平成28年3月29日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成26年(ワ)第14006号特許権侵害差止等請求事件口頭弁論終結日平成27年12月24日判決 原告ヒロセ電機株式会社同訴訟代理人弁護士田中伸一郎同高石秀樹同松野仁彦同訴訟代理人弁理士須田洋之同補佐人弁理士豊島匠二 被告日本圧着端子製造株式会社同訴訟代理人弁護士加藤真朗同太井徹同池田聡同吉田真也同佐野千誉 主文 1 被告は,別紙物件目録記載の製品を製造し,販売し,若しくは輸出し,輸入し,又は販売の申出をしてはならない。 2 被告は,原告に対し,3185万2238円及びうち883万5431円に対する平成26年6月27日から,うち2301万6807円に対する平成27年9月1日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,これを6分し,その1を原告の,その余を被 円に対する平成27年9月1日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,これを6分し,その1を原告の,その余を被告の,各負担とする。 5 この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 請求 1 主文第1項同旨 2 被告は,別紙物件目録記載の製品を廃棄せよ。 3 被告は,原告に対し,4875万円及びうち1800万円に対する平成26年6月27日から,うち3075万円に対する平成27年9月1日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,発明の名称を「電気コネクタ組立体」とする特許権2件を有する原告が,被告によるLEHコネクタの製造・販売行為が上記特許権2件を侵害する旨主張して,被告に対し,特許法100条による差止請求権に基づき,上記製品の製造・販売等の差止め及び廃棄を求めるとともに,特許権侵害(不法行為)による損害賠償請求権に基づき,損害賠償金4875万円(上記特許権2件の登録日である平成25年9月13日から平成27年8月31日までの間に発生した損害額)及びうち1800万円(平成26年5月13日までの損害額)に対する不法行為後である平成26年6月27日(訴状送達日)から,うち3075万円(同年5月14日以降の損害額)に対する不法行為後である平成27年9月1日から,それぞれ支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 前提事実(証拠を掲記した事実以外は当事者間に争いがない。)(1) 当事者ア原告は,各種電気機械器具の製造及び販売を行う株式会社である。 イ被告は,電気,電子接続部品の製造,販売及び 前提事実(証拠を掲記した事実以外は当事者間に争いがない。)(1) 当事者ア原告は,各種電気機械器具の製造及び販売を行う株式会社である。 イ被告は,電気,電子接続部品の製造,販売及び輸出入を行う株式会社である。 (2) 原告の特許権ア原告は,次の特許(以下「本件特許1」という。)に係る特許権(以下「本件特許権1」という。)を有する。 (ア) 発明の名称 「電気コネクタ組立体」(イ) 出願日平成25年4月9日(ウ) 優先権主張日平成21年4月16日(エ) 優先権主張番号特願2009-99978号(オ) 登録日平成25年9月13日(カ) 登録番号特許第5362136号イ被告が,本件特許1につき,平成26年1月22日付けで無効審判請求をしたところ,原告は,平成27年2月25日付けで訂正請求をし,同年6月1日付けでその補正をした。特許庁は,同年7月10日付けで,上記訂正を認めるものの,同特許の請求項1記載の発明に係る特許を無効とする旨の審決(甲17,乙18)をしたため,原告が知的財産高等裁判所に同審決の取消訴訟を提起した。 ウ本件特許1の請求項1(以下,同請求項に係る発明を「本件特許発明1」という。)の記載は,以下のとおりである。なお,下線部は上記訂正部分である。 「ハウジングの周面に形成された嵌合面で互いに嵌合接続されるケーブルコネクタとレセプタクルコネクタとを有し,嵌合面が側壁面とこれに直角をなし前方に位置する端壁面とで形成されており,ケーブルコネクタが後方に位置する端壁面をケーブルの延出側としている電気コネクタ組立体において,ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタの一方が,平坦面部分を有する突部前縁と平坦面部分を有する突部後縁 ーブルコネクタが後方に位置する端壁面をケーブルの延出側としている電気コネクタ組立体において,ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタの一方が,平坦面部分を有する突部前縁と平坦面部分を有する突部後縁とが前後方向に離間しているロック突部を側壁面に有し,他方が前後方向で該ロック突部に対応する位置で溝部前縁と溝部後縁が形成されたロック溝部を側壁面に有し,該ロック溝部には溝部前縁または溝部後縁から溝内方へ突出する突出部が設けられており,ケーブルコネクタは,前方の端壁面に寄った位置で側壁に係止部が設けられ,レセプタクルコネクタは,前後方向で上記係止部と対応する位置でコネクタ嵌合状態にて該係止部と係止可能な被係止部が側壁に設けられており,上記ロック突部が嵌合方向で上記ロック溝部内に進入してケーブルコネクタが該ケーブルコネクタの前端側が持ち上がった上向き傾斜姿勢から嵌合終了の姿勢となったコネクタ嵌合状態では,上記姿勢の変化に応じて上記突出部に対する上記ロック突部の位置が変化することにより,該ケーブルコネクタが後端側を持ち上げられて抜出方向に移動されようとしたとき,上記ロック突部が上記抜出方向で上記突出部と当接して該ケーブルコネクタの抜出を阻止するようになっており,該ケーブルコネクタの前端部には前方へ突出する持上げ部が設けられていて,上記コネクタ嵌合状態で該持上げ部を抜出方向に持ち上げることにより,上記係止部と上記被係止部との係止可能な状態が解除されるとともに,上記ロック突部と上記突出部との上記当接可能な状態が解除されて,上記ケーブルコネクタの抜出が可能となることを特徴とする電気コネクタ組立体。」エ原告は,次の特許(以下「本件特許2」といい,本件特許1と併せて「本件各特許」という。)に係る特許権(以下「本件特許権2」という。)を有する。 なることを特徴とする電気コネクタ組立体。」エ原告は,次の特許(以下「本件特許2」といい,本件特許1と併せて「本件各特許」という。)に係る特許権(以下「本件特許権2」という。)を有する。 (ア) 発明の名称 「電気コネクタ組立体」(イ) 出願日平成25年7月25日(ウ) 優先権主張日平成21年4月16日(エ) 優先権主張番号特願2009-99978号(オ) 登録日平成25年9月13日(カ) 登録番号特許第5362931号オ被告が,本件特許2の請求項3ないし5記載の発明に係る特許について,平成26年1月22日付けで無効審判請求をしたところ,原告は,同年4月18日付けで訂正請求をした。特許庁は,同年9月26日付けで,上記訂正を認め,同審判請求は成り立たない旨の審決(甲8)をしたため,被告が知的財産高等裁判所に同審決の取消訴訟を提起したが,同裁判所は,平成27年5月12日,その請求を棄却する旨の判決(甲12)をし,同判決は確定した。 カ本件特許2の請求項3(以下,同請求項に係る発明を「本件特許発明2」といい,本件特許発明1と併せて「本件各特許発明」という。)の記載は,以下のとおりである。なお,下線部は上記訂正部分である。 「ハウジングの周面に形成された嵌合面で互いに嵌合接続されるケーブルコネクタとレセプタクルコネクタとを有し,嵌合面が側壁面とこれに直角をなし前方に位置する端壁面とで形成されており,ケーブルコネクタが後方に位置する端壁面をケーブルの延出側としている電気コネクタ組立体において,ケーブルコネクタは,突部前縁と突部後縁が形成されたロック突部を側壁面に有し,レセプタクルコネクタは,前後方向で該ロック突部に対応する位置で溝部前縁と溝部後縁 としている電気コネクタ組立体において,ケーブルコネクタは,突部前縁と突部後縁が形成されたロック突部を側壁面に有し,レセプタクルコネクタは,前後方向で該ロック突部に対応する位置で溝部前縁と溝部後縁が形成されたロック溝部を側壁面に有し,該ロック溝部には溝部後縁から溝内方へ突出する突出部が設けられており,ケーブルコネクタは,前方の端壁面に寄った位置で側壁に係止部が設けられ,レセプタクルコネクタは,前後方向で上記係止部と対応する位置でコネクタ嵌合状態にて該係止部と係止可能な被係止部が側壁に設けられており,コネクタ嵌合過程にて上記ケーブルコネクタの前端がもち上がって該ケーブルコネクタが上向き傾斜姿勢にあるとき,上記ロック突部の突部後縁の最後方位置が,上記ケーブルコネクタがコネクタ嵌合終了姿勢にあるときと比較して前方に位置し,上記ロック突部が上記ロック溝部内に進入して所定位置に達した後に上記上向き傾斜姿勢が解除されて上記ケーブルコネクタが上記コネクタ嵌合終了姿勢となったとき,上記ロック突部の突部後縁の最後方位置が上記突出部の最前方位置よりも後方に位置し,該ケーブルコネクタが後端側を持ち上げられて抜出方向に移動されようとしたとき,上記ロック突部が上記抜出方向で上記突出部と当接して,上記ケーブルコネクタの抜出が阻止されるようになっていることを特徴とする電気コネクタ組立体。」キ原告による本件特許1の出願は,特願2012-43761(特許第5247904号,以下「子出願」という。)(乙1)の分割出願であり,子出願は,特願2010-11225(特許第4972174号,以下「親出願」という。)(乙2)の分割出願である。 また,本件特許2の出願は本件特許1の出願(特願2013-81080)の分割出願である。 (3) 本件各特許発明の構成要件 72174号,以下「親出願」という。)(乙2)の分割出願である。 また,本件特許2の出願は本件特許1の出願(特願2013-81080)の分割出願である。 (3) 本件各特許発明の構成要件ア本件特許発明1の構成要件本件特許発明1を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,分説した構成要件をそれぞれの符号に従い「構成要件A1」などという。)。 A1 ハウジングの周面に形成された嵌合面で互いに嵌合接続されるケーブルコネクタとレセプタクルコネクタとを有し,A2 嵌合面が側壁面とこれに直角をなし前方に位置する端壁面とで形成されており,ケーブルコネクタが後方に位置する端壁面をケーブルの延出側としている電気コネクタ組立体において,B ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタの一方が,平坦面部分を有する突部前縁と平坦面部分を有する突部後縁とが前後方向に離間しているロック突部を側壁面に有し,C1 他方が前後方向で該ロック突部に対応する位置で溝部前縁と溝部後縁が形成されたロック溝部を側壁面に有し,C2 該ロック溝部には溝部前縁または溝部後縁から溝内方へ突出する突出部が設けられており,D ケーブルコネクタは,前方の端壁面に寄った位置で側壁に係止部が設けられ,レセプタクルコネクタは,前後方向で上記係止部と対応する位置でコネクタ嵌合状態にて該係止部と係止可能な被係止部が側壁に設けられており,E 上記ロック突部が嵌合方向で上記ロック溝部内に進入してケーブルコネクタが該ケーブルコネクタの前端側が持ち上がった上向き傾斜姿勢から嵌合終了の姿勢となったコネクタ嵌合状態では,上記姿勢の変化に応じて上記突出部に対する上記ロック突部の位置が変化することにより,該ケーブルコネクタが後端側を持ち上げられて抜出方向に移動されようとしたとき, の姿勢となったコネクタ嵌合状態では,上記姿勢の変化に応じて上記突出部に対する上記ロック突部の位置が変化することにより,該ケーブルコネクタが後端側を持ち上げられて抜出方向に移動されようとしたとき,上記ロック突部が上記抜出方向で上記突出部と当接して該ケーブルコネクタの抜出を阻止するようになっており,F 該ケーブルコネクタの前端部には前方へ突出する持上げ部が設けられていて,G 上記コネクタ嵌合状態で該持上げ部を抜出方向に持ち上げることにより,上記係止部と上記被係止部との係止可能な状態が解除されるとともに,上記ロック突部と上記突出部との上記当接可能な状態が解除されて,上記ケーブルコネクタの抜出が可能となることを特徴とするH 電気コネクタ組立体。 イ本件特許発明2の構成要件本件特許発明2を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,分説した構成要件をそれぞれの符号に従い「構成要件a1」などという。)。 a1 ハウジングの周面に形成された嵌合面で互いに嵌合接続されるケーブルコネクタとレセプタクルコネクタとを有し,a2 嵌合面が側壁面とこれに直角をなし前方に位置する端壁面とで形成されており,ケーブルコネクタが後方に位置する端壁面をケーブルの延出側としている電気コネクタ組立体において,b ケーブルコネクタは,突部前縁と突部後縁が形成されたロック突部を側壁面に有し,c1 レセプタクルコネクタは,前後方向で該ロック突部に対応する位置で溝部前縁と溝部後縁が形成されたロック溝部を側壁面に有し,c2 該ロック溝部には溝部後縁から溝内方へ突出する突出部が設けられており,d ケーブルコネクタは,前方の端壁面に寄った位置で側壁に係止部が設けられ,レセプタクルコネクタは,前後方向で上記係止部と対応する位置でコネクタ嵌合状態にて該 へ突出する突出部が設けられており,d ケーブルコネクタは,前方の端壁面に寄った位置で側壁に係止部が設けられ,レセプタクルコネクタは,前後方向で上記係止部と対応する位置でコネクタ嵌合状態にて該係止部と係止可能な被係止部が側壁に設けられており,e コネクタ嵌合過程にて上記ケーブルコネクタの前端がもち上がって該ケーブルコネクタが上向き傾斜姿勢にあるとき,上記ロック突部の突部後縁の最後方位置が,上記ケーブルコネクタがコネクタ嵌合終了姿勢にあるときと比較して前方に位置し,f 上記ロック突部が上記ロック溝部内に進入して所定位置に達した後に上記上向き傾斜姿勢が解除されて上記ケーブルコネクタが上記コネクタ嵌合終了姿勢となったとき,上記ロック突部の突部後縁の最後方位置が上記突出部の最前方位置よりも後方に位置し,g 該ケーブルコネクタが後端側を持ち上げられて抜出方向に移動されようとしたとき,上記ロック突部が上記抜出方向で上記突出部と当接して,上記ケーブルコネクタの抜出が阻止されるようになっていることを特徴とするh 電気コネクタ組立体。 (4) 被告の行為被告は,業として,遅くとも平成25年9月13日以降,別紙物件目録記載の製品(以下「被告製品」という。)を製造・販売している。 2 争点(1) 被告製品は本件各特許発明の技術的範囲に属するかなお,被告製品が,本件特許発明1の構成要件A1,A2,F,Hを充足すること,本件特許発明2の構成要件a1,a2,hを充足することについては,争いがない。 また,被告製品には,別紙物件目録記載のとおり,部品の組合せにより2類型存在するが,構成要件充足性に関する両当事者の主張は,いずれの類型についても妥当するものである。 (2) 本件各特許は特許無効審判により無効 ,別紙物件目録記載のとおり,部品の組合せにより2類型存在するが,構成要件充足性に関する両当事者の主張は,いずれの類型についても妥当するものである。 (2) 本件各特許は特許無効審判により無効にされるべきものか(3) 原告の損害額(4) 差止め及び廃棄の必要性 3 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1)(被告製品は本件各特許発明の技術的範囲に属するか)についてア原告の主張(ア) 本件特許発明1についてa 被告製品のケーブル側コネクタ10は,側壁面20に,「後方突部21」を有し,この「後方突部21」においては,別紙1(訴状添付の被告製品説明書)の図面から明らかに,平坦面部分を有する「後方突部前縁21A」と平坦面部分を有する「後方突部後縁21B」とが,後方突部21の上面及び下面を介して前後方向に離間しているので,被告製品は,訂正後の構成要件Bを充足する。 なお,被告は,構成要件Bなどの「ロック突部」及び構成要件C1などの「ロック溝部」について,「ロック溝部前縁(突出部を有する場合はこれを含む)の最後方位置と溝部後縁(突出部を有する場合はこれを含む)の最前方位置との前後方向における距離」(以下「ロック溝部の前後方向距離」という。)が,「水平姿勢(嵌合終了姿勢)にあるときのケーブルコネクタのロック突部の突部前縁の最前方位置と突部後縁の最後方位置との前後方向における距離」(以下「ロック突部の前後方向距離」という。)よりも大きく設定されている場合を含まないと主張する(以下,被告が主張する上記規律を「ロック突部とロック溝部の寸法に関する規律」ともいう。)。 しかし,被告の上記主張は,特許請求の範囲の文言を離れて発明の構成を限定するものであり,およそ理由がない。 b 被告製品 ク突部とロック溝部の寸法に関する規律」ともいう。)。 しかし,被告の上記主張は,特許請求の範囲の文言を離れて発明の構成を限定するものであり,およそ理由がない。 b 被告製品の基板側コネクタ50は,被告製品のケーブル側コネクタ10の「後方突部21」に対応する位置で「前縁57A」と「後縁57B」が形成された「後方溝部57」を有している。そして,被告製品の「後方溝部57」には,溝内方へ突出する「突出部59」が設けられているから,被告製品は構成要件C1及びC2を充足する。 なお,前記a同様,構成要件C1の「ロック突部」並びに構成要件C1及びC2の「ロック溝部」について被告が主張するような限定解釈は理由がない。 c 被告製品のケーブル側コネクタ10には,「前方の端壁面15」に寄った位置に「側壁面20」に「前方突部22」が,基板側コネクタ50には,前記「前方突部22」と対応する位置で,コネクタを嵌合したとき同突部と係止する「前方溝部60」が側壁53に設けられている(判決注:原告は,訴状段階では「切れ込み部60」と主張していたが,その後「前方溝部60」と表現を改めており,本判決では「前方溝部60」と統一する。)。 そして,被告製品におけるケーブル側コネクタ10の側壁面20に設けられた「前方突部22」は本件特許発明1の「係止部」に,基板側コネクタ50の側壁53に設けられた「前方溝部60」は本件特許発明1の「被係止部」にそれぞれ相当することから,被告製品は構成要件Dを充足する。 なお,特許請求の範囲の記載において,「被係止部」については「コネクタ嵌合状態にて該係止部と係止可能」と規定するのみであり,「ケーブルコネクタの前方への移動を妨げる」というような限定はない。 そして, 囲の記載において,「被係止部」については「コネクタ嵌合状態にて該係止部と係止可能」と規定するのみであり,「ケーブルコネクタの前方への移動を妨げる」というような限定はない。 そして,被告製品においては,ケーブル側コネクタ10と基板側コネクタ50とを嵌合すると,前者の「前方突部22」が後者の「前方溝部60」に進入する。そうすると,「前方溝部60」の「前方溝部突出部63」は,「前方突部22」の一辺の上にあり,両者の「係止」により「前方突部22」が上方に抜出することを防止し,ケーブル側コネクタ10が上方に抜出することが阻止される。 したがって,「前方突部22」と係止可能な「前方溝部60」が「被係止部」に相当することは明白である。 なお,「対応する位置で」との文言につき,嵌合前に前後方向にずれが存在することを許さないとの限定解釈をする根拠はない。 d 被告製品は,「後方突部21」が嵌合方向で「後方溝部57」内に進入してケーブル側コネクタ10が該ケーブル側コネクタ10の前端側が持ち上がった上向き傾斜姿勢から嵌合終了の姿勢となったコネクタ嵌合状態では,該ケーブルコネクタが後端側を持ち上げられて抜出方向に移動されようとしたとき,ケーブルコネクタの前端側が持ち上がった上向き傾斜姿勢から嵌合終了の姿勢となる姿勢の変化により,「後方突部21」が,ケーブルコネクタが後端側を持ち上げられる抜出方向で,後方溝部57の突出部を構成する平らな面と当接して該ケーブルコネクタの抜出を阻止するから,訂正後の構成要件Eを充足する。 なお,同構成要件は,ケーブルコネクタの前端側が持ち上がった「上向き傾斜姿勢」から「嵌合終了の姿勢」への姿勢の変化に応じて突出部に対するロック突部の位置が変化することを規定するものであって, なお,同構成要件は,ケーブルコネクタの前端側が持ち上がった「上向き傾斜姿勢」から「嵌合終了の姿勢」への姿勢の変化に応じて突出部に対するロック突部の位置が変化することを規定するものであって,ケーブルコネクタの姿勢が時々刻々変化するにつれて,突出部に対するロック突部の位置が時々刻々変化することを規定するものではない。また,同構成要件は,回転運動のみによって姿勢を変化すると限定されているものでもない。 このほか,前記a同様,構成要件Eの「ロック突部」について被告が主張するような限定解釈は理由がない。 e 被告製品は,コネクタ嵌合状態でケーブル側コネクタ10の「持上げ片19」を上方向に持ち上げると,ケーブル側コネクタ10の「前方突部22」と基板側コネクタ50の「前方溝部60」との係止がはずれ,ケーブル側コネクタ10の「後方突部21」と(基板側コネクタ50の)「突出部59」とが当接しなくなるので,ケーブル側コネクタ10の(上方向への)抜出が可能となる。 この点は,別紙1ないし別紙2(被告第1準備書面添付の被告製品説明図)の[図5]において,嵌合終了姿勢(嵌合状態)である(C)の状態から(B)の状態に遷移する過程からも明らかである。 したがって,被告製品は構成要件Gを充足する。 (イ) 本件特許発明2についてa 前記(ア)a同様に,被告製品は構成要件bを充足する。構成要件bの「ロック突部」に関しても,前記(ア)a同様の議論が妥当する。 b 前記(ア)b同様,被告製品は構成要件c1及びc2を充足する。構成要件c1の「ロック突部」並びに構成要件c1及びc2の「ロック溝部」についても,前記(ア)b同様の議論が妥当する。 c 前記(ア)c同様,被告製品は構成要件dを充足する。 d 構成要件c1の「ロック突部」並びに構成要件c1及びc2の「ロック溝部」についても,前記(ア)b同様の議論が妥当する。 c 前記(ア)c同様,被告製品は構成要件dを充足する。 d(a) 被告製品においては,コネクタを嵌合させる途中のケーブル側コネクタ10の前端が持ち上がって同コネクタ10が上向き傾斜姿勢にあるときの「後方突部後縁21B」の最後方位置は,コネクタが完全に嵌合したときと比較して前方に位置しているから,被告製品は構成要件eを充足する。 構成要件eについても,被告製品が「ロック突部」を備えていないことを前提とする被告の主張は理由がない。 ⒝ なお,構成要件eとfは互いに関連したものであって,構成要件eは「ロック突部の突部後縁の最後方位置」が「ケーブルコネクタが上向き傾斜姿勢にあるとき」にはロック溝部の溝部後縁から溝内方に突出する突出部の最前方位置よりも前方に位置することを意味するものである。 そして,本件特許発明2の「コネクタ嵌合過程」とは,ケーブルコネクタのロック突部をレセプタクルコネクタのロック溝部に挿入し,まだ回動動作をしていない状態を意味するところ,被告製品は,別紙2の図5(B)において,後方突部後縁21Bは突出部59の最前方位置よりも後方にまだ進入しておらず,図5(C)では,後方突部の後縁21Bは突出部59の最前方位置よりも後方に進入している。 ⒞ 被告製品においては,相手コネクタ(のロック突部)が後方に平行移動するものではなく,ロック突部が回転しながら,ロック突部の最後方位置が突出部に対して位置変化を生ずるものである。 e 被告製品においては,ケーブル側コネクタ10の「後方突部21」が基板側コネクタ50の「後方溝部57」の中に入り,その下方位置に達した後にケーブル側 に対して位置変化を生ずるものである。 e 被告製品においては,ケーブル側コネクタ10の「後方突部21」が基板側コネクタ50の「後方溝部57」の中に入り,その下方位置に達した後にケーブル側コネクタ10は上向き傾斜姿勢ではなくなり,コネクタは完全に嵌合すると,ケーブル側コネクタ10の「後方突部21」の「後縁21B」の最後方位置は,基板側コネクタ50の「突出部59」の最前方位置よりも後方に位置している。したがって,被告製品は構成要件fを充足する。 構成要件fについても,被告製品が「ロック突部」を備えていないことを前提とする被告の主張は理由がない。 f 被告製品は,ケーブル側コネクタ10が後端側を持ち上げられて上方向に移動されようとしたとき,ケーブル側コネクタ10の「後方突部21」が上方向で(基板側コネクタ50の)「突出部59」と当接して,ケーブル側コネクタ10の抜出ができない。したがって,被告製品は構成要件gを充足する。 構成要件gについても,被告製品が「ロック突部」を備えていないことを前提とする被告の主張は理由がない。 イ被告の主張(ア) 本件特許発明1についてa 本件特許発明1における「ロック突部」及び「ロック溝部」は,ロック突部の前後方向距離が,ロック溝部の前後方向距離よりも大きいものを意味すると解すべきであり,このように解さなければ,本件特許1は,実施可能要件違反,サポート要件違反,分割要件違反による新規性欠如等により,無効とされるべきである。 そして,被告製品における後方突部21は,水平姿勢(嵌合終了姿勢)にあるときのケーブル側コネクタ10の後方突部前縁21Aの最前方位置と後方突部後縁21Bの最後方位置との前後方向距離(a)が,後方溝部57の後方溝部前縁57Aの最後方位置と後方溝部後縁 合終了姿勢)にあるときのケーブル側コネクタ10の後方突部前縁21Aの最前方位置と後方突部後縁21Bの最後方位置との前後方向距離(a)が,後方溝部57の後方溝部前縁57Aの最後方位置と後方溝部後縁57Bの最前方位置との前後方向距離(b)よりも小さくなっている(a<b)。 したがって,被告製品は,本件特許発明1における「ロック突部」及び「ロック溝部」を備えておらず,構成要件B,C1及びC2を充足しない。 b 本件特許発明1の「係止」とは,少なくともケーブルコネクタとレセプタクルコネクタを止める作用を意味するから,被告製品における「被係止部」は,「ケーブルコネクタの前方への移動を妨げる」ものである必要があるところ,被告製品における「被係止部」としての作用を行う構成は,前方溝部突出部63及び前端壁54の内面となるから,被告製品は本件特許発明1における「被係止部」の構成を備えておらず,構成要件Dを充足しない。 このほか,被告製品における前方溝部60は,前後方向で前方突部22と対応する位置に存在せず,前方溝部60と前方突部22の位置には前後方向にずれが存在し,また,水平姿勢において「前方突部22」と「前方溝部突出部63」及び「基板側コネクタ50の前端壁54の内面」は,いずれも前後方向で位置がずれており,「対応する位置」でないから,被告製品は,この点においても構成要件Dを充足しない。 c 前記aのとおり,被告製品は,本件特許発明1における「ロック突部」及び「ロック溝部」の構成を備えておらず,構成要件Eを充足しない。 また,本件特許発明1は,本件特許発明2と同様,「ケーブルコネクタの回転のみによって,すなわち,ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタ間のスライドなどによる相対位置の変位なしに,ロック突部の最後方位置が突 件特許発明1は,本件特許発明2と同様,「ケーブルコネクタの回転のみによって,すなわち,ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタ間のスライドなどによる相対位置の変位なしに,ロック突部の最後方位置が突出部に対して位置変化を起こす構成」に限定されていると解すべきところ,被告製品は,回転のみによってロック突部の最後方位置が突出部に対して位置変化を起こす構成ではなく,ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタ間のスライドによる相対位置の変位によって後方突部の最後方位置が突出部に対して位置変化を起こす構成であるから,構成要件Eを充足しない。 d 前記a,bのとおり,被告製品は,本件特許発明1の「係止部」,「被係止部」及び「ロック突部」の構成を備えていない。 また,被告製品において,持上げ片19を上方向に持ち上げた場合,後方突部21は,突出部59と当接した状態となり,この点は動画(乙15)からも明らかである。 このように,被告製品は,「…上記ロック突部21と上記突出部19との当接可能な状態が解除され」との構成を備えておらず,構成要件Gを充足しない。 (イ) 本件特許発明2についてa 本件特許発明2における「ロック突部」及び「ロック溝部」は,ロック突部の前後方向距離が,ロック溝部の前後方向距離よりも大きくなっているものを意味すると解すべきである。 そして,被告製品における後方突部21は,水平姿勢(嵌合終了姿勢)にあるときのケーブル側コネクタ10の後方突部前縁21Aの最前方位置と後方突部後縁21Bの最後方位置との前後方向距離が,後方溝部57の後方溝部前縁57Aの最後方位置と後方溝部後縁57Bに設けられた突出部59の最前方位置との前後方向距離よりも小さくなっている。 したがって,被告製品は,本件特許発明2における「ロック突部 7の後方溝部前縁57Aの最後方位置と後方溝部後縁57Bに設けられた突出部59の最前方位置との前後方向距離よりも小さくなっている。 したがって,被告製品は,本件特許発明2における「ロック突部」及び「ロック溝部」を備えておらず,構成要件b,c1及びc2を充足しない。 b 本件特許発明2の構成要件dは,本件特許発明1の構成要件Dと同様の構成であるから,前記(ア)bと同様に,被告製品における前方溝部60は本件特許発明2における「係止部」には当たらず,被告製品の前方溝部突出部63及び前端壁54は本件特許発明2における「被係止部」に当たらない。 また,被告製品においては,係止部と「対応する位置」に被係止部が設けられていない。 よって,被告製品は本件特許発明2における「被係止部」の構成を備えておらず,構成要件dを充足しない。 c 上記a同様,被告製品は,本件特許発明2における「ロック突部」を備えていないから,構成要件eないしgを充足しない。 また,本件特許発明2の構成要件e及びfは,「ケーブルコネクタの回転のみによって,すなわち,ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタ間のスライドなどによる相対位置の変位なしに,ロック突部の最後方位置が突出部に対して位置変化を起こす構成」に限定されている。これに対し,被告製品は,回転のみによってロック突部の最後方位置が突出部に対して位置変化を起こす構成ではなく,ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタ間のスライドによる相対位置の変位によって後方突部の最後方位置が突出部に対して位置変化を起こす構成であるから,被告製品は構成要件e及びfを充足しない。 このほか,原告は,本件特許発明2の構成要件eにつき,「ロック突部の突部後縁の最後方位置」が「ケーブルコネクタが上向き傾斜姿勢にあるとき」はロ るから,被告製品は構成要件e及びfを充足しない。 このほか,原告は,本件特許発明2の構成要件eにつき,「ロック突部の突部後縁の最後方位置」が「ケーブルコネクタが上向き傾斜姿勢にあるとき」はロック溝部の溝部後縁から溝内方に突出する突出部の最前方位置よりも前方に位置する旨の限定解釈を主張しているところ,そもそもこのような解釈には何ら根拠がない上,仮に同解釈を前提とすると,被告製品では,嵌合途中のまだ上向き傾斜姿勢にある時点において,既に後方突部の後縁21Bは突出部59の最前方位置よりも後方に進入しているから,被告製品が構成要件eを充足しないことは明らかである。 (2) 争点(2)(本件各特許は特許無効審判により無効にされるべきものか)についてア被告の主張(ア) 分割要件違反による新規性欠如a 本件特許1について(a) 親出願及び子出願の明細書及び図面に,少なくとも,ロック溝部の前後方向距離が,ロック突部の前後方向距離よりも大きく設定されている場合は含まれていない。 これに対し,本件特許発明1は,ロック溝部の前後方向距離がロック突部の前後方向距離よりも大きく設定されている場合にまで拡大されている。 したがって,本件特許1の出願は,原出願(親出願及び子出願)の範囲を超え,新規事項を追加するものであって,分割要件に違反する。 ⒝ 親出願(乙2)及び子出願(乙1)の明細書において,ロック突部とロック溝部の寸法に関する規律は必須の構成とされており,同構成を除外した構成(ロック突部がロック溝部の突出部に当接する構成)のみでは,ケーブルコネクタの抜出防止という課題は解決できない。この点は,ロック溝部の幅についての制約を除外し,ロック溝部の水平方向の幅を3倍 た構成(ロック突部がロック溝部の突出部に当接する構成)のみでは,ケーブルコネクタの抜出防止という課題は解決できない。この点は,ロック溝部の幅についての制約を除外し,ロック溝部の水平方向の幅を3倍にした場合について検討すると明らかである。そもそも,ロック突部がロック溝部の突出部に当接する構成のみでは,自然法則を説明したのみであり,発明といえるものではなく,かつ,親出願及び子出願は電気コネクタ組立体であり,抜出防止の点のみを議論することはできない。 また,発明の本質的特徴となる必須の構成を除外した分割出願は,分割要件を欠き,不適法であるところ,本件における親出願・子出願は,いずれもロック突部とロック溝部の寸法に関する規律を必須の構成としているため,同規律を除外した本件特許1は分割要件違反となる。 b 本件特許2について前記a同様,本件特許発明2は,ロック溝部の前後方向距離がロック突部の前後方向距離よりも大きく設定されている場合にまで拡大されている。 したがって,本件特許2の出願は,原出願(親出願及び子出願)の範囲を超え,新規事項を追加するものであって,分割要件に違反する。 また,本件特許発明2についても,前記a同様,ロック突部とロック溝部の寸法に関する規律を設けて初めて,突出部がロック突部に当接してケーブルコネクタの抜出を阻止することになるのに,これを欠くから,分割要件違反となる。 c 以上のとおり,本件特許1及び2の出願は,いずれも分割要件に違反し,その出願日は原出願日に遡及しない。そして,親出願である特願2010-11225(特許第4972174号)が平成22年11月25日に公開されている(乙2)から,本件特許発明1及び2は,いずれも新規性を欠く。 (イ) 実施可能要件及びサポート要件違 願2010-11225(特許第4972174号)が平成22年11月25日に公開されている(乙2)から,本件特許発明1及び2は,いずれも新規性を欠く。 (イ) 実施可能要件及びサポート要件違反a 本件特許発明1は,文言上は,「ロック溝部の前後方向距離がロック突部の前後方向距離よりも大きい場合」の発明を含んでいる。 しかし,課題を解決するための「ロック溝部」及び「ロック突部」の具体的構成としては,明細書(甲2)の段落【0011】及び【0012】に記載がある程度であり,上記のような場合に,どのようにロック突部が上記抜出方向で上記突出部と当接してケーブルコネクタの抜出を阻止するのかについての記載は,明細書及び図面にはない。 この場合,ロック突部がロック溝部から抜け出すのが通常であり,同発明は,当業者が技術常識に基づき実施できるものではなく,技術常識に照らして課題を解決できると認識できるものでもない。 したがって,本件特許発明1において,ロック突部とロック溝部の寸法に関する規律がないのであれば,同発明は実施可能要件及びサポート要件に違反し,本件特許1は無効である。 なお,訂正後の構成要件Eについても,後記bの構成要件e及びfと同じ議論が妥当する。 b 本件特許発明2も,本件特許発明1と同様,ロック溝部の前後方向距離がロック突部の前後方向距離よりも大きい場合を含むのであれば,明細書(甲4)には,ロック突部とロック溝部の寸法に関する規律なしに課題を解決する手段は何ら記載されていないから,実施可能要件及びサポート要件に違反し,本件特許2は無効とされるべきである。 また,突出部がロック溝部の前縁に設けられた構成とロック溝部の後縁に設けられた構成では,ロック突部が突出部の垂直下方に進入す 可能要件及びサポート要件に違反し,本件特許2は無効とされるべきである。 また,突出部がロック溝部の前縁に設けられた構成とロック溝部の後縁に設けられた構成では,ロック突部が突出部の垂直下方に進入する過程が全く異なることから,本件特許発明2が,ロック溝部の溝部前縁に突出部を設けた構成に関する記載によってサポートされることはあり得ず,唯一,ロック溝部の溝部後縁に突出部が設けられた構成である図7についても,ロック溝部の前縁と後縁の双方に突出部が設けられた構成であり,本件特許発明2とは異なる構成であるから,構成要件e及びfが明細書によってサポートされていないことは明らかである。 (ウ) 明確性要件違反本件特許発明2の構成要件e及びfの「ロック突部の突部後縁の最後方位置」の意義が,ロック突部の同じ部位(例えば嵌合終了姿勢時に突部後縁における最後方位置となる部位)に着目し,その部位についての位置関係を比較するものか,又は,それぞれ上向き傾斜姿勢時と嵌合終了姿勢時の,それぞれの時点における突部後縁の最後方位置を比較するものか,不明確である。 このように,本件特許2に係る明細書(甲4)の記載からは,上記「ロック突部の突部後縁の最後方位置」の意義が多義的であり,明確でないから,明確性要件(特許法36条6項2号)を欠く。審決(乙8)が,明確性要件及び進歩性の各判断において,「ロック突部の突部後縁の最後方位置」に関し,矛盾する判断をしたことは,構成要件eが明確性を欠くことの証左である。 (エ) 新規性及び進歩性欠如a(a) 本件特許発明1は,特開昭63-218174号公報(乙3,昭和63年9月12日に頒布された刊行物)に記載された発明(以下「乙3発明」という。)と同一であって,新規性を欠く。 ⒝ 仮 a(a) 本件特許発明1は,特開昭63-218174号公報(乙3,昭和63年9月12日に頒布された刊行物)に記載された発明(以下「乙3発明」という。)と同一であって,新規性を欠く。 ⒝ 仮に乙3には構成要件Fの持上げ部の構成を欠くとされる場合であっても,当業者であれば,乙3及び乙4ないし7に記載された構成に基づき,本件特許発明1を容易に発明できたものである。 すなわち,乙3の第1図に記載された相手コネクタ33の係止突起60の下部(嵌合させた場合の上方に当たる部分)の突出部位が持上げ部に相当しないとしても,コネクタを持ち上げやすくするのが望ましいのは当然であるところ,乙4ないし7には持上げ部の技術が記載されており,これは当業者に周知の技術であったから,乙3発明に持上げ部の構成を組み合わせ,又は乙3発明に乙4ないし乙7記載の構成を組み合わせることにより構成要件Fの構成とすることは,当業者に容易想到である。 ⒞ 仮に,乙3発明において構成要件Bのロック突部の形状についての構成が異なるとされた場合であっても,当業者であれば,乙3及び乙7ないし10に記載された構成に基づいて本件特許発明1を容易に発明することができたものであり,進歩性を欠き,無効である。 そもそも,多角形状と円形状でその動作に大きな差異が存在するわけではなく,本件特許発明1の構成要件Bにおけるロック突部の構成に関し,これを略多角形状にするか略円形状にするかは設計事項にすぎない。仮にこの点に技術的意義が存在し,乙3にはこの点が開示されていないとしても,乙7ないし乙10から明らかなように,乙3の形式のコネクタにおいて,ロック突部の形状を略多角形とするとともに,このロック突部に対応した形状の突出部をロック溝部に設ける形態は種々の形態が知られている。 そして,ロック突部 かなように,乙3の形式のコネクタにおいて,ロック突部の形状を略多角形とするとともに,このロック突部に対応した形状の突出部をロック溝部に設ける形態は種々の形態が知られている。 そして,ロック突部ないし回転中心突起の形状を略多角形にすると,挿入するコネクタの傾斜角度をロック突部の形状によって調整しやすくなるのに対し,これを略円形状とすると,傾斜角度の自由度が高まることになる。したがって,いずれの形状を採用するかは,コネクタの設置場所や作業性などの観点から適宜定める事項にすぎない。 ⒟ 以上からすると,乙3発明において,乙7ないし乙10に示される形態を採用し,ロック突部に対応する回転中心突起の形状を略多角形として構成要件Bの構成とするとともに,ロック溝部に対応する溝部後縁から溝内方への突出部を略多角形に対応した形状とすることは,当業者が適宜選択しうる事項にすぎず,当業者にとって容易想到である。 (e) このほか,訂正により構成要件Eに追加された事項は,後記b同様,乙3に開示されており,そうでないとしても乙7ないし10に開示されているから,これを乙3発明と組み合わせることで容易想到である。 b(a) 本件特許発明2は,乙3発明と同一であって,新規性を欠くものであり,仮にロック突部の形状についての構成が異なるとしても,進歩性を欠くものであって,無効である。 すなわち,乙3発明において,ロック突部に相当する回転中心突起53につき乙7ないし乙10に示される形態を採用し,回転中心突起の形状を略多角形として構成要件b,e,fの構成とすることは,当業者が適宜選択しうる事項にすぎず,当業者にとって容易想到であることは明らかである。 ⒝ 乙3において,コネクタ31が相手コネクタ33を後方に押し込む構成によって,相手コネクタの抜出を防止 は,当業者が適宜選択しうる事項にすぎず,当業者にとって容易想到であることは明らかである。 ⒝ 乙3において,コネクタ31が相手コネクタ33を後方に押し込む構成によって,相手コネクタの抜出を防止する技術思想が開示されていることは明らかである。 また,乙7ないし10には,ケーブルコネクタの姿勢に応じてロック突部の突部後縁の最後方位置とロック溝部の突出部の最前方位置との位置関係を変化させることによりケーブルコネクタの抜出を阻止する構成が示されているところ,乙7ないし10に示された構成を乙3発明に適用して本件特許発明2の構成とすることは,当業者が容易に想到できることである。 ⒞ 本件特許発明2が,ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタ間のスライドなどによる相対位置の変位によって構成要件eないしgを実現する構成を含むのであれば,同構成は技術常識であるから,乙3発明と実質的に同一の発明を含むものであり,本件特許発明2は無効となる。また,仮に上記構成が技術常識とまではいえないとしても,同構成は乙3及び乙4,7により容易想到であるから,本件特許発明2は進歩性を欠き無効である。 