令和5年12月7日判決言渡令和2年(行ウ)第372号法人税更正処分等取消請求事件 主文 1 α税務署長が原告に対してした、別紙1処分一覧記載の各処分をいずれも取 り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 本判決において用いる略称は、別紙2略称一覧のとおりである(本文中で略称の定義付けをしたものについても、該当の頁を示している。)。なお、数値は、 末尾以下の桁の数を切り捨てて表す。 第1 請求主文1項と同旨第2 事案の概要α税務署長は、原告とその国外関連者であるA社との間の車両過給機(タ ーボチャージャ)に係る部品輸出取引、無形資産取引及び役務提供取引について、これらの国外関連取引により原告が支払を受けた対価の額が、措置法施行令39条の12第8項2号所定の取引単位営業利益法に準ずる方法と同等の方法で算定した独立企業間価格に満たないとして、当該国外関連取引が独立企業間価格で行われたものとみなして計算した所得金額を基に、法人 税、復興特別法人税及び地方法人税の各更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分(別紙3の1の1⑧、2⑤、3⑥、4③、別紙3の2の1⑧、2⑤、別紙3の3の1③の各更正処分等)をした。 本件は、原告が、α税務署長が独立企業間価格を算定するに当たって採用した上記方法は、取引単位営業利益法に準ずる方法と同等の方法ではないか ら、α税務署長が算定した金額をもって独立企業間価格ということはできな いなどとして、被告に対し、上記各更正処分及び賦課決定処分(ただし、別紙3の1の2⑥、4⑤、別紙3の2の2⑥、別紙3の3の1⑤の各更正処分等による減額後のもの)のうち自認金額(別紙3の1の1⑦、2④、別紙3の2の1⑦、2④の各更正処分及び び賦課決定処分(ただし、別紙3の1の2⑥、4⑤、別紙3の2の2⑥、別紙3の3の1⑤の各更正処分等による減額後のもの)のうち自認金額(別紙3の1の1⑦、2④、別紙3の2の1⑦、2④の各更正処分及び別紙3の1の3③、4②、別紙3の3の1②の各修正申告による確定金額。なお、平成27年3月期法人税に限って は別紙3の1の3⑥の更正処分によって増加した所得金額を加味した金額)を上回る部分の取消しを求める事案である。 1 関係法令等の定め⑴ 適用法令平成25年3月期、平成26年3月期、平成27年3月期及び平成28年 3月連結期(本件各事業年度)における国外関連取引の独立企業間価格の算定に当たって適用される法令は、次のとおりである(別紙4参照)。 ア平成25年3月期措置法66条の4第1項及び第2項(いずれも平成26年法律第10号による改正前のもの) 措置法施行令39条の12第8項(平成25年政令第114号による改正前のもの)イ平成26年3月期措置法66条の4第1項及び第2項(いずれも平成26年法律第10号による改正前のもの) 措置法施行令39条の12第8項(平成28年政令第159号による改正前のもの)ウ平成27年3月期上記イに同じ。 エ平成28年3月連結期 措置法68条の88第1項及び第2項(いずれも平成26年法律第10 号による改正後のもの(同法10条中措置法68条の88第1項の改正規定を除く。))措置法施行令39条の112第8項(平成28年政令第159号による改正前のもの)⑵ 措置法66条の4第1項(平成26年法律10号による改正前のもの)の 概要法人が、各事業年度において、当該法人に係る国外関連者との間で資産の販売、資産の購入、役務の提供その のもの)⑵ 措置法66条の4第1項(平成26年法律10号による改正前のもの)の 概要法人が、各事業年度において、当該法人に係る国外関連者との間で資産の販売、資産の購入、役務の提供その他の国外関連取引を行った場合に、当該国外関連取引につき、当該法人が当該国外関連者から支払を受ける対価の額が独立企業間価格に満たないときは、当該法人の当該事業年度の所得に係る 法人税法その他法人税に関する法令の規定の適用については、当該国外関連取引は、独立企業間価格で行われたものとみなす。 (なお、措置法68条の88第1項(平成26年法律第10号による改正後のもの)及び措置法68条の88第1項(平成26年法律第10号による改正後のもの(同法10条中措置法68条の88第1項の改正規定を除 く。))の概要も同じである。以下、これらの項を併せて「措置法66条の4第1項」という。)⑶ 措置法66条の4第2項(平成26年法律10号による改正前のもの)の概要措置法66条の4第1項に規定する独立企業間価格とは、国外関連取引が 次の各号に掲げる取引のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める方法のうち、当該国外関連取引の内容及び当該国外関連取引の当事者が果たす機能その他の事情を勘案して、当該国外関連取引が独立の事業者の間で通常の取引の条件に従って行われるとした場合に当該国外関連取引につき支払われるべき対価の額を算定するための最も適切な方法により算定した金額をいう。 1号棚卸資産の販売又は購入次に掲げる方法 イ独立価格比準法ロ再販売価格基準法(国外関連取引に係る棚卸資産の買手が特殊の関係にない者に対して当該棚卸資産を販売した対価の額から通常の利潤の額(当該対価の額に政令で定める通常の利益率を乗じて計算し 格比準法ロ再販売価格基準法(国外関連取引に係る棚卸資産の買手が特殊の関係にない者に対して当該棚卸資産を販売した対価の額から通常の利潤の額(当該対価の額に政令で定める通常の利益率を乗じて計算した金額をいう。)を控除して計算した金額をもって当該国外関連取引の対価の額と する方法をいう。)ハ原価基準法ニイからハまでに掲げる方法に準ずる方法その他政令で定める方法2号 1号に掲げる取引以外の取引 1号イからニまでに掲げる方法と同等の方法 (なお、措置法68条の88第2項(平成26年法律第10号による改正後のもの)及び措置法68条の88第2項(平成26年法律第10号による改正後のもの(同法10条中措置法68条の88第1項の改正規定を除く。)の概要も同じである。以下、これらの項を併せて「措置法66条の4第2項」という。) ⑷ 措置法施行令39条の12第8項(平成25年政令114号による改正前のもの)の概要措置法66条の4第2項1号ニに規定する政令で定める方法は、次に掲げる方法とする(以下、2号所定の取引単位営業利益法を「取引単位営業利益法(2号)」ということがある。)。 1号利益分割法国外関連取引に係る棚卸資産の措置法66条の4第1項の法人及び当該法人に係る国外関連者による購入、製造その他の行為による取得及び販売に係る所得が、次に掲げる方法によりこれらの者に帰属するものとして計算した金額をもって当該国外関連取引の対価の額とする方法 イ比較利益分割法 ロ寄与度利益分割法ハ残余利益分割法2号売上高営業利益率を指標とする取引単位営業利益法国外関連取引に係る棚卸資産の買手が非関連者に対して当該棚卸資産を販売した対価の額(再販売価格)から、当該再販売価格に ハ残余利益分割法2号売上高営業利益率を指標とする取引単位営業利益法国外関連取引に係る棚卸資産の買手が非関連者に対して当該棚卸資産を販売した対価の額(再販売価格)から、当該再販売価格にイに掲げる 金額のロに掲げる金額に対する割合(再販売者が当該棚卸資産と同種又は類似の棚卸資産を非関連者に対して販売した取引(比較対象取引)と当該国外関連取引に係る棚卸資産の買手が当該棚卸資産を非関連者に対して販売した取引とが売手の果たす機能その他において差異がある場合には、その差異により生ずる割合の差につき必要な調整を加えた後の割 合)を乗じて計算した金額に当該国外関連取引に係る棚卸資産の販売のために要した販売費及び一般管理費の額を加算した金額を控除した金額をもって当該国外関連取引の対価の額とする方法イ当該比較対象取引に係る棚卸資産の販売による営業利益の額の合計額ロ当該比較対象取引に係る棚卸資産の販売による収入金額の合計額 3号総費用営業利益率を指標とする取引単位営業利益法4号 1号から3号までに掲げる方法に準ずる方法(なお、措置法施行令39条の12第8項(平成28年政令159号による改正前のもの)及び措置法施行令39条の112第7項(平成28年政令159号による改正前のもの)の概要も同じである。以下、これらの項を併 せて「措置法施行令39条の12第8項」という。)⑸ 独立企業間価格の算定方法の一覧本件各事業年度における独立企業間価格の算定方法の一覧は、別紙5のとおりである。 2 前提事実 当事者間に争いのない事実、後掲証拠及び弁論の全趣旨により認められる 事実並びに当裁判所に顕著な事実は、次のとおりである。 ⑴ 当事者等ア原告及び国外関連者(ア) 原告は、資源 当事者間に争いのない事実、後掲証拠及び弁論の全趣旨により認められる 事実並びに当裁判所に顕著な事実は、次のとおりである。 ⑴ 当事者等ア原告及び国外関連者(ア) 原告は、資源・エネルギー、社会インフラ、産業機械、航空・宇宙の4つの事業分野を中心に事業活動を行っている内国法人である。 なお、原告は、平成28年3月連結期において、法人税法4条の2(令和2年法律第8号による改正前のもの)所定の連結納税義務者として法人税を納めることにつき、国税庁長官の承認を受けた。 (イ) A社(本件国外関連者)は、平成14年2月、原告から直接的に又は原告の完全子会社であるB社を通じて間接的に合計90%の出資を受け て、タイに設立された外国法人であり、原告に係る措置法66条の4第1項所定の国外関連者である。 A社は、車両過給機の部品又はその部材を原告ないし現地サプライヤーから購入して、車両過給機を製造し、主として日系自動車メーカーに販売するほか、その一部完成品や部品を原告の関係会社に販売してい る。 イ本件比較対象法人(ア) C社は、タイの証券取引所に上場する企業である。同社は、タイにおいて、自動車部品(アクスルシャフト、ブレーキディスク・ブレーキドラム等)を製造し、主として日系自動車メーカーに販売している。(甲 86の1・2、乙73)(イ) D社は、タイの証券取引所に上場する企業である。同社は、タイにおいて、自動車部品(コントロールケーブル、ウィンドウレギュレーター)を製造し、主として日系自動車メーカーに販売している。(甲86の3・4、乙74の1・2) ⑵ 原告とA社との間の国外関連取引 原告はA社との間で、本件各事業年度において、次のアないしウの各取引を行った(以下、 カーに販売している。(甲86の3・4、乙74の1・2) ⑵ 原告とA社との間の国外関連取引 原告はA社との間で、本件各事業年度において、次のアないしウの各取引を行った(以下、アないしウの各取引をそれぞれ「本件輸出取引」「本件無形資産取引」「本件役務提供取引」といい、これらを併せて「本件国外関連取引」という。)ア輸出取引 原告が、A社に対し、B社から仕入れた車両過給機の部品を輸出販売する取引。 イ無形資産取引原告が、A社に対し、本件ライセンス契約に基づき、タイにおいて車両過給機を製造販売するための特許権及びノウハウの使用を許諾し、タイに おける独占販売権を付与する取引。 ウ役務提供取引原告が、A社に対し、本件ライセンス契約に基づき、技術情報の提供及び技術者の派遣又は研修生の受入れを通じてA社の事業を支援する取引。 ⑶ 車両過給機 車両過給機は、エンジンからの排気ガスでタービンを回すことによって、同軸上のコンプレッサで空気を圧縮し、密度を高めてエンジンに送り込むことにより、燃焼効率を向上させ、エンジンの出力を向上させる自動車部品である。 車両過給機の主要部位は、タービン、ベアリング部及びコンプレッサから 構成される。タービンは、ハウジング、エンジンからの排気ガスのエネルギーを回転運動に変換するタービン軸、排気ガスを効率よく加速させるためのシュラウドアッシー等から構成される。ベアリング部は、ハウジング、軸受け部品等から構成される。コンプレッサは、ハウジング、タービン軸を通じて伝達される駆動力で回転し空気を圧縮するコンプレッサインペラ等から構 成される。 ⑷ α税務署長による独立企業間価格の算定ア α税務署長は、本件各事業年度の独立企業間価格を算 て伝達される駆動力で回転し空気を圧縮するコンプレッサインペラ等から構 成される。 ⑷ α税務署長による独立企業間価格の算定ア α税務署長は、本件各事業年度の独立企業間価格を算定するに当たり、原告の平成25年3月期から平成28年3月連結期までの各事業年度とA社の平成24年12月期から平成27年12月期までの各事業年度とをそれぞれ対応させた上で、①A社の各事業年度における売上高から、②同売 上高にA社の各事業年度に対応する事業年度の本件比較対象法人の売上高営業利益率の単純平均値(ただし、為替差損益及び会計処理方法の差異の調整を行った後のもの。以下「本件調整後売上高営業利益率」という。)を乗じて計算した金額、③A社の各事業年度の売上原価並びに④同各事業年度の販売費及び一般管理費(販管費)の合計額を減算し、⑤本件国外関 連取引の対価の額を加算して算定する方法(以下「本件算定方法」という。)を採用した。これを算式で表すと次のとおりとなり、算式上は、2号所定の算式から非関連購入取引に係る原価を減算したということになる(別表の「争点1」「③損益単位」「エ 2号所定の算式の修正」(被告の主張)欄参照)。 【独立企業間価格】=①【A社売上高】-(②【A社売上高】×【本件調整後売上高営業利益率】+③【A社売上原価】+④【A社販管費】) +⑤【本件国外関連取引の対価の額】イ α税務署長は、本件各事業年度の独立企業間価格を、本件算定方法に基づき別紙6の1枚目のとおり算定した。その基礎となった数額は別紙6の2枚目ないし4枚目のとおりである。 ウ本件各事業年度における本件国外関連取引の対価の額、独立企業間価格 及び国外所得移転金額に関するα税務署長の認定は、次のとおりである。 別紙6の2枚目ないし4枚目のとおりである。 ウ本件各事業年度における本件国外関連取引の対価の額、独立企業間価格 及び国外所得移転金額に関するα税務署長の認定は、次のとおりである。 (表省略)⑸ 課税の経緯等ア本件各事業年度等における課税の経緯は、別紙3の1ないし3のとおりであり、このうち所得金額等の更正の詳細は、別紙7のとおりである。 (別紙7の各更正処分に係る略称は、以下同様に用いる。甲1の1ないし 12、弁論の全趣旨)。 イ本件各事業年度等の調査の経緯等は、次のとおりである。 (ア) 東京国税局所属の調査担当職員は、平成25年3月期、平成26年3月期及び平成27年3月期の法人税並びに平成25年3月課税事業年度及び平成26年3月課税事業年度の復興特別法人税に関する調査(以下 「本件前回調査」という。)の結果、更正処分等をすべきと認め、平成28年5月16日、通則法74条の11第2項所定の説明をした。 (イ) 東京国税局所属の調査担当職員は、平成28年8月10日、同年3月連結期の移転価格を対象とした調査(以下「本件28年調査」という。)を開始した。 (ウ) 原告は、平成28年9月30日、平成27年3月期の法人税につき修正申告書を提出した。また、α税務署長は、平成28年10月31日、上記(ア)の各年度の法人税及び復興特別法人税(ただし、平成27年3月期の法人税を除く。)について更正処分をした。 (エ) 東京国税局所属の調査担当職員は、平成28年11月2日以降、通則 法74条の11第6項(平成30年法律第16号による改正前のもの。 以下同じ。)所定の「新たに得られた情報に照らし非違があると認めるときに」に該当すると判断して、上記(ア)の各年度の法人税及び復興特別法人税について質問検査 成30年法律第16号による改正前のもの。 