平成28(行ウ)211 工事実施計画認可取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和5年7月18日 東京地方裁判所
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判決文本文329,623 文字)

- 1 -令和5年7月18日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成28年(行ウ)第211号、同31年(行ウ)第115号工事実施計画認可取消請求事件(以下、順に「甲事件」、「乙事件」という。)口頭弁論終結日令和5年2月3日判決 主文 1 甲事件原告らの請求及び乙事件原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は、甲事件につき甲事件原告らの負担とし、乙事件につき乙事件原告らの負担とする。 事実及び理由 【目次】(なお、以下の略語は、本文中の例による。)第1 請求・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3頁 1 甲事件原告らの請求・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3頁 2 乙事件原告らの請求・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3頁第2 事案の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4頁 1 主な関係法令等の規定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4頁 2 前提事実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5頁 3 争点及び争点に関する当事者の主張の要旨・・・・・・・・・・ 15頁第3 当裁判所の判断・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16頁 1 争点①(原告適格の有無)について・・・・・・・・・・・・・ 16頁 2 争点②(本件認可の適法性)について・・・・・・・・・・・・ 18頁⑴ 全幹法9条1項の規定を適用した点・・・・・・・・・・・・ 18頁⑵ 事業法5条1項各号に掲げる基準等に関する点・・・・・・・ 21頁ア ・・・・・・・・・・・・ 18頁⑴ 全幹法9条1項の規定を適用した点・・・・・・・・・・・・ 18頁⑵ 事業法5条1項各号に掲げる基準等に関する点・・・・・・・ 21頁ア判断枠組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21頁イ経営上の適切性に関する点・・・・・・・・・・・・・・・ 28頁 ウ輸送の安全性に関する点・・・・・・・・・・・・・・・・ 39頁 - 2 -エ事業遂行能力に関する点・・・・・・・・・・・・・・・・ 41頁オ事業法5条1項各号に掲げる基準等に関する点についての結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43頁⑶ 環境影響評価に関する点・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43頁ア判断枠組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43頁 イ複数案の検討に関する点・・・・・・・・・・・・・・・・ 48頁ウ鉄道施設の形状等の特定に関する点・・・・・・・・・・・ 49頁エ発生土の処分方法等の特定に関する点・・・・・・・・・・ 59頁オ事後調査に関する点・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77頁カ山梨実験線の建設に係る環境影響評価に関する点・・・・・ 81頁 キ本件認可(その2)に先立つ環境影響評価に関する点・・・ 86頁ク周辺住民の参加権に関する点・・・・・・・・・・・・・・ 89頁ケその他の環境影響評価に関する点・・・・・・・・・・・・ 91頁 水資源等に関する点・・・・・・・・・・・・・・・・・ 92頁 地盤沈下等に関する点・・・・・・ ケその他の環境影響評価に関する点・・・・・・・・・・・・ 91頁 水資源等に関する点・・・・・・・・・・・・・・・・・ 92頁 地盤沈下等に関する点・・・・・・・・・・・・・・・・ 174頁 「建設機械の稼働」等による大気の汚染、騒音、振動等に関する点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 225頁 「列車の走行(地下を走行する場合を除く。 )」等による騒音等に関する点・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 295頁 磁界に関する点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 349頁 日照阻害に関する点・・・・・・・・・・・・・・・・・ 357頁 景観阻害に関する点・・・・・・・・・・・・・・・・・ 367頁 南アルプス等の自然環境に関する点・・・・・・・・・・ 369頁 小括・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 369頁コ環境影響評価に関する点についての結論・・・・・・・・・ 370頁 ⑷ まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 370頁 - 3 -第4 結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 370頁 【本文】第1 請求 1 甲事件原告らの請求 国土交通大臣(以下「国交大臣」という。)が平成26年10月17日付けで被告参加人(以下「参加人」という。)に対してした「中央新幹線(品川・名古屋間)の工事実施計画(その1)」(以下「本件計画(その1)」という。)の認可(以下「本件認可(その1)」という。)を取り消す。 2 乙事件原告らの請求 した「中央新幹線(品川・名古屋間)の工事実施計画(その1)」(以下「本件計画(その1)」という。)の認可(以下「本件認可(その1)」という。)を取り消す。 2 乙事件原告らの請求 国交大臣が平成30年3月2日付けで参加人に対してした「中央新幹線(品川・名古屋間)の工事実施計画(その2)」(以下「本件計画(その2)」という。)の認可(以下「本件認可(その2)」という。)を取り消す。 第2 事案の概要本件は、参加人が、中央新幹線(品川・名古屋間)の建設(以下、これに係 る事業を「本件事業」という。)に係る本件計画(その1)及び本件計画(その2)(以下、併せて「本件計画」という。)を作成し、全国新幹線鉄道整備法(以下「全幹法」という。)9条1項の規定による認可(以下「9条認可」という。)の申請をしたところ、国交大臣が、9条認可として、本件認可(その1)及び本件認可(その2)(以下、併せて「本件認可」という。)をした ことから、その実施が予定されている地域を含む東京都、神奈川県、山梨県、静岡県、長野県、岐阜県及び愛知県(以下「本件7都県」という。)に居住していた甲事件原告ら及び乙事件原告ら(以下、併せて「原告ら」という。)が、前記第1の1及び2のとおりの取消しを求めた事案である。 なお、本件では、甲事件と乙事件の弁論が併合されているところ、参加人は、 そのいずれについても、行政事件訴訟法22条1項の規定による訴訟参加をし - 4 -ている。 また、本件では、当事者間において、原告適格の有無が争われていたことから、当裁判所は、令和元年12月20日に、この中間の争いについて判断するために弁論を終結した上で、令和2年12月1日に、①本件から弁論を分離された相原告ら(以下「弁論分 格の有無が争われていたことから、当裁判所は、令和元年12月20日に、この中間の争いについて判断するために弁論を終結した上で、令和2年12月1日に、①本件から弁論を分離された相原告ら(以下「弁論分離前相原告ら」という。)については、原告適格 を有しないとして、これらの者に係る訴えを却下する旨の終局判決(以下「本件却下判決」という。)を言い渡したが、②本件の原告らについては、原告適格を有する旨の中間判決(以下「本件中間判決」という。)を言い渡している。 1 主な関係法令等の規定主な関係法令等の規定は、別紙3のとおりである(なお、本件の争点と関係 しない部分については適宜省略している。また、別紙3において定義した略語については、以下においても用いることとする。)。 2 前提事実次の事実は、当事者間に争いのない事実又は当裁判所に顕著な事実のほか、掲記の証拠(なお、以下、書証番号は、特記しない限り、枝番の記載を省略す る。)又は弁論の全趣旨によって認めることができる事実である。 ⑴ 当事者等ア原告らは、別紙1原告ら目録記載1及び2のとおり、本件7都県に居住する者である(ただし、同目録記載1の原告番号149番の甲事件原告については、甲事件に係る訴えを提起した後の平成28年11月に、神奈川 県から栃木県へ転居している。)。(甲A17)イ参加人は、昭和62年4月に、日本国有鉄道(当時。以下「国鉄」という。)の改革に伴って設立された株式会社であり、国鉄が主として東海地方において経営していた旅客鉄道事業を引き継いだものである。 ⑵ 本件認可に至る経緯等 ア運輸大臣(当時)は、昭和48年11月15日運輸省告示第466号に - 5 -より、路線名を「中央 た旅客鉄道事業を引き継いだものである。 ⑵ 本件認可に至る経緯等 ア運輸大臣(当時)は、昭和48年11月15日運輸省告示第466号に - 5 -より、路線名を「中央新幹線」、起点を「東京都」、終点を「大阪市」、主要な経過地を「甲府市附近、名古屋市附近、奈良市附近」とする基本計画を決定した(以下、この決定を「本件基本計画決定」という。)。(乙9)イ運輸大臣(当時)は、中央新幹線の建設に関し必要な調査として、鉄 建公団に対し、昭和62年11月5日付けで、「甲府市付近、名古屋市付近間の山岳トンネル部に係る区間」の地形、地質等に関する事項の調査を指示した。その後、運輸大臣(当時)は、その調査の区間を拡大するとして、鉄建公団及び参加人に対し、平成2年2月6日付けで、「東京都・大阪市間」の地形、地質等に関する事項の調査を指示した。(乙 10、11) これを受けて、鉄建公団の権利義務を承継した鉄道・運輸機構及び参加人は、国交大臣に対し、平成20年10月22日に、上記の調査に係る調査報告書を提出した。(乙12、68)ウ国交大臣は、中央新幹線の建設に関し必要な調査として、鉄道・運輸 機構及び参加人に対し、平成20年12月24日付けで、①「輸送需要量に対応する供給輸送力等に関する事項」、②「施設及び車両の技術の開発に関する事項」、③「建設に要する費用に関する事項」及び④「その他必要な事項」の調査を指示した。(乙13) これを受けて、鉄道・運輸機構及び参加人は、国交大臣に対し、平成 21年12月24日に、上記の調査に係る調査報告書を提出した。 (乙14)エ国交大臣は、中央新幹線について、平成23年5月20日付けで、参加人を営業主体及び 国交大臣に対し、平成 21年12月24日に、上記の調査に係る調査報告書を提出した。 (乙14)エ国交大臣は、中央新幹線について、平成23年5月20日付けで、参加人を営業主体及び建設主体として指名するとともに(以下、この営業主体及び建設主体の指名を「本件指名」という。)、同月26日付けで、建設 線を「中央新幹線」、区間を「東京都・大阪市間」、走行方式を「超電導 - 6 -磁気浮上方式」、最高設計速度を「505キロメートル/時」、建設に要する費用の概算額(車両費を含む。)を「90,300億円」、主要な経過地を「甲府市附近、赤石山脈(南アルプス)中南部、名古屋市附近、奈良市附近」とする整備計画を決定した(以下、この決定を「本件整備計画決定」という。)。なお、これらは、交通政策審議会に対する諮問等を経 てされたものであるところ、当該諮問を受けてその審議を付託された同審議会陸上交通分科会鉄道部会の下に設置された中央新幹線小委員会(以下「本件小委員会」という。)は、同月12日付けで、これに係る答申(以下「本件答申」という。)をしていた。(乙3、5、15~19)オ国交大臣は、参加人に対し、平成23年5月27日付けで、本件整備計 画決定に係る整備計画に基づいて中央新幹線の建設を行うべきことを指示した(以下、この指示を「本件指示」という。)。(乙20)カ本件事業は、評価法上、第一種事業に該当するものであるところ、参加人は、平成23年法律第27号による改正で、評価法に配慮書の手続が追加される趣旨に鑑みて、それに先立つ同年6月7日(ただし、長野県に係 る区間の記載を追加したものについては同年8月5日)に、本件事業に係る配慮書(以下「本件配慮書」という。)を公表した。(丙1~7、弁論 に鑑みて、それに先立つ同年6月7日(ただし、長野県に係 る区間の記載を追加したものについては同年8月5日)に、本件事業に係る配慮書(以下「本件配慮書」という。)を公表した。(丙1~7、弁論の全趣旨)キ参加人は、平成23年9月27日に、本件事業に係る方法書(以下「本件方法書」という。)を公告するとともに、同日からの1月間、本 件7都県において、それぞれ縦覧に供するなどした。(丙1~7、11、12、32、弁論の全趣旨) これを受けて、本件7都県の知事は、参加人に対し、平成24年2月又は3月に、それぞれ本件方法書について環境の保全の見地からの意見を書面により述べた。(丙1~7) ク参加人は、上記キの意見を勘案して、本件事業に係る環境影響評価 - 7 -の項目並びに調査、予測及び評価の手法を選定した上で、平成25年9月20日に、本件事業に係る準備書(以下「本件準備書」という。)を公告するとともに、同日からの1月間、本件7都県において、それぞれ縦覧に供するなどした。(丙1~7、31、34、弁論の全趣旨) その後、参加人は、本件7都県において、それぞれ準備書説明会を開 催するとともに、本件7都県の知事に対し、平成25年11月25日に、本件準備書について環境の保全の見地から述べられた意見の概要及び事業者としての見解を記載した書類を送付するなどした。(丙1~7) これを受けて、本件7都県の知事は、参加人に対し、平成26年3月に、それぞれ本件準備書について環境の保全の見地からの意見を書面に より述べた。(丙1~7)ケ参加人は、国交大臣に対し、平成26年4月23日に、本件事業に係る評価書(以下「本件補正前評価書」という。)を送付した。( 保全の見地からの意見を書面に より述べた。(丙1~7)ケ参加人は、国交大臣に対し、平成26年4月23日に、本件事業に係る評価書(以下「本件補正前評価書」という。)を送付した。(丙1~7) 国交大臣から本件補正前評価書の写しの送付を受けた環境大臣は、国 交大臣に対し、平成26年6月5日に、本件補正前評価書について環境の保全の見地からの意見を書面により述べた。(乙40、弁論の全趣旨) 国交大臣は、上記の意見を勘案した上で、参加人に対し、平成26年7月18日に、本件補正前評価書について環境の保全の見地からの意見を書面により述べた。(乙41、丙1~7) 参加人は、国交大臣に対し、平成26年8月26日に、上記の意見を勘案して補正した評価書(以下「本件評価書」という。)を送付した。 そして、参加人は、同月29日に、本件評価書を公告するとともに、同日からの1月間、本件7都県において、それぞれ縦覧に供するなどした。 (丙1~7、弁論の全趣旨) コ参加人が、本件事業に係る本件計画(その1)を作成し、平成26年8 - 8 -月26日に、9条認可の申請をしたところ、国交大臣は、9条認可として、同年10月17日付けで、本件認可(その1)をした。(乙4)サ参加人が、本件事業に係る本件計画(その2)を作成し、平成29年9月25日に、9条認可の申請をしたところ、国交大臣は、9条認可として、平成30年3月2日付けで、本件認可(その2)をした。(乙88~90) ⑶ 本件計画の概要等ア本件計画(その1)は、主として土木構造物関係の工事に係るものであり、その概要は、次のとおりである。(乙4、43) 路線名「中央新 ⑶ 本件計画の概要等ア本件計画(その1)は、主として土木構造物関係の工事に係るものであり、その概要は、次のとおりである。(乙4、43) 路線名「中央新幹線」 工事の区間「品川・名古屋間」 停車場の位置「品川駅(地下)(併設:東京都港区港南)」「神奈川県(仮称)駅(地下)(新設:神奈川県相模原市緑区橋本)」 「山梨県(仮称)駅(地上)(新設:山梨県甲府市大津町字入田)」「長野県(仮称)駅(地上)(新設:長野県飯田市上郷飯沼)」「岐阜県(仮称)駅(地上)(新設:岐阜県中津川市千旦林字坂本)」「名古屋駅(地下)(併設:愛知県名古屋市中村区名駅)」 車両基地の位置 「関東車両基地(仮称)(新設:神奈川県相模原市緑区鳥屋)」「中部総合車両基地(仮称)(新設:岐阜県中津川市千旦林)」 線路延長「285km605m」(なお、その内訳は、トンネルが「246. 6km(約86%)」、高架橋が「23.6km(約8%)」、橋梁が 「11.3km(約4%)」、路盤が「4.1km(約1.4%)」で - 9 -ある。) 工事方法別紙5の1のとおり。 工事予算「4兆158億2,000万円(今回認可対象工事分)」 工事の着手の予定時期「認可の日」 工事の完了の予定時期「平成39年」(令和9年) 走行方式 「超電導磁気浮上方式」 最高 時期「認可の日」 工事の完了の予定時期「平成39年」(令和9年) 走行方式 「超電導磁気浮上方式」 最高設計速度「505km/h」 所要時間「最速40分程度」 イ本件計画(その2)は、本件計画(その1)に電気関係設備の工事を追加するなどしたものであり、その概要は、次のとおりである。(乙88~90) 工事方法別紙5の2のとおり。 線路の位置「地元との協議等の結果、神奈川県駅及び岐阜県駅の駅位置並びに一部区間の縦断線形(3箇所)等を変更」 工事予算「今回追加 8,377億円」 ウ本件計画で予定されている中央新幹線(品川・名古屋間)の線路の位置 - 10 -等の概要は、別紙6の図のとおりである。(乙90)⑷ 中央新幹線の走行方式として採用された超電導磁気浮上方式の概要等ア中央新幹線の走行方式として採用された超電導磁気浮上方式の概要は、次のとおりである。(乙69、88の15、丙1~7、9、10) 中央新幹線の走行方式として採用された超電導磁気浮上方式は、車両 に搭載された超電導磁石(超電導状態となったコイルに電流を流して作り出した強力な磁石のこと。以下同じ。)と地上のガイドウェイに設置された推進コイル及び浮上・案内コイル(以下、これらを併せて「地上コイル」という。)との間の磁力により、車両を10cm程度浮上させて走行するという走行方式である。 超電導とは、ある種の金属等を一定温度以下としたときに電気抵抗がなくなる現象のこ イル」という。)との間の磁力により、車両を10cm程度浮上させて走行するという走行方式である。 超電導とは、ある種の金属等を一定温度以下としたときに電気抵抗がなくなる現象のことをいうところ、中央新幹線では、超電導材料としてニオブチタン合金を使用し、液体ヘリウムでこれをマイナス269℃に冷却することにより、超電導状態を作り出している。 中央新幹線では、地上のガイドウェイに設置された推進コイルに電流 を流し、車両に搭載された超電導磁石(N極とS極を交互に配置したもの)との間で、引き合う力と反発する力が発生することを利用して、車両を推進させている。その概要は、別紙7の図のとおりである。 中央新幹線では、地上のガイドウェイに浮上・案内コイルが設置されているところ、車両に搭載された超電導磁石が高速で通過する際に、当 該コイルに電流が流れ、車両を押し上げる力と引き上げる力が発生することを利用して、車両を浮上させている。その概要は、別紙8の図のとおりである。 中央新幹線では、車両の位置が地上のガイドウェイの側面のどちらかに近づくと、近づいた側では反発する力が発生し、遠ざかった側では引 き合う力が発生することで、車両の位置を中央に戻している。その概要 - 11 -は、別紙9の図のとおりである。 中央新幹線では、「電力変換変電所」から速度等に応じた電流を供給することにより、列車を制御している。その概要は、別紙10の図のとおりである。 中央新幹線の車両内で必要となる電力については、地上のガイドウェ イに設置された地上ループと車両の底面に搭載された集電コイルとの間の電磁誘導作用を用いて供給している。その概要は、別紙11の図のとおりである 車両内で必要となる電力については、地上のガイドウェ イに設置された地上ループと車両の底面に搭載された集電コイルとの間の電磁誘導作用を用いて供給している。その概要は、別紙11の図のとおりである。 イガイドウェイの構造の概要は、別紙12の図のとおりである。(乙43の10、88の15) ⑸ 実験線の概要等ア我が国では、昭和37年頃に、次世代の超高速鉄道として、「リニアモーター推進浮上式鉄道」の研究が開始され、昭和47年頃には、国鉄の鉄道技術研究所(当時。現在は公益財団法人鉄道総合技術研究所。以下、両者を区別せずに「鉄道総研」という。)において、初めて「磁気浮上走行」 に成功した。(乙69)イまた、昭和52年頃には、「宮崎浮上式鉄道実験センター」が開設され、その実験線(以下「宮崎実験線」という。)において、超電導磁気浮上方式による基本的な走行性能についての実験が開始された。(乙69)ウその後、トンネルや十分な勾配、曲線等を備えた新たな実験線が必要と なったため、宮崎実験線に代わる「新実験線建設の適地選定」についての検討の結果、平成元年8月7日に、その候補地として山梨県が選定された。 (乙69、70)エ鉄道総研、鉄建公団及び参加人は、山梨県知事に対し、平成2年4月26日に、「山梨リニア実験線建設に係わる環境影響調査等の進め方に ついて(照会)」と題する書面を送付して、「整備五新幹線に関する環 - 12 -境影響評価の実施について」(昭和54年1月23日鉄施第107号運輸大臣通知)の別添資料である「整備五新幹線に関する環境影響評価指針」(以下「整備五新幹線環境影響評価指針」という。)を参考として、「山梨リニア実験線」(以下「山梨実験線」という。) 施第107号運輸大臣通知)の別添資料である「整備五新幹線に関する環境影響評価指針」(以下「整備五新幹線環境影響評価指針」という。)を参考として、「山梨リニア実験線」(以下「山梨実験線」という。)の建設に係る環境影響調査等を進めることについての意見を照会した。(乙71、72) これを受けて、山梨県知事は、鉄道総研、鉄建公団及び参加人に対し、平成2年4月27日に、上記の照会を基本的に了承する旨を回答した。 (乙73)オ運輸大臣(当時)は、「超電導磁気浮上方式鉄道に係る技術開発を円滑に推進するため」の技術開発の基本計画等について、「超電導磁気浮上方 式鉄道に係る技術開発の円滑な推進について」と題する通達(平成2年6月8日官鉄施第45号ほか。以下「運輸大臣通達」という。)を発出した。 (乙63、69)カ鉄道総研及び参加人は、運輸大臣通達の規定に則して、「超電導磁気浮上方式鉄道技術開発基本計画」を作成し、鉄道総研は、運輸大臣(当 時)に対し、平成2年6月25日に、これを添付した「超電導磁気浮上方式鉄道技術開発基本計画承認申請書」を提出した。(乙64、74) 運輸大臣(当時)は、平成2年6月25日付けで、上記の基本計画を承認した。(乙66、69)キ鉄道総研、鉄建公団及び参加人は、運輸大臣通達の規定に則して、 「山梨実験線建設計画」を作成し、運輸大臣(当時)に対し、平成2年6月25日に、これを添付した「超電導磁気浮上方式鉄道山梨実験線建設計画承認申請書」を提出した。なお、これにより、山梨実験線の線路延長は、42.8kmと計画された。(乙65、75) 運輸大臣(当時)は、平成2年6月25日付けで、上記の建設計画 を承認した。(乙67、69) お、これにより、山梨実験線の線路延長は、42.8kmと計画された。(乙65、75) 運輸大臣(当時)は、平成2年6月25日付けで、上記の建設計画 を承認した。(乙67、69) - 13 -ク鉄道総研、鉄建公団及び参加人は、山梨実験線の建設及びその後の各種試験に伴う周辺環境への影響を把握して的確に対処するために、それに係る環境影響調査を実施し、その結果を「山梨リニア実験線環境影響調査報告書」として取りまとめた上で、山梨県知事に対し、平成2年7月20日に、これを提出した。(乙76、77) これを受けて、山梨県知事は、鉄道総研、鉄建公団及び参加人に対し、平成2年9月5日に、上記の報告書について異議はない旨の回答をした。(乙77)ケ平成2年11月以降、先行区間(線路延長18.4km)の建設が開始され、平成9年3月に、これが完了した。そして、運輸大臣通達第2の8 ⑵の規定による検査を経て、同区間における走行試験が開始された。(乙63、69、丙9)コその後、「運輸省・超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会」(以下「評価委員会」という。)において、平成12年3月に、「実用化に向けた技術上のめどは立った」との評価がされ、また、平成17年3月には、 「実用化の基盤技術が確立した」との評価がされた。(乙69、丙9)サ参加人は、平成18年9月25日に、山梨実験線の設備更新や延伸等に係る設備投資計画を決定した。(乙69)シ鉄道総研及び参加人は、運輸大臣通達の規定に則して、前記カの基本計画に山梨実験線の設備更新や延伸等に係る変更を加え、鉄道総研は、 国交大臣に対し、平成19年1月22日に、「超電導磁気浮上方式鉄道技術開発基本計画 運輸大臣通達の規定に則して、前記カの基本計画に山梨実験線の設備更新や延伸等に係る変更を加え、鉄道総研は、 国交大臣に対し、平成19年1月22日に、「超電導磁気浮上方式鉄道技術開発基本計画の変更申請」を提出した。(乙78) 国交大臣は、平成19年1月23日付けで、上記の変更を承認した。 (乙69、80)ス鉄道総研、鉄道・運輸機構及び参加人は、運輸大臣通達の規定に則し て、前記キの建設計画に山梨実験線の設備更新や延伸等に係る変更を - 14 -加え、国交大臣に対し、平成19年1月22日に、「超電導磁気浮上方式鉄道山梨実験線建設計画変更承認申請書」を提出した。(乙79) 国交大臣は、平成19年1月23日付けで、上記の変更を承認した。 (乙69、81)セ鉄道総研、鉄道・運輸機構及び参加人は、前記クの報告書について、 経年に伴う検証作業を実施し、その結果を「山梨リニア実験線環境影響調査報告書の経年に伴う検証資料」として取りまとめた上で、山梨県知事に対し、平成19年6月に、これを提出し、従前の評価及び保全対策に影響を及ぼすような経年による大きな状況の変化は認められない旨などを報告した。(乙82) ソ平成20年5月以降、延伸区間(線路延長24.4km)の建設が開始され、山梨実験線の設備更新と併せて、平成25年8月には、これが完了した。そして、運輸大臣通達第2の8⑵の規定による検査を経て、山梨実験線の全線(線路延長42.8km)における走行試験が開始された。 (乙63、69、丙9) タ山梨実験線の先行区間と延伸区間の位置関係等の概要は、別紙13の図のとおりである。(乙82)⑹ 甲事件及び乙事件に係る訴えの提起等ア甲事 (乙63、69、丙9) タ山梨実験線の先行区間と延伸区間の位置関係等の概要は、別紙13の図のとおりである。(乙82)⑹ 甲事件及び乙事件に係る訴えの提起等ア甲事件原告らは、平成26年12月16日に、本件認可(その1)についての異議申立てをした。なお、その後、現在に至るまで、この異議申立 てに対する決定はされていない。 イ甲事件原告らは、平成28年5月20日に、甲事件に係る訴えを提起した。なお、当裁判所は、同年9月21日に、行政事件訴訟法22条1項の規定により、参加人を甲事件に訴訟参加させる旨の決定をした。 ウ乙事件原告らは、平成30年5月29日に、本件認可(その2)につい ての審査請求をした。なお、その後、現在に至るまで、この審査請求に対 - 15 -する裁決はされていない。 エ乙事件原告らは、平成31年3月13日に、乙事件に係る訴えを提起した。なお、当裁判所は、令和元年5月9日に、行政事件訴訟法22条1項の規定により、参加人を乙事件に訴訟参加させる旨の決定をした。 オ当裁判所は、令和元年5月17日に、乙事件の弁論を甲事件の弁論に併 合した。 カまた、本件では、当事者間において、原告適格の有無が争われていたことから、当裁判所は、令和元年12月20日に、この中間の争いについて判断するために弁論を終結した上で、令和2年12月1日に、①弁論分離前相原告らについては、本件却下判決を言い渡したが、②本件の原告らに ついては、本件中間判決を言い渡している。 3 争点及び争点に関する当事者の主張の要旨本件では、①原告適格の有無及び②本件認可の適法性が争点になっているところ、これらの争点に関する当事者の主張の要旨は、別紙14及び 渡している。 3 争点及び争点に関する当事者の主張の要旨本件では、①原告適格の有無及び②本件認可の適法性が争点になっているところ、これらの争点に関する当事者の主張の要旨は、別紙14及び15のとおりである(なお、別紙14及び15において定義した略語については、以下に おいても用いることとする。)。 第3 当裁判所の判断 1 争点①(原告適格の有無)について⑴ 本件中間判決で判断したように、「全幹法に基づく建設線の建設予定地の周辺地域に居住する住民のうち、工事の進行に伴う建設機械の稼働、資材及 び機械の運搬に用いる車両の運行、開業後の列車の走行、鉄道施設の設置等に起因する大気の汚染、水質の汚濁、騒音、振動、地盤の沈下、日照阻害等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は、当該建設に係る9条認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として、その取消訴訟における原告適格を有する」ものといえるから、甲 事件原告らについては、甲事件の原告適格を有し、乙事件原告らについては、 - 16 -乙事件の原告適格を有するものと認められる(なお、別紙1原告ら目録記載1の原告番号149番の甲事件原告は、平成28年11月に、神奈川県から栃木県へ転居したことがうかがえるが、これは、本件において、中間の争いについて判断するために弁論を終結した令和元年12月20日よりも前の事情であるため、当裁判所は、本件中間判決の拘束力により、これに基づいて 原告適格の有無を判断することはできないと解される。)。 ⑵ なお、本件中間判決で判断したように、「大気の汚染、騒音、振動等を伴わない工事関係車両の運行に起因する交通混雑や、鉄道施設の設置に起因する景観阻害」に関する利益については、「基 れる。)。 ⑵ なお、本件中間判決で判断したように、「大気の汚染、騒音、振動等を伴わない工事関係車両の運行に起因する交通混雑や、鉄道施設の設置に起因する景観阻害」に関する利益については、「基本的には公益に属する利益といわざるを得ない」し、「全幹法及びその関係法令である前記各法令を通覧し ても、全幹法9条1項が上記利益を周辺住民等の個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むと解することはできない」と考えられる。 ⑶ また、原告らは、その他にも、①「乗客として安全な輸送役務の提供を受ける利益」、②「南アルプス及びその他の本件7都県の各地域の良好な自然環境を享受する利益、同自然環境の保全を求める権利並びに自然と触れ合う 権利」及び③「工事予定地内に所在する土地、建物、立木に係る所有権、借地権等又は居住の利益」について、るる主張している。 しかしながら、①「鉄道事業者との間で個別に輸送役務提供契約を締結するまでは、各個人が新幹線鉄道の乗客になる可能性は飽くまで潜在的かつ抽象的なものにとどまり、新幹線鉄道において安全な輸送役務の提供を受ける 利益もまた、潜在的かつ抽象的なものであるから、このような性質の利益は、乗客の生命・身体の安全という重要な法益に関連するものであることを踏まえても、9条認可の段階においては、公益に属する利益として考慮されるにとどまる」といえる。そのため、「全幹法9条1項は、乗客となり得る者をその地域又は属性等で区別することなく、一般的に不特定多数の潜在的な利 用者が新幹線鉄道において安全な輸送役務の提供を受けることを確保すると - 17 -いう公益的見地から、技術基準省令等に対する適合性に関する審査を求めているものと解される」し、「全幹法の趣旨及び目的を考慮 において安全な輸送役務の提供を受けることを確保すると - 17 -いう公益的見地から、技術基準省令等に対する適合性に関する審査を求めているものと解される」し、「全幹法の趣旨及び目的を考慮しても、全幹法9条1項が、乗客として安全な輸送役務の提供を受ける利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解することはでき」ないと考 えられる。 また、②「南アルプス及びその他の本件7都県の各地域の良好な自然環境を享受する利益、同自然環境の保全を求める権利並びに自然と触れ合う権利」についてみても、全幹法や評価法等の規定上、「全幹法9条1項が、原告らが主張する上記のような利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとど めず、それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解することはでき」ないし、③「工事予定地内に所在する土地、建物、立木に係る所有権、借地権等又は居住の利益」についても、「9条認可の直接の法的効果は、それがなければ適法に建設線の建設工事をすることができないという制限を解除するにとどまる(全幹法25条の罰則 規定参照)と解される上、全幹法上、9条認可が存在することにより、直ちに、工事予定地内に所在する土地、建物、立木に係る所有権、借地権等又は居住の利益に制限が加えられることを定めた規定は存在せず」、「9条認可の段階において、これらの権利利益を個々人の個別的利益として保護すべきものとする趣旨を含むと解する根拠となる同法その他の法令の規定も存在し ない」といえる。 したがって、原告らの主張する①「乗客として安全な輸送役務の提供を受ける利益」、②「南アルプス及びその他の本件7都 と解する根拠となる同法その他の法令の規定も存在し ない」といえる。 したがって、原告らの主張する①「乗客として安全な輸送役務の提供を受ける利益」、②「南アルプス及びその他の本件7都県の各地域の良好な自然環境を享受する利益、同自然環境の保全を求める権利並びに自然と触れ合う権利」及び③「工事予定地内に所在する土地、建物、立木に係る所有権、借 地権等又は居住の利益」については、本件却下判決で判断したように、それ - 18 -をもって、9条認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有するということはできないと考えられる。 2 争点②(本件認可の適法性)について本件では、本件認可の適法性について、専ら、①全幹法9条1項の規定を適用した点、②事業法5条1項各号に掲げる基準等に関する点及び③環境影響評 価に関する点が争われていることから、以下、これらの点を踏まえて、本件認可の適法性を判断することとする。 ⑴ 全幹法9条1項の規定を適用した点当裁判所は、本件事業については、全幹法の規定の適用対象となるものであり、全幹法9条1項の規定を適用して本件認可をしたことには、何らの違 法もないと判断する。その理由は、次に述べるとおりである。 ア本件中間判決で判断したように、「全幹法2条は、「新幹線鉄道」を「その主たる区間を列車が200キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道」と定義し、これに該当する鉄道については、事業法に基づく建設手続ではなく、全幹法4条以下の規定に基づく建設手続によるべき としているものと解される」ところ、中央新幹線は、「最高設計速度を時速505kmとして計画された鉄道であって、全幹法2条の上記定義に適合するもの」と認められる。そして、その他に、全幹 るべき としているものと解される」ところ、中央新幹線は、「最高設計速度を時速505kmとして計画された鉄道であって、全幹法2条の上記定義に適合するもの」と認められる。そして、その他に、全幹法の規定等を精査しても、本件事業が全幹法の規定の適用対象とならないとする合理的な根拠は見当たらないから、本件事業については、その適用対象となるものであ り、全幹法9条1項の規定を適用して本件認可をしたことには、何らの違法もないということができる。 なお、全幹法2条は、「新幹線鉄道」を「その主たる区間を列車が200キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道」と定義しているところ、これは、将来の技術の進歩を考慮して、あえて速度に関する技術 的基準のみを設け、それ以外の技術的基準を設けなかったものと解される - 19 -し(乙6、21、28、29)、当時の鉄道法制に関する文献(乙22)にも、「将来出現が予想される、リニヤ・モーター方式の鉄道も、速度に関する技術的要件を充足すると思われるから、新幹線鉄道に含まれる。」と記載されていることが認められる。このような事情に鑑みると、中央新幹線の走行方式として採用された超電導磁気浮上方式が従前の走行方式 (レール方式)と異なるものであったとしても、上記の速度に関する技術的基準を満たす限り、全幹法の規定の適用対象となることは否定されないものと考えられる。 イこれに対し、原告らは、全幹法1条及び3条の規定等を根拠として、本件事業が全幹法の規定の適用対象となるものとは認められず、事業法の規 定を適用すべき旨などを主張している。 しかしながら、本件中間判決で判断したように、「全幹法1条及び3条は、全幹法の目的と新幹線鉄道の路線の理念をそれぞれ一般 められず、事業法の規 定を適用すべき旨などを主張している。 しかしながら、本件中間判決で判断したように、「全幹法1条及び3条は、全幹法の目的と新幹線鉄道の路線の理念をそれぞれ一般的かつ抽象的に定めた規定であって、これらの規定中の「新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備」、「全国的な幹線鉄道網を形成するに足るもの」、「全国の 中核都市を有機的かつ効率的に連結するもの」との文言も、新たに建設される新幹線鉄道の路線の条件として、必ずしも在来の路線との相互乗り入れを可能とすることまでを求めるものとは解されず、これらの規定が中央新幹線の建設に適用されるべき法令の選択に影響を与えると解することはできない」といえる。なお、相互に乗り入れることが物理的に不可能な場 合には、乗換え等の関係で短所となり得ることは否定し難いが、それを踏まえても、全体としてみて、高速輸送が可能となるのであれば、国民経済の発展や国民生活領域の拡大等に資するということも十分に考えられるし、それによって、「全国的な幹線鉄道網」の一部が新たに形成されたとみることに、文言上の問題があるということもできないと解される。 また、原告らは、全幹法と事業法のいずれの規定をみても、新幹線鉄道 - 20 -の建設に当たり、事業法の規定の適用対象とすることを排除する規定は見当たらない旨なども主張しているが、全幹法は、事業法の特別法に位置付けられるものであるから、一般法と特別法の関係に鑑みると、特別法である全幹法において定める新幹線鉄道の建設について、その規定を適用すべきことは自明であり、一般法である事業法の規定を適用することは許容さ れないものと考えられるし(なお、当時の鉄道法制に関する文献(乙22)にも、「新幹線鉄道の事業の開始も、 、その規定を適用すべきことは自明であり、一般法である事業法の規定を適用することは許容さ れないものと考えられるし(なお、当時の鉄道法制に関する文献(乙22)にも、「新幹線鉄道の事業の開始も、鉄道事業の開始であるが、その手続については、全国新幹線鉄道整備法がこれを定め、鉄道事業法の定める、通常の事業開始の手続によらない。」と記載されていることが認められる。)、その他にるる主張する点をみても、いずれも法的な根拠に基づか ずに独自の見解を述べるものにとどまり、それをもって、以上で述べた当裁判所の判断が左右されることはないといえる。 そのため、この点に関する原告らの主張は、いずれも理由がないと考えられる。 ウしたがって、本件事業は、全幹法の規定の適用対象となるものであり、 全幹法9条1項の規定を適用して本件認可をしたことには、何らの違法もないということができる。 ⑵ 事業法5条1項各号に掲げる基準等に関する点当裁判所は、事業法5条1項各号に掲げる基準等に関する点をもって、本件認可に違法があるとはいえないものと判断する。その理由は、次に述べる とおりである。 ア判断枠組み事業法5条1項各号に掲げる基準等に関する点について判断する前提として、以下、我が国の鉄道法制や全幹法の規定等の概要を踏まえた上で、その判断枠組みを検討することとする。 まず、我が国の鉄道法制についてみると、掲記の証拠又は弁論の全趣 - 21 -旨によれば、その概要は、次に述べるとおりであることが認められる。 a 国鉄の改革前においては、鉄道事業の経営は、国の経営する鉄道とそれ以外の者の経営する鉄道とで別個の規律がされていた。すなわち、鉄道国有主義の原則の べるとおりであることが認められる。 a 国鉄の改革前においては、鉄道事業の経営は、国の経営する鉄道とそれ以外の者の経営する鉄道とで別個の規律がされていた。すなわち、鉄道国有主義の原則の下、一般運送の用に供する鉄道は、一地方の交通を目的とする鉄道を除き、国が所有して経営すべきものとされてお り、国鉄の設立後には、その経営を国の経営とみなして、日本国有鉄道法の規定等による規律に服すべきものとされていた。これに対し、一地方の交通を目的とする鉄道は、当該原則の例外として、国以外の者において経営することが認められており、その経営については、地方鉄道法の規定等による規律に服すべきものとされていた。(乙21) b また、国鉄の改革前においては、鉄道の敷設についても、国の経営する鉄道とそれ以外の者の経営する鉄道とで別個の規律がされており、前者については、鉄道敷設法の規定等による規律に服すべきものとされていた一方で、後者については、地方鉄道法の規定等による規律に服すべきものとされていた。(乙21) c その後、東海道新幹線が開業し、更なる新幹線鉄道の建設を求める動きが活発となったことなどを受け、昭和45年5月に、全幹法が制定されることになった。なお、新幹線鉄道は、その制定以前には、鉄道敷設法上の予定鉄道線路として位置付けられており、同法の改正によりその建設を行うことが可能とされていたところ、それにもかかわ らず、全幹法が制定されたのは、①高速かつ大量の輸送を可能とする新幹線鉄道によって全国的な鉄道網を整備することは、我が国の交通体系に変革をもたらし得る大規模な事業であり、その目的を特別の法律で明確に打ち出す必要があること、②新幹線鉄道の建設の都度、鉄道敷設法の改正を必要とするというのでは、 を整備することは、我が国の交通体系に変革をもたらし得る大規模な事業であり、その目的を特別の法律で明確に打ち出す必要があること、②新幹線鉄道の建設の都度、鉄道敷設法の改正を必要とするというのでは、社会の発展や国土の利用 状況等に即応した柔軟な対応をするのに支障があること、③新幹線鉄 - 22 -道の建設の重要性に鑑み、これを総合的かつ計画的に進めるためには、運輸大臣(当時)において自ら計画の策定等をすべきであること、④建設費用の助成等についても、特別の配慮をする必要があることなどから、鉄道敷設法とは別個に法律を制定するのが望ましいと考えられたためであった。(乙6~8、22、25) d その後、昭和62年4月に実施された国鉄の改革に伴い、鉄道国有主義の原則が全面的に変更されることになり、鉄道事業について一元的に規律する新たな法律として、事業法が制定された。この事業法では、事業の計画の適切性やこれを行おうとする者の事業遂行能力の有無等を審査した上で、これに適合すると判断された者に対してのみ鉄 道事業の経営を行う権利が付与されることになった。(乙23)なお、この枠組みは、その後の改正を経た現在の事業法でも、おおむね維持されており、鉄道事業を経営しようとする者は、事業法3条1項の規定により、国交大臣の許可を受けなければならず、その許可を受けるために、事業法4条1項の規定により、事業基本計画等を記 載した申請書を提出し、事業法5条1項各号に掲げる基準、すなわち、「その事業の計画が経営上適切なものであること」、「その事業の計画が輸送の安全上適切なものであること」、「前2号に掲げるもののほか、その事業の遂行上適切な計画を有するものであること」及び「その事業を自ら適確に遂行するに足る能 なものであること」、「その事業の計画が輸送の安全上適切なものであること」、「前2号に掲げるもののほか、その事業の遂行上適切な計画を有するものであること」及び「その事業を自ら適確に遂行するに足る能力を有するものであること」 という基準に適合するかどうかの審査を受けることとされているし、その許可を受けた後も、鉄道事業者として、工事計画を定めてその施工をする際には、事業法8条1項の規定により、その施工の認可を受け、さらに、工事が完成した際にも、事業法10条1項の規定により、国交大臣の検査を受けなければならないとされている。 また、事業法上の「鉄道」については、軌道法上の「軌道」を除い - 23 -て定義されているが、これは、「鉄道」は、「原則として道路に敷設せず、専用の軌条を用い、高速で車両を運行して、人又は物品を運送すること」を目的としているのに対し、「軌道」は、「原則として、道路に敷設し、道路交通を補助すること」を目的としており、その性質が異なると考えられたためとされている。(乙22) e さらに、国鉄の改革に伴い、鉄道国有主義の原則が全面的に変更され、今後の鉄道の建設については、輸送需要や経営状況等を勘案して、民営化された旅客鉄道株式会社等において自主的に決定するのが相当であり、法律で拘束すべき性格のものではないと考えられたことなどから、鉄道敷設法等は廃止されることになった。(乙24) f そして、国鉄の改革に伴い、全幹法も改正されることになったが、この改正は、「国鉄改革の実施に伴い措置することが必要となる事項に限って行う」こととされた。すなわち、事業法の制定により、経営主体によって区別することなく、原則として、全ての鉄道事業にその規定が適用され、鉄道事業 鉄改革の実施に伴い措置することが必要となる事項に限って行う」こととされた。すなわち、事業法の制定により、経営主体によって区別することなく、原則として、全ての鉄道事業にその規定が適用され、鉄道事業者の主導の下で鉄道の建設が行われること になったが、新幹線鉄道の建設については、従前から国が主導的な役割を果たすべきとされていた経緯等を踏まえ、全幹法の改正は、国鉄の民営化や事業法との調整等の関係で必要となる事項に限られ、新幹線鉄道の建設に関する基本的な枠組みは、そのまま維持されることになった。(乙24、27) なお、全幹法が事業法の特別法として位置付けられるのは、新幹線鉄道の建設についてであり、鉄道施設の完成後には、新幹線鉄道も、事業法の規定等による規律に服すべきものとされている(全幹法14条6項参照)。(乙27)また、制定当時の全幹法では、営業主体については、国鉄が想定さ れ、建設主体については、国鉄又は鉄建公団が想定されていたところ、 - 24 -国鉄の改革に伴い、これに係る規定は改正され、いずれの主体についても、国交大臣が指名する法人とされている(なお、全幹法6条参照)。このように、その営業及び建設を行おうとする者の申請ではなく、国交大臣の指名という枠組みが採用されているのは、新幹線鉄道の建設については、国土の有効利用や運輸政策等に極めて大きな影響 を有することから、国において主導的な役割を果たし、自らが営業主体及び建設主体にふさわしいと判断する法人をもって決定すべきものと考えられたためであった。(乙22、28) 次に、全幹法の規定等についてみると、その概要は、次に述べるとおりである。 a 全幹法1条は、高速輸送体系の形成が国土の総合 考えられたためであった。(乙22、28) 次に、全幹法の規定等についてみると、その概要は、次に述べるとおりである。 a 全幹法1条は、高速輸送体系の形成が国土の総合的かつ普遍的開発に果たす役割の重要性に鑑み、新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図り、もって国民経済の発展及び国民生活領域の拡大並びに地域の振興に資することを目的とする旨を規定し、また、全幹法3条は、新幹線鉄道の路線について、全国的な幹線鉄道網を形成するに足るも のであるとともに、全国の中核都市を有機的かつ効率的に連結するものであって、全幹法1条の目的を達成し得るものとする旨を規定している。 b 国交大臣は、この目的を達成するために、高度に政策的な見地から、全幹法4条1項の規定による基本計画の決定をすることになるが、そ の際には、同項の規定により、「鉄道輸送の需要の動向、国土開発の重点的な方向その他新幹線鉄道の効果的な整備を図るため必要な事項」を考慮するほか、全幹法施行令2条の規定により、「新幹線鉄道の輸送需要量の見通し」、「新幹線鉄道の整備による所要輸送時間の短縮及び輸送力の増加がもたらす経済的効果」及び「新幹線鉄道の収支の 見通し及び新幹線鉄道の整備が他の鉄道の収支に及ぼす影響」に関す - 25 -る調査の結果に基づいて判断することとされている。 c また、国交大臣は、この基本計画の決定をしたときは、全幹法5条1項の規定による建設線の調査の指示をすることができ、その後に、全幹法7条の規定による整備計画の決定をする際には、当該調査の結果に基づいてこれをすべきこととされている。そして、この整備計画 の決定については、新幹線鉄道の建設の重要性に鑑みて、国において主導的にこれを決定し、 る整備計画の決定をする際には、当該調査の結果に基づいてこれをすべきこととされている。そして、この整備計画 の決定については、新幹線鉄道の建設の重要性に鑑みて、国において主導的にこれを決定し、全幹法8条の規定による建設の指示をするという枠組みが採用されているところ(乙22、28)、全幹法施行令3条1項は、この整備計画の決定に当たって定めるべき事項として、「走行方式」、「最高設計速度」及び「建設に要する費用の概算額」 を掲げるほかは、「その他必要な事項」を掲げるにとどまっている。 d さらに、国交大臣は、全幹法6条1項の規定による営業主体及び建設主体の指名もすることになるところ、この営業主体及び建設主体の指名については、全幹法6条6項の規定により、「その営業又は建設を自ら適確に遂行するに足る能力を有すると認められるもの」でなけ ればならないとされているが、これを超える具体的な基準等は定められておらず、その指名をすることができる法人の範囲にも、特段の限定は付されていないことが認められる。 e そして、全幹法8条の規定による建設の指示を受けた建設主体は、その整備計画に基づいて建設線の工事実施計画を作成し、9条認可を 受けるべきこととされている。この9条認可については、建設主体において作成した工事実施計画が国において主導的に決定した基本計画及び整備計画と整合するものかどうかかなどを審査した上で、当該建設主体に対し、その工事を適法に行うことができる権利を付与するものと解されるが、全幹法の規定等を精査しても、その具体的な基準等 は定められていないことが認められる。 - 26 - このように、全幹法4条1項の規定による基本計画の決定、全幹法6条1項の規定による営業主体及び建 その具体的な基準等 は定められていないことが認められる。 - 26 - このように、全幹法4条1項の規定による基本計画の決定、全幹法6条1項の規定による営業主体及び建設主体の指名並びに全幹法7条1項の規定による整備計画の決定については、新幹線鉄道の建設の重要性に鑑みて、国において主導的な役割を果たすことが期待されているものであるし、これらの判断に当たっては、その性質上、公益実現に向けた高 度に政策的な判断や専門技術的な判断が求められることになるから、これらに精通する国交大臣の判断に委ねざるを得ない面があることは否定し難いと考えられる。そして、全幹法の規定等を精査しても、その具体的な基準等が定められていないことなども踏まえると、これらの判断については、いずれも国交大臣の合理的な裁量に委ねられているものとい うことができる。 また、9条認可については、建設主体において作成した工事実施計画が国において主導的に決定した基本計画及び整備計画と整合するものかどうかなどを審査した上で、当該建設主体に対し、その工事を適法に行うことができる権利を付与するものであるところ、その性質上、政策的 な判断や専門技術的な判断が求められることに変わりはないから、この判断についても、国交大臣の合理的な裁量に委ねられているものと解するのが相当であるし、全幹法上、その具体的な基準等が定められていないのも、その表れということができる。 ところで、本件の原告らは、①経営上の適切性に関する点、②輸送の 安全性に関する点及び③事業遂行能力に関する点について、るる主張した上で、事業法5条1項各号に掲げる基準を満たしていないとしているが、前記⑴で述べたように、そもそも、本件事業は、全幹法の規定の適用 安全性に関する点及び③事業遂行能力に関する点について、るる主張した上で、事業法5条1項各号に掲げる基準を満たしていないとしているが、前記⑴で述べたように、そもそも、本件事業は、全幹法の規定の適用対象となるものであり、鉄道施設の工事が完成するまでは、事業法の規定が適用されることはないから、その適用を前提とする違法が認めら れないことは明らかといえる。 - 27 -他方で、①経営上の適切性に関する点、②輸送の安全性に関する点及び③事業遂行能力に関する点については、9条認可(本件認可)に至るまでのいずれかの審査の段階において考慮すべき又は事実上考慮されている事項に相当するものであるし、この点に関する原告らの主張は、その判断過程等を問題とする趣旨と解することもできる。もっとも、この ように解したとしても、これらの審査の段階における判断が、いずれも国交大臣の合理的な裁量に委ねられていることは、以上で述べたとおりであるから、当該判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかであって、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものと認められる場合でない限り、当該判断を 前提とする本件認可に違法があるとはいえないものと考えられる(なお、全幹法4条1項の規定による基本計画の決定、全幹法6条1項の規定による営業主体及び建設主体の指名並びに全幹法7条1項の規定による整備計画の決定は、いわゆる行政処分性を有しない行為であり、これらに法的な瑕疵が存在する場合に、そのことが9条認可の違法事由となり得 ること自体については、当事者間に特段の争いはない。)。 イ経営上の適切性に関する点当裁判所は、経営上の適切性に関する点をもって、本件認可に違法があるとはいえ となり得 ること自体については、当事者間に特段の争いはない。)。 イ経営上の適切性に関する点当裁判所は、経営上の適切性に関する点をもって、本件認可に違法があるとはいえないものと判断する。その理由は、次に述べるとおりである。 全幹法4条1項の規定による基本計画の決定は、「新幹線鉄道の輸送 需要量の見通し」、「新幹線鉄道の整備による所要輸送時間の短縮及び輸送力の増加がもたらす経済的効果」及び「新幹線鉄道の収支の見通し及び新幹線鉄道の整備が他の鉄道の収支に及ぼす影響」に関する調査の結果に基づいて判断するものであるし、全幹法7条1項の規定による整備計画の決定も、その基本計画を具体化し、主要な事項を定めるもので あるから、これらの判断に当たっては、「事業の効用、事業の計画の適 - 28 -切性、輸送需要量と供給輸送力との均衡、公益上の適切性等」を審査することとされている(乙22等)。そのため、本件で問題となる経営上の適切性に関する点については、その審査の段階で考慮すべき事項に相当するものということができる(なお、原告らが、この整備計画の決定に伴ってされる全幹法8条1項の規定による指名について定める全幹法 14条1項の規定等を問題にしていることなどに鑑みても、以上で述べたように位置付けるのが相当と考えられる。)。 そこで、この点についてみると、掲記の証拠又は弁論の全趣旨によれば、次の事実を認めることができる。なお、この認定に沿わない主張や証拠については、いずれも採用の限りではないと考えられる。 a 本件基本計画決定がされたのは、昭和48年11月のことであり、経営上の適切性に関する点を含む様々な事項について、その後の社会情勢の変化等を踏まえた検討を はないと考えられる。 a 本件基本計画決定がされたのは、昭和48年11月のことであり、経営上の適切性に関する点を含む様々な事項について、その後の社会情勢の変化等を踏まえた検討をする必要があったため、本件小委員会では、当該事項について改めて検討することになった。(乙3、9)b 本件小委員会の構成は、別紙16のとおりであるところ、その委員 において、「関係者や有識者等から幅広く意見を伺いながら」、経営上の適切性に関する点を含む様々な事項について議論がされており、「中間とりまとめ」を経た後も、「パブリックコメント等を通じて各方面からの意見を踏まえながら、中間とりまとめの内容に基づき、残された論点について審議」が重ねられた。(甲B1、乙3、16、3 3~38、丙14)c その結果として取りまとめられた本件答申では、「中央新幹線整備の意義」として、①「三大都市圏を高速かつ安定的に結ぶ幹線鉄道路線の充実」、②「三大都市圏以外の沿線地域に与える効果」、③「東海道新幹線の輸送形態の転換と沿線都市群の再発展」、④「三大都市 圏を短時間で直結する意義」及び⑤「世界をリードする先進的な鉄道 - 29 -技術の確立及び他の産業への波及効果」が挙げられている。(乙3)そして、本件答申は、このうちの①「三大都市圏を高速かつ安定的に結ぶ幹線鉄道路線の充実」について、「我が国の三大都市圏(東京圏、名古屋圏及び関西圏)は、世界でも有数の人口集積地域であり、これまで主として東海道新幹線が担ってきた三大都市圏間の高速かつ 安定的な旅客輸送は、我が国の国民生活及び経済社会を支える大動脈の中でも最たるものである。中央新幹線の整備は、速達性向上などその大動脈の機能を強化する意義が期 担ってきた三大都市圏間の高速かつ 安定的な旅客輸送は、我が国の国民生活及び経済社会を支える大動脈の中でも最たるものである。中央新幹線の整備は、速達性向上などその大動脈の機能を強化する意義が期待されるのみならず、中央新幹線及び東海道新幹線による大動脈の二重系化をもたらし、東海地震など東海道新幹線の走行地域に存在する災害リスクへの備えとなる。今般 の東日本大震災の経験を踏まえても、大動脈の二重系化により災害リスクに備える重要性が更に高まった。また、東海道新幹線の施設の将来の経年劣化に適切に対応するため予定されている大規模改修工事についても、中央新幹線の整備により施工手順の選択肢が増え、東海道新幹線の運行に及ぼす影響を低減することが可能となる効果が期待さ れる。このように、中央新幹線の整備は、三大都市圏間の高速かつ安定的な旅客輸送を中長期的に維持・強化するものであり、国民生活及び国家経済にとって極めて重要である。」と指摘している。(乙3)また、本件答申は、②「三大都市圏以外の沿線地域に与える効果」について、「中央新幹線の整備は、三大都市圏以外の沿線地域におい ても、三大都市圏とのアクセス利便性を向上させ、地域が主体的かつ戦略的な活性化方策を実施することとあいまって、地域振興に寄与することが期待される。」と指摘し、③「東海道新幹線の輸送形態の転換と沿線都市群の再発展」については、「中央新幹線が整備され、東海道新幹線の「のぞみ」型の旅客輸送が担っている輸送ニーズの多く が中央新幹線に転移することにより、東海道新幹線のサービスも相対 - 30 -的に「ひかり」・「こだま」型を重視した輸送形態へと変革することが可能となり、現在「のぞみ」型が停車しない駅における東海道新幹線の利用機会を増加 東海道新幹線のサービスも相対 - 30 -的に「ひかり」・「こだま」型を重視した輸送形態へと変革することが可能となり、現在「のぞみ」型が停車しない駅における東海道新幹線の利用機会を増加させるほか、新駅の設置などの可能性も生じ、東海道新幹線利用者の利便性向上及び東海道新幹線沿線地域の活性化に寄与することが期待される。」と指摘している。(乙3) さらに、本件答申は、④「三大都市圏を短時間で直結する意義」について、「超電導リニア方式を採択した場合、中央新幹線の整備によって三大都市圏は相互に約1時間で結ばれ、我が国の人口の約半数(6,000万人)が含まれる世界にも類例のない巨大な都市集積圏域が形成されることとなり、三大都市圏それぞれが地域の活性化方策 を適切に進めることとあいまって、我が国の国土構造を変革するとともに、国際競争力を大きく向上させる好機をもたらすものと期待される。また、移動時間の大幅な短縮により、交流の機会及びライフスタイルの転換の可能性が拡大することも期待される。」と指摘し、⑤「世界をリードする先進的な鉄道技術の確立及び他の産業への波及効 果」についても、「超電導リニア方式は、我が国が独自に開発してきた高速鉄道技術であり、同方式による中央新幹線の整備は、高速鉄道のイノベーションとして、世界的に我が国の鉄道技術を発信するとともに、周辺産業の活性化にも大きく寄与する可能性がある。さらに、国民に技術立国としての自信・自負と将来社会への大きな希望を与え ることも期待される。」と指摘している。(乙3)d さらに、本件答申は、「トンネル工事費についても、全幹法に基づく調査の段階において、南アルプスルートの地山等級を最も厳しく設定した上で積算を行って」いると指摘しているほか 。(乙3)d さらに、本件答申は、「トンネル工事費についても、全幹法に基づく調査の段階において、南アルプスルートの地山等級を最も厳しく設定した上で積算を行って」いると指摘しているほか、「財務的な観点」からみても、参加人が「東京・大阪間の中央新幹線建設に関する計画 として示した長期試算見通しを小委員会が独自に行った需要予測に基 - 31 -づき検証した結果、現段階で想定できる範囲内では、JR東海は十分慎重な財務的見通しに基づいて、名古屋暫定開業時期(平成39年(2027年))および大阪開業時期(平成57年(2045年))を設定しているものと判断される。仮に想定を上回る収益が上げられれば、大阪開業時期を早めることも期待できる。一方、今後仮に今般 の東日本大震災のような不測の事態が発生し、一時的な収入の低下や設備投資費用の増加などの事態が生じたとしても、我が国の三大都市圏間の高速かつ大量の旅客輸送を担う東海道新幹線の安定的な収益力を踏まえれば、債務残高を一定の水準に抑制しつつ、投資のタイミングを適切に判断することにより、経営の安定性を維持しながら事業を 遂行することが可能と考えられる。」と指摘している。(乙3)なお、ここでいう参加人の「長期試算見通し」とは、「第3回中央新幹線小委員会」の参考資料である「超電導リニアによる中央新幹線の実現について」と題する書面で示されたものであるところ、当該書面には、①「収入実績の推移と主な競合相手である航空機との競争の 実績等を踏まえて、直接収入を見積っ」た結果、「名古屋開業時」には、「収入10%増(当初は5%増、その後10年で上記の10%増に)」、「大阪開業時」には、「収入15%増」となることが見込まれる旨、②これによって見込まれる収入を 積っ」た結果、「名古屋開業時」には、「収入10%増(当初は5%増、その後10年で上記の10%増に)」、「大阪開業時」には、「収入15%増」となることが見込まれる旨、②これによって見込まれる収入を前提として、別紙17の表のとおり、「収入を賃率で除して輸送量に換算すると、名古屋開業後 の収入は累計10%増となった状態で460億人㌔、大阪開業後は529億人㌔となる」旨などが記載されている(なお、この輸送量は、東海道新幹線に係るものを含めて換算したものとされている。)。また、このうち、「名古屋開業時」における収入についてみると、当該書面には、❶「名古屋開業に伴う増収額」を「1,030億円の増収」 と見込んでおり、その内訳は、「飛躍的な時間短縮による航空機から - 32 -の転移に伴う増収額」が「690億円」、「東海道新幹線の利用者が転移することによる増収額」が「340億円」である旨、❷このうちの「飛躍的な時間短縮による航空機からの転移に伴う増収額」については、「新幹線と航空機との競争においては、新幹線の到達時間が短くなるほど新幹線のシェアが増える関係にあるので、この関係により、 超電導リニアの到達時間短縮効果により航空機からの転移を推定する」として、別紙18の1の表のとおり見積った旨、❸「名古屋での乗換えに必要な15分程度を考慮しても超電導リニアによる到達時間の短縮効果は大きい」と考えられる旨、❹「東海道新幹線の利用者が転移することによる増収額」については、「現在の東海道新幹線「のぞみ」 利用者については、東京圏~名古屋圏の利用者はもとより、大阪圏をはじめ名古屋以西の「のぞみ」利用者についても、超電導リニアによる到達時間短縮効果を踏まえて中央新幹線に転移するので、発着に着目したデータをベース」として、別 ~名古屋圏の利用者はもとより、大阪圏をはじめ名古屋以西の「のぞみ」利用者についても、超電導リニアによる到達時間短縮効果を踏まえて中央新幹線に転移するので、発着に着目したデータをベース」として、別紙19の1の表のとおり見積った旨などが記載されている。そして、「大阪開業時」における収入につ いて、当該書面には、㋐「大阪開業に伴う増収額」を「2,720億円の増収」と見込んでおり、その内訳は、「飛躍的な時間短縮による航空機からの転移に伴う増収額」が「1,590億円」、「東海道新幹線の利用者が転移することによる増収額」が「520億円」、「その他、新規誘発等による増収額」が「610億円」である旨、㋑この うちの「飛躍的な時間短縮による航空機からの転移に伴う増収額」と「東海道新幹線の利用者が転移することによる増収額」については、「名古屋開業時」と同様の考え方により、別紙18の2及び19の2の表のとおり見積もった旨、㋒「その他、新規誘発等による増収額」については、「飛躍的な時間短縮に伴い都市圏間の流動が大いに活性 化することによる新規誘発や、高速道路からの転移による増収効果も - 33 -十分に期待できる。また、山梨県、長野県など中央新幹線各駅の新規利用や東海道新幹線「ひかり」「こだま」停車駅の利便性向上に伴う利用増も期待できる。」として、別紙20の表のとおり見積もった旨、㋓同表の「6%」という割合について、「4項目調査の需要予測モデルの東海道新幹線、航空以外の「他交通機関からの転換」は7%、 「新規誘発」は24%であるので、この6%は相当固めの見込み」といえる旨などが記載されている。(甲B1、乙3)また、本件小委員会の「需要予測」とは、「第9回中央新幹線小委員会」の参考資料である「費用対効果 ので、この6%は相当固めの見込み」といえる旨などが記載されている。(甲B1、乙3)また、本件小委員会の「需要予測」とは、「第9回中央新幹線小委員会」の参考資料である「費用対効果分析等の調査結果について」と題する書面で示され、最終的には、本件答申の資料としても添付され たものである。この「需要予測」では、「交通分野で実務的に広く利用されて」いる「四段階推定法」を用いて経済成長率の推移等を踏まえた予測がされているところ、その概要は、別紙21の表のとおりであった(なお、この「需要予測」では、「合理的なものとして成長率1%をベースにして、いろいろな場合分けをして分析してみよう」と いうことで、「悲観的なシナリオ」として経済成長率を0%と仮定した場合の予測もされているところ(「第9回中央新幹線小委員会」の議事録23頁)、その結果は、同表の「参考ケース」として記載されている。)。(甲B1、乙3)そして、この参加人の「長期試算見通し」や本件小委員会の「需要 予測」については、本件小委員会の委員からも、①「JR東海が想定しているような予想の需要量の数字と、0%を仮に設定したときの数字が大体一致しているので、さはさりながら、一番シビアなケースを検討しているという、一番厳しいケースで検討しているというのがJR東海の想定状況で、それがこの0%に相当しているということです ね。」との発言(「第9回中央新幹線小委員会」の議事録18頁)や、 - 34 -②「JR東海としては自分で事業を進めていくんだと、だからリスクは全部持つんだということが前提ですので、楽観的、悲観的、中立と見たときに、中立より少し悲観的に見てある、つまり安全で見てあるのかなというイメージを受けました。(中略)現状で考え だと、だからリスクは全部持つんだということが前提ですので、楽観的、悲観的、中立と見たときに、中立より少し悲観的に見てある、つまり安全で見てあるのかなというイメージを受けました。(中略)現状で考えて想定できる範囲内で見る限りは、鉛筆なめてやりたいために無理な計画を立て ているという印象ではなかったということであります。収入についてもそうでございますし、建築費も含めた運営、維持管理費も含めて、少し余裕を見てあるなと思いました。」との発言(「第12回中央新幹線小委員会」の議事録10頁)がされており、また、その他の本件答申の内容についても、③「東日本大震災のような不慮の事態が発生 したときに、一定の収入の低下とか、設備費用の増加があるんですが、それと同じようなことを考えれば、非常に東海道新幹線の安定的な収益力がありますので、ここに書いてあるとおり、「債務残高を一定の水準に抑制しつつ、投資のタイミングを適切に判断することにより」という文章は、より的確にあらわしているものかなと思っておりま す。」との発言(「第19回中央新幹線小委員会」の議事録16頁)がされていた。(甲B1、乙33、34)e 本件答申は、その他にも、「付帯意見」として、「中央新幹線の整備は、東京・大阪間を直結することで初めてその機能を十分に発揮し、効果を得ることができる事業である。今後我が国が直面する人口減少 社会の中においては、開業時期を前倒しする方がより投資効果が高くなることも確認されており、我が国経済社会に様々な面で活力を与え得る中央新幹線の整備効果を最大限発揮させるため、名古屋暫定開業後、大阪開業を出来る限り早く実現させることが極めて重要である」と指摘している。(乙3) f 国交大臣は、本件答申の内容等を踏まえ の整備効果を最大限発揮させるため、名古屋暫定開業後、大阪開業を出来る限り早く実現させることが極めて重要である」と指摘している。(乙3) f 国交大臣は、本件答申の内容等を踏まえ、経営上の適切性に関する - 35 -点等に問題はないとして、平成23年5月20日付けで、本件整備計画決定をした。(乙5) このように、本件答申は、土木工学、経済学、会計学、観光政策、環境学などの専門家等で構成された本件小委員会の委員において、関係者や有識者等から述べられた意見やパブリックコメント等を踏まえ、経営 上の適切性に関する点を含む様々な事項について詳細な議論を重ねた結果として取りまとめられたものであるところ、その中で、①「中央新幹線整備の意義」として、「三大都市圏を高速かつ安定的に結ぶ幹線鉄道路線の充実」、「三大都市圏以外の沿線地域に与える効果」、「東海道新幹線の輸送形態の転換と沿線都市群の再発展」、「三大都市圏を短時 間で直結する意義」及び「世界をリードする先進的な鉄道技術の確立及び他の産業への波及効果」が考えられる旨、②参加人の「長期試算見通し」を本件小委員会が独自に行った「需要予測」に基づき検証した結果、「現段階で想定できる範囲内では、JR東海は十分慎重な財務的見通しに基づいて、名古屋暫定開業時期(平成39年(2027年))および 大阪開業時期(平成57年(2045年))を設定しているものと判断」することができる旨、③「債務残高を一定の水準に抑制しつつ、投資のタイミングを適切に判断することにより、経営の安定性を維持しながら事業を遂行することが可能と考えられる。」