平成29(ワ)4334 防犯カメラ撤去等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和元年9月5日 名古屋地方裁判所
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判決文本文26,521 文字)

令和元年9月5日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成294334号防犯カメラ撤去等請求事件口頭弁論終結日平成31年4月25日判決主文 1 被告らは,原告Aに対し,連帯して5万円及びこれに対する平成29年10月29日から(被告Zについては同月31日からの限度で)支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告B,原告C及び原告Dの各請求並びに原告Aのその余の請求を,いずれも棄却する。 3 訴訟費用は,これを80分し,その79を原告らの負担とし,その1を被告らの負担とする。 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 請求 被告らは,原告ら各自に対し,連帯して,100万円及びこれに対する平成29年10月29日から(被告Zについては同月31日からの限度で)支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,原告らの肩書住所地付近の土地に分譲マンション(以下「本件マンショ ン」という。)の建設計画を立て,本件マンションの建設を行った被告らが,本件マンションの建設中,建設現場に防犯カメラを10台設置し,これらの防犯カメラによって原告らが各住居に出入りする様子等を撮影したことにより,原告らの肖像権,プライバシー権,表現の自由である本件マンションの建設現場付近でマンション建設に反対する反対運動を行う自由及び集会の自由である同反対運動のため集会 を開催する自由(以下,原告らが主張する権利を「原告らの肖像権等」という。) が侵害されたとして,原告ら各自が,被告らに対し,民法709条,719条の共同不法行為に基づく損害賠償請求として,連帯して,慰謝料100万円及びこれに対する被告らに対する訴 等」という。) が侵害されたとして,原告ら各自が,被告らに対し,民法709条,719条の共同不法行為に基づく損害賠償請求として,連帯して,慰謝料100万円及びこれに対する被告らに対する訴状送達の日(被告Yにつき平成29年10月28日,被告Zにつき同月30日)の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 なお,本件訴訟において,原告らは,被告らに対し,上記防犯カメラの一部の撤去も求めていたが,本件マンション建設完了に伴いこれらの防犯カメラが撤去されたことから,これらの防犯カメラの撤去請求に係る訴えは取り下げられた。 1 前提事実(争いがないか,後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実) ⑴ 当事者等ア原告Aは,肩書住所地(別紙図面の「原告A宅」と記載の場所。以下,原告Aの自宅を「原告A宅」という。)に約30年前から住んでおり,その母,妻,子二人の合計5人で住んでいる。(甲4,24,原告A[27頁]) 原告Bは,肩書住所地(別紙図面の「原告B宅」と記載の場所。以下,原告 Bの自宅を「原告B宅」という。)に居住しており,その自宅は本件マンション建設の反対運動の打合せのための集会に使用されていた。(甲4,25,原告B[2頁]) 原告Cは,肩書住所地(別紙図面の「原告C宅」と記載の場所。以下,原告Cの自宅を「原告C宅」という。)に居住しており,「E」の代表を務め,本件マン ション建設の反対運動の中心人物であった。(甲4,26,乙12,原告C[1頁]) 原告Dは,肩書住所地(別紙図面の「原告D宅」と記載の場所。以下,原告Dの自宅を「原告D宅」という。)に居住しており,同人宅は本件マンション建設の反対運動の打合せのための 原告C[1頁]) 原告Dは,肩書住所地(別紙図面の「原告D宅」と記載の場所。以下,原告Dの自宅を「原告D宅」という。)に居住しており,同人宅は本件マンション建設の反対運動の打合せのための集会に使用されていた。(甲4,25) イ被告Yは,昭和44年8月8日に設立された,建築並びに総合建築工事の設 計,施工,請負等を目的とする資本金1億円の株式会社である。(甲1)ウ被告Zは,昭和63年5月6日に設立された,土木,建築工事の測量,設計,施工,監理及び請負等を目的とする資本金20億円の株式会社である。(甲2)エ Fは,被告Zに勤務する本件マンション建設現場の責任者であり,品質管理,安全管理及び工程管理等を行う現場所長の立場にあった。(証人F[1,2頁]) ⑵ 被告らは,事業主を被告Y,設計者を被告Z名古屋支店一級建築事務所,施工者を被告Z名古屋支店とし,工事期間を平成28年7月7日着工,平成30年3月末日頃竣工予定とする,以下の内容の本件マンションの建設計画を立て,平成28年8月20日頃から本工事を開始し,平成30年3月下旬,本件マンションを完成させた。(甲3,証人F[2頁]) ア建物名称 Gイ建設地名古屋市a区b町c丁目d番,e町f丁目g番h,e町i丁目j番k(別紙図面の「本件建設現場」と記載の場所。以下,これらの土地を併せて「本件建設現場」という。)ウ用途地域近隣商業地域(建ぺい率80パーセント,容積率300パーセン ト),絶対高45メートル高度地区,第2種中高層住居専用地域(建ぺい率60パーセント,容積率200パーセント),20メートル高度地区エ建物用途共同住宅(分譲マンション)オ総戸数 70戸カ構造規模鉄筋コンクリート造地上 住居専用地域(建ぺい率60パーセント,容積率200パーセント),20メートル高度地区エ建物用途共同住宅(分譲マンション)オ総戸数 70戸カ構造規模鉄筋コンクリート造地上15階 キ敷地面積 2510.61平方メートルク建物高さ 44.95メートルケ建築面積 1680.73平方メートルコ延床面積 7324.21平方メートルサ駐車場 72台(敷地内確保) 本件建設現場と原告らの自宅との位置関係は,別紙図面のとおりである。 (甲4,原告A[2頁],原告B[2頁],原告C[1頁]) 被告らは,平成27年10月末日頃,原告らを含む本件建設現場の周辺住民に対し,本件マンションを建設する予定である旨の案内文を交付して告知した。 原告らは,他の周辺住民らとともに,平成27年11月後半頃から,本件建設現場の西側道路の歩道上で,スタンディング(プラカード等を持って立つことを いう。)をする,のぼりを立てる等,本件マンション建設に反対する運動を行うとともに,被告らに対し,本件マンションの階数を減らすなどの対応を求めた。(原告A[3,16頁])⑹ 被告らは,平成28年1月28日,同月29日,同年2月1日に,本件マンション建設について,本件建設現場の周辺住民に対する説明会を開催した。(甲 3) 被告らは,平成28年7月8日,本件建設現場の西側で2か所の乗り入れ工事(工事車両が車道から歩道を横断して本件建設現場に入ることから,歩道をスロープ状にして工事車両が本件建設現場に入りやすくする工事)を実施し,同月下旬,本件建設現場の周囲に高さ3メートルの仮囲いが完成し,本件建設現場の西側の仮 囲いに高さ2メートルの左右に開く折り畳み式のシャッ 工事車両が本件建設現場に入りやすくする工事)を実施し,同月下旬,本件建設現場の周囲に高さ3メートルの仮囲いが完成し,本件建設現場の西側の仮 囲いに高さ2メートルの左右に開く折り畳み式のシャッターがある出入口が二つ完成した(以下,本件建設現場の北西の出入口を「第1ゲート」,本件建設現場の南西の出入口を「第2ゲート」という。)