平成14(わ)1855 恐喝,詐欺,贈賄,傷害致死,傷害

裁判年月日・裁判所
平成19年1月31日 千葉地方裁判所
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判決文本文18,495 文字)

- 1 -平成19年1月31日宣告平成14年(わ)第1855号,第1998号,第2168号,第2841号恐喝,詐欺,贈賄,傷害致死,傷害被告事件主文被告人を懲役16年に処する。 未決勾留日数中850日をその刑に算入する。 訴訟費用は証人Aに支給した分の2分の1を除き全部被告人の負担とする。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,第1氏名不詳者数名と共謀の上,平成11年9月14日午後11時30分ころ,千葉県柏市ab丁目b番c号B4階所在のスナック「C」店内において, D(当時55歳)に対し,その後頭部等を所携の金属バット等で殴打するなどの暴行を加え,よって,同人に硬膜下血腫,脳挫傷等の傷害を負わせ,その結果,同月15日午前8時9分ころ,埼玉県川口市de丁目f番g号所在の医療法人E病院において,上記Dを上記傷害に基づく外傷性脳障害により死亡させ F(当時42歳)に対し,その左腕及び頭部等を所携の金属バット等で殴打するなどの暴行を加え,よって,同人に全治約1か月を要する見込みの左尺骨骨幹部骨折,頭部打撲・挫創等の傷害を負わせ A(当時35歳)に対し,その頭部にテーブルを投げ付けるなどの暴行を加え,よって,同人に全治約1週間を要する見込みの頭部挫創の傷害を負わせ第2上記傷害致死等の被告事件の被告人として,平成12年4月14日から千葉市若葉区h町i番地所在のG刑務所に勾留されていたものであるが,1(1)同年11月下旬ころから平成13年1月上旬ころまでの間,数回にわた- 2 -り,法務事務官看守として同刑務所処遇部処遇部門に勤務し,同刑務所の被収容者の処遇及び同刑務所内の巡回警備等の職務に従事していたIより,不正に食料品及び携帯電話の差し入れを受けるなど,便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼及び今後も同様に便宜な取り ,同刑務所の被収容者の処遇及び同刑務所内の巡回警備等の職務に従事していたIより,不正に食料品及び携帯電話の差し入れを受けるなど,便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼及び今後も同様に便宜な取り計らいを得たいとの趣旨の下に,同月中旬ころ,H株式会社G駅東口広場付近所在のG駅前交番付近路上において,上記Iに対し,氏名不詳者をして,現金15万円を供与させ,(2)上記のとおり,上記Iより,不正に食料品及び携帯電話等の差し入れを受け,さらに,同月中旬ころ,数回にわたり,不正に食料品及び携帯電話等の差し入れを受けるなど,便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼及び今後も同様に便宜な取り計らいを得たいとの趣旨の下に,同月26日ころ,上記G刑務所内において,上記Iに対し,収入印紙48枚(額面合計4万1900円)を供与し,(3)上記のとおり,上記Iより,不正に食料品及び携帯電話等の差し入れを受け,さらに,同月下旬ころから平成14年4月上旬ころまでの間,多数回にわたり,不正に食料品及び携帯電話数台等の差し入れを受けるなど,便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼及び今後も同様に便宜な取り計らいを得たいとの趣旨の下に,同月上旬ころ,千葉市若葉区j町kのl所在の「J店」駐車場において,上記Iに対し,Kをして,野球観戦券3枚を供与させ,もってそれぞれ上記Iが職務上不正な行為をしたことに関し賄賂を供与し,, 上記I(当時23歳)が被告人に対する不正な携帯電話等の差し入れの発覚を恐れていたことに乗じて,同人から金員を喝取しようと企て,別表記載のとおり,Lほか数名と共謀の上,同年5月3日正午ころから同年6月29日午後ころまでの間,被告人において,多数回にわたり,いずれも上記G刑務所内から,上記Iに対し,携帯電話を使用して電話をかけ,「貸してもらえない か数名と共謀の上,同年5月3日正午ころから同年6月29日午後ころまでの間,被告人において,多数回にわたり,いずれも上記G刑務所内から,上記Iに対し,携帯電話を使用して電話をかけ,「貸してもらえないと300万円の損害が出るから,もしそうなったら,お前300万円弁償できるの- 3 -か。今までのことをばらされたくなかったら用意しろ」「100万円用意しろ。 お前,今日,帰さないからな。消費者金融とか行ってでも借りてこい」「1000万円お前が払え。親を殺して保険金で払え。俺の若い者に殺させれば,お前にお金が下りるだろう。