令和5年2月7日宣告令和3年(わ)第604号殺人被告事件 主文 被告人を懲役13年に処する。 未決勾留日数中430日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、精神障害を有していた実父であるAを実母であるBと共に疎ましく思っていたところ、C及びBと共謀の上、Aを殺害しようと計画し、平成23年3月5日午後0時頃から同日午後4時頃までの間に、東京都江戸川区a町b丁目c番d号eマ ンションf号室等において、手段不詳によりA(当時77歳)を殺害した。 (証拠の標目)省略(事実認定の補足説明)第1 争点等 公訴事実記載の日時場所においてAが死亡したことは関係証拠上明らかに認められる。他方、弁護人は、Cが単独でAを殺害した旨を主張し、被告人もこれに沿う供述をする。本件の争点は、Aが、被告人、C及びBの共謀に基づいて殺害されたと認められるか否かである。 第2 認定事実 関係各証拠によれば、次の事実が認められる(以下、特に断らない限り、月日はいずれも平成23年のものである。)。 1 被告人とA及びBとの関係⑴ Aは、被告人の実父(昭和8年11月19日生)であり、長年にわたって精神障害により入退院を繰り返すなどしており、平成22年1月23日以降は、 双極I 型感情障害(主に躁症状が強く現れる躁鬱病)の治療のため長野県所在 のg病院に入院していた。また、過去に起こした脳梗塞等の後遺障害として嚥下障害や歩行障害が生じていた。 ⑵ Bは、Aの妻であり、被告人の実母である。 2 被告人とCとの関係等被告人は、平成12年4月にh大学医学部医学科に入学し、平成14年春頃、 i大学医学部医学科に在籍していたCと知り合った Bは、Aの妻であり、被告人の実母である。 2 被告人とCとの関係等被告人は、平成12年4月にh大学医学部医学科に入学し、平成14年春頃、 i大学医学部医学科に在籍していたCと知り合った。その後、被告人は、大学を退学していたが、当時、厚生労働省において医師国家試験の受験資格認定審査業務に携わっていたCの指南を受け、平成21年3月に厚生労働省に内容虚偽の資料を提出して医師国家試験受験資格認定を受け、平成22年3月に医師国家試験に合格して同年5月に医師免許を取得し、その頃、福島県内の医療機関で臨床研 修を開始した。なお、Cは、平成22年4月以降、j大学法医学教室助教の職にあった。 3 Aの殺害計画⑴ 被告人及びBは、長年にわたり、精神障害を有するAの介助、医療費等の経済的負担のほか、多くの苦労を余儀なくされてきたことから、Aを疎ましく感 じており、遅くとも平成22年頃にはAの死を望むようになった。 ⑵ 被告人は、Aの状況等を知ったCと連絡を取り合う中で、Aを退院させて殺害する計画を具体化させていき、他方で、Bに対し、Cとのメールを転送するなどして、Cと共にAを殺害することを共有し、そのための準備を依頼するなどした。その結果、被告人、C及びBは、遅くとも3月5日までに、以下の内 容を骨子とするAの殺害計画を練り上げた。 ① 被告人とBが、g病院の担当医師らに対し、Aを東京都内の病院に転院させる手はずが整った旨の嘘を伝え、3月5日にAを退院させ、車椅子に乗せたAを新幹線でk駅まで搬送し、同駅でCと合流する。 ② 被告人とCが、Aをレンタカーに乗せてk駅から東京都江戸川区a町b丁 目c番d号eマンションf号室に搬送する。 ③ eマンションf号室においてAを殺害する。 ④ 被告人及びCの共通の 告人とCが、Aをレンタカーに乗せてk駅から東京都江戸川区a町b丁 目c番d号eマンションf号室に搬送する。 ③ eマンションf号室においてAを殺害する。 ④ 被告人及びCの共通の知人である医師の名義で偽造した死亡診断書及びそれと一体となった死亡届を東京都中央区役所に提出し、火葬許可証を取得した上で、速やかにeマンションに近い火葬場で火葬する。 