。(証人F[17頁]) 被告らは,平成28年7月29日,仮囲い上の,別紙図面記載の「CAM♯3」から「CAM♯9」までの位置に合計7台の防犯カメラを設置し,同じ時期に, 本件建設現場の西側道路の西側にある現場事務所の,別紙図面記載の「CAM#10」の位置に防犯カメラ1台を設置し,平成29年7月上旬,さらに別紙図面記載の「CAM♯1」及び「CAM♯2」の位置に2台の防犯カメラを設置した(以下,「CAM♯1」の数字に対応する形でそれぞれの防犯カメラを「防犯カメラ1」等といい,防犯カメラ1ないし10を併せて「本件各防犯カメラ」という。)。(乙4, 証人F[8,16,19,20頁],原告A[4頁]) 被告らは,平成30年2月5日,仮囲いの撤去に伴い,防犯カメラ1ないし9について,撤去した上で一部を移設し,同年3月27日,本件マンションの完成に伴い,本件各防犯カメラをすべて撤去した。(乙6(枝番号を含む。),7,証人F[32頁]) 2 争点 ⑴ 被告らの本件各防犯カメラの設置及び撮影による原告らの肖像権等に対する制約が社会生活上の受忍限度を超えるか⑵ 損害及びその数額 3 争点に対する当事者の主張⑴被告らの本件各防犯カメラの設置及び撮影による原告らの肖像権等 に対する制約が社会生活上の受忍限度を超えるか)についてア原告らの主張 個人の私 争点に対する当事者の主張⑴被告らの本件各防犯カメラの設置及び撮影による原告らの肖像権等 に対する制約が社会生活上の受忍限度を超えるか)についてア原告らの主張 個人の私生活上の自由の一つとして,何人も,その承諾なしに,みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由(肖像権)があり,正当な理由もないのに,個人の容ぼう等を撮影することは許されない。また,憲法上,プライバシー権が保障 されており,その一環として,他人がみだりに個人に関する一定領域の事柄について情報を取得することは許されず,また,他人が自己の知っている個人の一定領域に関する事柄をみだりに第三者へ公表したり,利用することは許されない。表現の自由として,近隣マンションの建設に反対する反対運動を行う自由及び同反対運動のため集会を開催する自由も憲法によって保障されている,憲法の名宛人は公権力 であるが,その基本的な考え方は私人間にもあてはまる。 肖像権及びプライバシー権の侵害a 本件各防犯カメラは,本件建設現場を取り囲むように設置されているところ,原告らの自宅も本件建設現場に近接しているため,これらのカメラにより,原告らが自宅及び周辺住民宅に出入する様子や,自宅を出てどこか出掛けるときの様子が 常時撮影されている。これにより,原告らの肖像権及びプライバシー権が侵害され ている。 b 防犯カメラ1により,原告Aの自宅全体が撮影され,窓から自宅内の様子も撮影されている。被告らは防犯カメラ1がダミーカメラであると主張しているが,撮影機能があるカメラである。 防犯カメラ3及び4により,原告Aが,自宅から原告C宅又はH宅等へ出掛け, どこかから自宅に帰る様子が撮影されている。 防犯カメラ7により,原告C宅の全体が撮影されており あるカメラである。 防犯カメラ3及び4により,原告Aが,自宅から原告C宅又はH宅等へ出掛け, どこかから自宅に帰る様子が撮影されている。 防犯カメラ7により,原告C宅の全体が撮影されており,同宅への出入り及び窓から自宅内の様子が撮影されている。また,同防犯カメラにより,原告D宅の出入口も撮影されており,同宅への出入りする様子が撮影されている。 防犯カメラ8により,原告Bが外出する際に通行する道路が撮影されており,同 人が出掛ける様子などその動向が明らかとなっている。 c 本件各防犯カメラによる撮影は,24時間かつ連日続いたこと,その期間は,平成28年7月から仮囲いが撤去される平成30年2月5日までという長期間続いており,原告らの肖像権及びプライバシー権の侵害の程度は大きい。 表現の自由(集会の自由)の侵害 原告らを含む周辺住民は,本件マンションの建設に反対する意思を示すため,本件建設現場西側道路の歩道上で旗を持ってスタンディングをすることがあるところ,これは,原告らにとっての表現活動であり,表現の自由として保障されるべきものであるが,その様子が防犯カメラ5ないし7及び10によって常時撮影されていた。 また,原告らを含む周辺住民は,本件マンションの建設への反対運動のための集 会を,原告C宅,原告B宅及びH宅において行うことが多いところ,防犯カメラ3及び4により原告C宅及びH宅への出入りが,防犯カメラ7により原告C宅への出入りが,防犯カメラ8により原告B宅への出入りがそれぞれ撮影されている。 このような本件各防犯カメラの撮影により,原告らは,本件建設現場周辺でスタンディングを行うことをためらい,また,本件マンション建築反対運動のための集 会に参加するに際しても本件各防犯カメラによって撮影され 件各防犯カメラの撮影により,原告らは,本件建設現場周辺でスタンディングを行うことをためらい,また,本件マンション建築反対運動のための集 会に参加するに際しても本件各防犯カメラによって撮影されていることを意識せざ るを得ず,表現活動に対する萎縮が生じる。 被告らは,本件各防犯カメラの設置は盗難防止,ごみ・たばこの不法投棄防止及び犯罪行為等の証拠保全の目的で設置したと主張している。しかし,本件各防犯カメラの設置台数が,他の建設現場と比較して異常に多いことからして,本件各防犯カメラを防犯等の目的で設置してはいない。被告らが,本件建設現場の出入口 のみならず,周囲全てを取り囲むように防犯カメラを設置した理由は,原告らを含む本件マンション建築反対運動を行っている近隣住民を監視し,威嚇しすることにより,反対運動そのものを萎縮させることにあった。 したがって,被告らによる本件各防犯カメラの設置及び撮影は,原告らに対する不法行為に該当する。 イ被告らの主張 本件各防犯カメラの設置目的本件建設現場においては,その敷地への乗り入れ工事をする際や仮囲いをする時点から,原告らを含めた近隣住民による威力業務妨害行為がされていた。また,放火や,建築資材の盗難,ごみの投棄などの懸念が存在していたため,防犯上,犯罪 行為等が存在した場合の証拠保全の目的及び必要性が存在していたことから,本件各防犯カメラを設置したものである。 また,その目的を達成するために死角が生じることのないよう,それなりの設置台数が必要となったものである。 マンション建築をするに際し,その近隣住民によるマンション建築反対運動はど の現場でも散見されるところであるが,異常なまでの威力業務妨害という犯罪行為に発展する現場はない。 ものである。 マンション建築をするに際し,その近隣住民によるマンション建築反対運動はど の現場でも散見されるところであるが,異常なまでの威力業務妨害という犯罪行為に発展する現場はない。 肖像権及びプライバシー権の侵害について防犯カメラ1及び2はダミーのカメラであり,撮影を行っていない。 原告Aが同人の自宅から本件建設現場の北側の公道を歩行する姿が,防犯カメラ 3及び4の撮影範囲に入り得ることは認める。しかし,被告は,防犯カメラ3及び 4を,原告Aが本件マンションの建設に反対する集会に参加しているか否かを監視する目的ではなく,防犯及び犯罪行為等に関する証拠保全を目的として設置しており,原告Aの歩行する姿が撮影範囲に入ることも,防犯上やむを得ない。仮に,原告Aの姿が防犯カメラ3又は4の撮影範囲に入ったとしても,同人の動向の目的は判然とせず,そもそも,公道上を歩行している姿又は公道上から視認できる範囲に いるときの姿はプライバシーとして保護されるべき利益が低いものというべきであるし,防犯カメラ4ではH宅付近の被写体を判別できるほど鮮明に撮影することはできない。 