令和6(わ)47 所得税法違反

裁判年月日・裁判所
令和6年6月5日 新潟地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-93178.txt

判決文本文1,711 文字)

令和6年(わ)第47号 主文 被告人Aを懲役1年及び罰金1500万円に、被告人Bを懲役10月に処する。 被告人Aにおいてその罰金を完納することができないときは、金10万円を1日に換算した期間、同被告人を労役場に留置する。 被告人Aに対し、この裁判が確定した日から3年間その懲役刑の執行を猶予する。 被告人Bに対し、この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人Aは、「C」の屋号で犬、猫等の繁殖、販売業を営んでいたもの、被告人Bは、被告人Aが営む前記Cの経理業務を担当していたものであるが、被告人両名は、共謀の上、架空仕入を計上するなどの方法により被告人Aの所得を秘匿した上第1 被告人Aの令和2年分の実際の総所得金額が5983万5671円であったにもかかわらず、令和3年3月5日、新潟市秋葉区善道町1丁目6番38号所轄新津税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が0円で、これに対する所得税額及び復興特別所得税額が0円である旨の虚偽の所得税及び復興特別所得税の確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、令和2年分の正規の所得税額及び復興特別所得税額2220万8500円と前記申告税額との差額2220万8500円のうち、所得税額2175万1714円を免れ第2 被告人Aの令和3年分の実際の総所得金額が1億0060万2099円であったにもかかわらず、令和4年3月8日、前記新津税務署において、同税務署 長に対し、総所得金額が0円で、これに対する所得税額及び復興特別所得税額が0円である旨の虚偽の所得税及び復興特別所得税の確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、令和3年分の 、総所得金額が0円で、これに対する所得税額及び復興特別所得税額が0円である旨の虚偽の所得税及び復興特別所得税の確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、令和3年分の正規の所得税額及び復興特別所得税額4092万5600円と前記申告税額との差額4092万5600円のうち、所得税額4008万3839円を免れたものである。 (量刑の理由)被告人らは、架空の経費を計上し、2年分の所得税を免れた。ほ脱税額は合計6180万円余りと少なくなく、ほ脱率は約99.9パーセントと極めて高い。他方で、犯行態様は、被告人Aが被告人Bに具体的な方法を指定することなく税金を支払わないよう指示し、被告人Bが架空の出金伝票を作成して経費を架空計上するという単純な手口であり、悪質性が高いとまではいえない。被告人Aは、行政が行わない林道整備等を自分が代わりに費用をかけて行っていたことから本件各犯行に及んだと述べるが、その問題は他の適切な方法で解決すべきであり、ほ脱した金銭を自己の事業資金にするという動機もあったのであるから、この経緯を量刑上考慮することはできない。被告人Aは、娘である被告人Bに指示して本件各犯行を主導しているのであり、その刑事責任は重い。被告人Bは、本件各犯行による直接的な利益は得ていないものの、経理を任され、被告人Aが確定申告書の内容等を理解できていないことも認識していたのであって本件各犯行は被告人Bの関与なくしては成り立たなかったのであるから、その刑事責任を軽く見ることはできない。 以上の事情を前提に、被告人らが事実を認めて反省の弁を述べていること、本税に足りる金額を予納し修正申告を行っていること、被告人らに見るべき前科がないことなど被告人らのために酌むべき事情も考慮し、主文の刑に処した上で今回に限り被告人らの めて反省の弁を述べていること、本税に足りる金額を予納し修正申告を行っていること、被告人らに見るべき前科がないことなど被告人らのために酌むべき事情も考慮し、主文の刑に処した上で今回に限り被告人らの懲役刑の執行を猶予するのが相当と判断した。 (求刑被告人Aにつき懲役1年及び罰金2000万円、被告人Bにつき懲役10月) 令和6年6月6日新潟地方裁判所刑事部 裁判官石黒瑠璃

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る