○ 主文原告らの訴えをいずれも却下する。訴訟費用は原告らの負担とする。○ 事実第一申立て一原告ら被告が昭和四七年二月一〇日付鉄施第一八号をもつて訴外日本鉄道建設公団に対してした成田新幹線東京・成田空港間工事実施計画その1に関する認可はこれを取り消す。訴訟費用は被告の負担とする。二被告(一) 本案前の申立て主文同旨(二) 本案の申立て原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。第二主張一原告らの請求原因(一) 訴外日本鉄道建設公団は、全国新幹線鉄道整備法(以下、単に法という。)九条一項にもとづき被告に対し昭和四七年二月八日付計計第八号をもつて成田新幹線東京・成田空港間工事実施計画その1(以下、本件工事実施計画という。)の認可を申請し、被告は、同月一〇日付鉄施第一八号をもつてこれを認可した(以下、本件認可という。)。(二) (1)本件工事実施計画においては、法九条一項および法施行規則二条一項にもとづき、路線名(成田新幹線)、工事の区間(東京・成田空港間)、線路延長(六五キロメートル)、建設予算総額(二、〇〇〇億円)等が定められているほか、線路の位置が縮尺二〇万分の一の平面図に巾一ミリメートル内外の線をもつて表示されている。なお、右平面図によれば、江戸川区を通過する成田新幹線の路線位置は、帝都高速度交通営団地下鉄五号線の線路敷地の南側にあたる。そして、右平面図に表示された巾一ミリメートル内外の線は、現在地に引き直すと約二〇〇メートルの巾の帯状の線となるので、成田新幹線の路線位置は、右地下鉄五号線の線路敷地の南側で約二〇〇メートルの巾の帯状の線の範囲内において決定されているということになる。(2) ところで、本件認可後は本件工事実施計画にもとづき日本鉄道建設公団の手続が機械的に進められていくので 地の南側で約二〇〇メートルの巾の帯状の線の範囲内において決定されているということになる。 外の線は、現在地に引き直すと約二〇〇メートルの巾の帯状の線となるので、成田新幹線の路線位置は、右地下鉄五号線の線路敷地の南側で約二〇〇メートルの巾の帯状の線の範囲内において決定されているということになる。(2) ところで、本件認可後は本件工事実施計画にもとづき日本鉄道建設公団の手続が機械的に進められていくので 地の南側で約二〇〇メートルの巾の帯状の線の範囲内において決定されているということになる。(2) ところで、本件認可後は本件工事実施計画にもとづき日本鉄道建設公団の手続が機械的に進められていくのであるが、まず、前記約二〇〇メートルの巾の帯状の線の中で成田新幹線の線路位置が具体的に確定されると、原則として巾一一・五メートルの土地が線路敷地として買収(任意あるいは土地収用法にもとづく強制収用を問わず)されることになり、当該土地所有者らに重要かつ直接的な影響を与えることになるが、さらに、工事が進行し、工事完成後に新幹線が運行を開始するようになると、後にも述べるように、周辺地域に対し騒音、振動、粉じん、電波障害、風害、日照権侵害等の被害を及ぼすこととなる。(3) したがつて、本件認可は、被告と日本鉄道建設公団の内部的な問題にとどまらず、実質的には国民の権利利益を侵害するものとして抗告訴訟の対象となる行政処分と解すべきである。もし、本件認可を抗告訴訟の対象となる行政処分と解することなく、本件工事実施計画の推行に従い将来具体的な処分(たとえば、土地収用法にもとづく収用等の処分)がなされた段階においてはじめてその処分の取消訴訟を認めれば足りるとする見解に立つとすれば、本件工事実施計画の推行がかなり進められた段階において個個の収用等の処分が違法として取り消されることにより、かえつて各関係者らに測り知れない大混乱を生じさせることとなり、あるいは、右のような訴訟においては本件工事実施計画の推行によりすでに復原不可能の状況にあるとの理由でいわゆる事情判決を受ける恐れもきわめて大である。ことに、本件認可の特徴は、事前に原告ら利害関係人に意見を述べる機会すら与えず、また、原告ら利害関係人に異議申立てを認めるなどの行政手続参加の制度が存在しない点にある。そして れもきわめて大である。