平成12(ネ)209 請負代金・損害賠償請求控訴

裁判年月日・裁判所
平成14年3月18日 名古屋高等裁判所 金沢支部
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判決文本文61,493 文字)

主文 1 原判決の主文第一項ないし第四項を次のとおり変更する。 (1) 控訴人は,被控訴人株式会社マエダエンジニアリングに対し,金930万7241円を支払え。 (2) 被控訴人マエダエンジニアリングのその余の請求を棄却する。 (3) 被控訴人マエダエンジニアリングは,控訴人に対し,金258万円を支払え。 (4) 控訴人の被控訴人マエダエンジニアリングに対するその余の請求を棄却する。 2 控訴人の被控訴人三谷セキサン株式会社に対する控訴を棄却する。 3 訴訟費用は,第1,2審を通じて,控訴人と被控訴人三谷セキサン株式会社との間で生じた費用は,控訴人の負担とし,その余の費用は,これを3分し,その1を控訴人の負担とし,その余を被控訴人マエダエンジニアリングの各負担とする。 4 この判決の1の(1)項及び(3)項は,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 控訴人(控訴の趣旨) (1) 原判決を次のとおり変更する。 ① 被控訴人マエダエンジニアリングの請求を棄却する。 ② 被控訴人マエダエンジニアリングは,控訴人に対し,金2416万5990円及びこれに対する平成4年2月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ③ 被控訴人マエダエンジニアリング及び被控訴人三谷セキサン株式会社は,控訴人に対し,各自金2340万円及びこれに対する平成4年2月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人らの負担とする。 (3) 仮執行宣言 2 被控訴人ら両名 (1) 本件控訴をいずれも棄却する。 (2) 控訴費用は控訴人の負担とする。 第2 事案の概要 1 本件控訴の経 は,第1,2審とも被控訴人らの負担とする。 (3) 仮執行宣言 2 被控訴人ら両名(1) 本件控訴をいずれも棄却する。 (2) 控訴費用は控訴人の負担とする。 第2 事案の概要 1 本件控訴の経緯等本件は,被控訴人マエダエンジニアリング(以下「被控訴人マエダ」という。)が控訴人に対し,後記2のとおり請負代金請求事件(福井地方裁判所平成4年(ワ)第29号,以下「甲事件」という。)を提起し,これに対し,控訴人が被控訴人マエダ及び被控訴人三谷セキサン株式会社(以下「被控訴人三谷」という。)に対し,後記3のとおり損害賠償請求事件(福井地方裁判所平成8年(ワ)第60号,以下「乙事件」という。)を提起した事案である。 原審は,甲事件について,被控訴人マエダ(甲事件原告)の請求(5037万3275円)を一部認容して,控訴人(甲事件被告)に対し1197万9395円及びこれに対する平成4年2月8日(甲事件訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年6分の割合による金員の支払を命じ,また,乙事件については,控訴人(乙事件原告)の被控訴人マエダ(乙事件被告)に対する請求(合計4756万5990円)の一部を認容して,128万4000円及びこれに対する平成8年3月27日(乙事件訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を命じたが,被控訴人三谷(乙事件被告)に対する控訴人の請求(2340万円)は棄却した。 そこで,これを不服とする控訴人(甲事件被告・乙事件原告)が本件控訴に及んだ。 2 甲事件の事案の概要甲事件は,控訴人からマンション(以下「本件建物」ともいう。)の新築工事(以下「本件工事」という。)を請け負った被控訴人マエダが,控訴人に対し,追加工事代金を含む請負工事代金の一部が未払であると主張して,その残代金5037万 ョン(以下「本件建物」ともいう。)の新築工事(以下「本件工事」という。)を請け負った被控訴人マエダが,控訴人に対し,追加工事代金を含む請負工事代金の一部が未払であると主張して,その残代金5037万3275円(内訳,本体工事残代金1812万3275円,追加工事代金3225万円)とこれに対する平成4年2月8日(甲事件訴状送達の日の翌日)から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を請求した事案である。 3 乙事件の事案の概要(1) 乙事件のうち,被控訴人マエダに対する請求は,控訴人が,① 被控訴人マエダの甲事件の請負残代金請求は,追加工事でないものを追加工事として請求するという不当な水増し請求であって不当訴訟である,② 本件建物には多数の瑕疵があり,控訴人は瑕疵修補に代わる損害賠償請求権を有する,③ 本件工事の代金は工事変更等を理由として減額されるべきである,などと主張して,被控訴人マエダに対し,2416万5990円及びこれに対する平成4年2月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求した事案である。 (2) 乙事件のうち被控訴人マエダ及び被控訴人三谷に対する請求は,控訴人が,本件建物を支える基礎杭は耐力が不足しているから,本件建物の耐久性,安全性は減退し,本件建物の資産価値が減少している旨主張して,被控訴人マエダ及び被控訴人三谷(被控訴人マエダから杭打工事を請け負った会社)に対し,損害賠償として,各自,2340万円及びこれに対する平成4年2月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求した事案である。 4 本件の前提となる事実(当事者間に争いのない事実)(1) 被控訴人マエダは,建築工事の請負等を目的とする株式会社であり,被控訴人三谷は,土木工事の 遅延損害金の支払を請求した事案である。 4 本件の前提となる事実(当事者間に争いのない事実)(1) 被控訴人マエダは,建築工事の請負等を目的とする株式会社であり,被控訴人三谷は,土木工事の請負等を目的とする株式会社である。 (2) 被控訴人マエダは,控訴人からマンションの新築工事(本件工事)を請け負い,被控訴人三谷は,このうち杭打工事を被控訴人マエダから請け負った。 第3 当事者双方の主張 1 甲事件(一) 請求原因(被控訴人マエダ)(1) 被控訴人マエダは,控訴人から次の内容のマンション(本件建物)の新築工事(本件工事)を代金7800万円で請け負った(以下,この契約を「本件工事契約」という。)。 ① 工事場所福井市イロ丁目ハ番地② 工事名称 LO共同住宅(仮称)新築工事③ 建物構造鉄筋コンクリート造陸屋根4階建④ 代金支払方法毎月25日締めの出来高を翌月10日払い(2) その後,被控訴人マエダは,控訴人から,本件建物に関して,本件工事契約で対象としなかった次のような追加工事(以下「対象外追加工事」ともいう。)を請け負った(なお,以下の追加工事代金の合計額は,被控訴人マエダの請求額に満たないものであるが,被控訴人マエダは,これ以外の追加工事を具体的に主張しない。)。 ① 階段室床タイル貼り 39万3640円② 外壁ステンレス化粧見切取付 121万8580円③ 1階LDK入口ステンレスサッシ取付  121万3650円④ 階段室屋上トップライト取付 123万円⑤ 1階LDKキャビネット取付 139万8800円⑥ 1階家事室ユニット家具取付 121万3650円④ 階段室屋上トップライト取付 123万円⑤ 1階LDKキャビネット取付 139万8800円⑥ 1階家事室ユニット家具取付 254万3840円⑦ 1階LDK特注飾り棚取付 55万6960円⑧ 2階洋室Bクローゼット取付 143万4600円⑨ 2階洋室Cシステムキッチン取付 625万0200円⑩ 2階和室8畳収納ユニット取付 42万7100円⑪ 1階ユニットバス変更 263万2750円⑫ 3・4階マンション部キッチン変更 145万2000円計 2075万2120円消費税 62万2563円合計 2137万4683円(3) 被控訴人マエダは,本件工事及び対象外追加工事を完成した。 (4) よって,被控訴人マエダは,控訴人に対し,本体工事の代金7800万円と対象外追加工事の代金3225万円(ただし,前記のとおり被控訴人マエダが具体的に工事内容を摘示する追加工事代金の額は2137万4683円にすぎない。)の合計1億1025万円から既払額5987万6725円を控除した残金5037万3275円及びこれに対する甲事件訴状送達の日の翌日(平成4年2月8日)から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求める。 (二) 請求原因に対する認否及び反論(控訴人)(1) 請求原因(1)の事実は認める。ただし,工事代金は,本来の工事代金7000万円(a設計事務所作成にかかる設計図と同程度の内容の工事を予定したもの) 求原因に対する認否及び反論(控訴人)(1) 請求原因(1)の事実は認める。ただし,工事代金は,本来の工事代金7000万円(a設計事務所作成にかかる設計図と同程度の内容の工事を予定したもの)とグレードアップ費(上記設計図以上に工事内容の質的向上を図るために使用される費用)に相当する800万円とから成るものである。 (2) 請求原因(2)については,被控訴人マエダ主張の工事が行われたことは認めるが,それが本件工事契約の対象外の追加工事であることは否認する。 被控訴人マエダ主張の追加工事は,すべて本件工事契約の一内容として行われたものである。 (3) 請求原因(3)については,本件工事が完成したことは否認する(本件建物の未完成部分は後記(4)のとおりである。)。ただし,追加工事自体が完成したことは認めるが,前述したとおり,これは本件工事契約の対象である。 (4) 本件工事は未完成であり,平成3年9月15日現在の工事未完成部分は次のとおりであって,未完成部分の工事費相当額は919万円であるが,少なくとも650万円を超えることは明らかである。 (前庭について)① 植栽・花壇立上り部分自然石未貼付 26万円② 化粧囲い外灯未設置 10万円③ 袖看板未設置 23万8000円(後庭について)④ 目隠し用メッシュ鉄板未設置 38万円⑤ 給水ポンプ屋根・覆い未設置 30万円(1・2階居室について)⑥ 電気冷暖房器6台の未設置 121万2000円⑦ 1階から2階への室内階段の未設置 50万円⑧ 階段ステ (1・2階居室について)⑥ 電気冷暖房器6台の未設置 121万2000円⑦ 1階から2階への室内階段の未設置 50万円⑧ 階段ステンレス製パイプ手摺りの未設置 20万円⑨ 電気配線むき出し(5箇所) 2万円(2階ないし4階のベランダについて)⑩ 床アスファルト防水未施工 15万円⑪ サンルーム未設置(6箇所) 88万円(3階貸室について)⑫ 廊下・壁の仕上げ不充分 10万円(建物外壁について)⑬ ボーダータイルの吹付け塗装の未施工 43万円(屋上について)⑭ 転落防止用フェンス未設置 82万円⑮ 水栓未設置 4万円⑯ 屋上に上がるための鉄骨階段未設置 270万円⑰ ペントハウス未設置 70万円(屋外について)⑱ 建物西側の犬走りコンクリート打設未施工  16万円計  919万円(三) 抗弁(控訴人)(1) 弁済控訴人は,被控訴人マエダに対し,本件工事の請負代金として,次のとおり支払った。 ① 平成2年5月29日 900万円② 平成2年8月21日 2400万円③ 平成2年10月15日 1100万円④ 平成3年9月24日 1587万6725円⑤ 合計 5987万6725円( ③ 平成2年10月15日 1100万円④ 平成3年9月24日 1587万6725円⑤ 合計 5987万6725円(2) 工事遅延による違約金請求権を自働債権とする相殺① 本件建物の完成日は,平成2年9月30日との約定であったが,約定日には完成せず,平成2年9月30日現在の未完成工事部分は価額にして3497万5000円相当であった。 しかるに,本件建物は,平成3年9月15日に至っても完成しなかった(同日までの遅延日数349日間)。 ② 工事遅延による違約金の割合は,四会連合協定工事請負契約約款26条によれば,工事未完成部分につき1日当たり0.1パーセントの割合であるから,残工事代金相当額(3497万5000円)の0.1パーセントに遅延日数(349日間)を乗じて得られる1220万6275円が工事遅延により控訴人が被った損害となる。 ③ 控訴人は,平成8年5月13日(原審第24回口頭弁論期日)に,被控訴人マエダに対し,被控訴人マエダが請求する本件工事の残代金と前記1220万6275円とを対当額で相殺する旨の意思表示をした。 (3) 瑕疵修補に代わる損害賠償請求権を自働債権とする相殺本件工事には次のとおりの瑕疵があり,控訴人は,被控訴人に対し,合計1246万8000円の瑕疵修補に代わる損害賠償請求権を有するから,被控訴人マエダが請求する本件工事の残代金と前記1246万8000円とを対当額で相殺する。 なお,括弧内の金額は,後記の乙事件の(一)の(2)(瑕疵修補に代わる損害賠償請求)においても請求する額であり,甲事件においては,括弧内の金額を控除した残額(合計1246万8000円)をもって相殺の自働債権とす の金額は,後記の乙事件の(一)の(2)(瑕疵修補に代わる損害賠償請求)においても請求する額であり,甲事件においては,括弧内の金額を控除した残額(合計1246万8000円)をもって相殺の自働債権とする。また,以下,瑕疵内容の頭にある番号をもって,それぞれの瑕疵番号とする。 〔瑕疵の内容〕 〔損害額〕① 1階の旧式火災報知器移設・取替(壁面補修も含む。) 60万円(25万円)② 換気扇設置位置不良(ダクト延長等) 23万円(12万円)⑤ 1階台所の防火壁・ガスコンロ・キッチン台等不良 25万円⑦ 洗濯機の排水管不良 10万円⑧ 浴室内テレビ・換気扇等の不良 503万3000円⑨ 1階洗面所の火災報知器不良 20万円⑩ 東南側入口タイル床排水不良 5万円⑪ 1・2階の和室仕上げ(汚れ防止)不良 20万円(10万円)⑫ 居間ガラス扉開閉不良 3万円⑬ 1・2階廊下のチャイム不良 10万円⑭ 家事室照明灯スイッチ位置不良 7万円⑮ 建物の外壁にある無用な穴の補修(6箇所) 64万円(17万円)⑯ 2階台所流し台通電不良の補修 50万円( 3万円)⑰ 洋式トイレの取付不良 38万8000円⑱ 浴室浴槽・壁面取付不良等 123万9000円⑲ 浴室シャワー調節不良 8万2000円 の取付不良 38万8000円⑱ 浴室浴槽・壁面取付不良等 123万9000円⑲ 浴室シャワー調節不良 8万2000円⑳ 洗面所戸棚内の修理 20万円<21> 洗濯場の換気扇未設置 10万円<22> 3・4階の台所コンクリート腰壁の寸法誤り,4階の流し台のドア不良及びガスレンジの上のフードの取付不良 120万円<23> 3階の冷蔵庫通電不良 5万円<25> 室内建具取付不良 18万6000円<28> 避難梯子修理 20万円( 6万円)<30> ベランダ勾配不良 30万円<31> 階段最上階ガラス屋根のガラスの破損等 25万円<32> 電話回線工事不良 50万円<34> 洗面台取付不良 40万円<35> 建物西側犬走りコンクリートの不良 10万円計 1319万8000円(73万円)(相殺の対象額 1246万8000円)(四) 抗弁に対する認否(被控訴人マエダ)(1) 抗弁(1)(弁済)の事実は認める。 (2) 抗弁(2)の①,②の各主張は争う。 本件工事の完成が遅れたのは,隣地との境界問題が発生したことと,次から次と控訴人から追加変更工事の発注があったことが原因であり,被控訴人マ (2) 抗弁(2)の①,②の各主張は争う。 本件工事の完成が遅れたのは,隣地との境界問題が発生したことと,次から次と控訴人から追加変更工事の発注があったことが原因であり,被控訴人マエダには帰責原因はない。 (3) 抗弁(3)の主張は争う。 2 乙事件(一) 請求原因(控訴人)(1) 不当訴訟による損害賠償請求① 被控訴人マエダは,控訴人に対し,本件建物の残代金として5037万3275円の請求権を有すると主張して,平成4年1月29日に訴えを提起した(甲事件)。 ② しかし,甲事件において被控訴人マエダの請求する工事代金の内容は,追加工事でないものを追加工事として請求するという不当な水増し請求であって,不法行為を構成する。 ③ これにより,控訴人は,次の損害を被った。 <イ> 控訴人は,不当な訴訟を提起されて信用を失墜した他,不当訴訟に煩わされて多大な精神的苦痛を被った。この精神的苦痛を慰藉するには慰藉料として300万円が相当である。 <ロ> 控訴人は,不当訴訟に応訴するため弁護士に委任せざるを得ず,弁護士報酬相当額として500万円の損害を被った。 ④ よって,控訴人は,被控訴人マエダに対し,不法行為による損害賠償として800万円の支払を求める。 (2) 瑕疵修補に代わる損害賠償請求本件工事には,次のとおりの瑕疵があるので,控訴人は,次のとおり合計金183万円の瑕疵修補に代わる損害賠償請求を有する(なお,それぞれの瑕疵内容の頭にある番号をもって,瑕疵番号とする。甲事件の(三)の(3)に記載された瑕疵番号と同一の番号のものは,同一の瑕疵を意味する。)。  〔瑕疵の内容〕 〔損害額〕① 1階の旧式火災報知器 疵番号とする。甲事件の(三)の(3)に記載された瑕疵番号と同一の番号のものは,同一の瑕疵を意味する。)。  