防犯カメラ7は防犯及び犯罪行為等に関する証拠保全を目的として設置したものであり,その撮影範囲には,原告C宅及び原告D宅は入っていない。 防犯カメラ8の撮影範囲に,本件建設現場の南側道路の一部が入っていることは認める。しかし,同防犯カメラは,原告Bの動向を監視する目的ではなく,防犯及び犯罪行為等に関する証拠保全を目的として設置したものである。 表現の自由(集会の自由)の侵害について本件建設現場西側道路の歩道上においてスタンディングをした場合,防犯カメラ 5ないし7及び10の撮影範囲に入ることは認める。しかし,被告らは,原 表現の自由(集会の自由)の侵害について本件建設現場西側道路の歩道上においてスタンディングをした場合,防犯カメラ 5ないし7及び10の撮影範囲に入ることは認める。しかし,被告らは,原告らの適切かつ適法な表現行為を弾圧したことはないし,原告らは自らの意思で防犯カメラ5ないし7及び10の撮影範囲内で表現行為を行っている。 次に,防犯カメラ4の撮影範囲にH宅が入っていることは認めるが,本件各防犯カメラは防犯上設置しているだけであり,撮影範囲に防犯,建設資材の盗難及びご みの投棄を防止し,死角が生じないようにするため,不可避的にH宅の玄関先が入ってしまっているにすぎず,被告らに原告らの集会の有無を監視する目的はない。 また,防犯カメラ4,7及び8の撮影範囲に,原告C宅,原告D宅及び原告B宅への出入りする様子が撮影されていることは否認する。 本件各防犯カメラは,外部から視認できる場所に設置されており,定点撮影 カメラで,ズーム機能はなく,録画された映像は撮影時点から14日と14時間経 過すれば消去されることとなっていた。被告らは本件各防犯カメラの映像をモニターで監視する職員を置いていない。 本件建設現場では,原告らを含む近隣住民による表現活動を超えた妨害行為が行われる高度な蓋然性が認められた。また,放火,ごみの不法投棄,建設資材の盗難などの行為も予想されたため,防犯上,本件建設現場の敷地内において防犯カメラ を設置する必要性があった。実際に,本件各防犯カメラが,防犯及び犯罪行為等の証拠保全に役立ったことがあった。 したがって,本件各防犯カメラの設置及び撮影は原告らの肖像権等をいずれも侵害しないものであるから,不法行為に該当しない。 ⑵損害及びその数額)について ア原告らの主 た。 したがって,本件各防犯カメラの設置及び撮影は原告らの肖像権等をいずれも侵害しないものであるから,不法行為に該当しない。 ⑵損害及びその数額)について ア原告らの主張原告らは,本件各防犯カメラの設置及び撮影により,24時間,毎日,しかも約1年6か月にわたり,その容貌や姿態のみならず,行動まで撮影され続けたことにより,監視されている恐怖感や嫌悪感を受け続けた。さらに撮影された画像の使用方法についても不安を感じ続けた。特に原告Aは,自宅の真正面に防犯カメラ1を 設置されたことにより常に監視されていると感じたし,そのカメラから発せられる赤外線照明にも恐怖を抱いた。 さらに,原告らは,本件マンション建設に対する反対運動としての活動について,監視,威嚇されていると意識せざるを得ず,恐怖感や不安を感じ続けた。しかも,被告らは,警察と緊密に連携をとっていたから,原告らは違法なことはしていない と確信しつつも,いつ逮捕されるかもしれないという懸念を抱いていた。そして,この懸念は,原告Cが無実の罪で逮捕された時に大きな恐怖に変わった。また,原告らは,反対運動の打合せ(集会)のためにH宅,原告B宅及び原告C宅に行く際にも本件各防犯カメラで撮影されることにより監視,威嚇されていると感じざるを得ず,やはり恐怖感や不安を感じ続けた。 被告らの違法な本件各防犯カメラの設置及び撮影により,原告らの肖像権等を侵 害し,上記のとおり精神的苦痛を受けたのであり,この精神的苦痛を金銭的に評価すれば,原告ら一人あたり100万円を下らない。 イ被告らの主張否認するか,争う。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実(前提事実,後掲の証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実) 原告らを あたり100万円を下らない。 イ被告らの主張否認するか,争う。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実(前提事実,後掲の証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実) 原告らを含む周辺住民は,平成27年10月31日頃,本件マンションの建設計画を知り,同年11月6日,建設反対運動決起大会を開催した。その後,打合せのための集会が多いときには週1回の頻度で原告B宅やH宅で行った。原告らを含む周辺住民は,同月後半頃から,本件建設現場の西側道路の歩道上で,スタンデ ィングによる反対運動を開始した。(前提事実⑷,⑸,乙12,原告A[3頁]) 原告らは,平成28年1月頃,被告らとの話合いの場を求めて,名古屋市中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整等に関する条例18条1項に基づく調停を申し立てたが,同年2月10日,合意が成立する見込みがないとして打ち切られた。(乙12,15(枝番号を含む。)) 被告Yは,平成28年4月15日,被告Zに依頼して,本件マンション建設に関する建築確認申請を行った。さらに,被告らは,同年5月6日,本件マンション建設のための道路占用許可及び道路使用許可を得,被告Yは,同月31日,本件マンション建設に関する確認済証の交付を受けた。(乙15の1) 被告らは,平成28年5月16日から乗り入れ工事を行う予定であったとこ ろ,連日,周辺住民らが反対運動として本件建設現場の西側歩道に立つなどしたことから,工事車両が本件建設現場に入ることができなかったりしたため,同年7月7日まで乗り入れ工事ができなかった。(証人F[3頁])⑸ 平成28年7月の出来事ア同月7日,Fは,乗り入れ工事のために本件建設現場に行ったところ,周辺 住民が約14人立っており,原告Cから,1日 工事ができなかった。(証人F[3頁])⑸ 平成28年7月の出来事ア同月7日,Fは,乗り入れ工事のために本件建設現場に行ったところ,周辺 住民が約14人立っており,原告Cから,1日38万円の損害が発生するのであれ ば渡すから今日は帰るようにと言われて,お金を渡されそうになったものの,断った。 その後,乗り入れ工事のために街路樹を撤去する工事の際,近隣住民が街路樹の横に座り込むなどしたため撤去工事を開始できなかった。被告Zの従業員が110番通報し,警察官が約15名臨場し,同工事は2時間ほど遅れて着手された。この 日は,テレビ局が撮影に来ていた。 この時点において,本件建設現場の西側には「マンション建設反対!!」「『日影風害圧迫感』等の諸問題購入者にも補償を求めます」「地域住民の感情を無視するな」「Y,地域の良好な住環境を無視するな」「Y,太陽と青空を奪うな!」と記載されたのぼりが十数本ほど,本件建設現場の西側の歩道上及び車道を挟んで反 対側の歩道に置かれ,原告C宅の外壁には「良好な住環境を壊すマンション建設反対!」と書かれた横断幕が,H宅の外壁には「マンション建設反対」と書かれた横断幕が本件建設現場に向けてそれぞれ掲げられていた。(乙4,証人F[4頁],原告C[18,19頁])イ同月11日,本件建築現場において,乗り入れ工事の場内作業スペース確保 のため,整地作業が行われていたところ,原告Cの妻が,Fに対し,ほこりがひどくて洗濯物にほこりがついたらどうしてくれるのか,外で干せないから乾燥機を使うが,ガス代は補償してくれるのかなどといった苦情を述べた。これに対し,Fは,弁護士を通して書面で提出するようにと対応した。