し少なくとも第1の主面側及び/又は第2の主面側の基板101に溝部103を形成する工程と、溝部103にブレイク・ライン104をレーザー照射により形成する- 159 -工程と、ブレイク・ライン104に沿って半導体ウエハーを分離する工程とを有する窒化物半導体素子の製造方法である。 【0014】本発明の請求項2に記載された窒化物半導体素子の製造方法は、第1の主面121が基板101上の一方にのみ窒化物半導体が形成された半導体ウエハー100の窒化物半導体積層側であり、第2の主面111は半導体ウエハーを介して対向する基板露出面側である。 【0015】本発明の請求項3に記載された窒化物半導体素子の製造方法は、ブレイク・ラインが基板101の溝部底面に形成された凹部104である。 【0016】本発明の請求項4に記載された窒化物半導体素子の製造方法は、ブレイク・ラインが基板201内部に形成された加工変質部204である。 【0017】本発明の請求項5に記載された窒化物半導体素子の製造方法 】本発明の請求項4に記載された窒化物半導体素子の製造方法は、ブレイク・ラインが基板201内部に形成された加工変質部204である。 【0017】本発明の請求項5に記載された窒化物半導体素子の製造方法は、ダイヤモンドスクライバー、ダイサー、エッチング装置、レーザー加工機から選択される少なくとも1種によって溝部103を形成するものである。 【0018】本発明の請求項6に記載された窒化物半導体素子の製造方法は、溝部403は第1の主面側421の予め基板401が露出された表面に形成されたものである。 本発明の請求項7に記載された窒化物半導体素子の製造方法は、溝部103の幅が10μm以上35μm以下であり、溝部103の深さが3.7μm以上100μm以下である。 【0019】【発明の実施の形態】本発明者らは種々実験の結果、窒化物半導体素子を製造する場合において半導体ウエハーの特定箇所にレーザーを照射することにより、半導体特性を損傷することなく量産性に優れた窒化物半導体素子を製造することができることを見いだし本発明を成すに到った。 【0023】半導体ウエハーとして、LD(laser diode)となる構成の窒化物半導体層をスピネル基板上に形成させた。具体的には、スピネル基板上に、GaNのバッファー層、n型GaNのコンタクト層、n型AlGaNのクラッド層、n型G- 160 -aNの光ガイド層、SiをドープしInの組成を変化させた多重量子井戸構造となるInGaNの活性層、p型AlGaNのキャップ層、p型GaNの光ガイド層、p型AlGaNのクラッド層及びp型GaNのコンタクト層が積層されている。この半導体ウエハーのスピネル基板側をウエットエッチングにより半導体ウエハー表面に溝部を縦横に形成させる。CO2レーザーを溝部の底面に照射してスピネル基板内 型GaNのコンタクト層が積層されている。この半導体ウエハーのスピネル基板側をウエットエッチングにより半導体ウエハー表面に溝部を縦横に形成させる。CO2レーザーを溝部の底面に照射してスピネル基板内部に加工変質部としてブレイク・ラインを溝部に沿って縦横に形成させた。ブレイク・ラインに沿ってローラーによる加圧により窒化物半導体素子として分離させる。分離された窒化物半導体素子は何れも端面が綺麗に形成されている。以下、本発明の工程に用いられる装置などについて詳述する。 【0024】(窒化物半導体ウエハー)窒化物半導体ウエハーとしては、基板上に窒化物半導体層が形成されたものである。窒化物半導体の基板としては、サファイア、スピネル、炭化珪素、酸化亜鉛や窒化ガリウム単結晶など種々のものが挙げられるが量産性よく結晶性の良い窒化物半導体層を形成させるためにはサファイア基板、スピネル基板などが好適に用いられる。サファイア基板などは劈開性がなく極めて硬いため本発明が特に有効に働くこととなる。 【0028】また、ダイサーなどにより半導体ウエハーに形成される溝部としては、歩留りよく所望の形、サイズに量産性良く形成する観点から溝部の幅が35μm以下が好ましく30μm以下がより好ましい。更に好ましくは25μm以下である。 下限については特に制限はないがダイサーで形成する場合、あまり薄くし過ぎると刃先がぶれるため溝部を細くかつ深く形成しがたい傾向にある。したがって、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましい。さらに、好ましくは20μm以上である。また、溝部の深さは半導体ウエハーの厚みにもよるが量産性や分離のし易さから3.7μm以上が好ましく、より好ましくは4.5μm以上である。更に好ましくは5.2μm以上である。上限値は特に制限はないが量産性を考慮して100 体ウエハーの厚みにもよるが量産性や分離のし易さから3.7μm以上が好ましく、より好ましくは4.5μm以上である。更に好ましくは5.2μm以上である。上限値は特に制限はないが量産性を考慮して100μm以下であることが望ましい。同様に、溝部が幅35μm以下深さ5.2μm以上、より好ましくは幅30μm以下深さ4.5μm、更に好ましくは幅25- 161 -μm以下深さ3.7μm以上の範囲においてはダイヤモンドスクライバーでは溝部に図6の如く半導体ウエハーの分割に寄与するスクライブ・ラインを形成することができないため本発明の効果が特に大きい。 【0029】なお、窒化物半導体ウエハーに単に溝を形成する方法としては、ウエットエッチング、ドライエッチング、ダイサー、ダイヤモンドスクライバーやレーザーの加工さらにはこれらの組合せにより形成することができる。しかしながら、ある程度の幅を持ち効率よく半導体ウエハーの厚みを部分的に薄くさせるためにはダイサーを用いることが好ましい。特に、ダイサーを用いて溝部を形成させた場合は、チップ状に分割した時の端面の綺麗さ(平滑性)の差が顕著に出る傾向にある。 即ち、ダイサーを用いて溝部を形成させた後にレーザーを用いて半導体ウエハーを分離したものと、ダイサーを用いて溝部を形成させた後にダイヤモンドスクライバーにより分離させたものとをそれぞれ比較するとレーザーにより凹部を形成させたものの方が分離端面が綺麗に形成される傾向にある。このような平滑性は、透光性絶縁層であるサファイア基板を利用した光学設計をする場合には顕著な違いとなる場合がある。 【0030】窒化物半導体が積層されたサファイア基板を分離させる場合、切断端面を量産性良く切断させるために窒化物半導体ウエハーの最も薄い分離部の厚みは100μm以下が好ましい。100μ 合がある。 【0030】窒化物半導体が積層されたサファイア基板を分離させる場合、切断端面を量産性良く切断させるために窒化物半導体ウエハーの最も薄い分離部の厚みは100μm以下が好ましい。100μm以下だとチッピングなどが少なく比較的容易に分離することができる。また、基板の厚さの下限は特に問わないが、あまり薄くすると半導体ウエハー自体が割れやすく量産性が悪くなるため30μm以上であることが好ましい。 【0033】なお、レーザーが照射された窒化物半導体ウエハーは、その焦点となる照射部が選択的に飛翔する或いは微視的なマイクロ・クロックの集合である加工変質部になると考えられる。また、本発明のブレイク・ラインは半導体ウエハーの溝部表面を除去しても良いし基板の溝部よりも内部側に加工変質部を形成させても良い。さらに、本発明は溝部近傍に形成されたレーザー加工によるブレイク・ライ- 162 -ンに加えて半導体ウエハーの総膜厚の中心をレーザー加工させても良い。 【0034】(レーザー加工機)本発明に用いられるレーザー加工機としては、ブレイク・ラインとなる凹部、加工変質部などが形成可能なものであればよい。具体的には、YAGレーザー、CO2レーザーやエキシマ・レーザーなどが好適に用いられる。特に、YAGレーザーは熱の変質が少なくブレイク・ラインを形成することができる。また、CO2レーザーはパワーを挙げることができるため切断能力に優れる。 【0035】レーザー加工機によって照射されるレーザーはレンズなどの光学系により所望により種々に焦点を調節させることができる。したがって、レーザー照射により半導体ウエハーの任意の焦点に窒化物半導体を損傷させることなく凹部、加工変質部などを形成させることができる。また、レーザーの照射面は、フィルターを通すことなどにより 。したがって、レーザー照射により半導体ウエハーの任意の焦点に窒化物半導体を損傷させることなく凹部、加工変質部などを形成させることができる。また、レーザーの照射面は、フィルターを通すことなどにより真円状、楕円状や矩形状など所望の形状に調節させることもできる。 【0036】レーザー加工機によるブレイク・ラインの形成にはレーザー照射装置自体を移動させても良いし照射されるレーザーのみミラーなどで走査して形成させることもできる。