令和4年12月21日判決言渡同日原本交付裁判所書記官令和4年(ワ)第11889号損害賠償請求事件口頭弁論終結日令和4年10月6日判決 原 告株式会社コアアプリ被告 KDDI株式会社被告シャープ株式会社被告ら訴訟代理人弁護士鳥山半六同長谷川 葵 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告らは、原告に対し、連帯して250万7685円及びこれに対する令和4年6月7日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 2 仮執行宣言第2 事案の概要等 1 事案の概要 本件は、発明の名称を「入力支援コンピュータプログラム、入力支援コンピュータシステム」とする特許権を有する原告が、被告シャープ株式会社(以下「被告シャープ」という。)が製造し、被告KDDI株式会社(以下「被告KDDI」という。)が販売している「SHV44」、「SHV45」、「SHV46」というスマートフォン(以下、併せて「被告製品」という。)が、同特許権に係る 発明の技術的範囲に属するとして、民法709条、特許法102条3項に基づき、 被告らに対して、連帯して250万7685円及びこれに対する不法行為の日より後の日である令和4年6月7日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年3分の割合による金員の支払を請求する事案である。 2 前提事実(当事者間に争いがないか、後掲各証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認められる事実) ア原告は、 から支払済みまで民法所定の年3分の割合による金員の支払を請求する事案である。 2 前提事実(当事者間に争いがないか、後掲各証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認められる事実) ア原告は、ソフトウェア開発を業とする株式会社である。(弁論の全趣旨)イ被告KDDIは、電気通信を業とする株式会社である。(争いなし)ウ被告シャープは、通信機器器具の製造を業とする株式会社である。(争いなし)⑵ 原告は、以下の特許権(以下、「本件特許権」といい、本件特許権に係る特許 を「本件特許」という。)を有している。(甲1、2)特許番号特許第4611388号発明の名称入力支援コンピュータプログラム、入力支援コンピュータシステム出願日平成17年11月30日 登録日平成22年10月22日⑶ 本件特許権の特許請求の範囲の請求項1、3の記載は、以下のとおりである(以下、請求項1に記載された発明を「本件発明1」、請求項3に記載された発明を「本件発明3」、本件発明1、3を併せて「本件発明」、本件特許に係る明細書及び図面を「本件明細書」という。)。(甲2) ア本件発明1情報を記憶する記憶手段と、情報を処理する処理手段と、利用者に情報を表示する出力手段と、利用者からの命令を受け付ける入力手段とを備えたコンピュータシステムにおけるコンピュータプログラムであって、利用者が前記入力手段を使用してデータ入力を行う際に実行される入力 支援コンピュータプログラムであり、 前記記憶手段は、ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データである操作メニュー情報と、当該操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行さ は、ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データである操作メニュー情報と、当該操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令と、を関連付けた操作情報を1以上記憶し、 当該操作情報は、前記記憶手段に記憶されているデータの状態を表す情報であるデータ状態情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されており、前記処理手段に、(1)前記入力手段を介して、前記入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令を受信した後から、利用者によって 当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を受信するまでにおいて、以下の(2)及び(3)を行うこと、(2)前記入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すると、当該受信した際の前記記憶手段に記憶されているデータの状態を特定し、当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付いている前記操作情 報を特定し、当該特定した操作情報における操作メニュー情報を、前記記憶手段から読み出して前記出力手段に表示すること、(3)前記入力手段を介して、当該出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されると、当該ポインタにより指定された操作メニュー情報に関連付いている命令を、前記記憶手段から読み出して実行し、当該出 力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されなくなるまで当該実行を継続すること、当該命令の実行により変化した前記記憶手段に記憶されているデータの状態を特定し、当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付いている前記操作情報を特定し、当該特定した操作情報における前記操作メニュ ー情報を、前記記憶手段から読み出して前記出力手段 の状態を特定し、当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付いている前記操作情報を特定し、当該特定した操作情報における前記操作メニュ ー情報を、前記記憶手段から読み出して前記出力手段に表示すること、 を実行させることを特徴とする入力支援コンピュータプログラム。 イ本件発明3情報を記憶する記憶手段と、情報を処理する処理手段と、利用者に情報を表示する出力手段と、利用者からの命令を受け付ける入力手段とを備えたコンピュータシステムにおけるコンピュータプログラムであって、 利用者が前記入力手段を使用してデータ入力を行う際に実行される入力支援コンピュータプログラムであり、前記記憶手段は、ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データである操作メニュー情報 と、当該操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令と、を関連付けた操作情報を1以上記憶し、当該操作情報は、前記記憶手段に記憶されているデータの状態を表す情報であるデータ状態情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されており、前記処理手段に、 (1)前記入力手段を介して、前記入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令を受信した後から、利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を受信するまでにおいて、以下の(2)及び(3)を行うこと、(2)前記入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すると、 当該受信した際の前記記憶手段に記憶されているデータの状態を特定し、当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付いている前記操作情報を特定し、当該特定した操作情報における操作メニュー情報を、前 当該受信した際の前記記憶手段に記憶されているデータの状態を特定し、当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付いている前記操作情報を特定し、当該特定した操作情報における操作メニュー情報を、前記記憶手段から読み出して前記出力手段に表示すること、(3)前記入力手段を介して、当該出力手段に表示した操作メニュー情報が ポインタにより指定されると、当該ポインタにより指定された操作メニュー 情報に関連付いている命令を、前記記憶手段から読み出して実行し、当該出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されなくなるまで当該実行を継続すること、当該命令の実行により変化した前記記憶手段に記憶されているデータの状態を特定し、当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付いて いる前記操作情報を特定し、当該特定した操作情報における前記操作メニュー情報を、前記記憶手段から読み出して前記出力手段に表示すること、(4)前記入力手段を介して、前記開始動作命令の受信に対応する、前記命令ボタンが利用者によって離されたことによる終了動作命令を受信すると、前記出力手段へ表示している前記メニュー情報の表示を終了すること、 を実行させることを特徴とする入力支援コンピュータプログラム。 ⑷ 前記の各請求項は、次のとおり分説することができる。 ア本件発明1A1 情報を記憶する記憶手段と、情報を処理する処理手段と、利用者に情報を表示する出力手段と、利用者からの命令を受け付ける入力手段と を備えたコンピュータシステムにおけるコンピュータプログラムであって、A2 利用者が前記入力手段を使用してデータ入力を行う際に実行される入力支援コンピュータプログラムであり、B 前記記憶手段は、 ポインタの座標位置 コンピュータプログラムであって、A2 利用者が前記入力手段を使用してデータ入力を行う際に実行される入力支援コンピュータプログラムであり、B 前記記憶手段は、 ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データである操作メニュー情報と、当該操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令と、を関連付けた操作情報を1以上記憶し、当該操作情報は、前記記憶手段に記憶されているデータの状態を表す 情報であるデータ状態情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されて おり、C1 前記処理手段に、D (1)前記入力手段を介して、前記入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令を受信した後から、利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終 了動作命令を受信するまでにおいて、以下の(2)及び(3)を行うこと、E (2)前記入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すると、当該受信した際の前記記憶手段に記憶されているデータの状態を特定し、当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付 いている前記操作情報を特定し、当該特定した操作情報における操作メニュー情報を、前記記憶手段から読み出して前記出力手段に表示すること、F (3)前記入力手段を介して、当該出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されると、当該ポインタにより指定された 操作メニュー情報に関連付いている命令を、前記記憶手段から読み出して実行し、当該出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されなくなるまで当該実行を継続すること、当該命令の実行により変化した前記記憶手段に記憶 ている命令を、前記記憶手段から読み出して実行し、当該出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されなくなるまで当該実行を継続すること、当該命令の実行により変化した前記記憶手段に記憶されているデータの状態を特定し、当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に 関連付いている前記操作情報を特定し、当該特定した操作情報における前記操作メニュー情報を、前記記憶手段から読み出して前記出力手段に表示すること、C2 を実行させることを特徴とする入力支援コンピュータプログラム。 イ本件発明3 構成要件A1、A2、B、C1、D、E、Fまで同じ。 G (4)前記入力手段を介して、前記開始動作命令の受信に対応する、前記命令ボタンが利用者によって離されたことによる終了動作命令を受信すると、前記出力手段へ表示している前記メニュー情報の表示を終了すること、構成要件C2と同じ。 ⑸ 被告KDDIは、スマートフォンである「SHV44」について令和元年5月25日から、「SHV45」について令和元年11月2日から、「SHV46」について令和元年12月12日から、それぞれ販売を開始した。これら被告製品は、いずれも被告シャープが製造したものである。(甲12、13、弁論の全趣旨) ⑹ 被告製品の構成は次のとおりである。(乙3、6、弁論の全趣旨)ア被告製品は、いずれも4又は6ギガバイトのRAM、64又は128ギガバイトのROM等の記憶手段と、Snapdragon855、Snapdragon630又はSnapdragon636と呼ばれる処理手段と、液晶画面の出力手段と、タッチパネルの入力手段を備えたスマートフォンで ある。 イ被告製品には、「AQUOSHome」と呼ばれるソフトウェア(以下 pdragon636と呼ばれる処理手段と、液晶画面の出力手段と、タッチパネルの入力手段を備えたスマートフォンで ある。 イ被告製品には、「AQUOSHome」と呼ばれるソフトウェア(以下「本件ホームアプリ」という。)がインストールされている。本件ホームアプリは、電源投入後最初に起動するアプリケーションソフトであり、画面上に複数のショートカットアイコンを表示することができる。利用者は、このショ ートカットアイコンに対し、そこに触れて、すぐ離すというタップ操作を行うことで、ショートカットアイコンに関連付けられた他のアプリケーションソフトを利用することができる。 本件ホームアプリの一つの画面には、ショートカットアイコンが4~5行×4~5桁のマス目に整列して配置されて表示されるため、画面上に一度に 表示できるショートカットアイコンの数は、16~25個程度となる。そこ で、それ以上の個数のショートカットアイコンがある場合には、ワークスペース内に複数のページ画面を構成してショートカットアイコンを配置する。 利用者は、右方向又は左方向にスライド操作(タッチパネルに触れた指を、すぐに、右方向又は左方向に滑らせながら指を離す操作)をして、利用したいアプリケーションソフトのショートカットアイコンが配置されたページ 画面を表示させた上で、タップ操作をする。 ウ本件ホームアプリでは、利用者が任意のショートカットアイコンを任意のマス目の位置に配置するという、並べ替え操作をすることができる。この並べ替え操作は、次のとおり行うことが可能である。 利用者が、移動させたいショートカットアイコンの上のタッチパネルを 指等で長押しすると、当該ショートカットアイコンはタッチパネル上の指等の動きに追従して画面上を移動させること 可能である。 利用者が、移動させたいショートカットアイコンの上のタッチパネルを 指等で長押しすると、当該ショートカットアイコンはタッチパネル上の指等の動きに追従して画面上を移動させることができる状態になるので、そのまま画面上を移動させるドラッグ操作をすることにより当該ショートカットアイコンを移動させ、同一ページ画面内の任意のマス目に配置して、並べ替えることができる。 利用者が、移動させたいショートカットアイコンを長押しし、ドラッグ操作をすることにより、長押しを開始してから累積されるドラッグ移動距離が一定距離となった場合に、操作をしているページの画面(以下、「中央ページ画面」という)表示が縮小表示され、中央ページ画面だけでなく、ワークスペース内にある中央ページ画面の左右隣のページ画面の一部も 画面上に表示される(ただし、左右のページ画面のいずれかが存在しない場合には、中央ページ画面及び存在する左又は右のページ画面の一部のみが表示される。以下、この状態を「縮小モード」といい、表示されることとなる、中央ページ以外のページ画面の一部の画像を「一部表示画像」ということがある。)。縮小モードの状態では、ワークスペース内の中央ペ ージ画面真ん中に「× 削除」が表示される。 縮小モードの状態で、隣のページ画面が一部表示されているとき、利用者が当該ショートカットアイコンをドラッグしている指等のタッチパネル上の位置を、表示された隣のページ画面の範囲に入れ、当該隣のページ画面が白く表示されると、画面が左又は右にスクロールして、一つ隣のページ画面を中心にワークスペース内が縮小表示される。このときも、一つ 隣のページ画面だけでなく、ワークスペース内の当該一つ隣のページ画面の左右のページ画面の一部も画面上に ロールして、一つ隣のページ画面を中心にワークスペース内が縮小表示される。このときも、一つ 隣のページ画面だけでなく、ワークスペース内の当該一つ隣のページ画面の左右のページ画面の一部も画面上に表示される(ただし、左右のページ画面が存在しない場合には、当該一つ隣のページ画面及び存在する左又は右のページ画面の一部のみが表示される)。この時、左右のページの隣接する位置にショートカットアイコンが存在しない場合には、隣のページ画 面として、単に相当に細長い四角の画像が表示されるだけであり、隣のページにショートカットアイコンが存在している場合でも、隣のページ画面である相当に細長い四角の画像に、ショートカットアイコンの端の一部のみが細く表示される。 スクロール先に、一つ隣のページ画面の左右のページ画面の一部が表示 された後、引き続き利用者が当該ショートカットアイコンをドラッグしている指等のタッチパネル上の位置を当該左右のページ画面の一部の範囲に入れると、さらに画面が左又は右にスクロールして、さらに一つ隣のページ画面を中心にワークスペース内が縮小表示される。ワークスペース内の最初のページ画面、又は、ワークスペース内の最後のページ画面(既にシ ョートカットアイコンが置かれたページ画面に加え一つだけ新たなページ画面を追加できる)が画面の中央に表示されるまでは、同様にスクロールができる。 利用者が、当該ショートカットアイコンを、スクロール先の縮小されたワークスペース内のページ画面のうち移動したいマス目の位置に重ねた 後に、タッチパネルから指等を離せば、当該ショートカットアイコンはス クロール先のページの当該マス目に移動するとともに、縮小モードの状態が終了する。 他方、利用者が、当該ショートカットアイコンを、 パネルから指等を離せば、当該ショートカットアイコンはス クロール先のページの当該マス目に移動するとともに、縮小モードの状態が終了する。 