令和2(ワ)13317 特許権侵害損害賠償等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和5年7月13日 東京地方裁判所
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令和5年7月13日判決言渡同日原本交付裁判所書記官令和2年(ワ)第13317号特許権侵害損害賠償等請求事件口頭弁論終結日令和5年4月21日判決原告株式会社齋藤創造研究所 同訴訟代理人弁護士上山浩同井上拓被告AppleJapan合同会社同訴訟代理人弁護士矢倉千栄同稲瀬雄一 同訴訟代理人弁理士大塚康徳同訴訟復代理人弁護士増田郁子同補佐人弁理士大塚康弘同坂田恭弘主文 1 被告は、原告に対し、4388万4112円及びうち3172万9579円に対する平成21年9月27日から、うち63万3963円に対する平成22年9月26日から、うち426万9021円に対する平成24年9月30日から、うち725万1549円に対する平成25年9月29日から、各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は、これを22分し、その21を原告の負担とし、その余は被告の負担とする。 4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。 事実 及び理由 第1 請求の趣旨 被告は、原告に対し、9億6545万0475円及びうち6億9805万0744円に対する平成21年9月27日から、うち1394万7195円に対する平成22年9月26日から、うち9391万8467円に対する平成24年9月3 億6545万0475円及びうち6億9805万0744円に対する平成21年9月27日から、うち1394万7195円に対する平成22年9月26日から、うち9391万8467円に対する平成24年9月30日から、うち1億5953万4069円に対する平成25年9月29日から、各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は、別紙特許権目録記載の特許(以下「本件特許」といい、本件特許に係る特許権を「本件特許権」という。また、以下、本件特許の願書に添付された明細書及び図面〔甲1〕を「本件明細書等」という。)を有していた原告が、別紙被告製品目録記載1及び2の各製品(以下、「被告製品1」及び「被告製 品2」といい、併せて「被告各製品」という。)は本件特許に係る発明の技術的範囲に属すると主張して、被告各製品を輸入、販売している被告に対し、不当利得返還請求権に基づき、9億6545万0475円及びうち6億9805万0744円に対する平成21年9月27日から、うち1394万7195円に対する平成22年9月26日から、うち9391万8467円に対する平成 24年9月30日から、うち1億5953万4069円に対する平成25年9月29日から、各支払済みまで民法所定の年5分の割合による法定利息の支払を求める事案である。 なお、争点整理の結果、本件の訴訟物は、不当利得に基づく返還請求権のみであり、時効に関する法的問題は、争点としないこととされた(第2回口頭弁 論調書参照)。 2 前提事実(証拠等の記載のないものは当事者間に争いがない。)⑴ 当事者ア原告は、本件特許権を有していた(本件特許権の存続期間は、平成30年1月6日に満了している。)。(弁論の全趣旨) イ被告は、日本において、被告各製品を に争いがない。)⑴ 当事者ア原告は、本件特許権を有していた(本件特許権の存続期間は、平成30年1月6日に満了している。)。(弁論の全趣旨) イ被告は、日本において、被告各製品を輸入、販売していた。(弁論の全 趣旨)⑵ 本件特許に係る特許請求の範囲本件特許に係る特許請求の範囲の記載は、次のとおりである(以下、下記請求項1の記載を引用する下記請求項3の発明を「本件発明1」と、下記請求項2の記載を引用する下記請求項3の発明を「本件発明2」と、それぞれ いい、これらを併せて「本件各発明」という。)。 ア請求項1指先でなぞるように操作されるための所定の幅を有する連続したリング状に予め特定された軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーが配置され、前記軌道に沿って移動する接触点を一次元座標上の位置データとして検出 するタッチ位置検知手段と、接点のオンまたはオフを行うプッシュスイッチ手段とを有し、前記タッチ位置検知手段におけるタッチ位置検出センサーが連続して配置される前記軌跡に沿って、前記プッシュスイッチ手段の接点が、前記連続して配置されるタッチ位置検出センサーとは別個に配置されているとともに、前記接点のオンまたはオフの状態が、前記タッチ位 置検出センターが検知しうる接触圧力よりも大きな力で保持されており、かつ、前記タッチ位置検知手段におけるタッチ位置検出センサーが連続して配置される前記軌跡上における前記タッチ位置検出センサーに対する接触圧力よりも大きな接触圧力での押下により、前記プッシュスイッチ手段の接点のオンまたはオフが行われることを特徴とする接触操作型入力装置。 イ請求項2請求項1記載の接触操作型入力装置であって、前記プッシュスイッチ手段が4つであることを特徴とする接 の接点のオンまたはオフが行われることを特徴とする接触操作型入力装置。 イ請求項2請求項1記載の接触操作型入力装置であって、前記プッシュスイッチ手段が4つであることを特徴とする接触操作型入力装置。 ウ請求項3請求項1または請求項2記載の接触操作型入力装置を用いた小型携帯装 置。 ⑶ 本件各発明の構成要件本件各発明を構成要件に分説すると、次のとおりである。 ア本件発明1A 指先でなぞるように操作されるための所定の幅を有する連続したリング状に予め特定された軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーが配置 され、前記軌道に沿って移動する接触点を一次元座標上の位置データとして検出するタッチ位置検知手段と、B 接点のオンまたはオフを行うプッシュスイッチ手段とを有し、C 前記タッチ位置検知手段におけるタッチ位置検出センサーが連続して配置される前記軌跡に沿って、前記プッシュスイッチ手段の接点が、前 記連続して配置されるタッチ位置検出センサーとは別個に配置されているとともに、前記接点のオンまたはオフの状態が、前記タッチ位置検出センサーが検知しうる接触圧力よりも大きな力で保持されており、かつ、D 前記タッチ位置検知手段におけるタッチ位置検出センサーが連続して配置される前記軌跡上における前記タッチ位置検出センサーに対する接 触圧力よりも大きな接触圧力での押下により、前記プッシュスイッチ手段の接点のオンまたはオフが行われるE ことを特徴とする接触操作型入力装置F を用いた小型携帯装置。 イ本件発明2 本件発明2の構成要件は、本件発明1の構成要件AないしDの後に、下記Gが付け加えられ、Gの後に本件発明1の構成要件E及びFが続くものである。 型携帯装置。 イ本件発明2 本件発明2の構成要件は、本件発明1の構成要件AないしDの後に、下記Gが付け加えられ、Gの後に本件発明1の構成要件E及びFが続くものである。 A 指先でなぞるように操作されるための所定の幅を有する連続したリング状に予め特定された軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーが配置 され、前記軌道に沿って移動する接触点を一次元座標上の位置データと して検出するタッチ位置検知手段と、B 接点のオンまたはオフを行うプッシュスイッチ手段とを有し、C 前記タッチ位置検知手段におけるタッチ位置検出センサーが連続して配置される前記軌跡に沿って、前記プッシュスイッチ手段の接点が、前記連続して配置されるタッチ位置検出センサーとは別個に配置されてい るとともに、前記接点のオンまたはオフの状態が、前記タッチ位置検出センサーが検知しうる接触圧力よりも大きな力で保持されており、かつ、D 前記タッチ位置検知手段におけるタッチ位置検出センサーが連続して配置される前記軌跡上における前記タッチ位置検出センサーに対する接触圧力よりも大きな接触圧力での押下により、前記プッシュスイッチ手 段の接点のオンまたはオフが行われるG 前記プッシュスイッチ手段が4つであるE ことを特徴とする接触操作型入力装置F を用いた小型携帯装置。 ⑷ 被告各製品の構成 ア被告製品1被告製品1(iPodclassic)の外観は、以下の図のとおりであり、前面中心部にリング状(ドーナツ状)のクリックホイールがあり、指をクリックホイールの周囲に円を描くように軽く動かして、メニュー等をスクロールする。(甲7、9、弁論の全趣旨) イ被告製品2被告製品2(第5 イールがあり、指をクリックホイールの周囲に円を描くように軽く動かして、メニュー等をスクロールする。(甲7、9、弁論の全趣旨) イ被告製品2被告製品2(第5世代のiPodnano)の外観は、以下の図のとおりであり、被告製品1と同様に、前面中心部にリング状(ドーナツ状) のクリックホイールがあり、指をクリックホイールの周囲に円を描くように軽く動かして、メニュー等をスクロールする。(甲8、9、弁論の全趣旨) ⑸ 別件訴訟等ア被告は、平成19年2月6日、原告に対し、別紙別件被告製品目録記載の各被告製品(以下「別件被告各製品」という。)の輸入及び販売につい て、原告が本件特許権の侵害を理由とする損害賠償請求権を有しないことの確認を求める訴訟を提起したところ、原告は、同年3月13日、被告に対し、別件被告各製品の輸入及び販売が本件特許権を侵害するとして、損害賠償を求める反訴を提起した(以下、当該本訴〔東京地方裁判所平成19年(ワ)第2525号〕及び反訴〔同第6312号〕を併せて、「別件 訴訟」という。)。 イ別件訴訟の第1審裁判所(東京地方裁判所)は、平成25年9月26日、被告が別件被告各製品の輸入及び販売を行うことは本件特許権の侵害に当たるとして、被告に対し、平成18年10月1日から平成25年3月30日(以下「別件訴訟の対象期間」という。)までの同製品に係る原告の損 害金3億3664万1920円及びこれに対する遅延損害金の支払を命じる旨の判決を言い渡した。(乙32)ウ別件訴訟の控訴審裁判所(知的財産高等裁判所)は、平成26年4月24日、被告が別件被告各製品の輸入及び販売を行うことは本件特許権の侵害に当たるとして、被告に対し、別件訴訟 た。(乙32)ウ別件訴訟の控訴審裁判所(知的財産高等裁判所)は、平成26年4月24日、被告が別件被告各製品の輸入及び販売を行うことは本件特許権の侵害に当たるとして、被告に対し、別件訴訟の対象期間に係る原告の損害金 3億3664万1921円及びこれに対する遅延損害金の支払を命じる旨の判決を言い渡した。(乙33)エ別件訴訟の上告審裁判所(最高裁判所)は、平成27年9月9日、被告の上告を棄却するとともに、原被告双方の上告受理の申立てについて不受理決定をし、上記控訴審裁判所の判決が確定した。 オ原告は、本件訴訟において、別件訴訟の対象期間以降の別紙別件被告製品目録記載3の被告製品に係る損害を、被告製品1に係る損害金として請求するとともに、被告製品2に係る損害金も請求している。(弁論の全趣旨)⑹ 先行文献 本件特許の出願日より前に、以下の公報が存在した。 ア公開実用新案公報(乙8。実願昭60-47970。以下「乙8公報」といい、同公報に記載された考案を「乙8発明」という。)イ公開特許公報(乙9。特開平6-111695。以下「乙9公報」といい、同公報に記載された発明を「乙9発明」という。) ウ公開特許公報(乙10。特開平6-96639。以下「乙10公報」といい、同公報に記載された発明を「乙10発明」という。) 3 争点⑴ 被告各製品の構成要件充足性(争点1)ア 「タッチ位置検出センサー」(構成要件A、C、D)の充足性(争点1 -1) イ 「予め特定された軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーが配置され」(構成要件A)の充足性(争点1-2)⑵ 本件各発明の無効理由の有無(争点2)ア乙8公報を主引例とする進歩性欠 イ 「予め特定された軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーが配置され」(構成要件A)の充足性(争点1-2)⑵ 本件各発明の無効理由の有無(争点2)ア乙8公報を主引例とする進歩性欠如の有無(争点2-1)イ乙9公報を主引例とする進歩性欠如の有無(争点2-2) ウ乙10公報を主引例とする進歩性欠如の有無(争点2-3)エ明確性要件違反の有無(争点2-4)⑶ 特許法102条3項に基づく損害額(争点3)第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1-1(「タッチ位置検出センサー」〔構成要件A、C、D〕の充足性) について(原告の主張)被告は、被告各製品が「タッチ位置検出センサー」を充足しない根拠として、被告各製品が静電容量センサーを用いていることを挙げている。しかしながら、被告は、別件訴訟においてもこの点を主張し、別件訴訟における裁判所は、当 該主張を十分検討した上で、構成要件充足性を認めた。そして、本件訴訟における被告各製品の構成は、別件訴訟と同一であるにもかかわらず、被告は、上記の主張を繰り返し行っており、別件訴訟の蒸し返しに当たるから、被告の主張は、信義則に反して許されない。 (被告の主張) ⑴ 構成要件Cを充足するには、「前記接点のオンまたはオフの状態が、前記タッチ位置検出センサーが検知しうる接触圧力よりも大きな力で保持され」ること、言い換えれば、「前記接点のオンまたはオフの状態」を保持する力が「前記タッチ位置検出センサーが検知しうる接触圧力」と比較したときに、より「大きな力」であることが必要となるが、「前記タッチ位置検出センサ ー」が「接触圧力」を検知できなければ、請求項に明記された「検知しうる 接触圧力」が技術的に特定されない たときに、より「大きな力」であることが必要となるが、「前記タッチ位置検出センサ ー」が「接触圧力」を検知できなければ、請求項に明記された「検知しうる 接触圧力」が技術的に特定されないため、そのような比較を行うことはおよそ不可能である。その結果、接触圧力「よりも大きな力」という点も技術的に特定されないことになり、本件各発明の構成が不明確となってしまう。したがって、構成要件Cにおいては、「前記タッチ位置検出センサー」が「接触圧力」を検知できることが前提となっていると解さなければならない。 同様に、構成要件Dとの関係でも、「前記タッチ位置検出センサーに対する接触圧力」と比較して、より大きな「接触圧力」で「前記プッシュスイッチ手段」を押下することが必要とされているところ、「接触圧力」を検知することのできない「前記タッチ位置検出センサー」では、そのような比較を行うことはおよそ不可能である。したがって、「前記タッチ位置検出センサ ー」は、「接触圧力」を検知する能力を有するものに限定されるというべきである。 ⑵ 他方で、被告各製品のクリックホイールは、静電容量センサーを用いているところ、静電容量センサーとは、人間の指等の導電性材料の近接による電界の変化を、静電容量である電気的特性の変化として検出することによって 機能するものである。すなわち、静電容量センサーは、加えられた圧力を検知、検出するものではないから、例えば、手袋(絶縁体)を着用して、静電容量センサーを用いたクリックホイールの表面を押圧したとしても、静電容量は変化しないから、指の存在を検知することはできない。逆に、圧力がなくても、指の十分な近接があり、静電容量が変化しさえすれば、物理的な接 触は必要ないため、指の存在を検出することができる 容量は変化しないから、指の存在を検知することはできない。逆に、圧力がなくても、指の十分な近接があり、静電容量が変化しさえすれば、物理的な接 触は必要ないため、指の存在を検出することができる。 このように、被告各製品のクリックホイールで用いている静電容量センサーは、「接触圧力」を検知することができないものである。 ⑶ 上記のとおり、構成要件C及びDが規定する「前記タッチ位置検出センサー」は、「接触圧力」を検知する能力を有するものに限定されるところ、被 告各製品のクリックホイールで用いている静電容量センサーは、「接触圧力」 を検知することができないから、被告各製品は、構成要件C及びDにおける「前記タッチ位置検出センサー」との構成を備えているとはいえない。また、本件各発明における「タッチ位置検出センサー」が「接触圧力」を検知する能力があるものに限定される以上、被告各製品は、構成要件Aの「タッチ位置検出センサー」も備えていない。 2 争点1-2(「予め特定された軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーが配置され」〔構成要件A〕の充足性)について(原告の主張)被告製品2は、別件訴訟の審理対象の一つであるiPodnano第4世代の後継機であり、外観も操作性も全く同一の製品であるから、クリックホイ ールの構成も同一であることが十分に推認できる。 そして、被告各製品の前面中心部にはクリックホイールがあり、その形状は、白色等のリング状(ドーナツ状)であり、その軌跡上に、指でなぞり、メニュー項目や曲目等の表示画面をスクロールさせて選択したり任意の音量に調節したりするためのタッチセンサーが配置されている。 そうすると、クリックホイールは、「指先でなぞるように操作されるための所定の幅を有する 表示画面をスクロールさせて選択したり任意の音量に調節したりするためのタッチセンサーが配置されている。 そうすると、クリックホイールは、「指先でなぞるように操作されるための所定の幅を有する連続したリング状に予め特定された軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーが配置され」た「タッチ位置検知手段」に相当する。 (被告の主張)原告が提出した証拠(甲7ないし9)を見ても、被告製品2のクリックホイ ールの形状やタッチセンサーの配置についての情報は一切記載されていないから、少なくとも被告製品2については、「指先でなぞるように操作されるための所定の幅を有する連続したリング状に予め特定された軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーが配置され」(構成要件A)との要件を充足するかどうか不明である。 3 争点2-1(乙8公報を主引例とする進歩性欠如の有無)について (被告の主張)以下に述べるとおり、本件各発明は、乙8公報(主引例)に記載された考案(乙8発明)に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項により無効とされるべきものである。 ⑴ 乙8発明の内容 ア乙8公報には、次の発明(乙8発明)が開示されている。 A 指先で回動接触操作されるための所定の幅を有する連続した円環状に予め特定された軌跡上に連続して接触操作検出区分が配置され、前記軌跡に沿って移動する接触点を一次元座標上の位置データDpとして検出すること E タッチパネル式制御信号発生装置 イ乙8公報には、タッチパネル式制御信号発生装置が適用されたビデオテ ープレコーダが、円盤状に形成されたタッチパネル11を備えていること、タッチパネル11には複数の検 装置 イ乙8公報には、タッチパネル式制御信号発生装置が適用されたビデオテ ープレコーダが、円盤状に形成されたタッチパネル11を備えていること、タッチパネル11には複数の検出電極15と複数のア一ス電極17とが絶縁基板13の円周に沿う円環状配置をもって交互に配列されていること、 各検出電極15とそれに隣接する1個のアース電極17との組によって形成されている複数の接触操作検出区分が円環状に配列されていること、接触操作面21が、例えば、指Fにより、複数の接触操作検出区分の円環状の配列に沿って矢印a若しくはbの方向に回動接触操作されること、指Fの接触部に対応しない位置では電圧VPが、指Fの接触部に対応する位置 ではこれより低い電圧VQが得られ、これらに応じた出力VSが外部に導出されること、などが記載されている。