旨などが指摘されていたことから、国交大臣は、本件答申の内容等を踏まえ、経営上の適切性に関 する点等に問題はないとして、 り、経営の安定性を維持しながら事業を遂行することが可能と考えられる。」旨などが指摘されていたことから、国交大臣は、本件答申の内容等を踏まえ、経営上の適切性に関 する点等に問題はないとして、本件整備計画決定をしたものであることが認められる。このような判断過程や内容等をみても、当該判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、当該判 断を前提とする本件認可に違法があるとは認められないものと考えられ - 36 -る。 これに対し、原告らは、①参加人による輸送需要の予測では、将来的に見込まれる我が国の人口減少が考慮されておらず、過大なものというほかないし、現状では、航空機等からの転換需要や誘発輸送需要等を期待することができるのかも定かでない旨、②供給輸送力の予想について、 過大な輸送需要に合わせて計算したものであって、明らかに過大といえる旨、③収支予測についても、以上で述べた非現実的な予測を基にしたものにとどまり、そのような増収を期待することはできない旨、④既に当初の予算額では到底収まらないことが明らかになっている旨などを主張している。 しかしながら、本件答申は、土木工学、経済学、会計学、観光政策、環境学などの専門家等で構成された本件小委員会の委員において、関係者や有識者等から述べられた意見やパブリックコメント等を踏まえ、経営上の適切性に関する点を含む様々な事項について詳細な議論を重ねた結果として取りまとめられたものであるところ、その中で、①参加人の 「長期試算見通し」を本件小委員会が独自に行った「需要予測」に基づき検証し 関する点を含む様々な事項について詳細な議論を重ねた結果として取りまとめられたものであるところ、その中で、①参加人の 「長期試算見通し」を本件小委員会が独自に行った「需要予測」に基づき検証した結果、「現段階で想定できる範囲内では、JR東海は十分慎重な財務的見通しに基づいて、名古屋暫定開業時期(平成39年(2027年))および大阪開業時期(平成57年(2045年))を設定しているものと判断」することができる旨や、②「債務残高を一定の水準 に抑制しつつ、投資のタイミングを適切に判断することにより、経営の安定性を維持しながら事業を遂行することが可能と考えられる。」旨などが指摘されていたことは、以上で述べたとおりであるし、参加人の「長期試算見通し」における輸送需要の予測については、その検証過程において、本件小委員会が実務上広く利用されていた「四段階推定法」 を用いて独自に行った「需要予測」と比較しても、過大なものではなく、 - 37 -むしろ、この「需要予測」において「悲観的なシナリオ」とされた「参考ケース」の数値と近似し、本件小委員会の委員からも、「一番厳しいケースで検討している」との発言や、「少し悲観的に見てある、つまり安全で見てあるのかなというイメージを受けました。」との発言がされていたことなども認めることができる。 また、参加人の「長期試算見通し」における輸送需要の予測については、輸送量(人㌔)に換算すると、別紙17の表のとおり、その当時の現状が約431億人㌔であったのに対し、「名古屋開業後」は約460億人㌔に増加し、「大阪開業後」は約529億人㌔にまで増加するというものであるところ、確かに、原告らの主張する我が国の人口減少につ いては、新幹線鉄道に限らず、航空機等を含む我が国全 約460億人㌔に増加し、「大阪開業後」は約529億人㌔にまで増加するというものであるところ、確かに、原告らの主張する我が国の人口減少につ いては、新幹線鉄道に限らず、航空機等を含む我が国全体の輸送需要の総量を低下させる消極的な要素になり得るものということもできるが、他方で、その程度等については、国内での人流の活性化や三大都市圏への人口の集中状況、訪日外国人観光客の推移等によって左右されるものと考えられるし(なお、一般に、我が国の人口は、平成23年以降、一 貫して減少傾向にあるとされ、また、平成24年には、格安航空会社(LCC)が国内での運航を開始しているが、東海道新幹線の輸送需要については、いわゆるリーマン・ショック後の景気後退等があった平成22年以降、新型コロナウイルス感染症の流行までは、増加傾向にあったとされている。)、仮に当該総量が低下することになったとしても、 いわゆるシェア比率が増加すれば、中央新幹線や東海道新幹線の輸送需要自体は増加するという事態も想定することが可能といえる。そして、我が国の人口減少によって、結果的に、参加人の「長期試算見通し」における輸送需要の予測を下回るという事態になる可能性があり得るとしても、そもそも、この種の長期的な予測に不確実性等が伴うことは避け 難いものと解されるし、参加人の「長期試算見通し」における輸送需要 - 38 -の予測が、その当時の予測としては「少し悲観的に見てある」と評価し得るものであったことは、以上で述べたとおりであるから、この点をもって、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないものと考えられる。 さらに、原告らは、航空機等からの転換需要や誘発輸送需要等を期待 することが な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないものと考えられる。 さらに、原告らは、航空機等からの転換需要や誘発輸送需要等を期待 することができるのかも定かでない旨なども主張しているが、参加人の「長期試算見通し」における輸送需要の予測の大半は、航空機からの転換需要を見込んだものであるところ、これは、「新幹線と航空機との競争においては、新幹線の到達時間が短くなるほど新幹線のシェアが増える関係にある」という当時の現状を踏まえて予測したものであって、一 応の合理性を有するものと認められるし、そもそも、この種の長期的な予測に不確実性等が不可避的に伴うことは、以上で述べたとおりであり、その主張する点を踏まえても、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないものと解される。 また、供給輸送力の予想や収支予測に関する原告らの主張は、参加人の「長期試算見通し」における輸送需要の予測が過大であることを前提とするものと解されるが、以上で述べたところによれば、この予測について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかなどということはできないから、その前提を欠くものと いえる。 そして、原告らは、既に当初の予算額では到底収まらないことが明らかになっている旨なども主張しているが、事後的な結果として、実際の建設費用が当初の予算額を超えることになったとしても、そのこと自体は、本件認可後の事実にとどまるから、この点をもって、直ちに当時の 予測が重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠 - 39 -くものであったなどということはできないし、その他にる 事実にとどまるから、この点をもって、直ちに当時の 予測が重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠 - 39 -くものであったなどということはできないし、その他にるる主張する点についても、以上で述べた当裁判所の判断に反するものであるか、あるいは、当該判断を左右しないものであるから、いずれも採用の限りではないと考えられる。 そのため、この点に関する原告らの主張は、いずれも理由がないとい える。 以上で述べたところによれば、経営上の適切性に関する点についてみても、本件認可に違法があるとはいえないものと考えられる。 ウ輸送の安全性に関する点当裁判所は、輸送の安全性に関する点をもって、本件認可に違法がある とはいえないものと判断する。その理由は、次に述べるとおりである。 この点につき、原告らは、①中央新幹線の走行方式として採用された超電導磁気浮上方式については、技術上の知見及び経験も蓄積されておらず、技術的に未熟なところがある旨、②中央新幹線の車両に搭載される超電導磁石による乗客の健康被害も考えられる旨、③浮上走行から車 輪走行に移行する際の摩擦やクエンチ現象に伴う事故等が発生するおそれがある旨、④走行中の地震に伴う事故が発生して、多数の乗客が死傷する事態になるおそれがあるにもかかわらず、その問題等について十分な検討がされていない旨、⑤一度事故が発生した場合には、避難距離が著しく長いことなどの問題があるし、仮に非常口から地上部へ到達し得 たとしても、十分な救助活動が可能な条件は整っておらず、乗客の安全の確保に困難が伴うことは容易に想定される旨、⑥火災が発生した場合に、延焼等のおそれがあることは否定し難いし、一度火災が発生した場 たとしても、十分な救助活動が可能な条件は整っておらず、乗客の安全の確保に困難が伴うことは容易に想定される旨、⑥火災が発生した場合に、延焼等のおそれがあることは否定し難いし、一度火災が発生した場合には、重大な危険が伴うことが容易に想定されるにかかわらず、その問題等について十分な検討がされていない旨、⑦シールド工法は未熟な 技術であり、それによる掘削等がされたトンネルを走行中に崩落等の事 - 40 -故が発生することになれば、もはや乗客の安全を確保することはできない旨などを主張している。 しかしながら、行政事件訴訟法10条1項は、取消訴訟においては、「自己の法律上の利益に関係のない違法」を理由として取消しを求めることができない旨を規定しているところ、本件のように、処分の相手方 以外の者(第三者)が取消訴訟を提起した場合において、当該第三者の原告適格を基礎付ける規定(当該第三者の法律上の利益を保護すべきものとする趣旨を含む規定)以外の規定を違法の根拠として主張するときや、当該第三者の原告適格を基礎付ける規定を違法の根拠とするものの、それに係る具体的な主張が当該第三者の法律上の利益に関係しないとき には、この「自己の法律上の利益に関係のない違法」を理由とするものといえるから、同項の規定により、これを理由として取消しを求めることはできないことになる。 そして、この点に関する原告らの主張については、結局のところ、乗客の安全を問題とする趣旨のものと解されるが、前記1で述べたところ によれば、全幹法上、9条認可やそれ以前の段階において、このような利益を一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含む規定があるとは考 全幹法上、9条認可やそれ以前の段階において、このような利益を一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含む規定があるとは考え難く、原告らの原告適格を基礎付ける規定(原告らの法律上の利益を保護すべきものとする趣旨を含む規定)以外の規定を違 法の根拠とするもの、あるいは、それに係る具体的な主張が原告らの法律上の利益に関係しないものと認められるから、行政事件訴訟法10条1項の規定により、これを理由として取消しを求めることはできないといえる。 以上で述べたところによれば、輸送の安全性に関する点についてみて も、本件認可に違法があるとはいえないものと考えられる。 - 41 -エ事業遂行能力に関する点当裁判所は、事業遂行能力に関する点をもって、本件認可に違法があるとはいえないものと判断する。その理由は、次に述べるとおりである。 全幹法6条1項の規定による営業主体及び建設主体の指名に当たっては、同条6項の規定により、「その営業又は建設を自ら適確に遂行する に足る能力を有すると認められるもの」かどうかを審査することになるから、本件で問題となる事業遂行能力に関する点については、その審査の段階で考慮すべき事項に相当するものということができる。 そこで、この点についてみると、証拠(甲B1、乙3、16~18、33~38、丙14)又は弁論の全趣旨によれば、本件答申は、土木工 学、経済学、会計学、観光政策、環境学などの専門家等で構成された本件小委員会の委員において、関係者や有識者等から述べられた意見やパブリックコメント等を踏まえ、事業遂行能力に関する点を含む様々な事項について詳細な議論を重ねた結 、環境学などの専門家等で構成された本件小委員会の委員において、関係者や有識者等から述べられた意見やパブリックコメント等を踏まえ、事業遂行能力に関する点を含む様々な事項について詳細な議論を重ねた結果として取りまとめられたものであるところ、その中で、①「JR東海は、東海道新幹線の開業以来、安全運 行の実績を積み重ねてきており、営業主体としての事業遂行能力を有すると考えられる。」旨、②「東海道新幹線の運営費用低減に関して得た蓄積を中央新幹線の運営に活用することが期待される。」旨、③「JR東海の建設主体としての事業遂行能力について、技術的な観点からは、平成2年以降山梨実験線を建設し、現在も延伸工事等を行っていること、 走行試験など実験を重ねてきたことなどを勘案すれば、超電導リニア方式による鉄道技術を有するものと認められる。」旨、④「財務的な観点」からみても、参加人の「長期試算見通し」を本件小委員会が独自に行った「需要予測」に基づき検証した結果、「現段階で想定できる範囲内では、JR東海は十分慎重な財務的見通しに基づいて、名古屋暫定開業時 期(平成39年(2027年))および大阪開業時期(平成57年(2 - 42 -045年))を設定しているものと判断」することができる旨、⑤「債務残高を一定の水準に抑制しつつ、投資のタイミングを適切に判断することにより、経営の安定性を維持しながら事業を遂行することが可能と考えられる。」旨などが指摘されていたことから、国交大臣は、本件答申の内容等を踏まえ、事業遂行能力に関する点等に問題はないとして、 本件指名をしたものであることが認められる。このような判断過程や内容等をみても、当該判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえ として、 本件指名をしたものであることが認められる。このような判断過程や内容等をみても、当該判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、当該判断を前提とする本件認可に違法があると は認められないものと考えられる。 これに対し、原告らは、本件事業において長大なトンネルの掘削等をした場合には、せき止められていた高圧の地下水が大量に湧出し、作業員の人命を失う事故につながる危険が極めて高く、工事の安全性を欠くことは明らかであるし、参加人において、それを自ら適確に遂行するに 足る能力を有するとは認められない旨などを主張している。 しかしながら、この点に関する原告らの主張は、結局のところ、工事の安全性を欠くとして、作業員の人命等を問題とする趣旨のものと解されるが、このような利益が周辺住民である原告らの法律上の利益に関係しないことは明らかであるから、行政事件訴訟法10条1項の規定によ り、これを理由として取消しを求めることはできないといえる。 以上で述べたところによれば、事業遂行能力に関する点についてみても、本件認可に違法があるとはいえないものと考えられる。 オ事業法5条1項各号に掲げる基準等に関する点についての結論したがって、事業法5条1項各号に掲げる基準等に関する点についてみ ても、本件認可に違法があるとはいえないものと考えられる。 - 43 -⑶ 環境影響評価に関する点当裁判所は、環境影響評価に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものと判断する。その理由は、次 ものと考えられる。 - 43 -⑶ 環境影響評価に関する点当裁判所は、環境影響評価に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものと判断する。その理由は、次に述べるとおりである。 ア判断枠組み環境影響評価に関する点について判断する前提として、以下、評価法の 規定等の概要を踏まえた上で、その判断枠組みを検討することとする。 まず、評価法の規定等についてみると、その概要は、次に述べるとおりである。 a 我が国には、従前、行政指導として行われる閣議アセスの制度があったものの、環境基本法20条において、環境影響評価の推進が掲げ られたことなどを受け、平成9年6月に、評価法が制定されることになった。 b この評価法は、規模が大きく環境影響の程度が著しいものとなるおそれのある事業につき環境影響評価が適切かつ円滑に行われるための手続等を定めた法律であり、評価法1条の規定により、その事業に係 る環境の保全について適正な配慮がなされることを確保し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に資することを目的とするものとされ、また、評価法3条の規定により、国等の責務として、環境影響評価の手続が適切かつ円滑に行われ、事業の実施による環境への負荷をできる限り回避し、又は低減することその他の環境の保全 についての配慮が適正になされるようにそれぞれの立場で努めなければならないものとされている。 なお、評価法2条1項は、ここでいう「環境影響評価」の定義として、事業の実施が環境に及ぼす影響(環境影響)について環境の構成要素に係る項目ごとに調査、予測及び評価を行うとともに、これらを 行う過程においてその事業に係る環境の 「環境影響評価」の定義として、事業の実施が環境に及ぼす影響(環境影響)について環境の構成要素に係る項目ごとに調査、予測及び評価を行うとともに、これらを 行う過程においてその事業に係る環境の保全のための措置(環境保全 - 44 -措置)を検討し、この措置が講じられた場合における環境影響を総合的に評価することをいう旨を規定している。 そして、評価法2条2項は、この環境影響評価の対象事業となる「第一種事業」について定義しており、本件事業のような建設線の建設の事業は、これに該当するものとされている。 c また、評価法は、「環境情報の形成を図る観点から環境影響評価制度を規定したもの」であるところ(乙31)、環境影響評価を実施する上で必要となる情報については、地方公共団体や周辺住民等に広く分散していると考えられることから、これを的確かつ効率的に収集するために、配慮書の手続、方法書の手続、準備書の手続、評価書の手 続等が定められている。ただし、このうちの配慮書の手続は、平成23年法律第27号による改正で追加されたものであり、同法附則5条の規定により、本件事業のように、その施行日(平成25年4月1日)前に方法書を公告した事業には、適用されないことになる。 d そして、評価法は、事業者において行われた環境影響評価の結果を 国の政策に反映させるために、「事業の内容に関する決定を行う既存の仕組みに対して、横断的に環境影響評価の結果を反映させることを求める内容」の横断条項として、評価法33条の規定を設けており(乙31)、同条1項において、対象事業に係る免許等を行う者は、当該免許等の審査に際し、評価書の記載事項及び評価法24条の書面 に基づいて、当該対象事業につき、環境の保全につ 規定を設けており(乙31)、同条1項において、対象事業に係る免許等を行う者は、当該免許等の審査に際し、評価書の記載事項及び評価法24条の書面 に基づいて、当該対象事業につき、環境の保全についての適正な配慮がなされるものであるかどうかを審査しなければならないとして、環境配慮審査について規定している。なお、この規定によれば、環境配慮審査は、評価書の記載事項及び同条の書面に基づいてされることになるところ、これは、評価書の記載事項及び同条の書面が、「環境情 報の形成を図る観点」から規定された環境影響評価の手続の最終成果 - 45 -物であり、当該対象事業に係る環境影響の調査、予測及び評価をし、環境保全措置が講じられた場合における環境影響を総合的に評価した結果が集約されていることを踏まえたものと考えられる。 また、評価法33条2項は、同条1項の場合においては、次の各号に掲げる当該免許等の区分に応じ、当該各号に定めるところによると した上で、同条2項3号において、9条認可のように、免許等を行い又は行わない基準を法律の規定で定めていない免許等については、当該免許等を行う者は、対象事業の実施による利益に関する審査と環境配慮審査の結果を併せて判断するものとし、当該判断に基づき、当該免許等を拒否する処分を行い、又は当該免許等に必要な条件を付する ことができるものとする旨を規定している。なお、ここでいう「併せて判断する」とは、「第1項の環境の保全についての審査の結果と免許等の審査の結果をつきあわせる趣旨であり、第1項の審査の結果(環境保全上の支障を防止する法益)と免許等の審査の結果(免許等を付与することによる法益)とを比較衡量し、総合的に判断する意で ある。したがって、環境の保全についての適正な配 1項の審査の結果(環境保全上の支障を防止する法益)と免許等の審査の結果(免許等を付与することによる法益)とを比較衡量し、総合的に判断する意で ある。したがって、環境の保全についての適正な配慮がなされていない場合については、免許等を拒否する処分がなされることもあれば、免許等を行う処分がなされることもある。」とされている(乙31)。 以上で述べたところによれば、本件事業のような建設線の建設の事業は、環境影響評価の対象事業となる「第一種事業」に該当するものであ り、国交大臣は、9条認可の審査に際して、横断条項である評価法33条1項の規定により、環境配慮審査として、評価書の記載事項及び評価法24条の書面に基づいて、当該対象事業につき、環境の保全についての適正な配慮がなされるものであるかどうかを審査することになる。そして、この9条認可の判断が国交大臣の合理的な裁量に委ねられている ことは、前記⑵で述べたとおりであるし、環境配慮審査についてみても、 - 46 -環境の保全についての配慮の内容や程度等が多種多様にあり得る中で、何をもって適正な配慮がなされたとするのかなどの判断が必要とされることになるが、評価法の規定等を精査しても、その具体的な基準等は定められていないことが認められる。また、評価法33条2項3号の規定によれば、9条認可を含む同号に掲げる免許等を行う者は、対象事業の 実施による利益に関する審査と環境配慮審査の結果を併せて判断するものとされているが、その具体的な基準等も定められておらず、環境配慮審査の結果、環境の保全についての適正な配慮がなされていない場合であっても、必ずしも当該免許等を行うことが否定されないというのであるし(ただし、当該免許等を行うとする判断について、裁量権の範囲を 査の結果、環境の保全についての適正な配慮がなされていない場合であっても、必ずしも当該免許等を行うことが否定されないというのであるし(ただし、当該免許等を行うとする判断について、裁量権の範囲を 逸脱し又はこれを濫用したものと認められる場合に、当該免許等を行うことができないのは当然である。)、この規定では、当該免許等を行う者において、環境保全上の支障を防止する法益と当該免許等を行うことによる法益とを比較衡量し、総合的な見地からする裁量権の行使として、当該免許等を行うかどうかや、当該免許等に必要な条件を付するかどう かを判断することが予定されていると考えられる。このような事情に鑑みると、環境配慮審査の結果を踏まえた上でされる9条認可が違法なものというためには、環境配慮審査自体も含め、これに係る国交大臣の判断が裁量権の行使としてされるものであることを前提として、当該判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性 を欠くことが明らかであって、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものと認められる場合であることを要するものと解される。 また、「環境情報の形成を図る観点」から規定された環境影響評価の手続は、事業者自らがこれを履践する過程で、地方公共団体や周辺住民等から必要となる情報等を収集し、これを勘案した上で、環境影響評価 の実施やその結果の見直し等を行い、これを確定する手続ということが - 47 -できるところ(なお、環境アセスメント技術ガイドも、その前書きにおいて、「環境影響評価制度は、事業の実施が環境に及ぼす影響について、事業者自らが調査・予測・評価を行い、その結果を公表するとともに、広く一般市民や地方公共団体の意見を聴いて、環境の保全の観点からより良い事業計画を検討 制度は、事業の実施が環境に及ぼす影響について、事業者自らが調査・予測・評価を行い、その結果を公表するとともに、広く一般市民や地方公共団体の意見を聴いて、環境の保全の観点からより良い事業計画を検討する制度」としていることが認められる(甲C環 1、2、丙109)。)、その結果は、最終成果物である評価書及び評価法24条の書面に集約されることになるから、環境配慮審査では、これに基づいて判断すべきものとされている。そのため、その当否に係る司法判断においても、これに基づいて判断することが制度上当然に要請されているものと解されるし、公知の事実等であれば格別、そのような 場合でない限り、これに記載されていない事実(評価書等外の事実)をもって、上記で述べた裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるなどということはできないと考えられる。 本件の原告らは、①複数案の検討に関する点、②鉄道施設の形状等の特定に関する点、③発生土の処分方法等の特定に関する点、④事後調査 に関する点、⑤山梨実験線の建設に係る環境影響評価に関する点、⑥本件認可(その2)に先立つ環境影響評価に関する点、⑦周辺住民の参加権に関する点及び⑧その他の環境影響評価に関する点について、るる主張した上で、これらの点をみても、本件認可は、違法なものと認められるとしているが、その当否については、以上で述べたところを踏まえて 判断すべきものといえる。 イ複数案の検討に関する点当裁判所は、複数案の検討に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものと判断する。その理由は、次に述べるとおりである。 この点につき、原告らは、評価法上の環境影響評価では、いわゆるベ スト追求型の考え方により、第三者の参画の下で複数案を検討 ないものと判断する。その理由は、次に述べるとおりである。 この点につき、原告らは、評価法上の環境影響評価では、いわゆるベ スト追求型の考え方により、第三者の参画の下で複数案を検討すること - 48 -が重視されているし、評価法3条の2第1項や鉄道事業評価省令3条の規定等に鑑みても、「何もしない」という案を含め、複数案を検討することは不可欠と考えられるが、本件事業では、いわゆる「南アルプスルート」の採用等に当たり、環境影響評価の手続の中で、複数案の検討が全くされておらず、本件答申に係る審議等においても、十分な検討がさ れていたとは認められないから、その判断過程には問題があるといえる旨などを主張している。 しかしながら、確かに、評価法3条の2第1項は、第一種事業を実施しようとする者は、第一種事業に係る計画の立案の段階において、当該事業が実施されるべき区域その他の評価法2条2項1号イからワまでに 掲げる事業の種類ごとに主務省令で定める事項を決定するに当たっては、計画段階配慮事項についての検討を行わなければならない旨を規定し、鉄道事業評価省令3条1項は、第一種鉄道建設等事業を実施しようとする者は、第一種鉄道建設等事業に係る計画段階配慮事項についての検討に当たっては、位置等に関する複数案を適切に設定するものとする旨を 規定しているが、これらの規定は、平成23年法律第27号による改正又は平成25年国土交通省令第28号による改正で追加されたものであり、本件事業のように、その施行日(平成25年4月1日)前に方法書を公告した事業に適用されるものではないから、これらの規定をもって、位置等に関する複数案を検討すべきであったということはできないと考 えられる。また、原告らの主張するベスト追求 日)前に方法書を公告した事業に適用されるものではないから、これらの規定をもって、位置等に関する複数案を検討すべきであったということはできないと考 えられる。また、原告らの主張するベスト追求型については、従前、いわゆる目標クリア型として、その設定した目標等を満たすかどうかという観点から閣議アセスが実施されていたこととの対比において、事業者により実行可能な範囲内で環境影響の回避又は低減を図るという観点からの環境影響評価を指向すべきとする基本的な理念を述べるものにとど まるし、それをもって、直ちに原告らの主張するような複数案を検討す - 49 -べき義務を法的に基礎付けることはできないといえる。そして、その他にるる主張する点を踏まえても、当該義務があると解すべき法的な根拠までは見当たらないから、この点に関する原告らの主張は、いずれも採用の限りではないと考えられる。 以上で述べたところによれば、複数案の検討に関する点をもって、本 件認可に違法があるとは認められないものといえる。 ウ鉄道施設の形状等の特定に関する点当裁判所は、鉄道施設の形状等の特定に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものと判断する。その理由は、次に述べるとおりである。 まず、この点について判断する前提として、9条認可の対象となる工事実施計画の内容等をみると、この工事実施計画については、建設主体において、全幹法施行規則2条1項各号に掲げる事項を記載するとともに、9条認可の審査に当たって参考の用に供される添付書類として、全幹法施行規則2条2項各号に掲げる書類を添付するものとされている。 これらの事項や書類をみると、例えば、事業法8条1項の規定による工事の施 て参考の用に供される添付書類として、全幹法施行規則2条2項各号に掲げる書類を添付するものとされている。 これらの事項や書類をみると、例えば、事業法8条1項の規定による工事の施行の認可の申請で添付が求められる「線路実測図」の「平面図」については、事業法施行規則12条1号の規定により、その縮尺を2500分の1以上とし、停車場の位置及び名称等の事項を記載するほか、停車場、車庫及び車両検査修繕施設に係る箇所は、縮尺500分の1以 上の図面を別に添付しなければならないとされているのに対し、9条認可の申請で添付が求められる「線路平面図」については、全幹法施行規則2条2項1号の規定により、その縮尺を5万分の1とする以外には、何らの要件も定められていないし、9条認可の申請で添付が求められる「停車場平面図」についても、同項3号の規定により、その縮尺を25 00分の1とする以外には、何らの要件も定められていないことが認め - 50 -られる。また、その他にも、事業法8条1項の規定による工事の施行の認可の申請では、鉄道施設の種類ごとに、それぞれ事業法施行規則別表第1の第2欄に掲げる事項(例えば、橋梁やトンネルの場合には、「材質」、「構造寸法」等)を記載するほか、同表の第3欄に掲げる書類及び図面(例えば、橋梁やトンネルの場合には、「荷重配置図」、「応力 図」、「応力度表」、「許容応力度表」、「安定度表」等)を添付しなければならないとされているのに対し、9条認可では、橋梁やトンネルという主要な土木構造物についても、全幹法2条2項6号の規定により、「橋梁、隧道その他の主要な建造物の概要を示す表」の添付が求められるだけで、それを超える書類の添付等は求められていないことなども認 められる。このように、全幹法上 法2条2項6号の規定により、「橋梁、隧道その他の主要な建造物の概要を示す表」の添付が求められるだけで、それを超える書類の添付等は求められていないことなども認 められる。このように、全幹法上、9条認可の対象となる工事実施計画の内容として必要な情報量は、事業法8条1項の規定により定められる工事計画のそれと比較しても、格段に少ないものとなっているが、これは、①全幹法の規定の適用対象となる新幹線鉄道の建設については、数百kmにも及ぶことが想定される大規模な事業であって、9条認可の段 階で個別具体的な設計計算等を実施するのは現実的でないし、むしろ、その建設に向けて、社会の発展や国土の利用状況等に即応した柔軟な対応を図ろうとした全幹法の制定の趣旨に反する結果になることや、②事業法とは異なり、全幹法では、国が主導的な役割を果たし、資金面や技術面等の観点からみてふさわしいと判断した建設主体において、その建 設が行われるため、9条認可の段階で個別具体的な事項を全て審査すべき必要性が高いとまではいえず、その後の工事の完成の段階で検査をすれば足りるとすることにも相応の合理性が認められることなどを踏まえたものと考えられる。 本件では、前記第2の2の前提事実に加え、証拠(乙4、43、88 ~90)又は弁論の全趣旨によれば、全幹法施行規則2条1項各号に掲 - 51 -げる事項のうち、一部の「工事方法」(同項7号ニからヘまで、ヲ及びワに掲げる事項)は、本件計画に記載されていないことが認められるが、これらの事項については、中央新幹線の走行方式として採用された超電導磁気浮上方式の特殊性のため、建設が予定されていない鉄道施設に係るものであって、そもそも記載の必要がないものと解される。そして、 その余の事項、すなわ 中央新幹線の走行方式として採用された超電導磁気浮上方式の特殊性のため、建設が予定されていない鉄道施設に係るものであって、そもそも記載の必要がないものと解される。そして、 その余の事項、すなわち、「路線名」、「工事の区間」、「線路の位置」、「線路延長」、「停車場の位置」、「車庫施設及び検査修繕施設の位置」、「工事方法」(同号ニからヘまで、ヲ及びワに掲げる事項を除く。)、「工事予算」及び「工事の着手及び完了の予定時期」については、いずれも本件計画に記載されているし、本件計画の対象となる土 木構造物関係の工事や電気関係設備の工事に関する添付書類である「線路平面図」、「線路縦断面図」、「停車場平面図」等が、本件計画に添付されていたことなども認めることができる。このような事情に鑑みると、本件計画については、9条認可の対象となる工事実施計画の内容として必要な情報量を備えたものであって、本件全証拠を精査しても、そ の特定を欠くなどということはできないと考えられる。 次に、原告らの主張をみると、原告らは、鉄道施設の形状等の特定に関する点につき、全幹法9条及び全幹法施行規則2条の規定等に鑑みると、評価書上、その形状等を特定する必要がある旨などを主張した上で、本件評価書では、停車場、保守用車留置施設、保守基地等の鉄道施設に ついて、その形状等が特定されておらず、これに不備があることは明らかとしている。 しかしながら、全幹法9条及び全幹法施行規則2条の規定自体は、そもそも環境影響評価の手続等について定めたものではなく、9条認可の対象となる工事実施計画について定めたものにとどまるし、本件計画が 9条認可の対象となる工事実施計画の内容として必要な情報量を備えた - 52 -ものであることは、 なく、9条認可の対象となる工事実施計画について定めたものにとどまるし、本件計画が 9条認可の対象となる工事実施計画の内容として必要な情報量を備えた - 52 -ものであることは、以上で述べたとおりであるから、それをもって、原告らの主張を是認することはできないと考えられる。また、評価法21条2項は、評価書の作成について、事業の種類ごとに主務省令で定めるところによるとしており、これを受けて、鉄道事業評価省令34条1項は、鉄道事業評価省令33条1項の規定を準用し、評価書に記載すべき 対象事業の内容を同項各号に掲げているが、当該各号の規定をみても、原告らの主張するような鉄道施設の形状等を具体的に記載すべきことまでは求められていないし、その他に、評価法や鉄道事業評価省令の規定等を精査しても、これを具体的に記載すべきとする法的な根拠は見当たらないものといえる(なお、環境影響評価研究会の編集した「逐条解説 環境影響評価法」(乙31、92、93、丙112、125。以下「逐条解説環境影響評価法」という。)において、評価法5条1項2号に規定する「「対象事業の内容」には、対象事業の種類、規模、実施されるべき区域、その他事業の基本的諸元が含まれる。」とされていることからしても(丙125)、評価法や鉄道事業評価省令の規定上、基本的な 事項を超える具体的な記載までは求められていないと解することができる。)。しかるところ、本件では、本件評価書について当該各号に掲げる事項の記載を欠くなどとする事情は認められないから、この点をもって、本件認可に違法があるということはできないと考えられる。 また、原告らは、鉄道施設の形状等を特定しなければ、周辺住民の個 別的利益に対する適正な配慮を確保して、環境保全措置を具体的に検 認可に違法があるということはできないと考えられる。 また、原告らは、鉄道施設の形状等を特定しなければ、周辺住民の個 別的利益に対する適正な配慮を確保して、環境保全措置を具体的に検討することができない旨なども主張している。 しかしながら、本件事業のような建設線の建設の事業では、9条認可の審査に際して、環境配慮審査がされるものであるから、必然的に、それに係る環境影響評価は、9条認可の申請前に実施されることになると ころ、建設線の建設の事業は数百kmにも及ぶことが想定される大規模 - 53 -な事業であって、9条認可の段階で個別具体的な設計計算等まで実施するのは現実的でないことなどを踏まえ、全幹法上、工事実施計画の内容として必要な情報量が少ないもので足りるとされていることは、以上で述べたとおりであるし、この建設線の建設の事業も含め、鉄道事業では、一般に、土木構造物の工事と開業関係設備(電気関係設備などの開業に 関係する設備)の工事とで着手時期が異なるものとされ、9条認可の申請に当たっても、これらの工事ごとに分けて工事実施計画を作成した上で、分割して申請する方法が採用されていることも指摘することができる。そして、環境影響評価の手続上、事業者は、その実行可能な範囲内で環境影響の回避又は低減を図るという姿勢が求められ、環境保全措置 の検討に当たっても、鉄道事業評価省令29条1項の規定により、その実行可能な範囲内で選定項目に係る環境影響をできる限り回避し又は低減することなどを目的として検討するものとされているが、以上で述べたところを踏まえると、9条認可の申請前に実施される環境影響評価において、原告らの主張するように、鉄道施設の形状等を具体的に特定す るよう求めることは、建設線の建設 とされているが、以上で述べたところを踏まえると、9条認可の申請前に実施される環境影響評価において、原告らの主張するように、鉄道施設の形状等を具体的に特定す るよう求めることは、建設線の建設の事業を実施しようとする事業者に実行可能な範囲を超えて困難を強いるものにほかならないし、また、評価法や鉄道事業評価省令の規定等をみても、環境影響評価の手続は、事業の内容が順次具体化していく過程で、事業特性等を踏まえつつ実施されるものであって、必ずしも評価書の作成時にあらゆる事項が具体的に 特定されていることまでは求められていないと考えられる(なお、この点につき、例えば、評価法の記載事項等について定める評価法21条2項1号で掲げられている評価法14条1項7号ハは、環境保全措置が「将来判明すべき環境の状況に応じて講ずるものである場合には、当該環境の状況の把握のための措置」を記載する旨を規定しており、鉄道事 業評価省令32条1項も、「工事の実施中及び土地又は工作物の供用開 - 54 -始後において環境保全措置の内容をより詳細なものにする必要があると認められる場合」等における事後調査について規定しているところ、これらの規定は、環境保全措置の内容が事後的により詳細なものとされることがあり得ることを当然の前提とするものといえる。また、環境アセスメント技術ガイドをみても、「環境保全措置の考え方」として、「事 業計画の進捗に応じて、その内容、効果及び妥当性等を踏まえてできる限り具体的に検討し、整理する」というものにとどまり(甲C環1、2)、いかなる場合であっても具体的に特定すべきことまでを求める趣旨ではないと考えられる。)。 さらに、環境配慮審査は、評価法32条1項の規定により、評価書の 記載事項等に基づいて )、いかなる場合であっても具体的に特定すべきことまでを求める趣旨ではないと考えられる。)。 さらに、環境配慮審査は、評価法32条1項の規定により、評価書の 記載事項等に基づいて、対象事業につき、環境の保全についての適正な配慮がなされるものであるかどうかを審査するものであり(なお、逐条解説環境影響評価法は、「「配慮」とは、その事業の実施に関し、環境の保全が図られるように、悪影響の減殺を図るための措置を講じることを指す。」としている(乙31)。)、その審査に当たっては、その配慮 の内容や程度等が多種多様にあり得る中で、何をもって適正な配慮がなされたとするのかなども含めた総合的な判断がされることになるところ、これに係る判断が、免許等を行う者(9条認可の場合には国交大臣)の合理的な裁量に委ねられていることは、以上で述べたとおりである。そして、原告らの主張するように、鉄道施設の形状等が特定されていない としても、環境影響評価の項目ごとに、それに係る調査、予測及び評価に必要な限度でこれを仮定した上で、当該仮定に基づき環境影響評価を実施し、その実行可能な範囲内で環境保全措置を検討することは十分に可能であるし、当該仮定が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くなどと認められる場合であれば格別、上記の裁量権の行使として行う環境配慮 審査に当たり、当該仮定に基づく検討の結果を含む評価書の記載事項等 - 55 -を判断材料として、環境の保全についての適正な配慮がなされるものであるかどうかを審査すること自体を直ちに否定すべき法的な根拠までは見当たらないものといえる(なお、証拠(丙1~7)又は弁論の全趣旨によれば、本件の参加人も、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、環境影響評価の項目ごとに、それに係る調 き法的な根拠までは見当たらないものといえる(なお、証拠(丙1~7)又は弁論の全趣旨によれば、本件の参加人も、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、環境影響評価の項目ごとに、それに係る調査、予測及び評価 に必要な限度でこれを仮定した上で、当該仮定に基づき環境影響評価を実施し、その実行可能な範囲内で環境保全措置を検討したものであるし、国交大臣も、当該仮定に基づく検討の結果を含む本件評価書の記載事項等が判断材料たり得るものとして、これに基づいて環境配慮審査を行った結果、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したこ とが認められる。)。 そのため、この点に関する原告らの主張をもって、直ちに以上で述べた当裁判所の判断が左右されることはないと考えられる。 さらに、原告らは、鉄道施設の形状等を正確に特定しなければ、予測に用いられたとする建設機械の台数等の計算やそれに基づく騒音等の予 測が正しいものかどうかなどを点検することもできない旨なども主張している。 しかしながら、評価法は、「環境情報の形成を図る観点」から、環境影響評価を実施する上で必要となる情報を的確かつ効率的に収集するために、配慮書の手続、方法書の手続、準備書の手続、評価書の手続等を 定めたものであるし、評価法や鉄道事業評価省令の規定等を精査しても、環境影響評価の手続上、原告らの主張するような点検のために鉄道施設の形状等を具体的に特定すべきとする法的な根拠は見当たらないから、この点に関する原告らの主張は、その前提を欠くものといえる。 また、例えば、東京都に係る本件評価書をみると、①環境の保全の見 地から述べられた意見の概要に対する事業者の見解として、「国土交通 - 56 - 提を欠くものといえる。 また、例えば、東京都に係る本件評価書をみると、①環境の保全の見 地から述べられた意見の概要に対する事業者の見解として、「国土交通 - 56 -省令の参考手法や「道路マニュアル」に示された手法を参考にしつつ必要に応じ専門家の意見を伺いながら適切に調査を進め、実績のある手法を用いて予測を行い、国や自治体が定めている基準・目標等がある場合、それらとの整合が図られているか、環境保全措置を講じることにより、事業者により実行可能な範囲内でできる限り回避又は低減が図られてい るかという点に着目して評価し、その結果をまとめております。予測・評価の根拠となる施設の条件等について、新幹線の建設においては都市計画決定される道路等とは異なり、その技術的特性上、工事実施計画認可の時点でまず本線や駅、車両基地の計画が決定され、その後測量や設計等を行う中で詳細な計画を決定することとなります。今回の環境影響 評価においては整備新幹線の実績を踏まえて条件等を設定しており、その内容については準備書第3章、第8章及び資料編に記載のとおりです。」などと記載されていること、②「建設機械の稼働に伴う騒音の予測時期について、設定した建設機械の稼働台数や騒音パワーレベル等に基づき、工事により発生する騒音が最大になる時期としているが、稼働 台数等の根拠が不明であることから、その設定及び算出根拠等を明らかにすること。」などを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「工事により発生する騒音が最大となる時期の設定について、(中略)設定の考え方などがより具体的にわかるよう、本評価書資料編に追記しました。」などと記載されていること、③これを受け、資料編 において、「予測評価の前提とした鉄道施設」を記載した いて、(中略)設定の考え方などがより具体的にわかるよう、本評価書資料編に追記しました。」などと記載されていること、③これを受け、資料編 において、「予測評価の前提とした鉄道施設」を記載した「施設配置図」や「工事行程表」が示された上で、「建設機械の台数」について、「建設する構造物の規模や施工条件(中略)に基づき、施工法を設定し、それに基づく、工種及び各工種で必要な建設機械を選定し」、「計画の工期及び建設機械1台当たりの施工能力を考慮して、台数を求めた。」な どと記載されているほか、「建設機械の稼働に係る予測」について、 - 57 -「建設機械の騒音パワーレベル」が示された上で、「工事により発生する騒音が最大となる時期は、工事位置ごとの工事行程表(中略)及び建設機械の台数(中略)に基づき、月別の建設機械の台数と(中略)騒音パワーレベルを掛け合わせて合計した値を算出し、これが最大となる1か月とした」などと記載されていること、④これに加えて、「03地点 である東雪谷の非常口(非常口 B地区)の具体的な時期の設定例を下記のとおり示す。」として、「工事行程表に基づき建設機械の台数を算出して、(中略)建設機械台数表に示している。この建設機械台数は1年毎の集計値で示しているが、月毎に建設機械の台数と騒音パワーレベルを全て掛け合わせて合計した結果、底版・内壁工と到達・発進防護工 を行う35ヶ月目が最大値となった。具体的には、(中略)建設機械台数表における3年目に稼働する建設機械台数について、月毎に細分化したものを表2-1-2に示す。35ヶ月目においては、底版・内壁工では、クローラクレーン150t(15台/月、107dB/台)、トラッククレーン150t(3台/月、102dB/台)、コンクリートポ ンプ車90~ 2に示す。35ヶ月目においては、底版・内壁工では、クローラクレーン150t(15台/月、107dB/台)、トラッククレーン150t(3台/月、102dB/台)、コンクリートポ ンプ車90~110㎥/h(7台/月、112dB/台)を使用し、到達・発進防護工では、クローラドリル130ps(132台/月、122dB/台)、ラフテレーンクレーン25t(152台/月、101dB/台)を使用するため、この台数と騒音パワーレベルを掛け合わせて合計した値は143.3dBとなる。この数値が全期間を通じて最大と なったため、この時期を工事により発生する騒音が最大となる時期と設定した。」などと記載されていることが認められる(丙1の1(6-2-91頁、6-3-6頁、12-68頁、12-72頁等)、1の2(事3-1-1頁以下、環2-1-1頁以下等))。このような事情に鑑みると、参加人は、環境影響評価の手続で述べられた意見を勘案して、 それを踏まえた対応をしたものであるし、この点に明らかに合理性を欠 - 58 -くなどとする事情まではうかがえないものといえる。そして、評価法や鉄道事業評価省令の規定上、予測条件や予測に用いた事項等の全てを網羅的に記載すべきとする法的な根拠は特段見当たらないことや、本件評価書に記載された予測条件や予測に用いた事項等が、他の鉄道事業である「相鉄・東急直通線」に係る評価書(丙126)のそれと比較しても、 同程度以上のものになっていることなどを踏まえると、このような本件評価書の記載事項等に基づいてされた国交大臣の判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかなどということはできないし、その他にるる主張する点をみても、それにより参加人において講ずべき環境保全措置が の判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかなどということはできないし、その他にるる主張する点をみても、それにより参加人において講ずべき環境保全措置がいかに異なり得るのか も定かでないから、それをもって、直ちに以上で述べた当裁判所の判断が左右されることはないと考えられる。 以上で述べたところによれば、鉄道施設の形状等の特定に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものといえる。 エ発生土の処分方法等の特定に関する点 当裁判所は、発生土の処分方法等の特定に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものと判断する。その理由は、次に述べるとおりである。 この点につき、掲記の証拠又は弁論の全趣旨によれば、次の事実を認めることができる。なお、この認定に沿わない主張や証拠については、 いずれも採用の限りではないと考えられる。 a 本件事業では、「切土工等又は既存の工作物の除去」(なお、ここでいう「切土工等」とは、別紙4の1の表のとおり、「切土をする工事その他の相当量の建設発生土又は汚泥を発生させる工事」のことである。)や「トンネルの工事」等が予定されており、参加人において、 副産物である発生土等の発生量を計算したところ、その発生量は、別 - 59 -紙22の表のとおりであった。(丙1の2(環18-1-1頁以下等)、丙2の2(環23-1-1頁以下等)、丙3の2(環18-1-1頁以下等)、丙4の2(環12-1-1頁以下等)、丙5の2(環18-1-1頁以下等)、丙6の2(環18-1-1頁以下等)、丙7の2(環16-1-1頁以下等)) b⒜ 参加人は、本件認可(その1)に先 2(環12-1-1頁以下等)、丙5の2(環18-1-1頁以下等)、丙6の2(環18-1-1頁以下等)、丙7の2(環16-1-1頁以下等)) b⒜ 参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「工事に伴い建設発生土及び建設廃棄物が発生すること」などを踏まえ、鉄道事業評価省令別表第1に掲げる参考項目である「切土工等又は既存の工作物の除去」に係る「建設工事に伴う副産物」を東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る環境影 響評価の項目として選定するほか、「トンネルの工事」に係る「建設工事に伴う副産物」についても、これを本件7都県に係る環境影響評価の項目として選定した。(丙1の1(7-1頁以下等)、2の1(7-1-1頁以下等)、3の1(7-1頁以下等)、4の1(7-1-1頁以下等)、5の1(7-1頁以下等)、6の1(7 -1-1頁以下等)、7の1(7-1頁以下等))そして、参加人は、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定した上で、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要等を整理して、本件評価書に記載することとした。(丙1の1(8-6-1-1頁以下等)、2の1 (8-6-1-1頁以下等)、3の1(8-6-1-1頁以下等)、4の1(8-6-1-1頁以下等)、5の1(8-6-1-1頁以下等)、6の1(8-6-1-1頁以下等)、7の1(8-6-1-1頁以下等))⒝ なお、参加人は、これに係る環境影響評価に当たり、「建設工事 に伴う副産物」について、鉄道事業評価省令22条1項6号及び2 - 60 -5条1項1号の規定等に則し、「切土工等又は既存の工作物の除去に係る建設発生土及び建設廃棄物の種類 設工事 に伴う副産物」について、鉄道事業評価省令22条1項6号及び2 - 60 -5条1項1号の規定等に則し、「切土工等又は既存の工作物の除去に係る建設発生土及び建設廃棄物の種類ごとの発生量を定量的に把握し、これらの再利用及び処理、処分の方法を整理することで、副産物の状況を予測」するという手法や、「トンネルの工事に係る建設発生土及び建設廃棄物の種類ごとの発生量を定量的に把握し、こ れらの再利用及び処理、処分の方法を整理することで、副産物の状況を予測」するという手法を選定した上で、工事の規模や手法等を踏まえて、別紙22の表のとおり、その発生量を計算していた。この手法や計算について、例えば、①東京都に係る本件評価書には、「事業特性及び地域特性を踏まえ、国土交通省令に基づく参考手法 を選定した。」、「「国土交通省令の参考手法」をはじめ、「道路マニュアル」といった環境影響評価に関する文献で紹介されている手法や、他の環境影響評価事例を参考にしながら実施しています。」などと記載されているほか、「地下駅、変電施設、非常口(都市部)の建設工事において、開削により発生する土の量を算出し、建設発 生土の発生量とした。発生量は、掘削断面積に開削工事延長を掛けることで算出した。」、「シールドトンネルの工事では泥水式シールドマシンを用いる工法を想定した。」、「シールドマシンによる掘削で発生する一次処理土の量を算出し、建設発生土の発生量とした。発生量は掘削断面にトンネル延長及び一次処理土の発生率を掛 けることで算出した。一次処理土の発生率は、㈶下水道新技術推進機構のマニュアルを参考に、固形回収率を掘進区間0~2kmで70%、2~5kmで50%、5km以上で30%に設定した。」などと記載されているし、②山梨県に係る本 処理土の発生率は、㈶下水道新技術推進機構のマニュアルを参考に、固形回収率を掘進区間0~2kmで70%、2~5kmで50%、5km以上で30%に設定した。」などと記載されているし、②山梨県に係る本件評価書にも、「掘割式、高架橋、橋梁、地下駅の発生量については、掘削断面積に開削工事 延長を掛けることで算出した。山岳トンネル、非常口(山岳部)の - 61 -発生量については、掘削断面積にトンネル延長を掛けることで算出した。」などと記載されている。(丙1の1(6-2-41頁、7-35頁、8-6-1-1頁以下等)、1の2(環18-2-1頁等)、2の1(8-6-1-1頁以下等)、2の2(環23-2-1頁等)、3の1(8-6-1-1頁以下等)、3の2(環18- 2-1頁等)、4の1(8-6-1-1頁以下等)、4の2(環12-2-1頁等)、5の1(8-6-1-1頁以下等)、5の2(環18-2-1頁等)、6の1(8-6-1-1頁以下等)、6の2(環18-2-1頁等)、7の1(8-6-1-1頁以下等)、7の2(環16-2-1頁等)) ⒞ さらに、本件評価書には、①「建設発生土の再利用」、「建設汚泥の脱水処理」、「副産物の分別、再資源化」、「発生土を有効利用する事業者への情報提供」等の環境保全措置を確実に実施すること(なお、「再利用及び再資源化できない場合は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の関係法令を遵守し適正に処理、処分すると ともに、基準不適合土壌が発見された場合には、土壌汚染対策法ほか、関係法令等を遵守し適正に処理、処分する」。)、②「副産物の減量化、再資源化にあたっては」、本件7都県で定める計画等(「東京都建設リサイクル推進計画」等)を目標として実施することなどに鑑み、「廃棄物に係る環境影 守し適正に処理、処分する」。)、②「副産物の減量化、再資源化にあたっては」、本件7都県で定める計画等(「東京都建設リサイクル推進計画」等)を目標として実施することなどに鑑み、「廃棄物に係る環境影響の低減が図られていると評 価」した旨などが記載されているほか、「廃棄物等の一般的な処理・処分の方法」、「新たな発生土置き場等の取り扱い」、「建設発生土の受入事例」、「山梨リニア実験線工事における建設発生土利用実績」、「廃棄物の再生利用等の方法と目標とする量」等も記載されている。(丙1の1(8-6-1-4頁等)、1の2(環1 8-3-1頁以下等)、2の1(8-6-1-4頁等)、2の2 - 62 -(環23-3-1頁以下等)、3の1(8-6-1-4頁等)、3の2(環18-3-1頁以下等)、4の1(8-6-1-4頁等)、4の2(環12-3-1頁以下等)、5の1(8-6-1-4頁等)、5の2(環18-3-1頁以下等)、6の1(8-6-1-4頁等)、6の2(環18-3-1頁以下等)、7の1(8-6- 1-4頁等)、7の2(環16-3-1頁以下等))⒟ また、例えば、①東京都に係る本件評価書には、「建設発生土や建設廃棄物など副産物の発生量が膨大であることから、可能な限り再利用等の方法や数量について明らかにするとともに、それぞれ目標を達成するための方策等について具体的に示すこと。」などを求 める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「準備書資料編において記載しておりました、建設発生土や建設廃棄物の有効利用等の方法についての一般的なフローを、本評価書ではよりわかりやすく追記したほか、UCRを活用した事例や、参考として山梨リニア実験線工事における建設発生土利用実績を記載しました。」、 「工事着 等の方法についての一般的なフローを、本評価書ではよりわかりやすく追記したほか、UCRを活用した事例や、参考として山梨リニア実験線工事における建設発生土利用実績を記載しました。」、 「工事着手前に都の関係機関等と協議を行い、UCRの活用なども視野に、今後具体的な計画を策定していく中で、「東京都建設リサイクル推進計画」に対する目標達成に向けた取り組みを行っていきます。」などと記載されているし、②神奈川県に係る本件評価書にも、「建設発生土が大量に生ずる見通しであるが、建設発生土の処 分方法やリサイクル率が具体的に示されていない。そこで、発生した残土の適切処理と有効利用について、処理・処分方針を明らかにすること。また、発生土を場外に搬出する場合は、その運搬方法も明らかにすること。」などを求める神奈川県知事の意見に対する事業者の見解として、「建設発生土については、本事業内での再利用 や他の公共事業等への有効利用を考えており、本事業内での再利用 - 63 -の具体例や公共事業における活用想定について、資料編に記載しました。」、「建設発生土の再利用にあたっては、山梨リニア実験線における実績を踏まえ、できる限り再利用していくことを目標としていくこととしており、その旨を資料編に記載しています。」、「建設発生土の運搬については、梶ヶ谷地区においてできる限り貨 物列車で運搬することで更なる環境影響の低減に努めます。」、「建設発生土を工事用車両で運搬する際には法令順守のうえ、不法投棄対策として搬出先を指定する等の取り組みを追求し、管理監督を徹底して行っていくことを資料編に記載しました。」などと記載されている。(丙1の1(6-3-20頁等)、2の1(6-3- 12頁等))⒠ その他にも、①神奈川県に 、管理監督を徹底して行っていくことを資料編に記載しました。」などと記載されている。(丙1の1(6-3-20頁等)、2の1(6-3- 12頁等))⒠ その他にも、①神奈川県に係る本件評価書には、「建設発生土約1,140㎥の内、約30%にあたる約360万㎥を車両基地内で再利用することを想定している。また、車両基地以外にも、変電施設の造成等での再利用も引き続き検討していく。」などと記載され ているほか、別紙23の表のとおりの「公共建設発生土受入地一覧」等が示されていた。また、②山梨県に係る本件評価書には、「山梨リニア実験線工事における建設発生土の利用実績としては、当事業内での再利用の他に、土地区画整理事業、宅地造成、農地整備、宅地化が可能な平坦地の造成、運動施設・防災施設の造成、採石場の 跡埋め事業及び農地・林地の平坦化の造成等がある。山梨リニア実験線工事で発生した建設発生土の内、これらのように再利用及び有効利用されたものは9割程度になる。」、「本事業内での再利用については、約36%にあたる約240万㎥を富士川町高下地区付近における変電施設及び保守基地の造成に活用することを考えている。 また、公共事業等への有効利用については、早川町で発生する建設 - 64 -発生土の一部を、山梨県が計画している早川・芦安連絡道路の造成において有効利用されることを見込んでいる。さらに、リニア駅周辺の基盤整備においても、富士川町や早川町で発生する建設発生土の一部について有効利用していくことを、今後、整備を計画している山梨県等と協議しながら検討していく。」などと記載されている ほか、別紙24の表のとおりの「トンネル工事による建設発生土の発生毎の活用先等の状況」等が示されており、③長野県に係る本件評価 いる山梨県等と協議しながら検討していく。」などと記載されている ほか、別紙24の表のとおりの「トンネル工事による建設発生土の発生毎の活用先等の状況」等が示されており、③長野県に係る本件評価書にも、別紙25の表のとおりの「市町村等から提案のあった活用の可能性がある事業リスト」が示されていた。そして、④岐阜県に係る本件評価書には、「建設発生土約1,280㎥の内、約2 8%にあたる約300万㎥を車両基地内で再利用することを想定している。また、車両基地以外にも、変電施設の造成等での再利用も引き続き検討していく。」などと記載されている。(丙2の2(環23-5-1頁、環23-6-1頁以下等)、3の2(環18-1-1頁以下等)、5の2(環18-5-1頁等)、6の2(環18 -5-1頁等))c⒜ また、参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、発生土を伴う「切土工等又は既存の工作物の除去」や「トンネル工事」による土壌汚染等も問題になることから、これを本件7都県に係る環境影響評価の項目として選定した。(丙1の1(7- 1頁以下等)、2の1(7-1-1頁以下等)、3の1(7-1頁以下等)、4の1(7-1-1頁以下等)、5の1(7-1頁以下等)、6の1(7-1-1頁以下等)、7の1(7-1頁以下等))そして、参加人は、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定した上で、これに係る環境影 響評価を実施し、その結果の概要等を整理して、本件評価書に記載 - 65 -することとした。(丙1の1(8-3―3-1頁以下等)、2の1(8-3―3-1頁以下等)、3の1(8-3―3-1頁以下等)、4の1(8-3―2-1頁以下等)、5の1(8-3―4 - 65 -することとした。(丙1の1(8-3―3-1頁以下等)、2の1(8-3―3-1頁以下等)、3の1(8-3―3-1頁以下等)、4の1(8-3―2-1頁以下等)、5の1(8-3―4-1頁以下等)、6の1(8-3―3-1頁以下等)、7の1(8-3―3-1頁以下等)) ⒝ この点につき、本件評価書には、「発生土置場からの流出土砂による河床上昇や渓床への堆積に伴う災害危険度の増大、崩壊等に伴う土砂災害、濁水の発生に伴う河川環境への影響を最大限回避するよう、発生土置場での発生土を適切に管理すること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「第3章に記載の とおり、当社が新たに発生土置き場を計画するにあたっては、地質調査や測量等を実施し、森林法や河川法等の関係法令に基づいて都県や河川の管理者等と協議を行いつつ、とりまとめていくことになります。当社の考えとしては、設計において、発生土の土質に応じたのり面勾配の確保や擁壁の設置、排水設備の設置を検討するとと もに、工事完了後、土砂流出防止に有効なのり面への播種や緑化をできる限り早期に実施します。また、緑化されるまでの期間においても沈砂池を設置することなどにより土砂の流出や濁水を防止する対策を実施し、発生土置き場からの流出土砂による河床上昇・渓床への堆積に伴う災害危険度の増大、発生土置き場の崩壊に伴う土砂 災害、発生土置き場からの濁水に伴う河川への影響が生じないよう努めます。」、「関係地方公共団体等と調整を行った上で、工事中及び完成後において周辺環境に影響を及ぼさないための管理計画を、発生土置き場ごとに作成して、適切に管理を行います。第3章に記載のとおり、管理計画については、発生土置き場の調査や影響検討 の結果、環境保 において周辺環境に影響を及ぼさないための管理計画を、発生土置き場ごとに作成して、適切に管理を行います。第3章に記載のとおり、管理計画については、発生土置き場の調査や影響検討 の結果、環境保全措置内容と併せて公表し、関係する住民の皆様に - 66 -説明してまいります。第三者が最終的に管理を行うこととなる場合には、この管理計画を引き継ぎ、清掃による排水設備の機能確保等、適切な管理が継続して行われるようにしてまいります。」などと記載されている。(丙1の1(13-11頁等)、2の1(13-11頁等)、3の1(13-11頁等)、4の1(13-11頁等)、 5の1(13-11頁等)、6の1(13-11頁等)、7の1(13-11頁等))d⒜ さらに、本件事業では、発生土の運搬を含む「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による大気の汚染、騒音、振動等も問題になることから、参加人は、これを本件7都県に係る環境影響評価の 項目として選定した。(丙1の1(7-1頁以下等)、1の2(事3-4-1頁以下等)、2の1(7-1-1頁以下等)、2の2(事3-4-1頁以下等)、3の1(7-1頁以下等)、3の2(事3-5-1頁以下等)、4の1(7-1-1頁以下等)、4の2(事3-4-1頁以下等)、5の1(7-1頁以下等)、5の2 (事3-5-1頁以下等)、6の1(7-1-1頁以下等)、6の2(事3-4-1頁以下等)、7の1(7-1頁以下等)、7の2(事3-4-1頁以下等))そして、参加人は、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定した上で、これに係る環境影 響評価を実施し、その結果の概要等を整理して、本件評価書に記載することとした。(丙1の1(8-1―1 業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定した上で、これに係る環境影 響評価を実施し、その結果の概要等を整理して、本件評価書に記載することとした。(丙1の1(8-1―1-1頁以下等)、2の1(8-1―1-1頁以下等)、3の1(8-1―1-1頁以下等)、4の1(8-1―1-1頁以下等)、5の1(8-1―1-1頁以下等)、6の1(8-1―1-1頁以下等)、7の1(8-1―1 -1頁以下等)) - 67 -⒝ この点につき、本件評価書には、その結果の概要等に加え、別紙26の表の該当箇所において、資材及び機械の運搬に用いる車両の種類や台数等のほか、発生土等を積載する工事施工ヤードから幹線道路までの運搬経路等が記載されている。(丙1~7)⒞ また、例えば、山梨県に係る本件評価書には、「資材及び機械の 運搬に用いる車両の通行ルートの詳細」として、別紙27の表及び図を示した上で、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に係る大気質、騒音、振動については、表3-4-1に記載した対象工事地区に関係する車両が、想定した工事用車両通行ルートを走行することを考えており、その通行ルートは対象工事地区の近傍で取り付 きが可能な主要な道路を想定し、図中に点線で示している。また、点線の端部は、他の主要な道路と交差する部分までを記載しており、点線の示す範囲内では工事用車両は他の道路と相互に交通の流出入はなく、一定であると仮定している。」、「予測においては、最大影響を考慮するために、車両の通行ルート上の走行方向に関わらず 全ての車両が予測地点を通過するものとして予測を行った。」などと記載されている。そして、同図(図3-4-1⑽)の「X地区」、「Y地区」及び「W地区」をみると、こ ルート上の走行方向に関わらず 全ての車両が予測地点を通過するものとして予測を行った。」などと記載されている。そして、同図(図3-4-1⑽)の「X地区」、「Y地区」及び「W地区」をみると、これに沿って、地点番号13の予測地点が設定されているし、これに係る予測条件である1日当たりの発生交通量が465台となる旨なども記載されている。(丙 3の1(8-1-2-46頁、8-1-2-56頁等)、3の2(事3-4-1頁以下等))⒟ その他にも、本件評価書には、「多量に生じる建設発生土の運搬に当たっては、地域住民の生活環境への影響を最大限低減するため、適宜発生土の仮置き場を活用しながら搬出量や時間帯を調整し、工 事用車両による円滑な搬出に資する措置を講じること。」などを求 - 68 -める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「建設発生土の運搬にあたっては、大気質、騒音、振動等、地域住民の生活環境への影響をできる限り低減するため、特に山岳トンネルの掘削に伴う工事用車両の運行台数が多く、沿道に住宅等がまとまって存在する箇所においては、地方公共団体の協力も得て仮置き場(ストックヤ ード)の確保に努め、発生土置き場へ向かう車両の台数や時間を調整することで、発生集中交通量の削減を進めるよう努めてまいります。」などと記載されている。(丙1の1(13-13頁等)、2の1(13-13頁等)、3の1(13-13頁等)、4の1(13-13頁等)、5の1(13-13頁等)、6の1(13-13 頁等)、7の1(13-13頁等))e⒜ 本件評価書に記載された発生土置き場は、別紙27の2の図(図3-4-1⑽)及び別紙28の図のとおり、山梨県内に1箇所と、静岡県内に7箇所のみであり、本件評価書の作成時 13頁等))e⒜ 本件評価書に記載された発生土置き場は、別紙27の2の図(図3-4-1⑽)及び別紙28の図のとおり、山梨県内に1箇所と、静岡県内に7箇所のみであり、本件評価書の作成時において、それ以外の計画は、具体化していなかった。(丙1~7) なお、参加人は、本件評価書に記載された発生土置き場のうち、静岡県内の1箇所(別紙28の図(図8-1-1-1⑴)の一番北側に位置するもの。以下「扇沢の発生土置き場」という。)について、本件評価書の作成後に計画を進めていく過程で、扇沢の発生土置き場を除いて計画した場合における「環境上のメリット」(「工 事範囲の縮小」、「保全対象種(植物)の生育地回避」、「CO2排出量の低減」等)が判明したことなどを受け、「扇沢を除く6箇所の発生土置き場に加えて、地元から要望されている、剃石付近への発生土置き場の設置について検討を行います。」などと説明している。(丙15~18) ⒝ 参加人は、国土交通省から、「新規に設置する土捨場」等につい - 69 -て、「評価書作成までの間に位置等を明らかにすることが困難な場合、必要な環境保全措置を評価書に位置付けた上で、その環境保全措置の効果を事後調査により確認する必要がある。」旨などの意見を受けていた。そこで、参加人は、事業者の見解として、「評価書作成時点までに具体化した計画については明らかにし、適切な調査、 予測・評価を行います。明らかにすることが困難な場合は、それらの影響について、必要な環境保全措置を評価書で位置付けた上で、その環境保全措置の効果を事後調査により確認します。」とした上で、本件評価書において、その作成後に新たに計画する発生土置き場等を「具体的な位置・規模等の計画を明らかに 措置を評価書で位置付けた上で、その環境保全措置の効果を事後調査により確認します。」