令和2(ワ)23432 営業侵害行為差止請求事件

裁判年月日・裁判所
令和5年9月22日 東京地方裁判所
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令和5年9月22日判決言渡同日原本交付裁判所書記官令和2年(ワ)第23432号営業侵害行為差止請求事件口頭弁論終結日令和5年6月2日判決 原告 株式会社IchidoUp 同訴訟代理人弁護士 家永勲 同 大平健城 被告 株式会社AI 株式会社LSCreation 上記2名訴訟代理人弁護士 兼定尚幸 同 石畑智哉 被告 株式会社SAI 同訴訟代理人弁護士 大塚一暁 同 川﨑裕恭 主文 1 被告株式会社LSCreationは、原告に対し、87万2067円を支払え。 2 被告株式会社AI及び被告株式会社SAIは、原告に対し、連帯して、17万1946円及びこれに対する令和元年9月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は原告の負担とする。 5 この判決は、第1項、第2項に限り、仮に執行することができる。 事実 第1 請求 1 被告らは、原告に対し、別紙組合財産を引き渡せ。 2 被告株式会社LSCreationは、原告に対し、163万5291円を支払え。 3 被告株式会社AI及び被告株式会社SAIは、原告に対し、連帯して、1億円及びこれに対する令和元年9月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告らは、別紙顧客名簿を、営業活動に使用し、又は第三者に開示・使用させてはならない。 1億円及びこれに対する令和元年9月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告らは、別紙顧客名簿を、営業活動に使用し、又は第三者に開示・使用させ てはならない。 5 被告らは、別紙顧客名簿に係る電子データ及びその複製物を廃棄せよ。 6 被告らは、別紙謝罪広告目録記載1の謝罪広告を、同目録記載2の条件で掲載せよ。 7 被告らは、原告に対し、連帯して、1000万円及びこれに対する被告株式会 社AI及び被告株式会社LSCreationについては令和2年10月9日から、被告株式会社SAIについては同年10月13日から各支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 8 仮執行宣言第2 請求の趣旨に対する答弁 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 第3 事案の概要等 1 事案の概要本件は、原告、被告株式会社AI(以下「被告AI」という。)、被告株式会 社SAI(以下「被告SAI」という。)及び株式会社イングリッシュライフ(以 下「EL社」という。後に合併により被告LSCreation(以下「被告LS」という。)がその権利義務を承継した。)が、原告、被告AI、被告SAIを組合員とする組合契約を締結して共同で「スマホ留学」という名称の英語教育プログラム(以下、このプログラムを単に「スマホ留学」といい、これを用いて行う事業を「スマホ留学事業」ということがある。)を提供するために協働し、 EL社にスマホ留学事業の運営事務等を委託するという契約(以下「本件組合契約」といい、その組合を「本件組合」ということがある。)を締結したところ、請求の趣旨1項被告AIについては、①本件組合契約に違反するメールマガジンを配信したことを理由とす 以下「本件組合契約」といい、その組合を「本件組合」ということがある。)を締結したところ、請求の趣旨1項被告AIについては、①本件組合契約に違反するメールマガジンを配信したことを理由とする催告解除又は②EL社が提供するスマホ留学事業と競合す るサービスの提供を阻止しなかったこと、スマホ留学事業の顧客名簿の不正使用、スマホ留学事業の顧客に対する虚偽の告知による信用棄損、LINE@アカウントの盗用、スマホ留学事業に係る業務放棄を理由とする無催告解除によって本件組合契約を解除し、被告SAIについては、前記②を理由とする無催告解除によって本件組合契約を解除し、被告LSについては、スマホ留学事業 と競合するサービスの提供、スマホ留学事業の顧客名簿の不正使用、スマホ留学事業に関する業務放棄、サポート窓口の変更を理由とする無催告解除によって本件組合契約を解除したところ、本件組合契約の特約により、原告が組合財産全てを単独取得したと主張して、原告が、被告らに対し、別紙組合財産目録記載1から4については本件組合契約に基づき、同記載5については、不当利 得返還請求権に基づき、同記載6、7については、所有権に基づき引渡しを請求し、請求の趣旨2項原告が、被告LSに対して、本件組合契約に基づく利益分配請求権として、2019年9月期(平成30年10月1日から令和元年9月30日まで)の収 益について原告が取得すべき分配金の残金163万5291円の支払を請求 し、請求の趣旨3項被告AI及び被告SAIが、共同して本件組合契約上、分配金の計算に当たって経費に算入できない支出を経費に算入して分配金の額を減少させたことが共同不法行為又は債務不履行に当たると主張して、原告が、被告AI及び被 告SAIに対して、 件組合契約上、分配金の計算に当たって経費に算入できない支出を経費に算入して分配金の額を減少させたことが共同不法行為又は債務不履行に当たると主張して、原告が、被告AI及び被 告SAIに対して、上記に伴う2019年9月期に係る分配金の減少額1億4509万3057円の一部として1億円及び令和元年9月30日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を請求し、請求の趣旨4項から6項スマホ留学事業に係る別紙顧客名簿目録記載の顧客名簿が不正競争防止法 所定の①営業秘密又は②限定提供データに当たるところ、同顧客名簿を用いて被告SAI及び被告AIが競合サービスを提供してスマホ留学事業の顧客を奪取したことが不正競争防止法2条1項7号又は同項14号の不正競争行為に当たり、EL社については被告SAI及び被告AIから提供を受けた同顧客名簿中の電子メールアドレスを利用して、競合サービスに係るメールマガジン を配信したことが同項8号又は同項15号の不正競争行為に当たると主張して、原告が、同法3条1項に基づき、被告らに対して同顧客名簿の使用等の差止め、廃棄、同法14条に基づく信用回復措置として謝罪広告の掲載を、請求の趣旨7項ア選択的請求1 原告が、被告らに対し、前記の不正競争行為によって顧客の奪取によって生じた分配金の減少額の一部として1000万円をイ選択的請求2原告が、被告らに対し、本件組合契約に反してスマホ留学事業に係る顧客名簿を利用してスマホ留学事業の競合サービスのプロモーションをしたこ とによって生じた前記アと同額の損害の一部として1000万円を それぞれ請求する事案である。 第4 当事者の主張 1 請求原因組合財産の引渡し等についてア原告、被告AI、被告SAI及び 生じた前記アと同額の損害の一部として1000万円を それぞれ請求する事案である。 第4 当事者の主張 1 請求原因組合財産の引渡し等についてア原告、被告AI、被告SAI及びEL社は、平成30年10月1日、次の 内容を含む本件組合契約を締結した。 1条2項本契約は、甲(判決注:原告)乙(判決注:被告SAI)丙(判決注:被告AI)を組合員とする任意組合契約であり、丁(判決注:EL社)は、営業者として本事業に関与するものとする。 2条1項本事業は、丁の名において運営する。 6条3項本件メールマガジンを配信しようとするメンバーは、あらかじめ、その配信内容につき、他のメンバー(2社)のうち、いずれか1社からの同意 を得なければならない。ただし、甲代表取締役であるA氏を配信者として表示する場合には、他のメンバー(2社)全ての同意を得なければならない。 9条1項柱書当事者の一人(以下「違反当事者」という。)が次の各号に定める事由に 該当するに至ったときは、他の当事者(以下「解除権行使者」という。)は、違反当事者との関係において、本契約の解除をすることができる。 本契約のいずれかの規定に違反し、催告後相当期間内にこれを是正しないとき相手方の事業活動に支障を及ぼし、又は及ぼす虞のある行為を行っ たとき 9条2項前項(本件組合契約第9条第1項)に基づき本契約の解除が行われた場合には、当該解除の時点において、違反当事者は本契約から脱退し、本契約上の権利(第5条に基づく本事業資産に関する権利)を失い、義務を免れる。 イ被告LSは、令和2年7月1日、EL社を吸収合併し、EL社の権利義務を承継した。 ウ解除事由1(被告AIについて後記エと選択的 に基づく本事業資産に関する権利)を失い、義務を免れる。 イ被告LSは、令和2年7月1日、EL社を吸収合併し、EL社の権利義務を承継した。 ウ解除事由1(被告AIについて後記エと選択的主張)(被告AIの債務不履行)被告AIは、令和元年9月30日、原告の同意を得ず、原告の代表者で あるA(以下「A」という。)名義のメールマガジンを配信した。 原告は、被告AIに対し、令和元年9月30日付の「回答書」第5項及び第6項において、原告の同意を得ず上記メールマガジンの配信を取りやめるよう催告する通知をし、同通知は、令和元年10月1日に、被告AIに到達した。 被告AIは、令和元年10月5日から令和2年7月12日にかけて、原告の同意を得ず、A名義のメールマガジンの配信を続けた。 エ解除事由2(被告AIについて前記ウと選択的主張)(被告AI及び被告SAIの債務不履行)次のとおり、被告AI及び被告SAIは、「相手方の事業活動に支障」を及 ぼす行為(本件組合契約9条1項)をした。 競合サービスの提供を阻止しなかったEL社が提供するケンペネEnglishという名称の英語教育プログラム(以下、このプログラムを単に「ケンペネEnglish」といい、これを用いて行う事業を「ケンペネEnglish事業」という ことがある。)は、スマホ留学事業と競合するサービスであるところ、被 告AIはEL社と代表取締役が同一人物であり、これを阻止すべきであったにもかかわらずこれを怠り、被告SAIもこれを知りつつ阻止しなかったばかりか、ケンペネEnglish事業に協力した。 また、EL社が、スマホ留学事業と競合するサービスであるオンライン留学という名称の英語教育プログラム((下、このプログラムを単に 「 なかったばかりか、ケンペネEnglish事業に協力した。 また、EL社が、スマホ留学事業と競合するサービスであるオンライン留学という名称の英語教育プログラム((下、このプログラムを単に 「オンライン留学」といい、これを用いて行う事業を「オンライン留学事業」ということがある。)を提供したところ、被告AIはEL社と代表取締役が同一人物であり、これを阻止すべきであったにもかかわらずこれを怠り、被告SAIもこれを知りつつ阻止しなかったばかりか、オンライン留学事業に協力した。 顧客名簿の不正使用被告AI及び被告SAIは、EL社を介して、スマホ留学事業に係る顧客名簿記載の電子メールアドレスを用いて、スマホ留学事業の競合サービスであるケンペネEnglish事業(令和元年9月3日から令和2年8月14日)、オンライン留学事業(令和2年7月22日から 同年8月2日)のプロモーションを内容に含むメールマガジンを継続的に配信した。また、被告AI及び被告SAIは、顧客名簿記載の住所を用いて、令和元年11月頃、スマホ留学の受講生に対し、オンライン留学のプロモーションを内容とするハガキを郵送した。 信用毀損 EL社に対して、スマホ留学の顧客から、別のプログラムのプロモーションを送ってくる神経が分からないなどと記載されたメールが送られてきたところ、EL社の担当者は、Aが被告LS社代表取締役のB(以下「B」という。)と面識すらなかったにもかかわらず、「元々、BさんとA先生が友好関係にあり、そのBさんがこのタイミングにて英 語の教材を発表するとのことで、スマホ留学でもご紹介させていただ いたのみとなっております。」と虚偽の内容が記載された返信をした。 LINE@アカウントの盗用被告AI及び被告SAIは、 語の教材を発表するとのことで、スマホ留学でもご紹介させていただ いたのみとなっております。」と虚偽の内容が記載された返信をした。 LINE@アカウントの盗用被告AI及び被告SAIは、遅くとも令和元年10月3日までに、原告の承諾なく、スマホ留学事業のLINE@アカウントを「ケンペネEnglish」の名義に変更して、スマホ留学事業の顧客をケンペネE nglish事業に誘導しようとした。 被告AI及び被告SAIによる業務放棄被告AI及び被告SAIは、遅くとも令和2年4月3日までに、スマホ留学事業に関する業務を放棄することを決定し、スマホ留学事業に関する問合せ先をAの個人メールアドレスに変更した。これにより、Aは、 少なくとも121件の問合せを受けた。他方、原告は、その間、被告AI及び被告SAIによって、スマホ留学事業に関する顧客情報等に対してアクセスする権利を剥奪されていた。被告AI及び被告SAIは、同年7月25日までにスマホ留学事業の顧客の募集を停止した。 オ解除事由3(EL社による債務不履行) 次のとおり、EL社は、「相手方の事業活動に支障」を及ぼす行為(本件組合契約9条1項違反)をした。 競合サービスの提供EL社は、遅くとも令和2年7月22日頃から、スマホ留学事業と競合するサービスであるオンライン留学事業を提供した。 顧客名簿の不正使用EL社はスマホ留学事業の顧客名簿記載の電子メールアドレスを用いて、令和2年7月22日から同年8月2日までに、オンライン留学事業のプロモーションを内容とするメールマガジンを配信し、EL社は、令和元年11月頃、顧客名簿記載の住所に宛ててオンライン留学事業のプロモー ションを内容とするハガキを送付した。 信用棄損EL社 を内容とするメールマガジンを配信し、EL社は、令和元年11月頃、顧客名簿記載の住所に宛ててオンライン留学事業のプロモー ションを内容とするハガキを送付した。 信用棄損EL社に対して、スマホ留学の顧客から、別のプログラムのプロモーションを送ってくる神経が分からないなどと記載されたメールが送られてきたところ、EL社の担当者は、Aは、「B」と面識すらなかったにもかかわらず「元々、BさんとA先生が友好関係にあり、そのBさんがこのタイ ミングにて英語の教材を発表するとのことで、スマホ留学でもご紹介させていただいたのみとなっております。」と虚偽の返信をした。 業務放棄EL社は、スマホ留学の受講生等に対し、スマホ留学事業の問合せ先としてAの個人的な電子メールアドレス及び携帯電話の電話番号並びに原 告の電子メールアドレスを記載したメールを送信した。これによって、Aは、スマホ留学の受講生から少なくとも121件の問合せを受けた。この間、原告は、スマホ留学事業に関する顧客情報等に対してアクセスする権利をはく奪されていた。また、EL社は、遅くとも令和2年7月25日までに、スマホ留学事業の顧客の募集を停止した。 カ解除原告は、令和2年9月15日付けの本件の訴状をもって、被告らに対し、本件組合契約を解除する意思表示をした。これによって、被告SAI及び被告AIは本件組合契約に係る組合から除名され、原告が清算人の地位を取得した。 キ別紙組合財産目録記載の財産は、本件組合契約に基づいて取得されたものであり、被告らが占有している。 クよって、原告は、被告らに対し、別紙組合財産目録記載1から4については本件組合契約に基づき、同記載5については不当利得返還請求権に基づき、同記載6、7については所有権に 被告らが占有している。 クよって、原告は、被告らに対し、別紙組合財産目録記載1から4については本件組合契約に基づき、同記載5については不当利得返還請求権に基づき、同記載6、7については所有権に基づきそれらの引渡しを請求する。 本件組合契約に基づく利益分配請求について ア本件組合契約では次のとおり定められている。 2条1項本事業は、丁(判決注:EL社)の名においてこれを運営する。 2条3項甲乙丙(以下「メンバー」という。)は、共同で、本事業の運営に協力する ものとし、本事業から得られた利益及び損失は、本契約に基づき、メンバー間にて分配し、負担するものとする。 4条1項本事業から生じた利益は、次の割合でメンバー間にて分配する。 甲(判決注:原告)20% 乙(判決注:被告SAI)40% 丙(判決 注:被告AI)40%イ 2019年9月期(平成30年10月1日から令和元年9月30日まで)のスマホ留学事業に係る本件組合契約に基づく利益分配金につき、原告に対する未払金は87万2067円である。 ウ被告LSは、令和2年7月1日、EL社を吸収合併した。 