また、乙8公報には、位置データ発生部35が、各接触操作検出区分からの出力VSに基づいて、タッチパネル11の接触操作面21に対する回動接触操作が行われる場合における接触操作位置を表す位置データDpを発生すること、移動検出部41が、 回動接触操作が行われる場合における接触操作の移動方向と移動速度とに対応する、位置データDpにおける変化の方向と速度とを検出すること、なども記載されている。 したがって、乙8公報は、一次元検出リングセンサーの技術が適用されたタッチパネル式制御信号発生装置を開示しており、構成要件A及びEに 相当する構成を開示しているといえる。 ⑵ 一致点上記のとおり、乙8発明は、本件各発明の構成要件A及びEを備えている。 ⑶ 相違点ア相違点1 本件発明1では一次元検出リングセンサーの技術が適用された接触操作型入力装置(構成要件A及びE)に対 、本件各発明の構成要件A及びEを備えている。 ⑶ 相違点ア相違点1 本件発明1では一次元検出リングセンサーの技術が適用された接触操作型入力装置(構成要件A及びE)に対してセンサー下プッシュスイッチ(構成要件BないしD)が組み合わされているのに対して、乙8発明のタッチパネル式制御信号発生装置にはセンサー下プッシュスイッチが組み合わされていない点 イ相違点2 本件発明2では一次元検出リングセンサーの技術が適用された接触操作型入力装置(構成要件A及びE)に対して4つのセンサー下プッシュスイッチ(構成要件BないしD及びG)が組み合わされているのに対して、乙8発明のタッチパネル式制御信号発生装置には4つのセンサー下プッシュスイッチが組み合わされていない点 ウ相違点3本件各発明では接触操作型入力装置が小型携帯装置に適用されている(構成要件F)のに対して、乙8発明においてはタッチパネル式制御信号発生装置が適用されたビデオテープレコーダ(構成要件Fに相当)が小型携帯装置であるかは明らかでない点 エ相違点A本件各発明ではタッチ位置検出センサーが圧力を検知可能なものであるのに対して、乙8発明のタッチ位置検出センサー(構成要件Aの接触操作検出区分)は圧力を検知する能力を持たない点⑷ 相違点の容易想到性 ア相違点1について乙11ないし16は、タッチ位置検出センサーの下にプッシュスイッチの接点が別個に配置された構成を開示しているので、センサー下プッシュスイッチの技術は、多数の文献に開示される周知技術(以下、当該センサー下プッシュスイッチの技術を「周知技術1」という。)であるといえる。 そして、乙8発 いるので、センサー下プッシュスイッチの技術は、多数の文献に開示される周知技術(以下、当該センサー下プッシュスイッチの技術を「周知技術1」という。)であるといえる。 そして、乙8発明に対して周知技術1を適用すると、構成要件BないしDに相当する構成、すなわち上記の相違点1に係る構成が得られるところ、乙8発明に対して周知技術1を適用することは、①先行技術の単なる寄せ集め、②設計変更又は設計的事項の採用のうちの少なくとも一方に該当するから、本件特許の出願前に当業者が容易にできたことである。 イ相違点2について 相違点2のうち、相違点1に係る構成は、乙8発明に対して周知技術1を適用することにより容易に得られたものであることは、上記のとおりである。 また、周知技術1の適用に際してプッシュスイッチの数を4つにすることは、一定の課題を解決するための数値範囲の最適化若しくは好適化、又 は技術の具体的適用に伴う設計的事項の採用にすぎないから、乙8発明に対してプッシュスイッチを4つとするように周知技術1を適用し、相違点2に係る構成に想到することは、本件特許の出願前に当業者が容易にできたことである。 ウ相違点3について ビデオテープレコーダの操作部材を小型携帯装置であるリモートコントローラに搭載したり、ビデオテープレコーダ自体を小型携帯装置として構成したりすることは常套手段であったから、乙8発明においてタッチパネル式制御信号発生装置を小型携帯装置に適用することは、一定の課題を解決するための技術の具体的適用に伴う設計的事項の採用にすぎず、本件特 許の出願前に当業者が容易にできたことである。 エ相違点Aについてそもそも、「タッチ位置検出センサー」が「 るための技術の具体的適用に伴う設計的事項の採用にすぎず、本件特 許の出願前に当業者が容易にできたことである。 エ相違点Aについてそもそも、「タッチ位置検出センサー」が「接触圧力」を検知する能力を有するものに限定されることは、上記のとおりである。その場合、乙8発明のタッチ位置検出センサーが圧力を検知する能力を持たないため、構 成要件C及びDとの間に差異が生じることになる。 しかしながら、乙8発明のタッチ位置検出センサーに、圧力を検知可能なものを採用して相違点Aに係る構成を得ることは、当業者が技術常識に基づいて適宜行う設計変更又は設計的事項の採用にすぎないから、本件特許の出願前に当業者が容易にできたことである。 (原告の主張) ⑴ 信義則違反等被告が本件訴訟で本件特許の無効を主張することは、上記1のとおり、同一の事実関係について敗訴に終わった別件訴訟の蒸し返しに当たるから、信義則に反し許されない。 また、本件各発明の構成要件は、別件訴訟と同一であるから、被告が別件 訴訟の判決確定後も同一の製品の輸入、販売等を継続するのであれば、本件各発明を無効とすることのできる先行文献をあらかじめ調査する義務を負っていたといえる。それにもかかわらず、本件訴訟で被告が無効論を主張したのは、訴状の送達から約7か月も経過した後であったのであるから、これは審理を不当に遅延させることを目的として提出されたものであり、特許法1 04条の3第2項により却下されるべきものである。 ⑵ 乙8発明の内容乙8発明は、「ビデオテープレコーダ」用の制御信号用装置に関する発明であり、乙8公報には、「小型携帯装置」(構成要件F)に関するものであることは記載されていない。 乙8発明の内容乙8発明は、「ビデオテープレコーダ」用の制御信号用装置に関する発明であり、乙8公報には、「小型携帯装置」(構成要件F)に関するものであることは記載されていない。 したがって、乙8公報において、構成要件A及びFは開示されていない。 ⑶ 相違点の容易想到性ア相違点1について乙8公報のタッチパネル11は、「タッチパネルに対する回動接触操作を継続的に繰り返すことにより、テープ駆動系に供給される制御信号を、 特殊変速再生モード状態において磁気テープを所望の一方向に、所望の速度で走行させる制御を任意の時間だけ連続的に行えるものとする」(乙8・18ないし19頁)ために用いられるものである。このような役割を担うタッチパネル11において、タッチパネル11を押下することにより他の入力を行う必要性は見当たらないし、乙8公報にはそのような利用方 法に関する記載も示唆もない。むしろ、タッチパネル11を押下するとす れば、磁気テープを所望の一方向に、所望の速度で走行させる制御を任意の時間だけ連続的に行う操作を中断しなければならなくなるから、乙8発明の目的が実現できなくなる。 また、乙8公報のタッチパネル11は、「回転ダイアルを備えたポテンショメータ」を代替するものであるから、必要な操作は指等の接触点を連 続的に移動させることのみであり、コンピュータにおけるマウスクリックのような操作の必要性はない。したがって、タッチパネル11にプッシュスイッチを組み合わせる必要性も、実用性のある用途もない。 以上のとおり、乙8発明に乙11ないし16のセンサー下プッシュスイッチの技術(周知技術1)を適用することには、阻害要因があり、動機付 けもない。 イ相違点3に る用途もない。 以上のとおり、乙8発明に乙11ないし16のセンサー下プッシュスイッチの技術(周知技術1)を適用することには、阻害要因があり、動機付 けもない。 イ相違点3について乙8公報のタッチパネル11は、卓上据置型のビデオテープレコーダ用のものであり、これを小型携帯装置に適用すべきことは、乙8、11ないし16、19、20のいずれにも記載も示唆もない。 4 争点2-2(乙9公報を主引例とする進歩性欠如の有無)について(被告の主張)以下に述べるとおり、本件各発明は、乙9公報(主引例)に記載された発明(乙9発明)に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項により無効とされるべきものである。 ⑴ 乙9発明の内容ア乙9公報には、次の発明(乙9発明)が開示されている。 A 指先でなぞるように操作されるための所定の幅を有する連続した菊花状又は円周上に予め特定された軌跡上に連続して圧力センサーが配置され、前記軌跡に沿って移動する接触点を一次元座標上の位置データとし て検出すること(【0020】~【0022】、【0031】~【00 33】、【0058】~【0060】、【0064】、図11、図17及び図20)E ジョグダイヤル状スイッチ(【0020】) 【図11】 イ乙9公報には、VTR等のAV機器に適用されるジョグダイヤル状スイッチについて(【0001】)、操作パネル部1の操作面には静電容量型のタッチ式のスイッチ部30が設けられており、スイッチ部30には、菊 花状に設けられた複数のセンサー部31が設けられていること、センサー部31 0001】)、操作パネル部1の操作面には静電容量型のタッチ式のスイッチ部30が設けられており、スイッチ部30には、菊 花状に設けられた複数のセンサー部31が設けられていること、センサー部31の表面を指でなぞることにより、回転方向や回転量が検出されること、スイッチ部30においては、圧力センサー等の他の検出手段によって構成してもよいことが記載されている(【0020】~【0022】、図5及び図6)。また、乙9公報には、スイッチ部30からの検出信号に基 づいてビデオ信号を再生制御したりボリュームのアップ/ダウンを行う被制御回路部44を制御したりするための制御系の構成も記載されている(【0031】~【0033】及び図11)。さらに、乙9公報には、スイッチ部30においてセンサー部31A、31B、31C…が円周上に配設され、センサー部31A、31B、31C…を右回りになぞると、ボリ ュームがアップされ、左回りになぞるとボリュームがダウンされることも記載されている(【0058】~【0060】及び図17)。また、乙9公報には、センサー部31A、31B、31Cを横並びとした場合にも、これを横方向になぞることにより、ボリュームのアップ/ダウンや周波数 のアップ/ダウンを行うことができることが記載されている(【0064】及び図20)。 ここで、乙9公報のスイッチ部30において菊花状又は円周上に配設されたセンサー部31(図5又は図17)は、指でなぞることにより回転方向や回転量が検出されてボリュームのアップ/ダウンのような一次元的な 制御が行われるものであり、タッチ位置を一次元座標上の位置データとして検出している。このことは、横並びに配置変更された場合(図20)でも同様の制御が可能であることからも明らかである。 したがって、乙9 が行われるものであり、タッチ位置を一次元座標上の位置データとして検出している。このことは、横並びに配置変更された場合(図20)でも同様の制御が可能であることからも明らかである。 したがって、乙9公報は、一次元検出リングセンサーの技術が適用されたジョグダイヤル状スイッチを開示しており、構成要件A及びEに相当す る構成を開示しているといえる。 ⑵ 一致点上記のとおり、乙9発明は、本件各発明の構成要件A及びEを備えている。 ⑶ 相違点ア相違点1 本件発明1では一次元検出リングセンサーの技術が適用された接触操作型入力装置(構成要件A及びE)に対してセンサー下プッシュスイッチ(構成要件BないしD)が組み合わされているのに対して、乙9発明のジョグダイヤル状スイッチにはセンサー下プッシュスイッチが組み合わされていない点 イ相違点2本件発明2では一次元検出リングセンサーの技術が適用された接触操作型入力装置(構成要件A及びE)に対して4つのセンサー下プッシュスイッチ(構成要件BないしD及びG)が組み合わされているのに対して、乙9発明のジョグダイヤル状スイッチには4つのセンサー下プッシュスイッ チが組み合わされていない点 ウ相違点3本件各発明では接触操作型入力装置が小型携帯装置に適用されている(構成要件F)のに対して、乙9発明においてはジョグダイヤル状スイッチが適用されたAV機器(VTR等)(構成要件Fに相当)が小型携帯装置であるかは明らかでない点 ⑷ 相違点の容易想到性ア相違点1について周知技術1を乙9発明に対して適用すると、乙9発明のタッチ位置検出センサーがその一次元検出リングセンサーとして特定され、その結果、タッチ位 ⑷ 相違点の容易想到性ア相違点1について周知技術1を乙9発明に対して適用すると、乙9発明のタッチ位置検出センサーがその一次元検出リングセンサーとして特定され、その結果、タッチ位置検出センサーが連続して配置される領域の下に配置されるプッシ ュスイッチの接点が菊花状又は円周上(リング状)の軌跡に沿うものとなるから、乙9発明に適用された構成は、構成要件BないしDと完全に一致する。 そして、上記3のとおり、乙8発明に対して周知技術1を適用することは、①先行技術の単なる寄せ集め、②設計変更又は設計的事項の採用の うちの少なくとも一方に該当し、本件特許の出願前に当業者が容易にできたものであるところ、これは乙9発明に対して周知技術1を適用する場合も同様である。 イ相違点2について相違点2のうち、相違点1に係る構成は、乙9発明に対して周知技術1 を適用することにより容易に得られたものであることは、上記のとおりである。 また、上記3のとおり、乙8発明に対する周知技術1の適用に際してプッシュスイッチの数を4つにすることは、一定の課題を解決するための数値範囲の最適化若しくは好適化、又は技術の具体的適用に伴う設計的事項 の採用にすぎないところ、これは乙9発明に対して周知技術1を適用する 場合も同様である。したがって、乙9発明に対してプッシュスイッチを4つとするように周知技術1を適用し、相違点2に係る構成に想到することは、本件特許の出願前に当業者が容易にできたことである。 ウ相違点3について上記3のとおり、タッチパネル式制御信号発生装置がビデオテープレコ ーダに適用された乙8発明において、当該タッチパネル式制御信号発生装置を小型携帯装置に適用する ウ相違点3について上記3のとおり、タッチパネル式制御信号発生装置がビデオテープレコ ーダに適用された乙8発明において、当該タッチパネル式制御信号発生装置を小型携帯装置に適用することは、一定の課題を解決するための技術の具体的適用に伴う設計的事項の採用にすぎないところ、これは、AV機器の例としてVTR(すなわちビデオテープレコーダ)を含む乙9発明についても同様である。 したがって、乙9発明においてジョグダイヤル状スイッチを小型携帯装置に適用することは、本件特許の出願前に当業者が容易にできたことである。 (原告の主張)⑴ 乙9発明の内容 別件訴訟の第1審判決(以下「別件1審判決」という。)は、乙9公報には「軌跡に沿って移動する接触点を一次元座標上の位置データとして検出することについて、記載も示唆もなく」と判示しており、別件訴訟の控訴審判決もこれを是認している。 したがって、乙9公報に構成要件Aが開示されていないことは明らかであ る。 ⑵ 相違点の容易想到性乙9発明は、「上述したジョグダイヤル状スイッチでは、…可動部分である回転部材3を必要としていることから部品点数が増加し、また構造上、ジョグダイヤル状スイッチの厚みを薄くするには限度があり、操作パネル部1 の薄型化を図る上で妨げとなっている」(【0012】)という課題を解決 するために、「簡単な構成で操作パネル部の薄型化及び操作性の向上を図ることができるジョグダイヤル状スイッチを提供することを目的」(【0014】)としており、その解決手段として、筐体に一体化したタッチ式スイッチ部30を採用した。 これに対して、乙11ないし16に示されるプッシュスイッチをタッチ式 スイッチ部30と組み合わせれば、 としており、その解決手段として、筐体に一体化したタッチ式スイッチ部30を採用した。 これに対して、乙11ないし16に示されるプッシュスイッチをタッチ式 スイッチ部30と組み合わせれば、タッチ式スイッチ部30を「可動部分」化する必要があり、発明の目的に反することになる。また、プッシュスイッチと組み合わせれば、タッチ式スイッチ部30の下方に重畳してプッシュスイッチを配設する必要があり、厚みが増すことになるから、「薄型化を図る上で妨げと」なり、やはり発明の目的に反することになる。 したがって、乙9発明に乙11ないし16を適用すると、乙9発明の目的に反することになるから、その適用には阻害要因がある。 また、上記3のとおり、乙9発明に乙11ないし16、19、20を適用する動機付けもない。 5 争点2-3(乙10公報を主引例とする進歩性欠如の有無)について (被告の主張)以下に述べるとおり、本件各発明は、乙10公報(主引例)に記載された発明(乙10発明)に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項により無効とされるべきものである。 ⑴ 乙10発明の内容 ア乙10公報には、次の発明(乙10発明)が開示されている。 A 指先で回転するように連続押下操作されるための所定の幅を有する連続した円形に予め特定されたジョグキーエリア7の軌跡上に連続してキーK1~K6、K9~K14が配置され、前記軌跡に沿って移動する接触点を一次元座標上のキー位置として検出すること(【0008】、 【0011】、【0013】、【0014】、【0016】~【001 8】、【0028】~【0035】、図2~図4)B 接点のオン又はオフを行うキー21~24(【 こと(【0008】、 【0011】、【0013】、【0014】、【0016】~【001 8】、【0028】~【0035】、図2~図4)B 接点のオン又はオフを行うキー21~24(【0021】、【0048】、図6、図7)C 前記キーK1~K6、K9~K14が連続して配置される前記軌跡に沿って、前記キー21~24の接点が配置されていること(【002 1】、【0048】、図6、図7)D 前記キーK1~K6、K9~K14が連続して配置される前記軌跡上における押下により、前記キー21~24の接点のオン又はオフが行われること(【0021】、【0048】、図6、図7)E ジョグ機能を備えたメンブレンスイッチ(【0011】) G 前記キー21~24が4つであること(図7)F 前記ジョグ機能を備えたメンブレンスイッチが適用されたリモートコントロールスイッチ(【0011】) イ乙10公報には、ジョグ機能を備えたメンブレンスイッチがリモートコントロールスイッチに適用して使用され、プリント配線基板1と可撓性シート2とを貼り合わせて構成されることが記載されている(【0011】)。また、乙10公報には、可撓性シート2の表面にある円形のジョグキーエリア7に、同心円上に12個のキー(キーK1~K6、K 9~K14 )が配置されていること、キーK1~K6、K9~K14に対応するカーボン電極C1~C6、C9~C14が、プリント配線基板1に取り付けられていること、キーを指などで押すと対応するカ-ボン電極Ciがプリント配線基板1の固定電極と接触し、押されたキーのキー位置が検出されることなどが記載されている(【0008】、【0 013】、【0014】、【0016】~【0018】、図2 ボン電極Ciがプリント配線基板1の固定電極と接触し、押されたキーのキー位置が検出されることなどが記載されている(【0008】、【0 013】、【0014】、【0016】~【0018】、図2、図3)。 さらに、乙10公報には、マイコン3が、所定時間の間に連続的にオンにされたキーの操作方向(回転方向)及び数に基づいて出力コードを決める(例えば最初に押圧したキーK2から所定時間である90ms以内にキーK3、K4、K5まで押されるとコード“22”を出力する)こ とも記載されている(【0028】~【0035】)。 ここで、マイコン3がジョグ操作の操作方向(回転方向)を認識してコードを出力するのは、最初のキーオンを含め3つのキーが連続して押された後であるが(【0030】、【0031】)、コードの出力の開始前であれ開始後であれ、キーの押下自体は認識されている。