昭和54(オ)580 従業員地位確認

裁判年月日・裁判所
昭和55年5月30日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所 昭和52(ネ)770
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人松本健男、同在間秀和、同正木孝明の上告理由について  一 原審が適法

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判決文本文3,990 文字)

主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人松本健男、同在間秀和、同正木孝明の上告理由について  一 原審が適法に確定した事実関係は、およそ次のとおりである。  (一) 上告人は、昭和四三年三月大阪府立の高等学校を卒業、一時学校の事務職 員として就職したが、同四四年六月三〇日退職し、同年八月被上告人近畿電気通信 局(以下「近畿電通局」という。)の社員公募に応じ、同年九月七日に一次試験( 適性検査、一般教養筆記試験、作文)を受けてこれに合格し、同月二六日に二次試 験(面接、健康診断)を受け、その際同時に、高等学校卒業証明書、同成績証明書、 戸籍抄本及び健康診断書を提出し、同年一〇月上旬に身元調査があり、同年一一月 一〇日ころに近畿電通局長名義の同月八日付の本件採用通知を受領した。  (二) 本件採用通知には、(1) 上告人を昭和四五年四月一日付で被上告人にお いて採用すること、(2) 上告人を仮に大阪北地区管理部に配置し、別途、上告人 の通勤が可能である管内の局所に正式に配置すること、(3) 採用職種は機械職と し、身分は見習社員とすること、(4) 入社前に再度健康診断を行い、異常があれ ば採用を取り消すことがあること、(5) 入社を辞退する場合は、速やかに被上告 人所定の事務所に書面でその旨を連絡することなどが記載されており、併せて、そ の同封書類として、身元保証書用紙、誓約書用紙及び「貸与被服の号型調査につい て」と題する書面が被上告人から上告人に送達された。  (三) 上告人は、所定期限であつた昭和四四年一二月二〇日までに、被服号型報 告表に所定事項を記載して近畿電通局長に送付した。また、昭和四五年元旦に、被 上告人の大阪北地区管理部長から「来る四月からの上告人の入社を歓迎する」旨の であつた昭和四四年一二月二〇日までに、被服号型報 告表に所定事項を記載して近畿電通局長に送付した。また、昭和四五年元旦に、被 上告人の大阪北地区管理部長から「来る四月からの上告人の入社を歓迎する」旨の - 1 - 年賀状を受領し、更に右管理部長から「懇談会の御案内と諸行事のお知らせ」と題 する同年二月三日付書面を受領したので、それに従つて入社懇談会に出席し、約四 〇〇名の出席者とともに、被上告人の事業内容について説明を受けたうえ、健康診 断を受け、次いで同年三月中旬入社前教育の一環として、大阪府池田電報電話局を 見学した。  (四) 被上告人に勤務する者は、役員、職員及び準職員に区分され、そのうち準 職員は、更に見習社員、特別社員等に区分されるが、いずれも二か月以内の期間を 定めて雇用する者であるところ、見習社員とは、職員に採用することを予定して雇 用される者をいうものである。  (五) 被上告人の見習社員の採用については、「職員及び準職員採用規程」及び 「準職員の雇用等に関する取扱について」と題する通達があり、それらによれば、 募集、採用試験、身上調査、誓約書・身元保証書・戸籍の謄本又は抄本の提出、就 業規則の指示説明等について規定がなされており、見習社員に採用することに決定 した者に対しては、誓約書、身元保証書、戸籍の謄本又は抄本を提出させた後にお いて、辞令書を交付するものとし、右各書類を所定期日までに提出しなかつた者に ついては、その採用を取り消し得る旨が定められている。  (六) 上告人は、高等学校卒業後a地区D委員会に所属し、その指導的地位にあ つた者であるが、昭和四四年一〇月三一日午後九時ころに大阪鉄道管理局前におい て開催された国鉄労働組合及び動力車労働組合の機関助士廃止反対に関する集会に 右地区D委員会の一員として参加し、場所を移動すべく、約五〇名の集団を 四四年一〇月三一日午後九時ころに大阪鉄道管理局前におい て開催された国鉄労働組合及び動力車労働組合の機関助士廃止反対に関する集会に 右地区D委員会の一員として参加し、場所を移動すべく、約五〇名の集団を指揮し て車道に入り、シユプレヒコールをしながら車道上をデモした際、その先頭に立つ て笛を吹き、約五〇メートル移動した際に、待機中の警察機動隊によつて無届デモ として規制を受け、大阪市公安条例違反及び道路交通法違反の現行犯として逮捕さ れ、右行為につき、同年一二月一一日に起訴猶予処分を受けた。 - 2 -  (七) 被上告人は(六)の事実を知らずに本件採用通知をしたのであるが、被上告 人の職場の一部においては、昭和四四年秋ころから同四五年初にかけて、D委員会 に所属ないし同調する被上告人の職員によつて、種々の激烈な闘争行為がなされ、 そのため、職場の秩序が混乱し、業務の遂行も阻害されたことがあり、同年三月六 日ころ被上告人において上告人が前記のとおり逮捕・起訴猶予処分を受けた事実を 探知するに至つたため、近畿電通局長は上告人に対し、本件採用通知による採用を 同月二〇日付で取り消す旨の本件採用取消通知をなし、それが翌二一日上告人に到 達した。  二 以上の事実関係によれば、被上告人から上告人に交付された本件採用通知に は、採用の日、配置先、採用職種及び身分を具体的に明示しており、右採用通知の ほかには労働契約締結のための特段の意思表示をすることが予定されていなかつた と解することができるから、上告人が被上告人からの社員公募に応募したのは、労 働契約の申込みであり、これに対する被上告人からの右採用通知は、右申込みに対 する承諾であつて、これにより、上告人と被上告人との間に、いわゆる採用内定の 一態様として、労働契約の効力発生の始期を右採用通知に明示された昭和四五年四 月一日とする労 からの右採用通知は、右申込みに対 する承諾であつて、これにより、上告人と被上告人との間に、いわゆる採用内定の 一態様として、労働契約の効力発生の始期を右採用通知に明示された昭和四五年四 月一日とする労働契約が成立したと解するのが相当である。もつとも、前記の事実 関係によれば、被上告人は上告人に対し辞令書を交付することを予定していたが、 辞令書の交付はその段階で採用を決定する手続ではなく、見習社員としての身分を 付与したことを明確にするにとどまるものと解すべきである。そして、右労働契約 においては、上告人が再度の健康診断で異常があつた場合又は誓約書等を所定の期 日までに提出しない場合には採用を取り消しうるものとしているが、被上告人によ る解約権の留保は右の場合に限られるものではなく、被上告人において採用内定当 時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であつて、これを理 由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合 - 3 - 理的と認められ社会通念上相当として是認することができる場合をも含むと解する のが相当であり、本件採用取消の通知は、右解約権に基づく解約申入れとみるべき である。したがつて、採用内定を取り消すについては、労働契約が効力を発生した 後に適用されるべき日本電信電話公社法三一条、日本電信電話公社職員就業規則五 五条、日本電信電話公社準職員就業規則五八条の規定が適用されるものでないこと も明らかである。  ところで、前記の事実関係からすれば、被上告人において本件採用の取消をした のは、上告人がD委員会に所属し、その指導的地位にある者の行動として、大阪市 公安条例等違反の現行犯として逮捕され、起訴猶予処分を受ける程度の違法行為を したことが判明したためであつて、被上告人において右のような違法行為を積極的 に敢行した上告人 位にある者の行動として、大阪市 公安条例等違反の現行犯として逮捕され、起訴猶予処分を受ける程度の違法行為を したことが判明したためであつて、被上告人において右のような違法行為を積極的 に敢行した上告人を見習社員として雇用することは相当でなく、被上告人が上告人 を見習社員としての適格性を欠くと判断し、本件採用の取消をしたことは、解約権 留保の趣旨、目的に照らして社会通念上相当として是認することができるから、解 約権の行使は有効と解すべきである。したがつて、原審が、上告人の採用試験への 参加等が労働契約の申込みに、辞令書の交付が右契約の承諾にあたり、これに先立 つてなされた本件採用通知は以後の手続を円滑に進展させるための事実上の通知に すぎず、労働契約的な関係を生ぜしめるものではないと判断したところは失当であ るが、上告人の本訴請求は理由がないと判示しているから、原審の判断は、その結 論において正当として是認することができる。論旨は、結局理由がなく原判決に所 論の違法はない。所論違憲の主張は、ひつきよう、原審の事実認定を非難するもの にすぎない。論旨は、いずれも採用することができない。  よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主 文のとおり判決する。      最高裁判所第二小法廷 - 4 -          裁判長裁判官    宮   崎   梧   一             裁判官    栗   本   一   夫             裁判官    木   下   忠   良             裁判官    塚   本   重   頼             裁判官    鹽   野   宜   慶 - 5 - 頼             裁判官    鹽   野   宜   慶 - 5 -

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