エよって、原告は被告LSに対し、本件組合契約に基づき2019年9月期に係る利益分配金として、163万5291円を請求する(なお、前記イの87万2067円との差額に相当する額に関する請求原因は弁論終結時までに撤回された。)。 経費の計上に係る被告AI及び被告SAIの共同不法行為又は債務不履行 に基づく損害賠償請求ア原告、被告AI及び被告SAIは、平成30年8月10日から同年10月1日までの間に、スマホ留学事業の経費について、10万円以上の支出については、他の組合員の事前承諾が必要とする旨の合意をした。 イ別紙 被告AI及び被告SAIは、平成30年8月10日から同年10月1日までの間に、スマホ留学事業の経費について、10万円以上の支出については、他の組合員の事前承諾が必要とする旨の合意をした。 イ別紙経費一覧表記載の経費のうち、「経費として認められない理由」欄に 「同意なし」と記載された経費は10万円を超える経費であるにもかかわら ず、被告AI又は被告SAIは、原告の同意なくこれらをスマホ留学事業の経費として計上して分配金の計算の基礎とした。 ウ別紙経費一覧表記載の経費のうち、「経費として認められない理由」欄に「関連性なし」と記載された経費は、スマホ留学事業と関連性がないため、経費として計上すべきではないにもかかわらず、被告AI又は被告SAIは、 原告の同意なくこれらをスマホ留学事業の経費として計上して分配金の計算の基礎とした。それらを経費と計上すべきでない理由は別紙経費に関する主張の第1記載のとおりである。 エ前記イ、ウを経費として扱わずに2019年9月期の経常利益を計算すると、原告が取得すべき額(経常利益の20%)は、1億4939万8162 円となる。原告は、430万5105円しか支払を受けておらず、その差額である1億4509万3057円の損失を被った。 オよって、原告は、被告AI及び被告SAIに対し、共同不法行為又は債務不履行に基づき前記エの損害に係る一部請求として、1億円及びこれに対する令和元年9月30日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を 請求する。 不正競争防止法に基づく請求ア営業秘密性(主位的主張)ⅰ 秘密管理性本件組合契約において、顧客名簿が機密情報に該当することが明示さ れており、原告、被告AI、被告SAI及びEL社はこれを認識していた。 ⅱ 営業秘密性(主位的主張)ⅰ 秘密管理性本件組合契約において、顧客名簿が機密情報に該当することが明示さ れており、原告、被告AI、被告SAI及びEL社はこれを認識していた。 ⅱ 有用性顧客名簿は、スマホ留学の受講生、卒業生を含むスマホ留学のメールマガジンに登録された顧客に関するものであり、電子メールアドレスが 含まれていた。 ⅲ 非公知性スマホ留学事業に係る顧客名簿はサイボウズ株式会社が提供する顧客管理アプリケーションである「kintone」及び「Mailwise」にデータとして格納されアクセス権限がある従業員等にしか閲覧できないようになっていた。 限定提供データ(予備的主張)本件顧客情報は、少なくともスマホ留学に無料会員登録をした者の氏名、メールアドレスが含まれているところ、EL社(吸収合併後は被告LS社)は、ランディングページから「kintone」又は「Mailwise」で顧客情報を収集することにより、これを事実上保有した後、原告、被告 AI及び被告SAIに対し、本件組合契約に基づき、「kintone」又は「Mailwise」のID及びパスワードを発行する方法により、顧客情報を提供し、かつ、これは営業秘密に当たらないから、当該顧客情報は、限定提供データに当たる。 イ顧客名簿の使用等 原告、被告AI及び被告SAIは、本件組合契約5条2項、6条に基づき、互いに顧客情報の使用を認めていたところ、被告AI、被告SAI及びEL社は、前記エ、記載の行為をしており、これは、不正競争防止法2条1項7号又は同項14号の不正競争行為に当たる。 EL社は、被告AI及び被告SAIが本件組合の営業秘密を不正開示し ていることを知りつつ、顧客情報に含まれるスマ 、これは、不正競争防止法2条1項7号又は同項14号の不正競争行為に当たる。 EL社は、被告AI及び被告SAIが本件組合の営業秘密を不正開示し ていることを知りつつ、顧客情報に含まれるスマホ留学の顧客の電子メールアドレスの情報を用いて、同電子メールアドレスにケンペネEnglishをプロモーションするメールマガジンを配信しており、これは、不正競争防止法2条1項8号又は同項15号の不正競争行為に当たる。 ウ損害 ケンペネEnglish事業及びオンライン留学事業は、スマホ留学事業 と類似のサービスであり、その売上規模も近いものと想定されることから、その利益はスマホ留学事業の直近の営業利益の額に近いと推認できる。その額は1年当たり3億7874万8057円であり、組合として受けた損害は、不正競争防止法5条2項に基づき、1年当たり同額であると推定される。よって、令和元年9月3日から本件訴状の各送達日までは、同額に原告の分配 額である20%を乗じた額が損害額になり、訴状の各送達日の後については、原告の分配額が100%になるため、1年当たり3億7874万8057円が損害になる。 エ原告の営業上の利益の侵害の除去又は予防のためには、被告らに顧客名簿の使用を禁じる必要がある。 オ被告らは故意に原告の信用を害したところ、原告に生じた損害を回復、予防するためには、金銭賠償では足りず、謝罪広告が必要である。 カよって、原告は、被告らに対し、不正競争防止法3条1項、2項に基づき、顧客名簿の使用の差止め及び廃棄を、 不正競争防止法14条に基づき謝罪広告を、連帯して、不正競争防止法4条、5条1項に基づき前記ウの一部として1000万円および訴状送達日の翌日から支払済みまで年3分の割合による遅延 不正競争防止法14条に基づき謝罪広告を、連帯して、不正競争防止法4条、5条1項に基づき前記ウの一部として1000万円および訴状送達日の翌日から支払済みまで年3分の割合による遅延損害金を、請求する。 被告らによる本件組合契約7条1項違反の債務不履行に基づく損害賠償請求ア本件組合契約には次の定めがある。 7条1項甲乙丙丁(判決注:原告、被告AI、被告SAI及びEL社)は、相手方 の事前の承諾なく機密情報(次項に定義)を本契約の目的外に使用又は利用 し、又は第三者に開示若しくは漏洩してはならない。 イ被告らによる次の行為は、いずれも前記アの債務の不履行に当たる。 被告AI、被告SAI及びEL社は、EL社が作成した本件組合契約上の機密情報である顧客名簿記載の電子メールアドレスを用いて、令和元年9月3日から令和2年8月14日の期間において、スマホ留学事業の競合 サービスであるケンペネEnglish事業のプロモーションを内容に含むメールマガジンを継続的に配信した。 被告AI、被告SAI及びEL社は、前記の顧客名簿記載の電子メールアドレスを用いて令和2年7月22日から令和2年8月2日の期間において、スマホ留学事業の競合サービスであるオンライン留学事業のプロ モーションを内容とするメールマガジンを配信した。 被告AI、被告SAI及びEL社は、前記の顧客名簿記載の住所を用いて、令和元年11月頃、スマホ留学の受講生に対し、オンライン留学事業のプロモーションを内容とするハガキを郵送した。 ウ損害 前記イの行為により、原告に前記ウと同額の損害が生じた。 エよって、原告は、被告に対し債務不履行に基づく損害賠償として、前記ウの損害の一部である1000万円お 郵送した。 ウ損害 前記イの行為により、原告に前記ウと同額の損害が生じた。 エよって、原告は、被告に対し債務不履行に基づく損害賠償として、前記ウの損害の一部である1000万円および本件訴状の各送達日の翌日から支払済みまで年3分の割合による遅延損害金を請求する。 2 請求原因に対する認否 組合財産の引渡し等についてア請求原因アは認める。 イ請求原因イは認める。 ウ請求原因ウは、メールマガジンがA名義であること、同意を得ていないとの点は否認する。 請求原因エ、オは、本件組合契約には競業避止に関する規定がないか ら組合員は競業避止義務を負わない。原告もスマホ留学事業とは別の事業としてAによる英語の個人レッスンを行っている。また、スマホ留学事業とケンペネEnglish事業は、相互補完的に利用者の英語能力を向上させるものであり、顧客を奪い合う関係にない。さらに、被告AIは、スマホ留学事業の顧客リストを用いてケンペネEnglish事業のプロモーション を実施することを原告に告知し、原告はそれに異議を述べなかったのであるから、同意を得ていたといえる。 請求原因エ、オは、本件組合契約7条2項における機密情報とは、本件組合契約の一方当事者が他方当事者に対して当該情報が機密である旨明示して開示した情報であるとされているから、スマホ留学とは別に本件組合 契約の当事者が固有に有していた情報であると解すべきである。そして、本件顧客名簿はスマホ留学事業に関して被告AI及び被告SAIが原始的に取得しているからこれに当たらない。 請求原因エ、オは、メールを送信したこと、原告とBに面識がなかった事実は認めるが、当該顧客は事実と異なる交友関係を認識するにとどまり、 A 始的に取得しているからこれに当たらない。 請求原因エ、オは、メールを送信したこと、原告とBに面識がなかった事実は認めるが、当該顧客は事実と異なる交友関係を認識するにとどまり、 Aの個人的信用を疑うことにはならない。 請求原因エは、アカウント名義はAであるが、契約名義はEL社であり、運用していたのは被告AI及び被告SAIである。アカウントの名称変更は原告との関係悪化によるものであり、また、ケンペネEnglishに関する配信は、名義変更後に登録されたユーザに限って行っている。 請求原因エ、オは、スマホ留学事業に関する業務の停止は、原告と被告らとの関係悪化により、従来のサービス提供が困難になったからである。 エ請求原因カは、本件組合契約を債務不履行を理由に解除できるとの主張を争う。また、仮に本件組合契約を債務不履行を理由に解除できるとしても、本件組合契約は継続的契約に係る契約であるから、その解除には、取引関係 を継続し難いような不信行為等やむを得ない事由が必要であると解すべき ところ、原告が主張する事情は、本件組合契約を継続し難いやむを得ない事由には当たらない。後記3記載の事実も考慮すると、やむを得ない事由がないことは明らかである。 オ請求原因クは、争う。 本件組合契約に基づく利益分配請求について 被告LSが原告に対して87万2067円の限度で分配金の支払義務を負うことは認める。 経費の計上に係る被告AI及び被告SAIの共同不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償請求についてア請求原因アは、否認する。 イ請求原因イ、ウは、各項目について支出の上経費に計上したことは認める。 請求原因ウについて事業と関連性がないとの主張は争う。その具体的な関連性は、別紙経 ア請求原因アは、否認する。 イ請求原因イ、ウは、各項目について支出の上経費に計上したことは認める。 請求原因ウについて事業と関連性がないとの主張は争う。その具体的な関連性は、別紙経費に関する主張の第2記載のとおりである。 ウ請求原因エ、オは、争う。ただし、仮に経費の計上が不適切な場合、原告への分配金が不適切な額の2割に当たる額について増加することは争わな い。 不正競争防止法に基づく請求ア請求原因アは、争わない。 イ請求原因イは、否認ないし争う。スマホ留学に係る顧客名簿は、被告AI、被告SAI、EL社が取得、管理していたのであるから、被告AI及び被告 SAIは、本件顧客名簿について、顧客名簿を保有していた事業者であり、これを組合から示されたことはない。EL社及び被告LSは、被告AIから顧客名簿の開示を受けたが、被告AIが顧客名簿を保有していた事業者であるから、不正競争行為には当たらない。 ウ請求原因ウからカは、否認ないし争う。 被告らによる本件組合契約7条1項違反の債務不履行に基づく損害賠償請 求ア請求原因アは、本件組合契約の定めの記載は認める。 イ請求原因イは、否認ないし争う。前記ウで主張したとおり、本件顧客名簿は機密情報に当たらない。 ウ請求原因ウは、否認ないし争う。 3 抗弁先立つ解除(請求原因に対して)ア原告は本件組合契約に基づき、コンテンツ制作として、マンツーマンレッスンプログラムの実施に必要な対応をする義務を負っていたところ、令和元年9月期において、マンツーマンレッスンプログラムを実施しな かった。 原告は、本件組合契約に基づき、コンテンツ制作の一環として、スマホ留学の宣伝に必要な動画の撮影を行う義務を負ってい 和元年9月期において、マンツーマンレッスンプログラムを実施しな かった。 原告は、本件組合契約に基づき、コンテンツ制作の一環として、スマホ留学の宣伝に必要な動画の撮影を行う義務を負っていたところ、動画撮影を実施しなかった。 イ被告AIは、令和元年8月30日に、原告に対して、本件組合契約を解除 する意思表示をした。 信義則違反(請求原因に対して)次の事情があるため、原告が本件組合契約を解除した旨主張することは信義に反する。 ア原告は、令和元年9月期において、本件組合の業務をほとんど行わなかっ た。 イ原告は、スマホ留学のコンテンツに多くの不備を発生させたにもかかわらず、不備への対応を、被告AI、被告SAI及びEL社に行わせた。 ウ原告は、スマホ留学のスタッフを自社に引き抜こうとし、また、スマホ留学を中傷する発言をした。 エ原告は、スマホ留学が赤字の状態であったにもかかわらず、原告自身の商 品作成・プロモーションに注力した。 オ原告は、謝罪文を提出した後、本件組合契約からの脱退を希望するなどして本件組合契約に係る組合の運営を混乱させた。 4 抗弁に対する認否先立つ解除について ア抗弁アは、原告がマンツーマンレッスンプログラムの実施のために必要な対応をする義務を負っていたとの点は否認する。 イ抗弁アは否認する。 ウまた、これらの事由が解除原因となる事情であるとの点は争う。 信義則違反について ア抗弁アは否認する。 イ抗弁イは否認する。原告は、不備は生じさせたものの、必要な対応は行った。 ウ抗弁ウは否認する。原告は被告らが主張する趣旨の発言はしていない。 エ抗弁エは否認する。 オ抗弁オは、事実は認めるが、その評価 告は、不備は生じさせたものの、必要な対応は行った。 ウ抗弁ウは否認する。原告は被告らが主張する趣旨の発言はしていない。 エ抗弁エは否認する。 オ抗弁オは、事実は認めるが、その評価は争う。Aは、被告AI、被告SAIとの間で令和元年5月21日にミーティングをし、被告ら側からありもしない業務懈怠について追及を受け、反論していたが、現場に対する配慮が足りないと指摘され、A自身では分からないところで配慮が足りなかったかもしれないと思いひとまず謝罪をした。すると、被告らは、謝罪の気持ちがあ るなら、現場の従業員に利益を還元するために分配割合を20%から5%に減額してもらいたいとの要求をしたため、原告は謝罪文を送付したところ、現場であるEL社の取り分ではなく被告AI及び被告SAIの取り分がその分増えることが予定されていることを知り、代理人弁護士を選任して謝罪文を撤回したものである。 カ前記3の事情は仮に事実が認められても解除を主張することが信義に 反する事情とはいえない。 理由 1 証拠及び弁論の全趣旨によれば、スマホ留学事業の開始等について、次の事実が認められる。 被告AIの代表取締役であるC(以下「C」という。)は、平成21年、経営 コンサルトなどを行うD(以下「D」という。)らと共に被告AI(旧商号は株式会社LINCCLIPJAPAN)を起業した。Dが「プロダクトローンチ」というマーケット手法に着目した後は、被告AIは同手法で複数の事業を行うなどした。現在はCが被告AIの全株式を保有している。プロダクトローンチとは、商品を売り出す前に、メールマガジンやブログ、SNSなどを用 いて商品やサービスに関する情報を拡散するなどして、商品の認知度を高めるという手法である。Cは、平成 いる。プロダクトローンチとは、商品を売り出す前に、メールマガジンやブログ、SNSなどを用 いて商品やサービスに関する情報を拡散するなどして、商品の認知度を高めるという手法である。Cは、平成28年4月、5月頃、広告運用を主たる業務としている株式会社AIホールディングス(以下「AIHD」という。)の代表者であるE(以下「E」という。)から英語をコンテンツとする新規事業の立ち上げを持ち掛けられ、プロダクトローンチを利用して英語コンテンツをインター ネット上で提供する事業を立ち上げることを考えるようになった。Eは被告SAIの経営にも関与していた。