さらには、半導体ウエハーを保持するステージを上下、左右、90度回転など種々駆動させることにより所望のブレイク・ラインを形成することもできる。以下、本発明の実施例について詳述するが実施例のみに限定されるものでないことは言うまでもない。 【0037】【実施例】(実施例1)厚さ200μmであり洗浄されたサファイアを基板101としてMOCVD法を利用して窒化物半導体を積層させ窒化物半導体ウエハーを形成させた。窒化物半導体は基板を分割した後に発光素子110として働くよう多層膜として成膜させた。…【0042】半導体ウエハーに、RIE(Reactive Ion Etching)によって窒化物半導体表面側から溝部が形成されるサファイア基板との境界面が露出するまでエッ- 163 -チングさせ複数の島状窒化物半導体層が形成された半導体ウエハーを用いる。なお、エッチング時にpn各半導体が露出するようマスクを形成させエッチング後除去させてある。また、pn各半導体層には、電極120がスパッタリング法により形成されている(図1(A))。 【0043】こうして形成された窒化物半導体ウエハー100のサファイア基板101を100μmまで研磨した後、半導体ウエハー100のサファイア基板面111が上になるように水平方向に自由駆動可能なテーブル 0043】こうして形成された窒化物半導体ウエハー100のサファイア基板101を100μmまで研磨した後、半導体ウエハー100のサファイア基板面111が上になるように水平方向に自由駆動可能なテーブル上に真空チャックを用いて固定させた。ブレード回転数30,000rpm、切断速度3mm/secでステージを移動させることによりサファイア基板101の底面に幅約30μm、深さ約15μmの溝を縦横に形成し溝部103とさせる。溝部103は、窒化物半導体ウエハー100のサファイア基板露出面側111から見るとエッチング面130と略平行に形成されておりそれぞれがその後に窒化物半導体素子となる300μm角の大きさに形成させてある(図1(B))。 【0044】次に、ダイサーの刃先など駆動部のみレーザー(356nm)が照射可能なYAGレーザー照射装置と入れ替えた(不示図)。窒化物半導体ウエハー100の固定は維持したままレーザーの焦点を窒化物半導体ウエハーの溝部103底面に結ばれるようレーザーの光学系を調節させる。調節したレーザー光線を16J/cm2で照射させながらステージを移動させることにより溝部103の底面に沿って深さ約3μmの更なる溝としての凹部104をブレイク・ラインとして形成する(図1(C))。 【0045】ブレイク・ラインに沿って、ローラー(不示図)により荷重をかけ、窒化物半導体ウエハー100を切断分離することができる。分離された窒化物半導体素子110の端面はいずれもチッピングやクラックのない窒化物半導体素子を形成することができる(図1(D))。 【0046】こうして形成された窒化物半導体素子であるLEDチップに電力を供給したところいずれも発光可能であると共に切断端面にはクラックやチッピングが- 164 -生じているものはほとんどなかった。また 6】こうして形成された窒化物半導体素子であるLEDチップに電力を供給したところいずれも発光可能であると共に切断端面にはクラックやチッピングが- 164 -生じているものはほとんどなかった。また、発生していたチッピングも極めて小さいものであり、歩留りは98%以上であった。 【0047】これにより、ブレイク・ラインの形成をレーザーで行うため、ダイヤモンドスクライバーを利用したものと異なりカッターの消耗、劣化による加工精度のバラツキ、刃先交換のために発生するコストを低減することができる。製造歩留りを高め、形状のバラツキが低減できる。特に、切り代を小さくし、半導体素子の採り数を向上させることが可能となる。 【0048】(実施例2)実施例1のレーザー照射装置における焦点深さをレーザーの光学系を調整させて深くさせた以外は実施例1と同様にしてブレイク・ラインを形成させた。形成されたブレイク・ラインは基板201の表面となる溝部203に凹部は形成されていないが基板201内部に加工変質部として形成されている(図2(C))。 【0049】ブレイク・ラインの形成を溝部203底面でなく基板201内面に形成させても実施例1のLEDチップとほぼ同様の歩留りを形成することができる。 【0050】(実施例3)厚さ150μmであり洗浄されたサファイアを基板301としてMOCVD法を利用して窒化物半導体を積層させ窒化物半導体ウエハー300を形成させた。窒化物半導体は基板上に多層膜として成膜させた。…【0054】最後に、反応装置の温度を1050℃に維持し原料ガスとしてNH3(アンモニア)ガス、TMGガス、ドーパントガスとしてCp2Mgガス及びキャリアガスとして水素ガスを流しp型コンタクト層として厚さ約0.5μmのGaN層を形成させた(図3(A))。(なお、p型窒化 (アンモニア)ガス、TMGガス、ドーパントガスとしてCp2Mgガス及びキャリアガスとして水素ガスを流しp型コンタクト層として厚さ約0.5μmのGaN層を形成させた(図3(A))。(なお、p型窒化物半導体層は400℃以上でアニール処理してある。)形成させた半導体ウエハー300を窒化物半導体が形成された表面321を上にして水平方向に自由移動可能なステージ上に真空チャックを用いて固定させた。ダイサー(不示図)によりブレード回転数30,000rpm、切断速度3mm/secで窒化物半導体積層面側321から基板301まで半導体ウエハー300の主面- 165 -に縦横の溝部303を形成させる。ダイサーにより形成された溝部303は、幅25μmであり溝部303の底面と窒化物半導体が形成されていないサファイア基板露出面側311との間隔が、50μmでほぼ均一になるように形成させる(図3(B))。 【0055】次に、ダイサーの刃先など駆動部のみレーザー(356nm)が照射可能なYAGレーザー照射装置と入れ替えた(不示図)。窒化物半導体ウエハー300の固定は維持したままレーザーの光学系を調節して形成された溝部303底面に焦点が合うようにさせる。調節したレーザー光線を16J/cm2で照射させながらステージを移動させることにより溝部303に沿って深さ約3μmの凹部304をブレイク・ラインとして形成する(図3(C))。 【0056】ブレイク・ラインに沿って、ローラー(不示図)により荷重を作用させ、窒化物半導体ウエハー300を切断分離することができる。分離された窒化物半導体素子310の端面はいずれもチッピングやクラックのほぼない窒化物半導体素子を形成することができる(図3(D))。こうして形成された窒化物半導体の切断端面にはクラックやチッピングが生じている 物半導体素子310の端面はいずれもチッピングやクラックのほぼない窒化物半導体素子を形成することができる(図3(D))。こうして形成された窒化物半導体の切断端面にはクラックやチッピングが生じているものはほとんどなかった。 【0057】(実施例4)実施例1と同様にして形成させた半導体ウエハー400のサファイア基板401をさらに80μmまで研磨して鏡面仕上げされている。この半導体ウエハー400を窒化物半導体積層側421を上にして実施例3と同様のステージ(不示図)に固定配置させた(図4(A))。 【0058】実施例4においては予めエッチングされたエッチング面430に沿ってダイサーにより窒化物半導体積層面側421から幅約25μm、深さ約10μmの溝部403を形成させる(図4(B))。 【0059】次に、ダイサーの刃先など駆動部のみレーザー(356nm)が照射可能なYAGレーザー照射装置と入れ替えた(不示図)。窒化物半導体ウエハー400の固定は維持したままレーザーの光学系を調節して形成された溝部403底面に焦点が合うようにさせる。調節したレーザー光線を16J/cm2で照射させな- 166 -がらステージを移動させることにより溝部403に沿って深さ約3μmの凹部404をブレイク・ラインとして形成する(図4(C))。 【0060】ブレイク・ラインに沿って、ローラー(不示図)により荷重を作用させ、窒化物半導体ウエハー400を切断分離することができる。分離された端面はいずれもチッピングやクラックのほとんどない窒化物半導体素子410を形成することができる(図4(D))。 【0061】分離された窒化物半導体素子であるLEDチップ410に通電させたところ何れも発光可能であり、その端面を調べたところチッピングやクラックが生じているものはほとんどなかった 図4(D))。 【0061】分離された窒化物半導体素子であるLEDチップ410に通電させたところ何れも発光可能であり、その端面を調べたところチッピングやクラックが生じているものはほとんどなかった。歩留りは98%以上であった。 