昭和44(オ)431 土地、建物所有権移転登記手続請求等

裁判年月日・裁判所
昭和46年6月18日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 仙台高等裁判所 昭和38(ネ)258
ファイル
hanrei-pdf-61941.txt

タグ

判決文本文1,759 文字)

主文 原判決を破棄し、本件を仙台高等裁判所に差し戻す。理由 上告代理人石川克二郎の上告理由について。原審は、本件代物弁済予約は、上告人の被上告人に対する金銭債権を担保するために、抵当権設定契約と並んで締結されたものであり、債権者たる上告人は、目的不動産を換価処分し、これによつて得た金員から優先弁済を受け、債務者との間の貸借を清算することを内容とする債権担保契約である旨、および、本件不動産には訴外Dのため後順位の抵当権が設定されており、同人の申立により、右物件には競売手続が進行中である旨の事実を認定したうえ、かかる代物弁済予約契約においては、債権者は、目的物件の換価処分を前提とした場合にかぎつて、目的不動産の仮登記を本登記に高める登記手続を求めることが許されるが、後順位抵当権者が既に目的物件について抵当権を実行し、競売手続が進行しているときは、右予約権者は、一番抵当権者として競落代金から優先弁済を受ける債権の満足を図るべきであつて、もはや目的不動産の換価処分の必要は認められないから、仮登記を本登記に高める必要もなく、したがつて、仮登記に基づき本登記手続を求める上告人の本訴請求は許されない旨判示している。しかしながら、右の判示に副うような主張は、原判決の事実摘示欄に記載されていないのみならず、記録によれば、原審において、当事者双方の主張するところは、本件代物弁済予約が本来の意味における代物弁済予約であることを前提とするものと思われないわけでなく、要するに、前記認定の如き事実関係を、当事者において主張していたか否かは、結局、明らかではないのである。もつとも、後順位抵当権が実行されたとの事実については、上告人提出の準備書面(記録七五〇丁)においてふれるところがないわけではないが、その前後の記 主張していたか否かは、結局、明らかではないのである。もつとも、後順位抵当権が実行されたとの事実については、上告人提出の準備書面(記録七五〇丁)においてふれるところがないわけではないが、その前後の記載に徴すると、右の点が原判- 1 -示の如き意味あいにおいて主張されたものとは必ずしもいい難い。 事実については、上告人提出の準備書面(記録七五〇丁)においてふれるところがないわけではないが、その前後の記 主張していたか否かは、結局、明らかではないのである。もつとも、後順位抵当権が実行されたとの事実については、上告人提出の準備書面(記録七五〇丁)においてふれるところがないわけではないが、その前後の記載に徴すると、右の点が原判- 1 -示の如き意味あいにおいて主張されたものとは必ずしもいい難い。およそ、抵当権実行の存否は原判決の結論を左右する重要な事実であるが、それにもかかわらず、事柄自体極めて浮動的であつて、その後の弁済、当事者間の和解などによつて競売申立が取り下げられ、あるいは他の事情により競売開始決定の取り消されることも往々にしてありうることなのである。したがつて、単に、原審のある一時点において目的不動産につき後順位抵当権の実行手続が進行中であつたからといつて、直ちに、これを前提として、本件代物弁済予約権者の権利行使の許否を断ずることは軽率のそしりを免れないものというべきであり、かような点については、当事者に適用さるべき法律関係に適合した事実関係を充分認識させ、必要な事実に関する主張、立証を尽させたうえでこれを判断するのが相当である。しかるに、記録によれば、原審がこの点について思いをいたした形跡は認められないから、原審は、右の点について釈明権の行使を誤り、ひいて審理不尽の違法を犯したものというべく、この違法は、原判決の結論に影響すること明らかであるから、論旨はこの点において理由があり、原判決は破棄を免れない。そして、本件においては、なお右の点について審理をする必要があるから、本件を原審に差し戻すのが相当である。よつて、民訴法四〇七条を適用し、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官色川幸太郎裁判官村上 を適用し、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官色川幸太郎裁判官村上朝一裁判官岡原昌男裁判官小川信雄- 2 -

▼ クリックして全文を表示