平成26年2月26日判決言渡平成25年(ネ)第10075号,第10077号不正競争行為差止等請求控訴,同附帯控訴事件(原審・東京地方裁判所平成23年(ワ)第28857号)口頭弁論終結日平成25年12月17日判決 控訴人兼附帯被控訴人株式会社サプライズ(以下「原告」という。) 訴訟代理人弁護士辻哲哉小西智志 被控訴人兼附帯控訴人株式会社タイパン(以下「被告会社」という。) 被控訴人兼附帯控訴人Y(以下「被告Y」という。)両名訴訟代理人弁護士小林幸夫坂田洋一安部剛 主文 1 原判決を次のとおり変更する。(1) 被告らは,原告に対し,連帯して金2442万7676円及びこれに対する平成24年3月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。(2) 原告のその余の請求をいずれも棄却する。2 本件附帯控訴をいずれも棄却する。3 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを5分し,その3を原告の,その余を被告らの各負担とする。4 この判決第1項の(1)は,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 当事者の求めた判決1 控訴の趣旨(1) 原判決中原告敗訴部分を 4 この判決第1項の(1)は,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 当事者の求めた判決 1 控訴の趣旨(1) 原判決中原告敗訴部分を取り消す。 (2) 被告らは,原告に対し,連帯して更に金1747万6912円及びこれに対する平成24年3月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 附帯控訴の趣旨原判決中被告会社及び被告Yの敗訴部分を取り消し,原告の同被告らに対する請求を棄却する。 第2 事案の概要 1 請求の概要と原判決本件は,原告が,原判決添付別紙被告商品目録記載の各商品(以下,併せて「被告商品」という。)について,原判決添付別紙原告商品目録記載の各商品(以下,併せて「原告商品」という。)の形態を模倣しているから,不正競争防止法2条1項3号に該当するなどと主張して,①被告会社に対し,同法3条1項に基づく差止請求権として,被告商品の製造,譲渡及び販売等の禁止,②同条2項に基づく廃棄請求権として,被告商品の廃棄,③被告らに対し,同法4条及び民法709条に基 - 3 -づく損害賠償9391万4788円(逸失利益8891万4788円と弁護士費用500万円の合計額)の一部である5627万1781円(附帯請求として不法行為の後である平成24年3月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金)の連帯支払を求めた事案である。 原判決は,被告らに対し,連帯して1747万6912円及びこれに対する平成24年3月1日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で,原告の請求を認容し,その余の原告の請求を棄却した。 これに対し,原告は,上記③に関し,損害金3495万3824円及びこれに対する平成24年3月1 5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で,原告の請求を認容し,その余の原告の請求を棄却した。 これに対し,原告は,上記③に関し,損害金3495万3824円及びこれに対する平成24年3月1日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で一部控訴し,被告らは,敗訴部分について附帯控訴した。 2 前提となる事実以下のとおり補正するほか,原判決の「事実及び理由」欄の第2,1項記載のとおりである。 (1) 原判決2頁20行目「争いがない。)」を「争いがない事実及び当裁判所に顕著な事実)」と改める。 (2) 原判決2頁23行目「株式会社である。」を「株式会社であったが,平成24年10月19日株主総会の解散により解散され,平成25年8月14日清算結了登記がなされた。」と改める。 (3) 原判決2頁24行目「代表取締役社長である。」を「代表取締役社長であったが,上記の清算手続により,代表清算人となった者である。」と改める。 3 争点及び当事者の主張(1) 争点原判決の「事実及び理由」欄の第2,2項記載のとおりである。 (2) 原審における当事者の主張 - 4 -原判決16頁16行目「平成24年」を「平成22年」と改めるほかは,原判決の「事実及び理由」欄の第2,3項記載のとおりである。 (3) 当審における当事者の追加主張ア争点1(原告商品の形態が不正競争防止法2条1項3号によって保護される「商品の形態」に当たるか)について(被告らの主張)原告商品と同程度の大きさの電気マッサージ器は,女性器を刺激するピンクローター,いわゆる大人のおもちゃとして,原告商品の開発当時からありふれた商品であり,電気マッサージ器として,原告商品の全長は,その 告商品と同程度の大きさの電気マッサージ器は,女性器を刺激するピンクローター,いわゆる大人のおもちゃとして,原告商品の開発当時からありふれた商品であり,電気マッサージ器として,原告商品の全長は,その商品の開発当時においても,全く珍しいものではなかった(乙18,検乙5,6)。原告商品が,ジョークとして受けたというのは,大人のおもちゃであるという商品の特性に起因したものであって,原告が独自に着想・開発したものではない。 しかも,ストラップ型のピンクローターも当時からありふれたものであり,この点も原告の着想によるものではない(乙19,検乙7,8)。 したがって,原告商品は,「フェアリーポケットミニ」の形態をそっくりそのまま模倣して,これも当時よく知られていたストラップ型のピンクローターのサイズまで小さくした,というにすぎないものであり,ここに原判決がいうような,「小型化のための工夫等に投下した資本がある」とか,原告独自の開発努力や着想があるなどとは到底いえない。 よって,原告商品の形態は,不正競争防止法2条1項3号が保護の対象とする「商品の形態」とはいえない。 (原告の主張)原告商品は,そのストラップ紐部分を,携帯電話機が備えるストラップ固定用の穴であるストップホールに通し,ストラップ紐の輪の中に原告商品本体を通すことにより,携帯電話機と原告商品とをストラップ紐の両端に接続し,原告商品自体を携帯ストラップとして使用し,そうすることで携帯電話機の把持・取り回しを容易 - 5 -にする商品である。一方,検乙7及び8の商品の構成をみるに,本体部分に結びつけられたストラップ部分(銀色の紐部分)が太く,同部分は一般の携帯電話が有するストラップホールに通して,検乙7及び8の商品と携帯電話機を接続することに適さない形状をしている。また, 本体部分に結びつけられたストラップ部分(銀色の紐部分)が太く,同部分は一般の携帯電話が有するストラップホールに通して,検乙7及び8の商品と携帯電話機を接続することに適さない形状をしている。また,同商品のストラップホールに結びつけられたストラップ紐(黒色紐部分)部分を一度ほどいて,携帯電話機と同商品双方のストラップホールにストラップ紐部分を通して,携帯電話機と同商品を結びつけたところで,携帯電話機と同商品とがストラップ紐部分の同じ側の端に接続されるだけであって,そのストラップ紐の反対側の端に滑り止めになるような部分が設置されてもいないし,携帯電話機と同商品とが近い位置に接続されて,たびたび接触することとなるはずであるから,携帯電話機の把持・取り回しの邪魔になりこそすれ,容易になることはない。