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昭和40(オ)437 家屋明渡等請求

裁判所

昭和42年11月30日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所 昭和38(ネ)409

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1,394 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人らの負担とする。理由 上告代理人宮武太、同橋本敦の上告理由一について。第一審判決添付第一物件目録(一)の建物は被上告人の所有に属し、被上告人は上告人に対して同建物を賃料一ケ月二万円、毎月末払の約束で賃貸した旨の原審の認定は、挙示の証拠関係に照らして首肯できないものではなく、原判決に所論の違法は認められない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰し、採ることができない。同二(1)(3)について。被上告人の訴外Dに対する債権譲渡および同訴外人の上告人Aに対する相殺はいずれも権利濫用ないし、公序良俗違反であり、また前記(一)の建物の月額家賃が二万円であることも公序良俗違反である旨の所論は、原審の認定した事実関係係のもとにおいては、認めることができない。原判決に所論の違法はなく、論旨は、原審の認定にそわない事実を付加した独自の見解であつて、採ることができない。同二(2)について。民法五〇九条は、不法行為の被害者をして現実の弁済により損害の填補をうけしめるとともに、不法行爲の誘発を防止することを目的とするものであるから、不法行爲に基づく損害賠償債権を自働債権とし不法行爲による損害賠償債権以外の債権を受働債権として相殺をすることまでも禁止する趣旨ではないと解するのを相当する。ところで、訴外Dは、同訴外人が被上告人から譲り受けた、被上告人の上告人Aに対する貸金二七万八、〇〇〇円、昭和三一年六月一日から同月一二日までの月額- 1 -二万円の割合による家賃および同日から翌年八月三一日までの民法五四五条三項に基づく家賃相当の損害金合計三〇万円、合わせて総計五七万八、〇〇〇円の債権を自働債権とし、同 月一二日までの月額- 1 -二万円の割合による家賃および同日から翌年八月三一日までの民法五四五条三項に基づく家賃相当の損害金合計三〇万円、合わせて総計五七万八、〇〇〇円の債権を自働債権とし、同訴外人と上告人との間の土地売買契約解除に基づく代金内金五七万一、八七五円の返還債権を受働債権として、対当額において相殺する旨の意思表示をしたことは、原審の適法に認定したところであり、そして右の受働債権が不法行為に基づく損害賠償債権でないことは明らかである。 賃および同日から翌年八月三一日までの民法五四五条三項に基づく家賃相当の損害金合計三〇万円、合わせて総計五七万八、〇〇〇円の債権を自働債権とし、同訴外人と上告人との間の土地売買契約解除に基づく代金内金五七万一、八七五円の返還債権を受働債権として、対当額において相殺する旨の意思表示をしたことは、原審の適法に認定したところであり、そして右の受働債権が不法行為に基づく損害賠償債権でないことは明らかである。してみれば、仮りに所論のように右自働債権の中に不法行為に基づく債権が含まれているとしても、これを自働債権とする相殺が許されないとする所論は理由がなく、所論の相殺を有効とした原審の判断は、正当といわなければならない。それゆえ、論旨は採ることができない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官大隅健一郎裁判官入江俊郎裁判官長部謹吾裁判官松田二郎裁判官岩田誠- 2 -

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