他方、利用者が、当該ショートカットアイコンを、スクロール先のページの縮小表示に重ねることなく、タッチパネルから指等を離せば、当該ショートカットアイコンはスクロール先のページ画面には移動せずに、縮小 モードの状態が終了する。 ⑺ 原告は、被告らに対し本件特許権侵害を理由に複数回の特許権侵害訴訟を提起した。原告が被告らを相手に提起した被告らが製造、販売するSHV39ないしSHV43というスマートフォンを対象とする直近の特許権侵害訴訟(東京地方裁判所令和2年(ワ)第15464号)では、令和3年7月14日、 後記3⑴アの争点につき、同争点についての被告の主張(後記4))と類似の理由によって、同製品は本件発明の技術的範囲に属さないものと判断されて原告の請求が棄却され、知的財産高等裁判所も、令和4年2月8日、1審判決と同様の理由を述べて控訴を棄却する判決をし、その後、同判決は確定した。 (乙1、2、弁論の全趣旨) 3 争点 被告製品が本件発明の技術的範囲に属するか(争点1)ア本件ホームアプリが「操作メニュー情報」を有するか(構成要件B、E、F、G)(争点1-1)イ本件ホームアプリが「入力支援コンピュータプログラム」に当たるか(構 成要件A2、C2)(争点1-2)ウ本件ホームアプリが「ポインタ」及び「ポインタの座標位置」を有するか(構成要件B、E、F)(争点1-3)エ本件ホームアプリが「操作情報」と「データ状態情報」とを関連付けて記憶しているか(構成要件E)(争点1-4) オ本件ホームアプリが「入力手段を介してポインタの位置を移動させる -3)エ本件ホームアプリが「操作情報」と「データ状態情報」とを関連付けて記憶しているか(構成要件E)(争点1-4) オ本件ホームアプリが「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令 を受信すると・・・操作メニュー情報を・・・記憶手段から読み出して・・・表示する」か(構成要件F)(争点1-5)カ本件ホームアプリが「出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されなくなるまで当該実行を継続」するか(構成要件F)(争点1-6) キ被告処理装置が「本件発明の処理手段」に該当するか(構成要件C1)(争点1-7)⑵ 本件特許に無効理由があるか(争点2)ア特開平9-152856号公報(以下「乙8公報」という。)に記載された発明との同一を理由とする新規性欠如の無効理由があるか(争点2-1) イ乙8公報に記載された発明からの容易想到を理由とする進歩性欠如の無効理由があるか1(争点2-2)ウ乙8公報に記載された発明からの容易想到を理由とする進歩性欠如の無効理由があるか2(争点2-3)エ明確性要件違反の無効理由があるか(争点2-4) 4 争点に対する当事者の主張⑴ 被告製品が本件発明の技術的範囲に属するか(争点1)についての当事者の主張は、別紙技術的範囲に関する当事者の主張のとおりである。 本件特許に無効理由があるか(争点2)についての当事者の主張は、別紙無効理由に関する当事者の主張のとおりである。 第3 当裁判所の判断 1 本件発明について⑴ 本件明細書の記載(甲2)【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、マウスに代表されるポインティングデバイス等の入力装置を利用して、コンピュータ ⑴ 本件明細書の記載(甲2)【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、マウスに代表されるポインティングデバイス等の入力装置を利用して、コンピュータシステムにおけるシステム利用者の入力行為を支援するためのコンピュータプログラムに関するものである。 【背景技術】【0002】 GUI(GraphicalUserInterface)環境のコンピュータシステムでは、システム利用者の入力行為を支援するために様々な工夫がなされている。例えば、プログラムの実行中にコンピュータの入力装置であるマウスを右クリックすることにより操作コマンドのメニューが画面上に表示される「コンテキストメニュー」や、マウス操作の一種である「ドラッグ&ドロップ」等が存在する。 【0003】「コンテキストメニュー」は、マウスを右クリックすることにより、マウスが指し示している画面上のポインタ位置に応じた操作コマンドのメニューが表示されるものであり、必要な場合に操作コマンドのメニューを画面上に表示させるという点でシステム利用者にとって有益である。しかしながら、「コン テキストメニュー」は、マウスの右クリックで簡単にコマンドのメニューが表示されるものの、マウスの左クリックを行う等するまではずっとメニューが画面に表示され続ける。また、利用者が間違って右クリックを押してしまった場合等は、利用者の意に反してメニューが画面上に表示されてしまうので不便である。 【0004】一方、「ドラッグ&ドロップ」とは、画面上でマウスポインタがウィンドウの枠やファイルのアイコンなどに重なった状態でマウスの左ボタンを押し、そのままの状態でマウスを移動させ、別の場所でマウスの左ボタンを離すマウス操作で ロップ」とは、画面上でマウスポインタがウィンドウの枠やファイルのアイコンなどに重なった状態でマウスの左ボタンを押し、そのままの状態でマウスを移動させ、別の場所でマウスの左ボタンを離すマウス操作である。この「ドラッグ&ドロップ」は、データ等の「切り取り」と「貼り 付け」を同時に行う操作、例えば、ディスク内でのファイル移動や、アプリケ ーションソフト間でのデータのカット&ペースト操作などに用いられている。 しかしながら、「ドラッグ&ドロップ」は、ドラッグしたポインタ位置からドロップしたポインタ位置まで画面をスクロールさせるような一時的動作には向いているが、継続的な動作、例えば、移動させる位置を決めないで徐々に画面をスクロールさせていくような動作に適用させるのは難しい。 【0005】また、以下の特許文献1には、コマンドメニュー表示方法に関する技術が開示されている。しかしながら、当該技術も「ドラッグ&ドロップ」の応用技術としてのコマンドメニュー表示方法であり、継続的な動作の実行に適用させるのは難しい。 【特許文献1】 特開2000-339482号公報【発明の開示】【発明が解決しようとする課題】【0006】本発明の解決しようとする課題は、システム利用者の入力を支援するための、 コンピュータシステムにおける簡易かつ便利な入力の手段を提供することである。特に、利用者が必要になった場合にすぐに操作コマンドのメニューを画面上に表示させ、必要である間についてはコマンドのメニューを表示させ続けられる手段の提供を目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】1、【0008】(1) そこで、上記課題を解決するため、本発明に係る入力支援コンピュータプログラムは の提供を目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】1、【0008】(1) そこで、上記課題を解決するため、本発明に係る入力支援コンピュータプログラムは、情報を記憶する記憶手段と、情報を処理する処理手段と、 利用者に情報を表示する出力手段と、利用者からの命令を受け付ける入力手段 とを備えたコンピュータシステムにおけるコンピュータプログラムであって、利用者が前記入力手段を使用してデータ入力を行う際に実行される入力支援コンピュータプログラムである。 【0009】また、当該コンピュータシステムの前記記憶手段は、ポインタの座標位置に よって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データである操作メニュー情報と、当該操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令と、を関連付けた操作情報を1以上記憶している。 【0010】 そして、当該コンピュータシステムの前記処理手段に、(1)前記入力手段を介して、前記入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令を受信した後から、利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を受信するまでにおいて、以下の(2)及び(3)を行うこと、(2)前記入力手段を介してポインタの位置を移動させ る命令を受信すると、前記操作メニュー情報を前記記憶手段から読み出して前記出力手段に表示すること、(3)前記入力手段を介して、当該出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されると、当該ポインタにより指定された操作メニュー情報に関連付いている命令を、前記記憶手段から読み出して実行すること、(4)前記入力手段を介して、前記開始動作命 操作メニュー情報がポインタにより指定されると、当該ポインタにより指定された操作メニュー情報に関連付いている命令を、前記記憶手段から読み出して実行すること、(4)前記入力手段を介して、前記開始動作命令の受信に対 応する、前記命令ボタンが利用者によって離されたことによる終了動作命令を受信すると、前記出力手段へ表示している前記操作メニュー情報の表示を終了すること、を実行させることを特徴とする入力支援コンピュータプログラムである。 【0011】 (2) ここで、「記憶手段」とは、例えばRAM、ROM、HDD等のコン ピュータシステムにおける記憶装置が該当する。「処理手段」とは、例えばCPU等のコンピュータシステムにおける演算装置や、通信ネットワークで接続されたコンピュータシステムにおける中央処理サーバコンピュータが該当する。 「出力手段」とは、例えばディスプレイ等のコンピュータシステムにおける情報を表示する出力装置や、通信ネットワークで接続されたコンピュータシステ ムにおける情報端末としての携帯電話端末やパーソナルコンピュータ等が該当する。「入力手段」とは、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等のコンピュータシステムにおける入力装置や、通信ネットワークで接続されたコンピュータシステムにおける情報端末としての携帯電話端末やパーソナルコンピュータ等が該当する。「コンピュータシステム」は、パーソナルコンピュータ等 の1のハードウェア内にて完結して構成される場合もあるし、複数のコンピュータにより構成される場合もある。複数のコンピュータにより構成される場合の例として、通信ネットワークで接続されたコンピュータシステムにおいて、「処理手段」は中央処理サーバコンピュータ、「記憶手段」は中央処理サーバコンピュータが 。複数のコンピュータにより構成される場合の例として、通信ネットワークで接続されたコンピュータシステムにおいて、「処理手段」は中央処理サーバコンピュータ、「記憶手段」は中央処理サーバコンピュータが管理する記憶装置、「出力手段」及び「入力手段」は中央処理サー バコンピュータと通信する情報端末(携帯電話、パーソナルコンピュータ)、等の場合が該当する。 【0012】「ポインタの座標位置」とは、前記出力手段における画面上での現在位置を示す絵記号である「カーソル(マウスカーソル)」が指し示している画面上での 座標位置である。「ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示する画像データ」とは、当該ビットマップ形式やベクター形式の画像データにポインタを合わせることで、どのような命令が実行されるのかをシステム利用者が理解できるように構成されている画像データであることを意味する。例えば、どのような命令が実行されるの か、を表す文字を含んだ画像データであったり、「アイコン」のように実行され る命令の内容や対象を小さな絵や記号で表現した画像データが考えられる。 【0013】「操作メニュー情報にポインタが指定された場合」とは、前記出力手段における画面上に表示された画像データである操作メニュー情報が占める座標位置の範囲に、前記ポインタの座標位置が合わさった(入った)こと、をいう。 「操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令」とは、前記コンピュータシステムに対する実行命令であり、例として、「編集対象データにおける内部のデータ状態を変化させる命令」がある。この「編集対象データにおける内部のデータ状態を変化させる命令」とは、前記記憶手段に格納されている編集 る実行命令であり、例として、「編集対象データにおける内部のデータ状態を変化させる命令」がある。この「編集対象データにおける内部のデータ状態を変化させる命令」とは、前記記憶手段に格納されている編集対象データの内容(データ状態)に変更を加える命令である。 【0014】「編集対象データ」とは、前記コンピュータシステムにおいて実行されているアプリケーションプログラムにおける、データ編集の対象となっているデータである。例えば、実行されているアプリケーションプログラムがワープロソフトであれば、当該ワープロソフトの文章データが「編集対象データ」となり、 実行されているプログラムが表計算ソフトであれば、当該表計算ソフトの表計算データが「編集対象データ」となる。例えば、ワープロソフトの文章データが「編集対象データ」であれば、全文章データのうち前記出力手段に表示させる部分である「ビュー」を変更させる命令や、表計算ソフトの表計算データが「編集対象データ」であれば、表計算データのうち前記出力手段に表示させる 部分である「アクティブなワークシート」を変更させる命令等が、「編集対象データにおける内部のデータ状態を変化させる命令」として考えられる。 【0015】「操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令」は、「編集対象データにおける内部のデータ状態を変化させる命令」に限られない。す なわち、前記記憶手段に記憶されているOSが管理している各種情報(時間情 報、記憶手段の空き容量に関する情報、ファイルの位置など)を変化させる命令である「前記記憶手段に記憶されているデータの状態を変化させる命令」も、「操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令」に含まれる。さらに、前記コンピュータシ 置など)を変化させる命令である「前記記憶手段に記憶されているデータの状態を変化させる命令」も、「操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令」に含まれる。さらに、前記コンピュータシステムがネットワークを通じて接続している中央サーバコンピュータに接続要求をする命令や、前記コンピュータシステム がネットワークを通じて接続している他のコンピュータシステムにデータを送信する命令の各種命令等も、「操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令」に含まれる。 【0016】「操作情報」とは、「操作メニュー情報」と「操作メニュー情報にポインタが 指定された場合に実行される命令」とを関連付けた情報である。この「操作情報」により、前記出力手段に表示された「操作メニュー情報」にポインタが指定された場合に、どの「命令」を実行すればよいかを特定することができる。 また、「操作メニュー情報」には、出力手段に表示する際に、画面上のどの座標位置・範囲に表示するかという表示位置・範囲に関する情報も含まれる。この 「表示位置・範囲に関する情報」としては、例えば、操作メニュー情報が画面上に表示された際に占める絶対的な座標位置・範囲を示す情報や、編集対象データが表示される画面上の座標位置・範囲における操作メニュー情報の占める相対的な位置・範囲を示す情報などが該当する。 【0017】 「入力手段における命令ボタン」とは、原則として、入力手段が物理的に備えているボタンを意味し、例えば、キーボードにおける入力キーや、ポインティングデバイスであるマウスの左右のクリックボタンやスクロールホイールボタン、などが考えられる。「入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令」とは、原則として、入力手 ィングデバイスであるマウスの左右のクリックボタンやスクロールホイールボタン、などが考えられる。「入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令」とは、原則として、入力手段が物理的に備 えているボタンが利用者によって押されたことを伝えるために、入力手段が処 理手段に対して発する電気信号を意味する。「利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令」とは、原則として、当該入力手段が物理的に備えているボタンが利用者によって離されたことを伝えるために、入力手段が処理手段に対して発する電気信号を意味する。 【0018】 しかしながら、コンピュータシステムの入力手段の多様化により、タッチパネル等の物理的にボタンを備えていない入力手段も存在しているため、「入力手段における命令ボタン」には、入力手段が物理的に備えているボタンだけを表すものではない。すなわち、入力手段がタッチパネル等の物理的にボタンを備えていない入力手段である場合は、「入力手段における命令ボタンが利用者 によって押されたことによる開始動作命令」とは、入力手段において利用者が押す行為を行ったことを伝えるために、入力手段が処理手段に対して発する電気信号(mousedown など)を意味する。また、入力手段がタッチパネル等の物理的にボタンを備えていない入力手段である場合は、「利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令」とは、入力手段に おいて利用者が押す行為を止めて離したことを伝えるために、入力手段が処理手段に対して発する電気信号(mouseup など)を意味する。 【0019】「開始動作命令」が発せられて受信してから、「終了動作命令」が発せられて受信するま 伝えるために、入力手段が処理手段に対して発する電気信号(mouseup など)を意味する。 【0019】「開始動作命令」が発せられて受信してから、「終了動作命令」が発せられて受信するまでは、入力手段において特定の命令ボタン等を利用者が押す行為を 継続していることを、処理手段は認識することができる。 【0020】「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信する」とは、入力手段としてのポインティングデバイスから、画面上におけるポインタの座標位置を移動させる命令(電気信号)を処理手段が受信することである。先の「開 始動作命令」が発せられて受信してから、「終了動作命令」が発せられて受信す るまでの間に、処理手段が「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信する」と、処理手段は記憶手段に記憶されている操作メニュー情報を読み出して、当該操作メニュー情報を出力手段に表示する。「出力手段へ表示している前記操作メニュー情報の表示を終了する」とは、ステップ(2)で出力手段に表示した操作メニュー情報を、処理手段が出力手段に表示しないよう にすることをいう。 