ことに、本件認可の特徴は、事前に原告ら利害関係人に意見を述べる機会すら与えず、また、原告ら利害関係人に異議申立てを認めるなどの行政手続参加の制度が存在しない点にある。 情判決を受ける恐れもきわめて大である。ことに、本件認可の特徴は、事前に原告ら利害関係人に意見を述べる機会すら与えず、また、原告ら利害関係人に異議申立てを認めるなどの行政手続参加の制度が存在しない点にある。そして れもきわめて大である。ことに、本件認可の特徴は、事前に原告ら利害関係人に意見を述べる機会すら与えず、また、原告ら利害関係人に異議申立てを認めるなどの行政手続参加の制度が存在しない点にある。そして、原告ら利害関係人はその後の手続の進行に伴ない増大する権利侵害を被りながらもひたすら拱手黙視を余儀なくされ、個個の収用等の処分に対する取消訴訟の結果が前記のとおりいわゆる事情判決で終るとすれば、いわゆる公害による被害が事後の金銭的賠償によつては救済されえないものであることを考慮するとき、原告らの出訴権は不当に制限されることとなり、かくては原告らの権利救済はついに不可能となるのである、したがつて、本件認可そのものが実質的には国民の権利利益に影響を及ぼす行政庁の権力的行為として抗告訴訟の対象となる行政処分であると解すべきである。(三) (1)原告江戸川区は別紙目録記載(一)の学校(江戸川区立第二葛西小学校)敷地を、原告Aは同目録記載(二)の土地を、原告Bは同目録記載(三)の土地を、原告Cは同目録記載(四)の土地を、原告Dは同目録記載(五)の土地を、原告Eは同目録記載(六)の土地を、原告Fは同目録記載(七)の土地を、原告Gは同目録記載(八)の土地を、原告Hは同目録記載(九)の土地をそれぞれ所有している。右各土地は、いずれも帝都高速度交通営団地下鉄五号線の南側二〇〇メートルの範囲内に位置し、成田新幹線の線路敷地として買収される高い蓋然性をもつものである。のみならず、仮に右各土地が買収を免れたとしても、その近接地点を成田新幹線が通過することになるから、後にも述べるように、騒音、振動、粉じん、電波障害、風害、日照権侵害等の被害を右各土地に及ぼすことになり、右各土地の所有者である前記原告らは良好な環境享受の利益を侵害されることになる(原告江戸川区は同区立 べるように、騒音、振動、粉じん、電波障害、風害、日照権侵害等の被害を右各土地に及ぼすことになり、右各土地の所有者である前記原告らは良好な環境享受の利益を侵害されることになる(原告江戸川区は同区立第二葛西小学校の教育環境に右のような被害を受けることになる。 照権侵害等の被害を右各土地に及ぼすことになり、右各土地の所有者である前記原告らは良好な環境享受の利益を侵害されることになる(原告江戸川区は同区立 べるように、騒音、振動、粉じん、電波障害、風害、日照権侵害等の被害を右各土地に及ぼすことになり、右各土地の所有者である前記原告らは良好な環境享受の利益を侵害されることになる(原告江戸川区は同区立第二葛西小学校の教育環境に右のような被害を受けることになる。)。したがつて、前記原告らは、いずれも本件認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有するものである。(2) さらに、江戸川区内を通過する成田新幹線の線路位置周辺における区民の生活環境が右通過により悪化されること(右(1)に述べたような各種の被害を受けること)は明らかであり、原告江戸川区は厚生福祉行政上からみても本件認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する。(3) 原告らのうち小島、新田、長島および葛西の各土地区画整理組合は、地下鉄五号線の南側二〇〇メートルの範囲内の土地をそれぞれその施行地区内に含んでおり、現在土地区画整理事業を施行中であるが、施行地区内を成田新幹線が通過することにより全体的に事業の執行が不可能となる。なぜなら、第一に、土地区画整理事業は、土地区画整理により土地の価値を増加せしめ、各土地が公共施設用地建設費用確保のために減歩されても価値的には増加することが絶対的な要件であるのに、成田新幹線の通過により、騒音、振動、風害、電波障害、日照権侵害等土地価値の減退をもたらし、土地区画整理事業が住宅環境の確保を目的とするにもかかわらず、宅地としての利用が不能となる土地を発生させ、土地区画整理事業の施行前よりも全体的に土地の価値が減少されるということになる。