令和3年3月4日判決言渡 令和2年(行ケ)第10034号審決取消請求事件 口頭弁論終結日令和3年1月21日判決 原告 アテネ株式会社 同訴訟代理人弁護士 弓削田博 藤沼光太 神田秀斗 平田慎二 同訴訟代理人弁理士 牛木護 清水榮松 中村聡 被告 株式会社ボンマーク 同訴訟代理人弁護士 大川直 同訴訟代理人弁理士 高橋英樹 小澤次郎 大西秀和 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求 特許庁が無効2018-800134号事件について令和2年2月26日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 ⑴ 被告は,平成27年6月8日,発明の名称を「ボール配列用マスクの製造方法」とする発明について特許出願(特願2015-115779。以下「本件特許出願」という。)をし,平成30年3月9日,特許権の設定登録(特許第6302430号。請求項の数3。)を受けた(甲31。以下,この特許を「本件特許」という。)。 ⑵ 原告は,平成30年11月29日,本件特許のうち,請求項1に係る特許 権の設定登録(特許第6302430号。請求項の数3。)を受けた(甲31。以下,この特許を「本件特許」という。)。 ⑵ 原告は,平成30年11月29日,本件特許のうち,請求項1に係る特許 を無効にすることを求めて審判の請求をした(甲13)。 特許庁は,上記請求を無効2018-800134号事件として審理を行った。 ⑶ 被告は,平成31年3月5日付けで,本件特許の特許請求の範囲の請求項1を訂正する旨の訂正請求(以下「本件訂正請求」という。甲15)をした。 特許庁は,令和2年2月26日,本件訂正を認めた上で,「特許第6302430号の請求項1に記載された発明についての審判の請求は成り立たない。」との審決(以下「本件審決」という。)をし,その謄本は,同年3月3日に原告に送達された。 ⑷ 原告は,令和2年3月19日,本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起 した。 2 特許請求の範囲の記載訂正後の請求項1の特許請求の範囲の記載は,次のとおりである(以下,請求項1に係る発明を「本件発明」という。下線部が訂正に係る部分)。 「メッキにより形成され,振り込まれた導電性ボールが挿通する複数の開口部 が形成されたマスク本体と,メッキにより形成され,導電性ボールが振り込ま れる側ではなく基板の電極と対向する側となる前記マスク本体裏面の前記開口部以外に部分的に突出され,互いに分離独立した複数の突起とを備え,前記分離独立した複数の突起の先端部は,その周縁エッジ部が丸味を持ったR形状に形成されており,布拭き取り時の引っ掛かりを防止するボール配列用マスクの製造方法であって, SUS母材上に前記分離独立した複数の突起形成用のレジスト層を形成する工程と,前記分離独立した複数の突起が所定の高さとなるようにSUS母材 防止するボール配列用マスクの製造方法であって, SUS母材上に前記分離独立した複数の突起形成用のレジスト層を形成する工程と,前記分離独立した複数の突起が所定の高さとなるようにSUS母材上にメッキすることにより,一次メッキ層を形成する工程と,一次メッキ層の形成が終わったら,前記突起形成用のレジスト層を除去する 工程と,前記突起以外の一次メッキ層を取り除き,SUS母材上に一次メッキ層による突起を残す工程と,前記SUS母材上の前記突起間に複数の開口部形成用のレジスト層を形成する工程と, 前記マスク本体が指定の厚さとなるようにSUS母材上及び前記突起上にメッキすることにより,二次メッキ層を形成する工程と,二次メッキ層の形成が終わったら,前記複数の開口部形成用のレジスト層を除去する工程と,前記SUS母材から一次メッキ層及び二次メッキ層からなる突起とマスク本 体のメッキ層を剥離する工程と,を備えたことを特徴とするボール配列用マスクの製造方法。」 3 本件審決の理由の要旨等⑴ 本件審決の理由の要旨は,本件発明について,本件特許出願前に頒布された刊行物である甲第1号証(特開2010-247500号公報。以下,単 に「甲1」という。その他の刊行物についても同様に単に「甲2」などとい う。)に記載された発明及び甲2ないし12に記載された事項に基づいて,その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものではないから,原告主張の進歩性欠如の無効理由は理由がないというものである。 ⑵ 本件審決が認定した甲1に記載された発明(以下「甲1発明」という。),本件発明と甲1発明の一致点及び相違点は,次のとおりである。 ア甲1発明「パターン開口部周辺に凹部が形成されたマスクにおいて,マス 定した甲1に記載された発明(以下「甲1発明」という。),本件発明と甲1発明の一致点及び相違点は,次のとおりである。 ア甲1発明「パターン開口部周辺に凹部が形成されたマスクにおいて,マスクの凹部およびパターン開口部を1種類の電着層で形成したことで,凹部の縁部が下方に向かって略円弧状に形成されることにより凹部の縁部の突出を抑え,厚みを安定させた導電性ボール搭載用マスクの製造方法であって, 前記マスクは,電鋳母型1から引き剥がされた平坦な一方の面と,前記一方の面を基準面として,1次電着層6と2次電着層12の合計の厚さを有する凹部ではない領域と,1次電着層6と2次電着層12の合計の厚さを有する前記凹部ではな い領域に隣接する領域であって,前記一方の面を基準面として,その厚さを,1次電着層6と2次電着層12の合計の厚さから,2次電着層12の厚さにまで減少させる,下方に向かって略円弧状に形成された凹部の縁部である領域と,前記凹部の縁部である領域に隣接する,2個のパターン開口部9を含む 領域であって,前記一方の面を基準面として2次電着層12の厚さを有するパターン開口部周辺の領域とを備えており,前記凹部は,基板の導電性ボール搭載部の電極の上に形成されているフラックス等が前記マスクに付着するのを防止することを目的として,基板 面側の開口パターン周辺部に形成されるものであり, (a)SUS301やSUS304といったステンレス材が好適である導電性の電鋳母型1を用意する工程と,(b)前記電鋳母型1に感光性の1次レジスト膜2を形成する工程と,(c)1次レジスト膜2に1次パターン3を露光する工程であって,前記1次パターン3は,前記マスクにおける凹部4を形成するためのパターン で 鋳母型1に感光性の1次レジスト膜2を形成する工程と,(c)1次レジスト膜2に1次パターン3を露光する工程であって,前記1次パターン3は,前記マスクにおける凹部4を形成するためのパターン であり,この1次パターン3は後の工程にて形成する1次電着層6の厚みを安定させるため,捨て電着層7を形成するようなパターンとするものであり,ここで捨て電着層7を形成するパターンとは,ある大きさで凹部形状を形成する場合,その仕上がりに合わせてレジスト膜を形成するのではなく,凹部4の仕上がりに合せた大きさの輪郭形状のみをレジスト膜で形 成するといったものであり,輪郭形状のみをレジスト膜で形成するため,レジスト膜で囲まれた内側部分には電着層,いわゆる捨て電着層7が形成され,凹部形状全体をレジスト膜で形成する場合と比較して,電気めっき時の電流密度の粗密さによる電着層の厚みのばらつきを抑えるという効果がある工程と, (d)1次パターン3を描画した1次レジスト膜2を現像,乾燥し,1次パターンレジスト膜5を形成する工程と,(e)1次パターンレジスト膜5を形成した電鋳母型1の1次パターンレジスト膜5で覆われていない表面に厚みばらつきが抑えられた1次電着層6を形成する工程と, (f)ないし(g)1次パターンレジスト膜5および捨て電着層7を剥離する工程であって,前記1次パターンレジスト膜5は既存のレジスト剥離処理等で剥離すればよく,前記捨て電着層7は,手や治具を使用して電鋳母型1から剥離すればよいものである工程と,(h)1次電着層6が形成された電鋳母型1上に感光性の2次レジスト膜 8を成膜する工程であって,前記2次レジスト膜8は1次電着層6が形成 された電鋳母型1の電鋳母型表面,すなわち1次パターンレジスト膜5および捨て電 た電鋳母型1上に感光性の2次レジスト膜 8を成膜する工程であって,前記2次レジスト膜8は1次電着層6が形成 された電鋳母型1の電鋳母型表面,すなわち1次パターンレジスト膜5および捨て電着層7を剥離した部分に形成する工程と,(i)2次レジスト膜8に開口部となる2次パターン10を露光する工程と,(j)2次パターン10を描画した2次レジスト膜8を現像,乾燥し,2 次パターンレジスト膜11を形成する工程と,(k)2次パターンレジスト膜11を形成した1次電着層6が形成された電鋳母型1における2次パターンレジスト膜11で覆われていない部分に2次電着層12を形成する工程と,(l)ないし(m)2次パターンレジスト膜11を既存のレジスト剥離処 理等で剥離した後,一体化した1次電着層6と2次電着層12を電鋳母型1から引き剥がすことでマスク15を得る工程と,を備えた,凹部14の縁部が突出しないので,厚みが安定したマスク15を得ることができる方法。」イ本件発明と甲1発明の一致点及び相違点 (ア) 一致点「メッキにより形成され,振り込まれた導電性ボールが挿通する複数の開口部が形成されたマスク本体と,メッキにより形成され,導電性ボールが振り込まれる側ではなく基板の電極と対向する側となる前記マスク本体裏面の前記開口部以外に部分的に設けられた部分とを備え,前記 部分のエッジ部が丸味を持ったR形状に形成されたボール配列用マスクの製造方法であって,SUS母材上に前記マスク本体裏面の前記開口部以外に部分的に設けられた部分形成用のレジスト層を形成する工程と,前記マスク本体裏面の前記開口部以外に部分的に設けられた部分が所 定の高さとなるようにSUS母材上にメッキすることにより,一次メッ キ層を形成 た部分形成用のレジスト層を形成する工程と,前記マスク本体裏面の前記開口部以外に部分的に設けられた部分が所 定の高さとなるようにSUS母材上にメッキすることにより,一次メッ キ層を形成する工程と,一次メッキ層の形成が終わったら,前記マスク本体裏面の前記開口部以外に部分的に設けられた部分形成用のレジスト層を除去する工程と,前記マスク本体裏面の前記開口部以外に部分的に設けられた部分形成用の部分以外の一次メッキ層を取り除き,SUS母材上に一次メッキ層 による部分を残す工程と,前記SUS母材上の前記一次メッキ層による部分間に複数の開口部形成用のレジスト層を形成する工程と,前記マスク本体が指定の厚さとなるようにSUS母材上及び前記一次メッキ層による部分上にメッキすることにより,二次メッキ層を形成す る工程と,二次メッキ層の形成が終わったら,前記複数の開口部形成用のレジスト層を除去する工程と,前記SUS母材から一次メッキ層及び二次メッキ層からなるマスク本体裏面の前記開口部以外に部分的に設けられた部分とマスク本体のメッ キ層を剥離する工程と,を備えたボール配列用マスクの製造方法。」(イ) 相違点マスク本体裏面の開口部以外に部分的に設けられた部分が,本件発明では,「開口部以外に部分的に突出され,互いに分離独立した 複数の突起」であって,当該「分離独立した複数の突起の先端部」の「周縁エッジ部」は,「丸味を持ったR形状に形成されて」「布拭き取り時の引っ掛かりを防止する」ものであるのに対して,甲1発明では,マスクの凹部ではない領域及び凹部の縁部である領域における「一方の面」を基準面として2次電着層12の厚さを超える部 分であって,凹部の縁部が下方に向かって略円弧状に形成されることに 1発明では,マスクの凹部ではない領域及び凹部の縁部である領域における「一方の面」を基準面として2次電着層12の厚さを超える部 分であって,凹部の縁部が下方に向かって略円弧状に形成されることに より凹部の縁部の突出を抑え,厚みを安定させたものである点。 ⑶ 前記相違点認定の理由本件発明の「突起」は,先端部の周縁エッジ部が丸味をもったR形状に形成されて布拭き取り時の引っ掛かりを防止するものであるところ,このような引っ掛かりが生じるのは,当該構造物の端面の形状が,円・楕円,あるい は,四角形状・ひし形状・六角形状などといった多角形状である場合,すなわち,当該構造体が,平面視において,輪郭の内側が突出する凸の形状である場合に限られる。