4 犯行日前後の被告人らの行動等 ⑴ Cは、2月25日までに、lレンタカーk駅東口店に対し、3月5日午前11時に同店を出発し、同日午後8時にm駅西口店に返却するとの条件で福祉車両のレンタルを申し込んだ。 ⑵ 被告人は、2月27日頃、車椅子のレンタル会社に対し、3月4日にnホテルで受け取り、同月7日に都内から返却発送するとの条件で車椅子のレンタル を申し込んだ。 ⑶ 被告人は、2月28日、eマンションf号室を3月4日から4月2日までの約1ヶ月間賃借する内容の賃貸借契約を締結し、Bが3月4日にレオパレスの支店において上記部屋の鍵を受領した。 ⑷ Bは、遅くとも3月5日より前に、被告人の指示を受け、g病院に対し、A を転院させる手はずが整ったので同日に退院させるとの意向を伝えた。 ⑸ 3月5日当日の経過は、以下のとおりである。 ア被告人及びBは、午前9時30分頃、g病院を訪れてAを退院させるとともに、事前にレンタルしていた車椅子にAを乗せ、o駅から新幹線でk駅に移動した。被告人、B及びAは、午前11時46分頃、k駅に到着し、福祉 車両をレンタルしたCと合流した。 なお、退院時点におけるAの健康状態は良好であり、経鼻胃管の必要も生じていなかった。 イ被告人及びCは、午後0時すぎ頃、Cが運転する福祉車両にAを車椅子ごと乗車させた上で、eマンションに向 。 なお、退院時点におけるAの健康状態は良好であり、経鼻胃管の必要も生じていなかった。 イ被告人及びCは、午後0時すぎ頃、Cが運転する福祉車両にAを車椅子ごと乗車させた上で、eマンションに向かったが、Bは被告人らとは別に東京 駅に向かった。 ウ Aは、eマンションに到着後、そのf号室に搬送され、午後4時頃までの間に死亡した。 エ被告人は、死亡日時を3月5日午後1時53分、死亡した場所をeマンションf号室、直接の死亡原因を「急性循環不全」、診断者名をp診療所のq医師である旨の死亡診断書を偽造した。また、Bは、同死亡診断書と一体と なった死亡届を作成し、午後5時20分頃、eマンションから公共交通機関を利用すれば約1時間15分の距離に位置する東京都中央区役所に、同死亡届を提出し、死体火葬許可証を受領した。さらに、被告人又はBは、この日のうちに葬儀業者を通じてr火葬場での火葬を予約した。 ⑹ Aの遺体は、3月10日午後0時頃、r火葬場で火葬された。 ⑺ 被告人は、4月22日に本邦を出国し、当時のスワジランド王国内の空港近隣の植え込みにAの遺骨を埋めた。 5 被告人らの事後のメール内容⑴ Bは、3月25日、被告人に対し、Aについて「生き様がそのままに出てしまった。化け物よ。。サラバ!」「被告人(注:被告人の名をひらがなで表記) が幸せな人生を送れるように邪魔をしにくるなよ!!」「もちろん、B(注:Bの名をひらがなで表記)もや!」などと記載したメールを送信した。 ⑵ 被告人は、4月18日、Cに対し、「入籍おめでとう。おいらは結婚はもちろん女とすら無縁の人生を歩んでるのでゴールインした勝ち組を見上げるのが実にまぶしい。 しかし結婚生活はいろいろと大変。ぜひとも幸せに。とりあ 18日、Cに対し、「入籍おめでとう。おいらは結婚はもちろん女とすら無縁の人生を歩んでるのでゴールインした勝ち組を見上げるのが実にまぶしい。 しかし結婚生活はいろいろと大変。ぜひとも幸せに。とりあ えず赤ちゃんができたらよいねえ。」「あさっての深夜羽田発、日曜日の深夜羽田帰還予定。 バンコクで暇つぶしして、ヨハネスではヒルトンのスイートに泊まってワイン飲んで打ち上げてくる。 すべてが初体験ツアー。まあ法要にかこつけてうざい小児科から離れてバカンスできるんだからおいしいもんだ。」などと記載したメールを送信した。 ⑶ 被告人は、4月26日、Cとメールのやり取りをする中で、Cに対し、「4日 の夕方以降福島で打ち上げでもぜんぜんオッケイだが。」「とりあえず3日夜に福島っていうことで。