Cが同事業で販売等する英語コンテンツを有している者を探したところ、Cが開催していたセミナーに受講生として参加していたAを知った。Aは、Aが代表者である原告において、英語のマンツーマン個人レッスンを行う事業を行っていて、Aが有していた英語コンテンツがEラ ーニング商材として販売可能であったため、Cは、Aを加えて英語コンテンツをインターネット上で提供するプログラムなどを有するスマホ留学事業を行うこととした。 (乙A5、90、91、証人E、被告AI代表者C)原告、被告AI、被告SAI及び被告SAIが設立したEL社は、平成28 年9月頃、スマホ留学事業を開始した。 EL社は、スマホ留学事業に係る契約関連の業務、経理等を担当してスマホ留学事業の事業主体となったが、その実質的な運営は被告SAIが行った。被告SAIは、その他にも、広告宣伝業務を担当して、AIHDへの広告の発注等も行った。被告AIは、マーケティング戦略の立案、プロダクトローンチの構築、管理、セミナーへの集客メールの作成・配信等、顧客リストの管理等を 担当した。原告は、コンテンツの制作、主にAが出演する も行った。被告AIは、マーケティング戦略の立案、プロダクトローンチの構築、管理、セミナーへの集客メールの作成・配信等、顧客リストの管理等を 担当した。原告は、コンテンツの制作、主にAが出演する動画の制作、販売商品に関する対応等を担当することとなった。 スマホ留学事業により発生した収益のうち、平成30年1月以降は、上記4当事者はそれぞれ純利益の20%を取得するものとされた(なお、同事業に関する契約書には「内部留保」に関する定めがある。)。スマホ留学事業により発 生した債務は、原告、被告AI、被告SAIが責任を負うが、最終的な責任は被告AIと被告SAIのみが50%ずつ負うこととされた。(乙A91、101、102)平成30年6月頃、スマホ留学事業の経費の計算が問題視されるに至り被告AIが調査したところ、経費の計上漏れがあったことが判明した。そして、こ の機会にスマホ留学事業における各社の担当事務を整理し、さらにスマホ留学事業を組合形式に移行することとなり、平成30年10月1日、本件組合契約が締結された。 本件組合契約では、原告、被告AI、被告SAIが組合員となり、EL社は「営業者」として引き続き事業主体として関与し、月額20万円の固定報酬を 得ることとされた。スマホ留学事業の利益については原告、被告AI、被告SAIがそれぞれ20%、40%、40%の割合で取得し、損失については被告AIと被告SAIが50%ずつ負担することとされた。被告SAIは、それまで保有していたEL社の株式を被告AIに譲渡してEL社の経営に必要な権限を被告AIに移転し、以後、被告SAIは、広告宣伝業務と顧客リスト獲得 に注力することとなった(甲1、乙A89、91、被告AI代表者C) A及びCを含む被告AI、被告SAI,EL を被告AIに移転し、以後、被告SAIは、広告宣伝業務と顧客リスト獲得 に注力することとなった(甲1、乙A89、91、被告AI代表者C) A及びCを含む被告AI、被告SAI,EL社の関係者で令和元年5月21日にミーティング(以下「本件ミーティング」という。)が開催され、被告AI、被告SAI及びEL社側からAに対して原告のスマホ留学事業への関与のあり方について、様々な不満が述べられた(後記2ウ)。被告AI、被告SAI、EL社は、原告に対し、従業員への還元のためにスマホ留学事業における原告 の取り分を20%から5%に減額するように要求し、また、スマホ留学事業とは別の英語事業を立ち上げることを計画していることを告げた。原告は同月29日に謝罪文を提出したものの、その後Cらから提示された契約書で被告AI及び被告SAIの後任であり、Eが代表を務める株式会社エデュケーションラボ(以下「エデュケーションラボ」という。)の取り分が増えていることを認識 した後、同謝罪文を撤回し、弁護士に依頼してエデュケーションラボ宛ての令和元年7月4日付け通知書で、Cらから提示された契約書については押印未了のため契約が成立していないこと、原告は信頼関係破壊を理由に組合契約からの脱退を希望していること、原告に対する同年5月分の利益分配の支払を求めることを通知した。(甲46、乙A10、11、129、132) 2 組合財産の引渡し等について(請求原因関係)当事者間に争いのない事実、証拠及び弁論の全趣旨を総合すれば次の事実が認められる。 ア本件組合契約には、以下の定めがある。 1条2項 本契約は甲(判決注:原告)乙(判決注:被告SAI)丙(判決注:被告AI)を組合員とする任意組合契約であり、丁(判決注:EL社)は、 ア本件組合契約には、以下の定めがある。 1条2項 本契約は甲(判決注:原告)乙(判決注:被告SAI)丙(判決注:被告AI)を組合員とする任意組合契約であり、丁(判決注:EL社)は、営業者として本事業に関与するものとする。 2条1項本事業は、丁の名においてこれを運営する。 6条3項 本件メールマガジンを配信しようとするメンバーは、あらかじめ、その配信内容につき、他のメンバー(2社)のうち、いずれか1社からの同意を得なければならない。ただし、甲代表取締役であるA氏を配信者として表示する場合には、他のメンバー(2社)全ての同意を得なければならない。 9条1項柱書当事者の一人(以下「違反当事者」という。)が次の各号に定める事由に該当するに至ったときは、他の当事者(以下「解除権行使者」という。)は、違反当事者との関係において、本契約の解除をすることができる。 本契約のいずれかの規定に違反し、催告後相当期間内にこれを是正 しないとき相手方の事業活動に支障を及ぼし、又は及ぼす虞のある行為を行ったとき破産、民事再生手続開始、会社更生手続開始、特別清算申立、特定調停申立、又はこれらのための保全手続の申立がなされ若しくは受け たとき・・・・相手方の役員、従業員、株主、主要な取引先その他の関係者(以下、「関係者」という)が、暴力団、カルト的宗教団体、反社会的勢力又はこれに準ずるもの(以下、「暴力団等」という)の構成員又は準構成 員であることが判明したとき9条2項前項(本件組合契約第9条第1項)に基づき本契約の解除が行われた場合には、当該解除の時点において、違反当事者は本契約から脱退し、本契約上の権利(第5条に基づく本事業資産に関する権利)を失い 2項前項(本件組合契約第9条第1項)に基づき本契約の解除が行われた場合には、当該解除の時点において、違反当事者は本契約から脱退し、本契約上の権利(第5条に基づく本事業資産に関する権利)を失い、義務を免 れる。(甲1) イスマホ留学は、隙間時間にスマートフォンだけで学習できること、中学校で習った英単語だけで話せるようになること、スマホに送られてくる映像を見て、映像で見たものを声に出して言うというシンプルなものであることをコンセプトとする英語学習のためのプログラムである。(甲2)ウスマホ留学事業は、平成30年10月に組合形式に移行した後、平成31 年1月まで営業損益は赤字であった。 スマホ留学事業において、原告は、コンテンツの制作、主にAが出演する動画の制作、販売商品に関する対応等を担当することになっていた(前記1)。原告は、スマホ留学事業に携わる前から、Aが英語のマンツーマン個人レッスンを行う事業を行っていて、それを継続していたところ、平成30 年11月から12月頃にかけて、原告においてスマホ留学事業とは無関係のA個人をプロデュースする内容のDVDを作成する目的でフィリピンに旅行に行った。 その後、Aは、被告らからスマホ留学のコンテンツとしてYouTube動画の制作を依頼されたが、これに応じなかった。Aは、依頼に応じられな い理由として、フィリピンから帰国してから体調がすこぶる悪く、声が出しづらい、調子の良い日と悪い日の波がある、原因不明の病で床に伏せる日々であるなどと説明していた。原告はこの間、自身のブログに、後輩と飲みに行ったことや、音楽ライブの告知をしたり、原告の従業員募集の告知をしたりすることがあった。 令和元年5月21日に開催された本件ミーティングでは、参加して この間、自身のブログに、後輩と飲みに行ったことや、音楽ライブの告知をしたり、原告の従業員募集の告知をしたりすることがあった。 令和元年5月21日に開催された本件ミーティングでは、参加していたCなどの被告ら側の関係者は、原告に対し、スマホ留学が赤字のときに原告がフィリピン旅行に係るDVDを販売したこと、同時期に、Aがスマホ留学の講師に対してスマホ留学がオワコンだと発言して講師のモチベーションを下げたこと、原告から提供されたコンテンツの内容に誤りが多いこと、Aの ブログではAが飲みに行ったり音楽ライブの告知をしたりしているにもか かわらず、体調不良を理由にスマホ留学のためのYouTube動画の撮影をしてくれないことなどを指摘した。そして、原告の中でスマホ留学事業の優先順位が低くなっているのではないか、現時点で原告に対する分配金は既存のコンテンツ料を払っているとしか評価できないので、分配金の割合を20%から5%に下げてもらい、現場の方々に渡したい、EL社の取締役から も退いてほしいなどと要求した。また、Cは、Aに対し、このような状況になってしまったので、EL社とは別の新会社を作って、英語のコンテンツのプロダクトローンチを立ち上げる予定である旨を告げた。Aは、Cが発言した新規のプロダクトローンチについては何もコメントせず、また、Cらからの要求に対しては直ちにこれに応じることはできないなどと回答した。その 後、原告は、被告AIに対して謝罪文を提出した後、弁護士を通じて令和元年7月4日付け通知書で本件組合からの脱退の意向を通知した。被告AIも弁護士を介して原告に対し同年8月30日付けで原告にコンテンツの作成義務違反等の債務不履行があることを理由に契約を解除するなどと記載された通知書を送付し、原告は、同年9月 意向を通知した。被告AIも弁護士を介して原告に対し同年8月30日付けで原告にコンテンツの作成義務違反等の債務不履行があることを理由に契約を解除するなどと記載された通知書を送付し、原告は、同年9月30日付けの通知書で被告AIに対 して反論するとともに、A名義のメールマガジンの配信の停止、原則としてスマホ留学にかかるサービスの提供終了を求めるが、継続を望むなら具体的な提案をすることを求めた。 (甲5の1、乙A2、9~11、117、118、129)エ本件ミーティング後、被告AI、被告LS及び被告SAI又はEが経営す るエデュケーションラボは、新規の英語学習プログラムであるケンペネEnglishを用いるケンペネEnglish事業を立ち上げ、被告AI、被告SAI及び被告LSは、英語学習プログラムであるオンライン留学を用いるオンライン留学事業を立ち上げた。 ケンペネEnglishは、1日20分のバラエティ番組のようなレッス ン動画を見るだけで英語が上達するなどと宣伝し、いつでもどこでも学べる、 1日20分、60日間で英語ができる、カタカナ英語を使うだけ、ネイティブ変換法、音のブロック、パズル英文の3つのポイントを学ぶだけ、個別レッスンのような形式で楽しく学べて継続できるなどをコンセプトにしている。 オンライン留学は、自宅にいながら留学が体験できゲーム感覚で楽しく学 べる英会話学習であると宣伝し、中学校レベルの英単語と実際にネイティブが使う基本の30フレーズだけで話せるようになることをコンセプトに、隙間時間にスマートフォンで動画を見てマネするだけで学習できるカリキュラムになっているなどと説明されるものであった。(甲8、10)オ原告は、令和元年6月2日、ケンペネEnglishの商材である「超速 ートフォンで動画を見てマネするだけで学習できるカリキュラムになっているなどと説明されるものであった。(甲8、10)オ原告は、令和元年6月2日、ケンペネEnglishの商材である「超速 Englishマスター合宿」をスマホ留学のメーリングリストで紹介することを予告され、これに反対しなかった。その後、EL社は、同年9月3日、4日及び5日に、スマホ留学用のメーリングリスト宛てに、EL社のスマホ留学事務局の名義でケンペネEnglishの宣伝のみが記載されたメールを配信した。また、EL社は、同月30日、EL社が管理している「【ス マホ留学】A(平仮名表示)」名義のメールアカウントを用いて、スマホ留学用のメーリングリスト宛てにスマホ留学事務局として、ケンペネEnglishの紹介のみが記載されたメールを配信した。このメールの本文中にAの氏名は表示されていない。EL社(令和2年7月1日以降は被告LS)は、令和元年10月3日から令和2年7月12日にかけて、スマホ留学のアカウ ントを用いて、スマホ留学用のメーリングリスト宛てに、8通、A名義で英語の名言等を配信したところ、同メールの冒頭にはケンペネEnglishのホームページのURLも記載されていた。また、EL社は、令和元年11月27日頃、スマホ留学の顧客に対して、オンライン留学を紹介する手紙を送付した。(甲4、7、12の2) カ令和元年9月6日、スマホ留学の受講生から、EL社に対して、スマホ留 学のメールマガジンにケンペネEnglishの紹介が配信されたことに関する不満が送信されてきたところ、EL社の社員は、BとAに面識がないにもかかわらず、「元々、BさんとA先生が友好関係にあり、そのBさんがこのタイミングにて英語の教材を発表するとのことで、スマホ留学でもご 不満が送信されてきたところ、EL社の社員は、BとAに面識がないにもかかわらず、「元々、BさんとA先生が友好関係にあり、そのBさんがこのタイミングにて英語の教材を発表するとのことで、スマホ留学でもご紹介させていただいたのみとなっております。」と記載されたメールを返信し た。(甲16の1、弁論の全趣旨)キ EL社は、令和元年10月3日頃、EL社が管理していたA名義のLINE@アカウントについて、原告の承諾を得ることなくケンペネEnglishの名義に変更した。(甲17)ク被告AIが業務委託をしていた担当者は、令和2年4月6日頃、原告に相 談することなく、スマホ留学の受講生に対して、「4月6日(月)をもちまして、サポート窓口は下記に変更となりました」などと記載した上で、Aの個人メールアドレス及び携帯電話番号、原告のメールアドレスが記載されたメールを送信した。これにより、A又は原告は、少なくとも121件の問合せを受けた。この頃、被告らは、原告に相談することなく、スマホ留学の受 講生の募集を停止した。(甲19~21、弁論の全趣旨)ケ被告AIは、令和2年7月22日から同年8月2日までにかけて、スマホ留学用のメーリングリスト宛てに、スマホ留学事務局の名義で、オンライン留学の紹介のみが記載されたメールを12通送信した。また、被告AIは、令和2年8月5日から同月14日までにかけて、スマホ留学用のメーリング リスト宛てに、スマホ留学事務局の名義で、ケンペネEnglishの紹介のみが記載されたメールを16通送信した。(甲9、11、被告AI代表者C)本件組合契約では、これが、原告、被告SAI及び被告AIを組合員とする組合契約であることが明示されている(本件組合契約1条2項)。そして、所 定の事由が生じたときに 、被告AI代表者C)本件組合契約では、これが、原告、被告SAI及び被告AIを組合員とする組合契約であることが明示されている(本件組合契約1条2項)。そして、所 定の事由が生じたときには、他の当事者は、違反当事者との関係において本件 組合契約を解除することができる旨定められている(本件組合契約9条1項柱書)ところ、これは、違反当事者以外の当事者の間では組合契約を維持しつつ、違反当事者以外の当事者が違反当事者との間の組合契約を終了させることができる趣旨と解されるから、組合員の除名(民法680条参照)を定めたものと解される。そして、一般に、組合から脱退した組合員については、持分 の払戻しがされるところ(民法681条)、本件組合契約では、本件組合契約9条1項に基づいて組合員が除名された場合には、当該組合員は組合の事業資産に関する権利を失う旨を定めており、これは、除名された組合員については払戻しが受けられない旨を定めたものと解される。 本件で、原告は、被告AI及び被告SAIについて本件組合契約9条1項所 定の事由があったことを理由に、被告AI及び被告SAIが除名され、組合財産が原告の単独所有になったことを理由にこの引渡し等を求めているものと解される。本件組合契約は除名の要件及び組合財産の払戻しに関する合意を含むものであると解されるが、民法上、組合員の除名は、原則として正当な事由がある場合に限り、他の組合員の一致によってのみするという厳格な要件の下 でのみ認められものとされている(民法680条)。本件組合契約は、組合員が除名された場合には、各組合員が本来持分を有していた組合財産(民法668条)の払戻しすら認められないとして、当該組合員の権利に相当に重大な制限を課すものといえる。