とした上で、本件評価書において、その作成後に新たに計画する発生土置き場等を「具体的な位置・規模等の計画を明らかにすることが困難な 付帯施設」と位置付け、その環境保全措置として、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による大気の汚染、騒音、振動等や土壌汚染等に係る環境保全措置を検討した結果を記載するとともに、「本評価書において具体的な位置・規模等の計画を明らかにすることが困難かつ環境への影響が大きい付帯施設である発生土置き場を 新たに当社が今後計画する場合には、場所の選定、関係者との調整を行った後に、以下の通り環境保全措置の内容を詳細なものにするための調査及び影響検討を、事後調査として実施する。」などと記載した(なお、例えば、愛知県に係る本件評価書には、これに係る調査及び影響検討の項目等として、別紙29の表を示した上で、 「地域の特性や発生土置き場の改変の規模等によっては、必要により専門家の助言等を踏まえ、変更する場合がある。」などと記載されている。)。(丙1の1(5-3-6頁、9-49頁以下、10-5頁以下等)、2の1(5-3-6頁、9-89頁以下、10-2-1頁以下等)、3の1(5-102頁、9-70頁以下、10 -11頁以下等)、4の1(5-3-6頁等)、5の1(5-98 - 70 -頁、9-77頁以下、10-9頁以下等)、6の1(5-3-6頁、9-85頁以下、10-11頁以下等)、7の1(5-3-6頁、9-39頁以下、10-7頁以下等))また、参加人は、前記b⒞の「新たな発生土置き場等の取り扱い」において、「本件事業内での再利用または公共事業・その他民間事 業等での有効利用のいずれ 以下、10-7頁以下等))また、参加人は、前記b⒞の「新たな発生土置き場等の取り扱い」において、「本件事業内での再利用または公共事業・その他民間事 業等での有効利用のいずれの方法でも発生土の利活用が困難な場合、新たな発生土置き場等が必要となる。新たな発生土置き場等については、現時点では、本事業からの発生土が増加する時期に受入れ可能となる公共事業・その他民間事業の遂行状況が想定し難く、また、時期や規模等を含めた必要性が判断できない現時点では地権者を含 めた関係者への接触が適切ではないと考えられることから、具体的な位置・規模等の計画を明らかにすることが困難である。今後必要となる新たな発生土置き場等については、環境への影響が考えられる施設であることから、候補地が決定次第、新たな発生土置き場等の規模、現地の周辺状況、保全対象となる施設等の分布を考慮し、 自主的な取り組みとして、調査及び影響検討を実施したうえで、必要な環境保全措置、事後調査及びモニタリングの計画を策定する。 これらについては、適切な時期において公表していく計画である。 また、新たな発生土置き場等の設置に当たっては、法令等を遵守することはもとより、事業者として誠実に取り組む考えである。」な どと記載した。(丙1の2(環18-4-1頁)等)⒞ その後、参加人は、候補地の選定等を経て新たに計画された発生土置き場等(仮置き場を含む。)について、環境保全措置の内容を詳細なものにするための環境の調査及び影響検討を事後調査として実施し、モニタリング計画の策定等をした上で、その結果を整理し、 工事の概要等と併せて公表するなどしている。(丙23、24、5 - 71 -3~57、59~61、76~84、91、92、117) リング計画の策定等をした上で、その結果を整理し、 工事の概要等と併せて公表するなどしている。(丙23、24、5 - 71 -3~57、59~61、76~84、91、92、117)⒟ また、参加人は、本件評価書の作成後も、工事の進捗状況等に応じて、情報提供等を受けた上で、発生土の受入先の確保に向けた協議等を行っており、実際に、計画が具体化してその受入れが可能となった事業等については、それを公表するなどしている。(丙11 0、111)⒠ なお、本件評価書には、「環境保全措置の具体化について、方法、専門家等の助言、対応方針等の結果を公表し、透明性及び客観性を確保すること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「具体化の検討を進めてきた方法や、具体化にあたり専 門家等から得た助言の内容、環境保全措置を実施していくにあたっての対応方針等を含めた、検討結果について公表してまいります。」などと記載されているところ、その後、実際に、これに沿った対応がされている。(甲CT10、丙1の1(13-18頁等)、2の1(13-18頁等)、3の1(13-18頁等)、4の1(13 -18頁等)、5の1(13-18頁等)、6の1(13-18頁等)、7の1(13-18頁等)) 次に、原告らの主張をみると、原告らは、9条認可に当たっては、「工事方法」のほか、「工事の(中略)完了の予定時期」等の記載が求められているところ、大量に生ずる発生土の処分方法等が定かでないと、 その具体的な見通しが立たたず、「建設工事に伴う人に対する危害の防止方法」等を特定することもできない旨などを主張した上で、その特定を欠く本件評価書等に不備があることは明らかとしている。 しかし 的な見通しが立たたず、「建設工事に伴う人に対する危害の防止方法」等を特定することもできない旨などを主張した上で、その特定を欠く本件評価書等に不備があることは明らかとしている。 しかしながら、原告らの主張する「工事方法」等は、全幹法9条及び全幹法施行規則2条に掲げる事項であるところ、以上で述べたように、 これらの規定自体は、そもそも環境影響評価の手続等について定めたも - 72 -のではなく、9条認可の対象となる工事実施計画について定めたものにとどまるし、本件計画をみても、9条認可の対象となる工事実施計画の内容として必要な情報量を備えたものといえるから、それをもって、原告らの主張を是認することはできないと考えられる。そして、9条認可に先立つ環境影響評価の手続等は、評価法や鉄道事業評価省令の規定等 で定められており、評価書に記載すべき対象事業の内容については、鉄道事業評価省令33条1項各号に掲げられているところ、本件評価書につき、当該各号に掲げる事項の記載を欠くなどとする事情が認められないことは、以上で述べたとおりであるし、原告らの主張するような発生土の処分方法等を具体的に記載すべきとする法的な根拠も見当たらない から、この点をもって、本件認可に違法があるとはいえないものと解される。 また、原告らは、①発生土置き場の位置等が定かでない中では、それを運搬する経路を確定させることができず、それによる大気の汚染、騒音、振動等に係る環境影響を正確に評価することが困難になる旨、②各 地で発生土をめぐる事故が多数報告されているほか、令和3年7月に静岡県熱海市で土石流を伴う凄惨な事故が発生したことに鑑みると、周辺住民の個別的利益に対する適正な配慮を確保するためには、大量に生ずる発生土の処分 めぐる事故が多数報告されているほか、令和3年7月に静岡県熱海市で土石流を伴う凄惨な事故が発生したことに鑑みると、周辺住民の個別的利益に対する適正な配慮を確保するためには、大量に生ずる発生土の処分方法等を特定する必要性が高いといえる旨、③鉄道事業評価省令21条4項4号イ及び22条1項6号の規定をみても、トンネ ルの掘削等に伴って生ずる発生土は、「廃棄物等」(廃棄物及び副産物)に該当し、その発生量、最終処分量その他の環境への負荷の量の程度を把握することが要求されることになるから、その処分方法等を特定すべきであるし、環境アセスメント技術ガイドにも、それに沿う記載がある旨、④トンネルの掘削等に伴って生ずる発生土は、再資源化が可能であ るから、環境影響評価に当たっては、どのように再資源化し、それによ - 73 -って最終処分量をどの程度削減することができるのかなどの点を適切に調査、予測及び評価することが求められている旨なども主張している。 この点につき、前記で認定した事実によれば、参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、本件事業で生ずる発生土や発生土置き場等を対象とした上で、これに係る環境影響評価を実施し、 本件評価書において、発生土等を積載する工事施工ヤードから幹線道路までの運搬経路等や既に計画が具体化していた発生土置き場等と併せて、その結果の概要等を記載したものであるし、環境影響評価の手続で述べられた意見を勘案して、それを踏まえた対応をしていたことなども認めることができる。なお、発生土の発生量を別紙22の表のとおりと予測 した点については、参加人において、鉄道事業評価省令22条1項6号及び25条1項1号の規定等に則し、前記b⒝の手法の選定等をした上で、「国土交通省令の参 発生量を別紙22の表のとおりと予測 した点については、参加人において、鉄道事業評価省令22条1項6号及び25条1項1号の規定等に則し、前記b⒝の手法の選定等をした上で、「国土交通省令の参考手法」や「㈶下水道新技術推進機構のマニュアル」等を参考として、工事の規模や手法等を踏まえて計算したものであるし、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による大気の汚 染、騒音、振動等に係る環境影響につき、工事施工ヤードから幹線道路までの運搬経路等を想定し、その運搬経路上に予測地点を設定した点についても、環境影響評価に係る技術手法の基本的な考え方等を示している環境アセスメント技術ガイドに沿ったものであって(乙87。なお、この環境アセスメント技術ガイドでは、「調査地域・地点の考え方」や 「予測地域・地点の考え方」として、別紙30の図を示した上で、「工事用車両の走行の影響を検討する場合に、建設発生土の再利用場所等の目的地が明らかであれば、必然的に事業実施区域から再利用場所までの工事用車両の効率的な走行ルートは限定され、事業実施区域から再利用場所までのルート全体で道路交通騒音・振動レベルが一定以上変化する 場合も想定される、その場合の調査地域としては、事業の実施による影 - 74 -響が最大となる地点を含む範囲として、図Ⅲ-2-1のように、主要幹線道路までとする方法⒜や、主要幹線道路沿道の特に影響を受けやすい地域までとする方法⒝等が考えられる。」、「予測地域は、原則として事業の実施により騒音・振動・低周波音が一定のレベル以上変化する範囲を含む地域とする必要があり、一般的には調査地域に包含される。」 などとされている。)、本件全証拠を精査しても、これらの点に係る記載等が合理性を欠くなどということはできないと考えら 変化する範囲を含む地域とする必要があり、一般的には調査地域に包含される。」 などとされている。)、本件全証拠を精査しても、これらの点に係る記載等が合理性を欠くなどということはできないと考えられる。 他方で、それ以外の発生土置き場等については、その当時、計画が具体化しておらず、本件評価書において、その位置等が特定されていなかったことなどが認められるが、評価法や鉄道事業評価省令の規定等を精 査しても、環境影響評価の手続上、原告らの主張するような発生土置き場の位置等を具体的に特定すべきとする法的な根拠までは見当たらないから、この点に関する原告らの主張は、その前提を欠くものといえる。 また、そもそも、環境影響評価の手続は、事業の内容が順次具体化していく過程で、事業特性等を踏まえつつ実施されるものであって、必ず しも評価書の作成時にあらゆる事項が具体的に特定されていることまでは求められていないものと解されるし、鉄道事業評価省令32条1項等においても、予測の不確実性等に鑑み、事後的に環境保全措置の内容をより詳細なものにする必要があると認められる場合等に事後調査が行われることを前提とする規定が設けられていることが認められる。そして、 ①参加人が、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「評価書作成までの間に位置等を明らかにすることが困難な場合、必要な環境保全措置を評価書に位置付けた上で、その環境保全措置の効果を事後調査により確認する必要がある。」などとする国土交通省の意見を受け、これを勘案して、そのような場合には、「それらの影響について、必要 な環境保全措置を評価書で位置付けた上で、その環境保全措置の効果を - 75 -事後調査により確認します。」としたこと、②参加人は、副 のような場合には、「それらの影響について、必要 な環境保全措置を評価書で位置付けた上で、その環境保全措置の効果を - 75 -事後調査により確認します。」としたこと、②参加人は、副産物である発生土について、本件7都県で定める計画等を目標として、本件事業内での再利用や公共事業等での有効利用等をすることを検討していたが、その事業特性等に照らし、将来、本件事業の実施時において発生土の受入れが可能な事業等をあらかじめ想定し難く、最終的に発生土置き場等 を必要とする量等を確定することが困難であったことなどから、本件評価書の作成時に、全ての計画を具体化することまではできず、事後調査を検討すべき状況にあったこと、③そこで、参加人は、本件評価書において、これを「具体的な位置・規模等の計画を明らかにすることが困難な付帯施設」と位置付け、その環境保全措置を検討した結果を記載する とともに、その環境保全措置の内容を詳細なものにするための環境の調査及び影響検討を事後調査として実施し、モニタリング計画の策定等をした上で、その結果を整理して公表する旨などを説明したこと、④その後、実際に、これに沿った対応がされていることなどに鑑みると、これを不相当ということはできないし、参加人が発生土置き場等を対象とし て事後調査を実施したことは、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則したものであったと認められる。 さらに、原告らが指摘する鉄道事業評価省令22条1項6号の規定をみても、この規定は、同項の柱書きにおいて、対象鉄道建設等事業に係る環境影響評価の調査、予測及び評価の手法について、次に掲げる事項 を踏まえ、選定項目ごとに鉄道事業評価省令23条から27条までに定めるところにより選定するとした上で、「廃棄物等に関してはその る環境影響評価の調査、予測及び評価の手法について、次に掲げる事項 を踏まえ、選定項目ごとに鉄道事業評価省令23条から27条までに定めるところにより選定するとした上で、「廃棄物等に関してはその発生量、最終処分量その他の環境への負荷の量の程度を(中略)把握できること」を掲げるものにとどまるから、それをもって、直ちにいかなる場合であっても発生土の処分方法等を特定すべきとまではいえないものと 解される。 - 76 -そして、原告らが指摘する環境アセスメント技術ガイドについても、「調査・予測手法の詳細化を検討する場合の例」として、「既に環境が著しく悪化し又はそのおそれが高い地域が存在する場合」を挙げた上で、「廃棄物の処分が逼迫した状態にある場合には、発生量・最終処分量だけでなく、具体的な処分先を含めた、処理、処分方法の計画についても できる限り具体的に明らかにする。」とするものであり(甲C環1)、いかなる場合であっても発生土の処分方法等を特定する必要があるというものではないし(また、本件事業では、将来的に大量の発生土が生ずることになるが、参加人は、本件事業内での再利用や公共事業等での有効利用等により、最終的に発生土置き場等を必要とする量等を圧縮する ことを見込んでいるものであるし、その後、実際に、それに沿った対応がされていることなども認められるから、それをもって、直ちに「廃棄物の処分が逼迫した状態にある場合」に該当するとまではいえないものと考えられる。)、その前書きにおいて、「本来、多様かつ柔軟な技術手法が許容されるべきである。環境影響評価の手法は、本書で紹介する ものが全てということではなく、様々な事業種や環境分野において取りまとめられたガイドライン等も参考に幅広く検討し、個別事業ごと 手法が許容されるべきである。環境影響評価の手法は、本書で紹介する ものが全てということではなく、様々な事業種や環境分野において取りまとめられたガイドライン等も参考に幅広く検討し、個別事業ごとの事業特性や地域特性を踏まえて柔軟に選定されることを期待したい。」としていることなどに鑑みても(甲C環1、2、丙109)、これをもって、原告らの主張を是認することはできないといえる。 そして、その他にるる主張する点をみても、本件評価書の記載を超えて発生土の処分方法等を特定すべき法的な義務があったことを基礎付けるに足りるものではなく、以上で述べた当裁判所の判断が左右されることはないものと解されるから、この点に関する原告らの主張は、いずれも採用の限りではないと考えられる。 以上で述べたところによれば、発生土の処分方法等の特定に関する点 - 77 -をもって、本件認可に違法があるとは認められないものといえる。 オ事後調査に関する点当裁判所は、事後調査に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものと判断する。その理由は、次に述べるとおりである。 この点につき、原告らは、評価法1条の規定によれば、評価法上の環 境影響評価が「あらかじめ」行うべきものであることは明らかであるし、評価法14条1項7号ハも、「当該措置が将来判明すべき環境の状況に応じて講ずるものである場合」における「当該環境の状況の把握のための措置」として、事後調査を限定的に許容しているものにとどまり、評価法上の環境影響評価の対象とされるべき項目の調査を後回しにして、 評価書の縦覧等の後にその調査をするという「潜脱的事後調査」まで許容するものではないと考えられるところ、本件認可(その り、評価法上の環境影響評価の対象とされるべき項目の調査を後回しにして、 評価書の縦覧等の後にその調査をするという「潜脱的事後調査」まで許容するものではないと考えられるところ、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、発生土置き場等に関する点を対象として、この「潜脱的事後調査」を実施したものといえるから、これを前提とする本件評価書については、評価法の規定により要求される水準を満たさないもの と推認すべき旨などを主張している。 原告らの指摘する「潜脱的事後調査」の意味するところは、必ずしも判然としないものの、そもそも、環境影響評価の手続は、以上で述べたように、事業の内容が順次具体化していく過程で、事業特性等を踏まえつつ実施されるものであって、必ずしも評価書の作成時にあらゆる事項 が具体的に特定されていることまでは求められていないと解されるし、参加人が発生土置き場等を事後調査の対象としたことについても、本件の事実関係の下では、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則したものと認めることができる。そして、原告らの主張する点をみても、この当裁判所の判断が左右されることはないから、それをもって、本件認可に 違法があるとは認められないものと考えられる。 - 78 - また、原告らは、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、水資源等が事後調査の対象とされているが、このような調査は、本来、環境影響評価の手続の中で実施されるべきものであるから、この点についても、「潜脱的事後調査」というほかないし、本件評価書に何ら記載していなかった導水路トンネルが事後的に提案されたことなどに鑑みても、 環境影響評価の手続を潜脱したものと評価することができる旨なども主張している。 しかしな 本件評価書に何ら記載していなかった導水路トンネルが事後的に提案されたことなどに鑑みても、 環境影響評価の手続を潜脱したものと評価することができる旨なども主張している。 しかしながら、原告らが特に問題にしているものと解される静岡県に係る本件評価書をみると、「本線トンネル及び非常口(山岳部)において、破砕帯付近では状況によって工事中に集中的な湧水が発生する可能 性があり、水資源に与える影響の予測の不確実性が一部あることから、本線トンネル及び非常口(山岳部)の破砕帯付近において地下水を利用した水資源を対象として、「8-2-4 水資源」において環境影響評価法に基づく事後調査を実施する。」、「地下水を利用した水資源に与える影響の予測には不確実性があることから、環境影響評価法に基づく 事後調査を実施する。」などと記載された上で、その実施する事後調査の内容やその結果の公表方法等が示されていることが認められる(丙4の1(8-2-3-14頁、8-2-4-16頁以下、10-3頁等))。これは、事後調査について定める鉄道事業評価省令32条1項1号において、「予測の不確実性の程度が大きい選定項目について環境 保全措置を講ずる場合」が掲げられていることを踏まえたものと考えられるし、その他に、本件全証拠を精査しても、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則したものでなかったとする事情は特段見当たらないものといえる(なお、原告らは、本件事業では、大量の地下水を湧出させるおそれがある断層を通過することや、南アルプスにおけるトンネルの掘 削等では、特に慎重な検討が求められることなどを指摘しているが、同 - 79 -項の規定等に鑑みると、予測の不確実性の程度が大きい中で、環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあるか 削等では、特に慎重な検討が求められることなどを指摘しているが、同 - 79 -項の規定等に鑑みると、予測の不確実性の程度が大きい中で、環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあるからこそ、事後調査の対象とすべきことになると解するのが相当である。)。 また、以上で述べたように、環境影響評価の手続は、事業の内容が順次具体化していく過程で、事業特性等を踏まえつつ実施されるものであ って、評価法や鉄道事業評価省令の規定等でも、事後的に行われる事後調査が当然に予定されているところ、この点に関する原告らの主張の実質は、かかる事後調査を事前に行うべきことを求めるものにほかならないから、その前提において失当ということができる。 さらに、原告らは、参加人の依頼した調査会社において平成25年3 月頃に取りまとめた地質調査資料等(甲C8の5等)を証拠として提出しており、本件評価書にその記載がないことなどを問題とする趣旨のものと解されるが、評価法や鉄道事業評価省令の規定等を精査しても、事業者において保有する資料等の全てを網羅的に記載すべきとする法的な根拠は見当たらないし、それにより参加人において講ずべき環境保全措 置がいかに異なり得るのかも明らかでないから、それをもって、直ちに原告らの主張を是認することはできないといえる。 そして、導水路トンネルについてみると、本件では、証拠(甲CS5、丙4、15、19、20、64、114、115)又は弁論の全趣旨によれば、①静岡県に係る本件評価書には、環境保全措置の内容として、 「トンネルの工事及び鉄道施設(山岳トンネル、非常口(山岳部))の存在に伴い河川の流量が減少し水利用に影響が出る場合は代替水源の確保などの環境保全措置を実施する。具体的に 措置の内容として、 「トンネルの工事及び鉄道施設(山岳トンネル、非常口(山岳部))の存在に伴い河川の流量が減少し水利用に影響が出る場合は代替水源の確保などの環境保全措置を実施する。具体的には河川流量が減る量や影響の度合いなどに応じて関係者と打ち合わせを行いながら、トンネル内に湧出した水をポンプで汲み上げるなどして大井川に戻す方法も選択肢と して考えている。」などと記載され(丙4の1(8-2-4-13頁 - 80 -等))、その文言上、明示的に記載された措置以外の措置(導水路トンネル等)を排除する趣旨とは解されないこと、②以上で述べたように、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、水資源等が事後調査の対象とされたこと、③本件認可(その1)後に、計画を具体化していく過程で、大井川水資源検討委員会等において、導水路トンネルを含む複 数案が選択肢として挙げられ、その検討がされた結果、「現段階における環境保全措置として、導水路トンネルが最も適切な案である。」、「導水路トンネルの計画について早期に深度化し、計画を具体化することが望ましい。」などとされ、最終的に、それを踏まえた参加人の提案に沿って進めていくことが確認されたこと(なお、当該委員会の「椹島 における河川流量(解析)」に係る資料には、「工事着手前の流量(解析)」が「10.9㎥/s」、「導水路トンネルがない場合の完成後の流量」が「8.87㎥/s」、「導水路トンネルがある場合の完成後の流量」が「10.2㎥/s」である旨や、「工事着手前の流量との差である0.7㎥/sについては、必要に応じて計画路線の湧水を導水路ト ンネル取付位置までポンプアップすることにより、河川流量の減少を回避することが可能です。」などと記載されている。)、④その後、参加人に ㎥/sについては、必要に応じて計画路線の湧水を導水路ト ンネル取付位置までポンプアップすることにより、河川流量の減少を回避することが可能です。」などと記載されている。)、④その後、参加人において、環境保全措置の内容をより詳細なものにする必要があると認められるとして、導水路トンネルに係る調査及び影響検討が実施され、その結果の公表等がされたことなどが認められる。このように、参加人 は、静岡県に係る本件評価書において、環境保全措置や事後調査について記載した上で、その後の大井川水資源検討委員会等での検討の結果を踏まえ、その内容を詳細なものにする必要があると認められるとして、これに係る事後調査を実施するなどしたものであって、これを不相当とする理由は特段見当たらないし、その他にるる主張する点を踏まえても、 以上で述べた当裁判所の判断が左右されることはないと考えられる。 - 81 - 以上で述べたところによれば、事後調査に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものといえる。 カ山梨実験線の建設に係る環境影響評価に関する点当裁判所は、山梨実験線の建設に係る環境影響評価に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものと判断する。その理由は、次 に述べるとおりである。 この点につき、原告らは、山梨実験線については、当初から、将来的に中央新幹線(品川・名古屋間)の運行に活用されることを前提として、その建設が進められたものであるし、山梨実験線の設備更新や延伸等に係る変更が加えられた時点では、既に評価法は施行されていたことなど に鑑みると、少なくとも中央新幹線(品川・名古屋間)の運行に活用されることが確実となった段階で、評価法32条の規定により、 に係る変更が加えられた時点では、既に評価法は施行されていたことなど に鑑みると、少なくとも中央新幹線(品川・名古屋間)の運行に活用されることが確実となった段階で、評価法32条の規定により、それに係る環境影響評価が実施されなければならなかったと考えられる旨などを主張している。 そこで、まず、山梨実験線の建設に至る経緯等についてみると、前記 第2の2の前提事実に加え、証拠(乙62~67、69~82、丙9)又は弁論の全趣旨によれば、①超電導磁気浮上方式については、従前、宮崎実験線において実験がされていたが、トンネルや十分な勾配、曲線等を備えた新たな実験線が必要となったため、これに代わる「新実験線建設の適地選定」について検討された結果、その候補地として山梨県が 選定されたこと、②その選定を行った超電導磁気浮上式鉄道検討委員会では、複数の候補地について、実験目的の達成度、将来の有効活用の可能性及び地元の協力度という三つの観点からの検討がされ、その結果、「山梨は、実験目的の達成度においても、将来の有効活用の可能性からみても、建設適地として候補地の中では最も望ましく、さらに、地元の 協力度においても他の2地区と遜色がない。」ことから、「新実験建設 - 82 -適地として、山梨県を選定することとしたい。」との総合評価がされたこと、③その後、運輸大臣(当時)が「超電導磁気浮上方式鉄道に係る技術開発を円滑に推進するため」の技術開発の基本計画等について定めた運輸大臣通達の規定に則して、「超電導磁気浮上方式鉄道技術開発基本計画」や「山梨実験線建設計画」の作成等がされ、平成2年6月25 日付けで、その基本計画や建設計画の承認がされたこと、④この基本計画には、「山梨実験線では最高速度が時速500kmで、か 開発基本計画」や「山梨実験線建設計画」の作成等がされ、平成2年6月25 日付けで、その基本計画や建設計画の承認がされたこと、④この基本計画には、「山梨実験線では最高速度が時速500kmで、かつ諸性能確認のため550km/h走行が可能な施設を建設し、実用化の目処を得るための走行実験を行う。」旨などが記載されていたこと、⑤鉄道総研、鉄建公団及び参加人は、山梨実験線の建設に適用される法令の規定等は なかったものの、整備五新幹線環境影響評価指針を参考として、その建設に係る環境影響調査等を進め、その結果を「山梨リニア実験線環境調査報告書」として取りまとめるなどしたこと、⑥平成2年11月から平成9年3月までの間、先行区間(線路延長18.4km)の建設が行われ、それに係る検査を経て、同区間における走行試験が開始されたこと、 ⑦その後、上記の基本計画や建設計画については、山梨実験線の設備更新や延伸等に係る変更が加えられ、平成19年1月23日付けで、その変更が承認されたこと、⑧この変更後の基本計画にも、上記④と同旨の記載がされていたこと、⑨これに伴い、鉄道総研、鉄道・運輸機構及び参加人は、上記の報告書について、経年に伴う検証作業を実施し、その 結果を「山梨リニア実験線環境影響調査報告書の経年に伴う検証資料」として取りまとめるなどしたこと、⑩平成20年5月から平成25年8月までの間、延伸区間(線路延長24.4km)の建設等が行われ、それに係る検査を経て、山梨実験線の全線(線路延長42.8km)における走行試験が開始されたこと、⑪鉄道・運輸機構でも、この延伸区間 については、鉄道・運輸機構法13条1項1号に掲げる業務(「新幹線 - 83 -鉄道に係る鉄道施設の建設を行うこと」)ではなく、同条4項2号に掲げる業務 運輸機構でも、この延伸区間 については、鉄道・運輸機構法13条1項1号に掲げる業務(「新幹線 - 83 -鉄道に係る鉄道施設の建設を行うこと」)ではなく、同条4項2号に掲げる業務(「鉄道に関する工事並びに調査、測量、設計、試験及び研究を行うこと」)として取り扱われていたことなどが認められる。 このような事情に鑑みると、山梨実験線は、「将来の有効活用の可能性」として、将来的に中央新幹線(品川・名古屋間)の運行に活用され る可能性を含みつつも、専ら超電導磁気浮上方式の実用化に向けた走行試験を行うことを目的として、「超電導磁気浮上方式鉄道に係る技術開発を円滑に推進するため」の技術開発の基本計画等について定めた運輸大臣通達の規定に則して建設された実験施設であることが認められるし、このことは、山梨実験線の設備更新や延伸等に係る変更の前後で変わる ことはないと考えられる。 そして、環境影響評価を実施すべき対象事業というためには、評価法施行令別表第1に掲げる事業(全幹法4条1項に規定する建設線の建設の事業等)に該当することが必要になるところ、山梨実験線の建設の事業は、人又は物品を運送すること自体を目的とするものではなく、専ら 超電導磁気浮上方式の実用化に向けた走行試験を行うことを目的として建設された実験施設にとどまるから、全幹法4条1項に規定する建設線の建設の事業には該当せず、実際に、その建設に当たっても、9条認可がされていないことが認められるし、その他に、本件全証拠を精査しても、同表に掲げる事業に該当するとうかがわせる事情は見当たらないと いえる。 また、山梨実験線を中央新幹線(品川・名古屋間)の運行に活用することが具体的に計画内容とされたのは、建設主体である参加人 業に該当するとうかがわせる事情は見当たらないと いえる。 また、山梨実験線を中央新幹線(品川・名古屋間)の運行に活用することが具体的に計画内容とされたのは、建設主体である参加人において作成した本件計画(その1)が初めてであるところ、以上で述べたところによれば、それに係る9条認可の申請がされた平成26年8月の時点 では、既に山梨実験線の建設は、延伸区間(線路延長24.4km)の - 84 -部分を含めて完了していたというのであるから、国交大臣が、それに係る環境配慮審査に当たって、その活用されることになる山梨実験線の既設の土木構造物等につき、土地の形状の変更等を伴う新たな工事を観念することはできず、山梨実験線の建設に係る環境影響評価がされていないことに問題はないと判断したとしても、特段不合理なところはないも のと考えられる。 さらに、原告らの主張する評価法32条は、評価書の公告後の環境影響評価その他の手続の再実施について規定しているが、逐条解説環境影響評価法において、「本法の規定による環境影響評価手続が既に行われた対象事業について、それが長期間未着工である場合(中略)において は、本法の規定による環境影響評価手続が再実施されることが望ましいことがあるので、このような場合に、事業者がこの法津による手続を実施することとしたものである。」とされているほか、「本条はあくまで対象事業に着手する前に適用される規定であり、いったん事業に着手した場合には、本条の適用対象となるものではない。」とされていること などに鑑みると(乙92)、環境影響評価を実施すべき対象事業ではなく、既に建設も完了していた山梨実験線の建設の事業について、同条の規定が適用される余地はないものと解される。 ること などに鑑みると(乙92)、環境影響評価を実施すべき対象事業ではなく、既に建設も完了していた山梨実験線の建設の事業について、同条の規定が適用される余地はないものと解される。 そのため、山梨実験線の建設に係る環境影響評価が実施されていないとしても、それをもって、直ちに何らかの違法があるということはでき ないと考えられる。 また、原告らは、山梨実験線の建設について、評価法上の環境影響評価を実施すべきであったとはいえないとしても、少なくとも閣議アセスは実施すべきであったといえる旨なども主張している。 しかしながら、原告らの主張する閣議アセスとは、昭和59年8月2 8日付けでされた「環境影響評価の実施について」との閣議決定(乙8 - 85 -3)による環境影響評価のことであるところ、これを受けて、昭和60年4月26日付けで定められた「運輸省所管の大規模事業に係る環境影響評価実施要領」(乙84)では、その対象事業を①「新幹線鉄道の建設等」、②「飛行場の設置等」及び③「公有水面の埋立て等」とした上で、このうちの①「新幹線鉄道の建設等」について、「新幹線鉄道の建 設又はその本線路の新設、増設若しくは移設であって、日本国有鉄道法第53条第4号の運輸省令で定める重要な工事に関するもの」と規定していたことが認められる。そして、以上で述べたように、山梨実験線の建設の事業は、超電導磁気浮上方式の実用化に向けた走行試験を行うことを目的とするものにとどまり、新幹線鉄道の建設等に該当するもので はないから、閣議アセスの対象事業ということはできないし、その他にるる主張する点をみても、これを実施すべき義務があったと解する法的な根拠は特段見当たらないものといえる。 その はないから、閣議アセスの対象事業ということはできないし、その他にるる主張する点をみても、これを実施すべき義務があったと解する法的な根拠は特段見当たらないものといえる。 そのため、この点に関する原告らの主張は、いずれも理由がないと考えられる。 なお、山梨実験線については、以上で述べたように、既設の土木構造物等につき土地の形状の変更等を伴う新たな工事を観念することができなかったことから、その建設に係る環境影響評価は実施されていないが、他方で、中央新幹線(品川・名古屋間)の運行が開始した後に、その「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等に起因する影響が及 び得ることは、他の区間と変わりがないし、山梨実験線の建設時の「山梨リニア実験線環境調査報告書」(乙76)や「山梨リニア実験線環境影響調査報告書の経年に伴う検証資料」(乙82)も、走行試験を前提として取りまとめられたものにとどまるため、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、その「列車の走行(地下を走行する場合を除 く。)」等が鉄道事業評価省令21条3項2号に掲げる環境要因(土地 - 86 -又は工作物の存在及び供用)に該当することを前提として、それに係る環境影響評価が実施されたことが認められる(乙86、丙3)。そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのであるし、その他に、本件全証拠を精査しても、この 点に特段不合理なところは見当たらないものといえる。 以上で述べたところによれば、山梨実験線の建設に係る環境影響評価に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものといえる。 段不合理なところは見当たらないものといえる。 以上で述べたところによれば、山梨実験線の建設に係る環境影響評価に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものといえる。 キ本件認可(その2)に先立つ環境影響評価に関する点 当裁判所は、本件認可(その2)に先立つ環境影響評価に関する点をもって、本件認可(その2)に違法があるとは認められないものと判断する。 その理由は、次に述べるとおりである。 この点につき、原告らは、本件事業の目的である中央新幹線(品川・名古屋間)の運行については、本件認可(その1)の対象である本件計 画(その1)に係る工事(主として土木構造物関係の工事)だけでなく、本件認可(その2)の対象である本件計画(その2)に係る工事(主として電気関係設備の工事)をすることで初めて可能となるものであるし、本件事業に係る環境影響は、前者の工事だけでなく、後者の工事からも生ずること、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、後者の工 事内容が特定されていなかったために、事後調査の対象とされた事項が多数存在していたことなどに鑑みると、本件認可(その2)に先立ち、改めて環境影響評価が実施されなければならなかったと考えられる旨などを主張している。 しかしながら、本件認可(その1)と本件認可(その2)とは、本件 事業という同一の事業に係るものであり、便宜上、別個の処分とされた - 87 -ものにとどまると解されるところ、評価法2条5項において、環境影響評価を実施する主体である「事業者」が、「対象事業を実施しようとする者」と定義されていることなどに鑑みると、環境影響評価は、その対象事業の開始前にされるべきものであり、その開始後にされること 境影響評価を実施する主体である「事業者」が、「対象事業を実施しようとする者」と定義されていることなどに鑑みると、環境影響評価は、その対象事業の開始前にされるべきものであり、その開始後にされることは予定されていないものと考えられるし、逐条解説環境影響評価法でも、 「この法律の射程は、事業の実施前までであり、「事業を実施している者」は、事業者ではなくなる。」とされていることが認められる(乙92)。 そして、前記第2の2の前提事実に加え、証拠(丙1~7)又は弁論の全趣旨によれば、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、本 件認可(その2)に係る電気関係設備に関する点も、その対象とされていたことなどが認められるし(この点につき、例えば、愛知県には、電気関係設備である変電所(名城変電所)が建設される予定であるところ、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、それに伴う水資源等に係る環境影響、地盤沈下等に係る環境影響、大気の汚染、騒音、振動等 に係る環境影響、日照阻害や電波障害等に係る環境影響、動物、植物、生態系等に係る環境影響、景観等に係る環境影響等も、その対象とされていたことが認められる(丙7の1(8-1-1-2頁、8-1-1-3頁、8-1-1-23頁、8-1-1-31頁、8-1-1-32頁、8-1-1-36頁~8-1-1-38頁、8-1-1-53頁、8- 1-1-58頁~8-1-1-61頁、8-1-1-64頁、8-1-1-70頁、8-1-1-71頁、8-1-1-74頁、8-1-1-77頁、8-1-1-83頁、8-1-1-87頁、8-1-1-88頁、8-1-2-3頁、8-1-2-14頁、8-1-2-21頁、8-1-2-25頁、8-1-2-26頁、8-1-2-29頁、8-1 -2-35頁、 83頁、8-1-1-87頁、8-1-1-88頁、8-1-2-3頁、8-1-2-14頁、8-1-2-21頁、8-1-2-25頁、8-1-2-26頁、8-1-2-29頁、8-1 -2-35頁、8-1-2-40頁、8-1-2-41頁、8-1-3 - 88 --2頁、8-1-3-3頁、8-1-3-14頁、8-1-3-20頁、8-1-3-24頁、8-1-3-25頁、8-1-3-33頁、8-1-3-37頁、8-1-3-38頁、8-2-1-2頁、8-2-1-9頁、8-2-1-13頁、8-2-1-23頁、8-2-1-26頁、8-2-1-30頁、8-2-2-1頁、8-2-2-23頁、8 -2-2-33頁、8-2-3-1頁、8-2-3-14頁、8-2-3-19頁、8-3-1-1頁、8-3-1-9頁、8-3-1-10頁、8-3-2-1頁、8-3-2-5頁、8-3-2-8頁、8-3-3-3頁、8-3-3-13頁、8-3-3-17頁、8-3-4-1頁、8-3-4-3頁、8-3-4-7頁、8-3-5-1頁、8- 3-5-2頁、8-3-5-5頁、8-3-5-8頁、8-3-6-1頁、8-3-6-10頁、8-3-6-16頁、8-4-1-1頁、8-4-1-5頁、8-4-1-41頁、8-4-1-74頁、8-4-2-1頁、8-4-2-4頁、8-4-2-29頁、8-4-2-42頁、8-4-3-1頁、8-4-3-26頁、8-4-3-65頁、8 -5-1-1頁、8-5-1-8頁、8-5-1-9頁、8-5-1-14頁、8-5-2-1頁、8-5-2-12頁、8-5-2-17頁、8-6-1-1頁、8-6-1-4頁、8-6-1-5頁、8-6-2-1頁、8-6-2-10頁等)、3の2(事3-1-4頁、事3-2-6頁、事3-3-13頁、事3-4-1頁、事 、8-5-2-17頁、8-6-1-1頁、8-6-1-4頁、8-6-1-5頁、8-6-2-1頁、8-6-2-10頁等)、3の2(事3-1-4頁、事3-2-6頁、事3-3-13頁、事3-4-1頁、事3-4-3頁、環16 -2-1頁等))。)、本件認可(その2)に係る9条認可の申請の段階において、既に本件事業が開始していたことなどに鑑みても、本件認可(その2)に先立ち、改めて環境影響評価を実施すべき義務があったと解することはできないと考えられる。 以上で述べたところによれば、本件認可(その2)に先立つ環境影響 評価に関する点をもって、本件認可(その2)に違法があるとは認めら - 89 -れないものといえる。 ク周辺住民の参加権に関する点当裁判所は、周辺住民の参加権に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものと判断する。その理由は、次に述べるとおりである。 この点につき、原告らは、参加人の開催した説明会等では、マニュアルに沿った説明のみで、周辺住民からの質問に対しても、十分な説明がされることはなく、むしろ質問数の制限等がされていたことなどが認められるところ、これでは、環境の保全についての適正な配慮がなされるように、周辺住民にもその意思決定に参加する権利(参加権)を保障し た評価法の趣旨に反することになるし、この説明会等が事後的に行われている点でも問題があるといえる旨などを主張している。 しかしながら、以上で述べたように、評価法は、「環境情報の形成を図る観点」から、環境影響評価を実施する上で必要となる情報を的確かつ効率的に収集するために、配慮書の手続、方法書の手続、準備書の手 続、評価書の手続等を定めたものにとどまり、原告ら 報の形成を図る観点」から、環境影響評価を実施する上で必要となる情報を的確かつ効率的に収集するために、配慮書の手続、方法書の手続、準備書の手 続、評価書の手続等を定めたものにとどまり、原告らの主張するような参加権を保障する趣旨のものと解すべき法的な根拠は見当たらないし、ましてや、そこで述べられた意見等の全てに対して網羅的に回答したり、事業内容等に反映すべきことを当然に要請し得るものでもないから、これを前提とする原告らの主張は、いずれも採用の限りではないといえる。 なお、原告らは、質問数の制限等の点も問題としているが、開催時間等に限りがある中で、特定の者に偏ることなく、要点を押さえた質問を受けるために、一人当たりの質問数等を制限したとしても、それをもって、直ちに明らかに合理性を欠くなどということはできないし、本件評価書にも、事業者の見解として、「当日お時間の関係でお受けできなか ったご質問については、説明会後においても、環境保全事務所(神奈川) - 90 -で社員が対応しております。説明会終了後もさらに多くの方に中央新幹線計画についてよりご理解を深めて頂くため、説明会に用いた全てのスライドに加え、説明会で多く寄せられた質問とそれに対する回答を図表も交えてわかりやすく取りまとめ、平成25年10月23日より当社のホームページで公開しております。」と記載されていることなども認め ることができる(丙2の1(6-2-180頁等)等)。 さらに、前記第2の2の前提事実に加え、証拠(丙1~7)又は弁論の全趣旨によれば、参加人は、本件認可(その1)に先立ち、評価法の規定に則して、準備書説明会を開催したほか、その当時は義務付けられていなかった方法書説明会も自主的に開催していたことなどが認められ 論の全趣旨によれば、参加人は、本件認可(その1)に先立ち、評価法の規定に則して、準備書説明会を開催したほか、その当時は義務付けられていなかった方法書説明会も自主的に開催していたことなどが認められ るし、原告らの問題とする事後的に開催された説明会等については、そもそも本件認可後の事実にとどまるから、それをもって、本件認可の適法性が左右されるとは解し難いといえる。 また、原告らは、本件評価書の分量等に鑑みると、一般人をしてその縦覧に供された期間内に内容を理解して意見を述べることは困難であっ たといえる旨なども主張している。 しかしながら、評価法7条及び16条に規定する期間を超えて縦覧に供すべき義務があったと解する法的な根拠は見当たらないし、証拠(丙1~7)又は弁論の全趣旨によれば、本件では、実際に多数の者から意見が述べられていたこともうかがえるから、当該期間内に意見を述べる ことが著しく困難であったとまでは認められないものといえる。そして、その他に、本件全証拠を精査しても、参加人において評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則した手続が履践されていたことは明らかであるし、これを不相当とする理由も見当たらないから、本件において、何らかの手続上の瑕疵があったということはできないと考えられる。 以上で述べたところによれば、周辺住民の参加権に関する点をもって、 - 91 -本件認可に違法があるとは認められないものといえる。 ケその他の環境影響評価に関する点原告らは、①水資源等に関する点、②地盤沈下等に関する点、③「建設機械の稼働」等による大気の汚染、騒音、振動等に関する点、④「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等による騒音等に関する点、⑤磁 らは、①水資源等に関する点、②地盤沈下等に関する点、③「建設機械の稼働」等による大気の汚染、騒音、振動等に関する点、④「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等による騒音等に関する点、⑤磁 界に関する点、⑥日照阻害に関する点、⑦景観阻害に関する点及び⑧南アルプス等の自然環境に関する点などについて、るる主張した上で、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価をみても、環境の保全についての適正な配慮がなされておらず、国交大臣の判断は、裁量権の範囲を逸脱し又は濫用したものというほかないから、それに基づく本件認可については、違 法なものと認められるとしている。しかしながら、当裁判所は、これらの点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものと判断する。その理由は、次に述べるとおりである。 水資源等に関する点a この点につき、掲記の証拠又は弁論の全趣旨によれば、次の事実を 認めることができる。なお、この認定に沿わない主張や証拠については、いずれも採用の限りではないと考えられる。 ⒜ 参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「切土工等又は既存の工作物の除去」、「トンネルの工事」、「鉄道施設(トンネル)の存在」等に伴い「水の濁りが発生するおそれ があること」、「排水により水の汚れが発生するおそれがあること」、「地下水への影響のおそれがあること」、「水資源への影響のおそれがあること」などを踏まえ、この水質(水の濁りや水の汚れ)、地下水の水質及び水位、水資源等を本件7都県に係る環境影響評価の項目として選定した。また、参加人は、これに伴い「水底 の底質への影響のおそれがあること」などから、この水底の底質を - 92 -神奈川県、山梨県、静岡県、長野県及 る環境影響評価の項目として選定した。また、参加人は、これに伴い「水底 の底質への影響のおそれがあること」などから、この水底の底質を - 92 -神奈川県、山梨県、静岡県、長野県及び岐阜県に係る環境影響評価の項目として選定した。(丙1の1(7-1頁以下等)、2の1(7-1-1頁以下等)、3の1(7-1頁以下等)、4の1(7-1-1頁以下等)、5の1(7-1頁以下等)、6の1(7-1-1頁以下等)、7の1(7-1頁以下等)) そして、参加人は、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定した上で、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要等を整理して、本件評価書に記載することとした。(丙1の1(8-2-1-1頁以下等)、2の1(8-2-1-1頁以下等)、3の1(8-2-1-1頁以下等)、 4の1(8-2-1-1頁以下等)、5の1(8-2-1-1頁以下等)、6の1(8-2-1-1頁以下等)、7の1(8-2-1-1頁以下等))⒝ このうちの水質に関する本件評価書の記載事項等は、次のとおりである。 ⅰ まず、水の濁りに係る調査の手法をみると、本件評価書には、①調査すべき項目について、「浮遊物質量(SS)及び流量の状況、気象の状況、土質の状況とした。」などと記載され、②調査の基本的な手法のうち、「浮遊物質量(SS)及び流量の状況」について、別紙31の1の表を示した上で、「文献調査により、 公共用水域の水質測定結果等の文献、資料を収集し、経年変化を把握するため過去5ヶ年分のデータを整理した。現地調査方法を表8-2-1-1に示す。」などと記載されるとともに、「気象の状況」や「土質の状況」について、「現地調査日の天候を記 料を収集し、経年変化を把握するため過去5ヶ年分のデータを整理した。現地調査方法を表8-2-1-1に示す。」などと記載されるとともに、「気象の状況」や「土質の状況」について、「現地調査日の天候を記録し、降水による影響がないことを確認した。」、「対象となる公 共用水域の底質の状態についての現地調査により、粘土、シルト、 - 93 -砂、砂利、玉石、巨礫等の区分を行った。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、都市トンネル、非常口(都市部)、地下駅、変電施設を対象に切土工等又は既存の工作物の除去、トンネルの工事、工事施工ヤードの設置に係る水の濁りの影響を受けるおそれがあると認められる公 共用水域とした。」などと記載され、④調査地点について、「文献調査地点は、調査地域の内、既存の測定結果が存在する地点とした。現地調査地点は、調査地域の内、公共用水域の分布状況等を考慮し、浮遊物質量(SS)及び流量の現況を適切に把握することができる地点とした。」などと記載されている。(丙1の1 (8-2-1-1頁以下等)、2の1(8-2-1-1頁以下等)、3の1(8-2-1-1頁以下等)、4の1(8-2-1-1頁以下等)、5の1(8-2-1-1頁以下等)、6の1(8-2-1-1頁以下等)、7の1(8-2-1-1頁以下等)) また、水の汚れに係る調査の手法をみると、本件評価書には、①調査すべき項目について、「水素イオン濃度(pH)の状況、気象の状況、自然由来の重金属等の状況とした。なお、地下水及び土壌の自然由来の重金属等の調査は、「8-2-2 地下水の水質及び水位」及び「8-3-3 土壌汚染」に、地下水の酸性 化の調査は、「8-2-2 地下水の水質及び水位」及び た。なお、地下水及び土壌の自然由来の重金属等の調査は、「8-2-2 地下水の水質及び水位」及び「8-3-3 土壌汚染」に、地下水の酸性 化の調査は、「8-2-2 地下水の水質及び水位」及び「8-3-3 土壌汚染」に示す。」などと記載され、②調査の基本的な手法のうち、「水素イオン濃度(pH)の状況」について、別紙31の2の表を示した上で、「文献調査により、公共用水域の水質測定結果等の文献、資料を収集し、経年変化を把握するため 過去5ヶ年分のデータを整理した。現地調査方法を表8-2-1 - 94 --16に示す。」などと記載されるとともに、「気象の状況」や「自然由来の重金属等の状況」について、「現地調査日の天候を記録し、降水による影響がないことを確認した。」、「文献調査により、公共用水域の自然由来の重金属等関連の文献、資料を収集した。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実 施区域及びその周囲の内、都市トンネル、非常口(都市部)、地下駅、変電施設を対象に切土工等又は既存の工作物の除去、トンネルの工事に係る水の汚れの影響を受けるおそれがあると認められる公共用水域とした。」などと記載され、④調査地点について、「文献調査地点は、調査地域の内、既存の測定結果が存在する地 点とした。現地調査地点は、調査地域の内、公共用水域の分布状況等を考慮し、水素イオン濃度(pH)の現況を適切に把握することができる地点とした。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-1-23頁以下等)、2の1(8-2-1-27頁以下等)、3の1(8-2-1-40頁以下等)、4の1(8-2 -1-17頁以下等)、5の1(8-2-1-27頁以下等)、6の1(8-2-1-30頁以下等)、7の1(8-2-1-23頁以下等)) )、3の1(8-2-1-40頁以下等)、4の1(8-2 -1-17頁以下等)、5の1(8-2-1-27頁以下等)、6の1(8-2-1-30頁以下等)、7の1(8-2-1-23頁以下等))なお、その他にも、例えば、神奈川県では、「鉄道施設(駅、車両基地)の供用」に係る「生物化学的酸素要求量(BOD)の 状況、全窒素及び全燐の状況」も調査の対象に挙げられているところ、神奈川県に係る本件評価書には、①これらに係る調査の基本的な手法について、別紙31の3及び4の表を示した上で、「文献調査により、公共用水域の水質測定結果等の文献、資料を収集し、経年変化を把握するため過去5ヶ年分のデータを整理し た。現地調査方法を表8-2-1-20に示す。」、「文献調査 - 95 -により、津久井湖の河川流入量、水質測定結果等の文献、資料を収集し、経年変化を把握するため過去3ヶ年分のデータを整理した。現地調査方法を表8-2-1-21に示す。」などと記載され、②これらに係る調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、車両基地を対象に鉄道施設(車両基地)の供用に 係る水の汚れの影響を受けるおそれがある河川とした。」、「対象事業実施区域及びその周囲の内、車両基地を対象に鉄道施設(車両基地)の供用に係る水の汚れの影響を受けるおそれがある湖沼とした。」などと記載され、③これらに係る調査地点について、「現地調査地点は、調査地域の内、公共用水域の分布状況等 を考慮し、(中略)生物化学的酸素要求量(BOD)の現況を適切に把握することができる地点とし、(中略)全窒素及び全燐については、串川が串川導水路を経由して津久井湖へ流入することを考慮し、導水路流入口である串川取水堰付近にて調査を行った。」などと記 況を適切に把握することができる地点とし、(中略)全窒素及び全燐については、串川が串川導水路を経由して津久井湖へ流入することを考慮し、導水路流入口である串川取水堰付近にて調査を行った。」などと記載されている。(丙2の1(8-2-1-27頁 以下等))さらに、長野県では、水質(水の濁りや水の汚れ)に係る「現地調査期間は豊水時及び低水時の2回とし」、具体的には、豊水時は「平成24年7月19、24、25、26日」、低水時は「平成24年12月17、19、20、21日」とするとされて いるところ、この点につき、長野県に係る本件評価書には、「水質調査の項目は、「道路環境影響評価の技術手法(2007年、㈶道路環境研究所)等を参考に設定し、回数は、北海道新幹線や九州新幹線等の環境影響評価での現地調査の回数を参考に設定しました。」などと記載されている。(丙5の1(5-233頁、 8-2-1-9頁、8-2-1-29頁等) - 96 -ⅱ また、水の濁りに係る予測の手法をみると、本件評価書には、①予測項目について、「切土工等又は既存の工作物の除去」等に係る「浮遊物質量(SS)による影響とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、これらに係る「浮遊物質量(SS)による影響について、配慮事項を明らかにすることにより定 性的に予測した。」などと記載され、③予測地点について、これらに係る「水の濁りの影響を受けるおそれがあると認められる地域とした。」などと記載され、④予測地点について、「予測地域の内、公共用水域の分布状況を考慮し」、これらに係る「水の濁りの影響を適切に予測することができる地点とした。」などと記 載され、⑤予測対象時期等について、「工事中とした。」などと記 予測地域の内、公共用水域の分布状況を考慮し」、これらに係る「水の濁りの影響を適切に予測することができる地点とした。」などと記 載され、⑤予測対象時期等について、「工事中とした。」などと記載され、⑥予測条件の設定について、これらに伴い「発生する濁水は、発生水量を考慮した処理能力を備えた濁水処理設備を設置し、法令等に基づく排水基準を踏まえ、適切に処理をして公共用水域へ排水することを予測の前提条件とした。」などと記載さ れている。(丙1の1(8-2-1-9頁以下等)、2の1(8-2-1-12頁以下等)、3の1(8-2-1-17頁以下等)、4の1(8-2-1-8頁以下等)、5の1(8-2-1-12頁以下等)、6の1(8-2-1-16頁以下等)、7の1(8-2-1-9頁以下等)) さらに、水の汚れに係る予測の手法をみると、本件評価書には、①予測項目について、「切土工等又は既存の工作物の除去」等に係る「水素イオン濃度(pH)、自然由来の重金属等、地下水の酸性化による影響とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、これらに係る「水素イオン濃度(pH)、自然由 来の重金属等、地下水の酸性化による影響について、配慮事項を - 97 -明らかにすることにより定性的に予測した。」などと記載され、③予測地域について、これらに係る「水の汚れの影響を受けるおそれがあると認められる地域とした。」などと記載され、④予測地点について、「予測地域の内、公共用水域の分布状況を考慮し」、これらに係る「水の汚れの影響を適切に予測することがで きる地点とした。」などと記載され、⑤予測対象時期等について、「工事中とした。」などと記載され、⑥予測条件の設定について、これらに伴い「発生する可能性のあるア れの影響を適切に予測することがで きる地点とした。」などと記載され、⑤予測対象時期等について、「工事中とした。」などと記載され、⑥予測条件の設定について、これらに伴い「発生する可能性のあるアルカリ排水、自然由来の重金属等に汚染された水、酸性化排水は、法令等に基づく排水基準を踏まえ、適切に処理をして公共用水域へ排水することを予測 の前提条件とした。」などと記載されている(ただし、山梨県、長野県及び岐阜県に係る本件評価書(長野県及び岐阜県に係る本件評価書については、「切土工等又は既存の工作物の除去」に係る部分に限る。)では、専ら水素イオン濃度(pH)を予測の対象としている。)。(丙1の1(8-2-1-26頁以下等)、 2の1(8-2-1-35頁以下等)、3の1(8-2-1-44頁以下等)、4の1(8-2-1-21頁以下等)、5の1(8-2-1-33頁以下等)、6の1(8-2-1-38頁以下等)、7の1(8-2-1-26頁以下等))なお、その他にも、例えば、神奈川県では、「鉄道施設(車両 基地)の供用」に係る生物化学的酸素要求量(BOD)や全窒素及び全燐も予測の対象として挙げられているところ、神奈川県に係る本件評価書には、①これらに係る予測の基本的な手法について、予測手順や予測式を示した上で、「鉄道施設(車両基地)の供用に係る生物化学的酸素要求量(BOD)について、完全混合 式を用いて定量的に予測した。」、「車両基地排水の津久井湖へ - 98 -の影響の程度を、津久井湖に流入する河川による全窒素及び全燐の負荷量と車両基地の排水による負荷量の割合により予測する。」などと記載され、②これらに係る予測地点について、「水の汚れの影響を受けるおそれがあると認められる地域とした。」など による全窒素及び全燐の負荷量と車両基地の排水による負荷量の割合により予測する。」などと記載され、②これらに係る予測地点について、「水の汚れの影響を受けるおそれがあると認められる地域とした。」などと記載され、③予測地点について、「予測地域の内、公共用水域の 分布状況を考慮し、鉄道施設(車両基地)の供用に係る水の影響を適切に予測することができる地点とした。」などと記載され、④予測対象時期等について、「影響が最大となる鉄道施設(車両基地)の供用開始後とした。」などと記載され、⑤予測条件の設定について、別紙32の1及び2の表を示した上で、「排出され る水は法令に基づく排水基準に適合するよう処理することを予測の前提条件とした。(中略)排水中の生物化学的酸素要求量(BOD)は、「大気汚染防止法第4条第1項の規定による排出基準及び水質汚濁防止法第3条第3項の規定による排水基準を定める条例」(昭和46年神奈川県条例第52号)に基づき、甲水域の 水質保全湖沼等における許容限度の日間平均を許容限度として排水を管理するものとし、この想定において予測する。排水量及び生物化学的酸素要求量(BOD)を表8-2-1-39、排水量の内訳を表8-2-1-40に示す。」、「車両基地排水は、「大気汚染防止法第4条第1項の規定による排出基準及び水質汚 濁防止法第3条第3項の規定による排水基準を定める条例」における全窒素及び全燐の許容限度の日間平均を許容限度として排出を管理するものとし、この想定において予測する。予測の条件を表8-2-1-42、車両基地からの排水のうち全窒素及び全燐に影響を及ぼす排水量の内訳を表8-2-1-43に示す。」、 「全窒素及び全燐について最新の値である平成24年度の値を使 - 99 -用する。流入量に からの排水のうち全窒素及び全燐に影響を及ぼす排水量の内訳を表8-2-1-43に示す。」、 「全窒素及び全燐について最新の値である平成24年度の値を使 - 99 -用する。流入量についても、これに対応し、平成24年度の値を使用する。また、津久井湖における全窒素及び全燐の濃度は、津久井湖に流入する河川に起因するものとして予測を行った。」などと記載されている。(丙2の1(8-2-1-47頁以下等))ⅲ 次に、水の濁りに係る評価の手法をみると、本件評価書には、 「事業者により実行可能な範囲内で回避又は低減されているか検討を行った。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-1-13頁等)、2の1(8-2-1-16頁等)、3の1(8-2-1-31頁等)、4の1(8-2-1-12頁等)、5の1(8-2-1-17頁等)、6の1(8-2-1-20頁等)、 7の1(8-2-1-13頁等))また、水の汚れに係る評価の手法をみると、本件評価書には、「事業者により実行可能な範囲内で回避又は低減されているか検討を行った。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-1-29頁等)、2の1(8-2-1-41頁等)、3の1(8- 2-1-48頁等)、4の1(8-2-1-24頁等)、5の1(8-2-1-38頁等)、6の1(8-2-1-43頁等)、7の1(8-2-1-30頁等))なお、その他にも、例えば、神奈川県に係る本件評価書には、「鉄道施設(車両基地)の供用」に伴う生物化学的酸素要求量 (BOD)や全窒素及び全燐に係る評価の手法として、回避又は低減に係る評価については、「事業者により実行可能な範囲内で回避又は低減がなされているか検討を行」い、基準又は目標との整合 要求量 (BOD)や全窒素及び全燐に係る評価の手法として、回避又は低減に係る評価については、「事業者により実行可能な範囲内で回避又は低減がなされているか検討を行」い、基準又は目標との整合性の検討については、「「生活環境の保全に関する環境基準」(昭和46年環境庁告示第59号)との整合が図られているか検 討を行った。」などと記載されている。(丙2の1(8-2-1 - 100 --56頁等))ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、本件評価書に記載したものであるところ、この本件評価書には、①水の濁りに係る予測の結果として、「都市トンネルの工事においては、裏込め注入 材とセグメント継手部止水シール材等を適切に用いることから、漏水が生じることはほとんどないと予測する。非常口(都市部)の工事においては、止水性の高い地中連続壁を設けることから、工事排水及び漏水が生じることはほとんどないと予測する。以上より、トンネルの工事に伴い発生する濁水はわずかであること、 また発生する濁水についても水量を考慮した処理能力を備えた濁水処理設備を設置し、「水質汚濁防止法に基づく排水基準(昭和46年総理府令第35号、改正平成24年環境省令第15号)」及び「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」に基づいて定められた排水基準を踏まえ、適切に処理をして公共用水域へ 排水することから、公共用水域への水の濁りの影響は小さいものと予測する。」などと記載されている(なお、その他にも、例えば、神奈川県に係る本件評価書には、「文献調査では、環境基準の超過はなかった。また、切土工等又は既存の工作物の除去に伴い発生する濁水は、沈砂池等による処理のほか、必要に いる(なお、その他にも、例えば、神奈川県に係る本件評価書には、「文献調査では、環境基準の超過はなかった。また、切土工等又は既存の工作物の除去に伴い発生する濁水は、沈砂池等による処理のほか、必要に応じて法 令に基づく排水基準等を踏まえ、適切に処理をして公共用水域へ排水する。さらに公共用水域内での工事の実施においては、止水性の高い仮締切工及び流路の切回し等により、掘削による濁水が河川に直接流れ込まない対策を実施し、濁水は沈砂池等による処理のほか、必要に応じて法令に基づく排水基準等を踏まえ、適切 に処理し、公共用水域へ排水することから、周辺公共用水域への - 101 -水の濁りの影響は小さいものと予測する。」などと記載されている。)。そして、本件評価書には、②水の濁りに係る環境保全措置について、「工事排水の適切な処理」、「工事排水の監視」、「処理施設の点検・整備による性能維持」、「下水道への排水」等を実施する旨などが記載されている(なお、その内容として、 例えば、神奈川県に係る本件評価書のうち、「切土工等又は既存の工作物の除去」に係る水の濁りに関する部分には、別紙33の1の表のとおりの記載がされている。)。これを受け、本件評価書には、③水の濁りに係る評価の結果について、この「環境保全措置を確実に実施することから」、「切土工等又は既存の工作物 の除去」等に係る「水の濁りの影響の回避又は低減が図られていると評価する。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-1-1頁以下等)、2の1(8-2-1-1頁以下等)、3の1(8-2-1-1頁以下等)、4の1(8-2-1-1頁以下等)、5の1(8-2-1-1頁以下等)、6の1(8-2-1 -1頁以下等)、7の1(8-2-1-1頁以下等)) の1(8-2-1-1頁以下等)、4の1(8-2-1-1頁以下等)、5の1(8-2-1-1頁以下等)、6の1(8-2-1 -1頁以下等)、7の1(8-2-1-1頁以下等))また、本件評価書には、①水の汚れに係る予測の結果として、「切土工等又は既存の工作物の除去に伴い発生する可能性のあるアルカリ排水は、発生水量を考慮した処理能力を備えた処理設備を設置し、「水質汚濁防止法に基づく排水基準(昭和46年総理 府令第35号、改正平成24年環境省令第15号)」及び「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」に基づいて定められた排水基準を踏まえ、適切に処理をして公共用水域へ排水することから、公共用水域への水の汚れの影響は小さいものと予測する。」、「自然由来の重金属等は、「8-2-2 地下水の水質 及び水位」及び「8-3-3 土壌汚染」に記載のとおり、環境 - 102 -基準を超える土壌及び地下水が確認されており、掘削による排水が自然由来の重金属等に汚染されている可能性があるが、法令等に基づく排水基準を踏まえ、適切に処理をして公共用水域へ排水することから、公共用水域への水の汚れの影響は小さいものと予測する。」、「地下水の酸性化は、「8-3-3 土壌汚染」よ り対象事業実施区域及びその周囲における地層の一部では、長期にわたって空気に触れた場合に地下水を酸性化する恐れのある地盤が確認された。しかし、止水性の高い地中連続壁等で地下水を止水した後、掘削するため、地盤及び地下水が長期に直接空気に触れることがなく、地下水が酸性化することはほとんどない。発 生した酸性水については、化学反応の抑制及び排水の中和処理等を行い、法令等に基づく排水基準を踏まえ、適切に処理をして公共用水域へ排水すること がなく、地下水が酸性化することはほとんどない。発 生した酸性水については、化学反応の抑制及び排水の中和処理等を行い、法令等に基づく排水基準を踏まえ、適切に処理をして公共用水域へ排水することから、公共用水域への水の汚れの影響は小さいものと予測する。」などと記載されている(なお、例えば、山梨県に係る本件評価書には、「自然由来の重金属等は、(中略) 対象事業実施区域及びその周囲において調査した結果、環境基準に適合しない自然由来の重金属等の存在が確認されなかったため、トンネルの工事に伴う公共用水域の水の汚れへの影響はないと予測する。」、「地下水の酸性化は、(中略)対象事業実施区域及びその周囲において調査した結果、酸性化による長期的な溶出可 能性が認められなかったため、トンネルの工事に伴う公共用水域の水の汚れへの影響はないと予測する。」などと記載されている。)。