そして、 結局はキーの押下順序に基づいて回転方向が認識されるので、乙10公報の円形のジョグキーエリア7に同心円上に配置されたキーK1~K6、K9~K14は、タッチ位置(指先の回転により移動する押下位置)を一次元座標上の位置データとして検出している。そして、乙10公報のリモートコントロールスイッチは、小型で携帯可能なものであるので、 構成要件Fに相当する。 したがって、乙10公報は、構成要件A、E及びFに相当する構成を開示しているといえる。 また、乙10公報には、連続キーオン操作(ジョグ機能)用の複数のキーのうちの4つを単独キーオン操作用のキーとして割り当てることにより、メンブレンスイッチに連続キーオン操作(ジョグ機能)と単独キ ーオン操作との複合機能を持たせることが記載されている(【0021】、【0048】)。 したがって、乙10公 ることにより、メンブレンスイッチに連続キーオン操作(ジョグ機能)と単独キ ーオン操作との複合機能を持たせることが記載されている(【0021】、【0048】)。 したがって、乙10公報は、構成要件B及びGに相当する構成を開示しているといえる。 ⑵ 一致点 上記のとおり、乙10発明は、少なくとも本件各発明の構成要件A、B、EないしGを備えている。 ⑶ 相違点ア相違点1本件発明1の構成要件Cにおいては、プッシュスイッチ手段の接点がタ ッチ位置検出センサーとは別個に配置されているのに対し、乙10発明では、キー21~24はタッチ位置検出センサー(キーK1~K6、K9~K14)の中から割り当てられたものであり、タッチ位置検出センサーと別個に配置されてはいない点イ相違点A 本件各発明の構成要件C及びDにおいては、プッシュスイッチ手段の接点のオン又はオフの状態が、タッチ位置検出センサーが検知し得る接触圧力よりも大きな力で保持されており、かつ、タッチ位置検出センサーに対する接触圧力よりも大きな接触圧力での押下により、プッシュスイッチ手段の接点のオン又はオフが行われるのに対し、乙10発明に構成要件C及 びDに対応する構成が存在するかは明らかでない点 ⑷ 相違点の容易想到性ア相違点1について 乙8、9及び19は、機械的な回転部材が不要な小型/薄型のジョグ機能用の操作手段を、タッチパネルを用いた一次元検出リングセンサーにより実現する技術(リング状タッチパネル型ジョグ操作手段の技術) を開示しており、当該技術は、周知技術(以下、当該リング状タッチパネル型ジョグ操作手段の技術を、「周知技術2」という。)であると により実現する技術(リング状タッチパネル型ジョグ操作手段の技術) を開示しており、当該技術は、周知技術(以下、当該リング状タッチパネル型ジョグ操作手段の技術を、「周知技術2」という。)であるといえる。 そして、乙10発明に対して周知技術2又は乙9発明を適用すると、連続キーオン操作(ジョグ機能)と単独キーオン操作との複合機能を持 つメンブレンスイッチにおいて、連続キーオン操作(ジョグ機能)についてはタッチパネルを用いた一次元検出リングセンサーにより実現するように構成される。その結果、単独キーオン操作用のキー21~24が連続キーオン操作(ジョグ機能)用のタッチパネル(タッチ位置検出センサー)とは別個に配置される構成、すなわち相違点1に係る構成が得 られる。したがって、乙10発明に対して周知技術2又は乙9発明を適用すると、相違点1に係る構成が得られる。 そして、乙10発明に対して周知技術2を適用することにより、連続キーオン操作(ジョグ機能)と単独キーオン操作との複合機能を持つメンブレンスイッチにおいて、連続キーオン操作(ジョグ機能)について はメンブレンスイッチに代えてタッチパネルを用いるように構成することは、一定の課題を解決するための技術の具体的適用に伴う設計変更又は設計的事項の採用にすぎないから、乙10発明に対して周知技術2を適用することは、本件特許の出願前に当業者が容易にできたことである。 また、乙9公報と乙10公報は、いずれも、従来技術に係る機械的な 回転部材を有するジョグ機能用の操作手段の具体的構成として、ロ-タ リエンコ-ダを基本原理とする構成を挙げている上、いずれも、発明が解決しようとする課題及び発明の効果として、薄型(化)を明記している。そして、乙9公報と乙1 作手段の具体的構成として、ロ-タ リエンコ-ダを基本原理とする構成を挙げている上、いずれも、発明が解決しようとする課題及び発明の効果として、薄型(化)を明記している。そして、乙9公報と乙10公報はいずれも、ジョグ機能用の操作手段の適用先として、VTR、CDプレーヤ、ビデオディスク(プレーヤ)、DATを挙げている。そうすると、乙9発明と乙10発明は、技 術分野の関連性、課題、作用及び機能の共通性の観点において、細部も含めて明示的な記載のレベルで一致しているため、乙10発明に対して乙9発明を適用することには、極めて強い動機付けがあるといえる。したがって、乙10発明に対して乙9発明を適用することは、本件特許の出願前に当業者が容易にできたことであるといえる。 イ相違点Aについてそもそも、「タッチ位置検出センサー」は、「接触圧力」を検知する能力を有するものに限定されることは、上記のとおりであるが、その場合、構成要件C及びDのうちの圧力(接触圧力)の比較に関する部分(「検知しうる接触圧力よりも大きな力」などの部分)が相違点となる。 しかしながら、上記のとおり、乙10発明に対して周知技術2又は乙9発明を適用することにより相違点1に係る構成を得ることは、当業者が容易にできたことである。そして、相違点Aに係る構成は、周知技術2又は乙9発明の適用に際して当業者が極めて自然に採用する設計的事項にすぎず、やはり当業者が容易にできたことといえる。 (原告の主張)⑴ 乙10発明の内容別件1審判決は、乙10公報に関して、「連続的にオンになった複数のキーの番号の組合せと、オンになった順序と、単位時間内にオンになったキー数とに基づきジョグ操作の移動方向と移動速度とを認識するものであって、 、乙10公報に関して、「連続的にオンになった複数のキーの番号の組合せと、オンになった順序と、単位時間内にオンになったキー数とに基づきジョグ操作の移動方向と移動速度とを認識するものであって、 指が接触を開始した点(始点)からの指の位置の移動を検知してその移動距 離を決定しているものではないから、接触点を一次元座標上の位置データとして検出しているものということはできない」と判示している。また、乙10公報には、構成要件A、C及びDが開示されていないとも判示しているところ、当該判示は控訴審でも是認されている。 したがって、乙10公報に構成要件A、C及びDが開示されていないこと は明らかである。 ⑵ 相違点の容易想到性乙10公報の実施例1のジョグキーエリア7は、K1~K12の12個のキーからなっているところ、12個で構成されているのは、テレビの12の放送局の選択に使用することを目的としているためである(段落【001 0】、【0015】、【0055】)。そうすると、乙10発明において、ジョグキーエリア7を12個の独立したキーで構成することは、その用途上、必要不可欠の構成ということになる。 これに対して、乙8、9及び19に開示されているリング状タッチパネル型ジョグ操作手段では、12個に明確に区別された選択をすることが不可能 である。したがって、乙10発明のジョグキーエリア7に乙8、9及び19のリング状タッチパネル型ジョグ操作手段を適用した場合、テレビジョンのチャンネルスイッチ(【0015】)として使用することは、実用上不可能になってしまう。したがって、両者の組合せには阻害要因がある。 また、乙10発明は、12個の離散的なキーを連続的に押すことでジョグ /シャトル操作を行えるようにす することは、実用上不可能になってしまう。したがって、両者の組合せには阻害要因がある。 また、乙10発明は、12個の離散的なキーを連続的に押すことでジョグ /シャトル操作を行えるようにする点に特徴があるところ、それを乙8、9及び19に開示されているリング状タッチパネル型ジョグ操作手段で置換すれば、乙10発明の特徴を失わせてしまうことになる。したがって、この点からも、両者の組合せには阻害要因があるといえる。 6 争点2-4(明確性要件違反の有無)について (被告の主張) 仮に、本件各発明の「タッチ位置検出センサー」は、「接触圧力」を検知可能なものに限定されるという被告の解釈が否定された場合、構成要件Cの「前記接点のオンまたはオフの状態が、前記タッチ位置検出センサーが検知しうる接触圧力よりも大きな力で保持されており」という記載において、タッチ位置検出センサーが接触圧力を検知する能力を持たない構成が許容される。そして、 タッチ位置検出センサーが接触圧力を検知する能力を持たない場合、構成要件Cの「よりも大きな」という文言により比較される2つの力のうちの一方である「接触圧力」が技術的に特定されず不明確になるし、その結果、比較自体を行うことが不可能になり、接点の状態を保持する「接触圧力よりも大きな力」も技術的に特定されず不明確になる。 また、上記の議論は、構成要件Dの「前記タッチ位置検出センサーに対する接触圧力よりも大きな接触圧力での押下」という記載についても同様に当てはまる。すなわち、構成要件Dでは、「前記タッチ位置検出センサーに対する接触圧力」と比較して、より大きな「接触圧力」で「前記プッシュスイッチ手段」を押下することが必要とされているところ、「接触圧力」を検知することので きない「前記タ ッチ位置検出センサーに対する接触圧力」と比較して、より大きな「接触圧力」で「前記プッシュスイッチ手段」を押下することが必要とされているところ、「接触圧力」を検知することので きない「前記タッチ位置検出センサー」では、そのような比較を行うことはできなくなる。 このように、本件各発明の「タッチ位置検出センサー」は、「接触圧力」を検知可能なものに限定されないとの解釈を採用した場合、構成要件C及びDのうちの圧力(接触圧力)の比較に関する部分(「検知しうる接触圧力よりも大 きな力」及び「タッチ位置検出センサーに対する接触圧力よりも大きな接触圧力での押下」)が不明確になり、本件各発明は特許法36条6項2号に規定する要件を満たさない。したがって、上記解釈が採用された場合、本件特許は、特許法36条6項2号より、無効とされるべきものである。 (原告の主張) ⑴ 別件訴訟においても、「タッチ位置検出センサー」が圧力を検知する機能 を有しない構成を含むか否かが争点となっていたから、被告には、別件訴訟において、当該無効理由を主張する十分な機会が与えられていた。それにもかかわらず、被告は、別件訴訟においては、明確性要件違反の主張を一切することなく、構成要件C及びDの意義が明確であることを前提として主張していた。したがって、明確性要件違反の主張は、別件訴訟の主張の蒸し返し であるだけでなく、別件訴訟における訴訟追行行為と矛盾している点でも信義則に反しており、そのような主張は許されないというべきである。 ⑵ その点を措くとしても、構成要件C及びDの意義は、以下のとおり明確である。 「タッチ位置検出センサー」として圧力を検知する機能を有しないタイプ のもの(例えば「静電容量センサー」)を利用した場合であっても、指等が 件C及びDの意義は、以下のとおり明確である。 「タッチ位置検出センサー」として圧力を検知する機能を有しないタイプ のもの(例えば「静電容量センサー」)を利用した場合であっても、指等がタッチ位置検出センサーに全く触れないで操作することは、実際上不可能である。つまり、静電容量センサー等を利用した場合であっても、リング状の軌跡を指先でなぞる場合、指先はリング状のセンサー面に接触し、それによりタッチ位置検出センサーにある程度の圧力が加えられることにならざるを 得ない。 この事実を踏まえて構成要件Cを読めば、「前記接点のオンまたはオフの状態が、前記タッチ位置検出センターが検知しうる接触圧力よりも大きな力で保持されており」とは、リング状の軌跡を指先でなぞる際に指先がセンサー面に接触し、タッチ位置検出センサーに多少の圧力が加わったとしても、 その程度の接触圧力ではプッシュスイッチ手段の接点のオン又はオフの状態が変化しないような大きさの力で、プッシュスイッチ手段の接点のオン又はオフの状態が保持されていることを意味していることが、明確に理解できる。 構成要件Dに関しても、「前記タッチ位置検出センサーに対する接触圧力よりも大きな接触圧力での押下により、前記プッシュスイッチ手段の接点の オンまたはオフが行われる」とは、リング状の軌跡を指先でなぞる場合にタ ッチ位置検出センサーに指が接触することにより加えられることのある圧力よりも大きな接触圧力で押下された場合に、初めてプッシュスイッチ手段の接点のオン又はオフが行われることを意味することが、明確に理解できる。 したがって、本件各発明の「タッチ位置検出センサー」は、静電容量センサーのように接触圧力を検知しないタイプのものも含んでいるが、当該解釈 を採用した場合でも、 味することが、明確に理解できる。 したがって、本件各発明の「タッチ位置検出センサー」は、静電容量センサーのように接触圧力を検知しないタイプのものも含んでいるが、当該解釈 を採用した場合でも、構成要件C及びDの意義は明確であり、特許法36条6項2号には違反していない。 7 争点3(特許法102条3項に基づく損害額)について(原告の主張)⑴ 実施料を乗じる基礎 被告は、実施料を乗じる基礎について、被告各製品の販売価格ではなく、クリックホイールの部品価格にすべきであると主張する。 しかしながら、クリックホイールは、第三者が市場において入手可能な部品としては流通しておらず、仮に、被告がクリックホイールを下請業者に製造させ購入していたとしても、iPodシリーズ専用の部品として、実質的 に被告が製造していることにほかならない。したがって、クリックホイールの部分だけを独立した製品として抽出し、その価格を実施料を乗じる基礎とすることは相当ではなく、被告各製品の販売価格を実施料を乗じる基礎とすべきである。 ⑵ 相当実施料率 以下で述べるとおり、本件特許権の相当実施料率(特許法102条3項)は、10%を下回らない。 ア本件各発明の顧客吸引力本件各発明の構成要件AないしD及びGの構成を備えた「接触操作型入力装置」(構成要件E)は、被告各製品のクリックホイールにおいて実施 されているところ、被告各製品において、画面のスクロールや楽曲の選択、 再生・停止、音量調整等の全ての操作は、クリックホイールを用いて行うようになっている上、クリックホイールは被告各製品の相当な面積を占めてデザインを特徴付けており、商品訴求力に極めて大きな影響を及ぼすものであった。 ての操作は、クリックホイールを用いて行うようになっている上、クリックホイールは被告各製品の相当な面積を占めてデザインを特徴付けており、商品訴求力に極めて大きな影響を及ぼすものであった。 そして、被告自身が、クリックホイールを、被告各製品の訴求ポイント として積極的に宣伝広告していたことなどからも、本件各発明の構成要件AないしD及びGに相当するクリックホイールが、被告各製品を含むiPodシリーズのセールスポイントとして、極めて重要な顧客吸引力を有していたことは明らかである。 イ容易な代替技術は存在しないこと 何度も新機種が登場したiPodシリーズにおいて、クリックホイールは12年2か月間も採用され続けており、本件各発明に容易な代替技術が存在しなかったことは明らかである。 ウ実施料率の業界相場本件各発明は、接触操作型入力装置又はそれを用いた小型携帯装置であ るところ、「実施料率」(甲35)によれば、「ラジオ・テレビ・その他の通信音響機器」に含まれる「電気音響機械器具」には、録音装置、再生装置、拡声装置及びそれらの付属品が含まれるところ、この分野の平成4年度ないし平成10年度の実施料率の平均値は、5.7%である。 種々雑多の発明を対象とする業界相場の平均においてさえ平均実施料率 が5.7%なのであるから、上記のように特段に優れた発明である本件各発明の相当実施料率が10%を下らないことは、明らかである。 エ別件1審判決別件1審判決は、本件各発明と同様の機能を有する「タッチホイール」を搭載したiPodが、被告各製品の販売開始より前の平成14年7月に 販売されていたこと、タッチ位置検出センサーとは別個にプッシュスイッ チ手段の接点が の機能を有する「タッチホイール」を搭載したiPodが、被告各製品の販売開始より前の平成14年7月に 販売されていたこと、タッチ位置検出センサーとは別個にプッシュスイッ チ手段の接点が設けられている点については、当該構成を開示した特許公報があることから、原出願当時広く知られた技術であったと認められるとして、本件各発明の技術内容、程度は高度なものであるとは認め難いと判示し、これを、相当実施料率を低く認定する根拠としている。また、同判決は、移動する接触点の位置等を検知し、機能の選択等を行う点は、既に タッチホイールにより行われていたことや、被告各製品の操作性にはクリックホイールの機能の割当てや本件各発明とは無関係のセンターボタンの存在の果たす役割も大きいと考えられることを理由に、本件各発明の寄与の程度が大きいとは認め難いと判示している。 別件1審判決は、要するに、本件各発明の進歩性の程度が高くないと して、それを理由に相当実施料率を低く認定しているが、ライセンス料の高低は、進歩性の程度によって決まるものではなく、第三者の製品においてその特許発明を実施する必要性の有無や、実施した場合の商業的価値の増加の有無・程度によって決まるのであるから、進歩性の程度を理由に相当実施料率を低く認定した上記判決は、特許実務と乖離したも のであり、採用できるものではない。 また、そもそも、本件各発明の進歩性の程度は決して低くはない。入力手段にタッチパネルを採用する場合のメリット(作用効果)は、機械的な構造を不要とすることにより、構造をシンプルにすることができ、それにより装置の小型化・薄型化・低コスト化が図れる点にある。その ため、従来の機械式のジョグダイヤルに代えて、タッチセンサーを採用した当業者 することにより、構造をシンプルにすることができ、それにより装置の小型化・薄型化・低コスト化が図れる点にある。その ため、従来の機械式のジョグダイヤルに代えて、タッチセンサーを採用した当業者にとって、これに機械的構造を組み合わせることには阻害要因があることになり、決して容易に想到することができない。上記の阻害要因があるにもかかわらず、本件各発明は、①タッチセンサーにプッシュスイッチ手段を組み合わせることにより、優れた操作性を提供でき ることを見いだした。さらに、本件各発明は、②タッチセンサーをリン グ状とした上で、リング状タッチセンサーの軌道上にプッシュスイッチ手段を設けることにより、小型携帯装置において指の移動距離を短くすることが可能になり、より操作性を高めることができることを見いだした。 このように、本件各発明は、従来技術に対して二重の進歩性を有して いるのであり、進歩性の程度は決して低くない。 また、別件1審判決は、タッチホイールとクリックホイールの構造と操作性の違いを全く理解できていない。すなわち、タッチホイールにおいては、タッチスイッチを操作しても、クリック感がないことから、操作性が低下していた。これに対し、クリックホイールは、スイッチを正 しく操作した場合にはクリック感が指に伝わるので、操作の有無を実感できる。別件1審判決は、このような操作性の決定的な違いを見逃しているから、本件各発明が被告各製品に対して寄与する程度も見誤っている。 さらに、別件1審判決は、センターボタンの果たす役割も大きいと指 摘するが、センターボタンはタッチホイールにおいても採用されていたところ、タッチホイールとクリックホイールとの操作性の違いに照らせば、センターボタンの役割は、些少なも 果たす役割も大きいと指 摘するが、センターボタンはタッチホイールにおいても採用されていたところ、タッチホイールとクリックホイールとの操作性の違いに照らせば、センターボタンの役割は、些少なものにすぎない。 別件1審判決は、「アップル」のブランド力が高いことなども、本件各発明の寄与度が低いことの根拠として挙げるが、ブランド力が高いの は、製品が優れていたことの結果であり、現に、被告の製品の中には、販売が振るわず、短期間のうちに販売が中止されたものも多数存在している(甲42)。 