第二に、換地計画は等価換地の原則にもとづいてなされており、従前の土地にあつた所有権や借地権等がすでに他の土地に形状を変えて指定されている現状において、今後の事業推行は著しく阻害され、むしろ不能となる。したがつて、原告小 換地の原則にもとづいてなされており、従前の土地にあつた所有権や借地権等がすでに他の土地に形状を変えて指定されている現状において、今後の事業推行は著しく阻害され、むしろ不能となる。したがつて、原告小島ほか三土地区画整理組合は本件認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有するものである。(四) 本件認可の違法事由は次のとおりである。 今後の事業推行は著しく阻害され、むしろ不能となる。したがつて、原告小 換地の原則にもとづいてなされており、従前の土地にあつた所有権や借地権等がすでに他の土地に形状を変えて指定されている現状において、今後の事業推行は著しく阻害され、むしろ不能となる。したがつて、原告小島ほか三土地区画整理組合は本件認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有するものである。(四) 本件認可の違法事由は次のとおりである。(1) 本件認可は法一条、三条および一三条に違反する。法三条によれば、新幹線鉄道の路線は全国的な幹線鉄道網を形成するに足りるものであるとともに、全国の中核都市を有機的かつ効率的に連結するものであつて、一条の目的(新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図り、もつて国民経済の発展と国民生活領域の拡大に資すること)を達成しうるものと定められている。しかし、本件認可にかかる成田新幹線は、右の各要件をいずれも備えていない。すなわち、成田新幹線は、成田市(しかも、それは昭和四七年六月現在において人口わずか四五、三七二人、世帯数一一、七四三にすぎず、中核都市とはいえない。)と東京都を結ぶものではなく、成田新国際空港と東京都とを結ぶ空港利用者のための専用線にすぎず、起点、終点の東京、成田空港以外の駅としては千葉ニユータウン駅が一か所予定されているだけで、成田新幹線の線路敷地となる土地の所有者はもちろん付近住民の経済生活を無視し、当該地方の開発発展および住民の生活向上に役立たないのみならず(新幹線鉄道が当該地方の開発発展および住民の生活向上に役立つものであることを前提としていることは法一三条二項からもうかがえる。)、むしろ弊害を与えるのみである。(2) 本件認可は法二条に違反する。法二条は、この法律において新幹線鉄道とはその主たる区間を列車が二〇〇キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道をいうと規定している。しかるに のみである。(2) 本件認可は法二条に違反する。法二条は、この法律において新幹線鉄道とはその主たる区間を列車が二〇〇キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道をいうと規定している。しかるに、成田新幹線は、東京・成田空港間全長六五キロメートルを約三〇分で走行するものであり、その平均時速は一三〇キロメートルであるから、法二条にいう新幹線鉄道にはあたらず、結局、本件認可は同条に違反することになる。 のみである。(2) 本件認可は法二条に違反する。法二条は、この法律において新幹線鉄道とはその主たる区間を列車が二〇〇キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道をいうと規定している。しかるに、成田新幹線は、東京・成田空港間全長六五キロメートルを約三〇分で走行するものであり、その平均時速は一三〇キロメートルであるから、法二条にいう新幹線鉄道にはあたらず、結局、本件認可は同条に違反することになる。