そして、本件評価書には、②水の汚れに係る環境保全措置について、「工事排水の適切な処理」、「工事排水の監視」、「処理施設の点検・整備による性能維持」、「下水道への排水」 等を実施する旨などが記載されている(なお、その内容として、 - 103 -例えば、神奈川県に係る本件評価書のうち、「切土工等又は既存の工作物の除去」に係る水の汚れに関する部分には、別紙33の2の表のとおりの記載がされている。)。これを受け、本件評価書には、③水の汚れに係る評価の結果について、この「環境保全措置を確実に実施することから」、「切土工等又は既存の工作物 の除去」等に係る「水の汚れの影響の回避又は低減が図られていると評価する。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-1-26頁以下等)、2の1(8-2-1-35頁以下等)、3の1(8-2-1-44頁以下等)、4の1( 汚れの影響の回避又は低減が図られていると評価する。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-1-26頁以下等)、2の1(8-2-1-35頁以下等)、3の1(8-2-1-44頁以下等)、4の1(8-2-1-21頁以下等)、5の1(8-2-1-33頁以下等)、6の1(8 -2-1-38頁以下等)、7の1(8-2-1-26頁以下等))なお、その他にも、例えば、神奈川県に係る本件評価書には、「鉄道施設(車両基地)の供用」に係る生物化学的酸素要求量(BOD)や全窒素及び全燐について、①これらに係る環境保全 措置として、「鉄道施設からの排水の適切な処理」、「処理施設の点検・整備による性能維持」、「使用水量の節約(節水)」等を実施する旨などが記載されている(その内容は、別紙33の3の表のとおりである。)。そして、神奈川県に係る本件評価書には、②これらに係る評価の結果として、回避又は低減に係る評価 については、この「環境保全措置を確実に実施することから」、「鉄道施設(車両基地)の供用に係る水の汚れの影響の低減が図られていると評価する。」などと記載され、基準又は目標との整合性の検討についても、生物化学的酸素要求量(BOD)に関し、別紙34の1の表を示した上で、「予測結果は基準値を下回って おり、環境基準との整合が図られていると評価する。」などと記 - 104 -載され、全窒素及び全燐に関しても、「「水質汚濁に係る環境基準について」(昭和46年環境庁告示第59号)に環境基準の記載があるが、現況においてすでに超過が認められる。なお、平成26年度までの暫定目標として全窒素1.4mg/L、全燐0. 048mg/Lと設定されているところであり、全窒素現況値1. 0mg/Lに負荷量0.22%を加 いてすでに超過が認められる。なお、平成26年度までの暫定目標として全窒素1.4mg/L、全燐0. 048mg/Lと設定されているところであり、全窒素現況値1. 0mg/Lに負荷量0.22%を加算しても暫定目標値1.4に対して、それを超過することはないと考える。また、全燐については現況値0.049であり、負荷量0.63%を加算しても、大きく悪化することはなく、現況値とほぼ同値である。したがって、車両基地からの排水による津久井湖への影響の程度は小さい と評価する。車両基地計画地周辺の地域は、相模原市条例「相模原市高度処理型浄化槽の設置及び管理に関する条例」(平成21年3月26日条例第14号)により、市が行う高度処理型浄化槽の設置及び維持管理により、し尿等の処理を行おうとする整備区域に指定されているなど、全窒素及び全燐の排出削減の取り組み を実施している地域であることを踏まえ、使用水量の節約や処理設備の点検・整備を確実に行うことで、今後、より影響の低減を図ることを考えていく。」などと記載されている。(丙2の1(8-2-1-47頁以下等))さらに、神奈川県に係る本件評価書には、①「関東車両基地か らの排水の考え方」について、「関東車両基地の排水については2つの河川(串川、串川支川)に分割して排水することを想定しているが、予測及び評価においては各々の河川に全ての排水を排出すると仮定して計算を各々行った。したがって、各河川における個別の実排水量は、予測及び評価における値よりも小さな値と なる想定であり、予測及び評価として適切であると考えられる。」 - 105 -などと記載されているほか、②「相模原市条例「相模原市高度処理型浄化槽の設置及び管理に関する条例」」について、別紙32の3 り、予測及び評価として適切であると考えられる。」 - 105 -などと記載されているほか、②「相模原市条例「相模原市高度処理型浄化槽の設置及び管理に関する条例」」について、別紙32の3の表を示した上で、「関東車両基地計画地周辺の地域は、相模原市条例の「相模原市高度処理型浄化槽の設置及び管理に関する条例」により、市が行う高度処理型浄化槽の設置及び維持管理 により、し尿等の処理を行おうとする整備区域に指定されている。 この条例は、生活排水の適正な処理の促進を図り、公共用水域の水質保全に資することを目的とするものである。条例に記載のある高度処理型浄化槽の除去能力を表6-4-1に示す。」、「本条例の適用については、今後関係自治体と協議を行った上で適用 を検討していくが、参考までに、この条例に記載される高度処理型浄化槽の能力を関東車両基地排水の負荷量の予測条件とした場合の予測結果について、表6-4-2に示す。この条例を適用した場合、影響度としてはさらに小さい値となる。」などと記載されている。(丙2の2(環6-3-1頁、環6-4-1頁以下等) なお、静岡県、長野県及び岐阜県における生物化学的酸素要求量(BOD)に係る評価の結果は、別紙34の2から4までの表のとおりである。(丙4の1(8-2-1-31頁等)、5の1(8-2-1-50頁等)、6の1(8-2-1-54頁等))ⅴ また、本件評価書には、「本編第10章に示す事後調査とは別 に、工事中及び供用後の環境管理を適切に行うことを目的に、事業者の自主的な取り組みとして、(中略)工事期間中及び(中略)完成後のモニタリング(測定)を実施」する旨などが記載されており、水質についても、「「水質汚濁に係る環境基準」に定める測定方法」等 、事業者の自主的な取り組みとして、(中略)工事期間中及び(中略)完成後のモニタリング(測定)を実施」する旨などが記載されており、水質についても、「「水質汚濁に係る環境基準」に定める測定方法」等によるモニタリングの実施が予定されている。(丙 1の2(環20-1頁以下等)、2の2(環25-1頁以下等)、 - 106 -3の2(環22-1頁以下等)、4の2(環14-1頁以下等)、5の2(環20-1頁以下等)、6の2(環20-1頁以下等)、7の2(環19-1頁以下等))ⅵ さらに、長野県に係る本件評価書には、「トンネルの工事における水の汚れについて、自然由来の重金属等の調査項目に亜鉛を 加えて予測評価を行い、結果を評価書に記載すること。」などを求める長野県知事の意見に対する事業者の見解として、「本事業では、トンネル工事に伴う排水に含まれる自然由来の重金属等による水の汚れへの影響が考えられることから、準備書では「地下水の水質汚濁に係る環境基準について」において環境基準が定め られている自然由来の重金属等を調査対象としました。一方、小日影山周辺には小日影鉱山跡が存在し、小渋川では過去に亜鉛の含有量が水生生物の保全に係る水質環境基準を超過したことが確認されていることから、資料編に記載のとおり、トンネルの工事による水の汚れ(亜鉛)について調査、予測及び評価を実施しま した。調査結果などから周辺公共用水域への影響は小さいと予測しました。」などと記載されている。(丙5の1(6-201頁等))ⅶ その他にも、愛知県に係る本件評価書には、「工事の実施に伴う排水(中略)について、水量及び水質が定量的に示されていな いため、排水の量及び項目ごとの濃度を示すこと。また、排水は、現地 ⅶ その他にも、愛知県に係る本件評価書には、「工事の実施に伴う排水(中略)について、水量及び水質が定量的に示されていな いため、排水の量及び項目ごとの濃度を示すこと。また、排水は、現地調査において浮遊物質量が比較的低い値であった内津川にも流入することが考えられることから、放流先の河川の状況を踏まえた予測及び評価を行うこと。」などを求める愛知県知事の意見に対する事業者の見解として、「工事の実施に伴う工事排水につ いては、準備書にも記載のとおり、排出先の公共用水域における - 107 -基準や法令に基づく排水基準や放流先の河川の状況を踏まえ、必要により水量に応じた濁水処理施設を設け、水質の改善を図った上で放流することで、環境への影響を確実に低減できるものと考えています。本事業における環境影響評価においては、他の事業における事例も踏まえ、こうした環境保全措置の実施を前提とし て置いた上で、定性的な予測を実施しております。なお、評価書では、現段階で想定される放流先について、資料編5-1に記載いたしました。」などと記載されている。(丙7の1(6-3-9頁等))⒞ また、水底の底質に関する神奈川県、山梨県、静岡県、長野県及 び岐阜県に係る本件評価書の記載事項等は、次のとおりである。 ⅰ まず、調査の手法をみると、神奈川県、山梨県、静岡県、長野県及び岐阜県に係る本件評価書には、①調査すべき項目について、「水底の底質の状況とした。」などと記載され、②調査の基本的な手法について、「文献調査により、文献、資料を収集し整理し た。文献調査の結果を踏まえ、過去、現在において水底の底質の汚染が認められた地域の有無等について関係自治体等にヒアリングを行った。」などと記載され、③調査地 により、文献、資料を収集し整理し た。文献調査の結果を踏まえ、過去、現在において水底の底質の汚染が認められた地域の有無等について関係自治体等にヒアリングを行った。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、高架橋・橋梁を対象に切土工等又は既存の工作物の除去に伴い河床の掘削を行う河川とした。」な どと記載され、④調査地点について、「調査地域の内、既存の測定結果が存在する地点とした。」などと記載されている。(丙2の1(8-2-2-1頁以下等)、3の1(8-2-2-1頁以下等)、4の1(8-2-2-1頁以下等)、5の1(8-2-2-1頁以下等)、6の1(8-2-2-1頁以下等)) なお、その他にも、例えば、長野県及び岐阜県では、調査の基 - 108 -本的な手法として、「現地調査」も挙げられており、これらに係る本件評価書には、「文献調査結果などを踏まえて調査項目等を設定した。調査方法は「底質調査方法」(平成24年8月環水大水発120725002号)に定める測定方法に準拠した。」などと記載されている。(丙5の1(8-2-2-1頁以下等)、 6の1(8-2-2-1頁以下等))ⅱ また、予測の手法をみると、神奈川県、山梨県、静岡県、長野県及び岐阜県に係る本件評価書には、①予測項目について、「切土工等又は既存の工作物の除去に係る水底の底質への影響とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、「工事 の実施に伴う水底の底質に起因する周辺への影響を明らかにすることにより定性的に予測した。」などと記載され、③予測地域について、「高架橋・橋梁及び高架橋・橋梁の施工に伴う工事用桟橋を対象に切土工等又は既存の工作物の除去に伴い河床の掘削 への影響を明らかにすることにより定性的に予測した。」などと記載され、③予測地域について、「高架橋・橋梁及び高架橋・橋梁の施工に伴う工事用桟橋を対象に切土工等又は既存の工作物の除去に伴い河床の掘削等を行う河川とした。」などと記載され、④予測地点について、 「予測地域の内、公共用水域の分布状況を考慮し、切土工等又は既存の工作物の除去に係る水底の底質に起因する影響を適切に予測することができる地点とし」たなどと記載され、⑤予測対象時期等について、「工事中とした。」などと記載されている。(丙2の1(8-2-2-3頁以下等)、3の1(8-2-2-2頁 以下等)、4の1(8-2-2-2頁以下等)、5の1(8-2-2-10頁以下等)、6の1(8-2-2-11頁以下等))ⅲ 次に、評価の手法をみると、神奈川県、山梨県、静岡県、長野県及び岐阜県に係る本件評価書には、「事業者により実行可能な範囲内で回避又は低減がなされているか検討を行った。」などと 記載されている。(丙2の1(8-2-2-9頁等)、3の1 - 109 -(8-2-2-14頁等)、4の1(8-2-2-2頁等)、5の1(8-2-2-17頁等)、6の1(8-2-2-18頁等))ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、神奈川県、山梨県、 静岡県、長野県及び岐阜県に係る本件評価書に記載したものであるところ、これらの本件評価書には、①予測の結果として、「文献調査の結果、予測地点において、水底の底質の汚染は確認されなかった。また、本件事業では、工事の実施において有害物質を新たに持ち込む作業は含まれていないことから、切土工等又は既 存の工作物の除去に係る水底の底質へ において、水底の底質の汚染は確認されなかった。また、本件事業では、工事の実施において有害物質を新たに持ち込む作業は含まれていないことから、切土工等又は既 存の工作物の除去に係る水底の底質への影響はないものと予測する。」などと記載されている。そして、これらの本件評価書には、②環境保全措置について、「河川内工事における工事排水の適切な処理」等を実施する旨などが記載されている(なお、その内容として、例えば、神奈川県に係る本件評価書には、別紙35の表 のとおりの記載がされている。)。これを受け、これらの本件評価書には、③評価の結果について、この「環境保全措置を確実に実施することから、切土工等又は既存の工作物の除去に係る水底の底質への影響の低減が図られていると評価する。」などと記載されている。(丙2の1(8-2-2-1頁以下等)、3の1 (8-2-2-1頁以下等)、4の1(8-2-2-1頁以下等)、5の1(8-2-2-1頁以下等)、6の1(8-2-2-1頁以下等))なお、その他にも、例えば、長野県に係る本件評価書には、「ヒアリングの結果、小河内沢川の上流において小日影銅山跡が 確認されたことから、河床の掘削等を行う地点の上流において現 - 110 -地調査を実施した結果、水底の底質に汚染は認められなかった。」などと記載されており、岐阜県に係る本件評価書には、「文献調査及びヒアリングを行った結果、一部の箇所において、地下水の水質の環境基準超過項目及び自然由来の重金属等による水質異常の事例が確認されているが、現地調査の結果、河床の掘削を行う 水底の底質に汚染は認められなかった。」などと記載されている。 (丙5の1(8-2-2-16頁等)、6の1(8-2-2-17頁等)) 認されているが、現地調査の結果、河床の掘削を行う 水底の底質に汚染は認められなかった。」などと記載されている。 (丙5の1(8-2-2-16頁等)、6の1(8-2-2-17頁等))⒟ さらに、地下水の水質及び水位に関する本件評価書の記載事項等は、次のとおりである。 ⅰ まず、調査の手法をみると、本件評価書には、①調査すべき項目について、「地下水の水質の状況」に係る「調査項目は、水温、透視度、電気伝導率、自然由来の重金属等及び地下水の酸性化とした。なお、自然由来の重金属等の測定項目は、カドミウム、六価クロム、水銀、アルキル水銀、セレン、鉛、ひ素、ふっ素、ほ う素とした。地下水の酸性化の測定項目は、pH、硫酸イオン、溶存酸素量、酸化還元電位、硫化物イオンとした。」、「地下水の水位の状況」に係る「調査項目は、水位とした。」などと記載され、②調査の基本的な手法のうち、「地下水の水質の状況」について、別紙36の1の表を示した上で、「文献調査により、既 存の井戸、湧水等の分布状況及び測定結果等の文献、資料を収集し、整理した。なお、文献調査を補完するため、関係自治体等へのヒアリングを行った。現地調査の方法を表8-2-2-1に、地下水の酸性化の測定項目の試験方法を表8-2-2-2に、それぞれ示す。」などと記載され、「地下水の水位の状況」につい ては、別紙36の2の表を示した上で、「文献調査により、井戸、 - 111 -湧水等の分布状況及び測定結果等の文献、資料を収集し、整理した。また、文献調査を補完するため、関係自治体等へのヒアリングを行った。現地調査の方法を表8-2-2-3に示す。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、都市トンネル、非常 、文献調査を補完するため、関係自治体等へのヒアリングを行った。現地調査の方法を表8-2-2-3に示す。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、都市トンネル、非常口(都市部)、地上駅、変電施設 を対象に切土工等又は既存の工作物の除去、トンネルの工事及び鉄道施設(トンネル、駅、変電施設)の存在に係る地下水の水質及び水位への影響が生じるおそれがあると認められる地域とした。」などと記載され、④調査地点について、「現地調査地点は、調査地域の内、住居等の分布状況及び利用状況を考慮し、地下水 の現況を適切に把握できる地点として、当社が設置した観測井と、湧水を設定した。観測井での調査においては、浅い深度での地下水を対象とする観測井を浅層観測井とし、深い深度での地下水を対象とする観測井を深層観測井として調査を行った。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-2-1頁以下等)、2の1 (8-2-3-1頁以下等)、3の1(8-2-3-1頁以下等)、4の1(8-2-3-1頁以下等)、5の1(8-2-3-1頁以下等)、6の1(8-2-3-1頁以下等)、7の1(8-2-2-1頁以下等))なお、その他にも、例えば、東京都に係る本件評価書には、地 下水の水質及び水位に係るものを含め、「国土交通省令の参考手法や「道路マニュアル」に示された手法を参考にしつつ必要に応じ専門家の意見を伺いながら適切に調査を進め、実績のある手法を用いて予測を行い、国や自治体が定めている基準・目標等がある場合、それらとの整合が図られているか、環境保全措置を講じ ることにより、事業者により実行可能な範囲内でできる限り回避 - 112 -又は低減が図られているかという点に着目して評価し、その結果 らとの整合が図られているか、環境保全措置を講じ ることにより、事業者により実行可能な範囲内でできる限り回避 - 112 -又は低減が図られているかという点に着目して評価し、その結果をまとめております。」、「調査地域、調査地点は、予測すべき範囲を見込んだうえで、その地域の状況を把握できる地点として、影響範囲や保全の対象と考えられる住居等から選定しており、十分であると考えています。」などと記載されている。(丙1の1 (6-2-41頁、6-2-91頁等))さらに、例えば、長野県に係る本件評価書には、①「水質(水温、pH、透視度、電気伝導率、自然由来の重金属等)」の調査項目については、「平成24年12月10日~26日」を調査期間等(現地調査期間)とし、②「水位」の調査項目については、 「夏季:平成24年8月20日~30日」、「秋季:平成24年10月22日~30日」、「冬季:平成24年12月10日~26日」及び「春季:平成25年3月26日~4月12日」を調査期間等(現地調査期間)とする旨が記載されているほか、これを含む手法の選定理由として、「事業特性及び地域特性を踏まえ、 調査・予測及び評価の手法については、他事例を参考に一般的に広く用いられている手法を選定した。」などと記載されている。 (丙5の1(7-23頁、8-2-3-21頁等)ⅱ また、予測の手法をみると、本件評価書には、①予測項目について、「切土工等又は既存の工作物の除去及び鉄道施設(駅、変 電施設)の存在に係る地下水への影響とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、地下水の水質に関しては、「地下水の水質、地盤、施工位置及び施工方法を勘案して、定性的に予測し」、地下水の水位に関しては、「三次 下水への影響とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、地下水の水質に関しては、「地下水の水質、地盤、施工位置及び施工方法を勘案して、定性的に予測し」、地下水の水位に関しては、「三次元浸透流解析を用いて定量的手法により予測した。」、「非常口(都市部)は三次元 浸透流解析により定量的手法とし、その他トンネル区間は定性的 - 113 -手法により予測をした。なお、三次元浸透流解析の解析範囲にあるトンネル区間については、定量的手法により予測した。」、「山岳トンネル及び非常口(山岳部)は、高橋の水文学的方法(「トンネル湧水に関する応用地質学的考察」(昭和37年、鉄道技術研究報告第279号))により、トンネル内に地下水が流 入する可能性のある範囲(以下、予測検討範囲とする。)を求め、水文地質的検討から地下水の水位への影響を定性的手法により予測した。」などと記載され、③予測地域について、「地下水への影響が生じるおそれがあると認められる地域として、調査地域と同様とした。」などと記載され、④予測対象時期等について、地 下水の水質に関しては、「工事中及び鉄道施設(駅、変電施設)の完成後とし」、地下水の水位に関しては、「地下水の水位への影響が最も大きくなる時期として、鉄道施設(駅、変電施設)の完成後とした。」などと記載され、⑤予測条件の設定について、定量的手法による地下水の水位に係る「解析は、有限要素法によ る三次元浸透流解析を用いた。プログラムは、UNSAFを使用した。」、「地層及びその入力物性値は、文献調査及び地質調査より設定した。」、「地下水位は調査結果に基づき設定した。境界条件は、既存資料及び現況調査結果を基に、解析境界上の地下水位及び多摩川、東京湾の平均水位を固定条件として与えた。降 及び地質調査より設定した。」、「地下水位は調査結果に基づき設定した。境界条件は、既存資料及び現況調査結果を基に、解析境界上の地下水位及び多摩川、東京湾の平均水位を固定条件として与えた。降 雨条件は、解析領域周辺で観測された最近10年間の気象データから算出した有効雨量を基に設定した。」、「構造物は、鉄道施設(駅、変電施設、トンネル)の概略の形状を設定した。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-2-16頁以下等)、2の1(8-2-3-32頁以下等)、3の1(8-2-3-1 4頁以下等)、4の1(8-2-3-7頁以下等)、5の1(8 - 114 --2-3-27頁以下等)、6の1(8-2-3-24頁以下等)、7の1(8-2-2-21頁以下等))なお、その他にも、例えば、山梨県に係る本件評価書には、専門家等による技術的助言として、「山岳部の地下水予測にあたっては、地形・地質等も考慮し、適切な手法を検討する必要があ る。」、「高橋の水文学的方法は降雨を考慮せず、地形のみで範囲を求めるので、広めになる可能性がある。したがって、高橋の方法で広めに調査範囲を設定し、さらに絞り込んで予測評価するという方法は問題はない。」などと記載されている。(丙3の1(7-51頁等)) ⅲ 次に、評価の手法をみると、本件評価書には、「事業者により実行可能な範囲内で回避又は低減されているか検討を行った。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-2-29頁等)、2の1(8-2-3-41頁等)、3の1(8-2-3-25頁等)、4の1(8-2-3-14頁等)、5の1(8-2-3- 47頁等)、6の1(8-2-3-36頁等)、7の1(8-2-2-33頁等))ⅳ 参加人 の1(8-2-3-25頁等)、4の1(8-2-3-14頁等)、5の1(8-2-3- 47頁等)、6の1(8-2-3-36頁等)、7の1(8-2-2-33頁等))ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、本件評価書に記載したものであるところ、この本件評価書には、①地下水の水質に係 る予測の結果として、「切土工等又は既存の工作物の除去に伴い地盤凝固剤を使用する場合には、国土交通省(旧建設省)の通知「薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針」(中略)に従い工事を実施することから、薬液の注入による地下水汚染を生じさせることはないと予測する。」、「地下水の酸性化につい ては、「8-3-3 土壌汚染」より対象事業実施区域及びその - 115 -周囲における地層の一部では、長期にわたって空気に触れた場合に地下水を酸性化させる恐れのある地盤が確認された。しかし、止水性の高い地中連続壁等で地下水を止水した後、掘削するため、地盤及び地下水が長期に直接空気に触れることがないことから、切土工等又は既存の工作物の除去及び鉄道施設(駅、変電施設) の存在に伴い周辺の地下水が酸性化することはほとんどないと予測する。」、「自然由来の重金属等は、文献調査及び現地調査結果より、環境基準を超える地下水が一部確認されており、必要に応じて法令等に基づく排水基準を踏まえて適切に処理することから、排水による公共用水域の水の汚れの影響は小さいものと予測 する。」などと記載されている。また、これらの本件評価書には、②地下水の水位に係る予測の結果として、「切土工等又は既存の工作物の除去及び鉄道施設(駅、変電施設)の存在に伴い止水性の高い地中連続壁を設けるこ などと記載されている。また、これらの本件評価書には、②地下水の水位に係る予測の結果として、「切土工等又は既存の工作物の除去及び鉄道施設(駅、変電施設)の存在に伴い止水性の高い地中連続壁を設けることから、工事排水及び漏水による地下水の水位低下の影響は小さいと予測する。(中略)地下水の流 れを阻害する可能性があることから、三次元浸透流解析より、地下水への影響を検討した。」ものの、「その影響範囲は鉄道施設周辺においてごく限定的である。これらの結果から、切土工等又は既存の工作物の除去及び鉄道施設(駅、変電施設)の存在に伴う、地下水の水への影響は小さいと予測する。」、都市部におけ る「トンネルの工事及び存在に伴う地下水の水位の影響は、裏込め注入材とセグメント継手部止水シール材等を適切に用いることから、漏水が生じることはほとんどなく地下水の水位低下の影響は小さい。また、シールドトンネルの標準的な断面の直径が約13mであり、これまでの文献及びボーリングによる地質調査から 想定される帯水層の広がりに対して小さいことから、その影響は - 116 -ほとんどないと予測する。また、(中略)地下水の水位の変化は非常口(都市部)等のごく近傍にとどまり、シールドトンネル部においては水位の変化はみられない。(中略)なお、洗足池公園の地下近傍や図師小野路歴史環境保全地域の地下をシールドトンネルで通過するが、(中略)当該地域では地下水の水位の変化は なく、その影響はほとんどないと予測する。」、山岳部における「トンネルの工事及び鉄道施設(山岳トンネル、非常口(山岳部))の存在による地下水の水位への影響は、トンネル区間全般としては小さいものの、破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の水位へ影響を及ぼす可能性があるものと予測する。」 山岳トンネル、非常口(山岳部))の存在による地下水の水位への影響は、トンネル区間全般としては小さいものの、破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の水位へ影響を及ぼす可能性があるものと予測する。」などと 記載されている(なお、三次元浸透流解析を実施した予測地点における地下水の水位に係る予測の結果は、別紙37の表のとおりである。)。そして、本件評価書には、③地下水の水質及び水位に係る環境保全措置について、「薬液注入工法における指針の順守」、「止水性の高い山留め工法等の採用」、「適切な構造及び 工法の採用」、「地下水の継続的な監視」等を実施する旨などが記載されている(なお、その内容として、例えば、愛知県に係る本件評価書には、別紙38の表のとおりの記載がされている。)。 これを受け、本件評価書には、④地下水の水質及び水位に係る評価の結果について、この「環境保全措置を確実に実施することか ら、切土工等又は既存の工作物の除去及び鉄道施設(駅、変電施設)の存在に係る地下水への影響の回避又は低減が図られていると評価する。」、山岳部における「トンネルの工事及び鉄道施設(トンネル)の存在に係る地下水への影響について、一部の地域において影響があると予測したものの、(中略)環境保全措置を 確実に実施することから、地下水に係る環境影響の低減が図られ - 117 -ていると評価する。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-2-1頁以下等)、2の1(8-2-3-1頁以下等)、3の1(8-2-3-1頁以下等)、4の1(8-2-3-1頁以下等)、5の1(8-2-3-1頁以下等)、6の1(8-2-3-1頁以下等)、7の1(8-2-2-1頁以下等)) なお、本件評価書には、資料編において、以上で述べた薬 1頁以下等)、5の1(8-2-3-1頁以下等)、6の1(8-2-3-1頁以下等)、7の1(8-2-2-1頁以下等)) なお、本件評価書には、資料編において、以上で述べた薬液注入工法の暫定指針の詳細が記載されている。(丙1の2(環7-1-1頁以下等)、2の2(環7-1-1頁以下等)3の2(環7-1-1頁以下等)、4の2(環5-1-1頁以下等)、5の2(環7-1-1頁以下等)、6の2(環7-1-1頁以下等)、 7の2(環6-1-1頁以下等))ⅴ その他にも、例えば、神奈川県に係る本件評価書には、「地下水の水質へ影響を与える要因と環境保全措置を明らかにした。さらに採用した環境保全措置は効果に係る知見が十分に把握されていると判断できるため予測、効果の不確実性は小さいと考えられ ることから、環境影響評価法に基づく事後調査は実施しない。」、「地下水の水位の予測は地質等調査の結果を踏まえ水文地質的に行っており、予測の不確実性の程度が小さく、採用した環境保全措置についても効果に係る知見が蓄積されている。しかしながら、山岳部のトンネル及び非常口(山岳部)において、破砕帯付近や 土被りの小さい箇所等、状況によっては工事中に集中的な湧水が発生する可能性があり水資源へ与える影響の予測について不確実性があることから、山岳部のトンネル及び非常口(山岳部)において、破砕帯や土被りの小さい箇所等において地下水を利用した水資源を対象として、「8-2-4水資源」において環境影響評 価法に基づく事後調査を実施する。」などと記載されている。 - 118 -(丙2の1(8-2-3-57頁等))ⅵ また、山梨県に係る本件評価書には、「早川から静岡県境まで(赤石山脈)」に係る水位 施する。」などと記載されている。 - 118 -(丙2の1(8-2-3-57頁等))ⅵ また、山梨県に係る本件評価書には、「早川から静岡県境まで(赤石山脈)」に係る水位への影響について、「早川から静岡県境までの赤石山脈では、山腹斜面においては崖錐堆積物等の未固結層を伴い、風化帯を経て表層から山塊の深部を構成する新鮮な 基盤岩に遷移すると考えられる。基盤岩は粘板岩、砂岩、緑色岩等により構成され、トンネルは本層中に存在する。基盤岩については、ボーリング調査結果(中略)から、深層では亀裂は少なく、全般的に硬質な新鮮岩であると考えられ、ボーリング孔を利用した試験結果から、基盤岩の透水係数は地表から710m付近で1. 7×10-7(m/s)、地表から790m付近で7.7×10-7(m/s)であり、地盤工学会の区分(中略)によれば、透水性は低いとされる。」、「以上の地質や水質の状況から、山岳トンネルにおける掘削に伴い切羽やトンネル側面に露出した岩盤の微小な亀裂や割れ目から地下水が坑内に滲出するが、トンネル内 に湧出する地下水はトンネル周辺の範囲に留まり、それ以外の深層の地下水や浅層の地下水への影響は小さいと考えられる。また、一部において断層付近の破砕帯等、地質が脆弱な部分を通過することがあり、状況によっては工事中に集中的な湧水が発生する可能性がある。これに対しては安全性、施工性の観点から必要に応 じて先進ボーリング等を実施することで予めその性状を確認し、トンネル内への湧水量を低減させるための補助工法を用いる等の措置を講ずるものの、破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の水位への影響の可能性はあるものと考えられる。」、「以上より、トンネルの工事及び鉄道施設(トンネル)の存在による地下 を用いる等の措置を講ずるものの、破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の水位への影響の可能性はあるものと考えられる。」、「以上より、トンネルの工事及び鉄道施設(トンネル)の存在による地下 水の水位への影響は、早川から静岡県境までのトンネル区間全般 - 119 -としては小さいものの、破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の水位へ影響を及ぼす可能性があるものと予測する。」などと記載されている。(丙3の1(8-2-3-22頁以下等))さらに、静岡県に係る本件評価書には、「静岡県内(赤石山脈)」に係る水位への影響について、「静岡県内の赤石山脈にお ける地質は、中古生層に分類される四万十帯(粘板岩、砂岩、緑色岩)と秩父帯中古生層(粘板岩、砂岩、チャート、石灰岩等)が分布している。これらはいずれも軟岩以上の硬質の岩石であり、へき開面や片理面の発達する片状岩が主体であるが、深層の新鮮部は緻密でへき開面や片理面は密着していると推定される。当該 区間においてトンネルが通過する深層の新鮮岩部の多くは粘板岩や細粒砂岩に相当し、(中略)透水性は低いと推定される。」、「一方、浅層部では岩石の風化とともに、へき開面や片理面、潜在的な亀裂に沿って開口しやすくなっていると推定される。表層部に規模の大きな洪積層、沖積層の未固結堆積物は分布せず、主 要な河川沿いの河床堆積物又は狭小な段丘堆積物、山腹斜面や麓を覆う崖錐堆積物に限られる。これらは直下に分布する基盤岩の表層の緩み領域や風化帯とともに自由地下水に近い浅層の地下水を帯水しており、浅層の堆積物やその直下に分布する風化帯の透水性は深層と比較して高いと推定される。したがって浅層の堆積 物及び風化帯とは異なり、深層の新鮮岩内は地下水の流動がほとんどな 下水を帯水しており、浅層の堆積物やその直下に分布する風化帯の透水性は深層と比較して高いと推定される。したがって浅層の堆積 物及び風化帯とは異なり、深層の新鮮岩内は地下水の流動がほとんどないと考えられ、深層と浅層では地下水の帯水状態が異なっていると考えられる。」、「以上の地質の状況から、山岳トンネルにおける掘削に伴い切羽やトンネル側面に露出した岩盤の微小な亀裂や割れ目から地下水が坑内に滲出するが、トンネル内に湧 出する地下水はトンネル周辺の範囲に留まり、それ以外の深層の - 120 -地下水や浅層の地下水への影響は小さいと考えられる。また、一部において断層付近の破砕帯等、地質が脆弱な部分を通過することがあり、状況によっては工事中に集中的な湧水が発生する可能性がある。これに対しては安全性、施工性の観点から必要に応じて先進ボーリング等を実施することで予めその性状を確認し、ト ンネル内への湧水量を低減させるための補助工法を用いる等の措置を講ずるものの、破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の水位への影響の可能性はあるものと考えられる。」、「以上より、トンネルの工事及び鉄道施設(山岳トンネル、非常口(山岳部))の存在による地下水の水位への影響は、静岡県内(赤石山脈)の トンネル区間全般としては小さいものの、破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の水位へ影響を及ぼす可能性があるものと予測する。」などと記載されている。(丙4の1(8-2-3-11頁以下等))そして、長野県に係る本件評価書には、「静岡県境から小渋川 まで」に係る水位への影響について、「静岡県境から小渋川までの赤石山脈における地質は、中古生層に分類される四万十帯(粘板岩、砂岩、緑色岩)と秩父帯中古生層(粘板岩、砂岩、 静岡県境から小渋川 まで」に係る水位への影響について、「静岡県境から小渋川までの赤石山脈における地質は、中古生層に分類される四万十帯(粘板岩、砂岩、緑色岩)と秩父帯中古生層(粘板岩、砂岩、チャート、石灰岩等)が分布している。これらはいずれも軟岩以上の硬質の岩石であり、へき開面や片理面の発達する片状岩が主体であ るが、深層の新鮮岩部は緻密でへき開面や片理面は密着していると推定される。当該区間においてトンネルが通過する深層の新鮮岩部の多くは粘板岩や細粒砂岩に相当し、(中略)透水性は低いと推定される。」、「一方、浅層部は規模の大きな洪積層、沖積層の未固結堆積物は分布せず、主要な河川沿いの河床堆積物又は 狭小な段丘堆積物、山腹斜面や麓を覆う崖錐堆積物に限られる。 - 121 -表層部から浅層部は、岩石の風化とともに、へき開面、片理面及び潜在的な亀裂に沿って開口しやすくなっていると推定される。 これらは直下に分布する基盤岩の緩み領域や風化帯とともに自由地下水に近い浅層の地下水を帯水しており、浅層の堆積物やその直下に分布する風化帯の透水性は深層と比較して大きいと推定さ れる。従って浅層の堆積物及び風化帯とは異なり、深層の新鮮岩内は地下水の流動がほとんどないと考えられ、深層と浅層では地下水の帯水状態が異なっていると考えられる。」、「以上の地質の状況から、山岳トンネルにおける掘削に伴い切羽やトンネル側面に露出した岩盤の微小な亀裂や割れ目から地下水が坑内に滲出 するが、トンネル内に湧出する地下水はトンネル周辺の範囲に留まり、それ以外の深層の地下水や浅層の地下水への影響は小さいと考えられる。また、一部において断層付近の破砕帯等(中略)、地質が脆弱な部分を通過することがあり、状況によっては工事中に集中的な湧水 留まり、それ以外の深層の地下水や浅層の地下水への影響は小さいと考えられる。また、一部において断層付近の破砕帯等(中略)、地質が脆弱な部分を通過することがあり、状況によっては工事中に集中的な湧水が発生する可能性がある。これに対しては安全性、 施工性の観点から必要に応じて先進ボーリング等を実施することで予めその性状を確認し、トンネル内への湧水量を低減させるための補助工法を用いる等の措置を講ずるものの、破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の水位への影響の可能性はあるものと考えられる。」、「以上より、トンネルの工事及び鉄道施設(ト ンネル)の存在による地下水の水位への影響は、静岡県境から小渋川までのトンネル区間全般としては小さいものの、破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の水位へ影響を及ぼす可能性があるものと予測する。」などと記載されている。(丙5の1(8-2-3-41頁以下等)) その他にも、長野県に係る本件評価書には、「王竜寺川から岐 - 122 -阜県境まで」について、「王竜寺川から岐阜県境までの木曽山脈は、山腹斜面においては崖錐堆積物等の未固結層を伴い、風化帯を経て表層から山塊の深部を構成する新鮮な基盤岩に遷移すると考えられる。基盤岩は深成岩に分類される領家帯花崗岩類、美濃帯変成岩類、火山岩類(濃飛流紋岩)等により構成され、トンネ ルは本層中に存在する。基盤岩については、ボーリング調査結果から、深層では亀裂は少なく、全般的に硬質な新鮮岩であると考えられ、ボーリング孔を利用した試験結果から、領家帯花崗岩類を基盤岩とする地山の透水係数は、地表から20m付近で4.8×10-8(m/s)、120m付近では6.3×10-9(m/ s)であった。地盤工学会の区分(中略)によ 験結果から、領家帯花崗岩類を基盤岩とする地山の透水係数は、地表から20m付近で4.8×10-8(m/s)、120m付近では6.3×10-9(m/ s)であった。地盤工学会の区分(中略)によれば、これらの値は粘性土と同等で実質上不透水に区分される。従って浅層の未固結層及び風化帯とは異なり、深層の新鮮岩内では地下水の流動がほとんどないと考えられる。新鮮岩部と風化部の地下水の水質組成と電気伝導率の状況(中略)からも浅層の未固結層及び風化帯 の地下水がNa+、K+、HCO3-を中心とした各項目の成分量が少ないのに対して、深層の新鮮岩内の地下水の成分量が浅層の地下水よりも多くなる傾向が見られ、水質組成が異なることが認められるため、深層と浅層では地下水は帯水状態が異なっていると考えられる。」、「以上の地質や水質の状況から、山岳トンネ ルの掘削に伴い切羽やトンネル側面に露出した岩盤の微小な亀裂や割れ目から地下水が坑内に滲出するが、トンネル内に湧出する地下水はトンネル周辺の範囲に留まり、それ以外の深層の地下水や浅層の地下水への影響は小さいと考えられる。また、一部において断層付近の破砕帯等(中略)、地質が脆弱な部分を通過する ことがあり、状況によっては工事中に集中的な湧水が発生する可 - 123 -能性がある。これに対しては安全性、施工性の観点から必要に応じて先進ボーリング等を実施することで予めその性状を確認し、トンネル内への湧水量を低減させるための補助工法を用いる等の措置を講ずるものの、破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の水位への影響の可能性はあるものと考えられる。」、「以上よ り、トンネルの工事及び鉄道施設(トンネル)の存在による地下水の水位への影響は、王竜寺川から岐阜県境までのトンネル区間全 は、地下水の水位への影響の可能性はあるものと考えられる。」、「以上よ り、トンネルの工事及び鉄道施設(トンネル)の存在による地下水の水位への影響は、王竜寺川から岐阜県境までのトンネル区間全般としては小さいものの、破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の水位へ影響を及ぼす可能性があるものと予測する。」などと記載されている。(丙5の1(8-2-3-43頁以下等)) ⅶ さらに、例えば、東京都に係る本件評価書には、「解析に用いた透水係数や解析深度等の設定根拠及び予測対象とした帯水層の区分や深度等が不明確であることから、これらについて明らかにするとともに、地質構造及び帯水層と地下構造物との位置関係について、断面図等を用いるなどして、具体的に説明すること。」、 「大深度地下の利用に当たっては、環境保全について特に配慮する必要があることから、工事施工中及び鉄道施設の供用において、「大深度地下の公共的使用における環境の保全に係る指針」及び「道路及び鉄道建設事業における河川の濁り等に関する環境影響評価ガイドライン」に基づき、鉄道施設周辺の地下水モニタリン グを継続的に実施すること。」、「現地調査において、あらかじめ土質の状態について十分に把握することは現実的に困難であることから、三次元浸透流解析の結果については、ある程度の不確実性も考慮した上で、地下トンネルの工事施工中のみならず、工事完了後においても、一定の期間、地下水の水位に係る事後調査 を実施し、地下水位の変化の程度の把握に努めるとともに、環境 - 124 -影響の程度が著しいことが判明した場合の対応方針を明らかにすること。」などを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「三次元浸透流解析における設定条件や具体的な手法な - 124 -影響の程度が著しいことが判明した場合の対応方針を明らかにすること。」などを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「三次元浸透流解析における設定条件や具体的な手法など、本評価書資料編において、より詳細な記述を加えました。記載のとおりですが、解析は地層ごとの透水係数に幅があることを 踏まえ繰り返し検証計算を行い、実測の地下水位と整合していることを確認しておりますので、その結果は妥当なものと考えております。」、「シールド工法は都市部において、これまで多数の実績を重ねてきた信頼ある工法です。地下駅や非常口などの開削工事と比較すれば止水効果が高いことは明らかなため、シールド トンネル区間においては地下水の水質や水位のモニタリング、事後調査の実施は考えておりませんが、今後、工事の実施に際して、事業説明会や工事説明会等の場などを通じて局所的な地下水位への影響について、温泉や深井戸などお持ちの方々から申し出があった場合は内容をお聞きし、位置関係等を確認のうえ必要に応じ て水位を計測するなど対応してまいります。」、「地下駅や非常口周辺においては、工事着手前からのモニタリングや、都条例に基づく事後調査を実施いたします。調査の過程において著しい環境影響が認められた場合は、速やかに原因を調査し、本事業による影響が明らかであれば、しっかりと対策を講じてまいりま す。」、「なお、工事中において万一井戸が減水するなど、実害が生じた場合には、お申し出いただけるよう定常的な窓口を設置いたします。」などと記載されている。(丙1の1(6-3-12頁、6-3-13頁等))また、東京都に係る本件評価書には、「現地調査において、重 金属等の溶出量試験により6地点で砒素など指定基準を超過し、 る。(丙1の1(6-3-12頁、6-3-13頁等))また、東京都に係る本件評価書には、「現地調査において、重 金属等の溶出量試験により6地点で砒素など指定基準を超過し、 - 125 -また、酸性化可能性試験により5地点で酸性化の可能性があることが確認されたことから、切土工やトンネル工事等により発生する建設発生土の仮置場における周辺地下水への影響について、「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版)」にあるサイト概念モデル等を参考に、可能 な限り定量的に予測・評価すること。」、「施工管理の状態等又は地中における不測の現象によっては、薬液注入による汚染や地下水の酸性化が生じる可能性も否定できないことから、ある程度の不確実性も考慮した上で、工事施行中においては、地下水の水質に係る事後調査を実施し、地下水の水質に及ぼす影響の程度の 把握に努めるとともに、環境影響の程度が著しいことが判明した場合の対応方針を明らかにすること。」などを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「今後、工事計画が具体化していく中で、詳細な仮置き場の設置箇所が確定した段階において、本評価書資料編(中略)にも紹介した「建設工事における自 然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版)」の「3.3 対応の流れ ⑶ 搬出・仮置き時の留意点」の内容を参考に、シート養生による重金属等の仮置き場地盤への浸透防止などの対策を環境保全措置に加えました。なお、「サイト概念モデル」は、シート養生などをせず、発生土を直接地盤に仮置き などした際の重金属の溶出を前提としたモデルです。」、「工事着手前からの地下水のモニタリングは地下駅および非常口周辺や、特にお申し出があり対応 シート養生などをせず、発生土を直接地盤に仮置き などした際の重金属の溶出を前提としたモデルです。」、「工事着手前からの地下水のモニタリングは地下駅および非常口周辺や、特にお申し出があり対応を要するものにおいて実施いたします。 工事に伴う不測の事態などにより、モニタリングの過程において著しい環境影響が認められた場合は、速やかに原因を調査し、本 事業による影響が明らかであれば、しっかりと対策を講じてまい - 126 -ります。」などと記載されている。(丙1の1(6-3-12頁等))その他にも、東京都に係る本件評価書には、「地下水の流動阻害は、工事によって地下水流を遮断する過程で生じることが多いため、地下構造物周辺(地下トンネル、非常口等)を対象に、非 定常における地下水位の変化の程度について、科学的に説明すること。」などを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「地下水の流動阻害が最大となるのは、あくまで鉄道施設が完成した段階と考えています。工事中の段階ごとで厳密には地下水流に変化が生じることが考えられますが、完成形においても その周囲のごく限定的な範囲でしか地下水位には影響が出ないと予測していますので、工事中についてはさらにその影響は小さくなります。工事着手前からのモニタリングも実施しながら、また都条例に基づく事後調査を行う中などにおいて、工事中の影響についても明らかにしてまいります。」などと記載されている。 (丙1の1(6-3-12頁等))ⅷ 加えて、神奈川県に係る本件評価書には、「トンネル工事に伴い地下水位が変動する可能性があり、トンネルの周辺には温泉・鉱泉や酒造所等地下水を利用する事業所も存在することから、広域的な影響だけでなく、局地的な 神奈川県に係る本件評価書には、「トンネル工事に伴い地下水位が変動する可能性があり、トンネルの周辺には温泉・鉱泉や酒造所等地下水を利用する事業所も存在することから、広域的な影響だけでなく、局地的な影響も調査すること。その際は、 ローム層の透水係数の地域差が非常に大きいことを十分考慮して予測すること。」などを求める神奈川県知事の意見に対する事業者の見解として、「トンネル工事に伴い発生する地下水位への影響は小さいと予測しております。都市トンネル部では、地下水が豊富な箇所でも安全にトンネルを造ることが可能なシールド工法 を用いることとしており、さらにセグメント継手部止水シール材 - 127 -等により止水性の高い施工を実現することで、地下水位への影響は小さいと考えています。また、三次元浸透流解析にあたっては、ローム層を含め、地層の透水係数に幅があることを踏まえ検証計算を行って実測の地下水位と解析結果が整合していることを確認しており、解析結果は妥当なものと考えております。」、「山岳 トンネルにおいては、破砕帯等を対象として事後調査を実施します。」、「非常口(都市部)及び地下駅付近の地点においてモニタリングにより地下水位への影響を確認していく計画です。」、「局所的な地下水位への影響について、温泉や酒造所等から申し出があった場合は内容をお聞きし、位置関係等を確認のうえ、必 要に応じて地下水位を計測するなど、対応していきます。」などと記載されている。(丙2の1(6-3-8頁等))ⅸ また、山梨県に係る本件評価書には、「工事着手前には、生活用水等に使用されている自噴井戸や浅井戸などを含めた水利用状況調査を実施し地域の状況を把握するとともに、モニタリングを 実施し、その結果を事業の実施中及び 件評価書には、「工事着手前には、生活用水等に使用されている自噴井戸や浅井戸などを含めた水利用状況調査を実施し地域の状況を把握するとともに、モニタリングを 実施し、その結果を事業の実施中及び実施後の手続において明らかにする旨を評価書に記載すること。」などを求める山梨県知事の意見に対する事業者の見解として、「甲府盆地内の地下水位の高い井戸について、一定の集落単位で水質及び水位などの必要な調査項目についてモニタリングを実施し、結果については公表し ていきます。」などと記載されており、資料編においても、「基礎工等の掘削工事では、施工前に詳細な地質調査等を実施し、水資源等への影響を防ぐための施工計画やモニタリング計画を策定し、工事を実施する。」などと記載されている。(丙3の1(6-3-41頁等)、3の2(環8-3-1頁以下等)) ⅹ さらに、静岡県に係る本件評価書には、「予測評価した既存の - 128 -2つの井戸の水は大井川の伏流水に依存している可能性があり、工事施工ヤード等の工事に伴う大井川の水質の変化が井戸の水質に影響を与えるおそれがある。このため、(中略)「工事施工ヤード及び工事用道路の設置」も地下水(井戸の水)の水位及び水質に影響を及ぼす影響要因として考慮し、予測評価を行うこと。 また、予測の不確実性が高いと考えられることから、地下水の水位及び水質について定期的な調査を行い、その結果を県等に報告し、公表すること。」などを求める静岡県知事の意見に対する事業者の見解として、「環境影響の評価項目については環境影響評価制度の趣旨や主務省令を充分に踏まえたうえで選定し、方法書 でお示しし、知事意見も踏まえて決定しました。」、「本編に示したとおり、水の濁りに対する工事施工ヤード及び工 目については環境影響評価制度の趣旨や主務省令を充分に踏まえたうえで選定し、方法書 でお示しし、知事意見も踏まえて決定しました。」、「本編に示したとおり、水の濁りに対する工事施工ヤード及び工事用道路の設置に係る公共用水への影響は小さいと予測しました。また、水の汚れに対する工事施工ヤード及び工事用道路の設置に係る予測結果は最も厳しい環境基準の値を下回っています。したがって仮 に井戸の水が大井川の伏流水に依存していたとしても影響は小さいと考えます。」、「しかしながら、地下水の水位については事後調査を実施します。また事業者の自主的な取組として井戸の水質についてもモニタリングを実施することとしました。事後調査結果、モニタリングの結果については公表します。」などと記載 されている。(丙4の1(6-3-12頁等))ⅺ 加えて、長野県に係る本件評価書には、「高橋の水文学的方法はあくまで恒常的な湧水の推定のための手法であり、破砕帯を通じて発生することが多い突発的な湧水は予測できないことを、評価書に記載すること。また、事業者が有する詳細な地質図や断面 図を基に、評価書においては破砕帯がある場所での突発的な湧水 - 129 -に係るリスクの記載を追加すること。」などを求める長野県知事の意見に対する事業者の見解として、「高橋の水文学的方法は、トンネルの工事に伴う地下水の影響範囲を推定する一般的な手法です。」、「地下水の水位の予測では、まず、高橋の水文学的方法により各トンネル区間全体の地下水の影響範囲を求めた上で、 水文地質的検討を加え予測を行いました。水資源の予測では、特定の地域について水収支解析により影響を予測しました。」、「トンネルが断層付近の破砕帯等の地質が脆弱な部分を通過する場合は、第 で、 水文地質的検討を加え予測を行いました。水資源の予測では、特定の地域について水収支解析により影響を予測しました。」、「トンネルが断層付近の破砕帯等の地質が脆弱な部分を通過する場合は、第8章に記載のとおり、工事の施工に際しては安全性、施工性の観点から先進ボーリング等を実施し、予めその地質性状 を直接確認しその態様に応じた適切な措置を講じていきます。」、「第8章には、トンネルの工事等に伴う地下水への影響を水文地質的に検討するに際しての地質、主要な断層等を記載した地質縦断図や当該縦断図に記載した断層付近の破砕帯等において工事中に集中的な湧水が発生する可能性がある旨を記載しています。」 などと記載されている。(丙5の1(6-204頁等))なお、長野県に係る本件評価書には、この「先進ボーリング」について、「トンネル前方の地質状況を事前に把握するためのものであり、過去の長大トンネルにおいて用いられており、青函トンネルでは、2,150mの水平ボーリングの実績がある。(中 略)当社においても山梨県早川町における地質調査のための作業坑や山梨リニア実験線の延伸工事において実績があり、十分な信頼性があることを確認している。」などと記載されている。(丙5の2(環7-4-1頁等))ⅻ そして、愛知県に係る本件評価書には、「地下水位のシミュレ ーションについて、地下地質のモデル縦断図におけるモデル化の - 130 -方法や透水係数の設定方法等、予測に用いた手法や条件が示されていないことから、それらを具体的に示すこと。」などを求める愛知県知事の意見に対する事業者の見解として、「準備書第8章及び準備書資料編6-3に記載したとおり、地下水の三次元浸透流解析による予測については、手 とから、それらを具体的に示すこと。」などを求める愛知県知事の意見に対する事業者の見解として、「準備書第8章及び準備書資料編6-3に記載したとおり、地下水の三次元浸透流解析による予測については、手順、モデル化、解析条件の概要 を記載しています。なお、地層のモデル化における地質区分に対応した透水係数は、現場透水試験結果及び粒度試験の実験値を基に設定しました。評価書資料編においては、モデル化の基礎とした地質調査及び地質縦断図を記載することにより、より分かりやすい内容としました。」などと記載されている。(丙7の1(6 -3-10頁等))xiii また、本件評価書には、「山岳トンネル部の湧水対策は、事前に精度の高い予測を行った上で対策を検討しておく必要があることから、特に巨摩山地から伊那山地までの区間においては、本線及び非常口のトンネル工事実施前に、三次元水収支解析を用いて より精度の高い予測を行い、その結果に基づき、地下水位及び河川流量への影響を最小化できるよう水系を回避又は適切な工法及び環境保全措置を講じること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「山岳トンネル部においては、既に工事を行っている山梨リニア実験線区間以外においても、これま で全ての区間において、地下水位の測定の他、周辺の河川における流量の測定を定期的に実施してきており、変動を含めてその状況を把握しています。また、資料編に記載のとおり、国鉄時代から長年にわたって実施してきた地質調査により、地域の地質の状況や透水性について把握しており、これらの結果は第8章の予測 評価に反映しております。さらに地域特性を考慮し、南アルプス - 131 -(早川~小渋川)等においては、水資源に関する最新の予測手法と て把握しており、これらの結果は第8章の予測 評価に反映しております。さらに地域特性を考慮し、南アルプス - 131 -(早川~小渋川)等においては、水資源に関する最新の予測手法として一般国道474号三遠南信自動車道青崩峠道路の環境影響評価等に用いられている三次元水収支解析を実施いたしました。 今後、トンネル工事実施までに巨摩山地及び伊那山地においても三次元水収支解析を実施し、結果を県に報告するとともに、その 結果に基づき、適切な工法及び環境保全措置を講じ、地下水位及び河川流量への影響をできるだけ小さくしてまいります。」などと記載されている。(丙1の1(13-24頁以下等)、2の1(13-24頁以下等)、3の1(13-24頁以下等)、4の1(13-24頁以下等)、5の1(13-24頁以下等)、6 の1(13-24頁以下等)、7の1(13-24頁以下等))また、本件評価書には、「非常口(山岳部)から本線トンネルに至るトンネルは、地上部から地下の深層まで到達し、その過程で浅層地下水の帯水層や浅層地下水と深層地下水を隔てる不透水層を貫通し、浅層地下水位の低下や河川流量に影響を及ぼす可能 性があることから、あらかじめ、地下水位の調査を行い、その結果を踏まえ非常口トンネルの防水工の必要性を検討すること。」、「トンネル掘削時に行う地質調査により得られる実際の断層や破砕帯の状況等の地質情報を環境保全措置の検討に反映させること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、 「非常口については、第8章に記載のとおり、工事前から工事中にかけて河川流量や井戸の水位等の調査を行うとともに、掘削中は湧水量や地質の状況を慎重に確認し、浅層と深層の帯水層を貫く場合は水みちが生じないように必 いては、第8章に記載のとおり、工事前から工事中にかけて河川流量や井戸の水位等の調査を行うとともに、掘削中は湧水量や地質の状況を慎重に確認し、浅層と深層の帯水層を貫く場合は水みちが生じないように必要に応じて薬液注入を実施するとともに、帯水層を透過し湧水量の多い箇所に対しては、覆工 コンクリートや防水シートを設置し地下水の流入を抑えるなどの - 132 -追加的な環境保全措置の検討を行っていきます。」、「トンネル掘削の際にトンネル坑内より行う先進ボーリング等により得られる実際の断層や破砕帯の状況等の地質情報は、適切な工法及び構造の採用に際して反映させていきます。」などと記載されている。 (丙1の1(13-26頁等)、2の1(13-26頁等)、3 の1(13-26頁等)、4の1(13-26頁等)、5の1(13-26頁等)、6の1(13-26頁等)、7の1(13-26頁等))さらに、本件評価書には、「地下水位の低下及び河川流量の減少が生ずる可能性がある地域として、予測及び評価において設定 した予測検討範囲に、断層や破砕帯の性状や連続性を加味した地域において、工事実施前から、地下水位及び河川流量の把握を継続的に行うとともに、工事実施中から工事実施後の適切な時期までモニタリングを実施すること。特に、河川流量の把握については、水系ごとに、流量の少ない源流部や支流部を含む複数の調査 地点を設定すること。また、地下水位や河川流量に影響が生じている可能性が確認された場合は、まず応急対策を講じた上で、恒久対策としての環境保全措置を講じること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「予測に不確実性のある山岳トンネルの水資源について、断層や破砕帯の性状や連続性 も考慮のうえで 対策としての環境保全措置を講じること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「予測に不確実性のある山岳トンネルの水資源について、断層や破砕帯の性状や連続性 も考慮のうえで、評価書第8章及び第10章に記載のとおり、工事の1年前から工事完了後3年の間、井戸の水位や湧水量、及び河川流量の継続的な調査を事後調査として行います。河川流量の調査の際には、水系ごとに、流量の少ない源流部や支流部を含む複数の調査地点を設定します。また、工事中に減水・渇水などの 兆候が認められた場合は、住民(水利用者)の生活に支障をきた - 133 -さぬよう応急対策を実施します。具体的には、揚水井戸を設け水道設備に供給したり、トンネル湧水を活用したりする等の対策を実施します。その後も流量観測を継続し、水を利用される方と協議をしながら、必要な恒久対策を実施していきます。」などと記載されている。(丙1の1(13-27頁等)、2の1(13- 27頁等)、3の1(13-27頁等)、4の1(13-27頁等)、5の1(13-27頁等)、6の1(13-27頁等)、7の1(13-27頁等))⒠ そして、水資源に関する本件評価書の記載事項等は、次のとおりである。 ⅰ まず、調査の手法をみると、本件評価書には、①調査すべき項目について、「水資源の利用状況とした。」などと記載され、②調査の基本的な手法について、「文献調査により、水資源としての飲料用、農業用、水産用、工業用等の利用状況の文献、資料を収集し、整理した。なお、文献調査を補完するため、関係自治体 等へのヒアリングを行った。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、都市トンネル、非常口(都市部)、地下駅、 した。なお、文献調査を補完するため、関係自治体 等へのヒアリングを行った。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、都市トンネル、非常口(都市部)、地下駅、変電施設を対象に切土工等又は既存の工作物の除去、トンネルの工事及び鉄道施設(トンネル、駅、変電施設)の存在に係る水資源への影響が生ずるおそれがあると認 められる地域とし、「8-2-2 地下水の水質及び水位」で示した予測検討範囲を基本とした。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-3-1頁以下等)、2の1(8-2-4-1頁以下等)、3の1(8-2-4-1頁以下等)、4の1(8-2-4-1頁以下等)、5の1(8-2-5-1頁以下等)、6の 1(8-2-4-1頁以下等)、7の1(8-2-3-1頁以下 - 134 -等))ⅱ また、予測の手法をみると、本件評価書には、①予測項目について、「切土工等又は既存の工作物の除去及び鉄道施設(駅、変電施設)の存在に係る水資源への影響とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、「切土工等又は既存の工作物の 除去及び鉄道施設(駅、変電施設)の存在に係る水資源への影響について、その主要な要因である地下水の水質、水位及び地表水への影響を把握し、環境保全措置を明らかにすることにより水資源への影響を定性的に予測した。」などと記載され、③予測地域について、「切土工等又は既存の工作物の除去及び鉄道施設(駅、 変電施設)の存在に係る水資源への影響が生じるおそれがあると認められる地域として、調査地域と同様とした。」などと記載され、④予測対象時期等について、「工事中及び鉄道施設(駅、変電施設)の完成後とした。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-3-11 認められる地域として、調査地域と同様とした。」などと記載され、④予測対象時期等について、「工事中及び鉄道施設(駅、変電施設)の完成後とした。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-3-11頁以下等)、2の1(8-2-4-33頁以 下等)、3の1(8-2-4-13頁以下等)、4の1(8-2-4-5頁以下等)、5の1(8-2-4-28頁以下等)、6の1(8-2-4-29頁以下等)、7の1(8-2-3-14頁以下等))ⅲ 次に、評価の手法をみると、本件評価書には、「事業者により 実行可能な範囲内で回避又は低減されているか検討を行った。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-3-15頁等)、2の1(8-2-4-36頁等)、3の1(8-2-4-24頁等)、4の1(8-2-4-18頁等)、5の1(8-2-4-32頁等)、6の1(8-2-4-29頁等)、7の1(8-2 -3-14頁等)) - 135 -ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、本件評価書に記載したものであるところ、例えば、神奈川県に係る本件評価書には、①「公共用水域の水質に係る水資源への影響」に係る予測の結果として、「切土工等又は既存の工作物の除去により公共用水域へ 排出される濁水及び汚水による水資源への影響は、発生水量を考慮した処理能力を備えた濁水処理設備を設置する等、法令に基づく排水基準等を踏まえ、適切に処理をして公共用水域へ排水することから、公共用水域への水の濁り及び汚れへの影響は小さいと考えられる。以上より、切土工等又は既存の工作物の除去による 公共用水域の水質に係る水資源への影響は小さいと予測する。」、「山岳トンネルの工事に 共用水域への水の濁り及び汚れへの影響は小さいと考えられる。以上より、切土工等又は既存の工作物の除去による 公共用水域の水質に係る水資源への影響は小さいと予測する。」、「山岳トンネルの工事において、掘削に伴う掘削面等からの地下水の湧出により発生し排出される濁水は、必要に応じて発生水量を考慮した処理能力を備えた濁水処理設備を設置し、法令に基づく排水基準等を踏まえ、適切に処理をして公共用水域へ排水する ことから、公共用水域の水の濁りの影響は小さいものと考えられる。また、都市トンネルの工事においては、裏込め注入材とセグメント継手部止水シール材等を適切に用いること、非常口(都市部)の工事においては、止水性の高い地中連続壁等を設けることから排水量は少ないが、山岳トンネルの工事の濁水と同様に適切 に処理をして排出するため、公共用水域の水の濁りの影響は小さいものと考えられる。また、吹付コンクリートの施工等に伴い発生する可能性のあるアルカリ排水は、発生水量を考慮した処理能力を備えた汚水処理設備を設置し、法令に基づく排水基準等を踏まえ、適切に処理をして公共用水域へ排水することから、公共用 水域への水の汚れの影響は小さいものと考えられる。また、自然 - 136 -由来の重金属等は、(中略)一部環境基準を超える土壌及び地下水が確認されており、掘削による排水が自然由来の重金属等に汚染されている可能性があるが、必要に応じて法令に基づく排水基準等を踏まえて適切に処理することから、公共用水域の水の汚れの影響は小さいものと考えられる。以上より、トンネル工事によ る公共用水域の水質に係る水資源への影響は小さいと予測する。」などと記載され、②「地下水の水質に係る水資源への影響」に係る予測の結果として、「切土工等又は既存の工作 以上より、トンネル工事によ る公共用水域の水質に係る水資源への影響は小さいと予測する。」などと記載され、②「地下水の水質に係る水資源への影響」に係る予測の結果として、「切土工等又は既存の工作物の除去による地下水の水質への影響は、地盤凝固剤を使用する場合には、「薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針」(中略)に 基づき適切に実施することとしており、地下水の水質への影響は小さいと考えられる。また、地下水の酸性化は、止水性の高い地中連続壁等で地下水を止水した後、掘削するため、地盤及び地下水が長期に直接空気に触れることなく、地下水が酸性化することはほとんどないと考えられる。以上より、切土工等又は既存の工 作物の除去による地下水の水質に係る水資源への影響は小さいと予測する。」、「トンネルの工事による地下水の水質への影響は、地盤凝固剤を使用する場合「薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針」(中略)に基づき適切に実施することとしており、地下水の水質への影響は小さいと考えられる。また、地下 水の酸性化は、山岳トンネル及び非常口(山岳部)では掘削した壁面にコンクリート吹付けを行うこと、都市トンネルではセグメントで露出した地盤を覆うこと、非常口(都市部)では止水性の高い地中連続壁等で地下水を止水した後に掘削することから、地盤及び地下水が長期に直接空気に触れることがなく、周辺の地下 水が酸性化することはほとんどないと考えられる。以上より、ト - 137 -ンネルの工事による地下水の水質に係る水資源への影響は小さいと予測する。」などと記載され、③「地下水の水位に係る水資源への影響」に係る予測の結果として、「切土工等又は既存の工作物の除去及び鉄道施設(地下駅)の存在に係る地下水の水位への影響 の影響は小さいと予測する。」などと記載され、③「地下水の水位に係る水資源への影響」に係る予測の結果として、「切土工等又は既存の工作物の除去及び鉄道施設(地下駅)の存在に係る地下水の水位への影響は、止水性の高い地中連続壁等を設けることから、漏水によ る地下水の水位低下の影響は小さいと考えられる。また、三次元浸透流解析を行った結果より、地中連続壁等により地下水の流れを阻害する可能性はほとんどないと考えられる。以上より、切土工等又は既存の工作物の除去及び鉄道施設(地下駅)の存在による地下水の水位に係る水資源への影響は小さいと予測する。」、 「地質の状況から、深層と浅層では地下水は帯水状態が異なっていると考えられるため、山岳トンネルの掘削に伴い切羽やトンネル側面に露出した岩盤の微小な亀裂や割れ目から地下水が坑内に滲出するが、トンネル内に湧出する地下水はトンネル周辺の範囲に留まり、それ以外の深層の地下水や浅層の地下水への影響は小 さいと考えられる。一方、一部において断層付近の破砕帯等、地質が脆弱な部分を通過することがあり、状況によっては工事中に集中的な湧水が発生する可能性がある。これに対しては安全性、施工性の観点から必要に応じて先進ボーリング等を実施することで予めその性状を確認し、トンネル内への湧水量を低減させるた めの補助工法を用いる等の措置を講ずるものの、破砕帯や土被りの小さい箇所等の周辺の一部においては、地下水の水位への影響の可能性はあるものと考えられる。以上より、トンネルの工事及び鉄道施設(山岳トンネル、非常口(山岳部))の存在による地下水の水位への影響は、トンネル区間全般としては小さいものの、 破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の水位へ影響を及ぼす - 138 -可能性があるものと 山岳部))の存在による地下水の水位への影響は、トンネル区間全般としては小さいものの、 破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の水位へ影響を及ぼす - 138 -可能性があるものと予測する。」