平成25(行ケ)10341 商標登録取消決定取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成26年5月14日 知的財産高等裁判所 4部 判決 請求棄却
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平成26年5月14日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成25年(行ケ)第10341号商標登録取消決定取消請求事件口頭弁論終結日平成26年4月16日判決原告ナゲット株式会社 訴訟代理人弁護士岡林俊夫 同田村裕樹 訴訟代理人弁理士堤裕一朗 被告特許庁長官指定代理人林栄二 同田中敬規 同山田和彦 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求特許庁が異議2013-900069号事件について平成25年11月22日にした決定を取り消す。 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 原告は,「オタク婚活」の文字を標準文字により書してなり,指定役務を下記のとおりとする商標登録第5544516号商標(平成24年1月24日出願,同年12月6日登録査定,同月21日設定登録。以下「本件商標」という。)の商標権者である。 (指定役務)第45類「結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,インターネット上でのウェブサイトを利用した異性の紹介及びこれに関する情報の提供,インターネットを利用した結婚に必要な情報の提供」 類「結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,インターネット上でのウェブサイトを利用した異性の紹介及びこれに関する情報の提供,インターネットを利用した結婚に必要な情報の提供」 Aは,平成25年3月14日,本件商標の商標登録が商標法3条1項3号及び4条1項7号に違反してされたことを理由に,本件商標の商標登録に対して登録異議の申立てをした。 特許庁は,上記申立てについて,異議2013-900069号事件として審理を行い,平成25年11月22日,「登録第5544516号商標の商標登録を取り消す。」との決定(以下「本件決定」という。)をし,同月30日,その謄本が原告に送達された。  原告は,平成25年12月24日,本件決定の取消しを求める本件訴訟を提起した。 2 本件決定の理由の要旨本件決定の理由は,別紙決定書(写し)記載のとおりである。要するに,本件商標は,「オタクの婚活(オタクの結婚するための活動)」の意味合いをもって取引者,需要者に認識されるものであって,その指定役務について役務の質(内容)・用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから,商標法3条1項3号に該当し,また,本件商標が使用をされた結果,その登録査定時において,需要者が本件商標を原告の業務に係る役務を表示するものとして認識するに至っていたものとは認められず,本件商標が同条2項に該当するものと認めることができないから,本件商標の商標登録は同条1項3号に違反してされたものであるというものである。 第3 当事者の主張 1 原告の主張 取消事由1(本件商標の商標法3条1項3号該当性の判断の誤り)- 3 -ア本件商標の登録査定時において,実際に「オタク」と称される人たち向けの「結婚するための活動(婚活)」の機会や場を提供す 取消事由1(本件商標の商標法3条1項3号該当性の判断の誤り)- 3 -ア本件商標の登録査定時において,実際に「オタク」と称される人たち向けの「結婚するための活動(婚活)」の機会や場を提供する事業等が一般に行われていたことは認められるものの,「オタク婚活」の語が「オタク向けの結婚活動」を示す語として一般的に用いられていた実情があったものとはいえない。 本件決定が示すようにインターネット上で「オタク婚活」の語が掲載されている情報はいくつか存在するものの,これらの情報は,原告が事業に使用していた本件商標を示したものと推測されるものや,本件商標を使用した原告の事業が大盛況であることにただ乗りすることを目的に他社が使用したものと推測されるものであり,「オタク婚活」の語が「オタク向けの結婚活動」を示す語として一般的に用いられていた実情があったことの根拠となるものではない。 イ 「オタク婚活」の語は,新聞記事情報,広辞苑,大辞林及び現代用語の基礎知識等に掲載されておらず,また,「婚活」の語の前にその対象者を表す語を結合すると「~向けの結婚活動」を意味する語となるという慣行があるとはいえないから,たとえ本件商標が「オタク」と「婚活」の各文字を一連に表したものであるとしても,一般需要者は,本件商標を「オタク向けの結婚活動」を示す語として認識するのではなく,造語として認識し,本件商標から原告の事業を想起するものとみるのが相当である。 