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昭和42(行コ)20 物品税賦課処分取消請求控訴事件

裁判所

昭和44年7月8日 大阪高等裁判所 租税

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9,921 文字

主文 本件控訴を棄却する。控訴費用は、控訴人の負担とする。事実 第一当事者の申立一、控訴代理人は「原判決を取消す。被控訴人が、昭和四〇年七月一二日付で、控訴人の昭和三六年五月から昭和三七年一〇月まで、昭和三七年一二月から昭和三九年五月まで、昭和三九年八月から昭和四〇年一月までの各月分の物品税につき、原判決添附の別表一の原処分、同裁決欄記載の如くなした各決定(但し、昭和三六年五月から昭和三七年三月までの各月分の物品税については賦課決定、以下同じ。)及び無申告加算税賦課決定並びに昭和四〇年一一月二二日付で控訴人の昭和三七年一一月分、昭和三九年六月分、同年七月分の物品税につき、右表の更正決定欄記載の如くなした各更正決定及び無申告加算税賦課決定は、いずれも取消す。訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、二、被控訴代理人は、主文第一項同旨並びに「訴訟費用は、第一、二審とも控訴人の負担とする。」との判決を求めた。第二当事者の主張当事者双方の主張は、左記に附加するほかは、いずれも原判決事実摘示のとおりである(但し、原判決一四枚目表九行目の「同年」を「昭和四〇年」と訂正し、同一六枚目裏一二行目の「間接消費」の次に「税」を加入する。)からこれを引用する。一、控訴人の主張(一) 実体法上物品税の本質は、製造行為によつて新しく作り出された価値―商品が流通過程におかれる一時点をとらえ、これを課税原因としては握するところにあり、したがつて、一度課税され、消費者によつて消費された物品については、それが「使用による価値減少の小さいもの」であれ、「価値減少の大きいもの」であれ、再び製造行為が加わり、新しい価値―商品とならない限り、何回移出、小売等が繰り返されたとしても、右行為自体は何ら課税原因となる 使用による価値減少の小さいもの」であれ、「価値減少の大きいもの」であれ、再び製造行為が加わり、新しい価値―商品とならない限り、何回移出、小売等が繰り返されたとしても、右行為自体は何ら課税原因となるものではない。 る価値減少の小さいもの」であれ、「価値減少の大きいもの」であれ、再び製造行為が加わり、新しい価値―商品とならない限り、何回移出、小売等が繰り返されたとしても、右行為自体は何ら課税原因となる 使用による価値減少の小さいもの」であれ、「価値減少の大きいもの」であれ、再び製造行為が加わり、新しい価値―商品とならない限り、何回移出、小売等が繰り返されたとしても、右行為自体は何ら課税原因となるものではない。(二) 物品税は、昭和二一年の改正によつて書画、骨董を除く第一種の物品について製造課税方式をとり、その後昭和二八年の改正によつて再び右第一種物品について小売課税方式をとるようになつたが、その際「貴金属ノ時計及ビ同部品並ニ金又ハ白金ヲ用ヒタル時計及同部分品」については、従前同様の製造課税方式を踏襲し、この取扱いはその後も拡張され、昭和三七年の改正では、貴金属製品のみならず「貴石若しくは半貴石又は金若しくは白金を用いた時計並びに時計部分品」についても製造課税方式をとることになり、この立場は昭和四一年三月三一日改正の現行物品税法においても依然として踏襲されている。以上の如き改正の変遷、経過をみれば、ひとしく古物の売買でありながら、製造課税方式をとる貴金属、貴石等を用いた時計製品(以下単に貴金属製時計という。)については、課税原因たる移出行為がないから課税対象とならず、小売課税方式をとるその余の貴金属、貴石等の製品(以下単に貴金属製品という。)については、課税原因たる小売行為があるから課税対象となる、というが如き物品税法上両者の間にその本質を異にするような法解釈は到底許されない。(三) 物品税法第一六条第一項、第二一条第一項、第二四条等は、原判決のいうように、課税物品から特に古物を除外する場合を規定したものではなく、むしろ、その反対に、右各法条に該当する場合は、古物といえども、それが課税物品となることを明示しているものというべきである。すなわち、1、第一六条第一項に古物を除外しているのは、第二種物品の第二次製造業者が、その原、材 条に該当する場合は、古物といえども、それが課税物品となることを明示しているものというべきである。