【0021】以上の定義は、以下の発明にも適用される。 【0022】(3) 本発明は、入力手段における命令ボタンが利用者によって押されて から、離されるまでの間に、ポインタの位置を移動させる命令を受信すると、画像データである操作メニュー情報を出力手段に表示し、ポインタの指定により命令が実行される。特に、入力手段における命令ボタンが利用者によって押されてから、離されるまでの間は、画像データである操作メニュー情報をポインタで指定することによって、当該命令を何回でも実行する、という継続的な 操作が可能になる。また、 タンが利用者によって押されてから、離されるまでの間は、画像データである操作メニュー情報をポインタで指定することによって、当該命令を何回でも実行する、という継続的な 操作が可能になる。また、入力手段における命令ボタンが利用者によって離されると、出力手段に表示されていた操作メニュー情報の表示が終了する。 【0023】これにより、例えば、当該ポインタの指定により実行される命令として、編集対象データのうち出力手段に表示される画面(ビュー)をスクロールさせる ような命令を採用すると、スムーズな画面操作が可能である。また、利用者によって押されていた入力手段における命令ボタンが利用者によって離されると、出力手段に表示されていた操作メニュー情報が表示されなくなるため、普段は画面上に操作メニュー情報を表示せずに、利用者にとって必要な場合に簡便に表示させることが可能となる。 【0035】 3、【0036】(1) また、他の発明に係る入力支援コンピュータプログラムは、情報を記憶する記憶手段と、情報を処理する処理手段と、利用者に情報を表示する出力手段と、利用者からの命令を受け付ける入力手段とを備えたコンピュータシ ステムにおけるコンピュータプログラムであって、利用者が前記入力手段を使用してデータ入力を行う際に実行される入力支援コンピュータプログラムである。 【0037】当該コンピュータシステムの前記記憶手段は、ポインタの座標位置によって 実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データである操作メニュー情報と、当該操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令と、を関連付けた操作情報を1以上記憶し、当該操作情報は、前記記憶手段に記憶 力手段に表示するための画像データである操作メニュー情報と、当該操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行される命令と、を関連付けた操作情報を1以上記憶し、当該操作情報は、前記記憶手段に記憶されているデータの状態を表す情報であるデータ状態情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されている。 【0038】そして、当該コンピュータシステムの前記処理手段に、(1)前記入力手段を介して、前記入力手段における命令ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令を受信した後から、利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を受信するまでにおいて、以下の(2) 及び(3)を行うこと、(2)前記入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すると、当該受信した際の前記記憶手段に記憶されているデータの状態を特定し、当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付いている前記操作情報を特定し、当該特定した操作情報における操作メニュー情報を、前記記憶手段から読み出して前記出力手段に表示すること、(3)前記入力 手段を介して、当該出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指 定されると、当該ポインタにより指定された操作メニュー情報に関連付いている命令を、前記記憶手段から読み出して実行し、当該命令の実行により変化した前記記憶手段に記憶されているデータの状態を特定し、当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付いている前記操作情報を特定し、当該特定した操作情報における前記操作メニュー情報を、前記記憶手段から読み出して 前記出力手段に表示すること、(4)前記入力手段を介して、前記開始動作命令の受信に対応する、前記命令ボタンが利用者によって離されたことによる終了動作命令 ュー情報を、前記記憶手段から読み出して 前記出力手段に表示すること、(4)前記入力手段を介して、前記開始動作命令の受信に対応する、前記命令ボタンが利用者によって離されたことによる終了動作命令を受信すると、前記出力手段へ表示している前記メニュー情報の表示を終了すること、を実行させることを特徴とする入力支援コンピュータプログラムである。 【0039】(2) ここで、「前記記憶手段に記憶されているデータの状態を表す情報」の例として、前記記憶手段に格納されている編集対象データの内容(データ状態)、例えば、文章・表計算のデータのうち実際に出力手段に表示する「ビュー」の範囲の状態、データを印刷する際の印刷対象となる範囲の状態、文章の データの書式やフォントの設定値の状態、現在処理の対象となっている(アクティブとなっている)データがあるか否かの状態、等を表す情報が該当する。 他にも、「前記記憶手段に記憶されているデータの状態を表す情報」の例として、記憶手段の総記憶容量において実際に使用できる残記憶容量を表す情報や、記憶手段の総記憶容量分における実際に使用されている記憶容量の割合を表 す情報、等が該当する。例えば、記憶手段の総記憶容量において実際に使用できる残記憶容量が一定容量以下である場合は、特定の操作メニュー情報(例えば、データ保存命令を意味する操作メニュー)を画面上に表示しない、というような使い方ができる。 【0040】 以上の定義は、以下の発明にも適用される。 【0041】(3) 本発明は、入力手段における命令ボタンが利用者によって押されてから、離されるまでの間に、ポインタの位置を移動させる命令を受信すると、画像データである操作メニュー情報を出力手段に表示し、ポインタの 本発明は、入力手段における命令ボタンが利用者によって押されてから、離されるまでの間に、ポインタの位置を移動させる命令を受信すると、画像データである操作メニュー情報を出力手段に表示し、ポインタの指定により命令が実行される。特に、記憶手段に記憶されているデータの状態に応じた 操作メニュー情報が出力手段に表示されるため、当該データ状態に適合した操作メニュー情報が表示されることになる。 【0042】これにより、例えば、操作メニュー情報に関連付いた命令が実行されることにより、文章・表計算のデータのうち実際に出力手段に表示する「ビュー」の 状態が変化すれば、当該ビューの状態に応じた操作メニュー情報が表示されることになる。具体的には、文章・表計算のデータのうち「ビュー」の状態が最上部に移っている場合は、上方向へのビュー移動を命令する操作メニュー情報を表示せずに、下方向へのビュー移動を命令する操作メニュー情報のみを表示する、等の利用者の使い勝手を考えた柔軟な操作メニュー情報の表示が可能と なる。 【0043】また、記憶手段に記憶されているデータの状態として、記憶手段の総記憶容量において実際に使用できる残記憶容量が一定容量以下である場合は、特定の操作メニュー情報(例えば、データ保存命令を意味する操作メニュー)を画面 上に表示しない、等の操作メニュー情報の表示も可能となる。 【0044】4、【0045】(1) また、他の発明に係る入力支援システムは、情報を記憶する記憶手 段と、情報を処理する処理手段と、利用者に情報を表示する出力手段と、利用 者からの命令を受け付ける入力手段とを備えたコンピュータシステムである。 【0046】そして、当該記憶手段が、前記の1、乃至3、 処理手段と、利用者に情報を表示する出力手段と、利用 者からの命令を受け付ける入力手段とを備えたコンピュータシステムである。 【0046】そして、当該記憶手段が、前記の1、乃至3、のいずれか1記載の入力支援コンピュータプログラムを記憶し、前記処理手段が前記各処理を行うことを特徴とする入力支援システムである。 【0047】5、【0048】(1) また、他の発明に係る入力支援システムは、前記命令ボタンを備えた入力手段が、1のポインティングデバイスであること、を特徴とする。 【0049】(2) ここで、「ポインティングデバイス」とは、マウス、ペンデバイス、タブレット、ジョイスティック、タッチパネル等の各種ポインティングデバイスが該当する。 【0050】 (3) 前記入力手段が1のポインティングデバイスであることにより、上記各処理、例えば、入力手段における命令ボタンを押すことによる開始動作命令、当該押していた命令ボタンを離すことによる終了動作命令、入力手段を介して行うポインタの位置を移動させる命令、などを当該1のポインティングデバイスにより実行できる。すなわち、利用者は、入力手段としての当該1のポ インティングデバイスのみによって、上記各処理の命令を行うことができる。 これは、マウスやペンデバイス等の片手で操作できるポインティングデバイスを採用した際に、優れた操作性を実現することができる。 【発明の効果】【0051】 以上のように、本発明を利用すると、入力手段における命令ボタンが利用者 によって押されてから、離されるまでの間に、ポインタの位置を移動させる命令を受信すると、画像データである操作メニュー情報を出力手段に表示し、ポインタの 入力手段における命令ボタンが利用者 によって押されてから、離されるまでの間に、ポインタの位置を移動させる命令を受信すると、画像データである操作メニュー情報を出力手段に表示し、ポインタの指定により命令が実行される。特に、入力手段における命令ボタンが利用者によって押されてから、離されるまでの間は、画像データである操作メニュー情報をポインタで指定することによって、当該命令を何回でも実行する、 という継続的な操作が可能になる。また、入力手段における命令ボタンが利用者によって離されると、出力手段に表示されていた操作メニュー情報の表示が終了する。 【発明を実施するための最良の形態】【0052】 以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。 【0053】1、 本発明の実施の構成について【0080】そして、S2において、終了動作命令を受信する前にポインタ1の位置を移 動させる命令を入力手段30としてのマウス・キーボードから受信した場合は、処理手段20としてのCPUが、当該受信した際の記憶手段40としてのHDDに記憶されているデータの状態を特定する。さらに、処理手段20としてのCPUは、当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報41に関連付いている操作情報42を特定し、当該特定した操作情報42における操作メニュー情 報を、記憶手段40としてのHDDから読み出して出力手段10としてのディスプレイに表示する(S3)。図2におけるデータ状態情報41及び操作情報42を使用して説明すると、例えば、特定したデータ状態が「最上部のビューが表示」されている状態であれば、操作情報42における「メニューA」や「メニューB」の「操作メニュー情報」が、特定したデータ状態が「最下部のビュ ーが表示 特定したデータ状態が「最上部のビューが表示」されている状態であれば、操作情報42における「メニューA」や「メニューB」の「操作メニュー情報」が、特定したデータ状態が「最下部のビュ ーが表示」されている状態であれば、操作情報42における「メニューC」や 「メニューD」の「操作メニュー情報」が、出力手段10としてのディスプレイに表示される。 【0081】先の図5の画面の状態から、S3により操作メニュー情報が、出力手段10としてのディスプレイに表示された画面例が図6である。同図に示すのは、先 に特定されたデータ状態が「最上部のビューが表示」されている状態であり、操作情報42における「メニューA」や「メニューB」のような、様々な操作メニュー情報(101~105)が編集対象データ上に表示されている。例えば、操作メニュー情報101は右方向にビューを変化させることを表す操作メニューであり、操作メニュー情報104は下方向にビューを変化させることを 表す操作メニューであり、操作メニュー情報105は操作メニュー情報104よりも早いスピードで下方向にビューを変化させることを表す操作メニューである。さらに、操作メニュー情報102はドラッグ開始位置までビューを変化させることを表す操作メニューであり、「ドラッグ開始位置」とは、システム利用者が入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンを押し た際(開始動作命令を行った際)のポインタ1の座標位置を意味する。また、操作メニュー情報103はビューの最下部までビューを変化させることを表す操作メニューである。 【0082】図6の画面状態において、入力手段30としてのマウス・キーボードを使っ てポインタ1を各操作メニュー情報(101~105)に指定し、所 せることを表す操作メニューである。 【0082】図6の画面状態において、入力手段30としてのマウス・キーボードを使っ てポインタ1を各操作メニュー情報(101~105)に指定し、所定の時間が経過すると、操作情報42において当該指定した操作メニュー情報に関連付いている命令が、処理手段20としてのCPUにより実行されることになる。 【図6】 【0083】また、S3により、操作メニュー情報が出力手段10としてのディスプレイに表示された他の画面例が図7である。同図に示すのは、先に特定されたデータ状態が「上記以外のビュー状態」であり、様々な操作メニュー情報(102 ~105、111~116)が編集対象データ上に表示されている。例えば、操作メニュー情報111は上方向に早いスピードでビューを変化させることを表す操作メニューであり、操作メニュー情報112は上方向にビューを変化させることを表す操作メニューであり、操作メニュー情報113はビューの最上部までビューを変化させることを表す操作メニューである。操作メニュー情 報114は現在処理の対象(アクティブ)となっている文章の選択範囲の先頭までビューを変化させることを表す操作メニューであり、図7では「テスト品質」の文字の最初の位置が選択先頭の位置となる。操作メニュー情報115は現在処理の対象(アクティブ)となっている文章の選択範囲の末尾までビュー を変化させることを表す操作メニューであり、図7では「テスト品質」の文字の最後の位置が選択末尾の位置となる。操作メニュー情報116は右方向にビューを変化させることを表す操作メニューである。 【0084】図7の画面状態において、入力手段30としてのマウス・キーボードを使っ てポインタ1を各操作 作メニュー情報116は右方向にビューを変化させることを表す操作メニューである。 【0084】図7の画面状態において、入力手段30としてのマウス・キーボードを使っ てポインタ1を各操作メニュー情報(102~105、111~116)に指定し、所定の時間が経過すると、操作情報42において当該指定したメニュー情報に関連付いている命令が、処理手段20としてのCPUにより実行されることになる。 【図7】 【0085】また、S3により、操作メニュー情報が出力手段10としてのディスプレイに表示された他の画面例が図8である。同図に示すのは、先に特定されたデータ状態が「上記以外のビュー状態」であり、様々な操作メニュー情報(102、 103、113、121)が編集対象データ上に表示されている。例えば、操作メニュー情報121は、△マークが向いている方向にビューを変化させることを表す操作メニューであり、特に、円の外側にあるマークは、円の内側にあるマークよりも、単位時間当たりに早くビューを変化させることを意味している。 【0086】図8の画面状態において、入力手段30としてのマウス・キーボードを使ってポインタ1を各操作メニュー情報(102、103、113、121)に指定し、所定の時間が経過すると、操作情報42において当該指定したメニュー情報に関連付いている命令が、処理手段20としてのCPUにより実行される ことになる。 【図8】 【0087】(4) 次に、処理手段20としてのCPUが、利用者によって先に押され ていた入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を、入力手段30としてのマウス・キーボードから 受信 Uが、利用者によって先に押され ていた入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を、入力手段30としてのマウス・キーボードから 受信したか否かを判断する(S4)。 【0088】例えば、図5のような画面状態において、システム利用者が、先に押した入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンを押し続けたままで、入力手段30としてのマウス・キーボードを使って出力手段10としての ディスプレイの画面上に表示されているポインタ1の移動命令を行い、図6のような状態になったが、その後当該命令ボタンを離した状態が該当する。この場合は、当該命令ボタンを離すことにより、入力手段30としてのマウス・キーボードが処理手段20としてのCPUに、終了動作命令を送信することになる。 【0089】(5) そして、S4において終了動作命令を受信した場合は、処理手段20としてのCPUは、先に出力手段10としてのディスプレイに表示した操作メニュー情報の表示を終了させ、本発明に係る処理も終了する(S5)。すなわち、図6のような状態で、システム利用者が、先に押した入力手段30として のマウス・キーボードにおける命令ボタンを離すと、図5の画面状態に戻るのである。これにより、出力手段10としてのディスプレイに表示した操作メニュー情報の表示が速やかに解消されるため、利用者の「不要になった操作メニュー情報の表示を画面上から消したい」という意思がすぐに反映されることになる。 【0090】(6) 次に、処理手段20としてのCPUは、出力手段10としてのディスプレイに表示した操作メニュー情報が、入力手段30としてのマウス・キーボードを介してポインタ1により指定 【0090】(6) 次に、処理手段20としてのCPUは、出力手段10としてのディスプレイに表示した操作メニュー情報が、入力手段30としてのマウス・キーボードを介してポインタ1により指定されると、記憶手段40としてHDDから実行猶予時間の指標情報44を読み出して出力手段10としてのディスプ レイに表示する。そして、処理手段20としてのCPUは、当該表示した操作 メニュー情報がポインタ1により指定された状態で、記憶手段40としてHDDに記憶されている実行猶予時間情報43が表す実行猶予時間が経過したか否かを判断する(S6)。 