よって,検乙7及び8の商品は,原告商品のように,電気マッサージ器と携帯ストラップとしての使用を両立させたことに特徴がある商品としての構成をそもそも全く有していない。 また,検乙5から8までの商品は,女性器を傷つけることなく,同商品の全部又は一部を女性器に押し当て,または膣中に挿入して振動を与えるという用途に特化した形態が選択された商品であり,実際にも,被告らも指摘するように,「大人のおもちゃ」の一種である「ピンクローター」と通称される種類の商品として需要者に認識されるのが通常であって,原告商品が発揮・実現したようなジョークないし,ギャグとしての面白みを発揮・実現することはほとんどあり得ない。社会通念上,大人のおもちゃ商品は,それを携帯電話などに付けて不特定多数の目に触れる場所に持ち出す等の用途・使用態様で使用されることは想定しづらいし,仮に,大人のおもちゃ商品がそのような用途・使用態様にて使用される場面があったとしても,常軌を逸した奇抜なものと 定多数の目に触れる場所に持ち出す等の用途・使用態様で使用されることは想定しづらいし,仮に,大人のおもちゃ商品がそのような用途・使用態様にて使用される場面があったとしても,常軌を逸した奇抜なものとして受け止められるだけで,ジョークないし,ギャグとしての面白みを与えることはほとんど想定できない。 したがって,被告らがその根拠とする前記商品(検乙5から8)は,原告商品に固有の形態上の特徴を認め得るかの判断との関係では,何らの関連性もない。 - 6 -イ争点2(原告商品と被告商品の商品形態が実質的に同一であるか)について(被告らの主張)原告商品の電気マッサージ器としてのサイズ,ストラップを付けている点などは,いずれも原告商品の開発当時からごくありふれた形態であり,到底,その形態的特徴とはいえないことから,その保護範囲は極めて小さいというべきである。一方,特に,スケルトンタイプの被告商品ニ,ホ,へは,暗い所で使用することが前提となっており,ライトが点灯することで使いやすさが格段にアップし,かつ,点灯することによる視覚的効果も大きく,被告商品独自の工夫が施された商品であるから,色彩やスケルトンなどの原告商品と被告商品の形態上の相違を微差であるとして,実質的同一の範囲内とした原判決の判断は誤りである。 (原告の主張)原告商品は,その全長を極端に小さくした構成を採用することによって,電気マッサージ器としてのみならず携帯ストラップとしても使用できるものとしたことに形態的特徴があるのであり,被告商品が,原告商品と異なる配色であることやスケルトンであることは,些細な相違であり,商品の形態的特徴でないことに疑いの余地はない。 そして,スケルトンカラーの本体が,光を透過させるという性質を有することは一見して明らかであるから, とやスケルトンであることは,些細な相違であり,商品の形態的特徴でないことに疑いの余地はない。 そして,スケルトンカラーの本体が,光を透過させるという性質を有することは一見して明らかであるから,ある商品について,スケルトンのカラーバリエーションを着想した者が,同商品の中に光源を設置し,同商品を点灯させることの着想を得ることは極めて容易である。また,前記に述べた原告商品の形態的特徴からすれば,スケルトンカラーの被告商品が点灯するという点は,容易に着想し得るわずかな改変に基づくものであって,商品の全体的形態に与える変化が乏しく,商品全体から見て些細な相違に留まるというほかない。 よって,原告商品とスケルトンタイプの被告商品は,同タイプの被告商品が点灯するという点を考慮してもなお,実質的に同一の商品であり,被告らの主張には理 - 7 -由がない。 ウ争点3(原告商品が被告会社にとって不正競争防止法2条1項3号の「他人の商品」に当たるか)について(被告らの主張)原告商品には,「ハスラー」なる商標が付されて生産されていたところ,当該商標は被告会社が第三者からライセンスを受けて使用していた商標である。仮に,被告らが,原告商品の開発等に関与していないならば,被告会社が第三者にロイヤリティを支払っている「ハスラー」の商標を,無償で原告商品に付することを許諾することなどあり得ない。このように,原告商品に「ハスラー」なる商標が常に使用されて販売されていた事実は,原告商品が,原告と被告の共同開発になる商品であることを裏付ける重要な間接事実というべきであり,看過されるべきではない。 (原告の主張)被告会社が許諾を受けていた「ハスラー」なる商標の指定商品及び役務は,25類の「被服」及び「靴類」,3,6,8,10,14,18,21 というべきであり,看過されるべきではない。 (原告の主張)被告会社が許諾を受けていた「ハスラー」なる商標の指定商品及び役務は,25類の「被服」及び「靴類」,3,6,8,10,14,18,21,25及び26類の身飾品を中心としたものであり,商標登録における指定商品との関係で,原告商品を電気マッサージ器と見るにせよ,携帯電話機用ストラップと見るにせよ,原告商品を指定商品に含むものではない。したがって,被告らは,原告に対し,上記各商標を原告商品に使用することを許諾する権利を有していない。また,被告らは,商標権者としての正当な権利に基づいて,原告に対し,原告商品への「ハスラー」なる標章の表示を許諾したという事実そのものが存在しないし,原告が標章の使用の対価を被告らに支払うべき筋合いのものでもない。さらに,被告らが第三者に原告商品への「ハスラー」なる標章の使用の対価を支払っているという証拠もない。 加えて,被告らが原告に対して,商標使用を許諾しているとの事実があったとしても,当該商品が商標許諾権と許諾を受けた者との共同開発にかかる商品であるとの事実を合理的に推認することができるなどという経験則は存在しない。 エ争点4(被告らの故意又は過失及び共同関連性の有無)について - 8 -(被告らの主張)原判決は,被告らが共同して形態模倣を行ったと認定する根拠として,被告Yが「自ら原告商品の商談を行っ」たこと,「商標『コデンマ/CODENMA』を登録出願したこと」,「意匠を出願していること」,「被告会社が被告商品を廃版にした際の『お知らせ』には被告Yが担当者として記載されていること」を挙げるが,被告Yは,当時,被告会社の代表取締役であり,原判決が掲げる上記の行為は,法人の代表者として通常の業務の域を超えるものではなく,明らかに らせ』には被告Yが担当者として記載されていること」を挙げるが,被告Yは,当時,被告会社の代表取締役であり,原判決が掲げる上記の行為は,法人の代表者として通常の業務の域を超えるものではなく,明らかに法人の代表者としての行為である。被告会社は,規模こそ小さいものの,株式会社としての法人格を備え,被告Y以外にも雇用された従業員が存在し,法人としての実体を備えているのであるから,本件の責任は法人としての被告会社が負担すべきであって,被告Y個人が責任を負ういわれはない。 (原告の主張)原判決が認定した事実等によれば,被告会社及び被告Yが,原告商品の形態の模倣について共同して行ったこと,すなわち,被告会社と被告Yとの間の客観的関連共同性は優に認められるし,また,被告Yに故意があったことも優に認められる。 よって,被告らの共同不法行為責任が認められることは明らかである。 オ争点5(損害額)について(原告の主張)(ア) 原判決は,不正競争防止法5条1項ただし書の「販売することができないとする事情」に関し,「不正競争行為の開始前,侵害品の販売先に対して,被侵害者が被侵害品を現に直接販売していた事実の不存在」だけをもって,「不正競争行為がなかったとしても,被侵害者は,侵害品の販売先への販売と同じ数量について被侵害品の販売ができなかった」と評価したが,これは,端的にいえば「現実の問題として“販売していなかった”以上,これをもって可能性の評価として“販売できなかった”と結論づけてよい」というのと同じであって,一般的な取引通念や経験則を大きく逸脱した評価態度であるし,何よりもこのような評価が許される - 9 -とすれば,不正競争防止法5条1項の立法趣旨が大きく没却されてしまって不当である。