平成13(ワ)900 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成16年3月11日 神戸地方裁判所
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判決文本文17,407 文字)

主文 1 被告らは,原告A1に対し,連帯して,金3540万0629円及びこれに対する平成12年4月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告らは,原告A2に対し,連帯して,金3540万0629円及びこれに対する平成12年4月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用はこれを5分し,その1を原告らの,その余を被告らの負担とする。 5 この判決は第1,2項に限り仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 被告B1,同B2及び同B3は,原告A1に対し,連帯して,金4451万2679円及びこれに対する平成12年4月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告B4は,原告A1に対し,被告B1,同B2及び同B3と連帯して,第1項の金員のうち金3951万2679円及びこれに対する平成12年4月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被告B1,同B2及び同B3は,原告A2に対し,連帯して,金4451万2679円及びこれに対する平成12年4月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告B4は,原告A2に対し,被告B1,同B2及び同B3と連帯して,第3項の金員のうち金3951万2679円及びこれに対する平成12年4月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 事案の要旨本件は,原告らが,原告らの子であるFが被告らの共謀に基づく集団暴行によって海面に転落して死亡し,原告らはFの被告らに対する損害賠償請求権を相続するとともに,原告ら固有の損害の賠償請求権を取得したと主張して,被告らに対し,共同不法行為に基 らの共謀に基づく集団暴行によって海面に転落して死亡し,原告らはFの被告らに対する損害賠償請求権を相続するとともに,原告ら固有の損害の賠償請求権を取得したと主張して,被告らに対し,共同不法行為に基づく損害賠償請求をしている事案である。 2 前提となる事実以下の事実は,当事者間に争いがないか,各項末尾掲記の証拠によって容易に認められる。 (1) 当事者及び関係者ア原告A1はFの父であり,原告A2はFの母である。(争いがない)イ被告B4,被告B3,H,I,J,K2及びLは,暴走族グループ「C」の元メンバーであり,Hが2代目総長,被告B4が3代目総長で,被告B4とHは幼なじみであるが,K2は被告B4の一つ年上で,IとJは被告B4と同級生である。 (争いがない)被告B1,被告B2,M,N,O,P,Q,R,S,T,U,V及びWは,グループを形成していた。被告B3とLは被告B2の一つ年下の同級生同士であり,U,Nは,被告B4の年下にあたる。(争いがない)ウ X及びYは,Fの友人であった。(争いがない)(2) 本件暴行事件の発生ア平成12年4月2日,被告B1,被告B2,Hらは,電話を通じてXと口論をし,被告B2らは,同月3日午前1時ころ,他の10名余りの少年らとともに,兵庫県津名郡a町b番地のc所在のZ1駐車場(以下「第1現場」という。)にXを誘い出した上,同人のみならず,同人とともに同所に赴いたF及びYにも暴行を加えた。(争いがない)イ被告らは,同日午前1時30分ころ,Fら3名とともに,同町d番地所在のD北側約120メートル岸壁付近路上(以下「第2現場」という。)に移動し,同所において,被告B1がFに暴行を加え,他の一部の者がX及びYにこもごも暴行を加えたところ,Fが同 ともに,同町d番地所在のD北側約120メートル岸壁付近路上(以下「第2現場」という。)に移動し,同所において,被告B1がFに暴行を加え,他の一部の者がX及びYにこもごも暴行を加えたところ,Fが同所付近岸壁から海中に転落し,そのころ同所において溺死した。(争いがない) 3 争点及び当事者の主張本件の争点は,・共同不法行為責任の成否及びFの死亡との因果関係,・過失相殺の適否,・損害の3点である。 (1) 共同不法行為責任の成否及びFの死亡との因果関係ア原告らの主張・被告らは,共謀の上,Fに対し,平成12年4月3日午前1時ころから午前1時10分ころまでは第1現場において,同日午前1時15分ころから午前1時30分ころまでは第2現場において,被告B1,同B2及び同B3において殺意をもって,被告B4において傷害の故意をもって,Fの顔面などを手拳で殴打し,足蹴にするなどの暴行を加え,第2現場付近の岸壁から海中に転落させて,死亡させたのであり,仮に被告らが故意にFを死亡させたのでないとしても,過失があるから,共同不法行為責任(民法719条1項前段)を負う。 