(3) 本件工事実施計画は都市計画法にもとづく土地区画整理事業と牴触するもので、本件認可は違法である。原告小島ほか三土地区画整理組合の各土地区画整理事業区域は、都市計画法にもとづく都市計画に従い昭和四〇年六月一八日建設大臣により決定、告示(建設省告示第一、五四九号)されたものである。原告小島、長島、新田の各土地区画整理組合は街路工事のそれぞれ約八〇%、原告葛西土地区画整理組合は街路工事の約二〇%以上を完成しているほか、それぞれ仮換地指定の段階を迎えている。また、土地区画整理事業のために支出した費用の点からみると、原告小島土地区画整理組合は準備期間から昭和四六年度予算まで総額約一三億二、四〇〇万円、原告新田土地区画整理組合は右期間中に総額約一一億四、〇〇〇万円、原告長島土地区画整理組合は右期間中に総額約四億九、五〇〇万円、原告葛西土地区画整理組合は右期間中に総額約三億六、〇〇〇万円をそれぞれ費している。以上の事実を被告は熟知していたにもかかわらず、前記(三)の(3)において述べたように土地区画整理事業(それは重要な公益事業である。)を無に帰せしめることとなる成田新幹線の建設に関する本件工事実施計画を認可することは、国策上重大な矛盾であり、本件認可は(国民経済の立場からみても)違法であるる。(4) 成田新幹線は公害を発生させいわゆる環境権を こととなる成田新幹線の建設に関する本件工事実施計画を認可することは、国策上重大な矛盾であり、本件認可は(国民経済の立場からみても)違法であるる。(4) 成田新幹線は公害を発生させいわゆる環境権を侵害するものであるから。本件認可は違法である。本件工事実施計画によれば江戸川区内を通過する成田新幹線の線路の態様は高架式であるため、周辺地域に騒音、振動、粉じん、電波障害、風害、日照権侵害等の被害を生ぜしめ、いわゆる環境権を侵害することになる。新幹線が右のような被害を生ぜしめることは、主として名古屋市周辺における東海道新幹線に関する実態調査によつて明らかにされているが、同調査によれば、騒音については線路から二五メートル付近で最低八〇ホン、最高は一〇〇ホンをこえ、また、約五〇メートル付近では七五ホン、距離二〇メートルの教室にて窓を開放すれば八四ないし八八ホンという結果が出ており、騒音の影響としては(ア)難聴、(イ)不快感、腹が立つなどの情緒的影響、(ウ)睡眠障害、会話障害、疲労の増大、作業能率の低下などの日常生活に及ぼす影響、(エ)自律神経系、内分泌系のアンバランス(交感神経緊張型に傾く。 ては線路から二五メートル付近で最低八〇ホン、最高は一〇〇ホンをこえ、また、約五〇メートル付近では七五ホン、距離二〇メートルの教室にて窓を開放すれば八四ないし八八ホンという結果が出ており、騒音の影響としては(ア)難聴、(イ)不快感、腹が立つなどの情緒的影響、(ウ)睡眠障害、会話障害、疲労の増大、作業能率の低下などの日常生活に及ぼす影響、(エ)自律神経系、内分泌系のアンバランス(交感神経緊張型に傾く。)等はみられる。また振動については、第一に家屋の振動、第二に全身振動の二局面があり、全身振動によつて(ア)背痛、胸痛、腹痛等の生体の動的反応、(イ)自律神経系、内分泌系のアンバランス、(ウ)種種の生活妨害(作業能率の低下、睡眠妨害、イライラ感などの情緒的影響)をもたらし、これらの苦痛はもはや受忍できない段階にきている。このように新幹線による公害の発生がすでに明らかにされているにもかかわらず、さらに成田新幹線の建設に関する本件工事実施計画を認可することは、日本国憲法一三条、二五条に違反するものである。(5) なお、東京・成田空港間の主要な交通網は鉄道関係が六路 されているにもかかわらず、さらに成田新幹線の建設に関する本件工事実施計画を認可することは、日本国憲法一三条、二五条に違反するものである。(5) なお、東京・成田空港間の主要な交通網は鉄道関係が六路線(完成しているもの三路線、計画建設中のもの三路線)、道路関係が五路線(完成しているもの四路線、計画建設中のもの一路線)あり、成田空港に対する交通網としては現状においてすでに十分である。したがつて、さらにこのうえに約二、〇〇〇億円もの巨額の国費をかけて(日本国有鉄道の経営が毎年巨額の赤字を累積していることは公知の事実である。)