【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理 由 弁護人竹沢哲夫の上告趣意第一点について。 所論は、出資の受入、預
主 文 本件上告を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理 由 弁護人竹沢哲夫の上告趣意第一点について。 所論は、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律二条、一一条は、 契約自由の原則をおかし、憲法二九条、一四条に違反するというのである。 しかし、右法律二条、一一条制定の目的を考えるのに、預金の受入等の受信業務 は、それが一般大衆を目的とするときは、その一般大衆から財貨を受託することに なるのであるから極めて公共的色彩が強く、したがつて、その契約の履行には確乎 たる保障がなければならないとともに、その業務がひとたび破綻をきたすようなこ とがあれば、与信者たる一般大衆に不測の損害を及ぼすばかりでなく、ひいてはこ れら大衆と取引関係に立つ者にまでつぎつぎに被害を拡大して、社会の信用制度と 経済秩序を攪乱するおそれがあり、これを自由に放任することは、預金等を為さん とする一般大衆の地位を保護し、社会の信用制度と経済秩序の維持と発展を図る上 に適当でないので、既に銀行法等他の法律によつて、免許ないし認可を受けた金融 機関等のみに行わせ、それ以外の者がこれを営むことを禁止しているのであるが、 なおこの禁止の趣旨を徹底させるため、本法二条で、預金の受入等の禁止の範囲を 明確にして、他の法律に特別の規定のある者を除く外、何人も業としてこれを行な つてはならないと定め、同一一条で、その違反者に対しては刑罰を科することにし たものであると解される。 されば、右法律二条、一一条は、公共の福祉を維持するため必要でありかつ合理 性のある措置として是認されなければならない。また契約の自由といえども、公共 の福祉維持のため、必要にしてかつ合理的な範囲内において制限を受くべきもので - 1 - あることはいうまでもない りかつ合理 性のある措置として是認されなければならない。また契約の自由といえども、公共 の福祉維持のため、必要にしてかつ合理的な範囲内において制限を受くべきもので - 1 - あることはいうまでもないところであるから、所論憲法二九条違反の論旨は理由が ない。 なお、所論のうち、右法律二条、一一条が憲法一四条に違反する旨主張する部分 は、その違反の具体的理由を明示しないから、上告理由として不適法てある。 同第二点について。 所論は違憲をいうが、その実質は原審で主張判断のない事項に関する単なる法令 違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお、所論法律二条 二項にいわゆる「不特定且つ多数の者」とは、一般大衆を指称するのであり、そし て同条は、その一般大衆を目的として同条所定の行為をしてはならない旨規定して いるのであるから、たまたまその中に少数の親族を含んでいたからといつて、あえ てこれを除外すべきものではないと解するのが相当である。原判決の是認した第一 審判決の確定する事実によれば、本件所為は一般大衆を目的としてなされたもので あることが肯認されるから、所論はひつきよう独自の見解に帰し、採ることを得な い。) 同第三点について。 所論は、単なる法令違反の主張であるばかりでなく、包括一罪として認定された 本件所為につき併合罪を主張するものであり、被告人に不利益な主張をなそうとす るものであるから、上告理由としては許されない。 よつて、刑訴四〇八条、一八一条により、裁判官全員一致の意見で主文のとおり 判決する。 昭和三六年四月二六日 最高裁判所大法廷 裁判長裁判官 横 田 喜 三 郎 裁判官 島 保 - 2 - 裁判官 斎 所大法廷 裁判長裁判官 横 田 喜 三 郎 裁判官 島 保 - 2 - 裁判官 斎 藤 悠 輔 裁判官 藤 田 八 郎 裁判官 河 村 又 介 裁判官 入 江 俊 郎 裁判官 池 田 克 裁判官 下 飯 坂 潤 夫 裁判官 奥 野 健 一 裁判官 高 橋 潔 裁判官 高 木 常 七 裁判官 石 坂 修 一 裁判官 山 田 作 之 助 - 3 -
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