仮に,被告らのうちにFを死亡させるに至った暴行についてまでは共謀の成立が認められない者がいたとしても,被告らは,共同して第1現場にFらを呼び出し,こもごも暴行を加え,さらに暴行を継続するために第2現場に移動して暴行を加えたものであるから,客観的に関連共同してFに一連の暴行を加えたものといえ,共同不法行為責任(民法719条1項後段又は同条2項)を負う。 ・本件で,被告らは,強い共同関係を有しているから,共同不法行為によって生じた全損害につき責任を負い,個別の事実的因果関係の存否を争って免責を主張することは許されない。 。 ・本件で,被告らは,強い共同関係を有しているから,共同不法行為によって生じた全損害につき責任を負い,個別の事実的因果関係の存否を争って免責を主張することは許されない。 なお,被告B3は,いったん,被告らの共謀による暴行とFの死亡との間の因果関係を認めており,原告らは,同被告の自白の撤回に異議を述べた。 イ被告B1及び同B4の主張・被告B1が第2現場でFを手拳で殴打した事実は認めるが,被告B1の殺意及び共謀の事実は否認する。本件は,被告B1とXとの喧嘩を見物しようとしていた複数の者が,野次馬に止まらず暴行に加わったものであり,被告B1には暴行の故意しかないし,暴行に加わった者との間に共謀はない。Fは水泳が得意であることから,Fが溺死するとは思えないところ,被告B1は,Fの頭を一度殴っただけであるのに,同人が海面に転落し,死亡しているから,Fの死亡は被告B1以外の者の暴行によって生じたものであり,被告B1の行為と因果関係はない。 ・被告B4は,野次馬として第1現場及び第2現場に居合わせただけであり,Hに対するXの態度に腹を立ててXに暴行を加えたことは認めるが,Fには暴行を加えておらず,傷害の故意及び共謀の事実もなかった。被告B4は,被告B1らの暴行を止めさせることをしていないが,それは困難であったからである。 ・他の被告らの行為内容については不知。 ウ被告B2の主張被告らを含む総勢20名が共謀の上,第1現場及び第2現場においてFに暴行を加えたことは認め,その余は争う。 被告B2には,Fの死亡という結果を予見できなかったもので,故意過失がなく,損害賠償責任を負うのは傷害の範囲に止まる。 場においてFに暴行を加えたことは認め,その余は争う。 被告B2には,Fの死亡という結果を予見できなかったもので,故意過失がなく,損害賠償責任を負うのは傷害の範囲に止まる。 エ被告B3の主張・被告らが,第1現場及び第2現場で共同してFらに暴行を加えたことは認めるが,その余は争う。Fを海中に転落させ死亡させたのは被告B1であり,被告B1以外の加害者にはFが海中に転落することは全く予見できなかったのであるから,Fの死亡につき被告B3に故意過失はない。なお,第2現場は,灯りが少なく,海面であることを認識できていなかった。また,被告B3の暴行とFの死亡との間に因果関係はない。 ・ Fの死亡は,被告B1の暴行が原因であることが明らかであるから,民法719条1項後段の適用はないし,被告B1を除く被告らが被告B1に教唆,幇助したこともないから同条2項の適用もなく,共同不法行為責任は成立しない。 (2) 過失相殺の適否ア原告らの主張Fは,Xから,B2との話合いに同行するよう頼まれたため,X,Y及びXの姉Eとともに第1現場に赴いたにすぎず,被告らと喧嘩になることを全く予見していなかったので,過失相殺は相当でない。 イ被告B1及び同B4の主張Fは,プロボクサーとして修練を積んでいるXに同行して第1現場に赴いたのであり,Xの言葉から同人が被告B1らと喧嘩になるかも知れないと予想しながら,場合によっては自らも参加するつもりで,あえて危険に接近したのであるから,大幅な過失相殺がなされるべきである。 ウ被告B2の主張本件につき,Xら被害者側にも落ち度がある。 エ被告B3の主張Xと被告B1ら ら,大幅な過失相殺がなされるべきである。 ウ被告B2の主張本件につき,Xら被害者側にも落ち度がある。 エ被告B3の主張Xと被告B1らは,オートバイのことを巡って電話で口論となり,Xと被告B1及び同B2の間で,執拗に電話をかけ合って,暴言を応酬するうち,互いに激昂していったところ,Fは,終始Xと一緒にいて,喧嘩になることも有り得ることを認識しつつ,あえてXに同行して第1現場に赴いたのであるし,Fらが無抵抗であったのは,多勢に無勢であったため,抵抗して一層暴行を加えられることを避けようとしたにすぎないから,過失相殺がなされるべきである。 (3) 損害ア原告らの主張原告らが被った損害は,以下の・ないし・記載のとおりであるところ,原告らは,本件不法行為をなした被告ら以外の関係者から合計900万円の損害の・補を将来にわたり受けることで合意したため,被告らが賠償すべき損害は,以下の合計額から,原告らにつき各450万円を控除した額である。 ・逸失利益 4865万6858円Fは昭和57年9月9日生まれの健康な男子であり,平成11年賃金センサス第1巻第1表による産業計男性労働者の平均年収である562万3900円の収入を,18歳から67歳まで得ることができたから,上記収入から生活費として50%を控除した逸失利益は,以下の計算式のとおり4865万6858円である。