成田新幹線を建設する必要はまつたくないといわなければならない。(五) よつて、本件認可の取消しを求める。二請求原因に対する被告の答弁および主張(一) 請求原因(一)の事実は認める。同(二)の(1)の事実は認める。同(二)の(2)の事実は争う。同(二)の(3)の主張は争う。同(三)の(1)の事実のうち、原告らの土地所有関係は不知、その余の事実は争う。同(三)の(2)の事実は争う。同(三)の(3)の事実のうち、原告小島ほか三土地区画整理組合の各施行地区に関する事実は不知、その余の事実は争う。同(四)の主張は争う。 に対する被告の答弁および主張(一) 請求原因(一)の事実は認める。同(二)の(1)の事実は認める。同(二)の(2)の事実は争う。同(二)の(3)の主張は争う。同(三)の(1)の事実のうち、原告らの土地所有関係は不知、その余の事実は争う。同(三)の(2)の事実は争う。同(三)の(3)の事実のうち、原告小島ほか三土地区画整理組合の各施行地区に関する事実は不知、その余の事実は争う。同(四)の主張は争う。もつとも、同(四)の(2)の事実のうち、成田新幹線の表定速度(ある駅間を列車が運転される場合、途中停車駅の停車時間を含めて平均の速度、すなわち、両駅間の距離を到達時間で割つたもの)が時速一三〇キロメートルであることおよび同(四)の(4)の事実のうち、成田新幹線の線路の態様が高架式であることは認める。(二) 本件認可は抗告訴訟の対象となる行政処分にはあたらないから、原告らの訴えはいずれも不適法である。(1) およそ抗告訴訟の対象となりうる行政処分は、行政庁が公権力の行使として行なう処分であつて、それにより国民 抗告訴訟の対象となる行政処分にはあたらないから、原告らの訴えはいずれも不適法である。(1) およそ抗告訴訟の対象となりうる行政処分は、行政庁が公権力の行使として行なう処分であつて、それにより国民の権利義務に直接的な変動を与えるものでなければならない。ところで、新幹線鉄道建設事業は、まず、被告において基本計画および整備計画を決定し(法五条、七条)、日本国有鉄道建設公団に対し整備計画にもとづいて当該建設線の建設を行なうべきことを指示し(法八条)、日本国有鉄道または日本鉄道建設公団が整備計画にもとづいて工事実施計画を作成し、被告の認可を受けるべきものとされている。工事実施計画には、路線名、工事の区間、工事方法その他運輸省令で定める事項(線路の位置、工事予算等〔法施行規則二条一項〕)を記載すべきものとされている。右記載事項は、いずれも工事実施についてある程度の具体性を付与するものではあるが、いずれも新幹線鉄道建設事業の基本的・根幹的事項のみであり、工事実施計画は、これらの事項について法令の定めるところにもとづき長期的見通しのもとに新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図ることを目的とする高度の行政的・技術的裁量によつて一般的・抽象的に決定されるものであり、いわば新幹線鉄道建設事業の青写真たる性質を有するにすぎないものである。 も工事実施についてある程度の具体性を付与するものではあるが、いずれも新幹線鉄道建設事業の基本的・根幹的事項のみであり、工事実施計画は、これらの事項について法令の定めるところにもとづき長期的見通しのもとに新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図ることを目的とする高度の行政的・技術的裁量によつて一般的・抽象的に決定されるものであり、いわば新幹線鉄道建設事業の青写真たる性質を有するにすぎないものである。もつとも、工事実施計画においては縮尺二〇万分の一の平面図により線路の位置を表示しなければならず(法九条一項、法施行規則二条一項三号)、被告は右平面図に線路の位置を一ミリメートル内外の線をもつて表示するよう行政指導をしているところから、右平面図に表示された線路の位置を現在地に復元した場合には、現在地における約二〇〇メートル巾の範囲内のいずれかに線路が設置されることになるものといえなくもない。