それができないんだったら,実家の土地を担保にしてでもお金を作れ」などと語気鋭く申し向けて金員の交付を要求し,もしこの要求に応じなければ,上記I又はその親族の生命・身体・名誉等にいかなる危害をも加えかねない気勢を示して同人を畏怖させ,よって,同年5月3日午後6時ころから同年6月30日正午ころまでの間,前後10回にわたり,同人に,埼玉県草加市m町nのoM荘1階所在のゲーム店「N」店内ほか7か所において,上記L等に対して現金を交付させるなどし,もって上記Iから現金合計630万円を喝取し Oが上記G刑務所に勾留されていることを聞知するやこれを奇貨として,同人の親族を欺いて金員を交付させようと企て,氏名不詳者らと共謀の上,(1)同月16日午後零時6分ころから同日午後5時43分ころまでの間,数回にわたり,携帯電話を使用して,上記G刑務所内から千葉県松戸市pq番地のr所在の上記O方へ電話し,同人の妻であるP(当時59歳)に対し,上記Oの弁護人であるQ弁護士の事務所の事務員を装い,真実は,上記Oの保釈が許されるよう活動する意思もなく,入手した金員は,直ちに自己の用途に費消する意図であるのにこれを秘し,「Qの事務をしているRです」「御主 であるQ弁護士の事務所の事務員を装い,真実は,上記Oの保釈が許されるよう活動する意思もなく,入手した金員は,直ちに自己の用途に費消する意図であるのにこれを秘し,「Qの事務をしているRです」「御主人が保釈されそうです」「今回のこととは関係ないが,新たにS,市長,Oの金銭の流れの中で3700万円が見付かったということです。このことを解決しないと疑いの元となるので,Q先生が領収証をもらうということで話をつけました」「533万円を振り込んでください」などと申し向け,同女をしてその旨誤信させ,よって,同月17日午前9時7分ころから同日午前9時18分ころまでの間,同女をして,T銀行s支店(当時)より,同銀行t支店(当時)に開設された株式会社U名義の普通預金口座に,現金合計- 4 -533万円を振込送金させ,(2)同日午前10時3分ころから同月18日午前7時3分ころまでの間,数回にわたり,携帯電話を使用して,上記G刑務所内から上記O方へ電話し,上記Pに対し,上記Q弁護士の事務所の事務員を装い,真実は,上記Oの保釈が許可されるよう活動する意思もなく,また,保釈金を立て替えた事実もなく,入手した金員は,直ちに自己の用途に費消する意図であるのにこれを秘し,「入金していただき,ありがとうございます」「保釈が決まりました。 19日,10時30分です」「800万円,Q経理事務所に入金してください」「入金は間に合わなかったけれども,保釈は大丈夫です。こちらで立て替えておきました」「美容師をしている弟が立て替えてくれたので大丈夫だけれども,明日弟が使うお金なので,朝振り込んでほしい」「Vという人の名前で振り込んでください」などと申し向け,さらに,引き続き,氏名不詳者が,某所から上記O方へ電話し,上記Pに対し,「兄から電話番号を聞きました。朝からすみませんが, り込んでほしい」「Vという人の名前で振り込んでください」などと申し向け,さらに,引き続き,氏名不詳者が,某所から上記O方へ電話し,上記Pに対し,「兄から電話番号を聞きました。朝からすみませんが,今日使うので,よろしくお願いします」などと申し向け,同女をしてその旨誤信させ,よって,同日午前9時20分ころから同日午前9時31分ころまでの間,W銀行s支店より,同銀行a駅前支店に開設されたV名義の普通預金口座に,現金合計800万円を振込送金させ,もって,それぞれ,人を欺いて財物を交付させたものである。 (事実認定等に関する補足説明)第1判示第2の各事実について 証人I(以下「I」という。)の供述記載の信用性について本件における証拠関係において,公判調書中の証人Iの供述記載は,判示第2の1(贈賄)の各事実のうち,被告人がIに対し第三者をして交付させ,又は自ら交付した金額又は収入印紙の数量及びそれらの交付の趣旨,判示第2の- 5 -2(恐喝)の各事実のうち,被告人の関与の有無及びその内容並びに被告人がIから喝取した金額,並びに判示第2の3(詐欺)の各事実のうち,被告人の関与の有無等を認定するに際し,最も重要な証拠と位置付けることができるが,以下のとおり,基本的にその信用性を十分具備しているものと認められる。 すなわち,本件は,G刑務所に勾留収容中の被告人による刑務所看守に対する一連の行為が犯罪を構成するとして公判請求されている事案であって,その態様自体極めて特異であるところ,Iは,比較的経験の浅い若年の看守で,Iが供述する内容は,同人にとって衝撃的な経験というべきものである上,平成14年7月1日の不正行為発覚後,G刑務所関係者による調査及び捜査官による取調べを繰り返し受けたというのであるから,同人が経験した事実に関する限り,その認識 衝撃的な経験というべきものである上,平成14年7月1日の不正行為発覚後,G刑務所関係者による調査及び捜査官による取調べを繰り返し受けたというのであるから,同人が経験した事実に関する限り,その認識及び記憶保持に過誤が介在する可能性は極めて低いとみることができる。また,Iの供述は,基本的部分において客観的証拠等と整合的であったり,自然かつ具体的でもあったりするということができ,不正行為発覚後,一貫していることもうかがわれ,被告人側の執ようかつ長時間にわたる反対尋問によっても,何ら揺らぐところがないものであるから,その内容の基本的部分に虚偽又は過誤が介在する可能性も極めて低いというべきである。そして,Iの供述に反する被告人の供述は,被告人が一部を除いて自認する,被告人のIに対する働き掛け及びこれを受けたIによる不正行為の内容,被告人がIに対して恐喝行為を継続したことなど関係証拠上も明らかに認められる事実関係に照らし,不自然かつ不合理な諸点が見受けられるほか,場当たり的で顕著な変遷と評価せざるを得ない供述を繰り返していたものであるから,その信用性は乏しい。 したがって,公判調書中の証人Iの供述部分は,基本的に採用することができる。 