【0091】例えば、図7のような画面状態で、システム利用者が、入力手段30として のマウス・キーボードによるポインタ1の移動命令により、表示されている特定の操作メニュー情報(図7では操作メニュー情報104)にポインタ1を指定する。これにより、処理手段20としてのCPUは、記憶手段40としてHDDに記憶されている実行猶予時間の指標情報44を読み出して出力手段10としてのディスプレイに表示する。 【0092】処理手段20としてのCPUが、この実行猶予時間の指標情報44のうち、「表示する画像」を出力手段10としてのディスプレイに表示した例が、図9の(a)、(b)、(c)である。図3の実行猶予時間の指標情報44における「実行猶予時間の残存時間」が「5秒」の際に「表示する画像」が「画像A」であ り、図9の(a)が該当する。図3の実行猶予時間の指標情報44における「実行猶予時間の残存時間」が「3秒」の際に「表示する画像」が「画像B」であり、図9の(b)が該当する。図3の実行猶予時間の指標情報44における「実行猶予時間の残存時間」が「1秒」の際に「表示する画像」が「画像 間の残存時間」が「3秒」の際に「表示する画像」が「画像B」であり、図9の(b)が該当する。図3の実行猶予時間の指標情報44における「実行猶予時間の残存時間」が「1秒」の際に「表示する画像」が「画像C」であり、図9の(c)が該当する。このように、実行猶予時間の指標情報44のう ち、「表示する画像」を出力手段10としてのディスプレイに表示した画像311が、「実行猶予時間の残存時間」と共に徐々に変化することによって、実際に命令が実行されるまでの残存時間をシステム利用者が容易に理解することができる。 【0093】 処理手段20としてのCPUが、この図9の(a)、(b)、(c)のように実 行猶予時間の指標情報44を出力手段10としてのディスプレイに表示させる際には、記憶手段40としてHDDに記憶されている実行猶予時間情報43を読み出して利用する。すなわち、処理手段20としてのCPUは、記憶手段40としてHDDに記憶されている実行猶予時間情報43が表す猶予時間を、システム内部が有する時間情報(システム日付情報)の経過と共に減らしてい く。これにより、処理手段20としてのCPUは、実行猶予時間の指標情報44の「実行猶予時間の残存時間」が表す所定の残存時間になると、該当する実行猶予時間の指標情報44の「表示する画像」を出力手段10としてのディスプレイに表示させるのである。 【0094】 そして、当該表示した操作メニュー情報がポインタ1により指定された状態が継続すると、図9の(a)、(b)、(c)のように出力手段10としてのディスプレイの画面表示が変化していく。処理手段20としてのCPUは、当該表示した操作メニュー情報がポインタ1により指定された状態で、記憶手段40としてHDDに記憶されている実行猶予 段10としてのディスプレイの画面表示が変化していく。処理手段20としてのCPUは、当該表示した操作メニュー情報がポインタ1により指定された状態で、記憶手段40としてHDDに記憶されている実行猶予時間情報43が表す実行猶予時間が 経過したか否かを判断する(S6)。S6において、当該実行猶予時間が経過する前に、当該表示した操作メニュー情報がポインタ1により指定されなくなった場合、すなわち、図7では、ポインタ1が操作メニュー情報104の表示範囲を外れた場合、処理手段20としてのCPUは、S8における「操作メニュー情報の表示を更新する」処理として、出力手段10としてのディスプレイに 表示させている実行猶予時間の指標情報44の表示を終了し、先のS4の終了動作命令の受信判断に戻る。 【0095】(7) S6において、処理手段20としてのCPUが、先に表示した操作メニュー情報がポインタ1により指定された状態で、記憶手段40としてHD Dに記憶されている実行猶予時間情報43が表す実行猶予時間が経過したと 判断すると、当該ポインタ1により指定された操作メニュー情報に関連付いている命令を、記憶手段40としてHDDから読み出して実行する(S7)。 【0096】例えば、図7のような画面状態で実行猶予時間情報43が表す実行猶予時間が経過する と、処理手段20としてのCPUは、ポインタ1により指定されている操作メニュー情報104に関連付いている命令を記憶手段40としてHDDに記憶されている操作情報42より特定し、読み出して実行する。操作メニュー情報104を例にすると、「ビューを下方向に移動させる」という命令が実行されることになる。また、ポインタ1により操作メニュー情報104が指定されて いる限り、一 み出して実行する。操作メニュー情報104を例にすると、「ビューを下方向に移動させる」という命令が実行されることになる。また、ポインタ1により操作メニュー情報104が指定されて いる限り、一定の時間間隔で継続的に当該操作メニュー情報104に関連付いている命令を実行し続けることになり、徐々にビューが下方向に動いていき、画面がスクロールしていくことになる。 【0097】(8) 続いて、処理手段20としてのCPUは、S7での命令の実行によ り変化した記憶手段40としてのHDDに記憶されているデータの状態(例えば、画面のビューの状態)を特定し、当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報41に関連付いている操作情報42を特定し、当該特定した操作情報42における操作メニュー情報を、記憶手段40としてのHDDから読み出して出力手段10としてのディスプレイに表示する(S8)。 【0098】例えば、図7のような画面状態において、ポインタ1により操作メニュー情報112が指定された状態で実行猶予時間が経過し、HDDに記憶されている操作情報42において当該操作メニュー情報112に関連付いている「ビューを上方向に移動させる」という命令が実行されると、図7のビューが変化する ことによるHDDに記憶されているデータの状態の変化が生じる。その結果、 当該ビューの変化後の状態に応じたデータ状態情報41が特定され、当該特定した操作情報42における操作メニュー情報を、記憶手段40としてのHDDから読み出して出力手段10としてのディスプレイに表示されることにより、図6のような画面状態に遷移する。 【0099】 図7の画面状態では、記憶手段40としてのHDDに記憶されている操作情報42において、「上記以外のビ ディスプレイに表示されることにより、図6のような画面状態に遷移する。 【0099】 図7の画面状態では、記憶手段40としてのHDDに記憶されている操作情報42において、「上記以外のビュー状態」に関連付いている操作メニュー情報が表示されている。これに対し、図7の画面状態からビューが上方向に移動したことにより、記憶手段40としてのHDDに記憶されている操作情報42において、「最上部のビューが表示」に関連付いている操作メニュー情報が図 6では表示されている。図7では、最上部のビューが表示されていないため、ビューを上方向に移動させるための操作メニュー情報(111~113)が画面上に表示されているのに対し、図6では、既に最上部のビューが表示されているため、ビューを上方向に移動させるための操作メニュー情報(111~113)を表示する必要はない。よって、図6では、ビューを上方向に移動させ るための操作メニュー情報(111~113)は、画面上に表示されていない。 【0100】S8の処理が終わると、先のS4の終了動作命令の受信判断に戻る。そして、処理手段20としてのCPUが、利用者によって先に押されていた入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが離されたことによる終了 動作命令を、入力手段30としてのマウス・キーボードから受信するまで、本処理は続行することになる。 【0101】(9) 以上のように、本発明を利用すると、入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが利用者によって押されてから、離されるまで の間に、ポインタ1の位置を移動させる命令を受信すると、処理手段20とし てのCPUは、画像データである操作メニュー情報を出力手段10としてのディスプレイに表 てから、離されるまで の間に、ポインタ1の位置を移動させる命令を受信すると、処理手段20とし てのCPUは、画像データである操作メニュー情報を出力手段10としてのディスプレイに表示し、ポインタ1の指定により命令が実行される。特に、入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが利用者によって押されてから、離されるまでの間は、画像データである操作メニュー情報をポインタ1によって指定し続けることにより、特定の命令を何回でも実行する、と いう継続的な操作が可能になる。また、入力手段30としてのマウス・キーボードにおける命令ボタンが利用者によって離されると、出力手段10としてのディスプレイに表示されていた操作メニュー情報の表示が終了する。 【図面の簡単な説明】【0102】 【図1】入力支援コンピュータシステムの全体構成図【図2】記憶手段40に記憶されているデータ状態情報41と操作情報42のデータ構造図【図3】記憶手段40に記憶されている実行猶予時間の指標情報44のデータ構造図 【図4】処理手段20が行う入力支援処理のフロー図【図5】編集対象データの内容を画面に表示した表示例の図【図6】編集対象データの内容と操作メニュー情報を画面に表示した表示例の図1【図7】編集対象データの内容と操作メニュー情報を画面に表示した表示例の 図2【図8】編集対象データの内容と操作メニュー情報を画面に表示した表示例の図3【図9】編集対象データの内容と実行猶予時間の指標情報44を画面に表示した表示例の図 ⑵ 本件発明の意義 本件明細書によれば、本件発明は、システム利用者の入力を支援するための、コンピュータシステムにおける簡易かつ便利な入力の手段を提供するものであ 表示例の図 ⑵ 本件発明の意義 本件明細書によれば、本件発明は、システム利用者の入力を支援するための、コンピュータシステムにおける簡易かつ便利な入力の手段を提供するものであり、特に、利用者が必要になった場合にすぐに操作コマンドのメニューを画面上に表示させ、必要である間についてはコマンドのメニューを表示させ続けられる手段に関するものであるといえる(【0006】)。 2 争点1-1(本件ホームアプリが「操作メニュー情報」を有するか(構成要件B、E、F、G))について⑴ア構成要件Bの「ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データである操作メニュー情報と、当該操作メニュー情報にポインタが指定された場合に実行 される命令」との記載からすると、操作メニュー情報とは、それを利用者がポインタを指定して選択すると特定の命令が実行されるものであり、また、それは画像として表示されるものであり、そこで表示されている画像は、上記で実行される特定の命令の結果を利用者が理解できるものといえる。 また、本件明細書には、操作メニュー情報について、「当該ビットマップ形 式やベクター形式の画像データにポインタを合わせることで、どのような命令が実行されるのかをシステム利用者が理解できるように構成されている画像データであることを意味する。例えば、どのような命令が実行されるのか、を表す文字を含んだ画像データであったり、「アイコン」のように実行される命令の内容や対象を小さな絵や記号で表現した画像データが考えられ る。」(【0012】)との記載がある。これによれば、操作メニュー情報は、それを選択した場合に実行される特定の命令の結果を利用者が理解できる画像データ 絵や記号で表現した画像データが考えられ る。」(【0012】)との記載がある。これによれば、操作メニュー情報は、それを選択した場合に実行される特定の命令の結果を利用者が理解できる画像データであり、利用者は、その表示された画像における文字、絵、記号等により、実行される命令の結果を理解できるものである。 本件明細書の実施例には、操作メニュー情報の例が記載されている(【0 083】、図7の102~105、111~116)。そこでは、操作メニュ ー情報111(上向き△記号が2個上下に連なる画像)は上方向に早いスピードでビューを変化させることを表す操作メニューであり、操作メニュー情報112(上向き△記号の画像)は上方向にビューを変化させることを表す操作メニューであり、操作メニュー情報113(横線に下側から接触する上向き▲の記号及び「先頭」の表記からなる画像)はビューの最上部までビュ ーを変化させることを表す操作メニューであり、操作メニュー情報114(四角の枠で囲まれた左向き▲の記号及び「選択先頭」という表記からなる画像)は現在処理の対象(アクティブ)となっている文章の選択範囲の先頭までビューを変化させることを表す操作メニューであり、操作メニュー情報115(四角の枠で囲まれた右向き▲の記号及び「選択末尾」という表記か らなる画像)は現在処理の対象(アクティブ)となっている文章の選択範囲の末尾までビューを変化させることを表す操作メニューであることなどが記載されている。 これらの記号のうち、三角の記号(△または▲)の記号は、一般にその向きの方向に移動すること、また、それらを頂点方向に二つ併記したものは、 その記号が一つの場合よりもその向きに早く移動することを示す操作記号として広く用いられているものであり 号は、一般にその向きの方向に移動すること、また、それらを頂点方向に二つ併記したものは、 その記号が一つの場合よりもその向きに早く移動することを示す操作記号として広く用いられているものであり、その記号により、実行される命令の内容、結果を利用者が理解できるものである。また、これらの記号のみでは実行される命令結果を理解し難い場合には、操作メニューにおいて、「先頭」、「選択先頭」といった文字を付加することによってその内容を明確化してい る。これらによれば、本件明細書の実施例において、操作メニュー情報として示されたこれらの画像は、いずれも、文字、記号等からなる画像そのものから、当該画像を選択した場合に実行される命令内容を利用者が理解できるようになっているものであり、「操作メニュー情報」自体から、それを選択した場合に「実行される命令結果を利用者が理解できる」ものであるといえる。 イ上記のとおりの特許請求の範囲及び本件明細書の記載によれば、本件発明 の操作メニュー情報とは、「ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できる」ようにモニタ等の出力手段に表示するための画像データであり、かつ、同画像データに基づいて表示される記号、文字を含む画像(以下「本件操作メニュー」という。)自体から、それを選択した場合に「実行される命令結果を利用者が理解できる」ものであるといえる。 ウ原告は、本件操作メニューについて、本件操作メニューの画像単体で完全に命令結果を理解できるものである必要まではないと主張して、その根拠として、実施例におけるビューを一方向に変化させる命令(スクロールについての命令)を指摘する。確かに、画面のビューを変化させる命令自体は、当該命令の実行によりビューが変化するピクセル数やスクロール として、実施例におけるビューを一方向に変化させる命令(スクロールについての命令)を指摘する。確かに、画面のビューを変化させる命令自体は、当該命令の実行によりビューが変化するピクセル数やスクロール速度等の具 体的なパラメータが指定されていることが前提になっているとはいえる。しかし、本件明細書に記載されたビューの変化に関する操作メニューの画像は、その画像自体及びその画面上における配置から、当該画像が、画面のビューを変化させるものであって、かつ、その方向及び変化のスピードを理解することができるものであるから、その画像自体からビューが変化するピクセル 数等の具体的なパラメータ自体を理解できないものであったとしても、利用者にとって、必要といえる当該命令の意味内容は理解できるものであるといえる。したがって、原告の指摘は、上記イの認定判断を左右するものではない。 ⑵ 以上を前提に、本件ホームアプリで本件操作メニューが表示されているとい えるか否かについて検討する。 原告は、本件ホームアプリで縮小モードになった際に表示される一部表示画像(前提事実⑹ウ)が本件操作メニューに当たると主張する。 縮小モードになった際に、ショートカットアイコンをドラッグしている指等のタッチパネル上の位置について、それを一部表示画像の範囲に入れると、画 面は右又は左にスクロールすることになる。そうすると、一部表示画像は、画 像であって、右又は左のページにスクロールする命令と関連付けられているといえる。しかし、一部表示画像は、表示されているページの左又は右の表示の一部、それも、左右のページの両端の極めて狭い範囲を表示するものである。 左右のページの隣接する位置にショートカットアイコンが存在しない場合には、単に相当に細長い四角の画像が表 ージの左又は右の表示の一部、それも、左右のページの両端の極めて狭い範囲を表示するものである。 左右のページの隣接する位置にショートカットアイコンが存在しない場合には、単に相当に細長い四角の画像が表示されるだけであり、隣のページにショ ートカットアイコンが存在している場合でも、そこにショートカットアイコンの端の一部のみが細く表示されるだけで(前提事実ウ)、その細さから、それがショートカットアイコンの一部であることすら事前にその知識がなければ認識できない場合もあるようなものであり、必ずしも、本件ホームアプリの利用者が一部表示画像のみから、これが左右のページの一部を表示していること を理解できるとはいえないものである。また、一部表示画像は、単に隣接するページの画像が一部表示されているにすぎない。仮に、利用者が、一部表示画像が隣接するページの端に対応する画像であると認識できたとしても、当該画像の領域までショートカットアイコンをドラッグすることによって対応するページにスクロールするという命令が表示されていると理解できるように構 成されているとはいえない。 仮に、本件ホームアプリを利用する利用者の中に、縮小モードで表示される一部表示画像にショートカットアイコンを一部表示画像が表示されている領域に入れることによって隣接するページにスクロールさせる者がいたとしても、一部表示画像の内容が上記のようなものであることによれば、それは、そ こに表示された画像自体に命令の結果が理解できるように記載されていたことによるのではなく、本件ホームアプリでは上記のような操作をすることによって隣のページにスクロールさせることができることを習得したか、本件ホームアプリ以外のソフトウェアを操作したときの経験等から、ショートカットアイコンの位置の変 プリでは上記のような操作をすることによって隣のページにスクロールさせることができることを習得したか、本件ホームアプリ以外のソフトウェアを操作したときの経験等から、ショートカットアイコンの位置の変更に際し、ショートカットアイコンを表示されているページ の端に移動させると隣のページにスクロールすることを知っていた結果であ るといえる。 ⑶ 原告は、一部表示画像は、左右ページの端の部分以外の画像を省略して表示した画像であり、サムネイル画像の例を挙げた上で、一般的に、利用者は、対象が小さな絵として表示された場合には、当該部分を選択することによって省略された部分も表示されるものと理解するから、一部表示画像にカーソル等を 合わせれば、一部表示画像で省略されていた部分(左右のページの表示されていなかった部分)も含めて表示されることを理解するなどと主張する。 しかし、一部表示画像が必ずしも左右のページの一部を表示したものであると理解できるとはいえないものであることは前記⑵で説示したとおりである。 また、一部表示画像は、飽くまで左右のページの画像の一部であり、当該部分 についてはサムネイルのように何かが全体として簡略化して表示されているわけではない。縮小モードでは、一部表示画像は中央ページ画面と同様の縮小倍率でスクリーンの対応する両端に連続して表示されるものであり、仮に利用者がこれを左右のページの端の部分の画像であると認識できたとしても、利用者は縮小モードによって表示される画面が全体的に小さくなったことによっ て、単に左右のページの端が表示されたものと理解することもあり得る。利用者は、一部表示画像が左右のページを示すためにその残りの部分を省略して表示しているものであると理解するとは限らないし、また、その表示が当該ペー ページの端が表示されたものと理解することもあり得る。利用者は、一部表示画像が左右のページを示すためにその残りの部分を省略して表示しているものであると理解するとは限らないし、また、その表示が当該ページに移動するための表示であると理解するとは限らない。 ⑷ 以上によれば、一部表示画像は、左右のページへのスクロールという命令の 内容をその画像から読み取れるものとはいえないから、本件発明における本件操作メニューには当たらない。そうすると、これに係るデータは本件発明における操作メニュー情報には当たらない。他に、被告製品が操作メニュー情報を有していることを認めるに足りる証拠はない。よって被告製品は、構成要件B、E、F、Gを充足しない。 第4 結論 以上のとおりであって、被告製品は、本件発明の技術的範囲に属するとはいえないから、その余の争点について判断するまでもなく原告の請求には理由がない。 よって、原告の請求を棄却することとし、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官柴田義明 裁判官佐伯良子 裁判官仲田憲史 別紙技術的範囲に関する当事者の主張 1 本件ホームアプリが「操作メニュー情報」を有するか(構成要件B、E、F、G)(争点1-1)について (原告の主張)本件明細書の「命令結果を利用者が理解できるように」(【0009】)や、「どのような命令が実行されるのかをシステム利用者が理解できるように」(【0012】)との記載によれば、「操作メニュー情報」は、「命令結果を利用者が理解できることを目標・目的として構成されている画像データ」と解され 実行されるのかをシステム利用者が理解できるように」(【0012】)との記載によれば、「操作メニュー情報」は、「命令結果を利用者が理解できることを目標・目的として構成されている画像データ」と解され る。つまり、「操作メニュー情報」の画像は、「命令結果を利用者が理解できること」を、目標あるいは目的とすれば十分であり、完全に命令結果を理解できることは求められていない。 また、本件明細書によれば、操作メニュー情報は、文字や文章で厳密に説明するほどの表現が求められているわけではない(【0081】、図6等)。 当業者の常識として、コンピュータプログラムにおいて、スクロール命令を完全に理解するためには、スクロールする方向と、スクロールする幅のピクセル数の、二つの情報が必要になるところ、本件明細書の記載(【0081】及び、【図6】の符号101)によれば、そこまでの情報は求められておらず、命令を実行するために必要となる二つの情報の内の一つである「スクロールす る方向」だけが示唆されていれば十分であると理解される。したがって、本件発明の、「実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データ」とは、命令を実行するために必要となる情報のうち、一つでも示唆されていれば、操作メニュー情報の画像の内容として十分である。 被告製品の一部表示画像は、スクロール命令によって画像が変化する画面の 範囲のうち、左端あるいは右端に接する表示位置・範囲が設定されていること から、左あるいは右方向スクロールを示唆している。これは、操作メニュー情報として、右方向スクロールを示唆している本件明細書の実施例の【図6】符号101の画像と一致している。 さらに、被告製品の一部表示画像は、画面中央のページとは一定の間隔 いる。これは、操作メニュー情報として、右方向スクロールを示唆している本件明細書の実施例の【図6】符号101の画像と一致している。 さらに、被告製品の一部表示画像は、画面中央のページとは一定の間隔を空けて配置されており、異なるアイコンの配置であることも目視できるから、画 面中央のページとは内容が異なる別のページであることも容易に理解できる。 その一方、画面中央のページ画像とは異なり、一部表示画像は、アイコンを任意の位置にドロップ操作するには小さすぎる画像であり、指等を離すドロップ操作によるアイコンの配置には使用できないことも容易に理解できる。 一部表示画像は、ドロップ操作をするには小さすぎる画像ではあるが、画面 中央のページと同種のページを小さな絵で表現しているとともに、スクリム画像によって強調表示されており、さらに、左右画面外から、アニメーション処理によって、数回の画面書き換えを経て次第に表示される画像であることから、この範囲にポインタの位置が入ることによって、何らかの作用があることを認識できる画像である。 ドロップ操作によるアイコンの配置には使用できないと理解できる左端あるいは右端の領域に、画面中央のページと同種のページが、一部見えていれば、左あるいは右のページ画像を画面中央に表示する命令、すなわち左あるいは右方向のスクロール命令が実行されることは、画面中央のページ画像と、一部表示画像の関係から容易に理解できる。 そもそも、本件発明の技術分野の当業者にとって、情報処理の対象を小さな絵で表現することは一般的であって、利用者は、小さな絵として表現する際に省略された部分を含めたものが命令の結果となることを理解して操作することを前提としている。例えば、写真ファイルを表示する際に、写真ファイルの画素数を抑えて省 て、利用者は、小さな絵として表現する際に省略された部分を含めたものが命令の結果となることを理解して操作することを前提としている。例えば、写真ファイルを表示する際に、写真ファイルの画素数を抑えて省略した「サムネイル画像」とよばれる画像に対して、クリッ ク操作を行うことは、一般的な操作の一つである。このとき、利用者がサムネ イル画像を見れば、利用者は、クリック操作によって、サムネイル画像の元となった写真ファイルの画像、すなわち、画素数を抑えて省略される前の画像が表示されると理解して操作する。当業者も、前記利用者の理解を前提としてソフトウエアを作成している。 つまり、本件発明の技術分野の当業者及び利用者は、情報処理の対象を小さ な絵で表現した画像に対する操作によって、小さな絵として表現する際に省略された部分も含めて表示されると理解している。 そして、本件ホームアプリにおいて、左側の頁に係る一部表示画像は、左ページの画像の右端以外の画像を省略して、小さな絵として表現した画像である。 同様に、右側の頁に係る一部表示画像も、右ページの画像の左端以外の画像を 省略して、小さな絵として表現した画像である。利用者は、省略された部分も含めて全体を表示する情報処理が実行されると理解する画像である。つまり、画面中央のページ画像の左側の領域は、左ページの右端の画像が、小さい絵として表現されているから、左方向のスクロール命令が実行され、左ページの画像全体が表示されると理解できるように構成されており、画面中央のページ画 像の右側の領域は、右ページの左端の画像が、小さい絵として表現されているから、右方向のスクロール命令が実行され、右ページの画像全体が表示されると理解できるように構成されている。 以上のとおり、一部表示画像は、それぞ 右ページの左端の画像が、小さい絵として表現されているから、右方向のスクロール命令が実行され、右ページの画像全体が表示されると理解できるように構成されている。 以上のとおり、一部表示画像は、それぞれ、左あるいは右方向のスクロール命令が実行されること理解できるように構成された画像である。 (被告の主張)特許請求の範囲の記載によれば、本件発明における「操作メニュー情報」とは、「ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データ」(構成要件B)である。 本件明細書の発明の詳細な説明において、「「ポインタの座標位置によって実 行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示する画像 データ」とは、当該ビットマップ形式やベクター形式の画像データにポインタを合わせることで、どのような命令が実行されるのかをシステム利用者が理解できるように構成されている画像データであることを意味する。」(【0012】)とも記載されており、これらを素直に解釈する限り、①「操作メニュー情報」は、それ自体、利用者が実行される命令結果を理解するために表示され た独立の画像データである必要がある。 また、上記素直な解釈及び以下に説明する本件特許公報中の発明の詳細な説明及び図面からすれば、②当該画像データ自体から利用者が実行される命令結果を理解できるような内容である必要もある(【0081】~【0082】、【図6】)。 被告製品について、原告は、縮小モード状態で中央ページ画面の左右に「隣のページ画面の一部」が表示されることをもって、「隣のページ画面の一部」が「操作メニュー情報」に当たると主張する。縮小モードの状態になった際、中央ページ画面の左右には、「隣のペー ジ画面の左右に「隣のページ画面の一部」が表示されることをもって、「隣のページ画面の一部」が「操作メニュー情報」に当たると主張する。縮小モードの状態になった際、中央ページ画面の左右には、「隣のページ画面の一部」が表示されるが、それとともに、中央ページ画面も縮小して表示されている。縮小モードは、中央ページ 画面を中心に、その左右のページ画面を縮小表示させて見せているため、中央ページ画面と左右のページ画面とは、周囲よりも少し白い四角の画像という同様の体裁をしている。そして、利用者は、中央ページ画面が縮小表示されても、何かしらの命令やその結果を感じ取ることはできないと考えられるところ、中央ページ画面と同様に周囲よりも少し白い四角の画像でしかない左右のペー ジ画面についても、その表示自体から何かしらの命令やその結果を感じ取ることはできないと解すべきである。 したがって、被告製品における「隣のページ画面の一部」は、「どのような命令が実行されるのかをシステム利用者が理解できるように構成されている画像データ」(【0012】)ではないことは明らかであって、本件ホームアプリに は、「ポインタの座標位置によって実行される命令結果を利用者が理解できる ように前記出力手段に表示する画像データ」は存在しない。 2 本件ホームアプリが「入力支援コンピュータプログラム」に当たるか(構成要件A2、C2)(争点1-2)について(原告の主張)本件ホームアプリは、利用者が前記入力装置を使用して座標データを入力して、 ショートカットアイコンの配置を並び替える際に実行され、その際「ページ一部表示の画像」を表示するコンピュータプログラムであるから、入力支援コンピュータプログラムに当たる。 (被告の主張)否認ないし争う。 配置を並び替える際に実行され、その際「ページ一部表示の画像」を表示するコンピュータプログラムであるから、入力支援コンピュータプログラムに当たる。 (被告の主張)否認ないし争う。 3 本件ホームアプリが「ポインタ」及び「ポインタの座標位置」を有するか(構成要件B、E、F)(争点1-3)について(原告の主張)本件ホームアプリは、AndroidOS におけるMotionEvent クラスのgetX 及びgetY のコンピュータプログラムを利用しているから、ポインタ座標(ポインタの座標 位置)を取得している。さらに、本件ホームアプリは、取得したポインタ座標を使って、ドラッグ操作中のアイコン画像を表示しているから本件ホームアプリは「ポインタ」及び「ポインタの座標位置」を有する。 (被告の主張)否認ないし争う。 4 本件ホームアプリが「操作情報」と「データ状態情報」とを関連づけて記憶しているか(構成要件E)(争点1-4)について(原告の主張)本件ホームアプリでは、入力装置を介して「ACTION_MOVE のデータ」を受信すると、当該受信した際の記憶装置に記憶されている、画面中央に表示するペ ージ画像の「ページ番号」を特定し、当該特定した「ページ番号」に関連付いて いる「ホームアプリの操作情報」を特定し、当該特定した「ホームアプリの操作情報」における「ページ一部表示」を、前記記憶装置から読み出して前記出力装置に表示する。これらによれば、本件ホームアプリは「操作情報」と「データ状態情報」とを関連付けて記憶しているといえる。 (被告の主張) 否認ないし争う。 5 本件ホームアプリが「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すると・・・操作メニュー情報を・・・記憶手 関連付けて記憶しているといえる。 (被告の主張) 否認ないし争う。 5 本件ホームアプリが「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すると・・・操作メニュー情報を・・・記憶手段から読み出して・・・表示する」か(構成要件E)(争点1-5)について(原告の主張) 本件ホームアプリでは、前記4で主張したとおり、入力装置を介して「ACTION_MOVE のデータ」を受信すると、当該受信した際の記憶装置に記憶されている、画面中央に表示するページ画像の「ページ番号」を特定し、当該特定した「ページ番号」に関連付いている「ホームアプリの操作情報」を特定し、当該特定した「ホームアプリの操作情報」における「ページ一部表示」を、前記 記憶装置から読み出して前記出力装置に表示する。これらによれば、本件ホームアプリは「入力手段を介してポインタの位置を移動させる命令を受信すると・・・操作メニュー情報を・・・記憶手段から読み出して・・・表示する」を充足する。 (被告の主張)否認ないし争う。 6 本件ホームアプリが「出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されなくなるまで当該実行を継続」するか(構成要件F)(争点1-6)について(原告の主張)本件ホームアプリアは、入力装置を介して、当該出力装置に表示した「ページ一部表示の画像」がポインタにより指定されると、当該ポインタにより指定され た「ページ一部表示の画像」に関連付いている、「スクロール命令」を、前記記憶 装置から読み出して実行し、当該出力装置に表示した「ページ一部表示の画像」がポインタにより指定されなくなるまで当該実行を継続するから、「出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されなくなるまで当該実行を継続」する 出力装置に表示した「ページ一部表示の画像」がポインタにより指定されなくなるまで当該実行を継続するから、「出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されなくなるまで当該実行を継続」するといえる。 (被告の主張) 否認ないし争う。 7 被告処理装置が「本件発明の処理手段」に該当するか(構成要件C1)(争点1-7)について(原告の主張)被告製品の処理装置(SHV44については、Snapdragon 855、SHV45 については、Snapdragon 630、SHV46については、Snapdragon 636)は本件発明の処理手段に相当するから構成要件C1を充足する。 (被告の主張)否認ないし争う。 以上 別紙無効理由に関する当事者の主張 1 乙8公報に記載された発明との同一を理由とする新規性欠如の無効理由があるか)(争点2-1)について (被告の主張)乙8公報には、第1の実施の形態と第2の実施の形態が記載されているところ、第1の実施の形態と第2の実施の形態は、スクロールバーの表示形態が、図5に示すポップアップスクロールバーか、図6に示すページスクロールバー(第1のスクロールバー)21及びスムーズスクロールバー(第2のスクロー ルバー)31かが違うが、そのほかは「第2の実施の形態」は、「第1の実施の形態」に記載された構成(乙8公報の【0014】~【0030】)を含むものであり、乙8公報には、そのような第1の実施の形態の構成を含む第2の実施の形態についての発明(以下「乙8発明」という。)が記載されている。 乙8発明は、以下のとおり、本件発明1及び本件発明3と同一である。 ア構成要件A1乙8発明は、「スクロール制御部20」、「表示装置 発明(以下「乙8発明」という。)が記載されている。 乙8発明は、以下のとおり、本件発明1及び本件発明3と同一である。 ア構成要件A1乙8発明は、「スクロール制御部20」、「表示装置1」、「マウス2」、「画像メモリ11」、「リフレッシュメモリ12」を備えた「画面スクロール制御装置」というコンピュータシステム(乙8公報の【図3】)である。 乙8発明においては、「スクロール制御部20」で情報を処理し、「表示装置 1」で利用者に情報を表示し、「マウス2」で利用者からの命令を受け付けるから、これらはそれぞれ、本件発明の構成要件A1における「情報を処理する処理手段」、「利用者に情報を表示する出力手段」、「利用者からの命令を受け付ける入力手段」に相当する。 また、乙8発明においては、「画像メモリ11」であらかじめ作成した図面 の表示情報を記憶し、「リフレッシュメモリ12」は表示装置1の表示画面 1aに対応した記憶領域を有しているのであるから、これらは本件発明の構成要件A1における「情報を記憶する記憶手段」に相当する。さらに、乙8発明は「画面スクロール制御装置」というコンピュータシステムであり、画像メモリ11から対応する表示情報を読み出してリフレッシュメモリ12の所定のアドレスに書き込む読出し制御部14において画面に表示する画 像等の情報の処理を行うことから制御用のコンピュータプログラムを有するものであり、コンピュータプログラムで実現されることは当然であることから、乙8発明における「画面スクロール制御装置」というコンピュータシステムにおいても「コンピュータプログラム」を有する。 したがって、乙8発明は、構成要件A1の構成を有する。 イ構成要件A2乙8発明は、「スクロール制御装置を図面作成装置 ンピュータシステムにおいても「コンピュータプログラム」を有する。 したがって、乙8発明は、構成要件A1の構成を有する。 イ構成要件A2乙8発明は、「スクロール制御装置を図面作成装置に適用した」発明である(乙8公報の【0049】)。 ここで、乙8発明の図面作成装置で作成する「図面」は、まさに編集対象データであり、本件発明においては「入力」の対象となる「データ」にあた る。また、その「図面」を入力するときには入力手段である「マウス2」を使用するから、乙8発明は、「入力手段を使用してデータ入力を行う際に実行」されるものである。 