このような結果の重大性に鑑み 合員が除名された場合には、各組合員が本来持分を有していた組合財産(民法668条)の払戻しすら認められないとして、当該組合員の権利に相当に重大な制限を課すものといえる。このような結果の重大性に鑑みると、本件組合契約にこのような定めを設けた趣旨を考慮したとしても、本件組合契約を締結した当事 者の合理的な意思としては、本件組合契約に基づき除名された組合員が払戻しを受ける地位まで失うのは、単に本件組合契約9条1項、の文言に形式的に違反しただけではなく、上記のような重大な結果に見合う相当の違反行為が行われた場合であると解するのが相当である。以下、原告が主張する解除事由がこれに当たるか検討する。 ア Aを配信者とするメールについて 本件組合契約では、メールマガジンの配信について、3社のうち他の1社の同意を得る必要があり、また、Aを配信者として表示する場合には、他のメンバー2社の同意を得る必要があるとされており(本件組合契約6条3項)、原告以外の組合員がA名義のメールマガジンを配信しようとするときには、少なくとも原告の同意が必要であったと認められる。また、本件組合 契約の規定に違反し、又は催告後相当期間内にこれを是正しないことは組合員の除名事由とされている(本件組合契約9条1項)。 この点について、原告は、EL社が、同社が管理しているA名義のメールアカウントを用いて令和元年9月30日に配信したメールが、Aを配信者として表示したメールに当たり、その後、A名義の配信の停止を催告したにも 関わらずこれが続けられたと主張する。しかし、Aを配信者として表示する場合に送付の要件が加重されている趣旨は、そのようなメールは、そのメールの内容がAの意思を反映しているものと受け取られ、その内容がAの社会的評価にも直結 と主張する。しかし、Aを配信者として表示する場合に送付の要件が加重されている趣旨は、そのようなメールは、そのメールの内容がAの意思を反映しているものと受け取られ、その内容がAの社会的評価にも直結するため、原告がその内容を事前に確認する必要があるためであると解される。令和元年9月30日に配信されたメール(前記オ)は、 A名義のアカウントで配信されているものの、そのアカウント名からしてAの個人用アカウントではなく、スマホ留学用のアカウントであることが理解できるものであり、その本文は、明らかにAとは無関係に、日常の業務を担当している事務局がケンペネEnglishのプロモーションのために送付したものと理解できるものである。そうすると、同メールは、Aが当該メ ールの配信に関与していると理解できるものではないから、同メールはAを配信者として表示したメールには当たらないというべきである。よって、原告の主張はその前提を欠く。 なお、仮にこれがAを配信者として表示したメールに当たり、原告からの催告(前記ウ)にもかかわらず被告らが令和元年10月3日から令和2年 7月12日にかけてA名義のメールの配信を継続した(同オ)といえるとし ても、催告後に配信されたメールは、形式的には前記定めに反するものではあるが、その内容からしてAの名誉を不当に毀損するものであるとはいえず、また、従前から同様の内容がA以外の者によって起案されて配信されていたことがうかがえることに照らすと、被告AIにより、除名に伴い組合財産の払戻し請求権が制限されるという重大な結果に見合う相当の違反行為が行 われたとはいえない。 イ相手方の事業活動に支障を及ぼす行為本件組合契約では、「相手方の事業活動に支障を及ぼし、又は及ぼす虞のある行為を行っ いう重大な結果に見合う相当の違反行為が行 われたとはいえない。 イ相手方の事業活動に支障を及ぼす行為本件組合契約では、「相手方の事業活動に支障を及ぼし、又は及ぼす虞のある行為を行ったとき」が組合員の除名事由として定められている(本件組合契約9条1項)。「相手方」は、自分以外の者を指す文言であり、本 件組合契約9条柱書では、当事者である3名の組合員の一人に違反行為があった場合に他の組合員が解除できることを定めていることに照らし、「相手方」とは、違反当事者以外の組合員を指し、「相手方の事業活動」とは、違反当事者以外の組合員の事業活動を意味すると理解することができる。また、本件組合契約では、本件組合契約に係るスマホ留学事業を指 すときには、「本事業」との文言を用いている(本件組合契約1条から6条等)こと、本件組合契約9条1項と並列的に解除事由として規定されている同項の「相手方」が明らかに違反当事者以外の組合員を指していること、本件組合契約9条1項では、解除事由としてにおいて本件組合契約に係る事業活動での非違行為が定められているのに対して同にお いて本件組合契約に係る事業とは別に他の組合員の活動への支障を問題にしている(後記6で説示するとおり、本件組合契約では、各組合員固有の事業活動へ支障が生じないようにするための規定も存在する。)と理解すると条項全体として整合的に理解できることからも、「相手方の事業活動に支障」とは、他の組合員が行っている事業への支障を指すものであり、 スマホ留学事業への支障を指すものではないと解することが相当である。 これを前提に検討すると、原告は被告らが提供するケンペネEnglish事業及びオンライン留学事業とスマホ留学事業との競合を問題としているが、こ ものではないと解することが相当である。 これを前提に検討すると、原告は被告らが提供するケンペネEnglish事業及びオンライン留学事業とスマホ留学事業との競合を問題としているが、これはスマホ留学事業への支障を問題にしているものと解され、上記に述べたところによれば「相手方の事業活動」への支障の問題ではないといえる。よって、原告の主張は失当である。 なお、仮にスマホ留学事業への支障が「相手方の事業への支障」に当たると解するとしても、本件組合契約では競業について何ら規定がされておらず、原告もスマホ留学事業の開始前から英語の個人レッスンという、英語学習という点でスマホ留学事業と共通点を有する事業を行っていたこと(前記ウ)、ケンペネEnglish事業及びオンライン留学事業は、 いずれもオンラインでの英語学習事業という観点からはスマホ留学事業と共通点はあるものの、そのコンセプトはスマホ留学事業と同一ではなく(同イ、エ)、顧客が両方の講座を受講することも考えられること、被告らがケンペネEnglish事業及びオンライン留学事業を対外的に開始したのが、原告が弁護士に委任した上で、弁護士名義でスマホ留学事業の 終了及び本件組合からの脱退を通告し、事実上スマホ留学事業を長期的に継続することが困難になった後であること(同ウ、エ)に照らすと、被告らがケンペネEnglish事業及びオンライン留学事業を開始したことについて、被告AI及び被告SAIにより、除名に伴い組合財産の払戻し請求権が制限されるという重大な結果に見合う相当の違反行為がされ たとはいえない。 原告は、被告AIが、スマホ留学事業によって獲得した電子メールアドレスを用いて、ケンペネEnglish及びオンライン留学を紹介するメールを配信したり手紙を送 行為がされ たとはいえない。 原告は、被告AIが、スマホ留学事業によって獲得した電子メールアドレスを用いて、ケンペネEnglish及びオンライン留学を紹介するメールを配信したり手紙を送付したりしたこと(前記オ、ケ)を問題とする。しかし、ここにおいて、原告はスマホ留学事業への支障を問題にして いるものと解されるところ、これは「相手方の事業活動」への支障に関す るものとはいえないから、原告の主張は失当である。 なお、仮にスマホ留学事業への支障が「相手方の事業への支障」に当たると解するとしても、そもそもスマホ留学事業で獲得したメールアドレスを用いたスマホ留学のメールマガジンの配信では、スマホ留学事業とは無関係の各組合員の事業のプロモーションに関するメールを配信すること が一定の条件の下で予定されていたこと(本件契約書6条)に加え、前記で説示した事情からすると、各メールがスマホ留学事業に及ぼす影響が大きかったとまでは認められず、被告AI及び被告SAIにより、除名に伴い組合財産の払戻し請求権が制限されるという重大な結果に見合う相当の違反行為がされたとはいえない。 原告は、EL社が、受講生からのケンペネEnglishに関するプロモーションの配信についての問合せに対して、BとAが面識がないにもかかわらず友好関係にあるとの返信をしたこと(前記カ)を問題とする。 確かに、BとAは友好関係になく、上記は虚偽の内容であり、原告代表者であるAの交友関係等に関する告知は内容次第では原告の業務に支障を及 ぼし得るものとはいえる。もっとも、被告らは、これがEL社の従業員による独断で行われたものであると主張しており、EL社による当該返信に被告AI又は被告SAIが直接関与していたことを認めるに足りる証拠がない。さ とはいえる。もっとも、被告らは、これがEL社の従業員による独断で行われたものであると主張しており、EL社による当該返信に被告AI又は被告SAIが直接関与していたことを認めるに足りる証拠がない。さらに、その態様も、問合せに対する個別メールとして行われていて、受講者全員に送信されたものではなく、その内容は虚偽であったとし ても、その内容自体はAの名誉を不当に貶めるようなものであるとまではいえない。そうすると、同メールの送信について、被告AI及び被告SAIにより、除名に伴い組合財産の払戻し請求権が制限されるという重大な結果に見合う相当の違反行為がされたとはいえない。 原告は、EL社が管理していたA名義のLINE@アカウントについて、 EL社が原告の承諾を得ることなくケンペネEnglish名義に変更 したこと(前記キ)を問題としている。原告は、同行為をスマホ留学の顧客をケンペネEnglishに誘導する行為であると主張する趣旨と解される。しかし、これもスマホ留学事業への支障は生じ得るものの、「相手方の事業活動」への支障に関するものとはいえないから、原告の主張は失当である。 なお、仮にスマホ留学事業への支障が「相手方の事業への支障」に当たると解するとしても、これが実行されたのは、令和元年10月3日頃であり、これは、原告が弁護士に委任した上で、弁護士名義でスマホ留学事業の終了及び本件組合からの脱退を通告し、事実上スマホ留学事業を長期的に継続することが困難になった後のことであり、スマホ留学事業への実質 的な影響は限定的であったことが推認できることなどからすると、同行為について、被告AI及び被告SAIにより、除名に伴い組合財産の払戻し請求権が制限されるという重大な結果に見合う相当の違反行為がされたとはいえ 限定的であったことが推認できることなどからすると、同行為について、被告AI及び被告SAIにより、除名に伴い組合財産の払戻し請求権が制限されるという重大な結果に見合う相当の違反行為がされたとはいえない。 原告は、被告AIの業務委託先の従業員が、令和2年4月6日頃、原告 に相談することなく、スマホ留学の受講生に対して、サポートのための連絡先がA及び原告の連絡先になった旨記載されたメールを送信した(前記ク)ことを問題とする。被告AIによる当該行為は、原告にスマホ留学の問合せ対応を強いるものであり、原告の事業に支障を及ぼしかねない行為であるといえる。もっとも、甲20号証及び弁論の全趣旨によれば、 その後被告らはこれが誤りであったことを前提に事態終息に向けた対応を試みたこと、問合せも基本的に約1か月程度で終息したことが認められることに照らすと、同メールの送信について、被告AI及び被告SAIにより、除名に伴い組合財産の払戻し請求権が制限されるという重大な結果に見合う相当の違反行為がされたとはいえない。 原告は、被告AI及び被告SAIは、令和2年4月6日頃、原告に相談 することなく、スマホ留学事業における受講生の募集を停止したことを問題とする。しかし、これは、スマホ留学事業への支障は生じ得るものの、「相手方の事業活動」への支障に関するものとはいえないから、原告の主張は失当である。 なお、仮にスマホ留学事業への支障が「相手方の事業への支障」に当た ると解するとしても、これは原告が弁護士に委任した上で、弁護士名義でスマホ留学事業の終了及び本件組合からの脱退を通告し、事実上スマホ留学事業を長期的に継続することが困難になった約9か月後のことであり、スマホ留学事業の継続に向けて原告から前向きな話もなかったこと でスマホ留学事業の終了及び本件組合からの脱退を通告し、事実上スマホ留学事業を長期的に継続することが困難になった約9か月後のことであり、スマホ留学事業の継続に向けて原告から前向きな話もなかったことがうかがえることに照らすと、事業の停止は必ずしも事業の損失に結び付くも のであったとはいえず、被告AI及び被告SAIにより、除名に伴い組合財産の払戻し請求権が制限されるという重大な結果に見合う相当の違反行為がされたとはいえない。 ウ以上のとおり、原告が主張する行為は、いずれも、本件組合契約9条1項、に該当するとはいえない行為であるか(前記イ、、、)、被告 AI及び被告SAIの行為であったとしても、除名に伴い組合財産の払戻し請求権が制限されるという重大な結果に見合う相当の違反行為がされたとはいえない(同、)。そうすると、被告AI及び被告SAIが本件組合契約から除名されることにより原告が組合財産を単独取得するに至ったとはいえないから、原告による被告AI及び被告SAIに対する組合財産の引渡 し等の請求には理由がない。原告が組合財産の払い戻しを受けるためには、原告の組合からの脱退又は組合の解散等の所定の手続きを経た上で行う必要があるといえる。 エ原告は、EL社による債務不履行を前提として、EL社の権利義務を承継した被告LSに対する組合契約の解除を主張する。しかし、EL社は組合契 約に係る組合員ではないから、原告が組合財産を単独取得することについて EL社の債務不履行が関係するとは認められない。仮にEL社の地位を承継した被告LSが組合財産を占有しているとしても、本件組合契約上スマホ留学事業の実施がEL社に委ねられている(本件組合契約2条)ことからすれば、EL社がこれを占有することは本件組合契約の の地位を承継した被告LSが組合財産を占有しているとしても、本件組合契約上スマホ留学事業の実施がEL社に委ねられている(本件組合契約2条)ことからすれば、EL社がこれを占有することは本件組合契約の趣旨に沿ったものといえ、他の組合員である被告AI及び被告SAIの了承を得ることなく原告が単 独で組合財産の引き上げを請求することはできない。よって、原告の被告LSに対する組合財産の引渡し等の請求は理由がない。 3 本件組合契約に基づく利益分配請求について(請求原因関係)請求原因事実(請求原因アないしウ)に争いはなく、被告LSに対して87万2067円を請求する原告の請求には理由がある。 4 経費の計上に係る被告AI及び被告SAIの共同不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償請求について(請求原因関係)証拠及び弁論の全趣旨によれば次の事実が認められる。 ア平成28年9月頃にスマホ留学事業を開始するに当たり、原告、被告AI、被告SAI、EL社間で利益分配の割合等が定められた。もっとも、利益の 計算に当たりどの範囲の支出を経費として計上して利益を計算するかという点について明示的に話し合われることはなかった。スマホ留学事業が開始してしばらくすると、経費については、グーグルスプレッドシートに各社が使用した経費を記載して管理するという手法が採用された。本件組合契約が締結されるまで、スマホ留学事業について各当事者が計上した経費について、 当事者間で事業と経費との関連性の有無が問題になることはなかった。(原告代表者A)イ平成30年6月頃、スマホ留学事業における経費の計上に問題が発覚していずれかの当事者が不正をしたのではないかが問題となったが、調査の結果、同年9月頃には不正はなく、被告SAIが支出した経費について一 平成30年6月頃、スマホ留学事業における経費の計上に問題が発覚していずれかの当事者が不正をしたのではないかが問題となったが、調査の結果、同年9月頃には不正はなく、被告SAIが支出した経費について一部計上さ れていなかったということが判明した。これを受けて、それまで事実上EL 社を介して経理を担当していた被告SAIは保有していたEL社の株式を被告AIに移転してEL社の経営から離れ、EL社が担っていたスマホ留学事業の経理業務は外注されることになった。また、この機会に本件組合契約に係る契約書が作成されたが、同契約書には経費に計上するためのルールは定められず、組合員の間で経費計上のためのルールについて合意書等が作成 されることはなかった。