同条2項に関する判断も同様である。 大きく逸脱した評価態度であるし,何よりもこのような評価が許される - 9 -とすれば,不正競争防止法5条1項の立法趣旨が大きく没却されてしまって不当である。同条2項に関する判断も同様である。 (イ) 「販売することができないとする事情」とは,次のように捉えるべきである。すなわち,仮に侵害行為がなかったとした場合に,侵害品の譲渡先が取り得る態度としては,理論上,被侵害品を購入するか,被侵害品を購入しないかのいずれかであり,そのうちの後者,すなわち,被侵害品を購入しない者の態度としては,①被侵害品以外の競合品・代替品を購入すること,②被侵害品以外の競合品も代替品も購入しないことのいずれか,ということになる。そして,仮に侵害行為がなかったとした場合に,侵害品譲渡先が被侵害品を購入したとすれば,同購入分はまさに侵害行為による損害であるから,被侵害者が「販売することができないとする事情」とは,一般的な取引通念・経験則に照らして,侵害品の譲渡先に侵害品が存在しなかったとしても被侵害品を購入しなかったであろうと推認できる事情,つまり,前記①及び②の態度を取るであろうことを推認させる事情でなければならない。そうすると,侵害品の譲渡先に侵害品が存在しなかったとしても被侵害品を購入しなかったであろうと推認できる事情として考慮することができる事情とは,侵害品譲渡先が①の態度を取ることを推認させる事情である「市場における侵害品以外の被侵害品の競合品・代替品の存在」及び侵害品譲渡先が②の態度を取ることを推認させる事情である「侵害品の市場競争力又は侵害者の販売力が被侵害品の市場競争力又は被侵害者の販売力よりも優れていること」のほかには想定できない。 (ウ) 本件において,これを見ると,前者の事情はないから,後者の「侵害品の市場競争力又は侵害 売力が被侵害品の市場競争力又は被侵害者の販売力よりも優れていること」のほかには想定できない。 (ウ) 本件において,これを見ると,前者の事情はないから,後者の「侵害品の市場競争力又は侵害者の販売力が被侵害品の市場競争力又は被侵害者の販売力よりも優れていること」の存否について検討することになるところ,商品の供給者が卸売業者を通じて商品を供給することは,商品供給者自らの営業上の裁量による販路の獲得の一つのあり方にほかならず,商品供給者自身の販売力と評価されるべきものである。よって,被侵害者が卸売業者を通じて商品を頒布している事案において,卸売業者と無関係の第三者による不正競争行為によって生じた損害額を算 - 10 -定するに当たって,「被侵害者が,従前から卸売業者を通じた販売ルートを利用したものであって,侵害品販売先に対して侵害者と同様に販売できたとは言い難い(被侵害者が侵害品販売先に対して被侵害品を販売していたことを認めるに足る証拠はない。)」などという事情を前提にして,被侵害者が販売することができないとする事情及び推定覆滅事情の存在を肯定して損害賠償額を減額するなど,到底是認されるものではない。本件不正競争行為開始前において,被侵害者である原告は,卸売業者である被告会社を通じて原告商品を侵害品販売先であるドン・キホーテに販売していたが,被告会社は,平成22年5月に本件不正競争行為を開始する一方,原告からの原告商品の購入及びドン・キホーテへの原告商品の販売を取りやめたという事情があるとはいえ,侵害品たる被告商品が存在しない前提で考えれば,被侵害品たる原告商品の市場競争力又は原告の商品供給能力が平成22年5月以降に突然喪失又は減少したような事情は存在しない。販売先であるドン・キホーテの立場からみても,侵害品たる被告商品が存 えれば,被侵害品たる原告商品の市場競争力又は原告の商品供給能力が平成22年5月以降に突然喪失又は減少したような事情は存在しない。販売先であるドン・キホーテの立場からみても,侵害品たる被告商品が存在しない前提で考えれば,被侵害品たる原告商品の需要が平成22年5月以降に突然喪失又は減少したような事情は存在しない。 むしろ,被告商品は,原告商品と商品形態が同一であるのみならず,材質,機能,商品名,パッケージに至るまで酷似しており,ドン・キホーテの小売店舗において色違いの同一のコデンマシリーズの商品として原告商品と並列的に陳列販売されていたものであり,その販売額においても,被告商品と原告商品との間に見るべき差異は存在しない。そして,被告会社が,ドン・キホーテに対する原告商品の販売時に比して,同社に対する被告商品の販売時により営業努力を尽くしたとか強い販売力を発揮したなどという事実もない。 そうだとすれば,ドン・キホーテへの被告商品の販売に際して現に発揮された被告商品の市場競争力及び被告会社の販売力と,侵害品たる被告商品が存在しないとした場合に,原告商品のドン・キホーテへの販売において原告が卸売業者として被告会社を選択することによって発揮されたであろう被告商品の市場競争力及び被告会社の販売力を比べたとき,後者が前者に比して特段劣っているとは認められない。 - 11 -また,原告は,平成13年3月1日付けでドン・キホーテとの間で継続的取引契約を締結し,原告が取り扱う多様な雑貨・小物関連商品をドン・キホーテに対し直接販売してきた。その取引の規模が,被告会社とドン・キホーテとの間の被告商品の取引の規模との比較において特段劣後していることも認められない。さらに,ドン・キホーテは全国的に店舗を展開する雑貨(ファッション雑貨,生活雑貨)を主に が,被告会社とドン・キホーテとの間の被告商品の取引の規模との比較において特段劣後していることも認められない。さらに,ドン・キホーテは全国的に店舗を展開する雑貨(ファッション雑貨,生活雑貨)を主に取り扱う大型量販店であるところ,その取扱う商品の種類は多種多様であり,同社に商品を納入する卸売業者は現に多数存在することからすれば,被告会社が,原告や他の多数の商品卸売業者との比較において,ドン・キホーテに対して特別な販売力・営業努力を発揮していたような事情は存在しない。 (エ) 平成22年10月における原告とティーアイエスとの取引終了の事実は,上記に述べた推定覆滅事情のいずれにも当たらない。すなわち,ティーアイエスは,原告に対し,原告が原告商品の類似品である「デンマン」を他社に提案したことを指摘した上,そのようなことをすれば原告商品が売れなくなるなどとして原告商品の取扱いを中止する旨通知する旨のメール(乙12)を送信しているところ,仮に,「デンマン」を他社に提案することが原告商品の売れ行きにマイナスの影響を与えるということが事実であったとしても,その影響は被告会社の市場競争力及び被告会社の販売力に対しても全く同様に及ぶはずであるし,その影響の程度を比較すると,原告商品の市場競争力及び原告の販売力に対する影響と被告会社の市場競争力及び被告会社の販売力に対する影響とでは,全く見るべき差がない。 (オ) 仮に,ティーアイエスとの取引終了の事実を推定覆滅事情と見ることが許されるとしても,被告会社による被告商品の販売総数14万0624個中,平成22年11月以降の被告商品のティーアイエスへの販売数は2万0671個であるから,不正競争防止法5条1項及び2項に基づく損害額が覆滅されるのは,最大でも前記2万0671個についてのみであり,その総 成22年11月以降の被告商品のティーアイエスへの販売数は2万0671個であるから,不正競争防止法5条1項及び2項に基づく損害額が覆滅されるのは,最大でも前記2万0671個についてのみであり,その総数に占める割合は,14. 