令和7年2月27日判決言渡令和6年(行ケ)第10091号審決取消請求事件口頭弁論終結日令和7年1月16日判決 原告応用技術株式会社 同訴訟代理人弁理士三ツ井一真 被告特許庁長官 同指定代理人渡邉あおい同山田啓之同阿曾裕樹 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求特許庁が不服2023-8403号事件について令和6年9月4日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要 1 本件は、商標登録出願の拒絶査定に対する不服審判請求について、特許庁が請求不成立とした審決の取消しを求める事案である。争点は、出願に係る商標の商標法4条1項11号該当性である。 2 特許庁における手続の経過等 ⑴ 原告は、令和4年7月15日、別紙1「本願商標」記載1の構成から成り、 同別紙記載2の第9類及び第42類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務とする商標(以下「本願商標」という。)について商標登録出願(商願2022-82533)をした(甲2)。 ⑵ 原告は、令和5年4月11日付けで拒絶査定を受けたことから、同年5月23日、拒絶査定不服審判請求(以下「本件審判請求」という。)をした (甲6)。 ⑶ 特許庁は、これを不服2023-8403号事件として審理し、令和6年9月4 絶査定を受けたことから、同年5月23日、拒絶査定不服審判請求(以下「本件審判請求」という。)をした (甲6)。 ⑶ 特許庁は、これを不服2023-8403号事件として審理し、令和6年9月4日、請求不成立の審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は、同月17日に原告に送達された。 ⑷ 原告は、令和6年10月9日、本件審決の取消しを求めて本件訴訟を提起 した。 3 引用商標登録第5071069号商標(平成18年11月15日登録出願、平成19年8月17日設定登録。以下「引用商標」という。)は、別紙2「引用商標」記載1のとおりの構成から成り、同別紙記載2の第9類及び第42類に属する 商品及び役務を指定商品及び指定役務とする(甲1、乙1)。 4 本件審決の理由の要旨⑴ 本願商標と引用商標の類否についてア本願商標は、 の欧文字、記号及び図形等から成り、その構成文字に相応して「コネクトワン」の称呼を生じ、特定の観念を生じ ないものである。 イ引用商標は、「コネクトワン」の文字を標準文字にて表して成り、その構成文字に相応して「コネクトワン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 ウ本願商標と引用商標は、外観において相違し、観念において比較するこ とができないとしても、「コネクトワン」の称呼を共通にするものであり、 また、外観上の相違が強い印象を与えるものではないから、外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標というのが相当である。 ⑵ 本願商標と引用商標の各指定商品及び指定役務の類否について 別紙「本願商標と引用商標の各指定商品及び 、商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標というのが相当である。 ⑵ 本願商標と引用商標の各指定商品及び指定役務の類否について 別紙「本願商標と引用商標の各指定商品及び指定役務の類否について」のとおり、本願商標の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一の役務(同別紙ク、コ)、類似の商品(同別紙イ)、同一又は類似の商品(同別紙ア、ウ、エ、オ)、同一又は類似の役務(同別紙カ、キ、ケ、サ、シ、ス)である。 ⑶ よって、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似する商品及び役務であるから、商標法4条1項11号に該当する。 第3 審決取消事由に関する当事者の主張 1 原告の主張 以下のとおり、本願商標の商標法4条1項11号該当性を認めた本件審決の判断には誤りがある。 ⑴ 本願商標ドメイン名「.one」は、平成27年以降存在し、本件審決時には一般的に認識されていたから、本願商標の文字部分の構成から「コネクトドットワン」 の称呼が生じ得る。 ⑵ 本願商標と引用商標の類否本願商標は、共通のデザイン(電源ボタンをモチーフにした図形)の配置・商標全体を構成する丸みを帯びたデザイン・赤色円及び灰色円の配置・赤色系及び灰色系の配色の統一性により、全体的に統一したイメージで構成さ れており、文字部分が商標全体において埋没し、文字部分のみが出所識別標 識として強く支配的な印象を与えるものではない。需要者は、本願商標を商標全体として渾然一体に認識・記憶するから、全体観察した外観により類否判断をするべきである。 仮に本願商標と引用商標とが称呼「コネクトワン」で共通する を与えるものではない。需要者は、本願商標を商標全体として渾然一体に認識・記憶するから、全体観察した外観により類否判断をするべきである。 仮に本願商標と引用商標とが称呼「コネクトワン」で共通する場合があるとしても、本願商標を全体観察した場合の外観は引用商標と比較して顕著な 差異がある。 