土産話ならぬ記念写真でも持参するわ。」などと記載したメールを送信した。 ⑷ 被告人は、5月29日、Bに対し、「先生、お世話になりますた from スワジランド」と記載してCの写真を添付したメールを送信した。 ⑸ 被告人は、11月2日、Bに対し、「悪人でも逃げ出したくなる南アフリカ。 あそこは逃げ回るって行くところやないで。ドキチガイざまぁみろ。」「連れて帰ってほしいか? そらできんで。 胸がすっとするワ。」と記載したメールを送信した。 第3 争点に対する判断 1 Aが殺害されたと認められるかについてAは、g病院を退院してから長くても7時間以内には死亡するに至っている(前記第2の4⑸ア及びウ)ところ、Aの退院時点における健康状態が良好であり(同ア)、そのような短時間で病死・自然死に至った可能性を具体的にうかがわせるような事情は何ら見出せない。その上で、死亡診断書が偽造されている(同 エ)ところ、仮 における健康状態が良好であり(同ア)、そのような短時間で病死・自然死に至った可能性を具体的にうかがわせるような事情は何ら見出せない。その上で、死亡診断書が偽造されている(同 エ)ところ、仮にAが自然死、病死又は事故死したのであれば、あえて死亡診断書を偽造する必要はないことを併せ鑑みれば、Aが殺害されたと推認することができる。 2 被告人、C及びBの共謀に基づき殺害されたと認められるかについて⑴ 前記認定事実に基づく検討 前記第2の4⑸及び前記1のとおり、①Aは、被告人ら3名の当初の計画のとおり、g病院を退院させられ、被告人及びCによって、被告人らの用意したeマンションf号室に搬送され、②その後、殺害されており、また、③それから間もなく被告人によって死亡診断書の偽造文書が作成され、Bによって死亡届が区役所に提出されるなどの手続が行われている。このように、殺害計画を 進める中、被告人とCの二人がAの近くにいるという状況下でAが殺害された ことは、被告人及びCの二人の関与によってAが殺害されたと強く推認させる事情である。また、殺害前と殺害後に関しては当初の計画どおりに手際よく進行されており、そこに予定外の事態が生じたことはうかがわれないという一連の経過からして、当初の計画に従って殺人が実行されたことを強く推認させるといえる。 加えて、前記第2の5のとおり、3月5日以降における被告人とC又はBとの間のメールのやり取りを見ても、計画の途中で予定外の事態が生じたことを具体的にうかがわせる事情は何ら見出せない。 以上によれば、Aは、当初の殺害計画に基づいて殺害されたと合理的に推認することができる。そして、前記第2の3の計画立案状況からすれば、その殺 害計画については、被告人、C及びBにおいて、遅くと 以上によれば、Aは、当初の殺害計画に基づいて殺害されたと合理的に推認することができる。そして、前記第2の3の計画立案状況からすれば、その殺 害計画については、被告人、C及びBにおいて、遅くとも3月5日までに、順次、共謀を遂げたと認められる。 ⑵ 被告人の公判供述についての検討ア以上に対し、被告人は、公判廷において、概要、Cとの間で計画の中止を合意したものの、Cが被告人に無断でAの殺害を実行した旨を供述する。具 体的には、①k駅に向かう新幹線の車内で、Bから、計画を中止してg病院に引き返すよう訴えられたことから、計画を中止しようと決意し、k駅で合流したCに計画の中止を申し出た後、落ち着いて話をするためにC及びAと共にeマンションに向かい、f号室に車椅子に乗せた状態のAを搬送した後、福祉車両内でCに対して計画の中止を説得し、最終的にはCから計画中止の 了承を得て、Cと共にAの新たな入院先等を探して電話をかけるなどした、②Aの様子が気がかりとなり、Cと共に102号室に戻ろうとしたところ、自身の携帯電話に病院から折り返しの電話があり、先にCのみが室内に戻った、③5分から10分程度の電話を終えて室内に入ると、Cが既に何らかの方法でAを殺害しており、Aが布団に横たわった状態にあった、④こうなっ てしまった以上、計画を進めざるを得ず、Cの指示に従い、死亡診断書を偽 造するなど当初の計画どおりに進めた旨を供述する。 