平成15年(わ)第3627号,平成16年(わ)第201号,第874号強盗未遂,銃砲刀剣類所持等取締法違反,強盗被告事件判決 主文 被告人を懲役12年に処する。 未決勾留日数中120日をその刑に算入する。 理由 (犯罪事実)被告人は,ペットボトルに入れた灯油様の物を散布したり,牛刀(刃体の長さ約21センチメートル)を示したりして,消費者金融から金員を強取しようと企て,第1の1 平成15年11月6日午後1時54分ころ,名古屋市a1区bc丁目d番e号fのg1株式会社h1支店において,ペットボトルに入れた漂白剤等の液体を店内に散布した上,支店長代理i1(当時25歳)に対し,牛刀及びライターを示して,金を出せ,火をつけるぞなどと脅迫し,その反抗を抑圧して,同人から支店長i2管理の約62万5000円を強取し(平成16年3月30日付第1),第1の2 上記日時場所において,業務その他正当な理由による場合でないのに,上記牛刀1本を携帯し(平成16年3月30日付第2)第2の1 同年11月18日午前10時ころ,名古屋市a1区bj丁目k番l号mのg2株式会社h2店において,店長i3(当時32歳)に対し,ペットボトルに入れた灯油等の液体を掛けるなどして店内に散布した上,牛刀及びライターを示して,金を出せ,火をつけるぞなどと脅迫し,その反抗を抑圧して,同人から同人管理の約35万5822円を強取し(平成16年2月3日付第1),第2の2 上記日時場所において,業務その他正当な理由による場合でないのに,上記牛刀1本を携帯し(平成16年2月3日付第2)第3の1 同年11月21日午後1時56分ころ,名古屋市a2区no丁目o番地pのg1株式会社h3支店において,ペットボトルに入れた灯油等の液体を支店長i4(当時32歳)に掛けるな 年2月3日付第2)第3の1 同年11月21日午後1時56分ころ,名古屋市a2区no丁目o番地pのg1株式会社h3支店において,ペットボトルに入れた灯油等の液体を支店長i4(当時32歳)に掛けるなどした上,牛刀を示して脅迫し,金を出せと要求し,その反抗を抑圧して,同人から同人管理の約52万9000円を強取し(平成16年3月30日付第3),第3の2 上記日時場所において,業務その他正当な理由による場合でないのに,上記牛刀1本を携帯し(平成16年3月30日付第4)第4の1 同年11月26日午後2時44分ころ,上記第2の1のg2株式会社h2店において,ペットボトルに入れた灯油等の液体を店長i3(当時32歳)に掛けるなどした上,牛刀を示して脅迫し,金を出せと要求し,その反抗を抑圧して,同人から同人管理の約33万17円を強取し(平成16年3月30日付第5),第4の2 上記日時場所において,業務その他正当な理由による場合でないのに,上記牛刀1本を携帯し(平成16年3月30日付第6)第5の1 同年11月27日午後1時36分ころ,名古屋市a3区qd丁目r番地sのg1株式会社h4支店において,ペットボトルに入れた灯油等の液体を支店長代理i5(当時25歳)に掛けるなどした上,牛刀及びライターを示すなどして脅迫し,金を出せと要求し,その反抗を抑圧して,同人から支店長i6管理の約24万3109円を強取し(平成16年3月30日付第7),第5の2 上記日時場所において,業務その他正当な理由による場合でないのに,上記牛刀1本を携帯し(平成16年3月30日付第8)第6の1 同年12月1日午後2時47分ころ,名古屋市a1区tu丁目j番v号wの株式会社g3h5店において,ペットボトルに入れた灯油等の液体をカウンターに散布した上,店員i7(当時51歳)に牛刀を示し,金 1 同年12月1日午後2時47分ころ,名古屋市a1区tu丁目j番v号wの株式会社g3h5店において,ペットボトルに入れた灯油等の液体をカウンターに散布した上,店員i7(当時51歳)に牛刀を示し,金を出せと要求し,その反抗を抑圧して,同人から同人管理の約38万9517円を強取し(平成16年3月30日付第9),第6の2 上記日時場所において,業務その他正当な理由による場合でないのに,上記牛刀1本を携帯し(平成16年3月30日付第10),第7の1 同年12月5日午後2時6分ころ,名古屋市a4区xe丁目u番y号zの株式会社g4h6支店において,ペットボトルに入れた灯油等の液体を支店長i8(当時48歳)らに掛けるなどした上,牛刀及びライターを示して脅迫し,金を出せと要求し,その反抗を抑圧して,i8から金員を強取しようとしたが,i8に抵抗されたため,その目的を遂げなかった(平成15年12月26日付第1),第7の2 上記日時場所において,業務その他正当な理由による場合でないのに,上記牛刀1本を携帯した(平成15年12月26日付第2)。 (法令の適用)判示第1ないし第6の各1 刑法236条1項判示第7の1 刑法243条,236条判示第1ないし第7の各2 銃砲刀剣類所持等取締法違反32条4号,22条刑種の選択懲役刑を選択(判示第1ないし第7の各2につき)併合罪加重刑法45条前段,47条本文,10条,14条(刑及び犯情の最も重い判示第1の1の罪の刑に加重)未決勾留日数の算入刑法21条訴訟費用の不負担刑訴法181条1項ただし書(量刑の理由)本件は,消費者金融会社でペットボトル内に入った灯油等をカウンターに散布したり,牛刀を示すなどして犯した強盗6件,強盗未遂1件及び牛 費用の不負担刑訴法181条1項ただし書(量刑の理由)本件は,消費者金融会社でペットボトル内に入った灯油等をカウンターに散布したり,牛刀を示すなどして犯した強盗6件,強盗未遂1件及び牛刀携帯の事案である。あらかじめペットボトルに漂白剤,灯油等を入れ,発火しやすい液体を持っていると装い,牛刀を示して脅すなどしたもので,犯行態様は計画的で悪質である。約1か月の間に7回にわたり犯行に及んでおり,常習性がある。被害は現金合計247万円余と高額であるのに,被害弁償をしていない。被害店舗で勤務していた者らの精神的被害も大きい。収入に応じて生活せず,消費者金融,次いでやみ金から借金し,その返済に追われて犯行に至っており,犯行経緯に酌むべき点もない。これらによれば,その刑事責任は重大であり,被告人なりに引火による被害発生を控えていたこと,事実を認めて反省していること,被害店舗に対し謝罪文を送付していること,前科がないことなど酌むべき事情も考慮し,懲役12年に処する(求刑懲役15年)。 平成16年7月6日名古屋地方裁判所刑事第4部 裁判官柴田秀樹
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