【DRY-RUN】主 文 本件再上告を棄却する。 理 由 弁護人小川益太郎の再上告趣意について。 本件第一審判決は、被告人が昭和二一年七月二〇日大蔵省告示第五八一号の有效 期
主文本件再上告を棄却する。 理由弁護人小川益太郎の再上告趣意について。 本件第一審判決は、被告人が昭和二一年七月二〇日大蔵省告示第五八一号の有效期間中に右告示指定の販売価格の統制額を超えてりんごを販売した行為を、右告示廃止後において処罰し、原判決もこれを維持したのである。論旨はこれを以て旧刑訴三六三条二号に違反するものと主張するのであるが、このような単なる訴訟法違反の主張は適法な再上告の理由とならない(最高裁判所昭和二三年(れ)第四八八号同二五年一一月一五日言渡大法廷判決参照)。また憲法三九条前段に「既に無罪とされた行為については刑事上の責任を問われない」というのは、所論のように行為時の法令によれば有罪であつたものが裁判時の法令に従えば無罪である行為につき刑事上の責任を問われないという趣旨ではなく、既に無罪の裁判のあつた行為については再び刑事上の責任を問われないという趣旨であるから、原判決はこの規定に牴触するところはない。論旨は、憲法三九条前段後半を右のように解するときは、行為時の法令によれば有罪であつた行為がその後、法令の変更によつて裁判時には無罪とされる場合につき憲法の規定を欠くに至ると非難するけれども、このよう場合については憲法は自ら規定することなく、これを刑法、刑訴法等の法令の規定するところに委ねているものと解されるのであるから、右の非難はあたらない。論旨はいずれの点も理由がない。 よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。 この判決は裁判官眞野毅の少数意見を除く外裁判官一致の意見によるものである。 裁判官眞野毅の少数意見は次ぎのとおりである。 本件のごとく裁判時に告示が廃止されている場合には破棄免訴にするを相当とす- 1 -る(その詳細は最高裁判所判例集四巻一〇号一 見によるものである。 裁判官眞野毅の少数意見は次ぎのとおりである。 本件のごとく裁判時に告示が廃止されている場合には破棄免訴にするを相当とす- 1 -る(その詳細は最高裁判所判例集四巻一〇号一九八三頁以下参照)。 検察官安平政吉関与昭和二六年五月三〇日最高裁判所大法廷裁判官澤田竹治郎裁判官霜山精一裁判官井上登裁判官栗山茂裁判官眞野毅裁判官小谷勝重裁判官島保裁判官齋藤悠輔裁判官藤田八郎裁判官岩松三郎裁判官河村又介裁判長裁判官塚崎直義は退官につき、裁判官長谷川太一郎、裁判官穂積重遠は差し支えにつきいずれも署名押印することができない。 裁判官澤田竹治郎- 2 -
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