【0062】(実施例5)実施例1のYAGレーザーの照射の代わりにエキシマ・レーザーを用いた以外は実施例1と同様にして半導体ウエハーを分離してLEDチップを形成させた。実施例1と同様、形成されたLEDチップの分離端面はいずれも発光可能でありチッピングやクラックのない綺麗な面を有している。 【0064】【発明の効果】本発明は半導体ウエハーの基板に達する溝部を形成し、その溝部にレーザー照射によるブレイク・ラインを形成する。これにより刃先消耗等による加工精度の劣化を引き起こすことなく、より幅が狭くかつ深い溝部に、加工バラツキのない高精度のブレイク・ライン形成を可能にし、容易にかつ正確にブレイク・ラインに沿って窒化物半導体素子を分割することが可能となる。そのため、形状の揃った製品供給、及び製品歩留りの向上が可能となる。 【0065】また、レーザー照射により半導体ウエハーに対して非接触でブレイク・ラインを形成することにより、従来のようなスクライブ・カッターの劣化、交換により発生していた加工コストの低減が可能となる。 【0066】さらに、半導体層面側から基板に達する溝部を、あらかじめ窒化物半導体が除去された半導体ウエハーに形成することで、溝部形成による半導体への損傷がなく信頼性の高い素子を製造することが可能となる。 - 167 -【0067】窒化物半導体積層面側の凹部をレーザー照射により形成することで、より幅の狭い溝部を形成することですむ。このため半導体ウエハーからの窒化物半導体素子の採り数を向上させることが可能と -【0067】窒化物半導体積層面側の凹部をレーザー照射により形成することで、より幅の狭い溝部を形成することですむ。このため半導体ウエハーからの窒化物半導体素子の採り数を向上させることが可能となる。 【図1】 - 168 -【図2】 - 169 -【図3】 - 170 -【図4】 イ 乙151公報に記載された発明(ア) 前記ア及び弁論の全趣旨によると、乙151公報には、本件発明2と対比すべき発明として、次の発明(以下「乙151発明”」という。)が記載されているものと認められる(控訴人が主張する乙151発明及び被控訴人が主張する乙151発明’と相違する構成には。「a”」のように「”」を付した。)。 2a”基板201の一方の表面に溝部203が形成され、他方の表面に島状窒化物半導体202が形成された半導体ウエハー200の基板201の内部に、加工変質部を形成するレーザー加工機であって、2b 前記基板201が載置されるステージと、2c レーザー光線を照射するYAGレーザー照射装置と、2d 前記ステージに載置された前記基板201の内部に、YAGレーザー照射- 171 -装置から発振されたレーザー光線を集光し、そのレーザー光線の焦点の位置で前記加工変質部を形成させるレーザーの光学系と、2e”前記加工変質部を前記基板201の内部に形成するために、YAGレーザー照射装置から発振されたレーザー光線の焦点を前記基板201の内部に位置させた状態で、前記基板201の予定したラインに沿ってYAGレーザー照射装置から発振されたレーザー光線の焦点を移動させる制御部と、を備え、2r 前記制御部は 線の焦点を前記基板201の内部に位置させた状態で、前記基板201の予定したラインに沿ってYAGレーザー照射装置から発振されたレーザー光線の焦点を移動させる制御部と、を備え、2r 前記制御部は、前記ステージ及び前記レーザーの光学系の少なくとも1つの移動を制御する、2i ことを特徴とするレーザー加工機。 (イ) 乙151発明”の認定についての補足説明a 控訴人は、加工対象物が「基板201の一方の表面に島状窒化物半導体202が形成された半導体ウエハー200の基板201」であると主張するが、乙151公報には、基板201の内部に加工変質部が形成される場合(実施例2)について、加工対象物を「基板201の一方の表面に溝部203が形成され、他方の表面に島状窒化物半導体202が形成された半導体ウエハー200の基板201」とする旨の記載(【0042】、【0043】、【0048】、【図2】)があるから、加工対象物は、前記(ア)のとおり認定するのが相当である。 b 被控訴人は、加工変質部が形成される部位が「基板201の前記溝部の下部」であると主張するが、乙151公報には、加工変質部が形成される部位について、「本発明は溝部近傍に形成されたレーザー加工によるブレイク・ラインに加えて半導体ウエハーの総膜厚の中心をレーザー加工させても良い」(【0033】)、「レーザー照射により半導体ウエハーの任意の焦点に窒化物半導体を損傷させることなく凹部、加工変質部などを形成させることができる」(【0035】)、「実施例1のレーザー照射装置における焦点深さをレーザーの光学系を調節させて深くさせた以外は実施例1と同様にしてブレイク・ラインを形成させた。形成されたブレイク・ラインは基板201の表面となる溝部203に凹部は形成されていないが- 172 -基板2 光学系を調節させて深くさせた以外は実施例1と同様にしてブレイク・ラインを形成させた。形成されたブレイク・ラインは基板201の表面となる溝部203に凹部は形成されていないが- 172 -基板201内部に加工変質部として形成されている」(【0048】)、「ブレイク・ラインの形成を溝部203底面でなく基板201内面に形成させても実施例1のLEDチップとほぼ同様の歩留りを形成することができる」(【0049】)などの記載があるから、加工変質部が形成される部位を「基板201の前記溝部の下部」に限定して認定するのは相当でない。同部位については、前記(ア)のとおり認定するのが相当である。 c 被控訴人は、加工対象物である基板201の切断困難性等の性質につき、「サファイア基板やスピネル基板のように、ダイヤモンドスクライバーのみで切断することは困難で、ダイサーのみで切断しようとすると、その切断面にクラック、チッピングが発生しやすく綺麗に切断できない」との限定を加えて認定すべきであると主張する。確かに、乙151公報には、「サファイアやスピネルなどに積層される窒化物半導体はヘテロエピ構造である。窒化物半導体はサファイア基板などとは格子定数不整が大きく熱膨張率も異なる。また、サファイア基板は六方晶系という結晶構造を有しており、その性質上へき開性を有していない。さらに、サファイア、窒化物半導体ともモース硬度がほぼ9と非常に硬い物質である」(【0005】)、「したがって、ダイヤモンドスクライバーのみで切断することは困難であった。また、ダイサーでフルカットすると、その切断面にクラック、チッピングが発生しやすく綺麗に切断できなかった」(【0006】)、「量産性よく結晶性の良い窒化物半導体層を形成させるためにはサファイア基板、スピネル基板などが好適に用いられる の切断面にクラック、チッピングが発生しやすく綺麗に切断できなかった」(【0006】)、「量産性よく結晶性の良い窒化物半導体層を形成させるためにはサファイア基板、スピネル基板などが好適に用いられる。サファイア基板などは劈開性がなく極めて硬いため本発明が特に有効に働くこととなる」(【0024】)、「(実施例1)厚さ200μmであり洗浄されたサファイアを基板101としてMOCVD法を利用して窒化物半導体を積層させ窒化物半導体ウエハーを形成させた」(【0037】)、「実施例1のレーザー照射装置における焦点深さをレーザーの光学系を調節させて深くさせた以外は実施例1と同様にしてブレイク・ラインを形成させた」(【0048】)などの記載がある。しかしながら、乙151公報には、「窒化物半導体の基板としては、- 173 -サファイア、スピネル、炭化珪素、酸化亜鉛や窒化ガリウム単結晶など種々のものが挙げられる」との記載(【0024】)もみられるところであるし、また、本件発明2においては、半導体基板の切断困難性等の性質についての特定がされていないから、乙151公報に記載された発明のうち本件発明2と対比すべき発明としては、加工対象物である基板201の切断困難性等の性質まで特定する必要がない。 したがって、乙151発明”の認定に当たっては、加工対象物である基板201の切断困難性等の性質についての特定をしないのが相当である。 d 控訴人は、加工変質部が形成されるのが「ブレイク・ライン204に沿って」であると主張する。しかしながら、乙151公報にいう「ブレイク・ライン」とは、これに沿って半導体ウエハーが分離される線をいい、具体的には、レーザー光線の照射によって実際に形成される凹部(溝部の底面に形成されるもの)、加工変質部(基板の内部に形成されるもの)等がこれに とは、これに沿って半導体ウエハーが分離される線をいい、具体的には、レーザー光線の照射によって実際に形成される凹部(溝部の底面に形成されるもの)、加工変質部(基板の内部に形成されるもの)等がこれに当てはまるのであって(【0013】、【0015】、【0016】、【0034】等)、加工変質部を形成するに当たって目標とすべき予定線のことをいうのではない。