最近増加しているインターネット上の取引の実情においても、需要者は、称呼による識別力を判断基準とする割合と同等又はそれ以上に、外観による識別力を判断基準とする割合が増加している。 そうすると、本願商標と引用商標は、外観に顕著な差異があり、称呼「コ ネクトワン」が共通するとしても、「コネクトワン」は造語で特定の観念が生じず、両者の観念を比較することはできない。したがって、本願商標と引用商標は、称呼の共通性を凌駕する程度に外観による顕著な差異があり、需要者において取り違えるおそれはない。 よって、指定商品及び指定役務の類似性を判断するまでもなく、両商標は 非類似である。 2 被告の主張以下のとおり、本願商標の商標法4条1項11号該当性を認めた本件審決の判断に誤りはない。 ⑴ 本願商標 本願商標は、左側に、上部を欠いた円弧(灰色)及びその切り欠き部分に縦に並んだ3つの小円(赤色)を組み合わせた図形を表し(以下「左側図形部分」ともいう。)、右側に、「ConnecT.one」の欧文字及び記号(「C」と「T」の文字の間に3つの灰色の小円を横並びに配し、「.」は赤色とし、末尾の「e」の横線部は3つの赤色の小円で代替してなる。) を表して(以下「右側文字部分」ともいう。)なる。左側図形部分は、何ら かの事物や客体を描いてなるとは看取することができず、独立した称呼、観念は生じないため、右側文字部分とは称呼、 を表して(以下「右側文字部分」ともいう。)なる。左側図形部分は、何ら かの事物や客体を描いてなるとは看取することができず、独立した称呼、観念は生じないため、右側文字部分とは称呼、観念上の関連性はない。また、それらは間隔を空けて、視覚上分離、独立した構成要素との印象を与える態様で配置されているから、分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているものではない。 本願商標の構成中、「ConnecT.one」の文字部分は、「…をつなぐ」を意味する英語「Connect」、「1」を意味する英語「one」を、間に通常は特段発音されない「終止符(ピリオド)」を示す記号「.」を配して、共通の書体で間隔なく横一列にまとまりよく表示してなり、全体として具体的な意味を有する成語とはならず、各語の語義を結合した意味も 漠然としているから、構成文字全体としては「コネクトワン」と発音できる一連一体の造語を表してなると理解することができる。さらに、文字部分は、一部図案化や装飾図形などにより視覚上目立つように表されているから、出所識別標識たる構成要素として強い印象を与えるものである。 そうすると、本願商標の構成中「ConnecT.one」の文字部分が、 構成全体の中で図形部分から分離独立した唯一の文字部分として、取引者・需要者に商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、それ以外の構成部分から出所識別標識としての称呼、観念は生じないから、文字部分を要部として抽出し、引用商標と比較して商標の類否を判断することができる。したがって、本願商標は、その要部に相応し「コネク トワン」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。 ⑵ 引用商標引用商標の構成中「 比較して商標の類否を判断することができる。したがって、本願商標は、その要部に相応し「コネク トワン」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。 ⑵ 引用商標引用商標の構成中「コネクト」の文字部分は「…をつなぐ」を意味する英語「Connect」に、「ワン」の文字部分は「1」を意味する英語「one」に通じるものの、構成文字全体として具体的な意味を有する成語とは ならず、各語の語義を結合した意味も漠然としているから、引用商標は、構 成文字に相応し「コネクトワン」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。 ⑶ 本願商標と引用商標の類否本願商標の要部「ConnecT.one」と引用商標を比較すると、外観では、構成文字の文字種(欧文字と片仮名)や「.」の有無などの差異があるが、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を変更して表 記することは一般的であり、「.」も小さく表記され、特段発音される記号ではないから、それらが外観上の顕著な差異として強い印象を与えるものではない。そのため、両商標は「コネクトワン」と発音できる造語を表してなる点で、外観から記憶される印象において共通する。また、両商標は、称呼において「コネクトワン」を共通にし、観念において、いずれも特定の観念 を生じないから、比較することはできない。 そうすると、本願商標の要部と引用商標は、観念において比較することができず、称呼において紛らわしく、外観から記憶される印象において共通し、顕著な差異はないから、取引者・需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、同一又は類似の商品又は役務に使用するときは出 所について誤認混同を生じるおそれがあり、両商標は類似する。 ⑷ 本願商標と引用商標の各 える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、同一又は類似の商品又は役務に使用するときは出 所について誤認混同を生じるおそれがあり、両商標は類似する。 ⑷ 本願商標と引用商標の各指定商品及び指定役務の類否本願商標の指定商品及び指定役務中、別紙1「本願商標」記載2の第9類の指定商品は、引用商標の指定商品及び指定役務中、別紙2「引用商標」記載2の第9類の指定商品と同一又は類似の商品を含む。 本願商標の指定商品及び指定役務中、別紙1「本願商標」記載2の第42類の指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務中、別紙2「引用商標」記載2の第42類の指定役務と同一又は類似の役務を含む。 第4 当裁判所の判断当裁判所も、本願商標は引用商標と類似する商標であり、本願商標及び引用 商標に係る各指定商品及び各指定役務の同一性又は類似性も認められるから、 商標法4条1項11号に該当すると判断する。その理由は、次のとおりである。 1 商標の類似性の判断枠組みについて原告は、本願商標は引用商標と類似しないから、これが類似するなどとして本願商標の商標法4条1項11号該当性を認めた本件審決の判断には誤りがあると主張する。 そこで検討すると、商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の役務に使用された場合に、商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品又は役務に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、しかもその商品又は役務 の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である(最高裁昭和39年(行ツ) 象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、しかもその商品又は役務 の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。 また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標は、その構成部分全体によって他人の商標と識別すべく考案されているものであるから、その構成部分の一 部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判定することは原則として許されない。しかし、商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合等、商標の各構成部分がそれを分離して観察する ことが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない場合には、商標の構成部分の一部を抽出し、当該構成部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日 第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第2 23号同20年9月8日第二小法廷判決・集民228号561頁参照)。 2 本願商標について⑴ 本願商標は、前記第2の2⑴のとおり、別紙1「本願商標」記載1のとおりの構成から成り、左側に、上部に切り欠き部のある円弧(灰色)及びその切り欠き部に縦に並べた3つの小円(赤色)を組み合わせた図形を表する部 分(左側図形部分)が、右 紙1「本願商標」記載1のとおりの構成から成り、左側に、上部に切り欠き部のある円弧(灰色)及びその切り欠き部に縦に並べた3つの小円(赤色)を組み合わせた図形を表する部 分(左側図形部分)が、右側には、丸みを帯びた欧文字による「ConnecT.one」の文字と、記号である「onnec」の上部に横に並べた3つの小円(灰色)、「.」(赤色)、及び末尾の「e」の横線に代替して横に並べた3つの小円(赤色)から構成される文字部分(右側文字部分)が配されている。 ⑵ 本願商標の構成中、左側図形部分は、何らかの意味の事物・客体が図形化されたと理解することは困難であり、左側図形部分自体から出所識別標識としての称呼及び観念が生じるものとはいえない。 他方、本願商標の構成中、右側文字部分は、英語の「Connect」(「つなぐ」の意味)及び「one」(「1」の意味)の間に通常発音しな い終止符の記号である「.」を配し、これらを丸みのある共通の書体で間隔を空けずに横に並べたものである。そして、この右側文字部分は、全体として具体的な意味を有する成語にはならないから、造語として特定の観念は生じないものの、構成文字に相応して「コネクトワン」の称呼を生じるものと認識される。そして、右側文字部分は、CとTが大文字で記載された上、前 記記号が付されるなどして図形化された文字が視覚的に目立つよう表されていることから、取引者・需要者に対し、商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。 そして、左側図形部分と右側文字部分は、間隔を空けて横に並べられて視覚上も分離独立した構成要素との印象を与える態様で配置され、左側図形部 分と右側文字部分が全体として何らかの意味を有するものと認識され得るも のではない。この を空けて横に並べられて視覚上も分離独立した構成要素との印象を与える態様で配置され、左側図形部 分と右側文字部分が全体として何らかの意味を有するものと認識され得るも のではない。