平成14年12月6日判決言渡同日判決原本領収裁判所書記官高瀬美喜男平成12年(ワ)第557号損害賠償請求事件口頭弁論終結日平成14年7月5日判決 主文 1 被告は,原告Aに対し,金211万8960円及びこれに対する平成12年11月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告は,原告Bに対し,金26万2410円及びこれに対する平成12年11月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,これを10分し,その8を原告Aの負担とし,その1を原告Bの負担とし,その余は被告の負担とする。 5 この判決は,第1項及び第2項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 被告は,原告Aに対し,金2118万9600円及びこれに対する平成12年11月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告は,原告Bに対し,金262万4100円及びこれに対する平成12年11月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,原告らが,税理士である被告に所得税等確定申告を依頼したところ,被告の雇用する職員のなした申告が委任の趣旨に反した違法なものであったため,加算税及び延滞税相当額の損害が発生したとして,それぞれ,被告に対し,委任契約の債務不履行に基づく損害賠償金及び訴状送達日の翌日からの民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 第3 争いのない事実 1 当事者(1) 原告Aは,ダンプを所有して,建材を購入し,販売する者であり,同Bは,原告Aの妻で,前橋市内において美容院を経営する者である。 (2) 被告は,前橋税務署管内に登録する税理士である。 2 委任契約原告らは は,ダンプを所有して,建材を購入し,販売する者であり,同Bは,原告Aの妻で,前橋市内において美容院を経営する者である。 (2) 被告は,前橋税務署管内に登録する税理士である。 2 委任契約原告らは,平成7年3月9日,平成6年度分の所得税等の確定申告手続を被告に委任し,以後,同9年度分までの所得税等の確定申告手続を被告に委任した(以下「本件各委任契約」という。)。被告は,本件各委任契約に基づき,被告の税理士事務所の職員であるCを原告らの自宅に派遣した。 Cは,上記いずれの年度についても,被告の履行補助者として,原告らの各確定申告書を作成し,原告らの署名押印を得た上で,同申告書を前橋税務署に提出した。 3 国税庁は,原告らの上記各申告に係る所得税及び消費税に脱税があるとして,原告らに対し,強制調査を実施した。その結果,原告らは,それぞれ,下記のとおり追加納税の賦課決定を受けたため,下記の金額を全額納付した。 (1) 原告A分(平成6年度ないし同9年度)ア重加算税 1289万4000円イ延滞税 703万1600円ウ消費税重加算税 126万4000円計 2118万9600円(2) 原告B分(平成7年度ないし同9年度)ア重加算税 185万1500円イ延滞税 77万2600円計 262万4100円第4 争点Cが,被告の履行補助者として原告らの確定申告書を作成するに当たり,本件各委任契約についての善管注意義務を果たしたといえるか。特に,原告らの提示した資料に基づいて申告書を作成したか。 第5 争点に対する当事者の主張の骨子 1 原告らの主張(1) 平成6年度分の所得税等確定申告書の作成を依頼した際,原告らは,Cに対し,各申告年度の実収入の資料を提供した。しかし,Cは,原告らに対し,一度に 点に対する当事者の主張の骨子 1 原告らの主張(1) 平成6年度分の所得税等確定申告書の作成を依頼した際,原告らは,Cに対し,各申告年度の実収入の資料を提供した。しかし,Cは,原告らに対し,一度に申告額を増やすとまずい,建材業の売上げは平均1300万円くらいで通る,美容院は平均600万円くらいで通る,マニュアルによって計算した金額から経費を引けば大丈夫であるなどと説明した。そこで,原告らは,Cの上記説明を信用して,平成6年度分の確定申告を委任した。 