昭和57(行ツ)158 不当労働行為救済命令取消

裁判年月日・裁判所
昭和62年2月26日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄自判 東京高等裁判所 昭和54(行コ)81
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄し、第一審判決を取り消す。      被上告人の請求を棄却する。      訴訟の総費用は被上告人の負担とする。          理    由  上告代理人石川吉

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判決文本文4,181 文字)

主    文      原判決を破棄し、第一審判決を取り消す。      被上告人の請求を棄却する。      訴訟の総費用は被上告人の負担とする。          理    由  上告代理人石川吉右衛門、同村田勝、同近藤紘一、同秋山茂樹及び上告補助参加 代理人仲田隆明、同谷池洋の各上告理由について  一 被上告人の本訴請求は、(1) 上告補助参加人は、大阪府地方労働委員会に 対し、被上告人を被申立人として不当労働行為救済の申立てをしたところ、同委員 会は、昭和四九年四月一三日付けで上告補助参加人の請求に係る救済の一部を認容 する命令を発した、(2) 被上告人は、右命令を不服として上告人に対し再審査の 申立てをしたが、上告人は、上告補助参加人が風俗営業を営む企業において音楽演 奏業務に従事する者約三〇〇名で組織するいわゆる合同労組であり、被上告人の経 営するキヤバレー「D」で楽団演奏に従事しているEバンド及びFバンド(両者を 併せて以下「両楽団」という。)の楽団員八名が上告補助参加人に加入してD分会 を組織しているところ、被上告人は両楽団の楽団員との関係において労働組合法七 条にいう使用者に当たるとの認定判断の下に、昭和五〇年一一月五日付けで右命令 を基本的に是認しつつ主文の一部を変更する命令(以下「本件命令」という。)を 発した、(3) しかしながら、被上告人は両楽団の楽団員との関係において労働組 合法七条にいう使用者に当たらず、また、上告補助参加人は同法二条及び五条二項 の要件を欠く組合で不当労働行為の救済申立資格を有しないから、本件命令は違法 であり、その取消しを求める、というのである。  二 原審は、被上告人は両楽団の楽団員との関係において労働組合法七条にいう 使用者に当たらないから、本件命令は違法であると判断し、本件命令を取り消した - 1 - 第一審判決を是認 、というのである。  二 原審は、被上告人は両楽団の楽団員との関係において労働組合法七条にいう 使用者に当たらないから、本件命令は違法であると判断し、本件命令を取り消した - 1 - 第一審判決を是認した。論旨は、要するに、原審が右のように判断したのは、労働 組合法七条及び憲法二八条の解釈適用を誤り、かつ、理由不備、理由齟齬の違法を おかしたものである、というのである。  三 原審は、次のような事実を確定した。  1 被上告人は、飲食店営業を目的とする有限会社で、キヤバレー「D」を経営 している。  2 G(以下「G」という。)は、Dでシヨーの伴奏をしていたHバンドの一員 であつたところ、Hバンドが解散したことに伴い、被上告人から新たに楽団を編成 してDで演奏するようにとの依頼を受け、楽団員を集めて八人編成のEバンドを作 り、昭和四四年六月からDでダンス音楽を演奏するようになつた。  3 I(以下「I」という。)は、知人のGから被上告人がDでシヨーの伴奏を 担当する楽団を探しているので楽団を編成して応募するようにと勧められ、楽団員 を集めて九人編成のFバンドを作り、同年八月からDで演奏するようになつた。  4 両楽団のDにおける演奏時間は午後六時三〇分から午後一一時二〇分までで、 一つの楽団が午後六時三〇分から午後一〇時三〇分ころまでの間に一回約三〇分あ て四回出演し、これと交替に他の楽団が午後七時から午後一一時ころまでの間に一 回約三〇分あて四回出演し、両楽団ともおおむね約四時間の拘束を受けていた。  5 両楽団の演奏の対価は、昭和四四年八月当時、Eバンドが手取月額四八万円、 Fバンドが手取月額五八万五〇〇〇円であつて、被上告人は、右金額を毎月二日、 一二日、二二日の三回に分けてバンドマスターであるG及びIに演奏料名下に支払 い、G及びIは、各楽団員の演奏能力等を考慮して Fバンドが手取月額五八万五〇〇〇円であつて、被上告人は、右金額を毎月二日、 一二日、二二日の三回に分けてバンドマスターであるG及びIに演奏料名下に支払 い、G及びIは、各楽団員の演奏能力等を考慮して右演奏料の分配額を決定し、楽 団員の了解も取り付けた上、これを各楽団員に支払い、G及びIを含む楽団員は、 右演奏料収入によつて生活していた。  6 被上告人は、両楽団がどのような演奏をするかについて、大まかな注文例え - 2 - ば夏のゆかた祭、冬のクリスマスなど特別の催物を行う場合に、その雰囲気に合つ た音楽を演奏するよう依頼するという程度にとどめ、具体的な演奏曲目の選定等は G及びIに任せていた。  