【DRY-RUN】主 文 本件控訴を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理 由 本件控訴の趣意は、被告本人及び弁護人手代木進の各控訴趣意書に記載さ
主 文 本件控訴を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理 由 本件控訴の趣意は、被告本人及び弁護人手代木進の各控訴趣意書に記載されたと おりであるから、これを引用する。 四、 所論は更に、原判示第三が日本銀行券千円券の変造であるとした行為は、 刑法の規定する通貨の変造に該当するものでなく、従つて右に言う変造千円券の行 使も同法の規定する変造通貨の行使ではなく、この点原判決は法令の解釈適用を誤 つている、と主張するのであるが、原判示第三が日本銀行券千円券の変造であると した行為は、被告人が、日本銀行券千円券を偽造する材料を得るため、日本銀行券 千円券の上下左右いずれかの約四分の一宛を切り取り、残余の部分をなお正常な千 円券として行使する目的で、右欠損した部分にハトロン紙を貼附補充し、以つて右 欠損部分が流通の過程において自然的にかまたは図らざる事情により欠損しその欠 <要旨>損部分が所持人により善意で補修されたものの如く作為した、と言うもので あることが記録上明らかである。</要旨>通貨の偽造あるいは変造の罪が主として通 貨の真正を確保しこれに対する社会の信用を保護することを目的としていること、 並びに日本銀行券か特定の厳格な様式規格を備えることによつて通貨としての社会 の信用を保持し、これに損傷を生じた場合においても、それが流通の過程において 自然的にかまたは図らざる事情により生じたもので、なおその通貨としての存在を 失わないと認められる場合にのみ、通貨として社会の信用を保持し若しその損傷が 不法の目的で故意に加えられたものであればこれに対する社会の信用が著しく失わ れるのは当然であること、を考え合せるときは、被告人の前記行為はとりもなおさ ず真正な通貨としての特徴を保持しつつ故意にこれに変更を加えた 故意に加えられたものであればこれに対する社会の信用が著しく失わ れるのは当然であること、を考え合せるときは、被告人の前記行為はとりもなおさ ず真正な通貨としての特徴を保持しつつ故意にこれに変更を加えたもので、通貨に 対する社会の信用を裏切るものと言わさるを得ず、この意味において通貨である日 本銀行券の変造に該ると解するを相当とする。なお右の如く一部分切除されて欠損 した日本銀行券を損傷日本銀行券引換規定により他の日本銀行券と引換を受け得る か否かは、同日本銀行券の変造の成否とはかかわりのない別個の問題であつて、右 引換を受けられる故を以つてその変造の成立を否定し得るものではない。されば原 判示第三に言う日本銀行券千円券の変造及びその変造千円券の行使は、刑法の規定 ある通貨の変造及びその変造通貨の行使に該当するもので、これと同旨に出でた原 判決の判断は正当であり、論旨は排斥を免れない。 (その余の判決理由は省略する。) (裁判長判事 新関勝芳 判事 斎藤孝次 判事 鬼塚賢太郎)
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