さらに、乙8発明は、「スクロール操作を容易に行うことができるスクロール制御装置」(乙8公報の【0008】)に適用した「図面作成装置」(乙8 公報の【0014】)であり、「図面或いは文章等といった表示対象を、表示装置等に表示する場合に画面表示制御を行う画面スクロール制御装置の改良に関する」(乙8公報の【0001】)ものであるから、スクロール操作を容易にする目的は図面あるいは文章といったデータの入力に当たりそれらの表示に関する使い勝手を良くすることにあり、ポインティングデバイスと してマウス2を用いてスクロール操作を容易に行うことで図面あるいは文章といったデータの入力を支援している。 そして、乙8発明は、上記アのとおりコンピュータプログラムで実現されることから、「入力支援コンピュータプログラム」を有する。 したがって、乙8発明は、「利用者が前記入力手段を使用してデータ入力 を行う際に実行される入力支援コンピュータプログラム」であって、構成要件A2の構成を有する。 ウ構成要件B乙8発明は、上下及び左右方向のスクロール設定用のスクロールバーを有している(乙8公報 を行う際に実行される入力支援コンピュータプログラム」であって、構成要件A2の構成を有する。 ウ構成要件B乙8発明は、上下及び左右方向のスクロール設定用のスクロールバーを有している(乙8公報の【図6】、【図7】、【0031】)。このスクロールバー は、乙8発明の特許出願前の従来の図面作成装置の段階から、「作成した図面等の表示対象の表示可能な範囲のみを表示装置の表示画面上に表示すると共に、例えば表示画面の右端及び下端に、上下及び左右個別に表示画面をスクロールさせるスクロールバーを表示し、このスクロールバー内に、表示位置を指示する操作バー」が設けられ、「操作バーをマウス等で指示し、カー ソルを移動させることによって、スクロール量を設定するようになって」いる(乙8公報の【0002】)。また、例えば、ページスクロールバー21内のページスクロール指示領域22の△は上を向いていて、ページスクロール指示領域23の▽は下を向いていて(乙8公報の【図1】)、このような表示により、利用者は、ページスクロールバーを操作することで表示画面を上又 は下方向にスクロールさせるという命令結果を理解できる。したがって、乙8発明のスクロールバーは、カーソルの座標位置によって実行される上下方向等へのスクロール命令の結果を利用者が理解できるように、画像データとして出力手段に表示されるものである。すなわち、乙8発明のスクロールバーは、本件発明の「ポインタの座標位置によって実行される」左右や上下方 向へのスクロール等の「命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段 に表示するための画像データ」であり、本件発明の「操作メニュー情報」に相当する。 また、乙8発明においては、例えば、表示対象を図2(a)に示された部分領域Nから部分領域M 前記出力手段 に表示するための画像データ」であり、本件発明の「操作メニュー情報」に相当する。 また、乙8発明においては、例えば、表示対象を図2(a)に示された部分領域Nから部分領域Mに移動させる命令を実行する際には、図6に示されるスクロールバー21のうち部分領域Mの属する「選択領域をマウス2によ って指示」すること「によって、スクロール制御部20では、スクロールバー情報形成部15に対してどの選択領域が指示されたかを通知すると共に(相対位置表示制御手段)、予め保持している表示位置カーソルC2の位置情報を参照し」、「この場合、図面MMの領域m3内の、表示位置カーソルC2の位置情報により特定される領域であるスクロール表示位置を特定」し、 「特定されたスクロール表示位置に対応する座標情報を読出し制御部14に出力する」(乙8公報の【0039】~【0040】)と説明されている。 これはページスクロールバーにおける説明であるが、スムーズスクロールバー31でも同様の仕組みにより命令が実行される(乙8公報の【0041】~【0042】)。このようにスクロールバーとスクロールバーにカーソルが 指定された場合に実行されるスクロール命令とを関連付けた情報は、本件発明の「操作情報」に相当する。 また、上記のスクロール命令を受けて、読出し制御部14では、指定された座標情報に対応する表示情報を画像メモリ11から読み出し、リフレッシュメモリ12等を通して、表示装置1(表示画面1a)に図面MMの部分領 域Mが表示される(乙8公報の【0043】)。ここで、図面MM全体に対する表示画面1aに表示中の表示領域の相対位置の情報(特定の領域が選択されていること)が、画像メモリ11およびリフレッシュメモリ12等を含む、コンピュータシステムとい 】)。ここで、図面MM全体に対する表示画面1aに表示中の表示領域の相対位置の情報(特定の領域が選択されていること)が、画像メモリ11およびリフレッシュメモリ12等を含む、コンピュータシステムという記憶手段に記憶されている(乙8公報の【図2】(a)、【図3】、【0031】~【0033】)。したがって、スクロールバー とスクロールバーにカーソルが指定された場合に実行されるスクロール命 令とを関連付けた操作情報は、図面MM全体に対する表示画面1aに表示中の表示領域の相対位置の情報に関連付けられている。すなわち、表示画面に表示中の表示領域の全体図面中の相対位置は、本件発明の「データ状態」に相当し、「データ状態」を表す「データ状態情報」を有することは当然であることから、スクロールバーとスクロールバーにカーソルが指定された場合に 実行されるスクロール命令とを関連付けた「操作情報」を1以上記憶している。 したがって、乙8発明は、構成要件Bの構成を有する。 エ構成要件E乙8発明は、マウス2の右ボタンSW1を押した状態でマウス2を上又は 下方向に移動させると、カーソルの位置情報等が送信され、カーソルが移動したことによりドラッグ操作が行われたことを認識し、スクロールバーが表示されていない場合にスクロールバーを表示させる(乙8公報の【0019】~【0022】)。 ここで、表示されたスクロールバーは、スクロールバーに対する表示位置 カーソルの相対位置及びそのカーソル領域の大きさの割合によって、現在表示中の領域が表示対象の図面MMのうちの、どの領域に対応しているかを表す(乙8公報の【0023】)のであるから、カーソルの位置情報等が送信される際、カーソルの位置及び図面全体に対する表示画面に表示中の表示領域の相対位置が 面MMのうちの、どの領域に対応しているかを表す(乙8公報の【0023】)のであるから、カーソルの位置情報等が送信される際、カーソルの位置及び図面全体に対する表示画面に表示中の表示領域の相対位置が特定されたうえで、それらの情報が送信されている。すなわち、 マウス2という入力手段を介してカーソルというポインタの位置を移動させる命令を受信すると、当該受信した際のコンピュータシステムに記憶されている図面全体に対する表示画面に表示中の表示領域の相対位置を特定し、当該特定した表示中の表示領域の相対位置におけるスクロールバーを、コンピュータシステムから読み出して表示装置1に表示している。 したがって、乙8発明は、構成要件Eの構成を有する。 オ構成要件F乙8発明は、マウス2を介して、表示画面に表示したスクロールバーが、カーソルにより指定されると、スクロールバーに関連付いているスクロール命令が実行される。具体的には、以下のとおりである。 乙8発明においては、例えば、表示対象を図2(a)に示された部分領域 Nから、部分領域Mに移動させる命令を実行する際には、図6に示されるスクロールバー21のうち部分領域Mの属する選択領域をマウス2により指示すること「によって、スクロール制御部20では、スクロールバー情報形成部15に対してどの選択領域が指示されたかを通知すると共に(相対位置表示制御手段)、予め保持している表示位置カーソルC2の位置情報を参照 し」、「この場合、図面MMの領域m3内の、表示位置カーソルC2の位置情報により特定される領域であるスクロール表示位置を特定」し、「特定されたスクロール表示位置に対応する座標情報を読出し制御部14に出力する」(乙8公報の【0039】~【0040】)と説明されている。これはペ り特定される領域であるスクロール表示位置を特定」し、「特定されたスクロール表示位置に対応する座標情報を読出し制御部14に出力する」(乙8公報の【0039】~【0040】)と説明されている。これはページスクロールバーにおける説明であるが、スムーズスクロールバーでも同様の 仕組みにより命令が実行される(乙8公報の【0041】~【0042】)。 これを受けて、読出し制御部14では、指定された座標情報に対応する表示情報を画像メモリ11から読み出し、リフレッシュメモリ12等を通して、表示装置1(表示画面1a)に図面MMの部分領域Mが表示される(乙8公報の【0043】)。なお、仮に、乙8発明について、マウス2によって指示 するのみならずクリックを要するとの解釈を採用したとしても、マウス2の右ボタンSW1が押されている間に、スクロールバーに関連付いているこのスクロール命令の実行は、表示位置カーソルC1が上端の選択領域の位置から下方向のページスクロール指示領域23をマウス2でクリックすることによって図7に示すように上から3つ目の選択領域に移動することから(乙 8公報の図7、【0040】~【0041】)、複数回行われることが可能なため、カーソルにより指定されなくなるまでスクロールの実行を継続する。 つまり、乙8発明は、まず、マウス2という入力手段を介して、表示装置1に表示した操作メニュー情報であるスクロールバーが、マウス2によるカーソルというポインタにより指定されると、カーソルにより指定された操作メ ニュー情報に関連付いている表示対象をスクロールさせるという命令を、スクロール制御部20から読み出して実行し、表示装置1に表示した操作メニュー情報であるスクロールバーがカーソルというポインタにより指定されなくなるまで当該実 表示対象をスクロールさせるという命令を、スクロール制御部20から読み出して実行し、表示装置1に表示した操作メニュー情報であるスクロールバーがカーソルというポインタにより指定されなくなるまで当該実行を継続している。 そして、前記表示対象をスクロールさせるという命令の実行により変化し た表示画面に表示中の表示領域の全体図面中の相対位置というスクロール制御部20に記憶されているデータ状態を特定し、当該特定したデータ状態を表すデータ状態情報に関連付いているスクロールバーの表示を特定し、当該特定した、すなわち変化後の表示画面に表示中の表示領域の全体図面中の相対位置に関連付けられたスクロールバーの表示を表示装置1に表示する ものである。 したがって、乙8発明は、構成要件Fの構成を有する。 カ構成要件D前記のとおり、乙8発明の「マウス2」が本件発明の「入力手段」に相当し、また、マウス2の「右ボタンSW1」は本件発明の「命令ボタン」に相 当する。そして、右ボタンSW1が押された時に、対応する信号(命令)が発生することは当然であるから、乙8発明においても、マウス2の右ボタンSW1が利用者によって押されたことによる開始動作命令を受信している。 そうすると、上記エ、オの操作が、上記開始動作命令を受信した後から、後記キでマウス2の右ボタンSW1が利用者によって離されたことによる ドラッグ解除操作という終了動作命令を受信するまでの間に行われる。 したがって、乙8発明は、構成要件Dの構成を有する。 キ構成要件G乙8発明は、上記エで述べたとおり、マウス2の右ボタンSW1が押された状態で、マウス2を移動させることにより、カーソルの位置情報等が送信され、カーソルが移動したことによりドラッグ操作が行われたことを認識し 明は、上記エで述べたとおり、マウス2の右ボタンSW1が押された状態で、マウス2を移動させることにより、カーソルの位置情報等が送信され、カーソルが移動したことによりドラッグ操作が行われたことを認識し、 スクロールバーが表示されていない場合にスクロールバーを表示させるところ(乙8公報の【0019】~【0022】)、「マウス2の右ボタンSW1を押している状態からこれが解除された時点で、スクロール制御部20ではドラッグ解除操作が行われたものと認識し(ステップS11)」、「スクロールバーが消去」される(乙8公報の【0026】)。 すなわち、乙8発明では、マウス2という入力手段を介して、ドラッグ操作の開始動作命令の受信に対応する、マウス2の右ボタンSW1が利用者によって離されたことによるドラッグ解除操作という終了動作命令を受信すると、表示装置1に表示していたスクロールバーの表示を終了する。 したがって、乙8発明は、構成要件Gの構成を有する。 ク構成要件C1、構成要件C2前記のとおり、乙8発明は、情報を処理する「処理手段」に相当する「スクロール制御部20」を有している。 また、乙8発明は、上記エ、オ、カ、キを実行させることを特徴とするスクロール操作を容易に行うことでデータの入力を支援するスクロール制御 装置を適用した図面作成装置であり、それらがコンピュータプログラムで実現されるものであることから、「入力支援コンピュータプログラム」にあたる。 したがって、乙8発明は、構成要件C1及びC2の構成を有する。 乙8発明には引用される適格がある。 本件発明の国際特許分類(IPC)はG06F3/048(グラフィカルユーザインタフェース[GUI]に基づく相互作用技術)とされており、乙8発明の国際特許分 用される適格がある。 本件発明の国際特許分類(IPC)はG06F3/048(グラフィカルユーザインタフェース[GUI]に基づく相互作用技術)とされており、乙8発明の国際特許分類はG06F3/14(表示装置へのデジタル出力)等とされている。本件発明の出願の審査においては、国際特許分類である「G06F3/033-3/041、G06F3/048、G06F3/14―3/153」 の分野について調査がされていて、このうち、少なくとも本件発明の国際特許分類(IPC)であるG06F3/048(グラフィカルユーザインタフェース[GUI]に基づく相互作用技術)は乙8発明の国際特許分類であるG06F3/14(表示装置へのデジタル出力)と関連することは明らかである。 また、本件特許の課題である、「「特に、利用者が必要になった場合にすぐに操 作コマンドのメニューを画面上に表示させ、必要である間についてはコマンドのメニューを表示させ続けられる手段の提供を目的とする。』ことである」という課題と(本件明細書の【0006】)、乙8発明の「第1の実施の形態」についての詳細な説明において、「また、スクロール操作を行う必要がある時点でスクロールバーを表示するようにしたから、スクロールバーを常時表示して おく必要がなく、表示画面にスクロールバーを表示するための領域を設ける必要がないから、その分より多くの図面MMの部分領域を表示することができ・・・」という課題とは共通しており、解決すべき課題にも共通性がある。 これらによれば、乙8発明は、本件発明に対して引用する適格を有する。 (原告の主張) 被告が主張する乙8発明は、全く異なる課題を解決する独立した二つの発明から構成されているものであり、この二つの発明を組み合わせること自体に に対して引用する適格を有する。 (原告の主張) 被告が主張する乙8発明は、全く異なる課題を解決する独立した二つの発明から構成されているものであり、この二つの発明を組み合わせること自体について阻害する要因がある。 乙8公報には、3つの請求項が記載されているが、請求項2は、請求項1の従属項であり、請求項3は、請求項1及び2とは独立している。「請求項1・2 記載の発明」と「請求項3記載の発明」は、構成要件が共通しておらず、全く 別の独立した発明である(以下、請求項1・2記載の発明を「第1類型の発明」といい、請求項3記載の発明を「第2類型の発明」という。)。第1類型の発明が、「第1の実施の形態」(乙8公報の【0014】~【0030】)で説明される発明であり、「第2類型の発明」が「第2の実施の形態」(乙8公報の【0031】~【0048】)で説明される発明である。これらは、構成要件が共通せ ず、実施形態も別のものとして説明されている。 「第1類型の発明」と「第2類型の発明」は、それぞれ、異なる課題を解決する発明である。 すなわち、「第1類型の発明」の課題は、「スクロールバーが例えば表示画面の右端及び下端に表示されるようになっているため、カーソルが表示画面の左 上部にある状態で画面をスクロールさせる場合には、カーソルを表示画面の右端又は下端まで、すなわち、画面の端から端まで移動させる必要があり、使い勝手が悪いという未解決の課題がある。また、カーソルをスクロールバーを表示する領域まで移動させる必要があるため、その移動距離が長いほど無駄時間が長くなってスクロール開始までに時間がかかるという問題もある。」(乙8公 報の【0005】)であり、これを解決するのが、「請求項1・2記載の発明」と、その説明を行 移動距離が長いほど無駄時間が長くなってスクロール開始までに時間がかかるという問題もある。」(乙8公 報の【0005】)であり、これを解決するのが、「請求項1・2記載の発明」と、その説明を行っている「第1の実施の形態」である。これに対して「第2類型の発明」の課題は、「表示対象図面が非常に大きい場合等には、スクロールバーを形成する領域の大きさは一定であるために操作バーを形成する領域が非常に小さくなってしまい、スクロールに伴う表示領域の変化に対して操作バ ーの表示位置の移動量が極小さくなってしまう。そのため、オペレータは操作バーの表示位置からでは、表示対象図面に対する表示領域の位置関係を大まかにしか認識することができず、表示対象図面の所望とする領域を表示させるためには、表示画面をみながら大まかな見当をつけて操作バーを操作することによって、所望とする領域付近であると推定される領域を表示させ、その後、微 調整ボタンによって順次スクロールを行って所望の領域を表示させなければ ならず、所望の領域を実際に画面表示させるまでに時間がかかるという問題もある。」(乙8公報の【0006】)といった問題である。これを解決するのが、「請求項3記載の発明」とその説明を行っている「第2の実施の形態」である。 第1類型の発明は、「スクロール操作部20」が「ドラッグ操作」の開始を検知すると、「スクロールバー情報形成部15」が、カーソルの位置に「ポップア ップスクロールバー」(乙8公報の【図5(b)】、【図5(c)】)を形成することで、上記課題を解決している。これに対し、「第2類型の発明」は、課題を解決するために、「表示画面1aの右端及び下端にそれぞれスクロールバーを二つずつ表示するようにしている。」(乙8公報の【0031】)のであり、ス 解決している。これに対し、「第2類型の発明」は、課題を解決するために、「表示画面1aの右端及び下端にそれぞれスクロールバーを二つずつ表示するようにしている。」(乙8公報の【0031】)のであり、スクロールバーを表示したり消去したりするとは説明されていない。「第2類型の発 明」は、「第1類型の発明」と大きく異なり、同じ位置に常に二つのスクロールバーを表示したままにするものであり、「第1類型の発明」において課題解決の方法であった、「ポインティングデバイスの指示位置に前記スクロールバーをポップアップ形式で表示するポップアップ表示手段を備えること」という構成を「第2類型の発明(請求項3記載の発明)」は備えていない。