ウしたがって,本件商標が商標法3条1項3号に該当するとした本件決定の判断は誤りであるから,本件決定は,取り消されるべきである。  取消事由2(本件商標の商標法3条2項該当性の判断の誤り)ア本件決定が商標法3条2項該当性の判断の基準時を本件商標の登録査定時としたのは誤りである。 すなわち,商標法は るべきである。  取消事由2(本件商標の商標法3条2項該当性の判断の誤り)ア本件決定が商標法3条2項該当性の判断の基準時を本件商標の登録査定時としたのは誤りである。 すなわち,商標法は,商標を保護することにより,商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り,もって産業の発達に寄与し,あわせて需要- 4 -者の利益を保護することを目的とする法律である(同法1条)。また,全国的に著名となった商標は,競業他社に模倣されたり,ただ乗りされたりすることが多いため,商標法による保護が必要不可欠であることから,商標法3条2項は,使用により著名となった商標を保護している。 ところで,商標の登録査定後,登録異議の申立てについての決定前に当該商標を使用した結果,当該商標が全国的に著名となったにもかかわらず,その後,登録査定時には著名でなかったことを理由に決定で登録が取り消されることになると,再度商標登録出願をして審査及び登録を受けなければならないが,そのための費用が余計にかかるだけでなく,再度審査するための審査官の時間も余計にかかり,審査官の時間を無駄に浪費することにもなって,妥当でない。 したがって,本件商標の商標法3条2項該当性の判断の基準時は,登録異議の申立てについての決定時と解するのが,商標法の目的及び同法3条2項の趣旨に適い,妥当であるから,これを登録査定時とした本件決定の判断は誤りである。 イ 原告の事業内容は,以下のとおり,多数のメディアで取り上げられ,紹介されており(甲1ないし11),これらには,原告が「オタクの婚活(オタクのための結婚するための活動)」のためのパーティーを開催していること及びその開催に係る「アエルラ」と称するウェブサイトを運営していることの紹介にとどまらず,本件商標を使用した原告の事業が大成功 タクのための結婚するための活動)」のためのパーティーを開催していること及びその開催に係る「アエルラ」と称するウェブサイトを運営していることの紹介にとどまらず,本件商標を使用した原告の事業が大成功を収めていることを示すものもある。 具体的には,平成24年5月31日に放送されたフジテレビの番組「とくダネ!」(甲1)では,「オタク婚活」の文字がはっきりと提示され,その番組内では原告の「アエルラ」に係る事業のみが取り上げられている。 「日経消費ウオッチャー2012年5月号」(甲4)では,「オタク- 5 -婚活」の文字の前後に“ ”をつけ,本件商標を強調表示して原告の事業を紹介している。 「TVBros.2012年5月26日号」(甲6)では,「オタク婚活のアエルラ」と紹介され,「奇刊クリルタイ7.0」(甲7)では,「オタク婚活サービス」として「アエルラ」が紹介されている。「『ゆるオタ君』と結婚しよう!」(甲8)では,「オタク婚活&恋活パーティー」として原告の事業が紹介されている。 また,インターネット上でも原告が本件商標を使用していることを示す記事が多数掲載されている。 これらの紹介記事の大多数(甲1ないし8,11)は,本件商標に係る原告の事業が人気があり,大盛況であることを示すものである。  原告の事業である「オタク婚活パーティー」の開催実績一覧(甲13)によれば,原告は,平成23年6月から平成26年1月までの間,日本橋,新宿,池袋及び秋葉原という東京の主要都市だけでなく,京都や大阪でも「オタク婚活パーティー」を開催しており,開催数は722回を数え,参加者は延べ2万人以上である。「オタク婚活パーティー」は大変人気があり,申込みが殺到し,毎回のように定員を上回る申込みがある。また,全国的に開催して欲しいとの需要者の強い 開催数は722回を数え,参加者は延べ2万人以上である。「オタク婚活パーティー」は大変人気があり,申込みが殺到し,毎回のように定員を上回る申込みがある。また,全国的に開催して欲しいとの需要者の強い要望から,仙台,新潟,名古屋,福岡でも開催が予定されている。 さらに,原告は,本件商標を用いてインターネットを利用したサービス(http://aellura.com参照)も展開している。このサービスは,インターネット環境があれば日本全国どこでも利用することができ,登録者数は,平成25年9月現在で1500人を超え,さらに平成26年3月現在で約4000人となり,増加傾向にある。  原告は,平成23年12月5日及び同月9日に印刷業者に広告チラシ(甲14,15)を発注し,これを本件商標の登録査定時前から配布し- 6 -ていた。これらの広告チラシには,本件商標が使用され,使用されている「オタク婚活」の文字は看者の注意を十分に惹くものである。 また,原告の事業に関するホームページ(甲17)には,左上部分に本件商標が使用されており,使用されている「オタク婚活」の文字は看者の注意を十分に惹くものである。