6%にすぎない。したがって,この14.6%の割合を超えて不正競争防止法5条1項及び2項に基づく損害を減額することは許されない。 - 12 -(被告らの主張)(ア) 原判決は,原告の販売力を考慮したものであって,「不正競争行為の開始前,侵害品の販売先に対して,被侵害者が被侵害品を現に直接販売していた事実の不存在」だけをもって,「被侵害者が販売することができないとする事情」としたものではなく,原告の主張は失当である。 (イ) 不正競争防止法5条1項ただし書は,「譲渡数量の全部又は一部に相当する数量を被侵害者が販売することができないとする事情があるときは,当該事情に相当する数量に応じた額を控除するものとする」と規定されており,「販売することができないとする事情」については特に条文の文言上制限はなく,原判決のように「原告の販売力」もこのような事情に含めて適正な賠償額を決定することは当然である。 (ウ) 被告会社による被告商品の販売総数のうち約64%に及ぶドン・キホーテへの販売は,被告会社のドン・キホーテに対する従前の販売ルートを利用したものであるばかりか,約36%を占めるティーアイエスに対する被告商品の販売も被告らが同社に強力なコネクションがあったからこそ実現した取引であった。 原告自身は,ティーアイエスの信用を失って取引ができなくなると,ほとんど全く原告商品を販売できなくなっており,この事実は,原告商品の販売先が非常に限定されたものであることを示している。原告商品や被告商品が販売できたのは イエスの信用を失って取引ができなくなると,ほとんど全く原告商品を販売できなくなっており,この事実は,原告商品の販売先が非常に限定されたものであることを示している。原告商品や被告商品が販売できたのは,ひとえに被告らの営業力,被告らのドン・キホーテやティーアイエスに対する個人的なコネクションによるものである。原告独自の力で販売できたのであれば,企画段階から被告らに相談する必要などなかったはずである。 (エ) ティーアイエスとの取引の打切りについては,原告の「販売力」を裏付ける決定的な事情であって,重視すべきことは明らかである。原告は,平成22年10月の取引打切りから,現在まで3年以上が経過しているにも関わらず,ティーアイエス以外に販路を開拓する営業努力を全く行っていないし,現に全く販路を開拓できていないのであり,当該事情は,推定覆滅事情として当然に重視され - 13 -るべきである。まして,被告らは途中から被告商品の製造・販売を中止しており,その後でさえも原告は全く販売できていないということは,原告商品に魅力が全くないか(原告の主張する「商品の市場競争力」),原告に全く営業力がないか,あるいは,その複合的要因によるものであり,いずれにせよ,原告には「販売することができないとする事情」があることは明らかである。 (オ) 原判決の50%という推定覆滅率は,これらの事情に鑑みると,低きに失したものであり,その利益が専ら被告らの営業力によっている点に鑑み,少なくともその95%を減額すべきである。 第3 当裁判所の判断当裁判所も,原告商品の形態は,不正競争防止法2条1項3号によって保護される「商品の形態」に当たり,被告らは,原告の製造開発に係る原告商品と実質的に同一である被告商品を販売し,共同して模倣したものと認め 判所も,原告商品の形態は,不正競争防止法2条1項3号によって保護される「商品の形態」に当たり,被告らは,原告の製造開発に係る原告商品と実質的に同一である被告商品を販売し,共同して模倣したものと認め,被告会社につき不正競争防止法4条,被告Yにつき民法709条に基づき,連帯して損害賠償を支払う義務があるものと認める。その理由は,原判決を,以下の1項のとおり補正し,2項のとおり「被告らの責任原因に関する当審における補充主張に対する判断」を付加するほかは,「第3 当裁判所の判断」1項ないし4項(原判決21頁26行目以下31頁18行目まで)記載のとおりであるので,これを引用する。 しかしながら,その認容すべき額は,原判決と異なり,元本額で2442万7676円と判断する。その理由は,以下の3項記載のとおりである。 1 原判決の補正(1) 原判決22頁22行目以下「カニカンに付けられたストラップ紐」を「カニカンに付けられた,携帯電話機に設けられたストラップ連結用の穴に繋止可能な細いストラップ紐」と改める。 (2) 原判決23頁6行目「その大きさ」の次に「及びストラップ紐部分の形状 - 14 -から」を加える。 (3) 原判決23頁17行目「穴に付けられた」の次に「5㎜程度の帯状の布で組成される」を加える。 (4) 原判決24頁11行目「半分未満である。」の次に,「また,『フェアリーポケットミニ』のストラップ紐は,5㎜程度の帯状の布で組成されており,ストラップ紐を携帯電話機に設けられたストラップ連結用の穴に繋止するのに適した形状となっていないのに対し,原告商品のストラップ紐は,これに適した形状となっている。」を加える。 (5) 原判決26頁6行目「カニカンに付けられたストラップ紐」を「カニカンに付けられた, た形状となっていないのに対し,原告商品のストラップ紐は,これに適した形状となっている。」を加える。 (5) 原判決26頁6行目「カニカンに付けられたストラップ紐」を「カニカンに付けられた,携帯電話機に設けられたストラップを連結する穴に繋止可能な細いストラップ紐」と改める。 (6) 原判決26頁23行目「カニカンに付けられたストラップ紐」を「カニカンに付けられた携帯電話機に設けられたストラップ連結する穴に繋止可能な細いストラップ紐」と改める。 (7) 原判決29頁13行目「なく構わないこと」を「なくて構わないこと」と改める。 2 被告らの責任原因に関する当審における補充主張に対する判断(1) 争点1(原告商品の形態が不正競争防止法2条1項3号によって保護される「商品の形態」に当たるか)について被告らは,原告商品と同程度の大きさの電機マッサージ器は,いわゆる大人のおもちゃの一種であるピンクローター(検乙5ないし8)として,原告商品の開発当時からありふれた商品であったとし,原告は,「フェアリーポケットミニ」の形態をそのままそっくり模倣して,当時よく知られていたストラップ型のピンクローターのサイズまで小さくしたにすぎないものであり,原告商品は,独自の着想や開発努力はなく,ありふれた形態であって,保護されるべき「商品の形態」に当たらない - 15 -と主張する。 しかし,そもそも,模倣品を規制することにより,市場における先行者の利益を保護し,先行者の商品開発及び市場開拓のインセンティブを確保し,公正な競業秩序を維持するとの不正競争防止法の趣旨に照らせば,同法2条1項3号によって保護される「商品の形態」とは,広く商品全体の形態をいうものであって,商品の機能を確保するために不可欠の形態及びありふれた形態 序を維持するとの不正競争防止法の趣旨に照らせば,同法2条1項3号によって保護される「商品の形態」とは,広く商品全体の形態をいうものであって,商品の機能を確保するために不可欠の形態及びありふれた形態は除外されるものの,形態自体が高い独創性を有することが必要とされるものではない。そして,原告商品が,手持ちの電機マッサージ器としての機能を確保する上で不可欠な形態に該当するものでないことは明らかであるし,従来の同種品との比較においてありふれた形態ともいえないことは,以下のとおりである。 