〔瑕疵の内容〕 〔損害額〕① 1階の旧式火災報知器移設・取替(壁面補修も含む。) (25万円)② 換気扇設置位置不良(ダクト延長等) (12万円)③ 畳取り替え(カビ等発生) (10万円)④ 脚取付(台所作付けテーブル) ( 5万円)⑥ 収納家具天井取付補強 (10万円)⑪ 1・2階の和室仕上げ(汚れ防止)不良 (10万円)⑮ 建物の外壁にある無用な穴の補修(6箇所)  (17万円)⑯ 台所流し台通電不良の補修 ( 3万円)<24> 腰壁と床板の隙間補修 (16万円)<26> コンクリート壁面仕上げ塗装 (15万円)<27> ブレーカー部天井板補修 ( 7万円)<28> 避難梯子修理 ( 6万円)<29> ケーブルテレビ補修 (20万円)<33> 3・4階の火災報知器取付不良 ( 8万円)<36> 水道管廻り補修 ( 3万円)<37> 漏電補修(2箇所) ( 6万円)<38> パイプ取付口周囲補修 ( 2万円)<39> 1階廊下のコルク壁補修(カビ取り) ( 2万円)<40> 隔壁損傷補修 <38> パイプ取付口周囲補修 ( 2万円)<39> 1階廊下のコルク壁補修(カビ取り) ( 2万円)<40> 隔壁損傷補修 ( 4万円)<41> 電気冷暖房機の取付補修 ( 2万円)計 (183万円)(3) 減額請求本件工事には,次のような工事変更や瑕疵があるので,工事代金から合計1433万5990円が減額されるべきである。 ① 階段室の角フロアタイルを全面クリンカータイルに変更したことによる減額 62万0790円② 外壁ステンレス化粧見切取付を理由とする減額 103万5200円③ 1階LDKモルテンガラス戸の調整による減額 1万円④ 階段室屋上の網入ガラス補修による減額 15万円⑤ 1階家事室の水漏れ補修による減額 20万円同排水口・換気孔取付等による減額 10万円⑥ 1階LDK天板たわみ変形・ガス台補修による減額 20万円⑦ 2階洋室Cシステムキッチン解体補修による減額 30万円⑧ 2階和室8畳収納ユニット取付修理による減額 2万円⑨ 1階浴室窓切り欠き・壁パネル取り替えによる減額 20万円同排気孔・換気扇付け替えによる減額 150万円洗面所の排気孔修理による減額 20万円⑩ 便所排気孔・換気扇付け替え,便座のゆるみ,ホルダー付け替えによ 気扇付け替えによる減額 150万円洗面所の排気孔修理による減額 20万円⑩ 便所排気孔・換気扇付け替え,便座のゆるみ,ホルダー付け替えによる減額 60万円⑪ 3・4階貸室のキッチンセットの収まり不良のために要する再工事による減額 120万円⑫ グレードアップ費分の減額 800万円合計 1433万5990円(4) 基礎杭の耐力不足を理由とする損害賠償請求本件建物を支える地中杭は,構造上深さ35メートルまで打設する必要があり,建築確認でも杭の長さは35メートルとされている。 ところが,被控訴人三谷は,被控訴人マエダと協議の上,杭の長さを34メートルと短縮して打設した。その結果,杭7本(5箇所)が耐力不足となっており(杭にかかる耐力は50トンを超えている),本件建物は,耐久性,安全性が減退し,その資産価値は少なくとも3割減となった。 本件建物価格は7800万円であり,控訴人は,その3割に当たる2340万円の資産価値減少の損害を被ったから,2340万円の損害賠償請求権を有する。 (5) よって,控訴人は,被控訴人マエダに対し,前記(1)ないし(3)の合計2416万5990円及びこれに対する遅滞後の平成4年2月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 さらに,控訴人は,被控訴人マエダに対しては債務不履行による損害賠償として,被控訴人三谷に対しては不法行為による損害賠償として,各自,前記(4)の2340万円及びこれに対する遅滞後の平成4年2月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合によ 務不履行による損害賠償として,被控訴人三谷に対しては不法行為による損害賠償として,各自,前記(4)の2340万円及びこれに対する遅滞後の平成4年2月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 (二) 請求原因に対する認否(被控訴人マエダ)(1) 請求原因(1)については,①の事実は認めるが,②,③の各事実は否認する。 (2) 請求原因(2),(3)は争う。 (3) 請求原因(4)については,被控訴人三谷が,被控訴人マエダと協議の上,基礎杭の20本につき,杭の長さを34メートルと短縮して打設したことは認めるが,その余の事実は否認する。 (三) 請求原因に対する認否及び反論(被控訴人三谷)請求原因(4)については,被控訴人三谷が,被控訴人マエダと協議の上,基礎杭の20本につき,杭の長さを34メートルと短縮して打設したことは認めるが,その余の事実は否認する。 被控訴人三谷は,本件建物の敷地に,基礎杭(23本)を打設する工事に着手したが,最初の1本目の杭から支持層が堅牢で全長を打設することができず,杭頭を切り取らざるを得ない事態となった。そこで,被控訴人マエダは,残り20本の杭の全長を34メートルにするように指示し,被控訴人三谷は,被控訴人マエダのこの指示に従って,工事を施工した。したがって,被控訴人三谷の工事が控訴人に対する不法行為となることはない。 第4 当裁判所の判断 1 控訴人と被控訴人マエダ間の工事請負契約締結の経緯について控訴人と被控訴人マエダ間において,本件工事契約が締結された事実(甲事件の請求原因(1))は当事者間に争いがない(ただし,本件工事契約の内容,とくに代金7800万円の趣旨については双方で争いがある。)ところ,証拠等によれば,契約締 本件工事契約が締結された事実(甲事件の請求原因(1))は当事者間に争いがない(ただし,本件工事契約の内容,とくに代金7800万円の趣旨については双方で争いがある。)ところ,証拠等によれば,契約締結の経緯について,以下の事実が認められる(末尾の括弧内は,裏付けとなる証拠等を示す。なお,書証は,とくに明記のないものは,原審併合前の甲事件及び併合後の事件における書証番号を表す。以下同じ。)。 (一) 控訴人は,平成元年秋ころ,取引銀行に勧められ,控訴人所有土地(福井市イロ丁目ハ番地所在の更地)に,マンション(控訴人居住部分と賃貸部分とから成る建物)を建てることを計画し,a設計事務所に依頼して,マンションの設計図(乙52号証)を作成してもらった(以下,このa設計事務所作成にかかる設計図を「a図面」という。)。 (乙52号証,61号証,原審における控訴人本人尋問の結果)(二) 控訴人は,a図面を基に,建築業者4社に見積を依頼したが,いずれも見積金額が1億円前後であり,控訴人の希望していた建築費用を超えたため,マンションの建築をしばらく見合わせていた。 (乙52号証,61号証,原審における証人bの証言及び控訴人本人尋問の結果)(三) その後,控訴人は,融資先の銀行から紹介されて,被控訴人マエダに,a図面を交付した上で,マンション建築の見積を依頼した。被控訴人マエダ側で,控訴人と主に交渉したのは,当時,専務取締役をしていたcであった。控訴人は,当初は,工事費用を6000万円の枠内に収めたいとの希望を述べていたが,その後,工事費用を7000万円に収めたいと申し入れた。 (甲8号証,原審における証人cの証言及び控訴人本人の尋問の結果)(四) 控訴人と被控訴人マエダは,マンション建築工事の内容についての協議もしながら,工 000万円に収めたいと申し入れた。 (甲8号証,原審における証人cの証言及び控訴人本人の尋問の結果)(四) 控訴人と被控訴人マエダは,マンション建築工事の内容についての協議もしながら,工事代金額につき折衝を続けていたが,被控訴人マエダは,平成2年3月ころ,表紙には見積金額が7800万円と記載されてはいるものの,見積り合計額が7800万円の明細書と,見積り合計額が9641万円の明細書の2種類のものが添付されている見積書(甲7号証)を作成した(なお,この見積書は,作成日付欄に,「平成元年11月1日」との記載があるが,実際に作成されたのは,平成2年3月である。)。この見積り合計額9641万円は,被控訴人マエダが控訴人との協議に基づいて積算した金額であり(被控訴人マエダの積算では,最低でも下請発注費に7926万円,工事雑費に850万5000円の計8776万5000円を要するものと見込まれた。),7800万円の方は,これ以上安くならないという趣旨の金額であった。平成2年3月16日の協議において,被控訴人マエダは,上記見積書(甲7号証)を示しながら,7000万円の枠内で工事をすることは無理であると控訴人に説明し,その結果,控訴人との間で,「契約書は,本体工事分(請負代金額は7000万円)と追加工事分(請負代金額は800万円以内)との2本立てとする。追加工事契約書は,各工事内容を双方の打ち合わせにより決定して取り決める。ただし,被控訴人マエダは,追加工事の請負代金が800万円を超えないように努力する。」旨が合意された。平成2年3月16日の協議における被控訴人マエダ側の出席者は,c(専務取締役),d(部長)及びe(課長)であった。 (甲7号証,8号証,12号証,乙9号証,原審における証人cの証言及び被控訴人マエダ代表者,控訴人本人の各 ける被控訴人マエダ側の出席者は,c(専務取締役),d(部長)及びe(課長)であった。 (甲7号証,8号証,12号証,乙9号証,原審における証人cの証言及び被控訴人マエダ代表者,控訴人本人の各尋問の結果)(五) 平成2年3月16日の時点で,契約書は本体工事分と追加工事分との2本立てとすることが合意されたことから,被控訴人マエダは,一旦は,請負代金額が7000万円と記載された工事請負契約書の用紙を用意した。しかし,印紙代節約等の理由から,被控訴人マエダのcは,請負代金額が7800万円と記載された工事請負契約書を用意して,平成2年3月19日,控訴人と面談して,その旨を説明した。そして,同日,請負代金額が7800万円と記載された工事請負契約書(甲1号証)に控訴人と被控訴人マエダの双方が調印した。この工事請負契約書(甲1号証)には,作成日付欄に,「平成元年11月8日」との記載があるが,これは消費税対策のため遡らせた日を記載したものであり,実際の契約締結日は平成2年3月19日であった。しかし,本件工事の完成時期は,同工事請負契約書(甲1号証)に記載されたとおり,平成2年9月30日とすることが双方間で合意された。なお,工事請負契約書(甲1号証)には,工事請負契約約款のほか,設計図や仕様書が添付される旨が不動文字で印刷されているが,工事請負契約書(甲1号証)に,これらの書類は全く添付されなかった。さらに,被控訴人マエダは,印紙代節約を理由として,工事請負契約書(甲1号証)の原本を1通しか作成せず,その写しを控訴人に交付するのみであった。 (甲1号証,乙3号証,4号証,61号証,原審における証人cの証言及び被控訴人マエダ代表者,控訴人本人の各尋問の結果)(六) 控訴人と被控訴人マエダは,平成2年3月21日にも協議を行ったが,その際, 1号証,乙3号証,4号証,61号証,原審における証人cの証言及び被控訴人マエダ代表者,控訴人本人の各尋問の結果)(六) 控訴人と被控訴人マエダは,平成2年3月21日にも協議を行ったが,その際,① 本件工事代金は,本体工事分と追加工事分を併せて,消費税も含め7800万円とすること,② 自転車置場は,本件工事に含まれないこと等が確認された(被控訴人マエダ作成にかかる平成2年3月21日付け打合せ協議書には,「本体工事7800万,消費税は含む」との記載があるが,(四)記載の合意内容及び(五)記載の工事請負契約書調印の経緯に照らすと,その記載の趣旨は,上記①のとおりであると理解される。)。そして,平成2年3月21日の協議の際,本件工事を7800万円の金額の枠内で収めるには,被控訴人マエダも値引きするところは値引きをし,他方,控訴人も削除すべき工事内容については削除する協力をする必要があったことから,見積書に記載された工事内容を手直しすることが双方で話し合われた。そして,具体的には,被控訴人マエダにおいて新たな設計図面を作成し,これに基づき,控訴人との間で工事打ち合わせを定期的に行って,代金枠(7800万円)を考慮しながら最終的な工事内容を確定していくことが双方の間で取り決められた。平成2年3月21日の協議における被控訴人マエダ側の出席者は,c(専務取締役)及びd(部長)であった。 (甲7号証,8号証,12号証,乙10号証,61号証,原審における証人 c,同dの各証言)(七) 本件工事契約の目的たるマンション(本件建物)は,4階建てであり,1階及び2階を控訴人の居住用とし,3階及び4階を賃貸用とすることが予定されていた。 (乙61号証,原審における控訴人本人尋問の結果)(八) 被控訴人マエダは,(六)記載の取り決めに基 り,1階及び2階を控訴人の居住用とし,3階及び4階を賃貸用とすることが予定されていた。 (乙61号証,原審における控訴人本人尋問の結果)(八) 被控訴人マエダは,(六)記載の取り決めに基づいて,新たな設計図面(甲9号証)を作成した。しかしながら,被控訴人マエダは,この設計図面(甲9号証)のうち,平面図を1枚程度しか,控訴人に交付しなかった。 (甲9号証,乙61号証,原審における証人c,同d,同eの各証言及び控訴人本人尋問の結果)(九) 控訴人と被控訴人マエダとの打ち合わせや工事施工の経過等は,次のとおりである(本件工事契約前のことも含む。)。 (1) 平成2年2月時点の協議事項控訴人と被控訴人マエダは,a図面をもとにして,下記のとおり協議した。 ① 1・2階の便所・洗面所,ユニットバスの位置を移動する。 2階ユニットバスは,一般住宅用のものを使用して,3・4階については,被控訴人マエダにあるユニットバスと同じものとする。 ② 2階和室6畳を8畳とする。 ③ 3・4階の各部屋2室を室内打放し仕上げとする。 ④ 1階LDKに,間仕切りなしの4.5畳の畳敷を設ける。 ⑤ 1階から2階への室内階段は,竣工検査後に施工することとする。 階段の手すりに,既存スチールメッシュを塗装の上,パイプ等で取り付けることができるかを検討する。 ⑥ 3・4階ベランダに,竣工検査後にサンルームを設置することを検討する。 ⑦ 控訴人は,平成2年10月1日には入居可能となるようにと希望する。 (甲12号証の平成2年2月24日欄,乙5号証,67号証)(2) 平成2年3月上旬から中旬までの主な合意事項① 納戸に押入・予備室を設ける。 ② 1階和室 ようにと希望する。 主文 平成2年3月上旬から中旬までの主な合意事項 ①納戸に押入・予備室を設ける。 ②1階和室8畳に物入れを設ける。 ③便所は洋式とする。 ④1階浴室は,ユニットバスを取り止めて,浴槽・タイルにて施工する。浴槽は,TOTO製(型番PYK1402RW)とする。 ⑤2階浴室は,ユニットバスのままとする。 ⑥3・4階の流し台・ガス台は,規格品とする。 ⑦共同階段は,人の歩く幅をタイルとする。 ⑧各階の北側ベランダは,アスファルト防水を施工する。 ⑨外壁仕上げは,打放し仕上げを吹付タイル仕上げに変更する。 ⑩杭の施工方法は,ニーディング工法による。 理由 平成2年3月21日の主な合意事項 ①前庭につき,植栽・花壇立上り部分を自然石貼りとする。 ②前庭につき,化粧囲い外灯を4箇所に設ける。 ③前庭につき,正面に袖看板を設ける。 ④床タイルは,イナセラミックプレートG-57(モスグリーン)を使用する。 ⑤外壁は,打放し補修の上,吹付タイルとする。ただし,正面の外壁は,ボーダータイルとする(イナビューラインBU-3を使用する。)。 ⑥正面立上り擁壁の高さは,1200ミリメートルまでとする。 ⑦1階和室の壁・建具・物入れ・床の間・エアコン・鴨居,納戸の床の仕様等を協議する。 ⑧納戸には換気扇はつけないこととする(ただし,乾燥機用ダクト穴をつける。)。 ⑨LDK 1階和室の壁・建具・物入れ・床の間・エアコン・鴨居,納戸の床の仕様等を協議する。 ⑧ 納戸には換気扇はつけないこととする(ただし,乾燥機用ダクト穴をつける。)。 ⑨ LDKの床・エアコンの仕様等を協議する。 (甲12号証の平成2年3月21日の欄,乙10号証,67号証)(4) 平成2年3月24日の主な合意事項洗面所に換気扇を取り付ける。 (甲12号証の平成2年3月24日の欄)(5) 平成2年3月,4月時点における工事の進捗状況① 平成2年3月24日から基礎杭工事の施工を開始し,同年4月10日までに完了した。 ② 平成2年4月12日,控訴人は,本件工事について,建築確認申請を行った(実際の手続は,被控訴人マエダの専務取締役で,建築士の資格を有するcが控訴人から委任を受けて行った。なお,平成2年5月11日に,福井市建築主事から,建築確認の通知がなされた。)。 (乙46号証の1ないし22,53号証の1,2,弁論の全趣旨)(6) 平成2年4月時点の主な合意事項① 1階和室の天井板・壁塗り・柱の材質を決定,床の間と仏間の位置変更・出入口の移動② 2ないし4階に西側窓を設置する。 ③ 1階から2階に上がる室内階段は,ストリップ階段とする。 ④ 1階廊下・洗面所の床は,角タイル貼りとする。 ⑤ 2階洋室に押入を設置することとする。 ⑥ 2階台所流し台は,既製品とする。 (甲12号証の平成2年4月8日,14日の各欄,乙67号証)(7) 平成2年5月時点の施工済み部分基礎配筋・型枠・基礎コンクリート打設工事施工(甲12号証の平成2年5月5日,2 ,14日の各欄,乙67号証)(7) 平成2年5月時点の施工済み部分基礎配筋・型枠・基礎コンクリート打設工事施工(甲12号証の平成2年5月5日,29日の各欄,乙67号証)(8) 平成2年5月時点の主な合意事項など① 控訴人から,正面の外壁ボーダータイル(前記(3)の⑤)を変更したいとの申し出があり,これにより,被控訴人マエダは,下請に注文してあったタイルを解約する必要が生じた。 ② 外壁吹付タイル(前記(3)の⑤)は,打放しに変更する。 なお,この変更により,コンクリートの型枠材を普通ベニヤから表面塗装ベニヤに変更する必要が生じた。 ③ 1階和室につき,8畳を6畳に変更し,納戸を広げる。 なお,この変更により,壁の位置が変わり,地中梁を増設する必要が生じた。 (甲12号証の平成2年5月5日,29日の各欄,乙67号証)(9) 平成2年7月14日の主な協議事項① 階段室の開口について協議② 3・4階の設備についての協議(甲4号証の15)(10) 平成2年7月・8月時点の施工済み部分1ないし4階の躯体配筋・コンクリート打設工事施工(平成2年8月29日には,4階のコンクリート打設工事が完了)(甲12号証の平成2年7月13日,14日,8月3日,5日,8日,14日,28日の各欄,乙16号証,67号証)(11)  平成2年8月14日の主な合意事項など① 正面の外壁ボーダータイル(前記(3)の⑤)をイナセラマイルドとし,ステンレス鏡面仕上げのラインを入れる旨の変更をする。 ② 階段室の屋上はオープンとし,後日,屋根(トップライト形式 ① 正面の外壁ボーダータイル(前記(3)の⑤)をイナセラマイルドとし,ステンレス鏡面仕上げのラインを入れる旨の変更をする。 ② 階段室の屋上はオープンとし,後日,屋根(トップライト形式)を三角又はかまぼこ型で施工して取り付ける。 鉄骨階段で屋上に上がるようにする。 ③ 屋上に転落防止用フェンスを設ける。 ④ 屋上に水源を設ける⑤ 3・4階のA・Cタイプの部屋のベランダに,竣工検査後にサンルームを設置する。 ⑥ 3・4階のDタイプの部屋の居室入口は45度傾ける。 ⑦ 3・4階のC・Dタイプの流し台は,サンウェーブの都市型キッチンとする。 また,3・4階のA・Bタイプの流し台は,TOTOのカタログを参考にして,袖壁,吊り棚,付属品を検討する。 ⑧ 2階の浴室・便所・洗面所の配置を変更する。 ⑨ 控訴人は,1階浴室について,ナショナルユニットバスを希望する。 ⑩ 納戸の押入及び建具は取り止め,家事室的に収納セットを検討する。 ⑪ 後庭(南面庭)にある受水槽は屋根で囲い,圧力ポンプ(吸水ポンプ)も収納する。 ⑫ 後庭(南面庭)について,目隠しスクリーンとして,メッシュ鉄板を設置する。 ⑬ 建物西側犬走りをコンクリート打ちとする。 ⑭ 1階LDKの入口戸は,ステンレス枠のガラス戸とし,袖壁はガラスロック(たまゆら)で床から天井までとする。 ⑮ そして,控訴人と被控訴人マエダの間で,以上のような工事内容の変更に伴い,工事完了時期が10月末あるいは11月初めにずれ込むことが合意確認された。 ⑯ 控訴人から,2階和室8畳には押入を,2階洋室Bにはクローゼットをそれぞれ設けたいとの意向が述べられ,ディマンシュという家具業者に 月末あるいは11月初めにずれ込むことが合意確認された。 ⑯ 控訴人から,2階和室8畳には押入を,2階洋室Bにはクローゼットをそれぞれ設けたいとの意向が述べられ,ディマンシュという家具業者にプランさせたいとの希望が出された。 (甲12号証の平成2年8月14日の欄,乙16号証,弁論の全趣旨)(12) 平成2年8月28日の主な合意事項など① 1階LDKにキャビネット,2階洋間にクローゼットをそれぞれ設置することについて協議した(ディマンシュに見積りを依頼)。 ② 1階納戸は,家事室に変更する。 控訴人からは,家事室に,収納家具を取り付けたいとの希望が出された(なお,その後,控訴人は,平成2年9月7日までの間に,収納家具について,サンウェーブに見積りを依頼した。)。 (甲12号証の平成2年8月28日,9月7日の各欄)(13) 平成2年9月時点の主な合意事項など① 1階LDKのキャビネット,2階洋間のクローゼットの各仕様を確認する。 被控訴人マエダは,ディマンシュの見積りを見て,控訴人に対し,契約当初のものの価格より相当高価になっている旨を説明した。 ② 控訴人は,納入されている2階ユニットバスが気にいらないと言ったため,これを4階のユニットバスとして転用する(このため,もとの4階ユニットバスは解約する。)。 2階にはTOTO製のユニットバスを入れる。 3・4階のユニットバスのカランを変更する。 ③ 3・4階北側室の中間に間仕切りを取り付ける。 ④ 2階和室の飾り棚ユニット(収納ユニット)の現物を確認する。 (甲12号証の平成2年9月7日,8日,13日の各欄,乙67号証)(14) 平成2年10月時点の施工済 付ける。 ④ 2階和室の飾り棚ユニット(収納ユニット)の現物を確認する。 (甲12号証の平成2年9月7日,8日,13日の各欄,乙67号証)(14) 平成2年10月時点の施工済み部分3・4階浴室配管,木工事,サッシ取付など施工(甲12号証の平成2年10月5日,6日の各欄,乙67号証)(15) 平成2年10月時点の主な合意事項など① 3・4階の半分の室の床をフローリング貼りに変更する。 3・4階の洗面所・便所の床もフローリング貼りに変更する。 ② 3・4階の北・南西側の室の内壁をクロス貼りに変更する。 ③ 2階のTOTO製ユニットバス(前記(13)の②)につき,納期が定まらないため,これをナショナル製ハーフユニットに変更する。 ④ 1階のTOTO製ジェットバス(前記(2)[平成2年3月上旬から中旬まで]の④)をナショナル新製品(テレビ付きジェットバス)に変更を検討する。 ⑤ 1・2階廊下の壁について,北側のみをコルク調合板貼りにし,他はビニールクロス貼りに変更する。 ⑥ 1階和室に付け書院を取り付けることに変更する。 ⑦ 2階洋室の床をフローリング貼りに変更する。 (甲12号証の平成2年10月5日,6日の各欄,乙67号証)(16) 平成2年10月時点の出来事本件建物の敷地(控訴人所有の福井市イロ丁目ハ番地)の隣地所有者であるfから,本件建物のアプローチ壁が越境している疑いがあるので,工事を中止してほしいとの苦情があった。そのため,被控訴人マエダは,建物外部の工事(作業)を一時中止し(その間,建物内部の工事は続けられた。),工期に遅れが生じた。 (甲12号証の平成2年10月6日の欄,原審における証人dの た。そのため,被控訴人マエダは,建物外部の工事(作業)を一時中止し(その間,建物内部の工事は続けられた。),工期に遅れが生じた。 (甲12号証の平成2年10月6日の欄,原審における証人dの証言)(17) 平成2年11月16日の合意事項など① 1階和室床柱を集成材から間物に変更する。 ② 2階にキッチンセットを新設する。 この変更により,設備配管や電気配線の変更を伴うので,控訴人において品番を早急に決定することとなった。 ③ 1階LDK廻りは,未だ設備配管ができていないため,早急にどのようにするかを決定する。 (甲12号証の11月16日の欄)(18) 平成2年11月22日の合意事項など① 階段室床タイルの変更従前は,歩く幅(踏面幅70センチメートル)のみにタイルを貼ることとされていた(前記(2)の⑦)のを,全部にタイルを貼ることに変更する。 ② 外壁仕上げを変更する。 (甲12号証の平成2年11月22日の欄,乙67号証)(19) 平成2年12月時点の主な合意事項など① 1階LDKのカウンターの位置を決定(これにより配管工事変更)② 1階LDKのバック棚の設計を内装及び家具の業者であるトチヤ室内装備工業株式会社(代表取締役はg)に依頼した(納品は,平成3年1月末ころの予定)。 (甲12号証の平成2年12月3日,25日の各欄,乙67号証)(20) 平成3年2月時点の主な合意事項控訴人が希望したトチヤ室内装備工業のデザインに基づいて,3・4階壁・天井のクロス品番が決定された。 (甲12号証の平成3年2月12日,26日の各欄)(21) 平成3年4月19日の合意事項 したトチヤ室内装備工業のデザインに基づいて,3・4階壁・天井のクロス品番が決定された。 (甲12号証の平成3年2月12日,26日の各欄)(21) 平成3年4月19日の合意事項階段屋上にトップライトを取り付ける(納期は平成3年4月末日に取り付けることとする。)。 (甲4号証の34)(一〇) 前記(九)記載の工事内容の変更は,専ら控訴人の意向によって行われた。 被控訴人マエダでは,平成2年4月25日まではc(当時専務取締役)が,その後平成3年2月まではd(当時部長)が,その後はhがそれぞれ本件工事の設計監理を担当し,前記の工事打ち合わせにも同人らが出席して控訴人と協議をした(なお,cは,平成2年4月25日に,被控訴人マエダを辞めて,以後,本件工事にも全く関与しなくなった。)。しかし,前記(九)で記載したような具体的な工事内容の確定や変更の都度,それが本体工事の枠内か追加工事に当たるのか,工事代金の増加があるのかなどについては,個々に具体的な取決めをしてはいなかった。 (原審における証人c,dの各証言及び被控訴人マエダ代表者,控訴人本人の各尋問の結果)(一一) 本件工事は,前記(九)の(16)のように,平成2年10月に,隣地所有者である水本から,本件建物のアプローチ壁が越境している疑いがあるので,工事を中止してほしいとの苦情があったことから,建物外部の工事(作業)を一時中止していたが,間もなくこの問題も解決し,本件建物については,平成3年6月下旬ころ,完了検査(建築基準法7条)が行われ,検査済証も交付された。 (原審における証人dの証言及び控訴人本人尋問の結果,弁論の全趣旨)(一二) 控訴人は,平成3年8月26日,本件建物に所有権保存登記を経由した上,金融機関から建築資金を借り入 交付された。 (原審における証人dの証言及び控訴人本人尋問の結果,弁論の全趣旨)(一二) 控訴人は,平成3年8月26日,本件建物に所有権保存登記を経由した上,金融機関から建築資金を借り入れるための抵当権設定登記手続をした。 (乙61号証,原審における控訴人本人尋問の結果,弁論の全趣旨,)(一三) その後,工事残代金の支払を巡って紛争が発生し,控訴人は,平成3年9月15日,被控訴人マエダの代表者と協議した。しかしながら,工事残代金の支払の協議は整わず,控訴人は,被控訴人マエダの代表者から,本件建物の各室の鍵を受け取ることはできなかった。 (乙61号証,原審における控訴人本人尋問の結果)(一四) 控訴人は,平成3年12月10日過ぎころ,本件建物の各室の入口に付いていた鍵を取り替えて入居した。それ以降現在まで,控訴人は,本件建物に「バッキンガムパート2」という名称をつけ,1階及び2階部分を自らの居住用とするともに,3階及び4階部分を賃貸用に供している。 (乙61号証,原審における控訴人本人尋問の結果,弁論の全趣旨) 2 本件工事契約の契約成立時期及び契約内容について(1) 前記1認定の事実に基づいて検討すると,控訴人と被控訴人マエダとの間では,一旦は平成2年3月16日の協議において,「契約書は,本体工事分(請負代金額は7000万円)と追加工事分(請負代金額は800万円以内)との2本立てとする。」ことが合意されたものの,その後,印紙代節約等の理由から,平成2年3月19日に,請負代金額が7800万円と記載された工事請負契約書(甲1号証)に控訴人と被控訴人マエダの双方が調印することにより,同日,請負代金額7800万円とする工事請負契約が成立したと認められる。そして,この7800万円という金額は,平成2年3月 請負契約書(甲1号証)に控訴人と被控訴人マエダの双方が調印することにより,同日,請負代金額7800万円とする工事請負契約が成立したと認められる。そして,この7800万円という金額は,平成2年3月16日に行われた協議の経緯や平成2年3月21日に行われた協議も踏まえると,本体工事分としての7000万円と追加工事分としての800万円とを併せての金額であり,かつ,消費税を含む金額であると認められる。 なお,控訴人は,陳述書(乙61号証)及び原審本人尋問において,工事請負契約書(甲1号証)に調印したのは,c(専務取締役)から,労災保険の関係上必要な書類であると言われたため調印したに過ぎないと供述する。しかし,たとえ,当時,cがこのような説明をしたとしても,請負契約書としての体裁を有し,金額欄も明示的に記載してある工事請負契約書(甲1号証)に調印した以上,控訴人としても,工事請負代金は7800万円との認識の下に,被控訴人マエダと工事請負契約を締結したと認めるのが相当である。 他方,被控訴人マエダは,7800万円という金額は本体工事だけの金額であると主張するが,前記認定に照らして採用できない。すなわち,甲1号証の工事請負契約書には,請負代金額が7800万円としか記載されていないが,平成2年3月16日に行われた協議の経緯を踏まえると,控訴人と被控訴人マエダ間においては,本体工事分としての7000万円と追加工事分としての800万円とに区分する合意もあったと認められるから,7800万円という金額は,本体工事分としての7000万円と追加工事分としての800万円とから構成されるものと認められる。 (2) そして,前記1認定の事実によれば,請負代金額が7800万円と記載された工事請負契約書(甲1号証)に控訴人と被控訴人マエダの双方が調印した の800万円とから構成されるものと認められる。 (2) そして,前記1認定の事実によれば,請負代金額が7800万円と記載された工事請負契約書(甲1号証)に控訴人と被控訴人マエダの双方が調印した平成2年3月19日の時点では,双方間では本件工事契約の内容は明確にはなっていなかったというべきであるが,その後,平成2年3月21日に行われた双方の協議を踏まえると,① 自転車置場は,本件工事に含まれないこと,② 見積金額を7800万円とする見積書(甲7号証)を一応の基本とはするものの,本件工事を7800万円の金額の枠内で収めるのに,双方が協力して,同見積書に記載された工事内容を手直しすること,③ 具体的には,被控訴人マエダにおいて新たな設計図面を作成し,これに基づき,控訴人との間で工事打ち合わせを逐次行って,代金枠(7800万円)を考慮しながら最終的な工事内容を確定していくこと,の3点が双方で合意された本件工事契約の内容であると認められる。 (3) 前記認定によれば,控訴人と被控訴人マエダとの間では,本体工事分(7000万円)と追加工事分(800万円)を併せて7800万円という請負金額で本件工事契約が締結され,しかも,双方間では,工事打ち合わせを逐次行って,見積書(甲7号証)に記載された工事内容を手直しすることが合意されたのであるから,被控訴人マエダが,見積書(甲7号証)に記載されていない工事をしたからといって,当然に本件工事契約の対象外の工事をしたことにならないというべきである。したがって,被控訴人マエダは,原則として,7800万円を超えて,工事代金を請求することはできないものといわなければならない。 しかしながら,そうであるとしても,控訴人の注文により見積書(甲7号証)に記載された仕様・設備等とは明らかに異なる,価格的にも高額な 代金を請求することはできないものといわなければならない。 しかしながら,そうであるとしても,控訴人の注文により見積書(甲7号証)に記載された仕様・設備等とは明らかに異なる,価格的にも高額な仕様・設備等の工事がなされ,それが工事代金7800万円の枠内に収まらないことが容易に予見することができ,したがって,そのことを控訴人において認識していたと認められる場合には,当該部分については,黙示的に本件工事契約(代金7800万円)の対象外の追加工事の請負契約が成立したものと認められ,控訴人は,その出来高に対応する代金の支払義務を免れることはできないというべきである。 (4) これに対し,控訴人は,どのような追加変更工事であっても,全て7800万円の枠内で施工する約定であったと主張し,陳述書(乙61号証)及び原審本人尋問においてこれに沿う供述をする。 しかしながら,同供述は,平成2年3月16日の協議において,控訴人と被控訴人マエダ間で,「追加工事契約書は,各工事内容を双方の打ち合わせにより決定して,取り決める。ただし,被控訴人マエダは,追加工事の請負代金が800万円を超えないように努力する。」と合意され(乙9号証の打合せ議事録),必ずしも800万円が追加工事の絶対的上限金額とされていないことに照らして,採用できない。 3 被控訴人マエダの追加工事代金請求の可否について(一) 本件において,被控訴人マエダが主張する追加工事が施工されたこと自体は争いがない。 (二) 被控訴人マエダが主張する追加工事が施工された経緯は,次のとおりであると認められる。 (1) 階段室床タイル貼りについて前記1の(九)認定の事実((2)の⑦,(18)の①)及び弁論の全趣旨によれば,階段室(共同階段)のタ と認められる。 (1) 階段室床タイル貼りについて前記1の(九)認定の事実((2)の⑦,(18)の①)及び弁論の全趣旨によれば,階段室(共同階段)のタイルは,平成2年3月上旬から中旬までの打ち合わせ時には,人の歩く幅のみをタイルとすることとされていたが,その後,平成2年11月22日の打ち合わせで,全部タイル貼りとすることに変更することが合意され,その後,この合意に基づいて,階段室(共同階段)の床全面にタイルが貼られる施工がなされたことが認められる。 (2) 外壁ステンレス化粧見切取付について前記1の(九)認定の事実((3)の⑤,(8)の①,(11)の①)及び弁論の全趣旨によれば,平成2年3月21日の打ち合わせ時には,正面の外壁は,ボーダータイルとすること(イナビューラインBU-3を使用すること)が合意されたが,その後,平成2年8月14日の打ち合わせにより,外壁ボーダータイルをイナセラマイルドとし,ステンレス鏡面仕上げのラインを入れる旨の変更をすることが合意され,その後,この合意に基づいて,外壁ボーダータイルに,ステンレス化粧見切(ステンレス鏡面仕上げのラインを入れること)の施工がなされたものと認められる。 (3) 1階LDK入口ステンレスサッシ取付について前記1の(九)認定の事実((11)の⑭)に,証拠(甲3号証,12号証の平成2年8月14日の欄,乙16号証)及び弁論の全趣旨を総合すると,当初の契約時には,1階LDKの入口戸は,普通の木製ドアの予定であったが,平成2年8月14日の打ち合わせで,「ステンレス枠のガラス戸とし,袖壁はガラスブロックとする」ことが合意され,その後,この合意に基づいて,ステンレス枠のガラス戸等の施工がなされた の予定であったが,平成2年8月14日の打ち合わせで,「ステンレス枠のガラス戸とし,袖壁はガラスブロックとする」ことが合意され,その後,この合意に基づいて,ステンレス枠のガラス戸等の施工がなされたことが認められる。 (4) 階段室屋上トップライト取付について前記1の(九)認定の事実((9)の①,(11)の②,(21))に,証拠(甲3号証,4号証の15,34,6号証,7号証,12号証の平成2年8月14日の欄,乙16号証)及び弁論の全趣旨を総合すると,契約の当初には,階段室の屋上については何も取り決めがなされていなかったが,平成2年7月14日ころから階段室の開口についての協議がなされ,平成2年8月14日の打ち合わせでは,階段室の屋上はオープンとし,後日,屋根(トップライト形式)を三角又はかまぼこ型で施工して取り付けることが合意され,最終的に平成3年4月19日の打ち合わせで,トップライトを取り付けることが合意されたこと,その後,この合意に基づいて,階段室屋上にトップライトが取り付けられたことが認められる。 (5) 1階LDKキャビネット取付について前記1の(九)認定の事実((12)の①)に,証拠(甲3号証,6号証,7号証,12号証の平成2年8月14日,9月7日の各欄)並びに弁論の全趣旨を総合すると,契約の当初には,1階LDKに収納キャビネットを付けることは予定されていなかったが,平成2年9月時点で,控訴人は,1階LDKのキャビネット等につき,自ら他の業者(ディマンシュ)に見積りを依頼したこと,これを受けて,1階LDKにキャビネットを設けることが合意されて,被控訴人マエダにより1階LDKのキャビネットの施工がなされたことが認められる。 (6) 1階家事室ユニット家具取付について れを受けて,1階LDKにキャビネットを設けることが合意されて,被控訴人マエダにより1階LDKのキャビネットの施工がなされたことが認められる。 (6) 1階家事室ユニット家具取付について前記1の(九)認定の事実((12)の②)に,証拠(甲3号証,4号証の37,6号証,7号証,12号証の平成2年8月28日,9月7日の各欄)及び弁論の全趣旨を総合すると,契約の当初には,1階納戸の予定であったところを,平成2年8月28日の打ち合わせで,家事室に変更することが合意されたこと,その後,控訴人は,家事室の収納家具(ユニット家具)について,サンウェーブに見積りを依頼したこと,これを受けて,この収納家具を家事室に設置することが合意されて,被控訴人マエダにより家事室につき収納家具(ユニット家具)を設置する施工がなされたことが認められる。 (7) 1階LDK特注飾り棚取付について前記1の(九)認定の事実((19)の②)に,証拠(甲3号証,甲12号証の平成2年12月3日の欄,乙67号証)及び弁論の全趣旨を総合すると,契約の当初から,1階LDKには飾り棚(バック棚)を設けることが予定されていたこと,平成2年12月時点の打ち合わせにより,この飾り棚(バック棚)の設計をトチヤ室内装備工業に依頼することになり,その後,被控訴人マエダにより1階LDKに飾り棚(バック棚)設置の施工がなされたことが認められる。 (8) 2階洋室Bクローゼット取付について前記1の(九)認定の事実((11)の⑯,(12)の①,(13)の①)に,証拠(甲3号証,甲12号証の平成2年8月14日,9月7日の各欄,乙16号証)及び弁論の全趣旨を総合すると,2階洋間(洋室B)にクローゼットを設けることは当初の契約時には予定されてい 3)の①)に,証拠(甲3号証,甲12号証の平成2年8月14日,9月7日の各欄,乙16号証)及び弁論の全趣旨を総合すると,2階洋間(洋室B)にクローゼットを設けることは当初の契約時には予定されていなかったが,平成2年8月14日の打ち合わせの際に,控訴人から2階洋間(洋室B)にクローゼットを設けたいとの意向が述べられたこと,同年9月時点ではクローゼットの仕様の確認が行われ,これを受けて,2階洋間(洋室B)にクローゼットを設けることが合意されて,被控訴人マエダにより2階洋間(洋室B)にクローゼットを設置する施工がなされたことが認められる。 (9) 2階洋室Cシステムキッチン取付について前記1の(九)認定の事実((6)の⑥,(17)の②)に,証拠(甲3号証,4号証の37,5号証,12号証の平成2年4月14日,11月16日の各欄)及び弁論の全趣旨を総合すると,平成2年4月時点の打ち合わせでは,2階洋室(洋室C)には,既製品のキッチンを設ける予定であったが,平成2年11月16日の打ち合わせで,キッチンセット(特注品)とすることが合意され,平成3年5月9日までの間に発注されて,その後,2階洋室(洋室C)にキッチンセット(特注品)設置の施工がなされたことが認められる。 (10) 2階和室8畳収納ユニット取付について前記1の(九)認定の事実((11)の⑯,(13)の④)に,証拠(甲3号証,4号証の37,甲12号証の平成2年8月14日,9月8日の各欄,乙16号証)及び弁論の全趣旨を総合すると,2階和室(8畳)に収納ユニットを設置することは当初の契約時には予定されていなかったが,平成2年8月14日の打ち合わせの際に,控訴人から2階和室に押入れを設けたいとの意向が述べられたこと,同年9月時点では2階和室の 収納ユニットを設置することは当初の契約時には予定されていなかったが,平成2年8月14日の打ち合わせの際に,控訴人から2階和室に押入れを設けたいとの意向が述べられたこと,同年9月時点では2階和室の飾り棚ユニット(収納ユニット)の現物が確認され,これを受けて,2階和室に飾り棚ユニット(収納ユニット)を設けることが合意され(平成3年5月9日時点では既に発注済み),その後,被控訴人マエダにより2階和室につき飾り棚ユニット(収納ユニット)を設置する施工がなされたことが認められる。 (11) 1階ユニットバス変更について前記1の(九)認定の事実((2)の④,(11)の⑨,(15)の④)に,証拠(甲3号証,4号証の37,12号証の平成2年3月7日,8月14日,10月5日の各欄,乙16号証)及び弁論の全趣旨を総合すると,平成2年3月上旬から中旬までの打ち合わせでは,1階浴室は,ユニットバスを取り止めて,TOTO製(ジェットバス)とすることが合意されたこと,同年8月14日の打ち合わせでは,控訴人は,これをナショナルユニットバスに変更することを希望するようになり,同年10月の打ち合わせでは,ナショナルの新製品(テレビ付きジェットバス)に変更することを希望したこと,これを受けて,平成3年5月9日までの間に発注されて,その後,被控訴人マエダにより1階浴室につきナショナル製のテレビ付きジェットバスの設置が施工されたことが認められる。 (12) 3階4階マンション部キッチン変更について前記1の(九)認定の事実((2)の⑥,(11)の⑦)に,証拠(甲3号証,4号証の37,12号証の平成2年8月14日の欄,乙16号証)及び弁論の全趣旨を総合すると,平成2年3月上旬から中旬までの打ち合わせでは,3・4階の流し台は )の⑥,(11)の⑦)に,証拠(甲3号証,4号証の37,12号証の平成2年8月14日の欄,乙16号証)及び弁論の全趣旨を総合すると,平成2年3月上旬から中旬までの打ち合わせでは,3・4階の流し台は,安価な規格品とすることが合意されていたが,その後,平成2年8月14日の打ち合わせで,3・4階のC・Dタイプの流し台は,サンウェーブの都市型キッチンとすること,また,A・Bタイプの流し台は,TOTOのカタログを参考にして,袖壁,吊り棚,付属品を検討することが協議されたこと,これを受けて,遅くとも平成3年5月9日までには発注されて,その後,被控訴人マエダにより,3階4階の各室にシステムキッチン(電子レンジ,冷蔵庫付きのもの)の設置がなされたことが認められる。 (三) 前記(二)認定の事実によれば,前記の(7)を除いた各工事は,当初の契約では予定されていなかったものを設置するようになったか,あるいは,当初の打ち合わせで合意されていた内容を変更して行われたものということができる。 これに対して,前記の(7)の工事については,契約の当初から,1階LDKには飾り棚(バック棚)を設けることが予定されていたものであり,控訴人にとっても,被控訴人マエダにとっても格別新たなものということはできない(設計をトチヤ室内装備工業に依頼したからといって,このことは上記認定を左右するものではない。)。したがって,この(7)の工事は敢えて追加工事というに値しないものである。 ところで,前記(1)ないし(5),(8),(10)及び(12)の各工事の内容は,前記認定のとおりであり,しかも,被控訴人マエダの主張によっても,その工事代金額が200万円にも満たない施工に過ぎないことが認められるから,これらの各工事は,本件工事契約の見積りにあった設備・仕様と明らかに異なる, であり,しかも,被控訴人マエダの主張によっても,その工事代金額が200万円にも満たない施工に過ぎないことが認められるから,これらの各工事は,本件工事契約の見積りにあった設備・仕様と明らかに異なる,価格的に高額な仕様・設備の変更であるということはできない。けだし,前記認定の追加工事を含めて工事代金が7800万円と定められた経緯に照らせば,この程度の追加工事は,当初の工事代金(本体工事分7000万円と追加工事分800万円)の範囲で賄うべきものと判断されるからである。このような判断は,被控訴人マエダにとっては不本意なことであるかも知れないが,そもそも工事の追加・変更を協議する中で,控訴人に工事代金の増減額を指摘しなかったことは,被控訴人マエダの落ち度であって,やむを得ないことである。したがって,上記各工事は,本件工事契約の対象外となる追加工事と認めることはできない。 (四) これに対して,前記認定の(6),(9)及び(11)の各工事は,証拠(甲3号証,5号証,6号証)によれば,従前の打ち合わせや見積書(甲7号証)により予定されていた仕様・設備等に比べて,工事代金が後記のとおり200万円を超える施工であって,明らかに異なる価格的に高額な仕様・設備の変更と認めることができ,控訴人も7800万円の工事代金の枠内では賄えないことを容易に知り得たというべきであるから,本件工事契約の対象外となる追加工事(対象外追加工事)と認められる。 そして,その対象外追加工事の具体的な工事代金は,以下のとおりであると認められる。 (1) 前記(6)の1階家事室ユニット家具取付被控訴人マエダは,壁クロス貼りの減工事が2万6600円であることを前提にして,1階家事室ユニット家具取付の追加工事代金を254万3840円と主張するが,証拠(甲3号証 室ユニット家具取付被控訴人マエダは,壁クロス貼りの減工事が2万6600円であることを前提にして,1階家事室ユニット家具取付の追加工事代金を254万3840円と主張するが,証拠(甲3号証,5号証)によれば,壁クロス貼りの減工事が3万6000円と認められるから,同証拠に基づき,1階家事室ユニット家具取付の追加工事代金を253万4440円と認めるのが相当である。 (2) 前記(9)の2階洋室Cシステムキッチン取付被控訴人マエダは,2階洋室Cシステムキッチン取付の追加工事代金を625万0200円であると主張する。 しかしながら,証拠(甲3号証,5号証)によれば,当初の見積時においては,2階に100万円の予算でキッチンが取り付けられることが予定されていたことが認められ,この100万円を減工事の代金として差引き計算すべきであるから,2階洋室Cシステムキッチン取付の追加工事代金は,525万0200円であると認めるのが相当である。 (3) 前記(11)の1階ユニットバス変更証拠(甲3号証,6号証)により,263万2750円と認められる。 (4) 合計金額(1)ないし(3)認定の金額を合計すると,1041万7390円となる。 (五) 以上の認定事実によれば,控訴人は,被控訴人マエダに対して,本件工事契約の請負工事代金7800万円の他に,その対象外追加工事代金として1041万7390円を支払うべき義務がある。 (六) なお,被控訴人マエダは,追加工事代金とは別途に3パーセントの消費税相当額も加算して請求しているが,本件工事契約においては,消費税を含めて工事代金が定められていることからしても,当事者間では,追加工事についても,消費税は被控訴人マエダが負担する旨が黙示的に合 費税相当額も加算して請求しているが,本件工事契約においては,消費税を含めて工事代金が定められていることからしても,当事者間では,追加工事についても,消費税は被控訴人マエダが負担する旨が黙示的に合意されていたと推認するのが相当であるから,消費税相当額の請求は理由がない。 4 控訴人主張の工事未完成部分の存否等について控訴人主張の工事未完成部分の存否及びその金額については,以下のとおりであると認められる。 (一) 前庭について(1) 植栽・花壇立上り部分自然石未貼付(控訴人の請求額26万円)について① 前庭について,植栽・花壇立上り部分を自然石貼りとすることが,平成2年3月21日の打ち合わせ時に合意されていたことは前記認定のとおりである(1の(九)の(3)の①)。 ② そして,証拠(乙49号証の2,3頁,67号証の8頁)及び弁論の全趣旨によれば,上記①の工事は,被控訴人マエダにより実施されなかったこと,そのため,後日,控訴人が他の業者に発注して,これを施工したことが認められる。 ③ もっとも,控訴人が②の施工にあたって負担した金額を裏付ける証拠は明確ではない(控訴人からは,乙74号証の2,3の領収証が提出されているが,内訳明細が記載されていないため,②の施工にかかるものか,また,②の施工にかかる部分を含むとしても,このうちどれだけの金額が②の施工にかる金額なのかは明らかではない。)が,i1級建築士作成にかかる内訳書及び内訳見積書(乙73号証)に,「自然石貼り仕上」の見積金額として26万円と記載されているので,②の施工費用は26万円と認めるのが相当である。 (2) 化粧囲い外灯未設置(控訴人の請求額10万円)について① 前庭について,化粧囲い外灯を設置することが,平成2年3月21日の ので,②の施工費用は26万円と認めるのが相当である。 (2) 化粧囲い外灯未設置(控訴人の請求額10万円)について① 前庭について,化粧囲い外灯を設置することが,平成2年3月21日の打ち合わせ時に合意されていたことは前記認定のとおりである(1の(九)の(3)の②)。 ② そして,証拠(乙49号証の2,3頁,67号証の8頁)及び弁論の全趣旨によれば,上記①の工事は,被控訴人マエダにより実施されなかったこと,そのため,後日,控訴人が他の業者に発注して,これを施工したことが認められる。 ③ もっとも,控訴人が②の施工にあたって負担した金額を裏付ける証拠は明確ではない(控訴人からは,74号証の2,3の領収証が提出されているが,内訳明細が記載されていないため,②の施工にかかるものか,また,②の施工にかかる部分を含むとしても,このうちどれだけの金額が②の施工にかる金額なのかは明らかではない。)が,前記内訳書及び内訳見積書(乙73号証)に,「花壇工事,化粧囲い植栽含む」の見積金額として20万円と記載されていること(これには,化粧囲い外灯設置以外の費用も含まれていると解されること)に照らして,②の施工費用は,控えめにみてその4割の8万円と認めるのが相当である。 (3) 袖看板未設置(控訴人の請求額23万8000円)について① 前庭について,袖看板を設置することが,平成2年3月21日の打ち合わせ時に合意されていたことは前記認定のとおりである(1の(九)の(3)の③)。 ② そして,証拠(乙49号証の2,3頁,74号証の5)及び弁論の全趣旨によれば,上記①の工事は,被控訴人マエダにより実施されなかったこと,そのため,後日,控訴人が他の業者(イガラシ工芸)に発注して,これを施工して,この業者に対し20万円 4号証の5)及び弁論の全趣旨によれば,上記①の工事は,被控訴人マエダにより実施されなかったこと,そのため,後日,控訴人が他の業者(イガラシ工芸)に発注して,これを施工して,この業者に対し20万円を支払ったことが認められる。 ③ したがって,袖看板未設置にかかる未完成部分の金額は,20万円と認めるのが相当である。 (二) 後庭について(1) 目隠し用メッシュ鉄板未設置(控訴人の請求額38万円)について① 後庭(南面庭)について,目隠しスクリーンとして,メッシュ鉄板を設置することは,平成2年8月14日の打ち合わせ時に合意されていたことは前記認定のとおりである(1の(九)の(11)の⑫)② そして,証拠(乙73号証)及び弁論の全趣旨によれば,現実には,被控訴人マエダは,メッシュ鉄板の設置をしなかったものと認められる。 ③ この設置に要する費用は,前記の内訳書及び内訳見積書(乙73号証)によれば,38万円と認めるのが相当である。 (2) 給水ポンプ屋根・覆い未設置(控訴人の請求額30万円)について① 後庭(南面庭)にある受水槽は屋根で囲い,圧力ポンプ(吸水ポンプ)を収納することは,平成2年8月14日の打ち合わせ時に合意されていたことは前記認定のとおりである(1の(九)の(11)の⑪)。 ② そして,証拠(乙49号証の7,8頁,72号証の1)及び弁論の全趣旨によれば,上記の工事は,被控訴人マエダにより実施されなかったこと,そのため,控訴人は,後日,受水槽囲い工事等を他の業者(酒伊建設不動産株式会社)に発注して,これを施工して,この業者に対し30万3593円を支払ったことが認められる。 ③ したがって,給水ポンプ屋 め,控訴人は,後日,受水槽囲い工事等を他の業者(酒伊建設不動産株式会社)に発注して,これを施工して,この業者に対し30万3593円を支払ったことが認められる。 ③ したがって,給水ポンプ屋根・覆い未設置に関する未完成部分の金額は,控訴人の請求どおり30万円と認めるのが相当である。 (三) 1・2階居室について(1) 電気冷暖房器6台の未設置(控訴人の請求額121万2000円)について控訴人は,電気冷暖房器6台が未設置であるとして,本件建物には未完成部分があると主張するが,本件工事契約において,電気冷暖房器6台を設置するとの合意があったことを認める足る証拠はないから,控訴人の上記主張は理由がない。 (2) 1階から2階への室内階段の未設置(控訴人の請求額50万円)について① 1階から2階への室内階段については,竣工検査後に施工することが,平成2年2月及び4月の打ち合わせ時に合意されていたことは,前記認定のとおりである(1の(九)の(1)の⑤,(6)の③)② そして,証拠(49号証の19頁,原審における証人dの証言)及び弁論の全趣旨によれば,現実には,被控訴人マエダは,1階から2階への室内階段を施工しなかったことが認められる。 ③ この設置費用については,控訴人からは領収証も見積書も提出されていないので,未完成部分としての金額を算定するのは困難を伴うが,弁論の全趣旨によれば,その額は,控訴人の請求額の5割である25万円と認めるのが相当である。 (3) 階段ステンレス製パイプ手摺りの未設置(控訴人の請求額20万円)について控訴人は,階段ステンレス製パイプ手摺りが未設置であるとして,本件建物には未完成部分があると主張する。 しかし,ステンレス製パイプ手摺りを取り 置(控訴人の請求額20万円)について控訴人は,階段ステンレス製パイプ手摺りが未設置であるとして,本件建物には未完成部分があると主張する。 