(乙A91、原告代表者A、被告AI代表者C、弁論の全趣旨)ウ Cは、平成30年10月頃、「★★スマホ留学方針まとめ_20181007」というファイル名の文書(以下「本件文書」という。)を作成した。本件文書には、「1.各社の役割分担について」、「2.スマホ留学再販売計画」、「3.E nglishLifeのオンラインサロン」、「4.経費の取り決め」、「各社の人件費、経費について(敬称略) 11月1日から適用」、「6.細かい方針が役員同士で決まらない場合」、「7.指示出しのルール化(情報共有)」「8.人事評価基準(仮:アイデアベース)」、「9.利益分配サイクルに関して」、「10.出資者」の項目が記載されていて、そのうち「4.経費の取 り決め」の項目には、以下の記載があった。(甲34、被告AI代表者C)「4.経費の取り決め10万円以下:他の組合員へは事後報告でOK10万円以上:他の組合員の事前承諾が必要※交際費を計上する場合は、参加者、趣旨を必ず報告するものとする。 告AI代表者C)「4.経費の取り決め10万円以下:他の組合員へは事後報告でOK10万円以上:他の組合員の事前承諾が必要※交際費を計上する場合は、参加者、趣旨を必ず報告するものとする。 ※売上に関係していない経費を計上した場合、当事者が自腹で支払う。 最悪の場合は解雇、罰則を受ける。 支払い口座の管理者は以下のものとする。 C、F、E」原告は、平成30年8月10日から同年10月1日までの間に、原告、被 告AI及び被告SAIの間で、スマホ留学の経費について10万円以上の経 費については他の組合員の事前承諾が必要とする旨の合意をしたと主張する。そして、原告の請求・主張内容に照らし、同ルールに違反して支出した経費については、スマホ留学事業と関連性のない支出をした場合と同様に扱われ、これに違反して支出した者が当該経費を自ら全て負担する趣旨のルールがあると主張するものと解される(以下、これらのルールを「10万円ル ール」という。)。 そして、Aは、被告SAIの経費計上の過誤をきっかけに、平成30年8月頃にCから経費を透明化するために10万円以上の経費については、全組合員の事前承認を要するというルールを設けようと考えているがどう思うかと尋ねられ、これに同意した、その後、同年9月のミーティングで、Cか ら、被告SAIの代表であるG(以下「G」という。)も同ルールに同意したと聞いたと供述する。 10万円ルールについて、EL社の元代表取締役である証人H(以下「H」という。)は、5万円であったか10万円であったか定かではないが、一定額の経費を支出するためには、組合員全員の承認が必要だったと証言する。 しかし、Hは、単にこのようなルールがあることをどこからか聞いたことがあると証言するのみで、 あったか定かではないが、一定額の経費を支出するためには、組合員全員の承認が必要だったと証言する。 しかし、Hは、単にこのようなルールがあることをどこからか聞いたことがあると証言するのみで、同ルールの具体的な運用方法についても何も記憶しておらず、陳述書(甲36)には当該ルールが導入された背景として、経費支出トラブルが原因であると記載されているにもかかわらず、証人尋問ではその内容を証言できず、時期についても陳述書には平成30年8月から10 月頃と記載しておきながら、自身が未だ従業員であった同年9月30日よりも前であると断言するなど整合性のとれない証言に終始しており、一定額の経費を支出するために組合員全員の承認が必要であったとの上記の証言は直ちには信用できない。 本件文書には、「4.経費の取り決め」の項目において「10万円以上:他 の組合員の事前承諾が必要」との記載がある。 Cは、本件文書について、他人に伝えているもの、いないもの、実施できているもの、いないものを含めて頭の整理のために作成した個人的なメモであると供述する。本件文書の、「8.人事評価基準(仮:アイデアベース)」との記載も、本件文書が今後の運営についてのアイデアを含む内容であることを裏付けるといえる。そして、「4.経費の取り決め」の項目には、スマホ 留学と関連性のない経費を計上した場合の負担については記載があるものの、10万円ルールに反した場合の経費の負担については何ら記載がない。 これらの事情からすると、本件文書に上記記載があることは、直ちに原告、被告AI及び被告SAIの間で10万円ルールが合意されたことを強く推認させるものとはいえない。 Aは、9月3日に自分で自分に備忘のためにミーティングの内容について記載して送信したメー 、被告AI及び被告SAIの間で10万円ルールが合意されたことを強く推認させるものとはいえない。 Aは、9月3日に自分で自分に備忘のためにミーティングの内容について記載して送信したメールに「6.スマホ留学とGさん Gさんはやりたいと思っている。」との記載があること(甲43)が、Gが10万円ルールについて合意したことを記録したものであると供述する。しかし、当該記載から、原告主張の趣旨は読み取れない。 スマホ留学事業では、日々、宣伝広告費を始めとする多額の経費がかかるところ、全経費について10万円ルールを適用することは容易ではない。経費によっては、計上する単位を調整することで経費の額を容易に10万円以上にしたり、それ以下にすることもできるが、原告の主張では、どのような基準をもって単一の経費として評価して10万円ルールを当てはめるかに ついても明確ではない。原告は、10万円ルールが設定された当初は、チャット、会議での口頭報告など、種々の方式で全件について10万円ルールに係る承認が徹底されていたと供述するが、10万円ルールが適用されれば、極めて多くの経費の支出についてこのルールの適用が問題になり、場合によっては経費と考えて支出した当事者が自ら多額の負担を負うことが生じ得 るにもかかわらず、同時期に締結された本件組合契約では経費の扱いについ て言及されていない。その他、組合員間でこれについて合意した文書が作成されないどころか、各組合員が一堂に会した場でルールが確認されたことすらない。さらに、原告の供述を前提にしても、このルールによる承認までの手順も一定せず、必ずしも記録化される態様で行われていないのであり、これは10万円ルールが存在していたとすると不自然である。 以上の事実を総合的に考慮す にしても、このルールによる承認までの手順も一定せず、必ずしも記録化される態様で行われていないのであり、これは10万円ルールが存在していたとすると不自然である。 以上の事実を総合的に考慮すると、スマホ留学事業において、経理の過誤をきっかけとして、経費の管理を厳格化することを目的に、従前よりも経費についての意思疎通を充実させるなどの対策が行われ、また、Cにおいて10万円を超える経費の支出について手続きを厳格化する構想を有していたことはうかがえる。しかし、スマホ留学事業につき、各組合員において10 万円を超える経費を支出する場合には事前承認を要することとしたことや、これを経ない場合には支出した者が当該経費を自ら全て負担するとしたことを組合員である原告、被告AI,被告SAIが合意したとは認められない。 ア以上のとおり、スマホ留学事業において、各組合員が10万円を超える経費を支出する場合には事前承認を要することとしたとは認められない。 ここで、スマホ留学事業において、経費が組合員に対する利益分配に先立って差し引かれ、そこで差し引かれた額に応じて各組合員に対する利益分配金が減額されるという性質があることから、スマホ留学事業と全く関係がない支出が経費とされることは当事者の利益に反する。もっとも、スマホ留学事業が開始する時点において、どの範囲の支出を経費として計上するかにつ いて何ら話し合いはされず、その管理方法も各自が事業と関連すると考える経費をスプレッドシートに記載していくという単純な方法で管理され、各当事者が計上した経費について事業との関連性が問題になったこともなく(前記ア)、その後も、具体的にどのようなものを経費として支出することができるかについての合意があったことを認めるに足りる証拠はない。これら 費について事業との関連性が問題になったこともなく(前記ア)、その後も、具体的にどのようなものを経費として支出することができるかについての合意があったことを認めるに足りる証拠はない。これら を考慮すると、スマホ留学事業においては、経費として支出することができ るのは、組合員全体の利益につながる支出であると説明することができるものとされていたと認められる。 イそこで、原告がスマホ留学事業と関連性がないと主張する各経費について検討するに、別紙経費に関する主張のうち、「支払報酬」(別紙経費に関する主張第1の2項。以下、同別紙の項目について単に項数で示すことが ある。)は、原告が本件組合からの脱退の意向を示したため、被告AI及び被告SAIが相談した上で、原告との交渉を依頼するために弁護士に対して支出した費用であることが認められる(乙A2、被告AI代表者C)。その交渉の経緯は、前記2ウのとおりであり、被告AIは、同弁護士を介して原告の損害賠償請求等に対して、原告による債務不履行に 基づく本件組合契約の解除(除名)を通告した(令和元年8月30日付け通知書(乙A2参照))など、もっぱら被告AI及び被告SAIの利益のために、原告の不利益になるような交渉を委任した。これらは、原告と被告ら間の紛争について被告ら側のために支出されたといえるものであり、当該交渉のための費用を組合員全体の利益につながる支出であるという ことはできない。「通信費」(7項)についても、弁論の全趣旨によれば、同じ交渉のために支出した費用であり、同様である。よって、これらの経費については、分配金算定に当たって経費として計上するのは不当であると認められる。 Dへの支払(11項)について 乙A26及び弁論の全趣旨によれば、被 である。よって、これらの経費については、分配金算定に当たって経費として計上するのは不当であると認められる。 Dへの支払(11項)について 乙A26及び弁論の全趣旨によれば、被告AIは、平成31年1月1日、Dとの間でスマホ留学事業に係るコンサルティング及びマネジメントに関する業務委託契約を締結し、経費として計上されたDへの支払は、同契約所定の報酬額と一致することが認められる。そして、乙A45、46の陳述書には、Dの稼働状況について記載がされ、Dがスマホ留学に関して 稼働していたことに関するDの証言及びCの供述につき、その稼働自体に ついては不自然な点がないことからすると、その報酬が1700万円と高額であることや、支払が契約書所定の1か月ごとの支払ではなく、その後一括で支払われそのような支払時期になった理由についてのDの証言があいまいであるなどの事情を考慮しても、Dへの報酬の支払はスマホ留学事業と関連性のない支出であったとまではいえず、スマホ留学事業のため にされたものとして組合員全体の利益につながる支出であると説明することができないものとはいえない。 広告宣伝費について原告は、被告らが広告宣伝費として計上した金員について、多額であること、原告と被告らの関係が悪化した令和元年6月頃以降に広告宣伝費を 支出することが不自然であること、多額の広告宣伝費を受注しているAIHDが被告らと密接に関連する会社であることなどを根拠に、被告らが広告宣伝費として計上した金員について、スマホ留学に関する支出ではないなどと主張する。しかし、スマホ留学事業のビジネスモデルは、インターネットにおいて多くの広告宣伝を行うことで集客することを前提として おり、多額の広告宣伝費を支出すること自体は不自然であ ないなどと主張する。しかし、スマホ留学事業のビジネスモデルは、インターネットにおいて多くの広告宣伝を行うことで集客することを前提として おり、多額の広告宣伝費を支出すること自体は不自然であるとはいえない。 原告と被告らの関係が悪化した後は、被告らはケンペネEnglishやオンライン留学の立ち上げ等も行っていることは認められるが、並行してスマホ留学事業の継続のために広告費を支出することがことさらに不自然であるともいえないし、スマホ留学事業のための広告宣伝費とされる支 出が、ケンペネEnglish事業やオンライン留学事業のために用いられたことを裏付ける証拠もない。そして、被告らが、各広告費の支出について、一定の裏付け資料(乙A12~25、30~38、40、49、77、79、154)を提出していることに照らすと、広告宣伝費として被告らが計上した金員が、スマホ留学事業のためにされたものとして組合員 全体の利益につながる支出であると説明することができないものとはい えない。 外注費について原告は、外注費のうち、被告が組合の構成員への報酬として計上した金員について、平成31年1月度から、これを支払わないという合意がされたと主張するが、これを認めるに足りる証拠はない。また、原告は、これ らの費用は各組合員への利益分配の中から支払われるべきものであると主張するが、利益分配に先立って人件費を控除するという処理をすること自体が不合理であるとまではいえない。人件費の支出自体はスマホ留学事業の売上の増加と関連する支出であり、スマホ留学事業のためにされたものとして組合員全体の利益につながる支出であると説明することができ ないものとはいえない。 AIHDに係る費用については、家賃、人件費等が計上されているが、 、スマホ留学事業のためにされたものとして組合員全体の利益につながる支出であると説明することができ ないものとはいえない。 AIHDに係る費用については、家賃、人件費等が計上されているが、これは広告宣伝費に上乗せして計上されるか、本件のように外注費として別枠で計上されるかは任意に選択されるべき問題であり、前記で説示したとおり、AIHD関連の支出がスマホ留学事業のためにされたものとし て組合員全体の利益につながる支出であると説明することができないものとはいえない。 その他、原告は、被告らが計上した開発費や管理費等について、原告と被告らの関係が悪化した後に計上することが不自然であること等を指摘するが、いずれも、計上時期の点を除いてそれらがスマホ留学事業に対す るものとはいえないことをうかがわせる具体的な事情は認めるに足りず、上記計上時期によってこれらの支出がスマホ留学事業に対するものではないと認めるには足りない。被告らが計上した金員が、スマホ留学事業のためにされたものとして組合員全体の利益につながる支出であると説明することができないものとはいえない。 その他の経費について その他の経費についても、原告は、本来スマホ留学事業において負担すべき項目ではない、被告の説明には不審な点があるなどと主張するが、被告は、これらの経費に関して別紙経費に関する主張第2のとおりの説明をして、他方、これらがスマホ留学事業と関連しないことを裏付ける的確な証拠があるわけではない。これらの名目で計上されている金員が、スマホ 留学事業のためにされたものとして組合員全体の利益につながる支出であると説明することができないものとはいえない。 そうすると、被告らが計上した経費のうち、支払報酬(合計85万5360円 ホ 留学事業のためにされたものとして組合員全体の利益につながる支出であると説明することができないものとはいえない。 そうすると、被告らが計上した経費のうち、支払報酬(合計85万5360円)、松田法律事務所宛ての通信費4374円については、いずれも経費として計上すべきではなかった金員であったといえる。これらの合計85万973 4円の支出は、被告AI及び被告SAIが相談の上で支出したものであり(被告AI代表者C)、これを経費に計上して原告の分配金を減額させたことは被告AI及び被告SAIの共同不法行為に当たるといえる。仮に計上すべきではない経費が存在した場合、原告の分配金はその経費の額の2割増額されるものであることについて当事者間に争いはない(第2回弁論準備手続調書)から、 原告には17万1946円の損害が生じたといえ、原告の共同不法行為に基づく請求には、被告AI及び被告SAIに対して連帯して同額及びこれに対する弁論の全趣旨によれば2019年9月期に係る分配金の弁済期であると認められる令和元年9月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求する限度で理由がある。 また、被告らが計上した経費のうち、計上すべきでなかったと認められるのは、上記のとおりであるから、債務不履行に基づく損害賠償についても、仮に被告AI及び被告SAIに本件組合契約に基づく利益分配金の支払義務が生じるとしても、原告に生じる損害は17万1946円を上回るものではない。 