甲1発明の,凹部の輪郭の形状は,輪郭の内側が窪んでいる凹の形状であって,輪郭の内側が突出する凸の形状には該当しないことから,甲1発明において,凹部の輪郭を構成する側面と凹部ではない領域の 下面との境界部分が直角であっても,布拭き取り時には,引っ掛かりは生じないから,甲1発明の凹部ではない領域及び凹部の縁部である領域とを併せた領域における一方の面を基準面として2次電着層12の厚さを超える部分は,本件発明の「突起」には相当しない。 ⑷ 相違点の容易想到性についての本件審決の判断は以下のとおりである。 ア甲2ないし8に記載の突起部等と,甲1発明の凹部とは,平面視において,輪郭の内側が突出した凸の形状であるか,輪郭の内側が窪んでいる凹の形状であるかという点で真逆のものであり,凹部輪郭のレジスト膜に囲まれた捨て電着層を用いた凹部形成方法である甲1発明を,突起部等の形成方法に転用することの動機付けはない。 イ甲1発明の課題は,電気めっき法では,めっきの析出速度は のレジスト膜に囲まれた捨て電着層を用いた凹部形成方法である甲1発明を,突起部等の形成方法に転用することの動機付けはない。 イ甲1発明の課題は,電気めっき法では,めっきの析出速度は電流密度によって決まり,マスク全体の厚みのばらつきが大きくなって導電性ボールの搭載不良が発生しやすくなることであるところ,甲2において,仮に,突起部の周縁部と,当該突起部の端面の中央部との間に厚みのばらつきが生じたとしても,突起部の周縁部における電流密度は,周縁部において概 ね一様であることから,そのような電流分布によって析出された突起部の 端面は,中央部が僅かに窪んだ形状となるにすぎず,他の突起部も同様の形状となることを鑑みれば,このような形状の突起部を複数有するマスクにおいて,導電性ボールの搭載不良が発生しやすくなるといった問題が生じることは考えられないから,甲1発明を転用して,突起部輪郭のレジスト膜の外側に捨て電着層を形成する突起部形成方法とする動機付けはな い。 ウ甲1発明に甲2を適用して突起を形成することは,厚みを有して強度ないし耐久性を保つよう形成されるマスクにつき,ダミーパターンを採用して構成されるマスクと同様に,2次電着層12のみの厚さからなる薄い箇所の面積を増やすものであり,マスクとしての耐久性が低下することは明 らかであるから,その採用には阻害要因がある。 4 取消事由甲1を主引用例とする本件発明の進歩性の判断の誤り第3 当事者の主張 1 原告の主張 ⑴ 本件発明と甲1発明の相違点の認定に誤りがあることについてア本件審決は,甲1発明では本件発明の「突起」はないとするが,誤りである。 (ア) 本件明細書(甲31)の「また,突起の形状は,円柱状,多角形状,連続し の相違点の認定に誤りがあることについてア本件審決は,甲1発明では本件発明の「突起」はないとするが,誤りである。 (ア) 本件明細書(甲31)の「また,突起の形状は,円柱状,多角形状,連続した突条,間欠的な突条のいずれか一つである。」(【0007】) との記載,「上記実施例1では,SUS母材1上に,中空円柱状の突起形成用のレジスト層2を部分的に形成することにより,円柱状の突起3aを形成しているが,円柱状の代わりに,例えば細長矩形枠状の突起形成用のレジスト層を連続的に形成することにより,連続した突条を形成しても良いし,細長矩形枠状の突起形成用のレジスト層を間欠的に形成 することにより,突条を間欠的に形成しても良い。これにより,完成し たボール配列用マスクの突条の先端部は,その周縁エッジ部が,角張った形状ではなく,丸味を持ったR形状となる。」との記載(【0016】)からすると,本件発明における「突起」の形状としては,「突条」であればよい。 ここで,「突条」とは,英語では,「projectedrim」と され(甲9),「rim」とは,「枠」を意味することから(甲10),凸状ではあるものの,「突起」や「突出」よりは,枠状の概念として理解される。したがって,本件特許でいう「突起」には枠状のものも含まれ,ある程度平面的な概念として想定されていることは明らかである。 (イ) 「突起」が「突条」形状も含むものである以上,「突起」部分は, 平面視において,輪郭の内側が突出する凸の形状であるとはいえず,本件審決の判断は不当な限定解釈である。 また,本件発明における「布拭き取り時の引っ掛かりを防止する」とは,突起先端部が「丸味を持ったR形状」であることの機能的表現にすぎず,これをもって「突起」形状自 審決の判断は不当な限定解釈である。 また,本件発明における「布拭き取り時の引っ掛かりを防止する」とは,突起先端部が「丸味を持ったR形状」であることの機能的表現にすぎず,これをもって「突起」形状自体を限定する趣旨ではない。 (ウ) したがって,甲1発明において複数の凹部を形成した場合に,凹部の周りには枠状の部分が形成され,当該枠状の部分は,本件発明の「突起」に相当するものである。 イ甲1発明において,捨て電着層を平面視がT字形状等の変形多角形状とすることも可能であるところ,このような形状を採用した場合,輪郭の内 側が窪んでいる凹(下図のa部)の形状を有するとともに,凹の左右(同b,c部)では平面視において,凸の形状であることは明らかであり,同部において,布拭き取り時に,引っ掛かりは生じ得るものである。 また,本件審決は,甲1発明において,捨て電着層は1枚のマスクに1箇所のみ形成されることを前提としているが,甲1の図1は,マスクの製造工程を模式的に示す部分断面図であることは,当業者にとって明らかである。実際のマスクにおいては,格子状に配置される突条の内側に,レジ スト膜で囲まれる捨て電着層が複数形成される。捨て電着層の典型的な配置形態は,障子戸において,障子紙を貼る縦横の組子により構成された格子状の骨組の内側に形成される空間と同様となる。ここで,格子状の骨組が,甲1発明の「凹部ではない領域」,すなわち,突起に相当する。 甲1発明において,凹部の輪郭を構成する側面と凹部ではない領域の下 面との境界部分が直角(シャープエッジ)であると,布拭き取り時に,引っ掛かりは生じる。 ウしたがって,甲1発明の凹部ではない領域及び凹部の縁部である領域とを併せた領域における一方の面を基準面 との境界部分が直角(シャープエッジ)であると,布拭き取り時に,引っ掛かりは生じる。 ウしたがって,甲1発明の凹部ではない領域及び凹部の縁部である領域とを併せた領域における一方の面を基準面として2次電着層12の厚さを超える部分が,本件発明における「突起」に相当しないとした本件審決の 判断は誤りである。 ⑵ 相違点に係る容易想到性についての判断に誤りがあることについてア進歩性判断における「動機付け」は,本件発明と主引用発明との相違点である,分離独立した複数の突起について記載のある副引用発明を,主引用発明である甲1発明に適用する場合について判断しなければならない ものであるが,本件審決は,主引用発明である甲1発明を,副引用発明に転用することの動機付けについて判断しているもので,進歩性判断における「動機付け」に関し,副引用発明に主引用発明を適用するという,実務上確立された判断手法に反する手法を採っている。 また,前記⑴イのとおり,甲1発明のようなマスクにおいては,格子状 に配置される突条の内側に,レジスト膜で囲まれる捨て電着層が複数形成される。甲1の図1(m)はあくまで部分断面図であって,メタルマスク全体の断面を記載したものではない。 格子状に配置された場合,すなわち,凹部と凹部の間には,「凸部」が形成されており,凹部を中央に置いて見れば,凹部があるといえるし,凹 部と凹部の間の一次電着層と二次電着層の積層部分を中央に置いて見れば「凸部」があることになる。したがって,甲1発明においても,凸部を形成する構成は,当然に含まれている。 このように,甲1発明は,結果として突条(枠状)の凸部が形成される発明であるから,甲1発明が凹部を形成する発明であることのみを前提と して,甲2ないし8に記 する構成は,当然に含まれている。 このように,甲1発明は,結果として突条(枠状)の凸部が形成される発明であるから,甲1発明が凹部を形成する発明であることのみを前提と して,甲2ないし8に記載の突起部等と,甲1発明の凹部とは,平面視において,輪郭の内側が突出した凸の形状であるか,輪郭の内側が窪んでいる凹の形状であるかという点で真逆のものであるとする本件審決の判断は誤りである。 イ本件審決は,突起部においてはその周縁部と端面の中央部との間に厚み の大きなばらつきが生じることはないから,甲1発明を転用する動機付けはない旨判断するが,以下の理由により誤りである。すなわち,マスクの裏面に配設される突起部の形状や密集度は,1枚のマスクであってもマスクの部位によって異なるものである(甲25)。また,電鋳においては,被加工面における電流密度が一般的に一様でないため,それぞれの突起部 の電流密度も異なる。導電性ボールの搭載不良が生じるのは,突起部の端 面の中央部が窪んだ形状となることに起因するものではなく,甲1の図2に示すような突出部13が形成されることによるものである。このような事情に鑑み,甲1発明は,1次電鋳工程に捨て電着層を採用し,さらに2次電着層でマスクの凹部及びパターン開口部を形成することで,突出部13の発生を抑えているのである。また,マスク裏面にフラックスが付着す るのを防止すべく突起部を設けることは,甲2ないし7に記載されているように周知技術であるから,甲1発明に甲2ないし7を適用する動機付けがある。 ウ甲1発明に甲2を適用して突起を形成することには阻害要因もない。 (ア) 印刷スキージを用いて半田ペーストを開口部へ充填するため,マス クに大きなストレスがかかる印刷用マスクと異な ウ甲1発明に甲2を適用して突起を形成することには阻害要因もない。 (ア) 印刷スキージを用いて半田ペーストを開口部へ充填するため,マス クに大きなストレスがかかる印刷用マスクと異なり,ボール搭載用マスクは,単にブラシ等(線状部材)を用いて半田ボールを開口部へ重力により挿入するにすぎないため,マスクにはごく小さなストレスしかかからず,マスク本体の厚さが薄いことによる寿命低下は問題視されない。 (イ) また,甲1について,本件発明との相違点に係る甲2ないし8の構 成を採用することで,耐久性より優位の効果が得られる。 本件特許の出願日以前に公知の文献であった甲26の【0007】ないし【0009】において,突起形状には,マスクの追随性を向上させるという優位な効果が記載されている。特に【0008】には,「均一な密度で支持用突起が形成されたマスクを用いた場合には,マスク本体 は撓み難く,うねりを有するワークに対してマスクを追随性良く載置できず」と記載があり,「均一な密度」ではなく,分離独立した突起である方が,基板(ワーク)に対して追随性がある旨明記されている。したがって,突起形状には,枠状形状と比較して有利な点があり,この点は本件特許の出願日以前に公知であった以上,当業者は,耐久力の低下に より,直ちに突起形成の採用を諦めるということはない。 さらに,上記の利点を享受すべく,枠状形状を変更して突起形状を採用するに当たり,耐久性の低下という課題に直面した当業者としては,突起(ポスト)の量を多くすることにより,枠状と変わらない耐久力を発揮することを選択することもできる。 また,甲2の「…突起部11cの形状は図示例に限らず,例えば星状, 三角状,無端枠状などとどのような形状であって くすることにより,枠状と変わらない耐久力を発揮することを選択することもできる。 また,甲2の「…突起部11cの形状は図示例に限らず,例えば星状, 三角状,無端枠状などとどのような形状であってもよい。…さらに,突起部11cは規則正しく形成する必要はなく,例えば,一個飛ばしやまだらに形成しても良く,…」との記載,及び,甲6の図11によれば,枠状(突条)を分離独立して形成する方法が開示されている以上,分離独立された「枠状」(突条)という構成も選択することができ,耐久性 を維持させることも可能である。 ⑶ 小括したがって,本件発明は,甲1発明及び甲2ないし8に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,これと異なる本件審決の判断は誤りである。 