昭和63(あ)948 傷害致死、死体遺棄

裁判年月日・裁判所
平成元年6月26日 最高裁判所第一小法廷 決定 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      当審における未決勾留日数中二四〇日を本刑に算入する。      当審における訴訟費用は被告人の負担とする。          理    由  弁

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判決文本文1,720 文字)

主    文      本件上告を棄却する。      当審における未決勾留日数中二四〇日を本刑に算入する。      当審における訴訟費用は被告人の負担とする。          理    由  弁護人田中清治の上告趣意のうち、判例違反をいう点は、所論引用の判例は事案 を異にし本件に適切でなく、その余は、事実誤認の主張であり、被告人本人の上告 趣意は、事実誤認の主張であり、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。  所論にかんがみ、職権により判断する。  一 傷害致死の点について、原判決(原判決の是認する一審判決の一部を含む。) が認定した事実の要旨は次のとおりである。(1) 被告人は、一審相被告人のA の舎弟分であるが、両名は、昭和六一年一月二三日深夜スナツクで一緒に飲んでい た本件被害者のBの酒癖が悪く、再三たしなめたのに、逆に反抗的な態度を示した ことに憤慨し、同人に謝らせるべく、車でA方に連行した。(2) 被告人は、A とともに、一階八畳間において、Bの態度などを難詰し、謝ることを強く促したが、 同人が頑としてこれに応じないで反抗的な態度をとり続けたことに激昂し、その身 体に対して暴行を加える意思をAと相通じた上、翌二四日午前三時三〇分ころから 約一時間ないし一時間半にわたり、竹刀や木刀でこもごも同人の顔面、背部等を多 数回殴打するなどの暴行を加えた。(3) 被告人は、同日午前五時過ぎころ、A 方を立ち去つたが、その際「おれ帰る」といつただけで、自分としてはBに対しこ れ以上制裁を加えることを止めるという趣旨のことを告げず、Aに対しても、以後 はBに暴行を加えることを止めるよう求めたり、あるいは同人を寝かせてやつてほ しいとか、病院に連れていつてほしいなどと頼んだりせずに、現場をそのままにし て立ち去つた。(4) その後ほどなくして、Aは、Bの言動に再び激昂 ことを止めるよう求めたり、あるいは同人を寝かせてやつてほ しいとか、病院に連れていつてほしいなどと頼んだりせずに、現場をそのままにし て立ち去つた。(4) その後ほどなくして、Aは、Bの言動に再び激昂して、「 - 1 - まだシメ足りないか」と怒鳴つて右八畳間においてその顔を木刀で突くなどの暴行 を加えた。(5)Bは、そのころから同日午後一時ころまでの間に、A方において 甲状軟骨左上角骨折に基づく頸部圧迫等により窒息死したが、右の死の結果が被告 人が帰る前に被告人とAがこもごも加えた暴行にようて生じたものか、その後のA による前記暴行により生じたものかは断定できない。  二 右事実関係に照らすと、被告人が帰つた時点では、Aにおいてなお制裁を加 えるおそれが消滅していなかつたのに、被告人において格別これを防止する措置を 講ずることなく、成り行きに任せて現場を去つたに過ぎないのであるから、Aとの 間の当初の共犯関係が右の時点で解消したということはできず、その後のAの暴行 も右の共謀に基づくものと認めるのが相当である。そうすると、原判決がこれと同 旨の判断に立ち、かりにBの死の結果が被告人が帰つた後にAが加えた暴行によつ て生じていたとしても、被告人は傷害致死の責を負うとしたのは、正当である。  よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項本文、刑法二一条に より、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。   平成元年六月二六日      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    角   田   禮 次 郎             裁判官    大   内   恒   夫             裁判官    佐   藤   哲   郎             裁判官    四 ツ 谷       巖             裁判官    大     内   恒   夫             裁判官    佐   藤   哲   郎             裁判官    四 ツ 谷       巖             裁判官    大   堀   誠   一 - 2 -

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