(乙4)ウ同月12日午前,本件建設現場の南西付近(第2ゲー 燥機を使うが,ガス代は補償してくれるのかなどといった苦情を述べた。これに対し,Fは,弁護士を通して書面で提出するようにと対応した。(乙4)ウ同月12日午前,本件建設現場の南西付近(第2ゲートになる場所)からダ ンプカーが本件建設現場に進入しようとしたところ,原告CとIが進入路である歩道上においてダンプカーの前に立ちはだかって移動しなかったため,ダンプカーが進入できなかった。Fは110番通報し,警察官が臨場した。ダンプカーは,30分ほど本件建設現場に進入できなかった。 同日の午後,第1ゲートの乗り入れ部分へのコンクリート打設の際,原告Cが工 事区画の中に入って出なかったため,Fは,部下に指示して110番通報させたと ころ,警察が臨場する前に原告Cは工事区画から出た。 この時点で,本件建設現場の南側路上には,「許すな児童を襲うビル風」と書かれたのぼりが設置され,周辺住民により約10個カラーコーンが置かれていた。 本件建設現場の北側にもカラーコーンが約5個置かれていた。(乙4,証人F[4,5頁]) エ同月16日,第1ゲート及び第2ゲートの乗り入れ工事が終了し,午後5時過ぎに工事車両が本件建設現場から退出しようとしたところ,原告Cが,他の周辺住民とともに本件建設現場から退出しようとする工事車両の前に立ちはだかって移動しなかったため,工事車両が退出できなくなった。Fは110番通報し,警察官が臨場した。工事車両の退出が約1時間10分遅れた。(乙4,証人F[5頁]) オ同月22日,工事車両が本件建設現場の西側道路から本件建設現場に進入しようとしたところ,原告C及び周辺住民が歩道上で同車両の前に立ちはだかり,「歩道を歩いて何が悪い」等と言って移動しなかったため,同車両は進入できなくなった。F 現場の西側道路から本件建設現場に進入しようとしたところ,原告C及び周辺住民が歩道上で同車両の前に立ちはだかり,「歩道を歩いて何が悪い」等と言って移動しなかったため,同車両は進入できなくなった。Fが原告Cに対し「乗入れを外れたところで話しましょう」と説得し,移動してもらった。(乙4) カ同月27日,原告Cは,Fに対し,仮囲い工事が予定より早く終わることについて,週間工事予定と違っていると文句を述べた。Fは,原告Cに対し,週間工事予定は天候等によって工程が前後すると説明したが,原告Cが引き下がらなかったため,警察でも土木事務所にでも申し出するようにと述べた。 この頃,仮囲い並びに第1ゲート及び第2ゲートが完成し,同月29日,防犯カ メラ3から9までが仮囲いの上に設置され,本件建設現場の南西,道路を挟んではす向かいにある現場事務所に防犯カメラ10が設置された。(,乙4)⑹ 平成28年8月の出来事ア原告らは,同月10日,本件マンションについて建築工事差止仮処分申立て を名古屋地方裁判所に行ったが,その後,同申立ては却下された。(乙12,原告 A[19,20頁])イ被告らは,同月22日,原告C,原告B,周辺住民であるI及び原告Cの隣に居住するJを相手方として,本件マンション建設工事の妨害禁止並びに同年5月16日,同月17日,同月30日,同年6月9日及び同年7月7日に歩道乗り入れ工事を妨害されたことにより生じた損害の賠償等を求めて名古屋簡易裁判所に調停 を申し立てた。同調停は,その後,不成立となった。(乙15(枝番号を含む。),証人F[35頁])ウ同年8月22日,本件マンション建設の本工事を開始するため,Fが本件建設現場に行ったところ,原告Cは,Fに対し,お盆前に弁護士を通じ となった。(乙15(枝番号を含む。),証人F[35頁])ウ同年8月22日,本件マンション建設の本工事を開始するため,Fが本件建設現場に行ったところ,原告Cは,Fに対し,お盆前に弁護士を通じて送った質問に対する回答がない,回答があるまで工事を止めるように述べたものの,Fがこれ を受け入れず工事を行おうとした。原告Cは,Fの前に立ちはだかり移動しなかったため,Fは110番通報し,警察官が9名臨場した。その際,原告Cがトレーラーが本件建設現場に進入しようとするのを阻止しようとしたが,警察官に止められた。(乙4,証人F[6頁])エ同月24日,原告C及びIは,第1ゲートにおいて,ダンプカーが後進で本 件建設現場に進入しようとしたところ,交通誘導員の制止を無視してダンプカーの後ろに立ってダンプカーが進入できないようにした。 原告C及びIは,注意を受けても「歩道を歩いて何が悪い。」と述べ,2台目のダンプカーが進入する際にも同様の行動に出た。Fは,110番通報し,原告C及びIは,警察官が臨場するまで同様の行動を繰り返した。(乙4,証人F[6頁]) オ同月29日,第1ゲートにおいて,ダンプカーの入場を開始したところ,原告C及びIが歩道上を歩き始めてダンプカーの後ろに立ちはだかり,ダンプカーが進入できないようにした。その後,Iは,別のダンプカーが後進で入場しようとした際,「あなたに聞きたい裁判中 15階建てマンション買います?」という横断幕を持って,ダンプカーの後ろに立ちはだかり,ダンプカーが進入できないよう にした。(乙4) ⑺ 平成28年9月の出来事同月27日,本件建設現場では,墨出しのため,測量機械を第1ゲートの乗入れ上に据えて作業が開始されようとしていたところ,Iが「反対 した。(乙4) ⑺ 平成28年9月の出来事同月27日,本件建設現場では,墨出しのため,測量機械を第1ゲートの乗入れ上に据えて作業が開始されようとしていたところ,Iが「反対 15階建マンション」と記載された横断幕を持って測量機械の前に立ちはだかった。Fは,作業の邪魔になったため,Iに対し,移動するよう伝えたところ,Iは,Fに対し,「歩道 に居て何が悪い。お前たちの歩道か。」と言って移動しなかった。Fは,110番通報し,警察官5名が臨場した。(乙4,証人F[6,7頁])⑻ 平成28年10月の出来事ア同月6日,第1ゲートよりダンプカーの出入りを始めたところ,原告C及びIが第1ゲート前の歩道上を行ったり来たりした。ダンプカーが本件建設現場に後 進で進入しようとした時に,交通誘導員が大声でダンプカーが進入すると伝えたところ,Iは,聞こえないふりをして歩道上を歩き,ダンプカーの進入を妨害した。 原告Cは,本件建設現場から退場しようとしたダンプカーの前に立ち,ダンプカーが出て行くことを妨害した。(乙4)イ同月7日,原告Cは,第1ゲートにおいて,本件建設現場から退出するダン プカーの前に立ちはだかり,退出するのを妨害した。Fは,原告Cを背にして両手を広げダンプカーの前に原告Cが出られないようにしてダンプカーの運転手に本件建設現場から出るよう指示すると,原告CがFの横をすりぬけてダンプカーの前に立ちはだかった。これに対し,Fは,原告Cとダンプカーとの間に入り,両手を広げて原告Cと正対し,原告Cがダンプカーの前に出ないようにしたところ,それで も,原告Cは,胸の前で腕組みをしたまま,ダンプカーに近づこうとした。このため,Fは,両腕を肩幅で広げたまま原告Cを挟むように防いでダンプカーに接触させない に出ないようにしたところ,それで も,原告Cは,胸の前で腕組みをしたまま,ダンプカーに近づこうとした。このため,Fは,両腕を肩幅で広げたまま原告Cを挟むように防いでダンプカーに接触させないようにしていたところ,原告Cが両腕を組んだ状態から手をほどいたため,Fはバランスを崩してダンプカーにその背中を接触させた。 Fは110番通報し,原告Cは,暴行罪の被疑事実で現行犯逮捕された。 (甲26,乙4,原告C[9頁から12頁まで]) ウ同月8日,近隣住民の女性が第2ゲートの乗り入れ部分の真ん中に座り込み,Fは110番通報をした。同女性は,約1時間20分移動せず,ダンプカーの本件建設現場への進入が遅れた。(乙4)⑼ 同年12月,本件現場内にも,現場事務所が建てられた。