イたしかに、Bも、捜査段階において、新幹線の車内で被告人に対して計画を中止したい旨を伝えたと供述している(乙1001)こと、被告人が、当初の計画にあったインスリン注射器(フレペン)を打ったとはうかがわれないこと、Aが被告人の父で、また、Bの夫であり、殺人が重大犯罪であるこ とからすれば、 ている(乙1001)こと、被告人が、当初の計画にあったインスリン注射器(フレペン)を打ったとはうかがわれないこと、Aが被告人の父で、また、Bの夫であり、殺人が重大犯罪であるこ とからすれば、被告人及びBが直前に犯行を躊躇し、Cに対して計画の中止を提案したという可能性に限っては十分に考えられる。 しかし、被告人の供述を前提にすれば、Cは、殺害計画の中止を了承しながら、これまで付き合いの長かった被告人を何ら説得等することなく、いつ被告人が入室するのかも分からない状況下で、そのような関係にある被告人 の父を無断かつ独断で10分程度の短時間のうちに殺害したことになる。そのような短時間のうちに一人で痕跡も残さずに殺人を実行することが現実に可能であるかも疑問である上、それまで被告人との間で事件発覚を防ぐための種々の準備・計画をしていたことを踏まえれば、Cにおいて、被告人が協力してくれるだろうという不確かな見込みに基づくリスクを負うとは考 え難いし、被告人を説得等することができないような事情もない中で無断かつ独断で犯行に及んだというのはあまりにも不自然・不合理というほかない。 加えて、被告人の供述を前提とすれば、勝手にAを殺害されたという想定外の事態が生じたことになるが、前記⑴で述べたとおり、殺害後の手続は当初の計画どおりに手際よく進行されており、そこに想定外の事態が生じたこと はうかがわれず、また、3月5日以降におけるメールのやり取り(前記第2の5)を見ても、被告人・Bの間では、これだけ心情を率直に伝え合う間柄であるにもかかわらず、Cが被告人及びBの意思に反してAを殺害したことに関する非難や、Aが殺害されたことに関する後悔の念をうかがわせる記載は存在しない一方で、Cへの感謝の気持ちを述べているほか、被告人・Cの 間 、Cが被告人及びBの意思に反してAを殺害したことに関する非難や、Aが殺害されたことに関する後悔の念をうかがわせる記載は存在しない一方で、Cへの感謝の気持ちを述べているほか、被告人・Cの 間でも、意思に反してAを殺害されたことに伴う関係性の変化は見られない。 以上によれば、被告人の前記供述は信用することができず、前記⑴の認定・判断に合理的な疑いを容れるには至らない。 ⑶ 弁護人の主張についての検討ア他方、弁護人は、①高齢者の延命治療を否定し、本件の後に殺人マニュアルまで作成するようなCが、被告人との間で計画中止の合意をした後に、自 ら考案した殺害方法を試す格好の実験台であると考えて、殺害を思い至ったとしてもおかしくない、②それまでに殺害計画を立てており、自身の名義で賃借した部屋でAが死亡したという事実や、医師国家試験の受験資格に関してCに便宜を図ってもらったという従前からのCとの特異な関係を踏まえれば、Cが被告人の協力を確信したはずである、③事後のメールの記載内容 を見ても、むしろ殺害状況に関する具体的記述はないことに着目すべきであるとして、Aの殺害はCの単独犯行によるものである旨を主張する。 イしかしながら、弁護人が主張するCの人物像や被告人との関係性等を前提にしたとしても、前記⑵イで述べたとおり、Cが被告人に無断かつ独断で犯行に及んだというのはあまりにも不自然・不合理というほかない(上記①、 ②)。