なお,67歳までのライプニッツ係数18.2559から18歳までのライプニッツ係数0.9523を差し引いた係数17.3036を適用して中間利息を控除した。 562万3900円×(1-0.5)×17.3036 559から18歳までのライプニッツ係数0.9523を差し引いた係数17.3036を適用して中間利息を控除した。 562万3900円×(1-0.5)×17.3036=4865万6858円・慰謝料被告B1,同B2及び同B3に対し 4000万円被告B4に対し 3000万円a Fの慰謝料Fは,何らの落ち度もないのに被告らから執拗に暴行を受け,とりわけ,被告B1,同B2及び同B3からは,殺意をもって岸壁に連行され,暴行を受けて海面に転落し,溺死したのであるから,その無念さは察するに余りあり,その精神的苦痛に対する慰謝料は,被告B1,同B2及び同B3に対し2500万円,被告B4に対し2000万円が相当である。 b 原告ら固有の慰謝料原告らは,愛情をもって育ててきたFを,多人数による理不尽かつ執拗な暴行によって死亡させられたものであり,とりわけ,殺意をもって暴行に及んだ被告B1,同B2及び同B3との関係では,その悲嘆は大きく,その精神的苦痛に対する慰謝料は,同被告らに対し各750万円(合計1500万円),被告B4に対し各500万円(合計1000万円)が相当である。 ・葬儀費用 136万2500円a 葬祭費 83万7500円b 火葬場使用料 2万5000円c 布施 83万7500円b 火葬場使用料 2万5000円c 布施 50万円・死亡診断書作成料 6000円・弁護士費用 800万円イ被告B3の主張逸失利益について,平均賃金ではなく,Fの手取りの実収入である200万円程度を基準にするべきである。その余は不知ないし争う。被告B3に殺意はなかった。 ウ被告B1,同B4及び同B2の主張不知ないし争う。被告B1,同B2に殺意はなかった。 第3 争点に対する判断 1 認定事実前記前提となる事実及び証拠(甲4ないし33,乙1及び2,丙1ないし3,戊1ないし4,証人E,被告B1本人,被告B2本人,被告B4本人,被告B3本人)並びに弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる(上記の証拠のうち,以下の認定に反する部分は信用できない。)。 ア本件暴行事件の発端Xは2年間ボクシングジムで修練した経験があり,平成12年6月にプロボクサーの試験を受ける予定であったが,過酷な減量の結果,体調を崩し,同年3月下旬ころ,就職先の大阪から淡路島の実家に戻ってきていた。同年4月2日夜,Xが,出身中学校の同級生であるK1の家にFを含む遊び仲間6人と集まっていたところ,被告B1がK1に電話をかけオートバイを持ってくるように荒っぽい口調で連絡してきた。そのオートバイは,FがK4に売ったものであったが,Xは,被告B1がこれをK1の所有物と考え,因縁を付けて取り上げようとしているものと考えた。当時,K1に対し, るように荒っぽい口調で連絡してきた。そのオートバイは,FがK4に売ったものであったが,Xは,被告B1がこれをK1の所有物と考え,因縁を付けて取り上げようとしているものと考えた。当時,K1に対し,z町に住む少年らのグループ(以下「zグループ」という。)の1人から再三電話がかかってきており,また,z町方面を走行中,zグループの者に車で追いかけ回された者もいたことから,Xは,自分が対応しようと考え,K1の携帯電話の着信履歴により被告B1に電話をかけた。被告B1とXは,暴走族の仲間内で有力とされる人物と自分が如何に親密であるかを互いに誇示し,Xは兄の親友であり喧嘩が強いことで知られるK3に加勢を求める等と虚勢を張り,他方,被告B1も,お前ら全員やったるなどと応酬した。Xは,K1に電話をかけたという被告B2の連絡先を被告B1から聞き出した上,いったん電話を切った。 イ zグループの集合被告B1は,Xとの電話の後,zグループのたまり場である洲本市内のコンビニエンスストアの「Z2洲本f店」(以下「Z2」という。)にいた被告B2に電話し,Xに因縁を付けられたため,喧嘩に応じる旨を伝えた。被告B2は,喧嘩への加勢が必要だと考え,Q,V,T,L,J,M,Nに,被告B1がXに因縁を付けられたと次々に伝えた。 Xは,被告B1との電話の後,zの少年と交際していたことがある姉Eに対し被告B1について尋ねたが,Eが被告B1を知らなかった。その後,Xは被告B2に電話し,被告B2をも挑発したところ,腹を立てた被告B2は,自らもXとの喧嘩に応じようと考えるに至った。被告B2は,その後,被告B1から,XがK3を味方に付けると言っていたとの報告を受けたので,K3が出てくるなら手を引こうと考え,zグループとは別の洲本市の少年らのグループ(以下「iグループ に至った。被告B2は,その後,被告B1から,XがK3を味方に付けると言っていたとの報告を受けたので,K3が出てくるなら手を引こうと考え,zグループとは別の洲本市の少年らのグループ(以下「iグループ」という。)のメンバーである被告B3に電話してK3の意向を確認してもらった。