オ特許法102条4項令和元年の改正により新設された特許法102条4項においては、特許 実務の実態に合致した判断がされるべきことを明確にするため、訴訟当事 者間の具体的事情、特に特許権侵害の事実、特許権者の許諾機会の喪失、侵害者が契約上の制約なく特許権を実施したことといった事情を考慮することができることを明確にするため、特許権又は専用実施権の侵害があつたことを前提として当該特許権又は専用実施権を侵害した者との間で合意をするとしたならば、当該特許権者又は専用実施権者が得ることとなるそ の対価を考慮することができる旨が定められた。 被告は、別件訴訟提起前の交渉により、クリックホイールの採用に先立って、本件特許の原出願を含む公開公報の存在と内容を原告から知らされ、認識していた。それにもかかわらず、被告は、当該原出願に含まれていた発明の技術的思想を実施したクリックホイールを採用したiPodを製品 化し、製品の世代交代を経ても、なおクリックホイールを採用し続けた。 以上の事実によれば、特許発明が出願されていることを知らずに過失により特許侵害をすることになる場合と比較して、権利侵害の不当性が大きいといえる 代交代を経ても、なおクリックホイールを採用し続けた。 以上の事実によれば、特許発明が出願されていることを知らずに過失により特許侵害をすることになる場合と比較して、権利侵害の不当性が大きいといえる。また、被告の対応は、ライセンスを積極的に申し出ていた特許権者である原告の信頼を著しく損なう行為である。 このような場合、信頼を破壊された特許権者としては、誠実にライセンス交渉に応じるライセンシーと比較して、実施料率を相対的に高く設定するものといえる。 また、原告は、本件特許の原出願が特許庁において審査係属中の時点から被告とライセンス交渉を開始していたことから、他社からのライセンス の申入れを断っていた。それにもかかわらず、結局、被告が特許の許諾を受けることなくクリックホイール搭載のiPodシリーズの販売を継続したため、原告は別件訴訟を提起せざるを得なくなった。そして、他社からは、別件訴訟の結論が出るまで、ライセンス交渉を見合わせたい旨の意向が示され、原告は、他社に対しても、本件特許をライセンスする機会を失 ってしまった。 以上のような事情がある侵害者に対して、誠実に任意のライセンス交渉によりライセンスを供与する相手方と同様の水準で実施料率を定めることがあり得ないことは、自明である。 したがって、本件各発明の相当実施料率は、特許法102条4項に基づき、一般的な料率より高率の認定がされるべきである。 カ別件訴訟提起後の事情被告は、平成25年9月26日に別件訴訟の第1審で敗訴判決を受けた後も、侵害行為を継続したばかりか、平成26年4月24日に別件訴訟の控訴審において敗訴判決を受けた後も、侵害行為を継続した。このような行為は、特許権者の権利をないがしろにするものであって極めて悪質であ 害行為を継続したばかりか、平成26年4月24日に別件訴訟の控訴審において敗訴判決を受けた後も、侵害行為を継続した。このような行為は、特許権者の権利をないがしろにするものであって極めて悪質であ る。 したがって、別件訴訟提起後の事情も、特許法102条4項において考慮されるべき事実に当たり、本件各発明の相当実施料率は、一般的な料率より高率の認定がされるべきである。 ⑶ 消費税 消費税は、国内において事業者が行った資産の譲渡等に課されるものであるところ(消費税法4条1項)、「例えば、次に掲げる損害賠償金のように、その実質が資産の譲渡等の対価に該当すると認められるものは資産の譲渡等の対価に該当することに留意する。…⑵無体財産権の侵害を受けた場合に加害者から当該無体財産権の権利者が収受する損害賠償金」(消費税法基本通 達5-2-5)とされていることから、特許権を侵害された者が特許権侵害の不法行為に基づく損害賠償金を侵害者から受領した場合、その損害賠償金も消費税の課税対象となる。そうすると、原告が特許権侵害による損害のてん補を受けるためには、課税されるであろう消費税額相当分についても損害として受領する必要があるというべきである(知財高判平成29年2月22 日平成28(ネ)10082号)。したがって、消費税相当額も損害に含ま れる。 ⑷ 弁護士費用本件の訴訟追行に要した弁護士費用のうち、少なくとも、損害の合計の10%に相当する額は、被告の侵害行為と相当因果関係のある損害に当たる。 ⑸ 損害額のまとめ 原告に生じた会計年度ごとの損害の額は、別紙原告損害額計算表の「損失額」の「合計」欄記載のとおりである。 そして、不当利得返還請求との関係では、当該損害が、被告が法律上 害額のまとめ 原告に生じた会計年度ごとの損害の額は、別紙原告損害額計算表の「損失額」の「合計」欄記載のとおりである。 そして、不当利得返還請求との関係では、当該損害が、被告が法律上の原因なく受けた「利益」、かつ、原告に生じた「損失」に当たり、被告が原告に返還すべき不当利得となる。 また、被告は、遅くとも別件訴訟の反訴が提起された平成19年3月13日以降は特許侵害について悪意であったから、被告は「悪意の受益者」(民法704条)に当たる。したがって、被告は、別紙原告損害額計算表の「損失額」の「合計」の列の額(不当利得)に、それぞれに対して対応する「会計年度」の「初日」の日から年5分の利息(遅延損害金)を付して、原告に 返還する義務を負う。 (被告の主張)⑴ 実施料を乗じる基礎ア本件各発明は、被告各製品の全体に関するものではなく、被告各製品を構成する部品の一つであるクリックホイールに関するものにすぎない。こ のように、発明が最終製品の全体ではなくその一部分のみで実施され、最終製品の売上げに部分的にしか貢献していないといえる場合、実施料相当額は、対象特許が最終製品のどの部分において実施されているのかを、販売金額を捕捉できる最小単位(多くの場合、部品である。)で認定した上で、対象特許が当該最小単位の部分に対してどの程度寄与しているのかを 考慮することにより、算出されるべきである。これについては、特許庁の ガイドライン(乙26)においても、同趣旨の説明がされている。 iPodシリーズの各製品は、基本的に同じクリックホイールを搭載していたが、クリックホイールとは無関係の要因(例えば、ハードディスクの容量)により、異なる値段で販売されていた。しかしながら、クリックホイー シリーズの各製品は、基本的に同じクリックホイールを搭載していたが、クリックホイールとは無関係の要因(例えば、ハードディスクの容量)により、異なる値段で販売されていた。しかしながら、クリックホイール自体の価値は、iPodの価格の高低にかかわらず一定であるか ら、たまたまクリックホイールが高価格のiPodに搭載された場合に、高い実施料を得られると解すべき理由はない。 イ被告は、クリックホイールを第三者から購入していたところ、その購入価格はクリックホイールの公正な市場価格といえるから、被告各製品の1台当たりの実施料相当額を算定するに当たっては、当該価格を基礎とすべ きである。 そして、平成18年10月から平成23年9月までのクリックホイールの購入価格は、1個当たり●(省略)●円であったところ、クリックホイール搭載機種は平成22年9月に販売が終了されたのであるから、本件の損害発生期間におけるクリックホイールの購入価格は、1個当たり●(省 略)●円を上回ることはない。 ⑵ 相当実施料率被告が別件訴訟において、本件各発明の合理的な実施料率の算定を依頼したところ、本件各発明の相当実施料率を決定するに当たり比較対象となるライセンス契約15件において、実施料率は最小で1.5%、最大で4%、中 央値は2.65%であった(乙27)。上記のとおり、その後、クリックホイール自体が、時代遅れのものとなっていったのであるから、本件各発明の相当実施料率は、2.65%を超えることはない。 ⑶ 寄与率実施料相当額を算定するに当たって、仮に被告各製品の売上高を基礎とす るのであれば、被告各製品の売上高に実施料率を乗じ、これに本件各発明の 製品全体に対する寄与率を乗じて算定すべきである。 ア本件各発 るに当たって、仮に被告各製品の売上高を基礎とす るのであれば、被告各製品の売上高に実施料率を乗じ、これに本件各発明の 製品全体に対する寄与率を乗じて算定すべきである。 ア本件各発明の寄与率を決定するに当たっては、本件各発明を実施するクリックホイールの価格が被告各製品の販売価格に占める割合を目安とすべきであるところ、上記のとおり、クリックホイールの平均価格は●(省略)●円であり、被告各製品の平均販売価格を計算鑑定書を基に算出すると、 クリックホイールの価格が被告各製品の販売価格に占める割合は、●(省略)●%にも満たないことが分かる。 イまた、iPodの商業的成功は、被告が属するAppleグループのブランドがなければ達成できないものであった。さらに、iPodシリーズが発売開始された平成13年当時、他社の音楽プレーヤは、SDカード等 の媒体を本体にセットして再生する方式を採っていたのに対し、大容量のハードディスクと長時間持続するバッテリーを備えたiPodの登場は、市場に衝撃を与えた。 ウ加えて、本件各発明に係る入力装置と被告各製品のクリックホイールとは、構造、外観、機能及び動作のいずれの点においても、大幅に異なって おり、本件各発明は、被告各製品はもとより、クリックホイールに対してすら、技術的な寄与があったとは認められない。 すなわち、本件各発明に係る入力装置の外観及び構造は、下図のとおりであり、被告各製品の外観及び構造とは異なる。 【図21】(本件各発明に係る入力装置) (被告製品1) (被告製品2) (被告各製品のクリックホイール) (被告製品1) (被告製品2) (被告各製品のクリックホイール) (被告各製品のクリックホイールの内部構造) また、被告各製品のクリックホイールでは、本件各発明の構成にはない、ドームスイッチと呼ばれる一種のプッシュスイッチも使用しており、本件 各発明のような分厚いキーでは得られない「クリック」の感触をユーザーに伝えることができる。さらに、被告各製品のクリックホイールは、静電容量式タッチセンサーを使用しているところ、本件各発明においては、タッチ位置検出センサーが接触圧力を検知し得るものである必要があるため(構成要件C)、圧力感知式センサーが採用されている。 さらに、本件各発明においては、指をリングに沿って動かし、ユーザーが求める値に達したらキーを押し下げて値の選択と入力を行うものであることが示されているが(【0034】、図21)、被告各製品のクリックホイールでは、このようなアナログ量の選択と入力を行うことは不可能である。また、上記クリックホイールにおいては、タッチセンサーの動作と プッシュスイッチの動作がそれぞれ独立しているのに対し、本件各発明においては、指を離すことなく選択入力を行うものであるから、上記クリックホイールは、両者の動作が独立していない本件各発明とは全く異なる。 エ加えて、クリックホイールは、消費者のiPod購入動機の形成に寄与していない。現に、2009年9月に販売されたクリックホイール搭載機 種と、タッチスクリーン搭載機種では、前者の方が5倍の記憶容量を有し、20%も安価であったのに、消費者のほとんどが後者を選択した。このことから、消費者は、 に販売されたクリックホイール搭載機 種と、タッチスクリーン搭載機種では、前者の方が5倍の記憶容量を有し、20%も安価であったのに、消費者のほとんどが後者を選択した。このことから、消費者は、大容量のハードディスクや長時間持続するバッテリー等を重視していたのであって、クリックホイールは購入動機となっていなかったことが分かる。 オさらに、以下で述べるとおり、本件各発明については、容易に代替し得る従来技術が多数存在し、本件各発明の技術的価値は極めて低いものである。 例えば、本件各発明は、「一次元座標上の位置データ」として指の位置を検出するためのタッチセンサーを有するものとされている(構成要件A) が、被告各製品においては、タッチセンサーに指の位置を二次元座標上の データとして検出できるようにすることも容易に可能である。 また、従来技術としては、スクロールホイールや、iPodShuffleに採用された操作ボタン、iPodTouchに採用されたタッチスクリーン等が存在していた。 カ以上のとおり、本件各発明の被告各製品に対する寄与率を決定するに当 たっては、クリックホイールの平均価格●(省略)●円を被告各製品の平均価格で除すことで算出される数値が目安となるものの、上記の事情を考慮すれば、実際の寄与率は、それよりも遥かに小さい値になると解すべきである。そして、上記のとおり、目安となる数値(クリックホイールの価格が被告各製品の販売価格に占める割合)は、●(省略)●%にも満たな いのであるから、実施料相当額は、どれだけ高いとしても、被告各製品の合計売上高に、実施料率2.65%を乗じ、それに更に●(省略)●%を乗じることによって算定される数字を上回ることはないというべきである。 ⑷ 、実施料相当額は、どれだけ高いとしても、被告各製品の合計売上高に、実施料率2.65%を乗じ、それに更に●(省略)●%を乗じることによって算定される数字を上回ることはないというべきである。 ⑷ 消費税課税期間に係る基準期間又は特定期間における課税売上高が1000万円 以下である事業者については消費税の納付義務が免除されるところ、原告の決算報告書によれば、原告の令和3年度の課税売上高が1000万円を超えていたとは考えられず、令和4年4月1日から同年9月30日までの課税売上高が1000万円を超えていたとも考えられないから、原告が本件特許権の実施料相当額の支払を被告から受けるとしても、当該金員に係る消費税の 納付義務を負わないと思料される。したがって、被告は、消費税相当額を原告に支払う必要はない。 仮に、消費税が課税されるとしても、「資産の譲渡等」(消費税法基本通達5-2-5)に相当する行為は、特許権侵害行為と解すべきである。したがって、被告各製品の販売行為時の消費税率、すなわち平成26年3月31 日までは5%、同年4月1日以降は8%の消費税率を適用すべきである。 第4 当裁判所の判断 1 本件各発明の内容本件明細書等(甲1)には、次のとおりの記載があることが認められる。 ⑴ 技術分野「本発明は、主として各種電子機器のリモートコントローラや携帯用小型 電子機器に使用され、主に指等の接触を検知して指先の移動による変移情報を入力する接触操作型入力装置と、接触操作スイッチおよび接触検知と共にプッシュ操作により駆動する接触操作型電子部品に関するものである。」(【0001】)⑵ 背景技術 「従来、1次元上の連続した接点の切換機として可動つまみを有するスライドスイッチがある。さら シュ操作により駆動する接触操作型電子部品に関するものである。」(【0001】)⑵ 背景技術 「従来、1次元上の連続した接点の切換機として可動つまみを有するスライドスイッチがある。さらに、2次元上の円周上に等間隔に配置された接点を切り替える回転式スライドスイッチがある。これらは可動つまみがあって手や指自身による接触点または変移値の検知部品ではない。また、接触を検知して接点をオン・オフする接触センサーがある。ただし、これを所定軌跡 上に連続に配置し、接触部に指を滑らせるために切れ目のない部品で覆ったものや一体化したシートで覆ったものはなかった。また、指先でのオペレーションを専門に考慮したアルゴリズムとロジックをもったものもなかった。 これら以外に可動つまみを持たずに指先またはペン先等による接触によって2次元上の平面、X軸およびY軸上の位置、変移値および押圧を検知するた めに考え出されたものにタッチパネルがある。しかし、予め決められた1次元または2次元もしくは3次元上の軌跡上の位置、変移値および押圧を検知するような軌道に沿った指先による接触点の位置を検出すると共にその変位、移動量を算出する電子部品または該変位、移動量を算出するための出力を有する一体化された電子部品等は存在しない。さらに、この種の電子部品を使 用する機器においては、従来では接触操作するタッチパネル等の電子部品と プッシュ操作するスイッチ等を夫々別個の部品として配し、夫々2つの部品によって重層して操作していた。」(【0002】)⑶ 発明が解決しようとする課題「例えば直線上の線分、曲線、円弧、球面とラグビーボール状の球面の交わった軌跡、さらには鳥の足状に交差する線分等の所定の軌跡上を倣って移 動、変移する接触点である例えば指先やペン うとする課題「例えば直線上の線分、曲線、円弧、球面とラグビーボール状の球面の交わった軌跡、さらには鳥の足状に交差する線分等の所定の軌跡上を倣って移 動、変移する接触点である例えば指先やペン先等の位置、変移値および押圧力を検知するための発明はされていなかった。」(【0007】)「近年、これらのX-Y軸上での位置検出に非常に多くの接触型検知手段およびセンサー形状が提案されているが、いずれもこの2軸上の位置検出に目を奪われているために特定の軌道上での接触検知に対する発明がなされて いないのが実状である。…現在、非常に多機能な入力項目のある携帯電子機器等の入力項目の選択、確定についてはプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品である例えば特開平8-203387号公報等があるが、可動部があり奥行きも必要であった。このプッシュスイッチ押下以外のアナログ的な入力を可動部無しに実現したい要望があった。」(【0008】) 「ところが、従来のように接触操作するタッチパネル等の電子部品とプッシュ操作するスイッチ等を各々別個の部品として配していたのでは機器の小型化に対して不利であり、尚且つ2つの部品を夫々操作するのでは使い勝手もはなはだ不便である。」(【0010】)「そこで本発明は、叙上のような従来存した問題点に鑑み創出されたもの で、1次元上または2次元上もしくは3次元上の所定の軌跡上を倣って移動、変移する接触点の位置、変移値、および押圧力を検知することの可能な接触操作型入力装置を提供することを目的とするものである。さらに、上記した従来の欠点を解決すべく、操作性良く薄型でしかも少ない部品点数で電子機器を構成することができるように1つの部品で複数の操作ができるプッシュ スイッチ付きの接触操作型電子部品を提供することを目的 従来の欠点を解決すべく、操作性良く薄型でしかも少ない部品点数で電子機器を構成することができるように1つの部品で複数の操作ができるプッシュ スイッチ付きの接触操作型電子部品を提供することを目的とするものであ る。」(【0011】)⑷ 課題を解決するための手段「このため、本発明にあっては、直線または平面曲線もしくは空間曲線状の所定の軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーを配したタッチ位置検知手段と、該タッチ位置検出センサーの用いられる軌跡上で指が移動する方向 以外の物理的な移動または押下により接点のオンまたはオフを行なうスイッチ手段とを有し、前記タッチ位置検知手段による軌跡上のタッチ位置の状態と、前記スイッチ手段による接点の状態とを一体化させて検知することにより、上述した課題を解決した。」(【0012】)⑸ 発明の効果 「本発明は以上のように構成されており、特に指先からの軌跡上のアナログ的な変移情報または接点の移動情報が電子機器へ確実に入力することができ、1次元上または2次元上もしくは3次元上の所定の軌跡上を倣って移動、変移する接触点の位置、変移値、および押圧力を検知することができる。そして、操作性良く薄型でしかも少ない部品点数で電子機器を構成することが できるように1つの部品で複数の操作ができるプッシュスイッチ付きの接触操作型電子部品を提供することができる。」