なお,弁護人は,被告人の供述の変遷並びに被告人の最終的な供述内容が従前の私選弁護人らの主張及びその下での主張・供述と齟齬する点が見受けられ- 6 -ることにつき,従前の私選弁護人らとの意思疎通が不十分なまま供述してきたことによって惹起されたものであるから,これを被告人供述の信用性判断に当たって不利に考慮すべきではないなどと主張する。しかし,被告人と従前の私選弁護人らとの間にその主張するような関係があったとしても,被告人にとっての真実はひとつであったはずであり,従前の訴訟経緯にかんがみ,被告人においてこれを供述 どと主張する。しかし,被告人と従前の私選弁護人らとの間にその主張するような関係があったとしても,被告人にとっての真実はひとつであったはずであり,従前の訴訟経緯にかんがみ,被告人においてこれを供述し,主張するような私選弁護人らの主張を是正することに何らの障害もなかったというべきであるから,先に指摘したような被告人の供述の変遷等がその信用性を大きく減殺することとなるのは当然というべきであって,この点に関する弁護人の主張は採用することができない。 判示第2の1(贈賄)の各事実について弁護人は,被告人の供述を前提として,判示第2の1(贈賄)(1),(2)の各事実につき,被告人がIに対し第三者をして交付させ,又は自ら交付した金額又は収入印紙の数量を争うとともに,被告人は,Iが被告人に対して行った飲食品の差し入れ等に要した実費を清算する目的であったもので,賄賂性の認識を有していなかったなどと主張する。しかし,I証人の供述部分が基本的に信用できることは上述のとおりであるばかりか,同証人は,被告人による度重なる異議にもかかわらず,被告人から,携帯電話2台の差し入れと絡め,15万円を渡すと言われ,従前の10万円という話から金額が上がったこと,金額の多さに驚いた,その話を聞いて今まで携帯電話や食料品を差し入れた便宜への賄賂と理解した,受領した金額は15万円で一万円札15枚だったなどと明確かつ具体的に供述しているなど,十分に信用性を肯認できるものである。 また,被告人の供述を前提としても,具体的な実費額自体に相当する金額だったというものではなく,交付された金銭等は正に被告人が不正行為の対価として交付したことを意味するものと解さざるを得ないのであって,被告人自身にもその対価性の認識があったことを基礎付けているといえるから,被告人において賄賂としての法的 等は正に被告人が不正行為の対価として交付したことを意味するものと解さざるを得ないのであって,被告人自身にもその対価性の認識があったことを基礎付けているといえるから,被告人において賄賂としての法的評価を有していたか否かなどは故意の認定を左右するも- 7 -のではないというべきである。 さらに,弁護人は,判示第2の1(贈賄)(3)の事実につき,被告人がIに対し第三者をして交付させた野球観戦券は,儀礼的あいさつの意味合いしか有せず,賄賂として評価することはできないなどと主張する。しかし,被告人とIとは,刑事施設被収容者と看守という関係にあったのであるから,贈答等の社交的儀礼の観念を入れる余地はないというべきであり,この点に関する弁護人の主張は前提を欠くものといわざるを得ない。 結局,公判調書中の証人Iの供述部分等の関係各証拠によれば,判示のとおりの事実を認定することができる一方,この点に関する弁護人の主張はいずれも採用することができない。 判示第2の2(恐喝)の各事実に関する弁護人の主張について弁護人は,被告人の供述を前提として,判示第2の2(恐喝)別表番号3の事実につき喝取した金額を,同別表番号5上段の事実及び同別表番号6の事実につき被告人の関与を,それぞれ争う。 しかし,この事実を裏付けるI証人の供述部分が基本的に信用できることは先述のとおりである。 被告人は,判示第2の2(恐喝)別表番号5上段の事実につき,主張,供述内容に変遷はあるものの,最終的には,Iに対し,100万円といった類の金を用意するように脅しつけたことはあったとしつつ,同人をこれ以上追い詰めれば同人が上司に相談するなどして犯行が発覚する危険性が高いなどと判断したため,Lに対して実行中止を指示し,Iにも帰っていいと述べたなどと供述する。しかしながら,被告人は,同日午後 これ以上追い詰めれば同人が上司に相談するなどして犯行が発覚する危険性が高いなどと判断したため,Lに対して実行中止を指示し,Iにも帰っていいと述べたなどと供述する。しかしながら,被告人は,同日午後11時ころ40万円を受領したことについてはこれを認めているところ,その金員要求経緯につき変遷を伴っているのみならず,その後1か月と経過していない時点において,Iに対し,親族の生命侵害をにおわせる苛烈な恐喝文言を用いて更なる恐喝行為に及んでいるのであって(同別表番号7),この点に関する被告人の供述は不自然かつ不合- 8 -理なものというほかなく到底採用することはできない。これに反し,証人Iは,被告人がLたちに20万円渡せと言ったから渡したものである,被告人が100万円用意しろと言っていたので,その後消費者金融業者からの金員借入等の手続に向かったなどと,当日の被害状況について詳細に供述し,その間,Iが,被告人の共犯者とされる者と行動を共にするよう命じられこれに応じていた状況は認められるものの,被告人が供述するような帰宅を許されたなどといった事情は全くうかがうことはできず,これらの点からしても被告人の供述は採用し難いといわざるを得ない。 