2 被告の主張(1) 本件発明と甲1発明の相違点の認定に誤りがないことについてア(ア) 原告は,本件明細書の【0007】,【0016】等を根拠に,本件発明における「突起」の形状としては,「突条」であればよく,枠状のものも含むと主張する。 しかし,本件明細書の【0016】のように,突起形成用のレジスト層が「細長矩形枠状」の場合,それを連続的に形成することにより「連続した突条」が形成され,突起形成用のレジスト層が「細長矩形枠状」の場合,それを間欠的に形成することにより「突条を間欠的」に形成されるものであって,枠状(細長矩形枠状)なのはあくまでも突条を形成 するためのレジスト層であり,細長矩形枠状のレジスト層の中に形成さ れる突条は,すじ状の突起となる。 角川最新漢和辞典では,「条」の意味として,「①細いえだ,細いすじ,②すじ,すじみち,③ひとすじひとすじ書き分けたことがら,④東西にのびる町すじ」と記載され, れる突条は,すじ状の突起となる。 角川最新漢和辞典では,「条」の意味として,「①細いえだ,細いすじ,②すじ,すじみち,③ひとすじひとすじ書き分けたことがら,④東西にのびる町すじ」と記載され,「条」に「枠」の意味はない。 (イ) 甲1において捨て電着層の形状が特段限定されていないからといっ て,考えられ得る全ての形状(例えば原告の主張する平面視T字形状)を含み得るとはいえない。 また,甲1発明のように,表面に窪み(凹部)が形成されたマスクでは,その表面に沿って布を滑らせるようにしてフラックス等を拭き取ることができる。このことは,凹部の平面視での形状が円形であろうと矩 形であろうと,平面視T字形状であろうと変わりはない。 これに対し,本件発明のマスクのように表面に分離独立した複数の突起が形成されている構造では,表面に沿って布を滑らせようとすると,どの方向に布を滑らせても布は必ず突起と当たることになる。そして,突起にエッジがあると,布が突起を乗り越える際に布を構成する糸や繊 維がそのエッジに引っ掛かってしまう。布と突起との間で引っ掛かりを生じさせないようにすることは,表面に分離独立した複数の突起が形成されている構造ならではの課題であるといえる。 イまとめ以上によれば,本件発明と甲1発明との相違点に関して,「甲1発明の 凹部ではない領域及び凹部の縁部である領域とを併せた領域における一方の面を基準面として2次電着層12の厚さを超える部分は,本件発明の『突起』には相当しない。」と指摘した本件審決の判断に誤りはない。 ⑵ 相違点に係る容易想到性についての判断に誤りがないことについてア(ア) 原告は,本件審決の判断は,主引用発明である甲1発明を,副引用 発 。」と指摘した本件審決の判断に誤りはない。 ⑵ 相違点に係る容易想到性についての判断に誤りがないことについてア(ア) 原告は,本件審決の判断は,主引用発明である甲1発明を,副引用 発明に転用することの動機付けについて判断しているもので,進歩性判 断における「動機付け」に関し,副引用発明に主引用発明を適用するという,実務上確立された判断手法に反する手法を採っていると主張する。 しかし,主引用発明である甲1発明は物の製造方法の発明であり,副引用発明である甲2等の発明は物の発明である。物の製造方法は,製造するべき物の構造から遡って工程設計されるものであり,製造するべき 物の構造に想到していない段階で,その想到していない構造を製造するための製造方法が設計されることはない。つまり,先に存在するのは製造方法ではなく,あくまでも物であり,製造するべき物があってこそ,その物の製造方法が存在する。ゆえに,物の製造方法の発明に,その製造方法で製造される物とは異なる物の発明を適用すること自体困難であ る。副引用発明である物の発明を主引用発明である製造方法の発明に適用することについて判断するということは,結局のところ,副引用発明に係る物を,主引用発明に係る製造方法で製造することについての動機付けについて判断することにほかならない。 (イ) 原告は,甲1発明のようなマスクにおいても,突条が格子状に配置 された場合には,「凸部」があることになるから,甲1発明にも,凸部を形成する構成は,当然に含まれていると主張する。 しかし,当該主張は,「突条」とは枠状のものであるという誤った前提に立脚するもので,原告の主張は当を得ない。 イ原告は,マスクの裏面に配設される突起部の形状や密集度は,1枚のマ スクであっ しかし,当該主張は,「突条」とは枠状のものであるという誤った前提に立脚するもので,原告の主張は当を得ない。 イ原告は,マスクの裏面に配設される突起部の形状や密集度は,1枚のマ スクであってもマスクの部位によって異なるものであり,電鋳においては,被加工面における電流密度が一般的に一様でないため,それぞれの突起部の電流密度も異なると主張するが,本件審決は,レジスト膜で覆われた部分の周辺部とレジスト膜で覆われた部分の周辺部から十分に離れた位置との間における厚みのばらつきと比較して,突起部の周縁部と中央部 との間における厚みのばらつきは小さいとしているのであり,何ら不当で はない。 ウ阻害要因があることについて原告は,ボール搭載用マスクでは,マスク本体の厚さが薄いことによる寿命低下は問題視されず,甲2ないし7の構成を採用することで,耐久性より優位の効果が得られると主張する。 (ア) マスクの耐久性や寿命に関わる要因として考慮すべきことは,印刷用のマスクにおいて,マスクが印刷機のスキージから受けるストレスだけではない。従来,ボール搭載用マスクにおいて,マスクを基板上に配置する際,マスクに水平方向の張力を加えることでマスク本体の撓みや弛みによる変形を防ぎ,ボールの位置精度を担保することが行われてい る。このような場合にも,マスク本体の金属膜には常にストレスが作用し続けるため,膜厚が厚いマスクの方が経時変化に対して優位であることは否定できない。他にもマスク洗浄時の高圧シャワーの水圧やエアガンによる風圧のストレス等,マスクには様々なストレスが負荷されている。 (イ) 原告が,甲2ないし7の構成(突起形状)を採用することにより得られる「耐久性より優位の効果」として主張するのは,マスクの追 トレス等,マスクには様々なストレスが負荷されている。 (イ) 原告が,甲2ないし7の構成(突起形状)を採用することにより得られる「耐久性より優位の効果」として主張するのは,マスクの追随性の向上であるが,耐久性とは全く別の効果であって,突起形状の効果によって耐久性の低下が補完されるわけではない。つまり,突起形状に枠状形状にない効果があったとしても,突起形状を選択することで耐久性 の低下という課題が生じる以上,阻害要因があることには変わりはない。 突起の量を多くしたところで,枠状の構成に比べれば耐久性が低下することは明白である。 ⑶ 小括したがって,本件発明は,甲1発明及び甲2ないし8に記載された事項に 基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではなく,本件審決の 判断に誤りはない。 第4 当裁判所の判断 1 明細書等の記載事項について⑴ 本件明細書の発明の詳細な説明には,別紙1の記載がある(甲31)。 ⑵ 前記⑴の記載事項及び特許請求の範囲の【請求項1】によれば,本件発明 に関し,次のような開示があることが認められる。 ア従来の,配列用マスクと基板との間の所定の隙間を設けるためのスペーサ(柱状突起)が突設された配列用マスクでは,マスクをメッキで作製した場合,マスク裏面に突設される柱状突起の先端部の周縁エッジ部が角張った形状となってしまうため,マスク裏面の汚れや不純物をウエス(布切 れ)等で拭き取る際,柱状突起の先端部の周縁エッジ部にウエス等が引っ掛かってしまい,作業性が悪くなるという課題があった。また,メッキにより柱状突起を形成する場合,柱状突起の高さ調整に高度な技術力を必要とするため,高度の作業を経験,習得した熟練の技術者が必要であった(【0001】,【0002】 るという課題があった。また,メッキにより柱状突起を形成する場合,柱状突起の高さ調整に高度な技術力を必要とするため,高度の作業を経験,習得した熟練の技術者が必要であった(【0001】,【0002】,【0004】)。 イ 「本発明」は,これらの課題を解決するために,マスク裏面に突設される突起の先端部の周縁エッジ部をR形状とし,かつ突起の高さ調整に高度な技術力を必要としないボール配列用マスクの製造方法を提供することを目的とし(【0005】),「SUS母材上に前記分離独立した複数の突起形成用のレジスト層を形成する工程と,前記分離独立した複数の突起 が所定の高さとなるようにSUS母材上にメッキすることにより,一次メッキ層を形成する工程と,一次メッキ層の形成が終わったら,前記突起形成用のレジスト層を除去する工程と,前記突起以外の一次メッキ層を取り除き,SUS母材上に一次メッキ層による突起を残す工程と,前記SUS母材上の前記突起間に複数の開口部形成用のレジスト層を形成する工程 と,前記マスク本体が指定の厚さとなるようにSUS母材上及び前記突起 上にメッキすることにより,二次メッキ層を形成する工程と,二次メッキ層の形成が終わったら,前記複数の開口部形成用のレジスト層を除去する工程と,前記SUS母材から一次メッキ層及び二次メッキ層からなる突起とマスク本体のメッキ層を剥離する工程と,を備えたことを特徴とする」ボール配列用マスクの製造方法を採用した(【0010】,【請求項1】)。 ウ突起の先端部の周縁エッジ部が丸味を持ったR形状に形成されているので,マスク裏面の汚れや不純物をウエス等で拭き取る際,突起の先端部の周縁エッジ部にウエス等が引っ掛かり,作業性が悪くなるという問題を解消することができる。また,ある程度の作業を 状に形成されているので,マスク裏面の汚れや不純物をウエス等で拭き取る際,突起の先端部の周縁エッジ部にウエス等が引っ掛かり,作業性が悪くなるという問題を解消することができる。また,ある程度の作業を習得している者であれば特に高度な技術力を必要としなくても,突起を作製することができるので, 熟練技術を必要とせず,誰がやっても同じような形状の突起を得ることができる(【0013】)。 2 甲1の記載事項について⑴ 甲1には別紙2の記載がある。 ⑵ 前記⑴の記載事項によれば,甲1には,甲1発明に関し,次のような開示 があることが認められる。 ア基板の導電性ボール搭載部の電極の上に形成されているフラックス等がマスクに付着するのを防止することを目的として、基板面側の開口パターン周辺部に凹部が形成されたマスクが使用されているところ,凹部の形成に電気めっき法を複数回行うことによって凹部を形成するマスクの作製 技術が発明されたが,絶縁物であるレジスト膜で覆われた部分の周辺部では、導電性の面の面積が小さくなってしまうために電流が集中して電流密度が高くなり,めっき膜が厚くなり,マスク全体の厚みのばらつきが大きくなるという問題があった。この問題を解決するため,印刷部開口を有する第1のマスク層と、印刷パターンに対応した印刷パターン開口を有する 第2のマスク層とが積層されたマスクであり、上記第1のマスク層は、上 記印刷パターン開口の略全面に重ねて形成された印刷部開口を有する印刷部と、印刷部開口を有さない非印刷部とを有し、上記第2のマスク層は、上記印刷パターン開口に加えて上記第1のマスク層の上記非印刷部と重なる部分にダミーの開口を有することを特徴とするマスクが存在する(【0002】)。 この し、上記第2のマスク層は、上記印刷パターン開口に加えて上記第1のマスク層の上記非印刷部と重なる部分にダミーの開口を有することを特徴とするマスクが存在する(【0002】)。 このマスクは,印刷板を成形する中途段階で開口部パターンの周囲にダミーパターンを形成して、板厚のバラツキを減少させ、メッキ後の印刷版の板厚精度を上げる手法を採用しているが、本来必要のない部分にもダミーパターンを形成しなければならないため、ダミーパターンがないマスクと比較すると第1の金属のみの部分が多くなってしまい,第1の金属膜の 厚みが非常に薄いマスクの場合は金属膜厚の薄い部分が増えてしまい、マスクとしての耐久性が低下するという問題があった。 