- 1 -裁判例(令和5年(わ)第722号)主文 被告人を懲役3年に処する。 未決勾留日数中80日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、令和5年11月30日午前10時30分頃、群馬県富岡市(住所省略)被告人方において、実子であるA(令和▲年▲月▲日生、当時生後約10か月)に対し、持ち上げていた同人の身体を勢いよくソファに押し付け、その頭部を同ソファの肘置きに打ち付ける暴行を加え、よって、同人に重度発達障害及び左半身麻痺等の後遺障害を伴う全治不能の右急性硬膜下血腫、脳浮腫及び頭蓋骨骨折等の傷害を負わせた。 (証拠の標目)省略(法令の適用)罰条刑法204条刑種の選択懲役刑を選択未決勾留日数の算入刑法21条訴訟費用刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)(量刑の理由)ソファに座った状態で、当時生後約10か月の実子である被害者の両脇を両手でつかんで持ち上げ、勢いよくソファに押し付け、クッション性が弱くなっていた同ソファの肘置き部分に、被害者の頭部を打ち付ける態様は、乳児の頭部に強い衝撃を与える危険なものである。被害者は、重度発達障害及び左半身麻痺等の後遺障害を伴う全治不能の右急性硬膜下血腫等の重度の傷害を負い、今後、将来にわたり、自らの意思で身体を動かす等のことができずに医療や介護を要する可能性があり、被害結果は相当に重大である。 - 2 -被告人は、二男である被害者について、長男と比べて成長が遅いと考え、育児にストレスを感じ、被害者が思ったような反応をしなかった際に被害者を軽く叩くなどの暴行をするようになり、本件当日、体調不良で自宅にいた際、外出した妻の代わりに被害者の面倒をみていたと いと考え、育児にストレスを感じ、被害者が思ったような反応をしなかった際に被害者を軽く叩くなどの暴行をするようになり、本件当日、体調不良で自宅にいた際、外出した妻の代わりに被害者の面倒をみていたところ、被害者が泣きやまず、被告人の用意したミルクも飲まなかった状況に腹を立て、とっさに本件犯行に及んだ。被告人なりに育児に悩みを抱いていたとはいえ、わずか生後約10か月の被害者にそのストレスをぶつけることは到底許されず、動機や経緯に酌むべき余地は乏しい。 また、被告人は、被害者の受傷後、明らかな異変を感じながら、救急車等を呼ぶこともなく、自らの責任を逃れようと、119番通報した妻に虚偽の説明をさせる等、犯行後の情状も芳しくない。 以上からすれば、被告人の責任は重いといわざるを得ず、実刑は免れない。そこで、被告人が反省していること、被告人の妻が監督を誓約し、両親らの支援も期待されること、被告人に前科がないこと等の被告人に有利な事情も考慮し、被告人を主文の刑に処するのが相当であると判断した。 (求刑懲役5年)令和6年4月26日前橋地方裁判所刑事第1部裁判官柴田裕美
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