(【0014】)⑹ 発明の実施の形態「本発明の実施の形態を説明するに、例えば直線または平面曲線もしくは空間曲線状の所定の軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーを配したタッ チ位置検知手段と、該タッチ位置検出センサーの用いられる軌跡上で指が移動する方向以外の物理的な移動または押下により接点のオンまたはオフを行なう例えばモメンタリ チ位置検出センサーを配したタッ チ位置検知手段と、該タッチ位置検出センサーの用いられる軌跡上で指が移動する方向以外の物理的な移動または押下により接点のオンまたはオフを行なう例えばモメンタリイ式、オルタネイト式もしくはロック式等のスイッチ手段とを有し、前記タッチ位置検知手段による軌跡上のタッチ位置の状態と、前記スイッチ手段による接点の状態とを一体化して検知するか、または前記 タッチ位置検知手段による軌跡上の接触点からの位置情報と、前記スイッチ 手段による接点のオンオフ情報とを一体化して検知する構成とした接触検知方式に基づく接触操作入力装置である。」(【0016】)「タッチ位置検知手段として静電誘導式検知手段(静電容量タイプ)を使用した構成」(【0017】)「タッチ位置検知手段として可動電極式検知手段(可動電極スイッチタイ プ)を使用した構成」(【0018】)「タッチ位置検知手段として光学式検知手段(赤外線検出タイプ)を使用した構成」(【0019】)「タッチ位置検知手段として抵抗膜式検知手段(抵抗膜電極タイプ)を使用した構成」(【0020】) 「タッチ位置検知手段として直流抵抗検知方式を使用した構成」(【0021】)「その他、前記抵抗膜の代わりに磁気を帯びた膜を使用した電磁誘導方式や、前記赤外線LEDの代わりに超音波発振源を使用した超音波検知方式等が考えられる。」(【0022】) 「また、単純に接点のオンオフを行なっている入力キーに少ない接触圧力により更にもう1つの入力を行なわせたい場合や、単純に接点のオンオフを行なっている入力装置に、アナログ量の入力も行なわせたい場合には、例えば図20乃至図21に示すように、…キートップ80の上面周縁には指先でなぞるようにして操作されるための例 、単純に接点のオンオフを行なっている入力装置に、アナログ量の入力も行なわせたい場合には、例えば図20乃至図21に示すように、…キートップ80の上面周縁には指先でなぞるようにして操作されるための例えばリング状の接触検知部83を付設 し、キートップ80をプッシュしたときにセンサーの接点84が接合したり(図20(a)乃至(b)参照)、もしくは逆に離れるようにするものであっても良い。」(【0034】) 2 争点1-1(「タッチ位置検出センサー」〔構成要件A、C、D〕の充足性)について⑴ 「タッチ位置検出センサー」の意義 被告は、「タッチ位置検出センサー」は「接触圧力」を検知する能力を有するものに限定されるから、加えられた圧力を検知しない静電容量センサーは、これに含まれない旨主張する。 そこで検討するに、構成要件Cは「前記接点のオンまたはオフの状態が、 前記タッチ位置検出センターが検知しうる接触圧力よりも大きな力で保持されており」と規定し、構成要件Dは、「前記タッチ位置検出センサーが検知しうる接触圧力よりも大きな接触圧力での押下により、前記プッシュスイッチ手段の接点のオンまたはオフが行われる」と規定している。 そして、構成要件Aは「指先でなぞるように操作されるための所定の幅を 有する連続したリング状に予め特定された軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーが配置され、前記軌道に沿って移動する接触点を一次元座標上の位置データとして検出するタッチ位置検知手段」と規定しており、タッチ位置検出センサーは、位置データを検出すると規定するものの、接触圧力を検出する能力を有するものと規定するものではない。 そうすると、構成要件C、Dは、プッシュスイッチ手段の接点のオン又はオ 置検出センサーは、位置データを検出すると規定するものの、接触圧力を検出する能力を有するものと規定するものではない。 そうすると、構成要件C、Dは、プッシュスイッチ手段の接点のオン又はオフが、タッチ位置検出センサーが位置データを検出する際の圧力よりも大きな接触圧力でその状態を保持又は押下される旨規定するにとどまり、タッチ位置検出センサーが接触圧力そのものを検知する能力を有することが必要であることまで規定するものとはいえない。 そして、本件明細書等によれば、タッチ位置検出センサーとして、「静電誘導式検知手段(静電容量タイプ)」(【0017】)、「可動電極式検知手段(可動電極スイッチタイプ)」(【0018 】)、「光学式検知手段(赤外線検出タイプ)」(【0019】)、「抵抗膜式検知手段(抵抗膜電極タイプ)」(【0020】)、「直流抵抗検知方式を使用した構成」 (【0021】)等が明示されているところ、上記各検出手段は、いずれもタッチ位置を検出するものであるが、必ずしも接触圧力を検知する能力を有するものに限定されるものではないことが認められる。そうすると、「タッチ位置検出センサー」は、加えられた圧力を検知しない「静電誘導式検知手段(静電容量タイプ)」を含むものであるといえる。 したがって、加えられた圧力を検知しない静電容量センサーも「タッチ位 置検出センサー」に含まれるものと解するのが相当であり、被告の主張は、上記構成要件C及びDを正解しないものとして、採用することができない。 ⑵ 被告各製品の充足性弁論の全趣旨によれば、被告各製品のクリックホイールには静電容量センサーが用いられていることが認められる。そうすると、上記⑴において説示 したところを踏まえると、被告各製品は、構成要件A、C及びD 論の全趣旨によれば、被告各製品のクリックホイールには静電容量センサーが用いられていることが認められる。そうすると、上記⑴において説示 したところを踏まえると、被告各製品は、構成要件A、C及びDの「タッチ位置検出センサー」を充足するものといえる。 3 争点1-2(「予め特定された軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーが配置され」〔構成要件A〕の充足性)について被告は、被告製品2のクリックホイールの形状やタッチセンサーの配置が明 らかではないから、少なくとも被告製品2については「指先でなぞるように操作されるための所定の幅を有する連続したリング状に予め特定された軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーが配置され」(構成要件A)との要件を充足するかどうか不明である旨主張する。 そこで検討するに、本件明細書等において、「指先からの軌跡上のアナログ 的な変移情報または接点の移動情報が…1次元上または2次元上もしくは3次元上の所定の軌跡上を倣って移動、変移する接触点の位置、変移値、および押圧力を検知することができる。」(【0014】)と記載されていることからすると、「指先でなぞるように操作されるための所定の幅を有する連続したリング状に予め特定された軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーが配置され」 (構成要件A)とは、指の位置変化を連続的な変化として検出できるように、タッチ位置検出センサーが配置されているという機能的な構成を意味するものと解するのが相当である。 そして、証拠(甲7ないし11)及び弁論の全趣旨によれば、被告各製品のクリックホイールは、指の位置変化を連続的な変化として検出するものと認め られることからすると、上記にいう機能的な構成を有するものとして、「指先 でなぞるように操作され ば、被告各製品のクリックホイールは、指の位置変化を連続的な変化として検出するものと認め られることからすると、上記にいう機能的な構成を有するものとして、「指先 でなぞるように操作されるための所定の幅を有する連続したリング状に予め特定された軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーが配置され」(構成要件A)との要件を充足するものといえる。 したがって、被告の主張は、採用することができない。 4 争点2-1(乙8公報を主引例とする進歩性欠如の有無)について ⑴ 乙8公報には、以下の記載等が存在する。 ア考案の概要「タッチパネルの接触操作検出部を円環状に配列された複数の接触操作検出区分が設けられたものとみなし、これら複数の接触操作検出区分の夫々から得られる出力を順次取り出して、取り出された出力に基づき、複 数の接触操作検出区分の配列部に対する回動接触操作の移動方向及び移動速度に応じた移動検出出力を得、それに基づく制御信号を形成することにより、タッチパネルの円環状に配列された複数の接触操作検出区分に対する回動接触操作を連続的に行って、所望の制御信号を継続的に発生させることができるようにしたものである。」 イ考案が解決しようとする問題点「上述の如くに、ビデオテ一プレコ一ダの特殊変速再生モ一ド時にテープ駆動系に対する制御信号を発生すべく操作される制御手段として回転ダイアルを備えたポテンショメータ等が用いられる場合、その回転ダイアルを回動させる操作は、ビデオテ一プレコ一ダの動作制御に要求される他の 操作と相俟って、比較的煩わしいものとなる。 そこで、斯かる特殊変速再生モ一ド時にテープ駆動系に対する制御信号を発生すべく操作される制御手段に適用される場合に、その操作を容易なものとする 操作と相俟って、比較的煩わしいものとなる。 そこで、斯かる特殊変速再生モ一ド時にテープ駆動系に対する制御信号を発生すべく操作される制御手段に適用される場合に、その操作を容易なものとすることができるものとして、タッチパネルを利用した制御信号供給装置が、本出願人により、特願昭59一211031号として既に提案 されている。このタッチパネルを利用した制御信号供給装置は、複数の分 割された検出領域が直線的に配列されたタッチパネルを備え、(中略)しかしながら、斯かる場合、特殊変速再生モード状態での磁気テープに対する一定の方向における走行制御を連続的に行おうとするに際しては、…タッチパネルの一端から他端への1回の接触操作が終了して次の接触操作が開始される迄の間に、タッチパネルの他端から一端への操作戻り時間 がとられるので、制御信号を継続的に発生させることができず、そのため、磁気テ一プに対する連続的な走行制御は行えないことになるという問題がある。」ウ問題点を解決するための手段「上述の目的を達成すべく、本考案に斯かるタッチパネル式制御信号発 生装置は、接触操作面を有すとともにこれに関連して円環状に配列された複数の接触操作検出区分が設けられ」エ作用「上述の如くの本考案に斯かるタッチパネル式制御信号発生装置においては、タッチパネルの接触操作面上において複数の接触操作検出区分の配 列部に対応しての回動接触操作がなされるとき、接触操作検出区分の夫々から順次得られる出力が走査部により取り出され、回転接触操作検出手段において、取り出された出力に基づき、タッチパネルの接触操作面上における回転接触操作の移動方向及び移動速度が検出されてそれらに応じた移動検出出力が得られる。そして、制御信号形成部 転接触操作検出手段において、取り出された出力に基づき、タッチパネルの接触操作面上における回転接触操作の移動方向及び移動速度が検出されてそれらに応じた移動検出出力が得られる。そして、制御信号形成部により、斯かる移動検出 出力手段に基づく制御信号が形成される。 このため、タッチパネルの接触操作面上において複数の接触操作検出区分の配列部に対応しての回動接触操作を継続的に行うことにより、タッチパネルに対する回動接触操作における一定の移動方向に応じ、かつ、その移動速度に対応した所望の制御信号を任意の時間だけ継続的に発生させる ことができる。」 オ実施例 「…各検出電極15とそれに隣接する1個のアース電極17との組によ って、接触操作検出区分が形成されている。従って、円盤状の絶縁基板13の一面上には、複数の接触操作検出区分が円環状に配列されていることになり、これら複数の接触操作検出区分に対して接触操作面21が、例えば、指Fにより、複数の接触操作区分の円環状の配列に沿って矢印aもしくはbの方向に回転接触操作されるべく設けられているのである。 …接触操作面21上の指Fの接触部に対応する位置における各接触操作検出区分を形成する検出電極15には、各パルスPに応じて、上述の抵抗の値及び検出電極15とそれに隣接するア一ス電極17との間の増大され た静電容量の値に応じた充放電動作により、第3図Bにおいて実線で示される如くの、接触操作面21上の指Fの接触部に対応しない位置における各接触操作検出区分を形成する検出電極15に得られる電圧VPより低い電圧VQが得られる。…位置デ一タ発生部35は、各1走査分の出力VSについて、例えば、上 述の電圧VPと電圧VQとの差に基づいて生じる変化を検出し、 する検出電極15に得られる電圧VPより低い電圧VQが得られる。…位置デ一タ発生部35は、各1走査分の出力VSについて、例えば、上 述の電圧VPと電圧VQとの差に基づいて生じる変化を検出し、タッチパネル11の接触操作面21に対する回動接触操作が行われる場合における、接触操作位置を表す位置デ一タDpを発生する。」⑵ 乙8発明の内容ア上記⑴の記載によれば、乙8発明の内容は、以下のとおりのものと認め られる。 8A 指先で回動接触操作されるための所定の幅を有する連続した円環状に予め特定された軌跡上に連続して接触操作検出区分が配置され、前記軌跡に沿って移動する接触点を一次元座標上の位置データDpとして検出すること 8E タッチパネル式制御信号発生装置イ原告は、乙8公報には、「前記軌跡に沿って移動する接触点を一次元座標上の位置データとして検出する」構成(構成要件A)が開示されていない旨主張する。 しかしながら、上記⑴のとおり、乙8公報には、「タッチパネルの接触 操作検出部を円環状に配列された複数の接触操作検出区分が設けられたものとみなし、これら複数の接触操作検出区分のそれぞれから得られる出力を順次取り出して、取り出された出力に基づき、…回動接触操作の移動方向及び移動速度に応じた移動検出出力を得」、「タッチパネル11の接触操作面21に対する回動接触操作が行われる場合における、接触操作位置 を表す位置デ一タDpを発生する。」と記載されていることからすると、 乙8発明のタッチパネルは、円環状に配列された接触操作検出区分の夫々から得られる出力を取り出し、接触操作位置を表す位置データDpを発生するものであるから、上記位置データDpは、円環に沿った一次元座標 乙8発明のタッチパネルは、円環状に配列された接触操作検出区分の夫々から得られる出力を取り出し、接触操作位置を表す位置データDpを発生するものであるから、上記位置データDpは、円環に沿った一次元座標上の位置を表すものと認められる。 そうすると、乙8公報には、「前記軌跡に沿って移動する接触点を一次 元座標上の位置データとして検出する」ことが開示されていると認めるのが相当である。 したがって、原告の主張は、採用することができない。 ⑶ 対比本件各発明と乙8発明を対比すると、本件各発明と乙8発明には、以下の 相違点が存在し、その余は一致するものと認められる。 ア相違点8-1本件発明1では一次元検出リングセンサーの技術が適用された接触操作型入力装置(構成要件A及びE)に対してセンサー下プッシュスイッチ(構成要件BないしD)が組み合わされているのに対して、乙8発明のタ ッチパネル式制御信号発生装置にはセンサー下プッシュスイッチが組み合わされていない点イ相違点8-2本件発明2では一次元検出リングセンサーの技術が適用された接触操作型入力装置(構成要件A及びE)に対して4つのセンサー下プッシュスイ ッチ(構成要件BないしD及びG)が組み合わされているのに対して、乙8発明のタッチパネル式制御信号発生装置には4つのセンサー下プッシュスイッチが組み合わされていない点ウ相違点8-3本件各発明では接触操作型入力装置が小型携帯装置に適用されている (構成要件F)のに対して、乙8発明においてはタッチパネル式制御信号 発生装置が適用されたビデオテープレコーダ(構成要件Fに相当)が小型携帯装置であるかは明らかでない点⑷ 相違点の容易想到性ア周 対して、乙8発明においてはタッチパネル式制御信号 発生装置が適用されたビデオテープレコーダ(構成要件Fに相当)が小型携帯装置であるかは明らかでない点⑷ 相違点の容易想到性ア周知技術1(センサー下プッシュスイッチの技術) 公開特許公報(乙11。特開平9-251347。以下「乙11公報」 という。)には、以下の記載等が存在する。 a 発明の実施の形態「座標入力装置に座標入力機能を有するタッチパネルとして動作する上面パネル手段と、前記上面パネル手段を押し下げることによって接点をオンオフするスイッチ手段とを設けたので、同一の操作部分を 用いて、座標入力はタッチパネルで行い、クリックはボタンを押す動作で行い、明確に座標入力とクリック操作とを区別し、操作感のあるクリック機能を実現することができる。」(【0013】)「入力装置11上面のタッチパネル部分12上を、軌跡18のように触れることによって、図3に示すように、携帯端末のディスプレイ 上でマウスポインタ32は、この符号32の位置から符号33の位置に移動する。これによって座標指定が可能になる。」(【0021】)「ここでタッチパネル部分12をそのまま下方に強く押すと、突出部15が下方に押し下げられ、ボタンセンサ16が押される。その結果、図1(b)に示す状態が、図1(c)に示す状態となる。押して いる力を抜けば、ばね17の力で入力装置11のボタン部分が図1(b)の状態に復帰する。このような押し下げ動作でボタンセンサ16に信号が入力できるので、クリック動作を実現することができる。」(【0022】)「以上のようにクリックボタンとしての入力動作と、クリックボタ ンの上面に設けられたタッチパ ボタンセンサ16に信号が入力できるので、クリック動作を実現することができる。」(【0022】)「以上のようにクリックボタンとしての入力動作と、クリックボタ ンの上面に設けられたタッチパネル部分12からの座標入力動作とに 完全に分けることができ、なおかつ、この2つの入力動作を同一の入力装置で行うことができ、操作感のあるクリック機能と、誤りが少なく操作性に優れた座標入力とを実現することができる。」(【0023】) 【図1】 【図3】 公開特許公報(乙12。特開昭61-117619。以下「乙12公報」という。)には、以下の記載等が存在する。 a 問題点を解決するための手段 「一段目の軽い押圧により入力面内の位置の量子化出力のみ出力する座標検出部と、二段目のさらに強い押圧力によってのみ選択の有無を判定するための第二の信号をとりだしうるスイッチ部とを一体構成にしたものである。」b 実施例 「押圧材1による軽い押圧に対しては抵抗膜5と抵抗膜8の押圧点のみが異方性導電シート6を介して導通する。そしてさらに強い押圧に対しては薄板10全体に力が加わり、薄板10の四隅の下部に設けられたスイッチ11のいずれかがONする。」 公開特許公報(乙13。特開平5-189110。以下「乙13公報」という。)には、以下の記載等が存在する。 a 作用「オペレータがタッチパネルの接触領域を所定範囲内の圧力で押す と、第1の入力機構部がこれを検知するとともに、入力された接触領域に対応する表示装置の表示領域が特徴表示される。これにより、オ ペレータが押した接触領域が画面 を所定範囲内の圧力で押す と、第1の入力機構部がこれを検知するとともに、入力された接触領域に対応する表示装置の表示領域が特徴表示される。これにより、オ ペレータが押した接触領域が画面のどの位置に対応しているかが一目で分かる。」(【0007】)「さらに、オペレータがタッチパネルの接触領域を所定範囲より大きい圧力で押すと、第2の入力機構部がこれを検知するとともに、入力された接触領域に対応する入力データが確定される。」(【000 8】)b 実施例「防護膜281の下部には、接触スイッチ部287が設けられている。」(【0014】)「接触スイッチ部287の下部には、押圧スイッチ部288が設け られている。押圧スイッチ部288は、接触端子群285と接点群286とから構成される。」(【0016】)「接点群286は、各接触端子285a~285tの他端にそれぞれ設けられる接点286a~286tから構成される。各接点286a~286tは、各接触端子285a~285tが帯状導電膜283 a~283e側から所定値以上の圧力を受けたときに、それぞれ接触するようになっている。」