その結果,K3はXを知らず,むしろ,被告B2らの味方をする様子ですらあったため,被告B2は,Xとの喧嘩に応ずるべく,被告B1をZ2に呼び寄せ,被告B3にも来てもらうことにした。被告B3はiグループの中心人物であるHを連れてきたが,Hは,喧嘩が始まるのを待ち望んでいる様子を見せていた。また,Z2には,iグループのIやK2も集まって来ていた。被告B2は,以前に暴行事件で死亡した親友のBCの悪口をXが言っていたとの報告を被告B1から受けてさらに憤慨し,Xに対し,携帯電話により,洲本に来い,K3も味方だ等と申し向けて挑発した。被告B3も,被告B2と電話を代わり,Xに対し挑発する等していた。被告B3やHは,被告B2とはグループが異なっていたが,自らのグループの中心的人物であるK3の名前をXが出してきたことから,Xに対する反感を強めていたところであった。 そのころ,XはK1の家にいたが,それまでの被告B2とのやり取りを姉Eに電話で話し,今度は,被告B2を知っているかと尋ねた。Eは被告B2を以前から知っていたので,自ら被告B2に電話をかけ,オートバイを取り上げるつもりがないことを,被告B2や居合わせた被告B1から確認し,喧嘩をしないようにXに電話で諫めるなどした。そのころ,Eは,いったん,Xを自宅に連れて帰ることとし,K1の家までXを迎えに行った。この際,K3のことも知っていたEは,K3にも連絡して喧嘩を止めさせようとしたが,Eの知っている連絡先ではK3に連絡をとる Eは,いったん,Xを自宅に連れて帰ることとし,K1の家までXを迎えに行った。この際,K3のことも知っていたEは,K3にも連絡して喧嘩を止めさせようとしたが,Eの知っている連絡先ではK3に連絡をとることはできなかった。Eは,K1の家に着くと,再度,Xに対し喧嘩をしないように諫めた。 Z2では,T,Pが集まって来ており,被告B1の親友であるTやQらは,オートバイの場所を知っているから襲撃すべきだと提案した。また,Tは知人に電話してXやa町に住むオートバイの持主の居場所を聞き出そうと躍起になっていた。QやTらは,Xだけでなく,a町のグループの者なら誰でも襲撃しようという気になっていた。被告B2も,K1に電話し,洲本に来るように求めたが,K1はこれに応じなかった。 ウ iグループへの飛び火XやEは,K3に連絡をとりたいと考え,それぞれ被告B2に電話して,K3への連絡先を尋ねた。被告B2は当初これに応じなかったが,Xが執拗に頼むため,連絡先を教える気になったが,自らは連絡先を知らないため,Hにその電話を引き継ぎ,同人からXに電話番号を教えた。Xは,電話の相手がiグループの中心人物であるHであるとは気付かなかった。 XがHからK3の連絡先を聞いたのは,K1の家からXの自宅へ向かう車中であったが,喧嘩に関わらないようK3に申し入れようとして教えられた連絡先に電話した。しかし,Xは,電話に応じたのがK3ではないと勘違いし,嘘の連絡先を教えられたと思い込み,被告B2に再び電話をかけた上,いきなり被告B2を怒鳴りつけ,被告B2に連絡先を教えた人物(H)と交替させ,その人物がHであると知らないまま執拗に非難した。Hは真実の連絡先を伝えていたのに非難されたため,激怒するに至った。 エ zグループ 鳴りつけ,被告B2に連絡先を教えた人物(H)と交替させ,その人物がHであると知らないまま執拗に非難した。Hは真実の連絡先を伝えていたのに非難されたため,激怒するに至った。 エ zグループ及びiグループが集団暴行を共謀した経緯被告B2は,Xが,被告B2とはグループが異なるHをも怒らせ,被告B3も同B2に対し落とし前をつけるようにと仄めかしていたため,いよいよ喧嘩をする覚悟を固めていた。 そのころ既にZ2に集まっていたzグループ及びiグループの者らは,喧嘩の相手はXのみでなく,K1を初めとするa町のグループ全員であると認識するに至っており,同グループの者を襲撃すべきであるとして興奮状態に包まれていた。 被告B2と同B1は,付近に駐車中の車に乗り込んだ上,Xに暴行を加え,謝罪させようと相談していたが,iグループのHが,車に乗り込んできて,a町のグループへの襲撃をけしかけ,さらに車外でも,iグループのIが,被告B2らのグループに対して襲撃をけしかけ,同じくiグループの被告B4もHや被告B1,同B2に加勢して襲撃に加わるような気勢を示していた。とりわけ,被告B4は,周囲の者に,投げ技やハイキック等の新しい必殺技を試すなどと話していた。そして,被告B4,Hが再度被告B2らに襲撃を促したので,被告B2らは,zグループが舐められては困るとの思いから,a町へ向かうことを決断した。a町に向かうため乗り込んだ車中において,被告B3は,同B1,同B2,Q及びVに対し,「お前ら絶対やらなあかんで。」と煽った。その結果,iグループとzグループに属する被告B2,同B1,同B3,V,Q,T,L,P,W,O,U,M,N,K2,被告B4,J,H及びIの総勢18名が,午後11時30分ころ,4台の車に分乗して,a町方面へ向かった。 とzグループに属する被告B2,同B1,同B3,V,Q,T,L,P,W,O,U,M,N,K2,被告B4,J,H及びIの総勢18名が,午後11時30分ころ,4台の車に分乗して,a町方面へ向かった。 