このような外観や、左側図形部分と右側文字部分の称呼、観念上の関連性がないことに照らすと、これらの本願商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認めることはできない。 以上のとおり、本願商標においては、その構成中、「ConnecT.o ne」の右側文字部分が、取引者・需要者に対し商品及び役務の出所識別標識として強い印象を与えるものと認められる一方、左側図形部分などそれ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念は生じないものと認められ、商標の各構成部分が不可分的に結合しているものともいえない。したがって、本願商標については、その構成中、「ConnecT.one」の右側文字 部分を分離、抽出し、これを要部として引用商標と比較して商標の類否を判断することが許されるというべきである。 ⑶ 原告は、既にドメイン名「.one」が存在し一般的に認識されていたから、本願商標の文字部分の構成からは「コネクトドットワン」の称呼が生じ得ると主張する。しかし、前記のとおり、本願商標の右側文字部分は、欧文字及 び記号を共通の書体で間隔を空けずに横に並べたまとまりのある構成となっており、構成文字全体としては「コネクトワン」との称呼の生じる造語と理解されるものであること、「.one」は、直ちにドメイン名を表するものとは理解されず、終止符の記号である「.」も通常は発音されないことからすると、既にドメイン名「.one」が存在していたとしても、取引者・需要者にお いて、本願商標の右側文字部 ン名を表するものとは理解されず、終止符の記号である「.」も通常は発音されないことからすると、既にドメイン名「.one」が存在していたとしても、取引者・需要者にお いて、本願商標の右側文字部分から、直ちに「コネクトドットワン」の称呼が生じるものとはいい難い。また、仮にそのような称呼が生じるからといって、「コネクトワン」との称呼も同時に生じることに変わりはないところ、一個の商標から二個以上の称呼が生ずる場合において、一つの称呼が他人の商標の称呼と同一であるときは、なお商標の類似性は否定されないというべ きである(前掲最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一 小法廷判決参照)。したがって、原告の主張を採用することはできない。 原告は、本願商標は、全体的に統一したイメージで構成され、文字部分が商標全体において埋没し、文字部分のみが出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものではないのであり、需要者は、本願商標を商標全体として渾然一体に認識・記憶するから、全体観察した外観により類否判断をするべ きであると主張する。しかし、前記のとおり、本願商標の構成中、右側文字部分が、造語として特定の観念は生じないものの、「コネクトワン」の称呼を生じ、外観上も取引者・需要者に対し商品及び役務の出所識別標識として強い印象を与えるものと認められるのに対し、左側図形部分から出所識別標識としての称呼、観念は生じないものと認められ、商標の各構成部分が不可 分的に結合しているものともいえないから、本願商標の構成中、右側文字部分を抽出し、これを要部とすることも認められるというべきである。よって、原告の主張を採用することはできない。 3 引用商標について引用商標は、前記第2の3のとおり、別紙2「引用商標」記載 分を抽出し、これを要部とすることも認められるというべきである。よって、原告の主張を採用することはできない。 3 引用商標について引用商標は、前記第2の3のとおり、別紙2「引用商標」記載1のとおりの 構成から成り、「コネクトワン」の文字を標準文字で表して成るものである。 そして、引用商標は、英語の「Connect」(「つなぐ」の意味)及び「one」(「1」の意味)を想起させるものではあるが、構成文字全体として具体的な意味を有する成語にはならないから、造語として特定の観念は生じない。他方、引用商標は、その構成文字に相応して「コネクトワン」の称呼を 生じることは明らかである。 4 本願商標と引用商標の類否について⑴ 本願商標の要部である右側文字部分と引用商標とは、外観において、文字の種類(本願商標の要部は欧文字、引用商標は片仮名)及び「.」の有無(本願商標の要部は有、引用商標は無)において相違する。しかし、商標の 構成文字の種類を同一の称呼の範囲内で変更し、例えば、英文で表記された 文字の発音をカタカナで表記することは一般に行われていることであり(乙5、8~14)、また、本願商標の要部における「.」は、文字の大きさに比して小さく表記され、取引者・需要者に対し顕著に異なる印象、記憶、連想等を与えるものとはいえない。さらに、本願商標の要部と引用商標は、「コネクトワン」の称呼において完全に同一である。そして、本願商標の要 部と引用商標は、いずれも造語として特定の観念を生じないから、観念において両者の比較をすることはできない。 そうすると、本願商標の要部と引用商標は、「コネクトワン」の称呼において同一であり、観念において比較することができず、「コネクトワン」の呼称を生ずる本願商標の右側 較をすることはできない。 