以下同じ。)所定の「新たに得られた情報に照らし非違があると認めるときに」に該当すると判断して、上記(ア)の各年度の法人税及び復興特別法人税について質問検査等を実施する再調査(以下「本件再調査」という。)を行った。 (オ) α税務署長は、平成30年6月27日、本件各事業年度等の法人税、 復興特別法人税及び地方法人税について更正処分をした。 ウ原告は、国税不服審判所長に対する審査請求を適法に行ったが、審査請求を棄却する旨の令和2年3月18日付け裁決を受けた。これを不服とする原告は、同年9月18日、本件各更正処分及び本件各賦課決定処分のうち自認金額を上回る部分の取消しを求める本件訴えを提起した。 第3 本件各更正処分及び本件各賦課決定処分の根拠についての被告の主張本件各更正処分及び本件各賦課決定処分の根拠に関する被告の主張は、後記第4の(被告の主張)のほか、別紙8のとおりである。原告は、争点に関する部分を除き、その計算の基礎となる金額及び計算方法を争っていない。 第4 争点及び争点に関する当事者の主張 争点及び争点に関する当事者の主張は別表のとおりであり、その主張の骨子は次のとおりである。 1 争点1(本件算定方法は取引単位営業利益法に準ずる方法と同等の方法か)(被告の主張)「準ずる方法」とは、①取引内容に適合し、取引単位営業利益法の考え方か ら乖離しない合理的な方法をいうところ、②本件国外関連取引をもって一つの取引とし(取引単位の問題)、③本件国外関連者の売上高と本件比較対象法人の売上高営業利益率を採用し、前者に後者を乗じて適正な営業利益を算出した上で、2号所定の算式に本件国外関連取引以外から取得した部材等に係る原価を控除するという修 国外関連者の売上高と本件比較対象法人の売上高営業利益率を採用し、前者に後者を乗じて適正な営業利益を算出した上で、2号所定の算式に本件国外関連取引以外から取得した部材等に係る原価を控除するという修正を加え(損益単位の問題)、④本件国外関連者と本件比 較対象法人との間に比較可能性を認めて、本件国外関連取引の独立企業間価格を算定するという本件算定方法は、本件国外関連取引の取引内容に適合し、取引単位営業利益法(2号)の考え方から乖離しない合理的な方法である。 したがって、本件算定方法は、取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等の方法である。 (原告の主張) 「準ずる方法」とは、①取引内容に適合し、取引単位営業利益法の考え方から乖離しない合理的な方法をいい、厳格かつ限定的に解されるところ、②本件国外関連取引をもって一つの取引とするのは、本件国外関連取引の内容に適合しない、取引単位営業利益法(2号)の考え方から乖離した不合理な方法である。 仮に、取引単位営業利益法に準ずる方法と同等の方法が本件国外関連取引に適用できるとしても、③企業単位で同方法を適用することは許されず、かつ、2号所定の算式を修正する本件算定方法は、独立企業間価格ではなく法人間の所得移転金額の計算を中核とするものである上、④本件国外関連者と本件比較対象法人との間には、売上高営業利益率の算定に客観的に明らかな影響を及ぼ す差異が存在し、適切な差異調整も行われていないから、本件国外関連者と本件比較対象法人との間に比較可能性はない。よって、本件算定方法は、本件国外関連取引の内容に適合しない、取引単位営業利益法(2号)の考え方から乖離した不合理な方法である。 したがって、本件算定方法は取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同 等の 方法は、本件国外関連取引の内容に適合しない、取引単位営業利益法(2号)の考え方から乖離した不合理な方法である。 したがって、本件算定方法は取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同 等の方法ではない。本件算定方法は、租税法律主義を定めた憲法84条に違反し、仮に当該違反が認められないとしても、措置法及び措置法施行令に違反する。 2 争点2(本件算定方法は本件国外関連取引につき支払われるべき対価の額を算定するための最も適切な方法か) (被告の主張)本件国外関連者を検証対象法人とする取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等の方法(本件算定方法)が、本件国外関連取引につき支払われるべき対価の額を算定するための最も適切な方法(最適方法)である。 (原告の主張) 本件国外関連取引につき支払われるべき対価の額を算定するに当たって は、取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等の方法(本件算定方法)よりも、残余利益分割法及び寄与度利益分割法を用いる方が適切である。 3 争点3(本件再調査は「新たに得られた情報」に照らし非違があると認められたために実施されたものか) (被告の主張)東京国税局所属の調査担当職員は、平成28年8月10日に開始された同年3月連結期の移転価格を対象とした調査(本件28年調査)において新たに得られた情報と本件前回調査において得られていた情報とを総合勘案した結果、平成25年3月期、平成26年3月期及び平成27年3月期において も移転価格税制上の非違があると認められたことから、原告に対し、上記各年度の法人税及び復興特別法人税について質問検査等を実施する旨を伝えた上で、本件再調査を実施した。 本件再調査は、通則法74条の11第6項に規定する「新たに得られた情 たことから、原告に対し、上記各年度の法人税及び復興特別法人税について質問検査等を実施する旨を伝えた上で、本件再調査を実施した。 本件再調査は、通則法74条の11第6項に規定する「新たに得られた情報」に照らして非違があると認められたために実施されたものである。 (原告の主張)本件再調査は、通則法74条の11第6項に規定する「新たに得られた情報」に照らして非違があると認められないにもかかわらず、実施されたものである。 4 争点4(本件各更正通知書の理由の記載は理由付記として欠けるところがな いか)(被告の主張)本件各更正通知書に付記された理由によれば、原告において、処分行政庁が、独立企業間価格の算定に当たり、取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等の方法を用いて算定したことやその判断過程が明らかである。し たがって、本件各更正通知書に付記された理由は、理由付記制度の趣旨、目 的を損なわないから、法人税法130条2項(令和2年法律第8号による改正前のもの。以下同じ。)所定の理由付記として欠けるところはない。 (原告の主張)本件各更正通知書には、独立企業間価格を算定するに当たって候補となる算定方法の特定、長所・短所等の比較検討を内容とする判断過程、優劣の理 由を踏まえた最適方法の選定・決定という3つの要素が記載されていない。 したがって、本件各更正通知書に付記された理由は、法人税法130条2項所定の理由付記として不十分である。 第5 当裁判所の判断(争点1について)争点1(本件算定方法は取引単位営業利益法に準ずる方法と同等の方法 か)に関する当裁判所の判断は次のとおりである。 1 ①判断枠組み⑴ 措置法施行令39条の12第8項4号が、利益分割法(同項1号)、売上高営 単位営業利益法に準ずる方法と同等の方法 か)に関する当裁判所の判断は次のとおりである。 1 ①判断枠組み⑴ 措置法施行令39条の12第8項4号が、利益分割法(同項1号)、売上高営業利益率を指標とする取引単位営業利益法(同項2号)及び総費用営業利益率を指標とする取引単位営業利益法(同項3号)に「準ずる方 法」により独立企業間価格を算定することを許容した趣旨は、実際に行われている取引の複雑性を考慮し、個々の取引の態様等により同項1号から3号までに掲げる方法が適用できない場合であっても、これらの方法から乖離しない限りにおいて、取引内容に適合した合理的な方法を採用し得る余地を残すことにあるものと解される(乙10の頁数204)。 そして、措置法66条の4第2項2号所定の「同等の方法」とは、棚卸資産の売買取引以外の取引を前提とするものであるから、措置法施行令39条の12第8項4号所定の取引単位営業利益法に準ずる方法と同等の方法とは、棚卸資産の売買取引以外の取引において、当該取引内容に適合し、取引単位営業利益法の考え方から乖離しない合理的な方法をいうもの と解するのが相当である。 ⑵ また、国際間の経済交流の進展に伴い、多国籍化した企業のグループ内取引が飛躍的に増大したことを受けて、先進各国は、国家間の課税権の適切な調整の観点から、現実の取引対価ではなく、独立企業間価格で取引が行われたと仮定した場合に得られる各企業の所得に即して課税を行う制度(移転価格税制)を整備するようになり、我が国も、昭和61年の税制改 正において移転価格税制を導入したものである(乙2、乙3、乙10)。 このように、我が国の移転価格税制は、国家間の課税権の適切な調整の観点から導入されたものであるから、その解釈に当たって 税制改 正において移転価格税制を導入したものである(乙2、乙3、乙10)。 このように、我が国の移転価格税制は、国家間の課税権の適切な調整の観点から導入されたものであるから、その解釈に当たっては、諸外国の移転価格税制との間の整合性を図る必要がある。 そして、OECDガイドラインは、経済協力開発機構の租税委員会にお ける移転価格税制に関する議論を取りまとめたものであり、順次改定も行われているところ(乙4)、平成16年度税制改正において取引単位営業利益法が導入されたのは、政府税制調査会の答申において、国際的なコンセンサスを反映しているOECDガイドラインに沿う算定方法の導入が指摘されたことなどが契機になっている(乙12)。 そうすると、取引単位営業利益法の規定を解釈するに当たっては、諸外国の移転価格税制との間の整合性を図るという点から、OECDガイドラインの内容を考慮に入れるのが相当である。 ⑶ なお、被告は、取引単位営業利益法においては、国外関連者及び比較対象法人の「それぞれが果たす機能や負担するリスク」が同様か否かが重要視さ れるから、これらが同一又は類似する比較対象法人の利益指標を基にした算定方法は、取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等の方法といえる旨主張する。 しかし、取引単位営業利益法(2号)は、国外関連取引に対応した国外関連者の非関連者に対する取引の対価から独立企業間価格を算定するものであ るから、取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等の方法といえるか 否かの検討においても、国外関連取引に対応する取引の存在を捨象することはできない。また、国外関連者及び比較対象法人の「それぞれが果たす機能や負担するリスク」に差異がないことは、両者に比較可能性があることを裏付ける判 も、国外関連取引に対応する取引の存在を捨象することはできない。また、国外関連者及び比較対象法人の「それぞれが果たす機能や負担するリスク」に差異がないことは、両者に比較可能性があることを裏付ける判断要素の一つにとどまり、後記4⑷アのとおり、取引単位営業利益法(2号)はこれらの差異による影響を比較的受けにくいものといえる。そ うすると、国外関連取引に対応する取引から離れて国外関連者と比較対象法人の「それぞれが果たす機能や負担するリスク」を殊更に重要視することはできない。 したがって、「それぞれが果たす機能や負担するリスク」が同一又は類似する比較対象法人の利益指標を基にした算定方法であれば、取引単位営業利 益法(2号)に準ずる方法と同等の方法に該当する旨の被告の主張は、採用することができない。 2 ②取引単位⑴ 国外関連取引に対応する取引の範囲ア上記1⑴で説示したとおり、措置法施行令39条の12第8項4号所定 の取引単位営業利益法に準ずる方法と同等の方法とは、棚卸資産の売買取引以外の取引において、当該取引内容に適合し、取引単位営業利益法の考え方から乖離しない合理的な方法をいう。 この点につき、内国法人と国外関連者との間の取引(本件においては、本件国外関連者にとって上流の取引)及び国外関連者と非関連者との間の 取引(本件においては、本件国外関連者にとって下流の取引)は、様々な形態を採り得るものである。そして、純然たる卸業以外の国外関連者は、国外関連取引で取得した資産(譲渡を受けた資産、貸付けを受けた資産及び提供を受けた役務等)に価値を付けることによって利益を得るのであるから、国外関連取引で取得した資産と国外関連取引に対応する取引で譲渡 する資産の同一性を要求し、国外関連取引と国外関連取引に対応する を受けた役務等)に価値を付けることによって利益を得るのであるから、国外関連取引で取得した資産と国外関連取引に対応する取引で譲渡 する資産の同一性を要求し、国外関連取引と国外関連取引に対応する取引 との対応関係を厳格に要求するのは、取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等の方法が適用される範囲を著しく小さくするものであって、妥当ではない。また、国外関連取引と国外関連取引に対応する取引との対応関係について、措置法施行令39条の12第8項2号が「当該棚卸資産」と限定するのに対し、「準ずる方法」を規定する同項4号には明確な 定めがない。したがって、国外関連取引と国外関連取引に対応する取引との対応関係については、一定程度緩やかに解することが許容されるというべきである。 そして、取引単位営業利益法(2号)の考え方は、棚卸資産の国外関連取引の独立企業間価格を、国外関連者から非関連者に対する「当該棚卸資 産」の再販売価格から、それに適正な売上高営業利益率を乗じた額及び国外関連者の販管費を控除することによって求めようとするものである。そうすると、取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等の方法においても、国外関連取引に対応する取引の対象が、国外関連者が内国法人との取引(国外関連取引)によって得た資産及び同資産に国外関連者が付加し た価値をすべて包含するものであれば、取引単位営業利益法(2号)の考え方から乖離するものではないというべきである。具体的には、内国法人と国外関連者との間の複数の取引が相互に密接に結びついているような場合には、これら複数の取引に対応する取引の対象は、結果として、これらの複数の取引によって国外関連者が得た資産及び同資産に国外関連者が付 加した価値をすべて包含するものになる。そうすると うな場合には、これら複数の取引に対応する取引の対象は、結果として、これらの複数の取引によって国外関連者が得た資産及び同資産に国外関連者が付 加した価値をすべて包含するものになる。そうすると、国外関連者が相互に密接に結びついている取引(国外関連取引)によって得た資産に価値を付けたものを非関連者に譲渡した取引(国外関連取引に対応する取引)の価格に基づき当該国外関連取引の独立企業間価格を算定しても、取引単位営業利益法(2号)の考え方に反することはないというべきである。 イまた、OECDガイドライン(10年版)パラグラフ3.9は、内国法 人と国外関連者との間の取引ごとに独立企業原則を適用することで最も正確な独立企業間価格を算定できるとしつつ、個々の取引が密接に結びついている場合には、個々の取引の独立企業間価格を適正に評価することができない場合がしばしばあるとした上で、「関連製造業者に対する、製造ノウハウの使用許諾と不可欠な部品の供給があり、このような場合には、 個々に独立企業の条件を評価するよりも、2つをまとめて評価する方がより合理的かもしれない」と指摘している。 