【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人らの負担とする。 理 由 上告代理人椎名良一郎、同吉原歓吉の上告理由一、二について。 現行漁業法の目
主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人らの負担とする。 理 由 上告代理人椎名良一郎、同吉原歓吉の上告理由一、二について。 現行漁業法の目的は「漁業生産に関する基本的制度を定め、漁業者及び漁業従事 者を主体とする漁業調整機構の運用によつて水面を総合的に利用し、もつて漁業生 産力を発展させ、あわせて漁業の民主化を図ること」にあることは同法一条に明定 するところである。漁業権免許の手続も、漁業の民主化の見地から、まず都道府県 知事が海区漁業調整委員会の意見をきき、いわゆる漁場計画を定め、これを公示し て(法一一条)、ひろく一般漁業者らに対し、均等に免許申請の機会を与えること とし、免許申請をした漁業者らのうち何人に漁業権を与えるかについては、前記法 の目的理念を根底とする免許の適格性(法一四条)および優先順位(法一五条・一 六条等)の基準を詳細に規定し、この基準に従つて漁業権を免許するという段取に なつているのである。しこうして、右漁場計画を定める場合には、その計画が漁業 法の目的に背馳するものであつてはならないことはもとより、いつたん漁場計画が 定められた後、新らたに漁場を追加設定する場合においても、追加された新漁場計 画が漁業法の目的に背馳することができないことは原判示のとおりである。 本件において原審が確定した事実関係によれば、上告人A1株式会社は昭和二四 年設立された株式会社で、設立以来、網走市およびa町地先でさけ定置網漁業に従 事し、上告人A2は昭和二三年以降さけ定置網漁業に従事しており、漁業改革後の 最初の漁業権の免許について、上告会社は、a町地先および網走市西北部地先での 漁業権の免許を申請したが、a町地先海面の分は右会社より優先順位にある漁業生 産組合の競願があつたため免許を受けることができず、網走 漁業権の免許について、上告会社は、a町地先および網走市西北部地先での 漁業権の免許を申請したが、a町地先海面の分は右会社より優先順位にある漁業生 産組合の競願があつたため免許を受けることができず、網走市地先海面のもの、す - 1 - なわち網さけ定第一五号ないし第一七号定置漁業権については、上告人A2との競 願となり、海区漁業調整委員会は、前記基準に照らし、上告人A2が地元漁民であ ること、上告会社は漁業法一六条三項に定める昭和二三年九月一日以前一〇年間の 年度内において当該漁業の経験がないことその他諸般の事情を論議斟酌したうえ、 いつたんは、上告人A2を優先させるべきものと決したので、北海道知事が右委員 会の意見どおり決定するにおいては上告会社はその存立に必要な漁業権を全然取得 することができなくなる事情にあつたところ、知事は上告会社を救済するため新漁 場を設置してその漁業権を同会社に取得させるべく、もつぱら同会社の利益を図る だけの目的で、本件小清さけ定第三五号定置漁業権の漁場計画を新らたに決定公示 し、これに基づき右漁業権を上告人両名に共同免許したというのである。 してみれば、本件漁業権の漁場計画は、前記優先順位の制度を無意味にするもの であつて、該制度の根底にある漁業民主化の目的理念に背馳し違法であり、これに 基づく知事の漁業権免許処分を不適法と認めて取り消した農林大臣の訴願裁決は適 法である。したがつて、原審が本件漁業権免許処分についてこれと同趣旨の判断を したことは正当であり、所論漁業法一一条の解釈を誤つたものとはいえない。 論旨は、叙上に反する独自の見解に立つて原判決を攻撃するものであり、すべて 採用できない。 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、 主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷 て原判決を攻撃するものであり、すべて 採用できない。 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、 主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷 裁判長裁判官 横 田 正 俊 裁判官 河 村 又 介 裁判官 石 坂 修 一 - 2 -
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