(【0017】) 公開特許公報(乙14。特開平8-115158。以下「乙14公報」という。)には、以下の記載等が存在する。 「オペレータが自分の指Fを図3のように電気絶縁シート4の上から 電極板3の上に置いた場合、個々の電極面31~34と指Fとの間の静電容量が、個々の電極面31~34に対する指の重なり面積に応じて相違する。したがって、指を置いたときに個々の電極面31~34を経て出力される信号を合成処理することにより、ディスプレイ上でカーソルをX軸方向およびY軸 極面31~34に対する指の重なり面積に応じて相違する。したがって、指を置いたときに個々の電極面31~34を経て出力される信号を合成処理することにより、ディスプレイ上でカーソルをX軸方向およびY軸方向に移動させることができるようになる。」 (【0024】)「図7は…第2実施例の感触操作部Aの概略縦断側面図である。」(【0027】)「この第2実施例において、ケース1には、信号合成回路や出力回路などの必要な回路を形成するための各種電気部品や電子部品を搭載した 配線基板Pと、押圧開閉式スイッチ5とが内蔵されている。このスイッ チ5は、操作部51を押し込むことにより接続状態が開状態と閉状態との間で切り換わる。また、電気絶縁シート4が重ねられた電極板3がケース1に対して縁枠部材2の内部で押込み復帰可能であり、しかも、ばね6の力で常時復帰方向に弾発付勢されている。そして、上記スイッチ5の操作部51の押込み復帰動作が電極板3の押込み復帰動作に連動さ れている。」(【0028】)「この第2実施例によれば、電気絶縁シート4の上で動かした指で電極板3を押し込むと、それに連動して上記スイッチ5の操作部51が押し込まれてこのスイッチ5の開閉状態が切り換わるので、ディスプレイ上でのカーソル位置の確定操作を、カーソルの移動を制御していたその 指で直ちに行うことができるというポインター機能が付与される。」(【0029】) 公開特許公報(乙15。特開平8-87371。以下「乙15公報」という。)には、以下の記載等が存在する。 「図中、符号1801は座標入力装置である。座標入力装置1801 は、座標入力装置1801に接触する指の絶対座標を0から1までの範囲の実数値に正 という。)には、以下の記載等が存在する。 「図中、符号1801は座標入力装置である。座標入力装置1801 は、座標入力装置1801に接触する指の絶対座標を0から1までの範囲の実数値に正規化して出力する。以後、このように正規化された座標を『正規座標』と呼ぶ。座標入力装置1801は、座標検出手段1802と、押下検出手段1803と、移動範囲制限手段1804と、変域設定手段1805と、正規化手段1806とから構成されている。」 (【0003】)「1802は座標検出手段である。座標検出手段1802は、座標検出手段1802に接触する指の絶対座標を『検出座標』として出力する。 ここで、指と座標検出手段1802との接触面における中心点を『接触点』と呼ぶことにする。座標検出手段1802の出力する検出座標は接 触点の絶対座標を表す値をとる。例えば、座標検出手段1802は静電容量方式のタブレットである。」(【0004】)「1803は押下検出手段である。座標検出手段1802を指によっ て押下したときに、押下検出手段1803は押下を検出する。押下検出手段1803によって座標検出手段1802の押下を検出するように構成ことにより、指一本で出力する正規座標の移動と、押下操作とを行なうことが可能となる。例えば、押下検出手段1803は座標検出手段1802の下に配置されているプッシュ・スイッチである。」(【000 5】) 公開特許公報(乙16。特開平3-192418。以下「乙16公報」という。)には、以下の記載等が存在する。 a 課題を解決するための手段「本発明の一つの面により、入力装置は、所定の座標系に関してインジケータの位置を調べるための位置設定手段と、位置設定手段の下に取り付けられた圧力応答スイッチ a 課題を解決するための手段「本発明の一つの面により、入力装置は、所定の座標系に関してインジケータの位置を調べるための位置設定手段と、位置設定手段の下に取り付けられた圧力応答スイッチと、位置設定手段及び十分な圧力が位置設定手段へ加えられるとその圧力が接続機構へ送られて、スイ ッチを作動するように動くようなスイッチとの間にある前記接続機構とより成っており」b 実施例「ディジタイザ4は、図示のように、指圧に応答して、各種の機能を行うために、モニタスクリーン6の上のカーソル7を動かす。」 「スイッチ33は、スナップアクション・スイッチであり、圧縮ばねを内蔵しており、第2図に示すように、作動棒31を不作動位置に押し上げ、従って、フレームl0を休止位置に保持する。」「ユーザーが、あるファンクションを作動させたいと希望する場合には、より強い圧力で押すと、この圧力が、板20と21などによ って構成された接続機構により、圧縮スプリングの力が押し負けると作動するスイッチ33へ伝達される。」 上記乙11公報ないし乙16公報によれば、乙11公報におけるタッチパネル、乙12公報における座標検出部、乙13公報におけるタッチパネル、乙14公報における電気絶縁シートが重ねられた電極板及び乙 16公報における位置設定手段は、接触点を二次元座標の位置データとして検出する手段であるといえ、また、乙15公報における座標検出手段は、接触点を一次元座標上の位置データとして検出する手段であるといえる。そして、これらはいずれも、接触位置を検出するものであるから、タッチ位置検出センサーであるといえる。 さらに、乙11公報におけるボタン 位置データとして検出する手段であるといえる。そして、これらはいずれも、接触位置を検出するものであるから、タッチ位置検出センサーであるといえる。 さらに、乙11公報におけるボタン、乙12公報におけるスイッチ部、乙13公報における押圧スイッチ部、乙14公報における押圧開閉式スイッチ、乙15公報における押下検出手段及び乙16公報におけるスイッチは、いずれもプッシュスイッチ手段であって、上記タッチ位置検出センサーの下に配置されているといえる。 そうすると、乙11公報ないし乙16公報によれば、接触点を一次元又は二次元座標上の位置データとして検出するタッチ位置検出センサーの下にプッシュスイッチの接点が別個に配置された構成(周知技術1)は、周知技術であると認定するのが相当である。 イ相違点8―1について 上記乙8公報の記載によれば、乙8発明のタッチパネルは、ビデオテープレコーダの特殊変速再生モード時にテープ駆動系に対する制御信号を発生すべく操作される制御手段に適用されるものであり、複数の分割された検出領域が直線的に配置された従来のタッチパネルでは、制御信号を継続的に発生させることができないという問題を解決するために、 連続した円環状に予め特定された軌跡上に連続して接触操作検出区分を配置し、軌跡に沿って移動する接触点を一次元座標上の位置データDpとして検出することにより、回転接触操作を連続的に行うという機能を有するものであると認められる。 一方、周知技術1におけるタッチ位置検出センサーは、単に接触点の 一次元又は二次元の位置データを検出する従来のタッチパネルであって、検出領域が直線的又は平面的に配置されたタッチ位置検出センサーであるといえるから、連続した円環状に予め サーは、単に接触点の 一次元又は二次元の位置データを検出する従来のタッチパネルであって、検出領域が直線的又は平面的に配置されたタッチ位置検出センサーであるといえるから、連続した円環状に予め特定された軌跡上に連続して検出領域が設けられたものでなはく、回転接触操作を連続的に行うという機能を有するものでもない。 そうすると、乙8発明のタッチパネルと周知技術1におけるタッチ位置検出センサーとは、いずれも、タッチ位置を検出するものである点では共通するものの、乙8発明のタッチパネルは、連続した円環状に予め特定された軌跡上に連続して接触操作検出区分を配置することにより、回転接触操作を連続的に行うという機能を有するのに対し、周知技術1 におけるタッチ位置検出センサーはそのような機能を有しておらず、その機能が異なるものであるといえる。そして、乙8発明と周知技術1との間に課題の共通性があるとも、また、乙8公報に周知技術1を適用することに関する示唆があるとも認めることはできない。かえって、周知技術1におけるタッチ位置検出センサーは、乙8公報において課題があ るとされる従来のタッチパネルに相当するものであるから、その適用に は阻害要因があるといえる。 したがって、乙8発明のタッチパネルに周知技術1を組み合わせる動機付けを認めることはできず、乙8発明に周知技術1を適用することにより、当業者において相違点8-1に係る構成に容易に想到することができたものと認めることはできない。 これに対し、被告は、①本件各発明において、一次元検出リングセンサーの技術とセンサー下プッシュスイッチの技術とは互いに機能的又は作用的に関連しておらず、これらが組み合わされた本件各発明におけるセンサー下プッシュスイッチの技術か 明において、一次元検出リングセンサーの技術とセンサー下プッシュスイッチの技術とは互いに機能的又は作用的に関連しておらず、これらが組み合わされた本件各発明におけるセンサー下プッシュスイッチの技術からも、周知技術1から単独で得られる効果を超えるような新たな効果は何ら得られないため、本件各発明 は、先行技術の単なる寄せ集めであり、そのような発明の進歩性は否定されるべきであり、②ビデオテープレコーダが多様な操作部材を備えることは技術常識であるから、乙8発明におけるタッチパネル11以外の操作部材の具体的構成については、当業者が適宜選択し得るものであるところ、周知技術1が存在する以上、当該多様な操作部材の一部を、タ ッチパネル11の下に配置されるプッシュスイッチとして実現することは、設計変更又は設計的事項にすぎない旨主張する。 しかしながら、本件各発明は、携帯型音楽プレーヤの薄型化や操作性の向上という効果を有するものであり、単なる寄せ集めということはできず、また、乙8発明と周知技術1は、そもそもその機能を異にするた め、これらを組み合わせる動機付けを欠くことは、上記において説示したとおりである。 したがって、被告の主張は、採用することができない。 ウ相違点8-2についてセンサー下プッシュスイッチという相違点8-1の構成に容易に想到で きるとはいえないことは、上記において説示したとおりである。したがっ て、4つのセンサー下プッシュスイッチという相違点8-2の構成にも容易に想到できるものとはいえない。 ⑸ 小括(乙8公報を主引例とする進歩性欠如の有無について)以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、乙8発明に基づき本件各発明が進歩性を欠くということはできない。 えない。 ⑸ 小括(乙8公報を主引例とする進歩性欠如の有無について)以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、乙8発明に基づき本件各発明が進歩性を欠くということはできない。 5 争点2-2(乙9公報を主引例とする進歩性欠如の有無)について⑴ 乙9公報には、以下の記載等が存在する。 ア従来の技術「近年、VTR、CDプレーヤ、ビデオディスクプレーヤ及びDAT等においては正、逆のスローやコマ送り及びボリュームのアップ/ダウン等 を行うためのジョグダイヤル状スイッチが採用されている。」(【0002】)イ発明が解決しようとする課題「ジョグダイヤル状スイッチでは、…可動部分である回転部材3を必要としていることから部品点数が増加し、また構造上、ジョグダイヤル状 スイッチの厚みを薄くするには限度があり、操作パネル部1の薄型化を図る上で妨げとなっている。」(【0012】) ウ実施例 「図5は、本発明のジョグダイヤル状スイッチの一実施例を示すものであり、操作パネル部1の操作面には静電容量型のタッチ式のスイッチ部30が設けられている。スイッチ部30には、菊花状に設けられた複数のセンサー部31が設けられている。各センサー部31は操作パネル部1に対し凸凹しないように面一に設けられている。」(【0020】) 「スイッチ部30の操作に際しては、たとえば図6に示すように、センサー部31の表面を指でなぞることにより、後述するように、回転方向や回転量が検出される。このとき、同図(c)や(d)のように、各センサー部31の表面にガイド溝やガイド突起を設けたり、各センサー部31の中央に突起等を設けてもよく、この場合、ブラインドタッチが可能となり、 される。このとき、同図(c)や(d)のように、各センサー部31の表面にガイド溝やガイド突起を設けたり、各センサー部31の中央に突起等を設けてもよく、この場合、ブラインドタッチが可能となり、 センサー部31を容易になぞることができる。」(【0021】)「なお、スイッチ部30においては、この例のようにタッチ式に限らず静電容量型のノンタッチ式であってもよく、更には圧力センサー等の他の検出手段によって構成してもよい。」(【0022】) 「図17は、スイッチ部30に対してファンクション機能を合せ持たせた場合の他の実施例を示すもので、上記同様にセンサー部31A、31B、 31C…円周上に配設されている。各センサー部31A、31B、31C…には、それぞれたとえばチューナ、VTR、テープデッキ、その他各種機器の選択モードが持たされている。」(【0058】)「そして、いずれかのセンサー部31A、31B、31C…にタッチして動作モードを選択した後は、各センサー部31A、31B、31C…が 上述したように、たとえばボリュームのアップ/ダウンの検出モードに切換えられる。」(【0059】)「また、たとえばセンサー部31Aにタッチし、チューナを選択した後、センサー部31A、31B、31C…を右回りになぞると、ボリュームがアップされ、左回りになぞるとボリュームがダウンされる。」(【0 060】) エ発明の効果「本発明のジョグダイヤル状スイッチによれば、面上に配設されたそれ ぞれの検出部に対する接触又は非接触によるオン/オフの状態及び/又は変化に基づいて回転方向と回転量を検出するようにしたので、従来のような回転部材を不要とすることができる。」(【0069】)⑵ 乙 の検出部に対する接触又は非接触によるオン/オフの状態及び/又は変化に基づいて回転方向と回転量を検出するようにしたので、従来のような回転部材を不要とすることができる。」(【0069】)⑵ 乙9発明の内容 ア上記⑴の記載によれば、乙9発明の内容は、以下のとおりのものと認められる。 9A 指先でなぞるように操作されるための所定の幅を有する連続した菊花状又は円周上に予め特定された軌跡上に連続して圧力センサーが配置され、前記軌跡に沿って移動する接触点を一次元座標上の位置デー タとして検出すること9E ジョグダイヤル状スイッチイ原告は、乙9公報には、軌跡に沿って移動する接触点を一次元座標上の位置データとして検出することにつき記載も示唆もないから、乙9公報には構成要件Aが開示されていない旨主張する。 しかしながら、乙9公報には、菊花状に設けられた複数のセンサー部31の表面にガイド溝やガイド突起を設けることが記載されているから(【0020】、【0021】、【図5】、【図6】)、「所定の幅を有する連続したリング状に予め特定された軌跡上に連続してタッチ位置検出センサーが配置されて」おり、各センサー部31は、軌跡上の位置と一対 一で対応しているといえる。また、乙9公報には、指による各センサー部31のオン/オフ状態やオン/オフの変化を検出することにより回転方向や回転量を検出することも記載されているところ(【0031】~【0045】、【図11】)、指による各センサー部31のオン/オフ状態を検出することは、軌跡上の指の位置データ、すなわち、「接触点を一次元座 標上の位置データ」として検出しているといえる。そうすると、乙9公報には、構成要件Aが開示されているといえる。 した を検出することは、軌跡上の指の位置データ、すなわち、「接触点を一次元座 標上の位置データ」として検出しているといえる。そうすると、乙9公報には、構成要件Aが開示されているといえる。 したがって、原告の主張は、採用することができない。 ⑶ 対比本件各発明と乙9発明を対比すると、本件各発明と乙9発明には以下の相 違点が存在し、その余は一致するものと認められる。 ア相違点9-1本件発明1では一次元検出リングセンサーの技術が適用された接触操作型入力装置(構成要件A及びE)に対してセンサー下プッシュスイッチ(構成要件BないしD)が組み合わされているのに対して、乙9発明のジョグダイヤル状スイッチにはセンサー下プッシュスイッチが組み合わされ ていない点イ相違点9-2本件発明2では一次元検出リングセンサーの技術が適用された接触操作型入力装置(構成要件A及びE)に対して4つのセンサー下プッシュスイッチ(構成要件BないしD及びG)が組み合わされているのに対して、乙 9発明のジョグダイヤル状スイッチには4つのセンサー下プッシュスイッチが組み合わされていない点ウ相違点9-3本件各発明では接触操作型入力装置が小型携帯装置に適用されている(構成要件F)のに対して、乙9発明においてはジョグダイヤル状スイッ チが適用されたAV機器(VTR等)(構成要件Fに相当)が小型携帯装置であるかは明らかでない点⑷ 相違点の容易想到性ア相違点9―1について上記乙9公報の記載によれば、乙9発明のジョグダイヤル状スイッチ は、VTR等においてボリュームのアップ/ダウン等を行うためのものであり、指先でなぞるように操作されるための所定の幅を有する連続した菊花状 の記載によれば、乙9発明のジョグダイヤル状スイッチ は、VTR等においてボリュームのアップ/ダウン等を行うためのものであり、指先でなぞるように操作されるための所定の幅を有する連続した菊花状又は円周上に予め特定された軌跡上に連続して圧力センサーが配置されることにより、回転方向と回転量を継続的に検出する機能を有するものであると認められる。 一方、周知技術1におけるタッチ位置検出センサーは、接触検出領域 が直線的又は平面的に配置されたタッチ位置検出センサーであるといえ、連続した円環状に予め特定された軌跡上に連続して検出領域が設けられたものでなはく、また、回転方向と回転量を継続的に検出する機能を有するものでもない。 そうすると、乙9発明のジョグダイヤル状スイッチと周知技術1にお けるタッチ位置検出センサーは、いずれも、タッチ位置を検出するものである点では共通するものの、乙9発明のジョグダイヤル状スイッチは、指先でなぞるように操作されるための所定の幅を有する連続した菊花状又は円周上に予め特定された軌跡上に連続して圧力センサーが配置されることにより、回転方向と回転量を継続的に検出する機能を有するのに 対し、周知技術1におけるタッチ位置検出センサーは、そのような機能を有しておらず、その機能が異なるものであるといえる。そして、乙9発明と周知技術1との間に課題の共通性があるとも、また、乙9公報に周知技術1を適用することに関する示唆があるとも認められない。したがって、乙9発明に、周知技術1を適用する動機付けを認めることはで きない。 さらに、乙9発明は、従来のジョグダイヤル状スイッチでは、回転部材を必要とすることから部品点数が増加し、薄型化の妨げとなっていたことを前提に、操作パネル部の薄型化を提 とはで きない。 さらに、乙9発明は、従来のジョグダイヤル状スイッチでは、回転部材を必要とすることから部品点数が増加し、薄型化の妨げとなっていたことを前提に、操作パネル部の薄型化を提供することを課題とするものである(【0012】、【0014】)。そうすると、乙9発明に周知 技術1のプッシュスイッチの構造を組み合わせれば、ジョグダイヤル状スイッチ全体の厚みが増すことになるから、上記薄型化という要請に反するものであり、その組合せには阻害要因があるといえる。 したがって、乙9発明のジョグダイヤル状スイッチに周知技術1を組み合わせる動機付けを認めることはできず、かえって、周知技術1を組 み合わせることには、阻害要因が認められることからすると、乙9発明 に周知技術1を適用することにより、当業者において相違点9-1に係る構成に容易に想到することができたものと認めることはできない。 