したがって、加工変質部が形成されるのは、前記(ア)のとおり、「予定したラインに沿って」と認定するのが相当である。 e 被控訴人は、加工変質部が「微視的なマイクロ・クラックの集合」であると主張する。確かに、乙151公報には、「レーザーが照射された窒化物半導体ウエハーは、その焦点となる照射部が選択的に飛翔する或いは微視的なマイクロ・クラックの集合である加工変質部になると考えられる」との記載(【0033】)がある。しかしながら、本件発明2においては、本件発明1の場合と異なり、改質領域を構成する更に微小な領域についての特定がされていないから、乙151公報に記載された発明のうち本件発明2と対比すべき発明としては、加工変質部を構成する更に微小な領域まで特定する必要がない。したがって、乙151発明”の認定に当たっては、加工変質部を構成する更に微小な領域の特定をしないのが相当である。 f 被控訴人は、本件発明2と対比すべき乙151公報に記載された発明の構成- 174 -として、レーザー光線の焦点の移動が「直線的」であると主張する。しかしながら、本件発明2においては、レーザ光の集光点の移動について、これが直線的であるとの特定がされていないから、乙151公報に記載された発明のうち本件発明2と対比すべき発明としては、レーザー光線の焦点の移動が「直線的」であるとまで特定する必要はない。したがって、乙151 的であるとの特定がされていないから、乙151公報に記載された発明のうち本件発明2と対比すべき発明としては、レーザー光線の焦点の移動が「直線的」であるとまで特定する必要はない。したがって、乙151発明”の認定に当たっては、レーザー光線の焦点の移動が「直線的」であるとの特定をしないのが相当である。 ウ 本件発明2-1と乙151発明”との対比本件発明2-1と乙151発明”とを対比すると、両発明の間には、少なくとも次の相違点①(前記(1)ウの相違点①と実質的に同じもの)が存在すると認められる。 (相違点①)本件発明2-1は、「前記載置台に載置された前記半導体基板を赤外線で照明する赤外透過照明と、前記赤外透過照明により赤外線で照明された前記半導体基板における前記改質領域を撮像可能な撮像素子と、を備え」るのに対し、乙151発明”は、当該構成を備えない点。 エ 相違点①に係る本件発明2-1の構成の容易想到性(ア) 控訴人は、乙155公報ないし乙161公報を根拠に、赤外光を半導体ウェハに照射し、半導体ウェハを透過した赤外光を測定することで切断時の半導体ウェハの内部の状態を検査・観察することは本件特許2の優先日前における周知技術であったと主張する。しかしながら、前記(1)エ(ウ)において説示したとおりであるから、上記の各刊行物によっても、半導体ウェハの切断に際し、半導体ウェハの内部の改質領域の状態を検査・観察することが本件特許2の優先日(本件特許2の原出願日)当時の周知技術であったと認めることはできない。 (イ) 控訴人は、乙151発明においては、外部から視認し得ない加工変質部の様子を半導体ウエハーを透過する赤外線等により検査・観察し、加工変質部が所望どおりに形成されているかを確認する必要があると主張する。しかしながら、乙1 発明においては、外部から視認し得ない加工変質部の様子を半導体ウエハーを透過する赤外線等により検査・観察し、加工変質部が所望どおりに形成されているかを確認する必要があると主張する。しかしながら、乙1- 175 -51公報には、基板201の内部の加工変質部の状態を検査・観察せずに加工変質部を形成することの問題性についての記載ないし示唆は一切みられず、乙151発明”は、基板201の切断に際し、外部から視認し得ない加工変質部の様子を半導体ウエハーを透過する赤外線等により検査・観察し、加工変質部が所望どおりに形成されているかを確認するための構成(本件発明2-1の構成要件2F及び2Gのような構成)を採用することを動機付けるものとはいえない(なお、争点7-1において控訴人が挙げる刊行物(乙154公報、乙152公報及び乙209公報)によっても、外部から視認し得ない改質領域自体の様子を観察することが本件特許2の優先日(本件特許2の原出願日)当時の当業者にとって自明であったといえないことは、前記(1)エ(ア)において説示したとおりである。)。 (ウ) 以上によると、本件特許2の原出願日当時の当業者は、相違点①に係る本件発明2-1の構成に容易に想到し得たとは認められないといわざるを得ず、その他、そのような事実を認めるに足りる証拠はない。 オ 本件発明2-2と乙150発明”との対比本件発明2-2の構成要件2O及び2Pは、それぞれ本件発明2-1の構成要件2F及び2Gと同一であるから、本件発明2-2と乙150発明”との間にも、少なくとも前記ウの相違点①が存在することになる。 カ 相違点①に係る本件発明2-2の構成の容易想到性前記エにおいて説示したとおりであるから、本件特許2の優先日(本件特許2の原出願日)当時の当業者は、相違点①に係る本件発 在することになる。 カ 相違点①に係る本件発明2-2の構成の容易想到性前記エにおいて説示したとおりであるから、本件特許2の優先日(本件特許2の原出願日)当時の当業者は、相違点①に係る本件発明2-2の構成に容易に想到し得たとは認められない。 キ 争点7-2についてのまとめ以上のとおりであるから、その余の点について判断するまでもなく、乙151公報を主引用例とする本件発明2の進歩性欠如をいう控訴人の主張は、理由がない。 (3) 争点7-3(本件発明2の乙152公報を主引用例とする進歩性欠如)について- 176 -ア 乙152公報の記載事項前記(1)エ(ア)b(a)のとおりである。 イ 乙152公報に記載された発明前記(1)エ(ア)b(a)及び弁論の全趣旨によると、乙152公報には、本件発明2と対比すべき発明として、控訴人が主張する乙152発明が記載されているものと認められる。 ウ 本件発明2-1と乙152発明との対比(ア) 本件発明2-1と乙152発明との間には、少なくとも次の相違点①(被控訴人が主張する相違点A)が存在するものと認められる。 (相違点①)本件発明2-1は、「前記赤外透過照明により赤外線で照明された前記半導体基板における前記改質領域を撮像可能な撮像素子と、を備え、」という構成を有するのに対し、乙152発明は、当該構成を有しない点。 (イ) 控訴人は、乙152発明の「監視装置としての赤外線イメージ変換装置」が本件発明2-1の「前記赤外透過照明により赤外線で照明された前記半導体基板」「を撮像可能な撮像素子」に相当するとして、本件発明2-1と乙152発明との間に上記の相違点①は存在しないと主張する。しかしながら、前記(1)エ(ア)bのとおり、乙152発明は、レーザ光線を半 板」「を撮像可能な撮像素子」に相当するとして、本件発明2-1と乙152発明との間に上記の相違点①は存在しないと主張する。しかしながら、前記(1)エ(ア)bのとおり、乙152発明は、レーザ光線を半導体ウエハーの素子が形成された表面側から照射すると、レーザ光線により飛散・蒸発するウエハー材が各素子の上面に付着し、素子の機能を低下させるなどの欠点があったことから、加工する際に半導体ウエハーの素子が形成された表面側をレーザ光線の入射側(上側)と反対側(下側)に置くとともに、これにより上側から見えなくなった素子を観察するための監視装置(半導体ウエハーが赤外線で透視状態となる場合は、赤外線イメージ変換装置を含む。)を設け、半導体ウエハーの下側にある素子の位置を確認した上で、半導体ウエハーの上側又は上側及び下側に溝を刻設するものである。そうすると、乙152発明の「監視装置としての赤外線イメージ変換装置」は、「前記半導体基板にお- 177 -ける前記改質領域を撮像可能な撮像素子」に相当するものではない。 したがって、本件発明2-1と乙152発明との間には、上記の相違点①が存在するものと認めるのが相当である。 エ 相違点①に係る本件発明2-1の構成の容易想到性(ア) 控訴人は、乙152発明の「監視装置としての赤外線イメージ変換装置」においては、半導体ウエハー(13)の内部に形成される改質領域(加工変質部)を監視し、素子(15)間に沿って(切断予定ラインに沿って)改質領域(加工変質部)が形成されているかを確認する必要があると主張する。しかしながら、前記(1)エ(ア)b(a)のとおり、乙152発明は、レーザ光線(11)の焦点を半導体ウエハー(13)の面(18)又は(16)及び(18)上に合わせて半導体ウエハー(13)の面(18)又は(16) 前記(1)エ(ア)b(a)のとおり、乙152発明は、レーザ光線(11)の焦点を半導体ウエハー(13)の面(18)又は(16)及び(18)上に合わせて半導体ウエハー(13)の面(18)又は(16)及び(18)に溝(23)(23)′を刻設するというものであって、半導体ウエハー(13)の内部に改質領域(加工変質部)を形成するものではない。