5 不正競争防止法に基づく請求について(請求原因関係) 証拠(被告AI代表者C)及び弁論の全趣旨によれば、スマホ留学事業では、 スマホ留学に係るインターネット上のランディングページで顧客のメールアドレスその他の情報を取得し、これをスマホ留学事業に活 被告AI代表者C)及び弁論の全趣旨によれば、スマホ留学事業では、 スマホ留学に係るインターネット上のランディングページで顧客のメールアドレスその他の情報を取得し、これをスマホ留学事業に活用していたことが認められ、被告AI及びEL社はこのようにして収集したメールアドレス等を利用して前記2オ、ケのとおり、ケンペネEnglish及びオンライン留学のプロモーションを行った。スマホ留学事業において、上記のとおりの現実の メールアドレス等の顧客情報の収集及び管理は、スマホ留学事業において対外的な事業主体とされることがあるEL社がしていたと認められ(被告AI代表者C、弁論の全趣旨)、スマホ留学に係るメールマガジンはEL社によって配信されており、一部のケンペネEnglish,オンライン留学に関するメールは被告AIによって配信されたと認められる(被告AI代表者C)。上記顧 客情報の取得からEL社及び被告AIによる顧客情報の利用までの上記一連の過程に原告は関与していない。 また、本件組合契約には次の定めがある(甲1)。 第5条(資産の帰属) 1 本事業に関連して得られた資産(動画、音声、資料等のコンテンツ、顧 客(見込客を含む)リスト、その他の知的財産権を含む。以下「本事業資産」という。)は、その名義にかかわらず、第4条に定める利益分配割合(判決注:原告20%、被告SAI及び被告AI各40%)で、甲乙丙に帰属するものとする。ただし、各当事者が本事業開始前から有しており、又は本事業に関係なく有するに至った資産については、本事業資産に含 まれないものとする。 2 本事業資産の使用については、メンバーの合意によって定めるものとする。 これらによれば、スマホ留学事業において、EL社は顧客情報を現実に取得管理し 産に含 まれないものとする。 2 本事業資産の使用については、メンバーの合意によって定めるものとする。 これらによれば、スマホ留学事業において、EL社は顧客情報を現実に取得管理していた会社であり、スマホ留学事業において、このことは各組合員が了 解していたことといえ、また、上記顧客情報の取得からEL社及び被告AIに よる顧客情報の利用までの上記一連の過程に原告は関与していない。そして、スマホ留学事業は組合契約を締結して行われているところ、組合契約によって組合に法人格が生じるものではなく、組合を不正競争行為に係る被侵害主体と構成することはできない。本件組合契約5条1項によれば、「顧客リスト」について原告が2割の割合で共有持分を有していたと解する余地があるが、そのよ うに解する場合、被告AI及び被告SAIは、それについてそれぞれ4割(合計8割)の割合の共有持分を有していたことになる。 原告は自らが保有する顧客情報に関して被告らが不正競争行為を行ったと主張して損害賠償及び差止めを請求するが、原告が顧客情報を保有するとされる場合には、被告らもそれを保有するとされ、又は保有する者から使用の許諾 を受けたとされるのであり、被告AI及び被告SAIが営業秘密又は限定提供データを保有者から示されたということはなく、被告らに原告が主張する不正競争行為が成立するとは認められない。 よって、顧客情報について営業秘密又は限定提供データであることを理由として、不正競争行為があると主張する原告の請求には、いずれも理由がない。 6 被告らによる本件組合契約7条1項違反の債務不履行に基づく損害賠償請求について(請求原因関係)本件組合契約には次の定めがある(甲1)第7条(秘密保持) 1 甲乙丙丁は、相 6 被告らによる本件組合契約7条1項違反の債務不履行に基づく損害賠償請求について(請求原因関係)本件組合契約には次の定めがある(甲1)第7条(秘密保持) 1 甲乙丙丁は、相手方の事前の承諾なく機密情報(次項に定義)を本契約の 目的外に使用又は利用し、又は第三者に開示若しくは漏洩してはならない。 2 本契約において機密情報とは、主として技術情報、技術資料を対象とするが、それに限定されることなく、顧客名簿、販売計画及び開発予定の機器やツール、開発中の機器やツール、事業計画等第三者に漏洩されれば開示者の損失となる技術上、営業上その他の一切の情報であって、本契約の締結日か ら本契約が満了又は合意解約により終了する迄の期間中に開示者が被開示 者に対して機密である旨明示して開示した一切の情報をいう。 3 以下の情報は、機密情報に含まれないものとする。 既に公知、公用の情報開示後被開示者の責によらず公知、公用になった情報開示を受けた後、正当な権限を有する第三者より守秘義務を負うことな しに入手した情報開示を受けた後、正当な権限を有する第三者より守秘義務を負うことなしに入手した情報法令により、更に守秘義務を負わされることなく且つ無制限に、公に開示することが義務付けられた情報 被開示者が、開示された情報に一切アクセスせず、それと無関係に開発、創作した情報甲乙丙丁が本件機密情報から除かれることを相互に確認した情報 4 ・・・ 5 甲乙丙丁は、開示者から求められた場合、又は本契約が終了した場合、開 示者より引き渡しを受けた機密情報が記載又は記録された書類その他一切の記録媒体(電磁的又は電子的媒体を含むが、これらに限定されない)及びその複製物を相手方に返還又は 本契約が終了した場合、開 示者より引き渡しを受けた機密情報が記載又は記録された書類その他一切の記録媒体(電磁的又は電子的媒体を含むが、これらに限定されない)及びその複製物を相手方に返還又は相手方の指示に従いそのすべての複製物を破棄若しくは消滅させなければならないものとする。 本件組合契約7条所定の「機密情報」の意義について検討するに、本件組合 契約7条の機密情報には、様々な情報が含まれ得ることが定められ、その中には顧客名簿もあると定められている(本件組合契約7条2項)。もっとも、本件組合契約7条2項では、同条にいう機密情報は、「開示者が被開示者に対して機密である旨を明示して開示した一切の情報」と定義されていて、契約の当事者のうち、「開示者」である開示の主体が、契約の他の当事者である「被開 示者」に開示した情報であるとされている。また、同条5項によれば、「開示 者」は被開示者に対して当該情報を開示した後にその情報が記載された書類等を「開示者」に対して返還することを要求したり、その複製物の破棄等を求めたりすることができることが定められている。これらの記載からすると、本件組合契約にいう機密情報は、本件組合契約の当事者である原告、被告AI、被告SAI及びEL社の各社が固有に保有していた情報又は固有に保有する に至った情報について、スマホ留学事業遂行のために、他の契約当事者に機密である旨を明示して開示した情報であり、本件組合契約7条は、そのような情報を他の当事者に開示した場合の取り扱い等について定めたものと認められる。 原告は、本件組合契約5条(前記5)で顧客リストが「本件事業資産」に 含まれ、利益分配割合に応じて原告、被告AI及び被告SAIに帰属すると定められており、本件組合契約7条2項では顧客 る。 原告は、本件組合契約5条(前記5)で顧客リストが「本件事業資産」に 含まれ、利益分配割合に応じて原告、被告AI及び被告SAIに帰属すると定められており、本件組合契約7条2項では顧客名簿も機密情報に当たると定められているから、スマホ留学事業で獲得した顧客リストも同項所定の機密情報に当たると主張する。 しかし、本件組合契約7条は、同条にいう機密情報は「開示者」が「被開示 者」に開示したものをいうと定め、同条にいう機密情報はそのような情報に限定される旨規定しており、顧客名簿が無条件で機密情報に当たると定めているものではない。そして各条項の文言からも、本件組合契約5条の定めが本件組合契約7条を修正等するものとは認められない。同条2項所定の「顧客名簿」とは、各組合員がスマホ留学事業とは独立して取得した顧客名簿を、スマホ留 学事業の遂行のために他の組合員に開示した場合の顧客名簿を指すものであると認められる。 本件で原告が問題にする顧客情報は、前記5で説示したとおり、スマホ留学事業遂行の過程でEL社が取得、管理していた情報であって、本件組合契約の当事者が、スマホ留学事業とは別に固有に保有していた情報又は固有に保有す るに至った情報ではない。したがって、それは、本件組合契約7条所定の機密 情報には当たらない。よって、同条に係る債務不履行を前提とする原告の請求はその前提を欠く。 よって、原告の被告らによる本件組合契約7条1項違反の債務不履行に基づく損害賠償請求については理由がない。 7 結論 以上のとおりであって、原告の請求には、被告LSに対して利益分配金87万2067円を、被告AI及び被告SAIに対して、経費計上に係る共同不法行為に基づき17万1946円を請求する限度で理由があり、その余の とおりであって、原告の請求には、被告LSに対して利益分配金87万2067円を、被告AI及び被告SAIに対して、経費計上に係る共同不法行為に基づき17万1946円を請求する限度で理由があり、その余の請求にはいずれも理由がないから棄却することとし、認容割合に照らして民事訴訟法61条、64条ただし書を適用して、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官柴田義明 裁判官杉田時基 裁判官仲田憲史 別紙組合財産目録 1 動画、音声、資料等のコンテンツ⑴ スマホ留学本編の映像データ等 アガイダンス映像イ授業の映像データウ授業の文章データエ受講者のアウトプット音声オ講師のフィードバック音声 ⑵ スマホ留学購入に際する特典映像⑶ セミナーに関する映像データ等ア映像イ写真ウ参加者インタビュー 2 集客に向けたコンテンツ⑴ ランディングページの文章データ、画像データ及び映像データ⑵ 「ソルティーイングリッシュ」の映像データ 3 販売促進に向けたコンテンツ⑴ ステップメールア一般のステップメールの文章データイ 「力が漲る英語の名言」の文章データウ 「力が漲る英語の名言」の音声データ ⑵ 臨時メールの文章データ ⑶ セールスページの文章、画像データ及び映像データ⑷ 「Yukoのネイティブ英語を身につける!14日間無料動画レッスン」の映像データ 4 顧客リスト 詳細は別紙顧客名簿目録記載のと スページの文章、画像データ及び映像データ「Yukoのネイティブ英語を身につける!14日間無料動画レッスン」の映像データ 4 顧客リスト 詳細は別紙顧客名簿目録記載のとおり 5 預金債権及び現金 6 パソコン等の電子計算機器類 7 その他「本事業資産」(甲1、第5条第1項)に含まれる一切の財産 別紙顧客名簿目録 1 顧客名簿の種類及び内容 ⑴ 未購入者 ア氏名 イメールアドレス ウLINEアカウントのID ⑵ 受講生 ア氏名 イメールアドレス ウLINEアカウントのID エ住所 オ電話番号 カ職業 キ講座の購入履歴 ク講座の履修状況 ケ専用ページのログイン情報 ⑶ 卒業生 ア氏名 イメールアドレス ウLINEアカウントのID エ住所 オ電話番号 カ職業 キ講座の購入履歴 ク講座の履修状況 ケ専用ページのログイン情報 2 顧客名簿の管理状況 メールワイズ及びキントーン等の顧客管理アプリケーションに、電子データとして格納されている。 3 顧客名簿の時期的範囲 令和元年9月3日から被告らによる不正競争行為がなくなるまで 別紙謝罪広告目録 1 内容 弊社ら3社(株式会社AI、株式会社SAI及び株式会社LSCreation)は、下記に挙げる不正を行った事実により、ご迷惑をお掛けした株式会社IchidoUp、A及びスマホ留学会員に対し、謝罪します。 ① スマホ留学事業に関して提供さ 会社LSCreation)は、下記に挙げる不正を行った事実により、ご迷惑をお掛けした株式会社Ic hidoUp、A及びスマホ留学会員に対し、謝罪します。 ① スマホ留学事業に関して提供されたスマホ留学会員の個人情報(メールアドレス、電話番号、住所等)を、同事業組合員である株式会社IchdoUp及びスマホ留学会員に無断で下記英語関連サービスを販売する目的で不当に使用しました。 ・『ケンペネEnglish』 ・『オンライン留学』② 業務放棄等の弊社らの不当な行いにより生じた混乱の中、株式会社IchidoUp及びAが本来あるべき顧客サービスを行う為に必要としていた顧客情報へのアクセス手段を不当に隠匿し、健全な同事業の運営に重大な支障を与えました。 ③ ケンペネEnglish講師Bとスマホ留学講師Aとの接点が一切存在しないに もかかわらず、『友好関係である』等の虚偽の内容を公布して上記サービスの販売を行いました。本件はAに無断で行ったものです。 令和年月日住所 (省略) 株式会社AI 代表取締役C住所 (省略) 株式会社SAI 代表取締役G住所 (省略) 株式会社LSCreation 代表取締役B 関係者各位 掲載の新聞及び紙面 読売新聞全国朝刊社会面朝日新聞全国朝刊社会面毎日新聞全国朝刊社会面産経新聞全国朝刊社会面日本経済新聞全国朝刊社会面 掲載の要領ア見出お詫びイ掲載の回数上記紙面につきそれぞれ1回 ウ紙面の大きさ2段 会面日本経済新聞全国朝刊社会面 掲載の要領ア見出お詫びイ掲載の回数上記紙面につきそれぞれ1回 ウ紙面の大きさ2段×14センチメートル 別紙経費一覧表(記載省略) 別紙経費に関する主張第1 原告の主張 1 「雑費」について「Casy 家事代行」についてスマホ留学事業における「大和事務所」は、被告AIの事務所の一部を間借 りしているものであり、そのためにスマホ留学は、被告AIに対し「家賃」を支出した。「大和事務所」にかかる清掃費用等は、通常、被告AIにおいて全額負担すべきものであり、スマホ留学が負担するとしても、大和事務所をスマホ留学において使用している面積に応じた負担割合とすべきものである。 また、「Casy 家事代行」にかかる経費は、令和元年5月以降から支出され ている状況からして、原告と被告らとの信頼関係が破綻しつつある状況が生じた後に経費として計上されるようになっており、被告らに、スマホ留学事業から生じる利益を不当に減少させる意図があったことは明らかである。 「アム鍼灸マッサージ 7/30」について福利厚生費は、一般的に、当該事業に従事するすべての従業員が平等に適用 される制度の費用でなければ、経費として認められないものである。 「アム鍼灸マッサージ 7/30」は、1事業年度中1度しか計上されていないものであり、何ら普遍性のない費用であって、福利厚生費として計上されるべき費用でない。 2 「支払報酬」について 被告らは、「原告は令和元年7月4日時点において、本件組合から脱退する意向を示して」いたことを理由に、松田綜合法律事務所宛の支出 して計上されるべき費用でない。 2 「支払報酬」について 被告らは、「原告は令和元年7月4日時点において、本件組合から脱退する意向を示して」いたことを理由に、松田綜合法律事務所宛の支出を、スマホ留学事業に関連する費用と主張する。 しかしながら、原告は、令和元年7月4日時点から現時点においても、本件組合から脱退をしていない上、松田綜合法律事務所所属の兼定尚幸弁護士及び石畑 智哉弁護士は、「株式会社AIの代理人」として、原告に対し、「損害賠償請求」 をする旨を表明している。 すなわち、上記弁護士らは、被告AIから、専ら被告AIの権利利益を実現するための業務を遂行するために、交渉業務の委任を受けているのであって、本件組合を主体とするスマホ留学事業における事業の一環として、費用が支出されるべきものでないことは明らかである。 3 「地代家賃」について「賃料」「賃料 3名分」「賃料 6名分」「賃料 7名分」について被告らは、被告SAIの事業所の賃料を、同社の人員のうちスマホ留学事業に従事しているスタッフ分で按分したと主張しているが、摘要には、被告SAIの事業所の賃料とは記載がないうえ、「賃料 3名分」が金10万7026 円であるところ、かかる賃料を前提とすると1名分は約金3万5675円となるが、「賃料 7名分」の金28万5467円(令和元年8月31日付)とは、人数と金額が整合しない(上記賃料の7名分は、約金24万9725円)。 また、「賃料 7名分」の金24万4686円(令和元年9月30日付)も、人数と金額が整合しないほか、令和元年8月31日付の記載と齟齬があり、同 じ賃料(被告SAIの事業者の賃料)に対する支払いであるとは考えられない。 「YSB大和201号」について被告らは、「 金額が整合しないほか、令和元年8月31日付の記載と齟齬があり、同 じ賃料(被告SAIの事業者の賃料)に対する支払いであるとは考えられない。 「YSB大和201号」について被告らは、「「YSB大和201号」は、スマホ留学事業の業務拡大に伴って、令和元年5月から訴外EL社が借りていた」と主張しているが、原告と被告らとの信頼関係は、令和元年5月頃には破綻しつつあったことからすると、スマ ホ留学事業の業務が拡大することは考え難い。 