すなわち,原告商品と,被告らが,当審において提出するピンクローター(検乙5ないし8)とを比較すると,電気的振動部分であるピンクローター本体の全体としての形態は,原告商品と全く異なっている上(被告ら自身,これらのピンクローターと原告商品の形態の類似性を主張するものでない。),ストラップ部分に関しても,原告商品のストラップは,携帯電話機に設けられたストラップを連結する穴に繋止するのに適した細い紐で構成されているのに対し,上記のピンクローターのストラップ紐は,布紐をビニールでコーティングした,原告商品のストラップ紐よりも相当に太い形状であり,携帯電話機に通常設けられた携帯ストラップを連結するための穴に挿入するのに適した形状ではなく,その形態は大きく異なっている。そうすると,前記のとおり,原告商品は,電気マッサージ器としてのみならず携帯ストラップとしても使用できることを目的として,その全長を極端に小さくした構成を採用したことに形態的特徴を有するものであり,全体的観察において,そのような形態的特徴を有する商品が原告商品の開発前に存在したとは認められない。 したがって,被告らの上記主張は採用できない。 (2) 争点2(原告商品と被告商品の商品形態が実質的に同一で ,そのような形態的特徴を有する商品が原告商品の開発前に存在したとは認められない。 したがって,被告らの上記主張は採用できない。 (2) 争点2(原告商品と被告商品の商品形態が実質的に同一であるか)について - 16 -被告らは,特に,スケルトンタイプの被告商品ニ,ホ,へは,暗い所で使用することが前提となっており,ライトが点灯することで使いやすさが格段にアップし,かつ,点灯することによる視覚的効果も大きく,被告商品独自の工夫が施された商品であるから,これらを原告商品と実質的に同一であるとした原判決の判断は誤りであると主張する。 しかし,商品の形態を比較した場合,問題とされている商品の形態に他人の商品の形態と相違する部分があるとしても,当該相違部分についての改変の内容・程度,改変の着想の難易,改変が商品全体の形態に与える効果等を総合的に判断した上で,その相違がわずかな改変に基づくものであって,商品の全体的形態に与える変化が乏しく,商品全体から見て些細な相違にとどまると評価されるときには,当該商品は他人の商品と実質的に同一の形態というべきである。 原告商品の形態的特徴は,前記のとおり,電気マッサージ器としてのみならず携帯ストラップとしても使用できることを目的として,その全長を極端に小さくした構成を採用した点にあるところ,原告商品と被告商品の形態は,当該形態的特徴を同一にするだけでなく,色彩とスケルトンである点を除いて,細部にわたるまで酷似している。そして,日用雑貨や電化製品の分野において,本体を透明あるいは半透明で構成することは,よく知られており(甲42ないし44,54,63,65),被告らが,先行品として主張する前記のピンクローターである商品名「アクアソニック」(検乙6)においても,透明でない4色のカラーバリエー ことは,よく知られており(甲42ないし44,54,63,65),被告らが,先行品として主張する前記のピンクローターである商品名「アクアソニック」(検乙6)においても,透明でない4色のカラーバリエーション(ピンク,ホワイト,イエロー,バイオレット)のほかに,「アクアソニックスケルトン」として,クリア,レッド,ブルー,バイオレットとして,透明なカラーバリエーションを展開しており,被告商品の製作時においてもこのことが周知であったと認められる。 また,本体をスケルトンとした場合に,内部をよく視認できるように,本体内に光源を設置することも往々にして見られる演出であり,この点について,特段,開発のための工夫や労力を要するとの主張立証はなく,実際,原告においても,平成22年1月には,原告商品を半透明にした上でLEDライトにより光らせる構成を検 - 17 -討していたと認められる(甲32,54)。さらに,被告商品のパッケージに「LED点滅」との記載があるものの,一方で,通常の大きさの電機マッサージ器より極端に小さいことを示す「本物の電マの1/5サイズ!!」との記載や,「スケルトンモデルが新登場!!」として,同一商品の改変版であることがむしろ強調されていることや,原告商品は,通常の大きさの電機マッサージ器に似た形状でありながら,極端に小さくして携帯ストラップとしても利用できるようにすることにより,いわゆるパロディとしての面白みを持たせるとの効果をもたらすものと認められることに照らすと,その大きさと形状が効果面においても特徴的な部分であり,上記改変部分が商品全体に与える効果も些細なものである。そうすると,これらの差異は,上記に述べた原告商品と被告商品とに共通する形態的特徴に比して,些細なものというべきであり,原告商品と被告商品が実質的に同一と判断する 全体に与える効果も些細なものである。そうすると,これらの差異は,上記に述べた原告商品と被告商品とに共通する形態的特徴に比して,些細なものというべきであり,原告商品と被告商品が実質的に同一と判断する妨げとなるものではない。 したがって,被告らの上記主張は採用できない。 (3) 争点3(原告商品が被告会社にとって不正競争防止法2条1項3号の「他人の商品」に当たるか)について被告らは,原告商品に付されていた「ハスラー」なる商標は,被告会社が,ロイヤリティを支払って第三者から許諾を受けている商標であり,これを無償で原告に使用させることなどあり得ず,原告商品に上記商標が付されていた事実は,原告商品が原告と被告らとの共同開発商品であることを示す重要な間接事実であると主張する。 確かに,証拠(甲5,8,乙21の1・2)によれば,被告会社は,第三者から「ハスラー」商標の使用の許諾を受け,「ハスラー公式楽天通販サイト」を運営し,同サイトで被告商品を販売している事実,平成21年6月時点における企画書修正案の時点では,既に,原告商品の本体裏面に「HUSLLER」との標章が記載されていた事実が認められる。 しかし,製品に記載された標章については,当該製品の販売元の意向を受けて付 - 18 -記されるのは通常のことであり,被告会社が許諾を受けた商標と同一の商標が記載されたとしても,当該事実が必ずしも商品自体が共同して開発されたことを示すものとはいえない。また,証拠(甲66ないし69)によれば,被告会社が使用権を有する上記商標の指定商品は,原告商品と関連しないものであり,原告が上記標章を付して原告商品を他に販売するに際し,被告会社から許諾を受けることが商標法上要請されるものでもない。 したがって,上記に認定した事実は,原告商品の共同 商品と関連しないものであり,原告が上記標章を付して原告商品を他に販売するに際し,被告会社から許諾を受けることが商標法上要請されるものでもない。 したがって,上記に認定した事実は,原告商品の共同開発を否定する証人Aの証言の信用性を減殺するものでも,これを肯定する被告Yの供述の信用性を高めるものでもなく,原判決の事実認定を左右するものではないから,被告らの上記主張は採用できない。 (4) 争点4(被告らの故意又は過失及び共同関連性の有無)について被告らは,原判決の指摘する被告Yの行為は,法人の代表者としての行為にすぎず,被告会社は,株式会社としての法人格を備え,被告Y以外にも雇用された従業員が存在し,法人としての実体を備えているのであるから,本件の責任は法人としての被告会社が負担すべきであって,被告Y個人が負ういわれはない旨主張する。 しかし,法人代表者が個人として不法行為責任を負うべき事例は,法人格が否認される場合や,実質的に個人会社と同視されるような場合に限られるものでないから,被告らの主張はその前提において失当である。しかも,前記の認定のほか,乙4によれば,被告Yは,商標「コデンマ/CODENMA」について,自らを商標権者として登録を受けるなど,被告Y個人としても,原告商品の形態を模倣した被告商品の販売等を行うという被告会社による不正競争行為(以下「本件不正競争行為」という。)