すなわち、1、第一六条第一項に古物を除外しているのは、第二種物品の第二次製造業者が、その原、材料として、既に課税済の第二種物品の第一次製品を使用または消費している場合であつても、右原、材料が古物である場合には、右法条の税額算定の特例を認めない旨、換言すれば、第二次製品中に含まれた古物については、物品税が課税されることを明らかにしたものであり、2、第二一条第一項の場合は、同法条所定の課税済物品を輸出した場合の物品税還付の特例から古物を除外する旨、換言すれば、右輸出物品が古物である場合には、これを非課税物品として取扱わないことを明確にし、3、第二四条は、課税済物品を同法条所定の特殊用途に供した場合の物品税還付の特例から古物を除外する旨、換言すれば、この場合も第二一条第一項と同様、右特殊用途に供した物品が古物である場合には、これを非課税物品として取扱わない趣旨を明示したものである。 税済物品を輸出した場合の物品税還付の特例から古物を除外する旨、換言すれば、右輸出物品が古物である場合には、これを非課税物品として取扱わないことを明確にし、3、第二四条は、課税済物品を同法条所定の特殊用途に供した場合の物品税還付の特例から古物を除外する旨、換言すれば、この場合も第二一条第一項と同様、右特殊用途に供した物品が古物である場合には、これを非課税物品として取扱わない趣旨を明示したものである。(四) 昭和二八年五月三〇日法律第四一号(物品税法の一部を改正する法律)施行規則(昭和二八年五月三〇日政令第一〇一号物品税法施行規則の一部を改正する政令)附則第七項(以下単に附則第七項という。)は、同附則第四項以下との関連において理解されるべきものであるところ、右一連の規定は、製造課税済物品が小売される場合はもとより業者間売買で転々される場合をも含めてその手続が規定されているもので、第七項は、そのような場合において、最初に小売された場合にのみ免税措置がとられることを注意的に規定したものというべきで、同項の規定から原判決のいうような、「旧物品税法も課税原因である小売が一物品について数回ありうべきことを予定して、その都度課税すべきことを要求していた」との解釈を引出す に規定したものというべきで、同項の規定から原判決のいうような、「旧物品税法も課税原因である小売が一物品について数回ありうべきことを予定して、その都度課税すべきことを要求していた」との解釈を引出すことは到底許されない。(五) 小売課税方式の場合、なるほど形式的には、二重課税による負担は、新たな消費者が被つているが如くみえるが、実質的には同一消費者自体が、不法な二重課税を受ける結果になる。すなわち、消費者は貴石を購入する場合、貴石そのものの価値に物品税を加えた金額を出捐しなければならないが、さらにこれを業者に売る場合は、業者は、当然これを転売する際の物品税を考慮して、適正な買受価格から右物品税相当額を控除した価格で買取ることになるから、結局右消費者は、二重課税の被害をもろに受ける結果となるわけである。(六) 物品税法施行令第五二条第四項において、古物についても、その小売についてまで詳細な記帳義務を要求しているのは、それによつて、新しい課税物品を古物と称して販売することによつて課税を免れようとする者に対し、その販売先を確認することによつて、これを防止しようとするものであつて、原判決のいうような古物営業法第一七条の記帳義務を右施行令によつて排除することのないようにするためのものではない。 けである。(六) 物品税法施行令第五二条第四項において、古物についても、その小売についてまで詳細な記帳義務を要求しているのは、それによつて、新しい課税物品を古物と称して販売することによつて課税を免れようとする者に対し、その販売先を確認することによつて、これを防止しようとするものであつて、原判決のいうような古物営業法第一七条の記帳義務を右施行令によつて排除することのないようにするためのものではない。二、被控訴人の主張(一) 物品税の原則は、消費課税であり、消費者の担税力が表現される小売行為自体に課税することにある。ただ課税対象として選定された多種多様な物品の生産取引の実態を考慮した場合、一律に小売行為の時点をとらえることは、課税技術上多くの困難を伴うことから、徴税の合理化と課税の適正を期するため、個々の物品の性状、市場流通形態等に基づいて、移出課税方式をとる物品と小売課税方式をとる物品とに分類し、それぞれの方式によつて課税しているにすぎない。とから、徴税の合理化と課税の適正を期するため、個々の物品の性状、市場流通形態等に基づいて、移出課税方式をとる物品と小売課税方式をとる物品とに分類し、それぞれの方式によつて課税しているにすぎない。したがつて、物品税法第三条第一項の解釈に当つて、それがすでに課税済である場合には、第一種物品についても、第二、第三種物品と同様、製造加工による新価値の創造がない限り、何回移出、小売等が繰り返されても、課税対象にならない旨の控訴人の主張は理由がない。