- 1 - 主文 被告人を懲役10年に処する。 未決勾留日数中80日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、別表【省略】記載のとおり、令和3年9月2日頃から令和5年3月31日頃までの間に、171回にわたり、横浜市a区b町c丁目d番地A信用組合B支店において、同支店貸金庫内から、同支店支店長管理の現金合計6億1911万8000円を窃取した。 (量刑の理由)まずもって、本件の被害総額は6億1911万8000円と極めて高額であり、現時点で被告人による有意な被害弁償はなく、財産的被害は重大というほかない。 被告人は、信用組合支店次長という職務上の地位や情報を悪用し、必要な合鍵を作成するなどした上、起訴された分だけでも令和3年9月から令和5年3月までの約1年半にわたり計171回、貸金庫に保管されていた現金を盗み出す犯行を重ねた。 1回の窃取額が1000万円を超えるものも複数あって、ギャンブル資金等のため犯行を重ねた被告人は厳しい非難に値する。支店幹部職員により敢行された本件各犯行でA信用組合の社会的信頼も損なわれ、多額の現金を奪われた顧客らが強い処罰感情を述べるのも当然である。弁護人は、被告人が異常なほど犯行を繰り返した背景には、ギャンブル依存の影響で正常な抑制が働かなくなっていたことがあるなどと主張する。しかし、被告人のギャンブル依存が犯行を繰り返したことに影響していたとしても、支店次長の地位にありながら、支店内の貸金庫から顧客らが預けていた現金6億円以上を171回にわたり盗み続ける行為が正当化されないことは明らかである。 以上によれば、被告人の刑事責任は重大であり、被告人に前科がなく、事実を認めて反省の弁を述べ、出所後ギャンブル依存の治療を受ける旨誓っていること、父 - 2 -が出所後の被告 明らかである。 以上によれば、被告人の刑事責任は重大であり、被告人に前科がなく、事実を認めて反省の弁を述べ、出所後ギャンブル依存の治療を受ける旨誓っていること、父 - 2 -が出所後の被告人を監督する旨述べていること等の事情を考慮しても、主文の刑は免れないものと判断した。 (求刑-懲役13年)令和7年7月17日横浜地方裁判所第4刑事部 裁判官小泉健介
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