に積極的に荷担した事実が認定できるのであるから,個人として不法行為責任を負うことは当然であって,被告らの上記主張は採用できない。 3 損害額(争点5)についての判断(1) 認定事実 - 19 -前記前提となる事実,証拠(甲5,21ないし26,29,60,61,乙11ないし16。証人A,被告Y本人,証拠番号には枝番号を含む 点5)についての判断(1) 認定事実 - 19 -前記前提となる事実,証拠(甲5,21ないし26,29,60,61,乙11ないし16。証人A,被告Y本人,証拠番号には枝番号を含む。)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ア原告及び被告会社の取引形態について原告は,平成13年3月,大手小売業者であるドン・キホーテとの間で継続的取引契約を締結し,ドン・キホーテに対し商品を直接販売したことがあったが,原告商品の販売が開始された平成21年12月時点において,ドン・キホーテとの直接取引は行っていなかった。ドン・キホーテは,平成17年5月時点において約3000もの取引口座数を有するなど,多数の納入業者を取引先としており,その取引先には中小零細業者も含んでいた。(甲23,60,61)被告会社は,日用雑貨小物の卸売業を行っており,主要な取引先はドン・キホーテであった。また,被告会社は,インターネットサイトにおいて,「ハスラー公式楽天通販サイト」の管理運営を行っていた。(甲5,被告Y本人)イ原告・被告会社間の取引と本件不正競争行為までの原告商品の販売状況について原告代表者と被告Yとは,平成21年4月16日に面談するまで面識がなく,その後,原告と被告会社との間で下着販売の取引などが開始されるとともに,原告商品についての取引が協議された。協議の結果,原告商品の卸売業者として被告会社が入ることが決められ,被告会社の発注に応じて原告が原告商品を出荷し,当該出荷数に卸売り代金を乗じた金額を売買代金として後払いで精算する取引を行うこととされたが,原告と被告会社との間に,特定の期間,特定数の取引を義務付けるような継続的取引契約や提携契約は締結されず,原告商品についての独占的販売権を被告会社に与えるも 払いで精算する取引を行うこととされたが,原告と被告会社との間に,特定の期間,特定数の取引を義務付けるような継続的取引契約や提携契約は締結されず,原告商品についての独占的販売権を被告会社に与えるものでもなかった。 平成21年12月に原告商品の販売が開始された後,本件不正競争行為がなされる前である平成22年5月までの6か月間における原告商品の販売状況は,原判決添付別紙原告商品の販売状況一覧のとおりであり,合計10万7511個を販売し, - 20 -月平均販売数は約1万7918個であった。販売先は,被告会社への販売が5万6029個で,全体の52%を占めており,残りの販売先のほとんどが卸売業者であるティーアイエスへの販売であった。被告会社は,原告から購入した原告商品を主にドン・キホーテに販売していたほか,雑貨,書籍等の大型小売業者である株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションに販売するとともに,被告会社が管理運営する「ハスラー公式楽天通販サイト」でも販売していた。(甲22,証人A,被告Y本人)ウ本件不正競争行為後の原告商品及び被告商品の販売状況について被告らが本件不正競争行為を開始した平成22年6月以降,原告と被告会社との取引は終了し,さらに,平成22年10月までに原告とティーアイエスとの取引が終了したが,この5か月間の販売総数は,原判決別紙原告商品の販売状況一覧のとおり,1万9862個(返品処理された物を除く。)であり,月平均販売数は約3972個と激減した。 原告は,平成22年10月16日,ティーアイエスから,原告が原告商品の類似商品である「デンマン」をティーアイエスの販売価格よりも廉価で提案していることを理由として,原告商品の取扱いを中止する旨を告げられた。その後,原告は,同社との取引を行っておらず, 告が原告商品の類似商品である「デンマン」をティーアイエスの販売価格よりも廉価で提案していることを理由として,原告商品の取扱いを中止する旨を告げられた。その後,原告は,同社との取引を行っておらず,それ以降,他社に対しても原告商品を販売できなかった(乙12)。 一方,被告会社は,平成22年6月以降,原告商品を模倣した被告商品の販売を開始し,その販売総数は14万0624個となった。その内訳は,ドン・キホーテへの販売分が8万9370個,ティーアイエスへの販売分が5万1254個であり,ドン・キホーテ販売分の販売総数に占める割合は約64%であった。ティーアイエスへの販売については,別紙ティーアイエス各月売上集計表記載のとおりであり,原告とティーアイエスとの取引が終了した平成22年10月までの間,被告会社による被告商品のティーアイエスに対する販売数は3万0583個(月平均販売数約6116個)であるが,同年11月から平成23年4月までの販売数は,4214 - 21 -個(月平均販売数約702個)と減少し,その後,いったん販売が中断され,同年8月に最後となる1万2000個が販売された。被告会社のドン・キホーテへの販売は,平成24年2月に終了した(乙11の1,2)。 なお,原告商品,被告商品ともに,百貨店や大型電機製品小売店などでの販売はなされなかった。 エ原告商品と被告商品の売上額について平成21年12月から被告商品の販売が開始された平成22年5月までの原告商品1個当たりの売上額は371.76円/個である。一方,被告商品の1個当たりの売上額は,ドン・キホーテ販売分が482円/個であり,ティーアイエス販売分が336円/個である(乙13,弁論の全趣旨)。 (2) 民法709条に基づく損害額についてア原告は,本件不 の売上額は,ドン・キホーテ販売分が482円/個であり,ティーアイエス販売分が336円/個である(乙13,弁論の全趣旨)。 (2) 民法709条に基づく損害額についてア原告は,本件不正競争行為がなければ,原告商品の販売が開始された平成21年12月から平成22年5月までの月平均販売数量である1万7919個の販売数量を,同年6月以降も維持できたとして,民法709条に基づく損害額を主張する。 そこで,検討するに,前記(1)のとおり,原告は,主として卸売り会社を通じた販売ルートで原告商品を販売しており,しかも,原告の取引先である卸売り会社は数社に限定されていたものと認められる。そして,前記(1)ウのとおり,ティーアイエスは,平成22年10月16日,原告に対し,原告が原告商品より廉価な類似品を提案したことを理由として,原告商品の取扱いを中止する旨通知しており,そのために,原告とティーアイエスとの取引が終了に至り,同年11月以降,原告商品を販売できなかったものと推認される。また,面白みや目新しさを特徴にした日用雑貨品については,その販売開始当初に売れ行きがよくとも,その後は陳腐化により販売数が減少する傾向があるのが一般的な経験則であるところ,実際,前記に認定のとおり,原告商品のみならず,そのデッドコピーである被告商品の販売数も徐々に減少傾向にあったものと認められる。 - 22 -以上を考慮すれば,仮に,本件不正競争行為がなかったとしても,原告が,平成22年5月までの月平均販売数量をその後も維持できたとは推認できないし,その他これを認めるに足りる証拠もないから,原告の損害主張は認められない。 イこれに対し,原告は,乙12のメールは,被告会社とティーアイエスとの間で,被告商品の仕入れの継続を前提として原告との取引を れを認めるに足りる証拠もないから,原告の損害主張は認められない。 