、「都市トンネルの工事及び存在に伴う地下水の水位の影響は、裏込め注入材とセグメント継手部止水シール材等を適切に用いることから、漏水が生じることはほとんどなく地下水の水位低下の影響は小さいと考えられる。また、シールドトンネルの標準的な断面の直径が約13m程度であ り、これまでの文献及びボーリングによる地質調査結果から想定される帯水層の広がりに対して十分に小さいことから、その影響は小さいと考えられる。非常口(都市部)の工事及び存在に伴う地下水の水位の影響は、止水性の高い地中連続壁等を設けることから、漏水による地下水の水位低下の影響は小さいと考えられる。 また、三次元浸透流解析を行った結果より、地中連続壁等により地下水の流れを阻害する可能性はほとんどなく、都市トンネルの工事及び存在に伴う地下水の水位の変化量は小さいと考えられる。 以上より、トンネルの工事及び鉄道施設(都市トンネル、非常口(都市部))の存在による地下水の水位に係る水資源への影響は 小さいと予測する。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-3-1頁以下等)、2の1(8-2-4-1頁以下等)、3の1(8-2-4-1頁以下等)、4の1(8-2-4-1頁以下等)、5の1(8-2-4-1頁以下等)、6の1(8-2-4-1頁以下等)、7の1(8-2-3-1頁以下等)) その他にも、例えば、①長野県に係る本件評価書には、「自然由来の重金属等は、小日影鉱山跡が確認されていること等を踏まえ、文献調査及び現地調査を行った。調査結果より、環境 その他にも、例えば、①長野県に係る本件評価書には、「自然由来の重金属等は、小日影鉱山跡が確認されていること等を踏まえ、文献調査及び現地調査を行った。調査結果より、環境基準を超える地下水は確認されておらず、そのため排水による公共用水域の水の汚れの影響はないものと考えられる。」などと記載され ており、②岐阜県に係る本件評価書には、「美濃帯堆積岩類の一 - 139 -部は黄鉄鉱に起因して酸性水の発生の可能性がある。しかし、掘削した壁面にコンクリート吹付けを行い、地盤及び地下水が長期に直接空気に触れることがないため、地下水が酸性化することはほとんどなく、地下水の水質への影響は小さいと考えられる。」、「鉄道施設(車両基地)の供用により公共用水域へ排出される汚 水による水資源への影響は、(中略)発生水量を考慮した処理能力を備えた処理設備を設置し、法令に基づく排水基準等を踏まえ、適切に処理をして公共用水域へ排水することから、公共用水域の水質への影響は小さいと予測する。鉄道施設(車両基地)の供用における地下水の揚水による水資源への影響は、(中略)上水道 をできる限り活用することを基本とし、必要に応じ、周辺の水利用等に配慮し、敷地内において、深層の地下水を対象とした適切な揚水位置や揚水量を計画することから、水資源の利用状況への影響は小さいと予測する。」などと記載されている。(丙5の1(8-2-4-34頁等)、6の1(8-2-4-30頁、8- 2-4-39頁等))また、「早川から静岡県境まで」、「静岡県内」及び「静岡県境から小渋川まで」において「南アルプスを通過すること」や「飯田市風越山周辺」において「名水百選「猿庫の泉」が存在すること」などに鑑み、これらの地域で 川から静岡県境まで」、「静岡県内」及び「静岡県境から小渋川まで」において「南アルプスを通過すること」や「飯田市風越山周辺」において「名水百選「猿庫の泉」が存在すること」などに鑑み、これらの地域では、水収支解析を用いた予 測がされているところ、それに係る予測の結果は、別紙39の表のとおりであった(なお、参加人は、この点に関し、山梨県、静岡県及び長野県に係る本件評価書において、「トンネル水収支モデルの概要」、「解析条件」及び「水収支解析の検証」等を示した上で、その設定した予測条件を明らかにしている。また、例え ば、静岡県に係る本件評価書では、この「解析条件」等を別紙4 - 140 -0の表のとおりとしている。)。この結果につき、例えば、静岡県に係る本件評価書には、「トンネルの工事及び道路施設(山岳トンネル、非常口(山岳部))の存在に伴う河川流量の変化は表8-2-4-5に示すとおりであり、一部の河川において河川流量に影響があると予測する。特に西俣では、流量減少がみられる が、その原因としてトンネルが断層や破砕帯を横切る区間が存在し、トンネル内の湧水量が増加し、その分地下水から河川への流出量が減少した結果、下流の河川流量が減少したものと考えられる。なお、今回の河川流量の予測は、覆工コンクリート、防水シート及び薬液注入等を実施していない条件下での計算の結果であ り、事業の実施にあたってはさまざまな環境保全措置を実施することから、河川流量への影響を小さくできると考えている。」、「トンネルの工事及び鉄道施設(山岳トンネル、非常口(山岳部))の存在に伴う井戸近傍の河川流量の変化は表8-2-4-6に示すとおりであり、河川の流量が減少するものの、その程度 は小さいため、井戸の水位への影響は小さいと予測する。 ネル、非常口(山岳部))の存在に伴う井戸近傍の河川流量の変化は表8-2-4-6に示すとおりであり、河川の流量が減少するものの、その程度 は小さいため、井戸の水位への影響は小さいと予測する。」などと記載されている。(丙3の1(8-2-4-15頁以下等)、3の2(環8-1-1頁以下等)、4の1(8-2-4-5頁以下等)、4の2(環6-1-1頁以下等)、5の1(8-2-4-36頁以下等)、5の2(環8-1-1頁以下等)) そして、本件評価書には、水資源に係る環境保全措置について、「工事排水の適切な処理」、「工事排水の監視」、「処理設備の点検・整備による性能維持」、「適切な構造及び工法の採用」、「薬液注入工法における指針の順守」、「地下水の継続的な監視」、「放流時の放流箇所及び水温の調整」、「応急措置の体制 整備」、「代替水源の確保」等を実施する旨などが記載されてい - 141 -る(なお、その内容として、例えば、神奈川県に係る本件評価書には、別紙41の表のとおりの記載がされている。)。これを受け、本件評価書には、水資源に係る評価の結果について、この「環境保全措置を確実に実施することから」、「切土工等又は既存の工作物の除去」等に係る「環境影響の回避又は低減が図られ ていると評価する。」などと記載されているほか、「トンネルの工事」等に係る「水資源への影響について、一部の地域において影響があると予測したものの」、この「環境保全措置を確実に実施することから、水資源への影響の低減が図られていると評価する。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-3-12頁 以下等)、2の1(8-2-4-34頁以下等)、3の1(8-2-4-19頁以下等)、4の1(8-2-4-11頁以下等)、5の1 する。」などと記載されている。(丙1の1(8-2-3-12頁 以下等)、2の1(8-2-4-34頁以下等)、3の1(8-2-4-19頁以下等)、4の1(8-2-4-11頁以下等)、5の1(8-2-4-29頁以下等)、6の1(8-2-4-31頁以下等)、7の1(8-2-3-16頁以下等))なお、その他にも、静岡県に係る本件評価書には、「環境保全 措置として、まず本坑に並行する位置に先行して断面の小さい先進坑を掘削し、地質の把握を実施した上で、覆工コンクリートや防水シート、地質によっては薬液注入の施工など、地質に応じた適切な施工方法を検討し実施する。」、「施工に際しては、標準的な工法であるNATMを採用する計画である。NATMはトン ネル周辺の地山の持つ支保力を利用して安全に掘削し、トンネルを構築する工法であり、覆工コンクリートと地山の間に空隙が出来ないため、トンネル内への地下水の湧出が少ないと考えられる。 事業の実施にあたってはさまざまな環境保全措置を実施することから、河川流量の減少量を少なくできると考えている。」、「ト ンネルの工事及び鉄道施設(山岳トンネル、非常口(山岳部)) - 142 -の存在に伴い河川の流量が減少し水利用に影響が出る場合は代替水源の確保などの環境保全措置を実施する。具体的には河川流量が減る量や影響の度合いなどに応じて関係者と打ち合わせを行いながら、トンネル内に湧出した水をポンプで汲み上げるなどして大井川に戻す方法も選択肢として考えている。」、「トンネルの 工事を開始し、先進坑が隣接工区と貫通するまでの間は、トンネル内に湧出した水を汲み上げて非常口(山岳部)から河川に戻すことから、河川流量は減少しない。この間にトンネル内の湧水などの状況を監視する 工事を開始し、先進坑が隣接工区と貫通するまでの間は、トンネル内に湧出した水を汲み上げて非常口(山岳部)から河川に戻すことから、河川流量は減少しない。この間にトンネル内の湧水などの状況を監視することで河川流量への影響を見極め、より適切な環境保全措置を選定することが可能であると考える。」などと 記載されている。(丙4の1(8-2-4-13頁等))ⅴ また、神奈川県、山梨県、静岡県、長野県及び岐阜県に係る本件評価書には、水資源に係る事後調査について、「地下水の水質及び水位、地表水への影響を把握し、環境保全措置を明らかにすることにより水資源への影響を定性的に予測した。トンネル工事 により公共用水域へ排出される濁水、汚水は、必要に応じて法令に基づく排水基準等を踏まえ、適切に処理をして河川へ排出することを前提としており、予測の不確実性は小さく、採用した環境保全措置についても効果に係る知見が十分に蓄積されていると判断できることから公共用水域に係る環境影響評価法に基づく事後 調査は実施しない。」、「地下水の水質に影響を及ぼす要因である薬液注入工法を使用する場合には、「薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針」(中略)に従い工事を実施することとしており、その効果に係る知見が十分に蓄積されていると判断できることから地下水の水質に係る環境影響評価法に基づく事 後調査は実施しない。」、「地下水の水位の予測は地質等調査の - 143 -結果を踏まえ水文地質的に行っており、予測の不確実性の程度が小さく、採用した環境保全措置についても効果に係る知見が蓄積されている。しかしながら、一部のトンネル区間においては、地下水を利用した水資源に与える影響の予測には不確実性があることから、地下水の水位及び地表 採用した環境保全措置についても効果に係る知見が蓄積されている。しかしながら、一部のトンネル区間においては、地下水を利用した水資源に与える影響の予測には不確実性があることから、地下水の水位及び地表水の流量に係る環境影響評価法に 基づく事後調査を実施する。」などと記載されている(なお、その内容として、例えば、神奈川県に係る本件評価書には、別紙42の表のとおりの記載がされている。)。(丙2の1(8-2-4-43頁以下等)、3の1(8-2-4-23頁以下等)、4の1(8-2-4-16頁以下等)、5の1(8-2-4-48 頁以下等)、6の1(8-2-4-35頁以下等))ⅵ さらに、山梨県に係る本件評価書には、「高架橋施工に伴う水資源への影響」について、「甲府盆地内における駅部、橋梁及び高架橋の工事においては、基礎工等の掘削工事を行うが、掘削時には(中略)鋼矢板等で締切るなど止水性の高い施工方法を採用 し、周辺の地下水に影響を及ぼすことはないと考えている。仮に、現地の地質状況などにより止水が十分に効かないことがあった場合でも、駅部、橋梁及び高架橋とも掘削工事の深度は5m程度を想定しており、20~30m程度とされる甲府盆地の浅層帯水層内の表層部分に限られる。また、掘削箇所ごとに排水のための釜 場を設置する等、規模の小さい排水処理対策を行いながら施工を進めることから、周辺の地下水に影響を及ぼすことは少ないと考えている。」、「水道用など主要な井戸は深井戸であり、これらが取水対象としているのは、難透水層で浅層帯水層と区分される深層帯水層と考える。」、「高架橋等の基礎掘削部は帯水層を連 続的に全面的に締切るのではなく、橋脚毎に間隔をあけて施工す - 144 -る計画であり、浅層地下水の地下水流 区分される深層帯水層と考える。」、「高架橋等の基礎掘削部は帯水層を連 続的に全面的に締切るのではなく、橋脚毎に間隔をあけて施工す - 144 -る計画であり、浅層地下水の地下水流動を大きく遮断・阻害することはない。したがって、自噴するものも含めて周辺井戸などに対して大きな影響を与えることはないと考えている。」、「一部の長大橋りょう等において、基礎形式にケーソン基礎を採用する場合は主に河川部を想定している。また、河川部以外でケーソン 基礎を採用する場合がある。一方で、ケーソンの径は約10m程度、橋脚間隔は短くても約80m程度を想定しているため、施工にあたって河川や帯水層を連続的に締め切ることはなく河川の流動や地下水の流動を大きく阻害するものではないこと、また、適切な止水性の高い施工方法を採用することにより、水資源への影 響は小さいと考えている。」、「基礎工等の掘削工事では、施工前に詳細な地質調査等を実施し、水資源等への影響を防ぐための施工計画やモニタリング計画を策定し、工事を実施する。」などと記載されている。(丙3の2(環8-3-1頁以下等))加えて、山梨県に係る本件評価書には、①「工事中の影響及び 対応」として、「実験線の影響予測においては、一部において影響があると予測されたこと、代表的な河川を抽出しており、それ以外の河川に減渇水が生じる可能性もあることから地元と協議の上、測定箇所を選定して継続的に流量観測を行い、減水の兆候を事前に把握するよう努めた。また、より精緻な調査のため一部の 地区については、観測用の井戸を設けるなどの対応をとった。その結果、竹居~上黒駒間のトンネル、上黒駒~奥野沢間のトンネル、朝日曽雌~大の入川間のトンネル、大の入川~安寺沢間のトンネルにお 地区については、観測用の井戸を設けるなどの対応をとった。その結果、竹居~上黒駒間のトンネル、上黒駒~奥野沢間のトンネル、朝日曽雌~大の入川間のトンネル、大の入川~安寺沢間のトンネルにおいて流量の減少等が観測されたが、住民(水利用者)の生活に支障をきたさぬよう、応急対策を実施しており、その後 も流量観測を継続し、住民の皆様と協議をしながら、必要な恒久 - 145 -対策を実施している。」などと記載されているほか、②「トンネル工事実施時の水資源に対する対応の基本的な考え方」として、「山梨リニア実験線区間での影響検討と、本評価書における予測は、ともに水文・地質学的検討を基本に定性的に行っており、水収支解析を実施し定量的に予測している南アルプス区間を除き予 測の考え方には基本的に違いはない。そのため施工中は河川流量、井戸水位観測、水質調査等の水文調査を継続的に行い、トンネル掘削に伴う湧水で地表水の枯渇減少等により地表水利用に対する影響監視を継続的に実施する。工事中に減水・渇水などの兆候が認められた地区については、住民(水利用者)の生活に支障をき たさぬよう、応急対策を実施する。(中略)万が一補償が必要な場合は、「公共事業に係る工事の施工に起因する水枯渇等により生ずる損害等に係る事務処理について」(中略)に基づいて補償を行う。」などと記載されている。(丙3の2(環8-4-1頁以下等)) ⅶ その他にも、静岡県に係る本件評価書には、①「毎秒2立方メートル減少するメカニズムを関係者に分かりやすく説明するとともに、環境保全措置の実施に当たっては、鉄道施設(山岳トンネル、非常口(山岳部))への技術的に可能な最大限の漏水防止対策と同施設内の湧水を大井川へ戻す対策をとること」などを求め すく説明するとともに、環境保全措置の実施に当たっては、鉄道施設(山岳トンネル、非常口(山岳部))への技術的に可能な最大限の漏水防止対策と同施設内の湧水を大井川へ戻す対策をとること」などを求め る静岡県知事の意見に対する事業者の見解として、「評価書にメカニズムなどの記載を追加いたしました。今後も事業の進捗に応じ、必要の都度関係機関にご説明してまいります。今後工事計画を具体化する際には他事例や最新技術の採用の検討も含めて計画を策定してまいります。工事開始からトンネルが開通するまでの 6~7年間は、トンネル内の湧水を汲み上げて、非常口から大井 - 146 -川に戻す計画です。その間に、施工中の湧水量や河川流量の把握を行うことができますので、影響を見極めつつ、適切な保全措置を最終決定し、影響を可能な限り低減します。さらに、工事完了後も流量の観測等を行い、必要であれば利水関係者のお話をお聞きし、恒久対策を実施します。例えば、工事完了後も、トンネル 湧水をポンプアップして河川へ戻すことは一つの選択肢と考えています。」などと記載され、②「流量確保に加え、水の濁りや汚れ等、水質に配慮した排水対策を含め、水環境全体の保全に万全を期すこと」などを求める静岡県知事の意見に対する事業者の見解として、「評価書に河川流量の予測結果を記載しました。工事 に際し何も対策を行わない、最も厳しい条件下でのシミュレーションによるものであり、実際のトンネル掘削工事は、本線トンネルに先立ち先進坑という断面の小さなトンネルを掘り地質の把握を行い、その地質に応じた設計や補助工法を採用するので、減少量は予測より少なくできると考えています。評価書に記載しまし た水資源、水質に関する環境保全措置を確実に実施し環境への影響を低減してまいり 、その地質に応じた設計や補助工法を採用するので、減少量は予測より少なくできると考えています。評価書に記載しまし た水資源、水質に関する環境保全措置を確実に実施し環境への影響を低減してまいります。水質についてはモニタリングを予定しています。また、水温についても計測し、水環境の保全に努めてまいります。」などと記載され、③「トンネルに係る工事及び鉄道施設の存在により、減少した水がどのように散逸しているかを、 水利使用において条件の厳しい渇水期での影響や予測箇所より下流への影響を含め、解析条件、解析過程及び水収支について具体的な数値を示すなど分かりやすく示すこと」などを求める静岡県知事の意見に対する事業者の見解として、別紙43の表を示した上で、「減少した水はトンネル内に湧出すると考えられます。ま た、渇水期は河川の流量が少ないものの、減少量も小さいと考え - 147 -られます。また、トンネルの工事及び存在による地下水への影響範囲は「地下水の水質及び水位」にお示ししたとおり、下流域にまで影響は及ばないため、予想箇所より下流域において減少量がさらに増えることはないと考えられます。(中略)解析条件については、資料編に、解析手法、解析範囲、境界条件、地形・地質 条件、気象条件、水理定数の内容を記載しています。また、トンネル水収支モデルの概要について記載しました。」などと記載されている(なお、渇水期における「完成後の流量」が示された地点の中に、0㎥/sとなると予測されたものは存在しない。)。 (丙4の1(6-3-4頁、6-3-13頁等)) ⅷ また、長野県に係る本件評価書には、「評価書においてシミュレーションの精度を踏まえた予測評価結果の記載をすること。」などを求める長野県知事の意見に対す -3-13頁等)) ⅷ また、長野県に係る本件評価書には、「評価書においてシミュレーションの精度を踏まえた予測評価結果の記載をすること。」などを求める長野県知事の意見に対する事業者の見解として、「水資源の予測の一部で用いた水収支解析は、現時点で確立された最新、最良の手法であると考えており、長野県内において最近 では平成21年4月の「一般国道474号三遠南信自動車道青崩峠道路(中略)」(中略)で用いられています。本解析による河川の計算流量と現地での観測流量との相関は資料編に記載のとおりです。この結果から、各予測地点におけるある一時点の個々の予測結果にはばらつきがあるものの長期的、総括的な予測結果 としては一定の範囲に収まっていることから予測に用いた水収支解析モデルは一定の精度が確保され妥当であると考えています。 なお、計算流量と観測流量には乖離が生じる場合もあり、水収支解析の結果には不確実性が含まれますので、第8章及び第10章に記載のとおり、工事着手前、工事中、工事完成後において水資 源に係る事後調査を実施し状況を確認していきます。水収支解析 - 148 -に用いた透水係数については、資料編に記載した天竜川から玉竜寺川までの未固結層のようにボーリング孔内で実施した湧水圧試験結果から得られた透水係数、並びに計画路線近傍及び類似の事例などを参考にした透水係数を基に、水収支解析モデル上において南アルプス地区で20地点、飯田市風越地区で36地点の現地 観測流量と計算流量の較正を行い設定しています。また、水資源への影響に係る水収支解析による予測、評価の結果は第8章に記載のとおりです。」などと記載されている。(丙5の1(6-202頁等))ⅸ さらに、本件評価書には、「 ます。また、水資源への影響に係る水収支解析による予測、評価の結果は第8章に記載のとおりです。」などと記載されている。(丙5の1(6-202頁等))ⅸ さらに、本件評価書には、「水資源に影響を及ぼす可能性のあ る大井川を始めとする沿線の各河川は、水道用水、農業用水、工業用水及び発電用水等に利用されていることから、河川流量の減少は河川水の利用に重大な影響を及ぼすおそれがある。このことを踏まえ、必要に応じて精度の高い予測を行い、その結果に基づき水系への影響の回避を図ること。」、「工事実施前から、河川 流量の把握を継続的に行うとともに、専門家等の助言を踏まえた計画を策定した上で、工事実施中から工事実施後の適切な時期までモニタリングを実施すること。」、「水利用に影響が生じた場合は、専門家等の助言を踏まえ、適切な環境保全措置を講じること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、 「これまでも、山岳トンネル部周辺の河川においては流量の測定を定期的に実施してきており、変動を含めてその状況を把握しています。また、資料編に追記したとおり、国鉄時代から長年にわたって実施してきた地質調査により、地域の地質の状況や透水性について把握しており、これらの結果をもとに第8章において水 資源の予測評価を実施してきております。さらに地域特性を考慮 - 149 -し、南アルプス(早川~小渋川)等においては、水資源に関する最新の予測手法として一般国道474号三遠南信自動車道青崩峠道路の環境影響評価等に用いられている三次元水収支解析を実施しています。今後、トンネル工事実施までに巨摩山地及び伊那山地においても三次元水収支解析を実施してまいります。」、「工 事にあたっては、事前に先進ボーリング等、最 れている三次元水収支解析を実施しています。今後、トンネル工事実施までに巨摩山地及び伊那山地においても三次元水収支解析を実施してまいります。」、「工 事にあたっては、事前に先進ボーリング等、最先端の探査技術を用いて地質や地下水の状況を把握したうえで、必要に応じて薬液注入を実施することや、覆工コンクリート、防水シートを設置することにより水位への影響を低減し、水系への影響を回避するよう努めてまいります。これらの環境保全措置の内容については、 図等を用いてわかりやすく資料編に追記いたしました。」、「山岳トンネル工事に伴う河川流量への影響の把握については、これまで実施してきた定期的な流量計測を今後も引続き実施するとともに、工事1年前から工事完了後3年までの間は、第8章及び第10章に記載のとおり、水系毎に流量の少ない源流部や支流部を 含む複数の地点を設定し、事後調査として河川流量の継続的な計測を実施します。」、「計測にあたっては、第8章、第10章および資料編に追記したとおり、専門家等の助言を踏まえ、地点や頻度に係る計画を策定のうえ、進めてまいります。」、「計測の結果、水利用に影響が生じた場合は、専門家等の助言を踏まえ、 代替水源確保等の適切な環境保全措置を講ずるとともに、その内容について公表してまいります。」、「大井川については、シミュレーションの予測結果、計測結果、及び水利用に影響が生じた場合の環境保全措置の検討内容について、専門家等による委員会を設置し助言を受け、それを踏まえ、環境保全措置を適切に実施 してまいります。委員会での検討内容については、公表していく - 150 -こととし、透明性の確保に努めてまいります。」などと記載されている。(丙1の1(13-9頁以下等)、2の1(13-9頁以下 ます。委員会での検討内容については、公表していく - 150 -こととし、透明性の確保に努めてまいります。」などと記載されている。(丙1の1(13-9頁以下等)、2の1(13-9頁以下等)、3の1(13-9頁以下等)、4の1(13-9頁以下等)、5の1(13-9頁以下等)、6の1(13-9頁以下等)、7の1(13-9頁以下等)) ⅹ その後、参加人は、「巨摩山地」や「伊那山地」における水収支解析を実施した上で、その結果を整理して公表した。(丙21、22)⒡ 国交大臣は、以上で述べた点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内 でその影響の回避又は低減が図られているほか、必要に応じて損なわれる環境の有する価値の代償も検討されていることなどから、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断した。 b⒜ このように、参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、環境要素に及ぼす影響の重大性等を踏まえ、水質(水 の濁りや水の汚れ)、水底の底質、地下水の水質及び水位、水資源等を環境影響評価の項目として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定するなどしたことが認められる。また、以上で認定したように、参加人は、その選定した手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実 施し、その結果の概要を整理して、本件評価書に記載したものであるし、環境影響評価の手続で述べられた意見も勘案して、それを踏まえた対応をしていたことなども指摘することができる。そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内で 見も勘案して、それを踏まえた対応をしていたことなども指摘することができる。そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響 の回避又は低減が図られているほか、必要に応じて損なわれる環境 - 151 -の有する価値の代償も検討されていることから、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのであり、その判断過程や内容等をみても、当該判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用し たものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 ⒝ なお、参加人による調査、予測及び評価の手法の選定等のうち、例えば、地下水の水位についてみると、以上で認定したように、参 加人は、調査の基本的な手法として、「文献調査により、井戸、湧水等の分布状況及び測定結果等の文献、資料を収集し、整理した」上で、これを「補完するため、関係自治体等へのヒアリングを行」うとともに、別紙36の2の表のとおり、「地下水調査及び観測指針(案)」や「JISK 0102 4」に定める測定方法に準 拠した現地調査を行うという手法を選定したものであることが認められるところ、鉄道事業評価省令24条1項2号において、調査の基本的な手法につき、「国又は関係する地方公共団体が有する文献その他の資料の入手、専門家等からの科学的知見の聴取、現地調査その他の方法により調査すべき情報を収集し、その結果を整理し、 及び解析する手法」と規定されていることなどに鑑みると、参加人 文献その他の資料の入手、専門家等からの科学的知見の聴取、現地調査その他の方法により調査すべき情報を収集し、その結果を整理し、 及び解析する手法」と規定されていることなどに鑑みると、参加人の選定した調査の基本的な手法は、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則したものということができる。 また、参加人は、調査地域を「対象事業実施区域及びその周囲の内、都市トンネル、非常口(都市部)、地上駅、変電施設を対象に 切土工等又は既存の工作物の除去、トンネルの工事及び鉄道施設 - 152 -(トンネル、駅、変電施設)の存在に係る地下水の水質及び水位への影響が生じるおそれがあると認められる地域」などに設定し、調査地点(現況調査地点)を「調査地域の内、住居等の分布状況及び利用状況を考慮し、地下水の現況を適切に把握できる地点」に設定している。これらは、鉄道事業評価省令24条1項3号において、 調査地域につき、「対象鉄道建設等事業の実施により選定項目に関する環境要素に係る環境影響を受けるおそれがある地域又は土地の形状が変更される区域及びその周辺の区域その他の調査に適切な範囲であると認められる地域」と規定され、同項4号において、調査地点につき、「調査すべき情報の内容及び特に環境影響を受けるお それがある対象の状況を踏まえ、地域を代表する地点その他の調査に適切かつ効果的であると認められる地点」と規定されていることなどを踏まえたものと考えられるし、本件評価書にも、「国土交通省令の参考手法や「道路マニュアル」に示された手法を参考にしつつ必要に応じ専門家の意見を伺いながら適切に調査を進め、実績の ある手法を用いて予測を行い、国や自治体が定めている基準・目標等がある場合、それらとの整合が図られているか、環境保 法を参考にしつつ必要に応じ専門家の意見を伺いながら適切に調査を進め、実績の ある手法を用いて予測を行い、国や自治体が定めている基準・目標等がある場合、それらとの整合が図られているか、環境保全措置を講じることにより、事業者により実行可能な範囲内でできる限り回避又は低減が図られているかという点に着目して評価し、その結果をまとめております。」などと記載されているほか、「調査地域、 調査地点は、予測すべき範囲を見込んだうえで、その地域の状況を把握できる地点として、影響範囲や保全の対象と考えられる住居等から選定しており、十分であると考えています。」などと記載されていることが認められる。 さらに、参加人は、例えば、長野県に係る本件評価書において、 「夏季:平成24年8月20日~30日」、「秋季:平成24年1 - 153 -0月22日~30日」、「冬季:平成24年12月10日~26日」及び「春季:平成25年3月26日~4月12日」を調査期間等(現地調査期間)としているが、これは、鉄道事業評価省令24条1項5号において、調査期間等につき、「調査すべき情報の内容を踏まえ、調査に適切かつ効果的であると認められる期間、時期又は 時間帯」と規定されていることなどを踏まえた上で、他の事例等を参考として設定したものと認められるし、この点をもって、直ちに不合理とする事情までは見当たらないものといえる。 加えて、参加人は、予測の基本的な手法について、三次元浸透流解析を用いた「定量的手法」により予測するほか、「山岳トンネル」 等では、高橋の水文学的方法等を用いた「定性的手法」により予測するなどとしている。これは、鉄道事業評価省令25条1項1号において、予測の基本的な手法につき、「環境の状況 か、「山岳トンネル」 等では、高橋の水文学的方法等を用いた「定性的手法」により予測するなどとしている。これは、鉄道事業評価省令25条1項1号において、予測の基本的な手法につき、「環境の状況の変化又は環境への負荷の量を、理論に基づく計算、模型による実験、事例の引用又は解析その他の手法により、定量的に把握する手法」と規定され ているものの、同条2項において準用する鉄道事業評価省令8条2項の規定により、「定量的な把握が困難な場合にあっては、定性的に把握する手法を選定する」とされていることなどを踏まえたものと考えられる。そして、このうちの高橋の水文学的方法については、「トンネルの工事に伴う地下水の影響範囲を推定する一般的な手法」 とされているものであるし、専門家等による技術的助言でも、「山岳部の地下水予測にあたっては、地形・地質等も考慮し、適切な手法を検討する必要がある。」、「高橋の水文学的方法は降雨を考慮せず、地形のみで範囲を求めるので、広めになる可能性がある。したがって、高橋の方法で広めに調査範囲を設定し、さらに絞り込ん で予測評価するという方法は問題はない。」などとされていたこと - 154 -から、参加人において、これを踏まえ、まずは、高橋の水文学的方法を用いて「各トンネル区間全体の地下水の影響範囲」を求めた上で、水文地質的検討を加えて地下水の水位への影響を予測することとしたというのであるし、この点をもって、明らかに合理性を欠くなどとはいえないものと解される。 そして、参加人の選定した評価の手法については、鉄道事業評価省令26条1号及び2号に掲げる事項に留意して選定されたものと認められるし、その他に、本件全証拠を精査しても、以上で述べた地下水の水位に限らず、参加人の選定 定した評価の手法については、鉄道事業評価省令26条1号及び2号に掲げる事項に留意して選定されたものと認められるし、その他に、本件全証拠を精査しても、以上で述べた地下水の水位に限らず、参加人の選定した調査、予測及び評価の手法の選定等が評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則したものでな かったとする事情は見当たらないものといえる。 ⒞ また、参加人は、神奈川県、山梨県、静岡県、長野県及び岐阜県に係る本件評価書において、水資源等に係る事後調査について、「地下水の水位の予測は地質等調査の結果を踏まえ水文地質的に行っており、予測の不確実性の程度が小さく、採用した環境保全措置 についても効果に係る知見が蓄積されている。しかしながら、一部のトンネル区間においては、地下水を利用した水資源に与える影響の予測には不確実性があることから、地下水の水位及び地表水の流量に係る環境影響評価法に基づく事後調査を実施する。」などと記載している。これは、鉄道事業評価省令32条1項1号に掲げる場 合、すなわち、「予測の不確実性の程度が大きい選定項目について環境保全措置を講ずる場合」に該当することを踏まえたものであるし、その内容等をみても、明らかに合理性を欠くなどということはできないと考えられる。 c これに対し、原告らは、①本件事業では、地下水をせき止めている 破砕帯等での工事が想定されるため、それに伴って多量の地下水が湧 - 155 -出して、地下水の水位の低下や河川の流量の減少につながるおそれがあるし、建設される高架橋の基礎が地下深くまで及ぶことにより、水脈の分断等につながるおそれも否定し難い旨、②静岡県の大井川では、トンネルの掘削等に伴い、その源流の流量が毎秒約2㎥も減少すると予測されているから、流域 高架橋の基礎が地下深くまで及ぶことにより、水脈の分断等につながるおそれも否定し難い旨、②静岡県の大井川では、トンネルの掘削等に伴い、その源流の流量が毎秒約2㎥も減少すると予測されているから、流域住民の生活等に深刻な影響を及ぼすおそれ があるといえ、その他の地域でも、同様の問題が懸念されているにもかかわらず、参加人は、実際にコアボーリング調査等をすることなく、透水係数の設定等をしているし、流量の減少に対してどのような措置を具体的に講ずるのかや、それにより流量の減少をどの程度防止することができるのかなどの点についての記載もされていないことが認め られる旨、③参加人が、大量の地下水を湧出させるおそれがある畑薙山断層帯の通過等を想定した記載を意図的に省略して、事後的にその想定を変更したこと、事後的にトンネルの掘削の工法を変更したこと、何ら記載をしていなかった導水路トンネルを事後的に提案したことなどに鑑みても、環境保全措置の検討等が十分にされていないものとい える旨、④現に山梨実験線の建設等に伴って、周辺住民は簡易水道の水源が枯渇するなどの被害を受けているし、水源の枯渇に対して代替水源を用意すれば問題ないということもできない旨、⑤トンネルの掘削等による地下水の水位等への影響を調査したとされる調査地点等は限定的であり、十分な調査がされたとは認め難いし、突発的に高圧な 地下水が湧出する可能性を指摘する地質調査資料を隠匿して、これを十分に考慮しなかったことも認められる旨、⑥地下水の水位の低下等に係る環境保全措置として、薬液注入工法等を実施するとされているが、高圧な地下水が大量に湧出した場合などには、これらによって対応することはできない旨、⑦仮に流出した地下水をポンプアップや導 水路トンネルからの自然流下により大井川 等を実施するとされているが、高圧な地下水が大量に湧出した場合などには、これらによって対応することはできない旨、⑦仮に流出した地下水をポンプアップや導 水路トンネルからの自然流下により大井川に戻すとしても、流出した - 156 -地下水を全て戻せるものではなく、上流域を中心として河川の流量が大幅に減少する可能性を否定することはできないし、参加人の想定するポンプアップに伴い電気代が1日当たり48億円にも上ることなどに鑑みると、非現実的な想定にとどまるといえる旨などを主張している。 しかしながら、参加人が、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、水質、水底の底質、地下水の水質及び水位、水資源等を環境影響評価の項目として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定するとともに、それに基づいて、これに係る環境影響評価を実施したことは、以 上で述べたとおりであるし、原告らの主張する点を踏まえて、本件全証拠を精査しても、これを覆すに足りる事情は見当たらないものといえる。 そして、原告らの問題とする地下水の水位や水資源をみると、参加人は、地下水の水位に係る予測の結果として、「切土工等又は既存の 工作物の除去」等に伴う地下水の水位への影響は、三次元浸透流解析の結果等を踏まえ、小さいと予測する一方で、山岳部における「トンネルの工事」等に伴う地下水の水位への影響は、「トンネル区間全般としては小さいものの、破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の水位へ影響を及ぼす可能性がある」などとし、また、水資源に係る予 測の結果として、「切土工等又は既存の工作物の除去」等に係る水資源への影響は、小さいと予測する一方で、山岳部における「トンネ の水位へ影響を及ぼす可能性がある」などとし、また、水資源に係る予 測の結果として、「切土工等又は既存の工作物の除去」等に係る水資源への影響は、小さいと予測する一方で、山岳部における「トンネルの工事」等に係る水資源への影響は、「一部において断層付近の破砕帯等、地質が脆弱な部分を通過することがあり、状況によっては工事中に集中的な湧水が発生する可能性がある。」、「トンネル区間全般 としては小さいものの、破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の - 157 -水位へ影響を及ぼす可能性がある」などとしたことが認められる。また、参加人は、これに係る環境保全措置として、鉄道事業評価省令29条の規定に則して、「止水性の高い山留め工法等の採用」、「適切な構造及び工法の採用」、「地下水の継続的な監視」、「応急措置の体制整備」、「代替水源の確保」等を検討し、別紙38及び41の表 のとおり、「湧水の発生を抑えることで、地下水の水位の低下を抑制することにより影響を低減できる。」、「山岳部のトンネルにおいて、工事の施工に先立ち事前に先進ボーリング等、最先端の探査技術を用いて地質や地下水の状況を把握したうえで、必要に応じて薬液注入を実施することや、覆工コンクリート、防水シートを設置することによ り、地下水への影響を低減できる。」、「非常口(山岳部)についても、工事前から工事中にかけて河川流量や井戸の水位等の調査を行うとともに、掘削中は湧水量や地質の状況を慎重に確認し、浅層と深層の帯水層を貫く場合は水みちが生じないように必要に応じて薬液注入を実施するとともに、帯水層を通過し湧水量の多い箇所に対しては、 覆工コンクリートや防水シートを設置し地下水の流入を抑えることなどにより、地下水への影響を低減できる。」、「地下水の水位、 注入を実施するとともに、帯水層を通過し湧水量の多い箇所に対しては、 覆工コンクリートや防水シートを設置し地下水の流入を抑えることなどにより、地下水への影響を低減できる。」、「地下水の水位、水質の継続的な観測を行うことで、地下水に変化が生じて周辺環境に与える前に、対策を実施することで影響を低減できる。」、「地下水等の監視の状況から地下水低下等の傾向がみられた場合に、速やかに給水 設備等を確保する体制を整えることで、水資源の継続的な利用への影響を低減できる。」、「回避、低減のための措置を講じても、水量の不足等重要な水源の機能をやむを得ず確保できなくなった場合は、代償措置として、水源の周辺地域においてその他の水源を確保することで、水資源の利用への影響を代償できる。」などとし、その検討の結 果を明らかにしている。また、参加人は、これらに係る評価の結果と - 158 -して、山岳部において「トンネルの工事」等に係る影響が一部に予測されるものの、以上で述べた環境保全措置を確実に実施することから、これらに係る影響の低減が図られていると評価したものであるし、山岳部における予測の不確実性等を踏まえ、「地下水の水位及び地表水の流量に係る環境影響評価法に基づく事後調査を実施する。」とした ことも認められる。そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の低減が図られているほか、必要に応じて損なわれる環境の有する価値の代償も検討されていることから、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのであり、 その判断過程や内容等をみても、それをもって、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが 環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのであり、 その判断過程や内容等をみても、それをもって、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられ る。 また、原告らが特に問題とする南アルプスを通過することになる「早川から静岡県境まで」、「静岡県内」及び「静岡県境から小渋川まで」においては、水収支解析を用いた予測が実施されているところ、この水収支解析は、「山岳トンネル部の湧水対策は、事前に精度の高 い予測を行った上で対策を検討しておく必要があることから、(中略)三次元水収支解析を用いてより精度の高い予測を行」うことなどを求める国交大臣の意見を踏まえ、これに対する事業者の対応として実施されたものであるし、他の事例でも水資源に関する最新の予測手法として用いられていることが認められる。そして、参加人において、 「トンネル水収支モデルの概要」、「解析条件」及び「水収支解析の - 159 -検証」等を示し、その設定した予測条件を明らかにした上で、水収支解析を用いた予測をしたところ、その結果は、別紙39の表のとおりであり、静岡県内において、河川の流量が毎秒約2㎥減少すると予測されている地点が存在することになる。原告らは、この予測を踏まえて主張するものと解されるが、この予測については、「覆工コンクリ ート、防水シート及び薬液注入等を実施していない条件下での計算の結果」にとどまるし、静岡県に係る本件評価書を例にみても、「工事に際し何も対策を行わない、最も厳し 予測については、「覆工コンクリ ート、防水シート及び薬液注入等を実施していない条件下での計算の結果」にとどまるし、静岡県に係る本件評価書を例にみても、「工事に際し何も対策を行わない、最も厳しい条件下でのシミュレーションによるものであり、実際のトンネル掘削工事は、本線トンネルに先立ち先進坑という断面の小さなトンネルを掘り地質の把握を行い、その 地質に応じた設計や補助工法を採用するので、減少量は予測より少なくできると考えています。評価書に記載しました水資源、水質に関する環境保全措置を確実に実施し環境への影響を低減してまいります。」などと記載されていることが認められる。また、参加人は、以上で認定したように、これに係る環境保全措置として、「止水性の高い山留 め工法等の採用」、「適切な構造及び工法の採用」、「地下水の継続的な監視」、「応急措置の体制整備」、「代替水源の確保」等を検討しており、静岡県に係る本件評価書にも、「まず本坑に並行する位置に先行して断面の小さい先進坑を掘削し、地質の把握を実施した上で、覆工コンクリートや防水シート、地質によっては薬液注入の施工など、 地質に応じた適切な施工方法を検討し実施する。」、「施工に際しては標準的な工法であるNATMを採用する計画である。NATMはトンネル周辺の地山の持つ支保力を利用して安全に掘削し、トンネルを構築する工法であり、覆工コンクリートと地山の間に空隙が出来ないため、トンネル内への地下水の湧出が少ないと考えられる。事業の実 施にあたってはさまざまな環境保全措置を実施することから、河川流 - 160 -量の減少量を少なくできると考えている。」、「トンネルの工事及び鉄道施設(山岳トンネル、非常口(山岳部))の存在に伴い河川の流量が減少し水利用に影響が出 ることから、河川流 - 160 -量の減少量を少なくできると考えている。」、「トンネルの工事及び鉄道施設(山岳トンネル、非常口(山岳部))の存在に伴い河川の流量が減少し水利用に影響が出る場合は代替水源の確保などの環境保全措置を実施する。具体的には河川流量が減る量や影響の度合いなどに応じて関係者と打ち合わせを行いながら、トンネル内に湧出した水を ポンプで汲み上げるなどして大井川に戻す方法も選択肢として考えている。」などと記載されていることが認められるから、これに反する原告らの主張は、その前提を欠くものといえる。そして、参加人は、このような事情を踏まえ、山岳部において「トンネルの工事」等に係る影響が一部に予測されることを前提としつつ、以上で述べた環境保 全措置を確実に実施することにより、これらに係る影響の低減が図られていると評価したものであって、その影響が全くないなどと予測したり、その影響を確実に回避することができると評価したものではないから、これを前提として本件認可(その1)に先立つ環境影響評価の当否を判断することはできないと考えられる(なお、仮に、原告ら の主張につき、河川の流量を全く減少させないことまでを求める趣旨のものと解する余地があるとしても、鉄道事業評価省令26条1項1号において、評価の手法につき、「対象鉄道建設等事業の実施により当該選定項目に係る環境要素に及ぶおそれがある影響が、事業者により実行可能な範囲内でできる限り回避され、又は低減されて(中略) いるかどうかを評価する手法」と規定されていることや、鉄道事業評価省令29条1項において、環境保全措置につき、「事業者により実行可能な範囲内で選定項目に係る環境影響をできる限り回避し、又は低減すること」と規定されていることに加え、環境アセス ことや、鉄道事業評価省令29条1項において、環境保全措置につき、「事業者により実行可能な範囲内で選定項目に係る環境影響をできる限り回避し、又は低減すること」と規定されていることに加え、環境アセスメント技術ガイドでも、「評価の考え方」として、「環境影響の回避・低減に係 る評価においては、事業の実施による環境影響をゼロにすることはで - 161 -きないが、環境影響をいかに回避・低減した計画となっているか、またそのためにどこまで検討を重ね、配慮してきたかが明示されることが望まれる。」とされていることに鑑みると(甲C環1)、その主張するように、河川の流量が全く減少しないとまでいえないとしても、環境影響評価上、それをもって、直ちに違法の問題が生ずるとは解し 難いものといえる。)。また、原告らは、環境保全措置の実施により流量の減少をどの程度防止することができるかなどについての記載がないことを問題にしているが、鉄道事業評価省令24条2項において準用する鉄道事業評価省令8条2項の規定により、予測の基本的な手法を選定するに当たって、「定量的な把握が困難な場合には、定性的 に把握する手法を選定する」とされているところ、このような場合には、その予測の結果に基づいてする環境保全措置の検討や評価を定量的に行うことが困難な事態も容易に想定されるものと解されるし、その他に、評価法や鉄道事業評価省令の規定等を精査しても、本件評価書の記載を超えて定量的な記載をすべきであったとする法的な根拠ま では見当たらないものといえる。加えて、これらの地域で地下水の水位の低下等のおそれがあること自体は否定し難いとしても、参加人自身、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、工事中に集中的な湧水が発生する可能性を含め、その影響が予測され の地域で地下水の水位の低下等のおそれがあること自体は否定し難いとしても、参加人自身、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、工事中に集中的な湧水が発生する可能性を含め、その影響が予測されることを前提としていたことは、以上で述べたとおりであるから、それをもって、 直ちに以上で述べた当裁判所の判断が左右されるとは解されないし、参加人も、以上で述べた環境保全措置を確実に実施し、トンネル内に湧出した水を大井川に戻す方法も選択肢として検討することにより、その影響の低減を図るとしつつ、山岳部における予測の不確実性等を踏まえて、「地下水の水位及び地表水の流量に係る環境影響評価法に 基づく事後調査を実施する。」こととし、「工事中に減水・渇水など - 162 -の兆候が認められた地区については、住民(水利用者)の生活に支障をきたさぬよう、応急対策を実施する。」、「万が一補償が必要な場合は、「公共事業に係る工事の施工に起因する水枯渇等により生ずる損害等に係る事務処理について」(中略)に基づいて補償を行う。」などとしていることも認められる。 そして、環境配慮審査は、評価法32条1項の規定により、評価書の記載事項等に基づいて、対象事業につき、環境の保全についての適正な配慮がなされるものであるかどうかを審査するものであるところ(なお、ここでいう「配慮」とは、「その事業の実施に関し、環境の保全が図られるように、悪影響の減殺を図るための措置を講じること」 を意味するものと解される。)、本件評価書には、以上で述べたように、地下水の水位や水資源につき、山岳部における「トンネルの工事」等に係る影響が予測される一方で、参加人において、その影響の低減を図るために、環境保全措置として、「適切な構造及び工法の採用」 たように、地下水の水位や水資源につき、山岳部における「トンネルの工事」等に係る影響が予測される一方で、参加人において、その影響の低減を図るために、環境保全措置として、「適切な構造及び工法の採用」、「地下水の継続的な監視」、「応急措置の体制整備」等を実施すると ともに、「水量の不足等重要な水源の機能をやむを得ず確保できなくなった場合」を想定して、「代替水源の確保」等も実施する旨が記載されているほか、山岳部における予測の不確実性等を踏まえて、事後調査を実施することとし、その結果により環境影響の程度が著しいと判明した場合には、速やかにその原因の把握に努め、対策を検討する 旨も記載されていたことから、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の低減が図られているほか、必要に応じて損なわれる環境の有する価値の代償も検討されているとして、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのである し、本件全証拠を精査しても、当該判断について、重要な事実の基礎 - 163 -を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとする事情までは認められないものと考えられる。 さらに、原告らは、実際にコアボーリング調査等がされずに、透水係数が設定されたことなどを問題としているが、参加人は、これまでの地質調査等の結果に基づいて、透水係数を設定したものであるし (なお、静岡県に係る本件評価書に記載された透水係数は、別紙40の2の表のとおりである。)、それを用いた計算流量と現地観測流量との整合性等の検証もされていることが認められるから、これに一定の精度があるとみることが、特段不合理とまではいえないものと考えられる の2の表のとおりである。)、それを用いた計算流量と現地観測流量との整合性等の検証もされていることが認められるから、これに一定の精度があるとみることが、特段不合理とまではいえないものと考えられる(なお、原告らが提出したリニア中央新幹線静岡工区有識者会 議の議事録(甲CS61)には、「県境付近の断層については、断層帯の幅がかなり広いことから、1つのブロックの中に一部分断層があるというイメージではないため、透水係数がもう少し高い可能性がある。」と記載されているが、これに続けて「そうなった時にどうなるかという質問である。」と記載されていることなどに鑑みると、当該 有識者会議の委員が確定的な意見として述べたものと解することはできないし、その他にも、当該有識者会議では、参加人において「解析を行った上で、実際の河川の流量と整合が合うようにやっているので、一番良い組合せということで適切だと考えている。透水係数を大きくしてしまうと河川流量との整合がとれなくなってしまう」、「断層帯 では10-6m/秒という数字を使っているが、これは想定している(断層帯の)幅である大体1km全部にこの数字を与えている。一方、静岡県側から斜めのボーリングをやって県境の断層付近を探っているが、悪いところが何百メートルにわたって全て続くということではなく、いいところもありながら悪いところもある。そこを一律悪いとい う条件で、10-6m/秒という値を設定した。」などと説明されてい - 164 -ることも認められる。また、当該有識者会議は、そもそも、本件認可後に、参加人と静岡県との間で本件事業に係る協議がかみ合わない中で、国土交通省の調整により立ち上げられ、静岡県から推薦された委員も参加の下で、「トンネル湧水の全量の大井川表流水への戻し方」 本件認可後に、参加人と静岡県との間で本件事業に係る協議がかみ合わない中で、国土交通省の調整により立ち上げられ、静岡県から推薦された委員も参加の下で、「トンネル湧水の全量の大井川表流水への戻し方」や「トンネルによる大井川中下流域の地下水への影響」について、科 学的あるいは工学的な観点から定量的に議論するために、予測の精度を高める方向での検討がされているものであるところ(甲CS33~35、38、60、61)、他方で、本件で問題となる環境影響評価の手続については、以上で述べたように、事業の内容が順次具体化していく過程で、事業特性等を踏まえつつ実施されるものであって、必 ずしも評価書の作成時にあらゆる事項が具体的に特定されていることまでは求められていないし、①評価法上の調査及び予測は評価法上の評価のために行われるものと解されること(なお、甲C環1、2参照)、②その評価の基本とされる「環境影響の回避・低減に係る評価」につき、鉄道事業評価省令26条1号において、「対象鉄道建設等事 業の実施により当該選定項目に係る環境要素に及ぶおそれがある影響が、事業者により実行可能な範囲内でできる限り回避され、又は低減されて(中略)いるかどうかを評価する」と規定されていること、③その評価や環境保全措置の検討を常に定量的に行うべきとする法的な根拠も見当たらないこと、④鉄道事業評価省令32条1項1号の規定 によれば、「予測の不確実性の程度が大きい」ことをもって、直ちにその評価につき明らかに合理性を欠くなどということはできないことに加え、9条認可の申請前に実施される環境影響評価の特性等に鑑みると、両者は、前提を異にするものといえるから、当該有識者会議での議論をもって、直ちに以上で述べた当裁判所の判断が左右されるこ とはないものと解 の申請前に実施される環境影響評価の特性等に鑑みると、両者は、前提を異にするものといえるから、当該有識者会議での議論をもって、直ちに以上で述べた当裁判所の判断が左右されるこ とはないものと解される。)。そして、参加人は、水収支解析に一定 - 165 -の精度があるとしつつも、「水収支解析の結果には不確実性が含まれ」ることを前提として、環境保全措置を検討し、実際に工事に着手する前には、先進ボーリング等を実施することであらかじめその性状を確認して、トンネル内への湧水量を低減させるための補助工法を用いるなどするほか、同号の規定により、事後調査を実施し、「計測の結果、 水利用に影響が生じた場合は、専門家等の助言を踏まえ、代替水源確保等の適切な環境保全措置を講ずるとともに、その内容について公表してまいります。」、「大井川については、シミュレーションの予測結果、計測結果、及び水利用に影響が生じた場合の環境保全措置の検討内容について、専門家等による委員会を設置し助言を受け、それを 踏まえ、環境保全措置を適切に実施してまいります。委員会での検討内容については、公表していくこととし、透明性の確保に努めてまいります。」などとしているのであるから、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいてされた国交大臣の判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかと までいうことはできないと考えられる。 また、原告らは、参加人において、事後的にトンネルの掘削の工法を変更したことや、何ら記載をしていなかった導水路トンネルを事後的に提案したことなどを問題としているが、以上で認定したように、参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「山 岳部のトンネル及び非常口 載をしていなかった導水路トンネルを事後的に提案したことなどを問題としているが、以上で認定したように、参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「山 岳部のトンネル及び非常口(山岳部)において、破砕帯付近や土被りの小さい箇所等、状況によっては工事中に集中的な湧水が発生する可能性があり水資源へ与える影響の予測について不確実性があることから、山岳部のトンネル及び非常口(山岳部)において、破砕帯や土被りの小さい箇所等において地下水を利用した水資源を対象として、 「8-2-4水資源」において環境影響評価法に基づく事後調査を実 - 166 -施する。」、「一部のトンネル区間においては、地下水を利用した水資源に与える影響の予測には不確実性があることから、地下水の水位及び地表水の流量に係る環境影響評価法に基づく事後調査を実施する。」、「トンネル掘削の際にトンネル坑内より行う先進ボーリング等により得られる実際の断層や破砕帯の状況等の地質情報は、適切な 工法及び構造の採用に際して反映」するとして、その旨を本件評価書に記載していたことなどが認められる。そして、原告らは、長野県内においてトンネルの掘削の工法をNATM工法からシールド工法に変更したことを問題とする趣旨のものと解されるが、この点につき、原告らが提出した「風越山トンネル施工計画の検討状況(北上地区)」 (甲CN29)をみても、工事に着手する前の「地質調査の結果、大きな岩は柔らかくなっている可能性が高いことや、地下水位が特に高い区間は短いことが分かり、地下水への影響が少ないシールド工法が適用可能であるとの結論に至りました。そのため、シールド工法での施工に向けて、発生土搬出方法等の課題に対する検討を進めてまいり ます。」などと記載されており 下水への影響が少ないシールド工法が適用可能であるとの結論に至りました。そのため、シールド工法での施工に向けて、発生土搬出方法等の課題に対する検討を進めてまいり ます。」などと記載されており、本件評価書の記載に沿う対応がされたものと考えられるし、この点に関する原告らの主張は、そもそも評価書等外の事実や本件認可後の事実を述べるものにとどまるから、それをもって、以上で述べた当裁判所の判断が左右されることはないと解するのが相当である。また、導水路トンネルについてみても、参加 人は、静岡県に係る本件評価書において、環境保全措置や事後調査について記載した上で、その後の大井川水資源検討委員会等での検討の結果を踏まえ、その内容を詳細なものにする必要があると認められるとして、これに係る事後調査を実施するなどしたものであって、これを不相当とする理由は特段見当たらないし、仮に河川の流量が全く減 少しないとまでいえないとしても、環境影響評価上、それをもって、 - 167 -直ちに違法の問題が生ずるとは解し難いことは、以上で述べたとおりである。なお、原告らは、参加人の想定するポンプアップに伴い電気代が1日当たり48億円にも上ることなどに鑑みると、非現実的な想定といえる旨なども主張しているが、本件全証拠を精査しても、これを認めるに足りる事情はうかがえないものといえる。 さらに、原告らは、大量の地下水を湧出させるおそれがある畑薙山断層帯の通過等を想定した記載を意図的に省略したことや突発的に高圧な地下水が湧出する可能性を指摘する地質調査資料を隠匿したことなどを問題とするとともに、この高圧な地下水が大量に湧出した場合に薬液注入工法等では対応することができず、環境保全措置の検討等 が十分にされていないものとい 指摘する地質調査資料を隠匿したことなどを問題とするとともに、この高圧な地下水が大量に湧出した場合に薬液注入工法等では対応することができず、環境保全措置の検討等 が十分にされていないものといえる旨なども主張しているが、この点につき、原告らが提出した証拠(甲CS55)には、「環境影響評価においては、主要な活断層としては、「日本の活断層」及び地震調査研究推進本部における活断層の長期評価資料に記載された活断層の内、確実度又は活動度が高いものを記載しており、対象事業実施区域内に は活断層は存在していないものとしています。」などと記載されているし、その他に、本件全証拠を精査しても、意図的な省略等があったとまで認めるに足りる事情はうかがえないものといえる。また、原告らが隠匿されていたとする地質調査資料(甲C8の5)には、「高圧大量湧水の発生が懸念される。」などと記載されているが、参加人自 身、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、工事中に集中的な湧水が発生する可能性を含め、その影響が予測されることを前提としており、その旨を本件評価書に記載していたことは、以上で述べたとおりであるし、評価法や鉄道事業評価省令の規定等を精査しても、事業者において保有する資料等の全てを網羅的に記載すべきとす る法的な根拠は見当たらないから、当該地質調査資料が隠匿されてい - 168 -たと評価することはできないものと解される。そして、原告らは、高圧な地下水が大量に湧出した場合に薬液注入工法等では対応することができないことも問題としているが、参加人自身、環境保全措置として、他の事例等でも実績のある薬液注入工法等を実施することにより、その影響を低減することができるとするものにとどまるし(なお、原 告らが提出したリニア中央 ているが、参加人自身、環境保全措置として、他の事例等でも実績のある薬液注入工法等を実施することにより、その影響を低減することができるとするものにとどまるし(なお、原 告らが提出したリニア中央新幹線静岡工区有識者会議の議事録(甲CS38、55)をみても、「ボーリングによる前方探査を実施し、破砕帯を確認した場合には薬液注入等を行い、大規模な高圧突発湧水が生じるリスクを極力小さくしながら、慎重に下向きに掘削する。」、「高圧突発湧水がある程度落ち着いたところで、先進坑の途中から別 の迂回坑を掘削して周辺の水圧を下げつつ、先進坑や迂回坑の切羽周辺からの薬液注入により周辺の透水係数を改善させ先進坑の早期貫通を目指します。」などと記載されていることが認められる。)、その主張する点を踏まえても、それをもって、直ちに以上で述べた当裁判所の判断が左右されることはないものと考えられる。 加えて、原告らは、高架橋の基礎が地下深くまで及ぶことにより、水脈分断等につながるおそれがあることを問題としているが、以上で認定したように、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、基礎工等で掘削を行う際には、基本的に浅層帯水層内の表層部分にとどまることが想定されており、長大な橋梁等においてケーソン工法によ りケーソン(地下に沈めて基礎とする鉄筋コンクリート等の箱型構造物)を敷設する場合であっても、橋脚ごとに間隔を空けて施工することなどが想定されていたというのであるから、河川や帯水層の流動を大きく阻害するものではないとみても、特段不合理とまではいえないし、その他にも、「適切な止水性の高い施工方法を採用する」、「基 礎工等の掘削工事では、施工前に詳細な地質調査等を実施し、水資源 - 169 -等への影響を防ぐための まではいえないし、その他にも、「適切な止水性の高い施工方法を採用する」、「基 礎工等の掘削工事では、施工前に詳細な地質調査等を実施し、水資源 - 169 -等への影響を防ぐための施工計画やモニタリング計画を策定し、工事を実施する。」とされていることなどに鑑みると、原告らの主張を是認することはできないと考えられる。 なお、山梨実験線の建設に関する点については、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価の対象ではないから、現にその建設に伴って地 下水の水位の低下等が生じていることなどの事情をもって、直ちに当該環境影響評価に係る環境配慮審査の結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるということはできないし、その他にるる主張する点をみても、以上で述べた当裁判所の判断に反するものであるか、あるいは、評価書等外の事実や本件認定後の事実等を述べるもの又は法的 な根拠や証拠に基づかずに独自の見解を述べるものであって、当該判断を左右しないものにとどまるから、いずれも採用の限りではないといえる。 d また、原告らは、①本件事業では、自然由来の重金属等による汚染水や薬液注入工法等による汚染水が周辺の河川や地下水に流出するお それがあるにもかかわらず、これに係る環境保全措置が十分に検討されているとはいえない旨、②「関東車両基地(仮称)」における洗車等に伴う汚染水についても、これに係る環境保全措置が十分に検討されていない旨、③工事の実施に伴い周辺住民が利用する導水管等が損傷し、多大な影響を与えるおそれがあり、各地方公共団体の水道局か らも、地盤調査等をするよう求められているにもかかわらず、参加人は、何ら問題はないというのみで、十分な検討をしていない旨なども主張している。 しか 、各地方公共団体の水道局か らも、地盤調査等をするよう求められているにもかかわらず、参加人は、何ら問題はないというのみで、十分な検討をしていない旨なども主張している。 しかしながら、本件の事実関係の下では、以上で述べたように、参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、水質等 を環境影響評価の項目として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省 - 170 -令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定するとともに、それに基づいて、これに係る環境影響評価を実施したものと認められる。 また、水質等に係る予測の結果等については、以上で認定したとおりであり、工事等に伴う汚水のほか、自然由来の重金属等により環境 基準を超える土壌や、長期に直接空気に触れることで地下水を酸性化するおそれのある地盤等が一部で確認されているものの、参加人において、発生水量を考慮した処理能力を備えた濁水処理設備を設置し、関係法令等を踏まえた適切な処理をしてから公共用水域へ排水することや、止水性の高い工法等を採用して地盤等が長期に直接空気に触れ ることのないようにし、仮に酸性水が生じても中和処理等をすることなどが想定されていたというのであるから(この点につき、例えば、岐阜県に係る本件評価書には、「美濃帯堆積岩類の一部は黄鉄鉱に起因して酸性水の発生の可能性がある。しかし、掘削した壁面にコンクリート吹付けを行い、地盤及び地下水が長期に直接空気に触れること がないため、地下水が酸性化することはほとんどなく、地下水の水質への影響は小さいと考えられる。」、「鉄道施設(車両基地)の供用により公共用水域へ排出される汚水による水資源への影響は、(中略)発生水量を考慮した処理能力を備えた処理設備 ほとんどなく、地下水の水質への影響は小さいと考えられる。」、「鉄道施設(車両基地)の供用により公共用水域へ排出される汚水による水資源への影響は、(中略)発生水量を考慮した処理能力を備えた処理設備を設置し、法令に基づく排水基準等を踏まえ、適切に処理をして公共用水域へ排水すること から、公共用水域の水質への影響は小さいと予測する。鉄道施設(車両基地)の供用における地下水の揚水による水資源への影響は、(中略)上水道をできる限り活用することを基本とし、必要に応じ、周辺の水利用等に配慮し、敷地内において、深層の地下水を対象とした適切な揚水位置や揚水量を計画することから、水資源の利用状況への影 響は小さいと予測する。」などと記載されていることが認められる。)、 - 171 -全体として水質等への影響が小さいとみても、明らかに合理性を欠くなどということはできないし、その他にも、参加人の自主的な取組みとして、その実行可能な範囲内で、「「水質汚濁に係る環境基準」に定める測定方法」等によるモニタリングが実施されることなども認めることができる。その上で、参加人は、水質等に係る評価の結果とし て、「工事排水の適切な処理」、「工事排水の監視」、「処理施設の点検・整備による性能維持」、「下水道への排水」等の環境保全措置を確実に実施することから、その影響の回避又は低減が図られていると評価したものであり、国交大臣も、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能 な範囲内でその影響の回避又は低減が図られているとして、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断している。このような判断過程や内容等をみても、当該判断について、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥 減が図られているとして、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断している。このような判断過程や内容等をみても、当該判断について、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用 したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 そして、原告らの問題とする薬液注入工法についてみると、参加人は、薬液注入工法による工事を実施する場合には、薬液注入工法の暫 定指針に基づいてこれを実施することとしていることなどが認められる。この薬液注入工法の暫定指針については、薬液注入工法による人の健康被害の発生と地下水等の汚染を防止するために必要な工法の選定、設計、施工及び水質の監視についての暫定的な指針を定めることを目的として、建設省(当時)において取りまとめられたものであっ て、その当時、薬液の地中での性質が必ずしも明らかでなかったこと - 172 -に鑑みて、安全性重視の観点から、使用可能な薬液の種類の限定等がされるなどしたものであるし、他の事例等でも広く用いられていたことがうかがえるから、環境影響評価上、これを用いることが不適切ないし不十分と断ずることまではできないといえる。 