【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄する。 本件を須崎簡易裁判所に差し戻す。 理 由 本件控訴の趣意は、記録に綴つてある弁護人中平博作成名義の控訴趣意書に記載 のと
主文原判決を破棄する。 本件を須崎簡易裁判所に差し戻す。 理由本件控訴の趣意は、記録に綴つてある弁護人中平博作成名義の控訴趣意書に記載のとおりであるから、ここにこれを引用する。 先ず職権をもつて調査するに、本件起訴状には、公訴事実として「被告人は(中略)多数の右選挙の同村選挙人に対し、a村b峠のトンネルが出来るようになつたのは塩見先生のお蔭である、又a村郷からc高原に通ずる林道が出来るようになつたのはB先生のお蔭である、この両先生が当選すれば今後もこのようにa村の為になることをやつて貰える、a村を良くする為にはこの両先生に当選して貰わねばならんので、今度の選挙には、全国区はBと書き、地方区はAと書いて投票せられたい旨を申し向<要旨>け、もつて(以下略)」なる旨の記載と、罰条として公職選挙法二二一条一項二号の記載がある。ところで、右</要旨>法条にいう利害関係は現在又は将来(過去を除外)における特殊の直接利害関係であることを要するのであるから、これを具体的に認識することの可能な程度に訴因を明確にしなければならないことはいうまでもない。 しかるに、本件起訴状には、前記のようにAおよびB両候補の尽力のあつた過去の利害関係は具体的に掲げてあるけれども、将来の利害関係としては「このようにa村の為になること」とのみ抽象的に記載するに止まつているのであつて、これでは、将来における利害関係が具体的にいかなる内容のものであるかを特定的に認識することができない。さすれば原審はすべからくこの点につき検察官の釈明を求め、訴因を特定した上で被告事件の審判を為すべきであるのにかかわらず、漫然本件被告事件について審理を終り、罪となるべき事実として起訴状記載の公訴事実と同趣旨の事実を認定しているのであつて、 釈明を求め、訴因を特定した上で被告事件の審判を為すべきであるのにかかわらず、漫然本件被告事件について審理を終り、罪となるべき事実として起訴状記載の公訴事実と同趣旨の事実を認定しているのであつて、原審の訴訟手続には審理不尽の違法があり、その結果原判決の罪となるべき事実の判示をもつてしては、右同様利害関係の具体的内容を認識することができず、犯罪の構成要件に該当する具体的事実を窺知し得ないわけであつて、前記罰条に該当する事実の判示としては、理由不備の違法があるものといわねばならない。従つて原判決はこの点において既に破棄を免れない。 よつて、弁護人の控訴趣意に対する判断を省略し、刑訴三九七条一項三七八条四号四〇〇条本文により、原判決を破棄した上本件を原裁判所に差し戻すこととし、主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官加藤謙二裁判官木原繁季裁判官加藤龍雄)
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