これに対し、被告は、乙9発明に対して周知技術1を適用する場合も、乙8発明に対して周知技術1を適用することと同様に、その適用は、①先行技術の単なる寄せ集め、②設計変更又は設計的事項であり、阻害要 因もない旨主張する。 しかしながら、本件各発明は、携帯型音楽プレーヤの薄型化や操作性の向上という効果を有するものであり、単なる寄せ集めということはできず、また、乙9発明と周知技術1はそもそもその機能を異にするため、これらを組み合わせる動機付けを欠くことは、上記において説示したと おりである。また、乙9発明は、操作パネル部の薄型化を課題とするものであり、乙9発明にプッシュスイッチの構造を追加することは、結局操作パネル部の厚みを増すことになるから、上記課題に反しその組合せには阻害要因があることも、上記において説示したとお 化を課題とするものであり、乙9発明にプッシュスイッチの構造を追加することは、結局操作パネル部の厚みを増すことになるから、上記課題に反しその組合せには阻害要因があることも、上記において説示したとおりである。 したがって、被告の主張は、いずれも採用することができない。 イ相違点9-2についてセンサー下プッシュスイッチという相違点9-1の構成に容易に想到できるとはいえないことは、上記において説示したとおりである。したがって、4つのセンサー下プッシュスイッチという相違点9-2の構成にも容易に想到できるものとはいえない。 ⑸ 小括(乙9公報を主引例とする進歩性欠如の有無について)以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、乙9発明に基づき本件各発明が進歩性を欠くということはできない。 6 争点2-3(乙10公報を主引例とする進歩性欠如の有無)について⑴ 乙10公報には、以下の記載等が存在する。 ア従来の技術 「最近、VTR、CDプレ-ヤ、ビデオディスク、DAT等の編集およびプログラム設定のための遠隔操作用に、ジョグ機能を備えたスイッチが広く使用されるようになった。」(【0002】)「しかし、この型のジョグ機能を備えたスイッチは、機械的な構造が複雑なため、製造上、小型化や低コスト化が困難であるという欠点がある。」 (【0005】)イ発明が解決しようとする課題「本発明は、従来のジョグ機能を備えたスイッチにおいて複雑であった機械的構造をできるだけ電気的構造およびソフトウェア処理することによって、薄型で低価格のディジタルスイッチを実現することに課題を有して いる。」(【0006】)ウ作用「上記の構成を有するジョグ機能を備えたメ 的構造およびソフトウェア処理することによって、薄型で低価格のディジタルスイッチを実現することに課題を有して いる。」(【0006】)ウ作用「上記の構成を有するジョグ機能を備えたメンブレンスイッチにおいて、可撓性シートの表面に配列されているキーを指などで押すと、可撓性シートの裏面のそのキー位置にある可動電極が下方へ押され、その結果、その 可動電極の真下にある固定電極に接触し、そのキ-はオンとなり、その押されたキーのキー位置が検出される。」(【0008】)エ実施例「本発明によるジョグ機能を備えたメンブレンタイプのスイッチは、例えば、リモートコントロールスイッチに適用して使用されるものであり、 図1に示すように、プリント配線基板1と可撓性シート2とを貼り合わせて構成される。」(【0011】)「可撓性シート2は、ポリカボネ-ト又はポリエステルのシ-トによって作られた極めて薄い(例えば280ミクロン)シ-トで構成される。可撓性シート2の表面には、図2に示すように、ジョグキーエリア7、シャ トルキ-エリア8、9、一般キーエリア10が配置されている。」(【0 013】)「各キーまたはキー位置にはキー番号が付けられている。すなわち、ジョグキーは、円形のジョグキーエリア7に、同心円上に各キーが配置されている。その各キーは、最上キー位置から右回りにキーK1~K6、同じく左回りにキーK9~K14の合計12個のキー番号が付けられている。」 (【0014】)「前記ジョグエリア7は、同心状に配列したキーK1~K14の外側を囲む外側リブ7aと内側を囲む内側リブ7bとにより区画され、該外側リブ7aと内側リブ7bとの間は、図4に示したように、段差をもってプリント配線基板1から浮かせた状態に形成さ キーK1~K14の外側を囲む外側リブ7aと内側を囲む内側リブ7bとにより区画され、該外側リブ7aと内側リブ7bとの間は、図4に示したように、段差をもってプリント配線基板1から浮かせた状態に形成され、その浮かせた状態の内側に 可動電極となる前記カーボン電極C1~C14が取り付けてある。この外側リブ7aと内側リブ7bとの間隔は、人の指がガイドされてなぞりやすいように設定されている。」(【0017】) 「ジョグ機能の出力の開始は、ジョグ操作の回転方向が確定した後に行われる。ジョグ操作の回転方向は、最初のキーオンを含め3つのキーが連続して押された時にジョグ操作が開始されたものとし、同時にそのジョグ操作の操作方向(回転方向)を認識する。そして、最初のキーオンがなされた時に、同時に後述する単位時間内でのキーオンのカウント数を検出し 始めるようになっている。」(【0030】)「即ち、マイコン3は、ジョグキーエリア7にあるジョグキーK1~K14が所定時間の間に連続的にオンにされたキーの数をカウントすることによって、下表のように出力するコ-ドを決める。このキースキャンの周期は10msとしている。」(【0032】) 「図7は、本発明に係る第2の実施例を示す。この実施例では、リング状の領域20に複数のキー21~24を割り当て、連続キーオン操作と単独キーオン操作との複合機能を持たせている。」【0048】 ⑵ 乙10発明の内容 ア上記⑴の記載によれば、乙10発明の内容は、以下のとおりのものと認められる。 10A 指先で回転するように連続押下操作されるための所定の幅を有する連続した円形に予め特定されたジョグキーエリア7の軌跡上に連続 、乙10発明の内容は、以下のとおりのものと認められる。 10A 指先で回転するように連続押下操作されるための所定の幅を有する連続した円形に予め特定されたジョグキーエリア7の軌跡上に連続してキー21~24が配置され、前記軌跡に沿って移動する接触 点を一次元座標上のキー位置として検出すること10B 接点のオン又はオフを行うキー21~2410C 前記軌跡に沿って、前記キー21~24の接点が配置されていること10D 前記軌跡上における押下により、前記キー21~24の接点のオ ンまたはオフが行われること10E ジョグ機能を備えたメンブレンスイッチ10G 前記キー21~24が4つであること10F 前記ジョグ機能を備えたメンブレンスイッチが適用されたリモートコントロールスイッチ イ原告は、乙10発明は、連続的にオンになった複数のキーの番号の組合せと、オンになった順序と、単位時間内にオンになったキー数とに基づきジョグ操作の移動方向と移動速度とを認識するものであって、指が接触を開始した点(始点)からの指の位置の移動を検知してその移動距離を決定しているものではないから、接触点を一次元座標上の位置データとして検 出しているものということはできず、乙10公報には、構成要件A、C及びDが開示されていない旨主張する。 そこで検討するに、乙10公報には、ジョグエリアのキーについて、外側リブと内側リブとの間が段差をもってプリント配線基板から浮かせた状態に形成され、その浮かせた状態の内側に同心円状に配置することが記載 されていることからすると(【0017】)、「所定の幅を有する連続したリング状に予め特定された軌跡上に連続して位置検出センサーが配置されている」ものといえる。そし 心円状に配置することが記載 されていることからすると(【0017】)、「所定の幅を有する連続したリング状に予め特定された軌跡上に連続して位置検出センサーが配置されている」ものといえる。そして、乙10発明は、連続して押下されたジョグエリアのキーを認識し、当該キーの押下順序に基づいて回転方向とキーオンのカウント数を検出するものであり、当該キーオンのカウント数は ジョグ操作における回転量として用いられるものであるから(【0028】 ~【0038】)、キーの押下により検出される回転方向やキーのカウント数は、「一次元座標上の位置データ」を基に検出しているといえる。 そうすると、乙10発明は、接触点を一次元座標上の位置データとして検出しており、乙10公報には、構成要件A、C及びDが開示されているといえる。したがって、原告の主張は、採用することができない。 ウ被告は、乙10公報では、構成要件C及びDに関し、前記キーK1~K8、K9~K12が連続して配置されていることのみならず、前記キーK1~K8、K9~K12が連続して配置される前記軌跡に沿って、前記キー21~24の接点が配置されていること(10C)のほか、前記キーK1~K8、K9~K12が連続して配置される前記軌跡上における押下に より、前記キー21~24の接点のオン又はオフが行われることも開示されていると主張する。 しかしながら、乙10公報において、キーK1~K8、K9~K12に係る実施例1と、キー21~24に係る実施例2は、別の実施例であるところ、それぞれの実施例を併せて実施することは、同公報に記載も示唆も されていない。そうすると、乙10公報において、キーK1~K8、K9~K12が連続して配置される前記軌跡に沿って、前記キー21~24の接 の実施例を併せて実施することは、同公報に記載も示唆も されていない。そうすると、乙10公報において、キーK1~K8、K9~K12が連続して配置される前記軌跡に沿って、前記キー21~24の接点が配置されるという実施例1及び2を併せた内容まで開示されていると認めることはできない。したがって、被告の主張は、採用することができない。 ⑶ 対比本件各発明と乙10発明を対比すると、本件各発明と乙10発明には以下の相違点が存在し、その余は一致するものと認められる。 本件各発明では、プッシュスイッチ手段の接点がタッチ位置検出センサーとは別個に配置されているのに対し、乙10発明では、キー21~24はタ ッチ位置検出センサーと別個に配置されてはいない点 ⑷ 相違点の容易想到性ア周知技術2(リング状タッチパネル型ジョグ操作手段の技術) 公開実用新案公報(乙19。実開平5-36623。以下「乙19公報」という。)には、以下の記載等が存在する。 a 産業上の利用分野 「本考案はビデオコントローラに関し、特に再生画像を所定のこまずつ前後に送るジョグ機能を有するビデオコントローラに関するものである。」(【0001】)b 従来の技術「ビデオコントローラの操作性を向上させるべくコントローラ本体 を離隔した位置から操作するための遠隔操作装置がある。これは、例えばビデオテープのコントローラの場合、遠隔操作装置とコントローラ本体との間で赤外線などを用いた信号の授受を行い、再生の開始/停止、早送り/巻戻しなどの操作を該遠隔操作装置により行うことができるようになっている。この遠隔操作装置に上記したジョグ機能を 設ける場合、従来はコントローラ本 信号の授受を行い、再生の開始/停止、早送り/巻戻しなどの操作を該遠隔操作装置により行うことができるようになっている。この遠隔操作装置に上記したジョグ機能を 設ける場合、従来はコントローラ本体または遠隔操作装置にハンドル(ジョグシャトル)を設け、画像を静止させた状態でこのハンドルを回転させることにより、回転方向及び回転量に応じてこま送り/こま戻しを行っていた。」(【0004】)「しかしながら、上記したハンドルは使用者が把持する程度に大き いことから、またハンドルが遠隔操作装置の操作面から突出していることから、遠隔操作装置にハンドルを設けた場合、ジョグ機能のみのために遠隔操作装置が著しく大型化するばかりでなく、ハンドル及びこれに付随する部品の付加により部品点数も増加しがちであった。また、例えば速くこま送り(こま戻し)したい場合にはハンドルを高速 で回転させるが、その操作に時間がかかり、操作性が低下すると共に 部品の消耗が激しくなり、ハンドルが設けられたコントローラ本体または遠隔操作装置の寿命が短くなる心配があった。」(【0005】)「そこで、接触または押下することにより操作可能であり、かつ周回するように連続的に操作可能な位置に配置された複数のタッチスイッチをジョグスイッチとして用い、ハンドルを回転させるのと同様に このタッチスイッチを円周状になぞることにより上記ジョグ機能を簡単な構造により使用可能となる。」(【0006】)c 考案が解決しようとする課題「本考案は上述したような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、その主な目的は、大型化、部品点数の増加を伴うことなく、ジ ョグ機能に於けるこまの分割精度を高くすることが容易に可能なビデオコントローラを提供することにある の問題点に鑑みなされたものであり、その主な目的は、大型化、部品点数の増加を伴うことなく、ジ ョグ機能に於けるこまの分割精度を高くすることが容易に可能なビデオコントローラを提供することにある。」(【0008】)d 実施例「図8は本発明が適用された第3の実施例を示す図6と同様の図である。本実施例ではリモコン24の1面に液晶画面を有するタッチパ ネル部25が設けられている。このタッチパネル部25は上部のメッセージ表示部26と下部のスイッチ部27とから構成されると共にその全面に所望の内容を可変表示可能となっている。また、スイッチ部27は各スイッチ領域に触れることによりスイッチ操作を認識するようになっている。本実施例に於ても…SW1~SW12が円周状に配 置されジョグ機能使用時の操作が容易になっている。また、本実施例に於ても…各スイッチ領域SW1~SW31はスイッチ領域SW32を操作する度に切換わるようになっているが、同時に各スイッチ領域に於けるメッセージ部26の表示も切換わるようになっており、その操作性が向上している。」(【0027】) 【図8】 上記によれば、乙19公報には、再生画像を所定のこまずつ前後に送るジョグ機能を有するビデオコントローラに関し、大型化、部品点数 の増加を伴うことなく、ジョグ機能におけるこまの分割精度を高くすることが容易に可能なビデオコントローラを提供するという課題を解決するために、スイッチ部27は各スイッチ領域に触れることによりスイッチ操作を認識するようになっており、ジョグ機能使用時には円周状に配置されたSW1~SW12に触れて操作をすることが記載されていると 認められる(【0001】、【0008】、【0027】)。 ッチ操作を認識するようになっており、ジョグ機能使用時には円周状に配置されたSW1~SW12に触れて操作をすることが記載されていると 認められる(【0001】、【0008】、【0027】)。 上記記載内容に加え、上記4及び5で認定した乙8公報及び乙9公報の記載内容を併せると、機械的な回転部材が不要な小型/薄型のジョグ機能用の操作手段を、タッチパネルを用いた一次元検出リングセンサーにより実現する構成(周知技術2)が、周知技術であると認定するのが 相当である。 イ相違点についてそもそも、周知技術2は「プッシュスイッチ手段の接点がタッチ位置検出センサーとは別個に配置されている」ものではないから、乙10発明に周知技術2を適用しても、上記相違点に係る構成に至るものとはいえない。 のみならず、乙10発明は、「従来のジョグ機能を備えたスイッチにお いて複雑であった機械的構造をできるだけ電気的構造およびソフトウェア処理することによって、薄型で低価格のディジタルスイッチを実現すること」を課題としているところ(【0006】)、乙10発明に周知技術2を適用して、プッシュスイッチ手段をタッチ位置検出センサー(タッチパネル)の下に別個に配置することは、構造が複雑になり部品全体が厚みを 増すことになる。そうすると、上記の組合せは、乙10発明の薄型化を阻害することになるから、上記課題に反するものであり、その組合せには阻害要因があるといえる。 したがって、乙10発明に周知技術2を適用しても相違点に係る構成に至らず、また、連続キーオン操作についてはメンブレンスイッチに代えて タッチパネルを用い、連続して配置される軌跡に沿って、単独キーオン操作用のキーをタッチパネルとは別個に配置することには、阻 至らず、また、連続キーオン操作についてはメンブレンスイッチに代えて タッチパネルを用い、連続して配置される軌跡に沿って、単独キーオン操作用のキーをタッチパネルとは別個に配置することには、阻害要因があるから、上記相違点に係る構成が、当業者において容易に想到できたということはできない。 これに対し、上記組合せに動機付けがある旨の被告の主張が採用できな いことは、上記において繰り返し説示したところと同旨であり、上記認定に係る阻害要因に照らし、いずれも採用することができない。 ⑸ 小括(乙10公報を主引例とする進歩性欠如の有無について)以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、乙10発明に基づき本件各発明が進歩性を欠くということはできない。 7 争点2-4(明確性要件違反の有無)について 被告は、本件各発明の「タッチ位置検出センサー」につき、「接触圧力」が検知可能なものに限定されないという解釈を採用した場合、構成要件C及びDのうちの圧力(接触圧力)の比較に関する部分(「検知しうる接触圧力よりも大きな力」及び「タッチ位置検出センサーに対する接触圧力よりも大きな接触圧力での押下」)が不明確になる旨主張する。 そこで検討するに、上記2⑴のとおり、本件各発明の「タッチ位置検出センサー」には、加えられた圧力を検知しない「静電誘導式検知手段(静電容量タイプ)」が含まれると解するのが相当である。この場合であっても、プッシュスイッチ手段の接点のオン又はオフが、加えられた圧力を検知しない「タッチ位置検出センサー」よりも、大きな接触圧力でその状態を保持又は押下するこ とは可能であることからすると、構成要件C及びDのうちの圧力(接触圧力)の比較に関する部分が不明確になるも ない「タッチ位置検出センサー」よりも、大きな接触圧力でその状態を保持又は押下するこ とは可能であることからすると、構成要件C及びDのうちの圧力(接触圧力)の比較に関する部分が不明確になるものとはいえない。被告の主張の実質は、本件各発明の「タッチ位置検出センサー」に、加えられた圧力を検知しない「静電誘導式検知手段(静電容量タイプ)」が含まれるという解釈の不当をいうものといえ、その主張が採用できないことは、上記2⑴において説示したと おりである。 したがって、被告の主張は、採用することができない。 8 小括(侵害論について)以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、被告各製品は、本件各発明の各構成要件をいずれも充足し、本件各発明の無効をいう被告の主張 は、いずれも採用することができない。 9 争点3(特許法102条3項に基づく損害額)について⑴ 実施料相当額の算定について特許法102条3項は、特許権侵害の際に特許権者又は専用実施権者(以下「特許権者等」という。)が請求し得る最低限度の損害額を法定した規定 であって、同項による損害は、原則として、侵害品の売上高を基準とし、そ こに、実施に対し受けるべき料率を乗じて算定すべきである。そして、特許法102条4項は、上記料率を認定するに当たって、特許権者等が当該特許権又は専用実施権(以下「特許権等」という。)の侵害があったことを前提としてこれを侵害した者との間で合意をするとしたならば、特許権者等が得ることとなるその対価を考慮することができる旨規定している。 したがって、実施に対し受けるべき料率は、①当該特許発明の実際の実施許諾契約における実施料率や、それが明らかでない場合には業界における実施料の相場等も考慮に入れつつ、②当該特 規定している。 