しかし,ステンレス製パイプ手摺りを取り付ける点は,平成2年4月の打ち合わせでストリップ階段とすることが合意されたこと(1の(九)の(6)の③)によって,取りやめとなったと認められるから,控訴人の上記主張は理由がない。 (4) 電気配線むき出し(5箇所)(控訴人の請求額2万円)について控訴人は,電気配線のむき出しが5箇所あるとして,本件建物には未完成部分があると主張するが,同主張を認めるに足る証拠はない。 (四) 2階ないし4階のベランダについて(1) 床アスファルト防水未施工(控訴人の請求額15万円)について① 本件建物各階の北側ベランダについて,床をアスファルト防水とすることが平成2年3月上旬から中旬までの打ち合わせ時に合意されていたことは前記認定のとおりである(1の(九)の(2)の⑧)。 ② そして,証拠(乙49号証の36頁,69号証の写真<25>)及び弁論の全趣旨によれば,現実には,被控訴人マエダは,2階ないし4階のベランダについて床をアスファルト防水としなかったことが認められる。 ③ このアスファルト防水の施工に要する費用の額は,前記の内訳書及び内訳見積書(乙73号証)によれば,15万円と認めるのが相当である。 (2) サンルーム未設置(6箇所)(控訴人の請求額88万円)について① 3・4階のA・Cタイプの部屋のベランダにサンルームを設置することが平成2年8月14日の打ち合わせ時に合意されていたことは前記認定のとおりである(1の(九)の(11)の⑤)② そして,弁論の全趣旨によれば,現実には,被控訴人マエダ ンルームを設置することが平成2年8月14日の打ち合わせ時に合意されていたことは前記認定のとおりである(1の(九)の(11)の⑤)② そして,弁論の全趣旨によれば,現実には,被控訴人マエダは,上記①の工事を実施しなかったことが認められる。 ③ このサンルームの設置に要する費用の額は,前記の内訳書及び内訳見積書(乙73号証)によれば,88万円と認めるのが相当である。 (五) 3階貸室の廊下・壁の仕上げ不充分(控訴人の請求額10万円)について(1) 証拠(乙49号証の32,33頁)及び弁論の全趣旨によれば,3階貸室の廊下と壁の仕上げが不充分であることが認められるが,上記証拠によって認められる仕上がり具合の外観に照らして,この点は,後記(6の(一)の(26))のとおり瑕疵として考慮すべき問題であるというべきである(控訴人も瑕疵としても主張しており,重複請求であるというべきである。)。 (2) したがって,この部分について,未完成部分だとする控訴人の主張は理由がない。 (六) ボーダータイルの吹付け塗装の未施工(控訴人の請求額43万円)について(1) 証拠(乙49号証の19頁)及び弁論の全趣旨によれば,確かに,本件建物外壁のボーダータイルに吹付け塗装がなされていないことが認められる。 (2) しかしながら,前記認定事実(1の(九)の(3)の⑤,(8)の②)によれば,控訴人と被控訴人マエダの間では,平成2年3月21日の打ち合わせ時に,建物外壁を吹付タイルとすること(すなわち,ボーダータイルに吹き付け塗装すること)が一旦合意されていたものの,その後,同年5月の打ち合わせ時の合意により,これを,打放しのままと変更することが合意されているのであるから,ボーダータイルの吹付け塗装が未施工であることをもって,未完 が一旦合意されていたものの,その後,同年5月の打ち合わせ時の合意により,これを,打放しのままと変更することが合意されているのであるから,ボーダータイルの吹付け塗装が未施工であることをもって,未完成工事ということはできず,控訴人の主張は理由がない。 (七) 屋上について(1) 控訴人は,① 転落防止用フェンス未設置につき,82万円,② 水栓未設置につき,4万円,③ 屋上に上がるための鉄骨階段未設置につき,270万円の各未完成部分があると主張する。 (2) 本件建物の屋上に転落防止用フェンスと水源を設け,さらに屋上に上がるための鉄骨階段を設置することが,平成2年8月14日の打ち合わせ時に合意されていたことは前記認定のとおりである(1の(九)の(11)の②ないし④)。 (3) そして,証拠(乙49号証の19頁)及び弁論の全趣旨によれば,現実には,被控訴人マエダは,上記(2)の各工事を実施しなかったことが認められる。 (4) 上記(2)の各工事の施工に要する費用の額は,前記の内訳書及び内訳見積書(乙73号証)によれば,① フェンス工事費用につき82万円,② 水栓取付費用につき4万円,③ 4階から屋上に上がる鉄骨階段工事費用につき270万円の合計356万円と認めるのが相当である。 (5) さらに,控訴人は,打合せ議事録(乙16号証)を根拠として,被控訴人マエダとの間にはペントハウスを設置する合意があったと主張して,ペントハウス未設置を理由に,本件建物には70万円相当の未完成部分があると主張する。 しかしながら,上記の打合せ議事録(乙16号証)を検討しても,控訴人と被控訴人マエダ間に,ペントハウス設置の合意があったとは認められず,他にこれを認める証拠もない。 よって,ペントハウス未設置に関する控訴人 の打合せ議事録(乙16号証)を検討しても,控訴人と被控訴人マエダ間に,ペントハウス設置の合意があったとは認められず,他にこれを認める証拠もない。 よって,ペントハウス未設置に関する控訴人の上記主張は理由がない。 (八) 建物西側の犬走りコンクリート打設未施工(控訴人の請求額16万円)について(1) 本件建物西側に犬走りコンクリートを打設することが平成2年8月14日の打ち合わせ時に合意されていたことは前記認定のとおりである(1の(九)の(11)の⑬)。 (2) そして,証拠(乙49号証の4頁,72号証の2)及び弁論の全趣旨によれば,現実には,被控訴人マエダは,上記(1)の工事を実施しなかったこと,そのため,控訴人は,後日,控訴人が他の業者(酒伊建設不動産株式会社)に発注して,これを施工して,この業者に対し16万2225円を支払ったことが認められる。 (3) したがって,建物西側の犬走りコンクリート打設未施工に関する未完成部分の金額は,控訴人の請求どおり16万円と認めるのが相当である。 (九) 工事未完成部分についてのまとめ以上の(一)ないし(八)によれば,工事未完成部分の金額の合計は,622万円となる。 よって,この金額は,被控訴人マエダの甲事件における請求額から控除すべきである(工事未完成部分として,これ以上の金額を控除すべき理由は,証拠上見当たらない。)。 5 工事遅延による違約金について(一) 前記1で認定したとおり,本件工事契約締結当初において,本件工事は,平成2年9月30日に完工するとの約定であったが,同期日には,本件建物の工事は完了しなかったことが認められる。 そして,証拠(甲1)及び弁論の全趣旨によれば,本件工事契約においては,「四会連合協定工事請負契約約款」に るとの約定であったが,同期日には,本件建物の工事は完了しなかったことが認められる。 そして,証拠(甲1)及び弁論の全趣旨によれば,本件工事契約においては,「四会連合協定工事請負契約約款」に基づくことが合意されていること,及び同約款26条には,請負人(本件では被控訴人マエダ)の責に帰すべき理由により,契約目的物を引き渡すことができない場合(すなわち工事を遅延した場合),別に特約のない限り,注文者(本件では控訴人)は,遅滞日数1日につき,請負代金額から工事の出来高部分に対する請負代金相当額を控除した残額の1/1000(すなわち0.1パーセント)に相当する額の違約金を請負人に請求することができる旨が定められていることが認められる。 (二) そこで検討すると,前記1で認定したところによれば,(1) 専ら施主である控訴人の要望により,当初の見積書とは異なる内容の工事内容に次々と変更となり,平成2年8月14日の打ち合せでは,控訴人と被控訴人マエダの間で,工事内容の変更に伴い,工事完了時期が10月末あるいは11月初めにずれ込むことが合意確認されたこと,(2) 平成2年10月には,本件建物の敷地の隣地所有者である水本から,本件建物のアプローチ壁が越境している疑いがあるので,工事を中止してほしいとの苦情があり,そのため,被控訴人マエダは,建物外部の工事(作業)を一時中止し(その間,建物内部の工事は続けられた。),工期に遅れが生じたこと,(3) 控訴人の工事内容の変更希望により,平成2年12月に,1階DKのカウンターの位置が変更され,これにより配管に工事変更の必要が生じ,さらに,1階流し台・バック棚の設計を家具業者であるトチヤ室内装備工業に依頼されたこと(この納品は,平成3年1月末ころの予定となったこと),及び(4) 平成3年2月時点(2月2 事変更の必要が生じ,さらに,1階流し台・バック棚の設計を家具業者であるトチヤ室内装備工業に依頼されたこと(この納品は,平成3年1月末ころの予定となったこと),及び(4) 平成3年2月時点(2月26日)にも,控訴人が希望したトチヤ室内装備工業のデザインに基づいて,3・4階壁・天井のクロス品番が決定されていること,などの事実が認められ,これによれば,本件工事の工期が遅れたのは,専ら控訴人の希望により次々と工事内容の変更がなされたためである(これに加えて,隣地所有者である水本から,本件建物のアプローチ壁が越境している疑いがあるので,工事を中止してほしいとの苦情があったことも,工事遅延の要因の1つとはなっている。)と認められるから,上記(4)の3・4階壁・天井のクロス品番の決定がなされてからほぼ2か月後である平成3年4月末日までの工期の遅れについては,被控訴人マエダには帰責原因がないと認められる(むしろ,前記認定のように,控訴人の希望により次々と工事内容の変更がなされたことにより,完工時期を延長する旨の合意がなされたものと認めるべきである。)。 しかしながら,それ以上に工事が遅れたことについては,被控訴人マエダからは合理的な説明はなく,原審において証人g及び控訴人が,「本件工事の現場には,被控訴人マエダの現場監督が来ていないことが多く,下請け業者は,どのように工事を施工してよいかわからないと述べたり,仕事が進まずに不満を述べたりしていた。」旨の証言又は供述をしていることも併せ考えると,平成3年5月1日以降の遅れについては,被控訴人マエダの下請け業者への指図や連絡の不十分さなどがあったことが原因であると推認され,専ら被控訴人マエダに帰責原因があると認めるのが相当である。 そして,平成3年5月1日時点における本件建物の未完成部分相 け業者への指図や連絡の不十分さなどがあったことが原因であると推認され,専ら被控訴人マエダに帰責原因があると認めるのが相当である。 そして,平成3年5月1日時点における本件建物の未完成部分相当額については,これを認定するのは困難ではあるが,前記1認定のように,平成2年7月・8月時点では,1ないし4階の躯体配筋・コンクリート打設工事が施工され,平成2年10月時点では,3・4階浴室配管,木工事,サッシ取付などが施工されていること,平成3年2月26日時点では,3・4階壁・天井のクロス品番が決定されていること,平成3年6月下旬には,本件建物について完了検査(建築基準法7条)が行われ,検査済証も交付されていること等の事情のほか,前記4認定のように,本件建物の最終的な未完成分の金額は622万円であることを併せて斟酌すると,平成3年4月末日時点における本件建物の未完成部分は,本件工事契約の代金額7800万円の2割に相当する1560万円であると認めるのが相当である。 したがって,控訴人が主張する平成3年9月15日までの工事遅延期間(平成3年5月1日から起算して138日間)についての控訴人の損害金を算定すると,次の算式のとおり,215万2800円となり,被控訴人マエダは,同金員を控訴人に支払う義務がある。 15600000×0.1パーセント×138=2152800(三) そして,甲事件における抗弁の(2)の③の事実(控訴人が平成8年5月13日に開かれた原審第24回口頭弁論期日に,被控訴人マエダに対し,工事遅延による損害金請求権を自働債権とする相殺の意思表示をしたこと)は,本件記録上明らかであるから,甲事件においては,上記の相殺が認められる。 6 瑕疵の存否とその修補費用について(一) 控訴人が主張する点が瑕疵といえるか, 権とする相殺の意思表示をしたこと)は,本件記録上明らかであるから,甲事件においては,上記の相殺が認められる。 6 瑕疵の存否とその修補費用について(一) 控訴人が主張する点が瑕疵といえるか,また,瑕疵にあたるとして,その修補費用はいくらかにつき,以下検討する(控訴人が,甲事件における相殺の抗弁の自働債権として主張する点及び乙事件における損害賠償請求権として主張する点の双方につき,まとめて検討する。)。 (1) 瑕疵番号①(1階の旧式火災報知器移設・取替[壁面補修も含む。]) について① 証拠(乙49号証の11頁)によれば,本件建物の1階には,旧式の大型火災報知器が設置されていたため,側面壁につかえて扉の開閉に支障があったこと,そのため,控訴人は,他の業者に依頼して,壁面をえぐって旧式火災報知器を撤去して新式小型火災報知器を設置し,さらに壁面を補修したことが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の取替及び補修の費用は,トチヤ室内装備工業の作成にかかる見積書(乙79号証)によれば,合計額60万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権としては35万円を主張し,残額の25万円につき乙事件における損害賠償請求権として主張していること)に照らして,上記②の金額のうち,35万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとし,残額の25万円を乙事件において損害賠償請求権として認容することとする。 (2) 瑕疵番号②(換気扇設置位置不良[ダクト延長等])について① 証拠(乙49号証の5頁)によれば,1階台所の換気扇が共同通路に面して設置されているため,排気が制限される上に,排気煙により ) 瑕疵番号②(換気扇設置位置不良[ダクト延長等])について① 証拠(乙49号証の5頁)によれば,1階台所の換気扇が共同通路に面して設置されているため,排気が制限される上に,排気煙により壁が汚損されること,このため,換気扇(2箇所)を移設する必要があることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の移設及び補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,23万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権としては11万円を主張し,残額の12万円につき乙事件における損害賠償請求権として主張していること)に照らして,上記②の金額のうち,11万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとし,残額の12万円を乙事件において損害賠償請求権として認容することとする。 (3) 瑕疵番号③(畳取り替え[カビ等発生])について① 証拠(乙49号証の24頁)によれば,2階和室の畳にカビ等が発生していることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,10万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(乙事件における損害賠償請求権として10万円を主張していること)に照らして,上記②の10万円を乙事件における損害賠償請求権として認容することとする。 (4) 瑕疵番号④(脚取付[台所作付けテーブル])について① 証拠(乙49号証の9頁)によれば,1階台所の取付テーブルに脚がないこと,このため,控訴人は自らの費用負担で脚の取付けを行ったことが認められるから,本件建物には, ])について① 証拠(乙49号証の9頁)によれば,1階台所の取付テーブルに脚がないこと,このため,控訴人は自らの費用負担で脚の取付けを行ったことが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,5万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(乙事件における損害賠償請求権として5万円を主張していること)に照らして,上記②の5万円を乙事件における損害賠償請求権として認容することとする。 (5) 瑕疵番号⑤(1階台所の防火壁・ガスコンロ・キッチン台等不良)について① 証拠(乙79号証,82号証)及び弁論の全趣旨によれば,1階台所のガスコンロの右壁面に貼り付けられたステンレスが壁面に密着しておらず,また,ガスコンロの土台と左側の木製壁面が防火上危険な状態にあること,キッチン台の天盤が4ミリメートルほど沈み込んでいること,キッチン台に設置してあるクロスが粗雑で,クロスが浮いていることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,25万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として25万円を主張していること)に照らして,上記②の25万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (6) 瑕疵番号⑥(収納家具天井取付補強)について① 証拠(乙49号証の9頁,79号証)によれば,1階吊り戸棚の内部床は重量に耐えないため補強を必要としたこと,このため,控訴人は,自らの費用負担で,補強を行ったことが認められるから ついて① 証拠(乙49号証の9頁,79号証)によれば,1階吊り戸棚の内部床は重量に耐えないため補強を必要としたこと,このため,控訴人は,自らの費用負担で,補強を行ったことが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,10万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(乙事件における損害賠償請求権として10万円を主張していること)に照らして,上記②の10万円を乙事件における損害賠償請求権として認容することとする。 (7) 瑕疵番号⑦(洗濯機の排水管不良)について① 証拠(乙49号証の16頁ないし18頁)によれば,本件建物の1階に設置されている洗濯機は,排水管が接続不良で排水できないこと,このため,控訴人は,自らの費用負担で,洗濯機の排水管工事をやり直したことが認められるから,本件建物に設置されている洗濯機には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,10万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として10万円を主張していること)に照らして,上記②の10万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (8) 瑕疵番号⑧(浴室内テレビ・換気扇等の不良)について① 証拠(乙49号証の14頁,79号証)及び弁論の全趣旨によれば,本件建物の1階風呂場に設置されているテレビは画像が写らず,電話やオーディオも作動しないこと,浴室,洗面所に換気扇が設置されておらず,水蒸気が蔓延することが認められるか )及び弁論の全趣旨によれば,本件建物の1階風呂場に設置されているテレビは画像が写らず,電話やオーディオも作動しないこと,浴室,洗面所に換気扇が設置されておらず,水蒸気が蔓延することが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,503万3000円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として503万3000円を主張していること)に照らして,上記②の503万3000円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (9) 瑕疵番号⑨(1階洗面所の火災報知器不良)について① 証拠(乙49号証の15頁,79号証)及び弁論の全趣旨によれば,1階洗面所の火災報知器が,原因不明の水漏れにより作動しないことが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,20万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として20万円を主張していること)に照らして,上記②の20万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (10) 瑕疵番号⑩(東南側入口タイル床排水不良)について① 証拠(乙79号証)及び弁論の全趣旨によれば,東南側入口床タイルには排水設備がなく水が滞留することが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,5万円と認めるのが相当である。 することが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,5万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として5万円を主張していること)に照らして,上記②の5万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (11) 瑕疵番号⑪(1・2階の和室仕上げ[汚れ防止]不良)について① 証拠(乙49号証の25頁,69号証の写真⑤,79号証)及び弁論の全趣旨によれば,1・2階の和室の木工部には,仕上げが雑でささくれだっていたり,ニス仕上げがなされていないなどの箇所があることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,20万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権としては10万円を主張し,残額の10万円につき乙事件における損害賠償請求権として主張していること)に照らして,上記②の金額のうち,10万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとし,残額の10万円を乙事件における損害賠償請求権として認容することとする。 (12) 瑕疵番号⑫(居間ガラス扉開閉不良)について① 証拠(乙79号証)及び弁論の全趣旨によれば,1階居間のガラス扉の開閉が調整不良であることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,3万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控 るから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,3万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として3万円を主張していること)に照らして,上記②の3万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (13) 瑕疵番号⑬(1・2階廊下のチャイム不良)について① 証拠(乙79号証)及び弁論の全趣旨によれば,1・2階廊下のチャイムが鳴らないことが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,10万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として10万円を主張していること)に照らして,上記②の10万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (14) 瑕疵番号⑭(家事室照明灯スイッチ位置不良)について① 証拠(乙79号証)及び弁論の全趣旨によれば,家事室照明灯のスイッチの位置がドアの蝶番のある側にあること,このため,控訴人は,家事室の照明をつけるには,一度,家事室に入ってドアを閉めた後にスイッチを押す必要があり不便を感じていることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,7万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として7万円を主張していること)に照らして,上記②の7万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権と 万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として7万円を主張していること)に照らして,上記②の7万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (15) 瑕疵番号⑮(建物の外壁にある無用な穴の補修[6箇所])について① 証拠(乙49号証の5頁,31頁,79号証)及び弁論の全趣旨によれば,本件建物の外壁には,無用な穴が計6箇所(直径約10センチメートルのものが2箇所,直径約3センチメートルのものが4箇所)あることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,14万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権としては47万円を主張し,残額の17万円につき乙事件における損害賠償請求権として主張していること)に照らして,上記②の14万円全額を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (16) 瑕疵番号⑯(2階台所流し台通電不良の補修)と瑕疵番号<23>(3階の冷蔵庫通電不良)について① 証拠(乙49号証の10頁,22頁,72号証の2)及び弁論の全趣旨によれば,2階台所の通電設備に不良があり,電気皿洗い機等が使用できなかったこと(なお,乙49号証の10頁には,1階台所との記載があるが,弁論の全趣旨によれば,2階台所の誤記であると解される。),さらに,3階の冷蔵庫に通電不良があったこと,このため,控訴人が他の業者(酒伊建設不動産株式会社)に依頼して通電設備不良の補修工事をし,その工事費用として合計14万2624円を支払ったことが認められる。 ② したがって,本 あったこと,このため,控訴人が他の業者(酒伊建設不動産株式会社)に依頼して通電設備不良の補修工事をし,その工事費用として合計14万2624円を支払ったことが認められる。 ② したがって,本件建物には,上記の点において瑕疵があったというべきであり,2階台所流し台通電不良の補修(瑕疵番号⑯)と3階の冷蔵庫通電不良(瑕疵番号<23>)とを併せた補修費用として14万2624円を認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権としては合計52万円[内訳,瑕疵番号⑯の分が47万円,瑕疵番号<23>の分が5万円]を主張し,乙事件における損害賠償請求権としては3万円を主張していること)に照らして,上記②の14万2624円全額を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (17)  瑕疵番号⑰(洋式トイレの取付不良)について① 証拠(乙79号証)及び弁論の全趣旨によれば,2階の洋式トイレには,便器の取付不良(不安定であること),トイレットペーパー及び電気スイッチ盤の下地不良があることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,38万8000円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として38万8000円を主張していること)に照らして,上記②の38万8000円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (18) 瑕疵番号⑱(浴室浴槽・壁面取付不良等)について① 証拠(乙79号証)及び弁論の全趣旨によれば,2階浴室には,浴槽の取付不良(入浴中,浴槽がぐらつく ることとする。 (18) 瑕疵番号⑱(浴室浴槽・壁面取付不良等)について① 証拠(乙79号証)及び弁論の全趣旨によれば,2階浴室には,浴槽の取付不良(入浴中,浴槽がぐらつくこと)及びカランの取付不良(取付口周辺から漏水のおそれがあること)があるほか,浴室壁面には防水措置がなされていないことが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,123万9000円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として123万9000円を主張していること)に照らして,上記②の123万9000円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (19) 瑕疵番号⑲(浴室シャワー調節不良)について① 証拠(乙79号証)及び弁論の全趣旨によれば,2階浴室のシャワーには温度調節の不良があることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,8万2000円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として8万2000円を主張していること)に照らして,上記②の8万2000円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (20) 瑕疵番号⑳(洗面所戸棚内の修理)について① 控訴人は,洗面所戸棚内の修理が必要であって瑕疵があると主張し,その補修費用は20万円であるして,この20万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として主張する。 ② 確かに,証拠(乙49号証 訴人は,洗面所戸棚内の修理が必要であって瑕疵があると主張し,その補修費用は20万円であるして,この20万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として主張する。 ② 確かに,証拠(乙49号証の26頁)によれば,洗面所の戸棚内にダクトのパイプが露出していることが認められる。 しかしながら,同証拠によると,戸棚を閉じれば,このパイプは外観からは見えなくなることが認められるし,また,このようにパイプが露出していることにより,使用上の不都合が生じていると認めるに足る証拠はない。よって,この点は瑕疵であるということはできないから,控訴人の前記主張は理由がない。 (21) 瑕疵番号<21>(洗濯場の換気扇未設置)について① 控訴人は,洗濯場に換気扇が設置されていないことをもって瑕疵であると主張して,その補修費用は10万円であるとして,この10万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として主張する。 ② 確かに,証拠(乙49号証の26頁,79号証)によれば,洗濯場に換気扇が設置されていないことが認められるが,これをもって,瑕疵であるとは直ちにいうことができないから,控訴人の前記主張は理由がない。 (22) 瑕疵番号<22>(3・4階の台所コンクリート腰壁の寸法誤り,4階の流し台のドア不良及びガスレンジの上のフードの取付不良)について① 証拠(乙69号証の写真⑩ないし⑬,79号証)及び弁論の全趣旨によれば,3・4階のキッチンセットが周囲のコンクリート腰壁の寸法誤りのために収納できなくなったこと,このため,控訴人は業者に依頼して,周囲のコンクリート等を削って,キッチンセットを無理矢理納めたこと,それ以外にも,キッチンセットと壁との間にわずかな隙間がある箇所があることが認められる。 さらに 控訴人は業者に依頼して,周囲のコンクリート等を削って,キッチンセットを無理矢理納めたこと,それ以外にも,キッチンセットと壁との間にわずかな隙間がある箇所があることが認められる。 さらに,証拠(乙49号証の29頁,79号証)及び弁論の全趣旨によれば,4階の405号室のガスレンジの上に設置されたフードの取付が不良で,壁との間に隙間があるため,不安定であることが認められる(なお,控訴人は,401号室についてフードの取付不良を主張するが,同主張は不正確であって,上記証拠によれば,405号室につきフードの取付不良があることが認められる。)。 なお,控訴人は,4階(401号室)の流し台のドアが閉まらないと主張するが,本件全証拠によるも,これを認めることはできない。 したがって,本件建物には,前記認定の限度で瑕疵があると認められる。 ② 上記①認定の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,100万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として120万円を主張していること)に照らして,上記②の100万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (23) 瑕疵番号<23>(3階の冷蔵庫通電不良)についてこれについては,(16)で判断したとおりである。 (24) 瑕疵番号<24>(腰壁と床板の隙間補修)について① 証拠(乙49号証の27頁,79号証)及び弁論の全趣旨によれば,302,303,402,403号の各室の腰壁と床板との間に,約0.5センチメートルの隙間があることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証) と床板との間に,約0.5センチメートルの隙間があることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,16万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(乙事件における損害賠償請求権として16万円を主張していること)に照らして,上記②の16万円を乙事件における損害賠償請求権として認容することとする。 (25) 瑕疵番号<25>(室内建具取付不良)について① 証拠(乙79号証)及び弁論の全趣旨によれば,303号,304号の各室の室内建具の取付不良により,戸反りが発生していることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,18万6000円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として18万6000円を主張していること)に照らして,上記②の18万6000円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (26) 瑕疵番号<26>(コンクリート壁面仕上げ塗装)について① 証拠(乙49号証の32,33頁)及び弁論の全趣旨によれば,本件建物のコンクリート壁面には,仕上げ塗装が不良である箇所があることが認められ,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記(1)の仕上げ塗装を補修する施工費用は,弁論の全趣旨によれば,5万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(乙事件における損害賠償請求権として15万円を主張していること)に照らして,上記②の5万円を乙事件 施工費用は,弁論の全趣旨によれば,5万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(乙事件における損害賠償請求権として15万円を主張していること)に照らして,上記②の5万円を乙事件における損害賠償請求権として認容することとする。 (27) 瑕疵番号<27>(ブレーカー部天井板補修)について① 証拠(乙49号証の34頁,79号証)及び弁論の全趣旨によれば,403号室の天井板には,ブレーカーに電気配線を繋げるために,天井板の一部が破られたままに放置されている箇所があることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,4万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(乙事件における損害賠償請求権として7万円を主張していること)に照らして,上記②の4万円を乙事件における損害賠償請求権として認容することとする。 (28) 瑕疵番号<28>(避難梯子修理)について① 証拠(乙49号証の37頁,79号証)及び弁論の全趣旨によれば,4階ベランダに設置してある避難梯子が急落して危険な構造になっていることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,20万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権としては14万円を主張し,残額の6万円につき乙事件における損害賠償請求権として主張していること)に照らして,上記②の金額のうち,14万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとし,残額の6万円を乙事件における損害賠償 につき乙事件における損害賠償請求権として主張していること)に照らして,上記②の金額のうち,14万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとし,残額の6万円を乙事件における損害賠償請求権として認容することとする。 (29) 瑕疵番号<29>(ケーブルテレビ補修)について① 証拠(乙49号証の23頁,69号証の写真<27>ないし<29>,79号証)及び弁論の全趣旨によれば,本件建物内のケーブルテレビの配線に不良があり,テレビの画像が悪かったこと,このため,控訴人は,他の業者に依頼して,ケーブルテレビの配線工事をやり直したことが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の配線工事のやり直し費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,20万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(乙事件における損害賠償請求権として20万円を主張していること)に照らして,上記②の20万円を乙事件における損害賠償請求権として認容することとする。 (30) 瑕疵番号<30>(ベランダ勾配不良)について① 控訴人は,ベランダには勾配の不良があって瑕疵があると主張し,補修費用は合計30万円であるとして,この30万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として主張するところ,確かに,証拠(乙49号証の36頁,69号証の写真<24>,<25>,79号証)及び弁論の全趣旨によれば,2ないし4階ベランダの床表面には凹凸があり,一部に雨水が滞留する部分があることが認められる。 ② しかしながら,前記4の(四)の(1)で認定したように,2階ないし4階のベランダについては,床アスファルト防水未施工を理由として,15万円の減額が認められているものであ が認められる。 ② しかしながら,前記4の(四)の(1)で認定したように,2階ないし4階のベランダについては,床アスファルト防水未施工を理由として,15万円の減額が認められているものであり,上記ベランダに,床アスファルト防水の施工工事をする際には,当然,床表面の凹凸も是正されると認められる(また,床アスファルト防水が施工されれば,雨水の滞留も防止されると認められる。)から,上記①の不良部分については,別途,瑕疵修補に基づく損害賠償請求を認める余地はないというべきである。 よって,控訴人の上記①の主張は理由がない。 (31) 瑕疵番号<31>(階段最上階ガラス屋根のガラスの破損等)について① 証拠(乙49号証の38頁,79号証)及び弁論の全趣旨によれば,階段最上階のガラス屋根のガラスが破損していること,さらにガラスの取付が悪いため雨漏りがすることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,25万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として25万円を主張していること)に照らして,上記②の25万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (32) 瑕疵番号<32>(電話回線工事不良)について① 証拠(乙79号証)及び弁論の全趣旨によれば,本件建物の電話回線工事には不備があること(新規加入回線工事,配線の入れ替え工事ができない施工になっていること)が認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,50万円と認め できない施工になっていること)が認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,50万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として50万円を主張していること)に照らして,上記②の50万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (33) 瑕疵番号<33>(3・4階の火災報知器取付不良)について① 証拠(乙49号証の29頁,79号証)及び弁論の全趣旨によれば,3・4階に設置されている火災報知器の取付が不良のため作動しなかったこと,このため,控訴人は,他の業者に依頼して,補修をしたことが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,8万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(乙事件における損害賠償請求権として8万円を主張していること)に照らして,上記②の8万円を乙事件における損害賠償請求権として認容することとする。 (34) 瑕疵番号<34>(洗面台取付不良)について① 証拠(乙69号証の写真⑱,⑲,79号証)及び弁論の全趣旨によれば,洗面台本体と壁との接着部分が施工不良により剥離していること,このため洗面台が重みで落下するおそれがあること,洗面台の下部の配水管が不自然に曲げられた状態で取り付けられていることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,40万円と認めるのが相当である。 ③ が認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修の費用は,上記見積書(乙79号証)によれば,40万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(甲事件における相殺の抗弁の自働債権として40万円を主張していること)に照らして,上記②の40万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として認容することとする。 (35) 瑕疵番号<35>(建物西側犬走りコンクリートの不良)について① 控訴人は,建物西側犬走りコンクリートは不良であって瑕疵があると主張し,補修費用は10万円であるとして,この10万円を甲事件における相殺の抗弁の自働債権として主張する。 ② しかしながら,前記4の(八)で認定したように,建物西側の犬走りについては,コンクリート打設の未施工を理由として,16万円の減額が認められているのであるから,上記①の瑕疵の主張は,重複請求であって,理由がない。 (36) 瑕疵番号<36>(水道管廻り補修)について① 控訴人は,水道管廻りには補修が必要であって瑕疵があると主張し,補修費用は3万円であるとして,この3万円を乙事件における損害賠償請求権として主張する。 ② しかしながら,本件全証拠によっても,上記の点において瑕疵があるとまでは認めることができないから,控訴人の上記主張は理由がない。 (37) 瑕疵番号<37>(漏電補修[2箇所])について① 証拠(乙49号証の28頁)及び弁論の全趣旨によれば,402号室,403号室について電気スイッチを入れるとブレーカーが落ちる事態が発生したこと,電力会社の担当者に調査してもらったところ,漏電していることが判明したこと,このため,控訴人は,他の業者に依頼して,補修をしたことが ついて電気スイッチを入れるとブレーカーが落ちる事態が発生したこと,電力会社の担当者に調査してもらったところ,漏電していることが判明したこと,このため,控訴人は,他の業者に依頼して,補修をしたことが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修費用は,弁論の全趣旨によれば,3万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(乙事件における損害賠償請求権として6万円を主張していること)に照らして,上記②の3万円を乙事件における損害賠償請求権として認容することとする。 (38) 瑕疵番号<38>(パイプ取付口周囲補修)について① 証拠(乙49号証の20頁,79号証)及び弁論の全趣旨によれば,3・4階貸室の洗面所の排水パイプ取付口と床との間にわずかな隙間があること,このためこの隙間部分にゴキブリが出入りしていることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修費用は,弁論の全趣旨によれば,1万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(乙事件における損害賠償請求権として2万円を主張していること)に照らして,上記②の1万円を乙事件における損害賠償請求権として認容することとする。 (39) 瑕疵番号<39>(1階廊下のコルク壁補修[カビ取り])について① 証拠(乙49号証の10頁)及び弁論の全趣旨によれば,1階廊下のコルク壁にカビが発生していることが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修費用には,弁論の全趣旨によれば,1万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(乙事件における損害 は,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修費用には,弁論の全趣旨によれば,1万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(乙事件における損害賠償請求権として2万円を主張していること)に照らして,上記②の1万円を乙事件における損害賠償請求権として認容することとする。 (40) 瑕疵番号<40>(隔壁損傷補修)について① 証拠(乙49号証の35頁)及び弁論の全趣旨によれば,4階ベランダの隔壁が損傷していたこと,このため控訴人は,他の業者に依頼して,隔壁損傷の補修工事を行ったことが認められるから,本件建物には,この点において瑕疵があったと認めるのが相当である。 ② 上記①の補修費用は,弁論の全趣旨によれば,2万円と認めるのが相当である。 ③ そして,控訴人の主張(乙事件における損害賠償請求権として4万円を主張していること)に照らして,上記②の2万円を乙事件における損害賠償請求権として認容することとする。 (41) 瑕疵番号<41>(電気冷暖房機の取付補修)について① 控訴人は,電気冷暖房機の取付補修が必要であることをもって,瑕疵があると主張し,補修費用は2万円であるとして,この2万円を乙事件における損害賠償請求権として主張する。 ② しかしながら,証拠(乙49号証の37頁)によれば,電気冷暖房機の台をボードで固定したため,振動が生じていることは認められるが,これをもって瑕疵であるとまではいうことはできない。そして,他に,控訴人の上記主張を裏付ける証拠はない。 (二) 瑕疵の点についてのまとめ上記(一)で認定したところをまとめると,次のとおりである。 (1) 甲事件における相殺の抗弁の自働債権(瑕疵修補に代わる損害賠 裏付ける証拠はない。 (二) 瑕疵の点についてのまとめ上記(一)で認定したところをまとめると,次のとおりである。 (1) 甲事件における相殺の抗弁の自働債権(瑕疵修補に代わる損害賠償請求権)として認められるのは,前記(一)の(1)(このうち35万円),(2)(このうち11万円),(5),(7)ないし(10),(11)(このうち10万円),(12)ないし(19),(22),(25),(28)(このうち14万円),(31),(32)及び(34)の各金額の合計である1086万0624円である。 そして,弁論の全趣旨によれば,控訴人が被控訴人マエダに対して,瑕疵修補に代わる損害賠償請求権を自働債権として相殺の意思表示をしたと認められる(控訴人は,平成11年2月1日に開かれた原審第37回口頭弁論期日において,瑕疵修補に代わる損害賠償請求権についての具体的な金額を記載した平成11年1月18日付け第19準備書面を陳述したが,善解すると,これにより相殺の意思表示をしたと認められる。)から,甲事件においては,上記の相殺が認められる。 (2) また,乙事件における瑕疵修補に代わる損害賠償請求権として認めらるのは,前記(一)の(1)(このうち25万円),(2)(このうち12万円),(3),(4),(6),(11)(このうち10万円),(24),(26),(27),(28)(このうち6万円),(29),(33)及び(37)ないし(40)の各金額の合計である138万円である。 7 不当訴訟による損害賠償について控訴人は,被控訴人マエダの甲事件請求は不当な水増し請求であるとして,訴訟の提起が不法行為に該当すると主張し,乙事件において,合計800万円の損害賠償を請求する。 しかしながら,前記1ないし4及び6で認定判断したと ダの甲事件請求は不当な水増し請求であるとして,訴訟の提起が不法行為に該当すると主張し,乙事件において,合計800万円の損害賠償を請求する。 しかしながら,前記1ないし4及び6で認定判断したところによれば,甲事件請求は,一部に理由がないところはあるものの,事実的根拠や法律的根拠を全く欠くとはいえないから,甲事件訴訟の提起が不法行為に該当するとは認められない。 よって,この点に関する控訴人の主張は理由がなく,上記損害賠償請求は認められない。 8 控訴人が主張する減額請求について(一) 控訴人は,工事代金を合計して1433万5990円減額すべきであると主張するので,以下,個別に検討する。 (1) 階段室の角フロアタイルを全面クリンカータイルに変更したことによる減額について控訴人は,見積りでは階段室の踏面幅70センチメートルに角フロアタイルを貼ることが予定されていたのに,これを全面クリンカータイル貼りに変更することによって,本来必要とされる手間と費用を省くことができたから,その代金分62万0790円を減額すべきであると主張する。 しかし,このような工事の変更によって手間と費用を省くことができたと認めるべき資料はなく,工事代金を減額すべき事由があったとは認められない。 (2) 外壁ステンレス化粧見切取付を理由とする減額について控訴人は,「被控訴人マエダとの打ち合せでは,外壁につきイナビューラインBU-3とすることが合意されていたにもかかわらず,被控訴人マエダは,勝手に,イナビューラインBU-3よりも安価なイナセラマイルドを使用することを決め,アクセントとしてステンレス化粧見切を施工した。」と主張し,上記の工事変更に伴って低額となった材料及び工賃の相当額である103万5200円を BU-3よりも安価なイナセラマイルドを使用することを決め,アクセントとしてステンレス化粧見切を施工した。」と主張し,上記の工事変更に伴って低額となった材料及び工賃の相当額である103万5200円を減額(返還)すべきであると主張する。 しかしながら,前記(1の(九)の(3)の⑤,(11)の①)のとおり,本件建物の外壁(正面)は,平成2年3月21日の打ち合わせで,ボーダータイルで施工する(イナビューラインBU-3を使用する)ことが一旦合意されたが,その後,同年8月14日の打ち合わせで,外装タイルをイナセラマイルドとし,ステンレス化粧見切(ステンレス鏡面仕上げのライン)を入れることに変更することが控訴人と被控訴人マエダ間で合意されたことが認められるから,控訴人の前記減額(返還)は理由がないことが明らかである。 (3) 1階LDKモルテンガラス戸の調整による減額について居間ガラス扉開閉不良を理由とする瑕疵については,前記(6の(一)の(12))のとおり,甲事件における相殺の抗弁の自働債権(瑕疵修補に代わる損害賠償請求権)として3万円を認容しているところであり,1階LDKモルテンガラス戸の調整を理由とする減額請求は,これと重複する請求であって,理由がないことは明らかである。 (4) 階段室屋上の網入ガラス補修による減額について階段最上階のガラス屋根破損を理由とする瑕疵については,前記(6の(一)の(31))のとおり,甲事件における相殺の抗弁の自働債権(瑕疵修補に代わる損害賠償請求権)として25万円を認容している(ただし,ガラスの取付が悪いため雨漏りするとの点の補修も含む。)ところであり,階段室屋上網入ガラス補修を理由とする減額請求は,これと重複する請求であって,理由がないことは明らかである。 (5) だし,ガラスの取付が悪いため雨漏りするとの点の補修も含む。)ところであり,階段室屋上網入ガラス補修を理由とする減額請求は,これと重複する請求であって,理由がないことは明らかである。 (5) 1階家事室の水漏れ補修及び同排水口・換気孔取付等による減額について上記の点に関して控訴人が減額を請求するのは,1階家事室に水漏れがあり,洗濯機用の排水口や換気孔が施工されていない瑕疵があるので,その補修費用を瑕疵修補に代わる損害賠償額として相殺する趣旨と解される。 しかし,水漏れがあるとか,または洗濯機用の排水口や換気孔が未施工であるとの事実を認めるに足りる証拠はないから,控訴人の上記減額請求は理由がない。 