(乙8,証人F[10頁]) ⑽ア平成29年7月10日頃,別紙図面記載の場所に防犯カメラ1及び2が設置された。(原告A[5,10頁])イ同年8月19日,本件建設現場の現場事務所の東側に空きペットボトルや空き缶やたばこの吸い殻が捨てられ,同月26日,本件建設現場の現場事務所の東側に,ハンバーガーの食べ残しや宅配ピザの空箱やたばこの吸い殻が捨てられ,同月 29日にも,本件建設現場の現場事務所の東側にたばこの吸い殻やごみが捨てられていた。(乙5,13,証人F[28頁])⑾ 原告Aは,平成29年1月以降,本件建設現場における騒音が我慢の限度を超えるとして,名古屋市公害対策課に申入れをした。原告Aは,その後も本件建設現場における騒音状況が改善されなかったと感じたため,K(別紙図面の「K宅」 と記載しているところに居住している。)と共に,平成29年9月,被告らに対し,騒音の差し止めや慰謝料を求める訴訟を名古屋地方裁判所に提起 が改善されなかったと感じたため,K(別紙図面の「K宅」 と記載しているところに居住している。)と共に,平成29年9月,被告らに対し,騒音の差し止めや慰謝料を求める訴訟を名古屋地方裁判所に提起し,現在も係属中である。(甲24,証人F[26頁])⑿ 原告らは,平成29年10月6日,本件訴えを提起した。 ⒀ 原告Cは,要旨,「原告Cが,Fに対し,その胸を両手で突き飛ばしてその 背中を,徐行中のダンプカーの側面に接触させる暴行を加えた。」という公訴事実で名古屋地方裁判所に起訴されていたものの,同裁判所は,平成30年2月13日,「原告Cから両手で胸を突かれた」というFの供述が信用できないとして無罪判決を言い渡した。(甲22,乙12,原告B[7頁])⒁ 被告らは,平成30年3月27日,本件マンションの完成に伴い,本件各防 ⒂ 本件各防犯カメラの性能,設置状況等ア本件各防犯カメラのうち,撮影機能を有する防犯カメラ3ないし10は,仮囲いの工事が終わった直後の平成28年7月29日に設置され,首振り機能はなく,撮影する方向や角度を決めてねじで固定するものであり,遠隔操作によって撮影範囲を変更することはできない。24時間,夜でも撮影でき,撮影された画像をパソ コンなどで最大で8倍まで拡大することができる。本件建設現場では,動画データは14日14時間保存され,過去の分から順番に上書きされるようになっていた。 また,動画データを他の媒体に保存することも可能である。 防犯カメラ3ないし10によって撮影されている映像はモニターに映し出され,1つのモニターで4画面を映すことができる仕様であったため,防犯カメラ3ない し10によって撮影されている映像は,2台のモニターに映し出されていた。モニターは,本件 像はモニターに映し出され,1つのモニターで4画面を映すことができる仕様であったため,防犯カメラ3ない し10によって撮影されている映像は,2台のモニターに映し出されていた。モニターは,本件建設現場の仮囲いに設置されていたため,映像を確認するためには,現場事務所を出て本件建設現場の西側の道路を渡って,そのモニターのある場所まで行って確認しなければならなかった。モニターを確認するためだけの従業員は配置されていなかった。 防犯カメラ1及び2は,平成29年7月10日頃に設置された撮影機能を有しないダミーカメラであるものの,防犯カメラ3ないし10と同じ形状で,暗くなるとLEDライトが点灯する仕様であり,実際,夜になれば,カメラのレンズの周囲が赤く点灯していた。 本件各防犯カメラは,いずれも,設置されていることが外から分かる状態であっ た。(甲4,5,8ないし11,13,27(枝番号を含む。),乙2,3,10(枝番号を含む。),証人F[8,10頁ないし16頁,22,27,30,35頁ないし38頁])イ本件各防犯カメラの具体的な設置状況及び映り込む範囲は以下のとおりである。 防犯カメラ1及び2(いずれもダミーカメラ) 防犯カメラ1は,別紙図面記載の場所から原告A宅及びK宅の方向に向けられ,原告A宅の南側面の約半分が映り込むような角度で設置されていた。 防犯カメラ2は,本件建設現場東側の北端(別紙図面参照)から,南に向けられ,本件建設現場の東隣にあるマンションへの通路が撮影されるような角度で設置されていた。(甲4,5,8,9) 防犯カメラ3及び4防犯カメラ3は,別紙図面記載のとおり,本件建設現場の北側道路を東端から西向きに撮影されており,防犯カメラ4は,別紙図面記載のとお ていた。(甲4,5,8,9) 防犯カメラ3及び4防犯カメラ3は,別紙図面記載のとおり,本件建設現場の北側道路を東端から西向きに撮影されており,防犯カメラ4は,別紙図面記載のとおり,本件建設現場北側道路を西端から東向きに撮影されていた。 いずれのカメラも,画面の約半分が本件建設現場敷地,残りの約半分が本件建設 現場の北側道路及びこれに面した住宅(原告C宅,原告A宅及びH宅を含む。)となるように撮影されていた。防犯カメラ3には,H宅の東側外壁が映り込んでいるが,同側面には窓が少なく,室内の様子は窺えない。防犯カメラ4には,原告C宅及びH宅の出入口付近が映り込んでいる。また,原告A宅の西側面が本件建築現場の北側道路の奥に映り込んではいるが,遠方であり,室内の様子は窺えない。(甲 4,5,8,9,乙9) 防犯カメラ5ないし7防犯カメラ5及び6は,本件建設現場西側の出入口及びその周辺の公道を北端から南に向けて撮影されていた。防犯カメラ5では第1ゲートの歩道(乗り入れ部分)が重点的に撮影され,防犯カメラ6では,本件建設現場西側にある片側一車線 の道路を挟んで反対側の店舗が映り込むように撮影されていた。 また,防犯カメラ7は,第1ゲート及びその周辺の道路を第1ゲートの南側から北に向けて撮影されていた。本件建設現場の北側にある原告C宅及び原告D宅がその撮影範囲に含まれるものの,原告D宅は本件建設現場西側道路に面したわずかな部分しか映り込まないし,また,原告C宅の1階部分は仮囲いによって映り込まず, 2階部分は本件建設現場の北側道路を歩行している状態でも見える範囲でしか映り 込んでいなかった。(甲4,5,11,12,乙9) 防犯カメラ8ないし10防犯カメラ8は,本件建設 2階部分は本件建設現場の北側道路を歩行している状態でも見える範囲でしか映り 込んでいなかった。(甲4,5,11,12,乙9) 防犯カメラ8ないし10防犯カメラ8は,本件建設現場南側道路を西端から東向きに,防犯カメラ9は,本件建設現場南側道路を東端から西向きに,それぞれ設置されていた。防犯カメラ8に原告B宅が映り込んではいるが,かなり遠方であり,同宅への出入りする人を 認識することはできない。 防犯カメラ10は,本件建設現場の南西,道路を挟んではす向かいに設置され,本件建設現場の西側道路の南側半分及び本件建設現場の南側道路をその撮影範囲とするものであり,第1ゲート及び原告らの居宅は映り込んでいなかった。本件建設現場の南側にあった第2ゲートが撮影されており,その後,第2ゲートは遅くとも 平成29年9月10日までには撤去されて高さ3メートルの仮囲いが設置された。 (甲4,5,14,15,乙9) 被告らの本件各防犯カメラの設置及び撮影による原告らの肖像権等に対する制約が社会生活上の受忍限度を超えるか)について⑴ 人は,みだりに自己の容ぼう等を撮影されないということについて,法律上 保護されるべき人格的利益(肖像権)を有し,プライバシー権や表現の自由も有し,原告らが主張する原告らの肖像権等の権利を有すると認められるところ,ある者の容ぼう等をその承諾なく撮影することなど,原告らの肖像権等に制約を加えることが不法行為法上違法となるためには,撮影の場所,撮影の範囲,撮影の態様,撮影の目的,撮影の必要性,撮影された画像の管理方法,原告らの肖像権等が制約され る程度等諸般の事情を総合的に考慮して,原告らの肖像権等に対する制約が社会生活上受忍の限度を超えるものでなければならないというべきである。 