昭和59(う)773 公職選挙法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和59年12月5日 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を葛城簡易裁判所に差し戻す。          理    由  本件控訴の趣意は、被告人六名の弁護人藤田太郎作成の控訴趣意書記載のとおり であ

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判決文本文1,660 文字)

主    文      原判決を破棄する。      本件を葛城簡易裁判所に差し戻す。          理    由  本件控訴の趣意は、被告人六名の弁護人藤田太郎作成の控訴趣意書記載のとおり であり、これに対する答弁は、検察官小林秀春作成の答弁書記載のとおりであるか ら、これらを引用する。  控訴趣意第一点について  論旨は、これを要するに、原審である葛城簡易裁判所は昭和五九年五月九日の第 三五回公判で本件について被告人六名に有罪判決を言渡し、弁護人が同日刑訴法四 六条にもとづき判決書の謄本を請求したのに対し、同月三〇日付で同裁判所裁判所 書記官A作成の判決書の謄本が同月三一日弁護人に送達されたが、この判決書の謄 本と本件記録中第三五回公判調書のつぎに綴られている判決書とは、「証拠の標 目」中の五番目と七番目の証拠の記載に実質的な相違があり、これらによると、原 裁判所は、第三五回公判調書のつぎに右謄本の原本たる判決書が綴られていたの に、後日この判決書の「証拠の標目」中の記載を実質的に変更した新たな判決書を 作成し、これを右判決書と差し替えて第三五回公判調書のつきに綴込んだものと考 えられるから、原裁判所の右のような訴訟手続には判決に影響を及ぼすことの明ら かな法令違反がある、というのである。  そこで所論と答弁にかんがみ記録を調査し、当審で取調べた証拠を併せて検討す ると、(一)弁護人に交付された判決書の謄本は裁判所書記官が作成した適式の謄 本であること、(二)記録に存する判決書が原審第三五回公判において宣告された ものとされていること、(三)しかし、右判決書謄本の「証拠の標目」中五番目の 「被告人B、同C(以上Dの関係)、同E、同D(以上Fの関係)の各被告人供述 調書」及び七番目の記載中「証人G(第一一回、第一三回)の当該公判調書の供述 部分」が、記録に存する判決書 の標目」中五番目の 「被告人B、同C(以上Dの関係)、同E、同D(以上Fの関係)の各被告人供述 調書」及び七番目の記載中「証人G(第一一回、第一三回)の当該公判調書の供述 部分」が、記録に存する判決書では「被告人B、同C(以上第二〇回、Dの関 係)、同E、同D(以上第二六回、Fの関係)の当該公判調書中の各供述部分」及 び「証人G(第一一回(Dの関係では除く)、第一三回)の当該公判調書中の供述 部分」と、いずれも加削訂正によつてではなく記載し直されていること、がそれぞ れ認められる。  判決書の謄本は、裁判所書記官が判決書の原本によりこれを作らなければならな い(刑訴規則五七条一項)から、葛城簡易裁判所裁判所書記官Aが作成し弁護人に 交付した判決書謄本の原本たる判決書が当然に存在したはずであるのに、記録中の 判決書がさきに示した点において判決書謄本と相違しているのは、判決書謄本を弁 護人に交付した後において、原裁判所がその原本の証拠の標目の記載に変更を加え て新たに判決書を作成し、それを第三五回公判期日に宣告されたものとして記録に 編綴したことによるといわざるをえない。  <要旨>しかして、原裁判所の右のような措置は、判決書作成手続について初歩的 かつ基本的な過誤を犯すものであ</要旨>り、訴訟当事者にとつてはいずれが上訴の 対象となるべき判決であるかが定かではないから、判決に影響を及ぼすことの明ら かな訴訟手続の法令違反といわねばならない。原判決は破棄を免れず、論旨は理由 がある。  よつて、その余の控訴趣意に対する判断を省略し、刑事訴訟法三九七条一項、三 七九条により原判決を破棄し、同法四〇〇条本文により本件を原裁判所に差し戻す こととして、主文のとおり判決する。  (裁判長裁判官 兒島武雄 裁判官 荒石利雄 裁判官 中川隆司) 破棄し、同法四〇〇条本文により本件を原裁判所に差し戻す こととして、主文のとおり判決する。  (裁判長裁判官 兒島武雄 裁判官 荒石利雄 裁判官 中川隆司)

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