被告B2らは,a町に着くと,知人に対しXの所在を尋ねるなどして,Xらa町グループの者を捜索したが,すぐには発見することができなかった。そこで被告B2らは,喫茶店に行って休憩していたが,そこへS,Rも合流してきた。 オ Xが謝罪を決意し,Fらが付添いを申し出た経緯Eは,Xとともに自宅に戻ると,Xに対し,強く喧嘩をやめるよう説得したため,Xも被告B2との抗争を避けようと考え,その後もかかってくる被告B2からの電話に丁寧な口調で対応し,自宅で夕食を取った後はK1の家に再び遊びに行こうとしていた。しかし,K1の家に向かう車中,Xは,被告B2との電話により,喧嘩が強いとして皆から恐れられているHがXの上記の電話により非常に怒っているとして,出て来て話合いをするよう誘われたため,そのまま放置しておくわけにはいかず,謝罪しに行く旨の返事をするに至った。Eは当初反対していたが,被告B2からEに電話で,俺はいいが,Hが怒っている,Hを止められん,俺から喧嘩をする気はない,との話があり,さらに,K3からもEに電話で,Hが怒っている,とりあえず謝れ,謝れば大丈夫だろうとの話があったこと等から,謝罪が必要であり,謝罪をするためには呼出しに応じざるを得ないと考えるようになった。 Xは,K1の自宅に着くと,K1の家に残っていた数名に対し,それまでの経緯や被告B2から呼出しを受けていること,そのため謝罪に行くつもりであること等を話したところ,居合わせたFとYが一緒に行くと申し出た。Xが,被告B2らに電話をすると,被告B2らは前記喫茶 れまでの経緯や被告B2から呼出しを受けていること,そのため謝罪に行くつもりであること等を話したところ,居合わせたFとYが一緒に行くと申し出た。Xが,被告B2らに電話をすると,被告B2らは前記喫茶店に集合していた。Xが知人が2人一緒に行くと被告B2に伝えると,被告B2は第1現場に来るよう指示した。Eは,Xの方から喧嘩をしかけないならば喧嘩にはならないと信じていたため,FとY及びXを車に乗せ,4人で第1現場に行くことにした。途中,EがK3と会って相談した。K3は,Eから,XがHに謝罪したいと言っている旨を聞き,前記喫茶店にいたHに電話し,Xの姉がXと一緒に行き謝罪するから許すようにと伝えた。 カ第1現場での暴行被告B2らはXに指定した第1現場に先回りし,付近の住民に怪しまれないように,停車させた数台の車の中でXらが来るのを待っていた。しばらくして,Xの乗った車(運転席にはE,助手席にX,助手席後部座席にF,運転席後部座席にYが各乗車)が近づいてきたため,これを発見した被告B2が,Xが来たことを全員に告げると,多数の男が,停止したXらの乗る車に向かって近づいていった。被告B2と同B1は助手席の窓の側に立ち,助手席のドアを開けると,Xって誰,と問いかけ,僕ですと答えたXの顔面に被告B1がいきなり膝蹴りをいれ,さらに数回顔面を殴打した上,こめかみや左耳付近を蹴りつけた。そのころ,被告B3も,助手席後部座席のドアを開け,Fの顔面やYの顔面を数回殴りつけた。被告B2は,Xに対する被告B1の暴行をいったんは制し,Xに降車を命じたが,既に,X,F及びYの顔面は激しく出血していた。 Xは,被告B1に髪を掴まれて車外へ連れ出され,さらに暴行を加えられていたが,Fも車外に連れ出され,被告B3ら数名の男から暴行を受けた ,既に,X,F及びYの顔面は激しく出血していた。 Xは,被告B1に髪を掴まれて車外へ連れ出され,さらに暴行を加えられていたが,Fも車外に連れ出され,被告B3ら数名の男から暴行を受けた。Xは,立ち上がることもできず正座の体勢で上半身を倒し,両腕で顔面をガードしていたが,被告B1,同B2ら4人に囲まれ,背中や頭,腕などを足蹴りにされ,そのような暴行は,Eが被告B1らを制止するまで止むことはなかった。そのころ,Fは,被告B3ともう一人の男から暴行を受けていた。また,被告B2は,別の場所で地面に倒れ込んだままになっているYに対して,さらに蹴りつけるなどの暴行を加えた。 Hは,自ら暴力を振るってはいなかったが,Xに近づいていくと,周囲の者の暴行を一旦制した上,Xに対し,今後口の利き方に気を付けるようにと話し,電話で述べたことを繰り返しXが謝罪したのを確認すると,J,Iらとともに第1現場から立ち去った。HがXに話をしていたころ,被告B4は,Yを払い腰で地面に打ち付けるなどしていたが,HがXの付近から立ち去ると,Xの所まで行き,スリッパでXの頭を叩くなどした。 キ第2現場への連行被告B2は,その後も,無抵抗のXに対しタイマン(1対1の喧嘩)であると称して,一方的に殴る蹴るの暴行を継続していたが,そのうち,警察への通報を恐れ,人目に付かないm港へ場所を変えようと思い,他の者らとともにF,Y及びXを車に連れ込もうとした。Eは,これを阻止しようとしたが,被告B2がEに一緒に付いてくればよいと言い,Fらを解放しようとしなかったので,仕方なく自分の車でFらをm港に連れて行くことにした。被告B2は,被告B1にEらが途中で逃げないよう,被告B1にEの車を運転をさせようとした。しかし,Eがこれを激しく拒絶したので,被告B ったので,仕方なく自分の車でFらをm港に連れて行くことにした。