イ原告の主張(ア) 分割要件違反についてa 親出願(乙2)においては,ケーブルコネクタの「ロック突部21′の下部傾斜部21′B-2の先端部位」とレセプタクルコネクタの「ロック溝部57′の後縁突出部59′Bの最前方位置」を設定することにより,「ケーブルコネクタは,この嵌合終了時の姿勢のまま抜出方向にもち上げられても,あるいは,ケーブル延出側である後端がもち上げられるようにしてケーブルが後方に引かれても,ロック突部がロック溝部の突出部に当接してこのケーブルコネクタの抜出が阻止される」ものであり(以下「本件技術1」という。),図7はこの機構を がもち上げられるようにしてケーブルが後方に引かれても,ロック突部がロック溝部の突出部に当接してこのケーブルコネクタの抜出が阻止される」ものであり(以下「本件技術1」という。),図7はこの機構を開示している。 他方で,親出願(乙2)の図7のロック突部21′の寸法は,一実施形態として「ロック溝部の前後方向距離が,ロック突部の前後方向距離よりも小さく」描かれているが,この大小関係は,上述した発明に更なる技術意義を付加し,別の発明(以下「本件技術2」という。)とするものである。 そして,一つの図面に複数の発明が表示されることがあるのは当然であり,本件特許発明1及び2の構成にとって本件技術2の構成は必須ではない。すなわち,寸法に関する本件技術2は,ケーブルコネクタについてレセプタクルコネクタに嵌合するための前端側が持ち上がった上向き傾斜姿勢をガイドするためのものであり,「ロック突部がロック溝部の突出部に当接してケーブルコネクタの抜出が阻止される」との課題を解決するメカニズム(本件技術1)とは無関係である。 このように,本件特許発明1及び2は,少なくとも寸法に関する規律を含まない「親出願の明細書に記載された発明」(本件技術1)を分割出願したものであるから,分割要件を充たす。 b 子出願(乙1)の明細書・図面の記載についても,上記aと全く同様である。 (イ) 実施可能要件及びサポート要件違反についてa 本件特許発明1の実施形態の一つである図7及び段落【0051】には,ケーブルコネクタ10に上方向の力が加えられたとき,ロック突部と突出部とが当接して,抜出が防止されることが開示されている。 そして,ロック突部の前後方向距離とロック溝部の前後方向距離との大小関係は,ケーブルコネ 向の力が加えられたとき,ロック突部と突出部とが当接して,抜出が防止されることが開示されている。 そして,ロック突部の前後方向距離とロック溝部の前後方向距離との大小関係は,ケーブルコネクタの抜出の阻止とは関係がない。 したがって,本件特許発明1に実施可能要件及びサポート要件違反がある旨の被告の主張は理由がない。 b 本件特許発明2に関し,ロック溝部の前後方向距離とロック突部の前後方向距離との大小関係については,上記aと同じ議論が妥当する。 また,同特許発明の構成要件e及びfに関しては,図7や明細書(甲4)の段落【0053】,【0030】,【0039】に記載されており,これらの記載からすれば,図7に係る実施例におけるロック突部の突部後縁の最後方位置が嵌合過程及び嵌合終了姿勢でどのように移動するのかは理解できる。したがって,サポート要件違反に係る被告の主張は理由がない。 また,本件特許発明2の図7の実施形態は,明細書(甲4)の段落【0053】において,図1ないし5に示された実施形態を基本とした「他の実施形態」として説明されており,図1ないし5に示された実施形態やその他の明細書の記載をも参酌すれば,その内容は容易に理解できるものであるから,構成要件e及びfについてもサポート要件を充たす。 (ウ) 明確性要件違反について本件特許発明2の「ロック突部」は,「ロック溝部」に対する前後方向の位置関係を,ケーブルコネクタの姿勢に応じて変化させることにより,「該ケーブルコネクタが後端側を持ち上げられて抜出方向に移動されようとしたとき,上記ロック突部が上記抜出方向で上記突出部と当接して,上記ケーブルコネクタの抜出が阻止される」ものであり,「嵌合終了時に突部後縁における最後 後端側を持ち上げられて抜出方向に移動されようとしたとき,上記ロック突部が上記抜出方向で上記突出部と当接して,上記ケーブルコネクタの抜出が阻止される」ものであり,「嵌合終了時に突部後縁における最後方位置となる部位に着目し,上向き傾斜姿勢と嵌合終了姿勢においてその部位についての前後の位置関係を比較するもの,つまりロック突部の同じ部位について比較したものであることは明らかである。 したがって,被告の明確性要件違反についての主張は理由がない。 (エ) 新規性・進歩性欠如についてa 本件特許発明1について(a) 訂正後の本件特許発明1においては,「ケーブルコネクタの抜出の阻止」は「上向き傾斜姿勢から嵌合終了姿勢へのケーブルコネクタの姿勢の変化」に応じて生じた,「突出部」に対する「ロック突部」の絶対的な位置の変化により行われるものである。 これに対し,乙3発明では,「回転中心突起53」と「溝部49」との関係からみて,「ケーブルコネクタの抜出の阻止」は,「回転中心突起53」が「突出部」の下方の位置まで移動することにより行われるものであり,本件特許発明1とは異なる。 ⒝ 乙3発明における円柱状の「回転中心突起53」は半円弧状の「突出部」と係合して回転運動するのみであるから,回転によって「回転中心突起53」の最後方位置が回転前に比較して後方に位置するという技術思想は記載されておらず,「ロック突部」の位置の変化により「ケーブルコネクタの抜出の阻止」が実現されるものではなく,この点において乙3発明と本件特許発明1とは全く異なる。 そして,乙7ないし10には,コネクタにおいて嵌合操作の支点となる突部を多角形状としたものが示されているが,いずれも本件特許発明1における上記抜出阻止の手段を記載又は は全く異なる。 そして,乙7ないし10には,コネクタにおいて嵌合操作の支点となる突部を多角形状としたものが示されているが,いずれも本件特許発明1における上記抜出阻止の手段を記載又は示唆するものではない。仮に,乙3発明の「回転中心突起53」として乙7ないし10記載の多角形状を採用することができたとしても,ケーブルコネクタの姿勢に応じた「ロック突部」と「突出部」との位置関係が特定された本件特許発明1における抜出阻止手段を直ちに構成し得るものではない。 ⒞ また,「ロック突部」は,「平坦面部分を有する突部前縁と平坦面部分を有する突部後縁とが前後方向に離間しているロック突部」であるから,当然に,この「ロック突部」に「曲面部分のみからなる円柱状」が含まれることはない。 これに対し,乙3発明の「回転中心突起」は,「曲面部分のみからなる円柱状」のものであり,ケーブル先端側を回動させるためには,回転中心突起53は回転に適した円柱形であることが必要であり,矩形形状を採用する理由はない。 このように,回転動作がスムーズでなくなることは乙3発明にとって不都合であるから,乙7ないし10を適用することにつき阻害事由が存在する。 ⒟ 以上のとおり,訂正後の本件特許発明1は新規性を有し,また,相違点は容易想到ではなく,進歩性を有する。 b 本件特許発明2について(a) 本件特許発明2は,ケーブルコネクタの姿勢に応じて「ロック突部」の突部後縁の最後方位置と「ロック溝部」の突出部の最前方位置との位置関係を変化させることにより,ケーブルコネクタの抜出が阻止されることが要件である。 これに対し,乙3発明では,「回転中心突起53」が突出部の下方の位置まで移動したときに,ケーブルコネクタの 変化させることにより,ケーブルコネクタの抜出が阻止されることが要件である。 これに対し,乙3発明では,「回転中心突起53」が突出部の下方の位置まで移動したときに,ケーブルコネクタの抜出方向への動きを抵触するにすぎず,本件特許発明2とは明らかに相違する。そして,上記相違点を克服して,乙3発明に基づいて本件特許発明2が容易想到であると判断すべき理由も証拠もない。 したがって,本件特許発明2は新規性を有する。 ⒝ 本件特許発明2の構成要件e及びfは互いに関連したものであり,同発明は,「ロック突部の突部後縁の最後方位置」が,「ケーブルコネクタが上向き傾斜姿勢にあるとき」はロック溝部の溝部後縁から溝内方へ突出する突出部の最前方位置よりも前方に位置し,また「ケーブルコネクタがコネクタ嵌合終了姿勢にあるとき」は上記突出部の最前方位置よりも後方に位置することを規定している。そして,乙3発明は,このような構成を何ら開示していない。 また,乙7ないし10記載の各発明においても,上記構成は開示されていないため,仮に乙7ないし10を考慮しても,本件特許発明2の構成要件e及びfによって特定される技術的事項,すなわち「ケーブルコネクタの姿勢に応じた『ロック突部』の突部後縁の最後方位置と『ロック溝部』の突出部の最前方位置との位置関係が特定された」「上記抜出しの阻止の手段」を直ちに構成し得るものではない。 このように,本件特許発明2と乙3発明との相違点は容易に想到できるものでもないから,同発明は進歩性を有する。 ⒞ 乙3発明においては,相手コネクタ33がスムーズに回転できるよう円弧状の突出部の下側で円運動するために「回転中心突起53」は円柱状とされているのであり,それをあえて乙7ないし10の多角形状のものと交換することはない ,相手コネクタ33がスムーズに回転できるよう円弧状の突出部の下側で円運動するために「回転中心突起53」は円柱状とされているのであり,それをあえて乙7ないし10の多角形状のものと交換することはない。 また,乙7ないし10に記載された,嵌合操作の支点となる突部を四角形や多角形状としたものを,乙3発明の「回転中心突起」に適用することにつき,何ら示唆はない上,これを適用した場合,回転動作がスムーズでなくなるという阻害事由が存在する。 (3) 争点(3)(原告の損害額)についてア原告の主張(ア) 主位的主張被告は,遅くとも本件特許1及び2の登録日である平成25年9月13日以降,原告が有する本件特許権1及び2を侵害する被告製品を製造販売しており,平成27年8月31日までの間に販売した被告製品の売上高は合計1億6250万円を下らない。 また,被告製品1台当たりの限界利益率は少なくとも30パーセントを下らない。 したがって,被告による本件特許権1及び2の侵害によって原告が受けた損害額は,4875万円を下らない(特許法102条2項)。 なお,平成25年9月13日から本訴提起日直前である平成26年5月13日までの被告製品の売上高は6000万円であるため,訴状送達日から利息が付される元本は1800万円である。 (イ) 予備的主張被告は,遅くとも本件特許1及び2の登録日である平成25年9月13日以降,原告が有する本件特許権1及び2を侵害する被告製品を製造販売しており,平成27年8月31日までの間に販売した被告製品の売上高は合計1億6250万円を下らない。 また,仮に本件特許権1及び2が第三者に実施許諾された場合の実施料率は,少なくとも30パーセントを下らない。 日までの間に販売した被告製品の売上高は合計1億6250万円を下らない。 また,仮に本件特許権1及び2が第三者に実施許諾された場合の実施料率は,少なくとも30パーセントを下らない。 したがって,被告による本件特許権1及び2の侵害によって原告が受けた損害額は,4875万円を下らない(特許法102条3項)。 (ウ) 原告は,被告が開示した被告製品の売上高について争わない。 原告は,平成25年9月13日以前から,本件特許発明1及び2の技術的範囲に属するDF57シリーズ(甲18)を製造・販売し,また被告製品と競合し,代替可能な電気コネクタ組立品であるDF61シリーズ(甲19)を製造・販売している。したがって,被告による本件特許権1及び2の侵害行為により,原告に損害が発生している。 イ被告の主張(ア) 平成25年9月13日以降の被告製品(被告製品を構成する各製品)の売上高合計は1億0617万4127円である。 また,被告が被告製品の販売により得た利益の限界利益率は30%には満たない。もっとも,被告は,この点に関し,主張立証を予定していない。 (イ) DF57(甲18)及びDF61(甲19)は,いずれも,本件特許発明1及び2のいずれの技術的範囲にも属しない。また,上記両製品は,いずれも,被告製品とも競合しない。 このように,原告は,本件特許発明1及び2を実施しておらず,被告製品と競合する製品の製造や販売も行っていないから,被告が被告製品の販売を行わなかったとしても,原告がこれに対応する利益を得られる関係にはない。したがって,本件では,特許法102条2項は適用されない。 仮に,本件に同条項が適用されるとしても,当該推定は,上記事情により覆滅される。 (ウ) 被告 る利益を得られる関係にはない。したがって,本件では,特許法102条2項は適用されない。 仮に,本件に同条項が適用されるとしても,当該推定は,上記事情により覆滅される。 (ウ) 被告は,平成26年4月16日にLEHR-02V-E-B(HF)の販売を,平成27年4月6日にはLEHR-02V-S-A(HF)の販売を終了しており,同月7日以降は,被告製品の販売等を行っていない。しかし,従前の被告製品の販売先は,被告製品に代わるものとして,被告から,被告製品の後方突部を円柱形に変更した製品であるLEHR-02V-S-A(HF)(N)を購入しているから,被告による被告製品の販売がなかったとしても,原告は何らの利益を得られていない。 また,被告製品の販売終了に伴い,DF57やDF61の販売量が増加したとの事実がないことからしても,DF57やDF61が被告製品と競合していたとか,本件特許1及び2によって被告製品が市場において顧客からの支持を得ていたなどの事実がないことは明らかである。 (4) 争点(4)(差止め及び廃棄の必要性)についてア原告の主張被告が実際に被告製品の製造・販売を終了し,在庫を廃棄したかどうかについては,原告は知らない。また,仮に被告が製造・販売を中止したとしても,いつでもロック突部を従来の形状に戻して,被告製品の製造を再開する能力を有しており,今後被告製品の製造を行わない旨誓約しているわけでもなく,被告による本件特許1及び2の侵害のおそれは依然として残存する。 イ被告の主張いずれも争う。 被告は,本件特許1及び2を回避する製品として,被告製品のソケットコネクタ(ケーブル側コネクタのハウジング)の後方突部を円形状に変更した製品を開発し,同製品の販売を開始すると ずれも争う。 