また,弁護人は,同別表番号6の事実につき,被告人においてIを大阪から来た男に引き合わせその男の仕事に協力させるつもりはあったが,Iが恐喝されていることは知らず,大阪の男との共謀は一切なかったと主張する。しかし,証人Iは,被告人からの協力依頼の後,大阪の男から金員交付を求められ,被告人に60万円しか集められなかった旨伝え,被告人から承諾を得た上で大阪の男に60万円を渡したと供述しているのであり,このことは被告人において,大阪の男と意思を通じていたことを前提としているものと評価することができる。 これらの点に関する 被告人から承諾を得た上で大阪の男に60万円を渡したと供述しているのであり,このことは被告人において,大阪の男と意思を通じていたことを前提としているものと評価することができる。 これらの点に関する被告人の供述は,変遷を伴った一貫性に欠けるもので,その信用性は乏しいといわざるを得ず,結局,公判調書中の証人Iの供述部分等の関係証拠によれば,判示の各事実は合理的疑いを入れることなく認定することができる一方,この点に関する弁護人の主張は採用することができない。 なお,弁護人は,判示第2の2(恐喝)別表番号5上段の事実に関する主張に関連して,当裁判所が弁護人請求に係るLの証人尋問を採用しなかったことを非難するが,本件の審理経過を踏まえての,上記で検討した証拠関係に照らせば,その主張が失当であることは明らかである。 判示第2の3(詐欺)の各事実について公判調書中の証人Iの供述部分によれば,「PDC通話料金明細内訳票」と- 9 -題する書面は,被告人がG刑務所内においてIにより差し入れられ不正に使用していた携帯電話の通話料金明細であると認められ,同書面その他関係各証拠によれば,判示第2の3(詐欺)記載の日時において当該携帯電話からO方へ発信されていることが認められる。このような証拠状況にあって,被告人は,G刑務所における看守の巡回状況,テレビカメラ,センサー及び携帯電話を遮断する防犯線等の設置状況,それらによる監視・警備状況,細密捜検の実施状況等に言及し,弁護人は,被告人の供述のほか,G刑務所において作成された動静経過表及び運動実施簿の記載内容からうかがわれる被告人の行動,「PDC通話料金明細内訳票」と題する書面から認められる当該携帯電話からの発信状況等を指摘して,被告人が当該携帯電話を専有使用していたことに疑問を提起するなどするとともに,そ がわれる被告人の行動,「PDC通話料金明細内訳票」と題する書面から認められる当該携帯電話からの発信状況等を指摘して,被告人が当該携帯電話を専有使用していたことに疑問を提起するなどするとともに,そもそもIが舎房内の被告人に携帯電話を差し入れることは不可能であるなどと主張し,判示第2の3(詐欺)の各事実における被告人の関与を争っている。 しかし,被告人は,G刑務所において,弱みを握るなどして多数の看守をろう絡し,看守等の個人情報,テレビカメラ,センサー及び防犯線等の設置状況並びにそれらによる監視・警備状況に関する情報等を自由に入手したり,細密捜検を骨抜きにしたりしていたなどとの供述を繰り返しており,実際にIにより不正行為が行われ同人が刑事責任を問われていることからも明らかなように,被告人による同刑務所職員に対する不正な働き掛けの存在に関する供述は,相応に信用性が高いとみることができるところ,このような事情を踏まえて検討すれば,弁護人が指摘する被告人に関する動静経過表及び運動実施簿の記載内容の正確性には相当程度疑問を抱かざるを得ず,これらの記載内容をもって「PDC通話料金明細内訳票」と題する書面から認められる本件にかかわる発信への被告人の関与が特段困難であったと考えることはできない。のみならず,上記の状況に照らせば被告人の意を体した携帯電話の操作を同刑務所職員にさせることさえも可能であったということができる。また,被告人自身自認する,- 10 -Iによる被告人に対する食料品の差し入れ等の不正行為の存在に加え,平成14年7月1日の不正行為発覚後のIの言動等に照らしても,同人の携帯電話に関する供述の信用性は高度であると認められ,Iが舎房内の被告人に携帯電話を差し入れることは不可能であるなどとの弁護人の主張は採用し難い。 そして,公判調書中の Iの言動等に照らしても,同人の携帯電話に関する供述の信用性は高度であると認められ,Iが舎房内の被告人に携帯電話を差し入れることは不可能であるなどとの弁護人の主張は採用し難い。 そして,公判調書中の証人Iの供述部分その他関係各証拠によれば,被告人は,平成14年6月18日ころ,「X」なる人物から,700万円の送金を受けた上,その後,Iに対し,その原資につき,「Oの家からだまし取った」「弁護士のふりをして保釈金をだまし取った」などと説明していたことが認められ,これら関係各証拠とこれらにより認められる事実を総合すれば,判示のとおりの事実を認定することができる一方,この点に関する被告人及び弁護人の主張は採用の限りでない。 なお,判示第2の3の各事実における共犯者らの存在等を考慮すれば,詐取金額と送金額との不一致は,何ら不自然ではないというべきである。また,弁護人は,先の主張に関連して,当裁判所が弁護人請求に係るYの証人尋問をいったん採用したものの,同人が公判期日に出頭しなかったことから,その採用を取り消したこと及びXの証人尋問を採用しなかったことを非難する主張をしているが,これまで検討した証拠関係のほか,後に検討する本件の審理経過を前提とすれば,その主張も失当であるといわざるを得ない。 