さらに、原告らの問題とする「関東車両基地(仮称)」における洗 車等に伴う汚染水についてみると、参加人は、この点につき、「鉄道施設(車両基地)の供用」に係る生物化学的酸素要求量(BOD)や全窒素及び全燐を対象とする環境影響評価を実施し、回避又は低減に係る評価の結果として、別紙33の3の表のとおり、「鉄道施設からの排水の適切な処理」 地)の供用」に係る生物化学的酸素要求量(BOD)や全窒素及び全燐を対象とする環境影響評価を実施し、回避又は低減に係る評価の結果として、別紙33の3の表のとおり、「鉄道施設からの排水の適切な処理」、「処理設備の点検・整備による性能維持」及 び「使用水量の節約(節水)」の環境保全措置を確実に実施することから、「鉄道施設(車両基地)の供用」に係る水質への影響の低減が図られているとしたことが認められる。また、参加人は、基準又は目標との整合性の検討の結果として、①生物化学的酸素要求量(BOD)については、「基準値を下回っており、環境基準との整合が図られて いる」こと、②全窒素及び全燐については、「現況においてすでに超過が認められる。」ものの、全窒素は「平成26年度までの暫定目標(中略)を超過」せず、全燐も車両基地からの排水により「大きく悪化することはなく、現況値とほぼ同値である。」ことなどを踏まえ、「車両基地からの排水による津久井湖への影響の程度は小さいと評価」 したというのであるし、その他にも、神奈川県に係る本件評価書には、「関東車両基地の排水については2つの河川(串川、串川支川)に分割して排水することを想定しているが、予測及び評価においては各々の河川に全ての排水を排出すると仮定して計算を各々行った。したがって、各河川における個別の実排水量は、予測及び評価における値よ りも小さな値となる想定であり、予測及び評価として適切であると考 - 173 -えられる。」、「相模原市条例の「相模原市高度処理型浄化槽の設置及び管理に関する条例」の適用については、今後関係自治体と協議を行った上で適用を検討していくが、(中略)この条例を適用した場合、影響度としてはさらに小さい値となる。」などと記載されていることも認めるこ 管理に関する条例」の適用については、今後関係自治体と協議を行った上で適用を検討していくが、(中略)この条例を適用した場合、影響度としてはさらに小さい値となる。」などと記載されていることも認めることができる。このような事情に鑑みると、これに係る環境 影響評価について、明らかに合理性を欠くなどということはできないと考えられる。また、この点に関する原告らの主張は、「関東車両基地(仮称)」からの排水を処理する浄化槽の規模等が定かではないことや、生物化学的酸素要求量(BOD)の数値上、串川は神奈川県内でも水質が良い河川といえることなどを問題とする趣旨のものと解さ れるが、環境影響評価の手続では、必ずしも評価書の作成時にあらゆる事項が具体的に特定されていることまでは求められていないことや、「基準又は目標との整合性に係る評価」では、「国又は地方公共団体の「環境保全施策」のうち、環境基準が設定されている場合や環境基本計画・環境管理計画等において具体的な基準や目標が明らかにされ ている場合」に、「対象事業における環境保全措置等の取組が、国・地方公共団体が策定した環境保全施策に沿ったものであるかどうかを評価する」にとどまることなどに鑑みると(甲C環1、2)、それをもって、直ちに原告らの主張を是認することはできないと考えられる。 そして、その他にるる主張する点をみても、以上で述べた当裁判所 の判断に反するものであるか、あるいは、評価書等外の事実や本件認定後の事実等を述べるもの又は法的な根拠や証拠に基づかずに独自の見解を述べるものであって、当該判断を左右しないものにとどまるから、いずれも採用の限りではないといえる。 e したがって、水資源等に関する点をもって、本件認可に違法がある とは認められないも るものであって、当該判断を左右しないものにとどまるから、いずれも採用の限りではないといえる。 e したがって、水資源等に関する点をもって、本件認可に違法がある とは認められないものといえる。 - 174 - 地盤沈下等に関する点a この点につき、掲記の証拠又は弁論の全趣旨によれば、次の事実を認めることができる。なお、この認定に沿わない主張や証拠については、いずれも採用の限りではないと考えられる。 ⒜ 参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、 鉄道事業評価省令別表第1に掲げる参考項目を勘案しつつ、「切土工等又は既存の工作物の除去」、「トンネルの工事」、「鉄道施設(トンネル)の存在」等に伴い「重要な地形及び地質への影響のおそれがあること」、「土壌汚染のおそれがあること」などを踏まえ、この重要な地形及び地質、土壌汚染等を本件7都県に係る環境影響 評価の項目として選定した。また、参加人は、これに伴う「地盤沈下が発生するおそれがあること」などから、この地盤沈下を東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る環境影響評価の項目として選定するとともに、長野県知事の意見を勘案して、これに伴う土地の安定性を長野県に係る環境影響評価の項目として選 定した。(丙1の1(7-1頁以下等)、2の1(7-1-1頁以下等)、3の1(7-1頁以下等)、4の1(7-1-1頁以下等)、5の1(5-273頁、7-1頁以下等)、6の1(7-1-1頁以下等)、7の1(7-1頁以下等))そして、参加人は、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、 その調査、予測及び評価の手法を選定した上で、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要等を 1頁以下等))そして、参加人は、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、 その調査、予測及び評価の手法を選定した上で、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要等を整理して、本件評価書に記載することとした。(丙1の1(8-3-1-1頁以下等)、2の1(8-3-1-1頁以下等)、3の1(8-3-1-1頁以下等)、4の1(8-3-1-1頁以下等)、5の1(8-3-1-1頁以 下等)、6の1(8-3-1-1頁以下等)、7の1(8-3-1 - 175 --1頁以下等))⒝ このうちの重要な地形及び地質に関する本件評価書の記載事項等は、次のとおりである。 ⅰ まず、調査の手法をみると、本件評価書には、①調査すべき項目について、「国立公園、国定公園、都立自然公園等の分布とし た。」、「重要な地形及び地質の分布、状態及び特性とした。」、「地形及び地質の概況とした。」などと記載され、②調査の基本的な手法について、「文献調査により、国立公園、国定公園、都立自然公園等の分布に関する文献、資料を収集し、整理した。」、「文献調査により、重要な地形及び地質の分布、状態及び特性に 関する文献、資料を収集し、整理した。」、「文献調査により、地形及び地質の概況に関する文献、資料を収集し、整理した。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、都市トンネル、非常口(都市部)、地下駅、変電施設を対象に工事施工ヤードの設置又は鉄道施設(トンネル、駅、 変電施設)の存在に係る重要な地形及び地質への影響が生じるおそれがあると認められる地域とした。」などと記載されている。 (丙1の1(8-3-1-1頁以下等)、2の1(8-3-1-1頁以下等)、3の1( 電施設)の存在に係る重要な地形及び地質への影響が生じるおそれがあると認められる地域とした。」などと記載されている。 (丙1の1(8-3-1-1頁以下等)、2の1(8-3-1-1頁以下等)、3の1(8-3-1-1頁以下等)、4の1(8-3-1-1頁以下等)、5の1(8-3-1-1頁以下等)、 6の1(8-3-1-1頁以下等)、7の1(8-3-1-1頁以下等))ⅱ また、予測の手法をみると、本件評価書には、①予測項目について、「工事施工ヤードの設置に係る重要な地形及び地質への影響とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、 「事業の実施に伴う重要な地形及び地質への影響を明らかにする - 176 -ことにより、定性的な予測を行った。」などと記載され、③予測地域について、「工事施工ヤードの設置に係る重要な地形及び地質への影響が生ずるおそれがあると認められる地域とした。」などと記載され、④予測対象時期等について、「工事中とした。」などと記載されている。(丙1の1(8-3-1-6頁以下等)、 2の1(8-3-1-10頁以下等)、3の1(8-3-1-20頁以下等)、4の1(8-3-1-10頁以下等)、5の1(8-3-1-11頁以下等)、6の1(8-3-1-10頁以下等)、7の1(8-3-1-8頁以下等))なお、その他にも、例えば、神奈川県では、「鉄道施設(車両 基地、非常口(都市部))の存在による傾斜地の安定性への影響」も予測の対象として挙げられているところ、神奈川県に係る本件評価書には、①それに係る予測の基本的な手法について、「鉄道施設(車両基地)は、事業の実施による傾斜地の安定性への影響を解析により定量的に予測した。」、「鉄道施設(非常口(都市 部) る本件評価書には、①それに係る予測の基本的な手法について、「鉄道施設(車両基地)は、事業の実施による傾斜地の安定性への影響を解析により定量的に予測した。」、「鉄道施設(非常口(都市 部))は、事業の実施による傾斜地の安定性への影響を明らかにすることにより定性的な予測を行った。」などと記載され、②それに係る予測地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、鉄道施設(車両基地、非常口(都市部))の存在による傾斜地の安定性への影響が生じるおそれがあると認められる地域とし て、調査地域と同様とした。」などと記載され、③予測対象時期等について、「鉄道施設(車両基地、非常口(都市部))の完成時とした。」などと記載されている。(丙2の1(8-3-1-16頁以下等))ⅲ 次に、評価の手法をみると、本件評価書には、「事業者により 実行可能な範囲内で回避又は低減されているか検討を行った。」 - 177 -などと記載されている。(丙1の1(8-3-1-7頁等)、2の1(8-3-1-12頁等)、3の1(8-3-1-22頁等)、4の1(8-3-1-12頁等)、5の1(8-3-1-13頁等)、6の1(8-3-1-12頁等)、7の1(8-3-1-8頁等)) ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、本件評価書に記載したものであるところ、この本件評価書には、予測の結果として、「予測地域には重要な地形及び地質は存在しないことから、工事施工ヤードの設置に伴う重要な地質への影響はないものと予測す る。」などと記載されているほか、別紙44の表のとおり、予測地域に存在する重要な地形及び地形の一部で改変の可能性があるとされ、例えば、山 ードの設置に伴う重要な地質への影響はないものと予測す る。」などと記載されているほか、別紙44の表のとおり、予測地域に存在する重要な地形及び地形の一部で改変の可能性があるとされ、例えば、山梨県に係る本件評価書には、「本事業では、工事施工ヤード及び工事用道路(発生土置き場含む)の設置に伴い、重要な地形及び地質をできる限り回避した配置計画とするこ とで、環境影響の回避又は低減を図るものとした。予測地域において存在する重要な地形及び地質は、(中略)「一宮町周辺の扇状地群」及び「曾根丘陵の断層地形」等、6件が存在する。「一宮町周辺の扇状地群」、「曾根丘陵の断層地形」、「曾根丘陵の新規断層変位地形」、「印川・坪川の天井川」では、工事施工ヤ ードは事業用地内に設置し、工事用道路は既存の道路を一部改修して利用する等、極力新たな地形の改変を行わないことで、更なる環境影響の低減を図るものとした。「新倉の糸魚川-静岡構造線」、「白鳳渓谷、早川渓谷、雨畑渓谷」では、できる限り既存の工事施工ヤードや造成区域を活用する計画とすることで、更な る環境影響の低減を図るものとした。また、「新倉露頭」は回避 - 178 -して改変を行うものとした。なお、これらの改変される範囲については、それぞれの重要な地形及び地質の全域に比べて小さく、地形及び地質としての特徴は広く残される。したがって、工事施工ヤード及び工事用道路(発生土置き場含む)の設置に伴う重要な地形及び地質への影響の程度は小さいと予測する。」、「本事 業では、鉄道施設(トンネル、地表式又は掘割式、嵩上式、駅、変電施設、保守基地)の存在に伴い、重要な地形及び地質をできる限り回避した工事計画とすることで、環境影響の回避又は低減を図るものとした。予測地域において存在する ネル、地表式又は掘割式、嵩上式、駅、変電施設、保守基地)の存在に伴い、重要な地形及び地質をできる限り回避した工事計画とすることで、環境影響の回避又は低減を図るものとした。予測地域において存在する重要な地形及び地質は、(中略)「一宮町周辺の扇状地群」及び「曾根丘陵の断層 地形」等、5件が存在する。トンネル坑口部においては、重要な地形及び地質の改変をできる限り小さくした坑口構造を選定することにより、更なる環境影響の低減を図るものとした。また、計画路線の構造形式は、極力改変面積の小さい高架橋、橋梁を選定することで、更なる環境影響の低減を図るものとした。なお、こ れらの改変される範囲は、それぞれの重要な地形及び地質の全域に比べて小さく、地形及び地質としての特徴は広く残され、鉄道施設(トンネル、地表式又は掘割式、嵩上式、駅、変電施設、保守基地)の完成後には、新たに地形を変化させることはない。 (中略)したがって、鉄道施設(トンネル、地表式又は掘割式、 嵩上式、駅、変電施設、保守基地)の存在に伴う重要な地形及び地質への影響の程度は小さいと予測する。」などと記載されている。(丙1の1(8-3-1-1頁以下等)、2の1(8-3-1-1頁以下等)、3の1(8-3-1-1頁以下等)、4の1(8-3-1-1頁以下等)、5の1(8-3-1-1頁以下 等)、6の1(8-3-1-1頁以下等)、7の1(8-3-1 - 179 --1頁以下等))また、その他にも、神奈川県に係る本件評価書には、別紙45の図又は表を示した上で、「鉄道施設(車両基地)の存在による傾斜地の安定性は、図8-3-1-2に示す代表的な断面で、調査結果を基に傾斜地をモデル化し安定解析により予測した。また、 鉄道施設(非常口(都市部 示した上で、「鉄道施設(車両基地)の存在による傾斜地の安定性は、図8-3-1-2に示す代表的な断面で、調査結果を基に傾斜地をモデル化し安定解析により予測した。また、 鉄道施設(非常口(都市部))における傾斜地の安定性は、図8-3-1-3に示す代表的な断面で、標準法面勾配との比較により予測した。」、「鉄道施設(車両基地)の設置に際しては、できる限り傾斜地の安定性に配慮した工事計画とすることにより、環境影響の回避又は低減を図るものとした。」、「A-A’断面 及びC-C’断面は切土部であり、傾斜地には凝灰岩が分布する。 安定計算を行った結果、表8-3-1-12に示すとおり設計応答値が設計限界値以下であることが確認できることから安定性が確保される。B-B’断面は盛土部であり、表層から河床堆積物、ローム層が堆積し、その下位に凝灰岩が分布する。安定計算を行 った結果、河床堆積物及びローム層を改良することにより、表8-3-1-12に示すとおり設計応答値が設計限界値以下となり安定性が確保される。また、B-B’断面においては、施工時に盛土の強度を上げる措置を行うことにより安定性を確保する。」、「鉄道施設(非常口(都市部))の設置に際しては、できる限り 傾斜地の安定性に考慮した工事計画とすることにより、環境影響の回避又は低減を図るものとした。D-D’断面は切土であり、地質は一般土を想定する。法面の勾配を表8-3-1-13に示す基準に従い1:1.8とすることで、安定性が確保される。」、「鉄道施設(車両基地、非常口(都市部))の完成後に、新たに 重要な地形及び地質を改変させることはない。」、「したがって、 - 180 -鉄道施設(車両基地、非常口(都市部))の存在による傾斜地の安定性への影響は小さいと予測する。」 新たに 重要な地形及び地質を改変させることはない。」、「したがって、 - 180 -鉄道施設(車両基地、非常口(都市部))の存在による傾斜地の安定性への影響は小さいと予測する。」などと記載されている。 (丙2の1(8-3-1-16頁以下等))そして、予測地域に存在する重要な地形及び地形の一部で改変の可能性があると予測された神奈川県、山梨県、静岡県、長野県 及び岐阜県に係る本件評価書には、①環境保全措置として、「地形の改変区域をできる限り小さくした工事施工ヤード及び工事用道路の計画」、「地形の改変区域をできる限り小さくする工法又は構造の採用」、「地形の改変区域をできる限り小さくした鉄道施設の構造の選定」等を実施する旨などが記載されている(なお、 その内容として、例えば、神奈川県に係る本件評価書には、別紙46の表のとおりの記載がされている。)。これを受け、本件評価書には、②評価の結果として、「重要な地形及び地質への影響はない。」などと記載されているほか、一部に影響があると予測したものの、この「環境保全措置を確実に実施することから、重 要な地形及び地質に係る環境影響が回避又は低減されていると評価する。」などと記載されている。(丙1の1(8-3-1-7頁以下等)、2の1(8-3-1-11頁以下等)、3の1(8-3-1-21頁以下等)、4の1(8-3-1-11頁以下等)、5の1(8-3-1-12頁以下等)、6の1(8-3- 1-11頁以下等)、7の1(8-3-1-8頁以下等))ⅴ なお、「関東車両基地(仮称)」の建設予定地についての土砂災害警戒区域等の指定は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価後の平成27年5月29日付けでされたものであった。(丙2の2(環9 ⅴ なお、「関東車両基地(仮称)」の建設予定地についての土砂災害警戒区域等の指定は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価後の平成27年5月29日付けでされたものであった。(丙2の2(環9-1-1頁以下等)、124) ⒞ また、土地の安定性に関する長野県に係る本件評価書の記載事項 - 181 -等は、次のとおりである。 ⅰ まず、調査の手法をみると、長野県に係る本件評価書には、①調査すべき項目について、「地形及び地質の概況、地すべり地形及び不安定土砂等の危険箇所、災害履歴とした。」などと記載され、②調査の基本的な手法について、「文献調査により、地形及 び地質、地すべり地形等危険箇所関連の文献及び資料を収集し、整理することにより把握した。また、文献調査を補完するために、関係自治体等へのヒアリングを行い、必要に応じて現地踏査を行った。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、山岳トンネル、非常口(山岳部)、地表 式又は掘割式、高架橋、橋梁、地下駅、変電施設、保守基地を対象に切土工等又は既存の工作物の除去及びトンネルの工事に係る土地の安定性への影響が生じるおそれがあると考えられる地域とした。」などと記載されている。(丙5の1(8-3-2-1頁以下等)) ⅱ また、予測の手法をみると、長野県に係る本件評価書には、①予測項目について、「切土工等又は既存の工作物の除去に係る土地の安定性への影響とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、「事業の実施に伴う土地の安定性への影響を明らかにすることにより、定性的な予測を行った。」などと記載さ れ、③予測地域について、「切土工等又は既存の工作物の除去に係る土地の安 な手法について、「事業の実施に伴う土地の安定性への影響を明らかにすることにより、定性的な予測を行った。」などと記載さ れ、③予測地域について、「切土工等又は既存の工作物の除去に係る土地の安定性への影響が生じるおそれがあると認められる地域として、調査地域と同様とした。」などと記載され、④予測対象時期等について、「工事中とした。」などと記載されている。 (丙5の1(8-3-2-30頁以下等)) ⅲ 次に、評価の手法をみると、長野県に係る本件評価書には、 - 182 -「事業者により実行可能な範囲内で回避又は低減がなされているか、見解を明らかにすることにより評価を行った。」などと記載されている。(丙5の1(8-3-2-33頁等))ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、長野県に係る本件評 価書に記載したものであるところ、この本件評価書には、①予測の結果として、別紙47の表を示した上で、「本事業では、地すべり地形、土地の安定性に係る指定区域、深層崩壊の危険度が高い地域等をできる限り回避した計画とすることにより、土地の安定性への影響の回避又は低減を図るものとした。予測地域に存在 する土地の安定性に係る指定区域を、表8-3-2-4に示す。 工事の実施にあたっては、指定地域を管轄する官公庁と協議を行う等、関連法令等に基づき適切に対応するとともに、土地の安定確保が図られる工事計画を策定して、安全に工事を実施する。また、特に土地の安定性への影響が生じるおそれがある改変区域で は、事前に地形及び地質等の詳細な調査を実施し、地域の特性をより詳細に把握した上で、必要に応じて落石予防工、斜面及び法面保護工を採用する等して、安全 性への影響が生じるおそれがある改変区域で は、事前に地形及び地質等の詳細な調査を実施し、地域の特性をより詳細に把握した上で、必要に応じて落石予防工、斜面及び法面保護工を採用する等して、安全に工事を実施する。したがって、切土工等又は既存の工作物の除去に伴う土地の安定性への影響はないと予測する。」などと記載されている。そして、この本件評 価書には、②環境保全措置について、「適切な構造及び工法の採用」、「法面、斜面の保護」及び「適切な施工管理」を実施する旨などが記載されている(なお、その内容として、別紙48の表のとおりの記載がされている。)。これを受け、この本件評価書には、③評価の結果について、この「環境保全措置を確実に実施 することから、切土工等又は既存の工作物の除去に伴う土地の安 - 183 -定性に係る環境影響の回避が図られていると評価する。」などと記載されている。(丙5の1(8-3-2-1頁以下等))⒟ さらに、地盤沈下に関する東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書の記載事項等は、次のとおりである。 ⅰ まず、調査の手法をみると、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、①調査すべき項目について、「地盤沈下の発生状況とした。」などと記載され、②調査の基本的な手法について、「文献調査により、地盤沈下に関する文献、資料を収集し、整理した。なお、文献調査を補完する ため、関係自治体等へのヒアリングを行った。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、都市トンネル、非常口(都市部)、地下駅、変電施設を対象に切土工等又は既存の工作物の除去、トンネルの工事、鉄道施設(トンネル、駅 記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、都市トンネル、非常口(都市部)、地下駅、変電施設を対象に切土工等又は既存の工作物の除去、トンネルの工事、鉄道施設(トンネル、駅、変電施設)の存在に係る地盤沈下が生ずるおそれがあ ると認められる地域とした。」などと記載されている。(丙1の1(8-3-2-1頁以下等)、2の1(8-3-2-1頁以下等)、3の1(8-3-2-1頁以下等)、5の1(8-3-3-1頁以下等)、6の1(8-3-2-1頁以下等)、7の1(8-3-2-1頁以下等)) ⅱ また、予測の手法をみると、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、①予測項目について、「切土工等又は既存の工作物の除去及び鉄道施設(駅、変電施設)の存在に係る地盤沈下とした。」、「トンネルの工事及び鉄道施設(トンネル)の存在に係る地盤沈下とした。」などと記 載され、②予測の基本的な手法について、「切土工等又は既存の - 184 -工作物の除去及び鉄道施設(駅、変電施設)の存在に係る地盤沈下について、周辺の地層及び地下水の水位状況を考慮して、定性的手法又は一次元圧密理論式を用いた定量的手法により予測した。」、「トンネルの工事及び鉄道施設(トンネル)の存在に係る地盤沈下について、周辺の地層及び地下水の水位状況を考慮し て、定性的手法により予測した。」などと記載され(このうちの「定量的手法」については、予測式を示した上で、そこに用いる予測条件を設定しているところ、例えば、東京都に係る本件評価書には、この予測条件の設定について、別紙49の1の表を示した上で、「地下水の水位低下量は、「8-2-2 地下水の水質 及び水位」の三次元浸透流解析の予測結果よ 、例えば、東京都に係る本件評価書には、この予測条件の設定について、別紙49の1の表を示した上で、「地下水の水位低下量は、「8-2-2 地下水の水質 及び水位」の三次元浸透流解析の予測結果より、最大値である0. 40mと設定した。」、「地質条件及び土質定数は、地下駅周辺で行った地質調査より表8-3-2-2に示すとおり設定した。 また、調査結果より、地上水位以下に粘性土層が存在することを確認した。」などと記載されている。)、③予測地域について、 「切土工等又は既存の工作物の除去及び鉄道施設(駅、変電施設)の存在に係る地盤沈下の生じるおそれがあり、地下水の水位低下量が最大となると認められる地域とした。」、「トンネルの工事及び鉄道施設(トンネル)の存在に係る地盤沈下の生じるおそれがあると認められる地域として、調査地域と同様とした。」など と記載され、④予測対象時期等について、「工事中及び鉄道施設(駅、変電施設)の完成後とした。」、「工事中及び鉄道施設(トンネル)の完成後とした。」などと記載されている。(丙1の1(8-3-2-3頁以下等)、2の1(8-3-2-2頁以下等)、3の1(8-3-2-2頁以下等)、5の1(8-3- 3-2頁以下等)、6の1(8-3-2-2頁以下等)、7の1 - 185 -(8-3-2-4頁以下等))なお、その他にも、例えば、東京都に係る本件評価書には、専門家等による技術的助言として、「大深度区間において、地盤沈下の検討にあたっては、地下水位の変化量を考慮する必要がある。」などと記載されている。(丙1の1(7-43頁等)) また、岐阜県では、「鉄道施設(車両基地)の供用における地下水の揚水に伴う地盤沈下」も予測の対象として挙げられている 。」などと記載されている。(丙1の1(7-43頁等)) また、岐阜県では、「鉄道施設(車両基地)の供用における地下水の揚水に伴う地盤沈下」も予測の対象として挙げられているところ、岐阜県に係る本件評価書には、①それに係る予測の基本的な手法について、「鉄道施設(車両基地)の供用における地下水の揚水に伴う地盤沈下について、周辺の地層を考慮して、定性 的に予測した。」などと記載され、②それに係る予測地域について、「鉄道施設(車両基地)の供用における地下水の揚水に伴う地盤沈下の生じるおそれがあると認められる地域として、調査地域と同様とした。」などと記載され、③予測対象時期等について、「鉄道施設(車両基地)の供用時とした。」などと記載されてい る。(丙6の1(8-3-2-5頁以下等))ⅲ 次に、評価の手法をみると、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、「事業者により実行可能な範囲内で回避又は低減されているか検討を行った。」などと記載されている。(丙1の1(8-3-2-7頁等)、2の 1(8-3-2-6頁等)、3の1(8-3-2-4頁等)、5の1(8-3-3-4頁等)、6の1(8-3-2-4頁等)、7の1(8-3-2-8頁等))ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、東京都、神奈川県、 山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書に記載した - 186 -ものであるところ、これらの本件評価書には、予測の結果として、「地下水位低下により増加する有効土被り圧力は(中略)圧密降伏応力を下回る過圧密状態にある。また、理論式による予測結果からも地盤沈下はほとんど生 るところ、これらの本件評価書には、予測の結果として、「地下水位低下により増加する有効土被り圧力は(中略)圧密降伏応力を下回る過圧密状態にある。また、理論式による予測結果からも地盤沈下はほとんど生じないことから、地盤沈下の影響はないと予測する。」、「トンネル区間は、「8-2-2 地下水 の水質及び水位」より地下水の水位への影響はほとんどないと予測していることから地下水位の低下による有効土被り圧の増加はほとんどないため、地盤沈下はないと予測する。」などと記載されているほか(なお、一次元圧密理論式を用いた「定量的手法」による予測がされた東京都及び愛知県における当該予測の結果は、 別紙49の2及び3のとおりである。)、例えば、長野県に係る本件評価書には、「土被りが小さい区間などで地山が緩むおそれのある箇所では、地質の状況に応じて適切な補助工法等を採用し、地山の安定を確保するため、地盤沈下は小さいと予測する。」などと記載されている。なお、愛知県に係る本件評価書には、「春 日井市東部の亜炭採掘跡においては、路線は、大深度地下トンネルとなり、既往文献や調査により想定される採掘跡の空洞の深さよりも深いところを通過すると考える。さらに、トンネル工事実施前には、地上からのボーリング調査・物理探査などにより綿密な空洞調査を行い、必要に応じて空洞の充填などの対策を講じる ことから、地盤沈下はないと予測する。」などとも記載されている。(丙1の1(8-3-2-1頁以下等)、2の1(8-3-2-1頁以下等)、3の1(8-3-2-1頁以下等)、5の1(8-3-3-1頁以下等)、6の1(8-3-2-1頁以下等)、7の1(8-3-2-1頁以下等)) また、岐阜県に係る本件評価書には、「鉄道施設(車両基地) 5の1(8-3-3-1頁以下等)、6の1(8-3-2-1頁以下等)、7の1(8-3-2-1頁以下等)) また、岐阜県に係る本件評価書には、「鉄道施設(車両基地) - 187 -の供用における地下水の揚水に伴う地盤沈下」について、「「8-2-3 地下水の水質及び水位」に示すとおり、上水道をできる限り活用することを基本とし、必要に応じて鉄道施設(車両基地)の供用における地下水の揚水は、周辺の水利用等に配慮し、敷地内において、適切な揚水位置や揚水量を計画する。その際、 浅層の地下水は、降雨等により変化するため、安定的な揚水量を確保可能な深層の地下水を対象に揚水することを計画する。そのため、地下水の揚水に伴う深層の地下水の低下が発生するおそれがあるが、鉄道施設(車両基地)及びその周辺の表層地質は、(中略)洪積層の土岐砂礫層が分布しており、透水性の低い難透 水層が形成されていると想定されることから、その影響が浅層の地下水に及ぶ可能性は小さい。したがって、地下水の揚水に伴う浅層の地下水の水位低下の影響は小さいと考えられ、これに伴う地盤沈下の生じるおそれはほとんどないと予測する。」などと記載されている。(丙6の1(8-3-2-5頁以下等)) そして、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、①環境保全措置として、「適切な構造及び工法の採用」、「地下水の継続的な監視」、「地質の状況等に応じた山留め工法等の採用」、「山留め材及び周辺地盤の計測管理」等を実施する旨などが記載されている(なお、その内容と して、例えば、東京都又は岐阜県に係る本件評価書には、別紙50の表のとおりの記載がされている。)。これを受け、東京都、神奈川県、山梨県、長 を実施する旨などが記載されている(なお、その内容と して、例えば、東京都又は岐阜県に係る本件評価書には、別紙50の表のとおりの記載がされている。)。これを受け、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、②評価の結果として、この環境保全措置を確実に実施することにより、「地盤沈下への影響の低減が図られていると評価す る。」などと記載されている。(丙1の1(8-3-2-5頁以 - 188 -下等)、2の1(8-3-2-3頁以下等)、3の1(8-3-2-2頁以下等)、5の1(8-3-3-2頁以下等)、6の1(8-3-2-2頁以下等)、7の1(8-3-2-6頁以下等))ⅴ また、神奈川県、山梨県、長野県及び岐阜県に係る本件評価書 には、地盤沈下に係る事後調査について、「トンネル(山岳部)の土被りが小さく、地質的に未固結である区間においては、地表面の沈下量の予測に不確実性があることから、環境影響評価法に基づく事後調査を実施する。」などと記載されている(なお、その内容として、例えば、長野県に係る本件評価書には、別紙51 の表のとおりの記載がされている。)。(丙2の1(8-3-2-9頁以下等)、3の1(8-3-2-3頁以下等)、5の1(8-3-3-3頁以下等)、6の1(8-3-2-3頁以下等))ⅵ なお、その他にも、東京都に係る本件評価書には、「今まで行 われた大深度地下のシールドトンネル工事による地盤沈下の事例等について調査した上で、客観的に予測・評価すること。」などを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「これまでのシールドトンネルの実績によれば、地表からそれほど深くない地下において、施工管理の不手際などの理由による地盤沈下 評価すること。」などを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「これまでのシールドトンネルの実績によれば、地表からそれほど深くない地下において、施工管理の不手際などの理由による地盤沈下 の事例はいくつか報告されていますが、確立された設計や施工マニュアルなどにより、善良なる施工管理のもとでのシールド工法そのものによって、地下水の流出などが原因で地盤沈下が生じたというような事例は確認されていません。東京都内の大深度域と同等、あるいは類似した地層における、これまでのシールドトン ネルの施工事例を、本評価書資料編に紹介しています。」などと - 189 -記載されており、資料編において、「東京都内における中央新幹線の計画概要は、(中略)延長19.4kmの大部分が深さ40m以深の大深度地下トンネルであり、強固な支持地盤を通過する。 下表に記す施工事例では、施工等における地盤沈下は報告されていない。」などと記載されている。さらに、東京都に係る本件評 価書には、「なお、万一著しい地盤沈下など実害が生じた場合には、お申し出いただけるよう定常的な窓口を設置いたします。」などとも記載されている。(丙1の1(6-3-14頁等)、1の2(環9-4-1頁等))ⅶ また、神奈川県に係る本件評価書には、「トンネル区間におい ては、地盤条件図から判断する限り、地盤沈下が起こり得る箇所は少ないと考えられる。しかし、土被りが浅い箇所及び軟弱な地盤面がある場所については、その場所を地図上に記し、モニタリングの実施等を含めた対応策を明らかにすること。」などを求める神奈川県知事の意見に対する事業者の見解として、「第8章に 記載のとおり、トンネル区間において地盤沈下が生じる箇所はほとんどないと予測しておりま 含めた対応策を明らかにすること。」などを求める神奈川県知事の意見に対する事業者の見解として、「第8章に 記載のとおり、トンネル区間において地盤沈下が生じる箇所はほとんどないと予測しております。また、大深度ではない都市トンネル区間や土被りが小さい山岳トンネル区間においては、今後、詳細な地質調査等を行うことにより対策の検討が必要な区間を特定し、地質の状況に応じた適切な補助工法を採用するとともに、 工事前及び工事中にモニタリングを実施し、変位計測により地盤面への影響を確認していく計画です。」などと記載されている。 加えて、神奈川県に係る本件評価書には、「国土交通省は、「シールドトンネル施工技術安全協議会」を設置し、H25.3に「中間とりまとめ」が公表されたところです。中間とりまとめで は、シールドトンネル設計・施工中の現場への注意事項や日本の - 190 -シールドトンネル事業(設計・施工)における現状の課題などがまとめられており、これも踏まえて適切に対応していきます。」、「大深度地下空間においてはシールド工法で施工するため、工事による地上への影響はないものと考えています。万が一影響が生じた場合には、一般の工事と同様に対応を行うこととなります。」 などとも記載されている。(丙2の1(6-2-54頁、6-2-76頁、6-3-8頁等))ⅷ さらに、山梨県に係る本件評価書には、「甲府盆地内においては高架橋の工事が主となり、基礎工等の掘削工事を行いますが、基礎工等の施工は一般に鋼矢板等での締め切りにより行うこと及 び工事箇所は帯水層表層の一部に限られることから、地下水に変化はほとんど生じず、地盤沈下による影響はないと考えております。」などと記載されている。(丙3の1(6-2-83頁等)) 行うこと及 び工事箇所は帯水層表層の一部に限られることから、地下水に変化はほとんど生じず、地盤沈下による影響はないと考えております。」などと記載されている。(丙3の1(6-2-83頁等))ⅸ 加えて、愛知県に係る本件評価書には、「春日井市東部の対象事業実施区域及びその周囲において亜炭採掘跡が存在すること、 また関係自治体によるボーリング調査結果より、地表面から約7~14m下に亜炭採掘跡が確認されていることを確認しています。 その他にも、資料編に示すとおり、関係自治体などへもヒアリングを行い、関係自治体が発行する郷土史などの古い文献を確認しておりますが、実際に空洞跡が確認されたものは、近年実施され た調査結果のみでした。」、「各文献の亜炭採掘跡の分布についての記述はほぼ同様であり、対象事業実施区域内では、採掘跡は春日井市東部の丘陵地付近となっていました。(中略)春日井市東部の亜炭採掘跡においては、路線は、土被り40m以上の大深度トンネルとなることから、想定される採掘跡の空洞の深さより も深いところを通過すると考えられます。」、「さらに、トンネ - 191 -ル工事実施前には綿密な空洞調査を行い、地質の性状を踏まえ、必要に応じて適切な対策を講じることから、地盤沈下の影響はないと予測します。調査や対策を行う範囲については、トンネル工事及び供用後に地表への影響が予想される範囲を考えています。」、「具体的な空洞調査や対策の方法については、空洞の調 査事例としては、ボーリング調査により、直接、空洞の確認を行う方法と物理探査による空洞調査が行われています。この物理探査とは、電波などの地盤の反射波を測定することにより、空洞が分布する可能性を探知するものです。また、対策事例としては、ボーリ 洞の確認を行う方法と物理探査による空洞調査が行われています。この物理探査とは、電波などの地盤の反射波を測定することにより、空洞が分布する可能性を探知するものです。また、対策事例としては、ボーリング孔を通じて、地下の空洞内に充填剤を注入し、固化さ せる充填工法が行われています。このような調査や対策の事例を参考に、適切な調査や対策を講じます。」などと記載されている。 (丙7の1(6-2-91頁以下等))また、愛知県に係る本件評価書には、「亜炭の採掘跡におけるトンネル工事では、工事実施前にボーリング調査や物理探査等に よる空洞調査を行うとしているが、それらの調査に当たっては、関係機関等と協議し、適切な調査計画を作成すること。」などを求める愛知県知事の意見に対する事業者の見解として、「トンネル工事実施前には綿密な空洞調査を行い、地質の性状やトンネルと空洞との離隔などを踏まえ、必要に応じて適切な対策を講じま す。調査や対策を行う範囲については、トンネル工事及び供用に伴う地表への影響が予想される範囲を考えています。なお、調査計画の策定にあたっては、今後、専門家や関係機関等の意見を踏まえ、検討していきます。」などと記載されている。(丙7の1(6-3-11頁等)) ⅹ その他にも、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び - 192 -愛知県に係る本件評価書には、「工事中及び工事完了後において、土被りの小さい山岳トンネル区間で地上に住居等が存在する区間のうち適切な箇所を選定し、一定の期間、地盤沈下に関する事後調査を実施し、地盤変形の程度を把握するとともに、その結果に応じて、適切な環境保全措置を講じること。」などを求める国交 大臣の意見に対する事業者の対応として、「 一定の期間、地盤沈下に関する事後調査を実施し、地盤変形の程度を把握するとともに、その結果に応じて、適切な環境保全措置を講じること。」などを求める国交 大臣の意見に対する事業者の対応として、「土被りが小さく、地質的に未固結層である山岳トンネル区間で地上に住居等が存在する区間では、第8章及び第10章に記載の通り、掘削工事の際、切羽が測定点から一定の範囲内にある期間中、地表面における沈下量の測定を事後調査として実施し、地盤変形の影響の有無につ いて確認を行い、その結果必要な場合には、トンネル支保工や補助工法の追加等、適切な環境保全措置を講じてまいります。また、掘削工事完了後、覆工コンクリートの施工が完了するまでの期間においても、同様の測定を実施してまいります。」などと記載されている。(丙1の1(13-29頁等)、2の1(13-29 頁等)、3の1(13-29頁等)、5の1(13-29頁等)、6の1(13-29頁等)、7の1(13-29頁等))⒠ そして、土壌汚染に関する本件評価書の記載事項等は、次のとおりである。 ⅰ まず、調査の手法をみると、本件評価書には、①調査すべき項 目について、「土壌汚染の状況とした。」、「地質の状況とした。」などと記載され、②調査の基本的な手法について、別紙52の表を示した上で、「文献調査により、土壌汚染に関する文献、資料を収集し、整理した。なお、文献調査を補完するため、関係自治体等へのヒアリング及び自然由来の重金属等に係る現地調査を地 層に応じて行った。現地調査の方法を表8-3-3-1及び表8 - 193 --3-3-2に示す。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、都市トンネル、非常口(都市部)、地 現地調査の方法を表8-3-3-1及び表8 - 193 --3-3-2に示す。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、都市トンネル、非常口(都市部)、地下駅、変電施設を対象に、切土工等又は既存の工作物の除去又はトンネルの工事を行う地域とした。」などと記載され。④調査地点について、「現地調査地点は、調査地域におい て構成されている代表的な地質を選定した。」などと記載されている(なお、例えば、愛知県に係る本件評価書には、調査地点(現地調査地点)として、別紙53の表のとおりの記載がされている。)。(丙1の1(8-3-3-1頁以下等)、2の1(8-3-3-1頁以下等)、3の1(8-3-3-1頁以下等)、 4の1(8-3-2-1頁以下等)、5の1(8-3-4-1頁以下等)、6の1(8-3-3-1頁以下等)、7の1(8-3-3-1頁以下等))なお、その他にも、例えば、愛知県に係る本件評価書には、土壌汚染に係るものを含め、「調査は、選定した環境影響評価項目 の現況把握及び予測・評価に必要な情報を把握することを目的として実施しています。具体的には「国土交通省令の参考手法」及び「道路環境影響評価の技術手法(財団法人道路環境研究所)」、(以下「道路マニュアル」とする)に示された手法を参考にしながら実施しています。調査地域、調査地点は、予測すべ き範囲を見込んだうえで、その地域の状況を把握できる地点として、影響範囲や保全の対象と考えられる住居等から選定しており、十分であると考えています。」などと記載されている。(丙7の1(6-2-39頁等))ⅱ また、予測の手法をみると、本件評価書には、①予測項目につ いて、「切土工等又は既存の工作物の除 ると考えています。」などと記載されている。(丙7の1(6-2-39頁等))ⅱ また、予測の手法をみると、本件評価書には、①予測項目につ いて、「切土工等又は既存の工作物の除去に係る土壌汚染とし - 194 -た。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、「調査結果と工事計画を勘案し、本事業の実施による影響を定性的に予測した。」などと記載され、③予測地域について、「切土工等又は既存の工作物の除去を行う地域として、調査地域と同様とした。」などと記載され、④予測対象時期等について、「工事中と した。」などと記載され、⑤予測条件の設定について、「本事業では、切土工等又は既存の工作物の除去に伴う発生土は、必要により有害物質の有無や汚染状況を確認し、汚染土壌が発見された場合には、関係法令に基づき適切に処理、処分することを予測の前提条件とした。」などと記載されている。(丙1の1(8-3 -3-10頁以下等)、2の1(8-3-3-10頁以下等)、3の1(8-3-3-27頁以下等)、4の1(8-3-2-7頁以下等)、5の1(8-3-4-16頁以下等)、6の1(8-3-3-15頁以下等)、7の1(8-3-3-13頁以下等)) なお、その他にも、例えば、愛知県に係る本件評価書には、「事業特性及び地域特性を踏まえ、調査・予測及び評価の手法については、他事例を参考に一般的に広く用いられている手法を選定した。」などと記載されている。(丙7の1(7-23頁等))ⅲ 次に、評価の手法をみると、本件評価書には、「事業者により 実行可能な範囲内で回避又は低減されているか検討を行った。」などと記載されている。(丙1の1(8-3-3-14頁等)、2の1(8-3-3-1 価の手法をみると、本件評価書には、「事業者により 実行可能な範囲内で回避又は低減されているか検討を行った。」などと記載されている。(丙1の1(8-3-3-14頁等)、2の1(8-3-3-13頁等)、3の1(8-3-3-30頁等)、4の1(8-3-2-10頁等)、5の1(8-3-4-19頁等)、6の1(8-3-3-18頁等)、7の1(8-3 -3-17頁等)) - 195 -ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、本件評価書に記載したものであるところ、この本件評価書には、①予測の結果として、「切土工等又は既存の工作物の除去に伴う土壌汚染の要因としては、汚染された発生土の搬出による汚染、汚染された土砂の搬入 による汚染及び薬液注入による汚染が考えられる。」、「工事にあたっては、事前に地歴調査等を実施し、必要に応じて土壌調査を行う等して、土壌汚染の有無を確認する。また、工事中に刺激臭、悪臭又は異常な色を呈した土壌及び地下水を確認するなど、汚染のおそれがある土壌に遭遇した場合は、有害物質の有無及び 汚染状況等を確認する。土壌汚染が明らかとなった際には、土壌汚染対策法(中略)等の関係法令等に基づき適切に処理、処分する。一方、自然的原因により汚染された発生土は、現地調査の結果、沖積層、東京層及び上総層の一部において土壌汚染対策法の指定基準に適合しない自然由来の重金属等の存在及び長期的な溶 出のおそれが確認された。しかしながら、沖積層、東京層及び上総層を掘削する地下駅及び変電施設の工事では、今後、事前調査の結果等を踏まえて詳しく調査をすべき地質を絞り込み、絞り込んだ箇所は自然由来の重金属等の溶出特性等に関する調査を実施すると 東京層及び上総層を掘削する地下駅及び変電施設の工事では、今後、事前調査の結果等を踏まえて詳しく調査をすべき地質を絞り込み、絞り込んだ箇所は自然由来の重金属等の溶出特性等に関する調査を実施するとともに、工事中には発生土に含まれる自然由来の重金属等 の調査を定期的に実施する。指定基準に適合しない発生土及び酸性化のおそれがある発生土は、選別して適切な現場管理を行うとともに、関係法令等に基づき処理、処分する。したがって、汚染された発生土の搬出による汚染はない。」、「汚染された土砂の搬入による汚染は、埋立て土砂等の現地搬入に先立ち、土砂採取 地等の確認を行い、汚染された土砂の搬入防止に努めることから、 - 196 -新たに土壌汚染を生じさせることはない。」、「薬液注入による汚染は、「8-2-2 地下水の水質及び水位」に記載したとおり、薬液注入工が必要と判断される場合は、「薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針」(中略)に基づき工事を実施することから、薬液注入による土壌汚染を生じさせることはな い。」、「以上のことから、切土工等又は既存の工作物の除去に係る土壌汚染はないと予測する。」などと記載がされている。そして、本件評価書には、②環境保全措置について、「有害物質の有無の確認と汚染土壌の適切な処理」、「薬液注入工法における指針の順守」、「工事排水の適切な処理」、「仮置場における発 生土の適切な管理」、「発生土を有効利用する事業者への土壌汚染に関する情報提供の徹底」等を実施する旨などが記載されている(なお、その内容として、例えば、愛知県に係る本件評価書には、別紙54の表のとおりの記載がされている。)。これを受け、本件評価書には、③評価の結果について、この「環境保全措置を 確実に実施すること 、その内容として、例えば、愛知県に係る本件評価書には、別紙54の表のとおりの記載がされている。)。これを受け、本件評価書には、③評価の結果について、この「環境保全措置を 確実に実施することから、切土工等又は既存の工作物の除去に伴う土壌汚染を回避できるものと評価する。」などと記載されている。(丙1の1(8-3-3-1頁以下等)、2の1(8-3-3-1頁以下等)、3の1(8-3-3-1頁以下等)、4の1(8-3-2-1頁以下等)、5の1(8-3-4-1頁以下 等)、6の1(8-3-3-1頁以下等)、7の1(8-3-3-1頁以下等))ⅴ なお、その他にも、例えば、東京都に係る本件評価書には、「現地調査において、重金属等の溶出量試験により6地点で砒素など指定基準を超過し、また、酸性化可能性試験により5地点で 酸性化の可能性があることが確認されたことから、切土工やトン - 197 -ネル工事等により発生する建設発生土の仮置場における周辺地下水への影響について、「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版)」にあるサイト概念モデル等を参考に、可能な限り定量的に予測・評価すること。」、「施工管理の状態等又は地中における不測の現象によっては、薬 液注入による汚染や地下水の酸性化が生じる可能性も否定できないことから、ある程度の不確実性も考慮した上で、工事施行中においては、地下水の水質に係る事後調査を実施し、地下水の水質に及ぼす影響の程度の把握に努めるとともに、環境影響の程度が著しいことが判明した場合の対応方針を明らかにすること。」な どを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「今後、工事計画が具体化していく中で、詳細な仮置き場の設置箇所が確定した 著しいことが判明した場合の対応方針を明らかにすること。」な どを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「今後、工事計画が具体化していく中で、詳細な仮置き場の設置箇所が確定した段階において、本評価書資料編(中略)にも紹介した「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版)」の「3.3 対応の流れ ⑶ 搬出・仮置 き時の留意点」の内容を参考に、シート養生による重金属等の仮置き場地盤への浸透防止などの対策を環境保全措置に加えました。 なお、「サイト概念モデル」は、シート養生などをせず、発生土を直接地盤に仮置きなどした際の重金属の溶出を前提としたモデルです。」、「工事着手前からの地下水のモニタリングは地下駅 および非常口周辺や、特にお申し出があり対応を要するものにおいて実施いたします。工事に伴う不測の事態などにより、モニタリングの過程において著しい環境影響が認められた場合は、速やかに原因を調査し、本事業による影響が明らかであれば、しっかりと対策を講じてまいります。」などと記載されており、資料編 においても、当該対応マニュアルに基づく調査の手順や他の事例 - 198 -等が記載されている。(丙1の1(6-3-12頁等)、1の2(環10-1-1頁以下等))ⅵ また、神奈川県に係る本件評価書には、「工事に伴い自然由来の重金属等を含有する発生土が生じる可能性があることから、適切な調査計画と汚染が判明した場合の周辺環境の汚染防止措置を 示すこと。」などを求める神奈川県知事の意見に対する事業者の見解として、「資料編に記載したとおり、工事における自然由来重金属等の調査は、施工管理を適切に行うことを目的として「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌 神奈川県知事の意見に対する事業者の見解として、「資料編に記載したとおり、工事における自然由来重金属等の調査は、施工管理を適切に行うことを目的として「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版)」等を参考として、専門家に相談しながら実施す る計画です。また、汚染のおそれのある掘削土が確認された場合においては、現場内及び周辺への重金属等の拡散を防止するために、シート覆いを設置する等、合理的な対策を立案し、施工管理を行うとともに、「汚染土壌の運搬に関するガイドライン」等を踏まえながら、土壌汚染対策法等の関係法令を遵守し、運搬、処 理を実施する計画です。汚染土壌に関する調査の内容及び結果と発生した汚染土壌の運搬・処理の実績等については、適切な時期に公表していく計画です。」などと記載されており、資料編においても、当該対応マニュアルに基づく調査の手順や他の事例等が記載されている。(丙2の1(6-3-9頁等)、2の2(環1 1-1-1頁等))その他にも、神奈川県に係る本件評価書には、「対象事業実施区域及びその周囲には、平成25年6月現在、「土壌汚染対策法」(中略)に基づく形質変更時要届出区域は(中略)1区域指定されているが、土地の改変の可能性のある区域には存在しない。」、 「長期的な酸性化の可能性がある地層が確認されていることから、 - 199 -切土工等又は工作物の除去時において、掘削土が水及び空気と反応することで酸性化し、その過程で生成される強度の酸性水が、掘削土に含まれる重金属等を長期的に溶出させることがある。今後、酸性化の可能性があると想定される地層は、事業の進捗に合わせて問題となる地質の絞り込みを行い、工事中には、その結果 に応じて定期的に 削土に含まれる重金属等を長期的に溶出させることがある。今後、酸性化の可能性があると想定される地層は、事業の進捗に合わせて問題となる地質の絞り込みを行い、工事中には、その結果 に応じて定期的に掘削土の調査を行い、酸性化のおそれがある発生土を選別する等して適切に管理し、処理、処分する。したがって、酸性化のおそれがある発生土による汚染物質の拡散はない。」などと記載されている。(丙2の1(8-3-3-7頁、8-3-3-11頁等)) なお、神奈川県に係る本件評価書には、「その他」の項目(環境影響評価の項目以外の項目)において、「路線は天然ガスを含む地層を通過する可能性があることから、工事を実施する場合は、ガス濃度を定期的に測定するとともに換気や防爆などの設備面の安全対策を講じること。」や「工事における可燃性ガスによる事 故防止対策及び異常発生時対策について、明らかにすること。」などを求める神奈川県知事の意見に対する事業者の見解として、「計画路線上に天然ガスが胚胎している可能性のある地層が存在することから、工事実施の際には、濃度別の作業規制を定めるとともに、検知警報装置の設置や通風換気等、設備面の安全対策を 適切に行っていく計画です。異常時対応についても作業員への周知を徹底する等、十分な対策を検討していきます。工事中の管理体制及び異常時対策等の考え方・計画を資料編に記載しました。」などと記載されており、資料編において、その概要が示されている。(丙2の1(6-3-15頁等)、2の2(事3-6-1頁 以下)) - 200 -ⅶ また、山梨県に係る本件評価書には、「発生土を工事ヤード及び発生土置き場(残土処分場)以外で仮保管する場合も発生土置き場と同様に環境保全措置等 以下)) - 200 -ⅶ また、山梨県に係る本件評価書には、「発生土を工事ヤード及び発生土置き場(残土処分場)以外で仮保管する場合も発生土置き場と同様に環境保全措置等の検討を行い、検討の経緯及び結果を評価書に記載すること。」などを求める山梨県知事の意見に対する事業者の見解として、「一時的な保管を行う箇所についても、 大規模な改変が必要となる場合には、発生土を新たに当社が今後計画する場合と同様に山梨県を窓口として自治体や関係機関との調整のうえで場所を選定し、環境保全措置の内容を詳細なものにするための調査及び影響検討を、事後調査として実施していきます。」などと記載されている。(丙3の1(6-3-15頁等)) ⅷ さらに、長野県に係る本件評価書には、「大鹿村の旧小日影鉱山は東西方向に鉱脈が延びており、本事業におけるトンネルの計画と同じ方向であるため、万一鉱脈にあたれば影響が大きい。そのため、発生土に含まれる重金属について工事中の監視だけでなく、事後調査の対象にすることを検討すること。」、「評価書に おいて、発生土に重金属が含まれていた場合の適切な処理処分の方法を具体的に記載するとともに、処理処分を実施した場合はその状況を県に報告することを記載すること。」などを求める長野県知事の意見に対する事業者の見解として、「旧小日影鉱山については大鹿村へのヒアリングや既存文献調査より、資料編に記載 のとおり把握しています。旧小日影鉱山跡付近においてトンネルを掘削することで、自然由来の重金属等を含んだ土壌に遭遇する可能性があることから、第8章及び資料編に記載のとおり、その周辺の発生土に含まれる重金属等の有無を定期的に確認し、基準に適合しない発生土や酸性化のおそれのある発生土は選別し 等を含んだ土壌に遭遇する可能性があることから、第8章及び資料編に記載のとおり、その周辺の発生土に含まれる重金属等の有無を定期的に確認し、基準に適合しない発生土や酸性化のおそれのある発生土は選別して管 理するとともに、関係法令等に基づき適切に処理、処分を行いま - 201 -すので、事後調査の対象とすることは考えていません。また重金属を含む発生土の処理処分方法として、これまでの事例を踏まえ管理型処分場、遮断型処分場への搬入や焼成処理を考えています。 なお、長野県内における既存の管理型処分場や遮断型処分場の分布状況は、資料編に示すとおりです。汚染土壌の処理処分を実施 した場合には、その状況を長野県に報告します。」などと記載されている。そして、長野県に係る本件評価書には、この点につき、「自然由来の重金属等に関して、「8-3-4 土壌汚染」に記載したとおり、小日影鉱山跡が確認されていること等を踏まえ、文献調査及び現地調査を行った。調査結果より、環境基準を超え る地下水は確認されておらず、そのため排水による公共用水域の水の汚れの影響はないものと考えられる。さらに掘削中は、掘削した壁面にコンクリート吹付けを行うことで、地盤及び地下水が長期に直接空気に触れないため、地盤に含まれる硫化鉱物の酸化による酸性水はほとんど発生しないと考えられる。」、「小日影 鉱山跡の周辺を通過するトンネル工区では、今後、事前調査の結果等を踏まえて、詳しく調査をすべき地質を絞り込み、絞り込んだ箇所については自然由来の重金属等の溶出特性等に関する調査を実施するとともに、工事中には発生土に含まれる自然由来の重金属等の調査を定期的に実施する(中略)。指定基準に適合しな い発生土及び酸性化のおそれがある発生土は、選別して適切な現場管理 調査を実施するとともに、工事中には発生土に含まれる自然由来の重金属等の調査を定期的に実施する(中略)。指定基準に適合しな い発生土及び酸性化のおそれがある発生土は、選別して適切な現場管理を行うとともに、土壌汚染対策法等の関連法令等に基づき処理、処分する(中略)。したがって、汚染された発生土の搬出による汚染はない。」などと記載されているほか、資料編においても、文献調査の結果等が記載されている。(丙5の1(6-2 06頁、8-2-3-31頁以下、8-3-4-20頁等)、5 - 202 -の2(環6-1-1頁以下、環10-2-1頁以下等))ⅸ さらに、岐阜県に係る本件評価書には、「文献調査で把握した計画路線上のウラン鉱床に比較的近い地域及び地質が類似している地域にあっては、事前のボーリング調査等においてウラン含有土壌の存在を含む地質の状況把握を行い、工事計画を定めるこ と。」、「工事計画を定めた段階で県及び関係市町に報告するとともに、地域住民等に丁寧に説明すること。」、「発生土、掘削箇所の湧水及び発生土置き場の流出水のウラン濃度の把握方法、管理を必要とするウラン濃度レベル、ウラン濃度が高い発生土等が判明した場合の対応方法、放出されるラドンの把握及び管理を 含めた対応方法等について、法令や既存事例を参考とするとともに放射性物質及び地質に精通した専門家の指導及び助言を受け具体的に定めること。」、「ウラン濃度が高い発生土等が判明した場合については、その都度、県及び関係市町に報告するとともに地域住民等に丁寧に説明すること。」などを求める岐阜県知事の 意見に対する事業者の見解として、「第8章に記載のとおり、東濃地域のウラン鉱床については、独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下、「旧動 等に丁寧に説明すること。」などを求める岐阜県知事の 意見に対する事業者の見解として、「第8章に記載のとおり、東濃地域のウラン鉱床については、独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下、「旧動燃」という。)からの資料収集や専門家からのヒアリングを行い、地質の観点から、主としておわん形に窪んだ花崗岩地形があり、かつその上部に堆積した瑞浪層群のうち 有機物を多く含む土岐夾炭累層との境界部分に蓄積することが分かっています。また、資料編に追記したとおり、旧動燃は、約1,400本のボーリング調査を行い、ウラン濃度を確認し、ウラン鉱床の位置を把握しています。計画路線はウラン鉱床を回避していますが、月吉鉱床北側の約3km区間では土岐夾炭累層と花崗 岩の境界付近をトンネルが通過します。その近傍における旧動燃 - 203 -のボーリングデータによると、土岐夾炭累層の放射線計数率は下部の花崗岩よりも低い値を示していることから、ウランは蓄積されていないと考えます。」、「工事計画の策定にあたっては、計画路線上のウラン鉱床に比較的近い地域及び地質が類似している地域において、ボ-リング調査等により地質の状況を把握します。 地質の状況把握の結果については、県及び関係市町に報告するとともに、関係する地区における工事説明会等において地元の方々にご説明してまいります。」、「また、資料編に追記したとおり、土岐夾炭累層と花崗岩の境界付近におけるトンネルの掘削工事に際して、必要に応じて線量計などにより掘削土の状況を把握する ほか、排水中のウラン濃度や大気中のラドン濃度についても把握します。また、トンネル工事は、地山を掘削するだけであり、自然放射線物質の比率を高める処理は行わないことから、法令による規制の対象となっていませんが、管理値 ン濃度や大気中のラドン濃度についても把握します。また、トンネル工事は、地山を掘削するだけであり、自然放射線物質の比率を高める処理は行わないことから、法令による規制の対象となっていませんが、管理値としては、鉱山において一般公衆の立ち入りを制限する線量や濃度限度を参考としま す。」、「本事業において、万一、放射線量が比較的高い掘削土が確認された場合は、掘削土を覆土することにより敷地境界における放射線量を管理値以下に低減させるとともに、遮水シ-トなどを用いて雨水等の侵入を防止させることとします。」、「ウラン濃度が高い発生土等が発生した場合については、県及び関係市 町に報告するとともに、公表してまいります。」、「なお、対応方法等の詳細については、放射性物質及び地質に精通した専門家の意見を踏まえながら、できるだけ早く検討を進めてまいります。 また、その内容については、遅くとも工事の着手までに、(中略)県及び関係市町に報告するとともに、関係する地区における工事 説明会等において地元の方々にご説明してまいります。」などと - 204 -記載されており、資料編においても、その概要が示されている。 (丙6の1(6-3-10頁等)、6の2(環9-2-1頁以下等))なお、参加人は、実際に、これを踏まえて、平成23年4月から平成28年3月までに、「計画路線上のウラン鉱床に比較的近 い地域及び地質が類似している地域」である「岐阜県瑞浪市日吉町」、「岐阜県可児郡御嵩町次月」及び「岐阜県可児郡御嵩町美佐野」において地質の状況を調査し、その結果を整理した上で、同年7月に、岐阜県に対する報告等をしている。また、参加人は、その後も、同様に調査をした上で、平成29年6月に、岐阜県に 対する報告等をしている。 地質の状況を調査し、その結果を整理した上で、同年7月に、岐阜県に対する報告等をしている。また、参加人は、その後も、同様に調査をした上で、平成29年6月に、岐阜県に 対する報告等をしている。なお、これらに係る報告資料には、「旧動燃の調査による成果物及び当社の調査結果を基に作成した地質縦断図では、月吉鉱床北側の約3km区間以外において、ウラン鉱床に比較的近い地域であっても、中央新幹線の計画路線が通過する深度に、ウラン鉱床が生成されやすいとされている花崗 岩上部に堆積した土岐夾炭累層の分布は見られない。一方、南垣外斜坑の一部区間及び本坑のうち月吉鉱床北側の約3km区間において、計画路線が通過する深度に花崗岩上部に堆積した土岐夾炭累層の分布が見られる。しかし、ウラン濃度分布結果によると、当該区間の土岐夾炭累層のウラン濃度は、花崗岩との境界付近に おいても、(中略)東濃地域に広く分布する土岐花崗岩や苗木上松花崗岩(中略)と比較して同等以下である。なお、ウラン鉱床(中略)と比較しても非常に低い値である。このことから、トンネル掘削中にウラン鉱床のようなウラン濃度が高い土を掘削する可能性は低いと考える。」、「ボーリング調査及び放射能検層結 果、ウラン濃度分布結果を次頁以降に示す。平成28年度に実施 - 205 -した調査の結果、月吉鉱床北側の約3km区間以外において、ウラン鉱床が生成されやすいとされる花崗岩上部に堆積した土岐夾炭累層の分布は、確認されなかった。また、ウラン濃度分析の結果によると月吉鉱床北側の約3km区間の土岐夾炭累層のウラン濃度は、花崗岩との境界付近においても、(中略)東濃地域に広 く分布する土岐花崗岩や苗木上松花崗岩(中略)と比較して同等以下だった。なお、ウラン鉱床(中略)と比較しても 間の土岐夾炭累層のウラン濃度は、花崗岩との境界付近においても、(中略)東濃地域に広 く分布する土岐花崗岩や苗木上松花崗岩(中略)と比較して同等以下だった。なお、ウラン鉱床(中略)と比較しても非常に低かった。」などと記載されている。(丙33、67)また、参加人は、「岐阜県内月吉鉱床北側の約3km区間において、ウラン鉱床が生成されやすい地質を中央新幹線が通過する ことから、トンネル掘削工事に際して慎重を期するため」として、岐阜県に対し、平成28年7月に、「岐阜県内月吉鉱床北側の約3km区間における発生土等の管理示方書」を提出するとともに、同年9月に、その改訂版を提出するなどした。この改訂版には、「本示方書の適用範囲は、南垣外非常口から本坑接続部までの斜 坑及び斜坑接続部(239k130m付近)から242k000mまでとする。」、「発生土については、ウランが蓄積されやすい地質は花崗岩上部に堆積した瑞浪層群のうち土岐夾炭累層に限られることから、上記の区間のうち、土岐夾炭累層が分布する範囲に適用する。ただし、239k130m付近から242k00 0m付近の外方まで瑞浪層群の土岐夾炭累層が分布する場合においても、本示方書を適用する。」とした上で、その発生土等の管理の方法等が記載されている。(丙65、66)さらに、岐阜県環境影響評価審査会地質委員会において、上記の報告資料や管理示方書を踏まえた議論がされているところ、そ の中で、「東濃地方の地質の状況は過去の調査により良く把握さ - 206 -れており、過去の文献や独自の調査により、ウラン鉱床が生成されやすいとされる窪んだ花崗岩の上層に土岐夾炭累層が堆積した地層は、この約3km区間以外には見られないとした報告につ - 206 -れており、過去の文献や独自の調査により、ウラン鉱床が生成されやすいとされる窪んだ花崗岩の上層に土岐夾炭累層が堆積した地層は、この約3km区間以外には見られないとした報告については妥当である」などとする意見が述べられている。(丙68)ⅹ 加えて、愛知県に係る本件評価書には、別紙55の表のとおり、 調査地点(現地調査地点)ごとの調査の結果が記載されており、それを踏まえた予測の結果として、「自然的原因により汚染された発生土については、現地調査の結果、東海層群において土壌汚染対策法の指定基準に適合しない自然由来の重金属等の存在するおそれがあり、熱田層において自然由来の重金属等の長期的な溶 出のおそれが確認された。しかしながら、東海層群及び熱田層を掘削するトンネルの工事では、今後、事前調査の結果等を踏まえて詳しく調査をすべき地質を絞り込み、自然由来の重金属等の分布状況や溶出特性等を調査するとともに、工事中には必要に応じて発生土に含まれる自然由来の重金属等の調査を定期的に実施す る。指定基準に適合しない発生土及び酸性化のおそれがある発生土は、選別して適切な現場管理を行うとともに、関連法令等に基づき処理、処分する。」などと記載されている。(丙7の1(8-3-3-3頁以下、8-3-3-18頁等))また、愛知県に係る本件評価書には、「対象事業実施区域周辺 には、汚染土壌(自然由来のものも含む。)だけでなく、酸性水、重金属等が溶出するおそれのある土壌が存在することから、これらの土壌について、環境への影響のおそれのある再利用の防止、帯水層に接することによる地下水汚染の発生防止、保管場所等からの飛散防止等のための適切な措置を講ずること。」、「工事前 及び工事中に らの土壌について、環境への影響のおそれのある再利用の防止、帯水層に接することによる地下水汚染の発生防止、保管場所等からの飛散防止等のための適切な措置を講ずること。」、「工事前 及び工事中に調査を実施するとしているが、それらの調査に当た - 207 -っては、関係機関と協議し、適切な調査計画を作成すること。」などを求める愛知県知事の意見に対する事業者の見解として、「準備書に記載したとおり、地下水の酸性化については、止水性の高い地中連続壁等で地下水を止水した後、掘削するため地盤及び地下水が長期に直接空気に触れることがなく、地下水が酸性化 することによる影響は小さいと予測しました。評価書では、資料編16-3に汚染のおそれのある掘削土が確認された場合における措置を追加しました。現場内および周辺への重金属等の拡散を防止するために、被覆、遮水工等の適切かつ合理的な対策工を立案し、施工管理を行うとともに、「汚染土壌の運搬に関するガイ ドライン(改訂第2版)」(中略)や「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対策マニュアル(暫定版)」(中略)等を踏まえながら、土壌汚染対策法等の関係法令を遵守し、適切に運搬、処理を実施していきます。」、「調査の手順については、評価書資料編9-1に追記しました。