さらに、OECDガイドライン(17年版)パラグラフ6.135は、「無形資産は、その他の無形資産と一体として、又は商品の販売又は役務提供と一体として移転されることも少なくない。このような場合、分析の 信頼性を高めるために必要に応じて相互に関連する取引を一体として検討することで、移転価格分析の信頼性が最も高くなるかもしれない」と指摘している。 ウ以上によれば、内国法人と国外関連者との間の複数の取引が相互に密接に結び付いており、個別の取引ごとに評価するのでは適正に独立企業間価 格を算定することができないような場合において、複数の取引を一 上によれば、内国法人と国外関連者との間の複数の取引が相互に密接に結び付いており、個別の取引ごとに評価するのでは適正に独立企業間価 格を算定することができないような場合において、複数の取引を一体の国外関連取引として取り扱って、これに対応する取引価格をもって独立企業間価格を算定する方法は、取引内容に適合し、取引単位営業利益法(2号)の考え方から乖離しない合理的な方法であるということができる。 ⑵ 本件国外関連取引に対応する取引の存否 本件国外関連者は、本件無形資産取引で実施許諾を受けた無形資産及び本件役務提供取引で提供を受けた役務を利用して、本件輸出取引で購入した車両過給機の部品を加工し、完成品として販売している。よって、本件国外関連者が製造販売する車両過給機は、本件輸出取引、本件無形資産取引及び本件役務提供取引で得られた資産が相互に不可欠なものとして結び 付いて、新たに生み出されたものといえる。 また、原告及び原告の関係会社から成るEグループは車両過給機事業を世界展開しているところ、原告が同事業を統括し、本件国外関連者が東南アジア市場向けの車両過給機の製造販売を行っている(乙14)。そして、原告が同事業を統括するに当たっては、原告の車両過給機セクターの■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(乙34、乙47、乙48、乙50、乙113、乙114)。さらに、原告は、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■という方 針を採用しており(乙113の4頁)、■■■ 乙47、乙48、乙50、乙113、乙114)。さらに、原告は、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■という方 針を採用しており(乙113の4頁)、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■しており(乙66のスライド16枚目、乙113の5頁、乙116の3頁)、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ そうすると、本件輸出取引、本件無形資産取引及び本件役務提供取引は相互に密接に結び付いており、個別の取引ごとに評価するのでは適正に独立企業間価格を算定することができないというべきである。 ⑶ 原告の主張についてア原告は、取引単位営業利益法(2号)は、再販売価格から適正な額を控 除して独立企業間価格を算定するという点で再販売価格基準法と同じであるから、取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等の方法においても、当該資産の再販売取引及び再販売価格の存在が不可欠であると主張し、また、購入した資産に大きな加工等をして別個の製品として販売する取引には、取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等の方法は適用 できないと主張する。 確かに、取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等の方法においては、再販売価格基準法と同様に、国外関連取引と対応関係にある取引及びその対価の存在が不可欠であるということはできるが、それは、当該国外関連取引に係る適正な売上高営業利益率を算出するために要求されるものである。したがって、国外関連取引に対応する取引及びその対価の存在 が不可欠であることから、国外関連取引に対応する取引として国外関連取引と同種 正な売上高営業利益率を算出するために要求されるものである。したがって、国外関連取引に対応する取引及びその対価の存在 が不可欠であることから、国外関連取引に対応する取引として国外関連取引と同種の取引及びその対価の存在が要求されるということにはならない。国外関連取引が複数の取引から構成されていても、当該国外関連取引に対応する取引及びその対価が存在すれば、対応関係は満たされるというべきである。 また、国外関連者が国外関連取引によって得た資産に大きな加工等をして販売する取引においては、製造活動部分による利潤の額を正確に算出できる比較対象取引を見付けるのは困難であるから、売上総利益を利益指標とする再販売価格基準法に準ずる方法と同等の方法を採用するのは困難であるとしても(OECDガイドライン(10年版)パラグラフ2.2 9)、製造活動部分に係る費用は総営業費用の中で考慮されるのであるから、営業利益を利益指標とする取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等の方法を採用するのが困難であるということはできない。再販売価格基準法と取引単位営業利益法(2号)とでは、その採用する利益指標が異なるのであるから、計算方法の類似性をもって、その採用対象となる取 引も同様に解すべきことになるわけではない。 そもそも、再販売価格基準法や同法と同等の方法において国外関連取引と同種の取引及びその対価の存在が要求されるとしても、再販売価格基準法に「準ずる方法」と同等の方法において、これらが要求されているものではない。OECDガイドライン(10年版)パラグラフ2.58には、 取引単位営業利益法は再販売価格基準法と一貫性のある形で適用されなけ ればならない旨の指摘があるが、これは、取引単位営業利益法においても再販売価格基準法 )パラグラフ2.58には、 取引単位営業利益法は再販売価格基準法と一貫性のある形で適用されなけ ればならない旨の指摘があるが、これは、取引単位営業利益法においても再販売価格基準法と同様に比較対象取引との比較可能性の分析をしなければならないという点を強調するものであるし、OECDガイドラインが規定する再販売価格基準法及び取引単位営業利益法は、措置法66条の4第2項1号ロや措置法施行令39条の12第8項2号が「当該棚卸資産」と 規定するのとは異なり、国外関連取引に対応する取引を、当該国外関連取引と同種の取引に限定していない。 なお、租税規定の解釈においてみだりに拡張解釈や類推解釈を行うことは許されないが、措置法施行令39条の12第8項4号は、取引単位営業利益法(2号)に「準ずる方法」と規定するにとどまるから、国外関連取 引と同種の取引ではないものの、国外関連取引に対応する取引の対価の額から独立企業間価格を算定することは、「準ずる方法」という文言の拡張解釈や類推解釈には当たらない。また、上記⑴ウの方法(内国法人と国外関連者との間の個々の取引が相互に密接に結び付いており、個別の取引ごとに評価するのでは適正に独立企業間価格を算定することができないよう な場合において、複数の取引を一体の取引として国外関連取引として取り扱う方法)においても、国外関連取引に対応する取引及びその対価を必要とするのであるから、この方法は、取引の法形式から離れ、専ら経済的な効果に着目して租税規定を解釈するものではない。 したがって、取引単位営業利益法と再販売価格基準法の類似性を理由 に、本件算定方法が取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等の方法ではないとする原告の主張は、採用することができない。 イ原告は、本件国外関連 業利益法と再販売価格基準法の類似性を理由 に、本件算定方法が取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等の方法ではないとする原告の主張は、採用することができない。 イ原告は、本件国外関連取引では相互に他の取引を考慮しての価格設定が行われておらず、また、本件ライセンス契約では■■■■■■■■■■及び役務の再提供が禁じられているから、本件国外関連取引を一体の取引と して取り扱うことはできないと主張する。 確かに、本件輸出取引の対価は、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■である(乙32)。また、本件無形資産取引の対価は、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■である(乙21、乙27の4・6)。そ して、本件役務提供取引の対価は、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■である(乙27の6、乙33)。 しかし、本件国外関連取引は、原告と、原告が直接的に又は原告の完全子会社であるB社を通じて間接的に発行済株式総数の90%を保有する本件国外関連者との間で行われたものであるから、上記の価格設定の合理性 は必ずしも高いものではなく、現に、■■■■■■■■■■■■■■■■(乙112、乙113)。また、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(乙50の4枚目、乙59)、上記⑵で認定した事実によれば、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■といえる。そうすると、本件輸出取引、本件無形資産取引及び本件役務提供取引の各対価は、Eグループが世界展開する車両過給機事業における一定の事 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■といえる。そうすると、本件輸出取引、本件無形資産取引及び本件役務提供取引の各対価は、Eグループが世界展開する車両過給機事業における一定の事業方針の下で決定されていると解するのが相当である。 また、本件国外関連者は、本件ライセンス契約に基づいて原告から実施許諾を受けた無形資産及び提供を受けた役務を利用して車両過給機を製造 し、これを販売しているのであるから、当該■■■■■■■■■■及び当該役務の再提供に制限が加えられていることをもって、本件国外関連取引を一体の取引として取り扱うことが否定されるものではない。 よって、本件国外関連取引を一体の取引として取り扱うことができないという原告の上記主張は、採用することができない。 ウ原告は、本件国外関連者は車両過給機の完成品の一部や部品を原告の関 係会社に販売しており、その取引価格を含んだ本件国外関連者の売上高を起点として独立企業間価格を算定することはできないと主張する。 取引単位営業利益法(2号)は、国外関連者が非関連者との間で行った取引の対価を基に独立企業間価格を算定するものである。特殊の関係にある者との間で行った取引の対価は、自由市場における価格とは相違する可 能性があり、そのような対価を基に独立企業間価格を算定することはできない。したがって、取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等の方法においても、原則として、非関連者を相手方とする取引でなければ、国外関連取引に対応する取引であるということはできない。 もっとも、国外関連取引に対応する取引のうち、特殊の関係にある者を 相手方とする取引が一部にとどまるのであれば、その全体の取引価格は、自由市場における価格と乖離するものではない。そこで、本件国 もっとも、国外関連取引に対応する取引のうち、特殊の関係にある者を 相手方とする取引が一部にとどまるのであれば、その全体の取引価格は、自由市場における価格と乖離するものではない。そこで、本件国外関連取引に対応する取引についてみると、原告の関係会社を相手方とする取引が占める割合(売上高ベース)は、平成25年3月期で■■■%、平成26年3月期で■■■%、平成27年3月期で■■■%にすぎず、平成28年 3月連結期においても■■■■%にとどまるから(甲20。訴状55頁参照)、本件国外関連取引に対応する取引全体の取引価格は、自由市場における価格と乖離するものではないといえる。 よって、本件国外関連者の売上高に原告の関係会社との間の取引の対価が含まれているとしても、このことをもって、本件算定方法が、取引内容 に適合し、取引単位営業利益法(2号)の考え方から乖離しない合理的な方法ではないとまではいえない。 ⑷ まとめ以上によれば、本件算定方法において、本件輸出取引、本件無形資産取引及び本件役務提供取引を一体の取引として国外関連取引として取り扱い、こ れに対応する取引価格をもって独立企業間価格を算定したことは、取引内容 に適合し、取引単位営業利益法(2号)の考え方から乖離しない合理的な方法であるといえる。 3 ③損益単位⑴ 2号所定の算式から非関連購入取引に係る原価を減算するという算定方法(本件算定方法)の是非 ア本件国外関連者は、原告から部品を仕入れ、無形資産の供与を受け、技術支援を受ける(国外関連取引)とともに、現地サプライヤーから部材を仕入れること(非関連購入取引)により、車両過給機を製造し、完成品を販売している。 このように、国外関連者が国外関連取引によって得た資産及びそれ以外 連取引)とともに、現地サプライヤーから部材を仕入れること(非関連購入取引)により、車両過給機を製造し、完成品を販売している。 このように、国外関連者が国外関連取引によって得た資産及びそれ以外 の取引(非関連購入取引)によって得た資産から製品を製造し、これを販売する場合、当該販売取引が、当該国外関連取引及び当該非関連購入取引を包括した取引に対応する取引であったとしても、当該販売取引の価格から適正な営業利益及び販管費の合計額を控除して算出される価格は、当該国外関連取引及び当該非関連購入取引を包括した取引の独立企業間価格で あって、当該国外関連取引の独立企業間価格にはならない。 これを是正するため、被告は、本件算定方法、すなわち、①国外関連取引及び非関連購入取引を包括した取引に対応する取引の対価の額から、②同対価の額に比較対象取引に係る売上高営業利益率を乗じた額、国外関連取引及び非関連購入取引を包括した取引の原価、国外関連取引及び非関連 購入取引を包括した取引に係る販管費の合計額を減じ、③国外関連取引の対価の額を加えるという算定方法を採用して、本件国外関連取引の独立企業間価格を算定している。 そこで、国外関連取引及び非関連購入取引を包括する取引に対応する取引の価格に基づき当該国外関連取引の独立当事者間価格を算定する方法 が、2号所定の算式から非関連購入取引に係る原価を減算するという算定 方法(本件算定方法)を採用する限り、取引内容に適合し、取引単位営業利益法の考え方から乖離しない合理的な方法であるということができるかについて検討する。 イ措置法施行令39条の12第8項2号は、①国外関連取引に対応する取引の対価の額から、②同対価の額に比較対象取引に係る売上高営業利益率 を乗じた額、国外関連者に できるかについて検討する。 イ措置法施行令39条の12第8項2号は、①国外関連取引に対応する取引の対価の額から、②同対価の額に比較対象取引に係る売上高営業利益率 を乗じた額、国外関連者に係る販管費の合計額を減じることによって、国外関連取引の独立当事者間価格を算定するものである。