被告B2は,被告B1にEらが途中で逃げないよう,被告B1にEの車を運転をさせようとした。しかし,Eがこれを激しく拒絶したので,被告B1は運転席の後部座席に乗り込んで第2現場に到着するまでEらを見張り,第2現場までの道を運転しているEに指示した。被告B2は第1現場を出る際,Xに対し,今度はタイマンしてやると話しかけていたが,このころ,Xらは既に血まみれの状態であり,Xは鼻が変形していた。Eの車は,被告B2らの車に挟まれるようにして第2現場に至った。 ク第2現場での暴行第2現場に着くと,被告B2らは車を停めて,直ちに被告B2と同B3がEの車に近づき,被告B3がXの髪を掴むなどして降車させ,お前,海で泳いでみるか,とXを脅しながら,Xの頭を殴るなどし,被告B1らによって降車させられたFやYらとともに岸壁の方へ連れて行った。第2現場に付いてきていた数名の男は,車を停めた付近でたむろしていたが,やがて,岸壁に向かって歩き出し,暴行を加える気配を見せた。そこで,Eは,1対1の喧嘩でないことを非難し,他の男達が手出しするのを止めるように車内に留まっていた被告B4に求めたが,被告B4は,止められるわけないだろ,と笑いながら返答するのみであった。被告B4は,第2現場では自ら暴行するのではなく,車内で待機し,Tを乗せて帰るつもりであった。Xらが連れて行かれた岸壁では,早くもYが被告B3ら数名の男に取り囲まれて暴行を受けており,倒れ込んだところを,さらに腹を蹴られるなどの暴行を受けていた。 Xは,被告B3に岸壁まで連れてこられたものの,被告B3が,Yへの暴行に加勢するため離れていったため,しばらく放置されていたが,やがて,近寄ってきた被告B2に服を引っ張られ,岸 た。 Xは,被告B3に岸壁まで連れてこられたものの,被告B3が,Yへの暴行に加勢するため離れていったため,しばらく放置されていたが,やがて,近寄ってきた被告B2に服を引っ張られ,岸壁の別の場所へ連れて行かれ,あぐらをかくように座り込んでいた。 そのころ,岸壁の別の場所では,海に向かって立つ被告B1とFが対面しており,自分は関係ないと主張したFの態度を不快に感じた被告B1が,Fの腰付近を蹴り,顎付近を蹴り上げ,Fの衣類を掴んで引き寄せながら,手拳で殴打する等の暴行を加え,さらに左の手拳でFの頭部を殴打したところ,Fが後方に後ずさるようにふらつき,岸壁から海中へと転落した。 Eは,そのころ,第2現場での集団暴行を制止しようと岸壁に向かい,被告B2に出会ったため,タイマンという約束と違うではないかと非難していたところであり,被告B2はXが暴行事件で死亡した自分の親友の悪口を言ったからだ等と弁解していた。 ケ Fの捜索状況Fが海中に転落した際,被告B1が「落ちた。」と大声を発したことから,それを聞いて集まって来た者が車のライトで海面を照らそうとしたり,救助用のロープを捜すなどしていた。Fは,当初は岸壁の近くで自力で浮くことができていたが,体力を消耗し切っており,やがて海中に没した。被告B3は付近に繋留されたロープをライターで焼き切る等して,ようやくロープを入手して,海面に垂らしたが,ライトで海を照らしてもFを発見できなかった。そこで,泳ぎが得意とされるUが捜索のため海中に飛び込む等したが,Fを発見することはできなかった。 Eは,誰かが海に転落したことに気付いて,すぐに転落現場付近に駆けつけ,転落したのがFであると分かると,直ちに被告B1を追及したが,被告B1は「 が,Fを発見することはできなかった。 Eは,誰かが海に転落したことに気付いて,すぐに転落現場付近に駆けつけ,転落したのがFであると分かると,直ちに被告B1を追及したが,被告B1は「俺とちゃう。」と否認したり,「逃げるんやったら,逃げてもいいぞ,と言ってFの肩を押したらFが自分から勝手に飛び込んだ。」等と弁解していた。被告B4及びK2は,自分がいなかったことにして欲しいと,年下の者達に対し口止めした後,救急隊員が到着する前に第2現場を立ち去った。 2 争点・について(1) 上記認定事実によれば,被告B1及び同Mを中心としたzグループの者達の間では,遅くともZ2に集合していた午後11時ころまでには,Xらa町のグループの者に暴行を加えようとする共謀が成立したことが認められ,他方,iグループの者達も,Xの電話によってHや被告B3が憤りの念を抱いたことからXらに謝罪を強要する目的の下で,zグループと同じころ,Xらa町のグループの者に対する集団暴行についての共謀が成立し,さらに両方のグループが同一の目的の下に渾然一体となり,その後合流した2名を加えた総勢20名の者による共謀が成立し,相互に煽り,唆し合いながら,F,Y及びXに対し,第1現場及び第2現場における暴行を敢行するに至ったことが認められる(なお,被告B2及び同B3との関係では,本件が共謀に基づく暴行であることにつき争いがない。)。 そして,被告らは,第1現場での暴行によって既に相当の傷害を負っていることは明らかであったのに,人目に付かない場所で引き続き暴行を加える意図で第2現場に連行し,被告B1が暴行を加えた結果,Fが海中に転落し溺死したものであるところ,被告らがFの死亡に至る経過を具体的に予見していなかったとしても,多人数で容赦のない暴行を加え続けれ る意図で第2現場に連行し,被告B1が暴行を加えた結果,Fが海中に転落し溺死したものであるところ,被告らがFの死亡に至る経過を具体的に予見していなかったとしても,多人数で容赦のない暴行を加え続ければ,本件のごとき重大な結果を含め,いかなる不測の事態が生ずるやも知れないことは容易に予見し得たと認められる。 