また、工事の実施に あたっては、土壌汚染対策法等の関係法令等に基づき必要な手続きを行います。具体的な届け出内容については、今後、工事計画を具体化する中で、関係機関と調整をとりながら、適切に実施されるよう検討していきます。」などと記載されている。(丙7の1(6-3-12頁等)) ⅺ そして、本件評価書には、「本事業に起因する汚染土壌の拡散を未然に防止するため、トンネル工事等に伴う発生土につい 」などと記載されている。(丙7の1(6-3-12頁等)) ⅺ そして、本件評価書には、「本事業に起因する汚染土壌の拡散を未然に防止するため、トンネル工事等に伴う発生土については、自然由来の重金属等による汚染の状況を定期的に調査すること。」、「調査頻度については、専門家等の助言を踏まえ決定するとともに、工事着手前までに具体的な計画を策定すること。」 などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「本 - 208 -事業に起因する汚染土壌の拡散を未然に防止するため、資料編に記載のとおり、トンネル工事等に伴う発生土について、まず資料等調査などの結果に基づき、以後の段階で詳しく調査をすべき地質の絞り込みを行います。その結果、工事実施区域において自然由来重金属等による汚染のおそれがある場合には、地質調査の結 果等から対策が必要な地質の分布状況、溶出特性等を把握し、発生土に含まれる重金属等の定期的な調査を実施します。」、「施工中の調査における試験方法や調査頻度については、工事着手までに具体的な計画を策定します。実際の施工管理を考慮して迅速判定試験の活用等も含めて検討するとともに、最初の段階で絞り 込みの対象としなかった地質における調査内容についても検討し、専門家等の助言を踏まえて計画を決定します。」などと記載されている。(丙1の1(13-29頁等)、2の1(13-29頁等)、3の1(13-29頁等)、4の1(13-29頁等)、5の1(13-29頁等)、6の1(13-29頁等)、7の1 (13-29頁等))⒡ 国交大臣は、以上で述べた点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の回避又は低減が図られてい (13-29頁等))⒡ 国交大臣は、以上で述べた点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の回避又は低減が図られていることなどから、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断した。 b⒜ このように、参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、鉄道事業評価省令別表第1に掲げる参考項目を勘案しつつ、環境要素に及ぼす影響の重大性等を踏まえて、重要な地形及び地質、土地の安定性、地盤沈下、土壌汚染等を環境影響評価の項目として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則し て、その調査、予測及び評価の手法を選定するなどしたことが認め - 209 -られる。また、以上で認定したように、参加人は、その選定した手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、本件評価書に記載したものであるし、環境影響評価の手続で述べられた意見も勘案して、それを踏まえた対応をしていたことなども指摘することができる。そして、国交大臣は、この点を 含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の回避又は低減が図られているとして、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのであり、その判断過程や内容等をみても、当該判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく 妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 ⒝ なお、参加人によ 権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 ⒝ なお、参加人による調査、予測及び評価の手法の選定等のうち、 例えば、土壌汚染についてみると、以上で認定したように、参加人は、調査の基本的な手法として、「文献調査により、土壌汚染に関する文献、資料を収集し、整理した」上で、これを「補完するため、関係自治体等へのヒアリング及び自然由来の重金属等に係る現地調査を地層に応じて行」うという手法を選定したものであることが認 められるところ、鉄道事業評価省令24条1項2号において、調査の基本的な手法につき、「国又は関係する地方公共団体が有する文献その他の資料の入手、専門家等からの科学的知見の聴取、現地調査その他の方法により調査すべき情報を収集し、その結果を整理し、及び解析する手法」と規定されていることなどに鑑みると、参加人 の選定した調査の基本的な手法は、評価法や鉄道事業評価省令の規 - 210 -定等に則したものということができる。 また、参加人は、調査地域を「対象事業実施区域及びその周囲の内、都市トンネル、非常口(都市部)、地下駅、変電施設を対象に、切土工等又は既存の工作物の除去又はトンネルの工事を行う地域」などに設定し、調査地点(現況調査地点)を「調査地域において構 成されている代表的な地質」を有する地点に設定している。これらは、鉄道事業評価省令24条1項3号において、調査地域につき、「対象鉄道建設等事業の実施により選定項目に関する環境要素に係る環境影響を受けるおそれがある地域又は土地の形状が変更される区域及びその周辺の区域その他の調査に適切な範囲であると認めら 地域につき、「対象鉄道建設等事業の実施により選定項目に関する環境要素に係る環境影響を受けるおそれがある地域又は土地の形状が変更される区域及びその周辺の区域その他の調査に適切な範囲であると認めら れる地域」と規定され、同項4号において、調査地点につき、「調査すべき情報の内容及び特に環境影響を受けるおそれがある対象の状況を踏まえ、地域を代表する地点その他の調査に適切かつ効果的であると認められる地点」と規定されていることなどを踏まえたものと考えられるし、本件評価書にも、「調査は、選定した環境影響 評価項目の現況把握及び予測・評価に必要な情報を把握することを目的として実施しています。具体的には「国土交通省令の参考手法」及び「道路環境影響評価の技術手法(財団法人道路環境研究所)」、(以下「道路マニュアル」とする)に示された手法を参考にしながら実施しています。調査地域、調査地点は、予測すべき範 囲を見込んだうえで、その地域の状況を把握できる地点として、影響範囲や保全の対象と考えられる住居等から選定しており、十分であると考えています。」などと記載されていることが認められる。 加えて、参加人は、予測の基本的な手法について、「調査結果と工事計画を勘案し、本事業の実施による影響を定性的に予測」する という手法を選定している。これは、鉄道事業評価省令25条1項 - 211 -1号において、予測の基本的な手法につき、「環境の状況の変化又は環境への負荷の量を、理論に基づく計算、模型による実験、事例の引用又は解析その他の手法により、定量的に把握する手法」と規定されているものの、同条2項において準用する鉄道事業評価省令8条2項の規定により、「定量的な把握が困難な場合にあっては、 定性的に把握する手法 析その他の手法により、定量的に把握する手法」と規定されているものの、同条2項において準用する鉄道事業評価省令8条2項の規定により、「定量的な把握が困難な場合にあっては、 定性的に把握する手法を選定する」とされていることなどを踏まえたものと考えられるし、本件評価書にも、「事業特性及び地域特性を踏まえ、調査・予測及び評価の手法については、他事例を参考に一般的に広く用いられている手法を選定した。」などと記載されていることが認められる。 そして、参加人の選定した評価の手法については、鉄道事業評価省令26条1号及び2号に掲げる事項に留意して選定されたものと認められるし、その他に、本件全証拠を精査しても、以上で述べた土壌汚染に限らず、参加人による調査、予測及び評価の手法の選定等が評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則したものでなかったと する事情は見当たらないものといえる。 ⒞ また、参加人は、国交大臣の意見を踏まえ、神奈川県、山梨県、長野県及び岐阜県に係る本件評価書において、地盤沈下に係る事後調査について、「トンネル(山岳部)の土被りが小さく、地質的に未固結である区間においては、地表面の沈下量の予測に不確実性が あることから、環境影響評価法に基づく事後調査を実施する。」などと記載している。これは、鉄道事業評価省令32条1項1号に掲げる場合、すなわち、「予測の不確実性の程度が大きい選定項目について環境保全措置を講ずる場合」に該当することを踏まえたものであるし、その内容等をみても、明らかに合理性を欠くなどという ことはできないと考えられる。 - 212 -c これに対し、原告らは、①トンネルの掘削等に伴い大量の発生土が搬出された場合には、これらが押し返していた力 くなどという ことはできないと考えられる。 - 212 -c これに対し、原告らは、①トンネルの掘削等に伴い大量の発生土が搬出された場合には、これらが押し返していた力を失い、周辺地盤が緩むことにつながるし、地下水の水位の低下が懸念される地域等では、それによる影響を受けやすく、多数の周辺住民が地盤沈下等の被害を受けるおそれがある旨、②大深度地下において予定されているシール ド工法による掘削等については、従前、これを利用しても地表近くに影響は及びにくいとされていたが、令和2年10月に、当該工法による掘削等をしていた東京外郭環状道路の工事で、地盤沈下等の事故が発生したことなどに鑑みると、本件事業でも、同様の事故が発生する危険があるというべきであるし、その後に開催された説明会でも、参 加人は、具体的な事実に基づかない説明に終始していたことが認められる旨、③愛知県春日井市の亜炭採掘跡は、その全貌が定かでなく、その周辺での掘削等により地盤沈下等の事故が発生するおそれは否定し難いし、この点に関する十分な調査もされていない旨などを主張している。 しかしながら、参加人が、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、重要な地形及び地質、土地の安定性、地盤沈下、土壌汚染等を環境影響評価の項目として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定するとともに、それに基づいて、これに係る環境影響評価を実施したこと は、以上で述べたとおりであるし、原告らの主張する点を踏まえて、本件全証拠を精査しても、これを覆すに足りる事情は見当たらないものといえる(なお、地盤沈下に係る予測の基本的な手法については、「一次元圧密理論式を用いた定量的手法により予 らの主張する点を踏まえて、本件全証拠を精査しても、これを覆すに足りる事情は見当たらないものといえる(なお、地盤沈下に係る予測の基本的な手法については、「一次元圧密理論式を用いた定量的手法により予測」するもの以外は、「周辺の地層及び地下水の水位状況を考慮して、定性的手法により予 測」するものとされているところ、これは、鉄道事業評価省令25条 - 213 -2項において準用する鉄道事業評価省令8条2項の規定により、「定量的な把握が困難な場合にあっては、定性的に把握する手法を選定する」とされていることなどを踏まえたものと考えられるし、他の事例においても、地盤沈下に係る予測の基本的な手法として「定性的方法」を選定したものが複数認められることなどに鑑みても(丙100、1 01、103、104)、この点に特段不合理なところがあるとまでは認められないものといえる。)。 そして、原告らの問題とする地盤沈下をみると、参加人は、これに係る予測の結果として、「地下水位低下により増加する有効土被り圧力は(中略)圧密降伏応力を下回る過圧密状態にある。また、理論式 による予測結果からも地盤沈下はほとんど生じないことから、地盤沈下の影響はないと予測する。」、「トンネル区間は、「8-2-2地下水の水質及び水位」より地下水の水位への影響はほとんどないと予測していることから地下水位の低下による有効土被り圧の増加はほとんどないため、地盤沈下はないと予測する。」などとするほか、 「土被りが小さい区間などで地山が緩むおそれのある箇所では、地質の状況に応じて適切な補助工法等を採用し、地山の安定を確保するため、地盤沈下は小さいと予測する。」などとしたことが認められる。 また、参加人は、これに係る環境保全措置として、鉄道事業評価 所では、地質の状況に応じて適切な補助工法等を採用し、地山の安定を確保するため、地盤沈下は小さいと予測する。」などとしたことが認められる。 また、参加人は、これに係る環境保全措置として、鉄道事業評価省令29条の規定に則して、「適切な構造及び工法の採用」、「地下水の 継続的な監視」、「地質の状況等に応じた山留め工法等の採用」、「山留め材及び周辺地盤の計測管理」等を検討し、別紙50の表のとおり、「止水性の高い山留め工法等の採用により、湧水の発生を抑えることで、地下水の水位への影響を低減できる。」、「地下水の継続的な観測を行うことで、地盤に変化が生じて周辺環境に影響を与える 前に、対策の実施をしてその影響を低減できる。」、「地質の状況等 - 214 -に応じた剛性の山留め工法等の採用により、地山の安定を確保することで、地盤への影響を低減できる。」、「山留め材の変形量や周辺地盤の計測管理を行うことで、地盤に有害な変形が生じて周辺環境に影響を与える前に、対策の実施をしてその影響を低減できる。」などとし、その検討の結果を明らかにしている(なお、以上で述べた環境保 全措置については、他の事例等を踏まえたものであるし、他の事例における地盤沈下に係る環境保全措置と比べても、同程度以上の内容になっているといえる(丙95、97~99)。)。その上で、参加人は、これらに係る評価の結果として、以上で述べた環境保全措置を確実に実施することから、これらに係る影響の低減が図られていると評 価したものであるし、国交大臣の意見を踏まえ、「トンネル(山岳部)の土被りが小さく、地質的に未固結である区間」における予測の不確実性等を踏まえ、「環境影響評価法に基づく事後調査を実施する。」としたことも認められる。そして、国交大臣は、この点を含む本 ル(山岳部)の土被りが小さく、地質的に未固結である区間」における予測の不確実性等を踏まえ、「環境影響評価法に基づく事後調査を実施する。」としたことも認められる。そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者によ り実行可能な範囲内でその影響の回避又は低減が図られているとして、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのであり、その判断過程や内容等をみても、それをもって、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこ れを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 この点につき、原告らは、大深度地下において予定されているシールド工法による掘削等を問題としているが、このシールド工法は、他 の事例等でも広く用いられているものであるし、本件認可(その1) - 215 -に先立つ環境影響評価の時点において、本件事業と同等の深さあるいは類似した地層での事例をみても、「確立された設計や施工マニュアルなどにより、善良なる施工管理のもとでのシールド工法そのものによって、地下水の流出などが原因で地盤沈下が生じたというような事例は確認され」なかったことも認められる。また、原告らの指摘する 東京外郭環状道路の工事で発生した地盤沈下等の事故については、そもそも本件認可後の令和2年10月に発生したものにとどまるが、この点をおくとしても、有識者委員会の報告等を踏まえて東日本高速道路株式会社関東支社東京外環工事事務所において取りまとめた資料によれば、「東京外環全線の中で 和2年10月に発生したものにとどまるが、この点をおくとしても、有識者委員会の報告等を踏まえて東日本高速道路株式会社関東支社東京外環工事事務所において取りまとめた資料によれば、「東京外環全線の中で特殊な地盤条件となる区間において、 チャンバー内の良好な塑性流動性・止水性の確保が困難となり、カッターが回転不能になる事象(閉塞)が発生し、これを解除するために行った特別な作業に起因するシールドトンネルの施工が要因であると推定された。また、結果として土砂の取込みが過剰に生じていたと推定され、施工に課題があった。」などと記載されていることが認めら れるし(甲CK54)、その他に、本件全証拠を精査しても、シールド工法という工法それ自体に問題があったなどと認めるに足りる事情までは見当たらないものといえる。そして、参加人は、「善良なる施工管理のもとでのシールド工法」を前提として、以上で述べた環境保全措置を講ずるとしたものであり、「万一著しい地盤沈下など実害が 生じた場合」であっても、「定常的な窓口を設置」するなどして、「一般の工事と同様に対応を行う」というのであるから、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいてされた国交大臣の判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかなどということまではできないし、その他にるる主張する 点をみても、評価書等外の事実や本件認定後の事実等を述べるもの又 - 216 -は法的な根拠や証拠に基づかずに独自の見解を述べるものであって、いずれも採用の限りではないといえる。 さらに、愛知県春日井市の亜炭採掘跡についてみても、以上で認定したところによれば、参加人における文献調査や関係自治体等に対するヒアリングなどの結果、「地表面から約 ではないといえる。 さらに、愛知県春日井市の亜炭採掘跡についてみても、以上で認定したところによれば、参加人における文献調査や関係自治体等に対するヒアリングなどの結果、「地表面から約7~14m下に亜炭採掘跡 が確認され」た一方で、その付近における「路線は、土被り40m以上の大深度トンネル」であり、「想定される採掘跡の空洞の深さよりも深いところを通過する」ものといえる上、工事の着手前には、他の事例等を参考として、空洞調査等が行われるほか、必要に応じて空洞の充填等の措置が講じられるものとされていたことなども認めること ができる。そして、この点につき、「関係機関等と協議し、適切な調査計画を作成すること。」などを求める愛知県知事の意見に対しても、「調査計画の策定にあたっては、今後、専門家や関係機関等の意見を踏まえ、検討していきます。」などとして、それを踏まえた対応がされていることなども踏まえると、事業者により実行可能な範囲内でそ の影響の回避又は低減が図られているとして、環境の保全についての適正な配慮がなされるものとした国交大臣の判断について、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、原告らの主張する点をみても、裁量権の範囲の逸脱又はその濫用を基礎付けることはできないも のと考えられる。 d また、原告らは、本件事業では、トンネルの掘削等に伴って生ずる大量の発生土が発生土置き場等に運搬されることになるところ、令和3年7月に静岡県熱海市で盛土の斜面崩壊を原因とする土石流を伴う凄惨な事故が発生したことなどに鑑みると、長野県内などで設置が予 定されている発生土置き場等の周辺住民において、同様の被害を受け - 217 - で盛土の斜面崩壊を原因とする土石流を伴う凄惨な事故が発生したことなどに鑑みると、長野県内などで設置が予 定されている発生土置き場等の周辺住民において、同様の被害を受け - 217 -るおそれがあるといえるし、環境アセスメント技術ガイドをみても、土地の安定性の変化を環境影響評価の項目として選定した上で、それに係る環境影響評価を適切に実施しなければならなかったと考えられる旨なども主張している。 しかしながら、原告らの主張する環境アセスメント技術ガイドは、 そもそもこれが法令ではないという点をおくとしても、「地盤に係る環境影響評価では、これまで事業実施に伴う地盤沈下が多く対象とされてきたが、開発行為による土地の安定性の変化(中略)についても環境影響評価の項目の対象として考慮することが望ましい。」とするものにとどまるから(甲C環1)、これをもって、直ちに、原告らの 主張を是認することはできないし、その他に、評価法や鉄道事業評価省令の規定等をみても、その主張するような盛土の斜面崩壊に係る土地の安定性を環境影響評価の項目として選定すべきとする法的な根拠までは見当たらないものといえる。また、前記エを含め、以上で認定したように、本件事業で生ずる発生土は、第一次的には、副産物とし て本件事業内での再利用や公共事業等での有効利用等が検討されるものであるが、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、それによる圧縮後もなお新たな発生土置き場等が必要となる場合があり得ることを踏まえて、「今後必要となる新たな発生土置き場等については、環境への影響が考えられる施設であることから、候補地が決定次第、 新たな発生土置き場等の規模、現地の周辺状況、保全対象となる施設等の分布を考慮し、自主的な取り組みとして、調 き場等については、環境への影響が考えられる施設であることから、候補地が決定次第、 新たな発生土置き場等の規模、現地の周辺状況、保全対象となる施設等の分布を考慮し、自主的な取り組みとして、調査及び影響検討を実施したうえで、必要な環境保全措置、事後調査及びモニタリングの計画を策定する。これらについては、適切な時期において公表していく計画である。また、新たな発生土置き場等の設置に当たっては、法令 等を遵守することはもとより、事業者として誠実に取り組む考えであ - 218 -る。」などとされているし、その後、実際に、参加人において、事後調査ないし自主的な取組みとして、その候補地の地形等を調査した上で、地方公共団体等の意見を踏まえて、盛土の斜面崩壊に対する措置等についての検討がされていることも認めることができる(甲CN1、2、10~12、14、16、17、22、24等)。また、本件評 価書には、「発生土置場からの流出土砂による河床上昇や渓床への堆積に伴う災害危険度の増大、崩壊等に伴う土砂災害、濁水の発生に伴う河川環境への影響を最大限回避するよう、発生土置場での発生土を適切に管理すること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「設計において、発生土の土質に応じたのり面勾配の 確保や擁壁の設置、排水設備の設置を検討するとともに、工事完了後、土砂流出防止に有効なのり面への播種や緑化をできる限り早期に実施します。また、緑化されるまでの期間においても沈砂池を設置することなどにより土砂の流出や濁水を防止する対策を実施し、発生土置き場からの流出土砂による河床上昇・渓床への堆積に伴う災害危険度の 増大、発生土置き場の崩壊に伴う土砂災害、発生土置き場からの濁水に伴う河川への影響が生じないよう努めます 策を実施し、発生土置き場からの流出土砂による河床上昇・渓床への堆積に伴う災害危険度の 増大、発生土置き場の崩壊に伴う土砂災害、発生土置き場からの濁水に伴う河川への影響が生じないよう努めます。」などと記載されていることも認められるし、その他にるる主張する点をみても、本件認可後の事実等を述べるものにとどまり、それをもって、本件認可の適法性が左右されるとは解し難いから、いずれも採用の限りではないとい える。 e さらに、原告らは、①本件評価書では、重金属等の鉱脈を含む場所でトンネルの掘削等について、熱田層等に関する記載はされているものの、美濃帯に関する記載はされていないし、重金属等による土壌汚染に関する内容が不十分といえる旨、②仮に遮水シート等により一時 的な流出防止等に成功したとしても、それを長い年月にわたって維持 - 219 -することができるのかには疑問があるし、基準値を超える検査結果が出た場合の具体的な流出防止措置やその効果等も明らかでない旨、③本件評価書上、そもそも重金属等により汚染された発生土の処理場が定かでなく、参加人の調査も不十分であるし、令和4年4月には、重金属等により汚染された発生土が、それを処理することのできない民 間の処分場に運搬されたとする報道もされている旨、④ウラン鉱床等を含む場所でのトンネルの掘削等について、文献調査しかされておらず、実際に参加人において自ら調査したわけでもないし、放射性物質を検知する測定器の常設等についても、十分な検討がされていない旨なども主張している。 しかしながら、参加人が、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、重要な地形及び地質、土地の安定性、地盤沈下、土壌汚染等を環境影響評価の項目として選定した上で、評 。 しかしながら、参加人が、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、重要な地形及び地質、土地の安定性、地盤沈下、土壌汚染等を環境影響評価の項目として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定するとともに、それに基づいて、これに係る環境影響評価を実施したこと は、以上で述べたとおりであるし、原告らの主張する点を踏まえて、本件全証拠を精査しても、これを覆すに足りる事情は見当たらないものといえる。 そして、原告らの問題とする土壌汚染をみると、参加人は、これに係る予測の結果として、一部で土壌汚染の原因となり得る自然由来の 重金属等の存在などが確認されているものの、定期的な調査により発生土にその自然由来の重金属等が含まれるかどうかなどを確認するほか、これが確認された場合には、その発生土を選別して適切に管理した上、関係法令の規定等に従ってこれを処理することなどを踏まえて、「切土工等又は既存の工作物の除去に係る土壌汚染はないと予測す る。」などとしたことが認められる。また、参加人は、これに係る環 - 220 -境保全措置として、鉄道事業評価省令29条の規定に則して、「有害物質の有無の確認と汚染土壌の適切な処理」、「薬液注入工法における指針の順守」、「工事排水の適切な処理」、「仮置場における発生土の適切な管理」、「発生土を有効利用する事業者への土壌汚染に関する情報提供の徹底」等を検討し、別紙54の表のとおり、「汚染の おそれがある土壌に遭遇した場合には、有害物質の有無や汚染状況等を確認する。土壌汚染が明らかとなった際には、関係法令等に基づき対象物質の種類や含有状況等に合わせた処理、処分を行うことで、土壌汚染を回避できる る土壌に遭遇した場合には、有害物質の有無や汚染状況等を確認する。土壌汚染が明らかとなった際には、関係法令等に基づき対象物質の種類や含有状況等に合わせた処理、処分を行うことで、土壌汚染を回避できる。」、「薬液注入工法を施工する際は「薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針」(中略)に基づき実施 することで、土壌汚染を回避できる。」、「工事排水について、処理施設により法令等に基づく排水基準を踏まえ、水質の改善を図るための処理をしたうえで排水することで、土壌汚染を回避できる。」、「発生土の仮置場に屋根、側溝、シート覆い、地盤への浸透防止シートを設置する等の管理を行うことで、重金属等の有無を確認するまで の間の雨水等による重金属等の流出を防止し、土壌汚染を回避できる。」、「発生土を他事業において有効利用するにあたっては、当該事業者が発生土の管理方法について判断できるように、発生土の自然由来重金属等の含有状況等に係る情報提供を徹底することで、二次的な土壌汚染を回避できる。」などとし、その検討の結果を明らかにし ている。その上で、参加人は、これらに係る評価の結果として、土壌汚染の原因となり得る自然由来の重金属等の存在などが一部で確認されているものの、以上で述べた環境保全措置を確実に実施することから、これに係る影響の回避が図られていると評価したものであるし、「本事業に起因する汚染土壌の拡散を未然に防止するため、トンネル 工事等に伴う発生土については、自然由来の重金属等による汚染の状 - 221 -況を定期的に調査すること。」、「調査頻度については、専門家等の助言を踏まえ決定するとともに、工事着手前までに具体的な計画を策定すること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「本事業に起因 調査すること。」、「調査頻度については、専門家等の助言を踏まえ決定するとともに、工事着手前までに具体的な計画を策定すること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「本事業に起因する汚染土壌の拡散を未然に防止するため、資料編に記載のとおり、トンネル工事等に伴う発生土について、まず資 料等調査などの結果に基づき、以後の段階で詳しく調査をすべき地質の絞り込みを行います。その結果、工事実施区域において自然由来重金属等による汚染のおそれがある場合には、地質調査の結果等から対策が必要な地質の分布状況、溶出特性等を把握し、発生土に含まれる重金属等の定期的な調査を実施します。」、「施工中の調査における 試験方法や調査頻度については、工事着手までに具体的な計画を策定します。実際の施工管理を考慮して迅速判定試験の活用等も含めて検討するとともに、最初の段階で絞り込みの対象としなかった地質における調査内容についても検討し、専門家等の助言を踏まえて計画を決定します。」などとしたことも認めることができる。そして、国交大 臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の回避又は低減が図られているとして、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのであり、その判断過程や内容等をみても、それをもって、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし 著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 また、原告らの問題とする愛知県春日井市の美濃帯について ものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 また、原告らの問題とする愛知県春日井市の美濃帯についてみると、 以上で認定したように、参加人は、「文献調査により、土壌汚染に関 - 222 -する文献、資料を収集し、整理」するとともに、これを「補完するため、関係自治体等へのヒアリング及び自然由来の重金属等に係る現地調査を地層に応じて行」うとして、その調査地点(現地調査地点)を「調査地域において構成されている代表的な地質」を有する地点に設定した上で、これに基づいて調査を行ったものであるところ、その調 査の結果等は、別紙53及び55の表のとおりであり、同市の美濃帯もその調査の対象としていたことは明らかであるし、その調査の結果として、「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版)」に定める基準値等を下回るものであったことから、愛知県に係る本件評価書における土壌汚染に係る予測の結果 の中でこれを明記しなかったものにとどまると考えられる。そのため、この点に特段不合理なところがあるとは認められないものといえる。 さらに、原告らは、遮水シート等を用いても、重金属等により汚染された発生土の流出防止等を長い年月にわたって維持することはできないし、基準値を超える検査結果が出た場合の具体的な流出防止措置 やその効果等も、その汚染された発生土の処理場も定かでないことなどを問題にしている。しかしながら、参加人は、この点につき、「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版)」を参考として、遮水シート等の環境保全措置を講ずることとしたものと解されるところ(なお、例 ら、参加人は、この点につき、「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版)」を参考として、遮水シート等の環境保全措置を講ずることとしたものと解されるところ(なお、例えば、当該対応マニュアル には、「重金属等の拡散がないように地下水への浸透防止のためのシートを敷き、また飛散防止のためシートでの覆いを設けるなど適切な対応を実施する。」などと記載されている(丙1の2(環10-2-7頁等))。)、当該対応マニュアルについては、関係法令の規定等を補完する形で自然由来の重金属等を含有する土壌等に対する技術的 対応を包括的に示し、もって、人の健康への影響の防止を図ることを - 223 -目的として、国土交通省総合政策局事業総括調整官室の依頼で設置された「建設工事における自然由来重金属等含有土砂への対応マニュアル検討委員会」において取りまとめたものであって、他の事例等でも広く用いられているものとされている。そして、鉄道事業評価省令29条1項が、環境保全措置につき「事業者により実行可能な範囲内で 選定項目に係る環境影響をできる限り回避し、又は低減すること」と規定していることに鑑みると、事業者により実行可能な範囲を超えて、それによる影響を未来にわたって完全に回避することまで求められているとは考え難く、本件全証拠を精査しても、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいてされた国交大臣の判断について、裁量権の 範囲の逸脱又はその濫用があるなどということはできないし、以上で述べたように、環境影響評価の手続においては、必ずしも評価書の作成時にあらゆる事項が具体的に特定されていることまで求められているとは解されないから、これに反する原告らの主張は、いずれも採用の限りではないといえる。 手続においては、必ずしも評価書の作成時にあらゆる事項が具体的に特定されていることまで求められているとは解されないから、これに反する原告らの主張は、いずれも採用の限りではないといえる。 加えて、原告らは、ウラン鉱床等を含む場所でのトンネルの掘削等についても問題にしているところ、確かに、環境影響評価の項目の選定に当たって検討すべき環境要素について定める鉄道事業評価省令21条4項には、同項5号において、一般環境中の放射性物質について調査、予測及び評価されるべき環境要素として、放射線の量(同号イ) が掲げられているが、同号の規定は、平成27年国土交通省令第43号による改正で追加されたものであるし、これと同一日(同年6月1日)に施行された平成25年法律第60号による改正前の評価法52条1項にも、この法律の規定は、放射性物質による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染については、適用しない旨が規定されていたこ とが認められる。そして、その施行日前に本件評価書の公告がされた - 224 -本件事業は、平成25年法律第60号附則2条の規定により、なお従前の例によることになるから、放射性物質による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染について、評価法の規定が適用されることはないと考えられるし、この点に関する原告らの主張は、その前提を欠くものといえる。 そして、その他にるる主張する点をみても、以上で述べた当裁判所の判断に反するものであるか、あるいは、評価書等外の事実や本件認定後の事実等を述べるもの又は法的な根拠や証拠に基づかずに独自の見解を述べるものであって、当該判断を左右しないものにとどまるから、いずれも採用の限りではないといえる。 f したがって、地盤沈下等に関す の又は法的な根拠や証拠に基づかずに独自の見解を述べるものであって、当該判断を左右しないものにとどまるから、いずれも採用の限りではないといえる。 f したがって、地盤沈下等に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものといえる。 「建設機械の稼働」等による大気の汚染、騒音、振動等に関する点a この点につき、掲記の証拠又は弁論の全趣旨によれば、次の事実を認めることができる。なお、この認定に沿わない主張や証拠について は、いずれも採用の限りではないと考えられる。 ⒜ 参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「建設機械の稼働」や「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」に係る粉じん等、騒音及び振動が鉄道事業評価省令別表第1に掲げる参考項目とされているほか、これらに伴い「排気ガス(二酸化窒 素及び浮遊粒子状物質)が発生するおそれがあり、対象事業実施区域及びその周囲に住居等が存在すること」などを踏まえ、この大気の汚染(粉じん等や二酸化窒素及び浮遊粒子状物質)、騒音、振動等を本件7都県に係る環境影響評価の項目として選定した。(丙1の1(7-1頁以下等)、2の1(7-1-1頁以下等)、3の1 (7-1頁以下等)、4の1(7-1-1頁以下等)、5の1(7 - 225 --1頁以下等)、6の1(7-1-1頁以下等)、7の1(7-1頁以下等))そして、参加人は、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定した上で、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要等を整理して、本件評価書に記載 することとした。(丙1の1(8-1-1-1頁以下等)、2の1(8-1-1-1頁以下等)、3の1 法を選定した上で、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要等を整理して、本件評価書に記載 することとした。(丙1の1(8-1-1-1頁以下等)、2の1(8-1-1-1頁以下等)、3の1(8-1-1-1頁以下等)、4の1(8-1-1-1頁以下等)、5の1(8-1-1-1頁以下等)、6の1(8-1-1-1頁以下等)、7の1(8-1-1-1頁以下等)) ⒝ このうちの「建設機械の稼働」等に係る大気の汚染に関する本件評価書の記載事項等は、次のとおりである。 ⅰ まず、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る調査の手法をみると、本件評価書には、①調査すべき項目について、風向、風速等の気象の状況に加え、「窒素酸化物及び浮遊粒子状物質の濃度と した。」などと記載され、②調査の基本的な手法について、別紙56の1の表を示した上で、「文献調査により、既存の地域気象観測所における気象観測データを収集し、整理した。また、風向及び風速については、文献調査の補完及び現況把握のため、現地調査を行った。現地調査の方法を、表8-1-1-1に示す。」、 「文献調査により、既存の一般環境大気測定局における大気質データを収集し、整理した。また、文献調査の補完及び現況把握のため、窒素酸化物及び浮遊粒子状物質の状況の現地調査を行った。 現地調査の方法を表8-1-1-2に示す。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、山 岳トンネル、非常口(山岳部)、地表式又は堀割式、高架橋、橋 - 226 -梁、地下駅、変電施設、保守基地を対象に、工事の実施時における建設機械の稼働又は資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に係る窒素酸化物及び浮遊粒子状物質の影響を受けるおそれがあると認めら 26 -梁、地下駅、変電施設、保守基地を対象に、工事の実施時における建設機械の稼働又は資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に係る窒素酸化物及び浮遊粒子状物質の影響を受けるおそれがあると認められる地域とした。」などと記載され、④調査地点について、「現地調査の調査地点は、調査地域の内、住居等の分布状況 を考慮し、建設機械の稼働による影響が想定される箇所周辺、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行による影響が想定される道路沿道の窒素酸化物及び浮遊粒子状物質の現況を適切に把握することができる地点を設定した。」などと記載されている。なお、その他にも、例えば、長野県に係る本件評価書には、調査地点や 調査期間等について、別紙57の表のとおりとする旨などが記載されているほか、「事業特性及び地域特性を踏まえ、調査・予測及び評価の手法については他事例を参考に一般的に広く用いられている手法を選定した。」、「調査地域、調査地点は、予測すべき範囲を見込んだうえで、その地域の状況を把握できる地点とし て、影響範囲や保全の対象と考えられる住居等から選定しており、十分であると考えています。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-1-1頁以下等)、2の1(8-1-1-1頁以下等)、3の1(8-1-1-1頁以下等)、4の1(8-1-1-1頁以下等)、5の1(6-61頁、7-9頁、8-1-1- 1頁以下等)、6の1(8-1-1-1頁以下等)、7の1(8-1-1-1頁以下等))また、粉じん等に係る調査の手法をみると、本件評価書には、①調査すべき項目について、「風向及び風速とした。」などと記載されているほか、②調査の基本的な手法、調査地域、調査地点 及び調査期間等については、「「⑴ 二酸化窒素及び浮遊粒子状 には、①調査すべき項目について、「風向及び風速とした。」などと記載されているほか、②調査の基本的な手法、調査地域、調査地点 及び調査期間等については、「「⑴ 二酸化窒素及び浮遊粒子状 - 227 -物質」と同様とした。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-1-59頁以下等)、2の1(8-1-1-88頁以下等)、3の1(8-1-1-80頁以下等)、4の1(8-1-1-35頁以下等)、5の1(8-1-1-70頁以下等)、6の1(8-1-1-82頁以下等)、7の1(8-1-1-61 頁以下等))ⅱ 二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る予測の手法をみると、本件評価書には、①予測項目について、「建設機械の稼働」等に係る「二酸化窒素及び浮遊粒子状物質とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、「建設機械の稼働」等に係る 「二酸化窒素及び浮遊粒子状物質について、大気拡散計算(有風時はプル-ム式、弱風時はパフ式)により寄与濃度を算出し、現況の環境濃度(バックグラウンド濃度)に加えることにより将来の環境濃度を予測した。」などと記載され、③予測地域について、「建設機械の稼働」等に係る「二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の 影響を受けるおそれがあると認められる地域として、調査地域と同様とした。」などと記載され、④予測地点について、「予測地域の内、住居等の分布状況を考慮し」、「建設機械の稼働」等に係る「二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の影響を適切に予測することができる地点として」、「工事範囲外で最大の濃度となる地点 及び直近の住居等位置」又は「工事に使用する道路の道路端とした。」、「予測高さは、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質ともに地上1.5mとした。」などと記載され、⑤予測対象時期等につい 度となる地点 及び直近の住居等位置」又は「工事に使用する道路の道路端とした。」、「予測高さは、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質ともに地上1.5mとした。」などと記載され、⑤予測対象時期等について、「建設機械の稼働」等に係る「環境影響が最大となる時期とし」、各予測地点において「建設機械の稼働」等に係る「窒素酸 化物及び浮遊粒子状物質の排出量が最大になると想定される1年 - 228 -間とした。」などと記載され、⑥予測条件の設定について、「道路環境影響評価の技術手法平成24年度版」等に基づき、排出係数等を設定した旨などが記載されている。なお、その他にも、例えば、長野県に係る本件評価書には、予測地点や予測対象時期等について、別紙58の表のとおりとする旨などが記載されてい るほか、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係るものも含め、「予測は、環境影響評価項目を選定した際に整理した「影響要因」及び「環境要素」毎に、それぞれ行っています。予測は、「国土交通省令の参考手法」をはじめ、「道路マニュアル」「長野県環境影響評価技術指針及び同マニュアル」といった環境影響評価に関 する文献で紹介されている手法や、他の環境影響評価事例を参考にしながら実施しています。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-1-23頁以下等)、2の1(8-1-1-26頁以下等)、3の1(8-1-1-24頁以下等)、4の1(8-1-1-14頁以下等)、5の1(6-61頁、8-1-1-2 0頁以下等)、6の1(8-1-1-22頁以下等)、7の1(8-1-1-17頁以下等))また、粉じん等に係る予測の手法をみると、本件評価書には、①予測項目について、「建設機械の稼働」等に係る「粉じん等とした。」などと記載され、②予測の基 -1-1-17頁以下等))また、粉じん等に係る予測の手法をみると、本件評価書には、①予測項目について、「建設機械の稼働」等に係る「粉じん等とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、「建 設機械の稼働」等に係る「粉じん等の予測は、「道路環境影響評価の技術手法平成24年度版」(中略)に基づいて行った。」などと記載され、③予測地域について、「⑴ 二酸化窒素及び浮遊粒子状物質」と同様とした。」などと記載され、④予測地点について、「予測地域の内、住居等の分布状況を考慮し」、「建設 機械の稼働」等に係る「粉じん等の影響を適切に予測することが - 229 -できる地点として」、「工事範囲外で最大の降下ばいじん量となる地点及び直近の住居等の位置」又は「工事に使用する道路の道路端とした。」、「予測高さは、地上1.5mとした。」などと記載され、⑤予測対象時期等について、「建設機械の稼働」等に係る「環境影響が最も大きくなると想定される時期とした。」など と記載され、⑥予測条件の設定について、「道路環境影響評価の技術手法(平成24年度版)」等に基づき、予測対象ユニットの選定等をした旨などが記載されている。なお、その他にも、例えば、長野県に係る本件評価書には、予測地点や予測対象時期等について、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係るものと同様とした 旨などが記載されている。(丙1の1(8-1-1-60頁以下等)、2の1(8-1-1-89頁以下等)、3の1(8-1-1-81頁以下等)、4の1(8-1-1-35頁以下等)、5の1(8-1-1-70頁以下等)、6の1(8-1-1-82頁以下等)、7の1(8-1-1-62頁以下等)) ⅲ 次に、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係 1-35頁以下等)、5の1(8-1-1-70頁以下等)、6の1(8-1-1-82頁以下等)、7の1(8-1-1-62頁以下等)) ⅲ 次に、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る評価の手法をみると、本件評価書には、回避又は低減に係る評価については、「事業の実施による影響が、事業者により実行可能な範囲内で回避又は低減がなされているか、見解を明らかにすることにより評価を行」い、基準又は目標との整合性の検討については、別紙59の 1の表を示した上で、「建設機械の稼働」等に係る「二酸化窒素及び浮遊粒子状物質による大気質への影響について、表8-1-1-23に示す環境基準との整合が図られているか、同表に示す評価方法を用い検討を行った。」などと記載されている(なお、神奈川県川崎市では、川崎市環境基本条例(平成3年川崎市条例 第28号)3条の2の規定による目標値として、二酸化窒素の - 230 -「1時間値の1日平均値」が「0.02ppm以下」、浮遊粒子状物質の「1時間値の1日平均値」が「0.075mg/㎥以下」に設定されているところ、当時、川崎市公害防止等生活環境の保全に関する条例(平成11年川崎市条例第50号)6条1項の規定により、その達成に向けて講ずべき対策上の目標値が、いずれ も別紙59の1の表と同じ値に設定されていたことから、参加人は、これを基準又は目標としてその整合性を検討することとしている。)。(甲CK1、2、丙1の1(8-1-1-39頁以下等)、2の1(8-1-1-46頁以下等)、3の1(8-1-1-51頁以下等)、4の1(8-1-1-32頁以下等)、5 の1(8-1-1-43頁以下等)、6の1(8-1-1-43頁以下等)、7の1(8-1-1-35頁以下等)) -1-1-51頁以下等)、4の1(8-1-1-32頁以下等)、5 の1(8-1-1-43頁以下等)、6の1(8-1-1-43頁以下等)、7の1(8-1-1-35頁以下等))また、粉じん等に係る評価の手法をみると、本件評価書には、回避又は低減に係る評価については、「事業の実施による影響が、事業者により実行可能な範囲内で回避又は低減がなされているか、 見解を明らかにすることにより評価を行」い、基準又は目標との整合性の検討については、別紙59の2の表を示した上で、「建設機械の稼働」等に係る「粉じん等による大気質について、表8-1-1-41に示す環境基準との整合が図られているか検討を行った。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-1-6 8頁以下等)、2の1(8-1-1-101頁以下等)、3の1(8-1-1-99頁以下等)、4の1(8-1-1-46頁以下等)、5の1(8-1-1-86頁以下等)、6の1(8-1-1-97頁以下等)、7の1(8-1-1-73頁以下等))ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響 評価を実施し、その結果の概要を整理して、本件評価書に記載し - 231 -たものであるところ、この本件評価書には、①「建設機械の稼働」による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る環境保全措置として、「排出ガス対策型建設機械の採用」、「工事規模に合わせた建設機械の設定」、「建設機械の使用時における配慮」、「建設機械の点検及び整備による性能維持」、「揮発性有機化合物の排出抑 制」、「工事の平準化」、「工事従事者への講習・指導」等を実施し、②「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る環境保全措置として、「資 有機化合物の排出抑 制」、「工事の平準化」、「工事従事者への講習・指導」等を実施し、②「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る環境保全措置として、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点検及び整備による性能維持」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行計画の配慮」、「揮発 性有機化合物の排出抑制」、「環境負荷低減を意識した運転の徹底」、「工事の平準化」、「発生集中交通量の削減」、「工事従事者への講習・指導」等を実施し、③「建設機械の稼働」による粉じん等に係る環境保全措置として、「工事規模に合わせた建設機械の設定」、「工事現場の清掃や散水」、「仮囲いの設置」、 「工事の平準化」等を実施し、④「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による粉じん等に係る環境保全措置として、「荷台への防じんシート敷設及び散水」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の出入り口や周辺道路の清掃及び散水、タイヤの洗浄」、「工事の平準化」、「発生集中交通量の削減」等を実施する旨な どが記載されている(なお、その内容として、例えば、長野県に係る本件評価書には、別紙60の表のとおりの記載がされている。)。(丙1の1(8-1-1-1頁以下等)、2の1(8-1-1-1頁以下等)、3の1(8-1-1-1頁以下等)、4の1(8-1-1-1頁以下等)、5の1(8-1-1-1頁以 下等)、6の1(8-1-1-1頁以下等)、7の1(8-1- - 232 -1-1頁以下等))そして、本件評価書には、①「建設機械の稼働」による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る評価の結果として、別紙61の1⑴、2⑴、3⑴、5⑴、6⑴及び7⑴の表を示した上で、「建設機械の稼働による二酸化窒素及び浮遊粒子状物 は、①「建設機械の稼働」による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る評価の結果として、別紙61の1⑴、2⑴、3⑴、5⑴、6⑴及び7⑴の表を示した上で、「建設機械の稼働による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の予測結果並び に現況値に対する寄与率の程度」等に加え、以上で述べた「環境保全措置を確実に実施することから、建設機械の稼働による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境影響について低減が図られていると評価する。」、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質のいずれも「環境基準との整合が図られていると評価する。」などと記載さ れ(なお、この寄与率の程度等に関し、長野県に係る本件評価書には、別紙62の1の表を示した上で、「建設機械の稼働による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の予測結果及び現況値に対する寄与率の程度は表8-1-1-20に示すとおりである。二酸化窒素については、地点番号07(大鹿村大河原上青木)において最 大濃度地点で寄与率98.7%と最大となり、直近住居等で寄与率93.9%となる。また、その他の地点についても最大濃度地点で22.1%~97.4%、直近住居等で8.2%~94. 8%となる。」、「浮遊粒子状物質については、地点番号01(大鹿村大河原釜沢)において最大濃度地点で寄与率63.2% と最大となり、直近住居等で寄与率25.6%となる。また、その他の地点についても最大濃度地点で0.9.%~54.5%、直近住居等で0.2%~37.9%となる。」、「これらはあくまで工事期間中における最大の値であり、その値が観測されるのは工事中の限られた期間にとどまる。」、「これら予測値には気 象データの期間代表性及び地域代表性、バックグラウンド濃度の - 233 -期間代表性に起因する誤差が考えられるものの、その影響は二酸化窒 期間にとどまる。」、「これら予測値には気 象データの期間代表性及び地域代表性、バックグラウンド濃度の - 233 -期間代表性に起因する誤差が考えられるものの、その影響は二酸化窒素で環境基準0.06ppmに対して最大8%程度、浮遊粒子状物質で環境基準0.10mg/㎥に対して最大7%程度に収まると試算される。」などと記載されている。)、②「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による二酸化窒素及び浮遊粒子状 物質に係る評価の結果として、別紙61の1⑵、2⑵、3⑵、4⑴、5⑵、6⑵及び7⑵の表を示した上で、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の予測結果並びに現況値に対する寄与率の程度」等に加え、以上で述べた「環境保全措置を確実に実施することから、資材及び機械の 運搬に用いる車両の運行による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境影響について低減が図られていると評価する。」、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質のいずれも「環境基準との整合が図られていると評価する。」などと記載され(なお、この寄与率の程度等に関し、長野県に係る本件評価書には、別紙62の2の表を示し た上で、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の予測結果及び現況値に対する寄与率の程度は表8-1-1-30に示すとおりである。二酸化窒素については、地点番号02(大鹿村大河原下市場)において寄与率52.0%と最大となり、その他の地点についても0.2%~45. 8%となる。」、「浮遊粒子状物質については、地点番号04(豊丘村神稲木門)において最大濃度地点で寄与率1.6%と最大となり、その他の地点についても最大濃度地点で0.1%~1. 3%となる。」、「これら予測値には道路の勾配に起因 質については、地点番号04(豊丘村神稲木門)において最大濃度地点で寄与率1.6%と最大となり、その他の地点についても最大濃度地点で0.1%~1. 3%となる。」、「これら予測値には道路の勾配に起因する誤差が考えられるものの、その影響は二酸化窒素で環境基準0.06 ppmに対して最大3%程度、浮遊粒子状物質で環境基準0.1 - 234 -0mg/㎥に対して最大0.1%程度に収まると試算される。」などと記載されている。)、③「建設機械の稼働」による粉じん等に係る評価の結果として、別紙61の1⑶、2⑶、3⑶、5⑶、6⑶及び7⑶の表を示した上で、以上で述べた「環境保全措置を確実に実施することから、建設機械の稼働による粉じん等に係る 環境影響の低減が図られていると評価する。」、「降下ばいじん量は、(中略)全ての予測地点で参考値を下回っており、基準又は目標との整合が図られていると評価する。」などと記載され、④「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による粉じん等に係る評価の結果として、別紙61の1⑷、2⑷、3⑷、4⑵、5 ⑷、6⑷及び7⑷の表を示した上で、以上で述べた「環境保全措置を確実に実施することから、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行による粉じん等に係る環境影響について低減が図られていると評価する。」、「降下ばいじん量は、(中略)全ての予測地点で参考値を下回っており、基準又は目標との整合が図られてい るものと評価する。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-1-40頁以下等)、2の1(8-1-1-47頁以下等)、3の1(8-1-1-51頁以下等)、4の1(8-1-1-33頁以下等)、5の1(8-1-1-44頁以下等)、6の1(8-1-1-45頁以下等)、7の1(8-1-1-36頁以 下等 下等)、3の1(8-1-1-51頁以下等)、4の1(8-1-1-33頁以下等)、5の1(8-1-1-44頁以下等)、6の1(8-1-1-45頁以下等)、7の1(8-1-1-36頁以 下等))なお、例えば、静岡県に係る本件評価書には、「建設機械の稼働」に係る二酸化窒素及び浮遊粒子状物質や粉じん等について、「工事施工ヤードと直近の登山ルートの拠点となる施設(ロッヂ)とが約900m離れていることから、環境影響は極めて小さいと 予測する。」などと記載されているほか、資料編において、参考 - 235 -として試算した結果も記載されている。(丙4の1(8-1-1-14頁、8-1-1-36頁等)、4の2(環1-4-1頁以下))また、愛知県名古屋市では、「建設機械の稼働」等に係る二酸化窒素及び浮遊粒子状物質について、別紙59の1の表に示す基 準に加え、別紙59の3の表に示す基準との整合性の検討もされているところ、これに係る本件評価書には、「建設機械の稼働」に係る「二酸化窒素は、日平均値の年間98%値は0.024~0.060ppmであった。一部の地点では、名古屋市の大気汚染に係る環境目標値は上回るものの、環境基準値とは整合が図ら れていると評価する。浮遊粒子状物質は、日平均値の年間2%除外値は0.039~0.050mg/㎥であり、環境基準及び名古屋市の大気汚染に係る環境目標値ともに整合が図られていると評価する。」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」に係る「二酸化窒素は、日平均値の年間98%値は0.032~0. 040ppmであり、環境基準及び名古屋市の大気汚染に係る目標値ともに整合が図られている。浮遊粒子状物質濃度についても、日平均値の年間2%除外値は0. 平均値の年間98%値は0.032~0. 040ppmであり、環境基準及び名古屋市の大気汚染に係る目標値ともに整合が図られている。浮遊粒子状物質濃度についても、日平均値の年間2%除外値は0.042~0.047mg/㎥であり、環境基準及び名古屋市の大気汚染に係る目標値ともに整合が図られていると評価する。」などと記載されている。(丙7の 1(8-1-1-36頁以下等))さらに、神奈川県及び岐阜県では、「鉄道施設(車両基地)の供用」に係る二酸化窒素及び浮遊粒子状物質も環境影響評価の対象とされているところ、これらに係る本件評価書には、その二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る評価の結果として、「省エネ型 ボイラーの導入」、「排出ガス処理施設の点検及び整備による性 - 236 -能維持」等の「環境保全措置を確実に実施することから、鉄道施設の供用による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る環境影響の低減が図られていると評価する。」、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質のいずれも「環境基準との整合が図られていると評価する。」などと記載されている。(丙2の1(8-1-1-76頁以下 等)、6の1(8-1-1-70頁以下等))ⅴ その他にも、東京都に係る本件評価書には、「大田区東雪谷及び町田市上小山田周辺における大気質の濃度予測に当たっては、気象条件として四季の現地調査結果を用いているが、通年における気象条件との相関が不明確なことから、これらについて明らか にし、必要に応じて予測・評価の見直しを行うこと。」などを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「市中の一般環境大気測定局の通年データを予測に使用した品川区北品川に計画の非常口などにおいて、四季を抽出したデータも用いた結果 うこと。」などを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「市中の一般環境大気測定局の通年データを予測に使用した品川区北品川に計画の非常口などにおいて、四季を抽出したデータも用いた結果との比較を行い、新たに本評価書資料編に記載しました。その結 果、通年データから四季データを抽出しても予測の再現性に大きな影響はないと判断しました。大田区東雪谷などは、四季の現地調査結果のみではありますが、傾向は同様であると考えています。」などと記載されている。(丙1の1(6-3-4頁等))ⅵ また、神奈川県に係る本件評価書には、「誤差要因及び誤差の 程度を定量的に示して説明すること。」などを求める神奈川県知事の意見に対する事業者の見解として、「大気質の予測における誤差要因と誤差の程度について、期間代表性や地域代表性に関して定量的に検討した結果を資料編に記載しました。この結果、これらの誤差要因を見込んでも予測値はほとんど変わらず、基準値 に対して充分小さな値であることを確認しています。」などと記 - 237 -載されている。(丙2の1(6-3-5頁等))ⅶ さらに、静岡県に係る本件評価書には、「予測に用いた大気の拡散計算については、大気汚染物質が拡散しにくい山岳地形であることを踏まえ、他の手法との比較により妥当性を検証し、その結果を示すこと。」などを求める静岡県知事の意見に対する事業 者の見解として、「工事の実施における建設機械の稼働、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に係る大気質予測は、「道路環境影響評価の技術手法」を参考に、年平均値での予測評価が適切に行える手法を採用しました。山岳部の谷間地形に特有な風の状況、拡散条件等については、予測地点近傍の現地気象観測結果に 測は、「道路環境影響評価の技術手法」を参考に、年平均値での予測評価が適切に行える手法を採用しました。山岳部の谷間地形に特有な風の状況、拡散条件等については、予測地点近傍の現地気象観測結果に 基づき予測条件(風向・風速・大気安定度)を設定していることや、建設機械の稼働に係る予測については、拡散方向の地表の標高の変化を考慮したERTのPSDMモデルを採用していることから、地形の影響は反映できていると考えております。なお、地形の影響をより詳しく反映できる手法として、変分法に基づくマ スコンモデルの適用や運動方程式・拡散方程式を数値的に解く方法などが考えられますが、いずれも年平均値の算定には適しておりません。本事業の発生源は、廃棄物焼却施設や火力発電所などの大規模で高い煙突をもつ発生源とは異なり、地表近くからの排出となり、移流距離も近傍に限定されるため、今回採用した予測 手法で十分な精度を持っているものと考えます。」などと記載されている。(丙4の1(6-3-7頁等))ⅷ 加えて、長野県に係る本件評価書には、「四季に各1週間行われた気象調査のデータを用いて予測を行った地点における予測結果の信頼性、妥当性を検証するため、通年観測を行った地点にお いて四季のデータと通年観測データを用いたシミュレーション結 - 238 -果を比較すること等により、予測の不確実性の程度を定量的に明らかにし、評価書に記載すること。」などを求める長野県知事の意見に対する事業者の見解として、「四季に各1週間実施した気象調査のデータを用いた予測結果の妥当性について、建設機械の稼働に伴う二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る通年及び四季デ ータを用いた予測結果の比較により検証し、資料編に記載しました。」などと記載され のデータを用いた予測結果の妥当性について、建設機械の稼働に伴う二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る通年及び四季デ ータを用いた予測結果の比較により検証し、資料編に記載しました。」などと記載されている。(丙5の1(6-198頁等))ⅸ そして、本件評価書には、「本事業は、山間部等の比較的清浄な地域で多くが行われることから、工事用車両の運行に伴い排出される大気汚染物質による大気質への影響について、地域特性に 応じた適切な環境保全措置を講じること。」、「工事用車両の運行に伴い排出される大気汚染物質による大気質への影響について、モニタリングを実施するとともに、その結果に応じて、適切な環境保全措置を講じること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「山岳部等の空気が清浄な地域で、かつ 学校やまとまった住居等が存在する箇所など、特に配慮すべき場合においては、例えば、神奈川県相模原市緑区鳥屋地区における仮囲いの嵩上げ、山梨県富士川町高下地区における車両通行の一方向化による車両のすれ違いの抑制、静岡県静岡市葵区井川における資機材の搬出入量に応じた適正な車種・規格の選定、および 長野県大鹿村や南木曽町におけるストックヤード(仮置き場)の確保による運搬車両台数の調整など、より一層の対策を実施し、大気汚染物質による大気質への影響低減に努めます。」、「工事用車両の運行に伴い排出される大気汚染物質による大気質への影響について、資料編に記載のとおり、車両の主要なルートのうち、 予測値と環境基準等の差が小さい地点や寄与度の高い地点、発生 - 239 -土運搬に伴う新たなルートの沿道の学校やまとまった住宅等が存在する地点でモニタリングを実施します、その結果に応じて、必要により適切な環境保 さい地点や寄与度の高い地点、発生 - 239 -土運搬に伴う新たなルートの沿道の学校やまとまった住宅等が存在する地点でモニタリングを実施します、その結果に応じて、必要により適切な環境保全措置を実施します。」などと記載されている。(丙1の1(13-19頁等)、2の1(13-19頁等)、3の1(13-19頁等)、4の1(13-19頁等)、 5の1(13-19頁等)、6の1(13-19頁等)、7の1(13-19頁等))⒞ また、「建設機械の稼働」等に係る騒音に関する本件評価書の記載事項等は、次のとおりである。 ⅰ まず、調査の手法をみると、本件評価書には、①調査すべき項 目について、騒音の状況に係る「調査項目は、一般環境騒音(中略)及び道路交通騒音(中略)とした。」、地表面の状況に係る「調査項目は、地表面の種類とした。」、沿道の状況に係る「調査項目は、交通量とした。」などと記載され、②調査の基本的な手法について、別紙63の表を示した上で、騒音の状況は「文献 調査により、道路交通騒音関連の文献、資料を収集し、整理した。 また、現況把握のため、騒音の状況の現地調査を行った。現地調査の方法を、表8-1-2-1に示す。」、地表面の状況は「現地踏査により把握した。」、沿道の状況は「文献調査により、沿道の状況の文献、資料を収集し、整理した。また、現況把握のた め、現地調査を行った。現地調査の方法を、表8-1-2-2に示す。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、山岳トンネル、非常口(山岳部)、地表式又は掘割式、高架橋、橋梁、地上駅、変電施設、保守基地を対象に工事の実施時における建設機械の稼働若しくは資材及び機械 の運搬に用いる車両の運行又は列車 、山岳トンネル、非常口(山岳部)、地表式又は掘割式、高架橋、橋梁、地上駅、変電施設、保守基地を対象に工事の実施時における建設機械の稼働若しくは資材及び機械 の運搬に用いる車両の運行又は列車の走行(地下を走行する場合 - 240 -を除く。)に係る騒音の影響を受けるおそれがあると認められる地域とした。」などと記載され、④調査地点について、「現地調査の調査地点は、住居等の分布状況を考慮し、一般環境騒音及び道路交通騒音の現況を適切に把握できる地点を設定した。」、「交通量は道路交通騒音と同地点とした。」などと記載されてい る。なお、その他にも、例えば、長野県に係る本件評価書には、調査地点や調査期間等について、別紙64のとおりとする旨などが記載されているほか、「事業特性及び地域特性を踏まえ、国土交通省令に基づく参考手法を選定した。」