このホームページには,平成23年6月から平成26年3月までに延べ150万人以上が訪問しており(甲18),訪問数は増加する傾向にある。「オタク婚活」の検索キーワードでグーグルなどの検索エンジンで検索すると,このホームページにたどり着くように,ホームページ開設当初からSEO対策がとられており,「オタク婚活」という文字が原告の商標であることを需要者は強く認識するものといえる。  以上によれば,本件商標を使用している原告の事業は全国的に知られており,本件商標は,全国的に著名であるといえるから,商標法3条2項に該当する。 ウしたがって,本件商標が商 るものといえる。  以上によれば,本件商標を使用している原告の事業は全国的に知られており,本件商標は,全国的に著名であるといえるから,商標法3条2項に該当する。 ウしたがって,本件商標が商標法3条2項に該当することを否定した本件決定の判断は誤りであるから,本件決定は,取り消されるべきである。 2 被告の主張 取消事由1に対しア 「オタク」とは,「俗に,特定の分野・物事を好み,関連品または関連情報の収集を積極的に行う人。狭義には,アニメーション・テレビ-ゲーム・アイドルなどのような,やや虚構性の高い世界観を好む人をさす。…一九八〇年代中ごろから使われる語」(乙1)や,「個人の趣味に没頭し,異常な執着を見せる人物やふるまいを指す。1980年代前半に生まれた言葉で,元はマンガやアニメなど特定の趣味について使われたが,普及の過程で意味が拡大・変容し,現在では『マニア』とほぼ同じ…」(乙2)の意味を有する語として,また,「婚活」とは,「結婚するための活動」の- 7 -意味を有する語(乙3)として,いずれも,一般に知られ,用いられている。 そして,本件商標は,「オタク」及び「婚活」の両語を結合して一連に表したとみるのが自然であるところ,インターネット情報(乙4ないし13,23)及び新聞記事情報(乙14,15)によれば,本件商標の登録査定日(平成24年12月6日)当時,既に,いわゆるオタクと称される人たち向けの「結婚するための活動(婚活)」の機会や場を提供する事業等が一般に行われていたことがうかがわれ,そのオタク向けの結婚するための活動(オタクの婚活)を示す語として,「オタク婚活」の語が用いられていた実情がある。 これらの実情に鑑みれば,本件商標を構成する「オタク婚活」の文字は,「オタクの婚活(オタクの結婚するための活 の活動(オタクの婚活)を示す語として,「オタク婚活」の語が用いられていた実情がある。 これらの実情に鑑みれば,本件商標を構成する「オタク婚活」の文字は,「オタクの婚活(オタクの結婚するための活動)」の意味合いをもって取引者,需要者に認識されるにとどまるものといえるから,結婚するための活動(婚活)を支援するために提供されるものといえる本件商標の指定役務との関係においてみれば,本件商標は,いわゆるオタクと称される人たち向けの婚活の支援(情報の提供等)の意味合いをもって,当該役務の質,用途を表したものと認識されるにすぎないというべきである。 したがって,本件商標は,商標法3条1項3号に該当するものである。 イ原告は,これに対し,「オタク婚活」の語が「オタク向けの結婚活動」を示す語として一般的に用いられていた実情があったものとはいえない,「婚活」の語の前にその対象者を表す語を結合すると「~向けの結婚活動」を意味する語となるという慣行があるとはいえないなどとして,本件商標は,商標法3条1項3号に該当しない旨主張する。 しかしながら,商標法3条1項3号により商標登録できないとされる商品の品質等を表示する標章とは,我が国で品質等を表示する標章として認識されたものであれば足り,その標章が我が国において現に使用されてい- 8 -ることを必要としないというべきである。 また,例えば,主に30歳前後の人たちのための結婚活動を「アラサー婚活」と,主に中高年層の人たちのための結婚活動を「シニア婚活」と,主に熟年と呼ばれる中高年層の人たちのための結婚活動を「熟年婚活」,主に離婚経験のある人たちのための結婚活動を「バツイチ婚活」などと称している実情があり(乙16ないし22(枝番を含む。)),これらの例から,「○○婚活」が「○○向けの結婚活動」と 動を「熟年婚活」,主に離婚経験のある人たちのための結婚活動を「バツイチ婚活」などと称している実情があり(乙16ないし22(枝番を含む。)),これらの例から,「○○婚活」が「○○向けの結婚活動」と理解される実情がうかがえる。 したがって,原告の主張は,理由がない。 ウ以上によれば,本件商標が商標法3条1項3号に該当するとした本件決定の判断に誤りはないから,原告主張の取消事由1は理由がない。  取消事由2に対しア商標法3条1項3号及び同条2項のような商標の登録要件の存否の判断は,行政処分の本来的性格に鑑み,一般の行政処分の場合と同じく,特別の規定が存しない限り,行政処分時,すなわち,査定時又は拒絶査定に対する審判の請求があった場合は審決時を基準とすべきものであり,このことは,登録異議の申立ての事案においても同様である(東京高裁平成14年1月31日判決(平成13年(行ケ)第181号)参照)。 