7 被上告人は、両楽団の出演人数、演奏の良否等を日報に記載し、所定の人数 を欠き若しくは演奏が拙劣なとき、あるいは楽団員の演奏技術・態度が悪いときに は、バンドマスターに注意を与え、客席の状況に応じ演奏の音量の調整をバンドマ スターに指示し、楽団員がくわえたばこでホール内を歩き、あるいは客席に呼ばれ て飲酒したときには、これに注意を与えるなどしたほか、昭和四九年ころまで楽団 員の控室に、店主名をもつて、飲酒演奏の禁止、ホステスとの雑談禁止、とばく禁 止、たばこの後始末の注意等を記載した「バンドマンの心得」を掲示していた。  8 被上告人は、毎年一月上旬までに、G及びIに対し、各楽団員用の給与所得 者の扶養控除等(異動)申告書の用紙を交付し、各楽団員から右申告書を提出させ、 各楽団員の右演奏料につき給与所得としての源泉徴収の手続を行つていた。  9 被上告人にはD会という従業員の親睦会があり、従業員相互の慶弔と年一回 の旅行を主たる目的としているところ、両楽団の楽団員もD会への加入を認められ、 会費一人当たり月額二〇〇円が右演奏料から天引きされていた。  四 原審の確定した右事実 会があり、従業員相互の慶弔と年一回 の旅行を主たる目的としているところ、両楽団の楽団員もD会への加入を認められ、 会費一人当たり月額二〇〇円が右演奏料から天引きされていた。  四 原審の確定した右事実によると、バンドマスターであるG及びIも含めて両 楽団の楽団員は、グループで年間を通じ被上告人の経営するDに必要な楽団演奏者 としてその営業組織に組み入れられ、Dの営業に合わせ被上告人の指定する時間に その包括的に指示する方法によつて長年月継続的に演奏業務に従事してきたもので あり、また、被上告人から支払われる演奏料は楽団演奏という労務の提供それ自体 の対価とみられるのであつて、これらの諸点に照らせば、両楽団の楽団員は対価を 得てその演奏労働力を被上告人の処分にゆだね、被上告人は右演奏労働力に対する 一般的な指揮命令の権限を有していたものというべきである。そうすると、被上告 - 3 - 人は、G及びIを含む両楽団の楽団員に対する関係において労働組合法七条にいう 使用者に当たると解するのが相当である。被上告人が、Fバンドを起用するに当た り、楽団としての演奏技量についてはテストを行つたものの、個々の楽団員につい てはテスト・面接をせず、その氏名・住所・担当楽器等も確認せず、履歴書・誓約 書等を徴することもせず、また、テスト時の技術水準が維持されるならば楽団員の 交替も差し支えないものとし、楽団員に支障が生じた場合の代替員や退団者が出た 場合の後任者を探し選定することはすべて楽団自身により行われ、被上告人が関与 することはなく、被上告人に対しその旨の通知・届出もされず、さらに、演奏料は 各楽団ごとに定められ、被上告人はこれを一括してG及びIに支払うだけで、後は G及びIがその判断で各楽団員に対する分配、代替員に対する支払をし、被上告人 は楽団員の出勤・早退・遅刻についての管理を行わ 各楽団ごとに定められ、被上告人はこれを一括してG及びIに支払うだけで、後は G及びIがその判断で各楽団員に対する分配、代替員に対する支払をし、被上告人 は楽団員の出勤・早退・遅刻についての管理を行わず楽団全体としての出演人数を 日報に記載するにとどまつたなどの原判示の事実は、右の結論を左右するものでは ない。  五 以上の次第で、被上告人が両楽団の楽団員との関係において労働組合法七条 にいう使用者に当たらないとした原審の判断は、同条の解釈適用を誤つたものとい うべく、右の違法は判決の結論に影響を及ぼすことが明らかであるから、右の違法 をいう論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。  そこで、さらに、被上告人の本訴請求について判断するに、被上告人は、本件命 令のもう一つの違法事由として、上告補助参加人は労働組合法二条及び五条二項の 要件を欠く組合で救済申立資格を有しないと主張するが、使用者は、不当労働行為 の救済命令が右要件を欠く組合の申立てに基づき発せられたことのみを理由として、 右命令の取消しを求めることはできないから、被上告人の右主張はそれ自体失当で ある(最高裁昭和三一年(オ)第五八号同三二年一二月二四日第三小法廷判決・民 集一一巻一四号二三三六頁参照)。そうすると、本件命令に被上告人主張の違法は - 4 - なく、その取消しを求める被上告人の本訴請求は理由がない。したがつて、これと 判断を異にする第一審判決を取り消し、被上告人の本訴請求を棄却すべきである。  よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇八条、三九六条、三八六条、九六条、 九四条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    大   内   恒   夫             裁判官    角   田   禮 次 郎 致の意見で、主文のとおり判決する。      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    大   内   恒   夫             裁判官    角   田   禮 次 郎             裁判官    高   島   益   郎             裁判官    佐   藤   哲   郎 - 5 -

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