小括以上のとおり,判示第2の各事実は合理的疑いを入れることなく認定することができ,これを左右するに足りる的確な証拠はない。 第2公訴棄却の主張について被告人は,平成12年1月15日及び同年3月21日に提起された各公訴(判示第1の1から3までに対応するもの)につき,①違法な身柄拘束に引き続き提起された公訴である,②起訴状謄本を刑事施設内で受領していない,③訴因が不特定であるなどとして,公訴棄却を求めていたので付言するに,②の主張に沿う- 11 -証拠は被 ①違法な身柄拘束に引き続き提起された公訴である,②起訴状謄本を刑事施設内で受領していない,③訴因が不特定であるなどとして,公訴棄却を求めていたので付言するに,②の主張に沿う- 11 -証拠は被告人の供述のみであるところ,先に指摘した被告人の供述態度等を総合考慮すれば,これを採用することは到底できず,一件記録によれば,身柄拘束の適法性及び起訴状謄本の送達が適式に行われていることは明らかである。また,①,③の主張は,公訴提起又は訴因に対する被告人の独自の理解に基づくもので,主張自体失当である。 したがって,この点に関する被告人の主張は採用することができない。 (累犯前科)被告人は,平成7年4月17日u地方裁判所で詐欺罪により懲役3年に処せられ(平成9年11月12日確定),平成10年11月20日その刑の執行を受け終わった者であり,この事実は,検察事務官作成の前科調書によって認められる。 (法令の適用) 罰条(1)判示第1の1の所為につき,刑法60条,205条(刑の長期は,行為時においては平成16年法律第156号による改正前の刑法(以下「改正前刑法」という。)12条1項に,裁判時においてはその改正後の刑法(以下「改正後刑法」という。)12条1項によることとなるが,これは犯罪後の法律によって刑の変更があったときに当たるから,刑法6条,10条により軽い行為時法の刑による。)(2)判示第1の2,3の各所為につき,いずれも刑法60条,改正前刑法204条(それぞれ行為時においては刑法60条,改正前刑法204条に,裁判時においては刑法60条,改正後刑法204条によることとなるが,前同様に軽い行為時法の刑による。)(3)判示第2の1(1)から(3)までの各所為につき,いずれも刑法198条(4)判示第2の2別表番号1から7までの各所為につき,いず 04条によることとなるが,前同様に軽い行為時法の刑による。)(3)判示第2の1(1)から(3)までの各所為につき,いずれも刑法198条(4)判示第2の2別表番号1から7までの各所為につき,いずれも刑法60条,249条1項(別表番号2及び5にあってはそれぞれ包括一罪)- 12 -(5)判示第2の3(1),(2)の各所為につき,いずれも刑法60条,246条1項 刑種の選択判示第1の2,3,第2の1(1)から(3)までの各罪につき,いずれも懲役刑 累犯加重判示の各罪につき,いずれも刑法56条1項,57条(それぞれ上記前科があるから,再犯の加重)判示第1の1の罪につき,更に改正前刑法14条(上記前科があるから,再犯の加重。なお,刑の加重の上限は,行為時においては改正前刑法14条に,裁判時においては改正後刑法14条2項によることとなるが,前同様に軽い行為時法の刑による。) 併合罪の処理判示の各罪刑法45条前段,47条本文,10条,改正前刑法14条(犯情の最も重い判示第1の1の罪の刑に法定の加重。なお,刑の加重の上限は,行為時においては改正前刑法14条に,裁判時においては改正後刑法14条2項によることとなるが,前同様に軽い行為時法の刑による。) 未決勾留日数の本刑算入刑法21条 訴訟費用刑事訴訟法181条1項本文(負担)(未決勾留日数の本刑算入に関する補足説明)被告人の未決勾留日数は合計2590日余り,本件の審理に要した公判期日は,判決宣告期日を含め,合計73回に上るところ,検察官は,本件の審理経過及びその間にあっての被告人の応訴態度にかんがみ,訴訟長期化の原因は被告人に帰責事由があり,未決勾留日数は一切これを本刑に算入すべきではない旨主張し,弁護人は,本件の審理期間を公判期日の回数で除した数値がほかの刑事公 の被告人の応訴態度にかんがみ,訴訟長期化の原因は被告人に帰責事由があり,未決勾留日数は一切これを本刑に算入すべきではない旨主張し,弁護人は,本件の審理期間を公判期日の回数で除した数値がほかの刑事公判請求事件と大差ないとして,被告人は,審理促進に協力的であったなどと主張する一方,審理が- 13 -長期化した要因として,傷害(判示第1の2,3)の追起訴及び当初審理していたs支部から当庁への回付後の審理再開の遅延を指摘したり,被告人による反対尋問等の訴訟行為につき,検察官による証拠請求を撤回させるとの成果を挙げた例があるとか,従前の私選弁護人らの弁護方針に従ったにすぎないなどとし,裁判所が被告人側の不適切な対応に対し,退廷命令等を含む強力な訴訟指揮権等に基づく措置を怠ったなどの指摘をするほか,他の訴訟関係人にも相応の責任があるなどとして,遅延の責任を全て被告人に転嫁すべきでないなどと種々の主張をしているので,この点について若干補足説明を加える。 なるほど,裁判所の訴訟指揮権の行使の点を含め,本件審理長期化の原因全てが被告人のみに起因するものであるといえないことは,本件の審理経過にかんがみて肯認でき,弁護人の指摘にも首肯できる点が存在するといえる。