裁判所
昭和50年4月25日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所 昭和42(ネ)551
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主文 原判決を破棄する。本件を東京高等裁判所に差し戻す。理由 上告代理人横山国男、同陶山圭之輔、同三野研太郎、同木村和夫、同陶山和嘉子の上告理由第一点について。所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし正当として是認することができ、その過程に所論の違法は認められない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものであつて、採用することができない。同第二点及び第三点について。論旨は、要するに、ユニオン・シヨツプ協定に基づく解雇については、除名が無効な場合には解雇も無効になると解すべきであるにもかかわらず、除名の効力と解雇の効力とは関係がないとした原判決は、ユニオン・シヨツプ協定の効力についての判断を誤るものであり、また、本件解雇は、労働協約及び就業規則に定められた解雇基準に当たらず、なんら合理的理由のないものであつて、権利濫用として無効と解すべきであるにもかかわらず、この点についてなんら説明のない原判決は、判決に理由を付せず、理由に齟齬があるというのである。思うに、使用者の解雇権の行使も、それが客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の濫用として無効になると解するのが相当である。ところで、ユニオン・シヨツプ協定は、労働者が労働組合の組合員たる資格を取得せず又はこれを失つた場合に、使用者をして当該労働者との雇用関係を終了させることにより間接的に労働組合の組織の拡大強化をはかろうとする制度であり、このような制度としての正当な機能を果たすものと認められるか- 1 -ぎりにおいてのみその効力を承認することができるものであるから、ユニオン・シヨツプ協定に基づき使用者が労働組合に対し解 度であり、このような制度としての正当な機能を果たすものと認められるか- 1 -ぎりにおいてのみその効力を承認することができるものであるから、ユニオン・シヨツプ協定に基づき使用者が労働組合に対し解雇義務を負うのは、当該労働者が正当な理由がないのに労働組合に加入しないために組合員たる資格を取得せず又は労働組合から有効に脱退し若しくは除名されて組合員たる資格を喪失した場合に限定され、除名が無効な場合には、使用者は解雇義務を負わないものと解すべきである。 ものと認められるか- 1 -ぎりにおいてのみその効力を承認することができるものであるから、ユニオン・シヨツプ協定に基づき使用者が労働組合に対し解雇義務を負うのは、当該労働者が正当な理由がないのに労働組合に加入しないために組合員たる資格を取得せず又は労働組合から有効に脱退し若しくは除名されて組合員たる資格を喪失した場合に限定され、除名が無効な場合には、使用者は解雇義務を負わないものと解すべきである。そして、労働組合から除名された労働者に対しユニオン・シヨツプ協定に基づく労働組合に対する義務の履行として使用者が行う解雇は、ユニオン・シヨツプ協定によつて使用者に解雇義務が発生している場合にかぎり、客観的に合理的な理由があり社会通念上相当なものとして是認することができるのであり、右除名が無効な場合には、前記のように使用者に解雇義務が生じないから、かかる場合には、客観的に合理的な理由を欠き社会的に相当なものとして是認することはできず、他に解雇の合理性を裏づける特段の事由がないかぎり、解雇権の濫用として無効であるといわなければならない。本件についてこれをみるに、原審が適法に確定した事実によれば、訴外D産業労働組合同盟E支部は、被上告会社との間に「会社は組合を脱退し、または除名された者を解雇する。」とのユニオン・シヨツプ条項を含む包括的労働協約を締結していたところ、昭和四〇年八月二一日、上告人に対し、同人を組合から離籍した(この離籍をもつて実質は、除名であるとした原審の判断は正当である。)旨を通知するとともに、被上告会社に対してもその旨を通知したので、被上告会社は、同月二四日、右ユニオン・シヨツプ条項の規定によつて上告人を解雇する旨の意思表示をしたというのであるから、離籍(除名)の効力いかんに とともに、被上告会社に対してもその旨を通知したので、被上告会社は、同月二四日、右ユニオン・シヨツプ条項の規定によつて上告人を解雇する旨の意思表示をしたというのであるから、離籍(除名)の効力いかんによつては、本件解雇を無効と判断すべき場合があるものといわなければならない。しかるに、上告人が、本件離籍は無効であり、したがつて右ユニオン・シヨツプ条項に基づいてした解雇は無効であると主張したのに対し、原審が、本件離籍(除名)の効力について審理判断- 2 -することなく、除名の有効無効はユニオン・シヨツプ協定に基づく解雇の効力になんら影響を及ぼすものではないとして、上告人の主張を排斥したのは、ユニオン・シヨツプ協定に基づく解雇の法理の解釈を誤り、そのため審理不尽におちいり、ひいては理由不備の違法をおかしたものというべきである。 ニオン・シヨツプ条項に基づいてした解雇は無効であると主張したのに対し、原審が、本件離籍(除名)の効力について審理判断- 2 -することなく、除名の有効無効はユニオン・シヨツプ協定に基づく解雇の効力になんら影響を及ぼすものではないとして、上告人の主張を排斥したのは、ユニオン・シヨツプ協定に基づく解雇の法理の解釈を誤り、そのため審理不尽におちいり、ひいては理由不備の違法をおかしたものというべきである。したがつて、論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。そして、本件は右の点につき更に審理を尽す必要があるから、これを原審に差し戻すのが相当である。よつて、民訴法四〇七条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官小川信雄裁判官岡原昌男裁判官大塚喜一郎裁判官吉田豊- 3 -
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