したがって,本件商標の登録査定時を基準時として商標法3条2項の要件を判断した本件決定に誤りはない。 イ原告が本件商標が商標法3条2項に該当することの根拠として挙げる甲1ないし11,13は,同法2条3項に規定する「使用」に合致する実際の使用商標を明らかにするものではなく,また,本件商標を構成する「オタク婚活」の文字を原告の事業とともに強調するものでもない。むしろ,本件決定において示した「オタクのための婚活(オタクの結婚するための活動)」の意味合いを表わすものと理解しても何ら違和感がなく,出所を表- 9 -示するものとして看者の注意が惹かれるのは,「アエルラ」等のほかの文字といえるから,看者の注意が本件商標に集まるとは考え難い。 しかも,原告の事業であるオタク向けの婚活パーティーも,本件商標の登録査定時には,ごく限られた地域及 れるのは,「アエルラ」等のほかの文字といえるから,看者の注意が本件商標に集まるとは考え難い。 しかも,原告の事業であるオタク向けの婚活パーティーも,本件商標の登録査定時には,ごく限られた地域及び期間に開催されてきたにとどまるものである。 一方で,乙4ないし23に係るインターネット情報及び新聞記事情報のとおり,本件商標の登録査定時には,既に,オタク向けの婚活の機会や場を提供する事業等が一般に行われ,オタクの婚活を表すものとして「オタク婚活」の語が普通に使用されていた実情もある。 そうすると,甲1ないし11,13から,本件商標が使用をされた結果,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識できるに至っていると認めることはできない。 したがって,本件商標は,商標法3条2項該当性の判断の基準時である登録査定時において,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至っているということができない。 ウ以上によれば,本件商標が商標法3条2項の要件を具備しないとした本件決定の判断に誤りはないから,原告主張の取消事由2は理由がない。 第4 当裁判所の判断 1 取消事由1(商標法3条1項3号該当性の判断の誤り)について 商標法3条1項3号該当性についてア商標法3条1項3号が,その役務の提供の場所,質,提供の用に供する物,効能,用途,数量,態様,価格又は提供の方法若しくは時期を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録の要件を欠くと規定しているのは,このような商標は,指定役務との関係で,その役務の提供の場所,質,提供の用に供する物,効能,用途その他の特性を表示記述する標章であって,取引に際し必要適切な表示として何人もそ- 10 -の使用を欲するものであるから,特定人によるその独 の役務の提供の場所,質,提供の用に供する物,効能,用途その他の特性を表示記述する標章であって,取引に際し必要適切な表示として何人もそ- 10 -の使用を欲するものであるから,特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに,一般的に使用される標章であって,多くの場合自他役務識別力を欠くものであることによるものと解される。 そうすると,本件商標が商標法3条1項3号に該当するというためには,本件商標の登録査定日である平成24年12月6日の時点において,本件商標がその指定役務との関係で役務の提供の場所,質,提供の用に供する物,効能,用途その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり,本件商標の指定役務の取引者,需要者によって本件商標がその指定役務に使用された場合に,将来を含め,役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される。 イ本件商標は,「オタク婚活」の文字を標準文字により書してなる商標であり,「オタク」のカタカナ3字と「婚活」の漢字2字とを結合して一連表記した結合商標である。本件商標からは「オタクコンカツ」の称呼が自然に生じる。 本件商標を構成する「オタク」の語については,乙1(大辞林第三版,2006年(平成18年)10月27日発行)に「俗に,特定の分野・物事を好み,関連品または関連情報の収集を積極的に行う人。狭義には,アニメーション・テレビ-ゲーム・アイドルなどのような,やや虚構性の高い世界観を好む人をさす。…一九八〇年代中ごろから使われる語」,乙2(現代用語の基礎知識,2011年(平成23年)1月1日発行)に「個人の趣味に没頭し,異常な執着を見せる人物やふるまいを指す。1980年代前半に生まれた言葉で,元はマンガやアニメなど特定の趣味について使われたが,普 識,2011年(平成23年)1月1日発行)に「個人の趣味に没頭し,異常な執着を見せる人物やふるまいを指す。1980年代前半に生まれた言葉で,元はマンガやアニメなど特定の趣味について使われたが,普及の過程で意味が拡大・変容し,現在では『マニア』とほぼ同じく,さまざまな趣味について『○○オタク』と使われることも。」との記載がある。