(二) 控訴人主張の貴金属製時計といえども、効用上は時計であり、しかも課税物品の所属決定を定める物品税法の別表「課税物品表」に第二種物品として法定されており、これに対して解釈を容れる余地はないから、控訴人の、同じく古物でありながら、貴金属製時計は課税対象とならず、貴金属製品には課税されるというような、物品税法上右両者の間にその本質を異にするような法解釈は許されない旨の主張もまた失当である。(三) 附則第七項は「申告物品」を最初に小売した場合で同第六項の申告をした場合に限つて物品税を免除する旨を明言したものであり、控訴人主張のような単なる注意規定でないことは明らかであり、「申告物品」以外の物品については、新、旧をとわず第一種物品に該当する場合には、特に免除する旨の規定がない限り、物品税は免除されないという解釈が成立するのである。 にするような法解釈は許されない旨の主張もまた失当である。(三) 附則第七項は「申告物品」を最初に小売した場合で同第六項の申告をした場合に限つて物品税を免除する旨を明言したものであり、控訴人主張のような単なる注意規定でないことは明らかであり、「申告物品」以外の物品については、新、旧をとわず第一種物品に該当する場合には、特に免除する旨の規定がない限り、物品税は免除されないという解釈が成立するのである。(四) 控訴人は、その主張の如き事由で、古物の消費者は、二重課税の被害をもろに受けることになる旨主張するが、所謂「古物」と称するものの取引価格は全く買手の意思によつて一方的に決められ、譲渡人の希望価格は無視されがちで、「古物」としての市場価格の限度内で、小売業者の小売マージンを控除した残余価格で取引されるのが業界取引の常識である。したがつて、消費者の小売業者に対する第一種 れ、譲渡人の希望価格は無視されがちで、「古物」としての市場価格の限度内で、小売業者の小売マージンを控除した残余価格で取引されるのが業界取引の常識である。したがつて、消費者の小売業者に対する第一種物品の売却価格は、多くの場合、新品の市価よりかなり低額になるのが通常で、その差額の大部分は買受業者の転売マージンによつて占められるのである。故に控訴人が主張するような所要物品税の額は、その全体からみて微微たるものであり、まして小売課税方式のもとにおいては、再販売過程の中に多かれ少かれ物品税がその一部分を占めることはやむを得ない。しかし、右の事象は、事実上の問題であつて、法律上は、第一種物品の物品税を負担する者は、それを業者から新たに買受ける消費者であるから、物品税法上二重課税を生ずることはない。第三証拠関係(省略) 理由 一、当裁判所も、控訴人主張の貴石及び貴金属製品等の古物も旧物品税法ないし物品税法所定の課税物品に該当し、したがつて、右古物が右課税物品に該当しないことを理由とする控訴人の本訴請求は、これを認容し得ないものと判断するものであり、その理由は、左記のとおり附加し、一部削除するほかは、原判決の説示理由と同一である(但し、原判決三〇枚目表二行目の「二四号証」の次に「当審証人Aの証言」を加筆する。)から、ここにこれを引用する。(一) 控訴人は、物品税の本質は、創造された価値―商名が流通過程におかれる一時点をとらえ、これを課税原因としては握するところにあり、したがつて一度課税された物品については、再び価値の創造が添加されない限り、何回移出、小売が繰り返されても、物品税の課税対象にはならない旨主張するが、物品税の本質は、創造された価値―商品それ自体を課税原因としては握するものではなく、それは、原判決もいう如く、消費 する。(一) 控訴人は、物品税の本質は、創造された価値―商名が流通過程におかれる一時点をとらえ、これを課税原因としては握するところにあり、したがつて一度課税された物品については、再び価値の創造が添加されない限り、何回移出、小売が繰り返されても、物品税の課税対象にはならない旨主張するが、物品税の本質は、創造された価値―商品それ自体を課税原因としては握するものではなく、それは、原判決もいう如く、消費 い限り、何回移出、小売が繰り返されても、物品税の課税対象にはならない旨主張するが、物品税の本質は、創造された価値―商品それ自体を課税原因としては握するものではなく、それは、原判決もいう如く、消費税の本質に基づき個々の物品の使用、消費という事実から、そこに示される消費者の所得の存在を推認し、これを担税力とみて課税するところにその本質があるものというべきであり、したがつて、控訴人のいうように、新たな価値の創造添加の事実がなくても、いやしくも右の如き所得の存在、担税力を顕示する使用、消費、これにつながる小売、移出または取引行為が存在する以上、それが何回繰り返されようとも、その都度課税されるのは当然というべきであつて、控訴人の右主張は、上記の如き物品税の本質を誤り解した結果によるものというほかはなく、失当たるを免れない。