現に、乙152公報には、半導体ウエハー(13)の内部の改質領域(加工変質部)の状態を検査・観察せずに溝(23)(23)′を刻設することの問題性についての記載ないし示唆は一切ない。したがって、乙152発明は、半導体ウエハー(13)の切断に際し、半導体ウエハー(13)の内部に形成される改質領域(加工変質部)を監視し、素子(15)間に沿って(切断予定ラインに沿って)改質領域(加工変質部)が形成されているかを確認するための構成(本件発明2-1の構成要件2Gのような構成)を採用することを動機付けるものとはいえない(なお、争点7-1において控訴人が挙げる刊行物(乙154公報、乙152公報及び乙209公報)によっても、外部から認識し得ない改質領域自体の様子を観察することが本件特許2の優先日(本件特許2の原出願日)当時の当業者にとって自明であったといえないことは、前記(1)エ(ア)において説示したとおりである。)。 (イ) 控訴人は、切断予定ラインに対してレーザ加工済みのラインがずれているか否かをレーザ加工装置上で確認することは本件特許2の優先日前において一般的- 178 -に行われていたものであり、当業者は上記の確認をする機能がなければレーザ加工装置として成り立たないものと認識していたと主張するが、そのような事実を認めるに足りる証拠はない(なお、争点7-1及び7-2において控訴人が挙げる刊行物(乙155公報ない る機能がなければレーザ加工装置として成り立たないものと認識していたと主張するが、そのような事実を認めるに足りる証拠はない(なお、争点7-1及び7-2において控訴人が挙げる刊行物(乙155公報ないし乙161公報)によっても、半導体ウェハの切断に際し、半導体ウェハの内部の改質領域の状態を検査・観察することが本件特許2の優先日(本件特許2の原出願日)当時の周知技術であったといえないことは、前記(1)エ(ウ)において説示したとおりである。)。 (ウ) 以上によると、本件特許2の原出願日当時の当業者は、相違点①に係る本件発明2-1の構成に容易に想到し得たとは認められないといわざるを得ず、その他、そのような事実を認めるに足りる証拠はない。 オ 本件発明2-2と乙152発明との対比本件発明2-2の構成要件2Pは、本件発明2-1の構成要件2Gと同一であるから、本件発明2-2と乙152発明との間にも、少なくとも前記ウ(ア)の相違点①が存在することになる。 カ 相違点①に係る本件発明2-2の構成の容易想到性前記エにおいて説示したとおりであるから、本件特許2の優先日(本件特許2の原出願日)当時の当業者は、相違点①に係る本件発明2-2の構成に容易に想到し得たとは認められない。 キ 争点7-3についてのまとめ以上のとおりであるから、その余の点について判断するまでもなく、乙152発明を主引用例とする本件発明2の進歩性欠如をいう控訴人の主張は、理由がない。 3 当審における控訴人の補充主張について(1) 控訴人は、本件発明2の構成要件2F、2G、2O及び2Pの「赤外透過照明」に関し、「透過」とは「光が試料の表面から入射し、試料を通過して裏面から出てくること」をいい、「透過照明」とは「観察対象の片方の面から照明光を照射し、観察対象 、2G、2O及び2Pの「赤外透過照明」に関し、「透過」とは「光が試料の表面から入射し、試料を通過して裏面から出てくること」をいい、「透過照明」とは「観察対象の片方の面から照明光を照射し、観察対象を透過してもう一方の面から出射する光を結像光学系で結像するも- 179 -の」をいい、「赤外透過照明」とは「透過照明の照明光を赤外光としたもの」というところ、被告製品は反射照明ないし落射照明の構成(「赤外線照明と赤外線対応カメラは、いずれもシリコンウェハのレーザ光の入射面側に配置されており、赤外線照明から反射される赤外光は、シリコンウェハを透過し、レーザ光の入射面とは逆側の面で反射され、反射された赤外光が赤外線対応カメラに入射する」との構成)を採用しているから、被告製品は本件発明2の技術的範囲に属さないと主張する。 この点に関し、控訴人が上記主張の根拠として挙げる日本規格協会編「JISハンドブック□24 光学機器」(平成24年)(以下「乙127文献」という。)において、「透過」とは、「光がその単色光成分の周波数を変えずに媒質を通過する現象」とされ、「反射」とは、「光が媒質の境界面に入射するとき、その単色光成分の振動数を変えずに、光が入射側に戻る現象」とされている。また、控訴人が上記主張の根拠として挙げる日本規格協会編「JIS工業用語大辞典」(平成13年)(以下「乙128文献」という。)において、「透過」とは、「光がその単色光成分の周波数を変えずに媒質を通過する現象」とされている。以上によると、①「光が媒質の一方の境界面から入射し、媒質の内部を通過し、他方の境界面から出射する現象」が「透過」に該当し、②「光が媒質の一方の境界面に入射するとき、媒質の内部には入らずに入射側に戻る現象」が「反射」に該当することは、乙127文献及び乙128文献 過し、他方の境界面から出射する現象」が「透過」に該当し、②「光が媒質の一方の境界面に入射するとき、媒質の内部には入らずに入射側に戻る現象」が「反射」に該当することは、乙127文献及び乙128文献の定義から明らかであるといえるが、③「光が媒質の一方の境界面から入射し、媒質の内部を通過し、他方の境界面で入射側に戻り、再び媒質の内部を通過し、一方の境界面から出射する現象」については、これが「透過」に該当するか「反射」に該当するかは、乙127文献及び乙128文献を始め控訴人が指摘する各証拠によっても明らかでない(なお、上記①ないし③の現象は、いずれも光の単色光成分の周波数に変化がない場合に限る。)。 そこで、上記③の現象を利用した赤外線による照明が本件発明2にいう「赤外透過照明」に該当するか否かについては、本件発明2に係る特許請求の範囲の記載及び本件明細書2の記載により解釈すべきこととなるところ、本件発明2に係る請求- 180 -項1及び2には、「前記赤外透過照明により赤外線で照明された前記半導体基板における前記改質領域を撮像可能な撮像素子」との記載があるのみであり(構成要件2G及び2P)、他方、本件明細書2には、「レーザ光Lを切断予定ライン5に沿って…相対的に移動させることにより、集光点Pを切断予定ライン5に沿って移動させる。これにより、…改質領域7が切断予定ライン5に沿って半導体基板1の内部にのみ形成され、この改質領域7でもって切断起点領域(切断予定部)9が形成される。」(【0013】)、「半導体基板1を赤外透過照明116による赤外線で照明すると共に、撮像データ処理部125により結像レンズ123及び撮像素子121の観察面を半導体基板1の内部に合わせれば、半導体基板1の内部に形成された切断起点領域9a及び切断起点領域9bを撮像して撮 明すると共に、撮像データ処理部125により結像レンズ123及び撮像素子121の観察面を半導体基板1の内部に合わせれば、半導体基板1の内部に形成された切断起点領域9a及び切断起点領域9bを撮像して撮像データを取得し、モニタ129に表示させることもできる。」(【0048】)などの記載があるから、本件発明2にいう「赤外透過照明」は、半導体基板の表面から入射し、半導体基板の内部を通過し、半導体基板の内部に形成された改質領域(切断起点領域)を撮像できる赤外線を利用するものであれば足りると解される。そうすると、上記③の現象は、光が媒質の一方の境界面から入射し、媒質の内部を通過するというものであるから、これを利用した赤外線による照明(半導体基板の内部に形成された改質領域(切断起点領域)を撮像することができるもの)は、本件発明2にいう「赤外透過照明」に該当すると解するのが相当である。 したがって、上記③の現象を利用した被告製品(シリコンウェハの内部に形成されたレーザ加工領域を撮像することができるもの)は、本件発明2の構成要件2F、2G、2O及び2Pの「赤外透過照明」を備えるものといえる。控訴人の上記主張を採用することはできない。 (2)ア 控訴人は、本件発明2の構成要件2A及び2Jの「切断の起点となる改質領域」に関し、被告製品によるレーザ加工ではボイド周辺領域(ボイド及びその周辺領域)とボイド上方領域が形成されるところ、①ボイド周辺領域は「切断の起点となる改質領域」でなく、②ボイド上方領域(「転位部分」を除く。)