昭和26(う)356 地代家賃統制令違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和26年10月18日 札幌高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件控訴はこれを棄却する。          理    由  検察官原田秀隆の控訴趣意は別紙のとおりである  右控訴趣意第一点について  本件記録に徴すれば、所論の如く、起訴状

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判決文本文1,856 文字)

主文 本件控訴はこれを棄却する。 理由 検察官原田秀隆の控訴趣意は別紙のとおりである右控訴趣意第一点について本件記録に徴すれば、所論の如く、起訴状記載の公訴事実は三回に互る地代家賃統制令違反の事実であるが、原審第四回公判期日において立会検察官は裁判所の許可を得て右事実中第二の訴因(被告人は昭和二十四年十一月初旬頃札幌市ab丁目自宅に於てAに対しその所有家屋内二階三畳間一室を貸与するに際り北海道知事の認可を受けないで家賃の額を一日金二百円と定め賃貸借契約を結んだ)に対し昭和二十二年勅令第九号第二条違反の訴因(被告人は前記日時前記自宅に於てAとの間に同人に部屋を提供して売淫せしめその収益金を同人と四分六分の割にて分配することを約し以て婦女に売淫をきせることを内容とする契約をした)竝びに罰条を予備的に追加したところ、原判決は前者については犯罪の証明なしとして無罪の言渡をなし、後者については、これと前者とは刑事訴訟法第三百十二条第一項にいわゆる公訴事実の同一性がないから、適法に審判の対象として裁判所に係属しなかつたものとして何等の裁判をしなかつたことが認められる。 ところで右地代家賃統制令違反と昭和二十二年勅令第九号違反の両訴因は次にのべる如くその間に公訴事実の同一性がないと解するのが相当であると思料されるから、後者は適法に裁判所に係属したものとは認め難く、従つて原判決は刑事訴訟法第三百七十八条第三号にいわゆる「審判の請求を受けた事件について判決をしなかつた」場合に該当しないものというべきであるから論旨は理由がない。 右控訴趣意第二点について<要旨第一>然らば次に右地代家賃統制令違反の訴因と昭和二十二年勅令第九号違反の訴因との間に公訴事実の同一性が</要旨第一>ありゃ否やにつき考察するに、 旨は理由がない。 右控訴趣意第二点について<要旨第一>然らば次に右地代家賃統制令違反の訴因と昭和二十二年勅令第九号違反の訴因との間に公訴事実の同一性が</要旨第一>ありゃ否やにつき考察するに、公訴事実の同一性とはその基本である事実関係において同一であることを意味するものと解すべきところ、右両訴因の事実関係を比較対照すれば、両者はたまたま契約の当事者、日時、場所および、部屋を提供する点において符合するところがあるが、その基本となる点においては前者は一日二百円の賃料で二階三畳の間一室を貸すことを約したという事実で後者は売淫をさせ利益を四分六分の割合で分けることを約したという事実で基本的には両者は明らかに各別個の事実関係を形成しているものというべきであるから右両訴因の間には公訴事実の同一性はないと解するのが正当である。従つてこれと反対の見解に立つて原判決に理由のくいちがい乃至は刑事訴訟法第三百十二条第一項の解釈適用を誤つた違法ありとなす論旨にはにわかに賛同し難い。 右控訴趣意第三点について右の如く地代家賃統制令違反の訴因と昭和二十二年勅令第九号違反の訴因との間には公訴事実の同一性がないものと解すべきに拘らず原審が第四回公判期日においてその同一性ありとして立会検察官に対し前者の訴因に対し後者の訴因並びに罰条を予備的に追加することを許したのは、刑事訴訟法第三百十二条第一項の規定に違<要旨第二>反するものといわねばならない。しかしながら右両訴因につき立証の責に任ずべきものは原審検察官であり、</要旨第二>しかも許可したのはあくまでも予備的な訴因の追加であつて右両訴因の中何れを採用するかは今後なお原審裁判官の自由裁量に委ねられているのであるから、原審検察官としてはたとえ予備的訴因である後者が採用せられると確信し且同訴因につき十分な立証がな の追加であつて右両訴因の中何れを採用するかは今後なお原審裁判官の自由裁量に委ねられているのであるから、原審検察官としてはたとえ予備的訴因である後者が採用せられると確信し且同訴因につき十分な立証がなされたとしても、前者の訴因についても十分な立証をなすべく努力すべきであることは勿論であるのみならず本件記録を精査すれば、原審検察官は本来の訴因である前者につき十分な立証を尽したことが推知されるから、右の訴訟手続の違法が直ちに所論の如く原判決に影響を及ぼすこと明らかであるとはいい得ない。論旨は理由がない。 そこで刑事訴訟法第三百九十六条により本件控訴を棄却することとして主文のように判決をした次第である。 (裁判長判事黒田俊一判事鈴木進判事東徹)

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