しかし,追起訴及び回付後の審理再開までの期間の点についてみると,傷害致死(判示第1の1)の起訴日が平成12年1月15日,傷害(判示第1の2,3)の起訴日が同年3月21日,第1回公判期日が同月27日,第2回公判期日が同年5月1日であることからすれば,傷害の追起訴が当初の起訴から2か月を経ているとはいえ,上記のような公判開廷数を要する程の審理長期化に影響を与えた要因のひとつと評価することはできず,また,当庁への回付後の審理再開が遅れた理由には,当時の私選弁護人らの解任,辞任等があった上(Zにつき平成1 ような公判開廷数を要する程の審理長期化に影響を与えた要因のひとつと評価することはできず,また,当庁への回付後の審理再開が遅れた理由には,当時の私選弁護人らの解任,辞任等があった上(Zにつき平成15年3月8日解任,A1につき同年1月17日再選任及び同年3月5日辞任),被告人により,既に選任されていた私選弁護人ではなく,全く新たに選任された私選弁護人が主任弁護人に指定され,その準備に期間を要したことなどの要因の存在も指摘できる。さらに,本件審理に当たって,訴訟追行を自ら中心となって行ってきたと評価できる被告人による訴訟行為が,理由の認められない異議を繰り返して主尋問の円滑な進行を阻害するものであったり,関連性や必要性の乏しい本来の立証命題から外れるとみられる点について執ように質問を繰り返したりするものであるなどして,それらのことが関係人を混乱させる事態を生じさせるなどし,その結果として検察官による立証方針の転換,- 14 -ひいては,長期化した訴訟の早期終局へ向け,検察官において当初予定していた立証を撤回するという場面を生じさせるなどしてもいるところ,それが被告人による反対尋問行使の成果などといえないことはその審理経過等に照らし明らかといわねばならない。そして,被告人による私選弁護人らの選任,解任等の経過等にかんがみれば,被告人においてその意を体した弁護活動を行うことを期待してそのような私選弁護人らをあえて選任してきたとみることができ,被告人が私選弁護人らの弁護方針に従ったまでなどということができないこともまた明らかといえる。 このようにみると,実際に行われた公判期日の回数が,本件事案にとって本来あるべき審理経過に照らし,相当回数であったといえないことも明らかであり,本件の審理期間を公判回数で単純に除した数値がほかの刑事公判請求事件と大 ,実際に行われた公判期日の回数が,本件事案にとって本来あるべき審理経過に照らし,相当回数であったといえないことも明らかであり,本件の審理期間を公判回数で単純に除した数値がほかの刑事公判請求事件と大差ないとの指摘は意味をもつものではなく,被告人が審理促進に協力的であったなどと評価することができないことも明らかといわねばならない。 このような観点から,当裁判所は,本件記録上明らかな審理経過,審理内容等を踏まえ,同種事件における通常あり得べき審理期間,当事者及び裁判所にとって通常必要となるべき準備期間その他諸般の事情を総合考慮し,未決勾留日数中850日を本刑に算入するのが相当と判断した。 (量刑の事情)本件は,被告人が,(1)暴力団組織の内部対立から,共犯者数名とともに,金属バット等を持参して暴力団構成員等3名を襲撃し,それぞれ傷害を負わせた上,このうち1名を死亡させた傷害致死,傷害(判示第1),(2)(1)の事件により勾留されていたG刑務所において,①不正に食料品及び携帯電話の差し入れを受けるなどの便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼等の趣旨の下に,3回にわたり看守に金品を供与するなどした贈賄(同第2の1),②この看守が不正行為の発覚を恐れていたことに乗じて,共犯者らとともに,7回にわたりこの看守から合計630万円を喝取した恐喝(同第2の2),③共犯者らとともに,G刑務所に勾留されていた者の親族に電話をかけ,弁護士事務所事務員を装って保釈保証金等の- 15 -名目で現金の振込送金を要求し,2回にわたりこの親族から合計1333万円をだまし取った詐欺(同第2の3)から成る事案である。 傷害致死,傷害の各犯行は,組織の内外を問わず,対立状態を解消するためには暴力的手段を用いることを疎まないという暴力団構成員特有の論理に基づき,凶器を準備, た詐欺(同第2の3)から成る事案である。 傷害致死,傷害の各犯行は,組織の内外を問わず,対立状態を解消するためには暴力的手段を用いることを疎まないという暴力団構成員特有の論理に基づき,凶器を準備,使用して集団で敢行された,組織的,計画的,かつ粗暴で危険な態様のものであって,極めて反社会的な犯行とみるべきものである。被害者1名は,重篤な傷害を負わされ,結果的に死亡しており,その肉体的苦痛・精神的苦衷,さらに,無念さは察するに余りある。ほかの2名の被害者も軽くない傷害を負わされており,その肉体的・精神的苦痛や味合わされた恐怖心等を軽くみることもできない。被告人は,暴力団組織における上位者として,共犯者らに指示し,このような犯行を主導したものと認められ,その刑事責任は厳しく問われるべきである。 この点に関し弁護人は,被告人の供述を前提として,これらの犯行に至る経緯及び被害者の有責性につき,死亡した被害者は,下位者である被告人らに対し,理不尽極まりない言動を繰り返し,耐え難い忍耐を強いていたことから,被告人らは,話合いによってこの被害者を説得し,暴力団組織を引退させることを目論んで犯行場所となった店舗に赴いたにすぎず,本件は偶発的なものであるなどと主張する。 しかし,被告人は,自ら暴力団構成員としての立場に身を置き活動していたのであるから,主張のような事情は,被告人のために特段酌むことのできるものということはできない。