は「切断- 181 -の起点となる改質領域」でなく、③被告製品によるレーザ加工ではボイド上方領域に「転位部分」が形成され、これは「切断の起点」となるが、「転位部分」は「改質領域」でないから、結局、被告製品によって生じる「レーザ加工領 質領域」でなく、③被告製品によるレーザ加工ではボイド上方領域に「転位部分」が形成され、これは「切断の起点」となるが、「転位部分」は「改質領域」でないから、結局、被告製品によって生じる「レーザ加工領域」には「切断の起点となる改質領域」が形成されず、被告製品は本件発明2の技術的範囲に属さないと主張するので、以下検討する。 イ 本件発明2に係る特許請求の範囲(請求項1及び2)の記載をみると、特許請求の範囲においては、「切断の起点となる改質領域」とされているのみで(構成要件2A及び2J)、改質領域のどの部分が切断の起点となるかの特定はない。 他方、本件明細書2の記載をみると、本件明細書2においては、「改質領域」として溶融処理領域があるところ(【0016】)、半導体基板の内部に焦点を合わせてパルスレーザ光を照射すると、これにより半導体基板の内部が局所的に加熱され、この加熱により半導体基板の内部に溶融処理領域が形成され(【0017】)、この溶融処理領域(改質領域)でもって切断起点領域(切断予定部)が形成され(【0013】)、半導体基板に人為的な力が印加されることにより、この切断起点領域を起点として半導体基板が割れ、半導体基板が切断されるか、半導体基板が切断起点領域を起点とし断面方向(厚さ方向)に向かって自然に割れ、結果的に半導体基板が切断されるかする(【0015】)とされており、本件明細書2においても、改質領域(溶融処理領域)のどの部分が切断の起点となるかの特定はみられない。 そして、補正して引用する原判決第4の5(1)ア(ウ)のとおり、構成要件2A等にいう「改質領域」とは、レーザ光の照射によって半導体基板の内部に形成されるものであり、その具体例として「溶融処理領域」が挙げられ、これは、「一旦溶融後再固化した領域や、まさに溶融状態の領域 2A等にいう「改質領域」とは、レーザ光の照射によって半導体基板の内部に形成されるものであり、その具体例として「溶融処理領域」が挙げられ、これは、「一旦溶融後再固化した領域や、まさに溶融状態の領域や、溶融状態から再固化する状態の領域」であり、言い換えれば、「相変化した領域や結晶構造が変化した領域」であって、例えば、「単結晶構造から非晶質構造に変化した領域、単結晶構造から多結晶構造に変化した領域、単結晶構造から非晶質構造及び多結晶構造を含む構造に変化した- 182 -領域」であり、「半導体基板がシリコン単結晶構造の場合、溶融処理領域は例えば非晶質シリコン構造」であると理解される。 以上によると、本件発明2の構成要件2A及び2Jにいう「切断の起点となる改質領域」とは、「一旦溶融後再固化した領域」等である「溶融処理領域(改質領域)」の全部が「切断の起点」となる必要はなく、その一部が「切断の起点」となり、かつ、その部分が「一旦溶融後再固化した領域」等である「溶融処理領域」に該当すれば足りると解するのが相当である。 そして、控訴人が主張するとおり、被告製品のレーザ加工によりボイド上方領域に形成される「転位部分」は「切断の起点」となる領域であるから、この「転位部分」が「一旦溶融後再固化した領域」等である「溶融処理領域」に該当すれば、被告製品によって形成される「レーザ加工領域」は、本件発明2の構成要件2A及び2Jにいう「切断の起点となる改質領域」に該当することになる。 ウ 上記のとおり、被告製品のレーザ加工によって生じる「転位部分」は、ボイド上方領域に形成されるものであるところ、補正して引用する原判決第4の2(1)イにおいて説示したとおり、被告製品によって形成される「レーザ加工領域」においては、ボイド上方領域及びその付近でシリコンの溶融 方領域に形成されるものであるところ、補正して引用する原判決第4の2(1)イにおいて説示したとおり、被告製品によって形成される「レーザ加工領域」においては、ボイド上方領域及びその付近でシリコンの溶融と再固化が生じているものと認められるから、ボイド上方領域に形成される「転位部分」においても、シリコンの溶融と再固化が生じており、この「転位部分」は、「改質領域」である「溶融処理領域」に該当すると認めるのが相当である。 エ この点に関し、控訴人は、「転位部分」は単結晶構造のままであって、結晶構造が変化した領域ではなく、「単結晶構造から非晶質構造及び多結晶構造を含む構造に変化した領域」に該当しないから、「溶融処理領域」には当たらないと主張し、原審において提出した証拠に加え、当審において、乙212(日本電子株式会社作成(作成日不明)の「SEM-EBSD分析結果:FIB断面」と題する資料)及び乙221(同社作成の令和3年12月7日付けの同名の資料)を提出する。 確かに、乙212には、「CデポとSiの界面近傍に多結晶・アモルファスSi- 183 -は検出されませんでした。」との記載がある。しかしながら、被控訴人は、乙212で観察された部分にボイド上方領域は含まれておらず、上記記載はボイド上方領域についていうものではないと主張するところ、乙212を精査しても、上記記載にいう「CデポとSiの界面近傍」がボイド上方領域に相当すると見て取ることはできず、その他、被控訴人の主張を覆すに足りる合理的な根拠はみられない。他方、乙221には、「サンプルにおいては、Si単結晶のみが観察されています。」との記載がある。しかしながら、被控訴人が主張するとおり、乙221についても、ボイド上方領域を含まない断面のみを観察している可能性を否定することはできず(被控訴人が 単結晶のみが観察されています。」との記載がある。しかしながら、被控訴人が主張するとおり、乙221についても、ボイド上方領域を含まない断面のみを観察している可能性を否定することはできず(被控訴人が指摘する当該可能性を覆すに足りる合理的な根拠はみられない。)、この断面にシリコンの単結晶のみが観察されたからといって、ボイド上方領域の全てがシリコンの単結晶のみによって構成されていることの根拠となるものではない。 以上に加え、補正して引用する原判決第4の2(1)イ(キ)及び(ク)において説示したところも併せ考慮すると、被告製品によって生じる「レーザ加工領域」に形成されたボイド上方領域には、シリコンの単結晶のみならず、これとは異なるアモルファスが存在するものと認められるから、ボイド上方領域に形成される「転位部分」についても、シリコンの単結晶のみならず、これとは異なるアモルファスが存在するものと推認するのが相当である。したがって、「転位部分」は、「単結晶構造から非晶質構造及び多結晶構造を含む構造に変化した領域」ということができるから、「溶融処理領域」に該当する。 オ また、控訴人は、控訴人が主張する被告製品による加工のメカニズム(被告製品による加工においては「溶融」が生じていないとするもの)が合理的であって、被控訴人が主張する被告製品による加工のメカニズム(被告製品による加工においても「溶融」が生じているとするもの)は合理的でないと主張し、原審において提出した証拠に加え、当審において、乙203(北海道大学電子科学研究所教授B 作成の意見書)及び乙204(大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻教授C 作成の意見書)を提出する。 - 184 -確かに、乙203には、「東京精密社製品によるレーザ加工におけるボイドの形成は、クー 04(大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻教授C 作成の意見書)を提出する。 - 184 -確かに、乙203には、「東京精密社製品によるレーザ加工におけるボイドの形成は、クーロン爆発(マイクロ・エクスプロージョン)によるものであり、溶融によるものではない。」との意見の記載があるが、乙203には、「私がサファイア…の集光フェムト秒レーザ加工の研究において行ったシミュレーションによれば、レーザ照射により集光点に小型の原子爆弾に匹敵するような強烈な圧力がクーロン爆発によって発生することが確認された。」との記載があり、ボイドの形成に係るB 教授の上記意見は、サファイアの集光フェムト秒レーザ加工における知見に基づくものであるといえる。これに対し、被告製品は、ナノ秒レーザを用いるものであるから(補正して引用する原判決第4の2(1)イ(エ))、ボイドの形成に係る同教授の上記意見は、被告製品によって形成されるボイドが溶融によって生じるものであることを否定する根拠とはならない。他方、乙204には、「東京精密社の試料において、p-Siやa-Siが検出されたとしても、圧力誘起によるものであるのか、溶融後の急冷凝固によるものであるかの判別ができないことから、これらにより溶融後の急冷凝固が生じたことが確認できたとはいえない。」との意見の記載があるが、この意見自体、被告製品によるレーザ加工において「溶融」が生じることを否定するものではない。