しかしながら、縮尺二〇万分の一 ろから、右平面図に表示された線路の位置を現在地に復元した場合には、現在地における約二〇〇メートル巾の範囲内のいずれかに線路が設置されることになるものといえなくもない。しかしながら、縮尺二〇万分の一の平面図に表示された線路の位置が現在地において具体的にいかなる土地にあたるかはとうてい確定されるわけのものではなく、また、今後現地での中心測量の結果や構造物設計のために必要な地質調査等の具体的調査結果によつて変更が許されないものでもないから(法九条一項後段)、工事実施計画の認可の段階においては右計画の遂行につきいかなる者が利害関係を有することとなるかが必ずしも具体的に確定されているわけのものではなく、右認可は特定個人に向けられた具体的な処分とは著しく趣きを異にするものである。(2) 次に、新幹線鉄道建設事業における工事実施計画の認可自体は国民の権利義務に何らの影響を及ぼすものでもない。すなわち、右計画ないしその認可の公示を義務づけた法規は存在せず、右計画ないしその認可には土地区画整理事業の事業計画の公告におけるような土地の形質変更や建築物等の新築等を制限する効果も生じないのである。右効果を生じさせるためには被告において行為制限区域を指定する必要があり(法一〇条、一一条)、その指定がなされた場合にその違法を主張する者は右指定処分を争うことができ、また、将来、新幹線鉄道の建設に必要な用地の取得を図るに際し、その用地の一部については土地収用法の適用も考えられ(土地収用法三条七号、七号の二)、収用等の処分がなされることもありうるが、それらの違法を主張する者はこれらの処分の取消等を求めることができるものであり、これらの救済手段により具体的な権利侵害に対する救済の目的は十分に達成することができるのであつて、原告らの主張するように本件認可に対して出訴の道 将来、新幹線鉄道の建設に必要な用地の取得を図るに際し、その用地の一部については土地収用法の適用も考えられ(土地収用法三条七号、七号の二)、収用等の処分がなされることもありうるが、それらの違法を主張する者はこれらの処分の取消等を求めることができるものであり、これらの救済手段により具体的な権利侵害に対する救済の目的は十分に達成することができるのであつて、原告らの主張するように本件認可に対して出訴の道 はこれらの処分の取消等を求めることができるものであり、これらの救済手段により具体的な権利侵害に対する救済の目的は十分に達成することができるのであつて、原告らの主張するように本件認可に対して出訴の道を認めなければ成田新幹線の鉄道建設事業により権利侵害に対する救済に欠けるということにはならないのである。(3) 右に述べたように、本件認可は特定個人に向けられた具体的な処分とはいえず、いわば新幹線鉄道建設事業の青写真たる性質をもつものであり、また、これにより国民の権利義務に何らの影響を及ぼすものでもないから、それは抗告訴訟の対象となる行政処分にはあたらないというべきである。(三) 本件認可は適法になされたものである。(1) 成田市は日本最大の国際空港である新東京国際空港の所在地としてまさに中核都市としての性格を取得したものであり、成田新幹線はその成田市と首都東京とを連結し、東京を起点とする全国中核都市を連結する既存、新設の新幹線鉄道網等の幹線鉄道網の一部をなすものであつて、中核都市を有機的かつ効率的に連結する一環である以上、本件認可は法一条、三条に違反するものではない。(2) 成田新幹線は、法七条にもとづく整備計画において、最高設計速度時速二六〇キロメートルと定められており、したがつて、「主たる区間」を時速二〇〇キロメートル以上の高速で走行できるものであるから、本件認可は法二条に違反しない。なお、成田新幹線の表定速度が時速一三〇キロメートルであることは先に述べたところであるが、ちなみに、東海道新幹線ひかり号の表定速度は時速一六三キロメートル、こだま号のそれは時速一二四キロメートルである。(3) 鉄道建設事業と都市計画事業である土地区画整理事業とが競合する場合には、被告は土地区画整理法三条の三、都市計画法二四条によつて土地区画整理事業の変 ま号のそれは時速一二四キロメートルである。