上記記載及び弁論の全趣旨によれば,本件商標の登録査定日当時,「オタク」の語は,アニメーション,テレビゲーム,アイドルな- 11 -どのような特定の趣味の愛好家を示す用語として,一般に認識され,普通に用いられていたことが認められる。 また,本件商標を構成する「婚活」の語は,本件商標の登録査定日当時,「結婚するための活動」を意味する語として,一般に認識され,普通に用いられていたことは,当裁判所に顕著である。 そして,本件商標の登録査定日前の新聞記事情報には,主に30歳前後の人向けの結婚するための活動を「アラサー婚活」(2010年(平成22年)11月22日付け毎日新聞(乙16の1),2012年(平成24年)1月30日付け静岡新聞(乙16の2)),主に中高年層向けの結婚するための活動を「シニア婚活」(2011年(平成23年)2月4日付け,同年6月26日付け及び同月27日付け朝日新聞(乙17の1ないし3)),主に熟年と呼ばれる中高年層向けの結婚するための活動を「熟年婚活」(2009年(平成21年)7月10日付け読売新聞(乙18の1),2010年(平成22年)11月22日付け北海道新聞(乙18の2),2012年(平成24年)10月16日付け南日本新聞)などと称される例があることからすると,「婚活」の語の前に対象者の属性を表す語を結合した語は,当該対象者向けの結婚するための活動を意味する語として,本件商標の登録査 年)10月16日付け南日本新聞)などと称される例があることからすると,「婚活」の語の前に対象者の属性を表す語を結合した語は,当該対象者向けの結婚するための活動を意味する語として,本件商標の登録査定日当時,一般に理解されていたことが認められる。 そうすると,本件商標を構成する「オタク婚活」の語は,本件商標の登録査定日当時,「オタク」と称される人向けの結婚するための活動を意味する語として,本件商標の指定役務である「結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,インターネット上でのウェブサイトを利用した異性の紹介及びこれに関する情報の提供,インターネットを利用した結婚に必要な情報の提供」に係る事業の取引者,需要者によって一般に認識されるものであったことが認められる。 以上によれば,本件商標の登録査定日当時,本件商標は,その指定役務- 12 -に使用されたときは,「オタク」と称される人向けの結婚するための活動を支援する異性の紹介,情報の提供などといった役務の質(内容)を表示するものとして,取引者,需要者によって一般に認識されるものであって,取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであったものと認められるから,特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに,自他役務識別力を欠くものというべきである。 加えて,本件商標は,標準文字で構成されているから,「オタク婚活」の文字を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるというべきである。 したがって,本件商標は,商標法3条1項3号に該当するものと認められる。  原告の主張について原告は,本件商標の登録査定時において,実際に「オタク」と称される人たち向けの「結婚するための活動(婚活)」の機会や場を提供する事業等が一般に行われていたことは認 る。  原告の主張について原告は,本件商標の登録査定時において,実際に「オタク」と称される人たち向けの「結婚するための活動(婚活)」の機会や場を提供する事業等が一般に行われていたことは認められるものの,「オタク婚活」の語が「オタク向けの結婚活動」を示す語として一般的に用いられていた実情があったものとはいえない,「オタク婚活」の語は,新聞記事情報,広辞苑,大辞林及び現代用語の基礎知識等に掲載されておらず,また,「婚活」の語の前にその対象者を表す語を結合すると「~向けの結婚活動」を意味する語となるという慣行があるとはいえないから,たとえ本件商標が「オタク」と「婚活」の各文字を一連に表したものであるとしても,一般需要者は,本件商標を「オタク向けの結婚活動」を示す語として認識するのではなく,造語として認識し,本件商標から原告の事業を想起するものとみるのが相当であるから,本件商標は,商標法3条1項3号に該当するものではない旨主張する。 しかしながら,前記アで説示したように,本件商標が商標法3条1項3号に該当するというためには,本件商標の登録査定日の時点において,本件- 13 -商標がその指定役務との関係で役務の提供の場所,質,提供の用に供する物,効能,用途その他の特性を表示記述ものとして取引に際し必要適切な表示であり,その指定役務に使用された場合に,将来を含め,役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足り,それが一般に用いられていた実情があったことまで必要とするものではないというべきである。 