のみならず,そもそも暴力団組織内の上位者が対立状態にある下位者の説得に応じて組織を任意に引退するなどという事態は容易には想定することができず,このようなことは被告人らにとっても自明の理であったはずで,それ故にこそ凶器の準備までしていたものとみられるのである。このことは,公判調書中の証人F,同B1及び同Aの各供述部分その他関係証拠上, ず,このようなことは被告人らにとっても自明の理であったはずで,それ故にこそ凶器の準備までしていたものとみられるのである。このことは,公判調書中の証人F,同B1及び同Aの各供述部分その他関係証拠上,被告人らが話合いによって被害者を説得しようとした状況が全くうかがわれず,かえって,犯行現場となった店舗内に入った直後に,被告人の指示,号令を合図として,この被害者に対し,躊躇なく凶器を使用した攻撃が開始されたと認められる状況が生起していることに- 16 -裏打ちされているのであって,これは正に計画に基づく組織的襲撃と評価するほかないものである。そうすると,この点に関する弁護人の主張は採用することができない。また,弁護人は,被告人らの襲撃と同時に,別グループの襲撃が重畳したなどとも主張する。そして,主張に沿うかのような証拠として,被告人の供述のほか公判調書中の証人Aの供述部分が存在しているのであるが,主張のようなグループの存在が犯罪の成否に影響するものでないことは当然のこととして,被告人の主張,供述は,被害者に対する加害の発端がどのような状況であったのかといった重要部分についてさえ変遷を伴う信用性の乏しいものと評価せざるを得ないばかりか,それまでの被告人の応訴態度を含む本件審理経過等に照らしても信用性に欠けるものといわねばならない。また,証人Aは,検察官による主尋問に際しては,主張のような点を全く供述していなかったにもかかわらず,被告人との間で示談を成立させた後の,被告人による反対尋問に際し,被告人の繰り返しの誘導に答える形でこれを肯定するかのような供述をするに至ったもので,主尋問時の供述及びその前提となる認識可能性との整合性等を確認しようとする検察官による質問を遮るかのような異議が繰り返されてもいるなどの供述経過等に照らし,この供述部分の信 供述をするに至ったもので,主尋問時の供述及びその前提となる認識可能性との整合性等を確認しようとする検察官による質問を遮るかのような異議が繰り返されてもいるなどの供述経過等に照らし,この供述部分の信用性もまた乏しいといわざるを得ず,いずれも採用することができない。加えて,公判調書中の証人F及び同B1の各供述部分その他関係各証拠によって認められる被告人らの犯行状況等に照らせば,この点に関する弁護人の主張は採用し難いと言わなければならない(なお,弁護人は,その請求に係るC1及びD1の各証人尋問を採用しなかった点を論難してもいるが,上記のような証拠状況に照らし,この主張も失当である)。 次に,贈賄の各犯行は,被告人が脅しなだめるなどしてろう絡した看守を更に意のままに利用できるようにしようと敢行されたものといえ,看守が刑事施設被収容者に携帯電話を繰り返し差し入れるなど,通常考え難い不正行為が伴ったことも相まって,刑事施設における秩序や看守の職務の公正に対する国民の信頼を著しく毀損したものというべきである。 - 17 -さらに,恐喝,詐欺の各犯行は,公判審理等に備えるべく収容されていた被告人が,刑事施設内において,入手した携帯電話を悪用し,配下と認められる共犯者らと連絡を取りつつ,先の看守の弱みや勾留されている者の親族の心情に付け込み,巧妙な言辞を用いるなどして,立て続けに合計2000万円近い現金を喝取し,あるいは詐取したという,計画的で,大胆かつ巧妙というべき態様によるもので,被害額も極めて高額であって,看守に被告人から付け込まれるような落ち度があったことを考慮してもなお厳しい非難に値する。被告人は,このような犯行の要として共犯者らを統括していたと認められ,その刑事責任は最も重いというべきである。 弁護人は,恐喝の各犯行につき,被告人は,看守と ことを考慮してもなお厳しい非難に値する。被告人は,このような犯行の要として共犯者らを統括していたと認められ,その刑事責任は最も重いというべきである。 弁護人は,恐喝の各犯行につき,被告人は,看守と良好な関係にあると考えていたことから,当初恐喝との認識に乏しく,また,暴力団関係者等から依頼を受けるまま実行したもので,被告人に経済的利得は全くなかったなどと主張する。しかし,主張のような事情は,被告人の規範意識の乏しさや身勝手な行動傾向を示すものといえ,被告人の刑事責任を特段軽減するものということはできない。また,恐喝の各犯行は,被告人と看守との関係が不可欠の前提となっていたもので,被告人の関与なくして成り立たせることは困難であったということができ,これらの諸点に照らすと,弁護人の主張する事情は,被告人のために特段酌むことのできるものではない。 これらの事情に加え,被告人は,少なくない同種前科を有している上,累犯となる前刑執行終了後1年と経過しないうちに傷害致死,傷害の各犯行に及び,刑事施設収容中に贈賄,恐喝,詐欺の各犯行を次々と敢行したことなどに照らし,その規範意識の鈍麻は相当に深刻というべきである。また,被告人の応訴態度等に照らし,被告人には,本件に対する真摯な反省の態度もうかがわれず,その意味で,再犯のおそれも相応に高いというべきである。 以上によれば,被告人の刑事責任は重大というべきである。