また、被告人のメールに殺害状況に関する具体的記述がないという点についても、殺害を計画していた当初の段階から、具体的な殺害方法に関するメールのやり取りはなかったことを踏まえれば、その事情をもって、前記認定・判断を左右するものとは評価できない(上記③)。 したがって、弁護人の前記主張は採用で 段階から、具体的な殺害方法に関するメールのやり取りはなかったことを踏まえれば、その事情をもって、前記認定・判断を左右するものとは評価できない(上記③)。 したがって、弁護人の前記主張は採用できない。 3 結論以上の次第であるから、被告人、C及びBの共謀に基づいてAが殺害されたと認められる。 (法令の適用)罰条刑法60条、199条 刑種の選択有期懲役刑を選択 未決勾留日数の算入刑法21条訴訟費用の不負担刑事訴訟法181条1項ただし書(量刑の理由) 1 本件は、被告人が、母及び医師仲間である知人と共謀して父を殺害した殺人1件の事案である。 2⑴ 具体的な殺害方法は不詳であるものの、被告人らは、医師としての知識・経験や立場を基に、父の退院手続や殺害後の処理方法等の検討を重ねたり、必要となる医療品や犯行場所の確保等の準備をしたりするなどして、他殺を疑われることなく父を殺害する計画を練り上げ、その計画に基づき共犯者3名で役割分担をしながら殺人を実行している。長年にわたって殺人が発覚しなかったことからも明 らかなとおり、その殺害計画の巧妙さや悪質さは、他に類を見ない。 ⑵ 被告人個別の事情を見ても、事前の準備や、犯行当日の退院手続、犯行場所への父の搬送、殺害後の死亡診断書の偽造など、殺害計画の完遂に不可欠な役割を主体的・主導的に果たしたと評価すべきである。 被告人は、共犯者である母と共に、長年にわたって精神障害を有する父の介助、 医療費等の経済的負担のほか、多くの苦労を余儀なくされてきたことで、父の死を望むようになっていたところ、父に対する胃ろうの造設により死期が延びかねない状況下で、共犯者である医師仲間から、他殺を疑われることなく殺害する方法を提案 くの苦労を余儀なくされてきたことで、父の死を望むようになっていたところ、父に対する胃ろうの造設により死期が延びかねない状況下で、共犯者である医師仲間から、他殺を疑われることなく殺害する方法を提案されるなどする中で、自身や母の人生を守ろうと考え、父の殺害を決意するに至っている。被告人のこれまでの苦労等に鑑みれば、その動機・経緯には 同情の余地もあり、全くの身勝手な理由で殺人が犯された事案と同列に扱うことはできない。 しかし、当時、父を殺害しなければならないほどに被告人や母が追い詰められていたことをうかがわせる事情はなく、安易に人ひとりの命を奪うことを決めた被告人の意思決定は強い非難に値し、典型的な介護殺人の事案とも明らかに事案 を異にする。 3 以上の犯情を前提に、量刑上考慮すべき前科のない被告人による親に対する殺人1件で、他に主要な罪のない事案のほか、介護疲れ又は怨恨を動機とする事案等の量刑傾向も踏まえて検討すると、本件は、典型的な介護殺人等とは異なっており、法定刑としての有期懲役刑の下限付近に位置付けるべきような軽い部類に属さないことは明らかである。他方で、計画の巧妙さや悪質さからすれば、重い部類に位 置づけるべきではあるものの、動機・経緯に酌むべき事情も認められることを踏まえれば、法定刑としての有期懲役刑の上限付近に位置付けるような特別に重い部類に属するとまでも評価できない。 4 そこで、以上のほか、被告人が殺害計画を立てた点については概ね認めていることなど、本件に現れた一切の事情を考慮して、主文のとおり量刑した。 (求刑・懲役20年)令和5年2月7日京都地方裁判所第2刑事部 裁判長裁判官川上 宏 裁判 刑した。 (求刑・懲役20年)令和5年2月7日京都地方裁判所第2刑事部 裁判長裁判官川上 宏 裁判官檀上信介 裁判官西村陽佑
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