なお,洗濯機の排水管不良の点については,前記のとおり,10万円を瑕疵修補に代わる損害賠償債権(甲事件における相殺の抗弁の自働債権)として認容してるのは,前記6の(一)の(7)で認定したとおりである。 (6) 1階LDK天板たわみ変形・ガス台補修による減額について上記の点に関して控訴人が減額を請求するのは,1階LDK天板たわみ変形という瑕疵があるので,その補修費用を瑕疵の修補に代わる損害賠償額として相殺する趣旨と解されるが,1階LDK天板たわみ変形があることを認めるに足りる証拠はないから,この点の控訴人の減額請求は理由がない。 そして,1階台所の防火壁・ガスコンロ・キッチン台等の不良については,前記(6の(一)の(5))のとおり,甲事件における相殺の抗弁の自働債権(瑕疵修補に代わる損害賠償請求権)として25万円を認容しているところであり,ガス台補修を理由とする減額請求は,これと重複する請求であって,理由がないことは明らかである。 したがって,上記の減額請求は,いずれも理由が 求権)として25万円を認容しているところであり,ガス台補修を理由とする減額請求は,これと重複する請求であって,理由がないことは明らかである。 したがって,上記の減額請求は,いずれも理由がない。 (7) 2階洋室Cシステムキッチン解体補修による減額について上記の点に関して控訴人が減額を請求するのは,2階洋室Cのシステムキッチンに使用不能部分があるので,その解体補修費用を瑕疵修補に代わる損害賠償額として相殺する趣旨と解される。 しかしながら,前記(6の(一)の(16))のとおり,2階台所流し台通電不良の補修については,甲事件における相殺の抗弁の自働債権(瑕疵修補に代わる損害賠償請求権)として14万2624円(ただし,3階の冷蔵庫通電不良の補修を含む額)を認容しているところであり,上記のシステムキッチンの使用不能部分を理由とする減額請求は,これと重複する請求であると解されるから,理由がないというべきである。また,仮に,控訴人が,上記の通電不良部分以外の使用不能部分があることを主張するのだとしても,本件全証拠によるも,このような使用不能部分があるとは認められない。 (8) 2階和室8畳収納ユニット取付修理による減額上記の点に関して控訴人が減額を請求するのは,2階和室8畳の収納ユニットの取付に不備があるので,その修理費用を瑕疵修補に代わる損害賠償額として相殺する趣旨と解される。 しかしながら,2階和室8畳の収納ユニットの取付に不備があるとの事実を認めるに足りる証拠はないから,控訴人の上記減額請求は理由がない。 (9) 1階浴室窓切り欠き・壁パネル取り替え,同排気孔・換気扇付け替え及び洗面所の排気孔修理による減額について上記の点に関して控訴人が減額を請求するのは 上記減額請求は理由がない。 (9) 1階浴室窓切り欠き・壁パネル取り替え,同排気孔・換気扇付け替え及び洗面所の排気孔修理による減額について上記の点に関して控訴人が減額を請求するのは,これらの箇所には補修工事をしなければならない瑕疵があるので,その補修費用を瑕疵修補に代わる損害賠償額として相殺する趣旨と解される。 しかしながら,前記(6の(一)の(8))のとおり,1階浴室の換気扇等の不良については,甲事件における相殺の抗弁の自働債権(瑕疵修補に代わる損害賠償請求権)として,合計503万3000円(ただし,浴室内テレビ等の補修費用も含む。)を認容しているところであり,この金額からしても,控訴人が上記の減額請求として請求しているのは,重複請求であると解されるから,理由がないというべきである。また,仮に,控訴人が,前記6の(一)の(8)で認容した以外の瑕疵があることを主張するのだとしても,本件全証拠によるも,このような瑕疵があるとは認められない。 (10) 便所排気孔・換気扇付け替え,便座のゆるみ,ホルダー付け替えによる減額について上記の点に関して控訴人が減額を請求するのは,これらの箇所には補修工事をしなければならない瑕疵があるので,その補修費用を瑕疵修補に代わる損害賠償額として相殺する趣旨と解される。 しかしながら,このうち,便所排気孔・換気扇付け替えによる減額請求は,上記(9)と同様に,前記6の(一)の(8)と重複請求であると解される(1階の便所を指すものと解される。)から,理由がないというべきである。 また,便座のゆるみ,ホルダー付け替えによる減額請求は,前記6の(一)の(17)(2階の洋式トイレの取付不良。これについては,甲事件における相殺の抗弁の自働債権として,38万800 ある。 また,便座のゆるみ,ホルダー付け替えによる減額請求は,前記6の(一)の(17)(2階の洋式トイレの取付不良。これについては,甲事件における相殺の抗弁の自働債権として,38万8000円の瑕疵修補に代わる損害賠償債権が認容されている。)と重複請求であると解されるから,これも理由がないというべきである。 なお,仮に,控訴人が前記6の(一)の(8)や(17)とは別の瑕疵を主張するのだとしても,本件全証拠によるも,このような瑕疵があるとは認められない。 (11) 3・4階貸室のキッチンセットの収まり不良のために要する再工事による減額について上記の点に関して控訴人が減額を請求するのは,上記のような瑕疵があるので,その補修費用を瑕疵修補に代わる損害賠償額として相殺する趣旨と解される。 しかしながら,前記(6の(一)の(22))のとおり,3・4階の台所コンクリート腰壁の寸法誤りを原因とするキッチン収まり不良工事の補修工事については,甲事件における相殺の抗弁の自働債権(瑕疵修補に代わる損害賠償請求権)として,合計100万円(ただし,流し台及びフード取付補修費用も含む。)を認容しているところであり,キッチンセットの収まり不良のために要する再工事を理由とする減額請求は,これと重複する請求であって,理由がないことは明らかである。 (12) グレードアップ費分の減額について控訴人は,「本件工事契約の代金7800万円のうちの800万円はグレードアップ費(a図面以上に工事内容の質的向上を図るための費用)であって,被控訴人マエダがグレードアップ費に相当するものを追加工事代金として,別に請求してきていることを考慮すると,グレードアップ費としての800万円は本件建物には使われていないことになる。したが あって,被控訴人マエダがグレードアップ費に相当するものを追加工事代金として,別に請求してきていることを考慮すると,グレードアップ費としての800万円は本件建物には使われていないことになる。したがって,被控訴人マエダは,800万円を減額(返還)すべきである。」と主張する。 しかしながら,前記1,2で認定したところによれば,本件工事契約の代金7800万円のうちの800万円は,控訴人と被控訴人マエダとの間で,追加工事分としての意味を有していたことは認められるが,グレードアップ費(a図面以上に工事内容の質的向上を図るための費用)として使用されることまでの合意があったとは認めるに足る証拠はないから,上記主張は,そもそも前提を欠くものであって,理由はないというべきである。 (二) 減額請求のまとめ以上のとおりであるから,控訴人の減額請求は,いずれも理由がない。 9 基礎杭に関する控訴人の請求について(一) 被控訴人三谷が,被控訴人マエダと協議の上,基礎杭の20本につき,杭の長さを34メートルと短縮して打設した事実は,当事者間に争いがない。 (二) 基礎杭の耐力不足の主張について(1) 控訴人は,本件建物を支える地中杭の長さが1メートル短いことにより本件建物の耐力が不足していると主張するので,この点を検討する。 (2) 証拠(甲7号証,10号証,乙46号証の1ないし22,53号証の1,2,71号証,75号証,80号証,丙5号証の1ないし10,6号証,併合前の原審平成8年(ワ)第60号事件の甲2号証,丙1号証ないし3号証,原審における鑑定人jの鑑定の結果,原審における証人j,同e,同k及び同lの各証言)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ① 被控訴人マエダは,控訴人から注文を受けた本件工 証,原審における鑑定人jの鑑定の結果,原審における証人j,同e,同k及び同lの各証言)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ① 被控訴人マエダは,控訴人から注文を受けた本件工事契約を実施するために,平成2年3月20日ころ,被控訴人三谷との間で,次のとおり,被控訴人三谷が杭打ちをすることを内容とする杭打工事請負契約を締結したこと(なお,下記の23本の杭以外に,被控訴人マエダは,本件建物の北側の庭部分の,将来,増築が予定されていた建物のために,杭4本を被控訴人三谷に発注しているが,これは,本件建物の杭耐力には関係しないので,以下,割愛する。)ア工事場所本件建物の敷地内イ工事内容被控訴人マエダが指示する位置に,直径40センチメートル,全長35メートルのPHCパイル杭をニーディング工法(地面に筒状の穴を掘り下げ,その穴先端部に根固め用のセメントミルクを,周囲に杭周囲固定用のセメントミルクをそれぞれ注入し,その中に杭を設置して固定する工法)により,23本打設すること(そして,1セット当たり50トンの杭許容支持力を確保すること)ウ工事期間平成2年3月24日から同年4月10日エ工事代金715万円(ただし,杭27本分)② 上記①のように,全長35メートルのPHCパイル杭を使用することとされたのは,被控訴人三谷が平成2年2月に行ったボーリング調査(丙6号証の添付報告書参照)によれば,本件建物の敷地の地盤面より深さ35メートル以深に,N値60以上の洪積礫質土層(締まりが非常に密な層)が認められたため,本件建物は,この層を支持層とするのが適当であると判断されたことに基づくこと(乙46号証の20の61 より深さ35メートル以深に,N値60以上の洪積礫質土層(締まりが非常に密な層)が認められたため,本件建物は,この層を支持層とするのが適当であると判断されたことに基づくこと(乙46号証の20の61頁参照)③ しかしながら,被控訴人三谷が最初の杭を打設したところ,本件建物の敷地の支持層が堅牢で,杭の全長を打設することが困難な事態が生じたこと④ そのため,被控訴人三谷は,被控訴人マエダの指示を受けて,既に現場に搬入済みの杭3本はそのまま全長35メートルのままにして,残り20本は杭の全長を34メートルと変更して,工事を続行することとしたこと(その結果,被控訴人マエダと被控訴人三谷との間では,工事代金を705万円に減額することが合意されたこと)⑤ 被控訴人三谷は,被控訴人マエダの指示した場所に,杭23本を全て打設して,工期内に杭工事を完了したこと⑥ 上記23本の杭の先端は,地表から深さが34.8メートルないし35.8メートルのところにあること(35.3メートル,35.4メートル,35.8メートルのものが各1本ずつで,残り20本がいずれも34.8メートルであること)⑦ 鑑定人j(建築構造士・1級建築士)によれば,被控訴人三谷が施工したニーディング工法による基礎杭は,いずれも,長期許容支持力50トンを上回っており,問題がないとされていること⑧ しかし,鑑定人jが,本件建物の上部構造からの荷重を計算したところ,<イ>7本の杭に50トンを超える荷重がかかる構造になっており,このうち,とくに5通りE軸(甲10号証のうちの杭・基礎図参照)の杭には,計算上,74. 4トンの荷重がかかる構造になっていること,<ロ> 5通りFG2の主筋が不足している点があることがそれぞれ判明し,本件建物の耐力を補強する必要があ 証のうちの杭・基礎図参照)の杭には,計算上,74. 4トンの荷重がかかる構造になっていること,<ロ> 5通りFG2の主筋が不足している点があることがそれぞれ判明し,本件建物の耐力を補強する必要があることが判明したこと⑨ もっとも,本件建物の荷重による沈下量は,鑑定人jの推定によれば,0.数ミリメートル程度にとどまるものであり,しかも,本件建物は,耐震性能の高い壁式構造を採用しているため,建物全体が構造耐力上,特別に危険な状態になるおそれはない(現に,本件控訴審の口頭弁論終結時点で,本件建物の竣工検査が行われてから10年以上経過しているが,控訴人からは,本件建物が沈下し具体的な被害が発生しているとの主張立証はない。)こと(3) 以上の事実によれば,被控訴人三谷は,被控訴人マエダからの注文に応じて,被控訴人マエダの指示した場所に,被控訴人との契約内容に従った杭工事(長期許容支持力50トンを上回る性能を持つニーディング工法による工事)を施工したもので,基礎杭の打設工事自体には格別の不備はないというべきである。 そして,本件建物の耐力に補強を要する点が生じた理由は,7本の杭に杭耐力を超えた荷重(とくに,5通りE軸の杭には74.4トンの荷重)が負荷されるような本件建物の構造を設計したこと自体にあると認められるから,本件建物の構造を担当した被控訴人マエダの設計上の不備によるものというべきである。 したがって,本件建物の耐力不足により補強工事が必要になった点については,被控訴人三谷に施工上の責任はなく,専ら被控訴人マエダがその責を負うものというべきである。 (4) そして,証拠(鑑定人jの鑑定結果及び証言)によれば,本件建物が沈下するとか耐震上危険が存するとまでは認められないが,本件建物の耐力不足により がその責を負うものというべきである。 (4) そして,証拠(鑑定人jの鑑定結果及び証言)によれば,本件建物が沈下するとか耐震上危険が存するとまでは認められないが,本件建物の耐力不足により補強工事をする必要があることは認められ,これにより,控訴人は,補強のための出費の負担をしなければならないという経済的な損害を蒙ったものと認められる。この損害の額につき検討すると,上記の鑑定結果によれば,コンクリートを増し打ちし,主鉄筋を増やして,5通りFG2を増強するという費用のかからない方法を選択しても,98万円の費用がかかるとされていること,しかしながら,鑑定人jは,上記の98万円という金額は低めの金額であり,平均的な費用としては2,3割増額する旨を証言していることが認められるから,本件に現われた一切の事情を考慮して,上記の損害を120万円と認めるのが相当である。 (5) 以上のとおりであるから,被控訴人マエダは,本件建物の耐力不足(補強工事を要すること)を理由として,控訴人に対し,120万円の損害を賠償する義務を負うものと認められる(これに対し,被控訴人三谷は,損害賠償義務を負わない。)。 10 まとめ(一) 甲事件について被控訴人マエダの控訴人に対する甲事件請求における認容元本額は,本件工事代金7800万円と対象外追加工事代金1041万7390円の合計8841万7390円から,次の(1)ないし(4)の合計7911万0149円を控除した残額である930万7241円となる。 (1) 未完成工事部分の代金 622万円(2) 弁済済みの工事代金 5987万6725円(3) 工事遅延に基づく違約金請求権による相殺分 215万2800円(4) 瑕疵 622万円(2) 弁済済みの工事代金 5987万6725円(3) 工事遅延に基づく違約金請求権による相殺分 215万2800円(4) 瑕疵修補に代わる損害賠償請求権による相殺分 1086万0624円(二) 乙事件について控訴人の被控訴人マエダに対する乙事件請求における認容元本額は,本件工事の瑕疵修補に代わる損害賠償金138万円と基礎杭の耐力不足による損害賠償金120万円の合計258万円となる。他方,控訴人の被控訴人三谷に対する請求は理由がない。 (三) 遅延損害金について甲事件において認容できる被控訴人マエダの請求権(請負代金請求権)と乙事件において認容できる控訴人の被控訴人マエダに対する請求権(瑕疵修補に代わる損害賠償請求権及び基礎杭の耐力不足を理由とする損害賠償請求権)とは,民法634条2項及び533条により同時履行の関係にあると認められるところ,被控訴人マエダと控訴人とは,いずれも,本件控訴審口頭弁論終結時点までにおいて,甲事件の請求権と乙事件の請求権とを相殺する旨の意思表示をしていないのは明らかであるから,同時履行の抗弁権の存在効果によって,甲事件の請求権,乙事件の請求権のいずれも履行遅滞に陥っていないものと解するのが相当である(最高裁平成9年2月14日第3小法廷判決・民集51巻2号337頁参照)。なお,乙事件の請求権(認容額)は,甲事件の請求権(認容額)に比べて,約27パーセント程度の額であるが,本件請負契約締結後の経緯,本件請負契約の目的物の他,乙事件の請求権(瑕疵修補に代わる損害賠償請求権及び基礎杭の耐力不足を理由とする損害賠償請求権)の認容金額が軽微なものとはいえないこと等,本件に現われた一切の事情を考慮すると,控訴人に乙事件の請求権 事件の請求権(瑕疵修補に代わる損害賠償請求権及び基礎杭の耐力不足を理由とする損害賠償請求権)の認容金額が軽微なものとはいえないこと等,本件に現われた一切の事情を考慮すると,控訴人に乙事件の請求権をもって,甲事件の請求権(請負代金請求権)全額との同時履行の利益を認めることは,何ら信義則に反することにはならないというべきである。 したがって,甲事件における被控訴人マエダの控訴人に対する年6分の割合による附帯請求,乙事件における控訴人の被控訴人マエダに対する年5分の附帯請求は,いずれも理由がない。 (四) 結論以上によれば,甲事件における被控訴人マエダの控訴人に対する請求は,930万7241円の支払を求める限度で理由があるが,その余の請求は理由がない。 また,乙事件における控訴人の請求は,被控訴人マエダに対し258万円の支払を求める限度で理由があるが,被控訴人マエダに対するその余の請求及び被控訴人三谷に対する請求はいずれも理由がない。 よって,甲事件請求及び乙事件のうち被控訴人マエダにかかる請求について,以上と結論を異にする原判決を変更することとし,また,控訴人の被控訴人三谷に対する控訴は理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 名古屋高等裁判所金沢支部第1部裁判長裁判官川崎和夫裁判官源孝治裁判官榊原信次

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