【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人らの負担とする。 理 由 上告代理人青木幸男の上告理由について 原審の確定した事実関係は、(一) 本
主文本件上告を棄却する。 上告費用は上告人らの負担とする。 理由上告代理人青木幸男の上告理由について原審の確定した事実関係は、(一) 本件各土地は、もと被上告人の前身a村の大字bの所有に属し、字c部落を含む付近住民の採草放牧や自家用薪炭材採取等の入会地として利用されていたものであるが、国の部落有林野統一の方針に従い、大正末期に、入会住民全員の同意のもとに入会権の存続を条件として、a村に贈与された、(二) 右贈与の際付された条件には、「従来各部落民ニ於テ樹木竹ヲ植栽シ又ハ天然樹木竹ヲ保育シタルモノニ対シテハ其立木竹伐採ニ際シ保護報償トシテ関係部落民ニ其売却代金ノ十分ノ七ヲ交付シ村ハ十分ノ三ヲ収得スルコト」という条項があつた、(三) a村は、本件各土地を含む入会原野の所持権取得にあたり、右条項の趣旨に沿つた部分林設定条例を制定し、入会住民が人工造林や天然の樹木を保護し、造林組合を結成して、右樹木の売却代金を同村と造林組合が三分と七分の割合で分収するよう奨励した、(四) 上告人らの属する字c部落の住民は、右条例に従つて、本件各土地上の天然の樹木を保護撫育し、造林組合を結成して、同組合名義で同村に伐採申請をし、これを受けて同村が右樹木を業者などに売却し、その代金の内三分を同村が取得し、七分を同組合に交付してきた、(五) 本件各土地上の天然の樹木である櫟の木については、昭和三〇年代以降薪炭材を採取する者がいなくなり、他方椎茸原木として市場価格が高騰したため、採草放牧地の整備管理作業の一環として入会住民が伐採するほかは保護撫育し、前記のとおり被上告人から造林組合名義で売却代金の七分の交付を受ける方法により収益してきた、というのであり、原審の以上の認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし是認す 入会住民が伐採するほかは保護撫育し、前記のとおり被上告人から造林組合名義で売却代金の七分の交付を受ける方法により収益してきた、というのであり、原審の以上の認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし是認することができ、- 1 -その過程に所論の違法はない。 右事実関係によれば、本件各土地に存在する入会権が入会権者らにおいて本件各土地上に生育する天然の立木を所有することを内容とするものであるということはできないし、本件においては他に本件各土地上に生育する天然の立木について土地の所有権が及ばない特段の事情が存在することの主張立証もないから、本件各土地上に生育する天然の立木については、土地の構成部分として、本件各土地の所有権が及ぶものというべきである。そうすると、本件各土地上に生育する天然の立木である櫟の木が本件各土地の所有者である被上告人の所有に属するとした原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は原審の認定にそわない事実若しくは独自の見解に基づいて原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官藤島昭裁判官牧圭次裁判官島谷六郎裁判官香川保一裁判官奧野久之- 2 - 川保一裁判官奧野久之- 2 -
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