そこで,「本発明」は,上記問題点を解決しつつ、ダミーパターンを形成することなしに、安定した厚みが得られるマスクを提供することを目的とし,パターン開口部周辺に凹部が形成されたマスクにおいて、マスクの 凹部およびパターン開口部を1種類の電着層で形成したことで、凹部の縁部が下方に向かって略円弧状に形成されることにより凹部の縁部の突出を抑え、厚みを安定させた構成を採用した(【0004】,【0005】)。 イ 「本発明」は,マスクにダミーパターンがないので、ダミーパターンが形成してあるマスクと比較すると、マスクとしての耐久性が向上する(【0 007】)。 3 本件発明と甲1発明の相違点の認定に誤りがあるとの主張について⑴ 原告は,甲1発明の,「凹部ではない領域及び凹部の縁部である領域とを併せた領域における一方の面を基準面として2次電着層12の厚さを超える部分」においても布拭き取り時の引っかかりは生じるとして,本件発明にお いてのみ布拭き取り時の引っかかりを認めた本件審決は 併せた領域における一方の面を基準面として2次電着層12の厚さを超える部分」においても布拭き取り時の引っかかりは生じるとして,本件発明にお いてのみ布拭き取り時の引っかかりを認めた本件審決は誤りであると主張す る。 ここで,本件審決は,甲3の「【0040】また,突起部15の下端面の形状は,円に限らず,楕円でも良いし,四角・ひし形・六角形などといった多角形でも良い。さらに,これら形状を構成する角や突起部15の下端面と側面との境界部分は,R状とするのが好ましい。これにより,例えば,マス ク1の突起部15形成面を洗浄する際に,洗浄をスムーズに行うことができるとともに,洗浄手段(布やスポンジなど)が突起部15に引っかかることによる洗浄手段及び突起部15の破損のおそれを可及的に防止することができる。」との記載及び甲4の【0030】のほぼ同旨の記載から,マスクを構成する突起物等の構造物の端面と側面との境界部分がR状でない場合(直 角である場合)において,布拭き取り時の引っ掛かりが生じるのは,当該構造物の端面の形状が,円・楕円,あるいは,四角形状・ひし形状・六角形状などといった多角形状である場合,すなわち,当該構造体が,平面視において,輪郭の内側が突出する凸の形状である場合に限られると判断している。 しかし,甲3や甲4のこれらの記載からは,構造物の端面の形状が,円・楕 円,あるいは,四角形状・ひし形状・六角形状などといった多角形状である場合に布拭き取り時の引っ掛かりが生じるとはいえても,それ以外の場合に引っ掛かりが生じないとは直ちにはいえない。したがって,本件審決において,甲1発明の「凹部ではない領域及び凹部の縁部である領域とを併せた領域における一方の面を基準面として2次電着層12の厚さを超える部分」が, とは直ちにはいえない。したがって,本件審決において,甲1発明の「凹部ではない領域及び凹部の縁部である領域とを併せた領域における一方の面を基準面として2次電着層12の厚さを超える部分」が, 布拭き取り時の引っ掛かりが生じないことを理由に,このような部分が本件発明における「突起」とはいえないとした点は適切でない。 ⑵ 原告は,さらに,甲1発明において複数の凹部を形成した場合に,凹部の周りには枠状の部分が形成され,当該枠状の部分は,本件発明の「突起」に相当するから,本件審決における本件発明と甲1発明の相違点の認定には誤 りがあると主張する。 アしかし,本件発明における「突起」が,平面的な枠状のものも含むことについては,本件明細書には記載も示唆もない。 本件明細書には,「細長矩形枠状の突起形成用のレジスト層を間欠的に形成することにより,突条を間欠的に形成しても良い。」(【0016】)との記載はあるが,ここで「枠状」とされているのは,「突起形成用のレ ジスト層」であって,「突起」ではない。また,「また,突起の形状は,円柱状,多角形状,連続した突条,間欠的な突条のいずれか一つである。」(【0007】)との記載もあり,原告は,「突条」とは,英語では,「projectedrim」とされ(甲9),「rim」とは,「枠」を意味することから(甲10:weblio英和辞典・和英辞典),「突起」 や「突出」よりは,枠状の概念として理解されると主張するが,明細書の記載を英訳して,それを再度和訳して明細書の字義を確認するという原告の手法に合理性は認められないし,一般に「突条」が枠状の概念を指すと認めることもできない。 イ原告は,甲1の図1がマスクの製造工程を模式的に示す部分断面図であ ることは,当業者にとって 告の手法に合理性は認められないし,一般に「突条」が枠状の概念を指すと認めることもできない。 イ原告は,甲1の図1がマスクの製造工程を模式的に示す部分断面図であ ることは,当業者にとって明らかであり,実際のマスクにおいては,格子状に配置される突条の内側に,レジスト膜で囲まれる捨て電着層が複数形成され,格子状の骨組が,甲1発明の「凹部ではない領域」,すなわち突起に相当すると主張する。 しかし,甲1には,製造されるマスクが,格子状に配置される突条の内 側に,レジスト膜で囲まれる電着層が複数形成されるという形態であることを示す記載は全く存在しない。 また,本件発明では,「前記マスク本体裏面の前記開口部以外に部分的に突出され,互いに分離独立した複数の突起」が存在するが,前示したところに照らせば,原告のいう「格子状に配置される突条」が「突起」に当 たると認めることはできないし,甲1には,甲1発明におけるパターン開 口部以外の「凹部ではない領域」が,「互いに分離独立した複数の」ものであることの開示はもちろん,その示唆もない。 ⑶ 以上によれば,本件審決において,甲1発明の「凹部ではない領域及び凹部の縁部である領域とを併せた領域における一方の面を基準面として2次電着層12の厚さを超える部分」が,布拭き取り時の引っ掛かりが生じないこ とを理由に,本件発明における「突起」とはいえないとした点は適切でないものの,本件審決が,本件発明と甲1発明との相違点として,甲1発明に「前記マスク本体裏面の前記開口部以外に部分的に突出され,互いに分離独立した複数の突起」が存在しないと認定したことに誤りはなく,本件審決に相違点の看過等の対比の誤りがあるとはいえない。 4 相違点に係る容易想到性についての判断に誤りがある れ,互いに分離独立した複数の突起」が存在しないと認定したことに誤りはなく,本件審決に相違点の看過等の対比の誤りがあるとはいえない。 4 相違点に係る容易想到性についての判断に誤りがあるとの主張について⑴ 甲1発明において,本件発明に係る構造を有するマスクを製造することに対する動機付けの有無についてア甲1発明は,「基板の導電性ボール搭載部の電極の上に形成されているフラックス等がマスクに付着するのを防止するための目的として,基板面 側の開口パターン周辺に凹部が形成されたマスク」(【0002】)の製造方法に係る発明であり,一方,本件発明は,配列用マスクと基板との間の所定の隙間を設けるためのスペーサ(柱状突起)(本件明細書【0002】)の形成がされ,「導電性ボールが振り込まれる側ではなく基板の電極と対向する側となる前記マスク本体裏面の前記開口部以外に部分的に突 出され,互いに分離独立した複数の突起とを備え、前記分離独立した複数の突起の先端部は、その周縁エッジ部が丸味を持ったR形状に形成されて」いる(【請求項1】)ボール配列用マスクの製造方法に係るものである。 すなわち,甲1発明と本件発明とは,製造しようとするマスクの構造が,凹部を形成するものか,突起を形成するものかという点で基本的に異なる。 また,甲1発明は,「ダミーパターンを形成することなしに,安定した厚 みが得られるマスクを提供することを目的とするもの」であり(【0004】),マスク裏面の拭き取りの際に突起先端部の周縁エッジ部に引っ掛かりが生じる問題の解消を目的とする(本件明細書【0004】,【0013】)本件発明とは,その課題や目的も異にしている。したがって,同じマスクとはいえ,両者の相違は実質的に大きなものというべきである。 の解消を目的とする(本件明細書【0004】,【0013】)本件発明とは,その課題や目的も異にしている。したがって,同じマスクとはいえ,両者の相違は実質的に大きなものというべきである。 そして,パターン開口部付近に凹部を形成することを目的とする製造方法に係る発明である甲1発明の当該製造方法を,構造も,製造工程も異なる別個の物(複数の別個独立の突起を有するマスク)の製造に用いることについて,甲1には,記載がないことはもちろん,その示唆もない。 そうすると,甲1には,本件発明に係る構造を有するマスクを製造する ことに対する動機付けとなり得る記載はなく,その課題や目的の違い等に照らし他に動機付けとなり得る事情も認められない。 イ(ア) 原告は,本件審決が,主引用発明である甲1発明を,副引用発明に転用することの動機付けについて判断しているもので,進歩性判断における「動機付け」に関し,副引用発明に主引用発明を適用するという, 実務上確立された判断手法に反する手法を採っていると主張する。 しかし,甲1発明は,基板面側の開口パターン周辺部に凹部が形成されたマスクの製造方法に関する方法の発明であり,一方,甲2ないし8は,複数の別個独立の突起を有するマスクという物の発明である。そもそも甲1発明は,その課題として,パターン開口部周辺に凹部を形成す ることを想定するものであるから,「1次レジスト膜2に1次パターン3を露光する工程」を想定しているが,本件発明にはそのような工程は必要なく,逆に,本件発明は,分離独立した複数の突起形成用のレジスト層を形成する工程を有するが,甲1発明にはそのような工程はない。 このように,甲1発明の製造方法が有する各工程をそのまま用いて,本 件発明により製造するマスクを製造すること 突起形成用のレジスト層を形成する工程を有するが,甲1発明にはそのような工程はない。 このように,甲1発明の製造方法が有する各工程をそのまま用いて,本 件発明により製造するマスクを製造することができないことは明らかで あって,一般に,製造方法は,製造対象物の存在を前提にしてはじめて成り立つものであるから,ある物の製造方法をそのまま用いて,他の物を製造することはそもそも困難であり,そのような動機付けも生じ得ない。この点を考慮することなく,主引用発明である「物の製造方法」によって,副引用発明である「他の物」を製造することが容易想到かどう かを判断すべきであるという原告の主張は失当というほかない。本件審決は,原告主張の判断手法が本件において取り得ないことを前提にしつつ,主引用発明である甲1発明を,副引用発明に転用することの動機付けについても触れたものと解されるから,その判断に誤りはない。 (イ) 原告は,甲1の図1(m)は部分断面図であって,メタルマスク全 体の断面を記載したものではなく,メタルマスクでは,開口部を有する凹部が複数,連続的に形成されることも多く,甲1発明は,結果として突条(枠状)の凸部が形成される発明であるから,甲1発明が凹部を形成する発明であることのみを前提として,甲2ないし8に記載の突起部等と,甲1発明の凹部とは,真逆のものであるとする本件審決の判断は 誤りであると主張する。 しかし,甲1発明において凹部を連続的に形成し,結果として凹部に挟まれるように,凹部より高い部分ができたとしても,本件発明のように意図的に突起を形成する場合と工程が異なることは前記(ア)のとおりであり,両者が同じ意味合いを持つものとはいえない。また,本件発明 における「突起」が,平面的な枠状のものも含むこ 発明のように意図的に突起を形成する場合と工程が異なることは前記(ア)のとおりであり,両者が同じ意味合いを持つものとはいえない。また,本件発明 における「突起」が,平面的な枠状のものも含むことについて,本件明細書には記載も示唆もないことは前記3⑵のとおりである。したがって,本件審決の判断に誤りはない。 ウ原告は,本件審決は,突起部においてはその周縁部と端面の中央部との間に厚みの大きなばらつきが生じることはないから,甲1発明を転用する 動機付けはない旨判断するが,マスクの裏面に配設される突起部の形状や 密集度は,1枚のマスクであってもマスクの部位によって異なるものであり,電鋳においては,被加工面における電流密度が一般的に一様でないこと等から,本件審決の上記判断は誤りであると主張する。 