この点,本件は,海中へ転落したことによる溺死の事案であり,暴行が直接死亡の原因となった事案ではないが,転落の恐れのある岸壁近くでの暴行によってかかる事態に発展することは予見可能な範囲内のことと認められる。 以上によれば,被告らは,zグループ及びiグループの少年らと共謀の上,Fが死亡することを含む重大な結果が発生することを予見し得たにもかかわらず,Fに対し暴行を加えた過失により,死亡するに至らしめたものであり,共同不法行為責任を負うというべきである。 他方,原告は,被告B1,同B2及び同B3においては,殺意をもってFに暴行を加えたと主張するが,前記認定事実に照らし,同被告らにFに対し暴行を加え傷害を負わせるまでの故意があったことは認められるが,未必の故意を含め殺意があったとは認めがたく,他にもこれを認めるに足る証拠はない。 (2) これに対し,被告B1及び同B4は,Fへの暴行につき共謀の成立を争っているが,前記認定の本件暴行事件に至る経過及びその間の被告らや関係者の言動に照らせば,Fに対し暴行を加え,傷害を負わせることにつき共謀が成立したことを優に認めることができる。被告B4においても,第1現場での暴行前から必殺技を試すなどと周囲に広言した上,a町のグループの者を襲撃することを自ら煽り,襲撃に参加していることは上記認定のとおりであるし,第2現場においては車内に留まっていて,直接暴行の実行 の暴行前から必殺技を試すなどと周囲に広言した上,a町のグループの者を襲撃することを自ら煽り,襲撃に参加していることは上記認定のとおりであるし,第2現場においては車内に留まっていて,直接暴行の実行行為に加わっていないものの,共謀関係から離脱したと認めるべき事情も認められないから,被告B4についても終始共謀関係にあったことは明らかである。 また,被告B1は,Fが海中に転落し死亡したのは,他の者によって暴行を受けたことが原因であって,被告B1の行為と因果関係がないと主張するが,前記認定事実に照らすと,Fの海中への転落及び死亡につき,被告B1以外の者から受けた暴行が寄与していることは認められるが,直接には被告B1の暴行が原因であることは明らかであるし,同被告が他の者の暴行についても共同不法行為責任を負う以上,Fの死亡につき責任を免れる余地はない。 被告B4も,自らは直接Fに対する加害行為をなしていないと主張するが,この点も,共同不法行為者として責任を免れないことは同様である。 (3) なお,被告B3は,被告らの共謀による暴行とFの死亡との因果関係を争うところ,同被告は,平成13年7月13日の第1回口頭弁論期日において陳述したものとみなされた答弁書において「被告B3と共謀の上なされた暴行により,亡Fが死亡したのも事実である。」と主張して被告らの本件共同不法行為とFの死亡との因果関係を自白したが,この自白が真実に反し錯誤に基づくとは認められないから,被告B3の自白の撤回は許されない。その点はさて措いても,前記認定事実に照らして,被告らの共謀による暴行とFの死亡との因果関係は優に認められる。 3 争点・について(1) 前記認定事実によれば,被告らはFに暴行を加え傷害を負わせる目的で,総勢20名に上る多数の 照らして,被告らの共謀による暴行とFの死亡との因果関係は優に認められる。 3 争点・について(1) 前記認定事実によれば,被告らはFに暴行を加え傷害を負わせる目的で,総勢20名に上る多数の仲間を呼び集め,その威力を笠に着て,Fらが第1現場に到着するや否や,いきなり,一方的かつ集団的に無抵抗のFに暴行を加え,さらに人目に付かない第2現場に連行して引き続き暴行を加えたものであり,一連の行為につき,被告らに重大な責任があることは明らかである。 (2) もっとも,被告B1,同B2らとXとの抗争については,Xにも相応の責任があるといえるが,前記認定事実に照らすと,Fはその抗争に関与していないし,Xに同行して第1現場に赴いたのも,被告B2らに謝罪することで抗争を終わらせようとするXに付き添ったものにすぎず,自ら喧嘩に加勢する意図はなかったし,第1現場に到着してそのような気勢を示したこともなかった(そもそも,そのような暇もなかった。)ことが認められる。被告らは,Fにおいて被告らとの喧嘩闘争に発展する危険があることを予見しながら,あえてその危険に接近したなどと主張しているが,前記認定事実によれば,Xは事前に謝罪する意思を被告B2らに伝え,同被告も謝罪のために第1現場に来るようXに求めていたのであって,当然に喧嘩に発展するとは予想できず,まして,本件のごとく単なる同行者までが弁明の機会も与えられず,見境なく容赦のない暴行を加えられるような事態は予見しがたいものというべきである。 したがって,本件では,正義,公平の観念に照らし,過失相殺の法理を適用するのは相当でない。 4 争点・について(1) 逸失利益証拠(甲7,33,原告A1本人)及び弁論の全趣旨によれば,F(昭和57年9月9日生)は本件当時17歳の健 法理を適用するのは相当でない。 