また、「YSB大和201号」については、「I」という原告が把握していない人物の氏名が記載されており不自然である。 そもそも、スマホ留学事業の業務拡大が事実であれば、被告らはその事実を客観証拠により容易に立証できるところ、被告らがそれをしない状況からすれ ば、「YSB大和201号」にかかる経費が、スマホ留学事業に関連しないもの であることは明らかである。 4 「支払手数料」について前記3記載のとおり、「YSB大和201号」に関する経費は、スマホ留学事業に関連しないものであるから、「賃貸保証料」、「仲介手数料」及び「礼金」は、スマホ留学事業に関連しないものであることも明らかである。 5 「修繕費」について「トイレ工事」に要した費用は、大和事務所のトイレ改装工事に伴う費用であるところ、前記1⑴記載のとおり、かかる費用は被告AIが負担すべきものであることから、スマホ留学事業に関連する経費として計上されるべきものでない。 6 「消耗品費」について 眼鏡代について眼鏡を購入した記録は3件しかなく、福利厚生的に眼鏡を支給していたものとは考えられない。 鍵交換費用について前記3記載のとおり、「YSB大和201号」に関する経費は、スマホ留学事 業に関連し 購入した記録は3件しかなく、福利厚生的に眼鏡を支給していたものとは考えられない。 鍵交換費用について前記3記載のとおり、「YSB大和201号」に関する経費は、スマホ留学事 業に関連しないものであるから、「鍵交換」は、スマホ留学事業に関連しないものであることも明らかである。 「冷蔵庫」及び「ドラム式洗濯機」について被告らは、「YSB大和201号」に「冷蔵庫」及び「ドラム式洗濯機」を設置したと主張するが、前記3記載のとおり、「YSB大和201号」に関する経 費は、スマホ留学事業に関連しないものであるほか、「I」との不審な記載からして、「I」という人物の生活用品として、「冷蔵庫」及び「ドラム式洗濯機」が購入されたものと推察される。 このような費用は、当然スマホ留学事業に関連しないものであるから、経費として計上されるべきものではない。 「連結パネル等」について 被告らは、「連結パネル等」が、乙A47添付の写真にある吸音パーティションであると主張するところ、それを購入した際の領収書等を提出しないので、それが吸音パーティションであるかどうかは定かでないが、仮にそうであったとしても、購入した日が令和元年6月7日であり、原告と被告らとの間の信頼関係が破綻してから購入されたものである。 原告と被告らとの信頼関係が破綻している以上、スマホ留学事業は収束していくことが見越されるところ、その事業のために、これまで購入してこなかった高価な吸音パーティションを購入するというのは、あまりに不自然であって、不審な経費計上といえる。 したがって、「連結パネル等」は、ケンペネEnglishの事業遂行のため に購入されたものであることが十分に推察されるものであり、スマホ留学事業の経費として計上されるべきもの 計上といえる。 したがって、「連結パネル等」は、ケンペネEnglishの事業遂行のため に購入されたものであることが十分に推察されるものであり、スマホ留学事業の経費として計上されるべきものではない。 「子育てママの店ベビーキッズ」、「デコレーションケーキドットコム」及び「森のおもちゃ屋さん」について被告らは、「スタッフのプライベートのケア・モチベーションの維持を意図 して、スタッフのお子さん向けの物品を購入していた」と主張するが、前記趣旨の経費に関すると思われる記録は3件しかなく、福利厚生的な支出があったとは到底評価できない。 「お名前.com ドメインサービス」について被告らは、「スマホ留学にて取得・使用していたドメインの更新費用」と主張 するが、仮に主張のとおりであれば、被告らは、いずれのドメインに関する更新費用であったかを容易に主張立証できるのに、ドメインサービスに関する費用がスマホ留学に関連するものであることについての立証をしない。 7 「通信費」について前記2記載のとおり、松田綜合法律事務所に対する支出は、スマホ留学事業に 関連しないものであるから、松田綜合法律事務所との通信に要した費用は、スマ ホ留学事業に関連しない。 8 「旅費交通費」について被告らは、「原告の行動」を原因として関係者と直接コミュニケーションをとる必要性が生じた等、縷々主張するが、何ら具体性のない主張である。 令和元年7月頃からスマホ留学が収束に向かうとしても、スマホ留学において、 タクシーや宿泊を伴う業務など発生することは考え難いのであって、令和元年7月以降に、タクシー移動や宿泊を伴う業務が特別に生じたというのであれば、その業務内容を具体的に主張すべきである。 9 「交際費」について被告 業務など発生することは考え難いのであって、令和元年7月以降に、タクシー移動や宿泊を伴う業務が特別に生じたというのであれば、その業務内容を具体的に主張すべきである。 9 「交際費」について被告らは、交際費の理念について縷々主張するが、原告、被告AI及び被告S AIとの間では、「交際費」を経費として計上する場合には、参加者及び趣旨を報告しなければならないことが合意されており、Cが作成したメモにも同旨の記載がある。 また、交際費は、令和元年7月以降、計上されている数が非常に多くなっていることからすれば、被告らが、スマホ留学事業から生じる利益を不当に減少させ る意図をもって経費計上をしていたことは明らかである。 「広告宣伝費」についてAIHDに対する支出は、相当高額な費用の支出がされているにもかかわらず、具体的な書証の提出がなく、信用できない。また、原告と被告らとの信頼関係が破綻した令和元年6月以降の支出については、スマホ留学の公告をする必要性自 体が極めて乏しくなっていた上、ケンペネEnglish等の競合商品の広告目的で費用支出することも可能であったことからすると、関連性は認められない。 「外注費」について組合員の構成員に対する人件費について組合員の構成員への報酬は、利益分配の中から支払われるべきものであるし、 平成31年1月度より、組合員の構成員への報酬は支払わないとの合意がされ たため、経費として計上することはできないものである。 アプリ開発等に要した費用について被告らは、スマホ留学に関して、LINE@の代替サービスとなるアプリを開発していた旨の主張をするが、何ら具体的な主張ではなく、的確な裏付け証拠も提出されていない。 Webページにかかる費用について被告らは に関して、LINE@の代替サービスとなるアプリを開発していた旨の主張をするが、何ら具体的な主張ではなく、的確な裏付け証拠も提出されていない。 Webページにかかる費用について被告らは、LP等のWebページについて、日々の修正が必要である旨の一般論を主張するが、何ら具体的な主張をしない。 そもそも、原告は、原告と被告らとの信頼関係が破綻した後の令和元年8月31日以降にWebページの更新作業の必要性がない旨の指摘をしているの であり、被告らの主張はこの点について適切な反論ができていない。 仮に、Webページの内容について、具体的な変更点の記録がないとしても、どのWebページに関する修正を委託したかは記録に残っているものであるため、資料は提出できるはずである。 ムーバー株式会社に対する支出について 被告らは、ムーバー株式会社が、「Aのソルティーイングリッシュ英会話」の「ライティング業務」を実施していたと主張するが、同チャンネルにおいては、動画のアップロードは平成30年8月1日が最後であり、LIVE動画の配信は平成30年12月31日が最後である。このような状況のYouTubeチャンネルについて、平成31年4月30日から、動画撮影をすることなく、ラ イティング業務により広告効果を高める対応を実施すること自体が不自然というほかない。 また、ムーバー株式会社への支出は、令和元年9月30日までも継続しているが、原告と被告らとの信頼関係が破綻した5月以降においては、前記YouTubeチャンネルを活用した広告効果を狙う必要性に乏しいことは明らか であって、前記支出はスマホ留学事業以外の広告のために支出されたものであ ることが合理的に疑われるものである。 株式会社レゴスに対する支出について被告 性に乏しいことは明らか であって、前記支出はスマホ留学事業以外の広告のために支出されたものであ ることが合理的に疑われるものである。 株式会社レゴスに対する支出について被告らは、株式会社レゴスに対し、「サーバーのバックアップ体制」の構築のために費用を支出したと主張するが、それが支出された令和元年7月31日は、原告が本件組合を脱退したい旨の表明をした後であり、スマホ留学事業自体が 収束に向かっていく段階であって、高額な費用を支出してサーバーのバックアップ体制を構築する必要性がなかったことは明らかである。 このサーバーのバックアップ体制の構築は、専ら被告AIの業務に関して実施されたものであることが推察されるものであって、本件組合の経費として計上されるべきものではない。 AIHDにかかる支払について被告らは、AIHDに対する支払が合理的なものであることについて縷々主張するが、何ら具体的な主張ではなく、的確な裏付け証拠も提出しない。 Dに対する支払について被告らからDがスマホ留学に関する有償のコンサルティングにおける役務 提供と評価できるようなコンサルティング業務を実際に行っていたことを裏付ける的確な証拠が提出されていない。 そもそも、訴外Dに対する報酬については、被告AIが支払うべきと考える範囲で、被告AIが支払えばよいものであって、スマホ留学組合の経費として計上すべき報酬ではない。 第2 被告らの主張 1 「雑費」について「Casy 家事代行」について「Casy 家事代行」は、スマホ留学事業に使用していた大和事務所及び後述の「YSB大和201号」の清掃作業を外部業者に委託した際の費用である。 事業所の清掃作業を外部業者に委託することは、事業者が本業に人的資源 は、スマホ留学事業に使用していた大和事務所及び後述の「YSB大和201号」の清掃作業を外部業者に委託した際の費用である。 事業所の清掃作業を外部業者に委託することは、事業者が本業に人的資源を 投下するために一般的になされており何ら特異なことではなく、当該費用はスマホ留学事業に関連する費用である。令和元年9月期において大和事務所は、スマホ留学事業にのみ使用していたのであるから、当該費用はその全額がスマホ留学事業に関連する費用である。 「アム鍼灸マッサージ 7/30」について 「アム鍼灸マッサージ 7/30」は、スマホ留学事業に従事しているスタッフが受けた鍼灸治療に係る費用である。 スマホ留学においては、顧客対応業務等により深夜まで対応するスタッフも少なくなかったことから、福利厚生の一環として、スタッフの鍼灸治療の代金を本件組合にて負担することにしており、当該費用はかかる費用である。 そのため、当該費用は福利厚生費として、スマホ留学事業に関連する費用である。 2 「支払報酬」について令和元年8月31日付及び同年9月30日付の被告AI及び被告LS代理人が所属する松田綜合法律事務所宛の支出は、組合員及び本件組合の整理に関する 費用であり、スマホ留学事業に関連する費用である。原告は令和元年7月4日時点において、本件組合から脱退する意向を示しており、原告との交渉業務は、本件組合からすれば、組合員の脱退に伴う組合員の整理及び本件組合の整理に関する業務であったといえる。 3 「地代家賃」について 「賃料」「賃料 3名分」「賃料 6名分」「賃料 7名分」について「賃料」「賃料 3名分」「賃料 6名分」「賃料 7名分」については、被告SAIの事業所の賃料を、同社の人員のうちスマホ留学事業に従 「賃料」「賃料 3名分」「賃料 6名分」「賃料 7名分」について「賃料」「賃料 3名分」「賃料 6名分」「賃料 7名分」については、被告SAIの事業所の賃料を、同社の人員のうちスマホ留学事業に従事しているスタッフ分で按分したものである。按分計算にあたっては、被告SAIが負担する賃料を、①被告SAIの合計のスタッフ数で割り、②スマホ留学事業に従事 しているスタッフ数を乗じることになる。①の数字は、月によって変動があり 得るため、「賃料」「賃料 3名分」「賃料 6名分」「賃料 7名分」の賃料の1名分の賃料が、月によって異なることは計算上やむを得ないところである。 「YSB大和201号」について「YSB大和201号」は、スマホ留学事業の顧客サポート業務のために使用していた大和事務所では手狭になったことから、令和元年5月から、スマホ留学 事業のために借りた部屋である。 「I」は「YSB大和201号」の賃貸人である。 「YSB大和201号」では、スマホ留学事業用の顧客・事務対応、スマホ留学事業用の顧客へのフィードバックが行われ、その賃料は、スマホ留学事業を運営するための費用であり、スマホ留学事業に関連する費用である。 4 「支払手数料」について 前記3記載のとおり、「YSB大和201号」の賃貸借はスマホ留学事業に関連するものであり、「YSB大和201号」を賃借する際に生じた「賃貸保証料」、「仲介手数料」及び「礼金」は、スマホ留学事業に関連する費用である。 5 「修繕費」について「トイレ工事」に要した費用は、大和事務所のトイレの改装工事に伴う費用で ある。前記1のとおり、大和事務所はスマホ留学事業のみに利用しているものであり、スマホ留学は、事業運営にあたり被告AIの大和事務所を間借りしており、大 務所のトイレの改装工事に伴う費用で ある。前記1のとおり、大和事務所はスマホ留学事業のみに利用しているものであり、スマホ留学は、事業運営にあたり被告AIの大和事務所を間借りしており、大和事務所は専らスマホ留学事業に用いられていた。 また、大和事務所の402号室のトイレはユニットバストイレとなっていたと ころ、この部屋は撮影・接客・面談等で来訪者が訪れることがあり、ユニットバストイレは来訪者用には向かないため、スマホ留学事業のために来訪者向けに改装工事を実施した。 以上から「トイレ工事」に要した費用は、スマホ留学事業に関連する費用である。 6 「消耗品費」について 眼鏡代について「(株)ジンズ 5/7 眼鏡代」「(株)ジンズ 5/2 眼鏡代」「ジンズオンラインショップ」は、スマホ留学にて購入したブルーライトカット用の眼鏡に要した費用である。 スマホ留学の顧客サポート業務に従事するスタッフは、長時間パソコン等の 画面を見て作業をすることが多かった。 そのため、スマホ留学において、パソコン画面を見続けることによる疲労の蓄積からスタッフの業務効率が低下することを可及的に避けるために、この眼鏡を支給していたものである。 以上より、当該費用は、スマホ留学事業に関連する費用である。 鍵交換費用について前記3記載のとおり、「YSB大和201号」の賃貸借はスマホ留学事業に関連するものであり、「YSB大和201号」の「鍵交換」費用は、スマホ留学事業に関連する費用である。 「冷蔵庫」及び「ドラム式洗濯機」について 「冷蔵庫」及び「ドラム式洗濯機」は、スマホ留学事業に使用していた「YSB大和201号」に設置した冷蔵庫及びドラム式洗濯機の購入費用である。 事業に従事する者が事業所 ム式洗濯機」について 「冷蔵庫」及び「ドラム式洗濯機」は、スマホ留学事業に使用していた「YSB大和201号」に設置した冷蔵庫及びドラム式洗濯機の購入費用である。 事業に従事する者が事業所にて飲食することを想定して、事業者が冷蔵庫を設置することは一般に行われていることであり、「冷蔵庫」の購入費用は何ら特異なものではない。 また、ドラム式洗濯機に関しては、スマホ留学においては、顧客対応業務等により深夜まで対応するスタッフもおり、終電を逃した場合に事務所で寝泊まりすることができる環境を整えるといった目的のために設置したものである。 以上より、これらの費用はスマホ留学事業に関連する費用である。 「連結パネル等」について 「連結パネル等」は、スマホ留学事業に使用していた大和事務所及び「YS B大和201号」に設置した吸音パーテーションに要した費用である。 スマホ留学においては、顧客へのフィードバック業務、営業電話、顧客対応電話及び動画撮影といった発声が必要となる業務が通常業務としてあり、それぞれのスタッフの発声が反響するなど他の業務に支障をきたすことのないように、吸音パーテーションを設置していたものである。 そもそも、「連結パネル等」を新たに購入する必要性が生じたのは、原告が顧客(講座受講者)へのフィードバック業務を懈怠したからである。すなわち、顧客へのフィードバックは、「コンテンツ」(本件組合契約第3条1項)の一環として、本来であれば、原告が実施すべき業務であったが、令和元年9月期において、原告はスマホ留学に関する業務を殆ど実施しておらず、被告AI及び 被告LSにて、フィードバック業務の体制を整える必要があった。 