また,前記イ認定のとおり,本件商標の登録査定日当時,「オタク」の語は,アニメーション,テレビゲーム,アイドルなどのような特定の趣味の愛好家を示す用語として,一般に認識され,普通に用いられていたものであって,「婚活」 おり,本件商標の登録査定日当時,「オタク」の語は,アニメーション,テレビゲーム,アイドルなどのような特定の趣味の愛好家を示す用語として,一般に認識され,普通に用いられていたものであって,「婚活」の語の前に対象者の属性を表す語を結合した語は,当該対象者向けの結婚するための活動を意味する語として一般に理解されていたことが認められるから,本件商標を構成する「オタク婚活」の語は,本件商標の登録査定日当時,「オタク」と称される人向けの結婚するための活動を意味する語として,本件商標の指定役務に係る事業の取引者,需要者によって一般に認識されるものであったことが認められる。 したがって,原告の上記主張は,採用することができない。  小括以上のとおり,本件商標がその登録査定時において商標法3条1項3号に該当する商標であったものと認められるから,これと同旨の本件決定の判断に誤りはなく,原告主張の取消事由1は理由がない。 2 取消事由2(本件商標の商標法3条2項該当性の判断の誤り)について 商標法3条2項該当性の判断の基準時について原告は,商標の登録査定後,登録異議の申立てについての決定前に当該商標を使用した結果,当該商標が全国的に著名となったにもかかわらず,その後,登録査定時には著名でなかったことを理由に決定で登録が取り消されることになると,再度商標登録出願をして審査及び登録を受けなければならないが,そのための費用が余計にかかるだけでなく,再度審査するための審査- 14 -官の時間も余計にかかり,審査官の時間を無駄に浪費することにもなって妥当でないなどとして,本件商標の商標法3条2項該当性の判断の基準時は,登録異議の申立てについての決定時と解するのが,商標法の目的及び同法3条2項の趣旨に適い,妥当であるから,これを登録査定時とし 妥当でないなどとして,本件商標の商標法3条2項該当性の判断の基準時は,登録異議の申立てについての決定時と解するのが,商標法の目的及び同法3条2項の趣旨に適い,妥当であるから,これを登録査定時とした本件決定の判断は誤りである旨主張する。 そこで検討するに,商標法は,商標登録の要件について,3条1項で,同項各号に掲げる商標を除き,商標登録を受けることができる旨定め,同条2項で,前項3号から5号までに該当する商標であっても,使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては,同項の規定にかかわらず,商標登録を受けることができる旨定めている。 これらの規定によれば,審査官は,商標登録出願のあった商標が商標法3条1項各号に該当するかどうかを判断し,その上で,当該商標が同項3号から5号までに該当すると判断した場合であっても,同条2項に該当すると判断したときは,登録査定(同法16条)を行うこととなるのであるから,商標登録が同法3条に違反してされたことを理由に登録異議の申立て(同法43条の2第1号)がされた場合における同法3条1項各号該当性及び同条2項該当性の判断の基準時は,いずれも,その登録査定の行政処分がされた登録査定時(同法55条の2第2項により商標登録をすべき旨の審決がされたときは,その審決時。以下同じ。)と解するのが相当である。 また,商標法3条1項と2項の規定の構造に照らし,同条2項該当性の判断の基準時のみを登録異議の申立てについての決定時と解することは妥当でないというべきである。 したがって,本件商標の商標法3条2項該当性の判断の基準時をその登録査定時とした本件決定に誤りはないから,原告の上記主張は,理由がない。  商標法3条2項該当性について- 15 -原告 したがって,本件商標の商標法3条2項該当性の判断の基準時をその登録査定時とした本件決定に誤りはないから,原告の上記主張は,理由がない。  商標法3条2項該当性について- 15 -原告は,原告の事業内容は,多数のメディアで取り上げられ,紹介されており(甲1ないし11),これらの紹介記事の大多数(甲1ないし8,11)は,本件商標に係る原告の事業が人気で大盛況であることを示すものであること,原告の事業である「オタク婚活パーティー」の開催実績(甲13),原告が本件商標を用いてインターネットを利用したサービス(http://aellura.com参照)を展開していること(甲17),原告が本件商標の登録査定時前から配布していた広告チラシ(甲14,15)及び原告の事業に関するホームページ(甲17)には,本件商標が使用され,使用されている「オタク婚活」の文字は看者の注意を十分に惹くものであることなどからすると,本件商標を使用している原告の事業は全国的に知られており,本件商標は商標法3条2項に該当するから,本件商標が同項に該当することを否定した本件決定の判断は誤りである旨主張するので,以下において判断する。 ア原告が挙げるメディアにおける紹介記事等(甲1ないし11)は,次のとおりである。  平成24年5月31日に放送されたフジテレビの番組「とくダネ!」