イこれに対し,原告は,乙12のメールは,被告会社とティーアイエスとの間で,被告商品の仕入れの継続を前提として原告との取引を停止する旨の申合せがあったと考えなければ極めて不自然なものであって,ティーアイエスはそのような申合せに従って,原告との取引を停止したかのようなメールを送信したと考えるほかなく,同メール記載の内容が事実を反映したものであるとは到底考えられない旨主張する。 しかし,同メールには,「デンマン」なる原告商品の類似品について,原告商品の1個当たりの売上額である371.76円/個を相当下回る310円/個(アソートパックでは300円/個)での販売を提案する内容の,ティーアイエスが入手した原告作成の文書がPDF形式で添付されており,これは,原告の行為が原因となって取引中止に至ったことを裏付けるものである。また,同メールを送付された証人Aは,当時,原告の営業部長の立場にありながら,大口取引先であったティーアイエスとの取引中止やその理由についてあいまいな供述に終始している。さらに,被告会社とティーアイエスとの取引状況は,別紙ティーアイエス各月売上集計表のとおりであり,原告とティーアイエスとの取引中止により,被告会社の販売数が原告との取引分を補うような形で飛躍的に伸びたなどの関係は窺われない。 以上のことに照らすと,被告会社とティーアイエスとの間で申合せが行われたと認めることはできず,原告の上記主張は採用できない。 (3) 不正競争防止法5条1項に基づく損害額についてア被告商品の販売により原告の営業上の利益が侵害されたことは明らかである。そして,被告商品の譲渡数量が14万0624個(ドン・キホーテ販売分8万9370個及びティーアイエス販売分5 ついてア被告商品の販売により原告の営業上の利益が侵害されたことは明らかである。そして,被告商品の譲渡数量が14万0624個(ドン・キホーテ販売分8万9370個及びティーアイエス販売分5万1254個)であること及び原告商品1個当たりの利益の額が207.69円であることは当事者間に争いがないから, - 23 -不正競争防止法5条1項本文により,被告商品の譲渡数量14万0624個に,原告における原告商品1個当たりの利益の額207.69円を乗じると,2920万6198円(1円未満切捨て)となる。 イ続いて,不正競争防止法5条1項ただし書の「販売することができないとする事情」について検討する。 (ア) 不正競争防止法5条1項は,民法709条に基づき逸失利益の損害賠償を求める際の損害額の算定に当たり,因果関係の立証困難を救済するため,侵害者の譲渡製品の数量に当該侵害行為がなければ被侵害者が販売することができた製品の単位数量当たりの利益額を乗じた額を損害と推定することとし,同項ただし書は,侵害者が同項本文による推定を覆す事情を証明した場合には,その限度で損害額を減額することができる旨を規定したものである。したがって,「販売することができないとする事情」には,特段の限定はなく,侵害品がなければ被侵害者の商品を販売することが可能であったとする因果関係の推定を覆滅させる事情を広く含むというべきである。 (イ) これを本件について見るに,前記認定のとおり,原告は主として卸売り会社を通じた販売ルートで原告商品を販売しており,原告の取引先のほとんどは,被告会社とティーアイエスで占められていたこと,原告と被告会社は,平成21年12月から平成22年5月までの間,原告商品の取引を行ってきたが,特定の期間,特定数の取引を義 ,原告の取引先のほとんどは,被告会社とティーアイエスで占められていたこと,原告と被告会社は,平成21年12月から平成22年5月までの間,原告商品の取引を行ってきたが,特定の期間,特定数の取引を義務付けるような継続的取引契約や提携契約は締結されず,それまでに長期間の取引関係を継続してきた実績もなく,原告と被告会社の取引関係が上記期間以降も継続する蓋然性が高いとはいえないこと,平成22年10月にティーアイエスとの取引終了後,新たな卸売業者を開拓するのに必要と思われる数か月間が経過しても,取引先として新たな卸売業者を選定できておらず,その後,原告商品を販売できていないことが認められる。 一方,ドン・キホーテは,多くの納入業者との間で取引があり,大手卸売業者に限らず,中小零細企業との間で直接取引を行っており,実際,原告が平成13年3 - 24 -月からドン・キホーテと継続的取引契約を締結し,直接取引をした実績があったことも踏まえると,本件不正競争行為がなかった場合に,原告が直接,ドン・キホーテとの取引に参入できていた可能性も十分にあり,また,その他の卸売業者との取引による販売の可能性もあった。 さらに,前記のとおり,平成22年10月16日に,原告が他社に原告商品の類似品を販売しようとしたことを理由としてティーアイエスとの取引が終了に至っているところ,同日以降に被告会社がティーアイエス販売した分については,侵害品がなければ,原告が同等の数量を販売できたはずであるとは認められないから,当該数量は侵害行為によって販売機会を喪失したということはできない。よって,被告会社の被告商品の販売数のうち,ティーアイエスに対して平成22年11月以降に販売した2万0671個(侵害品の販売総数の14.6%に相当する。)については,原告が同数量を販売する きない。よって,被告会社の被告商品の販売数のうち,ティーアイエスに対して平成22年11月以降に販売した2万0671個(侵害品の販売総数の14.6%に相当する。)については,原告が同数量を販売することができなかったものと認められる。 (ウ) 以上の事情を総合考慮すれば,被告商品の販売数量の30%については,原告が販売することができないとする事情があったと認めるのが相当である。 ウそうすると,不正競争防止法5条1項に基づく損害額は2044万4338円(=2920万6198円×0.7。1円未満切捨て)となる。 エ原告の主張について(ア) 原告は,原判決が「不正競争行為の開始前,侵害品の販売先に対して,被侵害者が被侵害品を現に直接販売していた事実の不存在」だけをもって,「不正競争行為がなかったとしても,被侵害者は,侵害品の販売先への販売と同じ数量について被侵害品の販売ができなかった」と評価したものと論難するが,原判決は,上記の不存在の事実のみをもって推定覆滅事情としたものではなく,上記主張は原判決を正解しないものであって,採用できない。 (イ) また,原告は,推定覆滅事情について,「市場における侵害品以外の被侵害品の競合品・代替品の存在及び侵害品の市場競争力」又は「侵害者の販売 - 25 -力が被侵害品の市場競争力又は被侵害者の販売力よりも優れていること」のほかには想定できないと主張する。しかし,前記に述べたとおり,不正競争防止法5条1項ただし書にいう「販売することができないとする事情」に特段の限定はなく,当該推定覆滅事情には,例えば,本件のように,被侵害者において,自らの行為を理由として従前の取引先から契約を打ち切られるなどの事情も含まれると解するべきであって,上記の2事情に限定されると はなく,当該推定覆滅事情には,例えば,本件のように,被侵害者において,自らの行為を理由として従前の取引先から契約を打ち切られるなどの事情も含まれると解するべきであって,上記の2事情に限定されるとする原告の主張は,失当である。したがって,原告とティーアイエスとの取引終了の事実が,上記2事情のいずれにも当たらないから推定覆滅事情として斟酌することはできないとする旨の原告の主張も採用できない。 (ウ) さらに,原告は,原告の販売力は,本件不正競争行為前の原告の販売力と比較すべきであり,これと比較した場合には,原告自身の営業力・販売力に何ら変わりはなく,減額要素は存在しない旨主張する。 