昭和24(ツ)5 永小作権確認等請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和25年11月29日 福岡高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告理由は末尾添付の別紙上告理由書記載のとおりである。  これに対する当裁判所

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判決文本文1,847 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告理由は末尾添付の別紙上告理由書記載のとおりである。 これに対する当裁判所の判断は次のとおりである。 第一点について、然して第七号証及び乙第九号証に記載せられた福岡県知事の本件農地に対する賃貸借解約の許可が、昭和二十一年五月に被上告人より上告人に対して為した解約申入を対象とするものであることは、原判決の認定した本件係争の経過的事実並に本件弁論の全趣旨により容易に肯定することができる。所論の農地調整法施行規則第十四條の規定は賃貸借解約の許可を受けようとする場合における行政的の手続を定めたもので、この手続を履践しない申請は受理しないということにはなつていない。法には申請の時期手続を認定していないのであるから、右のような規定があるからと云つて乙第七号証の許可が前示解約申入を対象とするものでないと観るわけにはいかない。原判決が証拠に基かずして事実を認定し若しくは採証上の法則を誤つているという論旨は理由がない。 第二点について。 <要旨第一>原審の認定事実によれば本件解約申入の時期は昭和二十一年五月である。しかるにその当時施行の農地調整</要旨第一>法第九条には賃貸借の解約を為すにつき、市町村農地委員会の承認を受くべき旨の規定はあつたのであるが、この承認を受けないで為した行為の効力に関する規定はなかつたのであるから、当時にあつては解約申入の法律上の効果は専ら同条第一項の要件の存否によつて定まり、市町村農地委員会の承認を受くべき旨の規定は取締規定に過ぎなかつたのである。ところが本件解約申入による賃貸借終了の効果発生前たる昭和二十一年十月二十一日法律第四十二号によつて第九条の第四項として右の承認を受けずして為した行為はそ 旨の規定は取締規定に過ぎなかつたのである。ところが本件解約申入による賃貸借終了の効果発生前たる昭和二十一年十月二十一日法律第四十二号によつて第九条の第四項として右の承認を受けずして為した行為はその効力を生じない旨の条項が追加され、同年十一月二十二日から施行されるに至つたので、本件解約についても右改正規定の適用を受けることとなつたのであるが、この条項の趣旨は承認なる行政行為をもつて賃貸借の解約という私法行為の効力発生の要件とするものであつて、換言すればその本体は私法行為で承認はとれを補充して私法上の効果発生の一要件を為すものと解すべきである。しかして農地賃貸借の解約は農地調整法第九条第一項及び民法第六百十七条の定むる諸要件を備えることによつて私法上の効果発生の本体は完結するのであるが、前示条項新設の結果、右の承認がこれに附加補充せられるることによつて右私法上の効果を完成せしめることになるのであるから、承認の当時私法上の要件が具備しておれば承認によつて直にその私法上の効果を発生し又承認後に私法上の要件が完結する場合にはその完結の時に効力を生ずるわけである。従つて解約申入の表示行為とし<要旨第二>ての効力が承認のときから生ずるという論旨は採用し得ない。しかし本件において昭和二十一年五月に解約の</要旨第二>申入が為されたのであるから民法第六百十七条の要件としては翌二十二年五月に賃貸借終了の効果を生ずるのであるが、之に対する福岡県知事の許可は同年十月三十日に為されたこと原審の認定するところである。かかる場合に許可の効力が私法上の要件完結の時に遡るか否かというに、農地の如く収穫季節のあるものについては民法第六百十七条の法意に照し、右効力は遡及せず、恰も解約申入後民法所定の期間がまだ来ない内に許可が為された場合と同じく、次の収穫季節の終了時に至 かというに、農地の如く収穫季節のあるものについては民法第六百十七条の法意に照し、右効力は遡及せず、恰も解約申入後民法所定の期間がまだ来ない内に許可が為された場合と同じく、次の収穫季節の終了時に至つて初めて賃貸借終了の効果を生ずるものと解するを相当とする。従つて本件においては昭和二十三年五月に終了したものと解すべきであるから原審が二十二年五月に遡及して賃貸借の終了を認定したのは失当であるけれども、この点は原判決の主文に影響を及ぼすものでないから破棄の理由とはならない。結局論旨は理由がない。 よつて民事訴訟法第四百一条第九十五条第八十九条により主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官小野謙次郎裁判官桑原國朝裁判官森田直記)

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