平成24(ワ)21480 放送受信料支払等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成29年3月29日 東京地方裁判所
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判決文本文69,295 文字)

平成29年3月29日判決言渡同日原本領収裁判所書記官号,第21484号,第21485号,第21486号,第21487号,第21488号,第21489号,第21490号,第21491号及び1562号放送受信料支払等請求事件口頭弁論終結日平成29年1月11日判決 主文 1 被告株式会社東横インは,原告に対し,17億5334万1790円を支払え。 2 被告聖徳ビル企画株式会社は,原告に対し,4432万8720円を支払え。 3 被告株式会社ホスピタルイン企画開発は,原告に対し,2363万0730円を支払え。 4 被告株式会社東横インアーキテクトは,原告に対し,735万3030円を支払え。 5 被告ToyokoInnInternationalLimitedは,原告に対し,3496万8990円を支払え。 6 被告株式会社smart東横インは,原告に対し,359万2320円を支払え。 7 被告株式会社東横インホテル企画開発は,原告に対し,1543万5750円を支払え。 8 被告株式会社ホテル高輪は,原告に対し,1784万9340円を支払え。 9 被告株式会社パートナーズ21は,原告に対し,1173万1170円を支払え。 10 被告株式会社オフィース河野は,原告に対し,210万2490円を支払え。 11 被告株式会社佐伯商事は,原告に対し,460万2660円を支払え。 12 被告聖徳商事株式会社は,原告に対し,443万4270円を支払え。 13 被告 11 被告株式会社佐伯商事は,原告に対し,460万2660円を支払え。 12 被告聖徳商事株式会社は,原告に対し,443万4270円を支払え。 13 被告株式会社たのやく出版は,原告に対し,594万9780円を支払え。 14 原告の被告株式会社東横インに対するその余の請求を棄却する。 15 訴訟費用は,原告に生じた費用の50分の1を原告の負担とし,その余を被告らの負担とする。 16 この判決は,1項から13項までに限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 被告株式会社東横インは,原告に対し,17億5898万1370円を支払え。 2 主文2項~13項と同旨。 第2 事案の概要 被告らに対し,被告らがそれぞれ運営するホテルの客室等合計3万4426か所に遅くとも平成24年1月までに設置した衛星放送受信機について,平成26年2月28日付けで放送受信契約書が提出されたことにより,原告と被告らとの間において,それぞれ放送受信契約が成立し,被告らが当該受信機 の設置の月から放送受信料の支払義務を負うとして,平成24年1月~平成26年1月の期間における放送受信料合計19億2932万1040円の支払を求めるとともに被告株式会社東横インに対し,同被告が平成25年10月まで運営していたホテル「東横インa 駅新幹線口」の客室114室に遅くとも平成24年1月までに設置した衛星放送受信機について,選択的に,①同被告が放送受信契約の締結の申込みを承諾する義務を負うことにより,原告と同被告との間において,放送受信契約が成立し,同被告が当該受信機の設置の月から放送受信料の支払義務を負うとして,平成24年1月~平 が放送受信契約の締結の申込みを承諾する義務を負うことにより,原告と同被告との間において,放送受信契約が成立し,同被告が当該受信機の設置の月から放送受信料の支払義務を負うとして,平成24年1月~平成25年10月の期間における放送受信料563万9580円の支払を求め,又は,②同被告に上記放送受信料と同額の不当利得が生じているとして,その返還を求める(同被告に対する請求額合計17億5898万1370円)事案である。 1 争いのない事実等次の事実は,当事者間に争いがないか,証拠(甲1の1~3,甲2,3,乙46)及び弁論の全趣旨によって容易に認められる。 当事者ア原告は,放送法の規定に基づいて,公共の福祉のために,あまねく日本全国において受信できるように豊かで,かつ,良い放送番組による国内基幹放送(国内放送である基幹放送をいう。以下同じ。)を行うとともに,放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行うことなどの目的を達成するために設立された法人である(放送法15,16条)。 イ被告株式会社東横イン(以下「被告東横イン」という。)は,ホテルの経営等を目的とする株式会社であり,平成25年10月まで,別紙「ホテル目録A」(以下「本件目録A」という。)記載の各ホテル(以下「本件ホテルA」という。)を運営していたものであり,同年11月以降は,本件ホテルAのうち本件目録A記載134のホテル(以下「東横インa 駅新幹線口」という。)を除く各ホテルを運営している(なお,東横インa 駅新幹線口については,平成25年10月に 経営主体が訴外の別会社に変更された。)。 ウ被告聖徳ビル企画株式会社(以下「被告聖徳ビル企画」という。)は,ホテルの経営等を目的とする株式会社であり,別紙「ホテル目録B」(以下「本件目録B」という。)記載の の別会社に変更された。)。 ウ被告聖徳ビル企画株式会社(以下「被告聖徳ビル企画」という。)は,ホテルの経営等を目的とする株式会社であり,別紙「ホテル目録B」(以下「本件目録B」という。)記載の各ホテル(以下「本件ホテルB」という。)を運営している。 エ被告株式会社ホスピタルイン企画開発(旧商号「株式会社東横インマネージメント」。以下「被告ホスピタルイン企画開発」という。)は,ホテルの経営等を目的とする株式会社であり,別紙「ホテル目録C」(以下「本件目録C」という。)記載の各ホテル(以下「本件ホテルC」という。)を運営している。 オ被告株式会社東横インアーキテクト(以下「被告東横インアーキテクト」という。)は,ホテルの経営等を目的とする株式会社であり,別紙「ホテル目録D」(以下「本件目録D」という。)記載の各ホテル(以下「本件ホテルD」という。)を運営している。 カ被告ToyokoInnInternationalLimited(以下「被告東横インインターナショナル」という。)は,ホテル及び飲食店並びに小売店の経営等を目的として,アイルランド法に基づいて設立された法人であり,別紙「ホテル目録E」(以下「本件目録E」という。)記載の各ホテル(以下「本件ホテルE」という。)を運営している。 キ被告株式会社smart東横イン(以下「被告smart東横イン」という。)は,ホテルの経営等を目的とする株式会社であり,別紙「ホテル目録F」(以下「本件目録F」という。)記載のホテル(以下「本件ホテルF」という。)を運営している。 ク被告株式会社東横インホテル企画開発(旧商号「株式会社東横インホテルコンド」。以下「被告東横インホテル企画開発」という。)は,ホテルの経営等を目的とする株式会社であり,別紙「ホテル目録G」(以 ク被告株式会社東横インホテル企画開発(旧商号「株式会社東横インホテルコンド」。以下「被告東横インホテル企画開発」という。)は,ホテルの経営等を目的とする株式会社であり,別紙「ホテル目録G」(以下「本件目録G」という。)記載の各ホテル(以下「本件ホテルG」という。)を運営している。 ケ被告株式会社ホテル高輪(以下「被告ホテル高輪」という。)は,ホテルの経営等を目的とする株式会社であり,別紙「ホテル目録H」(以下「本件目録H」という。)記載の各ホテル(以下「本件ホテルH」という。)を運営している。 コ被告株式会社パートナーズ21(以下「被告パートナーズ21」という。)は,ホテルの経営等を目的とする株式会社であり,別紙「ホテル目録I」(以下「本件目録I」という。)記載の各ホテル(以下「本件ホテルI」という。)を運営している。 サ被告株式会社オフィース河野(以下「被告オフィース河野」という。)は,ホテルの経営等を目的とする株式会社であり,別紙「ホテル目録J」(以下「本件目録J」という。)記載のホテル(以下「本件ホテルJ」という。)を運営している。 シ被告株式会社佐伯商事(以下「被告佐伯商事」という。)は,ホテルの経営等を目的とする株式会社であり,別紙「ホテル目録K」(以下「本件目録K」という。)記載のホテル(以下「本件ホテルK」という。)を運営している。 ス被告聖徳商事株式会社(以下「被告聖徳商事」という。)は,ホテルの経営等を目的とする株式会社であり,別紙「ホテル目録L」(以下「本件目録L」という。)記載のホテル(以下「本件ホテルL」という。)を運営している。 セ被告株式会社たのやく出版(以下「被告たのやく出版」という。)は,ホテルの経営等を目的とする株式会社であり,別紙「ホテル目録M」(以下「本件目録 以下「本件ホテルL」という。)を運営している。 セ被告株式会社たのやく出版(以下「被告たのやく出版」という。)は,ホテルの経営等を目的とする株式会社であり,別紙「ホテル目録M」(以下「本件目録M」という。)記載のホテル(以下「本件ホテルM」といい,本件ホテルAから本件ホテルMまでを併せて「本件各ホテル」という。)を運営している。 放送法及び放送受信規約ア放送法64条 原告の放送を受信することのできる受信設備を設置した者(以下「受信設備設置者」という。)は,原告との間に,当該放送の受信についての契約(以下「放送受信契約」という。)を締結しなければならない(放送法64条1項)。 原告は,あらかじめ総務大臣の認可を受けた基準によるのでなければ,前項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない(放送法64条2項)。 原告は,第1項の契約の条項については,あらかじめ総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも,同様とする(放送法64条3項)。 イ放送受信規約原告は,放送法64条1項の定めにより放送受信設備(受信機)を設置した者との間に締結される放送受信契約の条項について,同条3項に基づき総務大臣の認可を受けた日本放送協会放送受信規約(以下,特に断らない限り,平成24年6月13日の改正(平成24年10月1日施行)又は平成25年5月29日の改正(平成25年6月1日施行)の前後を問わず「規約」という。)を定めている。 その内容は,次のとおりである。 受信機(家庭用受信機,携帯用受信機,自動車用受信機,共同受信用受信機等で,原告のテレビジョン放送を受信することのできる受信設備をいう。以下同じ。)のうち,地上系によるテレビジョン放送のみを受信できるテ 機(家庭用受信機,携帯用受信機,自動車用受信機,共同受信用受信機等で,原告のテレビジョン放送を受信することのできる受信設備をいう。以下同じ。)のうち,地上系によるテレビジョン放送のみを受信できるテレビジョン受信機(以下「地上受信機」という。)を設置(使用できる状態におくことをいう。以下同じ。)した者は,地上契約(地上系によるテレビジョン放送の受信についての放送受信契約のことをいう。規約1条1項)を,衛星系によるテレビジョン放送を受信できるテレビジョン受信機(以下「衛星受信機」という。)を設置した者は,衛星契約(衛星系及び地上系によるテレビジョン放送の受信についての放送受信契約のことをいう。規約1条1項)を締結しなければならない(規約1条2項)。 事業所等住居以外の場所に設置する受信機についての放送受信契約は,受信機の設置場所ごとに行なうものとする(規約2条2項)。 受信機の設置場所の単位は,部屋,自動車又はこれらに準ずるものの単位による(規約2条4項)。 放送受信料の金額は,契約種別に応じて定められ,継続振込等(後「継続振込」及び同④の「その他の支払方法」のことをいう。規約5条1項)による支払の場合に適用される放送受信料の金額は,次のとおりである。 ① 平成24年9月30日まで(平成24年6月改正前の規約5条1項,2項)衛星契約について月額2290円(消費税及び地方消費税を含む。以下同じ。),地上契約について月額1345円(消費税及び地方消費税を含む。以下同じ。)。 ただし,沖縄県の区域に居住する者の支払うべき放送受信料の金額は,衛星契約について月額2135円(消費税及び地方消費税を含む。以下同じ。),地上契約について月額1190円(消費税及び地方消費税を含む。以下同じ。)。 ② 平成24年10月1 放送受信料の金額は,衛星契約について月額2135円(消費税及び地方消費税を含む。以下同じ。),地上契約について月額1190円(消費税及び地方消費税を含む。以下同じ。)。 ② 平成24年10月1日以降(平成24年6月改正後の規約5条1項,2項)衛星契約について月額2220円(消費税及び地方消費税を含む。以下同じ。),地上契約について月額1275円(消費税及び地方消費税を含む。以下同じ。)。 ただし,沖縄県の区域に居住する者の支払うべき放送受信料の金額は,衛星契約について月額2065円(消費税及び地方消費税を含む。以下同じ。),地上契約について月額1120円(消費税及び地方消費税を含む。以下同じ。)。 放送受信契約者は,受信機の設置の月から放送受信料の支払義務を負う(規約5条1項)。 事業所契約に関する特例(事業所割引)事業所等住居以外の場所に設置する受信機について放送受信契約を締結する場合において,1の者が,同一敷地内に設置した受信機すべてについて必要な放送受信契約を締結しており,その契約件数が免除基準の「全額免除」が適用される放送受信契約を除き合計2件以上であり,支払期間を同じくして一括して放送受信料を支払う場合は,所定の手続を行うことにより,同一敷地内に設置した受信機についての放送受信契約のうち1件を除外した残りのそれぞれについて,放送受信料額から,規約5条に定める放送受信料額の半額を減じて支払うものとする(規約5条の5第1項前段。以下,この特例を「事業所割引」という。)。 事業所割引を適用された放送受信契約者は,申込書記載の内容に変更が生じたときは,直ちに,その旨を放送局に届け出なければならない(規約5条の5第4項)。 原告は,申込書記載の内容に虚偽があること又は前項の届け出がないことが判明 約者は,申込書記載の内容に変更が生じたときは,直ちに,その旨を放送局に届け出なければならない(規約5条の5第4項)。 原告は,申込書記載の内容に虚偽があること又は前項の届け出がないことが判明した場合,申込書の提出時又は申込書記載の内容に変更が生じたと認められる時に遡り,事業所割引を適用しないことができる。放送受信契約者が特例の適用された放送受信料を別に定める期限までに支払わない場合は,原告は,当該請求期間及び当該請求期間後の放送受信料に関して事業所割引を適用しないことができる(規約5条の5第5項)。 放送受信料は,第1期(4月及び5月),第2期(6月及び7月),第3期(8月及び9月),第4期(10月及び11月),第5期(12月及び1月),第6期(2月及び3月)の各期に,当該期分を一括して支払わなければならない(規約6条1項)。 放送受信料の支払方法は,次のとおりである(規約6条3項,4項)。 ① 口座振替: 原告の指定する金融機関に設定する預金口座等から原告の指定日に自動振替によって行う支払② クレジットカード継続払(平成24年6月改正後の規約においては「クレジットカード等継続払」。以下,規約改正の前後を問わず「クレジットカード継続払」という。): 原告の指定するクレジットカード会社(同改正後の規約においては「クレジットカード会社等」。以下,規約改正の前後を問わず「クレジットカード会社」という。)との契約に基づき,クレジットカード会社に継続して立て替えさせることによって行う支払③ 継続振込: 原告の指定する金融機関,郵便局又はコンビニエンスストア等において,原告が定期的に送付する払込用紙を用いて,原告の指定する支払期日までに継続して払い込むことによって行う支払④ その他の支払方法: 原告の指定する 機関,郵便局又はコンビニエンスストア等において,原告が定期的に送付する払込用紙を用いて,原告の指定する支払期日までに継続して払い込むことによって行う支払④ その他の支払方法: 原告の指定する金融機関等を通じて,若しくは原告の 指定する場所での支払,又は重度の障害により継続振込による支払が困難な者等,別に定める要件を備えた放送受信契約者による,その者の住居若しくはその者があらかじめ放送局に申し出た場所での支払 放送受信契約者が,口座振替により放送受信料を支払おうとする場合は,原告が定める「放送受信料口座振替利用届」を,クレジットカード継続払により放送受信料を支払おうとする場合は,原告が定める「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」(同改正後の規約においては「放送受信料クレジットカード等継続払利用申込書」。以下,規約改正の前後を問わず「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」という。)を,あらかじめ提出しなければならない(規約6条5項,10項)。口座振替又はクレジットカード継続払による支払は,「放送受信料口座振替利用届」,「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」を原告が受理した月の属する期の翌期以降の期分の放送受信料から適用される(規約6条6項,11項)。 被告東横インによる受信機の設置及び放送受信料の支払状況等被告東横インは,遅くとも平成24年1月には,本件ホテルAの客室合計4万0807室並びに本件目録A記載15,同24,同175及び同209の各ホテルのロビー合計4か所の合計4万0811か所にそれぞれ衛星受信機を設置し,そのうち客室合計9414室に設置された衛星受信機について,原告との間で放送受信契約(衛星契約)を締結し,原告に対し,その放送受信料の支払をした。 原告は,同年3月14日,被 衛星受信機を設置し,そのうち客室合計9414室に設置された衛星受信機について,原告との間で放送受信契約(衛星契約)を締結し,原告に対し,その放送受信料の支払をした。 原告は,同年3月14日,被告東横インに対し,本件ホテルAに設置された衛星受信機のうち,未だ放送受信契約が締結されていなかった本件目録Aの各「設置場所」欄記載の設置場所合計3万1397か所(客室合計3万1393室並びに本件目録A記載15,同24,同175及び同209の各ホテルのロビー合計4か所)にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機A」という。)について,放送法64条1項に基づく放送受信契約の締結を申し込む旨の同日付け書面を交付したが,被告東横インは,原告に対し,放送受信契約の締結を承諾する旨の意思表示 を行わなかった。 平成25年10月,東横インa 駅新幹線口の経営主体が被告東横インから訴外の別会社に変更されたところ,被告東横インは,平成26年2月28日付けで,原告に対し,本件受信機Aのうち東横インa 駅新幹線口のホテルの客室114室を除く合計3万1283か所に設置された衛星受信機(以下,これを「本件受信機A1」といい,東横インa 駅新幹線口の客室114室に設置された受信機を「本件受信機A2」という。なお,被告東横インは,東横インa 駅新幹線口の経営主体の変更に伴い,平成25年11月以降,本件受信機A2の設置主体ではない。)について,放送受信契約書(乙46)を提出し,同日,原告と被告東横インの間に,その放送受信契約(支払方法を「継続振込(請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立した。 被告東横インは,原告に対し,本件受信機A1に係る平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料を,本件受信機A2に係る平成24年1月~平 コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立した。 被告東横インは,原告に対し,本件受信機A1に係る平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料を,本件受信機A2に係る平成24年1月~平成25年10月の期間の放送受信料をそれぞれ支払わず,いずれもその間,「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」を提出しなかった。 被告聖徳ビル企画による受信機の設置及び放送受信料の支払状況等被告聖徳ビル企画は,遅くとも平成24年1月には,本件ホテルBの客室合計1062室にそれぞれ衛星受信機を設置し,そのうち客室合計266室に設置された衛星受信機について,原告との間で,放送受信契約(衛星契約)を締結し,原告に対し,その放送受信料の支払をした。 