しかし,仮に,マスクの裏面に配設される突起部の電流密度が部位により異なっていたとしても,そのことが,甲2ないし8において,開口パタ ーンと比べると面積が大きいレジスト膜を形成する凹部パターンの周辺部分において,めっきの厚みが厚くなってしまうことに起因するマスク全体の厚みのばらつきが生じることを示すものとはいえず,甲1発明を甲2ないし8に転用すべき動機付けになるものとはいえない。したがって,本件審決の判断に誤りはない。 ⑵ 阻害要因について前記⑴によれば,甲1発明に接した当業者において,本件発明に係る構造を有するマスクを製造することについて動機付けがそもそもないのであるから,本件審決の甲1を主引用例とする進歩性の判断に誤りはないのであるが,なお念のため阻害要因の有無について検討する。 ア前記⑴アのとおり,甲1発明は,「ダミーパターンを形成することなしに,安定した厚みが得られるマスクを提 の判断に誤りはないのであるが,なお念のため阻害要因の有無について検討する。 ア前記⑴アのとおり,甲1発明は,「ダミーパターンを形成することなしに,安定した厚みが得られるマスクを提供することを目的とするもの」であるところ,甲1発明において,凹部ではない領域及び凹部の縁部である領域とを併せた領域における一方の面を基準面として2次電着層12の厚さを超える部分を,上記相違点に係る構成である「互いに分離独立した 複数の突起」とすれば,厚みを有して強度ないし耐久性を保つよう形成されるマスクを,従来技術であるダミーパターンを採用して構成されるマスクと同様に,2次電着層12のみの厚さからなる薄い箇所の面積を増やすことになり,マスクとしての耐久性が低下することは明らかであるから,その採用には阻害要因があるというべきである。 この点原告は,ボール搭載用マスクでは,印刷用マスクと異なり,単に ブラシ等(線状部材)を用いて半田ボールを開口部へ重力により挿入するにすぎないため,マスクにはごく小さなストレスしかかからないから,甲1発明において,本件発明との相違点に係る構成を採用することによる耐久性の低下は阻害要因とはならないと主張する。 しかし,甲1発明の明細書には,導電性ボール搭載用マスクでは耐久性 の低下が問題にならないことを示す記載はなく,むしろ,「例えば第1の金属膜の厚みが非常に薄いマスクの場合は金属膜厚の薄い部分が増えてしまい,マスクとしての耐久性が低下するという問題があった。」(【0004】)等の記載からすれば,導電性ボール搭載用マスクにおいても耐久性の増強が課題と位置づけられていることは明らかである。 また,甲1発明のマスクには,ブラシ等(線状部材)を用いて半田ボールを開口 らすれば,導電性ボール搭載用マスクにおいても耐久性の増強が課題と位置づけられていることは明らかである。 また,甲1発明のマスクには,ブラシ等(線状部材)を用いて半田ボールを開口部へ重力により挿入する段階だけではなく,一体化した1次電着層6と2次電着層12を電鋳母型1から引き剥がすことでマスク15を得る段階があり,さらに,引き剥がしたマスクを搬送等のために取り扱う段階,布拭き取りの段階等の種々の段階においてストレスがかかることが 想定され,耐久性の低下が問題となることは明らかである。 イ原告は,分離独立した突起である方が,基板(ワーク)に対して追随性があり,枠状形状と比較して有利な点があるから,当業者は,耐久力の低下により,直ちに突起形成の採用を諦めるということはないと主張する。 しかし,仮に,分離独立した突起である方が有利な点があるとしても, 原告主張の突起形成を行うと,今度は,前記アのとおり,金属膜厚の薄い部分の増加による耐久性の低下という甲1発明の課題(【0004】)の解決に相反する結果が生じることは明らかである(突起の数を増やしたり,分離独立された「枠状」(突起)という構成(複数の突起により枠を形成するという趣旨と解される。)を採った場合でも,1個の枠状部分に より凹部を形成する構成に比べれば,耐久性が低下することは明らかであ る。)。 そうすると,甲1発明に対して,原告主張の突起形成を行うことには阻害要因があるというべきである。 5 小括以上によれば,本件発明は,甲1発明及び甲2ないし8に記載された事項に 基づいて,当業者が容易に発明し得たものであるということはできず,本件審決の判断に誤りはない。 6 結論以上のとおり,原告主張の取消事由は理由が 甲1発明及び甲2ないし8に記載された事項に 基づいて,当業者が容易に発明し得たものであるということはできず,本件審決の判断に誤りはない。 6 結論以上のとおり,原告主張の取消事由は理由がないから,本件審決を取り消すべき違法は認められない。 したがって,原告の請求は理由がないのでこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第4部 裁判長裁判官菅野雅之 裁判官本吉弘行 裁判官 岡山忠広 (別紙1) 1 【技術分野】【0001】この発明は,導電性ボールを搭載するためのボール配列用マスク及びその製造方法に関するものである。 2 【背景技術】【0002】従来,基板上に複数の貫通孔を有する振込プレート(配列用マスク)を配置し,基板の電極と振込プレート(配列用マスク)の貫通孔とを位置合わせし,複数の貫通孔に導電性ボールを振り込むことで所定の位置に導電性ボールを搭載する ものであって,振込プレート(配列用マスク)の裏面には,振込プレート(配列用マスク)と基板との間の所定の隙間を設けるためのスペーサ(柱状突起)が突設された振込プレート(配列用マスク)が知られている(例えば,特許文献1参照)。 【0004】 従来の配列用マスクでは,マスクをメッキで作製した場合,マスク裏面に突設される柱状突起の先端部の周縁エッジ部が角張った形状となってしまうため, えば,特許文献1参照)。 【0004】 従来の配列用マスクでは,マスクをメッキで作製した場合,マスク裏面に突設される柱状突起の先端部の周縁エッジ部が角張った形状となってしまうため,マスク裏面の汚れや不純物をウエス(布切れ)等で拭き取る際,柱状突起の先端部の周縁エッジ部にウエス等が引っ掛かってしまい,作業性が悪くなるという課題があった。また,メッキにより柱状突起を形成する場合,柱状突起の高さ調整に 高度な技術力を必要とするため,高度の作業を経験,習得した熟練の技術者が必要であった。 【0005】この発明は,上述のような課題を解決するためになされたもので,マスク裏面に突設される突起の先端部の周縁エッジ部をR形状とし,かつ突起の高さ調整に 高度な技術力を必要としないボール配列用マスク及びその製造方法を提供するも のである。 3 【課題を解決するための手段】【0006】この発明に係るボール配列用マスクにおいては,メッキにより形成され,振り込まれた導電性ボールが挿通する複数の開口部が形成されたマスク本体と,メッ キにより形成され,導電性ボールが振り込まれる側ではなく基板の電極と対向する側となるマスク本体裏面の開口部以外に部分的に突出された突起とを備え,突起の先端部は,その周縁エッジ部が丸味を持ったR形状に形成されており,布拭き取り時の引っ掛かりを防止するものである。 【0007】 また,突起の形状は,円柱状,多角形状,連続した突条,間欠的な突条のいずれか一つである。 【0008】また,突起は,一次メッキ層により形成された内部突起と,この内部突起の表面に二次メッキ層により形成され,基板の電極と対向する側となる外部突起とか らなり,マスク本体は,二次メッキ層 8】また,突起は,一次メッキ層により形成された内部突起と,この内部突起の表面に二次メッキ層により形成され,基板の電極と対向する側となる外部突起とか らなり,マスク本体は,二次メッキ層により外部突起と一体的に形成されており,外部突起は,その周縁エッジ部が丸味を持ったR形状に形成されているものである。 【0009】また,メッキにより形成され,振り込まれた導電性ボールが挿通する複数の開 口部が形成されたボール搭載領域及びボール搭載領域間に形成された非搭載領域を有するマスク本体と,メッキにより形成され,導電性ボールが振り込まれる側ではなく基板の電極と対向する側となるマスク本体裏面の開口部以外に部分的に突出された突起とを備え,突起は,一次メッキ層により形成された内部突起と,この内部突起の表面に二次メッキ層により形成され,基板の電極と対向する 側となる外部突起とからなり,非搭載領域は,一次メッキ層により形成された内 部非搭載領域と,この内部非搭載領域の表面に二次メッキ層により形成され,基板の電極と対向する側となる外部非搭載領域とからなり,マスク本体は,二次メッキ層により外部突起及び外部非搭載領域と一体的に形成されており,外部突起は,その周縁エッジ部が丸味を持ったR形状に形成され,外部非搭載領域は,その周縁エッジ部が丸味を持ったR形状に形成されているものである。 【0010】また,この発明に係るボール配列用マスクの製造方法においては,メッキにより形成され,振り込まれた導電性ボールが挿通する複数の開口部が形成されたマスク本体と,メッキにより形成され,導電性ボールが振り込まれる側ではなく基板の電極と対向する側となるマスク本体裏面の開口部以外に部分的に突出され た突起とを備え,突起の先端部は,その されたマスク本体と,メッキにより形成され,導電性ボールが振り込まれる側ではなく基板の電極と対向する側となるマスク本体裏面の開口部以外に部分的に突出され た突起とを備え,突起の先端部は,その周縁エッジ部が丸味を持ったR形状に形成されており,布拭き取り時の引っ掛かりを防止するものであって,SUS母材上に突起形成用のレジスト層を形成する工程と,突起が所定の高さとなるようにSUS母材上にメッキすることにより,一次メッキ層を形成する工程と,一次メッキ層の形成が終わったら,突起形成用のレジスト層を除去する工程と,突起以 外の一次メッキ層を取り除き,SUS母材上に一次メッキ層による突起を残す工程と,SUS母材上の突起間に複数の開口部形成用のレジスト層を形成する工程と,マスク本体が指定の厚さとなるようにSUS母材上及び突起上にメッキすることにより,二次メッキ層を形成する工程と,二次メッキ層の形成が終わったら,複数の開口部形成用のレジスト層を除去する工程と,SUS母材から一次メッキ 層及び二次メッキ層からなる突起とマスク本体のメッキ層を剥離する工程とを備えたものである。 【0011】また,メッキにより形成され,振り込まれた導電性ボールが挿通する複数の開口部が形成されたマスク本体と,メッキにより形成され,導電性ボールが振り込 まれる側ではなく基板の電極と対向する側となるマスク本体裏面の開口部以外 に部分的に突出された突起とを備え,突起は,一次メッキ層により形成された内部突起と,この内部突起の表面に二次メッキ層により形成され,基板の電極と対向する側となる外部突起とからなり,マスク本体は,二次メッキ層により外部突起と一体的に形成されており,外部突起は,その周縁エッジ部が丸味を持ったR形状に形成されるものであって,SU ,基板の電極と対向する側となる外部突起とからなり,マスク本体は,二次メッキ層により外部突起と一体的に形成されており,外部突起は,その周縁エッジ部が丸味を持ったR形状に形成されるものであって,SUS母材上に突起形成用のレジスト層を形成 する工程と,突起が所定の高さとなるようにSUS母材上にメッキすることにより,一次メッキ層による内部突起を形成する工程と,一次メッキ層の形成が終わったら,突起形成用のレジスト層を除去する工程と,内部突起以外の一次メッキ層を取り除き,SUS母材上に一次メッキ層による内部突起を残す工程と,SUS母材上の内部突起間に複数の開口部形成用のレジスト層を形成する工程と,マ スク本体が指定の厚さとなるようにSUS母材上及び内部突起上にメッキすることにより,二次メッキ層による外部突起及びマスク本体を形成する工程と,二次メッキ層の形成が終わったら,複数の開口部形成用のレジスト層を除去する工程と,SUS母材から一次メッキ層からなる内部突起及び二次メッキ層からなる外部突起とマスク本体のメッキ層を剥離する工程とを備えたものである。 