(3) 鉄道建設事業と都市計画事業である土地区画整理事業とが競合する場合には、被告は土地区画整理法三条の三、都市計画法二四条によつて土地区画整理事業の変更を要請することができることになつており、両者の競合をもつてただちに本件工事実施計画に関する本件認可が違法となるものではない。 は、被告は土地区画整理法三条の三、都市計画法二四条によつて土地区画整理事業の変 ま号のそれは時速一二四キロメートルである。(3) 鉄道建設事業と都市計画事業である土地区画整理事業とが競合する場合には、被告は土地区画整理法三条の三、都市計画法二四条によつて土地区画整理事業の変更を要請することができることになつており、両者の競合をもつてただちに本件工事実施計画に関する本件認可が違法となるものではない。第三立証(省略)○ 理由請求原因(一)の事実は当事者間に争いがない。そこで、まず、本件認可が抗告訴訟の対象となる行政処分にあたるかどうかについて判断する。新幹線鉄道の建設は一連の手続によつて行なわれる。いま、これを概観するに、(ア)被告は、鉄道建設審議会の諮問を経たうえ建設を開始すべき新幹線鉄道の路線名、起点、終点および主要な経過地を定める基本計画を決定して、これを公示し(法五条、法施行令一条)、(イ)さらに、右審議会の諮問を経て整備計画(そこにおいては走行方式、最高設計速度、建設に要する費用の概算額、建設主体等が定められる。)を決定し(法七条、法施行令三条)、日本国有鉄道または日本鉄道建設公団に対し整備計画にもとづいて新幹線鉄道の建設を指示し(法八条)、(ウ)日本国有鉄道または日本鉄道建設公団は、整備計画にもとづいて工事実施計画を作成し、被告の認可を受け(法九条)、(エ)新幹線鉄道建設の円滑な遂行のため必要があるときは、被告は、土地の形質変更や工作物の新設等を制限すべき区域を指定して、公示し(法一〇条、一一条)、(オ)日本国有鉄道または日本鉄道建設公団は、新幹線鉄道の建設に必要な調査や測量等をして線路の位置を現在地について確定し、線路敷地として必要な用地を取得し(その際、土地収用法の適用も考えられ〔土地収用法三条七号、七号の二〕、事業の認定を経て収用等の処分が行なわれることも考えられる。)、(カ)右取得した用 いて確定し、線路敷地として必要な用地を取得し(その際、土地収用法の適用も考えられ〔土地収用法三条七号、七号の二〕、事業の認定を経て収用等の処分が行なわれることも考えられる。)、(カ)右取得した用地において線路や停車場等必要な施設の建設工事が行なわれる。右(ウ)の工事実施計画には路線名、工事の区間、線路の位置(縮尺二〇万分の一の平面図および縮尺横二〇万分の一、縦四、〇〇〇分の一の縦断面図をもつて表示される。 し、線路敷地として必要な用地を取得し(その際、土地収用法の適用も考えられ〔土地収用法三条七号、七号の二〕、事業の認定を経て収用等の処分が行なわれることも考えられる。)、(カ)右取得した用地において線路や停車場等必要な施設の建設工事が行なわれる。右(ウ)の工事実施計画には路線名、工事の区間、線路の位置(縮尺二〇万分の一の平面図および縮尺横二〇万分の一、縦四、〇〇〇分の一の縦断面図をもつて表示される。)、線路延長、停車場の位置、車庫施設および検査修繕施設の位置、工事方法(最小曲線半径、最急勾配、軌道の中心間隔、軌条の種類、枕木の種類および間隔、道床の構造、列車の制御方式、通信設備の概要、電車線の吊架方式、種類および太さ等工事の実施に関し必要な事項)、工事予算、工事の着手および完了の予定時期を記載しなければならないことになつており(法九条一項、法施行規則二条一項)、さらに、線路平面図(縮尺五万分の一)、線路縦断面図(縮尺横二五、〇〇〇分の一、縦二、〇〇〇分の一)、停車場平面図、建設工事の工程表等の書類を添付することになつている(法九条二項、法施行規則二条二項)。本件工事実施計画の記載内容をなす縮尺二〇万分の一の平面図においては一ミリメートル内外の線をもつて成田新幹線の線路位置が表示されており、江戸川区を通過する線路位置は帝都高速度交通営団地下鉄五号線の南側に表示されている(このことは当事者間に争いがない。)。