被告聖徳ビル企画は,平成26年2月28日付けで,原告に対し,本件ホテルBに設置された衛星受信機のうち,未だ放送受信契約が締結されていなかった本件目録Bの各「設置場所」欄記載の客室合計796室にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機B」という。)について放送受信契約書(乙46)を提出し,同日,原告と被告聖徳ビル企画の間に,その放送受信契約(支払方法を「継続振込 (請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立した。 被告聖徳ビル企画は,原告に対し,本件受信機Bに係る平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料を支払わず,その間,「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」を提出しなかった。 被告ホスピタルイン企画開発による受信機の設置及び放送受信料の支払状況等被告ホスピタルイン企画開発は,遅くとも平成24年1月には,本件ホテルCの客室合計561室にそれぞれ衛星受信機を設置 被告ホスピタルイン企画開発による受信機の設置及び放送受信料の支払状況等被告ホスピタルイン企画開発は,遅くとも平成24年1月には,本件ホテルCの客室合計561室にそれぞれ衛星受信機を設置し,そのうち客室合計140室に設置された衛星受信機について,原告との間で,放送受信契約(衛星契約)を締結し,原告に対し,その放送受信料の支払をした。 被告ホスピタルイン企画開発は,平成26年2月28日付けで,原告に対し,本件ホテルCに設置された衛星受信機のうち,未だ放送受信契約が締結されていなかった本件目録Cの各「設置場所」欄記載の客室合計421室にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機C」という。)について,放送受信契約書(乙46)を提出し,同日,原告と被告ホスピタルイン企画開発の間に,その放送受信契約(支払方法を「継続振込(請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立した。 被告ホスピタルイン企画開発は,原告に対し,本件受信機Cに係る平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料を支払わず,その間,「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」を提出しなかった。 被告東横インアーキテクトによる受信機の設置及び放送受信料の支払状況等被告東横インアーキテクトは,遅くとも平成24年1月には,本件ホテルDの客室合計175室にそれぞれ衛星受信機を設置し,そのうち客室合計44室に設置された衛星受信機について,原告との間で,放送受信契約(衛星契約)を締結し,原告に対し,その放送受信料の支払をした。 被告東横インアーキテクトは,平成26年2月28日付けで,原告に対し,本件ホテルDに設置された衛星受信機のうち,未だ放送受信契約が締結されていなかった本件目録Dの各「 信料の支払をした。 被告東横インアーキテクトは,平成26年2月28日付けで,原告に対し,本件ホテルDに設置された衛星受信機のうち,未だ放送受信契約が締結されていなかった本件目録Dの各「設置場所」欄記載の客室合計131室にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機D」という。)について,放送受信契約書(乙46)を提出し,同日,原告と被告東横インアーキテクトの間に,その放送受信契約(支払方法を「継続振込(請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立した。 被告東横インアーキテクトは,原告に対し,本件受信機Dに係る平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料を支払わず,その間,「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」を提出しなかった。 被告東横インインターナショナルによる受信機の設置及び放送受信料の支払状況等被告東横インインターナショナルは,遅くとも平成24年1月には,本件ホテルEの客室合計710室,本件目録E記載3のホテルの食堂1か所及び同目録記載4のホテルのロビー1か所の合計712か所にそれぞれ衛星受信機を設置し,そのうち客室合計89室に設置された衛星受信機について,原告との間で,放送受信契約(衛星契約)を締結し,原告に対し,その放送受信料の支払をした。 被告東横インインターナショナルは,平成26年2月28日付けで,原告に対し,本件ホテルEに設置された衛星受信機のうち,未だ放送受信契約が締結されていなかった本件目録Eの各「設置場所」欄記載の合計623か所(客室合計621室,本件目録E記載3のホテルの食堂1か所及び同目録記載4のホテルのロビー1か所)にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機E」という。)について,放送受信契約書(乙4 3か所(客室合計621室,本件目録E記載3のホテルの食堂1か所及び同目録記載4のホテルのロビー1か所)にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機E」という。)について,放送受信契約書(乙46)を提出し,同日,原告と被告東横インインターナショナルの間に,その放送受信契約(支払方法を「継続振込(請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立した。 被告東横インインターナショナルは,原告に対し,本件受信機Eに係る平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料を支払わず,その間,「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」を提出しなかった。 被告smart東横インによる受信機の設置及び放送受信料の支払状況等被告smart東横インは,遅くとも平成24年1月には,本件ホテルFの客室85室にそれぞれ衛星受信機を設置し,そのうち客室合計21室に設置された衛星受信機について,原告との間で,放送受信契約(衛星契約)を締結し,原告に対し,その放送受信料の支払をした。 被告smart東横インは,平成26年2月28日付けで,原告に対し,本件ホテルFに設置された衛星受信機のうち,未だ放送受信契約が締結されていなかった本件目録Fの「設置場所」欄記載の客室64室にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機F」という。)について,放送受信契約書(乙46)を提出し,同日,原告と被告smart東横インの間に,その放送受信契約(支払方法を「継続振込(請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立した。 被告smart東横インは,原告に対し,本件受信機Fに係る平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料を支払わず,その間,「放送受信料口座振替利用届」又は「 」とする衛星契約)が成立した。 被告smart東横インは,原告に対し,本件受信機Fに係る平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料を支払わず,その間,「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」を提出しなかった。 被告東横インホテル企画開発による受信機の設置及び放送受信料の支払状況等被告東横インホテル企画開発は,遅くとも平成24年1月には,本件ホテルGの客室合計367室にそれぞれ衛星受信機を設置し,そのうち客室合計92室に設置された衛星受信機について,原告との間で,放送受信契約(衛星契約)を締結し,原告に対し,その放送受信料の支払をした。 被告東横インホテル企画開発は,平成26年2月28日付けで,原告に対し,本 件ホテルGに設置された衛星受信機のうち,未だ放送受信契約が締結されていなかった本件目録Gの各「設置場所」欄記載の客室合計275室にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機G」という。)について,放送受信契約書(乙46)を提出し,同日,原告と被告東横インホテル企画開発の間に,その放送受信契約(支払方法を「継続振込(請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立した。 被告東横インホテル企画開発は,原告に対し,本件受信機Gに係る平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料を支払わず,その間,「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」を提出しなかった。 被告ホテル高輪による受信機の設置及び放送受信料の支払状況等被告ホテル高輪は,遅くとも平成24年1月には,本件ホテルHの客室合計424室にそれぞれ衛星受信機を設置し,そのうち客室合計106室に設置された衛星受信機について,原告との間で,放送 支払状況等被告ホテル高輪は,遅くとも平成24年1月には,本件ホテルHの客室合計424室にそれぞれ衛星受信機を設置し,そのうち客室合計106室に設置された衛星受信機について,原告との間で,放送受信契約(衛星契約)を締結し,原告に対し,その放送受信料の支払をした。 被告ホテル高輪は,平成26年2月28日付けで,原告に対し,本件ホテルHに設置された衛星受信機のうち,未だ放送受信契約が締結されていなかった本件目録Hの各「設置場所」欄記載の客室合計318室にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機H」という。)について,放送受信契約書(乙46)を提出し,同日,原告と被告ホテル高輪の間に,その放送受信契約(支払方法を「継続振込(請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立した。 被告ホテル高輪は,原告に対し,本件受信機Hに係る平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料を支払わず,その間,「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」を提出しなかった。 被告パートナーズ21による受信機の設置及び放送受信料の支払状況等 被告パートナーズ21は,遅くとも平成24年1月には,本件ホテルIの客室合計279室にそれぞれ衛星受信機を設置し,そのうち客室合計70室に設置された衛星受信機について,原告との間で,放送受信契約(衛星契約)を締結し,原告に対し,その放送受信料の支払をした。 被告パートナーズ21は,平成26年2月28日付けで,原告に対し,本件ホテルIに設置された衛星受信機のうち,未だ放送受信契約が締結されていなかった本件目録Iの各「設置場所」欄記載の客室合計209室にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機I」という。)について,放送受信契約書(乙46 受信機のうち,未だ放送受信契約が締結されていなかった本件目録Iの各「設置場所」欄記載の客室合計209室にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機I」という。)について,放送受信契約書(乙46)を提出し,同日,原告と被告パートナーズ21の間に,その放送受信契約(支払方法を「継続振込(請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立した。 被告パートナーズ21は,原告に対し,本件受信機Iに係る平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料を支払わず,その間,「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」を提出しなかった。 被告オフィース河野による受信機の設置及び放送受信料の支払状況等被告オフィース河野は,遅くとも平成24年1月には,本件ホテルJの客室52室にそれぞれ衛星受信機を設置し,そのうち客室13室に設置された衛星受信機について,原告との間で,放送受信契約(衛星契約)を締結し,原告に対し,その放送受信料の支払をした。 被告オフィース河野は,平成26年2月28日付けで,原告に対し,本件ホテルJに設置された衛星受信機のうち,未だ放送受信契約が締結されていなかった本件目録Jの「設置場所」欄記載の客室39室にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機J」という。)について,放送受信契約書(乙46)を提出し,同日,原告と被告オフィース河野の間に,その放送受信契約(支払方法を「継続振込(請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立した。 被告オフィース河野は,原告に対し,本件受信機Jに係る平成24年1月~平成 26年1月の期間の放送受信料を支払わず,その間,「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」を提 河野は,原告に対し,本件受信機Jに係る平成24年1月~平成 26年1月の期間の放送受信料を支払わず,その間,「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」を提出しなかった。 被告佐伯商事による受信機の設置及び放送受信料の支払状況等被告佐伯商事は,遅くとも平成24年1月には,本件ホテルKの客室82室にそれぞれ衛星受信機を設置した。 被告佐伯商事は,平成26年2月28日付けで,原告に対し,本件目録Kの「設置場所」欄記載の客室82室にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機K」という。)について,放送受信契約書(乙46)を提出し,同日,原告と被告佐伯商事の間に,その放送受信契約(支払方法を「継続振込(請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立した。 被告佐伯商事は,原告に対し,本件受信機Kに係る平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料を支払わず,その間,「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」を提出しなかった。 被告聖徳商事による受信機の設置及び放送受信料の支払状況等被告聖徳商事は,遅くとも平成24年1月には,本件ホテルLの客室105室にそれぞれ衛星受信機を設置し,そのうち客室26室に設置された衛星受信機について,原告との間で,放送受信契約(衛星契約)を締結し,原告に対し,その放送受信料の支払をした。 被告聖徳商事は,平成26年2月28日付けで,原告に対し,本件ホテルL に設置された衛星受信機のうち,未だ放送受信契約が締結されていなかった本件目録Lの「設置場所」欄記載の客室79室にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機L」という。)について,放送受信契約書(乙46)を提出し,同日,原告と被 送受信契約が締結されていなかった本件目録Lの「設置場所」欄記載の客室79室にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機L」という。)について,放送受信契約書(乙46)を提出し,同日,原告と被告聖徳商事の間に,その放送受信契約(支払方法を「継続振込(請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立した。 被告聖徳商事は,原告に対し,本件受信機Lに係る平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料を支払わず,その間,「放送受信料口座振替利用届」又は 「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」を提出しなかった。 被告たのやく出版による受信機の設置及び放送受信料の支払状況等被告たのやく出版は,遅くとも平成24年1月には,本件ホテルMの客室142室にそれぞれ衛星受信機を設置し,そのうち客室36室に設置された衛星受信機について,原告との間で,放送受信契約(衛星契約)を締結し,原告に対し,その放送受信料の支払をした。 被告たのやく出版は,平成26年2月28日付けで,原告に対し,本件ホテルMに設置された衛星受信機のうち,未だ放送受信契約が締結されていなかった本件目録Mの「設置場所」欄記載の客室106室にそれぞれ設置された衛星受信機(以下「本件受信機M」といい,本件受信機Aから本件受信機Mまでを併せて「本件各受信機」という。)について,放送受信契約書(乙46)を提出し,同日,原告と被告たのやく出版の間に,その放送受信契約(支払方法を「継続振込(請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立した。 被告たのやく出版は,原告に対し,本件受信機Mに係る平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料を支払わず,その間,「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利 た。 被告たのやく出版は,原告に対し,本件受信機Mに係る平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料を支払わず,その間,「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」を提出しなかった。 2 争点 被告らの本件各受信機のうち本件受信機A2を除いたものに係る放送受信料支払義務の発生(争点1)被告東横インの本件受信機A2に係る放送受信料支払義務又は放送受信料相当額の不当利得返還義務の発生(争点2)具体的には,①受信設備設置者が放送法64条1項に基づいて放送受信契約締結義務を負うかどうか,②放送受信契約が原告の放送受信契約締結の申込みの到達により,申込みを受けた受信設備設置者の承諾の意思表示を得ることなく成立するものであるかどうか,③規約2条2項,4項(規約のうち,事業所等の住居以外の場所に設置された放送受信設備に関し,設置場所毎に放送受信契約を締結すべきもの と定め,住居に設置された放送受信設備の場合と差異を設けている部分)が放送法64条1項に反し,違法無効であるかどうか,④被告東横インが本件受信機A2について放送受信契約を締結せずに放置したことにより,その放送受信料の支払を免れたという利益を得て,原告が放送受信料相当額の支払を受けることができないという損失を被ったかどうか。 受信契約締結等義務の免除合意の成否-抗弁(争点3)具体的には,①平成20年合意,平成22年据え置き合意及び平成23年据え置き合意の成否,その前提として,受信契約締結等義務(放送受信契約を締結する義務及び放送受信料を支払う義務)の免除合意が放送法64条2項に反するものであるかどうか,②平成20年合意(ただし,平成22年据え置き合意及び平成23年据え置き合意による変更後のもの)所定の条件が成就し 及び放送受信料を支払う義務)の免除合意が放送法64条2項に反するものであるかどうか,②平成20年合意(ただし,平成22年据え置き合意及び平成23年据え置き合意による変更後のもの)所定の条件が成就したかどうか,③仮に,受信契約締結等義務の免除合意が無効であるとしても,原告が上記の合意が放送法64条2項に違反して無効である旨を主張することは,禁反言の原則に反して許されないものであるかどうか。 