「第1類型の 発明」と「第2類型の発明」では、表示されるスクロールバーも、操作方法も異なるから、課題の解決方法が明確に異なっている。 「第1の実施の形態」は、「予め設定したスクロールバー表示操作を行えばポインティングデバイスの指示位置にスクロールバーがポップアップ形式で表示される。」(乙8公報の【0010】)といった機能と、「所望とするスクロー ル方向を推定するスクロール方向推定手段を有し、当該スクロール方向推定手段で推定したスクロール方向のスクロール量を設定するスクロールバーを表示する。」(乙8公報の【0010】)といった機能を持つ。そして、この機能により、「上下方向又は左右方向の何れか一方が所望とするスクロール方向であるものとして推定され、この推定したスクロール方向のスクロール量を設定す るスクロールバーがポップアップ形式で表示される。」(乙8公報の【0011】) といった作用がある。これにより、「ポインティングデバイスの指示位置にスクロールバーをポップアップ形式で表示する」ことで、「カー ップアップ形式で表示される。」(乙8公報の【0011】) といった作用がある。これにより、「ポインティングデバイスの指示位置にスクロールバーをポップアップ形式で表示する」ことで、「カーソルを、スクロールバーを表示する領域まで移動させる必要がある」(乙8公報の【0005】)といった課題に対して、マウスの移動距離を抑え、さらに、「スクロール制御により専有する表示画面の領域を最小限に抑えることができる。」といった効果 が得られる。 これに対し、「第2類型の発明」は、「表示対象領域を第1のスクロール単位毎に分割して形成した分割領域のうち、例えば所望とする画面表示領域を含む分割領域を表示候補領域として選択することによって、表示候補領域の一部が表示画面に表示され、この表示画面に表示された表示領域に対して第2のスク ロールバーによってスクロール量を設定することによって、表示領域がスクロール量に応じてスクロールされ、所望とする領域が表示される。」といった機能を持つ。そして、この機能によって、「第1及び第2のスクロールバーで表す相対位置関係から、表示対象領域に対する現在表示中の表示領域の相対位置関係がわかる。」(乙8公報の【0013】)といった作用が得られる。それによっ て、「表示対象図面に対する表示領域の位置関係を、大まかにしか認識することができない」という課題に対して、「2本のスクロールバーを組み合わせることで、1本のスクロールバーと比較して、操作バーの大きさを確保できるから、相対位置関係をより正確に表し、所望とする表示領域を容易且つ短時間で画面表示させることができる」という効果を得られる。 「第2の実施の形態」の解決すべき課題を、「第1の実施の形態」は解決できず、「第1類型の発明」と「第2類型の発明」では、 容易且つ短時間で画面表示させることができる」という効果を得られる。 「第2の実施の形態」の解決すべき課題を、「第1の実施の形態」は解決できず、「第1類型の発明」と「第2類型の発明」では、「発明の作用・機能・効果」が明確に異なる。 「第1類型の発明」と「第2類型の発明」は、異なるタイプのスクロールバーを表示しており、「第1類型の発明」のスクロールバーは「ドラッグ操作に特 化したもの(乙8公報の【0022】、【0024】)」であり、「第2類型の発明」 のスクロールバーは「クリック操作によるもの(乙8公報の【0040】、【0042】)」である。そしてそれらのドラッグ操作とクリック操作は、全く異なっている。 「第1類型の発明」と「第2類型の発明」は、表示されるスクロールバーも、操作方法も異なるから、技術分野の関連性があるとはいいがたい。 「第1の実施の形態」と「第2の実施の形態」の解決の手段等は異なり、乙8公報には「第1の実施の形態」と「第2の実施の形態」を組み合わせる示唆も、開示もなく、乙8発明の出願人が「第1類型の発明」と「第2類型の発明」の組合せを想定していなかったことは明らかである。 また、第1の実施の形態と第2の実施の形態の組合せには阻害要因がある。 すなわち、「第2の実施の形態」の動作前である乙8公報の【図6】と、動作後を示している【図7】の比較からも、スクロールバーの位置は固定で、表示しっぱなしであることは明らかである。したがって、スクロールバーを移動して表示して消去する「第1類型の発明」と、スクロールバーを常に表示しっぱなしで位置も固定の「第2類型の発明」とを組み合わせることは矛盾しており、 画面の狭さについて第1の実施の形態に第2の実施の形態を組み合わせると、第 の発明」と、スクロールバーを常に表示しっぱなしで位置も固定の「第2類型の発明」とを組み合わせることは矛盾しており、 画面の狭さについて第1の実施の形態に第2の実施の形態を組み合わせると、第1の実施の形態の効果を阻害し、マウスボタンのドラッグ操作を画面の範囲選択に使用できる第2の実施の形態に第1の実施の形態を組み合わせると、「第2の実施の形態」の利便性や適用範囲を狭める。 被告は、「第2の実施の形態」は「第1の実施の形態」の「スクロールバーの 表示形態」を「含む」という主張をしているといえるが、これは、「スクロールバーの表示形態が異なる」(乙8公報の【0031】)との記載と矛盾している。 乙8公報では、第1の実施の形態と第2の実施の形態のスクロールバーの操作方法、「スクロールバーの表示」についての動作等も異なる。そして、「スクロールバーの表示形態が異なること」は、「第1類型の発明」と、「第2類型の発 明」の差であり、具体的には、「スクロール制御部20」と「スクロール情報形成部15」の機能や動作が異なることを意味する。 乙8発明は、以下のとおり、そもそも本件発明の構成を有しない。 ア構成要件Bの「操作メニュー情報」乙8発明は、構成要件Bの「操作メニュー情報」の構成を有しない。乙8 公報の「上下方向にスクロール指示を行うこと」とは、実際に実行できる命令としては、「上方向のスクロール」と「下方向のスクロール」の2種類の命令であるといえる。この二つの命令は、相反する命令であるから、同時にこの二つの命令を実行することはできず、何も実行されないか、どちらか一つしか実行できない。乙8公報の「スクロールバーの画像」を見ただけでは、 利用者は何の命令が実行されるのかを判断できない。したがって、乙8発明 することはできず、何も実行されないか、どちらか一つしか実行できない。乙8公報の「スクロールバーの画像」を見ただけでは、 利用者は何の命令が実行されるのかを判断できない。したがって、乙8発明のスクロールバーの画像は、本件発明の構成要件Bにおける、「実行される命令結果を利用者が理解できるように前記出力手段に表示するための画像データ」である「操作メニュー情報」には相当しない。左右方向のスクロールバーについても、上下方向のスクロールバーと同様である。 また、本件発明の操作メニュー情報には、一つの命令が関連付けられるのであって、二つの命令を関連付けようとする被告の主張は本件発明とは関係がない。乙8発明のスクロールバーは本件発明の「操作メニュー情報」に相当しない。 イ構成要件Bの「操作情報」 本件発明の構成要件Bの「操作情報」は、一つの「操作メニュー情報」に、一つの命令が関連付いて記憶される構成であるから、「操作メニュー情報」の画像を指定しただけで、どの命令が実行されるのか決まる。乙8発明においては、一つの「スクロールバー」の画像には、少なくとも上方向と下方向の相反する二つの相反する命令が関連付いているから、「スクロールバー」 画像を指定しただけでは、どちらの命令が実行されるのか決まらず、これは、構成要件Bの「操作情報」とは明らかに異なる。 乙8発明においては、「操作メニュー情報」と「実行される命令」との関連付け(操作情報)が、そもそも開示されていない。また、乙8発明が構成要件A1を有していないことは明らかであり、「操作情報」を記憶するための 記憶手段を有していないから、「操作情報」が記憶されているともいえない。 そして、相反する二つの命令が関連付けられたものは、発明の構成要件とは言えず、 かであり、「操作情報」を記憶するための 記憶手段を有していないから、「操作情報」が記憶されているともいえない。 そして、相反する二つの命令が関連付けられたものは、発明の構成要件とは言えず、これは、「操作情報」にはあたらない。 ウ構成要件Bの「操作情報」乙8発明において、データ状態は構成要件Bの「操作情報」と関連付いて いない。 被告は、「スクロールバー」と「表示画面に表示中の表示領域の全体図面中の相対位置」の関連付けづけを主張し、「表示画面に表示中の表示領域の全体図面中の相対位置」が本件発明の「データ状態情報」であると主張する。 乙8発明の「スクロールバー」はいずれも、「データ状態情報」に関連付いた 「操作情報」が記憶手段に記憶されているとはいえない。仮にスクロールバーの表示が「操作メニュー情報」であったとしても、「操作メニュー情報」と「ポインタが指定された場合に実行される命令」とが関連付いているとはいえないから、構成要件Bの「操作情報」を記憶手段に記憶しているとはいえない。「スクロールバー」の画像は、本件発明とは関係のないところで、「デ ータ状態に応じて表示態様が変化」しているものであり、乙8発明は、「操作情報」に相当する構成を有しない。乙8発明の「スクロールバー」には少なくとも二つの相反する方向のスクロール命令と関連付いているから、本件発明の「操作情報」とはいえない。また、乙8発明の「スクロールバー」の画像には、本件発明の「指定する」、すなわち、画像の範囲に入ることに伴って 実行される「命令」は関連付いていないから、本件発明の「操作情報」とはいえない。 エ構成要件Fの「継続」乙8発明は、「移動量」や「クリック回数」といった、「量」でスクロールを調整する発明であって、特に、 命令」は関連付いていないから、本件発明の「操作情報」とはいえない。 エ構成要件Fの「継続」乙8発明は、「移動量」や「クリック回数」といった、「量」でスクロールを調整する発明であって、特に、「第2類型の発明」は、クリック回数でスク ロール量を調整しているから、この、1回のクリックの間に、スクロールは1回分しか実行されない。つまり、本件発明の構成要件D及びGに相当する構成の間に、1回分のスクロールしか実行しないから、本件発明の構成要件Fの「継続」に相当する構成はない。 オ構成要件D 構成要件Dは「操作メニュー情報」を表示するための構成であるところ、本件発明の「操作メニュー情報」に相当しない、乙8発明の「第1類型の発明」の「ポップアップスクロールバー」を表示するための構成は、本件発明の「操作メニュー情報」に相当しない。 また、マウス2の「右ボタンSW1」を押すことは、本件発明の「操作メニ ュー情報」に相当する画像を表示するための構成ではないから、乙8発明の「第1類型の発明」の構成にある、「マウス2の右ボタンSW1を押している状態からこれが解除された」は、本件発明の構成要件Dの構成に相当しない。 カ構成要件G 本件発明8のマウス2の「右ボタンSW1」を押すことは、本件発明の「操作メニュー情報」に相当する画像を表示するための構成ではないから、本件発明の構成要件Gに該当する構成ではない。また、乙8発明の「スクロールバー」を消去するための構成は、本件発明の「操作メニュー情報」の表示を終了する構成ではないから、本件発明の構成要件Gとは関係がない。 乙8発明を本件発明の引用発明とすることは、以下の理由により、不適格である。 ア乙8発明と本件発明とは「技術分野の関連性」がない。 本 件発明の構成要件Gとは関係がない。 乙8発明を本件発明の引用発明とすることは、以下の理由により、不適格である。 ア乙8発明と本件発明とは「技術分野の関連性」がない。 本件発明の国際特許分類(IPC)は、G06F3/048(グラフィカルユーザインタフェース(GUIs)に基づく相互作用技術)に分類されているのに 対し、乙8発明は、G09G5/08「カーソル回路」、G06F3/14「表示装置へのデジタル出力」、G09G5/34「ローリングまたはスクローリングのためのもの」の3つに分類されている。そして、乙8発明はG09G5/34「スクロールのためのもの」に分類されているように、スクロールのためにポップアップスクロールバーB1、ページスクロールバー21、スムーズスクロールバー31 を表示しているのであって、本件発明のように画面上に操作のために表示される「メニュー」に関する発明でもない。 さらに、乙8発明は、G06F3/14「表示装置へのデジタル出力」に分類されているように、一方的に表示装置に表示するだけであるから、「相互作用性」はない。したがって、本件発明が分類されたような、「グラフィカルユーザイ ンタフェース(GUIs)に基づく相互作用技術(G06F3/048)」といった技術分野との関連性はない。 イ乙8発明と本件発明は解決すべき課題が大きく異なる。 本件発明の解決すべき課題は、「システム利用者の入力を支援するための、コンピュータシステムにおける簡易かつ便利な入力の手段を提供すること である。特に、利用者が必要になった場合にすぐに操作コマンドのメニューを画面上に表示させ、必要である間についてはコマンドのメニューを表示させ続けられる手段の提供を目的とする。」(本件明細書の【0006】)こ 特に、利用者が必要になった場合にすぐに操作コマンドのメニューを画面上に表示させ、必要である間についてはコマンドのメニューを表示させ続けられる手段の提供を目的とする。」(本件明細書の【0006】)ことである。これに対し、「第1類型の発明」が解決しようとする課題は、「従来のスクロール制御装置にあっては、…カーソルを表示画面の右端又は下端まで、 すなわち、画面の端から端まで移動させる必要があり、使い勝手が悪い」(乙 8公報の【0005】)である。本件発明は、乙8公報の「第1類型の発明」が解決しようとする課題とは関係がないものである。 さらに、「第2類型の発明」が解決しようとする課題は、「表示対象図面が非常に大きい場合等には、スクロールバーを形成する領域の大きさは一定であるために操作バーを形成する領域が非常に小さくなってしまい…所望の 領域を実際に画面表示させるまでに時間がかかるという問題」(乙8公報の【0006】)と、「操作バーを形成する領域が上記のように小さくなった場合等には、・・・操作バーが指示されたことを装置側で認識できるまで入力操作を繰り返し行わなければならない場合がある等の問題」(乙8公報の【0007】)である。したがって、「第2類型の発明」の課題は、「操作バーを形 成する領域が非常に小さく」なることであるが、本件発明には「操作バー」に相当する構成要件はない。仮に「操作バー」が「操作メニュー情報」であったとしても、「操作メニュー情報」のサイズは、表示対象図面などとは無関係であるから、共通の「解決すべき課題」があるとは認められない。 ウ乙8発明と本件発明とは作用、機能の共通性がない。 乙8発明において実行できる命令はスクロールに限定されている。一方、本件発明は、「操作メニュー情報」に関連付いて るとは認められない。 ウ乙8発明と本件発明とは作用、機能の共通性がない。 乙8発明において実行できる命令はスクロールに限定されている。一方、本件発明は、「操作メニュー情報」に関連付いて実行される命令は、スクロール命令に限定されない。本件発明の構成を採ることで、スクロール以外の命令も「操作情報」とすることができるといった作用・機能が得られる。このように本件発明は、「操作情報」さえ用意できれば、ドラッグ中にあらゆる命 令が実行可能となるから、実行できる命令が、スクロール命令に限定されている乙8発明とは、作用及び機能に共通性がない。 エ乙8発明と本件発明は発明の効果が異なる。 本件発明の効果は、「本発明を利用すると、入力手段における命令ボタンが利用者によって押されてから、離されるまでの間に、ポインタの位置を移 動させる命令を受信すると、画像データである操作メニュー情報を出力手段 に表示し、ポインタの指定により命令が実行される。特に、入力手段における命令ボタンが利用者によって押されてから、離されるまでの間は、画像データである操作メニュー情報をポインタで指定することによって、当該命令を何回でも実行する、という継続的な操作が可能になる。また、入力手段における命令ボタンが利用者によって離されると、出力手段に表示されていた 操作メニュー情報の表示が終了する。」(本件明細書の【0051】)ことである。これに対し、「第1類型の発明」が解決しようとする発明の効果は、「ポインティングデバイスの指示位置にスクロールバーをポップアップ形式で表示するようにしたから、スクロール操作を容易確実に行うことができる。 また…所望とするスクロール方向を推定し、推定したスクロール方向に応じ て上下方向又は左右方向の何れかの方向の アップ形式で表示するようにしたから、スクロール操作を容易確実に行うことができる。 また…所望とするスクロール方向を推定し、推定したスクロール方向に応じ て上下方向又は左右方向の何れかの方向のスクロールバーのみを表示するようにしたから、スクロール制御により専有する表示画面の領域を最小限に抑えることができる。」(乙8公報の【0050】)というものである。 仮に、「第1類型の発明」における「スクロールバー画像」が、本件発明の「操作メニュー情報」だとしても、本件発明において「ポインティングデバ イスの指示位置」(カーソルの位置)に「操作メニュー情報」が表示されると、即座に「操作メニュー情報」に関連付いた命令が継続的に実行されることになる。一方、「第1類型の発明」では、「ポップアップスクロールバーB1」が表示されても、マウスを移動しなければスクロール命令は実行されないから、これらの効果が共通であるとはいえない。また、本件発明はドラッグ操 作の開始に際して所望するスクロール方向を推定していないから、それに沿った表示も行っていない。したがって、この点においても本件発明と第1類型の発明に共通の効果があるとはいえない。 「第2類型の発明」が解決しようとする発明の効果は「スクロール量の異なる第1及び第2のスクロールバーによってスクロール設定を行うように したから、所望とする表示領域を容易且つ短時間で画面表示させることがで きると共に、現在表示中の表示領域と表示対象領域との相対位置関係を、第1のスクロールバーで大まかに表示し、第2のスクロールバーによって、第1のスクロールバーで表した位置関係についてさらに詳しく表示するようにしたから、前記相対位置関係をより正確に表すことができる。」(乙8公報の【0051】)である。本 第2のスクロールバーによって、第1のスクロールバーで表した位置関係についてさらに詳しく表示するようにしたから、前記相対位置関係をより正確に表すことができる。」(乙8公報の【0051】)である。本件発明には、「現在表示中の表示領域と表示対象 領域との相対位置関係を、…大まかに表示し」や、「スクロールバーで表した位置関係についてさらに詳しく表示する」といった効果はないから、第2類型の発明と本件発明とに共通の効果があるとはいえない。 2 乙8公報に記載された発明からの容易想到を理由とする進歩性欠如の無効理由があるか1(争点2-2)について (被告の主張)乙8公報の第1の実施の形態と第2の実施の形態がそれぞれ独立したものとされたとしても、乙8公報の第2の実施の形態に記載された発明(以下「乙8発明1」という。)