同号には、本件算定方法のように、②国外関連者の原価(国外関連取引及び非関連購入取引を包括した取引の原価)を減じることや、③国外関連取引の対価の額を加えることは規定されていない。 また、本件算定方法は、2号所定の算式から非関連購入取引に係る原価を減算するという算定方法(売上高-(適正な営業利益+販管費)-非関連購入取引に係る原価)であるところ、これらの「売上高」「適正な営業利益」「販管費」はいずれも国外関連取引及び非関連購入取引を包括した取引に係るものであるから、これらの「売上高」「適正な営業利益」「販 管費」によって算出される価格は、国外関連取引及び非関連購入取引を包括した取引の独立当事者間価格である。そして、国外関連取引及び非関連購入取引を包括した取引の独立当事者間価格から「非関連購入取引に係る原価」(独立当事者間価格)を減じても、国外関連取引の独立当事者間価格が当然に導かれるわけではない。なぜなら、国外関連取引と非関連購入 取引とを個別に行った場合の外的条件と、国外関連取引及び非関連購入取引を包括して行った場合の外的条件は異なるものと考えられ、両者の対価が同じになるとはいえないからである。 さらに、本件算定方法は、国外関連取引に係る資産と非関連購入取引に係る資産の総体に対して国外関連者の事業活動によって付加された価値 (営業利益)を、市場における各資産の価格の比率をもって、各資産に割 り付けようとするもので 資産と非関連購入取引に係る資産の総体に対して国外関連者の事業活動によって付加された価値 (営業利益)を、市場における各資産の価格の比率をもって、各資産に割 り付けようとするものである。しかし、独立企業間価格は、国外関連者が具体的に行う国外関連取引に対するものであるから、当該価値(営業利益)の割り付けは、国外関連者の実際の事業活動における各資産の価値の比重を考慮してすべきものである。そして、完全に自由な競争市場というものは現実には存在しないのであるから、市場における各資産の価格の比 率と国外関連者の実際の事業活動における各資産の価値の比重とは、必ずしも一致するものではない。 ウもっとも、国外関連者の購入取引において非関連購入取引が占める割合が小さい場合には、国外関連取引及び非関連購入取引を包括する取引に対応する取引の価格に基づいて、当該国外関連取引及び当該非関連購入取引 を包括した取引の独立企業間価格を算定し、同価格から非関連購入取引に係る原価を減算した価格と、当該国外関連取引の独立企業間価格との相違は僅少なものとなる。 また、国外関連取引に係る資産と非関連購入取引に係る資産が同種類似のものである場合には、国外関連取引と非関連購入取引とを個別で行った 場合の外的条件と、国外関連取引及び非関連購入取引を包括して行った場合の外的条件が相違する程度や、国外関連取引に係る資産及び非関連購入取引に係る資産の国外関連者にとっての価値と市場における価格が相違する程度は、小さいものになると考えられる。 さらに、2号所定の算式から非関連購入取引に係る原価を減算するとい う算定方法(本件算定方法)は、同原価を減算することにより、非関連購入取引に係る資産の価格が加わることによって売上高が増大した部分が控除され の算式から非関連購入取引に係る原価を減算するとい う算定方法(本件算定方法)は、同原価を減算することにより、非関連購入取引に係る資産の価格が加わることによって売上高が増大した部分が控除されているだけではなく、国外関連者の販管費が控除されることにより、非関連購入取引に係る資産に投じられた販管費によって売上高が増大した部分も一定程度控除されており、非関連購入取引を包括して独立企業 間価格を算定した影響は相当程度減殺されている。 加えて、国外関連取引及び非関連購入取引を包括した取引に対応する取引に基づく独立当事者間価格の算定を一切許容しないのは、措置法施行令39条の12第8項4号が「準ずる方法」をもって独立企業間価格を算定することを許容した趣旨に反するものと解される。OECDガイドライン(10年版)も「独立企業間取引を必要な範囲で分析する際に、調査対象 の関連者間取引に類似しない取引に帰属する利得は、比較から除外されるべきである。」(パラグラフ2.79)、「売上高の数値は、調査対象の関連者間取引における仕入商品に係る再販売高とすべきである。非関連者間の活動…から得られる売上高は、関連者間取引に対する報酬の決定又は検証に含めるべきではない。」(パラグラフ2.90)と指摘しつつも、 「調査対象の関連者間取引と関係のない原価及び収入は、これらが非関連者間取引との比較可能性に大きな影響を与える場合、除外されるべきである。」(パラグラフ2.78)と指摘し、国外関連取引及び非関連購入取引を包括した取引に対応する取引の対価に基づいて当該国外関連取引の独立企業間価格を算定することを否定していないところである。 エ以上によれば、国外関連取引及び非関連購入取引を包括する取引に対応する取引の価格に基づき当該国外関 基づいて当該国外関連取引の独立企業間価格を算定することを否定していないところである。 エ以上によれば、国外関連取引及び非関連購入取引を包括する取引に対応する取引の価格に基づき当該国外関連取引の独立当事者間価格を算定する方法は、国外関連者の購入取引において非関連購入取引が占める割合が小さい場合や国外関連取引に係る資産と非関連購入取引に係る資産が同種類似の資産である場合には、2号所定の算式から非関連購入取引に係る原価 を減算するという算定方法(本件算定方法)を採用する限り、取引内容に適合し、取引単位営業利益法の考え方から乖離しない合理的な方法であるということができる。 ⑵ 本件国外関連取引の独立企業間価格を本件算定方法により算定することの是非 本件各事業年度において、本件国外関連取引の対価が本件国外関連者の売 上原価に占める割合は、下表(省略)のとおりである(乙22の1・2、乙28の1ないし4。被告準備書面⑴別表1、別表3の2参照)。本件国外関連者の購入取引において非関連購入取引が占める割合は■割を超過している。 また、本件輸出取引により本件国外関連者が購入する資産は、■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(後 ■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(後記4⑷イ(ア)及び(イ)、乙43の6枚目、乙61の5枚目、乙62の6・7枚目)以上によれば、本件国外関連者の購入取引において非関連購入取引が占め る割合が小さいとはいえず、また、本件国外関連取引に係る資産と非関連購入取引に係る資産が同種類似の資産であるということもできない。したがって、本件算定方法は、本件国外関連取引及び非関連購入取引を包括する取引に対応する取引の価格に基づき本件国外関連取引の独立当事者間価格を算定する点において、取引内容に適合し、取引単位営業利益法(2号)の考え方 から乖離しない合理的な方法であるということはできない。 ⑶ 本件国外関連取引の独立企業間価格と本件算定方法によって算定した価格との比較上記⑵のとおり、本件算定方法は、本件国外関連取引及び非関連購入取引を包括する取引に対応する取引の価格に基づき本件国外関連取引の独立当事 者間価格を算定するという点において、取引内容に適合し、取引単位営業利 益法(2号)の考え方から乖離しない合理的な方法ということはできない。 もっとも、上記⑵で説示したとおり、車両過給機の製造にとって、本件国外関連取引に係る資産は希少性のあるものであるが、非関連購入取引に係る資産は汎用性のあるものである。本件国外関連者の事業活動における各資産のこのような性質を考慮すれば、本件国外関連者の事業活動によって各資産 の総体に付加される価値(営業利益)は、本来は、市場における各資産の価格から算出される比率よりも、本件国外関連取引に係る資産により加重して割り付けられ 、本件国外関連者の事業活動によって各資産 の総体に付加される価値(営業利益)は、本来は、市場における各資産の価格から算出される比率よりも、本件国外関連取引に係る資産により加重して割り付けられるべきものと解される。ところが、本件算定方法は、市場における各資産の価格の比率をもって当該価値を割り付けようとするものであるから、本件国外関連取引に係る資産への割り付け分が本来よりも小さくな り、結果として、本件国外関連取引の独立企業間価格が本来よりも小さく算出されることになる。 そうすると、本件国外関連取引及び非関連購入取引を包括する取引に対応する取引の価格に基づき本件国外関連取引の独立当事者間価格が算定されたことを理由に、本件各更正処分の基礎とされた所得金額が本件各事業年度の 所得金額よりも過大になっているということはできない。 ⑷ まとめ以上によれば、本件算定方法は、本件国外関連取引及び非関連購入取引を包括する取引に対応する取引の価格に基づき本件国外関連取引の独立当事者間価格を算定するという点において、取引内容に適合し、取引単位営業利益 法(2号)の考え方から乖離しない合理的な方法であるということはできないものの、このことは、本件各更正処分及び本件各賦課決定処分の違法性を惹起するものとはいえない。 4 ④比較可能性⑴ 判断基準 ア措置法施行令の文言 措置法施行令39条の12第8項2号は、「再販売者が当該棚卸資産と同種又は類似の棚卸資産を非関連者に対して販売した取引」の売上高営業利益率を基に独立企業間価格を算定する旨規定し、また、国外関連者と再販売者との間で売手として果たす機能その他の差異がある場合には、その差異により生ずる割合の差につき必要な調整を当該売上高営業利益率に施 率を基に独立企業間価格を算定する旨規定し、また、国外関連者と再販売者との間で売手として果たす機能その他の差異がある場合には、その差異により生ずる割合の差につき必要な調整を当該売上高営業利益率に施 す旨規定する。 このように、同号は、再販売者の取引に係る棚卸資産が国外関連取引に係る棚卸資産と「同種又は類似」であれば、当該再販売者の取引の売上高営業利益率を基に独立企業間価格を算定することを許容している。また、同号は、国外関連者と再販売者との間で売手として果たす機能その他の差 異があっても、その差異につき必要な調整が可能であれば、当該再販売者の取引の売上高営業利益率を基に独立企業間価格を算定することを許容している。 イ OECDガイドラインの指摘国外関連者の非関連者に対する販売取引と比較対象取引とが比較可能で あれば、後者の取引の売上高営業利益率をもって前者の取引の売上高営業利益率を算出することができるところ、OECDガイドライン(10年版)のパラグラフ1.33では「比較可能であるとは、比較対象の状況における差異が、特定の方法の下で検討されている条件(例えば、価格や利益)に重要な影響を与えない、又は当該差異の影響を取り除くために相当 程度正確な調整が可能である、ということを意味する。」と指摘されている。 ウ判断基準措置法施行令の上記アの文言に加え、OECDガイドラインの上記イの指摘を踏まえると、取引単位営業利益法(2号)に準ずる方法と同等 の方法において、国外関連者と比較対象法人の差異が、①売上高営業利 益率の相違に重要な影響を与えないか、又は②当該差異が与える影響を取り除くために相当程度正確な調整が可能であれば、比較対象法人の売上高営業利益率を基に、国外関連取引の独立企業間価格を算定 益率の相違に重要な影響を与えないか、又は②当該差異が与える影響を取り除くために相当程度正確な調整が可能であれば、比較対象法人の売上高営業利益率を基に、国外関連取引の独立企業間価格を算定することができるというべきである。 エ比較可能性の判断要素 措置法施行令39条の12第8項2号の文言によれば、取引単位営業利益法(2号)における比較可能性を検討するに当たっては、国外関連取引に対応する取引と比較対象取引における棚卸資産との類似性、国外関連者(A社)と再販売者(本件比較対象法人)の売手として果たす機能を考慮すべきことになる。 また、OECDガイドライン(10年版)のパラグラフ1.36には、比較可能性の判断要素として、移転された資産又は役務の特徴、当事者が遂行する機能、契約条件、当事者の経済状況、当事者が遂行している事業戦略が挙げられている。 さらに、租税特別措置法関係通達(法人税編)66の4⑶-3は、比較 対象取引の選定に当たって検討すべき諸要素として、事業の内容等のほか、棚卸資産の種類・役務の内容等、売手又は買手の果たす機能、契約条件、市場の状況、売手又は買手の事業戦略を挙げるところ、同通達は、措置法施行令及びOECDガイドラインの内容に沿う合理的なものと解される。 そこで、以下、A社と本件比較対象法人(C社、D社)の比較可能性について、措置法施行令、OECDガイドライン及び措置法の通達に挙げられた判断要素を踏まえ、事業の内容、製品の特徴、当事者の遂行する機能、市場の状況、経営の効率性の各要素から検討する。 ⑵ 事業の内容 ア A社の事業の内容 Eグループの車両過給機事業は、平成27年度の同グループ売上高の11%を占める事業であって、その売上高は同年度において約1 ら検討する。 ⑵ 事業の内容 ア A社の事業の内容 Eグループの車両過給機事業は、平成27年度の同グループ売上高の11%を占める事業であって、その売上高は同年度において約1677億円である((4524 億+1681 億+4047 億+5002 億)×11%)。Eグループの車両過給機事業は、原告が統括して世界展開しており、原告が同年度に約■■■■円の費用を支出するなどして研究開発及び特許権の管理を担当してい る。A社は、主に東南アジア市場向けの車両過給機の製造販売を担当している。(乙14、乙15の1・2、乙16、乙36、乙37)A社は、平成14年2月、原告及び■■■■■■の合弁会社として、原告又は■■■■■■の設計及び仕様に従った車両過給機及びその部品の製造及び販売並びにこれらに付随又は関連する事業を行い、それ以外の事業 活動は行わないものとして設立された(乙110の項2.01)。A社は、本件各事業年度において、原告から車両過給機の部品の提供、無形資産の使用許諾及び技術支援を受け(本件国外関連取引)、その対価として、各年度に約■■■円、約■■■円、約■■■円及び約■■■円を支払い、車両過給機を主として日系自動車メーカーに販売することで、約■■ ■■円、約■■■■円、■■■■円及び■■■■円の売上げを得ていた(別紙6参照)。 EグループにおけるA社の役割及び規模が以上のようなものであることからすれば、A社の事業の内容は、概要、Eグループが世界展開する車両過給機事業の中で、タイにおいて、専ら車両過給機を製造し、主に日系自 動車メーカーに販売するというものであったと認められる。 イ事業の内容に関する比較本件比較対象法人はいずれも、タイにおいて自動車部品を製造して主に日系自動車メーカー 製造し、主に日系自 動車メーカーに販売するというものであったと認められる。 イ事業の内容に関する比較本件比較対象法人はいずれも、タイにおいて自動車部品を製造して主に日系自動車メーカーに販売する一次サプライヤーである(前提事実⑴イ)。また、本件比較対象法人は、いずれも研究開発部門を有するもの の、財務諸表において研究開発費が公開されていないことからすれば(乙 73、乙74の1・2)、専ら自動車部品の製造販売を行っているものと認められる。 さらに、A社及び本件比較対象法人の平成25年12月期から平成28年12月期まで(原告の本件各事業年度に対応する事業年度)の各売上高は次のとおりであって(単位は百万バーツ。