事業所割引の遡及適用の有無-抗弁(争点4) 3 争点1(被告らの本件各受信機のうち本件受信機A2を除いたものに係る放送受信料支払義務の発生)に関する当事者の主張(原告の主張)本件各受信機のうち本件受信機A2(東横インa 駅新幹線口の客室114室に設置されたもの)を除いたものについては,被告らから平成26年2月28日付けで放送受信契約書(乙46)が提出され,同日,原告と被告らとの間に,それぞれ放送受信契約(支払方法を「継続振込(請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立したものであるから,被告らには,規約5条1項に基づき,放送受信契約者として当該受信機の設置の月から放送受信料の支払義務が発生したものである。 被告らが本件各ホテルに本件各受信機を設置した時期は,いずれも遅くとも平成 24年1月であり,本件各受信機のうち本件受信機A2を除いたものに係る同月~平成26年1月の期間の放送受信料については,被告らから「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」が提出されていない以上,継続振込等による放送受信料額が適用される。 そうすると,①被告東横インが本件受信機A1について支払うべき平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表A」(以 継続振込等による放送受信料額が適用される。 そうすると,①被告東横インが本件受信機A1について支払うべき平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表A」(以下「本件一覧表A」という。)の「番号134のホテルを除いた各ホテルに係る請求合計金額」欄記載のとおり17億5334万1790円であり,②被告聖徳ビル企画が本件受信機Bについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表B」(以下「本件一覧表B」という。)の「請求合計金額」欄記載のとおり,4432万8720円であり(ただし,本件目録B記載1のホテル(「b東口I号館」)につき,同ホテルの改装工事の関係で,平成24年10月以降の1か月分の請求を控える。),③被告ホスピタルイン企画開発が本件受信機Cについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表C」(以下「本件一覧表C」という。)の「請求合計金額」欄記載のとおり,2363万0730円であり,④被告東横インアーキテクトが本件受信機Dについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表D」(以下「本件一覧表D」という。)の「請求合計金額」欄記載のとおり,735万3030円であり,⑤被告東横インインターナショナルが本件受信機Eについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表E」(以下「本件一覧表E」という。)の「請求合計金額」欄記載のとおり,3496万8990円であり,⑥被告smart東横インが本件受信機Fについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表F」(以下「本件一覧表F」という。)の「請求合計金額」欄記載のとおり,359万2320円であり,⑦被告東横インホテル企画開発が本件受信機Gについて支払うべ 送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表F」(以下「本件一覧表F」という。)の「請求合計金額」欄記載のとおり,359万2320円であり,⑦被告東横インホテル企画開発が本件受信機Gについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表G」(以下「本件一覧表G」という。)の「請求合計金額」欄記 載のとおり,1543万5750円であり,⑧被告ホテル高輪が本件受信機Hについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表H」(以下「本件一覧表H」という。)の「請求合計金額」欄記載のとおり,1784万9340円であり,⑨被告パートナーズ21が本件受信機Iについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表I」(以下「本件一覧表I」という。)の「請求合計金額」欄記載のとおり,1173万1170円であり,⑩被告オフィース河野が本件受信機Jについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表J」(以下「本件一覧表J」という。)の「請求合計金額」欄記載のとおり,210万2490円であり(ただし,ホテルの改装工事の関係で,平成24年10月以降の1か月分の請求を控える。),⑪被告佐伯商事が本件受信機Kについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表K」(以下「本件一覧表K」という。)の「請求合計金額」欄記載のとおり,460万2660円であり,⑫被告聖徳商事が本件受信機Lについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表L」(以下「本件一覧表L」という。)の「請求合計金額」欄記載のとおり,443万4270円であり,⑬被告たのやく出版が本件受信機Mについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表M」(以下「本件一覧表M」と う。)の「請求合計金額」欄記載のとおり,443万4270円であり,⑬被告たのやく出版が本件受信機Mについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,別紙「請求額等一覧表M」(以下「本件一覧表M」という。)の「請求合計金額」欄記載のとおり,594万9780円である。 したがって,原告は,被告らに対し,それぞれ本件各受信機のうち本件受信機A2を除く各受信機に係る放送受信料支払請求(一部請求)として,上記の金額の支払を求めることができる。 (被告らの主張)争う。 4 争点2(被告東横インの本件受信機A2に係る放送受信料支払義務又は放送受信料相当額の不当利得返還義務の発生)に関する当事者の主張(原告の主張) 受信設備設置者の放送受信契約締結義務放送法は,「放送を公共の福祉に適合するように規律し,その健全な発達を図ることを目的」として制定されており(放送法1条),これを達成するために,放送受信料を経済的基盤とする原告による放送(放送法3章)と広告料などを経済的基盤とする民間放送事業者(原告以外の基幹放送事業者及び一般放送事業者。放送法5章,6章)による放送の二元体制を採用している。放送受信料は,公共放送事業者である原告のほぼ唯一の財源として,公共放送事業者である原告の維持・運営を支えるために,原告が受信設備設置者一般から徴収する特殊な負担金であり,そのために負担の平等,公平な分担が強く要請されている。放送受信契約は,受信設備設置者に対し,放送受信料の支払債務を発生させるための法技術として,放送法により創設された契約であり,同法64条1項は,受信設備設置者に対して,放送受信契約の締結を強制する趣旨で,放送受信契約を締結すべき法的義務を課しているものである(単なる努力義務規定,訓示規定にとどまるものではない。 約であり,同法64条1項は,受信設備設置者に対して,放送受信契約の締結を強制する趣旨で,放送受信契約を締結すべき法的義務を課しているものである(単なる努力義務規定,訓示規定にとどまるものではない。)。 この放送受信契約締結義務には,①受信設備設置者において,原告に対して放送受信契約締結の申込みをする義務が含まれるのはもちろん,②受信設備設置者が適正な申込義務の履行を怠ったときには,原告が上記受信設備設置者に対して放送受信契約締結の申込みをし,原告からその申込みを受けた上記設置者において,これを承諾する義務が含まれているものと解するのが相当であり,その申込みを受けた上記受信設備設置者においてその承諾を拒絶することが許容されていない以上,当該放送受信契約は,その申込みの到達により,申込みを受けた受信設備設置者の承諾の意思表示を得ることなく成立するものというべきである。 放送法64条1項により成立する放送受信契約の内容放送法64条1項により成立する放送受信契約の内容として,あらかじめ総務大臣の認可を受けた規約が制定されているところ,規約は,制定・変更について透明性,公開性を有する手続による認可を受けて制定・変更されるという適正性を確保する厳格な手続が採られ,その適法性,合理性が確保されており,その内容につい ても,個々の放送受信契約者が原告の放送を現実に視聴しないことを解約事由とせず,受信設備設置者が放送受信契約の手続の時期にかかわらず放送受信設備(受信機)を設置した月からの放送受信料の支払義務を負うなど,同条の内容を具体的に反映し,適合したものとなっているものであり,規約は,放送受信契約の内容として,その文言どおりの効力を有するものと解される。 したがって,原告の放送を受信することのできる受信設備(受信機)を事業所等 映し,適合したものとなっているものであり,規約は,放送受信契約の内容として,その文言どおりの効力を有するものと解される。 したがって,原告の放送を受信することのできる受信設備(受信機)を事業所等住居以外の場所に設置した者は,放送法64条1項により,原告から放送受信契約締結の申込みを受けて,放送受信契約が成立した場合,当該設置場所ごとにその放送受信設備を設置した月からの放送受信料支払義務を負うものというべきである。 被告東横インの放送受信料支払義務の発生被告東横インは,東横インa 駅新幹線口について放送受信契約書を提出しないが,原告は,被告東横インに対し,平成24年3月14日付け書面をもって,本件受信機Aにつき,放送法64条1項に基づく放送受信契約の締結の申込みをしたのであるから,被告東横インは,本件受信機A2について,自らを放送受信契約者とする各放送受信契約(衛星契約)の締結の申込みを各承諾する義務を負い,これを拒絶することが許容されていない以上,本件受信機A2については,遅くとも被告東横インが上記書面による申込みを受領した日である同日において,原告と被告東横インとの間に放送受信契約(衛星契約)が成立したものというべきであり,被告東横インには,本件受信機A2に係る同年1月~平成25年10月の期間の放送受信料を支払う義務が発生したものである。 本件受信機A2に係る平成24年1月~平成25年10月の期間の放送受信料については,被告東横インから「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」が提出されていない以上,継続振込等による放送受信料額が適用され,その放送受信料の合計額は,本件一覧表Aの「番号134のホテルに係る請求合計金額」欄記載のとおり,563万9580円である。 被告東横インの ない以上,継続振込等による放送受信料額が適用され,その放送受信料の合計額は,本件一覧表Aの「番号134のホテルに係る請求合計金額」欄記載のとおり,563万9580円である。 被告東横インの放送受信料相当額の不当利得返還義務の発生 仮に,原告と被告東横インとの間に本件受信機A2についての放送受信契約が成立しなかったとしても,被告東横インは,本件受信機A2を設置したにもかかわらず,放送法64条1項の明文の規定に反して,放送受信契約を締結せずに放置したことにより,その放送受信料の支払を免れたという利益を得ており,他方,原告は,被告東横インが支払を免れた額と同額の放送受信料相当額の支払を受けることができないという損失を被ったものである。そして,被告東横インは,放送受信契約締結義務があるにもかかわらず,かかる義務を履行せずして不当に本件受信機A2に係る放送受信料の支払を免れたのであって,このような被告東横インの利益に法律上の原因がないことは明らかであるから,被告東横インには,原告に対する不当利得返還義務が発生したものというべきである。 被告東横インが上記により得た利益は,少なくとも原告が上記のとおり被告東横インが本件受信機A2を設置したことを確認した日の属する月である平成24年1月から平成25年10月までの期間の放送受信料相当額である563万9580円であり,原告が被った損失も,同額の563万9580円である。 したがって,原告は,被告東横インに対し,本件受信機A2に係る放送受信料支払請求(一部請求)又は放送受信料相当額の不当利得返還請求として,563万9580円(本件受信機A1に係る放送受信料請求と合わせて17億5898万1370円)の支払を求めることができる。 (被告東横インの主張)被告東横インは,次のと 利得返還請求として,563万9580円(本件受信機A1に係る放送受信料請求と合わせて17億5898万1370円)の支払を求めることができる。 (被告東横インの主張)被告東横インは,次のとおり,本件受信機A2について,原告との間で放送受信契約を締結する義務を負うものではなく,原告は,被告東横インに対し,本件受信機A2に係る放送受信料の支払又は不当利得の返還を求めることができない。 放送法64条1項は,受信設備設置者について,原告との間で放送受信契約を締結しなければならない旨を定めているが,これは,受信設備設置者からの自発的な契約申込みを想定した努力義務規定,訓示規定であり,受信設備設置者に対し,放送受信契約締結義務を課してその契約締結を私法上強制する規定ではない。 同項は,原告が受信設備設置者から放送受信料を強制的に徴収し得る構成を採用することが困難であるとの考えに基づき,放送受信料の支払義務擬制や放送受信契約の締結擬制を採用せず,あえて「契約を締結しなければならない」という文言を採用したものである。契約締結の強制は,契約自由の原則を大幅に制限するものであり,その適用については,極めて厳格に解さなければならず,また,全国すべての都道府県において民間放送事業者の放送を視聴することができる現在において,原告は,その役割を果たし終え,受信設備設置者から強制的かつ多額の放送受信料を徴収しなければ,その業務が立ち行かなくなるということもない。放送受信料の法的性質が原告からの放送サービスを受信し,当該放送を視聴し得ることの対価である以上,放送受信契約は,受信設備設置者の自発的意思表示により,原告との意思が合致することによってのみ成立するというべきである。放送法には,受信設備設置者に対して放送受信契約の締結を強制するための手続規 上,放送受信契約は,受信設備設置者の自発的意思表示により,原告との意思が合致することによってのみ成立するというべきである。放送法には,受信設備設置者に対して放送受信契約の締結を強制するための手続規定もなく,同法64条1項については,原告が受信設備設置者に対して放送受信契約の締結や放送受信料の支払を司法手続等の法的手続によって強制することを想定していないものと解釈せざるを得ない。原告の請求は,放送法に反するものであり,失当である。 仮に,放送法64条1項が受信設備設置者に対して放送受信契約の締結を強制するものであったとしても,同法は,受信設備設置者に対し,受信設備設置者という「人」を単位として原告との間で1件の放送受信契約を締結する義務を課したものであり,規約のうち,事業所等の住居以外の場所に設置された放送受信設備(受信機)に関し,設置場所毎に放送受信契約を締結すべきものと定め,住居に設置された放送受信設備の場合(「人」を単位として契約を締結しなければならないと定める。)と差異を設けている部分(規約2条2項,4項)は,その場所に放送受信設備を設置した者に対して過重な負担を課すものであって,放送法64条1項に反し,違法無効である。 したがって,原告の放送を受信することのできる受信設備を事業所等住居以外の場所に設置した者は,放送法64条1項により契約の締結を強制されて放送受信契 約が成立した場合において,当該設置場所毎にその放送受信設備を設置した月からの放送受信料支払義務を負うものではない。 5 争点3(受信契約締結等義務の免除合意の成否)に関する当事者の主張(被告らの主張) 受信契約締結等義務の免除合意の成立ア平成9年合意原告の担当者と被告東横インの代表者であったcは,平成9年2月18日,本件各 意の成否)に関する当事者の主張(被告らの主張) 受信契約締結等義務の免除合意の成立ア平成9年合意原告の担当者と被告東横インの代表者であったcは,平成9年2月18日,本件各ホテルの各客室等に設置された受信機に係る放送受信契約の締結件数について交渉をし,その結果,原告と被告ら(被告らの前身たる各法人を含む。以下同じ。)との間において,本件各ホテルの各客室等に設置された受信機の数の5%に当たる件数について放送受信契約を締結すれば,その余の受信機については放送受信契約の締結も放送受信料の支払も要しない旨の合意(以下「平成9年合意」という。)が成立した。 平成9年合意の成立の後,被告らは,新たにホテルを設置・運営した際にも,原告との間で,当該ホテルに設置した受信機の数の5%に当たる件数について放送受信契約書を提出し,原告も,当該放送受信契約書を受理するとともに,被告らから支払われた当該件数に基づく放送受信料について,特段異議を留めることなく受領していた(なお,被告らは,平成9年合意を事情として主張するものである。)。 イ平成20年合意 平成18年に入り,原告が会計検査院から原告と被告らとの間の放送受信契約の締結件数についての契約比率を5%から上げるよう求められたため,原告と被告らとの間で,放送受信契約の締結件数について再度交渉が行われた。この際,原告は,被告らに対し,全国のホテル・旅館におけるテレビ設置数に対する放送受信契約の平均締結率が55.5%であるのに比して5%が低率であることを理由とするのみで,100%の契約締結までは求めていなかった。被告らは,検討を重ねた結果,平成20年6月3日,原告に対し,ホテル業界の競争激化による稼働率の伸 び悩み,被告らの宿泊料金の低廉さ,契約規模の大きさなどの事情 契約締結までは求めていなかった。被告らは,検討を重ねた結果,平成20年6月3日,原告に対し,ホテル業界の競争激化による稼働率の伸 び悩み,被告らの宿泊料金の低廉さ,契約規模の大きさなどの事情により,上記比率を20%に引き上げることが譲歩できる最大限度である旨を申し入れた。原告と被告らとの間で更に交渉が重ねられ,最終的には100%,すなわち,受信機設置数と同数について契約を締結することを条件に,一定期間にわたって段階的に契約の締結率を引き上げていく方法を検討することとなり,被告らは,同年7月17日に,原告に対し,まず当面の放送受信契約の締結率を5%から20%に引き上げた上で,平成26年8月をもって100%の契約となるよう,段階的に契約の締結率を引き上げることを書面で提案した。そして,被告らの担当者であるdと原告の営業局法人営業センター長であったe が交渉を続け,平成20年10月1日,被告東横インの代表執行役であったf が「放送受信契約に関する申込書」(乙44,45。以下「本件申込書」という。)に押印して,これを原告に送付したことにより,被告らと原告との間で,本件各ホテルの各客室に設置された受信機に係る放送受信契約につき,締結率を段階的に変更していく旨の合意(以下「平成20年合意」という。)が成立した。 平成20年合意の具体的内容は,次のとおりであり,その性質は,被告らにおいて本件申込書に記載された条件を成就した場合には,原告が被告らに対し,被告らが原告に対して放送法や規約に基づき負担する放送受信契約を締結する義務及び放送受信料を支払う義務(以下「受信契約締結等義務」という。)を本件申込書に定めた限度において免除するとの停止条件付きの免除合意である。 平成20年合意成立当時に存在していたホテル(以下「既存ホテル」とい 払う義務(以下「受信契約締結等義務」という。)を本件申込書に定めた限度において免除するとの停止条件付きの免除合意である。 平成20年合意成立当時に存在していたホテル(以下「既存ホテル」という。)に設置された受信機に係る放送受信契約については,平成20年10月1日をもって,既存ホテルの客室数の20%に相当する数の契約を締結し,原告に対 ⒝ 被告らは,既存ホテルに設置された受信機に係る放送受信契約については,① 平成21年10月1日までに客室数の25%に相当する数の契約,② 平成22年10月1日までに客室数の30%に相当する数の契約, ③ 平成23年10月1日までに客室数の35%に相当する数の契約,④ 平成24年10月1日までに客室数の40%に相当する数の契約,⑤ 平成25年10月1日までに客室数の100%に相当する数の契約をそれぞれ締結し,原告に対し,当該各契約に基づく放送受信料を支払う(本件申 ⒞ 被告らにおいて新規に開設するホテル(以下「新設ホテル」という。)