右にみたところにもとづいて考えるに、工事実施計画においては新幹線鉄道建設工事の実施に関し必要な基本的事項がかなり具体的に定められ、線路の位置も縮尺二〇万分の一の平面図に一ミリメートル内外の線をもつて表示されているというのであるから、これを現在地に引き直せば約二〇〇メートルの巾をもつた帯状の範囲内において成田新幹線の線路位置 線路の位置も縮尺二〇万分の一の平面図に一ミリメートル内外の線をもつて表示されているというのであるから、これを現在地に引き直せば約二〇〇メートルの巾をもつた帯状の範囲内において成田新幹線の線路位置が決定されているということがいえるわけである。しかしながら、右約二〇〇メートルの巾をもつた帯状の土地が江戸川区内においては帝都高速度交通営団地下鉄五号線の南側にあたることはすでに決定されているが、その南側のどこにあたるのか、しかも約二〇〇メートルの巾をもつた帯状の土地のうちのどこに成田新幹線の線路が設置されることになるのかはいまだ確定されていないのである。 た帯状の範囲内において成田新幹線の線路位置が決定されているということがいえるわけである。しかしながら、右約二〇〇メートルの巾をもつた帯状の土地が江戸川区内においては帝都高速度交通営団地下鉄五号線の南側にあたることはすでに決定されているが、その南側のどこにあたるのか、しかも約二〇〇メートルの巾をもつた帯状の土地のうちのどこに成田新幹線の線路が設置されることになるのかはいまだ確定されていないのである。したがつて、工事実施計画の認可の段階においては、右計画の遂行により将来いかなる者が利害関係を有することとなるかが必ずしも具体的に確定されているものではなく、その意味において工事実施計画とその認可は抽象的な性質をもつといわざるをえない。すなわち、右認可は特定個人に向けられた具体的な処分とは趣きを異にするものである。しかも、右認可の公示を義務づけた規定はなく、右認可自体は国民の権利義務に対し何らの法律上の影響をも及ぼさないものである(土地の形質変更等の制限も前記(エ)の被告による行為制限区域の指定がなされて始めて生ずる。)。さらに、新幹線鉄道建設事業の進展に伴ない将来土地収用法にもとづく収用等の処分が行なわれることもありうるが(前記(オ))、新幹線鉄道の建設により違法にその権利を侵害されたと主張するものは右収用等の処分の取消等を訴求することができ、これによつて具体的な権利侵害に対する救済の目的は十分に達成することができるのである。このようにみてくると、本件認可は、日本鉄道建設公団が成田新幹線建設工事の実施に関し必要な基本的事項につき立てた計画を被告において承認するという性質をもつとともに、右公 成することができるのである。このようにみてくると、本件認可は、日本鉄道建設公団が成田新幹線建設工事の実施に関し必要な基本的事項につき立てた計画を被告において承認するという性質をもつとともに、右公団に対し今後右計画にもとづいて建設工事を実施していく権限を付与する性質をももつところの、被告の右公団に対する内部的な行為であつて、特定の国民に向けられた具体的な処分とはいえず、しかも、これにより国民の権利義務に何らの影響をも及ぼすものではなく、訴訟事件としてとりあげるに足りるだけの争いの成熟性を欠くものというべきであるから、それは抗告訴訟の対象となる行政処分にはあたらないものと解すべきである。してみれば、本件認可の取消しを求める原告らの訴えは不適法であるから、これを却下することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九三条一項本文を適用して、主文のとおり判決する。 、しかも、これにより国民の権利義務に何らの影響をも及ぼすものではなく、訴訟事件としてとりあげるに足りるだけの争いの成熟性を欠くものというべきであるから、それは抗告訴訟の対象となる行政処分にはあたらないものと解すべきである。してみれば、本件認可の取消しを求める原告らの訴えは不適法であるから、これを却下することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九三条一項本文を適用して、主文のとおり判決する。(裁判官高津環牧山市治上田豊三)(別紙目録省略)
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