そうすると、本願商標の要部と引用商標は、「コネクトワン」の称呼において同一であり、観念において比較することができず、「コネクトワン」の呼称を生ずる本願商標の右側文字部分が、前記のとおり、外観上も取引者・ 需要者に対し商品及び役務の出所識別標識として強い印象を与えるのであるから、取引者・需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品及び役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標というべきである。 ⑵ 原告は、本願商標を全体観察した場合の外観は、引用商標とは顕著な差異 があり、インターネット上の取引の実情においても、需要者は、外観による識別力を判断基準とする割合が増加しているから、本願商標と引用商標は、称呼の共通性を凌駕する程度に外観による顕著な差異があり、需要者において取り違えるおそれはないなどと主張する。しかし、前記のとおり、両者の称呼が同一であり、商標の構成文字の種類を同一の称呼の範囲内で変更し表 することは一般に行われていることや、インターネット上の取引においても、需要者は、称呼による記憶に基づき商品や役務の検索を行うことが一般的であることからすると、本願商標と引用商標において、外観の相違が称呼の同一性を凌駕するものと認めることはできない。よって、原告の主張を採用することはできない。 5 本願商標と引用商標の各指定商品及び指定役務について 本願商標の指定商品及び指定役務中、別紙1「本願商標」記載2の第9類の指定商品は、引用商標の指定商品及び指定役務中、別紙2「引用商標」記載2における第9類の指定商品と同一又は類似の商品であり、また、本願商標の指定商品及び指定役務中、別紙1「本願商標」記載2 第9類の指定商品は、引用商標の指定商品及び指定役務中、別紙2「引用商標」記載2における第9類の指定商品と同一又は類似の商品であり、また、本願商標の指定商品及び指定役務中、別紙1「本願商標」記載2の第42類の指定役務は、引用商標における指定商品及び指定役務中、別紙2「引用商標」記載2の第4 2類の指定役務と同一又は類似の役務と認められ、本件審決の別紙「本願商標と引用商標の各指定商品及び指定役務の類否について」の判断部分に誤りはない(甲1、2)。 6 商標法4条1項11号該当性以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、指定商品及び 指定役務の類似性が認められるから、商標法4条1項11号に該当するものとして登録することはできない。したがって、拒絶査定不服審判の請求を成り立たないものとした本件審決の判断に誤りはない。 第5 結論よって、原告の請求は理由がないから、これを棄却することとして、主文の とおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部 裁判長裁判官清水響 裁判官菊池絵理 裁判官頼晋一 (別紙1)本願商標1【商標】 2【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】第9類携帯電話機、スマートフォン、電子計算機用プログラム、コンピュータプロ 標1【商標】 2【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】第9類携帯電話機、スマートフォン、電子計算機用プログラム、コンピュータプログラム(記憶されたもの)、コンピュータ、クラウドコンピューティング用のコンピュータソフトウェア、建築設計・施工・管理用電子計算機用プログラム、土木構造物の設計に 用いる電子計算機用プログラム、電子出版物、記録済みデータ記録媒体第42類建設工事の設計、建設工事の設計に関するコンサルティング、建築物の設計、建築物の設計に関するコンサルティング、土木に係る設計、土木に係る設計に関する指導・助言及び情報の提供、コンピュータの設計及び開発、デザインの考案、電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守、ウェブサイトの作成又は保守、コンピュータによる 情報処理、クラウドコンピューティング用のコンピュータソフトウェアの設計・作成及び保守、建築設計・施工・管理用電子計算機用プログラムの設計・作成及び保守、土木構造物の設計に用いる電子計算機用プログラムの設計・作成及び保守、電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明、建築又は都市計画に関する研究、 土木に関する試験又は研究、電子計算機用プログラムに関する試験又は研究、電子計算機用プログラムの提供、コンピュータプログラムの提供、コンピュータプログラムの提供に関するコンサルティング、クラウドコンピューティング用のコンピュータソフトウェアの提供、建築設計・施工・管理用電子計算機用プログラムの提供、土木構造物の設計に用いる電子計算機用プログラムの提供、サーバーの記憶領域の貸与 以上 ーティング用のコンピュータソフトウェアの提供、建築設計・施工・管理用電子計算機用プログラムの提供、土木構造物の設計に用いる電子計算機用プログラムの提供、サーバーの記憶領域の貸与 以上 (別紙2)引用商標1【登録商標(標準文字)】コネクトワン2【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】 第9類電子計算機用プログラム、耳栓、加工ガラス(建築用のものを除く。)