に乙8公報の別の実施の形態に記載された発明を組み合わせることにより本件発明は特許出願前に当業者が容易に発明をすることが できたものであるから、進歩性の要件を満たさない(特許法29条2項)。 乙8公報の「第2の実施の形態」においては、構成要件A1、A2、B、C1、C2及びFの各構成が記載されているが、構成要件D、E及びGの各構成は明示的には記載されていない。 乙8公報の「第1の実施の形態」には、本件発明の構成要件D、E及びGの 各構成が記載されている(乙8公報の【0019】~【0026】)。そして、そこに記載された、「第1の実施の形態」のマウス2を介しカーソルの位置情報等が送信され、ポップアップスクロールバーが表示され、また、それに対応したドラッグ解除操作命令によりポップアップスクロールバーの表示を終了する部分の操作内容を「第2の実施の形態」に記載された乙8発明1に適用す ること スクロールバーが表示され、また、それに対応したドラッグ解除操作命令によりポップアップスクロールバーの表示を終了する部分の操作内容を「第2の実施の形態」に記載された乙8発明1に適用す ることは、当業者にとって容易に想到し得た。 すなわち、まず、乙8公報の「第1の実施の形態」と「第2の実施の形態」は、同一の公報に記載された二つの実施例であり、いずれの実施例も「表示装置等の実際の表示画面より大きい、例えば図面或いは文章等といった表示対象を、表示装置等に表示する場合に画面表示制御を行う画面スクロール制御装置の改良に関する」(乙8公報の【0001】)という同一の技術分野に属する。 また、「第1の実施の形態」と「第2の実施の形態」は、いずれも「スクロール操作を容易に行うことができるスクロール制御装置を提供することを目的としている」(乙8公報の【0008】)。そして、乙8発明1のスクロール制御装置でニーズが満たされる場合も存在しうるが、スクロール制御装置の形態などによっては、スクロール制御により専有する表示画面の領域を最小限に抑 えることが必要になる場合も当然存在する。その場合、当業者としては、乙8発明1に対し、同じ乙8公報に記載された、スクロール制御装置の改良に関する発明であり、その効果がスクロール制御により専有する表示画面の領域を最小限に抑えることができる「第1の実施の形態」であるポップアップスクロールバー表示・表示終了動作を適用することの動機付けがある。 そして、以下のとおり、乙8公報の「第2の実施の形態」に、「第1の実施の形態」を適用しても、双方の技術効果が打ち消し合うことはなく、双方の技術効果のメリットを享受できる。すなわち、乙8公報の「第2の実施の形態」に「第1の実施の形態」 形態」に、「第1の実施の形態」を適用しても、双方の技術効果が打ち消し合うことはなく、双方の技術効果のメリットを享受できる。すなわち、乙8公報の「第2の実施の形態」に「第1の実施の形態」を適用すると、マウス2の右ボタンSW1が押された後から、マウス2を移動すると、移動の方向に応じて画面の右端又は下端に、 ページスクロールバー及びスムーズスクロールバーが表示され、右ボタンSW1が離されると当該ページスクロールバー及びスムーズスクロールバーの表示を終了することとなる。この適用によって、「第2の実施の形態」が本来実現できる「所望とする表示領域を容易且つ短時間で画面表示させることができると共に、現在表示中の表示領域と表示対象領域との相対位置関係を、・・・スク ロールバーで表した位置関係についてさらに詳しく表示するようにしたから、 前記相対位置関係をより正確に表すことができる」(乙8公報の【0051】)といった技術効果を実現できるとともに、「第1の実施の形態」による「所望とするスクロール方向を推定し、推定したスクロール方向に応じて上下方向又は左右方向の何れかの方向のスクロールバーのみを表示するようにしたから、スクロール制御により専有する表示画面の領域を最小限に抑えることができる」 (乙8公報の【0050】)といった技術効果を実現できる。 (原告の主張)乙8公報の「第1の実施の形態」を「第2の実施の形態」に組み合わせることを当業者が容易に想到できたとはいえない。 「第1の実施の形態」の発明の効果と「第2の実施の形態」の発明の効果は 明らかに異なるから、これらを組み合わせることは容易に想到し得るものではない。乙8公報の「第1の実施の形態」と「第2の実施の形態」を組み合わせることは、動機付けもなければ 態」の発明の効果は 明らかに異なるから、これらを組み合わせることは容易に想到し得るものではない。乙8公報の「第1の実施の形態」と「第2の実施の形態」を組み合わせることは、動機付けもなければ、阻害要因が存在することも明らかである。「第2の実施の形態」に対して、「第1の実施の形態」のポップアップスクロールバー表示・表示終了動作を適用するためには、「第1の実施の形態」及び「第2の 実施の形態」の双方の構成を変更することが必要となり、乙8公報に記載されていない全く別の構成が必要となる。当業者は、「第2の実施の形態」に対して、「第1の実施の形態」のポップアップスクロールバー表示・表示終了動作を組み合わせることを容易に想到できない。 単一のスクロールバーを操作する「第1の実施の形態」のドラッグ操作は、 「第2の実施の形態」の「ページスクロールバー及びスムーズスクロールバー」といった複数のスクロールバーを操作する方法を開示していない。したがって、「第1の実施の形態」を「第2の実施の形態」に適用しても、操作方法が開示されておらず、複数のスクロールバーを操作できず、本件発明の効果は得られない。 また、「第1の実施の形態」で、上下方向のスクロールを所望して上下方向にマウスを動かすと、右端に上下方向のスクロールバーが表示されることになる。 そうると、右端の上下方向のスクロールバーをクリックするためには、画面の右端までカーソルを移動しなければならず、これは、「第2の実施の形態」よりも長い距離、マウスを移動しなければならない。したがって、「第1の実施の形 態」を「第2の実施の形態」に組み合わせても、複雑な操作となってしまい、「デメリット」が生じることが明白である。このようなデメリットを無視して「第1の実施の形態」を たがって、「第1の実施の形 態」を「第2の実施の形態」に組み合わせても、複雑な操作となってしまい、「デメリット」が生じることが明白である。このようなデメリットを無視して「第1の実施の形態」を「第2の実施の形態」に適用する動機付けはない。 ア構成要件B、F構成要件Fはドラッグ操作における構成であるところ、「第2類型の発明」 は、クリック操作を前提としているため、構成要件Fの構成に相当する構成を有しない。 乙8発明1は、「操作メニュー情報」、「操作情報」を有さず、さらに「データ状態情報」とも関連付いて記憶されていないから、構成要件Bの構成に相当する構成を有ない。 イ構成要件A1、A2、C1、C2乙8公報の「第2の実施の形態」の記憶手段は「画像メモリ11」と「リフレッシュメモリ12」に限定されていて、これ以外の記憶手段はなく、「スクロール制御部20」は、記憶手段を含まない。乙8発明1が記憶手段に記憶されるコンピュータプログラムであるとはいえず、「第2の実施の形態」 に構成要件A1、A2、C1、C2に相当する構成を有しない。 ウ構成要件E、G乙8公報の「第1の実施の形態」では、カーソル10の移動量に応じてスクロールするから、マウス(カーソル10)の移動量がなければ、スクロール命令は実行されず、本件発明の「操作メニュー情報」ではない。乙8発明 は、構成要件E及びGに相当する構成を有さない。なお、乙8公報の第2類 型の発明は、第1類型の発明とは、目的も効果も異なり、組み合わせる動機付けがなく、阻害要因があるから、乙8発明に第1類型の「マウス2の右ボタン」の構成を組み合わせることはできない。 3 乙8公報に記載された発明からの容易想到を理由とする進歩性欠如の無効理由があるか2(争点2- 阻害要因があるから、乙8発明に第1類型の「マウス2の右ボタン」の構成を組み合わせることはできない。 3 乙8公報に記載された発明からの容易想到を理由とする進歩性欠如の無効理由があるか2(争点2-3)について (被告の主張)乙8公報に記載された発明について、①表示中の部分領域とは別の部分領域を表示させる際に、スクロールバーの選択領域又はスクロール指示領域にカーソルが入ってからクリックしなければ、別の部分領域を表示させる命令は記憶手段から読み出されることはない(乙8公報の【0040】~【0042】)と 解釈し、他方、②本件発明の構成要件Fではポインタが操作メニュー情報の領域に入ることで命令が記憶手段から読み出されて実行されるものであるところ、①②の違いを重要な差異だとすると、乙8公報に記載された上記発明(以下「乙8発明2」という。)は、構成要件Fの構成を有しない。 しかし、本件発明は、乙8発明2に対し、特許第5726687号の米国特 許公報(乙9の1、2。平成10年(1998年)3月10日付け)に記載されている従来システム(以下「乙9システム」という。)を組み合わせることにより当業者が容易に発明をすることができた。 本件発明と乙8発明2に違いがあるとすると、構成要件Fのうち、「当該出力手段に表示した操作メニュー情報がポインタにより指定されると」という部 分について、「指定」とは、操作メニュー情報の領域にポインタが入るのみでよいのか、操作メニュー情報の領域にポインタを入れたうえでクリック等の操作が必要なのかという点である。 乙9システムは、パソコンなどの「データ処理システムにおけるドラッグアンドドロップ操作する際のスクロールに関する」ものであり、パソコンなど のデータ処理シス 必要なのかという点である。 乙9システムは、パソコンなどの「データ処理システムにおけるドラッグアンドドロップ操作する際のスクロールに関する」ものであり、パソコンなど のデータ処理システムにおける操作に関する技術分野に属する。本件発明の技 術分野は、「マウスに代表されるポインティングデバイス等の入力装置を利用して、コンピュータシステムにおけるシステム利用者の入力行為を支援するためのコンピュータプログラムに関するもの」である。本件発明と乙9システムとは、いずれもパソコンなどのデータ処理システムにおける操作に関する際の発明として、共通の技術分野に属する。 乙9システムにおいては、ドラッグアンドドロップ操作している間、すなわち、マウスボタンが押されている間に、マウスインジケータ116(Themouseindicator116)のスクロールバー106(Thescrollbar106)における位置によって、自動的にスクロールが実行される(乙9の2の4頁21行目~25行目)。具体的には、マウスボタンが 押されている間に、マウスインジケータ(Themouseindicator116)がスクロールバー(Thescrollbar106)の左矢印移動コントロール110(Theleftarrowmovementcontrol110)に位置すると、表示画面が1ユニット単位左へスクロールし、マウスインジケータ116(Themouse ind icator116)がスクロールバー106(Thescrollbar106)のグレイエリア132(Thegreyarea132)に位置すると、表示画面が左へ1ウィンドウ画面単位スクロールする。なお、当該スクロールは、「マウスボタンが押下されてい ollbar106)のグレイエリア132(Thegreyarea132)に位置すると、表示画面が左へ1ウィンドウ画面単位スクロールする。なお、当該スクロールは、「マウスボタンが押下されている間に、事前設定された時間量の経過ごとに」行われる。また、スクロールバーサム134(Thescr ollbarthumb134)が、表示されている画面の表示情報全体における相対位置を表すので、当該スクロールにより、その位置が変更し、すなわち、スクロールバー(Thescrollbar106)の表示が変更する。 したがって、乙9システムは、クリック等の動作を伴わずに、スクロールバ ーがポインタにより指定されるだけで、スクロール命令を実行するものである。 乙8発明2は、「スクロール操作を容易に行うことができるスクロール制御装置を提供することを目的としている」(乙8公報の【0008】)。また、乙9システムの目的も、スクロール操作を容易に行うことができるスクロール制御装置の提供である。 このように本件発明と乙9システムの目的は共通するところ、乙9システム におけるスクロールバー(Thescrollbar106)は、乙8発明の第2の実施の形態におけるページスクロールバー又はスムーズスクロールバーに相当するので、乙9システムにおけるスクロールバーの操作に関する内容について乙8発明2に適用することを、自然に想到できる。 したがって、乙9システムの自動スクロールの仕組みを乙8発明2に適用し て本件発明の構成とすることは、当業者にとって容易に想到し得るものである。 (原告の主張)乙9システムにおいては、スクロールバーが常に表示されている。乙9システムのスクロールバーは、乙8公報の「第1の実施の形態」のス とは、当業者にとって容易に想到し得るものである。 (原告の主張)乙9システムにおいては、スクロールバーが常に表示されている。乙9システムのスクロールバーは、乙8公報の「第1の実施の形態」のスクロールバーと「解決すべき課題」が大きく異なり、「作用、機能の共通性」がなく、「発明 の効果の共通性」もない。乙9システムを本件発明の引用発明とすることは不適格である。乙8公報の第1類型の発明について、乙9システムのスクロールバーを表示する組み合わせる動機付けも示唆もなく、組み合わせることには阻害要因がある。 構成要件B、構成要件E、構成要件G 乙9システムは、構成要件B、構成要件E、構成要件Gに相当する構成を有していない。被告は、乙9システムのスクロールバー全体が「操作メニュー情報」に相当する旨主張していると考えられるが、前記のとおり、スクロールバー全体が「操作メニュー情報」に相当するものではない。 また、乙9システムにおいて、スクロールバー全体の表示が変更したことに よって、実行される命令が異なることは明らかではなく、乙9システムには、 「データ状態情報」に関連付いた「操作情報」が記憶手段に記憶されている(構成要件B)に相当する構成があるとはいえない。 乙9システムのスクロールバーは常に表示したままであることが前提のスクロールバーである。そのため、特定の状態で表示したり、消したりするような開示はない。仮に、これを乙8公報の「第1の実施の形態」と組み合わせた としても、乙8公報の「第1の実施の形態」の特殊なスクロールバーは、マウスカーソルの位置に表示されるのであって、ドラッグ操作に伴って、「画面の右端又は下端」にスクロールバーを表示したり、消したりするような構成とはならない。したがって、「第 特殊なスクロールバーは、マウスカーソルの位置に表示されるのであって、ドラッグ操作に伴って、「画面の右端又は下端」にスクロールバーを表示したり、消したりするような構成とはならない。したがって、「第1の実施の形態」に乙9システムを組み合わせたとしても、構成要件E、構成要件Gに相当する構成となることはない。 4 明確性要件違反の無効理由があるか(争点2-4)について(被告の主張)構成要件Gには、「(4)前記入力手段を介して、前記開始動作命令の受信に対応する、前記命令ボタンが利用者によって離されたことによる終了動作命令を受信すると、前記出力手段へ表示している前記メニュー情報の表示を終了す ること、」との記載がある。しかしながら、この「メニュー情報」は前出がなく、引用の基礎がない。 したがって、本件特許の特許請求の範囲の請求項3は、不明瞭な記載を含むものであり、明確ではない(特許法36条6項2号)。 構成要件Dには、「(1)前記入力手段を介して、前記入力手段における命令 ボタンが利用者によって押されたことによる開始動作命令を受信した後から、利用者によって当該押されていた命令ボタンが離されたことによる終了動作命令を受信するまでにおいて、以下の(2)及び(3)を行うこと、」との記載がある。 一方、構成要件Gには、「(4)前記入力手段を介して、前記開始動作命令の 受信に対応する、前記命令ボタンが利用者によって離されたことによる終了動 作命令を受信すると、前記出力手段へ表示している前記メニュー情報の表示を終了すること、」という記載がある。 ここで、構成要件Dと構成要件Gに「終了動作命令」という命令が記載されているが、これらが同じものなのか異なるものなのかが不明である。 したがって、本件特許の特許請求 すること、」という記載がある。 ここで、構成要件Dと構成要件Gに「終了動作命令」という命令が記載されているが、これらが同じものなのか異なるものなのかが不明である。 したがって、本件特許の特許請求の範囲の請求項3は、不明瞭な記載を含む ものであり、明確ではない。 (原告の主張)構成要件Gの「メニュー情報」は「操作」の文字が省略されたにすぎない。 構成要件Gの「メニュー情報」から「操作」の文字が省略されていても、構成要件Gの「メニュー情報」には、「前記」と前置きがあり、「メニュー情報」の 文字を含むものは「操作メニュー情報」しかない。したがって、構成要件Gの「前記メニュー情報」が、構成要件B、E、Fの「操作メニュー情報」であることは明確である。 また、本件発明の特許請求の範囲に記載されている「画像」は、「操作メニュー情報」だけであるから、「表示が終了する」とあれば、「操作」の文字が省略 されて、「メニュー情報」とだけ記載されていたとしても、「操作メニュー情報」と特定できる。 そして、本件明細書において、構成要件Fを説明している「入力手段における命令ボタンが利用者によって離されると、出力手段に表示されていた操作メニュー情報の表示が終了する。」(【0022】)との記載や、【図4】のフローチ ャートにおいて構成要件Gの動作を説明した符号S5 には「操作メニュー情報の表示を終了する。」と記載されていることから、本件明細書からも、構成要件Gの「前記メニュー情報」が「操作メニュー情報」であることは明確に理解できる。 構成要件Dの「終了動作命令」と構成要件Gの「終了動作命令」について 被告は、構成要件Dの「終了動作命令」と構成要件Gの「終了動作命令」は、同じものなのか異なるものなのかが不明であ 成要件Dの「終了動作命令」と構成要件Gの「終了動作命令」について 被告は、構成要件Dの「終了動作命令」と構成要件Gの「終了動作命令」は、同じものなのか異なるものなのかが不明であると主張するが、その根拠を示していない。 本件明細書には「「開始動作命令」が発せられて受信してから、「終了動作命令」が発せられて受信するまでは、入力手段において特定の命令ボタン等を 利用者が押す行為を継続していることを、処理手段は認識することができる。」(【0019】)と記載があり、これを当業者が読めば、「開始動作命令」と「終了動作命令」の間に、対応関係があると理解する。そして、「開始動作命令」は、構成要件Dにしかないのであるから、対応関係からすれば、当業者は、構成要件Dと構成要件Gの「終了動作命令」が同一の電気信号と理解する。「開始動作 命令」と「終了動作命令」の対応関係から、当業者にとり、構成要件Dと構成要件Dの「終了動作命令」が同一であることは明確である。 以上
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