不正競争防止法5条1項ただし書の「販売することができないとする事情」は,侵害品がなければ被侵害者の商品が販売できたであろうという因果関係の推定を覆滅させる事情であり,当該不正競争行為がなく,侵害品が存在しなかった場合を前提にするものであるから,現実に被侵害者が自己の商品を販売できなかったことを減額事情とするのは相当ではない。もっとも,当該不正競争行為開始以降の事情であっても,侵害者が販売した侵害品と同数量を被侵害者が販売できたとする推定を覆す事情として,被侵害者自身の営業力,取引先の開拓力の乏しさなど,侵害者が侵害品を販売したほどには被侵害者が販売できなかったと認められるような事情がある場合には,これを考慮することができるものと解される。 そうすると,仮に,本件不正競争行為がなかったとした場合,原告が,従前,被告会社を卸売業者として介在させて大型小売業者に販売するという取引形態をとり,そのような卸売業者を取引先とする販路を有していること自体は,原告の販売力として,一定程度評価できるが,原告と被告会社の取引関係は,特定の期間,特定数の取引を義務 者に販売するという取引形態をとり,そのような卸売業者を取引先とする販路を有していること自体は,原告の販売力として,一定程度評価できるが,原告と被告会社の取引関係は,特定の期間,特定数の取引を義務付けるような継続的取引契約や提携契約が締結されたものではないか - 26 -ら,原告・被告会社間の取引が長期間にわたり確定的に継続するような確固たる営業力として評価することはできない。しかも,原告商品が,前記のとおり百貨店や大型電機製品量販店等で広く販売される物ではなく,販売先が限られていたとの事情や,原告がティーアイエスとの取引終了後も販路を開拓できなかったとの事情は,「販売することができないとする事情」として斟酌すべきものであって,原告の上記主張は採用できない。 オ被告らの主張について(ア) 被告らは,乙17に示すように,被告商品の販売当時,市場には原告商品を模倣した競合商品は相当多数存在した旨主張する。 確かに,乙17の1の商品については,平成22年6月に発売され,その大きさ(全長69.9mm,最大径20mm)からみて,原告商品及び被告商品の競合商品であったと認められるが,その販売数量等を認めるに足りる証拠はない。また,乙17の2ないし5の商品については,発売時期を認めるに足りる証拠がなく,時期的にみて上記競合商品に該当するか否かは判然としない。このように,一部競合商品の存在は認められるものの,その販売数量等の詳細は不明であるから,「原告が販売することができないとする事情」に当たるとまではいえない。 (イ) また,被告らは,本件における推定覆滅事情を考慮すれば,その95%が「販売することができないとする事情」に該当する旨主張するが,前記のとおり,本件不正競争行為開始後に原告が新たな販売先を開拓できなか また,被告らは,本件における推定覆滅事情を考慮すれば,その95%が「販売することができないとする事情」に該当する旨主張するが,前記のとおり,本件不正競争行為開始後に原告が新たな販売先を開拓できなかったこと自体は,直ちに減額要素となるものではなく,被告会社の販売した数量と同量を原告も販売することができたという推定を覆すような事情の有無の判断において,考慮すべき一要素となるにすぎないものである。そして,主要な取引先であるドン・キホーテとの関係についても,ドン・キホーテが特定少数の納入業者のみを取引先とする企業ではなく,原告自身,以前にドン・キホーテと継続取引契約を締結して商品を提供した事実が認められることからすれば,ドン・キホーテに対して被告会社が販売ルートを確立していたことをことさら重視することはできず,それらを含め - 27 -た推定覆滅事情の評価としては,30%の減額を認めるのが相当であって,これ以上の減額を求める被告らの主張を採用することはできない。 (4) 不正競争防止法5条2項に基づく損害額についてア前記(1)エのとおり,被告商品の1個当たりの売上額は,ドン・キホーテ販売分につき482円,ティーアイエス販売分につき336円であることが認められる。 また,証拠(乙16の1ないし4)によれば,被告会社は,有限会社オークションテレビから被告商品を13万4455個仕入れ,その総額は2726万7300円(1円未満切捨て)であること(乙16の4において前金として30%支払のものは,100%支払われたものとして計算する。)が認められるから,その仕入単価は1個当たり202.79円となる(上記仕入数量は被告商品の譲渡数量と合致しないが,仕入単価の算出であることを考慮して,上記仕入数量に基づいて仕入単価を計算する。)。 認められるから,その仕入単価は1個当たり202.79円となる(上記仕入数量は被告商品の譲渡数量と合致しないが,仕入単価の算出であることを考慮して,上記仕入数量に基づいて仕入単価を計算する。)。 被告らは,被告商品の仕入額以外の費目を主張立証しないから,変動経費としては,上記仕入単価に近似する原告主張額である202.98円と認めるのが相当である。 イそうすると,被告商品1個当たりの利益の額は,ドン・キホーテ販売分につき279.02円(=482円-202.98円),ティーアイエス販売分につき133.02円(=336円-202.98円)である。 そして,①ドン・キホーテ販売分の1個当たりの利益の額279.02円に,その譲渡数量8万9370個を乗じると,2493万6017円(1円未満切捨て)となり,②ティーアイエス販売分の1個当たりの利益の額133.02円に,その譲渡数量5万1254個を乗じると,681万7807円(1円未満切捨て)となるから,上記①と②を合計すると,被告会社の利益の額は3175万3824円となる。 ウもっとも,推定覆滅事情として,上記(3)と同様に,30%の減額を認め - 28 -るのが相当であるから,不正競争防止法5条2項に基づく損害額は2222万7676円(=3175万3824円×0.7。1円未満切捨て)と認められる。 (5) 損害額まとめ以上のとおり,不正競争防止法5条1項に基づく損害額は2044万4338円と算出され,同条2項に基づく損害額は2222万7676円と算出されるが,原告は,これらの損害額が選択的であるとするから,弁護士費用相当額を除く損害額としては2222万7676円と認められる。 そして,本件事案の内容,経過,認容金額等に鑑みると,相当な弁護士費用額は ,これらの損害額が選択的であるとするから,弁護士費用相当額を除く損害額としては2222万7676円と認められる。 そして,本件事案の内容,経過,認容金額等に鑑みると,相当な弁護士費用額は220万円と認められる。 以上を合計すると,原告の損害額は2442万7676円である(被告Yと被告会社の損害賠償債務は不真正連帯の関係と解される。)。 第4 結論以上によれば,原告の本訴請求は,被告らに対し,連帯して金2442万7676円及びこれに対する平成24年3月1日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるが,その余は理由がない。よって,これと一部異なる原判決を上記のとおり変更することとし,被告らの附帯控訴には理由がないから,これらをいずれも棄却することして,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部 裁判長裁判官清水 節 - 29 - 裁判官中村 恭 裁判官中武由紀
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