別紙6参照)、C社の売上高 はA社と■■■■■■■、D社の売上高はA社の■■■■■■■■■■■■■■■■■■■、A社と本件比較対象法人とは類似している。(表省略)そうすると、A社と本件比較対象法人の事業の内容は類似するものといえる。 ⑶ 製品の特徴ア A社が製造販売する車両過給機本件国外関連取引に対応する取引に係る製品は、排気ガスのエネルギーを再利用し、エンジンの燃焼効率を高めるための車両過給機である。 車両過給機は、摂氏900度を超える高温下で、ガスを圧縮する羽根 部材が超高速回転する機械であって、その製造に当たっては、回転機械技術、流体解析技術、材料・構造設計技術、振動・騒音抑制技術、エンジンとのマッチング技術につき高度のものが必要であり(乙23、乙69)、製造許容誤差(許容偏心値。回転体の重心が本来あるべき回転中心線から偏ることが許容される最大値)は0.001mm 単位と極めて小さい (甲65、甲133)。また、A社が製造販売する車両過給機は、A社において一定 心値。回転体の重心が本来あるべき回転中心線から偏ることが許容される最大値)は0.001mm 単位と極めて小さい (甲65、甲133)。また、A社が製造販売する車両過給機は、A社において一定水準の機能を有することを保証して販売されている(甲65の8・9頁)。 もっとも、車両過給機の製造業者は複数存在するほか、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ (乙62の7頁)。そして、製造工程における一番の課題はコストダウンとされ、その観点から、部材の調達のしやすさ、生産現場の状況を踏まえた設計、安定した性能維持、製造技術の進化が求められている(乙23)。 そうすると、車両過給機の製造には相当の技術力が必要であるとはい えるものの、製品の性能による差別化が取引の対価に影響を与える程度は大きなものということはできない。 イ本件比較対象法人が製造販売する自動車部品C社が製造販売する自動車部品のうち、アクスルシャフトは、エンジンで発生する駆動力を車輪に伝える走行装置であり、ブレーキディス ク・ブレーキドラムは、数点の構成部品から成り、車輪と一緒に回転する回転体を摩擦により減速・停止させる役目を果たす減速装置であり、いずれも自動車の機能を実質的に成り立たせる製品(以下「機能製品」という。)である。アクスルシャフトの許容偏心値は約0.3mm であり、ブレーキディスクの製造許容誤差(製造交差。厚みや平行度等について 許容される誤差)は約0.01~0.05mm である(甲133)。 D社が製造販売する自動車部品は、自動車の様々なシステムの動作を制御するためのコントロー (製造交差。厚みや平行度等について 許容される誤差)は約0.01~0.05mm である(甲133)。 D社が製造販売する自動車部品は、自動車の様々なシステムの動作を制御するためのコントロールケーブル及び有線制御式ウィンドウレギュレーターであり、数点の構成部品から成り、売上割合の77%を占める前者は機能製品である(乙127、乙129)。コントロールケーブル に使用されるインナーケーブルの公称径(径の規格値を示す数値)と実際径の許容差は約0.13~0.60mm である(甲133)。 このように、C社の製品及びD社の製品のうちコントロールケーブルは、いずれも機能製品であって、その製造には相応の技術力が必要とされるものと解される。また、両社とも「ISO/TS16949」(自 動車メーカーが、その品質、納期その他の要求事項を満たすために、そ の自動車を構成する部品メーカーに対して要求する品質マネジメントシステムの国際規格。乙130)の認証を受けていることからすれば(乙125、乙127)、両社が製造販売する製品は、相応の品質が保たれているものといえる。 ウ製品の特徴に関する比較 A社が製造販売する車両過給機と本件比較対象法人が製造販売する自動車部品とを比較すると、構造や動作内容、製造許容誤差に相違があり、これらの相違は各取引の価格に影響を及ぼすものといえる。もっとも、上記アのとおり、車両過給機の性能による差別化が取引の対価に影響を与える程度は大きなものということはできない。また、上記イのとおり、C社が 製造販売する自動車部品、D社が主に製造販売するコントロールケーブルはいずれも機能製品であって、相応の品質が保たれているものである。 さらに、国外関連取引に対応する取引に係る製品と比較対象取引に係る 造販売する自動車部品、D社が主に製造販売するコントロールケーブルはいずれも機能製品であって、相応の品質が保たれているものである。 さらに、国外関連取引に対応する取引に係る製品と比較対象取引に係る製品の差異は、各取引の価格に直接的に影響を及ぼすものの、当該各取引における原価及び販管費に対する上乗せ率は、製品そのものの差異による 影響を直接受けるものではない。OECDガイドライン(10年版)のパラグラフ2.69では「価格は、製品の差異に影響を受ける傾向があり…。しかしながら、営業利益指標は、そのような差異によってそれほど大きな影響を受けない。」と指摘されている。 そうすると、A社が製造販売する車両過給機と本件比較対象法人が製造 販売する自動車部品との差異は、A社と本件比較対象法人の売上高営業利益率の相違に重要な影響を与えないものといえる。 ⑷ 当事者の遂行する機能ア判断要素としての位置付けある取引において売り手側企業及び買い手側企業が遂行した機能、すな わち、各企業が果たした重要な事業活動や使用した資産、引き受けたリス ク分担の割合等は取引の対価に影響を及ぼすものであるから(OECDガイドライン(10年版)のパラグラフ1.42)、国外関連者と比較対象法人との比較可能性を検討するに当たっては、国外関連取引に対応する取引において国外関連者が遂行した機能と比較対象取引において比較対象法人が遂行した機能とを比較する必要がある。 もっとも、上記の機能の程度については、原価や販管費に直接的に影響を及ぼすものの、原価及び販管費に対する上乗せ率には間接的な影響を及ぼすにとどまるから、機能に差異があることが売上高営業利益率に重要な影響を与えると直ちにはいえない。OECDガイドライン(10年版)のパラ ものの、原価及び販管費に対する上乗せ率には間接的な影響を及ぼすにとどまるから、機能に差異があることが売上高営業利益率に重要な影響を与えると直ちにはいえない。OECDガイドライン(10年版)のパラグラフ2.62では「各企業が遂行する機能の差異は、しばしば営業 費用の差異に反映される。したがって、粗利益には大きな幅があったとしても、営業利益指標では概ね類似の水準となるかもしれない。」と指摘され、パラグラフ2.69では「…粗利益は、機能の差異に影響を受ける傾向がある。しかしながら、営業利益指標は、そのような差異によってそれほど大きな影響を受けない。」と指摘されている。 そこで、以下、これらを前提にA社と本件比較対象法人の機能を比較することとする。 イ製造活動(ア) A社による車両過給機の製造活動aA社は、第一から第三までの3工場を保有し、非関連者向けの車両 過給機については第一工場及び第二工場において製造している。 A社は、第二工場において、車両過給機の部品のうち、タービン軸、ベアリングハウジング及びコンプレッサインペラの各部品を、一部機種を除いて部材から加工することにより製造している。そして、第一工場において、これらの各部品とその余の部品とを組み立てて車 両過給機を製造している。 b 各部品の製造工程は次のとおりである。すなわち、タービン軸については、平成24年12月期までは原告からほぼ全ての部材を調達していたが、その後、現地調達化を進め、平成27年12月期には原告から■■■の部材を調達し、現地サプライヤーから■■■の部材を調達していた。これらの部材は、旋盤、洗浄、溶接、研削、計測及び検 査の各工程を経ることでタービン軸に加工される。 ベアリングハウジングについては、本件各事 、現地サプライヤーから■■■の部材を調達していた。これらの部材は、旋盤、洗浄、溶接、研削、計測及び検 査の各工程を経ることでタービン軸に加工される。 ベアリングハウジングについては、本件各事業年度において、原告から約■■の部材を調達し、現地サプライヤーから約■■■の部材を調達していた。これらの部材は、旋盤、切削、穿孔、洗浄、圧入及び検査の各工程を経ることでベアリングハウジングに加工される。 コンプレッサインペラについては、本件各事業年度において、原告から約■■■■の部材を調達し、日本のサプライヤーからその余の多くの部材を調達し、現地サプライヤーから少量の部材を調達していた。これらの部材は、旋盤、計測、洗浄及び検査の各工程を経ることでコンプレッサインペラに加工される。 これらの製造工程は、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■c ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(乙62の7頁、乙149のスライド番 号47)。上記の■■■■の各部品について、平成27年12月期においては、原告から約■割の部品を調達し、現地サプライヤーからその余の多くを調達していた。これらの部品は、中心部の組立て、バランス計測(実際に高速回転させて、アンバランスを計測し、回転部の微小な切削を行い、アンバランスを修正する工程)、 最終組立工程を経ることで完成品になる。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■(乙38の6頁、乙46の3・4頁、乙68、乙151の4頁)(本項に掲示した各証拠のほか甲65、甲67、乙61、乙67、乙94、乙148)(イ) 車両過給機の製造活動における原告とA社の役割 車両過給機の製造活動において■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(乙49の3枚目)、A社は、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(被告側作 成に係る図表(乙147)参照)。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(乙61、乙62、乙64、乙66、乙152~154。なお、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(甲 115の1・2頁)、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■)。 (本項に掲示した各証拠のほか、甲65の7・15・16頁、甲99、乙38~44、乙52、乙53、乙58、乙61、乙114)。 (ウ) 本件比較対象法人による自動車部品の製造活動C社は、「ISO/TS16949」の認証を受け、年次報告書において「研究開発を最大限に活用した生産性の向上のための革新的な方法の活用」「生産過程における半自動・自動システムへの投資」をしている旨報告している(乙125)。 D社は日本企業との間で技術支援契約を締結し、「ISO/TS16949」の認証を受け、年次報告書において「お客様との間で信頼関係を構築するために、絶えず製造システムを改善」し、「製造ラインについては、製造プロセスにおけるエラーの解消や人員削減に資する自動化システムに向けた開発をし」、「コスト削減…のために、国内製造業者 からの原材料や部品の調達を拡充するよう努力して」いる旨報告している(乙127)。 また、両社とも、主に日系自動車メー 動化システムに向けた開発をし」、「コスト削減…のために、国内製造業者 からの原材料や部品の調達を拡充するよう努力して」いる旨報告している(乙127)。 また、両社とも、主に日系自動車メーカーを取引先とする一次サプライヤーであり、その年間売上高もC社は約200億円を超え、D社は約100億円を有する企業であって、いずれも研究開発部門を有してい る。C社の製品やD社の製品の多くは機能製品であるところ、日系自動 車メーカーが車両を開発する過程では、日系自動車メーカーのエンジニアと自動車部品メーカーのエンジニアとが共同して自動車部品の開発を行うことが特徴とされ(乙83)、両社とも日系自動車メーカーから表彰を受けている(乙73の3~5頁、乙74の1の3頁)。 そうすると、本件比較対象法人は、主に自動車部品の量産活動を行っ ているところ、自動車部品の量産に当たっては、品質・コスト・納期の管理を相当のレベルで行い、相応の研究開発を行って設備仕様の作成や量産工程の構築に創意工夫をしているものと認められる。また、具体的内容は不明であるものの、本件比較対象法人も、一次サプライヤーとして、構成部品の内製化や現地調達化を、一定程度は進めているものと認 められる。 (エ) 製造活動に関する比較上記のとおり、A社も本件比較対象法人も、主に自動車部品の量産活動を行うものであって、構成部品の品質管理を行うとともに、製造ラインの設計・構築に創意工夫をしている。A社が複雑な工程を含む量産活 動を行っているとしても、部品の製造工程や組立工程に特に高度な作業が求められているものではない。A社が二次サプライヤーの管理を行っているとしても、本件比較対象法人も、日系自動車メーカーを顧客とする一次サプライヤーであるから、同程度の管理 組立工程に特に高度な作業が求められているものではない。A社が二次サプライヤーの管理を行っているとしても、本件比較対象法人も、日系自動車メーカーを顧客とする一次サプライヤーであるから、同程度の管理は行っているものと解される。 そうすると、A社による車両過給機の製造活動と本件比較対象法人による自動車部品の製造活動との差異は、A社と本件比較対象法人の売上高営業利益率の相違に重要な影響を与えないものといえる。 (オ) 原告の主張についてa 原告は、A社は生産技術の改良、部品の内製化及び部品の現地調達 化において独自の機能を果たしていたと主張するので、以下検討す る。 b 生産技術の改良に関して、A社は、排ガス規制強化を意識した自動車メーカーの要請を受けて、Eグループの各社に先駆けて、平成16年にVGS(排気ガスの流れをコントロールして出力を調整できる可変翼機構)車両過給機の生産を開始し、平成25年にはVGS車両過 給機は売上ベースで約■割を占めるようになったと認められる(甲82、甲89)。 しかし、VGSは、昭和60年頃までに自動車メーカーによって開発された技術であり、平成6年頃にはトラック向けVGS車両過給機の量産が、平成13年頃には乗用車向けVGS車両過給機の量産がそ れぞれ他社で開始されていたものである(甲90、甲91)。A社は、VGS車両過給機の製造工程の考案、設計及び構築したにとどまり、その際には、原告の■■■■■■の補佐も得ていたものであって(甲66)、当該考案、設計及び構築自体に何らかの進歩性のある技術が導入されたことを示す的確な証拠もない。また、VGS車両過給 機は、部品数が増加し、構造も複雑化するものであるところ、A社は、少品種大量生産という生産方式を採り、人件費も安く 歩性のある技術が導入されたことを示す的確な証拠もない。また、VGS車両過給 機は、部品数が増加し、構造も複雑化するものであるところ、A社は、少品種大量生産という生産方式を採り、人件費も安く多くの労働者を生産ラインに配置することができたこと(甲66)から、VGS車両過給機の製造工程の考案、設計及び構築を行ったということができる。製品の特性や従業員の熟練度に応じて製造工程を考案、設計及 び構築して製品を製造することは、製造業者として特別なものということはできない。 したがって、生産技術の改良において、A社が本件比較対象法人とは異なる機能を果たしており、それが売上高営業利益率の相違に重要な影響を与えるものであったということはできない。 