また、乙204に記載された被告製品による加工のメカニズムにおいても、ボイドの形成について「マイクロ爆発」が生じることが前提とされており、乙203について説示したとの同様の指摘が当てはまる。以上に加え、補正して引用する原判決第4の2(1)イにおいて説示したところも併せ考慮すると、被告製品による加工におい じることが前提とされており、乙203について説示したとの同様の指摘が当てはまる。以上に加え、補正して引用する原判決第4の2(1)イにおいて説示したところも併せ考慮すると、被告製品による加工においては、「レーザ加工領域」に溶融が生じていると認めるのが相当である。 カ 以上のとおり、被告製品によって生じる「レーザ加工領域」には、少なくとも「切断の起点」となる「転位部分」が形成され、これは、「改質領域」である「溶融処理領域」に該当するといえるから、被告製品によって生じる「レーザ加工領域」は、本件発明2の構成要件2A及び2Jの「切断の起点となる改質領域」に該当するということができる。控訴人の上記アの主張を採用することはできない。 - 185 -(3) 控訴人は、被告製品によるレーザ加工においては、ボイド及び転位部分が形成されるところ、これらはいずれも「レーザ光の集光点の位置」に形成されるものではないし(本件発明2の構成要件2D及び2M)、仮にボイドが「レーザ光の集光点の位置」に形成されるとしても、これは「切断の起点となる改質領域」に該当しないから(本件発明2の構成要件2A及び2J)、結局、被告製品は本件発明2の技術的範囲に属さないと主張する。 しかしながら、補正して引用する原判決第4の5(2)において説示したとおり、本件発明2の構成要件2D及び2Mにいう「レーザ光の集光点の位置で前記改質領域を形成させる集光用レンズ」とは、集光用レンズによって半導体基板の内部にレーザ光が集光された箇所が形成され、その位置でレーザ光の照射による改質領域を形成することを指し、レーザ光の照射によって改質領域が形成されるのであれば、改質領域がレーザ光の焦点よりも広い範囲に及ぶことも許容されていると解されるところ、被告製品のレーザ加工によって生じるボイド及 成することを指し、レーザ光の照射によって改質領域が形成されるのであれば、改質領域がレーザ光の焦点よりも広い範囲に及ぶことも許容されていると解されるところ、被告製品のレーザ加工によって生じるボイド及びボイド上方領域(転位部分を含む。)は、レーザ光の照射によって形成されたものであるから、被告製品のレーザ加工によって生じるボイド及びボイド上方領域(転位部分を含む。)は、レーザ光の焦点からは数μmないし30μm程度離れているものの、全て「レーザ光の集光点の位置」で形成された「改質領域」に含まれるというべきである(なお、被告製品によって生じる「レーザ加工領域」が「切断の起点となる改質領域」に該当することは、前記(2)のとおりである。)。 以上のとおりであるから、控訴人の上記主張を採用することはできない。 (4) 控訴人は、本件発明2-1の構成要件2Hの「前記切断予定ラインは、前記半導体基板の内側部分と外縁部との境界付近に始点及び終点が位置する」とは、実際に切断される部分が「半導体基板の内側部分と外縁部との境界付近」までであって、半導体基板の端から端までは切断がされないことを意味するところ、被告製品のレーザ加工においては、全て半導体基板の端から端まで切断がされるから、被告製品は本件発明2-1の構成要件2Hを充足しないと主張する。 - 186 -この点に関し、本件発明2-1の特許請求の範囲(請求項1)の記載をみると、特許請求の範囲には、半導体基板を半導体チップに切断する場面における切断の方法(半導体基板の端から端まで切断がされるのか、半導体基板の内側部分に設定された切断予定ラインにおいてのみ切断がされるのかなど)を特定する記載はない。 また、本件明細書2の記載をみると、本件明細書2には、「半導体基板1の内側部分32の内部に切断起点領域9a 内側部分に設定された切断予定ラインにおいてのみ切断がされるのかなど)を特定する記載はない。 また、本件明細書2の記載をみると、本件明細書2には、「半導体基板1の内側部分32の内部に切断起点領域9a、9bが形成され、外縁部31には切断起点領域9a、9bが形成されていないことから、半導体基板1全体としての機械的強度が向上することになる。したがって、半導体基板1の搬送工程や機能素子形成のための加熱工程等において、半導体基板1が不測の下に切断されてしまうという事態を防止することができる。」との記載(【0062】)があり、本件発明2-1は、構成要件2Hの構成を採用することにより、半導体基板を半導体チップに切断する場面ではなく、その前段階である搬送工程、機能素子形成のための加熱工程等における半導体基板の機械的強度の向上(不測の事態により切断されてしまうことを防止するもの)を図るという効果を奏するものであるといえる。そうすると、本件発明2-1の構成要件2Hは、半導体基板を半導体チップに切断する場面においてその切断の方法をどうするか(半導体基板の端から端まで切断がされるのか、半導体基板の内側部分に設定された切断予定ラインにおいてのみ切断がされるのかなど)については、何ら特定するものではないと解するのが相当である。 以上によると、控訴人の主張は、その前提となる本件発明2-1の構成要件2Hの解釈を誤るものとして失当である(なお、控訴人の主張が、被告製品のレーザ加工においては切断予定ラインが全て半導体基板の外縁部にかかっている旨をいうのであれば、その主張は、被告製品の構成⑨(当事者間に争いがない。)に反するものであり、やはり失当である。)。 (5) 控訴人は、本件発明2と乙57公報に記載された発明との相違点①(本件発明2では、加工対象物の内部に改質領 製品の構成⑨(当事者間に争いがない。)に反するものであり、やはり失当である。)。 (5) 控訴人は、本件発明2と乙57公報に記載された発明との相違点①(本件発明2では、加工対象物の内部に改質領域を形成するのに対し、乙57公報に記載された発明では、加工対象物の裏面に改質領域に相当するスクライブ溝を形成する- 187 -点。)に関し、乙57公報に記載された発明に乙150公報、乙170公報ないし乙173公報等に記載された周知技術(「半導体基板を分割するに際し、半導体基板の内部にレーザ光線の集光点を位置付けてレーザ光線を照射し、半導体基板の内部に切断の起点となる改質領域を形成する」との技術)を適用することにより、又は乙151公報に記載された公知技術(「サファイア等の半導体基板を分割するためのブレイク・ラインを形成するに際し、基板の内部に切断の起点となる加工変質部を形成する」との技術)を適用することにより、本件特許2の原出願日当時の当業者は相違点①に係る本件発明2の構成に容易に想到し得た旨主張する。 しかしながら、補正して引用する原判決第4の9(1)並びに(2)ア及びイのとおり、乙57公報には、乙57発明1”が記載されていると認められるところ、同(2)エにおいて説示したとおり、乙57発明1”は、半導体結晶ウェーハの裏面を加工することにその技術的意義があるものであるから、仮に、本件特許2の原出願日当時に控訴人が主張する上記周知技術又は公知技術が存在していたとしても、これらを乙57発明1”と組み合わせることは、乙57発明1”の上記の技術的意義を損なうものであり、当業者がそのような組合せをする動機付けがあるとはいえない。 この点に関し、控訴人は、乙57公報に記載された発明のうち「裏面全体に金属電極を付加した半導体結晶ウェーハ」でない「半導 うものであり、当業者がそのような組合せをする動機付けがあるとはいえない。 この点に関し、控訴人は、乙57公報に記載された発明のうち「裏面全体に金属電極を付加した半導体結晶ウェーハ」でない「半導体結晶ウェーハ」を加工対象物とする発明については、「表面からの加工法によるスクライブでは裏面電極が切断されないため、半導体結晶は分離できても電極が連った複合ペレットが多く発生する欠点がある」との課題が生じないから、そのような発明については、上記の技術的意義は認められないと主張する。しかしながら、乙57公報中の発明の詳細な説明(補正して引用する原判決第4の9(1)ア(イ))には、乙57公報に記載された発明の技術的意義について、加工対象物が裏面全体に金属電極を付加した半導体結晶ウェーハである場合に、上記の課題を解決するため、半導体結晶ウェーハの裏面にスクライブ溝を形成するとの構成を採用したことのみが記載され、加工対象物が裏面全体に金属電極を付加した半導体結晶ウェーハでない半導体結晶ウェーハである- 188 -場合の同発明の技術的意義については何ら記載がないのであるから、同発明の技術的意義は、上記の課題の解決手段である半導体結晶ウェーハの裏面を加工することにあるといわざるを得ない。 