(甲1)では,「大人気! オタク婚活に密着学歴よりも好きなアニメ」などの画面表示の下に,「オタク婚活」を話題として取り上げ,原告が開催した「オタク婚活パーティー」などの様子を紹介するコーナーがあり,その中には,「オタク婚活パーティー『アエルラ』 参加費男性 6000円~8000円女性2000円~3000円 (日程によって違います)」とのテロップが表示されるシーンがある。 し があり,その中には,「オタク婚活パーティー『アエルラ』 参加費男性 6000円~8000円女性2000円~3000円 (日程によって違います)」とのテロップが表示されるシーンがある。 しかしながら,上記番組は,オタクと称される人たちの中で「オタク婚活」あるいは「オタク婚活パーティー」そのものに人気があることを話題として取り上げたものであり,原告が「アエルラ」の名称で「オタク婚活パーティー」を独占的に行っていることや,「オタク婚活」の語が原告の事業の出所を示すものとして広く知られていることをうかがわ- 16 -せるものではない。  甲2(平成24年6月4日付け日経MJ),甲3(週刊朝日2012年(平成24年)6月15日号)には,原告がオタク男女を対象とした婚活パーティーを運営している旨の記載があるが,「オタク婚活」の文字の記載はない。  甲4(日経消費ウオッチャー2012年(平成24年)5月号)には,「『オタク婚活&恋活パーティー』というイベントサイト。サイト制作会社のナゲット(東京・江戸川)が昨年6月から月12回以上のペースで開催している。“オタク婚活”サイト『アエルラ』も運営する同社のX社長は『人気のオタク婚活パーティーには,男女それぞれ10人ほどの募集枠に2倍以上の申し込みがある』と言う。毎回,平均で4~5組のカップルが誕生しているそうだ。」などの記載がある。 甲5ないし10(いずれも作成時期不明)には,「同じ趣味を持つ『オタク同士』で婚活してもらう,オタクのための婚活サイト『アエルラ』が開催する婚活パーティーの真っ最中で…」(甲5),「『アニメ』『ゲーム』『ボーイズラブ』など,毎回用意されたテーマを元に行われる『オタク婚活』」(甲6),原告の代表取締役社長のXのインタビュー記事(甲6ないし8),「実はこ っ最中で…」(甲5),「『アニメ』『ゲーム』『ボーイズラブ』など,毎回用意されたテーマを元に行われる『オタク婚活』」(甲6),原告の代表取締役社長のXのインタビュー記事(甲6ないし8),「実はこれが,オタク婚活&恋活パーティーと呼ばれるイベント。主催するアエルラ(運営:ナゲット)が’11年6月から,月12回以上のペースで開催している。」(甲8)などの記載がある。 しかしながら,甲4ないし11は,原告が「アエルラ」の名称で「オタク婚活パーティー」を事業として行っていることを示すものにとどまるものであって,「オタク婚活」の語が原告の事業の出所を示すものとして広く知られていることをうかがわせるものではない。 イ原告作成の「オタク婚活パーティー」の開催実績一覧(甲13)によれ- 17 -ば,原告は,2011年(平成23年)6月26日から本件商標の登録査定日(平成24年12月6日)前の同月2日までの間に合計270回にわたり,「オタク婚活パーティー」を名称に含む婚活パーティー等,オタクと称される人たち向けの婚活パーティーを開催したことがうかがわれる。 しかしながら,上記婚活パーティーの1回当たりの参加者枠は,男女合計で20名ないし60名であり,開催地域は,東京の秋葉原,池袋,日本橋,東新宿及び京都に限定されていることからすると,上記開催実績をもって「オタク婚活」の語が原告の事業の出所を示すものとして広く知られていることの根拠となるものではない。 また,原告が本件商標の登録査定日前から発注・配布していたと主張する広告チラシ(甲14,15)の印刷部数は合計1100部(平成23年12月5日に100部,同月9日に500部,平成24年11月7日に500部)にとどまり(甲16,22),その具体的な配布先は証拠上明らかではない。 さら )の印刷部数は合計1100部(平成23年12月5日に100部,同月9日に500部,平成24年11月7日に500部)にとどまり(甲16,22),その具体的な配布先は証拠上明らかではない。 さらに,甲18(「GoogleAnalytics」のユーザーサマリー)には,原告の運営するウェブサイト(http://aellura.com。甲17)の2011年(平成23年)6月1日から2014年(平成26年)3月20日までの間の訪問数,ユーザー数,ページビュー数などの数値の記載があるが,これらの数値は本件商標の登録査定日当時の数値を示したものではない。 ウ一方で,次のようなインターネット情報及び新聞記事情報が掲載されていたことが認められ,これらによれば,本件商標の登録査定日(平成24年12月6日)当時,オタクと称される人たち向けの結婚するための活動の機会や場を提供する事業等が一般に行われていたことがうかがわれる。  インターネット情報a 「YAHOO!JAPAN知恵袋」(乙4)- 18 -「自分は同人作家(女)です。結婚を考えてオタク婚活を何度かしたのですが,…。」