また,原告らは,Cに対し,原告Bの所有する美容室店舗の減価償却を経費として使えるのではないか,また,原告Aには多額の生命保険料の掛金がある旨伝えたが,Cは,減価償却を今出すとまずい,生命保険料も多額のものを出すとまずいなどと言って,原告らの提案を受け入れなかった。このように,Cの行った申告書の作成は,原告らの提示した資料に基づいてなされたものではない。 (2) 原告らは,Cの上記説明を信用して,被告に対し,以後も平成7年度から同9年度の分まで同様に確定申告を委任した。原告らは,Cに対し,平成7年度までは資料を提示していたが,Cが平成8年度以降は資料を見せなくてよいと言ったため,平成8年度及び同9年度については資料をCに見せなかった。 (3) 原告らは,上記のとおり,被告の雇用する職員であるCの言を信じて,被告に所得税等確定申告書の作成,提出を委任したにもかかわらず,実際には,Cのなした申告が委任の趣旨に反して違法なものであったため,原告らは,前記争いのない事実3のとおり,追加納税の賦課決定を受けた。したがって,被告は,原告らに対し,納付した加算税及び延滞税相当額の損害を賠償する責任を負う。 2 被告の主張(1) 平成6年度分の所得税等確定申告書作成の委任を受けた際,Cは,原告らに対し,各事業 たがって,被告は,原告らに対し,納付した加算税及び延滞税相当額の損害を賠償する責任を負う。 2 被告の主張(1) 平成6年度分の所得税等確定申告書作成の委任を受けた際,Cは,原告らに対し,各事業の内容,収入及び経費の記録を求めたが,原告らは取引の記録や証拠書類を有していなかった。Cは,原告Aに対し,現金の受払の記録や預金通帳などの閲覧を求めたが,原告Aはこれを拒否した。原告Aは,Cに対し,平成5年度の申告書の控えを見せ,同6年度についても同5年度と同様に申告するよう要請し,申告書に記載すべき各項目の金額について前年度比でのおおよその増減を説明したのみであり,Cは,それ以外の説明を一切受けなかった。そのため,Cは,原告らの上記要請にしたがって申告書を作成せざるを得なかった。 (2) 平成7年度分以降の所得税等確定申告書の作成についても,上記(1)と同様であり,被告又はCは,原告らから必要な資料の提供を受けておらず,また,いずれの年度についても,原告らが申告期限直前になって委任してくるため,原告Aの指示どおりに申告書を作成し,税務署に提出した。 (3) 被告は,税理士として原告らの所得税及び消費税の申告業務を受任し,原告らの確定申告業務を行ったのであるから,原告らの主張するとおり,委任契約に基づく善管注意義務を負い,税法の専門家として高度の注意義務を負担する。 そこで,税理士としては,当該業務を遂行するため,依頼者に対し,必要な資料の提供を要請するとともに事情聴取などを行うべきであるが,依頼者がこれらの要請に応ぜず必要な協力をしない場合には,税理士としても適切な申告をすることは不可能であり,仮にその申告によって依頼者に損害が発生したとしても,税理士に善管注意義務違反があったとはいえないから,税理士は損害賠償責任を負わないことになる。 本件で しても適切な申告をすることは不可能であり,仮にその申告によって依頼者に損害が発生したとしても,税理士に善管注意義務違反があったとはいえないから,税理士は損害賠償責任を負わないことになる。 本件では,上記(1),(2)のとおり,原告らから資料の提供などを拒否されたため,原告らの要請するところにしたがって申告書を作成せざるを得なかったのであるから,被告に善管注意義務違反はない。 3 被告の主張に対する原告らの反論原告らは,Cに対し,取引先の金融機関の通帳と請求書,領収書を提示した。原告Aの仕事は,請求書を顧客に送って預金口座に入金を受け,必要経費は領収書で明らかになるという単純な経営である。原告Bの分についても,Cに対し,入出金伝票と通帳を提示した。 このように,原告らは,申告に必要な資料を保存し,Cにすべて提示した。 かえって,原告らは,Cから美容院の入出金伝票のうち平成6年度以前の分を焼却するよう指示されたため,これらを庭で燃やした。 4 原告らの反論に対する被告の反論原告らの反論は,いずれも事実に反する。被告もCも,原告らに対し,伝票などを燃やすように指示したことはない。 