昭和34(オ)1087 第三者異議

裁判年月日・裁判所
昭和40年2月4日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 名古屋高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を名古屋高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人下条正夫の上告理由第一点および同第二点について。  論旨は、債権の

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判決文本文1,497 文字)

主    文      原判決を破棄する。      本件を名古屋高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人下条正夫の上告理由第一点および同第二点について。  論旨は、債権の一部を被保全債権として仮差押のなされた不動産が第三者に譲渡 されて所有権移転登記を経由した後において右仮差押が本執行に移行した場合につ き、原判決には仮差押の効力に関する判断を誤まつた違法があるという。  よつて、案ずるに、原判決は、仮差押登記後に仮差押物件を取得した者は、仮差 押債権者が仮差押債権に基づき仮差押物件に対して強制執行をしたときは、仮差押 債権者の仮差押債権以外の他の債権についての強制執行をも甘受せざるを得ないも のと解し、本件において、被上告人は被保全債権額二万円のみでなく、右二万円を 含む債権全額一〇五万七、三二〇円の弁済を受けるために第三取得者たる上告人ら に対して本件不動産につき強制執行をなし得、従つて、上告人らにおいて右債権全 額の弁済供託をなせば格別、被保全債権額のみにつき弁済供託をしても右強制執行 を回避し得ないとして、上告人らの請求を棄却したことが明らかである。  しかし、債権者が債権の一部を被保全債権として債務者所有の不動産の仮差押を した後に右不動産が第三者に譲渡されて所有権移転登記手続を経由した場合は、右 第三者は、右被保全債権額の範囲においては所有権取得を以て仮差押債権者に対抗 し得ないけれども、右被保全債権額をこえる債権の部分については所有権取得を以 て仮差押債権者に対抗しうるのであつて、従つて、右第三取得者は、債務者に代位 して右被保全債権額を弁済することによつて、仮差押債権者に対する関係において も完全に右不動産の所有権を取得したことになるのであり、その後は仮差押債権者 が右不動産についてなす強制執行は債務者以外の第三者の所有物件につ 額を弁済することによつて、仮差押債権者に対する関係において も完全に右不動産の所有権を取得したことになるのであり、その後は仮差押債権者 が右不動産についてなす強制執行は債務者以外の第三者の所有物件についてなされ - 1 - たことになるのである(昭和三二年(オ)第六七四号同三五年七月二七日第一小法 廷判決・民集一四巻一〇号一八九四頁、昭和三六年(オ)一一一九号同三九年九月 二九日第三小法廷判決各参照)。ところが、原判決が、上告人らが共同して債務者 に代位し原判決(引用の一審判決)判示のような計算のもとに合計五万円を弁済供 託したことを確定しながら、右弁済額がはたして被保全債権額および執行費用等を つぐなうに足りるものであつたかどうかについてなんら確定することなく、上告人 らが債権全額を弁済供託しなければ本件強制執行の不許を求め得ないとしたのは、 仮差押の効力に関する判断を誤つた違法があるものというべく、右違法は判決に影 響を及ぼすことが明らかであるから、原判決は破棄を免れない。  しかして、本件は、叙上の点につきなお審理の必要があるものと認められるので、 本件を原審に差し戻すのが相当である。  よつて、民訴法四〇七条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    長   部   謹   吾             裁判官    入   江   俊   郎             裁判官    松   田   二   郎             裁判官    岩   田       誠 - 2 -

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