したがって、実施に対し受けるべき料率は、①当該特許発明の実際の実施許諾契約における実施料率や、それが明らかでない場合には業界における実施料の相場等も考慮に入れつつ、②当該特許発明自体の価値すなわち特許発明の技術内容や重要性、他のものによる代替可能性、③当該特許発明を当該製品に用いた場合の売上げ及び利益への貢献や侵害の態様、④特許権者と侵 害者との競業関係や特許権者の営業方針等訴訟に現れた諸事情を踏まえ、特許権者等が当該特許権等の侵害があったことを前提としてこれを侵害した者との間で合意をするとしたならば、特許権者等が得ることとなるその対価を考慮して、合理的な料率を定めるべきである。 なお、被告は、本件各発明は被告各製品を構成する部品の一つであるクリ ックホイールに関するものにすぎないから、実施料率を乗ずる売上高は、被告各製品ではなく、クリックホイールの売上高とすべきである旨主張するものの、その原価が証拠上必ずしも明らかではない上、本件各発明が被告各製品を構成する部品の一つであるという事情は、上記において説示した判断基準のとおり、本件各発明を被告各製品に用いた場合の売上げ及び利益への貢 献という上記③に係る考慮事情において、これを十分に斟酌するのが相当である。 したがって、被告の主張は、採用することができない。 ⑵ 当てはめ前記認定事実、後掲の各証拠及び弁論の全趣旨によれば、上記①ないし④ に係る考慮事情として、次の事実を認めることができる。 ア業界における実施料の相場証拠(甲35、36)によれば、「ラジオ・テレビ・その他の通信音響機器」に含まれる「電気音響機械器具」の平成4年度ないし平成10年度の実施料率(イニシャルなし)の平均値は、5.7%であるこ 場証拠(甲35、36)によれば、「ラジオ・テレビ・その他の通信音響機器」に含まれる「電気音響機械器具」の平成4年度ないし平成10年度の実施料率(イニシャルなし)の平均値は、5.7%であること、平成16年ないし平成20年の電気産業における司法決定ロイヤルティ料率の平 均値は3.0%、最大値は7.0%、最小値は1.0%であることが認められる。そして、被告が提出した意見書(乙27)においても、本件各発明に係るロイヤルティ料率を定めるに当たり比較対象となる契約のロイヤルティ料率は、中央値が2.65%、最小値が1.5%、最大値が4. 0%であることが認められることからすれば、本件各発明に係る電気産業 における近年のロイヤルティ料率は、3%程度と解するのが相当である。 イ本件各発明の技術内容や重要性上記1によれば、従来技術においては、接触操作するタッチパネル等の電子部品と、プッシュ操作するスイッチ等を各々別個の部品として配置していたため、機器の小型化に対して不利であり、かつ、2つの別個の部品 を操作することになり使い勝手も極めて不便であるという課題があった。 このような課題を解決するために、本件各発明は、①リング状に予め特定された軌跡上にタッチ位置検出センサーを配置して軌跡に沿って移動する接触点を一次元座標上の位置データとして検出し、②上記軌跡に沿ってタッチ位置検出センサーとは別個にプッシュスイッチ手段の接点を設ける ものである。このように、本件各発明は、上記検出とは独立してプッシュスイッチ手段の接点のオン又はオフを行うことによって、操作性良く薄型かつ小型でしかも少ない部品点数で電子機器を構成することができるようにし、もって1つの部品で複数の操作ができるプッシュスイッチ付きの接触操作型電子部品を提供するもので うことによって、操作性良く薄型かつ小型でしかも少ない部品点数で電子機器を構成することができるようにし、もって1つの部品で複数の操作ができるプッシュスイッチ付きの接触操作型電子部品を提供するものであり、この点において重要性を有する ものである。 これに対し、被告は、本件各発明には、iPodShuffleに採用された操作ボタン、iPodTouchに採用されたタッチスクリーン等の代替手段が存在する旨主張する。 しかしながら、証拠(乙30、31)及び弁論の全趣旨によれば、iPodShuffleの操作ボタンにおいては、音量調節等はボタンを押 すことでしかできないものであって、リング状に指を動かして連続的に音量調節等をすることができず、iPodTouchについては、タッチスクリーンを用いるものであって操作の形態が大きく異なり、コストも高くなるといえるから、これらが直ちに代替手段となるものと認めることはできない。 したがって、被告の主張は、採用することができない。 ウ本件各発明を被告各製品に用いた場合の売上げ及び利益への貢献や侵害の態様 本件各発明を被告各製品に用いた場合の売上げ及び利益への貢献証拠(甲5、24)及び弁論の全趣旨によれば、被告製品1について は、「新しいiPodclassicではポケットに40,000曲を入れることができます。より薄型の総金属製のボディと、さらに洗練されたユーザインターフェイスにより、iPodclassicは、全てをiPodに入れて持ち歩きたい人に最適です。」と宣伝されていることが認められ、被告製品2についても、「さらにiPodが小さく なりました。鉛筆ほどの薄さのiPodnanoは、(中略)信じられないくらい小さなボディ」、「手の 適です。」と宣伝されていることが認められ、被告製品2についても、「さらにiPodが小さく なりました。鉛筆ほどの薄さのiPodnanoは、(中略)信じられないくらい小さなボディ」、「手の中にすっぽりと収まるミニサイズ。 あざやかなカラー液晶ディスプレイ、親指で操作できるクリックホイールも自慢です。ヘッドフォンをつけたら、さっそくボリュームを上げてみましょう。iPodnanoが、小さくてもまさにiPodだとす ぐにわかるはず。」と宣伝されていることが認められる。 その上、証拠(甲21)及び弁論の全趣旨によれば、iPodに搭載されたクリックホイール自体についても、被告は、「親指ひとつでコントロール」、「いつでも完全主義を貫くアップルのエンジニアたちは、iPodの操作ボタンをホイールの下に移動して『究極のシンプルさ』を目指しました。それが大好評のクリックホイールです。(中略)耐久 性と感度の良さ、ホイール下側に組み込まれた操作ボタンの使いやすさはこれまでどおり。この最小限のスペースを最大限に利用したクリックホイールで、iTunesのミュージックコレクションから選んだ最大1,500曲を親指だけで楽々とスクロールできます。このようによく考えられた仕組みは、アップル製品ならでは。競合メーカーがどんなに 追いつこうとしても追いつけない部分です。」などとして、特に宣伝していることが認められる。 上記認定事実によれば、本件各発明は、操作性良く薄型でしかも少ない部品点数で電子機器を構成することができるように、1つの部品で複数の操作ができるプッシュスイッチ付きの接触操作型電子部品を提供す るものであるところ、被告は、本件各発明の構成の中核であるクリックホイールにつき、競合他社の製品と差別化するために特に利用して 数の操作ができるプッシュスイッチ付きの接触操作型電子部品を提供す るものであるところ、被告は、本件各発明の構成の中核であるクリックホイールにつき、競合他社の製品と差別化するために特に利用していたことが認められる。そうすると、本件各発明を被告各製品に用いた場合の売上げ及び利益への貢献の程度は、被告各製品の薄型化及び小型化並びに操作性の向上に寄与するものとして、被告各製品の顧客吸引力の向 上という観点からすれば、少なくないものと認めるのが相当である。 他方、証拠(甲32、乙27)及び弁論の全趣旨によれば、被告各製品の人気の理由は、上記において説示したとおり、クリックホイールという指先だけで操作できるインターフェイスを搭載し、携帯音楽プレーヤの操作性を向上させたことにあるほか、音楽配信サービスであるiT unesMusicStoreに対応するiTunesを、そのま ま持ち歩くような環境を備えたことや、デザイン、カラーバリエーション、大容量のハードディスク及び長時間持続するバッテリーという被告各製品の特長にもあり、これらのほか、「Apple」という極めて高いブランド価値、被告の宣伝広告等が、被告各製品の売上げに相当程度貢献したことが認められる。また、操作性については、上記のとおり、 被告自身がクリックホイールによる操作性の向上を宣伝していることから、クリックホイールの貢献は明らかであるものの、クリックホイールの機能の割当てや本件各発明とは無関係のセンターボタンの果たす役割も少なくないものと解される。 そうすると、被告各製品の本体(ハードウェア)の一部であるクリッ クホイールに係る本件各発明が、被告各製品の売上げに寄与した程度は、主要なものとはいえない。 侵害の態様前記前提事実及び 被告各製品の本体(ハードウェア)の一部であるクリッ クホイールに係る本件各発明が、被告各製品の売上げに寄与した程度は、主要なものとはいえない。 侵害の態様前記前提事実及び弁論の全趣旨によれば、被告は、別件訴訟において、別件被告各製品の輸入及び販売を行うことが本件特許権の侵害に当たる 旨の第1審判決及び控訴審判決が言い渡された後も、なお別紙別件被告製品目録記載3の被告製品(本件における被告製品1)を販売し続けたことが認められる。したがって、その侵害態様は看過し得ないところがある。 エ特許権者の営業方針等 弁論の全趣旨によれば、原告は、本件各発明を実施するものではなく、被告に対し、本件各発明の許諾をする旨の申出をし、被告との間で、その交渉をしていたことが認められる。 オ実施料率の算定上記認定に係る業界における実施料の相場、本件各発明の技術内容や重 要性、本件各発明を被告各製品に用いた場合の売上げ及び利益への貢献や 侵害の態様、特許権者の営業方針等その他の本件に現れた諸事情を踏まえ、特許権者等が当該特許権等の侵害があったことを前提として、これを侵害した者との間で合意をするとしたならば特許権者等が得ることとなるその対価を考慮すれば、実施に対し受けるべき料率は、少なく見積もっても、0.5%を下らないというべきである。 ⑶ 消費税原告は、特許権侵害に基づき利得金を侵害者から受領した場合、その利得金も消費税の課税対象となるから、課税対象となる消費税額相当額についても損害額に加算されるべきである旨主張する。 そこで検討するに、消費税法9条1項及び9条の2第1項は、課税期間に 係る基準期間又はその事業年度に係る特定期間 なる消費税額相当額についても損害額に加算されるべきである旨主張する。 そこで検討するに、消費税法9条1項及び9条の2第1項は、課税期間に 係る基準期間又はその事業年度に係る特定期間における課税売上高が1000万円以下である事業者は、その課税期間中又は事業年度に行った課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れにつき、消費税の納税義務が免除される旨規定している。そして、同法2条1項14号は、上記にいう基準期間は、課税期間の事業年度の前々事業年度をいい、同法9条の2第4項2号は、上記にい う特定期間は、前事業年度開始の日以後6か月の期間をいう旨規定している。 これを本件についてみると、弁論の全趣旨によれば、原告の売上高は、平成30年度は50万円、平成31年度(令和元年度)は7万7600円、令和2年度は0円であり、令和3年11月17日付け訴訟救助の申立書によれば、同日時点でも、原告保有に係る特許の事業化につき顧客の獲得に至って いないことが認められる。そうすると、基準期間である令和3年度の課税売上高も、特定期間である令和4年4月1日から同年9月30日までの6か月間の課税売上高も、1000万円を超えていたものと認めることはできない。 そうすると、仮に原告の主張を前提として、特許権侵害に基づく利得金返還請求に係る金銭も消費税の課税対象となったとしても、原告は、これに関 する消費税の納税義務が免除されることになる。したがって、原告の主張は、 採用することができない。 ⑷ 小括計算鑑定の結果及び弁論の全趣旨によれば、被告各製品の会計年度ごとの売上げは、別紙損害額計算表の「統合後」欄記載のとおりであり、これに上記の相当な実施料率を乗じると、原告の損失額は、「損失額」の「実施料率 を乗じた額」欄 旨によれば、被告各製品の会計年度ごとの売上げは、別紙損害額計算表の「統合後」欄記載のとおりであり、これに上記の相当な実施料率を乗じると、原告の損失額は、「損失額」の「実施料率 を乗じた額」欄記載のとおりとなる。 ⑸ 弁護士費用特許権者等が、自己の特許権等を侵害した者に対し、特許権等の侵害を理由とする不当利得に基づく利得金を請求する場合には、不法行為に基づく損害賠償を請求する場合と同様、その特許権者等において、具体的事案に応じ、 損害の発生及びその額のみならず、特許権等の侵害に係る製品の構成を特定し、かつ、当該構成が特許権等に係る発明の構成要件を充足することを主張立証する責任を負うのであって、特許権者等が主張立証すべき事実は、不法行為に基づく損害賠償を請求する場合とほとんど変わるところがない。そうすると、特許権者等の特許権等の侵害を理由とする不当利得に基づく利得金 返還請求権は、特許権者等がこれを訴訟上行使するためには弁護士に委任しなければ十分な訴訟活動をすることが困難な類型に属する請求権であるということができる。 したがって、特許権者等が、特許権等の侵害を理由とする不当利得に基づく利得金を請求するため訴えを提起することを余儀なくされ、訴訟追行を弁 護士に委任した場合には、その弁護士費用は、事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り、上記不当利得と相当因果関係に立つ損害というべきである(最高裁昭和41年(オ)第280号同44年2月27日第一小法廷判決・民集23巻2号441頁参照)。 そして、本件事案の内容、難易度、審理経過及び認容額等に鑑みると、こ れと相当因果関係があると認められる弁護士費用相当損害額は、利得金 第一小法廷判決・民集23巻2号441頁参照)。 そして、本件事案の内容、難易度、審理経過及び認容額等に鑑みると、こ れと相当因果関係があると認められる弁護士費用相当損害額は、利得金(別紙損害額計算表の「損失額」の「実施料率を乗じた額」)合計3989万4647円の約1割である398万9465円と認めるのが相当である。 ⑹ 利息発生の起算日被告は、遅くとも別件訴訟の反訴が提起された平成19年3月13日以降 は、少なくとも悪意の受益者といえるところ、弁論の全趣旨によれば、利息発生の起算日については、別紙損害額計算表の「会計年度」の「初日(利息発生の起算日)」欄記載のとおりとすることにつき、原被告間に合意が存在することが認められる(第2回口頭弁論調書参照)。したがって、被告は、各会計年度の「損失額」の「合計」欄記載の金額に対し、「初日(利息発生 の起算日)」欄記載の日から、それぞれ法定利息の支払義務を負うものと認められる。 第5 結論よって、原告の請求は、主文の限度で理由があるからこれを認容し、その余は理由がないからこれらをいずれも棄却することとして、主文のとおり判決す る。 東京地方裁判所民事第40部裁判長裁判官 中島基至 裁判官 古賀千尋 裁判官 尾池悠子 (別紙)特許権目録 (1)発明の名称接触操作型入力装置およびその電子部品(2)出願番号特願2005-133824 (3)出願日平成17(2005)年5月2日(4)原出願日平成10(1998)年1月6日(特願平10-12 置およびその電子部品(2)出願番号特願2005-133824 (3)出願日平成17(2005)年5月2日(4)原出願日平成10(1998)年1月6日(特願平10-12010に基づく分割出願)(5)公開日平成17(2005)年10月13日(6)登録日平成18(2006)年9月15日 (7)存続期間満了日平成30(2018)年1月6日(8)特許番号第3852854号 (別紙)被告製品目録 1 iPodclassicという名称の付された小型携帯装置。 2 iPodnanoという名称の付された小型携帯装置。ただし、第5世代の もの。 (別紙)別件被告製品目録 1 iPodという名称の付された小型携帯装置。ただし、第5世代のもの。 2 iPodnanoという名称の付された小型携帯装置。ただし、第2世代の もの。 3 iPodclassicという名称の付された小型携帯装置。 4 iPodnanoという名称の付された小型携帯装置。ただし、第3世代のもの。 5 iPodnanoという名称の付された小型携帯装置。ただし、第4世代の もの。 (別紙)原告損害額計算表 期間初日iPodClassiciPodnano合計調整後実施料率暫定損失額消費税弁護士費用合計平成21年(2008/10~2009/9)不詳 10.00% 平成22年(2009/10~2010/9)平成21(2009)年9月27日 5,769,014,4155,769,014,4155,769,014,4 10.00% 平成22年(2009/10~2010/9)平成21(2009)年9月27日 5,769,014,4155,769,014,4155,769,014,41510.00%576,901,44257,690,14463,459,159698,050,744平成23年(2010/10~2011/9)平成22(2010)年9月26日 115,792,754115,792,754115,266,07510.00%11,526,6081,152,6611,267,92713,947,195平成24年(2011/10~2012/9)平成23(2011)年9月25日 -526,679-526,679↑平成23年度と統合↑10.00%----平成25年(2012/10~2013/9)平成24(2012)年9月30日776,200,938-15,257776,185,681776,185,68110.00%77,618,5687,761,8578,538,04293,918,467平成26年(2013/10~2014/9)平成25(2013)年9月29日1,318,616,001 1,318,616,0011,318,463,38210.00%131,846,33813,184,63414,503,097159,534,069平成27年(2014/10~2015/9)平成26(2014)年9月28日-107,100-45,519-152,619↑平成26年度と統合↑10.00%----合計2,094,709,8395,884,219,7147,978,929,5537,978,929,553797,892,955 ↑平成26年度と統合↑10.00%----合計2,094,709,8395,884,219,7147,978,929,5537,978,929,553797,892,95579,789,29687,768,225965,450,475会計年度売上損失額 (別紙)損害額計算表 会計年度初日(利息発生の起算日)被告製品1被告製品2合計統合後実施料率実施料率を乗じた額弁護士費用合計平成22年平成21(2009)年9月27日 5,769,014,4155,769,014,4155,769,014,4150.5%28,845,0722,884,50731,729,579平成23年平成22(2010)年9月26日 115,792,754115,792,754115,266,0750.5%576,33057,633633,963平成24年平成23(2011)年9月25日 -526,679-526,679↑平成23年度と統合↑0.5%---平成25年平成24(2012)年9月30日776,200,938-15,257776,185,681776,185,6810.5%3,880,928388,0934,269,021平成26年平成25(2013)年9月29日1,318,616,001 1,318,616,0011,318,463,3820.5%6,592,317659,2327,251,549平成27年平成26(2014)年9月28日-107,100-45,519-152,619↑平成26年度と統合↑0.5%---合計2,094,709,8395,884, 平成27年平成26(2014)年9月28日-107,100-45,519-152,619↑平成26年度と統合↑0.5%---合計2,094,709,8395,884,219,7147,978,929,5537,978,929,55339,894,6473,989,46543,884,112会計年度売上げ損失額

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