そうすると,被告人が傷害致死の被害者の内妻であった者や傷害の被害者1名との間で示談を成立させ,合計1000万円を超える示談金を支払い,被害者らから軽い刑ないし寛大な処分- 18 -を望む旨の嘆願書が提出されるなどしていること,事実関係を争いながらも,恐喝の被害者の意向を受け,同人との間でも示談を成立させられるよう,賠償金を一部先行して支払ってお いし寛大な処分- 18 -を望む旨の嘆願書が提出されるなどしていること,事実関係を争いながらも,恐喝の被害者の意向を受け,同人との間でも示談を成立させられるよう,賠償金を一部先行して支払っており,今後も支払を続ける旨供述してもいて,近い将来その被害回復が相当程度図られると期待されること,被告人とは直接は関係しないものではあるものの,詐欺の被害者が国家賠償請求訴訟に勝訴したことなどを通じ,一次的被害の回復が図られたとうかがわれること,被告人が更生した場合には被告人を支えていこうとする友人の存在がうかがわれることなど,本件記録上認め得る被告人のために酌むことのできる一切の諸事情を併せ考慮しても,被告人に対しては,主文の刑をもって臨むのが相当である。 よって,主文のとおり判決する。 (求刑懲役20年)平成19年1月31日千葉地方裁判所刑事第2部裁判長裁判官古田浩裁判官井原史子裁判官鈴木尚久は,職務代行を解かれたため,署名押印することができない。 裁判長裁判官古田浩- 19 -別表番号共犯者脅迫日時脅迫文言等金員交付日時金員交付場所等被害額(現金)(平成年)(平成年) お前30万円貸してくれ。貸埼玉県草加市m町nのしてもらえないと300万円oM荘1階所在のゲーの損害が出るから,もしそうム店「N」店内におい 氏名不詳者5月3日なったら,お前300万円弁5月3日て,氏名不詳者が交付万円 正午ころ償できるのか。今までのこと午後6時ころを受けて喝取をばらされたくなかったら用意しろ。 400万円用意しろ。200千葉市若葉区j町kの万円でいいから用意しろ。おl所在の「J店」駐車前,200万円作らないでい5月16日場において,氏名不詳万円 いから かったら用意しろ。 400万円用意しろ。200千葉市若葉区j町kの万円でいいから用意しろ。おl所在の「J店」駐車前,200万円作らないでい5月16日場において,氏名不詳万円 いから,俺をここから逃が午後10時こ者が交付を受けて喝取せ。それができないんだったろら,用意しろ。お前の家に俺千葉市中央区ve丁目の若い者を打合せに行かせるwのx所在のG銀行wから,それでもいいのか。 支店において,Iに,5月17日E1y支店に開設され万円 5月16日午前ころたF1名義の普通預金 氏名不詳者午後8時ころ口座に振込入金させて喝取千葉市中央区z町eのa1所在のG銀行G1G駅前支店において,5月17日Iに,E1y支店に開万円 午前ころ設されたF1名義の普通預金口座に振込入金させて喝取組のほうで金が必要になって千葉市若葉区j町kのるから,お前,ちょっとお金l所在の「J店」駐車5月28日のほう,協力してくれ。協力場において,Kが交付午後7時ころすると言ったじゃないか。兄5月29日を受けて喝取万円 Kから翌日貴の顔をつぶすのか。兄貴も午後10時こ 午前1時ころ怒っている。お前の家に向かろまでの間うと言ってるぞ。200万円用意しろ。 店のほうでお金が足りなく埼玉県草加市m町b1て,店が回らないから,ちょのc1H1前路上にお6月4日っとお前,30万円用意し6月4日いて,氏名不詳者が交 氏名不詳者午前時なろ。30万円用意しないと,午後1時ころ付を受けて喝取万円 いし時こ俺たちの信頼関係が壊れてし ろまう。今まで行ってきたことを,全て本当のことを言わな- 20 -ければならない。それでもお前はいいのか。 100万円用意しろ。お前, いし時こ俺たちの信頼関係が壊れてし ろまう。今まで行ってきたことを,全て本当のことを言わな- 20 -ければならない。それでもお前はいいのか。 100万円用意しろ。お前,埼玉県草加市d1e1今日,帰さないからな。消費-e所在の「K1店」L者金融とか行ってでも借りて6月5日駐車場に駐車中の自動I1こい。 午後6時ころ車内において,Lが交万円 付を受けて喝取 6月5日群馬県伊勢崎市f1g午後1所在のL1第1駐車K6月5日場に駐車中の普通乗用J1午後11時こ自動車内において,K万円 ろ及びJ1が交付を受けて喝取お金を用意しろ。俺の顔をつ千葉市中央区h1e丁ぶす気か。ただじゃおかない目i1のj1所在の「6月12日ぞ。無尽の日で,今日は俺の6月12日M1店」駐車場に駐車 氏名不詳者午後当番だから。夜にはお金が入午後5時ころ中の自動車内におい万円 る。見せ金として80万円必て,氏名不詳者が交付要なんだ。 を受けて喝取1000万円お前が払え。親埼玉県草加市m町nのを殺して保険金で払え。俺のoM荘1階所在のゲー6月28日若い者に殺させれば,お前にム店「N」店内におい午後7時ころお金が下りるだろう。それがて,N1が交付を受けできないんだったら,実家のて喝取土地を担保にしてでもお金を6月30日万円 N1作れ。 正午ころ1000万円の件は勘弁してやる。ただ,今日いろいろ動6月29日いて掛かった金はお前が何と午後かしろ。大体70万円くらい掛かったから,それはお前が用意しろ。 被害額現金合計630万円 掛かったから、それはお前が用意しろ。 被害額現金合計630万円

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