第6 争点に対する判断 1 本件申告に至る経緯等について甲第52号証,乙第1号証の1の1,2,第1号証の2の1,2,第1号証の3の1,2,第1号証の4の1,2,第2号証の1の1,2,第2号証の2の1,2,第2号証の3の1,2,第2号証の4の1,2,第3号証,第6号証,証人Cの証言及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められ,甲第51号証及び原告Aの本人尋問の結果のうちこれに反する部分は採用せず,他にこれを覆すに足りる証拠はない。 (1) 原告らは,原告Aの所得が増加してきたため,税理士を通じて所得税等の確定申告手続を行うことによって税金の納付額をできるだけ少なくし に反する部分は採用せず,他にこれを覆すに足りる証拠はない。 (1) 原告らは,原告Aの所得が増加してきたため,税理士を通じて所得税等の確定申告手続を行うことによって税金の納付額をできるだけ少なくしようと考え,平成7年3月9日,被告に対し,平成6年度分の所得税等の確定申告手続を代理して行うよう委任した。これを受けて,被告は,被告事務所の職員であるCを履行補助者として上記業務に当たらせることにした。 (2) Cは,同月13日,上記業務を遂行するため,原告らの自宅を訪れた。Cとの打合せには,主に原告Aが対応し,原告Bは原告AにCとの打合せについての対応を一任した。Cは,原告Aに対し,確定申告書を作成するために必要な書類として,現金出納帳,預金通帳,請求書,領収書などの原始記録を提示するよう求めたが,原告Aは,これを拒んだ上,Cに対し,原告Aの作成した平成5年度の申告書の控え,生命保険料や損害保険料の控除証明書のみを提示して,同6年度についても同5年度と同様に申告するよう要請した。Cは,原告Aから提示された上記書類のみでは原告らの事業の経費が不明なため確定申告書の経費欄を記載することができないことから,原告Aに対し,経費を推計で算出して経費の合計額のみを記載し経費欄の具体的項目の金額を記載しない方法による申告をするよう提案したが,原告Aは,これも拒み,平成5年度の申告についても経費欄の具体的項目の金額を記載して申告したので,平成6年度も同様のやり方で申告するように要請した。そこで,Cは,それ以上原始資料の提示を求めることなどを断念した。なお,Cは,上記打合せの際,原告Aの指示どおりの申告をした場合に,原告らが将来脱税を指摘されて重加算税や延滞税などを課せられる危険があることを説明しなかった。 (3) Cは,同月14日,原告Aから提示された平成 記打合せの際,原告Aの指示どおりの申告をした場合に,原告らが将来脱税を指摘されて重加算税や延滞税などを課せられる危険があることを説明しなかった。 (3) Cは,同月14日,原告Aから提示された平成5年度の申告書の控えに記載された数額と,同年度と比較した原告Aの説明に係る項目ごとの増減率の数字を参考にして,確定申告書の各項目の金額を記載した。ただし,確定申告書に添付する収支内訳書のうち「売上(収入)金額の月別内訳等」欄や「仕入金額の内訳」欄については,原告Aから原始資料を提示されず具体的な金額が分からなかったため,ほとんど記載しなかった。 Cは,同月15日,上記確定申告書を前橋税務署長に提出した。 (4) 原告らは,平成7年度ないし同9年度の所得税等確定申告書の作成についても被告に委任し,被告は,いずれの年度においても,Cを履行補助者として上記業務に当たらせた。Cは,いずれの年度においても,原告Aから原始資料の提示を受けることができず,前年度と同様のやり方で申告するよう指示されたため,平成6年度と同様に,収支内訳書のうち「売上(収入)金額の月別内訳等」欄や「仕入金額の内訳」欄についてほとんど記載しないまま,前年度の申告書に記載された数額と原告Aから説明を受けた前年度比での項目ごとの増減率の数字を参考にして,確定申告書の各項目の金額を記載し,同申告書を前橋税務署長に提出した。 (5) なお,上記いずれの年度においても,原告Bは,所得税等確定申告書の作成,提出に関する打合せについて,原告Aに一任しており,自らが関与することはなかった。また,Cは,上記いずれの年度における打合せにおいても,原告Aに対し,同人の指示どおりの申告をした場合に,原告らが重加算税や延滞税などを課せられる危険があることを説明しなかった。 2 被告の債務不履行の有無(1) ずれの年度における打合せにおいても,原告Aに対し,同人の指示どおりの申告をした場合に,原告らが重加算税や延滞税などを課せられる危険があることを説明しなかった。 