令和6(わ)301 殺人、死体遺棄被告事件

裁判年月日・裁判所
令和7年4月25日 津地方裁判所
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判決文本文1,690 文字)

主文 被告人を懲役16年に処する。 未決勾留日数中120日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)第1 【令和6年11月1日付け起訴状記載の公訴事実】被告人は、2023年(令和5年)7月22日頃、不倫関係にあったA(当時36歳)に結婚できないことを伝え、別れ話をしたところ、Aから、「家族をぐちゃぐちゃにする」「妻を殺す」などと言われたため、Aを殺害しようと決意した。そして、その直後、三重県四日市市(以下省略)に駐車中の自動車内において、Aの首を両手で絞め付け、よって、その頃、その場所付近において、Aを頸部圧迫による窒息により死亡させて殺害した。 第2 【令和6年10月8日付け起訴状記載の公訴事実】被告人は、2023年(令和5年)7月22日頃、三重県四日市市(以下省略)雑木林内において、A(当時36歳)の死体を投棄して遺棄した。 (量刑の理由)被告人は、仰向けになった被害者のお腹の上に馬乗りになり、両手の親指に全体重をかけ、力いっぱい首を絞め続けた。計画性はなく、凶器も使用していないが、一方的で、確実に死の結果をもたらす危険なやり方である。特に、約5分もの間、途中被害者の足がけいれんしていることに気が付いたのに、手を止めることなく首を絞め続けた点は悪質で、殺害に向けた強い気持ちがあったといえる。また、殺害後、発覚を防ぐため、人目のつかない雑木林内に遺体を捨て置き、その際足首や髪の毛をつかんで引きずるなど遺体をぞんざいに扱ったことからしても、亡くなった被害者の尊厳を害した程度は大きい。 被告人は、被害者と数年間不倫関係にあり、その関係が妻に発覚したことから一 旦関係を解消したが、本件の約1か月前から再び不倫関係となった。その後 くなった被害者の尊厳を害した程度は大きい。 被告人は、被害者と数年間不倫関係にあり、その関係が妻に発覚したことから一 旦関係を解消したが、本件の約1か月前から再び不倫関係となった。その後本件までの間に数回、被害者から尋ねられた際に結婚のチャンスがあると伝えており、一緒に住む家を購入するなどの話もしていた。このような中、被告人は、本件当日、被害者から結婚のチャンスがあるかと尋ねられ、初めてこれを断って別れ話をしたというのであるから、被害者からすると、自身にも家庭があるとはいえ、被告人との将来に期待していたとしても無理はなく、それが突然裏切られて逆上したことはある程度理解できる。被告人は、被害者は気性が荒く、以前に被告人宅に押しかけるなどもしていたことから、被害者の発言が怖かった旨を述べている。確かにその発言だけをみると脅迫的ではあるが、被告人の思わせぶりな言動がこの発言を導いたといえる上、別れ話をした場合の被害者の反応について十分予想できたともいえるから、話合いなどもせずに短絡的に殺害を決意した点は身勝手といわざるを得ない。弁護人が指摘する本件のきっかけ(被害者の脅迫的な発言)については、刑を軽くする事情とは認められない。 このような本件のやり方や経緯からすると、大切な家族を奪われた被害者の夫や父ら遺族が、被告人に対して厳しい処罰を望むのももっともである。 以上の犯情からすれば、本件は、同種事案(単独犯、1件、凶器なし、知人・友人・勤務先関係)の中で中程度からやや重い部類に位置付けられる。 そこで、被告人が公訴事実だけでなく、自身しか知らない本件のやり方や経緯等の事実についても具体的に供述するなど反省の態度を示していることや、情状証人として出廷した妻や、子らの存在等から、再犯可能性が高くないことも踏まえ、主文の刑を科す 主文 身しか知らない本件のやり方や経緯等の事実についても具体的に供述するなど反省の態度を示していることや、情状証人として出廷した妻や、子らの存在等から、再犯可能性が高くないことも踏まえ、主文の刑を科することとした。(求刑懲役17年) 理由 令和7年4月25日 津地方裁判所刑事部 裁判長裁判官西前征志 裁判官湯川亮 裁判官髙島菜緒

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