(二) 次に、控訴人は、控訴人主張の如き旧物品税法ないし物品税法改正の変遷、経過をみれば、ひとしく古物の売買でありながら、移出課税方式をとる貴金属製時計については移出行為がないから課税対象とならず、小売課税方式をとるその余の貴金属製品については小売行為があるから課税対象となるというが如き、右両者の間にその本質を異にするような法解釈は許されない旨主張する。しかしながら、本来叙上の如き物品税の本質からすれば、消費者の消費行為に直近した段階で課税する小売課税方式をもつて最も理想的な課税方式とするものではあるが、多種多様な課税物品のすべてについて一律に小売行為の時点をとらえることは、課税技術上多くの困難を件うので、徴税の合理化と課税の適正を期するため、個々の物品の種類、性状、市場流通形態等を考慮し、本件の各販売日当時の旧物品税法及び物品税法では、本件の貴石及び貴金属製品等を含む第一種の物品については小売課税方式を採用し、第二、第 を期するため、個々の物品の種類、性状、市場流通形態等を考慮し、本件の各販売日当時の旧物品税法及び物品税法では、本件の貴石及び貴金属製品等を含む第一種の物品については小売課税方式を採用し、第二、第三種の物品については移出課税方式をとり、保税地域からの引取の場合は、右全種の物品について引取課税方式によることにしたものであり、また控訴人主張の法改正の変遷、経過も、原判決説示の如き我国戦後の経済状況の変化、市場流通形態の変転に応じて、その課税方式等を、当時の実状に則するように改めただけのものであつて、何ら如上説示の物品税の本質に変更を生ぜしめたものではなく、前記の各課税方式の差異は、上記のように、あくまでも課税技術上の手段方式の相違にすぎないものというべきであるから、ひとしく古物でありながら、控訴人主張の如く、一は課税対象とならず、他は課税対象となる場合があつても、これをもつて、控訴人のいうように、物品税法上その本質を異にするような法解釈というには当らず、控訴人の右主張もまた理由がない。 つて、何ら如上説示の物品税の本質に変更を生ぜしめたものではなく、前記の各課税方式の差異は、上記のように、あくまでも課税技術上の手段方式の相違にすぎないものというべきであるから、ひとしく古物でありながら、控訴人主張の如く、一は課税対象とならず、他は課税対象となる場合があつても、これをもつて、控訴人のいうように、物品税法上その本質を異にするような法解釈というには当らず、控訴人の右主張もまた理由がない。(三) そこで次に、控訴人の(三)の主張について考えてみるに、物品税法第一六条第一項、第二一条第一項、第二四条等の規定は、控訴人のいうとおり、課税物品から特に古物を除外する場合を明示したものではなく、むしろその反対に、右各法条に該当する場合であつても、古物については同各法条所定の特例を認めない旨、すなわち、第一六条第一項の場合は、同法条所定の税額算定の特例を認めず、第二一条第一項、第二四条等の場合は、同各法条所定の物品税の還付をしない旨を規定したもの、換言すれば、古物については、右各法条所定の非課税物品扱いをしない趣旨を括弧書で明らかにしたものというべく、この限りにおいて、右各法条を課税物品から特に古物を除外する場合を規定したものとする原判決は、その説示の 物については、右各法条所定の非課税物品扱いをしない趣旨を括弧書で明らかにしたものというべく、この限りにおいて、右各法条を課税物品から特に古物を除外する場合を規定したものとする原判決は、その説示の表現を誤つたものというべきである。しかしながら、いずれにしても、右各法条が「課税物品」なる用語を用いるに当り、特に古物を除外する旨を断つていることは、その文言、規定の方式自体から明らかであるから、右各法条は、古物が物品税法上課税物品として取り扱われていることの根拠にはなつても、右各規定から古物は物品税法にいう課税物品ではないとの結論を引き出すことは困難といわなければならない。けだし、もし古物が、控訴人主張の如く、もともと物品税法上の課税物品に該当しないものとすれば、前記各法条の括弧書の如き規定は、そもそもその必要がないものというべきだからである。(四) 控訴人は、昭和二八年五月三〇日法律第四一号(物品税法の一部を改正する法律)施行規則(昭和二八年五月三〇日政令第一〇一号物品税法施行規則の一部を改正する政令)附則第七項の規定からは、控訴人主張の如き理由で、旧物品税法も課税原因である小売が一物品について数回ありうべきことを予定して、その都度課税すべきことを要求していたとの解釈を引出すことは許されない旨主張するが、右附則第七項は、同第四項の申告物品を右政令施行後最初に小売した場合に限つて、第六項の申告をしたときは、特に物品税が免除されることを明示したもので、控訴人のいうような単なる注意的規定ではないのみならず、附則第七項にいう「最初に小売した場合において……物品税を免除する。 