影された画像の管理方法,原告らの肖像権等が制約され る程度等諸般の事情を総合的に考慮して,原告らの肖像権等に対する制約が社会生活上受忍の限度を超えるものでなければならないというべきである。 ⑵ 防犯カメラ3及び4についてア防犯カメラ3したように,防犯カメラ3は本件建設現場北側道路が東端から西向きに撮影され, 防犯カメラ4では本件建設現場北側道路が西端から東向きに撮影され,本件建設現 場北側道路を両端から挟み込むように撮影されており,原告C宅,原告A宅及びH宅の外壁が映り込んでいるものの,画面の約半分が本件建設現場敷地,残りの約半分が本件建設現場の北側道路及びこれに面した住宅(原告C宅,原告A宅及びH宅を含む。)となるように撮影されている。原告C宅及びH宅への人の出入りの状況は映り込む状況になっているが,居宅内の様子は撮影されていない。 イ撮影の態様は,防犯カメラ3及び4により24時間撮影されているものの,被告らの従業員が1日中モニターに張り付いて映像を見ていたわけではなく,問題が起きた時に確認する程度であり,動画データは14日14時間保存され,過去の分から順番に上書きされるようになっていたった。(認定事実⒁ア)ウ被告らは,本件各防犯カメラの設置及び撮影の目的は,盗難防止,ごみの不 法投棄防止及び犯罪行為等の証拠保全の目的であると主張している。 マンションの建設現場に防犯カメラが設置されることは他の現場でもあるものの,設置台数については,多くても数台程度であり(甲16,17,証人F),本件建設現場のように10台もの防犯カメラが設置されることはない。被告らが主張する本件各防犯カメラの設置及び撮影目的のうち,盗難防止及びごみの不法投棄防止に ついては,防犯カメラを設置する一つの 建設現場のように10台もの防犯カメラが設置されることはない。被告らが主張する本件各防犯カメラの設置及び撮影目的のうち,盗難防止及びごみの不法投棄防止に ついては,防犯カメラを設置する一つの目的にはなり得るといえるが,本件建設現場が他の建設現場と比較して盗難及びごみの不法投棄が発生する危険性が非常に高いことを窺わせる証拠はなく,10台もの防犯カメラを設置したことについての主たる目的であったとは認められない。 本件建設現場においては,平成28年5月から開始する予定であった乗り入れ工 事が,周辺住民が反対運動として立ち並ぶことなどによって開始が1月以上遅れ,乗り入れ工事開始後も,工事車両が本件建設現場に出入りする際に,原告Cなどが本件建設現場への進入路となっている歩道上に立ちふさがり,工事車両が進入することができなくなり,警察官が臨場する事態がしばしば生じてきたこと(認定事実⑷,⑸),仮囲いが設置された後も,本件建設現場の西側にある第1ゲート及び第 2ゲートにおいて,原告Cなど歩道上に立ちふさがり工事車両の進入及び退出する ことができなくなる事態が生じていたからすれば,原告らと現場作業員との間で,小競り合いなどの不測の事態が生じた際に備えて,証拠保全の目的から,防犯カメラを設置して撮影を行うことには合理性が認められる。また,本件建設現場の南側及び北側に原告らがカラーコーンを複数並べて設置していたこと(認定事実⑸ウ)からすれば,反対運動が第1ゲート及び第2ゲート 付近以外の本件建設現場北側の道路上まで拡大する可能性が想定される状況にあったといえる。被告らは,原告らと現場作業員との間で,小競り合いなどの不測の事態が生じた際に備えて,証拠保全の目的から,本件建設現場の周囲に死角がないようにするため,防犯カメラ が想定される状況にあったといえる。被告らは,原告らと現場作業員との間で,小競り合いなどの不測の事態が生じた際に備えて,証拠保全の目的から,本件建設現場の周囲に死角がないようにするため,防犯カメラ3ないし10を設置し,撮影を行ったものであると認めることができる(なお,防犯カメラ1及び2の設置目的については,後に検討す る。)。 これに対し,原告らは,本件各防犯カメラの設置目的は,原告らを含む本件マンション建築反対運動を行っている近隣住民を監視し,威嚇することにより,反対運動そのものを萎縮させることにあったと主張している。被告らの設置目的は,不測の事態に備えての証拠保全ではあるものの,被告らは不測の事態が生じることを希 望していたわけではないから,防犯カメラ3ないし10を設置することによって,原告らと現場作業員といざこざが過激化することを抑止する目的もあったと考えられる。しかし,上記趣旨を超えて,被告らが当初設置した防犯カメラ3ないし10の設置に関して,原告らの行動を監視する等の意図があったとまでは認められない。 防犯カメラ3及び4の撮影場所について検討したように,原告らの自宅の出入口付 近が映り込んでいるものもあるが,撮影の中心は仮囲い付近であり,出入りを監視する目的があったとまでは認められない(防犯カメラ5ないし10についても同様である。)。また,撮影の態様について検討したように,首振り機能はなく,モニターを監視している従業員もいないこと(防犯カメラ5ないし10についても同様である。),撮影された画像の管理方法において後述するように,被告らが不測の事態 が生じた場合の証拠保全目的以外に撮影された画像を使用したことは窺われないこ とからして,原告の主張は採用することができない。 エ撮影の目的が,小 るように,被告らが不測の事態 が生じた場合の証拠保全目的以外に撮影された画像を使用したことは窺われないこ とからして,原告の主張は採用することができない。 エ撮影の目的が,小競り合いなどの不測の事態が生じた際に備えての証拠保全にあり,本件建設現場の北側にも原告らがカラーコーンを複数並べて設置していたこと(認定事実⑸ウ)からすれば,本件建設現場の北側道路においても小競り合いなどの不測の事態が生じるおそれがあり,先に認定したように本件建設現場の北側 道路を両端から撮影する必要があったと認められる。 オ撮影された画像の管理方法は,被告らの従業員が1日中モニターに張り付いて映像を見ていたわけではなく,問題が起きた時に確認する程度であり,また,映像のア)。北側道路では,結果的には小競り合い等不測の事態は生じておらず,防犯カ メラ3及び4によって撮影された映像が,他の媒体に保存され,証拠保全の目的以外の用途に使用されたことが窺われる証拠はない。 カ防犯カメラによって,原告C宅及びH宅の出入口付近が映り込んでおり,人の出入りする状況が24時間撮影されている状況にあったことからして,原告らが本件建設現場の北側道路を歩行する際や,原告C宅及びH宅に出入りする際,その 様子が常に撮影されており,原告らの動向が監視されていると感じる面があったと認められ,原告らの肖像権及びプライバシー権を制約するものであった。また,原告らが反対運動に関する会合を原告C宅又はH宅で行う際,誰が集まってきているかが撮影されていることになり,表現の自由(集会の自由)の制約になっていたことも認められる。しかし,撮影された映像から分かる内容は,誰かが原告C宅又は H宅をある時刻に訪れ,ある時刻に出て行ったことであり,訪問の目的や会話内 現の自由(集会の自由)の制約になっていたことも認められる。しかし,撮影された映像から分かる内容は,誰かが原告C宅又は H宅をある時刻に訪れ,ある時刻に出て行ったことであり,訪問の目的や会話内容等が分かるわけではない。また,原告Cの状況についても自宅からの出入りが分かるというだけで,その訪問先や自宅内における会話などが分かるわけではない。 