大和事務所及び「YSB大和201号」では、営業電話、顧客対応電話等の発声を 留学に関する業務を殆ど実施しておらず、被告AI及び 被告LSにて、フィードバック業務の体制を整える必要があった。 大和事務所及び「YSB大和201号」では、営業電話、顧客対応電話等の発声を伴う業務が恒常的に行われているところ、顧客へのフィードバック用の音声データに、顧客対応電話等の内容が記録されるのを避ける必要があり、「連結パネル等」により、業務環境を整える必要性が高かった。 そのため、「連結パネル等」に要した費用はスマホ留学事業に関連する費用である。 スマホ留学において、顧客へのフィードバック業務や各種の電話対応が生じることは原告にも再三伝えていることであり、連結パネルについて「スマホ留学事業に用いることは極めて考え難い」との原告の指摘は、原告がスマホ留学 事業からの利益分配のみを志向し、スマホ留学の現場での事業運営に関与していなかったことの現れといえる。 「子育てママの店ベビーキッズ」、「デコレーションケーキドットコム」及び「森のおもちゃ屋さん」についてこれらは、スマホ留学に関わるスタッフ向けのプレゼントとして購入した物 品の費用である。 上述のとおり、スマホ留学においては、長時間稼働するスタッフもおり、稼働の結果子供との時間が十分に取れないスタッフが存在していた。 スマホ留学では、そのようなスタッフのプライベートのケア・モチベーションの維持(ひいては、業務の効率と質向上)を意図して、スタッフのお子さん向けの物品をプレゼントとして購入していた。 そのため、これらの費用は、スマホ留学事業に関連する費用である。 「お名前.com ドメインサービス」について「お名前.com ドメインサービス」は、スマホ留学にて取得・使用していたドメインの更新費用であり、スマホ留学事業に関連 事業に関連する費用である。 「お名前.com ドメインサービス」について「お名前.com ドメインサービス」は、スマホ留学にて取得・使用していたドメインの更新費用であり、スマホ留学事業に関連する費用である。 7 「通信費」について 前記2記載のとおり、令和元年8月31日付の被告AI及び被告LS代理人が所属する松田綜合法律事務所宛の支出は、本件組合が原告の脱退意向に対応するための費用であり、かかる業務に要した費用は、スマホ留学事業に関連する費用である。 8 「旅費交通費」について 原告が主張する摘要欄の記載については、内部管理用の観点から記載しているもので、摘要欄の記載の形式は当該費用の経費性に影響しない。 また、スマホ留学において令和元年7月に移動に係る費用が増加したのは、原告の行動にその原因がある。 原告はスマホ留学の事業運営に関する自らの言動(必要な行為をしなかったこ とを含む)を反省し謝罪文を提出し、スマホ留学に関与していくことを表明したにもかかわらず、現場での顧客対応等を早期の段階で放棄し、令和元年7月に原告代理人を通じて脱退の意思を表明した。 そのため、スマホ留学の現場及び関係者には大きな混乱が生じ、事態収拾のために関係者と直接コミュニケーションを取る必要性が高まり、その結果生じたの が、原告が経費性を争う旅費交通費である。 宿泊費に関しても、現場の混乱による業務量の拡大を受けて、寝泊まりをするスタッフが生じたことによるものである。 9 「交際費」についてスマホ留学は、スマホ留学の事業運営にかかわるスタッフ、サポート講師と呼ばれる英語講師、ビジネスパートナー(業務委託先)、広告代理店、受講生等、多 くの関係者との関わり合いの中で成り立っているビジネスである(多くの 留学の事業運営にかかわるスタッフ、サポート講師と呼ばれる英語講師、ビジネスパートナー(業務委託先)、広告代理店、受講生等、多 くの関係者との関わり合いの中で成り立っているビジネスである(多くの関係者との関わり合いの中でビジネスが成り立つという点は、スマホ留学に限らず、経済社会におけるビジネス一般に当てはまるものである。)。そのため、スマホ留学において交際費が発生することは何ら特異なことではなく、これらの費用はスマホ留学事業に関連する費用である。 また、令和元年7月以降に、交際費の計上金額が多くなったのは、同時期に旅費交通費が増加したのと同じく、原告の行動にその原因がある。すなわち、スマホ留学は、他のビジネスと同様に、多くの関係者との関わり合いの中で成り立っているビジネスであるところ、原告の身勝手な行動は、各関係者との関係性を悪化させるものであり、各関係者との関係性を取り持つために交際費支出の必要性 が高まった。 なお、原告が経費性を否定する交際費に関して、原告が当該交際費に係る現場に同席していたケースが存在する。例えば、平成31年2月28日の「F 小田急フローリスト」「F コージーコーナー」は、スマホ留学講師の誕生日祝いをした際の花束代とケーキ代であるが、原告は、その誕生日祝いの場に同席している。 このように、原告は、各費用の経費性を精査することなく、概括的に経費性に係る主張をしているものであり、原告の主張は、総じて、経費計上の違法性が合理的に疑われるに至るような主張になっていない。 「広告宣伝費」について令和元年6月以降のものも含めて、令和元年9月期における本件組合の広告宣 伝費がスマホ留学事業に関するものであり、スマホ留学事業と関連性を有する。 なお、AIホールディングス(A 令和元年6月以降のものも含めて、令和元年9月期における本件組合の広告宣 伝費がスマホ留学事業に関するものであり、スマホ留学事業と関連性を有する。 なお、AIホールディングス(AIHD)名義の広告宣伝費については、各広告媒体に対してエデュケーションラボが費用を支払い、AIHDが、スマホ留学から受領した各月の広告宣伝費に係る金員をもって、エデュケーションラボが立て替えた金員について支払っていた。なお、AIHD、エデュケーションラボ、被告SAIは、いずれもEが主たる株主であり、これらの会社はいずれも関係会 社である。 「外注費」について組合員の構成員に対する人件費についてスマホ留学において、各組合員の構成員に対する報酬を支払わないとの合意はなく、原告が指摘する費用を経費として計上することに何ら問題はない。 アプリ開発等に要した費用についてスマホ留学では、利用者の集客及びサービス提供においてLINE@を利用していたところ、LINE@にアカウント凍結のリスクがあることはマーケティング業界では周知の事実となっていた。 事業運営のリスクヘッジの観点から、スマホ留学では、独自のアプリ開発を 進めており、原告が指摘する費用はそのための費用であり、スマホ留学事業に関連する費用である。 まず、LINE@とは、個人や企業が、多数の者に対して一斉にメッセージを配信することができる機能を備えた配信ツールである。LINE@はそれに加えて、1対1、1対多数のメッセージを配信することができ、音声データのやり 取りも可能であった。 スマホ留学では、LINE@の前記の機能を生かして、広告運用においてスマホ留学のLINE@への友達申請を誘導し、LINE@に登録された潜在顧客に、メールマガジンと同様の情報提供や も可能であった。 スマホ留学では、LINE@の前記の機能を生かして、広告運用においてスマホ留学のLINE@への友達申請を誘導し、LINE@に登録された潜在顧客に、メールマガジンと同様の情報提供や無料でのサービス提供を行っていた。 また、スマホ留学の講座購入者による英語発音の課題提出とそれに対するフ ィードバック音声の送付をLINE@を通じて行っていた。 このように、LINE@は、スマホ留学における潜在顧客や受講生とのコミュニケーションの中核的な役割を担っていた。 LINE@にはFacebook と同様にアカウント凍結のリスクがあり、そのリスクはマーケティング業界においては周知の事実であった。 そのため、スマホ留学では、LINE@が凍結された際の事業運営上のリスク をケアし、また、利用者に高い品質のサービスを提供するために、スマホ留学専用のアプリを開発することとした。 なお、アプリ開発については原告にも事前に情報共有を行っており、「平成31年以降において、スマホ留学事業にアプリ開発が具体的に進められたことはな」いとの原告の指摘は、原告がスマホ留学事業への関心を薄め利益分配の みを志向し、事業運営に関与していなかったことの現れといえる。 以上から、原告が指摘する費用はスマホ留学専用のアプリにかかる費用であり、スマホ留学事業に関連する費用である。 Webページにかかる費用についてスマホ留学の広告用のページであるランディングページ(LP)を含め、マ ーケティング用のWebページは一度作成したら未来永劫そのページを使い続けるわけではなく、潜在顧客の目を引く内容に日々修正を加えるものである。 ある商品・サービスに関するテレビCMにおいて、同じ内容のCMが繰り返し放送されることはまれで、季節や社会的なイ ージを使い続けるわけではなく、潜在顧客の目を引く内容に日々修正を加えるものである。 ある商品・サービスに関するテレビCMにおいて、同じ内容のCMが繰り返し放送されることはまれで、季節や社会的なイベント・流行、タレントの人気等に応じて、CMの内容を変えていくのが通常である。 マーケティング用のWebページも同様であり、潜在顧客の目を引くような内容にするために、日々その内容に修正を加えることで、同様のサービスでも常に新規顧客を獲得できる。さらに、インターネット上の広告は、テレビCMに比べて競合が多く、テレビCMよりも頻繁にその内容を見直す必要がある。 すなわち、スマホ留学の広告運用をし、サービスを提供している限り、マー ケティング用のWebページの修正を加えることは何ら特異なことではなく、 原告の指摘する費用は、日々のWebページの修正に要した費用であり、スマホ留学事業と関連する費用である。 スマホ留学は、Web上でコンテンツを提供し、Webマーケティングなしでは成立しないビジネスモデルである。 そして、被告AI及び被告SAIは、スマホ留学事業の遂行に際して、この 点を原告にも再三共有していた。 ムーバー株式会社に対する支出についてムーバー株式会社は動画撮影・編集のほかに、Web上で提供するコンテンツに関する宣伝ページ等を作成する業務であるライティング業務を実施していた。ムーバー株式会社は、スマホ留学にて売上を計上していたコンテンツに 係るライティング業務を実施しており、ムーバー株式会社への支出は、かかる業務への対価を含んでいる。 また、ムーバー株式会社は、スマホ留学の宣伝用のYoutube チャンネルである「Aのソルティーイングリッシュ英会話」の管理業務を行っており、ムーバー株式会社への支 る業務への対価を含んでいる。 また、ムーバー株式会社は、スマホ留学の宣伝用のYoutube チャンネルである「Aのソルティーイングリッシュ英会話」の管理業務を行っており、ムーバー株式会社への支出は、かかる業務への対価を含んでいる。 Youtube チャンネルの管理業務の具体的な内容としては、Youtube 経由でのリスト獲得や講座購入者の計測、Youtube におけるトレンド分析、チャンネルのアクセス分析、各種分析を踏まえたインプレッション向上のための対策の実施(タイトル、サムネイル画像、動画説明文の変更等)等がある。これらの業務は、原告が「Aのソルティーイングリッシュ英会話」にアップロードする動 画について、動画のテーマ出し、動画撮影を実施しなかったため、当該チャンネルの広告効果が弱まったことへの対応策として実施されていた。 以上のとおり、ムーバー株式会社はスマホ留学の業務を行っており、原告が指摘する費用は、スマホ留学事業に関連する費用である。 株式会社レゴスに対する支出について 株式会社レゴスに対しては、前記記載の各Webページの修正に加え、ス マホ留学事業において用いていたサーバーのバックアップ体制の構築を依頼しており、同社に対する支払はこれらの作業の対価であり、スマホ留学事業に関連する費用である。 スマホ留学事業におけるWebページの修正の必要性は前記で述べたとおりである。 サーバーのバックアップ体制について、スマホ留学では、レンタルサーバーを借りており、仮に当該レンタルサーバーに何らかのトラブルが生じた場合には、利用者へのサービス提供が困難になり、スマホ留学事業が回復不可能なまでに毀損する可能性があった。そのため、スマホ留学では、サーバーのトラブルによる事業価値の毀損を最 らかのトラブルが生じた場合には、利用者へのサービス提供が困難になり、スマホ留学事業が回復不可能なまでに毀損する可能性があった。そのため、スマホ留学では、サーバーのトラブルによる事業価値の毀損を最小限にするために、バックアップを定期的に手動 で行っていたが、作業の効率化(ひいては利益率の向上)とバックアップ体制のより一層の強化を図るため、バックアップ体制を自動化することとした。このサーバーのバックアップ体制の構築を株式会社レゴスに依頼したのであり、原告が指摘する株式会社レゴスに対する支払は、スマホ留学事業に関連する費用である。なお、バックアップ体制を自動化した後も、バックアップの状況を 監視するため、手動の作業が完全に排斥されるわけではなく、体制構築後の手動の作業は株式会社レゴスと被告AIの従業員で行っていた。 AIHDにかかる支払についてAIHDは令和元年6月以降の期間も含めて令和元年9月期にスマホ留学の広告運用を実施していた。 令和元年5月以前に本件組合の組合員間で話合いが行われ、AIHDにて発生する人件費及びオフィス家賃のうち、スマホ留学の広告運用のための稼働に相当する部分の費用を、本件組合にて負担することとされ、この費用が「(株)AIホールディングス」「スマホ留学/人件費・オフィス家賃」である。AIHDのような広告代理店は、多くの案件の広告運用を同時に受け持ち、各案件に経営 資源を分散させることが一般的であるところ、AIHDにおいては、スマホ留 学の広告運用に投下する資源の割合が多くなっていた。 原告が費用性を争う「(株)AI ホールディングス」「スマホ留学/人件費・オフィス家賃」の金額の算定は以下のとおり行われていた。まず、AIHDでは、スマホ留学の広告運用に関する業務に従事してい 。 原告が費用性を争う「(株)AI ホールディングス」「スマホ留学/人件費・オフィス家賃」の金額の算定は以下のとおり行われていた。まず、AIHDでは、スマホ留学の広告運用に関する業務に従事していたメンバーについて、スマホ留学の広告運用にかかる稼働時間を、メンバーごとに、日ごとに集計していた。 そして、AIHDの各メンバーの時間当たりの人件費(単価)を概算し、当該単価に各メンバーのスマホ留学の広告運用にかかる1か月分の稼働時間を乗じることで、AIHDにて生じる人件費のうち、スマホ留学に関連した稼働についての人件費を計算していた。また、月額家賃のうち、各メンバーのスマホ留学関連の稼働時間の1か月の合計分に相当する金額を、スマホ留学に関連す るオフィス家賃として計算していた。 以上より、「(株)AI ホールディングス」「スマホ留学/人件費・オフィス家賃」はスマホ留学に関連する費用である。 Dに対する支払についてDは、スマホ留学事業に関するコンサルティング業務を行っており、同費目 はそのコンサルタント費用である。 「買掛金」について原告は買掛金勘定の摘要欄の記載をもって、経費性を争っているが、買掛金勘定は貸借対照表に関する科目であり、それ自体では損益計算には影響せず、「買掛金」に関する原告の主張は、経費性を争う主張になっていない。以下に記載し たものも損益計算に影響を与えない。 「WORLDORDER 利益分配金」「WORLDORDER 利益分配金」は、スマホ留学が組合形式に移行する前の期間におけるWORLDORDER に対する業務委託にかかる分配金である。また、「WORLDORDER 利益分配金」は総勘定元帳において貸借対照表に関する科目 として「預け金」に計上されており、相手 るWORLDORDER に対する業務委託にかかる分配金である。また、「WORLDORDER 利益分配金」は総勘定元帳において貸借対照表に関する科目 として「預け金」に計上されており、相手勘定も普通預金であるから、損益計 算には影響していない。これらのため、「WORLDORDER 利益分配金」は、スマホ留学の令和元年9月期の損益計算には影響を与えていない。 「立替経費」原告は買掛金勘定の摘要欄の記載をもって、経費性を争っているが、買掛金勘定は貸借対照表に関する科目であり、それ自体では損益計算には影響しない。

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