2 被告の債務不履行の有無(1) 被告の履行補助者であるCが,原告Aの指示どおりの申告をした場合に,原告らが将来脱税を指摘されて重加算税や延滞税などを課せられる危険があることを説明しないまま,原告Aの指示どおりに所得税等確定申告手続を行ったことは上記1のとおりである。 (2) ところで,税理士は,税務に関する専門家として,独立した公正な立場において,申告納税制度の理念にそって,納税義務者の信頼にこたえ,租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命としており(税理士法1条),脱税相談等を行うことを禁止され(同法36条),税理士業務を行うに当たって,委嘱者が税の課税標準等の計算の基礎となるべき事実を隠ぺい,仮装している事実があることを知ったときなどは,直ちに,その是正をするよう助言しなければならない公法上の義務を負っている(同法41条の3)。 また,税理士は,上記のように税理士法所定の使命を担うほか,依頼者との間には委任関係があるから,受任者として委任の本旨に従った善良な管理者としての注意義務を負っており(民法644条),依頼者の希望や要請が適正でないときには,依頼者の希望にそのまま従うのではなく,税務に関する専門家としての立場から,依頼者に対し不適正の理由を説明し,法令に適合した申告となるよう適切な助言や指導をするとともに,重加算税などの賦課決定を招く危険性があることを十分に理解させ,依頼者が法令の不知などによって損害を被ることのないように配慮する義務があるというべきである。 (3) 本件では,上記1のとおり,Cが,原告Aに対し,確定申告書を作成するのに必要と 十分に理解させ,依頼者が法令の不知などによって損害を被ることのないように配慮する義務があるというべきである。 (3) 本件では,上記1のとおり,Cが,原告Aに対し,確定申告書を作成するのに必要となる原始資料の提示を求めたところ,原告Aは,これを拒否した上,Cに対し,確定申告書に添付する収支内訳書のうち「売上(収入)金額の月別内訳等」欄や「仕入金額の内訳」欄をほとんど空欄にしている前年度の確定申告書と同様のものを作成して提出するよう指示したというのであるから,Cにおいて,原告らが売上げや経費を実際の金額と大幅に異なる金額として申告し不正に課税を免れようとしている可能性があることを容易に認識することができたものと認められる。それにもかかわらず,Cは,原告Aの指示どおりの申告をした場合に,原告らが将来脱税を指摘されて重加算税や延滞税などを課せられる危険があることを何ら説明しないまま,原告Aの指示どおりに所得税等確定申告手続を行ったというのであるから,Cが,原告Aに対し,同人の指示どおりの申告をした場合に,原告らが重加算税や延滞税などを課せられる危険性が高いことを十分に説明し,指導していれば,原告らが本件のような不適法な申告を行うことはなかったと認められる。 (4) 以上によれば,被告の履行補助者であるCが,原告Aの指示どおりの申告をした場合に,原告らが将来脱税を指摘されて重加算税や延滞税などを課せられる危険があることを何ら説明しないまま,原告Aの指示どおりに所得税等確定申告手続を行ったことは,税務に関する専門家である税理士としての立場から,依頼者に対し不適正の理由を説明し,法令に適合した申告となるよう適切な助言や指導をするとともに,重加算税などの賦課決定を招く危険性があることを十分に理解させ,依頼者が法令の不知などによって損害を被ることの 対し不適正の理由を説明し,法令に適合した申告となるよう適切な助言や指導をするとともに,重加算税などの賦課決定を招く危険性があることを十分に理解させ,依頼者が法令の不知などによって損害を被ることのないように配慮する義務に違反しており,被告の債務不履行になるといわざるを得ない。 3 損害について(1) 前記争いのない事実3のとおり,原告Aは,平成6年度ないし同9年度における重加算税,延滞税,消費税重加算税の合計額2118万9600円を納付し,原告Bは,同7年度ないし同9年度における重加算税,延滞税の合計額262万4100円を納付したが,原告らの納付したこれらの金員は被告の債務不履行がなければ納付する必要がなかったものと認められるから,これらは被告の債務不履行に基づく損害であると認められる。 (2) 過失相殺ア前記1の認定事実によれば,原告Aは,Cから確定申告書の作成に必要な原始資料の提示を求められたにもかかわらず,それを拒んだ上,平成5年度に自らの行ったやり方と同様のやり方で同6年度ないし同9年度の確定申告手続を行うようCに指示したというのであるから,自己の指示するやり方による確定申告手続が不適法ないし不適正であることを認識しつつ,Cに対し,自己の指示する方法で確定申告手続をするよう要請したものと認められる。そうすると,原告Aが前記争いのない事実3の重加算税などの納付を余儀なくされた責任の大部分は,原告Aにあるといわざるを得ない。 また,上記認定事実によれば,原告Bは,原告AにCとの確定申告に関する打合せについての対応を一任し,自らが関与することはなかった。そうすると,原告Bが前記争いのない事実3の重加算税などの納付を余儀なくされた責任の大部分は,原告Aと同様,原告Bにあるといわざるを得ない。 イ原告らは,確定申告の打合せの際,Cに ことはなかった。そうすると,原告Bが前記争いのない事実3の重加算税などの納付を余儀なくされた責任の大部分は,原告Aと同様,原告Bにあるといわざるを得ない。 イ原告らは,確定申告の打合せの際,Cに対し,原始資料を提示しようとしたが,Cからマニュアルによって計算した金額を確定申告書に記入して提出すれば大丈夫であるから原始資料を提示してもらう必要はないなどと説明されたため,原始資料を提示せず,その結果,税務署長に提出した確定申告書は,原始資料に基づかない,実態を反映しないものになってしまったなどと主張する。しかし,前記1のとおり,Cが作成して税務署長に提出した確定申告書は,申告書に添付する収支内訳書の「売上(収入)金額の月別内訳等」欄や「仕入金額の内訳」欄がほとんど空欄であり,提出を受けた税務署によって不適正な申告であることを看破されやすいずさんな申告であったといえ,原告ら主張のとおり,Cがマニュアルによって計算した金額を確定申告書に記入して提出すれば大丈夫であると請け合って申告したものであるとすると,上記のような税務署において不適正な申告であることを看破しやすいずさんな申告をCがしたとするのは余りにも不自然であること,原告Aが平成11年6月に被告を相手に起こした調停の申立書(乙第3号証)には,「売上げや経費を記帳していなかったため,確定申告の打合せの際に原告AがCに対しおおよその売上げ,経費を口頭で伝えた。」旨の記載がされており,この記載は原告らの本訴における上記主張(Cに原始資料を提示しようとしたが不要と言われたとの主張)と矛盾することなどを総合すると,原告らの上記主張は採用することができない。 ウ上記のとおりの原告らの責任の大きさにかんがみると,損害の負担について公平を図る見地から,本件については過失相殺を行うのが相当であり,原告 を総合すると,原告らの上記主張は採用することができない。 ウ上記のとおりの原告らの責任の大きさにかんがみると,損害の負担について公平を図る見地から,本件については過失相殺を行うのが相当であり,原告ら各自の損害について,それぞれ9割を減じるべきである。 したがって,原告Aが被告に対し請求し得る損害金は,上記(1)の納付済の平成6年度ないし同9年度における重加算税,延滞税,消費税重加算税の合計額の1割である211万8960円となり,原告Bが被告に対し請求し得る損害金は,上記(1)の納付済の同7年度ないし同9年度における重加算税,延滞税の合計額の1割である26万2410円となる。 第7 結論以上によれば,原告Aの本訴請求は,被告に対し金211万8960円及びこれに対する訴状送達日の翌日である平成12年11月7日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,原告Bの本訴請求は,被告に対し金26万2410円及びこれに対する訴状送達日の翌日である平成12年11月7日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,原告らのその余の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,よって,主文のとおり判決する。 前橋地方裁判所民事第2部裁判長裁判官東條宏裁判官原克也裁判官高橋正幸
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