被告は,本件特許1及び2を回避する製品として,被告製品のソケットコネクタ(ケーブル側コネクタのハウジング)の後方突部を円形状に変更した製品を開発し,同製品の販売を開始するとともに,被告製品を構成するソケットコネクタ(ケーブル側コネクタのハウジング)の在庫につき,廃棄処分を行った。 一度製品を廃棄した被告において,あえて再度被告製品の製造・販売を行う必要性は全く存在せず,被告が今後,被告製品の製造・販売等を行う可能性はない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(被告製品は本件各特許発明の技術的範囲に属するか)について事案に鑑み,まず,被告製品が本件特許発明2の技術的範囲に属するかについて検討する。 (1) 本件特許2に係る明細書(甲4)には,以下の記載がある。 ア 【発明が解決しようとする課題】「このような特許文献1のコネクタにあっては,ケーブルコネクタのケーブルを後方に引く力が,意図的に加えられる場合は勿論のこと,不用意に加えられたときでも,上記カム面での抜出方向の力の発生により,ロック手段が解除されてコネクタが抜出されてしまう,すなわち意図せぬ外れを生じてしまう,ということを意味する。」(段落【0005】)「ケーブルコネクタにあってはケーブルに不用意な力,しかも,抜出方向成分をもつ力が加えられてしまうことがしばしばある。かかる不用意な力がケーブルに作用すると,特許文献1のコネクタでは,単純なケーブル延出方向の力であっても,上記カム面の働きによって上方向の成分の力が発生しコネクタを抜出してしまう。また,ケーブルに作用する不用意な力に,もともと上向き成分を伴っていると,上記抜出の傾向はさらに強くなる。」(段落【0006】)「本発明は,このような事情に鑑み, クタを抜出してしまう。また,ケーブルに作用する不用意な力に,もともと上向き成分を伴っていると,上記抜出の傾向はさらに強くなる。」(段落【0006】)「本発明は,このような事情に鑑み,ケーブルコネクタのケーブルに不用意な力が作用しても,そして,その力が上向き方向の成分を伴っても,ケーブルコネクタを意図的に抜出させない限り,外れない電気コネクタ組立体を提供することを課題とする。」(段落【0007】)イ 【発明の効果】「本発明は,以上のように,ケーブルコネクタがその側壁面にロック突部,そしてレセプタクルコネクタがその側壁面の対応位置にロック溝部を有し,上記ロック突部が嵌合方向で上記ロック溝部内に進入してケーブルコネクタが嵌合終了の姿勢となった後は,該ケーブルコネクタが後端側を持ち上げられて抜出方向に移動されようとしたとき,上記ロック突部が上記ロック溝部の突出部に当接して該ケーブルコネクタの抜出を阻止するようにしたので,ケーブルコネクタの後端から延出しているケーブルを不用意に引いても,そしてその引く力がたとえ上向き成分を伴っていても,ロック突部がロック溝部の突出部に当接して,ケーブルコネクタはレセプタクルコネクタから外れることはない。ケーブルを引く不用意な力は,多くの場合,上記の上向き成分を伴っており,このような力に対して,本発明は確実に対処可能となる。」(段落【0015】)ウ 【発明を実施するための形態】「ロック突部21は,ケーブルコネクタ10が,図3(A)に示されるような嵌合終了時の姿勢,すなわちケーブルコネクタ10の上面,下面そしてケーブルがいずれも水平方向に延びていて前端がもち上がっていない姿勢のときに,突部前縁21Aの最前方位置と突部後縁21Bの最後方位置との距離Aが該ロック突部21の前 ルコネクタ10の上面,下面そしてケーブルがいずれも水平方向に延びていて前端がもち上がっていない姿勢のときに,突部前縁21Aの最前方位置と突部後縁21Bの最後方位置との距離Aが該ロック突部21の前後方向幅として最大値をとる。これに対して,レセプタクルコネクタ50のロック溝部57は,前後方向における溝幅としては,突出部59の後端位置と垂直部57B-2の位置との間の前後方向での距離Bが最小値である。本発明では,上記距離B<距離Aとなっている。 …図3(A)にも見られるように,…このことは,この水平状態の姿勢において,ロック突部21は,ケーブルコネクタが嵌合方向とは逆方向に抜出されようとしても,距離B<距離Aの関係で,上記突出部59と干渉して,抜出できないことを意味する。」(段落【0030】)「(4)しかる後,ケーブルコネクタ10を嵌合終了の姿勢,すなわち図3(A)における姿勢と同じとなるように,ケーブルコネクタ10の前端側を降下させる。該ケーブルコネクタ10は,ロック突部21側を中心として突部後縁21Bの最後方位置がロック溝部57の溝部後縁57Bの垂直部57B-2に当接しながら時計方向に回転し,上記上向き姿勢が解除されて,水平となって嵌合終了の姿勢をとる(図3(C)参照)。上記回転の際,斜部21Cは,突出部59の下縁に近接した状態で,溝部前縁57Aに近づき,上下方向では突出部59と干渉する位置,すなわち,ロック位置にきている。」(段落【0039】)「…図5の形態では…ロック突部21の前後方向(ケーブル延出方向)での突部前縁21Aと突部後縁21Bとの距離Aと,上記案内傾斜部57B-1に直角な方向で測った該案内傾斜部57B-1から突出部59までの最小の距離B′と,前後方向で測った上記案内傾斜部57B-1から突出 部前縁21Aと突部後縁21Bとの距離Aと,上記案内傾斜部57B-1に直角な方向で測った該案内傾斜部57B-1から突出部59までの最小の距離B′と,前後方向で測った上記案内傾斜部57B-1から突出部59までの最小の距離Bとの関係が,距離B<距離A<距離B′となっていて,…水平姿勢となったケーブルコネクタ10はその姿勢でもち上げられてもロック突部21が上記突出部59と干渉して,その姿勢ではケーブルコネクタ10は抜出できない。」(段落【0043】)「図7において,ロック突部21′の水平姿勢時の前後方向距離Aそして上向傾斜時の前後方向距離A′,そしてロック溝部57′の前後方向の最小溝幅の距離Bの関係は,図3(A)における距離A,距離A′そして距離Bとそれぞれ同様に,距離A′<距離B<距離Aとなっている。」(段落【0051】)「…嵌合終了時には,上記下部傾斜部21′B-2が後縁突出部59′Bと上方向で干渉して,上記嵌合終了の姿勢あるいはケーブルCがもち上げられる前端の下向き姿勢での抜けが防止されると共に,前端側での係止部22′が被係止部60′と係止しており,この係止を解除する意図的な力が作用しない限り,多少の不用意な力が前端をもち上げようとするように作用してもこの係止は解除できず,コネクタの抜出は防止される。」(段落【0053】)「図8(A)において,…下方に向けコネクタの後端側へ傾斜しており,そのときの突部前縁21Aと突部後縁21Bとの距離A′と,ロック突部21の前後方向(ケーブル延出方向)での突部前縁21Aと突部後縁21Bとの距離Aと,上記案内傾斜部57B-1に直角な方向で測った該案内傾斜部57B-1から突出部59までの最小の距離B′と,前後方向で測った上記案内傾斜部57B-1から突出部59までの最小の距離Bとの関係が距離B ,上記案内傾斜部57B-1に直角な方向で測った該案内傾斜部57B-1から突出部59までの最小の距離B′と,前後方向で測った上記案内傾斜部57B-1から突出部59までの最小の距離Bとの関係が距離B<距離A′<距離B′<距離Aとなっていて…」(段落【0055】)「このとき,ロック突部21は下方に向けコネクタの後端側へ傾斜しているため,突部前縁21Aの最前方位置がロック溝部57の溝部前縁57Aの垂直前縁に近接する。」(段落【0060】)「したがって,ロック突部21と突出部59との干渉がより深まることになり,ケーブルコネクタ10の抜出を確実に阻止できる…」(段落【0061】)(2) 構成要件b,c1及びc2についてア別紙1及び2記載の各図面によれば(なお,原告作成の別紙1記載の図面と被告作成の別紙2記載の図面には若干の相違があるが,結論に影響を及ぼすような違いはない。),被告製品においては,ケーブル側コネクタ10は,後方突部前縁21Aと後方突部後縁21Bが形成された後方突部21(ロック突部に相当する。)を側壁面20に有し,基板側コネクタ50(レセプタクルコネクタに相当する。)は,前後方向で後方突部21に対応する位置で溝部前縁57Aと溝部後縁57Bが形成された後方溝部57(ロック溝部に相当する。)を側壁面53に有し,該後方溝部には,溝部後縁57Bから溝内方へ突出する突出部59が設けられていると認められる。 以上からすれば,被告製品は,本件特許発明2の構成要件b,c1及びc2を充足する。 イこの点に関し,被告は,ロック溝部の前後方向距離がロック突部の前後方向距離よりも小さく設定されている場合に限定しなければ,本件特許2は分割要件,サポート要件及び実施可能要件に違反することになり,このように限定して解すると,被告製品は,本 向距離がロック突部の前後方向距離よりも小さく設定されている場合に限定しなければ,本件特許2は分割要件,サポート要件及び実施可能要件に違反することになり,このように限定して解すると,被告製品は,本件特許発明2の構成要件b,c1,c2及びeを充足しないと主張する。 しかし,そもそも本件特許発明2の特許請求の範囲において,被告が主張するようなロック突部とロック溝部の寸法に関する規律は何ら付されておらず,被告が主張する寸法に関する規律に従ったものは,単に実施例として記載されているにすぎないことからすれば,本件特許2に被告が主張する上記無効理由があるか否かは別に検討するとして,被告製品の本件特許発明2に係る構成要件充足性を検討する上では,被告の上記主張は理由がない。 そして,実質的にみても,本件特許発明2では,「ケーブルコネクタのケーブルに不用意な力が作用しても…ケーブルコネクタを意図的に抜出させない限り,外れない電気コネクタ組立体を提供すること」が課題とされており(甲4の段落【0007】),同課題を解決するために,同発明の構成要件g「該ケーブルコネクタが後端側を持ち上げられて抜出方向に移動されようとしたとき,上記ロック突部が上記抜出方向で上記突出部と当接して,上記ケーブルコネクタの抜出が阻止されるようになっていること」等の構成が記載され,実施例においても「嵌合終了時には,上記下部傾斜部21′B-2が後縁突出部59′Bと上方向で干渉して,上記嵌合終了の姿勢あるいはケーブルCがもち上げられる前端の下向き姿勢での抜けが防止される」との手段が記載されている(段落【0053】,図7参照)のであるから,本件特許発明2の本質的部分は以上であって,被告が主張するロック突部とロック溝部の寸法に関する規律が本件特許発明2の必須要素であるとはいえない。 ている(段落【0053】,図7参照)のであるから,本件特許発明2の本質的部分は以上であって,被告が主張するロック突部とロック溝部の寸法に関する規律が本件特許発明2の必須要素であるとはいえない。 (3) 構成要件dについてア別紙1及び2記載の各図面によれば,被告製品において,ケーブル側コネクタ10は,前方の端壁面15に寄った位置で側壁に前方突部22(係止部に相当する。)が設けられ,基板側コネクタ50(レセプタクルコネクタに相当する。)は,前後方向で上記前方突部22と対応する位置で,コネクタ嵌合状態にて前方突部22と係止可能な前方溝部60(被係止部に相当する。)が側壁に設けられていると認められる。 以上からすれば,被告製品は本件特許発明2の構成要件dを充足する。 イ被告は,被告製品における「被係止部」としての作用を行うのは,前方溝部突出部63及び前端壁54となるから,被告製品は本件特許発明2における「被係止部」の構成を備えていないと主張する。 確かに,厳密にいえば,被告製品において「被係止部」としての作用を行うのは,前方溝部突出部63であるといえる(他方で,前端壁54が同作用を行うものとは認められない。)が,前方溝部突出部63は前方溝部60内に設けられているから,いずれにしろ,被告製品は,前後方向で係止部と対応する位置でコネクタ嵌合状態にて該係止部と係止可能な被係止部が側壁に設けられているといえる。 ウ被告は,係止部と「対応する位置」に被係止部が設けられていないとも主張するが,「対応」との文言が,前後方向の若干のずれを許容しないようなものであるとは解されないため,上記のとおり,被告製品は,係止部と被係止部とが対応する位置に存在するといえる。 (4) 構成要件eについてア別紙1及び の若干のずれを許容しないようなものであるとは解されないため,上記のとおり,被告製品は,係止部と被係止部とが対応する位置に存在するといえる。 (4) 構成要件eについてア別紙1及び2記載の各図面によれば,被告製品では,コネクタ嵌合過程にて,ケーブル側コネクタ10の前端が持ち上がって同ケーブル側コネクタが上向き傾斜姿勢にあるとき,後方突部21(ロック突部に相当する。)の突部後縁21Bの最後方位置が,同ケーブル側コネクタがコネクタ嵌合終了姿勢にあるときと比較して前方に位置するといえる。 したがって,被告製品は,本件特許発明2の構成要件eを充足する。 イ被告は,構成要件eに関しても,ロック突部とロック溝部の寸法に関する規律について主張するが,前記(2)のとおりであって,採用できない。 ウこのほか,被告は,本件特許発明2は「ケーブルコネクタの回転のみによって,すなわちケーブルコネクタとレセプタクルコネクタ間のスライドなどによる相対位置の変位なしに,ロック突部の最後方位置が突出部に対して位置変化を起こす構成」に限定されており,被告製品はこのような構成ではないとも主張する。しかし,この点に関しても,本件特許発明2の特許請求の範囲において,被告が主張するような限定は何ら付されておらず,少なくとも被告製品の本件特許発明2充足性を検討する上で,上記のような限定を付すべき理由は全くなく,被告の上記主張は採用できない。 エ他方で,原告は,構成要件eは「ロック突部の突部後縁の最後方位置」が「ケーブルコネクタが上向き傾斜姿勢にあるとき」にはロック溝部の溝部後縁から溝内方に突出する突出部の最前方位置よりも前方に位置することを意味する旨主張する。 しかし,原告の上記解釈についても,本件特許発明2の特 き傾斜姿勢にあるとき」にはロック溝部の溝部後縁から溝内方に突出する突出部の最前方位置よりも前方に位置することを意味する旨主張する。 しかし,原告の上記解釈についても,本件特許発明2の特許請求の範囲に記載されていない限定を付すものであって,その根拠も不明確であり,採用できない。もっとも,この点は,被告製品の本件特許発明2充足性の判断に影響を及ぼすものではない。 (5) 構成要件f及びgについてア別紙1及び2記載の各図面によれば,被告製品においては,後方突部21(ロック突部に相当する。)が後方溝部57(ロック溝部に相当する。)内に進入して所定位置に達した後に上向き嵌合姿勢が解除されてケーブル側コネクタ10がコネクタ嵌合終了姿勢となったとき,後方突部21の突部後縁21Bの最後方位置が,突出部59の最前方位置よりも後方に位置するといえる。 また,被告製品において,ケーブル側コネクタ10が後端側を持ち上げられて抜出方向に移動されようとしたとき,後方突部21が上記抜出方向で突出部59と当接して,ケーブル側コネクタ10の抜出が阻止されるようになっているといえる。 したがって,被告製品は,本件特許発明2の構成要件f及びgを充足する。 イ被告は,構成要件f及びgに関しても,ロック突部とロック溝部の寸法に関する規律について主張するが,採用できない。 ウまた,被告は,構成要件fに関し,構成要件eと同様に,「ケーブルコネクタの回転のみによって,すなわちケーブルコネクタとレセプタクルコネクタ間のスライドなどによる相対位置の変位なしに,ロック突部の最後方位置が突出部に対して位置変化を起こす構成」に限定されており,被告製品はこのような構成ではないとも主張する。しかし,前記(4)同様,被告の同主張は などによる相対位置の変位なしに,ロック突部の最後方位置が突出部に対して位置変化を起こす構成」に限定されており,被告製品はこのような構成ではないとも主張する。しかし,前記(4)同様,被告の同主張は採用できない。 (6) 以上からすれば,被告製品は本件特許発明2の技術的範囲に属するものと認められる。 2 争点(2)(本件各特許は特許無効審判により無効にされるべきものか)について(1) 本件特許2についてア分割要件違反について(ア) 親出願の明細書(乙2),子出願の明細書(乙1),本件特許1の明細書(甲2)及び本件特許2の明細書(甲4)には,以下の記載がある。 a 「本発明は…ケーブルコネクタのケーブルに不用意な力が作用しても,そして,その力が上向き方向の成分を伴っても,ケーブルコネクタを意図的に抜出させない限り,外れない電気コネクタ組立体を提供することを課題とする。」(段落【0007】)b 「…ケーブルコネクタ10が,図3(A)に示されるような嵌合終了時の姿勢…のときに,突部前縁21Aの最前方位置と突部後縁21Bの最後方位置との距離Aが該ロック突部21の前後方向幅として最大値をとる。これに対して,レセプタクルコネクタ50のロック溝部57は,前後方向における溝幅としては,突出部59の後端位置と垂直部57B-2の位置との間の前後方向での距離Bが最小値である。…図3(A)にも見られるように…水平状態の姿勢において,ロック突部21は,ケーブルコネクタが嵌合方向とは逆方向に抜出されようとしても,距離B<距離Aの関係で,上記突出部59と干渉して,抜出できないことを意味する。」(乙1の段落【0030】,乙2の段落【0031】,甲2の段落【0028】,甲4の段落【0030】)【図3】c 「…図5の形態では, で,上記突出部59と干渉して,抜出できないことを意味する。」(乙1の段落【0030】,乙2の段落【0031】,甲2の段落【0028】,甲4の段落【0030】)【図3】c 「…図5の形態では,…ロック突部21の前後方向(ケーブル延出方向)での突部前縁21Aと突部後縁21Bとの距離Aと,上記案内傾斜部57B-1に直角な方向で測った該案内傾斜部57B-1から突出部59までの最小の距離B′と,前後方向で測った上記案内傾斜部57B-1から突出部59までの最小の距離Bとの関係が,距離B<距離A<距離B′となっていて,…水平姿勢となったケーブルコネクタ10はその姿勢でもち上げられてもロック突部21が上記突出部59と干渉して,その姿勢ではケーブルコネクタ10は抜出できない。」(乙1の段落【0043】,乙2の段落【0044】,甲2の段落【0041】,甲4の段落【0043】)【図5】d 「図7において,ロック突部21′の水平姿勢時の前後方向距離Aそして上向傾斜時の前後方向距離A′,そしてロック溝部57′の前後方向の最小溝幅の距離Bの関係は,…距離A′<距離B<距離Aとなっている。」「…嵌合終了時には,上記下部傾斜部21′B-2が後縁突出部59′Bと上方向で干渉して,上記嵌合終了の姿勢あるいはケーブルCがもち上げられる前端の下向き姿勢での抜けが防止される…」(乙1の段落【0051】及び【0053】,乙2の段落【0052】及び【0054】,甲2の段落【0049】及び【0051】,甲4の段落【0051】及び【0053】)【図7】e 「図8(A)において,…下方に向けコネクタの後端側へ傾斜しており,そのときの突部前縁21Aと突部後縁21Bとの距離A′と,ロック突部21の前後方向(ケーブル延出方向)での突部前縁21Aと突部後縁21Bとの距離A いて,…下方に向けコネクタの後端側へ傾斜しており,そのときの突部前縁21Aと突部後縁21Bとの距離A′と,ロック突部21の前後方向(ケーブル延出方向)での突部前縁21Aと突部後縁21Bとの距離Aと,上記案内傾斜部57B-1に直角な方向で測った該案内傾斜部57B-1から突出部59までの最小の距離B′と,前後方向で測った上記案内傾斜部57B-1から突出部59までの最小の距離Bとの関係が距離B<距離A′<距離B′<距離Aとなっていて…」「…ロック突部21は下方に向けコネクタの後端側へ傾斜しているため,突部前縁21Aの最前方位置がロック溝部57の溝部前縁57Aの垂直前縁に近接する。」「したがって,ロック突部21と突出部59との干渉がより深まることになり,ケーブルコネクタ10の抜出を確実に阻止できる…」(乙1の段落【0055】【0060】【0061】,乙2の段落【0056】【0061】【0062】,甲2の段落【0053】【0058】【0059】,甲4の段落【0055】【0060】【0061】)【図8】(イ)a 被告は,本件特許1及び2の出願が,原出願(親出願及び子出願)の範囲を超えており,分割要件に違反する旨主張するので,検討する。 親出願及び子出願の各明細書(乙2,乙1)においては,上記(ア)d及びeのとおり,「ロック突部ないしその一部と(ロック溝部の)突出部との干渉により,ケーブルコネクタの抜出を防止できる」との技術(本件技術1)が開示されていると同時に,上記(ア)bないしeのとおり,ロック突部の前後方向距離とロック溝部の前後方向距離との大小関係に関する技術(本件技術2)が開示されている。 そして,本件技術1及び2は,それぞれが独立した発明というべきであり,これらを組み合わせたものも発明といえるものである。 一方,本件 距離との大小関係に関する技術(本件技術2)が開示されている。 そして,本件技術1及び2は,それぞれが独立した発明というべきであり,これらを組み合わせたものも発明といえるものである。 一方,本件特許発明1及び2は,いずれも,少なくとも上記(ア)d及び【図7】の記載に基づくものであるから,二以上の発明を包含する特許出願の一部(本件技術1に係る部分)を新たな特許出願としたものであることは明らかである。 以上からすれば,本件特許1及び2の出願は,いずれも親出願及び子出願に包含される二以上の発明の一部(本件技術1に係る部分)を新たな出願としたものであるから,被告の分割要件違反の主張は採用できない。 b 被告は,親出願(乙2)及び子出願(乙1)の各明細書において,ロック突部とロック溝部の寸法に関する規律は必須の構成とされており,「ロック溝部の水平方向の幅を3倍にする」との極端な例を挙げて,上記規律の構成を除外した構成のみではケーブルコネクタの抜出防止という課題は解決できず,またそのような構成は発明といえるものでもないと主張する。 しかし,前述のとおり,親出願及び子出願に係る明細書の記載によれば,上記のロック突部とロック溝部の寸法に関する本件技術2と独立に,「ロック突部ないしその一部と(ロック溝部の)突出部との干渉により,ケーブルコネクタの抜出を防止できる」との本件技術1が記載されているといえるから,同技術は,ケーブルコネクタの抜出防止を可能ならしめる技術であり,同技術が発明に当たることも明らかである。 実質的に見ても,当業者であれば,たとえ本件特許発明1及び2に係る特許請求の範囲の記載においてロック突部とロック溝部の寸法等の定めがなくても,「ケーブルコネクタの抜出防止」という課題が解決できるようにこれらの点を設計しようとするもので 本件特許発明1及び2に係る特許請求の範囲の記載においてロック突部とロック溝部の寸法等の定めがなくても,「ケーブルコネクタの抜出防止」という課題が解決できるようにこれらの点を設計しようとするものであるし,適宜設計することによって本件技術2を用いなくても本件技術1のみにより上記課題を解決することができるというべきであって,本件技術1のみでも課題の解決に資する発明といえるから,被告の上記主張は採用できない。 イサポート要件及び実施可能要件違反について(ア) まず,前提として,本件特許発明2における「ロック突部の突部後縁の最後方位置」の意義を検討する。 本件特許発明2において,ケーブルコネクタの側壁にあるロック突部は,ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合に至るまでの過程を経て,その突部後縁の最後方位置が,コネクタ嵌合終了姿勢において,レセプタクルコネクタにあるロック溝部の突出部の最前方位置よりも後方の位置となり,ケーブルコネクタが後端側を持ち上げられて抜出方向に移動されようとすると,ロック突部がロック溝部の突出部と当接することで,抜出しを防止するものである。そして,コネクタ嵌合過程において,ロック突部がロック溝部の突出部と当接すると,ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタを嵌合させることができないから,コネクタ嵌合過程において,ロック突部はロック溝部の突出部に当接しないことが必要であり,構成要件eの「ケーブルコネクタが上向き傾斜姿勢にあるとき,上記ロック突部の突部後縁の最後方位置が,上記ケーブルコネクタがコネクタ嵌合終了姿勢にあるときと比較して前方に位置し,」も,これに沿うように解釈する必要がある。また,構成要件fにおける「ロック突部の突部後縁の最後方位置」が「突出部の最前方位置よりも後方に位 がコネクタ嵌合終了姿勢にあるときと比較して前方に位置し,」も,これに沿うように解釈する必要がある。また,構成要件fにおける「ロック突部の突部後縁の最後方位置」が「突出部の最前方位置よりも後方に位置」することで,ケーブルコネクタの抜出が阻止されることも必要であるから,これに沿うように解釈する必要がある。 したがって,少なくとも,コネクタ嵌合過程において,ロック突部が嵌入の支障にならないためには,上向き傾斜姿勢時におけるロック突部の最後方位置が問題となり,構成要件eにおける「上記ロック突部の突部後縁の最後方位置」は,上向き傾斜姿勢時におけるそれを指すことになる。 他方で,本件特許発明2は,嵌合終了姿勢時において,ロック突部の少なくとも1か所が突出部の最前方位置よりも後方に配置されていれば,上方向への抜出しを阻止することができるとの技術思想を示すものであり,構成要件fの「上記ロック突部の突部後縁の最後方位置」もこれに基づいて解釈すべきであって,嵌合終了姿勢時における「上記ロック突部の突部後縁の最後方位置」という要件は,嵌合終了姿勢時におけるロック突部の突部後縁の最も後方となる位置を指すものである。 以上のとおり,本件特許発明2における「ロック突部の突部後縁の最後方位置」とは,嵌合過程の各時点におけるロック突部の突部後縁の最も後方となる位置を意味すると解するのが相当である。 (イ) 以上を前提として検討するに,まず本件特許2の明細書(甲4)上,課題については段落【0007】に記載されている。そして,本件特許発明2(請求項3)は,構成要件c2として「該ロック溝部には溝部後縁から溝内方へ突出する突出部が設けられて」いることから,溝部後縁に突出部59′Bを設ける図7に示されたコネクタが本件特許発明 件特許発明2(請求項3)は,構成要件c2として「該ロック溝部には溝部後縁から溝内方へ突出する突出部が設けられて」いることから,溝部後縁に突出部59′Bを設ける図7に示されたコネクタが本件特許発明2に対応する実施例であることが明らかであり,同図に対応する説明が明細書(甲4)の段落【0048】ないし【0053】に記載されている。 そして,上記(ア)のとおり,本件特許発明2においては,「ロック突部の突部後縁の最後方位置」が,ケーブルコネクタが上向き傾斜姿勢にあるときに,コネクタ嵌合終了姿勢にあるときと比較して前方に位置することで,コネクタ嵌合過程ではロック溝部に設けられた突出部に阻止されることなく「ロック突部の突部後縁」が挿入できるようにしたものであるから,明細書の記載を併せ読めば,同文言が嵌合過程各時点においてロック突部の最も後ろになる位置を指すことが明らかであり,当業者が上記発明を実施することは可能であるといえる。 なお,図7において,ロック突部の前後方向距離とロック溝部の前後方向距離の大小関係について,被告が主張する内容で記載されているとしても,単一の図面が2つ以上の発明ないし技術を開示することはあり得ることであって,図7においても,構成要件eないしgに関する構成と同時に上記の寸法に関する構成が記載されているにすぎない。 以上からすれば,本件特許2に関してサポート要件違反及び実施可能要件違反はなく,これらの点に関する被告の主張は採用できない。 (ウ) 被告は,明細書(甲4)の図7は,ロック溝部の前縁と後縁の双方に突出部が設けられた構成であり,本件特許発明2とは異なる構成であるから,同発明の構成要件e及びfが明細書によってサポートされていないとも主張する。しかし,ロック溝部の後縁に突出部が設けられていれば,ロック溝 けられた構成であり,本件特許発明2とは異なる構成であるから,同発明の構成要件e及びfが明細書によってサポートされていないとも主張する。しかし,ロック溝部の後縁に突出部が設けられていれば,ロック溝部の前縁における突出部の有無にかかわらず,本件特許発明2の構成要件を充足するから,被告の上記主張は理由がない。 ウ明確性要件違反について被告は,本件特許発明2の構成要件e及びfの「ロック突部の突部後縁の最後方位置」との文言につき,多義的な解釈が可能であり,不明確である旨主張する。 