4 争点・について(1) 逸失利益証拠(甲7,33,原告A1本人)及び弁論の全趣旨によれば,F(昭和57年9月9日生)は本件当時17歳の健康な男子であり,中学卒業後土木作業員などとして働いていたことが認められるから,18歳から67歳までの49年間にわたり稼働することができたものと推認され,その間の得べかりし収入として平成12年度賃金センサス第1巻第1表の産業計・企業規模計・年齢計,中卒男性労働者の平均年間給与額485万4800円を基準に,生活費控除割合を50%とし,中間利息控除のため原告ら主張の係数を適用すると以下の計算式のとおり4200万2758円となる。 485万4800円×(1-0.5)×17.3036≒4200万2758円これに対し,被告B3は,Fの実収入である200万円を年収額として計算すべき旨を主張するが,証拠(甲7,32,33,原告A1本人)及び弁論の全趣旨によれば,Fは,本件当時土木作業員として働いていたが,将来は父親の後を継いで漁師として生計を立てる可能性があったことが認められるし,そうでないとしても,当時17歳と若年であり,自動車免許等を取得し,他の職業を選択して収入を得る余地が十分に残されていたことを考慮すると,Fの本件当時の実収入によるよりも,賃金センサスによる平均賃金を基準に逸失利益を算定するのが相当である。 (2) Fの慰謝料前記認定説示のとおり,被告B1,同B2及び同B3らが,Fを殺害することを共謀したとは認められないし,被告B1,同B2及び同B3のいずれにおいても,個別にFへの殺意を有していたとは認められないから,慰謝料額につき,殺意を 告B1,同B2及び同B3らが,Fを殺害することを共謀したとは認められないし,被告B1,同B2及び同B3のいずれにおいても,個別にFへの殺意を有していたとは認められないから,慰謝料額につき,殺意をもって暴行を加えたことを前提とする原告らの主張には理由がない。 そうすると,被告らにつき,Fへの傷害の故意及び過失致死の限度で慰謝料額を斟酌すべきところ,前記認定事実によれば,被告らは,第1現場で既にFに重傷を負わせていながら,第2現場に連行した上,執拗に暴行を継続し,人目を避けた場所で,無抵抗であるFに対し,容赦なく激烈な暴行を加えたことが認められるところ,本件抗争に無関係でありながら,その旨の弁明の機会も与えられず前記認定のごとき理不尽な暴行により,若くしてその生涯を閉じることを余儀なくされたFの無念は,筆舌に尽くし難いというべきであって,その精神的苦痛を慰謝する金員としては,2000万円が相当であると認められる。 (3) 原告ら固有の慰謝料上記認定事実及び証拠(甲7,33,原告A1本人)によれば,原告らは愛情をもってFを育て,その成長を見守っていたと認められるところ,我が子が上記の如き絶望と無念のうちにその生涯を終えたと知った悲しみは甚大なものと認められるところ,その慰謝料額は,被告らに対し,原告らそれぞれにつき500万円が相当であると認められる。 (4) 葬儀費用及び文書作成料証拠(甲3の1ないし3,33)及び弁論の全趣旨によれば,原告らが,Fの葬儀費用として合計136万2500円を支払い,Fの死亡診断書作成のため6000円を支払ったことが認められる。 (5) 損害の・補証拠(甲34)及び弁論の全趣旨によれば,原告らは,平成15年11月21日までに,被告らと い,Fの死亡診断書作成のため6000円を支払ったことが認められる。 (5) 損害の・補証拠(甲34)及び弁論の全趣旨によれば,原告らは,平成15年11月21日までに,被告らとともに本件暴行事件に加担した他の関係者との間で,Fの死亡につき合計900万円の支払を受けることで合意し,現にその一部を受領していると認められるところ,原告らが上記支払分を本件損害から除き請求しないとしているので,原告らの損害から各450万円を差し引くこととする。 (6) 弁護士費用本件事案の難易度,審理に要した期間,認容額その他本件証拠に顕れた一切の事情を考慮すると,本件不法行為と相当因果関係を有する弁護士費用は643万円(原告らそれぞれにつき321万5000円)であると認められる。 第4 結論そうすると,原告らの本訴請求は,被告らに対し,本件共同不法行為に基づく損害賠償請求として,各3540万0629円及びこれに対する不法行為の日である平成12年4月3日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を連帯して支払うよう求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は失当としていずれも棄却することとし,訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条,64条本文,65条1項本文を,仮執行宣言につき同法259条1項を各適用して,主文のとおり判決する。 神戸地方裁判所第6民事部 裁判長裁判官田中澄夫 裁判官大藪和男裁判官三宅知三郎

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