に設置される受信機に係る放送受信契約については,① 平成20年10月1日から平成21年9月30日の間に開設するホテルについては,当該ホテルの客室数の20%に相当する数の契約,② 平成21年10月1日から平成22年9月30日の間に開設するホテルについては,当該ホテルの客室数の25%に相当する数の契約,③ 平成22年10月1日から平成23年9月30日の間に開設するホテルについては,当該ホテルの客室数の30%に相当する数の契約,④ 平成23年10月1日から平成24年9月30日の間に開設するホテルについては,当該ホテルの客室数の35%に相当する数の契約,⑤ 平成24年10月1日から平成25年9月30日の間に開設するホテ ④ 平成23年10月1日から平成24年9月30日の間に開設するホテルについては,当該ホテルの客室数の35%に相当する数の契約,⑤ 平成24年10月1日から平成25年9月30日の間に開設するホテルについては,当該ホテルの客室数の40%に相当する数の契約,⑥ 平成25年10月1日以降に開設するホテルについては,当該ホテルの客室数の100%に相当する数の契約をそれぞれその営業許可日において締結し,原告に対し,当該各契約に基づく放送 被告らは,新設ホテルに設置された受信機に係る放送受信契約についても,① 平成21年10月1日までに客室数の25%に相当する数の契約,② 平成22年10月1日までに客室数の30%に相当する数の契約,③ 平成23年10月1日までに客室数の35%に相当する数の契約,④ 平成24年10月1日までに客室数の40%に相当する数の契約, ⑤ 平成25年10月1日までに客室数の100%に相当する数の契約をそれぞれ締結し,原告に対し,当該各契約に基づく放送受信料を支払う(本件申 ウ平成22年据え置き合意及び平成23年据え置き合意 被告東横インの代表執行役であったg 及びdは,平成22年9月,原告の営業局営業推進センター法人営業部専任部長であったh及び同部副部長であったi と会談し,h及びi に対し,当時の被告らの財政状況を説明した上で,同年10月1日から予定されている30%への契約率引上げを1年間猶予するよう求めたところ,hらから「事情はよくわかりました。東横インさんには大口でお世話になっていますので仕方ないですね。」との回答がされ,原告と被告らとの間においては,遅くとも同日までに,既に成立済みの平成20年合意に基づき被告らが負担する「同日から契約率を30%に引き上げる 世話になっていますので仕方ないですね。」との回答がされ,原告と被告らとの間においては,遅くとも同日までに,既に成立済みの平成20年合意に基づき被告らが負担する「同日から契約率を30%に引き上げる」との義務の履行を1年間猶予する,すなわち,平成20年合意にかかわらず平成23年9月30日まで契約率を25%に据え置く旨の合意(以下「平成22年据え置き合意」という。)が成立した。 g 及びdは,平成23年9月下旬,原告の営業局営業推進センター法人営業部長であったjと会談し,jに対し,当時の被告らの財政状況を説明した上で,平成22年据え置き合意による猶予期間を更に1年間延長するよう求めたところ,jからは明確な回答がされなかったものの,原告は,被告らに対し,平成23年10月1日以降,25%の契約率(平成20年合意によれば,平成23年10月1日以降の契約率は,35%となるはずであった。)を超える放送受信契約の締結も放送受信料の支払も請求しなかったのであり,原告と被告らとの間においては,遅くとも同日までに,平成22年据え置き合意に基づく契約率引上げ猶予期間を平成23年10月1日から1年間延長する旨,すなわち,平成20年合意にかかわらず,平成24年9月30日まで契約率を25%に据え置く旨の合意(以下「平成23年据え置き合意」という。)が成立した。 平成22年据え置き合意及び平成23年据え置き合意により,原告及び被告 らとの間においては,既存ホテル及び新設ホテルにおける放送受信契約の締結率を,平成20年合意で定められた上記各締結率とは異なり,平成24年9月30日まで25%に据え置くこととされたものであり,平成22年据え置き合意及び平成23年据え置き合意の法的性質は,停止条件付き免除合意である平成20年合意で定められた停止条件を一部変更す 24年9月30日まで25%に据え置くこととされたものであり,平成22年据え置き合意及び平成23年据え置き合意の法的性質は,停止条件付き免除合意である平成20年合意で定められた停止条件を一部変更する合意である。そして,被告らにおいては,平成20年合意(ただし,平成22年据え置き合意及び平成23年据え置き合意による変更後のもの)で定められたとおりの締結率で,原告と放送受信契約を締結し,原告に対して放送受信料を支払ってきた上,平成26年2月,被告らが開設・運営するすべてのホテルについて100%の締結率で原告と放送受信契約を締結したのであるから,被告らは,平成20年合意に定められた条件をすべて成就したものというべきである。 したがって,被告らが負担する受信契約締結等義務については,平成20年合意,平成22年据え置き合意及び平成23年据え置き合意に基づき,本件申込書に規定された限度において免除されたものというべきである。 なお,被告らは,平成24年10月1日以降に40%の締結率による放送受信契約の締結をしておらず,また,被告らによる上記条件成就は,平成20年合意で定められた期限である平成25年10月1日よりも遅れているが,これらは,原告が平成20年合意(並びに平成22年据え置き合意及び平成23年据え置き合意)を一方的に破棄して平成24年7月に本件訴訟を提起したという原告の責めに帰すべき事由によるものであるから,この事実により上記免除の効力が影響を受けることはないものというべきである。 受信契約締結等義務を免除する合意は,放送法64条2項に違反するものではない。 放送法64条2項は,「協会は,あらかじめ,総務大臣の認可を受けた基準によるのでなければ,前項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない。」 違反するものではない。 放送法64条2項は,「協会は,あらかじめ,総務大臣の認可を受けた基準によるのでなければ,前項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない。」旨を定めているところ,その文理上は,原告に対し,既に原 告との間で放送受信契約を締結して放送受信料支払義務を負っている放送受信契約者から徴収すべき放送受信料について,総務大臣の認可を受けた基準によることなく免除することのみを禁止した規定であって,当時の被告らのような未だ放送受信契約を締結していない者との間で放送受信契約の締結を要しない旨の合意をすることまで禁止した規定ではない(なお,放送法64条2項に違反した場合には,原告の役員に100万円以下の罰金が科されること(放送法185条参照)からすれば,罪刑法定主義により,これを拡大解釈することは許されない。)。 確かに,本件申込書(乙44,45)には,「この申込書は,放送法や放送受信規約の定めを順守するためのものであってこれらを排除しようとするものでなく,この申込書に基づいて合意が成立した場合でも,放送法,放送受信規約に従うものであることを表明します。」と記載されているが,他方,被告らが放送受信契約未締結分の放送受信料について後日支払うことを約するような記載は一切ない。また,e は,d宛ての平成20年8月18日付けのメール(乙43)において,「『受信規約に基づいた契約(100%)を行っている』との事実関係を双方が対外的に説明するため,案として作成」した旨や,「最終的に書面での合意後,問い合わせがあった場合等の対外的なコメントの摺り合わせもお願いしたい」旨を記していたことなどからすれば,本件申込書の上記記載は,対外的な説明のために原告において設けたものにすぎないものと考えるのが相当である。 った場合等の対外的なコメントの摺り合わせもお願いしたい」旨を記していたことなどからすれば,本件申込書の上記記載は,対外的な説明のために原告において設けたものにすぎないものと考えるのが相当である。 実際にも,原告は,各都道府県の旅館生活衛生同業組合を始めとする各団体との間で放送受信料の契約取次ぎ及び収納業務の委託契約を締結することにより,当該各団体の団体員に対し,徴収すべき放送受信料の63%を実質的に免除する運用を行っている。また,原告は,医療機関の入院施設に設置された放送受信設備につき,そのすべてについて放送受信契約を締結しない運用を長年にわたって行った結果,当該受信設備設置者(いわゆる貸テレビ業者)に対する放送受信料の支払請求権を時効によって消滅させているが(なお,放送受信料の支払請求権の消滅時効期間は,5年である。),その法的効果は,被告らの主張する受信契約締結等義務を 免除する合意を締結することと何ら変わるところはない。このように,原告は,被告らが主張する上記合意と実質的には何ら異ならない運用を長年にわたって行ってきており,上記各運用が放送法64条2項に反するものではなく,これらと実質的に同一である原告と被告らとの間の上記合意も,同条項に違反するものではないというべきである。 仮に,被告らの主張する受信契約締結等義務の免除合意が放送法64条2項に違反して無効であるとしても,原告は,被告らとの間で,度重なる協議の上で上記合意を成立させ,本件訴訟に至るまで長年にわたり上記合意に基づいた運用を続けてきたのであるから,原告が,現段階において,上記合意が放送法64条2項に違反して無効である旨を主張することは,禁反言の原則に反して許されないものというべきである。 以上によれば,被告らが原告との間で締結した放送受信契約 段階において,上記合意が放送法64条2項に違反して無効である旨を主張することは,禁反言の原則に反して許されないものというべきである。 以上によれば,被告らが原告との間で締結した放送受信契約を超えて放送受信契約を締結する義務はなく,原告に対して平成24年1月~平成26年1月の期間における放送受信料を支払う義務もない。 (原告の主張) 放送法64条2項により,原告は,あらかじめ総務大臣の認可を受けた基準によるのでなければ放送受信料を免除してはならないものとされている。これは,放送受信料が公共放送機関の維持・運営のための財源として放送法により定められたものであり,広く国民(受信設備設置者)一般に公平に負担されるべきものであることから,原告による恣意的な免除を排する趣旨である。これを受けて,原告は,日本放送協会放送受信料免除基準(甲60。以下「免除基準」という。)を定めているが,この中に,被告らが主張するような「合意による免除」は含まれておらず,原告が受信契約締結等義務を免除する合意をすることは,放送法上許容されていない。放送法64条は,当事者間で放送法や規約と異なる合意をすることを禁止する強行法規であり,受信契約締結等義務を免除する合意は,放送法,規約に違反するものであり,無効である。 したがって,原告が被告らとの間で受信契約締結等義務を免除する合意をすることはあり得ない。 被告らが平成9年合意の根拠として挙げる書面(乙37,38の1~12,乙39等)には,免除合意の存在をうかがわせるような文言は一切なく,かえって,原告の当時の法人営業センター長k 作成に係る平成19年10月25日付け「NHK放送受信契約締結に関する通知」(乙37)には,規約に従った客室に設置された受信機全数の放送受信契約の締結を求める って,原告の当時の法人営業センター長k 作成に係る平成19年10月25日付け「NHK放送受信契約締結に関する通知」(乙37)には,規約に従った客室に設置された受信機全数の放送受信契約の締結を求める記載があるのであり,平成9年合意の成立は,認められない。 イ被告らが平成20年合意の根拠として挙げる書面(乙41,42,44,45等)には,免除合意の存在をうかがわせるような文言は一切ない。本件申込書(乙44,45)は,一定割合の放送受信契約を締結する旨の申入れにすぎず,被告らが原告にその余の放送受信契約締結の免除を求める意思表示とは到底解されない。かえって,本件申込書には,本件申込書に基づいて合意が成立したとしても,放送受信契約の締結を怠っている残りの受信機については,放送法や規約の定めに則り,別途放送受信契約を締結し,設置に遡って放送受信料を支払うという趣旨の記載があり,本件申込書が差し入れられたからといって,放送法及び規約の適用が排除されるものではない。原告は,被告らとの交渉において,法務部の管理監督の下,残部について放送受信契約の締結や放送受信料の支払の義務を免除すると受け取られることのないように細心の注意を払っていたのであり,平成20年合意の成立が認められる余地はない。 被告らは,本件申込書の上記記載について,対外的な説明のために設けたものである旨を主張するが,本件申込書の案文(甲63)においては,原告担当者が対外的に説明する便宜のための文言を設けることが検討されていたものの,最終的には当該文言を設けないこととなったのであり,対外的に説明する便宜のための文言は不要であるというのが,原告と被告らの共通認識であったといえ,本件申込書の上記記載について,対外的な説明のために設けたものであると解することはできな い。なお,e に説明する便宜のための文言は不要であるというのが,原告と被告らの共通認識であったといえ,本件申込書の上記記載について,対外的な説明のために設けたものであると解することはできな い。なお,e のd宛ての平成20年8月18日付けのメール(乙43)には,約800万円の負担減となる旨の記載があるが,これは,当該年度の負担減をいうものであり,将来にわたって差額を免除するという趣旨でない。 ウ原告担当者は,平成23年9月27日及び同年11月1日にg らと面談し,被告らの運営するホテルのすべての客室等について放送受信契約を締結するよう申し入れたが,g らがこれに応じず,物別れに終わったのであり,平成23年据え置き合意など一切されていない。 原告は,平成20年当時,被告らとの間の放送受信契約について早期に全数契約を実現すること,実現までの期間の受信料について免除しないこと,その進捗状況について会計検査院や国会において逐一明らかにすることなどが強く要請されていたところ,同年6月20日,被告らに対し,放送法及び規約に準拠した放送受信契約を締結するよう繰り返し説得に努めるとともに,それでも説得に応じない場合には訴えを提起する旨を明確に伝えた。被告らは,原告から訴えの提起を受けて,放送法に違反する状況であると指摘されることを,何としても避けたい状況にあり,他方,被告らの説明よれば,直ちに全数契約に応じて過去分についても精算するには,経済的に厳しい経営環境にもあった。原告としては,会計検査院や国会において詳細な確認をされることから,放送法や規約に反する取扱いをすることは絶対にできなかったが,他方,被告らの当時の経営状況に鑑みれば,直ちに訴えを提起し,強制執行に及ぶことについては,被告らの経営環境を更に悪化させる懸念があり,また,被告らが経営 る取扱いをすることは絶対にできなかったが,他方,被告らの当時の経営状況に鑑みれば,直ちに訴えを提起し,強制執行に及ぶことについては,被告らの経営環境を更に悪化させる懸念があり,また,被告らが経営環境改善に全力で取り組んでおり,しばらくすれば経営環境が改善することが見込まれた。そこで,原告と被告らは,交渉の結果,同年10月1日に本件申込書を差し入れることにより,全数契約とそこに至るまでの段階的な契約率(客室数に対する受信契約件数の比率)の増加について合意しつつ,その間の残余部分の放送受信料の収納については,これを免除しないことを明確化するにとどめておくこととして,妥協を図ったものであり,全数契約を達成するまでの期間の放送受信料の取扱いについては,何ら取り決められていない。 原告は,多数の受信機を設置している者に対して放送受信契約書の提出を働きかける過程で,設置している受信機のうちの一部についてであれば放送受信契約を締結してもよいとの提案を受ける場合があり,原告としては,この提案を拒否する理由はなく(むしろ,放送上,放送受信契約書が適式なものである限り,原告がこれを拒否することは認められていない。),この提案に応じているが,これは,飽くまで一方的な申入れがあった受信機の数に応じた放送受信契約を締結するものにすぎず,残りの受信機について放送受信契約の締結やそれを前提とした放送受信料の支払を免除するものではない。また,原告は,設置されている受信機の一部であっても放送受信契約を締結して放送受信料を支払っている者に対して,その残部について直ちに法的措置を取ることはせず,引き続き全数契約に向けて粘り強く働きかけを続けているが,このような対応も,残りの受信機について放送受信契約の締結やそれを前提とした放送受信料の支払を免除するものでは 直ちに法的措置を取ることはせず,引き続き全数契約に向けて粘り強く働きかけを続けているが,このような対応も,残りの受信機について放送受信契約の締結やそれを前提とした放送受信料の支払を免除するものではない。 イ原告が各都道府県のホテル,旅館等の団体と締結している業務委託は,放送受信料の一括収納等に関し,収納された放送受信料額の一定割合を委託料として支払うものであり,被告らが主張するような放送受信料の免除や割引ではない。放送受信契約すら締結されていない本件とは全く異なる場面の問題であり,当該委託料の算出基準として,放送受信料の収納額を用いることも,免除とは何ら関係がない。また,原告が貸テレビ業者に対して放送受信契約を締結しない運用などというものを行った事実は全くなく,既に締結された放送受信契約に基づく放送受信料債権については消滅時効を観念し得るとしても,放送受信契約の締結そのものの請求権が問題となっている本件で,消滅時効が問題となる余地はない。 6 争点4(事業所割引の遡及適用の有無)に関する当事者の主張(被告らの主張) 被告らは,本件各受信機のうち本件受信機A2(東横インa 駅新幹線口の客室114室に設置されたもの)を除く3万4426台を含む4万5973か所に設置された受信機について,平成26年2月28日付けで放送受信契約書(乙46) を提出し,同日,原告と被告らとの間に,それぞれ放送受信契約(支払方法を「継続振込(請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立したところ,その際,被告らは,原告に対し,規約5条の5第1項の規定に従い,上記各放送受信契約に係る事業所割引申込書(乙47)に必要事項を記入した上でこれを提出し,原告は,これを受理した。これにより,上記各契約のすべてについて事業所割引が 規約5条の5第1項の規定に従い,上記各放送受信契約に係る事業所割引申込書(乙47)に必要事項を記入した上でこれを提出し,原告は,これを受理した。これにより,上記各契約のすべてについて事業所割引が適用されることとなり,被告らは,原告に対し,平成26年2月以降,事業所割引が適用された放送受信料の支払をしているが,規約4条が放送受信契約の成立時期について受信機設置の日まで遡ることを定める以上,放送受信契約者が放送受信料を支払うべき時期もまた受信機設置の時まで遡り,事業所割引の効果も,受信機の設置日まで遡及するものと解すべきである。 この点,事業所割引の手続等について原告が定める「事業所割引規程」(乙48)は,「事業所割引の適用は,申込書を受理した月から開始する」と規定するが,この規定は,総務大臣から認可を受けた規約の趣旨に明確に反するものであり,放送法64条1項,3項に違反し,無効であるといわざるを得ない。 また,規約5条の5第5項の規定は,申込書記載の内容と事実との間に食い違いが生じていることが明らかになった場合に,当該食い違いが生じたと認められる時点に遡って事業所割引を適用しないことを認めた規定にすぎず,この規定によって事業所割引の効果が受信機の設置日まで遡及しないと解することはできない。 原告は,被告らの主張を前提とすると,任意に契約締結や支払に応じない者が有利となり,早期に全数を契約して支払をすることについてのインセンティブが全く働かなくなり,契約数の増加による公平負担の徹底という事業所割引の制度趣旨に反する旨を主張するが,任意に契約締結や支払に応じない者が有利となり,早期に全数を契約して支払をする者が経済的に不利になるという事態は,事業所割引だけではなく,消滅時効等他の制度においても生じ得るものであるから,このような事 に契約締結や支払に応じない者が有利となり,早期に全数を契約して支払をする者が経済的に不利になるという事態は,事業所割引だけではなく,消滅時効等他の制度においても生じ得るものであるから,このような事態を捉えて不都合であるとする原告の主張は,当を得ないものといわざるを得ない。また,任意に契約締結や支払に応じない場合には,原告から訴えを提起される ことになり,その応訴による経済的負担や,判決で支払を命じられた場合の遅延損害金支払の負担が生じ得ることなどを考えれば,任意に契約締結や支払に応じない者が有利になるとは一概にはいい切れない。