平成13(行ケ)70

裁判年月日・裁判所
平成13年10月23日 東京高等裁判所
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判決文本文2,036 文字)

平成13年(行ケ)第70号特許取消決定取消請求事件判決原告三菱化学株式会社訴訟代理人弁護士窪田英一郎、弁理士今村正純、藍原誠被告特許庁長官及川耕造指定代理人田村明照、眞壽田順啓、茂木静代、森田ひとみ 主文 特許庁が異議2000-71526号事件について平成12年12月25日にした決定を取り消す。 訴訟費用は各自の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の求めた裁判主文第1項同旨の判決。 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯原告は、名称を「ヒト肝実質細胞増殖因子」とする特許第2963163号(平成2年7月27日出願、平成11年8月6日設定登録。本件発明)の特許権者であるが、特許異議の申立てがあり、異議2000-71526号事件として審理されたところ、平成12年12月25日、「本件特許第2963163号は、特許査定時の明細書及び図面の記載から見て、その特許請求の範囲に記載されたとおりのものであると認める。これに対して、平成12年6月16日付けで取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者からは何らの応答もない。そして、上記の取消理由は妥当なものと認められるので、本件特許は、この取消理由によって取り消すべきものである。」との理由をもって、「特許第2963163号の特許を取り消す。」との決定があり、その謄本は平成13年1月22日原告に送達された。 上記取消理由の通知書に記載の取消理由は、次のとおりである。 (1) 本件発明は、特開昭63-22526号公報に記載された発明である。 (2) 本件発明は、BiochemicalandBiophysicalResearchCommunication, Vol. 163, 昭63-22526号公報に記載された発明である。 (2) 本件発明は、BiochemicalandBiophysicalResearchCommunication, Vol. 163, No.2,p967-973, 1989バイオテクノロジー辞典第1版、第976頁、14-25行, 1986Eur. J. Biochem. 133, 17-21, FEBS 1983ThomasE. Creighton "ProteinsStructureandMolecularPrinciples" W. H.FreemanandCompanyNewYork, 1984TheJournalofBiologicalChemistry, Vol. 262, No. 18, p8532-8536, 1987に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3) 本件発明は、BiochemicalandBiophysicalResearchCommunication, Vol.163, No.2, p967-973, 1989に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 2 後記訂正前の本件発明の要旨【請求項1】下記アミノ酸配列(配列中、Xaaはピログルタミン酸を表わす。)で表わされるヒト肝実質細胞増殖因子。(アミノ酸配列は省略) 3 訂正審決の確定原告は、本訴係属中の平成13年5月21日、特許請求の範囲の減縮を目的として明細書の訂正をすることにつき審判を請求し、訂正2001-39077号事件として審理された結果、同年8月13日、「特許第2963163号発明の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。」と につき審判を請求し、訂正2001-39077号事件として審理された結果、同年8月13日、「特許第2963163号発明の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。」との審決があり、確定した。 4 訂正後の本件発明の要旨【請求項1】CHO細胞が産生する組み換え蛋白質であることを特徴とする、下記アミノ酸配列(配列中、Xaaはピログルタミン酸を表わす。)で表わされる生物学的活性を有するヒト肝実質細胞増殖因子。(アミノ酸配列は省略)第3 原告主張の決定取消事由決定は、訂正前の請求項に基づき本件発明の要旨を認定し、これに基づき決定引用の取消理由通知書に引用した刊行物記載の発明との対比において本件発明の新規性、進歩性を否定しているが、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を認める審決が確定したことにより、結果的に本件発明の要旨の認定を誤ったことになり、違法となったものである。 第4 当裁判所の判断原告主張の事由により決定は取り消されるべきものであり、本訴請求は理由がある。よって、訴訟費用の負担につき行訴法7条、民訴法62条を適用して、主文のとおり判決する。 (平成13年10月9日口頭弁論終結)東京高等裁判所第18民事部裁判長裁判官永井紀昭裁判官塩月秀平裁判官古城春実

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