c 部品の内製化に関して、A社は、平成21年までタービン軸の全量 を原告から輸入していたが、平成22年から内製化を開始し、平成24年からは部材の現地調達化を進めたものである。すなわち、平成24年には■■■■■■■■■、平成27年には■■■■■■■■■のタービン軸が内製化され、これらによる原価低減率は、■■■■■■のタービン軸で■■■■■■■■■■■のタービン軸で約■■■に及 ぶなどした。平成23年12月期から平成27年12月期までの、部材費総額に占める原告からの購入割合、原告以外からの購入割合及び売上高営業利益率の推移は次のとおりであった(表省略)。(別紙6の2枚目、甲65、甲77、甲78の1・2、乙22の1・2)しかし、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(乙152)。そして、A社は、タービン軸の内製化の開始に当たり、原告 の子会社から既存のタービン軸加工設備一式の提供を受けるとともに、原告からタービン軸を製造するためのノウハウの提供を受けている(甲65の14頁、乙27の6の項2.1、乙42)。その後も、原告は、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(乙138のスライド14枚目)。A社は、■■■■■■■■■原告 からタービン軸を製造するためのノウハウの提供を受けるなどして、タービン軸の内製化を行ったものといえる。 また、部品の内製化により、新たに人件費や部材費、生産設備等による減価償却費が追加費用として発生するから、タービン軸の内製化がA社の営業利益率の増大に与える影響は、相当程度抑制される。平 成25年から平成27年にかけて進行した円安・バーツ高(乙89) により、日本からの輸入取引に係る部品の購入費用がタイバーツ建てで減少し、原価が低減したことによって営業利益率が増大した側面も否定できない。本件各事業年度におけるA社の営業利益率の増大に、A社が実施した車両過給機の部品の内製化が寄与した程度を過大視することはできない。 したがって、部品の内製化において、A社が本件比較対象法人とは異なる機能を果たしており、それが売上高営業利益率の相違に重要な影響を与えるものであったということはできない。 d 部品の現地調達化に関して、A社は、車両過給機の構成部品であるシュラウドアッシー(乙150 能を果たしており、それが売上高営業利益率の相違に重要な影響を与えるものであったということはできない。 d 部品の現地調達化に関して、A社は、車両過給機の構成部品であるシュラウドアッシー(乙150)をEグループの取引先である■■■ ■■■■■から輸入していたが、平成24年に■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■購入するようになり、これによる原価低減効果は約■割に達した。また、現地調達の割合は、金額ベースで平成23年に約■割であったものが、平成27年に約■割に増大した。(甲65の10~13頁) しかし、A社が新たに部品の現地調達化を進めるに当たっては、自動車メーカーから調達先が指定されている場合や、量産図面の変更を伴うような場合には、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(甲115の5頁、乙46の4頁、乙106の4頁、乙155の4頁)。A社は原告の車両過給機セクターからの支援を受けずに現地調達化を実施したものということはできない。シュラウドアッシーの現地調達化についても、A社は、日本国内の■■■■■ ■■■から、■■■■■■■■■■■■■■■■■■へと調達先を 変更したにとどまる。■■■■■■■■■、シュラウドアッシーを安価に供給するために■■■■■■■■■■■■■■■■■■のであって(甲65、甲115、乙105、乙106頁の5枚目)、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■したがって、部品の現地調達化において、A社が本件比較対象法 人とは異なる機能を果たしており、 甲115、乙105、乙106頁の5枚目)、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■したがって、部品の現地調達化において、A社が本件比較対象法 人とは異なる機能を果たしており、それが売上高営業利益率の相違に重要な影響を与えるものであったということはできない。 e よって、生産技術の改良、部品の内製化及び部品の現地調達化において、A社が独自の機能を果たしていたとの原告の主張は、採用することができない。 ウ無形資産(ア) A社が保有する無形資産A社は、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(甲7の1ないし4)。また、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■のうち重要なもの は、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(甲32の20枚目)。 しかし、まず、原告がタイにおいて保有する車両過給機に関する特許権は■件にとどまるほか、本件各事業年度において、本件無形資産取引に係る無形資産に関する特許権は、タイでは登録されていない(甲82 の6頁、乙15の2)。 また、国外関連者が国外関連取引によって保有するに至った無形資産を使用して事業活動を行っていたとしても、当該無形資産を通常使用するような方法で使用するにとどまり、無形資産の価値を増大させていない場合には、当該国外関連者は重要な無形資産を有しているとはいえな い。OECDガイドライン(17年版)においても、「移転価格算定 上、多国籍企業グループが得る無形資産使用収益が、無形資産を使用する法的又は契約上の権利の結果として最初に法的所有者のものになるとしても、最終的に、無形資産の法的所有自体にその収益が帰属するわけではない。」(パラグラフ6.42)、「法的所 益が、無形資産を使用する法的又は契約上の権利の結果として最初に法的所有者のものになるとしても、最終的に、無形資産の法的所有自体にその収益が帰属するわけではない。」(パラグラフ6.42)、「法的所有者以外の関連者が、無形資産の価値に貢献すると考えられる機能を果たす場合、その関連者 は…独立企業原則に沿った対価を受け取るべきである。」(パラグラフ6.52)と指摘されている(なお、これらのパラグラフにいう「法的所有者」は、本件ではA社に該当する。)。本件において、A社が原告から重要な価値を有する技術ノウハウの提供を受けていたとしても、A社が当該技術ノウハウを利用することにより独自に当該技術ノウハウの 価値を増大させていたとまでは認められない。同様に、A社がタイにおいてEグループが開発する車両過給機に関する独占製造・独占販売権を有していたとしても、それによりA社が独自に当該独占製造・独占販売権の価値を増大させていたとは認められない。 さらに、A社は、VGS車両過給機の製造工程における技術ノウハウ を保有しているということはできるが、これが独立企業間価格の算定に影響を与えるような重要な無形資産とはいえないことについては、上記イ(オ)bで説示したとおりである。 そうすると、A社が保有する無形資産は、自動車部品製造に係るタイの上場企業が通常有する程度のものというべきである。 (イ) 本件比較対象法人が保有する無形資産C社は、鋼鍛造工程や旋盤工程に関して、日本企業との間で技術支援契約を締結し、自社の開示書類において、この技術支援契約の締結により、専門的かつ認知度の高い技術を有する企業から技術移転をしている旨説明している(甲31の1・2)。C社の関係会社は、■■■■■■ ■■■■がタイで生産方式を普及するために 支援契約の締結により、専門的かつ認知度の高い技術を有する企業から技術移転をしている旨説明している(甲31の1・2)。C社の関係会社は、■■■■■■ ■■■■がタイで生産方式を普及するために開催する会合にも参加して いる(乙25の1の頁数166~170)。 また、D社は、自動車部品に関して、日本企業との間で商標権の使用許諾及び技術支援契約を締結している(甲33の1・2、乙128)。 D社は、■■■■■■■■■■がタイで生産方式を普及するために開催する会合にも参加している(乙25の1の166~170頁)。 一方、両社が、重要な価値を有する特許権・技術ノウハウないしこれらの使用許諾権や重要な価値を有する資産等の独占製造・販売権を保有することを示す証拠はない。 そうすると、本件比較対象法人が保有する無形資産は、自動車部品製造に係るタイの上場企業が通常有する程度のものというべきである。 (ウ) 無形資産に関する比較A社も本件比較対象法人も、自動車部品製造に係るタイの上場企業が通常有する程度の無形資産を保有するものであるから、それぞれが保有する無形資産の差異は、A社と本件比較対象法人の売上高営業利益率の相違に重要な影響を与えないものといえる。 エリスク(ア) 取引単位営業利益法(2号)における比較可能性を検討するに当たってのリスク分析は、国外関連取引に対応する取引と比較対象取引との比較可能性の有無を検討するためのものであるから、各取引に内在するリスクを売り手側企業である国外関連者ないし比較対象法人が負担するこ とで、当該各取引の対価に影響が生じ、ひいては当該各取引の売上高営業利益率に影響を与えることになるのか否かという観点から行われる必要がある。 このような観点から検討すれば、本件国外 するこ とで、当該各取引の対価に影響が生じ、ひいては当該各取引の売上高営業利益率に影響を与えることになるのか否かという観点から行われる必要がある。 このような観点から検討すれば、本件国外関連取引に対応する取引の対価に影響を及ぼすリスクにつき、売り手側企業(A社)と買い手側企 業との間で引き受けた分担割合と、本件比較対象取引の対価に影響を及 ぼすリスクにつき、売り手側企業(本件比較対象法人)と買い手側企業との間で引き受けた分担割合とを比較した場合、A社と本件比較対象法人の売上高営業利益率の相違に重要な影響を与えるような差異があることを示す的確な証拠はない。 (イ) 原告は、A社は価格変動リスクや失注リスクを具体的に負っていた旨 主張する。しかし、A社の販売製品(車両過給機)と本件比較対象法人の販売製品(C社においては、アクスルシャフト、ブレーキディスク・ブレーキドラム。D社においてはコントロールケーブル、ウィンドウレギュレーター)は、いずれも自動車部品を構成する部品である。A社が製造する車両過給機は、複数の競争業者が製造可能なものであって、他 社の製造品による代替が可能であり、本件比較対象法人が製造販売する自動車部品も同様であることからすれば、本件国外関連取引に対応する取引において原告が引き受けた価格変動リスクや失注リスクと、本件比較対象取引において本件比較対象法人が引き受けたこれらのリスクは、各取引の対価に同様に影響を与えるものといえる。そうすると、A社と 本件比較対象法人が負担する価格変動リスクや失注リスクの相違は、各取引の売上高営業利益率の相違に重要な影響を与えるような差異に当たるということはできない。なお、車両過給機の製造に高い技術力が必要であり、またエンジン特性に応じた製品が求め や失注リスクの相違は、各取引の売上高営業利益率の相違に重要な影響を与えるような差異に当たるということはできない。なお、車両過給機の製造に高い技術力が必要であり、またエンジン特性に応じた製品が求められることは、売り手側企業(A社)に対する依存の程度を大きくするから、A社が負っていた 価格変動リスクや失注リスクは、本件比較対象法人の各リスクよりも小さいとも評価し得るところである。 また、原告は、A社が製造販売する車両過給機は自動車メーカーが内製化を行うことで失注するという内製化リスクがあり、現に、■■■■■■■■■■がタイで製造するピックアップトラックの車両過給機を内 製化することにより、売上げが急減した旨主張する。しかし、本件国外 関連取引に対応する取引において、このような内製化リスクを売り手側企業(A社)が一方的に負担するにもかかわらず、これが対価算定の要素にならなかったとは考えにくいから、本件国外関連取引に対応する取引において、A社のみが内製化リスクを負担していたということはできない。また、ブレーキ部品やコントロールケーブル部品をタイにおいて 製造販売する自動車メーカーの関係会社が存するから(乙139、乙140)、本件比較対象法人においても、同様の内製化リスクがあったものである。 (ウ) 被告は、本件国外関連取引において原告及びA社が負担するリスクの多寡について主張するところ、これは、本件国外関連取引に対応する取 引において売り手側(A社)が負っていたリスクの検討に関係するものではない。被告の同主張は、本件国外関連取引に対応する取引においてA社が果たしていた機能を正確に把握し、これを本件比較対象法人の機能と比較して、その比較可能性を判断するという趣旨においては有意なものといえるところ、本件国 、本件国外関連取引に対応する取引においてA社が果たしていた機能を正確に把握し、これを本件比較対象法人の機能と比較して、その比較可能性を判断するという趣旨においては有意なものといえるところ、本件国外関連取引に対応する取引においてA社が 遂行した機能については、上記イ(イ)及び(オ)で説示したとおりである。 オ小括以上のとおり、A社と本件比較対象法人との間の事業活動に関する差異、保有する無形資産に関する差異及びリスクに関する差異は、いずれもA社と本件比較対象法人の売上高営業利益率の相違に重要な影響を与える ような差異であるということはできない。 ⑸ 市場の状況ア市場占有率の比較車両過給機については世界的にみて寡占市場が形成されているところ(乙16)、タイでは、A社が設立された平成14年当時、有力な競合他 社が進出しておらず、積極的な事業展開もしていなかった。そのため、A 社は、設立以降、タイの車両過給機市場における市場占有率を高めていった。もっとも、平成27年以降、■■■■■■■■■■■■の関係会社が車両過給機市場に参入するようになり、A社は、同年9月に■■■■■■のタイ子会社からの発注を失い、同年及び平成28年に■■■■■■■■■■■■■のタイ子会社からの発注を失い、その市場占有率が急落した。 (甲73、甲82、甲93)市場占有率は、事業の収益性を決定する主要因の一つであり、市場占有率が高ければ、自動車メーカーから受注を獲得する際に、競争業者を意識して価格を引き下げる必要性が小さいから、価格競争力が高まる(甲94)。本件国外関連取引に対応する取引に係る製品(PPV、B an、Pickup向け)の販売台数、タイの車両過給機市場(ディーゼル小型商用車向け)におけるA社の占有率及び 競争力が高まる(甲94)。本件国外関連取引に対応する取引に係る製品(PPV、B an、Pickup向け)の販売台数、タイの車両過給機市場(ディーゼル小型商用車向け)におけるA社の占有率及びA社の営業利益率は次のとおりであり(別紙6の2枚目、甲82、甲101(枝番を含む)、甲129の1、乙24)、A社の市場占有率の低下が営業利益率の低下に影響しているということができる。(表省略) 一方、本件比較対象法人が製造販売する自動車部品のタイにおける市場占有率は明らかではないものの、これらの自動車部品の製造の難易度は、車両過給機と比較すると、構造や動作内容、製造許容誤差からみて低いといえるから、本件比較対象法人が当該自動車部品市場において高い市場占有率を有していたとは考えにくい。 