【0012】また,メッキにより形成され,振り込まれた導電性ボールが挿通する複数の開口部が形成されたボール搭載領域及びボール搭載領域間に形成された非搭載領域を有するマスク本体と,メッキにより形成され,導電性ボールが振り込まれる側ではなく基板の電極と対向する側となるマスク本体裏面の開口部以外に部分 的に突出された突起とを備え,突起は,一次メッキ層により形成された内部突起と,この内部突起の表面に二次メッキ層により形成され,基板の電極と対向する側となる外部突起とからなり,非搭載領域は,一次メッキ層により形成された内部非搭載領域と,この内部非搭載領域の表面に二次メッキ層により形成 突起の表面に二次メッキ層により形成され,基板の電極と対向する側となる外部突起とからなり,非搭載領域は,一次メッキ層により形成された内部非搭載領域と,この内部非搭載領域の表面に二次メッキ層により形成され,基板の電極と対向する側となる外部非搭載領域とからなり,マスク本体は,二次メ ッキ層により外部突起及び外部非搭載領域と一体的に形成されており,外部突起 は,その周縁エッジ部が丸味を持ったR形状に形成され,外部非搭載領域は,その周縁エッジ部が丸味を持ったR形状に形成されるものであって,SUS母材上に突起形成用のレジスト層及び非搭載領域を形成するレジスト層を形成する工程と,突起及び非搭載領域が所定の高さとなるようにSUS母材上にメッキすることにより,一次メッキ層による内部突起及び内部非搭載領域を形成する工程 と,一次メッキ層の形成が終わったら,突起形成用のレジスト層及び非搭載領域を形成するレジスト層を除去する工程と,内部突起及び内部非搭載領域以外の一次メッキ層を取り除き,SUS母材上に一次メッキ層による内部突起及び内部非搭載領域を残す工程と,SUS母材上の内部突起と内部非搭載領域との間及び内部非搭載領域間に複数の開口部形成用のレジスト層を形成する工程と,マスク本 体が指定の厚さとなるようにSUS母材上,内部突起上及び内部非搭載領域上にメッキすることにより,二次メッキ層による外部突起と外部非搭載領域及びマスク本体を形成する工程と,二次メッキ層の形成が終わったら,複数の開口部形成用のレジスト層を除去する工程と,SUS母材から一次メッキ層からなる内部突起と内部非搭載領域及び二次メッキ層からなる外部突起と外部非搭載領域とマ スク本体のメッキ層を剥離する工程とを備えたものである。 4 【発明の効果】【0013】こ キ層からなる内部突起と内部非搭載領域及び二次メッキ層からなる外部突起と外部非搭載領域とマ スク本体のメッキ層を剥離する工程とを備えたものである。 4 【発明の効果】【0013】この発明によれば,突起の先端部の周縁エッジ部が丸味を持ったR形状に形成されているので,マスク裏面の汚れや不純物をウエス等で拭き取る際,突起の先 端部の周縁エッジ部にウエス等が引っ掛かり,作業性が悪くなるという問題を解消することができる。また,ある程度の作業を習得している者であれば特に高度な技術力を必要としなくても,突起を作製することができるので,熟練技術を必要とせず,誰がやっても同じような形状の突起を得ることができる。 5 【図面の簡単な説明】 【0014】 【図1】この発明の実施例1におけるボール配列用マスクの製造方法を工程順に示す断面図である。 【図2】この発明の実施例1におけるボール配列用マスクの柱状突起を拡大して示す要部断面図である。 【図3】従来のボール配列用マスクの製造方法を工程順に示す断面図である。 【図4】従来のボール配列用マスクの柱状突起を拡大して示す要部断面図である。 【図5】この発明の実施例3におけるボール配列用マスクの製造方法を工程順に示す断面図である。 6 【発明を実施するための形態】 【0015】実施例1. この発明の実施例1におけるボール配列用マスクの製造方法を図1により説明する。 先ず,SUS母材1上にレジストをラミネートし,所要の露光,現像処理を行 い,SUS母材1上に突起形成用のレジスト層2を部分的に形成する(図1(a)参照)。この突起形成用のレジスト層2は,例えば円柱状等であるが,多角形状等でも良く円柱状に限ることはない。次に,例えば円柱状の SUS母材1上に突起形成用のレジスト層2を部分的に形成する(図1(a)参照)。この突起形成用のレジスト層2は,例えば円柱状等であるが,多角形状等でも良く円柱状に限ることはない。次に,例えば円柱状の突起3aが所定の高さ(厚さ)となるようにSUS母材1上の全体にメッキすることにより,一次メッキ層3を形成する(図1(b)参照)。そして,一次メッキ層3の形成が終わ ったら,突起形成用のレジスト層2を除去する(図1(c)参照)。次に,円柱状の突起3a以外の一次メッキ層3を全て取り除き,SUS母材1上に一次メッキ層3による円柱状の突起3aのみを残す(図1(d)参照)。すなわち,ある程度の作業を習得している者であれば特に高度な技術力を必要としなくても,円柱状の突起3aを作製することができる。そして,SUS母材1上に開口部形成 用のレジスト4を貼り(図1(e)参照),所要の露光,現像処理を行い,SU S母材1上の円柱状の突起3a間に複数の開口部形成用のレジスト層4aを形成する(図1(f)参照)。次に,マスク本体が指定の厚さとなるようにSUS母材1上及び円柱状の突起3a上にメッキすることにより,二次メッキ層5を形成する(図1(g)参照)。すなわち,ある程度の作業を習得している者であれば特に高度な技術力を必要としなくても,円柱状の突起3aを作製することがで き,かつその後に,高度な技術力を必要としないマスク本体を作製することがこの発明の特徴である。そして,複数の開口部形成用のレジスト層4aを除去すると,円柱状の突起3a間に導電性ボールが挿通する複数の開口部5aが形成された二次メッキ層5となる(図1(h)参照)。最後に,SUS母材1から一次メッキ層3及び二次メッキ層5からなる円柱状の突起とマスク本体を剥離する(図 1(i)参照 する複数の開口部5aが形成された二次メッキ層5となる(図1(h)参照)。最後に,SUS母材1から一次メッキ層3及び二次メッキ層5からなる円柱状の突起とマスク本体を剥離する(図 1(i)参照)。以上により,この発明のボール配列用マスクが完成する。導電性ボールが挿通する複数の開口部5aが形成された部分がボール搭載領域である。完成したボール配列用マスクの円柱状の突起3aの先端部は,その周縁エッジ部が,図2に示すように,角張った形状ではなく,丸味を持ったR形状となる。 その理由は,一次メッキ層の円柱状の突起3aの周囲に二次メッキ層5が成長す るためと考えられる。したがって,マスク裏面の汚れや不純物をウエス等で拭き取る際,円柱状の突起の先端部の周縁エッジ部にウエス等が引っ掛かり,作業性が悪くなるという問題を解消することができる。また,ある程度の作業を習得している者であれば特に高度な技術力を必要としなくても,円柱状の突起3aを作製することができ,かつその後に,高度な技術力を必要としない配列用マスク本 体を作製することにしているので,熟練技術を必要とせず,誰がやっても同じような形状の円柱状の突起を得ることができる。更に,円柱状の突起3aは強度的に強くなるので,マスク本体から脱落するようなことがない。 【0016】実施例2. 上記実施例1では,SUS母材1上に,中空円柱状の突起形成用のレジスト層 2を部分的に形成することにより,円柱状の突起3aを形成しているが,円柱状の代わりに,例えば細長矩形枠状の突起形成用のレジスト層を連続的に形成することにより,連続した突条を形成しても良いし,細長矩形枠状の突起形成用のレジスト層を間欠的に形成することにより,突条を間欠的に形成しても良い。これにより,完成したボール配列用マ 層を連続的に形成することにより,連続した突条を形成しても良いし,細長矩形枠状の突起形成用のレジスト層を間欠的に形成することにより,突条を間欠的に形成しても良い。これにより,完成したボール配列用マスクの突条の先端部は,その周縁エ ッジ部が,角張った形状ではなく,丸味を持ったR形状となる。 【0017】比較例. この発明と比較するために,従来のボール配列用マスクの製造方法を図3により説明する。 先ず,SUS母材1上に開口部形成用のレジストを貼り,所要の露光,現像処理を行い,SUS母材1上に複数の開口部形成用のレジスト層6aを形成する(図3(a)参照)。次に,マスク本体が指定の厚さとなるようにSUS母材上にメッキすることにより,マスク本体の一次メッキ層7を形成する(図3(b)参照)。すなわち,先ず高度な技術を必要としないマスク本体を作製し ていることが特徴である。そして,マスク本体の一次メッキ層7の上に突起形成用のレジスト8を貼る(図3(c)参照)。次に,所要の露光,現像処理を行い,突起形成用のレジスト層8に円柱状の突起形成用開口部8aを形成する(図3(d)参照)。円柱状の突起9aが所定の高さ(厚さ)となるようにマスク本体の一次メッキ層7上にメッキすることにより,円柱状の突起9aを二 次メッキにより形成する(図3(e)参照)。この工程では,メッキが異常析出するので,特殊な工法が必要となる。そして,突起形成用のレジスト層8から上に飛び出している円柱状の突起9aの先端を削り取る(図3(f)参照)。 この工程での研磨は,高度な技術を必要とする作業となる。すなわち,高度な技術を必要としないマスク本体を作製した後に,高さ調整に高度な技術力を必 要とする円柱状の突起9aを作製していることが従来方法の特徴で 研磨は,高度な技術を必要とする作業となる。すなわち,高度な技術を必要としないマスク本体を作製した後に,高さ調整に高度な技術力を必 要とする円柱状の突起9aを作製していることが従来方法の特徴である。次に, 複数の開口部形成用のレジスト層6a及び突起形成用のレジスト層8を除去する(図3(g)参照)。最後に,SUS母材1からマスク本体の一次メッキ層7及び円柱状の突起9aの二次メッキ層を剥離する(図3(h)参照)。以上により,従来のボール配列用マスクが完成するが,完成した従来のボール配列用マスクの円柱状の突起9aの先端部の周縁エッジ部は,図4に示すように, 角張った形状であるので,マスク裏面の汚れや不純物をウエス等で拭き取る際,円柱状の突起9aの先端部の周縁エッジ部にウエス等が引っ掛かり,作業性が悪くなるという課題がある。また,高度な技術力を必要としないマスク本体を作製した後に,高さ調整に高度な技術力を必要とする円柱状の突起9aを作製しているので,熟練技術が必要であり,作業時間が掛かり過ぎるという課題が あった。更に,円柱状突起9aがマスク本体から脱落し易いという課題があった。 【0018】実施例3. この発明の実施例3におけるボール配列用マスクの製造方法を図5により 説明する。 先ず,SUS母材1上にレジストをラミネートし,所要の露光,現像処理を行い,SUS母材1上に突起形成用のレジスト層2及び非搭載領域を形成するレジスト層22を形成する(図5(a)参照)。この突起形成用のレジスト層2は,例えば中空円柱状等であるが,円柱状に限ることはない。また非搭載領 域を形成するレジスト層22は,例えば矩形枠状である。次に,例えば円柱状の突起3a及び矩形状の非搭載領域33が所定の高さ(厚さ)となるよう 柱状等であるが,円柱状に限ることはない。また非搭載領 域を形成するレジスト層22は,例えば矩形枠状である。次に,例えば円柱状の突起3a及び矩形状の非搭載領域33が所定の高さ(厚さ)となるようにSUS母材1上の全体にメッキすることにより,一次メッキ層3を形成する(図5(b)参照)。そして,一次メッキ層3の形成が終わったら,突起形成用のレジスト層2及び非搭載領域を形成するレジスト層22を除去する(図5(c) 参照)。次に,円柱状の突起3a及び矩形状の非搭載領域33以外の一次メッ キ層3を全て取り除き,SUS母材1上に一次メッキ層3による円柱状の突起3a及び矩形状の非搭載領域33を残す(図5(d)参照)。すなわち,ある程度の作業を習得している者であれば特に高度な技術力を必要としなくても,円柱状の突起3a及び矩形状の非搭載領域33を作製することができる。そして,SUS母材1上に開口部形成用のレジスト4を貼り(図5(e)参照), 所要の露光,現像処理を行い,SUS母材1上の円柱状の突起3aと矩形状の非搭載領域33との間及び矩形状の非搭載領域33間に複数の開口部形成用のレジスト層4aを形成する(図5(f)参照)。次に,マスク本体が指定の厚さとなるようにSUS母材1上,円柱状の突起3a上及び矩形状の非搭載領域33上にメッキすることにより,二次メッキ層5を形成する(図5(g)参照)。 