,「質問日時:2011/11/1…」b 「YAHOO!JAPAN知恵袋」(乙5)「オタク婚活が気になります。わたしは20歳のアニメ・漫画がすきな女です。…オタク婚活はハードルが高いでしょうか?…」,「質問日時:2012/3/12…」,その回答として,「…『オタク婚活で気の合う人を見つけるぞ!』くらいの感じで楽しむ感じで行くべきです。」,「詳しいことは私も知りませんが,この間,夕方の地方ニュース番組の特集で,『オタクの婚活』の話をやっていました。」,「回答日時:2012/3/13…」c 「テレビのブログ」(乙6)「オタク婚活パーティーに31歳の女性 が,この間,夕方の地方ニュース番組の特集で,『オタクの婚活』の話をやっていました。」,「回答日時:2012/3/13…」c 「テレビのブログ」(乙6)「オタク婚活パーティーに31歳の女性が参加|スーパーJチャンネル」のタイトルの下,「田中さんが参加したのは『I’mSingle オタク婚活パーティEX』です。…」,「2012-02-28…」d 「にほんブログ村」(乙7)「オタクはオタク同士で結婚したほうがいいのか?」のタイトルの下,「最近,『オタク婚活』なる婚活サイトやお見パが流行っているようですね。…」,「2012/07/16…」e 「せつな日記」(乙8)「2012年9月4日(火)」付けで,「オタク婚活に行ってみた」のタイトルの下,「とりあえず,先日,オタク婚活に行ってみました。以前,あるオタク婚活サイトで申し込んでみたんですけど,…」f 「JCASTニュース」(乙10)「『オタク婚活』サイトが急増オタク同士なら理解し合える」のタイトルの下,「2011/6/19…」,「オタクな男女を結びつ- 19 -ける『婚活サイト』が増えている。…」g 「働くモノニュース:人生VIP職人ブログwww」(乙11)「鷲宮のオタク婚活,7組のカップル誕生成立率は35%」のタイトルの下,「2010/11/29(月)…」,「アニメ『らき☆すた』の“聖地”埼玉県久喜市鷲宮地区で開かれたオタク男女の出会いの場を提供するイベント」h 「オタク婚活ガイド」(乙12)「オタクの婚活パーティーがキテる」のタイトルの下,「2011年頃からオタク向けの婚活パーティーやイベントが,盛んに行われるようになりました。」,「…いまオタク婚活パーティーは大盛況。予約抽選待ちというケースだってあります。」i 「Searc 「2011年頃からオタク向けの婚活パーティーやイベントが,盛んに行われるようになりました。」,「…いまオタク婚活パーティーは大盛況。予約抽選待ちというケースだってあります。」i 「Searchina(サーチナ)」(乙13)「『らき☆すた』の聖地でオタク婚活パーティー!!」のタイトルの下,「【社会ニュース】2010/11/01(月)…」,「…埼玉県久喜市鷲宮地区で参加者をオタクに限定した…婚活イベント…が実施されます!!」 新聞記事情報a 2010年(平成22年)11月23日付け東京新聞朝刊(乙14)「オタクの恋求め殺到 28日“聖地”久喜で婚活イベント」の見出しの下,「…町おこしに取り組む埼玉県久喜市鷲宮地区の商工会が,…“オタク限定”の婚活イベントを企画したところ,定員40人を大幅に上回る501人から参加申し込みがあった。…」b 2010年(平成22年)月11月18日付け静岡新聞夕刊(乙15)「オタク限定の婚活に応募殺到-埼玉・旧鷲宮町」の見出しの下,「…埼玉県の旧鷲宮町(現久喜市)でオタク限定の“婚活”パーティー- 20 -が企画され,男女各20人の定員に約500人の応募が殺到し,…」エ以上によれば,本件商標の登録査定日(平成24年12月6日)の時点において,オタクと称される人たち向けの結婚するための活動として「オタク婚活」と称する婚姻パーティーが盛んに行われていたが,原告の事業が全国的に知られていたものということはできず,原告が本件商標を使用していても,それは,原告が上記オタクと称される人たち向けの婚姻パーティーを開催していると認識されていたにすぎず,需要者が本件商標を原告の業務に係る役務を表示するものとして認識するに至っていたものと認めることはできない。 したがって,本件商標がその の婚姻パーティーを開催していると認識されていたにすぎず,需要者が本件商標を原告の業務に係る役務を表示するものとして認識するに至っていたものと認めることはできない。 したがって,本件商標がその登録査定時において商標法3条2項に該当する商標であったものと認められない。  小括以上のとおり,本件商標がその登録査定時において商標法3条2項に該当する商標であったものと認められないから,これと同旨の本件決定の判断に誤りはなく,原告主張の取消事由2は理由がない。 3 結論以上の次第であるから,原告主張の取消事由はいずれも理由がなく,本件決定にこれを取り消すべき違法は認められない。 したがって,原告の請求は棄却されるべきものである。 知的財産高等裁判所第4部 裁判長裁判官富田善範 裁判官大鷹一郎 - 21 - 裁判官平田晃史

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