そうすると、A社が製造販売する車両過給機のタイにおける市場占有率と本件比較対象法人が製造販売する自動車部品のタイにおける市場占有率との差異は、A社と本件比較対象法人の売上高営業利益率の相違に重要な影響を与えるものというべきである。 イ需要の比較 車両過給機市場は、エンジンの環境対応とダウンサイジング化の進展 によって拡大を続けており、原告の連結売上高も、平成23年から平成30年にかけて年平均13%の割合で拡大していた(乙14)。 タイにおいても、乗用車及びピックアップトラックを含む小型商用車につき平成24年から排気ガスの規制が強化され、規制基準をクリアするためにはエンジン性能を向上させる必要があったところ、車両過給機を搭載 することにより、PM(粒子状物質)とNOx(窒素酸化物)の排出を低減させ(甲81の1・2、甲82、乙23)、エンジン性能を向上させることができた。そうすると、本件各事業年度において、車両過給機の することにより、PM(粒子状物質)とNOx(窒素酸化物)の排出を低減させ(甲81の1・2、甲82、乙23)、エンジン性能を向上させることができた。そうすると、本件各事業年度において、車両過給機の需要は高まっていたものと認められるところ、実際にも、上記アの表のとおり、A社の車両過給機の販売台数は、本件各事業年度の1年目である平成 24年度に特に増加し、本件各事業年度中も概ね微減するにとどまっている。本件各事業年度におけるA社が製造販売する車両過給機の需要の増大により、A社の価格競争力が高まり、ひいては営業利益率の上昇に影響したものと解される。 一方、本件比較対象法人が製造販売する自動車部品については、排気ガ スの規制強化などの環境規制による需要の増大は想定されないから、本件各事業年度における環境規制の強化が本件比較対象法人の営業利益率に影響を及ぼしたとは考えにくい。 そうすると、A社が製造販売する車両過給機の需要と本件比較対象法人が製造販売する自動車部品の需要との差異は、A社と本件比較対象法人の 売上高営業利益率の相違に重要な影響を与えるものというべきである。 なお、タイにおいては、車両過給機が主に搭載されるピックアップトラックの需要が普通乗用車の需要よりも大きく、タイにおける新車販売全体の4割超を1トンピックアップトラックが占める(甲73、甲74)。もっとも、平成17年から平成28年までの間において、タイの自動車市場 におけるピックアップトラックの生産台数と乗用車の生産台数の増減は、 おおむね同様の傾向にある(乙89)。したがって、車両過給機が主にピックアップトラックに搭載されるという点から、A社が製造販売する車両過給機の需要が、本件比較対象法人が製造販売する自動車製品の需要より特に大きかっ 向にある(乙89)。したがって、車両過給機が主にピックアップトラックに搭載されるという点から、A社が製造販売する車両過給機の需要が、本件比較対象法人が製造販売する自動車製品の需要より特に大きかったとみることはできない。 ウ差異調整の可能性 上記ア及びイのとおり、本件各事業年度における市場占有率や環境規制による需要の増大という市場の状況の差異は、A社と本件比較対象法人の売上高営業利益率の相違に重要な影響を与えている。 そして、この市場の状況の差異が与える影響を取り除くための適当な指標は見当たらない。OECDガイドライン(10年版)のパラグラフ2. 70では「営業利益指標は、競争上の地位のように粗利益及び価格にも影響を及ぼす要因によって影響を受けることがあるが、これらの要因の影響を容易には取り除くことができない」と指摘されている。 そうすると、A社と本件比較対象法人の市場の状況に関する差異が売上高営業利益率の相違に与える影響を取り除くための相当程度正確な調整 は、可能ではないというべきである。 エ被告の主張について(ア) 被告は、A社の高い市場占有率は、原告が技術的な参入障壁を構築し、顧客のニーズに合った製品を提供できたから実現したものであって、原告の貢献が大きい旨主張する。 確かに、原告は、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(乙91、乙92)、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(乙34~36)、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(上記⑷イ(イ)、乙37の5頁、乙62、乙63、乙114)。そうすると、A社の車両過給機の市場占有率の高さに、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■しかし、上記⑷イ(オ)で説示したとおり、A社においても、生産技術 の改良、部品の内製化、部品の現地調達化を行うことで、車両過給機のコストダウンに努めていたものである。また、A社は、量産開始後において、個別の発注対応と完成品の納品を通じて顧客との関係性構築を担い、その後の価格交渉も担当していたものであり、顧客のニーズ把握、受注及び仕様等の承認など顧客との折衝という営業面において、タイ現 地で直接の取引を行っているA社による情報収集や分析が果たした役割も無視することができない(甲82、甲124、乙63)。さらに、上記⑶アで説示したとおり、車両過給機のコストダウンにおいては、部材の調達のしやすさ、生産現場の状況を踏まえた設計、安定した性能維持、製造技術の進化が求められるところ、A社が車両過給機を量産する に当たり、部材の調達のしやすさ、生産現場の状況を踏まえた設計、安定した性能維持という点における原告の貢献は小さい。原告は、本件各事業年度において、本件無形資産取引に係る無形資産に関する特許権をタイで登録しておらず(上記⑷ウ(ア))、車両過給機の製造販売業者が複数存在することからすれば、原告がタイにおいて技術的な参入障壁を 築いていたということもできない。加えて、原告の貢献の程度が変わらないにもかかわらず、A (ア))、車両過給機の製造販売業者が複数存在することからすれば、原告がタイにおいて技術的な参入障壁を 築いていたということもできない。加えて、原告の貢献の程度が変わらないにもかかわらず、A社の市場占有率は平成27年度以降低下し、これに伴い営業利益率の低下も生じているところである(上記アの表)。 したがって、A社による高い市場占有率の保持についての原告の貢献の程度は限定的なものにとどまるといわざるを得ないから、市場占有率 についての原告の貢献に関する被告の上記主張は、採用することができ ない。 (イ) 被告は、A社の高い市場占有率は、原告による先行投資により実現したものであって、原告の貢献が大きい旨主張する。 確かに、平成13年当時、Eグループはタイ国内の日系自動車メーカーに対して■■■■■■■の車両過給機を販売していたところ、原告 は、タイ国内における車両過給機の需要増が見込まれたことから、同年10月、車両過給機を製造販売する合弁会社を■■■■■■と設立することを決定し、平成14年2月、Eグループが90%、■■■■■■が10%の出資をすることによりA社を設立し、同年10月から生産工場を稼働させたものである(乙25の1・2、乙26、乙92)。 しかし、そもそも、寡占による超過利益を算定することは困難である上、原告が行う投資判断から得られる利益は、本来、配当としてA社から原告に還元されるべきものである。 したがって、A社の高い市場占有率から得られる営業利益を、原告の先行投資により実現したものであるとして、本件国外関連取引の対価を もって還元すべきであるということはできないから、被告の上記主張は採用することができない。 オ小括以上のとおり、A社と本件比較対象法人の市場の状況に関する 本件国外関連取引の対価を もって還元すべきであるということはできないから、被告の上記主張は採用することができない。 オ小括以上のとおり、A社と本件比較対象法人の市場の状況に関する差異は、A社と本件比較対象法人の売上高営業利益率の相違に重要な影響を与える ものであって、売上高営業利益率の相違に与える影響を取り除くための相当程度正確な調整は、可能ではないというべきである。 ⑹ 経営の効率性本件各事業年度における従業員一人当たりの売上高について、A社の額は本件比較対象法人の額よりも■■■■■■程度高く、有形固定資産額に対す る売上高の割合について、A社の数値は本件比較対象法人の数値よりも■■ ■■■■程度高い。また、本件各事業年度において、製品原価の売上高に占める割合について、A社は■■■■■■■■■■■%に低減する一方で、本件比較対象法人は一定の率に収斂している。(別紙6、甲36ないし39(各枝番を含む))しかし、これらの比率や製品原価の売上高に占める割合の推移は、経営の 効率性だけではなく、上記⑶ないし⑸で検討したとおり製品の特徴、当該企業が有する機能、市場の状況といった要素の影響を受けるものである。そうすると、これらの比率や推移の相違は、A社と本件比較対象法人との間に、売上高営業利益率に重要な影響を与える差異があることを窺わせる一事情にはなるものの、これらの比率や推移の相違のみをもって、A社と本件比較対 象法人との間の経営の効率性に差異があり、これが売上高営業利益率に重要な影響を与えているということはできない。 そして、A社と本件比較対象法人における市場の状況の差異がこれらの比率や推移の相違に影響を及ぼしていると考えられること、事業戦略の優位性などA社の経営の効率性の高 与えているということはできない。 そして、A社と本件比較対象法人における市場の状況の差異がこれらの比率や推移の相違に影響を及ぼしていると考えられること、事業戦略の優位性などA社の経営の効率性の高さを裏付ける事実も見当たらないことからすれ ば、A社と本件比較対象法人との間の経営の効率性に関する差異が、A社と本件比較対象法人の売上高営業利益率の相違に重要な影響を与えるような差異であるということはできない。 ⑺ 所得移転の蓋然性について被告は、原告及びA社が本件国外関連取引に果たす機能等を分析すれば、 A社の売上高営業利益率の高さに原告が貢献している程度は高く、本件国外関連取引において原告からA社に所得移転が生じている蓋然性が高い旨主張する。 しかし、措置法66条の4第2項が国外関連取引の当事者(本件では原告とA社)が果たす機能等の勘案を求めるのは、措置法ないし措置法施行令が 定める独立企業間価格を算定する複数の方法の中から最適方法を選択するた めである。同項は、取引単位営業利益法(2号)において国外関連者と比較対象法人の比較可能性を検討するに当たり、国外関連取引の当事者が果たす機能等を勘案することを求めるものではない。また、国外関連取引において内国法人から国外関連者に所得移転が生じているか否かは、措置法ないし措置法施行令が定める方法から算定された独立企業間価格と国外関連取引の対 価を比較して判明するものであるから、独立企業間価格の算定に当たり、所得移転の蓋然性を考慮することはできない。 なお、取引単位営業利益法(2号)において国外関連者と比較対象法人の比較可能性を検討するに当たっては、国外関連者と比較対象法人の機能等を検討する必要がある。そして、国外関連者の機能等に内国法人が貢献してい る 利益法(2号)において国外関連者と比較対象法人の比較可能性を検討するに当たっては、国外関連者と比較対象法人の機能等を検討する必要がある。そして、国外関連者の機能等に内国法人が貢献してい る場合には、内国法人の貢献を考慮して国外関連者の機能等を分析し、比較可能性を検討することになる。本件においては、上記⑷及び⑸で説示したとおり、A社と本件比較対象法人の機能等を検討するに当たり、原告の貢献を斟酌したものである。 ⑻ まとめ A社と本件比較対象法人の差異のうち、市場の状況に関する差異は、売上高営業利益率の相違に重要な影響を与えるものであって、当該差異が与える影響を取り除くための相当程度正確な調整ができないものであるから、本件算定方法において当該差異の調整が実際にされているか否かについて検討するまでもなく、A社と本件比較対象法人との間に比較可能性が あるということはできない。 5 総括以上によれば、A社の売上高に本件比較対象法人の売上高営業利益率を乗じることにより、独立当事者間価格を算定しようとする本件算定方法は、取引内容に適合し、取引単位営業利益法(2号)の考え方から乖離しない合理 的な方法ということはできない。 そして、タイの車両過給機市場におけるA社の市場占有率の高さや、A社が製造販売する車両過給機に対する需要の大きさを考慮すれば、本件各事業年度におけるA社の営業利益率は、本件比較対象法人の営業利益率よりも高いものと認められる。そうすると、本件比較対象法人の営業利益率をもって本件国外関連取引の独立企業間価格を算定した本件算定方法は、本件国外関 連取引に対応する取引の対価から、適正な営業利益額よりも過少な金額しか控除しておらず、これにより独立企業間価格が過大に算定されていることに 引の独立企業間価格を算定した本件算定方法は、本件国外関 連取引に対応する取引の対価から、適正な営業利益額よりも過少な金額しか控除しておらず、これにより独立企業間価格が過大に算定されていることになるから、当該独立企業間価格に基づき計算された本件各事業年度の法人税の各所得金額は、いずれも過大なものといわざるを得ない。 第6 本件各更正処分及び本件各賦課決定処分の適法性 上記第5の5のとおり、本件各事業年度における本件国外関連取引の独立企業間価格は、本件算定方法による算定額よりも少額となる。 そして、原告は、本件各事業年度において、本件国外関連取引の適正な独立企業間価格が、平成25年3月期は■■■■■■■■■■■■■、平成26年3月期は■■■■■■■■■■■■■、平成27年3月期は■■■■■ ■■■■■■■■、平成28年3月連結期は■■■■■■■■■■■■■であることを前提に申告する(別紙6の4枚目)。原告の申告の前提となった上記各価格は、本件国外関連取引の価格算定方法(上記第5の2⑶イの第2段落目)に基づくものであるところ、同価格算定方法は、少なくとも平成21年から平成25年までの間においては独立企業間価格と大きな相違のない 範囲内の価格を算出するものであった(乙21の頁数21)。また、原告の申告の前提となった上記価格よりも、本件国外関連取引の独立企業間価格が高いことを示す的確な証拠もない。そうすると、本件各事業年度における本件国外関連取引の独立企業間価格は、原告の申告の前提になった上記各価格のとおりであると認めるのが相当である。 よって、本件各更正処分のうち、原告の申告に係る上記各価格を前提とす る所得金額を超える数額に基づき課された部分は違法である。また、本件各賦課決定処分は、全部が違法 相当である。 よって、本件各更正処分のうち、原告の申告に係る上記各価格を前提とす る所得金額を超える数額に基づき課された部分は違法である。また、本件各賦課決定処分は、全部が違法である。 第7 結論以上によれば、その余の争点について判断するまでもなく、原告の請求はいずれも理由があるからこれを認容することとし、主文のとおり判決す る。 