むしろ,契約成立日に事業所割引の要件を満たしているにもかかわらず,契約成立日が遡及する場合には事業所割引の適用を認めず,遡及しない場合にのみその適用を認めるという取扱いの方が,不公平な結果を招き,かえって原告主張の制度趣旨に反することになる。 以上のとおり,事業所割引は,受信機設置の時まで遡って適用されるべきであり,これにより,平成24年1月~平成26年1月までの期間の放送受信料は,半額に減じられることになる。 (原告の主張) 規約5条の5第1項は,「所定の手続きを行うこと」を事業所割引の適用条件とし,更に同条5項は,「NHKは,申込書記載の内容に虚偽があることまたは前項の届け出がないことが判明した場合,申込書の提出時または申込書記載の内容に変更が生じたと認められる時に遡り,第1項に定める特例を適用しないことができる。放送受信契約者が特例の適用された放送受信料を別に定める期限までに支払わない場合は,NHKは,当該請求期間および当該請求期間後の放送受信料に関して第1項に定める特例を適用しないことができる」と定めている(なお,規約5条の5第5項の「前項の届け出」とは,事業所割引の申込書記載内容 ,NHKは,当該請求期間および当該請求期間後の放送受信料に関して第1項に定める特例を適用しないことができる」と定めている(なお,規約5条の5第5項の「前項の届け出」とは,事業所割引の申込書記載内容に変更が生じた場合の届け出を指す。)。この文理解釈からすれば,事業所割引が適用されるためには,受信機が設置されている状態が発生している日の属する期(規約6条)において,「所定の手続」を行うことが予定されているところ,このような定めは,通常,将来に発生する放送受信料に関する手続であると解するのが自然である。また,事業所割引を適用しない場合の上記規定(規約5条の5第5項)も,適用しない場合の遡及範囲について「申込書の提出時または申込書記載の内容に変更が生じたと認められる時」までとしており,申込書提出時より前に遡ることを想定しておらず,放送受信料不払いの場合についても,飽くまで当該不払い時点以降の放送受 信料を事業所割引不適用の対象としているのであり,過去分の放送受信料に事業所割引が適用されることは,およそ前提とされていない。したがって,事業所割引が遡及的に適用され得ないことは,規約5条の5の文理解釈上明らかである。 事業所割引の制度は,事業所の負担軽減と,契約数の増加による公平負担の徹底という2つの趣旨に基づき,平成21年2月より導入したものである。しかるに,仮に,事業所割引制度が遡及的に適用され,本件のように,原告から提訴されて放送受信契約の締結や放送受信料の支払を強制される場合においても,なお適用されるとすると,結局,任意に契約締結や支払に応じず,訴訟を提起されるまで拒否を続けた方が有利となってしまい,早期に全数を契約して支払をすることについてのインセンティブが全く働かなくなる結果となる。それでは,事業所割引の制度は,何ら契約数 に応じず,訴訟を提起されるまで拒否を続けた方が有利となってしまい,早期に全数を契約して支払をすることについてのインセンティブが全く働かなくなる結果となる。それでは,事業所割引の制度は,何ら契約数の増加による公平負担の徹底に資することはなく,単に事業所の負担の軽減ということになり,それは,制度趣旨に反する結果となる。このように,制度趣旨の観点からも,事業所割引を遡及的に適用することは相当ではなく,そのような解釈は不合理である。 なお,多数一括割引は,10件以上の放送受信契約を締結している者が,所定の条件により一括で放送受信料を支払う場合に適用されるもので,当該者が設置した受信機の全数がいくつであったかを問題にする制度ではない。したがって,多数一括割引と事業所割引とを同列に論じることはできない。 過去の時点ごとの正確な受信機の把握が困難であるという運用上の困難性からも,事業所割引を遡って適用することは不合理である。 原告は,本訴提起に先立ち,また,本訴提起後も,被告らに対し,事業所割引制度が放送受信契約締結後にしか適用されないこと,早期に放送受信契約書を提出した方が放送受信料の負担額が小さくなること等を再三説明し,放送受信契約の締結を働きかけてきた。したがって,被告らが平成24年1月~平成26年1月分の期間の放送受信料について事業所割引の適用を受けることができなかったとしても,被告らにとって酷とまではいえない。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(被告らの本件各受信機のうち本件受信機A2を除いたものに係る放送受信料支払義務の発生)について 被告らは,遅くとも平成24年1月,本件各ホテルのうち東横インa 駅新幹線口を除く各ホテルに,それぞれ本件各受信機のうち本件受信機A2を除いた受信機を設置したところ,平 払義務の発生)について 被告らは,遅くとも平成24年1月,本件各ホテルのうち東横インa 駅新幹線口を除く各ホテルに,それぞれ本件各受信機のうち本件受信機A2を除いた受信機を設置したところ,平成26年2月28日付けで,原告に対し,本件各受信機のうち本件受信機A2を除いたものについて,放送受信契約書(乙46)を提出し,同日,原告と被告らとの間に,それぞれその放送受信契約(支払方法を「継続振込(請求書支払)」,支払コースを「12か月前払」とする衛星契約)が成立したものである。 したがって,被告らは,規約5条1項に基づき,それぞれ放送受信契約者として,原告に対し,本件各受信機のうち本件受信機A2を除いた受信機に係る平成24年1月以降の放送受信料の支払義務を負う。 被告らは,原告に対し,本件各受信機のうち本件受信機A2を除いた受信機について,「放送受信料口座振替利用届」又は「放送受信料クレジットカード継続払利用申込書」(規約6条5項,10項)を提出しなかったのであり,被告らが支払うべき上記受信機に係る放送受信料額については,継続振込等による放送受信料額額)が適用されるものと認められる。 そうすると,①被告東横インが本件受信機A1について支払うべき平成24年1月~平成26年1月の期間の放送受信料の合計額は,本件一覧表Aの「番号134のホテルを除いた各ホテルに係る請求合計金額」欄記載のとおり,17億5334万1790円,②被告聖徳ビル企画が本件受信機Bについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,本件一覧表Bの「請求合計金額」欄記載のとおり,4432万8720円,③被告ホスピタルイン企画開発が本件受信機Cについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,本件一覧表Cの「請求合計金額」欄記載のと おり,2363万073 のとおり,4432万8720円,③被告ホスピタルイン企画開発が本件受信機Cについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,本件一覧表Cの「請求合計金額」欄記載のと おり,2363万0730円,④被告東横インアーキテクトが本件受信機Dについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,本件一覧表Dの「請求合計金額」欄記載のとおり,735万3030円,⑤被告東横インインターナショナルが本件受信機Eについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,本件一覧表Eの「請求合計金額」欄記載のとおり,3496万8990円,⑥被告smart東横インが本件受信機Fについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,本件一覧表Fの「請求合計金額」欄記載のとおり,359万2320円,⑦被告東横インホテル企画開発が本件受信機Gについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,本件一覧表Gの「請求合計金額」欄記載のとおり,1543万5750円,⑧被告ホテル高輪が本件受信機Hについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,本件一覧表Hの「請求合計金額」欄記載のとおり,1784万9340円,⑨被告パートナーズ21が本件受信機Iについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,本件一覧表Iの「請求合計金額」欄記載のとおり,1173万1170円,⑩被告オフィース河野が本件受信機Jについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,本件一覧表Jの「請求合計金額」欄記載のとおり,210万2490円,⑪被告佐伯商事が本件受信機Kについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,本件一覧表Kの「請求合計金額」欄記載のとおり,460万2660円,⑫被告聖徳商事が本件受信機Lについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,本件一覧表Lの「請求合計金額」欄記載のとおり,44 ,本件一覧表Kの「請求合計金額」欄記載のとおり,460万2660円,⑫被告聖徳商事が本件受信機Lについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,本件一覧表Lの「請求合計金額」欄記載のとおり,443万4270円,⑬被告たのやく出版が本件受信機Mについて支払うべき上記期間の放送受信料の合計額は,本件一覧表Mの「請求合計金額」欄記載のとおり,594万9780円であると認められる。 以上によれば,被告らには,原告に対し,本件各受信機のうち本件受信機A2を除く受信機に係る放送受信料として,それぞれ上記の各金額を支払うべき義務が発生したものというべきである。 2 争点2(被告東横インの本件受信機A2に係る放送受信料支払義務又は放送 受信料相当額の不当利得返還義務の発生)について放送法の制定過程における放送受信契約及び放送受信料に関する規定等証拠(甲6,10,27の3,甲41~45,50~57,59,乙7)及び弁論の全趣旨によれば,放送法の制定過程における放送受信契約及び放送受信料に関する規定等について,次の事実を認めることができる。 ア昭和23年6月15日に閣議決定され,同月18日に第2回通常国会に提出された放送法案は,放送受信料について,「何人も,自由に受信設備を設置し,放送を受信することができる。但し,日本放送協会の提供する放送を受信することのできる受信設備を設置した者は,第三十九条に定める受信料を支払わねばならない。」(6条1項),「協会は,その提供する放送を受信することのできる受信設備を設置した者から,受信料を徴収することができる。」(39条1項本文)と規定するものとされたが,同年11月10日に撤回された。 イ放送法案は,その後,修正が加えられ,昭和24年3月1日付けの法案は,放送受信契約について,「協会 ることができる。」(39条1項本文)と規定するものとされたが,同年11月10日に撤回された。 イ放送法案は,その後,修正が加えられ,昭和24年3月1日付けの法案は,放送受信契約について,「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は,協会とその放送の受信についての契約を締結したものとみなす。」(38条1項本文)と規定するものとされたが,同年10月12日に閣議決定された放送法案は,放送受信契約及び放送受信料について,「協会の標準放送(中略)を受信することのできる受信設備を設置した者は,協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」(32条1項本文),「協会が前項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料は,月額三十五円とする。」(同条2項),「協会は,あらかじめ電波監理委員会の認可を受けた基準によるのでなければ,前項の受信料を免除してはならない。」(同条3項),「協会は,第一項の契約の状況については,あらかじめ電波監理委員会の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様である。」(同条4項)と規定するものとされた。 なお,電波庁作成の同月付け「放送法案関係質疑応答録」(甲59)には,上記放送法案32条に関し,「若し契約すべき者が契約を拒否したらどうなるか」との 質問に対して,「裁判所に出訴して判決を求めることになる思ふ。」との回答が記載されている。 ウ上記放送法案は,平成24年12月22日,第7回通常国会に提出され,衆議院電気通信委員会において審議された。 昭和25年1月24日に開かれた同委員会において,電波監理長官(政府委員)は,放送法案の趣旨について,「放送法案の特色といたしますところは,第一には,わが国の放送事業の事業形態を,全国津々浦々に至るまであまねく放送を聴取でき た同委員会において,電波監理長官(政府委員)は,放送法案の趣旨について,「放送法案の特色といたしますところは,第一には,わが国の放送事業の事業形態を,全国津々浦々に至るまであまねく放送を聴取できるように放送設備を施設しまして,全国民の要望を満たすような放送番組を放送する任務を持ちます国民的な公共的な放送企業体と,個人の創意とくふうとにより自由闊達に放送文化を建設高揚する自由な事業としての文化放送企業体,いわゆる一般放送局または民間放送局というものでありますが,それとの二本建としまして,おのおのその長所を発揮するとともに,互いに他を啓蒙し,おのおのその欠点を補い,放送により国民が十分福祉を享受できるようにはかつているのでございます。」と答弁した。 同年2月2日に開かれた同委員会において,電波監理長官(政府委員)は,放送法案の規定について,「今後わが国におきますところの一般放送の受信をすることのできる受信機を設置した国民は,何人にかかわらず全部この放送協会と契約を結んで,聴取料を放送協会に納めなければならないことになつておるのであります。 これは今後民間放送が出て参りましたときに,放送協会の事業を継続する。しかもこの放送協会がもうかるともうからないとにかかわらず,全国的に電波を出さなければならないという使命を負わされた放送協会といたしまして,この聴取料の徴収ができない場合には,協会の事業は成立つて行かないことは明らかでありまして,従つてぜひともこういう聴取料を強制的に徴収するということが必要になつて参るのであります。ところでこれを立場をかえまして,国民の側から見まするときに,かりに日本放送協会の放送を聞かず,もつぱら民間放送だけを聞いている場合でも,この聴取料を納めねばならないのでありまして,いわばこれは放送の受信機を持つ ている ,国民の側から見まするときに,かりに日本放送協会の放送を聞かず,もつぱら民間放送だけを聞いている場合でも,この聴取料を納めねばならないのでありまして,いわばこれは放送の受信機を持つ ているということのための,一種の税金みたいなものではないかという意見も出て参るのであります。従いまして聴取料の価格並びに聴取料の使い方というものにつきましては,最も愼重を必要とすると思うのでありまして,ここにおいて聴取料をこの法案におきまして法律でもつて定める。すなわち国会におきましてこの聴取料の妥当性を十分審議していただきまして,そこで定めるということ,並びにかくしてきめられた聴取料が妥当に使われるかどうかということを,単なる行政一つとしてだけではなしに,最終的に国民の代表機関でありますところの国会の承認を得て,これを行うということにいたした次第であります。またこの協会の収支その他の使い方につきましては,会計検査院が,はたして国会の承認通りに使われておるかどうかというようなことを調べるという,煩雑なことを規定しておるのであります。」と答弁し,また,「一方において無料の放送ができて来るということになると,日本放送協会がここに何らかの法律的な根拠がなければ,その聴取料の徴収を継続して行くということが,おそらく不可能になるだろうということは予想されるのでありまして,ここに先ほどお話いたしましたように,強制的に国民と日本放送協会の間に,聴取契約を結ばなければならないという条項が必要になつて来る。言いかえまするならば,強制的に日本放送協会は,聴取料をとり得るのだという意味の規定が必要になつて参つた次第であります。」,「私どもはこの料金は日本放送協会と聴取者の契約ではございますが,法律でもつてこれを強制しておるのであります。 自分がいやだからと言つて,契約を結 う意味の規定が必要になつて参つた次第であります。」,「私どもはこの料金は日本放送協会と聴取者の契約ではございますが,法律でもつてこれを強制しておるのであります。 自分がいやだからと言つて,契約を結ばないというわけには行かないのでありまして,最後に裁判所で問題になつたときも,やはりこの条文が生きて来ると思うのであります。そういう意味合いにおきまして,国民を非常に縛つておる。しかもその料金が高いとか安いとかいうことは,直接国民に非常に影響するものでありますから,これを国会においてきめていただくということが,一番適当ではないかと考えておる次第であります。」と答弁した。 エ上記放送法案は,昭和25年4月26日,放送受信契約及び放送受信料について定める32条については,放送受信料額について定めた第2項が削除され,別 の規定により,受信料の月額は,国会が原告の収支予算を承認することによって定めるとされたほかは,原案どおりとされ,衆議院本会議における採決をもって可決成立し,同年5月2日に公布され,同年6月1日に施行された。 オその後,放送法は,平成22年法律第65号による放送法等の一部改正により,32条の規定が64条とされるに至り,同条1項本文において,「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は,協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」と規定し,同条2項において,「協会は,あらかじめ,総務大臣の認可を受けた基準によるのでなければ,前項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない。」と規定している。 放送法上の原告の地位等放送法の規定と前記認定の放送法の制定過程における放送受信契約及び放送受信料に関する規定等に照らすと,放送法上の原告の地位等について,次の指摘をすることがで ている。 放送法上の原告の地位等放送法の規定と前記認定の放送法の制定過程における放送受信契約及び放送受信料に関する規定等に照らすと,放送法上の原告の地位等について,次の指摘をすることができる。 すなわち,放送法は,①放送が国民に最大限に普及されてその効用をもたらすことを保障すること,②放送の不偏不党,真実及び自律を保障することによって放送による表現の自由を確保すること及び③放送に携わる者の職責を明らかにすることによって放送が健全な民主主義の発達に資するようにすることという原則に従って,放送を公共の福祉に適合するように規律し,その健全な発達を図ることを目的とする(1条)。そして,民間の放送事業者(基幹放送事業者及び一般放送事業者)が放送事業を担う制度を定める(第5章,第6章)ほか,公共の福祉のために,あまねく日本全国において受信できるように豊かで,かつ,良い放送番組による国内基幹放送を行うとともに,放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い,あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うという目的を達成するために,公共放送事業者としての原告を放送法の規定に基づいて設立し(15,16条),別途,原告による放送について定めており(第3章),個人の創意工夫により自由闊達に放送文化を構築する民間の放送事業者と,公共放送事業者である原告とによる放送の二 元体制を採用し,それぞれがその長所を発揮するとともに,相互に補完し合い,もって我が国の放送事業の健全な発展を企図し,国民が放送によって十分に福祉を享受することができるよう図っているものである。 放送法は,原告について,上記のような放送の二元体制の下,前記の設立の目的を達成するため,①放送による国内基幹放送(特定地上基幹放送局を用いて行われるものに限る。)を行うこと,②テレビジョン る。 放送法は,原告について,上記のような放送の二元体制の下,前記の設立の目的を達成するため,①放送による国内基幹放送(特定地上基幹放送局を用いて行われるものに限る。)を行うこと,②テレビジョン放送による国内基幹放送(電波法の規定により協会以外の者が受けた免許に係る基幹放送局を用いて行われる衛星基幹放送に限る。)