キ上記諸事情を総合考慮すると,本件建設現場の西側における反対運動の状況や本件建設現場北側に原告らがカラーコーンを設置していたことなどに照らし,第 1ゲート及び第2ゲート付近で行われていた反対運動が北側にも拡大し,不測の事 態に対応するための証拠保全の必要から,防犯カメラ3及び4が設置されたものといえ,撮影範囲もまた,その目的に照らし,問題のない範囲であったということができ,被告らが不測の事態に対応するための証拠保全という目的外に撮影したデータを使用したことは窺われず,防犯カメラ3及び4の撮影によって原告らの肖像権等が一定の制約を受けてはいるものの,その制約を受ける程度は限定的なものであ ることからすれば,防犯カメラ3及び4の設置,撮影が社会生活上受忍限度を超える程度であったと認めることはできない。 ⑶ 防犯カメラ5ないし7についてア防犯カメラ5ないし7までの撮影の場所,撮影の範囲は,認認定したように,防犯カメラ5は,本件建設現場の北西端から南に向けて設置され ており,第1ゲートの乗り入れ部分が画面の中央になるように撮影され,防犯カメラ6は,第1ゲート及びその周辺の公道を本件建設現場の北西端から南に向けて設置され,画面の半分は本件建設現場敷地内,残り半分は公道が映り込むように撮影され,防犯カメラ7は,第1ゲート及びその周辺の公道を第1ゲートの南端から北に向けて を本件建設現場の北西端から南に向けて設置され,画面の半分は本件建設現場敷地内,残り半分は公道が映り込むように撮影され,防犯カメラ7は,第1ゲート及びその周辺の公道を第1ゲートの南端から北に向けて設置され,画面の半分は本件建設現場敷地内,残り半分は公道が映り込む ように撮影されていた。防犯カメラ7の撮影範囲に原告C宅及び原告D宅が含まれていたものの,原告D宅は,本件建設現場西側道路に面したわずかな部分しか映り込んでおらず,原告C宅は,その南面が撮影されているところであるものの,1階部分は,仮囲いによって映り込んでおらず,2階部分も相当程度撮影範囲に含まれるとはいえ,本件建設現場の北側道路を歩行している状態でも見える範囲の外壁が 撮影されており,居室内の様子は撮影されていない。 イ撮影の態様は,防犯カメラ3及び4と同様であり,第1ゲート付近にある仮囲いの上に設置され,24時間撮影されているものの,被告らの従業員が1日中モニターに張り付いて映像を見ていたわけではなく,問題が起きた時に確認する程度であった。(認定事実⒁ア)。 ウ撮影の目的は,防犯カメラ3及び4と同様に,不測の事態が生じた場合の証 拠保全が目的であり,原告らによる反対運動は,本件建設現場の乗り入れ工事が開始された当初から,工事用車両が本件建設現場に入ることができないようにするなる必要があったと認められる。 エ撮影された画像の管理方法は,防犯カメラ3及び4と同様である。第1ゲー トにおいて原告Cが逮捕される事件が発生したため,被告らは防犯カメラ5ないし7で撮影したデータを警察に提出した(弁論の全趣旨)。不測な事態が発生した場合の証拠保全という撮影目的に沿った使用であり,これ以外に,被告らが防犯カメラ5ないし7で撮影したデータを他の媒 ラ5ないし7で撮影したデータを警察に提出した(弁論の全趣旨)。不測な事態が発生した場合の証拠保全という撮影目的に沿った使用であり,これ以外に,被告らが防犯カメラ5ないし7で撮影したデータを他の媒体に保存し,証拠保全の目的以外の用途に使用したことを窺わせる証拠はない。 オ防犯カメラ5ないし7によって第1ゲート付近の歩道が撮影されており,原告らが同歩道を通行する様子やスタンディング等の反対運動の様子が撮影され,また,防犯カメラ7には原告C宅及び原告D宅の一部が映り込み,両宅の出入りの様子が撮影されていたことから,原告らの肖像権等を一定制約していると認められる。 しかしながら,その映像から分かる内容は,ある時刻に,誰かが第1ゲート付近の 歩道を通行し,誰かが原告C宅又は原告D宅を訪れ,ある時刻に出て行ったことであって,その目的や会話内容等が分かるわけではない。また,原告D及び原告Cの状況についても自宅からの出入りが分かるというだけで,その訪問先や自宅内における会話などが分かるわけではない。 カ上記諸事情を総合考慮すると,本件建設現場西側における反対運動の状況に 照らし,不測の事態に対応するための証拠保全の必要から,防犯カメラ5ないし7が設置されたものといえ,撮影範囲もまた,その目的に照らし,問題のない範囲であったということができ,被告らが不測の事態に対応するための証拠保全という目的外に撮影したデータを使用したことは窺われず,防犯カメラ5ないし7の設置,撮影によって原告らの肖像権等が一定の制約を受けてはいるものの,その制約を受 ける程度は限定的なものであることからすれば,防犯カメラ5ないし7の設置及び 撮影が,社会生活上の受忍限度を超える程度であったと認めることはできない。 ⑷ 防犯カメラ8及び を受 ける程度は限定的なものであることからすれば,防犯カメラ5ないし7の設置及び 撮影が,社会生活上の受忍限度を超える程度であったと認めることはできない。 ⑷ 防犯カメラ8及び9についてアように,防犯カメラ8は本件建設現場の南側道路を西端から東向きに,防犯カメラ9は,本件建設現場南側道路を東端から西向きにそれぞれ設置されており,本件建 設現場南側道路を両端から挟み込むように撮影されていた。防犯カメラ8には原告B宅が映り込んではいるが,人の出入りを確認することはできない。 イ撮影の態様は,防犯カメラ3及び4と同様であり,仮囲いの上に設置され,24時間撮影されているものの,被告らの従業員が1日中モニターに張り付いて映像を見ていたわけではなく,問題が起きた時に確認する程度であった。 ウ撮影の目的は,防犯カメラ3及び4と同様に,不測の事態が生じた場合の証拠保全が目的である。原告らによる反対運動は,本件建設現場の乗り入れ工事が開始された当初から,第1ゲート及び第2ゲートにおいて,工事用車両が本件建設現 からすれば,反対運動が第1ゲート及び第2ゲート付近以外の本件建設現場南側の道路上まで拡大する可能性が想定される状況にあったといえ,本件建設現場南側道路上においても,原告らと現場作業員との間で,小競り合いなどの不測の事態が生じた際に備えて,証拠保全の目的から,本件防犯カメラ8及び9を設置し,撮影を 行う必要があったと認められる。 エ撮影された画像の管理方法は,防犯カメラ3及び4と同様である。南側道路では,結果的には小競り合い等不足な事態は生じておらず,防犯カメラ8及び9によって撮影された映像が,他の媒体に保存され,証拠保全の目的以外の用途に使用されたことは窺われない。 オ防犯カ では,結果的には小競り合い等不足な事態は生じておらず,防犯カメラ8及び9によって撮影された映像が,他の媒体に保存され,証拠保全の目的以外の用途に使用されたことは窺われない。 オ防犯カメラ8及び9によって本件建築現場の南側道路が撮影されており,原 告らが同道路を通行すれば,その様子が撮影されることになる。原告らの肖像権等を一定制約するものであるとはいえるが,撮影されることによって通行目的等まで把握されるわけではない。 カ上記諸事情を総合考慮すると,原告らによる反対運動の状況に照らし,不測の事態に対応するための証拠保全の必要から,防犯カメラ8及び9が設置されたも のといえ,撮影範囲もまた,その目的に照らし,問題のない範囲であったということができ,被告らが不測の事態に対応するための証拠保全という目的外に撮影したデータを使用したことは窺われず,防犯カメラ8及び9の設置,撮影によって原告らの肖像権等が一定の制約を受けてはいるものの,その制約を受ける程度は限定的なものであることからすれば,防犯カメラ8及び9の設置,撮影が,社会生活上の 受忍限度を超える程度であったと認めることはできない。 ⑸ 防犯カメラ10についてア防犯カメラ10で認定したように,本件建設現場の南西,道路を挟んではす向かいに設置され,本件建設現場の西側歩道が撮影されており,原告らの自宅は映り込んでいなかった。 イ撮影の態様は,防犯カメラ3及び4と同様であり,24時間撮影されているものの,被告らの従業員が1日中モニターに張り付いて映像を見ていたわけではなく,問題が起きた時に確認する程度であった。 