東京地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官品田幸男 裁判官片瀬亮 裁判官彦田まり恵(別紙3、6~8、別表省略) 別紙1処分一覧 1 α税務署長が平成30年6月27日付けでした原告の平成24年4月1日から平成25年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分のうち、所得金額■■■■■■■■■■■■■、翌期へ繰り越す欠損金額■■■■■■■■■■ ■■■■、還付金の額に相当する税額■■■■■■■■■■■■■を下回る部分及び過少申告加算税の賦課決定処分 2 α税務署長が平成30年6月27日付けでした原告の平成24年4月1日から平成25年3月31日までの課税事業年度の復興特別法人税の更正処分のうち、課税標準法人税額■■■■■■■■■■■■、還付金の額に相当する税額■■■ ■■■■■■■を下回る部分及び過少申告加算税の賦課決定処分 3 α税務署長が平成30年6月27日付けでした原告の平成25年4月1日から平成26年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分(ただし、平成30年8月28日付けでされた更正処分による減額後のもの)のうち、所得金額■■■■■■■■■■■■■■、納付すべき税額■■■■■■■■■■■■を超える部 業年度の法人税の更正処分(ただし、平成30年8月28日付けでされた更正処分による減額後のもの)のうち、所得金額■■■■■■■■■■■■■■、納付すべき税額■■■■■■■■■■■■を超える部 分及び過少申告加算税の賦課決定処分(ただし、平成30年8月28日付けでされた変更決定処分による減額後のもの) 4 α税務署長が平成30年6月27日付けでした原告の平成25年4月1日から平成26年3月31日までの課税事業年度の復興特別法人税の更正処分(ただし、平成30年8月28日付けでされた更正処分による減額後のもの)のうち、 課税標準法人税額■■■■■■■■■■■■■、納付すべき税額■■■■■■■■■■■■を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定処分(ただし、平成30年8月28日付けでされた変更決定処分による減額後のもの) 5 α税務署長が令和元年7月30日付けでした原告の平成26年4月1日から平成27年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分のうち、所得金額■■■ ■■■■■■■■■■■、納付すべき税額■■■■■■■■■■■■を超える部 分及び平成30年6月27日付けでした同法人税に係る過少申告加算税の賦課決定処分 6 α税務署長が平成30年6月27日付けでした原告の平成27年4月1日から平成28年3月31日までの連結事業年度の法人税の更正処分(ただし、令和元年7月30日付けでされた更正処分による減額後のもの)のうち、連結所得金額 ■■■■■■■■■■■■■■、納付すべき税額■■■■■■■■■■■■■を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定処分(ただし、令和元年7月30日付けでされた変更決定処分による減額後のもの) 7 α税務署長が平成30年6月27日付けでした平成27年4月1日から平成28年3月31日まで 過少申告加算税の賦課決定処分(ただし、令和元年7月30日付けでされた変更決定処分による減額後のもの) 7 α税務署長が平成30年6月27日付けでした平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分(ただし、令和元年 7月30日付けでされた更正処分による減額後のもの)のうち、課税標準法人税額■■■■■■■■■■■■■、納付すべき税額■■■■■■■■■■■■を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定処分(ただし、令和元年7月30日付けでされた変更決定処分による減額後のもの)以上 別紙2略称一覧措置法租税特別措置法措置法66条の4第1項 4頁措置法66条の4第2項 5頁 措置法施行令租税特別措置法施行令措置法施行令39条の12第8項 6頁通則法国税通則法震災特例法東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律 復興財源確保法東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法OECDガイドライン経済協力開発機構(OECD)が公表している「多国籍企業及び税務当局のための移転価格ガイドライン」。1995年版(甲25)、2010年版(乙 7)、2017年版(乙109)、2022年版があり、版を特定する場合には「OECDガイドライン(10年版)」などと特定する。 最適方法国外関連取引につき支払われるべき対価の額を算定するための最も適切な方法 取引単位営業利益法(2号) 5頁2号所定の算式措置法施行令39条の 国外関連取引につき支払われるべき対価の額を算定するための最も適切な方法 取引単位営業利益法(2号) 5頁2号所定の算式措置法施行令39条の12第8項2号において定められている「独立企業間価格=再販売価格-(再販売価格×営業利益/収入金額+販管費)」で表される算式 販管費販売費及び一般管理費 非関連購入取引国外関連者が行った棚卸資産の購入取引及び棚卸資産の購入取引以外の取引から国外関連取引を除いた取引タイタイ王国A社 A社 (「本件国外関連者」ということもある。)本件比較対象法人 C社及びD社■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■機能製品 34頁本件輸出取引 7頁本件無形資産取引 7頁本件役務提供取引 7頁 本件国外関連取引 7頁本件ライセンス契約原告と本件国外関連者との間で締結された平成15年11月17日付け「LICENSEAGREEMENT」と題する契約ないしその後の各契約(平成18年8月28日付け「AMENDMENTTOLICENSEAGREEMENT」と題 する契約、平成20年12月26日付け「AMENDMENTTOLICENSEAGREEMENT」と題する契約、平 付け「AMENDMENTTOLICENSEAGREEMENT」と題 する契約、平成20年12月26日付け「AMENDMENTTOLICENSEAGREEMENT」と題する契約、平成23年6月30日「AmendmenttoTurbochargerLicenseAgreement:No.3」と題する契約、平成25年7月1日付け「AMENDMENTTOLICENSEAGREEMENT」と題 する契約、平成23年6月30日付け「LicenseAg reementfortheTurbineWheelandShaft」と題する契約及び平成26年12月24日付け「AmendmenttoLicenseAgreementfortheTurbineWheelandShaft」と題する契約)で修正された契約本件算定方法 9頁 本件調整後売上高営業利益率 9頁平成25年3月期原告の法人税に係る平成24年4月1日から平成25年3月31日までの事業年度平成26年3月期原告の法人税に係る平成25年4月1日から平成26年3月31日までの事業年度 平成27年3月期原告の法人税に係る平成26年4月1日から平成27年3月31日までの事業年度平成28年3月連結期原告の法人税に係る平成27年4月1日から平成28年3月31日までの連結事業年度本件各事業年度上記4つの各事業年度を合わせたもの 平成25年3月課税事業年度原告の復興特別法人税に係る平成24年4月1日から平成25年3月31日までの課税事業年度平成26年3月課税事業年度原告の復興特別法人税に係る平成25年4月1日から平成2 5年3月課税事業年度原告の復興特別法人税に係る平成24年4月1日から平成25年3月31日までの課税事業年度平成26年3月課税事業年度原告の復興特別法人税に係る平成25年4月1日から平成26年3月31日までの課税事業年 度平成28年3月課税事業年度原告の地方法人税に係る平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税事業年度本件各事業年度等本件各事業年度及び上記3つの各事業年度を合わせたもの 平成25年3月期更正処分 α税務署長が原告に対し平成30年6月27日 付けでした平成25年3月期に係る法人税の更正処分平成26年3月期更正処分 α税務署長が原告に対し平成30年6月27日付けでした平成26年3月期に係る法人税の更正処分(平成30年8月28日付け更正処分による減 額後のもの)平成27年3月期更正処分 α税務署長が原告に対し令和元年7月30日付けでした平成27年3月期に係る法人税の更正処分平成28年3月連結期更正処分 α税務署長が原告に対し平成30年6月2 7日付けでした平成28年3月連結期に係る法人税の更正処分(令和元年7月30日付け更正処分による減額後のもの)平成25年3月課税事業年度更正処分 α税務署長が原告に対し平成30年6月27日付けでした平成25年3月課税事業年 度に係る復興特別法人税の更正処分平成26年3月課税事業年度更正処分 α税務署長が原告に対し平成30年6月27日付けでした平成26年3月課税事業年度に係る復興特別法人税の更正処分(平成30年8月28日付け更正処分による減額後のもの) 平成28年3月課税事業年度更正処分 α税務署長が原告に対し平成30年6月27日付けでした平成28年3月課税事業年度に係る地方法 分(平成30年8月28日付け更正処分による減額後のもの) 平成28年3月課税事業年度更正処分 α税務署長が原告に対し平成30年6月27日付けでした平成28年3月課税事業年度に係る地方法人税の更正処分(令和元年7月30日付け更正処分による減額後のもの)本件各更正処分上記7つの更正処分を合わせたもの 平成25年3月期賦課決定処分 α税務署長が原告に対し平成30年6月2 7日付けでした平成25年3月期に係る法人税の過少申告加算税賦課決定処分平成26年3月期賦課決定処分 α 税務署長が原告に対し平成30年6月27日付けでした平成26年3月期に係る法人税の過少申告加算税賦課決定処分(平成30年8月 28日付け変更決定処分による減額後のもの)平成27年3月期賦課決定処分 α税務署長が原告に対し平成30年6月27日付けでした平成27年3月期に係る法人税の過少申告加算税賦課決定処分平成28年3月連結期賦課決定処分 α税務署長が原告に対し平成30 年 6月27日付けでした平成28年3月連結期に係る法人税の過少申告加算税賦課決定処分(令和元年7月30日付け変更決定処分による減額後のもの)平成25年3月課税事業年度賦課決定処分 α税務署長が原告に対し平成30年6月27日付けでした平成25年3月課税事業 年度に係る復興特別法人税の過少申告加算税賦課決定処分平成26年3月課税事業年度賦課決定処分 α税務署長が原告に対し平成30年6月27日付けでした平成26年3月課税事業年度に係る復興特別法人税の過少申告加算税賦課 決定処分(平成30年8月28日付け変更決定処分による減額後のもの)平成28年3月課税事業年度賦課決定処分 α税務署長が原告に対し平成30年6月27日付 興特別法人税の過少申告加算税賦課 決定処分(平成30年8月28日付け変更決定処分による減額後のもの)平成28年3月課税事業年度賦課決定処分 α税務署長が原告に対し平成30年6月27日付けでした平成28年3月課税事業年度に係る地方法人税の過少申告加算税賦課決 定処分(令和元年7月30日付け変更決定処分によ る減額後のもの)本件各賦課決定処分上記7つの賦課決定処分を合わせたもの本件前回調査 10頁本件28年調査 10頁本件再調査 10頁 本件各更正通知書平成25年3月期更正処分の通知書(甲1の1)、平成26年3月期更正処分の通知書(甲1の3)、α税務署長が原告に対し平成30年6月27日付けでした平成27年3月期に係る法人税の更正処分の通知書(甲1の7)及び平成28年3月連結期 更正処分の通知書(甲1の9)以上 別紙4 事務運営要領及び参考事例集平成25年6月28日付け査調8-113ほかによる改正前のもの平成28年6月28日付け査調9-113ほかによる改正前のもの法人税基本通達平成26年7月9日付け課法2-9ほかによる改正前のもの措置法通達平成26年7月9日付け課法2-9ほかによる改正前のもの措置法施行令39条の12( 平成28年3月連結期は同令39条の112)平成25年政令第114号による改正前のもの平成28年政令第159号による改正前のもの措置法66条の4( 平成28年3月連結期は同法68条の88)平成26年法律第10号による改正後のもの(同法10条中措置法68条の88第1項の改正規定を除く。)平成26年法律第10号による改正前のもの適用法令 28年3月連結期は同法68条の88)平成26年法律第10号による改正後のもの(同法10条中措置法68条の88第1項の改正規定を除く。)平成26年法律第10号による改正前のもの適用法令等平成25年3月期平成26年3月期平成27年3月期平成28年3月連結期 別紙5 〔独立企業間価格の算定方法一覧〕(本件各事業年度のうち,平成25年3月期に係るもの)棚卸資産の売買取引棚卸資産の売買取引以外の取引【基本三法】①独立価格比準法(措置法66条の4第2項1号イ)②再販売価格基準法(措置法66条の4第2項1号ロ)③原価基準法(措置法66条の4第2項1号ハ)【基本三法と同等の方法】①独立価格比準法と同等の方法(措置法66条の4第2項2号)②再販売価格基準法と同等の方法(措置法66条の4第2項2号)③原価基準法と同等の方法(措置法66条の4第2項2号)【基本三法に準ずる方法】①独立価格比準法に準ずる方法(措置法66条の4第2項1号ニ)②再販売価格基準法に準ずる方法(措置法66条の4第2項1号ニ)③原価基準法に準ずる方法(措置法66条の4第2項1号ニ)【基本三法に準ずる方法と同等の方法】①独立価格比準法に準ずる方法と同等の方法(措置法66条の4第2項2号)②再販売価格基準法に準ずる方法と同等の方法(措置法66条の4第2項2号)③原価基準法に準ずる方法と同等の方法(措置法66条の4第2項2号)【その他政令で定める方法】①比較利益分割法(措置法施行令39条の12第8項1号(同号イに係る部分に限る))②寄与度利益分割法(措置法施行令39条の12第8項1号(同号ロに係る部分に限る))③残余利益分割法(措置法施行 法(措置法施行令39条の12第8項1号(同号イに係る部分に限る))②寄与度利益分割法(措置法施行令39条の12第8項1号(同号ロに係る部分に限る))③残余利益分割法(措置法施行令39条の12第8項1号(同号ハに係る部分に限る))④取引単位営業利益法(措置法施行令39条の12第8項2号及び3号まで)⑤①から④までの方法に準ずる方法(措置法施行令39条の12第8項4号)【その他政令で定める方法と同等の方法】①比較利益分割法と同等の方法(措置法66条の4第2項2号) ②寄与度利益分割法と同等の方法(措置法66条の4第2項2号) ③残余利益分割法と同等の方法(措置法66条の4第2項2号) ④取引単位営業利益法と同等の方法(措置法66条の4第2項2号) ⑤左欄の⑤の方法と同等の方法(措置法66条の4第2項2号)※ 平成26年3月期及び同27年3月期は,平成25年改正により,左欄「【その他政令で定める方法】」の「④取引単位営業利益法」が,措置法施行令39条の12第8項2号ないし5号となり,「⑤①から④までの方法に準ずる方法」が措置法施行令39条の12第8項6号となる。 次いで,平成28年3月連結期は,原告が法人税法4条の2の連結納税義務者となったことから,措置法66条の4に代わり,連結法人の国外関連者との取引に係る課税の特例である同法68条の88が適用となり,また措置法施行令39条の12第8項に代わり,同施行令39条の112第7項が適用となる。
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