る小売が一物品について数回ありうべきことを予定して、その都度課税すべきことを要求していたとの解釈を引出すことは許されない旨主張するが、右附則第七項は、同第四項の申告物品を右政令施行後最初に小売した場合に限つて、第六項の申告をしたときは、特に物品税が免除されることを明示したもので、控訴人のいうような単なる注意的規定ではないのみならず、附則第七項にいう「最初に小売した場合において……物品税を免除する。」との規定からは、当然その反対解釈として、その次の小売からは物品税を免除しない旨の解釈が成り立ち、このようにみてくれば、旧物品税法も、原判決のいうように、課税原因である小売 て……物品税を免除する。」との規定からは、当然その反対解釈として、その次の小売からは物品税を免除しない旨の解釈が成り立ち、このようにみてくれば、旧物品税法も、原判決のいうように、課税原因である小売が一物品について二回以上ありうべきことを当然予定していたものと解せざるを得ず、控訴人の右主張もまた採用の限りではない。(五) また控訴人は、もし古物に対してもその小売毎に課税されるとすると、古物の消費者は、控訴人主張の如き事由で二重課税の被害をもろに受けることになる旨主張し、なるほど取引の実態においては、控訴人のいうように、業者は当該物品を転売する際の物品税のことを考えて、その適正な買受価格から右物品税相当額を控除した価格で買受けるようなこともあり得ないことではないかも知れないが、仮に、そのようなことがあつたとしても、それは、あくまでも物品の売渡人が、業者によつて、適正な買受価格より安価に買取られたという一取引事象にすぎず、法律上の物品税の負担者は、あくまでも当該物品を業者から新たに買受ける第二次の消費者であつて、右物品を業者に安価に売つた第一次の消費者ではないから、右取引事象を目して二重課税というには当らない。(六) さらに控訴人は、物品税法施行令第五二条第四項が、古物の小売についても詳細な記帳業務を要求しているのは、新しい課税物品を古物と称して販売することによつて、課税を免れようとする業者に対して、その販売先を確認することによつてこれを防止しようとするものであつて、右規定は、単に右施行令によつて、古物営業法第一七条の記帳義務を排除することのないようにするためのものではないと主張するが、控訴人の右主張は、もし古物が物品税法上の課税物品であれば成り立ち得ない性質のものである(なんとなれば、古物が物品税法上の課税物品であれば、控訴人主張の如 販売することによつて、課税を免れようとする業者に対して、その販売先を確認することによつてこれを防止しようとするものであつて、右規定は、単に右施行令によつて、古物営業法第一七条の記帳義務を排除することのないようにするためのものではないと主張するが、控訴人の右主張は、もし古物が物品税法上の課税物品であれば成り立ち得ない性質のものである(なんとなれば、古物が物品税法上の課税物品であれば、控訴人主張の如 ようにするためのものではないと主張するが、控訴人の右主張は、もし古物が物品税法上の課税物品であれば成り立ち得ない性質のものである(なんとなれば、古物が物品税法上の課税物品であれば、控訴人主張の如き意味においての脱税防止の必要は存在しない。)から、控訴人の右推論は、控訴人が求めようとする、古物は物品税法上の課税物品ではないとの結論を、同結論を引き出すための根拠とするものであつて、論理上たやすくこれを首肯し難いばかりでなく、右施行令第五二条第四項の古物に関する規定は、これを、同条第一、第二、第五項の各規定の方式との関連並びにその規定の文言及び方式自体からみても、やはり、原判決もいうように、古物営業法第一七条の記帳義務に関する規定を考慮しての定めと解するのを相当とするから、右規定の存在から、控訴人主張の、古物は物品税法上の課税物品ではないとの結論を引き出すことは困難といわなければならない。(七) 原判決三五枚目表九行目の「却つて」以下裏五行目の終りまでを削除する。二、よつて、控訴人の本訴請求を棄却した原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないから、民事訴訟法第三八四条によつてこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき同法第九五条、第八九条を適用して、主文のとおり判決する。(裁判官岡垣久晃島崎三郎新居康志)

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