、アーク溶接機、金属溶断機、電気溶接装置、オゾン発生器、電解槽、検卵器、金銭登録機、硬貨の計数用又は選別用の機械、作業記録機、写真複写機、手動計算機、製図用又は図案用の機械器具、タイムスタンプ、タイムレコーダー、パンチカードシステム機械、票数計算機、ビリングマシン、郵便切手のはり付けチェック装置、自動販売機、ガソリンステー ション用装置、駐車場用硬貨作動式ゲート、救命用具、消火器、消火栓、消火ホース用ノズル、スプリンクラー消火装置、火災報知機、ガス漏れ警報器、盗難警報器、保安用ヘルメット、鉄道用信号機、乗物の故障の警告用の三角標識、発光式又は機械式の道路標識、潜水用機械器具、業務用テレビゲーム機、電動式扉自動開閉装置、乗物運転技能訓練用シミュレーター、運動技能訓練用シミュレーター、理化学機械器具、写真機械器具、映画機 械器具、光学機械器具、測定機械器具、配電用又は制御用の機械器具、回転変流機、調相機、電池、電気磁気測定器、電線及びケーブル、電気アイロン、電気式ヘアカーラー、電気ブザー、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品、磁心、抵抗線、電極、消防艇、ロケット、消防車、自動車用シガーライター、事故防護用手袋、防じんマスク、防毒マスク、溶接マスク、防火被服、眼鏡、家庭用テレビゲームおもちゃ、携帯用液 械器具及びその部品、磁心、抵抗線、電極、消防艇、ロケット、消防車、自動車用シガーライター、事故防護用手袋、防じんマスク、防毒マスク、溶接マスク、防火被服、眼鏡、家庭用テレビゲームおもちゃ、携帯用液晶画面 ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM、スロットマシン、ウエイトベルト、ウエットスーツ、浮袋、運動用保護ヘルメット、エアタンク、水泳用浮き板、レギュレーター、レコード、メトロノーム、電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM、計算尺、映写フィルム、スライドフィルム、スライドフィルム用マウント、録画済みビデオディスク及びビデオテープ、電子出版物 第42類電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守、電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明、電子計算機の貸与、電子計算機用プログラムの提供、気象情報の提供、建築物の設計、測量、地質の調査、機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計、デ ザインの考案、医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究、建築又は都市計画に関する研究、公害の防止に関する試験又は研究、電気に関する試験又は研究、土木に関する試験又は研究、農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究、機械器具に関する試験又は研究、工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務に関する情報の提供、訴訟事件その他に関する法律事務に関する情報の提供、登記又は供託に関する手続の代理に関 する情報の提供、著作権の利用に関する契約の代理又は媒介、社会保険に関する手続の代理に関する情報の提供、計測器の貸与、理化学機械器具の貸 に関する情報の提供、登記又は供託に関する手続の代理に関 する情報の提供、著作権の利用に関する契約の代理又は媒介、社会保険に関する手続の代理に関する情報の提供、計測器の貸与、理化学機械器具の貸与、製図用具の貸与以上 別紙本願商標と引用商標の各指定商品及び指定役務の類否について ア本願商標の指定商品及び指定役務中、第9類「携帯電話機」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具」と同一又は類 似の商品である。 イ本願商標の指定商品及び指定役務中、第9類「スマートフォン」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電子計算機用プログラム、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」と類似の商品である。 ウ本願商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電子計算機用プログラム、 コンピュータプログラム(記憶されたもの)、コンピュータ、クラウドコンピューティング用のコンピュータソフトウェア、建築設計・施工・管理用電子計算機用プログラム、土木構造物の設計に用いる電子計算機用プログラム」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電子計算機用プログラム、電子応用機械器具及びその部品」と同一又は類似の商品であ る。 エ本願商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電子出版物」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第9類「映写フィルム、スライドフィルム、スライドフィルム用マウント、録画済みビデオディスク及びビデオテープ、電子出版物」と同一又は類似の商品である。 