しかし,前記イのとおり,本件特許2の明細書(甲4)の段落【0048】ないし【0053】及び図7からすれば,構成要件e及びfの「ロック突部の突部後縁の最後方位置」が,嵌合過程各時点においてロック突部の最も後ろになる位置を指すものと認められ,この点は,当業者にも理解可能であるといえる。 確かに,審決(乙8)は,明確性要件の判断において,「ロック突部の突部後縁の最後方位置」に関し,上記と異なる判断を示し,原告も本訴において同判断に沿った主張をしたものであるが,本件特許発明2の課題及びその解決手段を踏まえて明細書(甲4)の記載及び図面を参酌すれば,当業者は本判決と同様の理解に達するものと解され,審決が上記判断をしたことをもって,直ちに本件特許2が明確性要件に違反するとまではいえない。 エ新規性及び進歩性欠如について(ア) 乙3発明と本件特許発明2との対比a 乙3には,以下の記載がある。 (a) 「2.特許請求の範囲」「1.第1の絶縁体に第1のコンタクトを組込んでなる第1のコネクタ要素と,第2の絶縁体に第2のコンタクトを組込んでなる第2のコネクタ要素とを含むコネクタにおいて,上記第1の絶縁体は上記第2のコネクタ要素の 1の絶縁体に第1のコンタクトを組込んでなる第1のコネクタ要素と,第2の絶縁体に第2のコンタクトを組込んでなる第2のコネクタ要素とを含むコネクタにおいて,上記第1の絶縁体は上記第2のコネクタ要素の側面に対向するよう延出した側壁を有し,該側壁は,その延出方向に対し実質的に直角にのびて一端が縁部にまで至る溝部を有し,上記第2の絶縁体は上記溝部に挿入された回転中心突起を側面に有し,さらに上記第1及び第2のコンタクトは,上記回転中心突起を支点とした上記第1及び第2の絶縁体の相対的回動により互いに接触・離間されるものであることを特徴とする回転挿抜コネクタ。」「2.特許請求の範囲第1)項記載の回転挿抜コネクタにおいて,上記第1及び第2の絶縁体間を上記第1及び第2のコンタクトの接触状態でロックするロック装置を備えたことを特徴とするもの。」(1頁左下欄4行~右下欄3行)⒝ 〔産業上の利用分野〕「本発明は,一方のハウジングを他方のハウジングに対し回動させることで接続又は切離しの作用を得ることのできるコネクタに関する。」(1頁右下欄5行~8行)⒞ 〔従来例〕「通常のコネクタは,軸方向の挿抜によって電気的な接続又は切離しを得るようになっている。そのコネクタは,第7図に示すように,一方のコネクタ1と,このコネクタ1に着脱可能に嵌合する他方のコネクタ(以下相手コネクタと呼ぶ)3とを有している。一方のコネクタ1は,電気絶縁材料によって作られたハウジング5と,このハウジング5に組込まれたピンコンタクトのような複数の導電性のコンタクト7とを有している。ハウジング5の一側には溝部9が形成されている。…ハウジング5の溝部9には,相手コネクタ3が着脱可能に嵌合される。相手コネクタ3は電気絶縁材料によって作られた相手ハウ コンタクト7とを有している。ハウジング5の一側には溝部9が形成されている。…ハウジング5の溝部9には,相手コネクタ3が着脱可能に嵌合される。相手コネクタ3は電気絶縁材料によって作られた相手ハウジング15と,この相手ハウジング15の内部に組込まれたソケットコンタクトのような複数の導電性の相手コンタクト(図示せず)とを有している。…相手ハウジング15の上面には,第8図に示すように,ロックレバー19が形成されている。このロックレバー19は一端が相手ハウジング15の上面に接続されたものである。ロックレバー19の上面には,突起部21が形成されている。突起部21はハウジング5の溝部9の内面から上面にまで貫通して形成された係止穴23に係止される。これによりハウジング5と相手ハウジング15とは嵌合状態にロックされる。また,コンタクト7と相手コンタクトとはロックレバー19を下向きに押すと突起部21が係止穴23から離脱して引き抜きが可能である。…」(1頁右下欄9行~2頁右上欄14行)⒟ 〔発明が解決しようとする問題点〕「しかしながら,このようなコネクタによれば,挿入が不完全であるとロックレバー19の突起部21が相手の係止穴23に止まらないため,後にケーブル17を引張るような時,コネクタ1から相手コネクタ3が外れてしまうという問題がある。また,係止穴23とこれに対応する突起部21とを設けるためにハウジング5や相手ハウジング15の所要スペースが大きくなり,したがって,特に高密度化を必要とするコネクタとしては不向きである。 それ故に本発明の目的は,確実な嵌合を得ることができ,かつ小型化が可能なコネクタを提供することにある。」(2頁右上欄15行~左下欄8行)(e) 〔実施例〕「第1 それ故に本発明の目的は,確実な嵌合を得ることができ,かつ小型化が可能なコネクタを提供することにある。」(2頁右上欄15行~左下欄8行)(e) 〔実施例〕「第1図は本発明の回転挿抜コネクタの一実施例を示している。 図示の回転挿抜コネクタは,一方のコネクタ31(第1のコネクタ要素)とこのコネクタ31に挿抜可能にして嵌合する相手コネクタ(第2のコネクタ要素)33とを有している。 (中略)一方のコネクタ31のハウジング35は互いに間隔をおいて対向するよう延出した対の側壁(その一方のみを47で示した)を有している。これらの側壁47の内面には,溝部49及び係止穴51がそれぞれ形成されている。これらの溝部49は,側壁47の延出方向,即ち,コネクタ突合方向の軸線とほぼ直角方向(実質的に直角方向)にのびるように形成されている。また溝部49には中間部分に肩部56が形成されている。このようなハウジング35の対の側壁47の間には,相手コネクタ33のハウジング39が嵌込まれる。 一方,相手コネクタ33のハウジング39の対の側面には,それぞれ,ハウジング35の溝部49に嵌込まれる回転中心突起53が形成されている。これらの突起53はまた肩部56に当接するものである。さらに相手コネクタ33のハウジング39の対の側面には,一方のコネクタ31のハウジング35の係止穴51に嵌込まれる係止突起60が形成されている。 次に,第3図及び第6図をも参照して回転挿抜コネクタの嵌合について説明する。 先ず,相手コネクタ33は一方のコネクタ31におけるコネクタ突合方向の軸線に対して或る角度を持った状態でその回転中心突起53をハウジング35の溝部49に挿入される。溝部49に挿入された回転中心突起53は, 手コネクタ33は一方のコネクタ31におけるコネクタ突合方向の軸線に対して或る角度を持った状態でその回転中心突起53をハウジング35の溝部49に挿入される。溝部49に挿入された回転中心突起53は,第3図に示すように,溝部49の中間部分の肩部56で停止する深さまで挿入される。この状態では,コンタクト37の接触部39と相手コンタクト46とは,第4図に示すように,互いに軸方向を異にしている。 その後に,相手コネクタ33を反時計方向に回転させる。この結果,相手コネクタ33の係止突起60は,第5図に示すようにコネクタの係止穴51にしっかりと入り込み回転が停止すると共にロックされる。即ち,係止突起60と係止穴51とが協働してロック装置を構成する。その際,コンタクト37の接触部39と相手コンタクト41のソケット部46とは,第6図にも示すように,回転しながら摺動し嵌合接触する。さらに,相手コネクタ33をコネクタ31から引抜く際には,相手コネクタ33を時計方向に回転した後に,溝部49にて案内しつつ上方に引き抜く。」(2頁右下欄4行~3頁左下欄12行)⒡ 〔発明の効果〕「以上実施例により説明したように,本発明の回転挿抜コネクタによれば,コネクタの両側に,相手コネクタの回転中心突起に対応する溝部が係合しているため,コネクタあるいは相手コネクタが破壊しない限り,ケーブルを引張っても嵌合が外れることがない。また,回転挿抜コネクタは,大きな形状のロックレバーや係止穴を必要としないため小型化が可能である。」(3頁左下欄13行~右下欄1行)b 上記aからすれば,乙3には,以下の事項が記載されているといえる。 (a) 乙3発明は,従来のコネクタが有していた課題(挿入が不完全であると,突起部が係止穴に止まらないため,ケーブルを引っ張ると 上記aからすれば,乙3には,以下の事項が記載されているといえる。 (a) 乙3発明は,従来のコネクタが有していた課題(挿入が不完全であると,突起部が係止穴に止まらないため,ケーブルを引っ張るときコネクタから相手コネクタが外れてしまうほか,係止穴と突起部を設けるためにスペースが大きくなること)を解決するためのものであり,実施例として,一方のコネクタ31のハウジングの対の側壁47に溝部49及び係止穴51を形成し,相手コネクタ33のハウジング39の対の側面にこの溝部49に嵌め込まれる回転中心突起53と係止穴51に嵌め込まれる係止突起60が形成されている。そして,前記溝部49はコネクタ突合方向の軸線とほぼ直角方向に伸びるようにされ,また中間部分に肩部56が形成されて,回転中心突起53は溝部49の中間部分に形成された肩部56に当接するように構成されている。 ⒝ そして,このようなコネクタ31と相手コネクタ33を嵌合させるときは,まず,コネクタ31に対して角度を持った状態で相手コネクタ33の回転中心突起53を溝部49の肩部で停止する深さまで挿入し,相手コネクタ33を回転させ,相手コネクタ33の係止突起60をコネクタ31の係止穴51に入り込ませてコネクタ31と相手コネクタ33を嵌合させる。 c 以上からすれば,乙3発明の内容は以下のとおりであると認められる。 「一方のコネクタ31と,相手コネクタ33とを有する回転挿抜コネクタにおいて,一方のコネクタ31のハウジング35は対の側壁47を有し,これらの側壁47の内面には,溝部49及び係止穴51がそれぞれ形成され,これらの溝部49は,側壁47の延出方向,すなわち,コネクタ突合方向の軸線とほぼ直角方向に延びるように形成され,また,溝部49には,中間部分に肩部56及び,該肩部56が 止穴51がそれぞれ形成され,これらの溝部49は,側壁47の延出方向,すなわち,コネクタ突合方向の軸線とほぼ直角方向に延びるように形成され,また,溝部49には,中間部分に肩部56及び,該肩部56が形成された面と対向する面から溝内方へ突出する突出部が形成されており,相手コネクタ33の相手ハウジング39は,対の側面及びこれと直角をなす端面を備え,上記対の側面には,それぞれハウジング35の溝部49に嵌め込まれる円柱形ないしそれに類する形状の回転中心突起53が形成され,さらに上記対の側面には,一方のコネクタ31のハウジング35の係止穴51に嵌め込まれる係止突起60が上記端面に寄った位置に形成され,相手コネクタ33は,一方のコネクタ31におけるコネクタ突合方向の軸線に対してある角度を持った状態でその回転中心突起53を溝部49に肩部56で停止する深さまで挿入され,その後に,相手コネクタ33を反時計方向に回転させ,その結果,相手コネクタ33の係止突起60は,一方のコネクタ31の係止穴51に入り込み回転が停止すると共にロックされ,そして,このロックされた状態において,回転中心突起53は溝部49の上記突出部の下方に位置し,さらに,相手コネクタ33を一方のコネクタ31から引き抜く際には,相手コネクタ33を時計方向に回転した後に,回転中心突起53を溝部49にて案内しつつ上方に引き抜く回転挿抜コネクタ。」d 乙3発明におけるコネクタ相互の嵌合過程について(a) 乙3発明において,コネクタ31と相手コネクタ33とを嵌合させるには,まず,相手コネクタ33の前端がもち上がって相手コネクタ33が上向き傾斜姿勢にある状態で,相手コネクタ33の回転中心突起53をコネクタ31の溝部49に肩部56で停止する深さまで挿入する。そうすると,溝部 相手コネクタ33の前端がもち上がって相手コネクタ33が上向き傾斜姿勢にある状態で,相手コネクタ33の回転中心突起53をコネクタ31の溝部49に肩部56で停止する深さまで挿入する。そうすると,溝部49は,コネクタの突合方向に対し直交する方向に延びるように形成されているから,相手コネクタ33の回転中心突起53もコネクタの突合方向に対して直交する方向に挿入されるが,肩部56において溝部49が折れ曲がるように形成されているため,肩部56で形成される溝部49の底面に回転中心突起53が当たり,ここで停止する状態となる。そして,この状態のままで,相手コネクタ33を,回転中心突起53を中心に反時計回りに回転させると,相手コネクタ33をコネクタ31からコネクタ突合方向に直交する溝部方向に動かすことになり,両者の嵌合状態が解除されてしまう。そこで,乙3発明では,この状態で相手コネクタ33を回転させるのではなく,回転中心突起53を肩部56に沿って動かすことで,相手コネクタ33をコネクタ31に対してコネクタ突合方向のケーブル44側にずらした状態にして,相手コネクタ33をコネクタ突合方向に直交する溝部方向に動かすことができないようにし,その後,回転中心突起53を中心に相手コネクタ33を回転させているといえる(第3図参照)。乙3発明は,この状態で相手コネクタ33を回転させてコネクタ31を嵌合状態とする(第5図)ものである。 ⒝ 以上からすると,相手コネクタ33は,回転中心突起53が溝部49に形成された肩部56のケーブル44側に当接している状態(乙3の第3図の状態)では,相手コネクタ33の前端がもち上がって,上向き傾斜姿勢にある状態であり,この状態から相手コネクタ33を回転させ,嵌合終了状態にするものである。このときの回転の中心は回転中心突起53である 態)では,相手コネクタ33の前端がもち上がって,上向き傾斜姿勢にある状態であり,この状態から相手コネクタ33を回転させ,嵌合終了状態にするものである。このときの回転の中心は回転中心突起53であるから,回転中心突起53の断面が円形であるとすると,相手コネクタ33の回転の前後で,回転中心突起53の最後方位置(ケーブル44側の位置)は変わらない。 そして,乙3の第3図の記載に加え,回転中心突起53が肩部56の中で回転するときの中心となるものであり,相手コネクタ33が円滑に回転するように形成されていると解されることや,回転させる前後及びその途中において,相手コネクタ33がコネクタ31に対して上下左右方向に移動できるような隙間が回転中心突起53と肩部56との間に生じるのはコネクタ同士の確実な嵌合という観点からして望ましくないことを考慮すると,回転中心突起53の断面の形状は,基本的には円形が想定されているといえる。 ⒞ もっとも,乙3の特許請求の範囲において,回転中心突起の形状についての言及がないことからすれば,円滑な回転動作やコネクタの確実な嵌合に支障が出ない限度で,回転中心突起53の断面が円形以外の形状となることも許容されているものと解される。そして,回転中心突起の断面が円形でない場合には,その形状に応じて回転中心突起53の最後方位置が相手コネクタ33の回転の前後で変わることになるが,乙3にはこの点に関する記載はなく,回転によって,回転中心突起53の最後方位置が回転前に比較して後方に位置するという技術思想は記載されていない。 ⒟ したがって,乙3発明は,コネクタ31から相手コネクタ33が外れることを防止するために,回転中心突起53が肩部56の上面に当接して,相手コネクタ33がコネクタ31に対して上方に動くのを防いでいるものであるが, 乙3発明は,コネクタ31から相手コネクタ33が外れることを防止するために,回転中心突起53が肩部56の上面に当接して,相手コネクタ33がコネクタ31に対して上方に動くのを防いでいるものであるが,回転中心突起53の上方に肩部56の上面が位置するように,相手コネクタ33が傾斜している状態で肩部56の前側から後側(ケーブル側)へ回転中心突起53を移動させているものであり,相手コネクタ33の回転により回転中心突起53の最後方位置が後方(ケーブル側)へ移動するものではない。 e 以上を前提として,本件特許発明2と乙3発明と対比する。 乙3発明の「相手コネクタ33」は本件特許発明2の「ケーブルコネクタ」に相当し,以下同様に,「一方のコネクタ31」は「レセプタクルコネクタ」に,「回転中心突起53」は「ロック突部」に,「溝部49」は「ロック溝部」に,「係止突起60」は「係止部」に,「係止穴51」は「被係止部」に,「回転挿抜コネクタ」は「電気コネクタ組立体」に,それぞれ相当する。 以上からすれば,本件特許発明2と乙3発明とは,本件特許発明2では「コネクタ嵌合過程にて,上記ケーブルコネクタの前端がもち上がって該ケーブルコネクタが上向き傾斜姿勢にあるとき,上記ロック突部の突部後縁の最後方位置が,上記ケーブルコネクタがコネクタ嵌合終了姿勢にあるときと比較して前方に位置し,上記ロック突部が上記ロック溝部内に進入して所定位置に達した後に上記上向き傾斜姿勢が解除されて上記ケーブルコネクタが上記コネクタ嵌合終了姿勢となったとき,上記ロック突部の突部後縁の最後方位置が上記突出部の最前方位置よりも後方に位置し,該ケーブルコネクタが後端側をもち上げられて抜出方向に移動されようとしたとき,上記ロック突部が上記抜出方向で上記突出部と当接して,上記 部後縁の最後方位置が上記突出部の最前方位置よりも後方に位置し,該ケーブルコネクタが後端側をもち上げられて抜出方向に移動されようとしたとき,上記ロック突部が上記抜出方向で上記突出部と当接して,上記ケーブルコネクタの抜出が阻止されるようになっていることを特徴とする」ものであるのに対し,乙3発明は,そのような構成を備えていない点において本件特許発明2と相違するものと認められる。 なお,ロック突部の形状については,本件特許発明2では,ロック突部に突部前縁と突部後縁が形成されているのに対し,乙3発明における「回転中心突起53」は,円滑な回転動作のために,その断面の形状は円形ないしそれに近い形状が想定されているといえるが,前記dのとおり,これが両発明の相違点であるとまではいえない。 f 以上のとおり,本件特許発明2は乙3発明と相違するので,両者が同一(特許法29条1項3号)とはいえず,本件特許発明2は新規性を有するものである。 (イ) 乙3発明に基づく本件特許発明2の容易想到性a 前記(ア)dのとおり,乙3発明は,相手コネクタ33の回転中心突起53を溝部49の肩部56において,前側から後側(ケーブル44側)へ移動させることにより,回転中心突起53が肩部56の上面に当接することで,相手コネクタ33がコネクタ31から上方へ外れることを防止するものである。 そして,被告が「ロック突部の形状を略多角形とすることが容易想到である」ことの証拠として提出した乙7ないし10には,確かに,コネクタにおいて嵌合操作の支点となる突部を多角形状としたものが示されている(当事者間に争いがない。)ものの,いずれもロック突部の突部後縁の最後方位置につき,コネクタ嵌合過程と嵌合終了時点における前後方向の位置の変化や,嵌合終了 なる突部を多角形状としたものが示されている(当事者間に争いがない。)ものの,いずれもロック突部の突部後縁の最後方位置につき,コネクタ嵌合過程と嵌合終了時点における前後方向の位置の変化や,嵌合終了時点におけるロック溝部の突出部の最前方位置との前後関係について記載ないし示唆するものではない。 また,そもそも前記(ア)eのとおり,乙3発明においては,円滑な回転動作のために「回転中心突起53」の断面として円形ないしそれに近い形状が想定されているところ,これを,乙7ないし10に記載された,コネクタにおいて嵌合操作の支点となる突部を多角形状としたものに変更すべき動機付けはなく,むしろ回転中心突起の断面を多角形状のものにすると円滑な回転動作が妨げられることからすれば,このような変更については阻害要因があるというべきである。 以上のとおり,乙3発明における「回転中心突起」の断面形状につき,乙7ないし10を適用して多角形状にすることには阻害要因がある上,仮にこれを適用したとしても,ロック突部の突部後縁の最後方位置につき,コネクタ嵌合過程と嵌合終了時点における前後方向の位置の変化や,嵌合終了時点におけるロック溝部の突出部の最前方位置との前後関係について記載ないし示唆のない乙7ないし10を適用することによって本件特許発明2に想到することは容易ではないというべきであり,本件特許発明2は進歩性を有するものである。 b 被告は,本件特許発明2は「ケーブルコネクタの回転のみによって,すなわちケーブルコネクタとレセプタクルコネクタ間のスライドなどによる相対位置の変位なしに,ロック突部の最後方位置が突出部に対して位置変化を起こす構成」に限定されていると解さなければ,進歩性を欠き,本件特許2は無効であるとも主張する。 しかし,そもそも本件特許発明 位なしに,ロック突部の最後方位置が突出部に対して位置変化を起こす構成」に限定されていると解さなければ,進歩性を欠き,本件特許2は無効であるとも主張する。 しかし,そもそも本件特許発明2の特許請求の範囲の記載において,上記のような限定はいずれもされていないから,このような限定解釈をすべき理由はない。そして,既に検討したとおり,乙3発明と本件特許発明2には,前記(ア)e記載の相違点が存在し,同相違点は乙7ないし10などを考慮しても容易想到ではないため,本件特許発明2が進歩性を欠くともいえない。したがって,被告の上記主張は採用できない。 オ以上のとおり,本件特許2に被告の主張する無効理由があるとは認められない。 (2) 小括前記1のとおり,被告製品においては本件特許発明2が実施されており,かつ,前記(1)のとおり,本件特許2に無効理由があるとは認められないから,被告製品の本件特許発明1に係る構成要件充足性及び本件特許1の有効性については検討するまでもなく,本件特許権2の侵害に基づく原告の損害額の検討に進むこととする。 3 争点(3)(原告の損害額)について(1) 証拠(乙22)によれば,被告による被告製品(より正確には被告製品を構成する各部品)の売上高(平成25年9月13日から平成27年8月末日まで)は合計1億0617万4127円であることが認められる。そして,原告は,被告製品の販売に伴う被告の限界利益率は少なくとも30%であると主張しており,被告はこれを争いつつ,具体的な限界利益率を主張立証しないため,原告が主張する被告の限界利益率を採用することとすると,被告製品の販売に伴う被告の利益額は合計3185万2238円となるから,特許法102条2項により,これを原告の損害額と推定する。 そして,遅延損害金に 被告の限界利益率を採用することとすると,被告製品の販売に伴う被告の利益額は合計3185万2238円となるから,特許法102条2項により,これを原告の損害額と推定する。 そして,遅延損害金について検討すると,原告は,平成26年5月13日までの損害と翌14日以降の損害について遅延損害金の起算点を2つに分けているため,上記損害額についても2つに分けることとする。証拠(乙22)によれば,被告製品の売上高は月単位で把握できるところ,被告製品の販売開始から平成26年4月までの売上高は合計2945万1436円(被告の利益は,その3割相当額である883万5431円)であり,それ以降の被告製品の売上高は合計7672万2691円(被告の利益は,その3割相当額である2301万6807円)であると認められるため,前者につき平成26年6月27日から,後者につき平成27年9月1日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を命じることとする。 なお,原告の予備的主張(特許法102条3項に基づく主張)については,予備的主張に係る原告の損害額が主位的主張に係る原告の損害額を超えるものとは認められないため,判断する必要がない。 (2) なお,被告は,原告が本件特許発明1及び2を実施しておらず,被告製品と競合する製品の製造・販売等をも行っていないから,被告が被告製品を販売しなかったとしても原告がこれに対応する利益を得られる関係にはないとか,特許法102条2項の推定を覆滅する事由があると主張する。 しかし,証拠(甲6,7,19,20,22ないし27)によれば,原告がDF61シリーズの製品を製造・販売しており,同製品はLED照明等に用いられる「基板対ケーブル小型電源用スウィングロックコネクタ」であること,一方,被告製品も,LED照 いし27)によれば,原告がDF61シリーズの製品を製造・販売しており,同製品はLED照明等に用いられる「基板対ケーブル小型電源用スウィングロックコネクタ」であること,一方,被告製品も,LED照明用に用いられる基板対電線接続圧着コネクタであること,原告及び被告の取引先が,DF61シリーズの製品と被告製品とを比較した上で,価格等の理由により,DF61シリーズの製品を採用せず被告製品を採用したことが少なくとも複数回あったことが認められる。以上からすれば,少なくとも原告のDF61シリーズの製品は被告製品と同様にLED照明用のコネクタであって,原告のDF61シリーズの製品と被告製品とは競合品であることが認められるから,被告が被告製品を販売しなかった場合に原告がこれに対応する利益を得られる可能性が十分にあったといえ,被告の上記主張は前提を欠くものである。 このほか,被告は,従来の被告製品の取引先が,被告による設計変更後も,同設計変更後の被告の製品を購入しており,同設計変更後にDF57及び61シリーズの製品の販売量が増加していないことからすれば,被告が被告製品を販売したことによる原告の損害はないとも主張する。しかし,上記のとおり,原告が現に製造販売しているDF61シリーズの製品は被告製品と同じくLED照明用コネクタであること,また,原告及び被告の取引先が,DF61シリーズの製品と被告製品とを比較した上で,価格等の理由により,DF61シリーズの製品を採用せず被告製品を採用したことが少なくとも複数回あったことが認められるのであるから,原告に損害が発生していることは優に認められ,被告の上記主張は採用できない。 4 争点(4)(差止め及び廃棄の必要性)について被告は,被告製品のうちソケットコネクタの後方突部を円形状に変更し,平成27年 生していることは優に認められ,被告の上記主張は採用できない。 4 争点(4)(差止め及び廃棄の必要性)について被告は,被告製品のうちソケットコネクタの後方突部を円形状に変更し,平成27年4月7日以降は(設計変更前の)被告製品を販売しておらず,今後,再び被告製品を販売する予定もないから,差止めの必要性がないと主張する。 しかし,被告がソケットコネクタの後方突部の形状を円形状に戻すことは難しくないと窺われることに加え,被告は,本件訴訟において,一貫して,被告製品が本件特許発明1及び2を実施しておらず,本件特許1及び2がいずれも無効である旨を主張していること等からすれば,被告が今後,被告製品を製造・販売するおそれがあると認められるから,被告製品の製造・販売等の差止めを命じる必要性がある。 他方で,証拠(乙29)によれば,被告は,被告製品を構成する部品のうちソケットコネクタを廃棄したことが認められるところ,証拠(乙23,26)及び弁論の全趣旨からすれば,ソケットコネクタ以外の部品については被告製品以外の製品にも使用可能であるものと認められることからすれば,被告製品の廃棄を求める原告の請求は,理由がないというべきである。 5 結論以上によれば,原告の請求は,被告製品の製造・販売等の差止め,損害賠償として3185万2238円及びうち883万5431円に対する不法行為後の日である平成26年6月27日から,うち2301万6807円に対する不法行為後の日である平成27年9月1日から,それぞれ支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める範囲で理由があるからこれらを認容し,その余は理由がないからこれらをいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第47部 裁判長 害金の支払を求める範囲で理由があるからこれらを認容し,その余は理由がないからこれらをいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第47部 裁判長裁判官沖中康人 裁判官矢口俊哉 裁判官宇野遥子 (別紙)物件目録「LEHコネクタ」ただし,以下の2通りの組合せで販売される。 <キーパターンA>① 型番「SLEH-001T-P0.15」の(ケーブル側コネクタの)コンタクト(端子)② 型番「LEHR-02V-S-A(HF)」の(ケーブル側コネクタの)ハウジング③ 型番「BM02B-LEHSS-A-TB(HF)」のベース付きコンタクト(基板側コネクタ)からなる。 <キーパターンB>① 型番「SLEH-001T-P0.15」の(ケーブル側コネクタの)コンタクト(端子)② 型番「LEHR-02V-E-B(HF)」の(ケーブル側コネクタの)ハウジング③ 型番「BM02B-LEHES-B-TB(HF)」のベース付きコンタクト(基板側コネクタ)からなる。
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