したがって、仮に、本件発明2-2の全部又は一部について国内優先権の効力が認められないとしても、本件特許2の原出願日当時の当業者は、相違点①に係る本件発明2の構成に容易に想到し得たとは認められない。 以上のとおりであるから、上記の相違点①に係る本件発明2の構成の容易想到性に関する控訴人の主張を採用することはできない。 (6) 控訴人は、本件発明2の乙25公報を主引用例とする進歩性欠如の主張に関し、乙25公報に記載された発明における加工対象物については「厚板の合 に関する控訴人の主張を採用することはできない。 (6) 控訴人は、本件発明2の乙25公報を主引用例とする進歩性欠如の主張に関し、乙25公報に記載された発明における加工対象物については「厚板の合成石英ガラス」ではなく「透明材料」と認定すべきであり、補正して引用する原判決第4の22(1)アの相違点①については「本件発明2-1では、加工対象物が「半導体基板」であるのに対し、乙25公報に記載された発明では、加工対象物が「透明材料」である点。」と認定すべきであり、同(2)アの相違点②については「本件発明2-2では、加工対象物が「シリコン基板である半導体基板」であるのに対し、乙25公報に記載された発明では、加工対象物が「透明材料」である点。」と認定すべきであり、これらの相違点に係る本件発明2の構成は乙25公報に記載された発明に乙170公報ないし乙173公報に記載された本件特許2の原出願日当時の周知技術又は乙190文献、特開平7-328781号公報(乙196)及び特開平7-323384号公報(乙197)に記載された本件特許2の優先日当時の周知技術を適用して、当業者が容易に想到し得たものである旨主張する。 確かに、乙25公報中の特許請求の範囲の請求項1、2及び4(請求項3を引用するものを除く。補正して引用する原判決第4の11(1)ア(ア))においては、加工対象物は、「透明材料」とされ、「厚板の合成石英ガラス」とはされていない。また、乙25公報中の発明の詳細な説明(同(イ))にも、「透明材料としては、例えば、光学ガラス、石英ガラスなどの無機ガラス、アクリル樹脂などの透明樹脂等が- 189 -挙げられる」との記載がみられる。しかしながら、乙25公報においては、乙25公報に記載された発明が解決すべき課題として、石英ガラス等の透明材料については、 ル樹脂などの透明樹脂等が- 189 -挙げられる」との記載がみられる。しかしながら、乙25公報においては、乙25公報に記載された発明が解決すべき課題として、石英ガラス等の透明材料については、従来のバンドソー、内周刀、コアドリル、円筒研削機等では複雑な加工ができず、炭酸ガスレーザを利用したレーザ切断機では厚さ10mm程度しか溶断できなかったことが指摘された上、乙25公報に記載された発明は、「石英ガラスなどの透明材料を複雑な形状に切断加工することを目的とし、被加工物の厚味に影響を受けず、厚板であっても自由な切断加工を可能とすることを目的と」するものであるとされており、また、乙25公報に記載された発明の具体的な構成について言及する部分(実施例1)においては、「厚板の合成石英ガラス」のみが加工対象物として説明されている。以上によると、乙25公報に記載された一体の発明としては、補正して引用する原判決第4の11(2)アの乙25発明1”のとおり認定するのが相当であり、そうすると、乙25発明1”における加工対象物は、一般的な「透明材料」ではなく、「厚板の合成石英ガラス」であるということになる。 以上によると、控訴人の上記主張は、その前提を欠くものとして失当である。 したがって、補正して引用する原判決第4の22のとおり、本件発明2-1と乙25公報に記載された発明との間には相違点①(本件発明2-1では、加工対象物が「半導体基板」であるのに対し、乙25公報に記載された発明では、加工対象物が「厚板の合成石英ガラス」である点。)が存在し、また、本件発明2-2と乙25公報に記載された発明との間には相違点②(本件発明2-2では、加工対象物が「シリコン基板である半導体基板」であるのに対し、乙25公報に記載された発明では、加工対象物が「厚板の合成石英ガラス」 乙25公報に記載された発明との間には相違点②(本件発明2-2では、加工対象物が「シリコン基板である半導体基板」であるのに対し、乙25公報に記載された発明では、加工対象物が「厚板の合成石英ガラス」である点。)が存在し、これらの相違点に係る本件発明2の構成は、本件特許2の原出願日当時の当業者において容易に想到することができたものとは認められない。 (7) 控訴人は、本件発明2の乙24公報を主引用例とする進歩性欠如の主張に関し、乙24公報の記載(【0040】、【0047】)を根拠に、乙24公報に記載された発明においては、溝部204の上から下にかけてローラーの荷重がかけ- 190 -られ、その結果、半導体ウエハーの内部に形成された加工変質層206に引張応力が加わり、加工変質層206から割れが始まるから、加工変質層206は「切断の起点(分離の起点)」に該当する旨主張し、当審において、乙213(先端力学シミュレーション研究所作成の「サファイア基板き裂部の応力解析」と題する資料)を提出する。 しかしながら、乙24公報の記載(「スクライブ・ライン103に沿って、不示図のローラーにより荷重を作用させ、窒化物半導体ウエハーを切断分離することができる」(【0040】)、「溝部(スクライブ・ライン)に沿ってローラーによって荷重をかけ半導体ウエハーを切断し、LEDチップ210を分離させた」(【0047】))によっても、乙24公報に記載された発明において、控訴人が主張するように溝部204の上から下にかけてローラーの荷重がかけられると断定することはできず、したがって、同発明において、加工変質層206が必ず「切断の起点(分離の起点)」となるものと認めることはできない。ローラーの荷重が溝部204の上から下にかけてかけられることを前提とする乙213の試験結果 がって、同発明において、加工変質層206が必ず「切断の起点(分離の起点)」となるものと認めることはできない。ローラーの荷重が溝部204の上から下にかけてかけられることを前提とする乙213の試験結果も、この結論を左右するものではない。 以上のとおりであるから、控訴人の上記主張を採用することはできない。 ●(省略)● - 191 -●(省略)● - 192 -●(省略)● 以上のとおりであるから、控訴人の上記各主張は、いずれも採用することができない。 ●(省略)● - 193 -●(省略)● 以上のとおりであるから、控訴人の上記各主張を採用することはできない。 ●(省略)● - 194 -●●●●●●以上のとおりであるから、控訴人の上記主張を採用することはできない。 ●(省略)● - 195 -●(省略)● なお、控訴人が製造、販売等の実績がないと主張する被告製品2について、これを原判決別紙1被告製品目録から除外する必要がないことは、補正して引用する原判決第4の29(2)において説示したとおりである。 以上のとおりであるから、控訴人の上記各主張を採用することはできない。 4 結論そうすると、当裁判所の上記判断と同旨の原判決(被控訴人の本件特許権2に基づく請 いて説示したとおりである。 以上のとおりであるから、控訴人の上記各主張を採用することはできない。 4 結論そうすると、当裁判所の上記判断と同旨の原判決(被控訴人の本件特許権2に基づく請求を認容した部分に限る。)は相当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却すべきである。なお、被控訴人は、当審において、本件特許権1に基づく請求に係る訴えを取り下げたので、原判決主文1項及び2項(被控訴人の本件特許権1に基づく請求を認容した部分に限る。)は、当然にその効力を失っているから、その旨を明らかにすることとして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部 - 196 - 裁判長裁判官本 多 知 成 裁判官浅 井 憲 裁判官中 島 朋 宏 - 197 -(別紙) 当 事 者 目 録 控 訴 人 株式会社東京精密 同訴訟代理人弁護士 服 部 誠中 村 閑柿 本 祐 依同訴訟復代理人弁護士 岩 間 智 女同補佐人弁理士 新 井 剛 被控訴人 浜松ホトニクス株式会社 岩 間 智 女同補佐人弁理士 新 井 剛 被控訴人 浜松ホトニクス株式会社 同訴訟代理人弁護士 設 樂 隆 一松 本 直 樹大 澤 恒 夫同訴訟代理人弁理士 柴 田 昌 聰同訴訟復代理人弁護士 河 合 哲 志同補佐人弁理士 小 曳 満 昭以 上

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