オ本願商標の指定商品及び指定役務中、第9類「記録済みデータ記録媒体」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電子計算機用プログラム、業務用テレビゲーム機、電子応用機械器具及びその部品、家庭用テレビ 標の指定商品及び指定役務中、第9類「記録済みデータ記録媒体」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電子計算機用プログラム、業務用テレビゲーム機、電子応用機械器具及びその部品、家庭用テレビゲームおもちゃ、携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM、レコード、メトロノーム、電子楽器用 自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM、映写フィル ム、スライドフィルム、スライドフィルム用マウント、録画済みビデオディスク及びビデオテープ、電子出版物」と同一又は類似の商品である。 カ本願商標の指定商品及び指定役務中、第42類「建設工事の設計、建設工事の設計に関するコンサルティング、建築物の設計、建築物の設計に関するコンサルティング、土木に係る設計、土木に係る設計に関する指導・ 助言及び情報の提供」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第42類「建築物の設計、測量」と同一又は類似の役務である。 キ本願商標の指定商品及び指定役務中、第42類「コンピュータの設計及び開発」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成さ れる設備の設計」と同一又は類似の役務である。 ク本願商標の指定商品及び指定役務中、第42類「デザインの考案」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第42類「デザインの考案」と同一の役務である。 ケ本願商標の指定商品及び指定役務中、第42類「電子計算機のプログラ ムの設計・作成又は保守、ウェブサイトの作成又は保守、コンピュータによる情報処理、クラウドコンピューティング用のコンピュータソフトウェアの設計・作成及び保守、建築設計・施工・管理用電子計 ラ ムの設計・作成又は保守、ウェブサイトの作成又は保守、コンピュータによる情報処理、クラウドコンピューティング用のコンピュータソフトウェアの設計・作成及び保守、建築設計・施工・管理用電子計算機用プログラムの設計・作成及び保守、土木構造物の設計に用いる電子計算機用プログラムの設計・作成及び保守」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第 42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」と同一又は類似の役務である。 コ本願商標の指定商品及び指定役務中、第42類「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」 は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第42類「電子計算機・自動車 その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」と同一の役務である。 サ本願商標の指定商品及び指定役務中、第42類「建築又は都市計画に関する研究、土木に関する試験又は研究」は、引用商標の指定商品及び指定 役務中、第42類「建築又は都市計画に関する研究、公害の防止に関する試験又は研究、電気に関する試験又は研究、土木に関する試験又は研究」と同一又は類似の役務である。 シ本願商標の指定商品及び指定役務中、第42類「電子計算機用プログラムに関する試験又は研究」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第4 2類「建築又は都市計画に関する研究、公害の防止に関する試験又は研究、電気に関する試験又は研究、土木に関する試験又は研究、機械器具に関する試験又は研究」と同一又は類似の役務である。 ス本願商標の指定商品及び指定 に関する研究、公害の防止に関する試験又は研究、電気に関する試験又は研究、土木に関する試験又は研究、機械器具に関する試験又は研究」と同一又は類似の役務である。 ス本願商標の指定商品及び指定役務中、第42類「電子計算機用プログラムの提供、コンピュータプログラムの提供、コンピュータプログラムの提 供に関するコンサルティング、クラウドコンピューティング用のコンピュータソフトウェアの提供、建築設計・施工・管理用電子計算機用プログラムの提供、土木構造物の設計に用いる電子計算機用プログラムの提供、サーバーの記憶領域の貸与」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第42類「電子計算機の貸与、電子計算機用プログラムの提供」と同一又は類 似の役務である。 以上
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