昭和23(れ)1174 物価統制令違反

裁判年月日・裁判所
昭和23年12月24日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 仙台高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件各上告を棄却する。          理    由  弁護人小沢茂同森長英三郎の各上告趣意は何れも末尾添附別紙記載の通りであり これに対する当裁判所の判断は次の如くである。

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判決文本文1,921 文字)

主文本件各上告を棄却する。 理由弁護人小沢茂同森長英三郎の各上告趣意は何れも末尾添附別紙記載の通りでありこれに対する当裁判所の判断は次の如くである。 弁護人小沢茂の上告趣意第一点及同森長英三郎の上告趣意第四点に付て。 昭和二〇年勅令第五四二号が旧憲法下においても新憲法下においでも有効であることは既に当裁判所大法廷の判例とする処である。(昭和二二年(れ)第二七九号事件判決)論旨はいずれも右と反対の見解を主張するもので採用し難い(尚弁護人森長英三郎の上告趣意第五点に対する説示参照)弁護人小沢茂の上告趣意第二点に付て。 原判決挙示の証拠全部を通覧熟読すれば、その間おのずから、被告人Aも営利の目的を有したことが認められるのであつて、原判決に所論の様な違法あるものとすることは出来ない。 弁護人森長英三郎の上告趣意第一点及び第二点に付て。 県が本件物件を一一〇円で売つたからといつて、これを以て直ちに該物件の適正価格が一一〇円であるとすることは出来ない。原審の挙示した証拠を参酌して見ると、原審はその適正価格を高くとも九一円三一銭の九割下と見たものと推測することが出来る。此品物を一六〇円で売つた被告人等の行為を、不当高価売却と為した原審の判断は正当である。運賃その他の諸がかりを差引くと、一〇円ぐらいの儲けに過ぎないということは被告人等がそう主張するだけで、原審の認めて居ない処である。従つてこれを前提とする論旨は理由がない。原審の拳示した証拠の示す処では運賃は軽少である。原審の認めない事実や、原審の採用して居ない証拠を根拠として原判決を攻撃するのは上告適法の理由とならない。 - 1 -同第三点に付て。 適正価格が何程であるかわからなければ、被告人の為した売却が不当価格のものなりや否やを判断する 居ない証拠を根拠として原判決を攻撃するのは上告適法の理由とならない。 - 1 -同第三点に付て。 適正価格が何程であるかわからなければ、被告人の為した売却が不当価格のものなりや否やを判断することが出来ないのは勿論だから、裁判所は適正価格が何程なりやの審査をしなければならないことはいう迄もない。しかし判文に被告人の犯罪行為を判示するに当つては必ずしも適正価格が何程であつたかを明示する必要はない。被告人の売つた価格がいくらであつたか、及びその価格が不当であつた旨を判示すればそれで足りる、そしてその売却価格が実際不当のものでなければならないことは勿論だが、本件の場合、被告人等の売却価格が不当高価のものであつた事実が、原審挙示の証拠でわかること前説示の通りであるから、原審の措置に所論の様な違法ありとすることは出来ない。 同第五点に付て。 論旨にも書いてある様に司令部の指令には「帝国政府は………確固たる統制を設定し及び維持すべき責任を負う」とあるので従来ある統制は其儘これを維持しなければならないという様なことは少しも書かれて居ない。(右指令に「維持する」というのは前文を受けて制定した統制を維持するという意味であつて、従来存する統制を其儘維持するということではない)。右指令が出てから物価統制令が制定される迄所論の様な日時を経たことは事実である。本統制令の如き法規を制定するには其為種々面倒な調査をしなければならないことは、想像に難くないのであるし、其他色々準備行為を要するから、其間所論の様な日時を要したとしても己むを得なかつたといえるであろう、其為め緊急を要しない事項であつたのだということは出来ない。司令部の前記の様な指令が出た以上、政府としては直ちに其実行に着手しなければならないのは勿論で、議会の開会を待つことが出来なかつたため、一応緊急 め緊急を要しない事項であつたのだということは出来ない。司令部の前記の様な指令が出た以上、政府としては直ちに其実行に着手しなければならないのは勿論で、議会の開会を待つことが出来なかつたため、一応緊急勅令の方法により、後に議会の承認を得たのだから手続において何等欠くる処はない、故に該勅令の無効を主張する論旨には左袒出来ない。(弁護人小沢茂の上告趣- 2 -意第一点に付ての説示に掲記した当裁判所大法廷判決参照)尚物価統制令が適憲有効であることは既に当裁判所大法廷の判例とする処であるから当小法廷において審理判決をした。 よつて最高裁判所裁判事務処理規則第九条四項刑事訴訟法第四四六条に従ひ主文の通り判決する。 以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。 検察官宮本増蔵関与昭和二三年一二月二四日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登裁判官島保裁判官河村又介- 3 -

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