を行うこと,③放送及びその受信の進歩発達に必要な調査研究を行うこと,④邦人向け国際放送及び外国人向け国際放送を行うこと及び⑤邦人向け協会国際衛星放送及び外国人向け協会国際衛星放送を行うことを,その業務として定めるが(20条1項),国や他の者からの独立性及び中立性を確保するため,上記業務を行うに当たっては,営利を目的としてはならないとし(同条4項),他人の営業に関する広告を放送することを禁止している(83条1項)。他方,原告が国や他の者からの独立性及び中立性を確保しつつ,公共放送事業者として適正に運営されるための仕組みとして,原告の放送を受信することのできる受信設備を設置した者について,原告との間で放送受信契約を締結しなければならない旨を定め(64条1項),原告との間で放送受信契約を締結した者から放送受信契約に基づいて徴収する放送受信料によって,原告の財源を確保するようにしている。 放送法は,原告の財源となる放送受信料の設定やその使途について,国会を通じて適正に監督されるような仕組みも設けており,まず,原告は,毎事業年度の収支予算,事業計画及び資金計画を作成して,総務大臣に提出しなければならず,総務大臣がこれを受理したときは,これを検討して意見を付し,内閣を経て国会に提出し,その承認を受けなければならないとされ(70条1項,2項),原告との間で放送受信契約を締結した者から徴収する放送受信料の月額は,国会が,原告の収支予算を 検討して意見を付し,内閣を経て国会に提出し,その承認を受けなければならないとされ(70条1項,2項),原告との間で放送受信契約を締結した者から徴収する放送受信料の月額は,国会が,原告の収支予算を承認することによって定めるものとされる(同条4項)。また,原告は,毎事業年度の業務報告書を作成し,これに監査委員会の意見書を添え,当該事業年度 経過後三箇月以内に総務大臣に提出しなければならず,総務大臣は,業務報告書を受理したときは,これに意見を付すとともに監査委員会の意見書を添え,内閣を経て国会に報告しなければならないとされる(72条1項,2項)。 受信設備設置者が放送法64条1項に基づいて放送受信契約締結義務を負うかどうかについて上記の指摘したところによれば,放送法は,放送の二元体制の下,原告について,公共の福祉のために,あまねく日本全国において受信できるように豊かで,かつ,良い放送番組による国内基幹放送を行うとともに,放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い,あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うことを目的として設立された公共放送事業者であると位置付け,その業務において,国や他者からの独立性及び中立性を確保するため,原告に対して,営利目的の業務及び広告の放送を禁止する一方,それに代わる財政的基盤を確保する手法として,放送受信契約の締結とそれに基づく放送受信料の徴収を定めているものであり,放送受信料の性質は,原告による放送の対価というよりも,むしろ,公共放送事業者である原告に対して納めるべき特殊な負担金であるというべきである。そして,そのような放送法上の原告の位置付けや放送受信料の性質に照らせば,放送受信設備を設置した者から公平かつ安定的に放送受信料を徴収することが強く要請されるものというべきであり,放送法64条1項 そして,そのような放送法上の原告の位置付けや放送受信料の性質に照らせば,放送受信設備を設置した者から公平かつ安定的に放送受信料を徴収することが強く要請されるものというべきであり,放送法64条1項本文は,原告の放送を受信することのできる受信設備を設置した者に公平に放送受信料の支払義務を発生させるための法技術として,そのような放送受信設備を設置した以上,原告の放送を視聴したか否かにかかわらず,原告との間で放送受信契約を締結しなければならないと規定し,受信設備設置者に対し,放送受信契約の締結を強制したものであると解するのが相当である。 そうすると,放送法64条1項は,努力義務規定や訓示規定にとどまるものではなく,放送受信設備の設置者に対し,原告との間で放送受信契約を締結する私法上の義務を課した規定であり,受信設備設置者は,同項に基づいて放送受信契約締結義務を負うものというべきである。 放送受信契約が原告の放送受信契約締結の申込みの到達により,申込みを受けた受信設備設置者の承諾の意思表示を得ることなく成立するものであるかどうかについて原告は,放送法64条1項に基づく放送受信契約締結義務が,原告の放送受信契約締結の申込みを受けた受信設備設置者について,これを承諾する義務を含むものであり,申込みを拒絶することは許容されていないから,放送受信契約は,原告の申込みの到達によって,申込みを受けた受信設備設置者の承諾の意思表示を得ることなく成立するものであると主張する。 前判示のとおり,放送法64条1項は,放送受信設備の設置者に対し,放送受信料の支払義務を公平に発生させるための法技術として,放送受信契約の締結を強制し,原告との間で放送受信契約を締結する私法上の義務を課した規定であると解される。しかしながら,そのことから直ちに,放送受信設 の支払義務を公平に発生させるための法技術として,放送受信契約の締結を強制し,原告との間で放送受信契約を締結する私法上の義務を課した規定であると解される。しかしながら,そのことから直ちに,放送受信設備の設置者の承諾なくして当然に契約が成立するものと解することはできない。 放送法64条1項は,「その放送の受信についての契約をしなければならない。」と定めており,放送受信料の徴収について,飽くまで,当事者双方の意思表示の合致を前提として,放送受信料の支払義務を発生させるという制度を採用したものであり,当該契約を成立させるために,受信設備設置者に対し,その意思表示をする義務を課したものと解するのが相当である。放送受信設備の設置者の承諾なくして,その者に対する原告の申込みの到達をもって当然に契約が成立すると解することは,原告の一方的な法律行為のみで放送受信料の支払義務が発生することを許容するものであり,契約の成立を求める同項の趣旨に反するといわざるを得ない。 したがって,放送受信契約は,原告の放送受信契約締結の申込みの到達により,申込みを受けた受信設備設置者の承諾の意思表示を得ることなく成立するものではなく,民法の規定(民法521条以下)に従い,当該受信設備設置者の承諾の意思表示がなければ,成立しないものというべきである。原告の上記主張は,採用し得るものではない。 なお,放送受信設備を設置した者が原告による放送受信契約の締結の申込みに対して承諾をしない場合には,原告は,その申込みに対する承諾をする意思表示を命ずる判決(民法414条2項ただし書,民事執行法174条参照)を求めることになる。 規約2条2項,4項が放送法64条1項に反し,違法無効であるかどうかについて被告東横インは,仮に,放送法64条1項が受信設備設置者に対して放送受 民事執行法174条参照)を求めることになる。 規約2条2項,4項が放送法64条1項に反し,違法無効であるかどうかについて被告東横インは,仮に,放送法64条1項が受信設備設置者に対して放送受信契約の締結を強制するものであったとしても,同法は,受信設備設置者に対し,受信設備設置者という「人」を単位として,原告との間で1件の放送受信契約を締結する義務を課したものであり,規約のうち,事業所等の住居以外の場所に設置された放送受信設備(受信機)に関し,設置場所毎に放送受信契約を締結すべきものと定め,住居に設置された放送受信設備の場合(「人」を単位として契約を締結しなければならないと定める。)と差異を設けている部分(規約2条2項,4項)は,その場所に放送受信設備を設置した者に対して過重な負担を課すものであって,放送法64条1項に反し,違法無効である旨を主張する。 放送法64条1項本文の規定は,「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は,協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」とするものであり,受信設備設置者が締結すべき放送受信契約の単位について明確に定めたものではない。そして,同条3項は,「協会は,第一項の契約の条項については,あらかじめ,総務大臣の認可を受けなければならない。」と定め,放送法施行規則23条は,「法第六十四条第三項の契約の条項には,少なくとも次に掲げる事項を定めるものとする。」として,「受信契約の単位」(同条2号)などを列挙し,原告は,放送受信契約の単位を含め,放送受信契約の内容として,総務大臣の認可を受けて規約を制定しているものである。 そうすると,放送法は,契約の単位を含む放送受信契約の条項の定めについて,総務大臣の認可を受けることを前提に,原告にゆだねる趣旨であるものと認 認可を受けて規約を制定しているものである。 そうすると,放送法は,契約の単位を含む放送受信契約の条項の定めについて,総務大臣の認可を受けることを前提に,原告にゆだねる趣旨であるものと認 められる。そして,規約が総務大臣の認可を受けたものであることからすれば,事業所等の住居以外の場所に設置された放送受信設備(受信機)についての放送受信契約は,受信機の設置場所毎に締結すべきものとし,その設置場所の単位を部屋等の単位とすることを定める規約2条2項及び4項は,放送法64条1項及び3項の規定に沿うものであり,これに違反するものではないというべきである。 したがって,規約2条2項,4項が放送法64条1項に反し,違法無効であるということはできず,被告東横インの上記主張は,採用することができない。 被告東横インを主体とする本件受信機A2に係る放送受信契約に基づく放送受信料支払義務の有無ア放送法64条1項の「受信設備を設置した者」とする文言に加え,同項の規定により締結される放送受信契約の条項について定める規約4条が,放送受信契約が受信機の設置の日に成立する旨を,規約5条1項が,放送受信契約者が受信機の設置の月から放送受信料の支払義務を負う旨をそれぞれ規定していることからすれば,放送法64条1項に基づいて放送受信契約を締結する義務を負うのは,契約締結時において現に放送受信設備を設置している者に限定されるものではなく,過去の時点において放送受信設備を設置していた者も,その過去に設置された放送受信設備に係る放送受信契約を締結する義務を負い,締結された放送受信契約に基づいて,放送受信料の支払義務を負うものと解するのが相当である。 なお,過去の時点において放送受信設備を設置していた者が原告による過去に設置された放送受信設備に係る放送受信契約の た放送受信契約に基づいて,放送受信料の支払義務を負うものと解するのが相当である。 なお,過去の時点において放送受信設備を設置していた者が原告による過去に設置された放送受信設備に係る放送受信契約の締結の申込みに対して承諾をしない場合には,原告は,その者に対して,過去の一定期間に発生した放送受信料の支払を請求するため,その申込みに対する承諾をする意思表示を命ずる判決を求めることになるものと考えられる。 イ被告東横インは,前記「争いのない事実等のとおり,遅くとも平成24年1月までに東横インa 駅新幹線口の客室114室に本件受信機A2を設置したものである。そして,被告東横インは,平成25年10月,東横インa 駅新幹線 口の経営主体が被告東横インから訴外の別会社に変更されたことに伴い,同年11月以降,本件受信機A2の設置主体ではなくなったが,同年10月までの間,本件受信機A2を設置していた以上,放送法64条1項に基づき,本件受信機A2について,これを設置した平成24年1月から平成25年10月までの期間の放送受信契約の締結義務を免れるものではないというべきである。 しかしながら,被告東横インが,本件受信機A2について放送受信契約の締結に係る承諾の意思表示をした事実は認められず,被告東横インを主体とする本件受信機A2に係る放送受信契約が成立したものと認めることはできない。 したがって,被告東横インの原告に対する本件受信機A2に係る平成24年1月~平成25年10月の期間の放送受信料の支払義務は,未だ発生しておらず,原告は,被告東横インに対し,本件受信機A2に係る放送受信料の支払を求めることができない。 本件受信機A2に係る放送受信料相当額の不当利得返還義務の有無原告は,仮に,原告と被告東横インとの間に本件受信機A2についての放送受 件受信機A2に係る放送受信料の支払を求めることができない。 本件受信機A2に係る放送受信料相当額の不当利得返還義務の有無原告は,仮に,原告と被告東横インとの間に本件受信機A2についての放送受信契約が成立しなかったとしても,被告東横インは,本件受信機A2を設置したにもかかわらず,放送法64条1項に違反して,放送受信契約を締結せずに放置したことにより,その放送受信料の支払を免れたという利益を得ており,他方,原告は,被告東横インが支払を免れた額と同額の放送受信料相当額の支払を受けることができないという損失を被ったとして,被告東横インに対し,不当利得返還請求権に基づき,本件受信機A2に係る平成24年1月~平成25年10月の期間の放送受信料相当額の支払を請求する。 しかしながら,前判示のとおり,被告東横インは,現在においても,放送法64条1項に基づき,本件受信機A2に係る平成24年1月~平成25年10月の期間の放送受信契約を締結する義務を負っているものと認められるのであり,未だ被告東横インと原告との間で本件受信機A2に係る上記期間の放送受信契約が成立していないとしても,その放送受信契約に基づいて発生する放送受信料の支払義務を免 れたということはできない。そうすると,被告東横インが本件受信機A2について放送受信契約を締結せずに放置したことにより,その放送受信料の支払を免れたという利益を得て,原告が放送受信料相当額の支払を受けることができないという損失を被ったものと認めることはできない。 したがって,被告東横インが原告に対し,本件受信機A2に係る平成24年1月~平成25年10月の期間の放送受信料相当額の不当利得返還義務を負うと認めることはできず,原告は,被告東横インに対し,不当利得返還請求権に基づき,本件受信機A2に係る放送受信料額 係る平成24年1月~平成25年10月の期間の放送受信料相当額の不当利得返還義務を負うと認めることはできず,原告は,被告東横インに対し,不当利得返還請求権に基づき,本件受信機A2に係る放送受信料額の支払を求めることはできない。 3 争点3(受信契約締結等義務の免除合意の成否)について前記前提となる事実等に,証拠(甲61,63,66,70~74,76,79~84,87,乙17,37,38の1~12,乙39,41~45,乙52の1~3,乙53,55~57,証人k,証人l,証人i,証人e,証人m,証人d)及び弁論の全趣旨を総合すれば,次の事実が認められる。 ア原告と被告らは,平成9年2月18日,当時被告東横イン社長であったcからの申出を踏まえ,半年ごとに契約の見直し交渉を行うことを前提として,本件各ホテルの各客室等に設置された受信機の数の5%に相当する件数について放送受信契約を締結し,同日以降平成19年頃までの間,その件数の放送受信料を支払ってきた。 イ平成17年11月,会計検査院による原告の平成16年度決算検査報告(甲66)が内閣に回付され,公表された。その報告においては,原告における放送受信料の契約・収納状況について,次のとおり,会計検査院の所見が示されていた。 「16年7月に不祥事が発覚して以来,受信契約者の受信料の支払拒否・保留が続出し,その数が17年3月末には約74万件にまで達し,16年度の受信料収入は大幅な減収となっている。(中略)一方,こうした不祥事発覚以降生じた支払拒否・保留者以外にも従前から支払を拒否している者,更には法律で義務付けられている契約すら締結していない者が多数存在しており,本来収納すべき受信料の未徴 収率は19.6%に及んでいる。(中略)また,こうした状況が明らかとなるに従い,国民の受信料に 法律で義務付けられている契約すら締結していない者が多数存在しており,本来収納すべき受信料の未徴 収率は19.6%に及んでいる。(中略)また,こうした状況が明らかとなるに従い,国民の受信料に対する不公平感が拡大してきており,これが更なる支払拒否・保留を生む状況となっている。」「上記にかんがみ,協会においては,更に一層の不祥事の再発防止の徹底や経費の削減を図るとともに,受信料の負担に対する国民の不公平感を払拭していくことが肝要であり,このためには,受信料制度の趣旨について国民に更なる周知を図っていくとともに,次のような取組を進めていく必要がある。 ア未契約者については,受信契約の締結が法律により義務付けられていることの周知を図る。また,これと併せて,早急にその実態を効率的に把握する方策を検討するなどして,特に長年にわたって未契約となっている者をリストアップし、これらの者に対し重点的に訪問活動を実施していくことイ未払者については,更に効果的に受信料を収納する方策を検討するとともに,特に不祥事以降の支払拒否・保留者に対しては,受信料制度の意義や協会の改革について,引き続き十分理解を求めていくことウ事業所については,受信機の設置状況の的確な把握に引き続き努めるとともに,明らかに事実と異なる設置状況を報告した者に対しては,協会職員等による訪問活動等により,受信料制度の意義について十分理解を求めていくことエ上記ア,イ,ウのほか,真にやむを得ない場合は,最後の手段として法的措置の検討も視野に入れること」原告は,会計検査院から示された上記所見を踏まえ,平成18年1月に決定した「平成18年度~20年度経営計画」において,放送受信料の公平負担を目指し,放送受信料の未払者,未だ放送受信契約を締結していない者に対し,民事手続を実 れた上記所見を踏まえ,平成18年1月に決定した「平成18年度~20年度経営計画」において,放送受信料の公平負担を目指し,放送受信料の未払者,未だ放送受信契約を締結していない者に対し,民事手続を実施することを盛り込んだ。 ウ会計検査院は,平成17年度において,国,独立行政法人,国立大学法人,地方公共団体等のほか,ホテル及び旅館(以下「ホテル等」という。)を対象として,放送受信契約の締結状況を検査した。ホテル等については,検査を実施した地 方放送局等が所在する北海道ほか15都道府県に所在するホテルのうち,5つのホテルグループに属する128ホテルについて,公表されている数の客室のすべてに受信機が設置されていると仮定して,その契約率(客室数に対する受信契約件数の比率。以下同じ。)を試算したところ,ホテルグループごとの契約率には最大で80ポイント以上の差があるとの状況が判明した。また,契約率が最も高いホテルグループに属する各ホテルについて,その所在する地方放送局等ごとに契約率を試算したところ,その契約率は区々となっており,最大で50ポイント以上の差があるとの状況であった。会計検査院は,原告に対し,このような事態の改善を図る必要がある旨を指摘した。 原告は,この指摘を受けて,事業所等における受信機の設置状況を適切に把握するなどして,放送受信契約の締結を促進するよう,平成18年7月以降,次のような対応策を講じた。 事業所等との放送受信契約について,法人営業センターと地方放送局等との間の担当区分を明確化した。 受信機の設置状況の調査について,事業所等の担当者に放送法等の趣旨を理解してもらうための文書やテレビ調査票の標準的な書式を定めるとともに,原告の担当者会議を開催するなどして,テレビ調査票の記載依頼等を適切に行うよう地方放送局 て,事業所等の担当者に放送法等の趣旨を理解してもらうための文書やテレビ調査票の標準的な書式を定めるとともに,原告の担当者会議を開催するなどして,テレビ調査票の記載依頼等を適切に行うよう地方放送局等に周知徹底をした。 ホテル等との受信契約について,全国に展開しているホテルグループのうち,契約率の低いホテルグループについては,法人営業センターが計画的に対応するとともに,その他のホテルについても,法人営業センターの指導により,地方放送局等に統一的な取組みを行わせることとした。 エ原告の法人営業センターは,全国的な規模のホテル等を一括して所管し,事業所等の放送受信契約締結状況の改善に取り組むこととなり,事業所等における受信機の設置場所や台数を正確に把握し,放送受信契約に係る契約の単位全数についての契約を締結すること(このように,放送受信契約に係る契約の単位全数につい て契約を締結することについては,「放送受信契約の適正化」と称されている。)が目標となった。 原告の法人営業センターにおいては,平成18年10月頃,法人営業センター長であったkの指示の下,法人営業センター副部長であったlが中心的な担当者となり,被告らとの間で,放送受信契約の適正化に向けた契約交渉が開始された。