すなわち,ある程度の作業を習得している者であれば特に高度な技術力を必要としなくても,円柱状の突起3a及び矩形状の非搭載領域33を作製することができ,かつその後に,高度な技術力を必要としないマスク本体を作製することがこの発明の特徴である。そして,複数の開口部形成用のレジスト層4aを除去すると,円柱状の突起3aと矩形状の非搭載領域33との間及び ,かつその後に,高度な技術力を必要としないマスク本体を作製することがこの発明の特徴である。そして,複数の開口部形成用のレジスト層4aを除去すると,円柱状の突起3aと矩形状の非搭載領域33との間及び矩形状の 非搭載領域33間に導電性ボールが挿通する複数の開口部5aが形成された二次メッキ層5となる(図5(h)参照)。最後に,SUS母材1から一次メッキ層3及び二次メッキ層5からなる円柱状の突起と矩形状の非搭載領域33とマスク本体を剥離する(図5(i)参照)。導電性ボールが挿通する複数の開口部5aが形成された部分がボール搭載領域である。以上により,この発明の ボール配列用マスクが完成する。完成したボール配列用マスクの円柱状の突起3aの先端部は,その周縁エッジ部が,図2に示すように,角張った形状ではなく,丸味を持ったR形状となる。その理由は,一次メッキ層の円柱状の突起3aの周囲に二次メッキ層5が成長するためと考えられる。したがって,マスク裏面の汚れや不純物をウエス等で拭き取る際,円柱状の突起の先端部の周縁 エッジ部にウエス等が引っ掛かり,作業性が悪くなるという問題を解消するこ とができる。また,矩形状の非搭載領域33の周縁エッジ部も丸味を持ったR形状となる。また,ある程度の作業を習得している者であれば特に高度な技術力を必要としなくても,円柱状の突起3a及び非搭載領域33を作製することができ,かつその後に,高度な技術力を必要としない配列用マスク本体を作製することにしているので,熟練技術を必要とせず,誰がやっても同じような形 状の円柱状の突起及び非搭載領域33を得ることができる。更に,円柱状の突起3aは強度的に強くなるので,マスク本体から脱落するようなことがない。 また,非搭載領域33の強度も強くなる。 【0019】 状の円柱状の突起及び非搭載領域33を得ることができる。更に,円柱状の突起3aは強度的に強くなるので,マスク本体から脱落するようなことがない。また,非搭載領域33の強度も強くなる。 実施例4. 上記実施例3では,ボール配列用マスクの製造方法について説明したが,ボール配列用マスクに限らず,それ以外の印刷用マスクにも適用することができる。すなわち,印刷用マスクにあっては,導電性ボールが挿通する複数の開口部5aが形成されたボール搭載領域は印刷パターンが形成された印刷パターン領域となり,非搭載領域は印刷パターンが形成されていない非パターン領域となるものである。この印刷用マスクの場合は,円柱状の突起3aを作製しなくても良い。 符号の説明 1 SUS母材 2 突起形成用のレジスト層 3 一次メッキ層3a 円柱状の突起 4 開口部形成用のレジスト4a 複数の開口部形成用のレジスト層 5 二次メッキ層(マスク本体) 6a 複数の開口部形成用のレジスト層 7 一次メッキ層(マスク本体) 8 突起形成用のレジスト8a 円柱状の突起形成用開口部9a 二次メッキ層(円柱状の突起) 22 非搭載領域を形成するレジスト層 33 矩形状の非搭載領域 特許請求の範囲 請求項1 パターン開口部周辺に凹部が形成されたマスクにおいて,マスクの凹部および 【図5】 (別紙2) 1 【特許請求の範囲】【請求項1】パターン開口部周辺に凹部が形成されたマスクにおいて,マスクの凹部およびパターン開口部を1種類の電着層で形成したことで,凹部の縁部が下方に向かって 略円弧状に形成されることにより凹部の縁部の突出を抑え,厚みを安定させたことを特徴とするマスク。 【請求項2】電鋳母型を用意し,次いで前記電鋳母型上に1次パターンレジスト膜を形成し,次いで前記電鋳母型上の前記1次パターンレジスト膜が形成された領域を除い て1次電着層を形成し,次いで前記電鋳母型上の前記1次パターンレジスト膜と前記電鋳母型上の前記1次電着層で形成された捨て電着層を除去し,次いで前記1次電着層が形成された電鋳母型上に2次パターンレジスト膜を形成し,次いで前記1次電着層が形成された電鋳母型上の前記2次パターンレジスト膜が形成された領域を除いて2次電着層を形成し,次いで前記2次パターンレジスト膜を 除去し,次いで前記電鋳母型から前記1次電着層と前記2次電着層を一体に剥離して作製したことを特徴とする,凹部の縁部の突出を抑え,厚みを安定させたマスクの製造方法。 2 【技術分野】【0001】 本発明は,スクリーン印刷用マスクや導電性ボール搭載用マスクといった各種マスクに用いられるマスクおよびその製造方法に関するものである。 3 【背景技術】【0002】従来より,スクリーン印刷用マスクにおいては印刷時のペーストの塗布量の調 整等を目的として,基板といった被印刷物と対向する面の反対面であるスキージ 面側の開口パターン周辺部に凹部が形成されたマスクが使用されている。また,導電性ボール搭載用マスクにおいては,基板 整等を目的として,基板といった被印刷物と対向する面の反対面であるスキージ 面側の開口パターン周辺部に凹部が形成されたマスクが使用されている。また,導電性ボール搭載用マスクにおいては,基板の導電性ボール搭載部の電極の上に形成されているフラックス等がマスクに付着するのを防止するための目的として,基板面側の開口パターン周辺部に凹部が形成されたマスクが使用されている。 凹部の形成方法としては,凹部を形成する部分以外をレジスト膜等で被覆したマスクを用意し,塩化第二鉄といったエッチング液で凹部形成部分を所望の厚みまで腐食することによって凹部を形成する,いわゆるエッチング法が使用されてきた。 しかしながら,前記エッチング法ではエッチング量,すなわち深さ方向の制御 が難しいため,凹部の底部の厚みを所望の厚みに仕上げるのは非常に困難で,殊に凹部の底部の厚み精度が要求される場合は熟練の作業が必要であった。 そこで,近年ではエッチング法の代替法として,電気めっき法を複数回行うことによって凹部を形成するマスクの作製技術が発明されている。…前記製造方法では凹部14を電気めっき法による一次電着層6で形成するた め,エッチング法で製造するマスクでは困難であった凹部14の底部の厚み制御がし易くなり,所望の厚みを得られやすいという利点がある。 しかしながら,2次電着層12の厚みを含めたマスク15の厚みに関しては,2次電着層12の凹部14形成時に凹部14の縁部のめっきの厚みが厚くなって突出部13が発生するため,エッチング法よりも厚みのばらつきが大きい,す なわち厚みの安定性がないという問題があった。 電気めっき法では,めっきの析出速度は電流密度によって決まり,電流密度が大きいほど析出速度が増す。よって,絶 りも厚みのばらつきが大きい,す なわち厚みの安定性がないという問題があった。 電気めっき法では,めっきの析出速度は電流密度によって決まり,電流密度が大きいほど析出速度が増す。よって,絶縁物であるレジスト膜で覆われた部分の周辺部では,導電性の面の面積が小さくなってしまうために電流が集中して電流密度が高くなる。すなわち,レジスト膜で覆われている部分の周辺部はめっき膜 が厚くなるため,開口パターンと比べると面積が大きいレジスト膜を形成する凹 部パターンの周辺部分は,めっきの厚みが厚くなってしまう。 マスク全体の厚みのばらつきが大きいと,スクリーン印刷用マスクにおいては印刷ペーストの塗布量のばらつきが発生し易くなり,導電性ボール搭載用マスクにおいては導電性ボールの搭載不良が発生し易くなるといった問題が発生する。 よって,マスクとしては凹部の底部の厚みの安定性と,マスクの厚みの安定性が 要求されている。 そこで,上記の問題を解決する手段として,スクリーン印刷版の従来技術としては,メッシュ部が形成されている第1の金属膜と,該第1の金属膜上にある印刷パターンに相当する形状の印刷孔を有する第2の金属膜とが一体化しているスクリーン印刷版において,前記第1の金属膜の膜厚が30μm以下であり,前 記第2の金属膜の膜厚を均一化するためのダミー孔が前記第2の金属膜上の前記印刷孔が配置されている領域の周囲に設けられていることを特徴とするスクリーン印刷版(例えば,特許文献1参照),またボール搭載型の印刷版の従来技術としては,印刷部開口を有する第1のマスク層と,印刷パターンに対応した印刷パターン開口を有する第2のマスク層とが積層されたマスクであり,上記第1 のマスク層は,上記印刷パターン開口の略全面に重ねて形成された印 開口を有する第1のマスク層と,印刷パターンに対応した印刷パターン開口を有する第2のマスク層とが積層されたマスクであり,上記第1 のマスク層は,上記印刷パターン開口の略全面に重ねて形成された印刷部開口を有する印刷部と,印刷部開口を有さない非印刷部とを有し,上記第2のマスク層は,上記印刷パターン開口に加えて上記第1のマスク層の上記非印刷部と重なる部分にダミーの開口を有することを特徴とするマスク(例えば,特許文献2参照)が存在している。 4 【発明が解決しようとする課題】【0004】前記従来技術は,特許文献1,特許文献2共に印刷板の厚み精度を上げる技術であるが,共に印刷板を成形する中途段階で開口部パターンの周囲にダミーパターンを形成して,板厚のバラツキを減少させ,メッキ後の印刷版の板厚精度を上 げる手法を採用しているが,本来必要のない部分にもダミーパターンを形成しな ければならないため,ダミーパターンがないマスクと比較すると第1の金属のみの部分が多くなってしまう。 すると,例えば第1の金属膜の厚みが非常に薄いマスクの場合は金属膜厚の薄い部分が増えてしまい,マスクとしての耐久性が低下するという問題があった。 また,上記先行技術をペースト塗布量を調整するスクリーン印刷用マスクとし て使用する場合,凹部をスキージ面側に形成するため,多数のダミーパターンもスキージ面に形成することになる。そのようなマスクを使用して実際にペーストを印刷すると,ペーストがダミーパターンの凹部に入り込んでしまい,ペーストの使用量が増えたり,マスクの洗浄が煩雑になるという問題があった。 さらに,プリント基板といった被印刷物に半田ペーストを印刷するためのスク リーン印刷用マスクの一部の開口部のペーストの塗布量を調整 が増えたり,マスクの洗浄が煩雑になるという問題があった。 さらに,プリント基板といった被印刷物に半田ペーストを印刷するためのスク リーン印刷用マスクの一部の開口部のペーストの塗布量を調整するために凹部を形成する場合において,ペーストの突出量を調整したい開口パターン近部に塗布量を調整しない開口パターンがある場合は,ダミーパターン自体を形成することができないという問題があった。 そこで,本発明は上記問題点を解決しつつ,ダミーパターンを形成することな しに,安定した厚みが得られるマスクを提供することを目的とするものである。 5 【課題を解決するための手段】【0005】上記の目的を達成することができる本発明の第1発明は,請求項1に記載された通りのマスクであり,次のようなものである。 パターン開口部周辺に凹部が形成されたマスクにおいて,マスクの凹部およびパターン開口部を1種類の電着層で形成したことで,凹部の縁部が下方に向かって略円弧状に形成されることにより凹部の縁部の突出を抑え,厚みを安定させた構成である。 6 【発明の効果】 【0007】 本発明に係るマスク及びマスクの製造方法は,上記説明のような構成を有するので,以下に記載する効果を奏する。 (1)電鋳法で作製するため,凹部の底部の厚み制御がし易い。 (2)製造工程に捨て電着層を採用し,さらに2次電着層で開口パターンおよび凹部を形成しているので,マスク全体の厚みのばらつきが抑えられる。 (3)ダミーパターンを形成する必要がないので,ダミーパターンDATA作成作業を削減できる。 (4)マスクにダミーパターンがないので,ダミーパターンが形成してあるマスクと比較すると,マスクとしての耐久性が向上する。 必要がないので,ダミーパターンDATA作成作業を削減できる。 (4)マスクにダミーパターンがないので,ダミーパターンが形成してあるマスクと比較すると,マスクとしての耐久性が向上する。 (5)マスクにダミーパターンがないので,ダミーパターンが形成してあるマ スクと比較すると,ペーストの使用量が少なくて済み,さらにマスクの洗浄もし易くなる。 7 【図面の簡単な説明】【0008】【図1】本発明の特徴であるマスクの製造方法の一実施例を示す概略製造工程説 明図である。 【図2】従来のマスクの製造方法を示す製造工程説明図である。 8 【発明を実施するための形態】【0009】パターン開口部周辺に凹部が形成されたマスクにおいて,マスクの凹部および パターン開口部を1種類の電着層で形成し,凹部の縁部を下方に向かった略円弧状に形成して凹部の縁部の突出を抑えたことで,厚みを安定させたマスクである。 【実施例】【0010】 以下,図面を用いて本発明の一実施例に関して説明する。 図1に基づいて本発明のマスクの製造方法の一実施例について説明する。 先ず,図1(a)に示すように,導電性の電鋳母型1を用意する。 使用する導電性の電鋳母型1としてはSUS301やSUS304といったステンレス材が好適であるが,鉄,銅,ニッケル合金,アルミニウムといった金属材料も用いることもできる。さらに,ガラス板や樹脂フィルム等に例えばニッケ ル,クロム,ITO(IndiumTinOxide)膜といった導電性被膜を付与したものを電鋳母型として用いることもできる。 また,必要に応じて導電性の電鋳母型に表面処理を行っても構わない。 ここでいう表面処理とは後に施すレジストの密着性を向上や った導電性被膜を付与したものを電鋳母型として用いることもできる。 また,必要に応じて導電性の電鋳母型に表面処理を行っても構わない。 ここでいう表面処理とは後に施すレジストの密着性を向上や,電鋳被膜の外観を向上させる等の目的で行うものであり,上述の目的を達成するのであればどの ような処理を施しても構わないが,例えばバフ研磨といった物理的処理や,塩酸処理といった化学的な処理や,それらを複合した処理を行う。また,アルカリ電解脱脂等の脱脂処理を加えてもよい。 【0011】図1(b)に示すように,電鋳母型1に感光性の1次レジスト膜2を形成する。 感光性の1次レジスト膜2を形成する方法としては,ドライフィルムレジストといったフィルム状の感光性レジストを既存のラミネータを使用してラミネートするといった方法や,液状の感光性レジストをロールコータやスピンコータ,バーコータやカーテンコータ,ディップコータといった既存の液状レジスト塗布装置を使用して電鋳母型1上に成膜するといった方法があるが,何れの方法を使 用しても構わない。感光性レジストには大別してネガタイプとポジタイプが存在するが,どちらのタイプの感光性レジストを使用しても構わない。 ただし,感光性レジストの厚みに関しては,後の工程で行う1次電着層の厚みよりも厚くするのが好ましい。 ここでは,ネガタイプのドライフィルムレジストを既存のラミネータ装置を使 用してステンレス材の電鋳母型1にラミネートする。 【0012】図1(c)に示すように,1次レジスト膜2に1次パターン3を露光する。1次パターン3は本発明のマスクにおける凹部4を形成するためのパターンである。この1次パターン3は後の工程にて形成する1次電着層6の厚みを安定させるた ,1次レジスト膜2に1次パターン3を露光する。1次パターン3は本発明のマスクにおける凹部4を形成するためのパターンである。この1次パターン3は後の工程にて形成する1次電着層6の厚みを安定させるため,捨て電着層7を形成するようなパターンとする。ここで捨て電着層7を 形成するパターンとは,例えばある大きさで凹部形状を形成する場合,その仕上がりに合わせてレジスト膜を形成するのではなく,例えば凹部4の仕上がりに合せた大きさの輪郭形状のみをレジスト膜で形成するといったものである。輪郭形状のみをレジスト膜で形成するため,レジスト膜で囲まれた内側部分には電着層,いわゆる捨て電着層7が形成されるが,凹部形状全体をレジスト膜で形成す る場合と比較して,電気めっき時の電流密度の粗密さによる電着層の厚みのばらつきを抑えるという効果がある。 露光方法に関しては,ガラスやフィルムといった素材の1次パターン3が形成されたフォトマスクを1次レジスト膜2に密着させた後に超高圧水銀灯やメタルハライドランプといった紫外線を発生する光源を使用して1次レジスト膜2 に紫外線を照射しても良いし,半導体レーザや超高圧水銀灯を光源に持つ直接描画装置を使用して,前記フォトマスクを使用せずに1次レジスト膜2に1次パターン3を直接描画しても構わない。 なお,密着露光用のフォトマスクや描画パターンはレジストのタイプに合わせてネガパターンかポジパターンかを選択して使用する。 ここでは,大日本スクリーン製造社製直接描画装置LI-8500を使用して,1次パターン3を直接1次レジスト膜2に描画する。 【0013】図1(d)に示すように,1次パターン3を描画した1次レジスト膜2を現像,乾燥し,1次パターンレジスト膜5を形成した。 ここで 3を直接1次レジスト膜2に描画する。 【0013】図1(d)に示すように,1次パターン3を描画した1次レジスト膜2を現像,乾燥し,1次パターンレジスト膜5を形成した。 ここではネガタイプのレジストを使用しているため,前記直接描画装置で描画 した部分のレジストが残り,1次パターンレジスト膜5を形成している。 【0014】図1(e)に示すように,1次パターンレジスト膜5を形成した電鋳母型1を例えばスルファミン酸ニッケルめっき浴の電鋳層に移し,例えばニッケルあるいはニッケルを主成分とする合金などの電鋳を行って,電鋳母型1の1次パターン レジスト膜5で覆われていない表面に1次電着層6を形成する。1次電着層6の表面状態は光沢面でも半光沢面でも無光沢面でも構わない。また,表面硬度といった表面状態以外のめっき特性に関しても特に制限はないものとする。1次パターンレジスト膜5は捨て電着層7を形成しているため,厚みばらつきが抑えられた1次電着層6を形成することができる。なお,本製造方法では1次電着層6の 厚みはすなわち図1(l)に示す凹部14の深さとなるため,凹部14の深さに合わせて1次電着層6の厚みを調整する。 【0015】図1(f)(g)に示すように,1次パターンレジスト膜5および捨て電着層7を剥離する。工程図においては1次パターンレジスト膜5を剥離した後に,捨 て電着層7を剥離しているが,先に捨て電着層7を剥離してから1次パターンレジスト層5を剥離しても構わないものとする。1次パターンレジスト膜5は既存のレジスト剥離処理等で剥離すればよく,捨て電着層7は,例えば手や治具を使用して電鋳母型1から剥離すればよいものである。 【0016】 次いで,図1(h)に示すように,1次電着層6 存のレジスト剥離処理等で剥離すればよく,捨て電着層7は,例えば手や治具を使用して電鋳母型1から剥離すればよいものである。 【0016】 次いで,図1(h)に示すように,1次電着層6が形成された電鋳母型1上に感光性の2次レジスト膜を成膜する。このときに使用するレジストは1次レジスト膜2の形成に使用するレジスト同様にどのようなレジスト及び形成方法を用いても構わないが,2次レジスト膜8は1次電着層6が形成された電鋳母型1の電鋳母型表面,すなわち1次パターンレジスト膜5および捨て電着層7を剥離し た部分に形成することを目的とする。つまり,電鋳母型露出部4に2次レジスト 膜8を形成しなければならないため,例えば,後の工程にて2次レジスト膜8に形成するパターンが電鋳母型露出部4の縁部付近にある場合においては,電鋳母型露出部4の縁部にまで2次レジスト膜8を形成できるように,液状レジストを使用したり,ドライフィルムレジストを使用する場合は真空ラミネータといった装置を使用したり2次レジスト膜8を形成するのが好ましい。 なお,2次レジスト膜8の厚みに関しては,後の工程で凹部14を形成する電着層の厚みよりも厚いレジストを使用するのが好ましい。 ここでは,ネガタイプのドライフィルムレジストを既存のラミネータ装置を使用して1次電着層6が形成された電鋳母型1上にラミネートする。 【0017】 次いで,図1(i)に示すように,2次レジスト膜8に開口部となる2次パターン10を露光する。このとき,2次パターン10の位置がズレないように,例えば1次電着層6が形成された電鋳母型1上にある図示しない位置合わせマーク等を使用して,1次電着層6が形成された電鋳母型1と2次パターン10の位置合わせを行ってから露光するのが好 ズレないように,例えば1次電着層6が形成された電鋳母型1上にある図示しない位置合わせマーク等を使用して,1次電着層6が形成された電鋳母型1と2次パターン10の位置合わせを行ってから露光するのが好ましい。露光方法に関しては1次パターン 3形成時に使用する露光方法同様にどのような方法を用いても構わないが,2次パターン10は電鋳母型露出部4に形成してある2次レジスト膜8に露光しなければならないため,1次電着層6が厚い場合はガラスやフィルムといった素材のフォトマスクを電鋳母型露出部4に形成してある2次レジスト膜8に密着させて露光するのは困難である。よって,2次パターン10の露光には半導体レー ザや超高圧水銀灯を光源に持つ直接描画装置を使用し,2次パターン10を直接2次レジスト膜8に描画するのが好ましい。 ここでは,大日本スクリーン製造社製直接描画装置LI-8500にて,前記直接描画装置に付属しているアライメントマーク認識装置を用いて,1次電着層6が形成された電鋳母型1上にある図示しないアライメントマークを使用して 位置合わせを行ってから,2次パターン10を2次レジスト膜8に直接描画す る。 【0018】次いで,図1(j)に示すように,2次パターン10を描画した2次レジスト膜8を現像,乾燥し,2次パターンレジスト膜11を形成した。 ここではネガタイプのフォトレジストを使用しているため,前記直接描画装置 で描画した部分のレジストが残り,2次パターンレジスト膜11を形成している。 【0019】次いで,図1(k)に示すように,2次パターンレジスト膜11を形成した1次電着層6が形成された電鋳母型1を例えばスルファミン酸ニッケルめっき浴 の電鋳槽に移し,ニッケルあるいはニッケルを主成分とする合 図1(k)に示すように,2次パターンレジスト膜11を形成した1次電着層6が形成された電鋳母型1を例えばスルファミン酸ニッケルめっき浴 の電鋳槽に移し,ニッケルあるいはニッケルを主成分とする合金等の電鋳を行って,1次電着層6が形成された電鋳母型1における2次パターンレジスト膜11で覆われていない部分に2次電着層12を形成する。得られる2次電着層12の表面状態は光沢面でも半光沢面でも無光沢面でも構わない。また,表面硬度といった表面状態以外のめっき特性に関しても特に制限はないものとする。さらに, 1次電着層6と2次電着層12は異なるめっき特性,すなわち,表面状態,表面硬度,電鋳めっきの種類等が異なっていても構わない。なお,必要に応じて1次電着層6への2次電着層12の密着性を向上させる目的として,1次電着層6が形成された電鋳母型1に塩酸処理といった化学的な表面処理を行ってもよい。2次電着層12の厚みは凹部14の厚みとなるため,凹部14の厚さに合わせて2 次電着層12の厚みを調整する。 【0020】次いで,図1(l)乃至(m)に示すように,2次パターンレジスト膜11を既存のレジスト剥離処理等で剥離した後,一体化した1次電着層6と2次電着層12を電鋳母型1から引き剥がすことでマスク15が得られる。なお,工程図に おいては2次パターンレジスト膜11を剥離した後に一体化した1次電着層6 と2次電着層12を電鋳母型1から引き剥がしているが,先に一体化した1次電着層6と2次電着層12を電鋳母型1から引き剥がしてから2次パターンレジスト層11を剥離してマスク15としても構わない。 【0021】以上の工程により,本製造方法では凹部14およびパターン開口部9を2次電 着層12で形成するため,凹部14の縁部が突 ンレジスト層11を剥離してマスク15としても構わない。以上の工程により,本製造方法では凹部14およびパターン開口部9を2次電着層12で形成するため,凹部14の縁部が突出しないので,厚みが安定したマスク15を得ることができる。
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