ウ撮影の目的は,防犯カメラ3及び4と同様に,不測の事態が生じた場合の証拠保全が目的である。原告らによる反対運動は,本件建設 映像を見ていたわけではなく,問題が起きた時に確認する程度であった。 ウ撮影の目的は,防犯カメラ3及び4と同様に,不測の事態が生じた場合の証拠保全が目的である。原告らによる反対運動は,本件建設現場の乗り入れ工事が開 始された当初から,第1ゲート及び第2ゲートにおいて,工事用車両が本件建設現 エ撮影された画像の管理方法は,防犯カメラ3及び4と同様である。防犯カメラ10によって撮影された映像が,他の媒体に保存され,証拠保全の目的以外の用 途に使用されたことを窺わせる証拠はない。 オ防犯カメラ10によって本件建築現場の西側歩道が撮影されており,原告らが反対運動とは関係なく同歩道を通行する際にも,その様子が撮影されることになる。原告らの肖像権等を一定制約するものであるとはいえるが,撮影されることによって通行目的等まで把握されるわけではない。 カ上記諸事情を総合考慮すると,原告らによる反対運動の状況に照らし,不測 の事態に対応するための証拠保全の必要から,防犯カメラ10が設置されたものといえ,撮影範囲もまた,その目的に照らし,問題のない範囲であったということができ,被告らが不測の事態に対応するための証拠保全という目的外に撮影したデータを使用したことは窺われず,防犯カメラ10の設置,撮影によって原告らの肖像権等が一定の制約を受けてはいるものの,その制約を受ける程度は限定的なもので あることからすれば,防犯カメラ10の設置,撮影が,社会生活上の受忍限度を超える程度であったと認めることはできない。 防犯カメラ1及び2についてア防犯カメラ1及び2はいずれもダミーカメラであり,そもそも撮影,録画していない(認定事実⒁ア)。原告らは,ダミーカメラではないと主張するが,撮影 機能があったこ カメラ1及び2についてア防犯カメラ1及び2はいずれもダミーカメラであり,そもそも撮影,録画していない(認定事実⒁ア)。原告らは,ダミーカメラではないと主張するが,撮影 機能があったことに関する具体的な指摘はしていない。ダミーカメラの注文書等があり(乙10の1ないし3),防犯カメラ3ないし10は,1モニター4分割であり,撮影機能のあるカメラを増設するためには,モニターから造設する必要があり,ダミーカメラにした旨のFの証言は合理性があることからして,原告らの主張は採用できない。 イ防犯カメラ1は,撮影機能がなかったが,原告A宅の南側面の約半分及びK宅の西 ウ被告らは,防犯カメラ1及び2の設置目的について,平成29年夏頃から本件建設現場の北東角辺りにごみの不法投棄がされるようになったため,その不法投棄を防止するためであると主張する。確かに,平成29年8月以降に本件建設現場 の北東辺りに空きペットボトルやたばこの吸い殻が不法投棄されたことは認められ みの不法投棄は本件建設現場の東側にあるマンションから行われたものと推測されるところ,当該マンションは新築されたものではないから,平成29年8月頃に至って初めて不法投棄が始まったものとは考え難い。)。また,空きペットボトル等の不法投棄がされることによって本件マンションの建設工事にどの程度の支障が生じ たのかも明らかではない(本件カメラ1及ぶ2を設置した後にもごみの不法投棄が継続されたことに対し,被告らが何らかの対応策を講じたことも窺われない。)。平成29年8月以降に不法投棄された物の状況は,他の建設現場でもあり得る程度のものであり,ダミーカメラを設置してまで防止する必要があったとは認められない。 以上からすると,防犯カメラ3ないし10とは異なり,防犯 8月以降に不法投棄された物の状況は,他の建設現場でもあり得る程度のものであり,ダミーカメラを設置してまで防止する必要があったとは認められない。 以上からすると,防犯カメラ3ないし10とは異なり,防犯カメラ1及び2の設置 目的に関する被告らの主張には合理性を認めることはできない。 被告らが合理的な理由がないのに,費用をかけてまでダミーカメラを設置した理由については,平成29年1月以降,原告Aが,本件建築現場における騒音に対して苦情を名古屋市公害対策課に申し入れるなどし,同年9月には,Kと共に騒音差止等を求める訴えを提起するに至っていること(認定事実⑽)からすると,ごみの 不法投棄を表面上の理由として,嫌がらせ的な意図で,本件カメラ1を原告A宅及びK宅方向に向けて設置したのではないかと疑われる。 エ防犯カメラ1は,防犯カメラ3から10までと同じ外観であり,しかも,暗くなるとLEDライトが点灯する仕様であり,実際,夜になれば,カメラのレンズの周囲が赤く点灯していた(認定事実⒁ア)。 オ防犯カメラ1には撮影機能がなく,実際には,原告A宅は撮影されておらず,原告Aの肖像権やプライバシー権が侵害されていたわけではないが,原告Aが本件建設現場における騒音に対する苦情を申し入れた時期と重なること,防犯カメラの形状等が防犯カメラ3ないし10と同じであることなどからすれば,原告Aは,防犯カメラ1によって監視されていると不快感を抱かざるを得ない状況に置かれてい たものと認められる。 カ上記検討からすれば,防犯カメラ1はダミーカメラであって,原告A宅の撮影は行われていなかったものの,合理的な理由なく,撮影機能があるカメラと同一形状の防犯カメラ1を原告A宅の方向に向けて設置することは,原告Aの平穏な生活を害す 1はダミーカメラであって,原告A宅の撮影は行われていなかったものの,合理的な理由なく,撮影機能があるカメラと同一形状の防犯カメラ1を原告A宅の方向に向けて設置することは,原告Aの平穏な生活を害するものであり,被告らが原告Aに対する嫌がらせ目的であるとまでの認定はできないとしても,少なくとも原告Aの平穏な生活を害することになることは理 解した上で設置していると認められるから,不法行為に該当する(原告らは,防犯カメラ1に撮影機能があることを前提とした主張をしているが,原告Aが本件カメラ1によって監視されていると感じることによる慰謝料請求をしており,ダミーカメラ設置を理由とする賠償請求も含んでいると解される。)。 ⑴ 被告らによる防犯カメラ3ないし10の設置及び撮影は,社会生活上受忍限度を超えるものとはいえず,不法行為法上違法であると認められないものであるから,被告らによる加害行為があったとは認められない。その余の争点について判断するまでもなく,原告らの請求は理由がない。 ⑵ 被告らによる防犯カメラ1の設置については,合理的な理由がなく,原告A の平穏な生活を害したものであるから,原告Aが被った精神的苦痛を賠償すべき義務がある。 防犯カメラ1はダミーカメラであって実際には撮影されていないかったこと,防犯カメラ1の設置期間が平成29年7月から平成30年2月までであったことなど,本件において認められる事情を総合すると,原告Aが被った精神的苦痛を慰謝する ためには5万円を要すると認めるのが相当である。 第4 結論以上によれば,原告らの請求は,原告Aが被告らに対して慰謝料5万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があり,その余の範囲についてはいずれも理由がない。よって,主文のとおり判 結論 以上によれば、原告らの請求は、原告Aが被告らに対して慰謝料5万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があり、その余の範囲についてはいずれも理由がない。よって、主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第5部 裁判長裁判官 唐木浩之 裁判官 賀来哲哉 裁判官 髙橋祐二

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