そして,原告は,kにおいて,次の記載がある被告東横イン宛ての同月30日付け書面(甲70)を作成し,lにおいて,被告東横インに対し,上記書面を交付するなどして,被告らに対し,被告らが運営するホテルに設置された受信機全数について放送受信契約を締結するよう申し入れた。 「NHKはテレビを設置された方々に公平に負担していただく放送受信料を唯一の財源としており,今年度予算に対する『総務大臣の意見書』および『国会の付帯決議』において,事業所等に設置するテレビの放送受信契約の Kはテレビを設置された方々に公平に負担していただく放送受信料を唯一の財源としており,今年度予算に対する『総務大臣の意見書』および『国会の付帯決議』において,事業所等に設置するテレビの放送受信契約の適正化・公平負担の徹底を図るよう強く求められています。そこで,平成18年度~20年度までの3か年経営計画に基づき,改めて公平負担の徹底に向け,各事業所に放送法の遵守と受信規約に沿った契約締結へのご理解とご協力をお願いしております。(中略)つきましては,規約どおりの受信契約をお願いする立場から,貴社の既存店舗の現契約は非常に低位であり,ぜひ各店舗の放送受信契約について適正な契約へのご理解を賜りますようお願い申し上げます。」オ平成18年11月,会計検査院による平成17年度決算検査報告(甲61,71)が内閣に回付され,公表された。これには,前記のホテル等を対象とした放送受信契約の締結状況が示されていた。 また,同月11日付けの新聞において,「NHK受信料,東横インは客室の5%『不公平』指摘」という見出しで,会計検査院による検査の結果,原告が被告東横インとの間で,被告東横インが経営するホテルについて客室数の5%のみに相当する分の放送受信料を支払う旨の契約を締結していた事実が判明した旨を報じる記事が掲載された。 これを機に,原告は,全国のホテル等から,設置した受信機の全数について契約しなければならないことについての抗議を受け,受信機の全数について放送受信契約を締結することを拒否される事態が相次いだ。 カ平成19年3月27日に開かれた第166回国会参議院総務委員会において,原告の同年度予算審議が行われた際,議員や当時の総務大臣が,被告らが運営するホテルの放送受信契約に係る契約率について,被告東横インの実名を挙げて指摘をした。特 166回国会参議院総務委員会において,原告の同年度予算審議が行われた際,議員や当時の総務大臣が,被告らが運営するホテルの放送受信契約に係る契約率について,被告東横インの実名を挙げて指摘をした。特に,n議員は,参考人として出席した原告の理事(当時)であるoに対し,「その会計検査院の方から5%の指摘をされておりますが,これはNHK側から5%でいいよというようなことを言っていたという話がありますが,それは事実なんですか」と質問したが,これに対し,oは,「こちらから5%でいいということを言ったことはございません。あくまでもNHK,常に100%,いわゆる契約対象の台数分契約いただくということを常にお願いしているところでございます。その経緯の中で,現実には5%しかお支払いいただけないというケースも現実にございます」,「ただ,これは,じゃ一切拒否して100%以外もらわないということでございますけれども,本来的にはそうしたいところでございますけれども,常にそれは,5%いただいても,その後に残る分につきましては当然ながら契約をお願いする,請求をお願いするという形で今進めておるところでございます」と答弁した。 キ k(当時の原告の法人営業センター長)は,被告東横インに対し,平成19年10月25日付けの「NHK放送受信契約締結に関する通知」(乙37)と題する書面を送付し,原告が受信料の公平負担確保に必要なあらゆる措置を講ずることに取り組むように求められていること,被告東横インは,平成9年2月18日,原告との間で,半年ごとに契約の見直し交渉を行うことを前提として,その経営するホテルに設置された受信機全数の5%に相当する件数について放送受信契約を締結したにもかかわらず,その約束を否定し,原告からの受信契約の見直しの申入れに応じない姿勢を貫いていることなどを その経営するホテルに設置された受信機全数の5%に相当する件数について放送受信契約を締結したにもかかわらず,その約束を否定し,原告からの受信契約の見直しの申入れに応じない姿勢を貫いていることなどを指摘した上,早急に規約に定めるとおりの単 位である受信機の全数について放送受信契約を締結することを求め,それについて同年11月30日までに文書で回答するよう求めた。また,併せて,被告東横インが運営するホテルに設置された受信機全数についての契約締結に応じない場合には,法的手続への移行を検討することも通知した。 被告東横インは,kに対し,同月16日付け「御要望書」(甲73)を送付し,昨今のビジネスホテル業界の競争激化に伴って被告らのホテルの稼働が伸び悩んでいることなどの事情から,被告らが運営するホテルの放送受信契約に係る契約率を段階的に上げていき,4年後に30%とすることにしてほしい旨を要望した。 原告は,kにおいて,同月28日付けで,被告東横イン宛ての「放送受信契約の見直しについて」(甲74)と題する書面を作成した。上記書面には,国会,会計検査院などから放送受信契約の適正化・公平負担の徹底が強く求められている一方,原告においては,「事業所の受信料体系の見直し」を平成20年度中に予定しており,事業所の負担軽減が期待できるとして,被告らにおいて運営するホテルに設置された受信機全数についての契約締結に応じること(適正な放送受信契約への再考)を求める旨が記載されていた。そして,e(当時の原告の法人営業センター部長)及びlは,同日,被告東横インの当時の代表執行役であるf及び執行役であるdを訪問し,f及びdに対し,上記書面を交付して,被告らの上記要望に応じることはできないことを伝え,被告らが運営するホテルに設置された受信機全数についての契約締結に応 執行役であるf及び執行役であるdを訪問し,f及びdに対し,上記書面を交付して,被告らの上記要望に応じることはできないことを伝え,被告らが運営するホテルに設置された受信機全数についての契約締結に応じるよう申し入れた。これに対し,f及びdは,受信機の全数についての契約締結を拒否したが,fは,受信料体系改定後(事業所割引に関する規約改定を指す。)には,新基準に基づいた受信料の支払を書面で約束しても構わない旨を述べた。 ク平成20年3月に規約の改定が認可され,平成21年2月から,「事業所の受信料体系見直し」として,事業所割引の制度(規約5条の5)が導入されることとなった。 原告は,平成20年2月に法人営業センター長取扱としてkの職を引き継いだpに おいて,同年5月22日付けで,被告東横インに宛ての「放送受信契約の見直しについて」と題する書面(甲76)を作成した。上記書面には,国会における原告の同年度予算審議において,「あらゆる対策を講じて未払い・未契約等の減少に努めること」との付帯決議が採択されている一方,平成21年2月から,事業所の受信料体系の見直しとして事業所割引を実施することとしたことを指摘し,再度,被告らにおいて全数についての契約締結に応じること(適正な放送受信契約に向けた検討)を求める旨が記載されていた。そして,e及びlは,後日,dを訪問し,dに対し,上記書面を交付して,被告らが運営するホテルに設置された受信機全数についての放送受信契約の締結に応じるよう申し入れた。 被告東横インは,pに対し,平成20年6月3日付けの「御要望書」(乙41)と題する書面を送付し,被告らのホテルの稼働率,宿泊料金及び室数からすると,被告らが運営するホテルに設置された受信機全数の5%の契約でも多大な負担であり,全数の20%について契約を締結 」(乙41)と題する書面を送付し,被告らのホテルの稼働率,宿泊料金及び室数からすると,被告らが運営するホテルに設置された受信機全数の5%の契約でも多大な負担であり,全数の20%について契約を締結することにしてほしい旨を要望した。 原告は,同月に原告の法人営業センター長に就任したeにおいて,同月20日付けで,被告東横インに対し,「NHK放送受信契約締結に関する再通知」(甲79)と題する書面を送付し,原告が被告東横インの諸事情を考慮し,段階的な放送受信契約の改善にも理解を示して交渉を行い,基本的な放送受信契約見直しの方向性について合意を積み重ね,平成19年11月28日には,fが受信料体系改定後の基準に基づく放送受信料の支払を約束しても構わない旨を発言したことを指摘した上,被告東横インの上記の要望については,fの上記発言に反するとともに,これまでの合意内容を否定するものであり,承服することができず,被告東横インが運営するホテルに設置された受信機全数についての放送受信契約の締結について,平成20年7月20日までに書面で回答するよう求め,併せて,被告東横インが全数についての放送受信契約の締結及び放送受信料の支払に応じない場合には,法的手続を準備していく意向を伝えた。 ケその後,eとdは,被告らが運営するホテルの放送受信契約に係る契約率の 見直しに向けて,電話や電子メールで協議を行った。eは,平成20年7月16日までに,dに対し,原告が合意することができるのは「一定の水準(低水準にならないこと)からの見直しを開始するにしても,毎年の契約見直し水準を明確にすること」,「100%契約,支払いを約束すること」の各条件が合意内容に含まれることであると伝えた。 fは,eに対し,同月17日付け「御要望書」(乙42)を送付し,50%での契約では 水準を明確にすること」,「100%契約,支払いを約束すること」の各条件が合意内容に含まれることであると伝えた。 fは,eに対し,同月17日付け「御要望書」(乙42)を送付し,50%での契約では稼働室以上の契約となることから,被告らの事情を考慮して要望を聞き入れてほしい旨,被告らが運営するホテルの放送受信契約に係る契約率を現在の5%から20%に引き上げ,6年後に50%まで段階的に契約率を上げるようにすることにしてほしい旨を要望した。 eは,同月28日,dに対して電子メールを送信し,上記書面による要望の内容で合意することはできないこと,合意するための最低限の改善点として,放送受信契約の適正化までの年数を1年以上短縮することを要することなどを伝えた。 コ e及び当時の法人営業センター副部長であるqは,平成20年8月7日,dと面談をした。dは,まずは被告らが運営するホテルの放送受信契約に係る契約率を5%から20%に高め,その後,段階的に契約率を上昇させ,5年後には全数についての放送受信契約を締結する旨を回答した上,その内容を書面で提出することを了承した。その書面案については,原告において作成し,被告らに提示することとなった。 e及びqは,dの上記回答を記載した書面案を作成するに当たり,kの指示を受けて,放送法,規約を遵守する内容とすることを担保するため,原告法務部の担当者であるm,r弁護士による法的観点からの助言,文言の修正等の意見を受け,最終的に,営業局の承認を経て,上記書面案として,下記内容の「申込書H20.08. 18.doc」(甲63.以下「本件申込書案」という。)を作成した。 記「放送受信契約に関する申込書 日本放送協会御中 当社は,別紙記載のホテルに設置したテレビ受信機に関する放送受信契約 下「本件申込書案」という。)を作成した。 記「放送受信契約に関する申込書 日本放送協会御中 当社は,別紙記載のホテルに設置したテレビ受信機に関する放送受信契約につき,各ホテルの客室数(旅館業法の営業許可を受けた客室とする。以下同じ)の20%に相当する契約件数(小数点以下は切り上げ。以下同じ)に,平成20年8月31日をもって変更し,その放送受信料を支払います。 以後,当社は別紙記載のホテルにつき,次に掲げる期限ごとにそれぞれ規定した割合にまで契約件数を上昇させて変更し,その放送受信料を支払います。 ① 平成21年8月31日までに 25%② 平成22年8月31日までに 30%③ 平成23年8月31日までに 35%④ 平成24年8月31日までに 40%⑤ 平成25年8月31日までに 100% 今後,当社名で営業許可を受けて新規に開設するホテルの放送受信契約については,その営業許可の日をもって,放送受信契約を締結します。 放送受信契約締結時の契約件数については,その営業許可の日が次に掲げる期間ごとにそれぞれ規定した割合に相当する件数とし,その放送受信料を支払います。 ① 平成20年8月31日~平成21年8月30日の間に開設したホテル 20%② 平成21年8月31日~平成22年8月30日の間に開設したホテル 25%③ 平成22年8月31日~平成23年8月30日の間に開設したホテル 30%④ 平成23年8月31日~平成24年8月30日の間に開設したホテル 35%⑤ 平成24年8月31日~平成25年8月30日の間に開設したホテル 40%⑥ 平成25年8月31日以降に開設するホテル 100%以後,当社は,上記2のホテルについて,次に掲げる期限ごとにそれぞれ 24年8月31日~平成25年8月30日の間に開設したホテル 40%⑥ 平成25年8月31日以降に開設するホテル 100%以後,当社は,上記2のホテルについて,次に掲げる期限ごとにそれぞれ規定した割合にまで契約件数を上昇させて変更し,その放送受信料を支払います。 ① 平成21年8月31日までに 25%② 平成22年8月31日までに 30% ③ 平成23年8月31日までに 35%④ 平成24年8月31日までに 40%⑤ 平成25年8月31日までに 100% 3 なお,上記1および2の申し込み内容に拘らず,別紙記載のホテルおよび当社名で営業許可を受けて開設しているホテルのすべてについて,できるだけ速やかに客室数100%に相当する契約件数での放送受信契約を締結するよう毎年努力いたします。 4 放送受信契約の内容(放送受信料の支払額ほか)は,各時点において,効力を有する日本放送協会受信規約(放送法第32条第3項総務大臣認可)に拠るものであることは了解しています。 5 この申込書は,放送法や放送受信規約の定めを順守するためのものであって,これらを排除しようとするものでなく,この申込書に基づいて合意が成立した場合でも,放送法,放送受信規約に従うものであることを表明します。 6 この申込書に基づいて合意が成立し,その合意内容を変更する場合は,当社および日本放送協会の両名が署名(または記名)捺印した文書によるものでなければその効力は生じないことに同意します。 平成20年8月31日東京都大田区s町t丁目u番v号株式会社東横イン代表執行役社長 w」サ eは,平成20年8月18日,dに対し,本件申込書案の電子データを添付した上,下記内容の電子メール(乙43)を送信した。 記「過日 式会社東横イン代表執行役社長 w」サ eは,平成20年8月18日,dに対し,本件申込書案の電子データを添付した上,下記内容の電子メール(乙43)を送信した。 記「過日,合意しました内容を書面化しましたので,送信させていただきます。ご検討いただきますようお願いします。 なお,第3条については,合意内容にはありませんでしたが,『受信規約に基づ いた契約(100%)を行っている』との事実関係を双方が対外的に説明するため,案として作成してみました。ただし,特に拘ってはいません。(中略)この第3条を設けるのであれば,受信料見直し開始時期を検討します。1ヶ月延伸の場合,約800万円の負担減となります。 また,最終的に書面での合意後,問い合わせがあった場合等の対外的なコメントの摺り合わせもお願いしたいと考えています。」シ dは,本件申込書案の第3項を設けることを了承せず,その削除を求めたほか,契約件数を被告らのホテルが運営する客室数の20%に相当する件数に上昇させる時期を平成20年10月1日とすることを申し入れ,e及びqと協議した。そして,被告東横イン代表者であるfは,dによる上記の申入れが反映された下記内容の本件申込書(乙44,45)に押印して,これを作成し,原告に送付した。これにより,原告と被告らとの間で,本件申込書に定めるとおりに締結する契約の件数を上昇させる旨の合意が成立した。 記「放送受信契約に関する申込書日本放送協会御中 当社は,別紙記載のホテルに設置したテレビ受信機に関する放送受信契約につき,各ホテルの客室数(旅館業法の営業許可を受けた客室数とする。以下同じ)の20%に相当する契約件数(小数点以下は四捨五入。以下同じ)に,平成20年10月1日をもって変更し,そ する放送受信契約につき,各ホテルの客室数(旅館業法の営業許可を受けた客室数とする。以下同じ)の20%に相当する契約件数(小数点以下は四捨五入。以下同じ)に,平成20年10月1日をもって変更し,その放送受信料を支払います。 以後,当社は別紙記載のホテルにつき,次に掲げる期限ごとにそれぞれ規定した割合にまで契約件数を上昇させて変更し,その放送受信料を支払います。 ① 平成21年10月1日までに 25%② 平成22年10月1日までに 30%③ 平成23年10月1日までに 35%④ 平成24年10月1日までに 40% ⑤ 平成25年10月1日までに 100% 今後,当社名で営業許可を受けて新規に開設するホテルの放送受信契約については,その営業許可の日をもって,放送受信契約を締結します。 放送受信契約締結時の契約件数については,その営業許可の日が次に掲げる期間ごとにそれぞれ規定した割合に相当する件数とし,その放送受信料を支払います。 ① 平成20年10月1日~平成21年9月30日の間に開設したホテル 20%② 平成21年10月1日~平成22年9月30日の間に開設したホテル 25%③ 平成22年10月1日~平成23年9月30日の間に開設したホテル 30%④ 平成23年10月1日~平成24年9月30日の間に開設したホテル 35%⑤ 平成24年10月1日~平成25年9月30日の間に開設したホテル 40%⑥ 平成25年10月1日以降に開設したホテル 100%以後,当社は,上記2のホテルについて,次に掲げる期限ごとにそれぞれ規定した割合にまで契約件数を上昇させて変更し,その放送受信料を支払います。 ① 平成21年10月1日までに 25%② 平成22年10月1日までに 30%③ 平 に掲げる期限ごとにそれぞれ規定した割合にまで契約件数を上昇させて変更し,その放送受信料を支払います。 ① 平成21年10月1日までに 25%② 平成22年10月1日までに 30%③ 平成23年10月1日までに 35%④ 平成24年10月1日までに 40%⑤ 平成25年10月1日までに 100% 3 放送受信契約の内容(放送受信料の支払額ほか)は,各時点において,効力を有する日本放送協会受信規約(放送法第32条第3項総務大臣認可)に拠るものであることは了解しています。 5 この申込書は,放送法や放送受信規約の定めを順守するためのものであって,これらを排除しようとするものでなく,この申込書に基づいて合意が成立した場合でも,放送法,放送受信規約に従うものであることを表明します。 6 この申込書に基づいて合意が成立し,その合意内容を変更する場合は,当社および日本放送協会の両名が署名(または記名)捺印した文書によるものでなけれ ばその効力は生じないことに同意します。 平成20年10月1日東京都大田区s町t丁目u番v号株式会社東横イン代表執行役社長 w」ス被告らは,上記の合意に基づき,平成20年10月1日以降,被告らが運営するホテルの客室数の20%に相当する件数について,放送受信契約を締結し,その放送受信料を支払い,平成21年10月1日以降,被告らが運営するホテルの客室数の25%に相当する件数について,放送受信契約を締結し,その放送受信料を支払った。 セ dは,平成22年9月2日,当時の被告東横インの代表者であるg,執行役であるxと共に,原告を訪問した。dらは,当時の法人営業部専任部長であるh及び副部長であるiに対し,同日付けの「放送受信契約に関するお願い」と題する書面(乙55)を交付し,被告 表者であるg,執行役であるxと共に,原告を訪問した。dらは,当時の法人営業部専任部長であるh及び副部長であるiに対し,同日付けの「放送受信契約に関するお願い」と題する書面(乙55)を交付し,被告らが金融機関に対して借入金の返済を猶予してもらっているほど資金繰りが苦しい状況にあるとして,上記の合意により同年10月1日から予定されている契約率30%への引上げを1年間猶予するよう求めた。 ソ被告東横インは,平成22年12月10日付けで,被告らが運営するホテルの客室数の25%に相当する契約数を記載した「放送受信契約書」(乙17)を提出した。原告は,同月16日付け「NHK放送受信料請求書」(乙57)を発行し,被告東横インに対して,被告らのホテルに係る同年10月~平成23年9月分の放送受信料を請求した。その請求に係る放送受信料の額は,被告らが運営するホテルの客室数の25%に相当する契約に基づいて発生した額であった。 タ原告は,平成23年9月,被告東横インに対して,書面(乙56)を送付して,上記の合意に基づく放送受信契約書を提出するよう求めた。上記書面には,「昨年度は申込書に沿った放送受信契約の件数変更を1年間お待ちしましたが,今年度は申込書の記載どおりの契約書をご提出いただけるものと考えております。」 との記載がされていた。 平成20年合意の成否についてア被告らは,原告に対して本件申込書を送付したことにより,本件申込書に定めるとおりに締結する契約の件数を上昇させる旨の合意に加えて,その条件を成就した場合には,原告らが被告らに対し,本件申込書に定めた限度において放送受信契約締結等義務を免除する旨の停止条件付き免除合意を含む平成20年合意が成立した旨を主張する。 イところで,前判示のとおり,放送法は,原告を公共放送 対し,本件申込書に定めた限度において放送受信契約締結等義務を免除する旨の停止条件付き免除合意を含む平成20年合意が成立した旨を主張する。 イところで,前判示のとおり,放送法は,原告を公共放送事業者と位置付けて,国や他者からの独立性及び中立性を確保するため,原告に対して,営利目的の業務及び広告の放送を禁止する一方,その財政的基盤を確保するために,放送受信設備を設置した者に対し,放送受信契約の締結を強制しており,放送受信契約に基づいて支払義務が発生する放送受信料は,公共放送事業者である原告に対して納めるべき特殊な負担金としての性質を有するものというべきである。そして,そのような放送法上の原告の位置付けや放送受信料の性質に照らせば,放送受信設備を設置した者から公平かつ安定的に放送受信料を徴収することが強く要請される。そのような観点から,放送法64条2項は,原告は,あらかじめ総務大臣の認可を受けた基準によるのでなければ放送受信料を免除してはならないものと規定し,原告による恣意的な免除を排しているものである。これを受けて,原告は,同項に基づく総務大臣の認可を受けた免除基準を定めているところ(甲60,91の1~7によって認められる。),「合意による免除」によって免除し得る旨の基準はなく,原告が受信契約締結等義務を免除する合意をすることは,放送法上許容されていないものというべきである。 この点,被告らは,放送法64条2項について,原告に対し,既に原告との間で放送受信契約を締結して放送受信料支払義務を負っている放送受信契約者から徴収すべき放送受信料について,総務大臣の認可を受けた基準によることなく免除することのみを禁止した規定にすぎず,未だ放送受信契約を締結していない者との間で 放送受信契約の締結を要しない旨の合意をすることまで禁止した ついて,総務大臣の認可を受けた基準によることなく免除することのみを禁止した規定にすぎず,未だ放送受信契約を締結していない者との間で 放送受信契約の締結を要しない旨の合意をすることまで禁止した規定ではない旨を主張する。しかし,前判示のとおり,同条1項は,放送受信設備を設置した者から公平かつ安定的に放送受信料を徴収するという要請に基づき,放送受信設備の設置者に対し,放送受信料の支払義務を公平に発生させるための法技術として,放送受信契約の締結を強制し,原告との間で放送受信契約を締結する私法上の義務を課した規定であると解される。このような放送受信契約締結義務を課した趣旨に照らせば,同条2項が,単に放送受信契約を締結した後の放送受信料の免除だけを禁止しているものとは到底解し得ず,被告らの上記主張は,採用することができない。 ウこのような放送法による受信契約締結等義務の免除に係る制約を踏まえて,平成20年合意が成立したかどうかについて判断するに,前記認定事実によれば,本件申込書は,その表題を「申込書」とするものであり,その基本的な趣旨は,被告らにおいて,原告に対し,一定割合の放送受信契約を締結する旨を申し入れるというものであると認められる一方,「免除する」などという文言が一切なく,本件申込書には,20%~40%の契約率の限度を超える受信機に係る受信契約締結等義務が免除されることを示す明文の規定はない。かえって,本件申込書3項には,「放送受信契約の内容(放送受信料の支払額ほか)は,各時点において,効力を有する日本放送協会受信規約(放送法第32条第3項総務大臣認可)に拠るものであることは了解しています。」,5項には「この申込書は,放送法や放送受信規約の定めを順守するためのものであって,これらを排除しようとするものでなく,この申込書に基づい 項総務大臣認可)に拠るものであることは了解しています。」,5項には「この申込書は,放送法や放送受信規約の定めを順守するためのものであって,これらを排除しようとするものでなく,この申込書に基づいて合意が成立した場合でも,放送法,放送受信規約に従うものであることを表明します。」という規定があり,放送法による受信契約締結等義務の免除に係る制約に配慮した記載がされている。 また,前記認定事実によれば,平成17年頃から,放送受信料に係る契約率が低いことが社会的に問題とされるようになり,会計検査院からも,その改善が求めており,原告は,平成18年1月に決定した「平成18年度~20年度経営計画」において,放送受信料の未払者,未だ放送受信契約を締結していない者に対し,民 事手続を実施することを盛り込み,平成18年7月以降,放送受信契約の締結を促進するための様々な対応策を講じ,特に,全国に展開しているホテルグループのうち契約率の低いホテルグループについては,法人営業センターが放送受信契約の適正化を目標に掲げて計画的に対応することとしたものである。そして,被告らが運営するホテルに係る放送受信契約の契約率が低いことについては,平成19年3月開かれた参議院総務委員会において,被告東横インの実名を挙げて指摘がされたところであって,このような状況下において,平成20年10月,原告に被告らに対して受信契約締結等義務を免除する意向があったと認めることは困難である。 これらの事情からすれば,原告が被告らに対し,受信契約締結等義務を免除することを内容とする平成20年合意が成立したと認めることはできないというべきである。 エ被告らは,本件申込書の3項及び5項の記載について,対外的な説明のために設けたものである旨を主張し,前記認定事実によれば,eのd宛ての平 意が成立したと認めることはできないというべきである。 エ被告らは,本件申込書の3項及び5項の記載について,対外的な説明のために設けたものである旨を主張し,前記認定事実によれば,eのd宛ての平成20年8月18日付けの電子メール(乙43)にも,「『受信規約に基づいた契約(100%)を行っている』との事実関係を双方が対外的に説明するため,案として作成」した旨や,「最終的に書面での合意後,問い合わせがあった場合等の対外的なコメントの摺り合わせもお願いしたい」旨が記されている。しかし,他方,上記メールに添付された本件申込書案には,第3項として,「なお,上記1および2の申し込み内容に拘らず,別紙記載のホテルおよび当社名で営業許可を受けて開設しているホテルのすべてについて,できるだけ速やかに客室数100%に相当する契約件数での放送受信契約を締結するよう毎年努力いたします。」という規定が置かれるとともに,上記メール本文には,「第3条については,合意内容にありませんでしたが,『受信規約に基づいた契約(100%)を行っている』との事実関係を双方が対外的に説明するため,案として作成してみました。」という記載がされているのであり,本件申込書案3項については,dがその削除を求めて,本件申込書には規定されなかったものである。そうすると,本件申込書案が作成された段階において は,原告担当者が対外的に説明する便宜のための条項を設けることが検討されていたものの,最終的には当該条項を設けないことになったものと認められるのであり,本件申込書3項及び5項が対外的な説明のために設けたものであるということはできない。被告らの上記主張は,採用することができない。 なお,上記メール(乙43)の約800万円の負担減となる旨の記載については,当該年度の負担減を意味するも ために設けたものであるということはできない。被告らの上記主張は,採用することができない。 なお,上記メール(乙43)の約800万円の負担減となる旨の記載については,当該年度の負担減を意味するものと解されるところであり,将来にわたって差額を免除するという趣旨であるとは認められない。 オ被告らは,原告が,各都道府県の旅館生活衛生同業組合を始めとする各団体との間で放送受信料の契約取次ぎ及び収納業務の委託契約を締結することにより,当該各団体の団体員に対し,徴収すべき放送受信料を実質的に免除する運用を行っている旨,いわゆる貸テレビ業者との間で,医療機関の入院施設に設置された放送受信設備について放送受信契約を締結しない運用を長年にわたって行った結果,当該貸テレビ業者に対する放送受信料の支払請求権を時効によって消滅させた旨を指摘し,原告が,実際に,受信契約締結等義務を実質的に免除するようなことを行っている旨を主張する。 しかし,原告が各都道府県のホテル,旅館等の団体と締結している業務委託は,放送受信料の一括収納等に関し,収納された放送受信料額の一定割合を委託料として支払うものであると認められ,その法的性質は,放送受信料の免除や割引ではない。また,原告が貸テレビ業者との間で放送受信契約を締結しない運用を行ったことを認めるに足りる的確な証拠はない。原告が実際に,受信契約締結等義務を実質的に免除するようなことを行っていると認めることはできず,被告らの主張は,採用することができない。 カなお,本件申込書により,原告と被告らとの間においては,本件申込書に定めるとおりに締結する契約の件数を上昇させる旨の合意が成立した一方,本件申込書所定の件数を超える受信機に係る契約の締結については,これを免除する合意が成立したとは認められない以上,結局,所定 書に定めるとおりに締結する契約の件数を上昇させる旨の合意が成立した一方,本件申込書所定の件数を超える受信機に係る契約の締結については,これを免除する合意が成立したとは認められない以上,結局,所定の件数を超える受信機に係る契約締結 についてどのような取扱いをするのかは,本件申込書の定めるところではないと解するのが相当である。 前記認定の事実及び弁論の全趣旨によれば,原告は,平成20年6月,被告らに対し,放送法及び放送受信規約に準拠した放送受信契約を締結するよう繰り返し求め,それでも契約を締結しない場合には訴えを提起する旨を明確に伝えたが,被告らの当時の経営状況に鑑みれば,直ちに訴えを提起して強制執行に及ぶことについては,被告らの経営環境を更に悪化させる懸念がある一方,いましばらくすれば被告らの経営環境が改善することが見込まれたため,原告と被告らは,本件申込書により,全数契約とそこに至るまでの段階的な契約率増加について合意したものであり,本件申込書は,被告らにおいて,その合意に従って放送受信契約締結の申込みをし,原告において,その申込みがあった受信機の数に応じた放送受信契約を締結することとするものの,残りの受信機については,放送受信契約の締結やそれを前提とした放送受信料の支払の義務を免除するものではないことを明確化し,引き続き全数契約に向けて働きかけを続けるということにより,放送受信契約の適正化に向けた妥協を図ったものであると認められる。そして,原告としては,事実上の措置として,設置されている受信機の一部であっても放送受信契約を締結して放送受信料を支払っている者に対し,その残部の受信機について直ちに法的措置を執らないということもあり得るところであるが,そのことが直ちに,残りの受信機について放送受信契約の締結やそれを前提とした放 放送受信料を支払っている者に対し,その残部の受信機について直ちに法的措置を執らないということもあり得るところであるが,そのことが直ちに,残りの受信機について放送受信契約の締結やそれを前提とした放送受信料の支払の義務を免除することを意味するものではないというべきである。 キ以上によれば,原告が被告らに対し,受信契約締結等義務を免除することを内容とする平成20年合意が成立したと認めることはできず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。平成9年合意の成立を含めて,他に平成20年合意の成立をうかがわせるような事情も認められない。 平成22年据え置き合意及び平成23年据え置き合意の成否についてア被告は,g 及びdが平成22年9月,h及びi に対し,当時の被告らの財政 状況を説明した上で,同年10月1日から予定されている30%への契約率引上げを1年間猶予するよう求めたところ,hらから「事情はよくわかりました。東横インさんには大口でお世話になっていますので仕方ないですね。」との回答がされたとして,これをもって,原告と被告らとの間において,遅くとも同日までに,平成23年9月30日まで契約率を25%に据え置き,平成20年合意で定められた受信契約締結等義務免除に係る停止条件を一部変更する旨の平成22年据え置き合意が成立したと主張し,dは,その証人尋問において,i が上記のように回答した旨の,これに沿う証言をする。 しかし,dの上記証言は,その内容を裏付ける客観的な証拠を伴うものではなく,i がこれと相反する証言をすることに照らし,dの上記証言は,直ちに信用することができない。また,前判示のとおり,そもそも,受信契約締結等義務を免除することを内容とする平成20年合意は認められるものではない以上,平成20年合意で定められた受信契約締 証言は,直ちに信用することができない。また,前判示のとおり,そもそも,受信契約締結等義務を免除することを内容とする平成20年合意は認められるものではない以上,平成20年合意で定められた受信契約締結等義務免除に係る停止条件を一部変更する旨の平成22年据え置き合意が成立する前提を欠く。 したがって,平成22年据え置き合意が成立したとする被告らの上記主張は,採用することができない。 イ被告らは,g 及びdが平成23年9月下旬,jに対し,当時の被告らの財政状況を説明した上で,平成22年据え置き合意による猶予期間を更に1年間延長するよう求めたところ,jからは明確な回答がされなかったものの,原告が被告らに対し,平成23年10月1日以降,25%の契約率を超える放送受信契約の締結も放送受信料の支払も請求しなかったとして,これをもって,原告と被告らとの間においては,遅くとも同日までに,平成24年9月30日まで契約率を25%に据え置き,平成20年合意で定められた受信契約締結等義務免除に係る停止条件を一部変更する旨の平成23年据え置き合意が成立したと主張し,dは,その証人尋問において,jからは申入れを拒絶する言葉がなかった旨の証言をする。 しかし,たとえ,jがdらからの申入れに対して明確に拒絶をしなかったとして も,そのことから,直ちに契約率25%を超える部分について受信契約締結等義務を免除することが合意されたとは認められるものではなく,また,原告が平成23年9月に被告東横インに対して送付した書面(乙56)には,「昨年度は申込書に沿った放送受信契約の件数変更を1年間お待ちしましたが,今年度は申込書の記載どおりの契約書をご提出いただけるものと考えております。」との記載がされているものの,この記載をもって,受信契約締結等義務を免除することが含 約の件数変更を1年間お待ちしましたが,今年度は申込書の記載どおりの契約書をご提出いただけるものと考えております。」との記載がされているものの,この記載をもって,受信契約締結等義務を免除することが含意されていると解することもできない。前判示のとおり,そもそも,受信契約締結等義務を免除することを内容とする平成20年合意が認められるものではない以上,平成20年合意で定められた受信契約締結等義務免除に係る停止条件を一部変更する旨の平成23年据え置き合意が成立する前提を欠く。 したがって,平成23年据え置き合意が成立したとする被告らの上記主張は,採用することができない。 以上によれば,被告らが負担する受信契約締結等義務について,平成20年合意,平成22年据え置き合意及び平成23年据え置き合意に基づき,本件申込書に規定された限度において免除されたと認めることはできない。 4 争点4(事業所割引の遡及適用の有無)について事業所割引について,規約5条の5第1項前段は,事業所等住居以外の場所に設置する受信機について放送受信契約を締結する場合において,1の者が,同一敷地内に設置した受信機すべてについて必要な放送受信契約を締結しており,その契約件数が免除基準の「全額免除」が適用される放送受信契約を除き合計2件以上であり,支払期間を同じくして一括して放送受信料を支払う場合は,所定の手続を行うことにより,同一敷地内に設置した受信機についての放送受信契約のうち1件を除外した残りのそれぞれについて,放送受信料額から,規約5条に定める放送受信料額の半額を減じて支払うものとする旨を定める。そして,原告は,事業所割引の手続等について,事業所割引規程(乙48)を制定し,同規程4項において,事業所割引の適用は,原告が事業所割引申込書を受理した月 から て支払うものとする旨を定める。そして,原告は,事業所割引の手続等について,事業所割引規程(乙48)を制定し,同規程4項において,事業所割引の適用は,原告が事業所割引申込書を受理した月 から開始するものと定め,事業所割引の制度を運用している。 被告らは,規約4条が放送受信契約の成立時期について受信機設置の月まで遡ることを定める以上,放送受信契約者が放送受信料を支払うべき時期も受信機設置の時まで遡り,事業所割引の適用も,受信機の設置日まで遡及するものと解すべきである旨を主張する。 しかしながら,法律効果は,原則として,当該法律効果を発生させる法律行為がされた時点で発生するものであり,当事者の合意によって,法律効果を遡及的に発生させることができるとしても,上記の原則と異なる取扱いをする以上,明示的な合意が存在することが必要であるというべきである。しかるに,放送受信契約の成立時期及び放送受信料の支払義務の発生時期については,それぞれ規約4条及び5条1項において明文の規定があるのに対し,事業所割引を遡及的に適用することについては,規約5条の5において明確に定められているものではなく,事業所割引の適用開始時期が,放送受信契約の成立時期及び放送受信料の支払義務の発生時期と同様になると解釈する根拠も乏しい。 また,事業所割引を定める規約5条の5第5項は,前段において,原告は,事業所割引申込書記載の内容に虚偽があることが判明した場合,申込書の提出時に遡り,事業所割引を適用しないことができる旨を定め,事業所割引を適用しない場合の遡及範囲を申込書の提出時までとしており,それより前である受信機の設置時に遡ることを想定していないのであり,事業所割引の適用を開始する場面においても,受信機の設置時に遡ることを前提としていないものと解される(同項につい 時までとしており,それより前である受信機の設置時に遡ることを想定していないのであり,事業所割引の適用を開始する場面においても,受信機の設置時に遡ることを前提としていないものと解される(同項について,申込書記載の内容と事実との間に食い違いが生じていることが明らかになった場合に,当該食い違いが生じたと認められる時点に遡って事業所割引を適用しないことを認めた規定にすぎないものと解することはできない。)。 さらに,事業所割引制度は,事業所の負担を軽減すること及び契約数の増加による公平負担の徹底を図ることをその趣旨とするものであると解されるところ,放送受信契約の締結時期にかかわらず,一律に事業所割引を受信機の設置時に遡 って適用することとすると,受信機の設置者に対して早期に放送受信契約を締結する動機付けにならず,受信機の設置者間における公平な負担の徹底を図るという事業所割引制度の趣旨に反する結果となるおそれがあるとともに,受信機の設置者に対して放送受信契約の締結義務を課し,公平かつ安定的に放送受信料を徴収するという放送法に定める放送受信料制度の適正な運営を妨げることになりかねない。 したがって,事業所割引を受信機の設置の時に遡って適用することはできないものといわざるを得ず,被告らの上記主張は,採用することができない。 以上によれば,被告らが原告に対して支払うべき平成24年1月~平成26年1月までの期間の放送受信料について,事業所割引の遡及適用により半額に減じられるというものではない。 5 結論以上によれば,原告の被告東横インに対する請求は,17億5334万1790円の支払を求める限度で理由があり,その余は理由がなく,原告のその余の被告らに対する請求は,いずれも理由がある。 よって,主文のとおり判決する(なお,被告らの 対する請求は,17億5334万1790円の支払を求める限度で理由があり,その余は理由がなく,原告のその余の被告らに対する請求は,いずれも理由がある。 よって,主文のとおり判決する(なお,被告らの仮執行免脱宣言の申立ては,相当ではないから却下する。)東京地方裁判所民事第32部 裁判長裁判官中吉徹郎 裁判官日浅さやか 裁判官溝上瑛里は,転補のため署名押印することができない。 裁判長裁判官中吉徹郎 (別紙)添付省略

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