、「調査地域、調査地点は、予測すべき範囲を見込んだうえで、その地域の状況を把握 できる地点として、影響範囲や保全の対象と考えられる住居等から選定しており、十分であると考えています。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-2-1頁以下等)、2の1(8-1-2-1頁以下等)、3の1(8-1-2-1頁以下等)、4の1(8-1-2-1頁以下等)、5の1(6-61頁、7-1 3頁、8-1-2-1頁以下等)、6の1(8-1-2-1頁以下等)、7の1(8-1-2-1頁以下等))ⅱ また、予測の手法をみると、本件評価書には、①予測項目について、「建設機械の稼働」等に係る「騒音とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、「建設機械の稼働による 騒音は、音の伝播理論に基づく予測式であるASJCN-Model 2007を用いた定量的予測とした。」、「資材及び 。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、「建設機械の稼働による 騒音は、音の伝播理論に基づく予測式であるASJCN-Model 2007を用いた定量的予測とした。」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に係る騒音は、ASJRTN-Model 2008を用いた定量的予測とした。」などと記載され、③予測地域について、「建設機械の稼働」等に係る「騒音の 影響を受けるおそれがあると認められる地域として、調査地域と - 241 -同様とした。」などと記載され、④予測地点について、「予測地域の内、住居等の分布状況を考慮し」、「建設機械の稼働」等に係る「騒音の影響を適正に予測することができる地点として」、「工事範囲境界から0.5m離れの地点」又は「道路交通騒音の調査地点と同様とした。」、「予測高さは、地上1.2mとした。」 などと記載され、⑤予測対象時期等について、「工事による稼働機械の騒音が最大となる時期」又は「工事により発生する資材及び機械の運搬に用いる車両の台数が最大となる時期とした。」などと記載され、⑥予測条件の設定について、既存資料等に基づき、騒音パワーレベルの設定等をした旨などが記載されている。なお、 その他にも、例えば、長野県に係る本件評価書には、予測地点や予測対象時期等について、別紙65の表のとおりとする旨などが記載されている。(丙1の1(8-1-2-9頁以下等)、2の1(8-1-2-14頁以下等)、3の1(8-1-2-18頁以下等)、4の1(8-1-2-9頁以下等)、5の1(8-1 -2-13頁以下等)、6の1(8-1-2-15頁以下等)、7の1(8-1-2-11頁以下等))ⅲ 次に、評価の手法をみると、本件評価書には、回避又は低減に係る評価について -2-13頁以下等)、6の1(8-1-2-15頁以下等)、7の1(8-1-2-11頁以下等))ⅲ 次に、評価の手法をみると、本件評価書には、回避又は低減に係る評価については、「事業の実施による影響が、事業者により実行可能な範囲内で回避又は低減されているか否かについて見解 を明らかにすることにより評価を行」い、基準又は目標との整合性の検討については、「建設機械の稼働」に係る騒音は「「騒音規制法」(中略)に定める「特定建設作業に伴って発生する騒音の規制に関する基準」及び各地方公共団体により定められる基準等(中略)との整合が図られているか検討を行った。」、「資材 及び機械の運搬に用いる車両の運行」に係る騒音は「「騒音に係 - 242 -る環境基準」(中略)に定める「道路に面する地域」の環境基準との整合が図られているか検討を行った。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-2-20頁以下等)、2の1(8-1-2-28頁以下等)、3の1(8-1-2-40頁以下等)、4の1(8-1-2-22頁以下等)、5の1(8-1-2-2 9頁以下等)、6の1(8-1-2-30頁以下等)、7の1(8-1-2-24頁以下等))ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、本件評価書に記載したものであるところ、この本件評価書には、①「建設機械の稼働」 による騒音に係る環境保全措置として、「低騒音型建設機械の採用」、「仮囲い・防音シ-ト等の設置による遮音対策」、「工事規模に合わせた建設機械の設定」、「建設機械の使用時における配慮」、「建設機械の点検・整備による性能維持」、「工事の平準化」、「工事従事者への講習・指導」等を実施し、② 設置による遮音対策」、「工事規模に合わせた建設機械の設定」、「建設機械の使用時における配慮」、「建設機械の点検・整備による性能維持」、「工事の平準化」、「工事従事者への講習・指導」等を実施し、②「資材及 び機械の運搬に用いる車両の運行」による騒音に係る環境保全措置として、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点検・整備による性能維持」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行計画の配慮」、「環境負荷低減を意識した運転の徹底」、「工事の平準化」、「工事従事者への講習・指導」等を実施する旨などが記載 されている(なお、その内容として、例えば、長野県に係る本件評価書には、別紙66の表のとおりの記載がされている。)。 (丙1の1(8-1-2-1頁以下等)、2の1(8-1-2-1頁以下等)、3の1(8-1-2-1頁以下等)、4の1(8-1-2-1頁以下等)、5の1(8-1-2-1頁以下等)、 6の1(8-1-2-1頁以下等)、7の1(8-1-2-1頁 - 243 -以下等))そして、本件評価書には、①「建設機械の稼働」による騒音に係る評価の結果として、別紙67の1⑴、2⑴、3⑴、5⑴、6⑴及び7⑴の表を示した上で、「建設機械の稼働による各地点の騒音レベルの予測値は(中略)あくまで工事期間中の最大の値で あり、その値が観測されるのは工事中の限られた期間にとどまる。 本事業では、これらの状況に加え、「低騒音型建設機械の採用」、「仮囲い・防音シ-ト等の設置による遮音対策」、「工事規模に合わせた建設機械の設定」、「建設機械の使用時における配慮」、「建設機械の点検・整備による性能維持」、「工事の平準化」及 び「工事従事者への講習・指導」の環境保全措置を確実に実施することから、建設機械の稼働による 」、「建設機械の使用時における配慮」、「建設機械の点検・整備による性能維持」、「工事の平準化」及 び「工事従事者への講習・指導」の環境保全措置を確実に実施することから、建設機械の稼働による騒音の環境影響について低減が図られているものと評価する。」、「建設基準の稼働による騒音は、基準又は目標との整合が図られていると評価する。」などと記載され、②「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」によ る騒音に係る評価の結果として、別紙67の1⑵、2⑵、3⑵、4、5⑵、6⑵及び7⑵の表を示した上で、「資材及び機械の運搬に用いる車両による各地点で予測される騒音レベル(中略)はあくまで工事期間中の最大の値であり、その値が観測されるのは工事中の限られた期間にとどまる。事業の実施に当たっては、 (中略)、これらの状況に加え、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点検・整備による性能維持」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行計画の配慮」、「環境負荷低減を意識した運転の徹底」、「工事の平準化」及び「工事従事者への講習・指導」の環境保全措置を確実に実施することから、資材及び機械の運搬に 用いる車両の運行による騒音の環境影響について低減が図られて - 244 -いるものと評価する。」、「現況で騒音に係る環境基準を超過している地点の予測結果」をみても「資材及び機械の運搬に用いる車両による寄与はほとんどない」し、その他の「騒音に係る環境基準を超える地点」も「資材及び機械の運搬に用いる車両による寄与は小さく、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行により発 生する道路交通騒音の影響は軽微なものであると評価する。なお、既に環境基準を超過している地点については、道路管理者と連絡、調整を密に図り、更なる環境影響の低減に努める。」などと の運行により発 生する道路交通騒音の影響は軽微なものであると評価する。なお、既に環境基準を超過している地点については、道路管理者と連絡、調整を密に図り、更なる環境影響の低減に努める。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-2-23頁以下等)、2の1(8-1-2-29頁以下等)、3の1(8-1-2-41頁以 下等)、4の1(8-1-2-22頁以下等)、5の1(8-1-2-31頁以下等)、6の1(8-1-2-31頁以下等)、7の1(8-1-2-25頁以下等))なお、例えば、神奈川県に係る本件評価書には、「相模原市の山間部の狭隘な道路には、一部に工事用車両のすれ違いが困難な 道路が存在する。しかしながら工事の実施に当たっては、工事用車両の運行ダイヤ等の作成、仮設の信号機の設置、交通誘導員の配備、運転手の指導等、様々な取り組みにより円滑な工事用車両運行とすることで、環境影響の低減を図っていく計画である。加えて、川崎市麻生区東百合丘非常口の工事施工ヤードに進入する 資材及び機械の運搬に用いる大型車両については、市道王禅寺35号の走行を回避するとともに、麻生区東百合丘非常口付近の市道尻手黒川線中央部の導流帯(ゼブラゾーン)を利用して直接右折でヤードに入る進入口をできるだけ早期に整備・活用することで、大型車両走行による影響の低減を図る。また、資材及び機械 の運搬に用いる車両の主要なルートにおいては、工事期間中のモ - 245 -ニタリングを実施し、結果について公表していく。」などと記載されている。(丙2の1(8-1-2-44頁等))また、静岡県に係る本件評価書には、「建設機械の稼働に係る騒音について、工事施工ヤードと直近の登山ルートの拠点となる施設(ロッヂ されている。(丙2の1(8-1-2-44頁等))また、静岡県に係る本件評価書には、「建設機械の稼働に係る騒音について、工事施工ヤードと直近の登山ルートの拠点となる施設(ロッヂ)が約900m離れていることから、環境影響は極 めて小さいと予測する。」などと記載されているほか、資料編において、参考として試算した結果も記載されている。(丙4の1(8-1-2-9頁等)、4の2(環2-5-1頁以下))さらに、東京都、神奈川県、岐阜県及び愛知県では、「鉄道施設(換気施設)の供用」に係る騒音も環境影響評価の対象とされ ているところ、これらに係る本件評価書には、その騒音に係る評価の結果として、「「環境対策型換気施設の採用」、「消音装置の設置」、「換気ダクトの曲がり部の設置」及び「換気施設の点検・整備による性能維持」の環境保全措置を確実に実施することから、鉄道施設(換気施設)の供用に係る騒音の環境影響につい て低減が図られているものと評価する。」、「鉄道施設(換気施設)の供用に係る騒音の評価結果は(中略)「特定施設に係る騒音の規制基準」(中略)を下回っている。したがって、基準又は目標との整合が図られていると評価する。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-2-35頁以下等)、2の1(8-1 -2-46頁以下等)、6の1(8-1-2-48頁以下等)、7の1(8-1-2-42頁以下等))ⅴ その他にも、東京都に係る本件評価書には、「夜間における騒音・振動の影響の内容及びその程度について予測・評価するとともに、必要に応じて環境保全のための措置を検討すること。」、 「法令等が定める敷地境界における基準の適合について具体的に - 246 -説明すること。」、 について予測・評価するとともに、必要に応じて環境保全のための措置を検討すること。」、 「法令等が定める敷地境界における基準の適合について具体的に - 246 -説明すること。」、「必要に応じてこれらの配慮すべき施設における高さ方向の予測・評価について検討すること。」などを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「地下駅(東京都ターミナル駅)の工事においては、施工規模が大きいことから昼夜を問わず定常的に車両の走行を実施する必要があります。 したがって本評価書においては、地下駅の工事について、夜間の車両走行にかかる予測・評価を改めて行い、追記しました。」、「予測の際の「工事範囲境界」は敷地境界とは同義ですが、ここには仮囲いを設置し、これによる騒音の減衰効果も考慮しています。首都圏の他事例においても採用している手法で、予測地点と しては適切に設定しているものと考えています。」、「鉄道施設(換気施設)の供用にかかる高さ方向の予測は、準備書資料編においてすでに記載済みですが、建設機械の稼働にかかる同様の予測結果を、新たに本評価書資料編に追記しました。」などと記載されている。(丙1の1(6-3-5頁等) ⅵ また、山梨県に係る本件評価書には、「新山梨環状道路東区間」の「供用後の環境影響との複合影響を評価書に記載すること。」などを求める山梨県知事の意見に対する事業者の見解として、「本事業との関連で将来の環境状況を変化させうる要因としては、都市計画道路甲府外郭環状道路東区間(新山梨環状道路東区間) が考えられ、当該事業の情報を収集・整理するとともに、複合的な影響についての検討結果を資料編に記載しました。」などと記載されている。そして、その資料編には、「建設機械の稼働に係る複合 間) が考えられ、当該事業の情報を収集・整理するとともに、複合的な影響についての検討結果を資料編に記載しました。」などと記載されている。そして、その資料編には、「建設機械の稼働に係る複合的な影響としては、大気質、騒音、振動が考えられる。 (中略)交差箇所付近の工事実施に際しては競合工事をできる限 り避け、相互に工事調整を行いながら進めていく必要があるため、 - 247 -建設機械稼働時の複合的な影響は十分小さいと考えられる。」、「国道140号については、東区間で想定された運行ルート上に本事業の予測地点もあり、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に係る大気質、騒音及び振動について複合的な影響が生じる可能性がある。(中略)これについては、工事計画が明確になった 段階で、相互に工事用車両の各通行ルートへの配分や時期について運行計画上の調整を可能な限り行い、周辺環境への影響をできる限り低減するように努める。合わせて、本事業に係る工事用車両の主要な通行ルート上のうち、東区間との競合使用がある地点において、大気質、騒音及び振動を対象にモニタリングを行い、 その結果については公表していく。」などと記載されている。 (丙3の1(6-3-12頁等)、3の2(環20-1-1頁以下等))さらに、山梨県に係る本件評価書には、「建設機械稼働時の騒音は防音壁等により回折し、斜め上方からの伝播となるため、防 音壁による減衰効果を見込む場合、同一距離の地点では、より上方で影響が大きくなる。こうした点を考慮すると準備書に記載された予測結果は過小評価となっている可能性があるため、予測を再検討し、評価書に記載すること。」などを求める山梨県知事の意見に対する事業者の見解として、「建設機械の稼働に係る騒音 準備書に記載された予測結果は過小評価となっている可能性があるため、予測を再検討し、評価書に記載すること。」などを求める山梨県知事の意見に対する事業者の見解として、「建設機械の稼働に係る騒音 の予測地点の高さについては、(中略)「道路環境影響評価の技術手法(平成24年度)」(中略)において、「予測地点の高さは地上1.2mとすることを基本とする」とされていることから、準備書に記載のとおり本予測においても高さを地上1.2mとしており、適切であると考えております。」、「工事の実施の際に は、現地の状況を踏まえ、必要な高さの仮囲いを設置する等の環 - 248 -境保全措置を確実に実施し、影響の低減に努めます。」などと記載されている。(丙3の1(6-3-24頁以下等))ⅶ 加えて、長野県に係る本件評価書には、「国道152号、県道59号、県道253号は騒音における環境基準における「幹線交通を担う道路」に区分されることから、これらの道路に近接する 空間(屋内基準)の昼間の環境基準は70dBとなりますが、基準を満たしているから問題ないと考えているわけではなく、事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境影響の回避又は低減を図ってまいります。また、大鹿村内における工事車両の運行速度は、道路状況等を勘案し、適切に設定してまいります。」など と記載されている。(丙5の1(6-69頁等))ⅷ さらに、岐阜県に係る本件評価書には、「工事ヤード内での建設機械の稼働による建設作業騒音について、それぞれ最大値を予測した場合の建設機械の想定配置を評価書に記述すること。」などを求める岐阜県知事の意見に対する事業者の見解として、「建 設機械の稼働に係る騒音の予測にあたっては、第8章に記載のとお 大値を予測した場合の建設機械の想定配置を評価書に記述すること。」などを求める岐阜県知事の意見に対する事業者の見解として、「建 設機械の稼働に係る騒音の予測にあたっては、第8章に記載のとおり、工種によって複数の建設機械が同時に稼働することが考えられるため、これら複数の機械が同時に稼働する事を考慮しました。高架橋、橋梁等の本線地上部における予想は、施工幅が狭いため、(中略)発生源は建設機械の回転半径等を考慮して工事範 囲境界から5m地点に設定し、断面予測を行いました。また、車両基地等における予測は、広範な工事となるため、(中略)建設機械1ユニットあたりの施工範囲を概ね25m×25mと想定して工事範囲境界付近に発生源を面的に配置し、予測を行いました。 最大値が予測される際の建設機械の組合せは、第8章の表8-1 -2-15に記載するとともに、図8-1-2-5にも追記しま - 249 -した。仮囲いの設置による低減効果については、第8章に記載のとおり、騒音の予測式において回折減衰量として考慮し、予測しました。防音シートによる低減効果については、予測において考慮していませんが、実際の工事において設置することにより、更なる騒音の低減が図れます。なお、資料編に追記した通り、建設 機械の稼働に係る騒音については、工事中の環境管理を適切に行うことを目的に、事業者の自主的な取組みとして工事期間中のモニタリングを実施し、結果を公表します。」などと記載されている。(丙6の1(6-3-6頁等))また、岐阜県に係る本件評価書には、「工事用車両の走行に係 る道路騒音については、工事用車両の走行による寄与分が約5デシベルと大きい場合や既存道路の現況が環境基準を超過している場合があるので、特に該当する箇 る本件評価書には、「工事用車両の走行に係 る道路騒音については、工事用車両の走行による寄与分が約5デシベルと大きい場合や既存道路の現況が環境基準を超過している場合があるので、特に該当する箇所においては、工事の平準化等を確実に実施し、騒音の一層の低減を図ること。」などを求める岐阜県知事の意見に対する事業者の見解として、「第8章に記載 のとおり、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に係る騒音の発生を低減するため、環境保全措置として、同車両の運行ルートの分散や、法定速度の遵守等を実施します。なお、現況にて環境基準を超過している予測地点においては、道路管理者とも協議のうえで、第8章に記載の環境保全措置である工事の平準化等も踏 まえて、車両の運行計画を策定します。また、資料編に追記したとおり、工事中の環境管理を適切に行うことを目的に、事業者の自主的な取組みとして工事期間中のモニタリングを実施し、結果を公表します。」などと記載されている。(丙6の1(6-3-6頁等)) ⅸ 愛知県に係る本件評価書には、「夜間における建設機械の稼働 - 250 -に伴う騒音及び振動の影響について、予測及び評価を行うこと。」、「特に夜間においては、騒音及び振動の影響をより一層低減するよう努めること。」などを求める愛知県知事の意見に対する事業者の見解として、「トンネル及び地下駅の地下部分の工事については、地上との隔離が確保されており、地上の生活環境 へ影響を及ぼさないことから、昼夜間の工事を考えています。また、鉄道事業の特性上やむを得ない場合(現在の列車運行を確保しながら工事を行う場合等)の夜間作業については、これまでの鉄道事業者としての同様の工事における経験に基づいて、必要により、事前に工事内容等を周知 事業の特性上やむを得ない場合(現在の列車運行を確保しながら工事を行う場合等)の夜間作業については、これまでの鉄道事業者としての同様の工事における経験に基づいて、必要により、事前に工事内容等を周知すること等により、円滑に実施し ていきます。なお、中村区名駅付近の工事範囲境界における夜間作業による騒音及び振動については、東海道新幹線高架橋を仮受けする杭施工時の騒音が約76dB、東海道新幹線高架橋下の地盤改良施工時の振動が約60dBとなります。夜間作業については、第8章に記載した昼間の予測結果(騒音81dB、振動68 dB)よりも小さな値となります。」、「住居等の近傍における工事の実施にあたっては、評価書第8章に記載した「工事の平準化」、「建設機械の使用時における配慮」及び「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行計画の配慮」等の環境保全措置を、夜間も含めて講じてまいります。」などと記載されている。(丙7の 1(6-3-6頁、6-3-7頁等))また、愛知県に係る本件評価書には、「建設機械の稼働並びに資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に伴う騒音の影響について、対象事業実施区域周辺には中高層住宅等が立地していることから、騒音の高さ方向にも十分配慮した適切な予測及び評価を行 うこと。」などを求める愛知県知事の意見に対する事業者の見解 - 251 -として、「工事の実施に係る騒音の予測については、「道路環境影響評価の技術手法」(中略)に準じて、高さ1.2mを代表点として設定しています。建設機械の稼働に伴う騒音の影響については、資料編に参考として、高さ方向の予測結果を記載しました。 工事の際には、現地調査を踏まえ必要な高さの仮囲いを設置する 等の環境保全措置を確実に実施するとともに、騒音 働に伴う騒音の影響については、資料編に参考として、高さ方向の予測結果を記載しました。 工事の際には、現地調査を踏まえ必要な高さの仮囲いを設置する 等の環境保全措置を確実に実施するとともに、騒音のモニタリングを行い、影響の低減に努めます。資材及び機械の運搬に用いる車両の運行に係る騒音は、他の一般的な事例も参考に、地上1. 2m高さで行った既存道路の現況の等価騒音レベルの測定調査結果に、資材運搬等の車両の等価騒音レベルを付加する手法により、 予測しました。なお、工事の実施に当たっては、評価書第8章に記載のとおり、周辺状況に配慮して適切に環境保全措置を行います。」などと記載されている。(丙7の1(6-3-6頁等))ⅹ そして、本件評価書には、「多量に生じる建設発生土の運搬に当たっては、地域住民の生活環境への影響を最大限低減するため、 適宜発生土の仮置き場を活用しながら搬出量や時間帯を調整し、工事用車両による円滑な搬出に資する措置を講じること」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「建設発生土の運搬にあたっては、大気質、騒音、振動等、地域住民の生活環境への影響をできる限り低減するため、特に山岳トンネルの掘 削に伴う工事用車両の運行台数が多く、沿道に住宅等がまとまって存在する箇所においては、地方公共団体の協力も得て仮置き場(ストックヤード)の確保に努め、発生土置き場へ向かう車両の台数や時間を調整することで、発生集中交通量の削減を進めるよう努めてまいります。」などと記載されている。(丙1の1(1 3-13頁等)、2の1(13-13頁等)、3の1(13-1 - 252 -3頁等)、4の1(13-13頁等)、5の1(13-13頁等)、6の1(13-13頁等)、7の1(13-1 3-13頁等)、2の1(13-13頁等)、3の1(13-1 - 252 -3頁等)、4の1(13-13頁等)、5の1(13-13頁等)、6の1(13-13頁等)、7の1(13-13頁等))また、本件評価書には、「工事用車両の運行及び建設機械の稼働、供用後における列車の走行に係る騒音等についてモニタリングを実施するとともに、その結果に応じて、適切な環境保全措置 を講じること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「工事用車両の運行及び建設機械の稼働、完成後における列車の走行に係る騒音については、資料編に記載のとおり、車両の主要なルートのうち予測値と環境基準等の差が小さい地点や寄与度の高い地点、発生土運搬に伴う新たなルートの沿道の学 校やまとまった住宅等が存在する地点や、列車の走行に係る騒音の予測地点を基本に、環境対策工の配置状況を考慮した地点においてモニタリングを実施します。その結果に応じて、必要に応じ適切な環境保全措置を実施します。」などと記載されている。 (丙1の1(13-22頁等)、2の1(13-22頁等)、3 の1(13-22頁等)、4の1(13-22頁等)、5の1(13-22頁等)、6の1(13-22頁等)、7の1(13-22頁等))⒟ さらに、「建設機械の稼働」等に係る振動に関する本件評価書の記載事項等は、次のとおりである。 ⅰ まず、本件評価書には、①調査すべき項目について、振動の状況に係る「調査項目は、一般環境振動(中略)及び道路交通振動(中略)とした。」、地盤の状況に係る「調査項目は、地盤種別及び地盤卓越振動数とした。」などと記載され、②調査の基本的な手法について、別紙68の表を示した上で、振動の状況は「 中略)及び道路交通振動(中略)とした。」、地盤の状況に係る「調査項目は、地盤種別及び地盤卓越振動数とした。」などと記載され、②調査の基本的な手法について、別紙68の表を示した上で、振動の状況は「文 献調査により、道路交通振動関連の文献、資料を収集し、整理し - 253 -た。また、現況把握のため、振動の状況の現地調査を行った。現地調査の方法を、表8-1-3-1に示す。」、地盤の状況は「文献調査により、地盤種別の文献、資料を収集し、整理した。 また、現況把握のために地盤卓越振動数の現地調査を行った。現地調査の方法を、表8-1-3-2に示す。」などと記載され、 ③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、山岳トンネル、非常口(山岳部)、地表式又は掘割式、高架橋、橋梁、地上駅、変電施設、保守基地を対象に工事の実施時における建設機械の稼働若しくは資材及び機械の運搬に用いる車両の運行並びに列車の走行に係る振動の影響を受けるおそれがあると認め られる地域とした。」などと記載され、④調査地点について、「現地調査地点は、住居等の分布状況を考慮し、一般環境振動及び道路交通振動の現況を適切に把握できる地点を設定した。」、「地盤卓越振動数は道路交通振動と同地点とした。」などと記載されている。なお、その他にも、例えば、長野県に係る本件評価 書には、調査地点や調査期間等について、別紙69のとおりとする旨などが記載されているほか、「事業特性及び地域特性を踏まえ、国土交通省令に基づく参考手法を選定した。」、「調査地域、調査地点は、予測すべき範囲を見込んだうえで、その地域の状況を把握できる地点として、影響範囲や保全の対象と考えられる住 居等から選定しており、十分であると考えています。」などと記載されている。 査地点は、予測すべき範囲を見込んだうえで、その地域の状況を把握できる地点として、影響範囲や保全の対象と考えられる住 居等から選定しており、十分であると考えています。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-3-1頁以下等)、2の1(8-1-3-1頁以下等)、3の1(8-1-3-1頁以下等)、4の1(8-1-3-1頁以下等)、5の1(6-61頁、7-15頁、8-1-3-1頁以下等)、6の1(8-1-3- 1頁以下等)、7の1(8-1-3-1頁以下等)) - 254 -ⅱ また、本件評価書には、①予測項目について、「建設機械の稼働」等に係る「振動とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、「建設機械の稼働」等に係る「振動は、振動の伝播理論に基づく予測式を用いた定量的予測とした。」などと記載され、③予測地域について、「建設機械の稼働」等に係る「振 動の影響を受けるおそれがあると認められる地域として、調査地域と同様とした。」などと記載され、④予測地点について、「予測地域の内、住居等の分布状況を考慮し」、「建設機械の稼働」等に係る「振動の影響を適切に予測することができる地点として」、「工事範囲境界の地点」又は「道路交通振動の調査地点と 同様とした。」、「予測高さは、地表面とした。」などと記載され、⑤予測対象時期等について、「工事により発生する振動が最大となる時期」又は「工事により発生する資材及び機械の運搬に用いる車両台数が最大となる時期とした。」などと記載され、⑥予測条件の設定について、既存資料等に基づき、基準点振動レベルの 設定等をした旨などが記載されている。なお、その他にも、例えば、長野県に係る本件評価書には、予測地点や予測対象時期等について、別紙70の表のとおり て、既存資料等に基づき、基準点振動レベルの 設定等をした旨などが記載されている。なお、その他にも、例えば、長野県に係る本件評価書には、予測地点や予測対象時期等について、別紙70の表のとおりとする旨などが記載されている。 (丙1の1(8-1-3-7頁以下等)、2の1(8-1-3-13頁以下等)、3の1(8-1-3-18頁以下等)、4の1 (8-1-3-9頁以下等)、5の1(8-1-3-12頁以下等)、6の1(8-1-3-14頁以下等)、7の1(8-1-3-12頁以下等))ⅲ 次に、評価の手法をみると、本件評価書には、回避又は低減に係る評価については、「事業の実施による影響が、事業者により 実行可能な範囲内で回避又は低減がなされているか、見解を明ら - 255 -かにすることにより評価を行」い、基準又は目標との整合性の検討については、「建設機械の稼働」に係る振動は「「振動規制法施行規則」(中略)による「特定建設作業の規制に関する基準」並びに各地方公共団体により定められる基準等との整合が図られているか検討を行った。」、「資材及び機械の運搬に用いる車両 の運行」に係る振動は「「振動規制法に基づく道路交通振動の要請限度」並びに各地方公共団体により定められる基準等との整合が図られているか検討を行った。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-3-17頁以下等)、2の1(8-1-3-26頁以下等)、3の1(8-1-3-38頁以下等)、4の1 (8-1-3-19頁以下等)、5の1(8-1-3-26頁以下等)、6の1(8-1-3-28頁以下等)、7の1(8-1-3-23頁以下等))ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整 頁以下等)、6の1(8-1-3-28頁以下等)、7の1(8-1-3-23頁以下等))ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、本件評価書に記載し たものであるところ、この本件評価書には、①「建設機械の稼働」による振動に係る環境保全措置として、「低振動型建設機械の採用」、「工事規模に合わせた建設機械の設定」、「建設機械の使用時における配慮」、「建設機械の点検・整備による性能維持」、「工事の平準化」、「工事従事者への講習・指導」等を実施し、 ②「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による振動に係る環境保全措置として、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点検・整備による性能維持」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行計画の配慮」、「環境負荷低減を意識した運転の徹底」、「工事の平準化」、「発生集中交通量の削減」、「工事従事者へ の講習・指導」等を実施する旨などが記載されている(なお、そ - 256 -の内容として、例えば、長野県に係る本件評価書には、別紙71の表のとおりの記載がされている。)。(丙1の1(8-1-3-1頁以下等)、2の1(8-1-3-1頁以下等)、3の1(8-1-3-1頁以下等)、4の1(8-1-3-1頁以下等)、5の1(8-1-3-1頁以下等)、6の1(8-1-3 -1頁以下等)、7の1(8-1-3-1頁以下等))そして、本件評価書には、①「建設機械の稼働」による振動に係る評価の結果として、別紙72の1⑴、2⑴、3⑴、5⑴、6⑴及び7⑴の表を示した上で、「建設機械の稼働による各地点の振動レベルの予測値は(中略)あくまで工事期間中における最大 の値であり、その値が観測されるのは工事中 2の1⑴、2⑴、3⑴、5⑴、6⑴及び7⑴の表を示した上で、「建設機械の稼働による各地点の振動レベルの予測値は(中略)あくまで工事期間中における最大 の値であり、その値が観測されるのは工事中の限られた期間にとどまる。事業の実施に当たっては、これらの状況に加え、「低振動型建設機械の採用」、「工事規模に合わせた建設機械の設定」、「建設機械の使用時における配慮」、「建設機械の点検・整備による性能維持」、「工事の平準化」及び「工事従事者への講習・ 指導」の環境保全措置を確実に実施することから、建設機械の稼働による振動の環境影響について低減が図られているものと評価する。」、「予測結果は(中略)、「振動規制法施行規則」に定める「特定建設作業の規制に関する基準」並びに各地方公共団体により定められる基準等を下回る。したがって、建設機械の稼働 に係る振動は、基準又は目標との整合が図られていると評価する。」などと記載され、②「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による振動に係る評価の結果として、別紙72の1⑵、2⑵、3⑵、4、5⑵、6⑵及び7⑵の表を示した上で、「資材及び機械の運搬に用いる車両による各地点で予測される振動レベル (中略)はあくまで工事期間中の最大の値であり、その値が観測 - 257 -されるのは工事中の限られた期間にとどまる。事業の実施に当たっては、(中略)、これらの状況に加え、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点検・整備による性能維持」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行計画の配慮」、「環境負荷低減を意識した運転の徹底」、「工事の平準化」及び「工事従事者への講習・ 指導」の環境保全措置を確実に実施することから、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行による振動の環境影響について低減が図ら を意識した運転の徹底」、「工事の平準化」及び「工事従事者への講習・ 指導」の環境保全措置を確実に実施することから、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行による振動の環境影響について低減が図られているものと評価する。」、「予測結果は(中略)、「振動規制法施行規則」による「道路交通振動の限度」並びに各地方公共団体により定められている基準等を下回る。したがって、基 準又は目標との整合が図られていると評価する。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-3-19頁以下等)、2の1(8-1-3-27頁以下等)、3の1(8-1-3-39頁以下等)、4の1(8-1-3-19頁以下等)、5の1(8-1-3-28頁以下等)、6の1(8-1-3-29頁以下等)、 7の1(8-1-3-24頁以下等))なお、例えば、神奈川県に係る本件評価書には、「相模原市の山間部の狭隘な道路には、一部に工事用車両のすれ違いが困難な道路が存在する。しかしながら工事の実施に当たっては、工事用車両の運行ダイヤ等の作成、仮設の信号機の設置、交通誘導員の 配備、運転手の指導等、様々な取り組みにより円滑な工事用車両運行とすることで、環境影響の低減を図っていく計画である。加えて、川崎市麻生区東百合丘非常口の工事施工ヤードに進入する資材及び機械の運搬に用いる大型車両については、市道王禅寺35号の走行を回避するとともに、麻生区東百合丘非常口付近の市 道尻手黒川線中央部の導流帯(ゼブラゾーン)を利用して直接右 - 258 -折でヤードに入る進入口をできるだけ早期に整備・活用することで、大型車両走行による影響の低減を図る。また、資材及び機械の運搬に用いる車両の主要なルートにおいては、工事期間中のモニタリングを実施し、結果について 入る進入口をできるだけ早期に整備・活用することで、大型車両走行による影響の低減を図る。また、資材及び機械の運搬に用いる車両の主要なルートにおいては、工事期間中のモニタリングを実施し、結果について公表していく。」などと記載されている。(丙2の1(8-1-3-40頁等)) また、静岡県に係る本件評価書には、「建設機械の稼働に係る振動について、工事施工ヤードと直近の登山ルートの拠点となる施設(ロッヂ)が約900m離れていることから、環境影響は極めて小さいと予測する。」などと記載されているほか、資料編において、参考として試算した結果も記載されている。(丙4の1 (8-1-3-9頁等)、4の2(環3-4-1頁以下))さらに、東京都、神奈川県、岐阜県及び愛知県では、「鉄道施設(換気施設)の供用」に係る振動も環境影響評価の対象とされているところ、これらに係る本件評価書には、その振動に係る評価の結果として、「「環境対策型換気施設の採用」、「防振装置 の設置」及び「換気施設の点検・整備による性能維持」の環境保全措置を確実に実施することから、鉄道施設(換気施設)の供用に係る振動の環境影響について低減が図られているものと評価する。」、「鉄道施設(換気施設)の供用に係る振動の評価結果は(中略)「特定施設に係る振動の規制基準」を下回っている。し たがって、基準又は目標との整合は図られているものと評価する。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-3-29頁以下等)、2の1(8-1-3-41頁以下等)、6の1(8-1-3-44頁以下等)、7の1(8-1-3-39頁以下等))ⅴ また、静岡県に係る本件評価書には、「工事用車両の通行によ り、現在と比べ著しく交通量が増加し )、6の1(8-1-3-44頁以下等)、7の1(8-1-3-39頁以下等))ⅴ また、静岡県に係る本件評価書には、「工事用車両の通行によ り、現在と比べ著しく交通量が増加し、道路沿線住民への負担が - 259 -非常に大きくなるおそれがあることから、工事中は継続した調査を実施し、測定結果の公表及び説明など、周辺住民の理解が得られるよう対応すること。」、「振動レベル予測に用いた交通量の算定根拠を示すこと。」などを求める静岡県知事の意見に対する事業者の見解として、「事業者の自主的な取組として、資材及び 機械の運搬に用いる車両の主要なルートで振動をモニタリングし、結果について公表します。」、「資材及び機械の運搬に用いる車両台数の算定方法を資料編に記載しました。」などと記載されている。(丙4の1(6-3-9頁等))ⅵ さらに、愛知県に係る本件評価書には、「調査は、「国土交通 省令の参考手法」及び「道路マニュアル」等に示された手法を参考に、調査の対象が適切に把握できる地点を選定し、これを適切に把握できるよう設定しました。」、「建設機械の稼働による振動の予測対象なる工種は、ピーク時に稼働する全ての工種の中から最も高くなる工種について行っています。ユニットの範囲の中 に対象となる工種のすべての建設機械が稼働すると想定して予測を行っております。」、「振動の予測時期は、稼働するすべての建設機械の基準点振動レベルを合算し、工事期間中の値が最も大きくなる1月を予測時期としました。」、「工事用車両の走行による騒音及び振動の予測時期は、各予測地点で工事期間中に走行 する工事用車両が最大となる1月を予測時期としております。道路交通振動の指標となる基準については、振動規制法による道路 両の走行による騒音及び振動の予測時期は、各予測地点で工事期間中に走行 する工事用車両が最大となる1月を予測時期としております。道路交通振動の指標となる基準については、振動規制法による道路交通振動の要請限度が公に定められている基準であるため、この値を評価の指標としています。」、「事業の実施にあたっては、低振動型機械の採用、工事の平準化等の環境保全措置を実施する ことにより、さらに影響の低減を進めてまいります。なお、振動 - 260 -規制法に基づく、特定建設作業の作業時間や作業期間等の規制は、法律で定められている規制であり、遵守することが当然であることから、環境保全措置には記載しておりません。また、事業の具体化にあたって環境に配慮した対応策を検討していきます。なお、「道路マニュアル」においても、「整合を図るべき基準又は目標」 として、「振動規制法による道路交通振動の要請限度」及び「関係する地方公共団体の定める目標」とされています。」、「夜間作業については、地上に影響の出ないトンネル工事及び鉄道事業の特性上止むを得ない工事において実施することを考えています。 今後も引き続き、事業の具体化にあたって環境に配慮した対応策 を検討していきます。工事を行う地域の方々の生活に十分配慮するとともに、工事の着手にあたっては工事説明会を開催し、ご理解、ご協力を頂きながら進めてまいります。また、工事中には測定を行い、地元の皆様へのお知らせの仕方についても検討してまいります。」などと記載されている。(丙7の1(6-2-67 頁以下等))ⅶ そして、本件評価書には、「工事用車両の運行及び建設機械の稼働、供用後における列車の走行に伴う振動についてモニタリングを実施するとともに、その結果に応じて、適切 頁以下等))ⅶ そして、本件評価書には、「工事用車両の運行及び建設機械の稼働、供用後における列車の走行に伴う振動についてモニタリングを実施するとともに、その結果に応じて、適切な環境保全措置を講じること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の 対応として、「工事用車両の運行及び建設機械の稼働、完成後における列車の走行に係る振動については、資料編に記載のとおり、車両の主要なルートのうち、予測値と環境基準等の差が小さい地点や寄与度の高い地点、発生土運搬に伴う新たなルートの沿道の学校やまとまった住宅等が存在する地点や、列車の走行に係る振 動の予測地点を基本に、モニタリングを実施します。その結果に - 261 -応じて、必要に応じ適切な環境保全措置を実施します。」などと記載されている。(丙1の1(13-23頁等)、2の1(13-23頁等)、3の1(13-23頁等)、4の1(13-23頁等)、5の1(13-23頁等)、6の1(13-23頁等)、7の1(13-23頁等)) ⒠ 国交大臣は、以上で述べた点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の低減が図られていることなどから、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断した。 b⒜ このように、参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評 価に当たり、鉄道事業評価省令別表第1に掲げる参考項目を勘案しつつ、環境要素に及ぼす影響の重大性等を踏まえて、「建設機械の稼働」等に係る大気の汚染(粉じん等や二酸化窒素及び浮遊粒子状物質)、騒音、振動等を環境影響評価の項目として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び 設機械の稼働」等に係る大気の汚染(粉じん等や二酸化窒素及び浮遊粒子状物質)、騒音、振動等を環境影響評価の項目として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び 評価の手法を選定するなどしたことが認められる。また、以上で認定したように、参加人は、その選定した手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、本件評価書に記載したものであるし、環境影響評価の手続で述べられた意見も勘案して、それを踏まえた対応をしていたことなども指摘すること ができる。そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の低減が図られているとして、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのであり、その判断過程や内容等をみても、当該判断について、重要な事実の基礎 を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとま - 262 -ではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 ⒝ なお、参加人による調査、予測及び評価の手法の選定等のうち、 例えば、「建設機械の稼働」に係る騒音についてみると、以上で認定したように、参加人は、調査の基本的な手法として、騒音の状況は「文献調査により、道路交通騒音関連の文献、資料を収集し、整理し」て、「現況把握のため、騒音の状況の現地調査を行」い、地表面の状況は「現地踏査により把握し」、沿道の状況は「文献調査 により、沿道の状況の文献、資料を収集し、整理し」て、「現況把握のため、現 て、「現況把握のため、騒音の状況の現地調査を行」い、地表面の状況は「現地踏査により把握し」、沿道の状況は「文献調査 により、沿道の状況の文献、資料を収集し、整理し」て、「現況把握のため、現地調査を行」うという手法を選定したものであることが認められる。鉄道事業評価省令24条1項2号において、調査の基本的な手法につき、「国又は関係する地方公共団体が有する文献その他の資料の入手、専門家等からの科学的知見の聴取、現地調査 その他の方法により調査すべき情報を収集し、その結果を整理し、及び解析する手法」と規定されているほか、鉄道事業評価省令別表第2の「建設機械の稼働」に係る騒音の項目において、調査の基本的な手法の参考手法として、「文献その他の資料及び現地調査による情報(中略)の収集並びに当該情報の整理及び解析」が掲げられ ていることなどに鑑みると、参加人の選定した調査の基本的な手法は、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則したものということができる。 また、参加人は、調査地域を「対象事業実施区域及びその周囲の内、山岳トンネル、非常口(山岳部)、地表式又は掘割式、高架橋、 橋梁、地上駅、変電施設、保守基地を対象に工事の実施時における - 263 -建設機械の稼働若しくは資材及び機械の運搬に用いる車両の運行又は列車の走行(地下を走行する場合を除く。)に係る騒音の影響を受けるおそれがあると認められる地域」などに設定し、調査地点(現地調査地点)を「住居等の分布状況を考慮し、一般環境騒音及び道路交通騒音の現況を適切に把握できる地点」に設定している。 これらは、鉄道事業評価省令24条1項3号において、調査地域につき、「対象鉄道建設等事業の実施により選定項目に関する環境要素に係る環境影響を受けるおそ を適切に把握できる地点」に設定している。 これらは、鉄道事業評価省令24条1項3号において、調査地域につき、「対象鉄道建設等事業の実施により選定項目に関する環境要素に係る環境影響を受けるおそれがある地域又は土地の形状が変更される区域及びその周辺の区域その他の調査に適切な範囲であると認められる地域」と規定され、同項4号において、調査地点につき、 「調査すべき情報の内容及び特に環境影響を受けるおそれがある対象の状況を踏まえ、地域を代表する地点その他の調査に適切かつ効果的であると認められる地点」と規定されているほか、鉄道事業評価省令別表第2の「建設機械の稼働」に係る騒音の項目において、調査地域の参考手法として、「音の伝搬の特性を踏まえて騒音に係 る環境影響を受けるおそれがあると認められる地域」が掲げられ、調査地点の参考手法として、「音の伝搬の特性を踏まえて調査地域における騒音に係る環境影響を予測し、及び評価するために必要な情報を適切かつ効果的に把握できる地点」が掲げられていることなどを踏まえたものと考えられるし、本件評価書にも、「事業特性及 び地域特性を踏まえ、国土交通省令に基づく参考手法を選定した。」、「調査地域、調査地点は、予測すべき範囲を見込んだうえで、その地域の状況を把握できる地点として、影響範囲や保全の対象と考えられる住居等から選定しており、十分であると考えています。」などと記載されていることが認められる。 加えて、参加人は、予測の基本的な手法について、「音の伝播理 - 264 -論に基づく予測式であるASJCN-Model 2007を用いた定量的予測」をするという手法を選定している。これは、鉄道事業評価省令25条1項1号において、予測の基本的な手法につき、「環境 -論に基づく予測式であるASJCN-Model 2007を用いた定量的予測」をするという手法を選定している。これは、鉄道事業評価省令25条1項1号において、予測の基本的な手法につき、「環境の状況の変化又は環境への負荷の量を、理論に基づく計算、模型による実験、事例の引用又は解析その他の手法により、定量的 に把握する手法」と規定されているほか、鉄道事業評価省令別表第2の「建設機械の稼働」に係る騒音の項目において、予測の基本的な手法の参考手法として、「音の伝搬理論に基づく予測式による計算」が掲げられていることなどを踏まえたものということができる。 さらに、参加人は、予測地点について、「予測地域の内、住居等 の分布状況を考慮し」、「建設機械の稼働」等に係る「騒音の影響を適正に予測することができる地点として」、「工事範囲境界から0.5m離れの地点」に設定している。これは、鉄道事業評価省令25条1項3号において、予測地点につき、「選定項目の特性に応じて保全すべき対象の状況を踏まえ、地域を代表する地点、特に環 境影響を受けるおそれがある地点、保全すべき対象への環境影響を的確に把握できる地点その他の予測に適切かつ効果的な地点」と規定されているほか、鉄道事業評価省令別表第2の「建設機械の稼働」等に係る騒音の項目において、予測地点の参考手法として、「音の伝搬の特性を踏まえて予測地域における騒音に係る環境影響を的確 に把握できる地点」が掲げられていることなどを踏まえた上で、他の事例等を参考として設定したものと考えられるし、「予測高さ」を「地上1.2m」に設定した点についても、「「道路環境影響評価の技術手法(平成24年度)」(中略)において、「予測地点の高さは地上1.2mとすることを基本とする」とされている れるし、「予測高さ」を「地上1.2m」に設定した点についても、「「道路環境影響評価の技術手法(平成24年度)」(中略)において、「予測地点の高さは地上1.2mとすることを基本とする」とされていること」 などを踏まえたものであって、この点に特段不合理なところがある - 265 -とまでは認められないものといえる。 また、参加人は、予測対象時期等を「工事による稼働機械の騒音が最大となる時期」に設定しているが、これは、鉄道事業評価省令25条1項4号において、予測対象時期等につき、「供用開始後定常状態になる時期及び環境影響が最大になる時期(最大になる時期 を設定することができる場合に限る。)、工事の実施による環境影響が最大になる時期その他の予測に適切かつ効果的な時期、期間又は時間帯」と規定されているほか、鉄道事業評価省令別表第2の「建設機械の稼働」等に係る騒音の項目において、予測対象時期等の参考手法として、「建設機械の稼働」等による「騒音に係る環境 影響が最大となる時期」が掲げられていることなどを踏まえて設定したものと考えられる。 そして、参加人の選定した評価の手法については、鉄道事業評価省令26条1号から4号までに掲げる事項に留意して選定されたものと認められるし、その他に、本件全証拠を精査しても、以上で述 べた「建設機械の稼働」に係る騒音に限らず、参加人による調査、予測及び評価の手法の選定等が評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則したものでなかったとする事情は見当たらないものといえる。 c これに対し、原告らは、例えば、長野県下伊那郡大鹿村について、①同村は、南アルプスと伊那山地に挟まれた山間に位置する小さな村 であり、道幅が狭く、現況の交通量の乏しい国 える。 c これに対し、原告らは、例えば、長野県下伊那郡大鹿村について、①同村は、南アルプスと伊那山地に挟まれた山間に位置する小さな村 であり、道幅が狭く、現況の交通量の乏しい国道152号線や長野県道253号線等が走っているにとどまるが、本件事業で生ずる大量の発生土等の運搬に用いる車両によって、1日当たりの交通量が急増する上、これが数年にわたって継続するというのであるから、周辺住民に社会通念上受忍限度を超える被害をもたらす危険があるし、本件認 可(その1)に先立つ環境影響評価における予測上も、二酸化窒素の - 266 -濃度や浮遊粒子状物質の濃度が、いずれも高い上昇率になっており、環境が激変する地域が複数存在するといえる旨、②参加人による大気の汚染に係る調査については、調査地点等が限定的であり、十分な調査がされたとは認め難いし、参加人が講ずるとした環境保全措置をみても、限定的な効果しか有しないものといえる旨、③本件認可(その 1)に先立つ環境影響評価では、地域の事情に応じた個別的な配慮を特段することなく、大気の汚染に係る環境基準等で定める基準値を僅かでも下回っていれば、何ら問題はないとしているが、それでは、周辺住民の個別的利益に対する適正な配慮がなされたとは到底いうことができない旨などを主張している。 しかしながら、参加人が、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「建設機械の稼働」等に係る大気の汚染(粉じん等や二酸化窒素及び浮遊粒子状物質)、騒音、振動等を環境影響評価の項目として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定するとともに、それに基づいて、 これに係る環境影響評価を実施したことは、以上で述べたとお 項目として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定するとともに、それに基づいて、 これに係る環境影響評価を実施したことは、以上で述べたとおりであるし、原告らの主張する点を踏まえて、本件全証拠を精査しても、これを覆すに足りる事情は見当たらないものといえる(なお、参加人は、「調査地域の内、住居等の分布状況を考慮し、建設機械の稼働による影響が想定される箇所周辺、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行 による影響が想定される道路沿道の窒素酸化物及び浮遊粒子状物質の現況を適切に把握することができる地点」として、長野県における二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る調査地点を別紙57の1の表のとおりに設定するとともに、粉じん等に係る予測地点も同様に設定しているところ、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質については、鉄道事業評 価省令24条1項4号において、調査地点につき、「調査すべき情報 - 267 -の内容及び特に環境影響を受けるおそれがある対象の状況を踏まえ、地域を代表する地点その他の調査に適切かつ効果的であると認められる地点」と規定されていることなどを踏まえ、粉じん等については、鉄道事業評価省令別表第2の「建設機械の稼働」等に係る粉じん等の項目において、調査地点の参考手法として、「粉じん等の拡散の特性 を踏まえて調査地域における粉じん等に係る環境影響を予測し、及び評価するために必要な情報を適切かつ効果的に把握できる地点」が掲げられていることなどを踏まえたものと考えられるし、本件評価書にも、「事業特性及び地域特性を踏まえ、調査・予測及び評価の手法については他事例を参考に一般的に広く用いられている手法を選定し た。」、「調査地域、調査地点は、予測すべき範囲を見込んだ 評価書にも、「事業特性及び地域特性を踏まえ、調査・予測及び評価の手法については他事例を参考に一般的に広く用いられている手法を選定し た。」、「調査地域、調査地点は、予測すべき範囲を見込んだうえで、その地域の状況を把握できる地点として、影響範囲や保全の対象と考えられる住居等から選定しており、十分であると考えています。」などと記載されていることが認められる。また、参加人は、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る調査期間等を別紙57の2の表のとおりに 設定するとともに、粉じん等に係る調査期間等も同様に設定しているところ、これは、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質については、鉄道事業評価省令24条1項5号において、調査期間等につき、「調査すべき情報の内容を踏まえ、調査に適切かつ効果的であると認められる期間、時期又は時間帯」と規定されていることなどを踏まえ、粉じん等 については、鉄道事業評価省令別表第2の「建設機械の稼働」等に係る粉じん等の項目において、調査期間等の参考手法として、「粉じん等の拡散の特性を踏まえて調査地域における粉じん等に係る環境影響を予測し、及び評価するために必要な情報を適切かつ効果的に把握できる期間、時期及び時間帯」が掲げられていることなどを踏まえた上 で、他の事例等を参考として設定したものと考えられるし、道路環境 - 268 -影響評価の技術手法に「調査期間は、季節ごとのそれぞれ1週間を基本とする。」と記載されていることや(丙71)、参加人において「四季に各1週間実施した気象調査のデータを用いた予測結果の妥当性」の検証等もされていることなどに鑑みても、この点に特段不合理なところがあるとまでは認められないものといえる。さらに、参加人 は、「予測地域の内、住居等の分布状況を考慮し」、「建設機 果の妥当性」の検証等もされていることなどに鑑みても、この点に特段不合理なところがあるとまでは認められないものといえる。さらに、参加人 は、「予測地域の内、住居等の分布状況を考慮し」、「建設機械の稼働」等に係る「二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の影響を適切に予測することができる地点として」、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る予測地点を「工事範囲外で最大の濃度となる地点及び直近の住居等位置」又は「工事に使用する道路の道路端」に設定するとともに、粉じ ん等に係る予測地点も同様に設定しているところ、これは、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質については、鉄道事業評価省令25条1項3号において、予測地点につき、「選定項目の特性に応じて保全すべき対象の状況を踏まえ、地域を代表する地点、特に環境影響を受けるおそれがある地点、保全すべき対象への環境影響を的確に把握できる地点 その他の予測に適切かつ効果的な地点」と規定されていることなどを踏まえ、粉じん等については、鉄道事業評価省令別表第2の「建設機械の稼働」等に係る粉じん等の項目において、予測地点の参考手法として、「粉じん等の拡散の特性を踏まえて予測地域における粉じん等に係る環境影響を的確に把握できる地点」が掲げられていることなど を踏まえた上で、他の事例等を参考として設定したものと考えられるし、本件評価書にも、「予測は、「国土交通省令の参考手法」をはじめ、「道路マニュアル」「長野県環境影響評価技術指針及び同マニュアル」といった環境影響評価に関する文献で紹介されている手法や、他の環境影響評価事例を参考にしながら実施しています。」などと記 載されていることが認められるものといえる。)。 - 269 -そして、原告らの問題とする「建設機械の稼働」等に係る二 事例を参考にしながら実施しています。」などと記 載されていることが認められるものといえる。)。 - 269 -そして、原告らの問題とする「建設機械の稼働」等に係る二酸化窒素及び浮遊粒子状物質をみると、参加人は、鉄道事業評価省令29条の規定に則して、①「建設機械の稼働」による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る環境保全措置として、「排出ガス対策型建設機械の採用」、「工事規模に合わせた建設機械の設定」、「建設機械の使用時 における配慮」、「建設機械の点検及び整備による性能維持」、「揮発性有機化合物の排出抑制」、「工事の平準化」、「工事従事者への講習・指導」等を検討して、別紙60の1の表のとおり、「排出ガス対策型建設機械を使用することにより、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の発生を低減できる。」、「工事規模に合わせて必要以上の建設機 械の規格、配置及び稼働とならないように計画することで、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の発生を低減できる。」、「建設機械の使用にあたって、高負荷運転の防止、アイドリングストップの推進などにより、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の発生を低減できる。」、「法令上の定めによる定期的な点検や日々の点検及び整備により、建設機械 の性能を維持することで、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の発生を低減できる。」、「工事の実施において、低VOC塗料等の使用に努めることで、浮遊粒子状物質の生成を低減できる。」、「工事の平準化により偏った施工を避けることで、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の局所的な発生を低減できる。」、「建設機械の高負荷運転の抑制、建 設機械の点検及び整備について、工事従事者への講習・指導を実施することにより、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の発生の低減が見込まれる。」などとする できる。」、「建設機械の高負荷運転の抑制、建 設機械の点検及び整備について、工事従事者への講習・指導を実施することにより、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の発生の低減が見込まれる。」などとするとともに、②「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る環境保全措置として、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点検及び整備による性能 維持」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行計画の配慮」、 - 270 -「揮発性有機化合物の排出抑制」、「環境負荷低減を意識した運転の徹底」、「工事の平準化」、「発生集中交通量の削減」、「工事従事者への講習・指導」等を検討して、別紙60の2の表のとおり、「法令上の定めによる定期的な点検や日々の点検及び整備により、資材及び機械の運搬に用いる車両の性能を維持することで、二酸化窒素及び 浮遊粒子状物質の発生を低減できる。」、「資材及び機械の運搬に用いる車両及び運行ルートの分散化等を行うことにより、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の発生を低減できる。」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の法定速度の遵守、アイドリングストップ及び急発進や急加速の回避を始めとしたエコドライブの徹底により、発生する二酸化 窒素及び浮遊粒子状物質を低減できる。」、「工事の実施において、低VOC塗料等の使用に努めることで、浮遊粒子状物質の生成を低減できる。」、「同時期に施工する工事箇所を少なくするように努めるなどの工事の平準化により、同時期に運行する資材及び機械の運搬に用いる車両の台数を削減し、集中を緩和することで、二酸化窒素及び 浮遊粒子状物質の局所的な発生を低減できる。」、「ストックヤード(仮置き場)の確保に努め、ストックヤードが確保できた場合、トンネル掘削土が多く発生 減し、集中を緩和することで、二酸化窒素及び 浮遊粒子状物質の局所的な発生を低減できる。」、「ストックヤード(仮置き場)の確保に努め、ストックヤードが確保できた場合、トンネル掘削土が多く発生する時には一時的にストックヤードに仮置きを行い、ストックヤードから発生土置き場に向かう運搬車両台数を調整する。また、工事施工ヤードに発生土を再利用するコンクリートプラ ントを設けることによる運搬車両台数の削減について検討していく。 これらにより、発生集中交通量を削減することで、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の発生を低減できる。」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点検及び整備、環境負荷低減を意識した運転の徹底について、工事従事者への講習・指導を実施することにより、二酸化窒素及び浮 遊粒子状物質の発生の低減が見込まれる。」などとし、その検討の結 - 271 -果を明らかにしている。その上で、参加人は、③これらに係る評価の結果として、一部で現況値に対する寄与率が高くなっているものの、「これらはあくまで工事期間中における最大の値であり、その値が観測されるのは工事中の限られた期間にとどまる。」し、以上で述べた「環境保全措置を確実に実施することから」、「二酸化窒素及び浮遊 粒子状物質の環境影響について低減が図られていると評価」し、さらに、基準又は目標との整合性の検討についてみても、別紙61の1⑴及び⑵、2⑴及び⑵、3⑴及び⑵、4⑴、5⑴及び⑵、6⑴及び⑵並びに7⑴及び⑵の表のとおり、いずれも大気の汚染に係る環境基準等で定める基準値を下回るため、「環境基準との整合が図られていると 評価」したものと認められる。 また、「建設機械の稼働」等に係る粉じん等をみると、参加人は、鉄道事業評価省令29条の規定に則して、 回るため、「環境基準との整合が図られていると 評価」したものと認められる。 また、「建設機械の稼働」等に係る粉じん等をみると、参加人は、鉄道事業評価省令29条の規定に則して、①「建設機械の稼働」による粉じん等に係る環境保全措置として、「工事規模に合わせた建設機械の設定」、「工事現場の清掃や散水」、「仮囲いの設置」、「工事 の平準化」等を検討して、別紙60の3の表のとおり、「工事規模に合わせて必要以上の建設機械の規格、配置及び稼働とならないように計画することで、粉じん等の発生を低減できる。」、「工事現場の清掃や散水を行うことで、粉じん等の発生を低減できる。」、「住居等周辺環境を考慮した仮囲いの高さの検討を行ったうえで仮囲いを設置 することで、粉じん等の発生を低減できる。」、「工事の平準化により偏った施工を避けることで、粉じん等の局所的な発生を低減できる。」などとするとともに、②「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による粉じん等に係る環境保全措置として、「荷台への防じんシート敷設及び散水」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の出入り 口や周辺道路の清掃及び散水、タイヤの洗浄」、「工事の平準化」、 - 272 -「発生集中交通量の削減」等を検討して、別紙60の4の表のとおり、「荷台に防じんシートを敷設するとともに散水することで、粉じん等の発生を低減できる。」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の出入り口や周辺道路の清掃及び散水、タイヤの洗浄を行うことで、粉じん等の発生を低減できる。」、「同時期に施工する工事箇所を少なくす るように努めるなどの工事の平準化により、同時期に運行する資材及び機械の運搬に用いる車両の台数を削減し、集中を緩和することで、粉じん等の局所的な発生を低減できる。」 施工する工事箇所を少なくす るように努めるなどの工事の平準化により、同時期に運行する資材及び機械の運搬に用いる車両の台数を削減し、集中を緩和することで、粉じん等の局所的な発生を低減できる。」、「ストックヤード(仮置き場)の確保に努め、ストックヤードが確保できた場合、トンネル掘削土が多く発生する時には一時的にストックヤードに仮置きを行い、 ストックヤードから発生土置き場に向かう運搬車両台数を調整する。 また、工事施工ヤードに発生土を再利用するコンクリートプラントを設けることによる運搬車両台数の削減について検討していく。これらにより、発生集中交通量を削減することで、粉じん等の発生を低減できる。」などとし、その検討の結果を明らかにしている。その上で、 参加人は、③これらに係る評価の結果として、以上で述べた「環境保全措置を確実に実施することから」、「粉じん等に係る環境影響の低減が図られていると評価」するとともに、基準又は目標との整合性の検討についてみても、別紙61の1⑶及び⑷、2⑶及び⑷、3⑶及び⑷、4⑵、5⑶及び⑷、6⑶及び⑷並びに7⑶及び⑷の表のとおり、 いずれも道路環境影響評価の技術手法で定める参考値を下回るため、「基準又は目標との整合が図られていると評価」したものと認められる。 そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でそ の影響の低減が図られていることなどから、環境の保全についての適 - 273 -正な配慮がなされるものと判断したというのであり、その判断過程や内容等をみても、それをもって、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁 がなされるものと判断したというのであり、その判断過程や内容等をみても、それをもって、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本 件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 この点につき、原告らは、二酸化窒素の濃度や浮遊粒子状物質の濃度が上昇し、環境が激変する地域が複数存在することや、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、地域の事情に応じた個別的な配慮を特段することなく、大気の汚染に係る環境基準等で定める基準 値を僅かでも下回っていれば、それで足りるものとされていることなどを問題としている。しかしながら、鉄道事業評価省令26条3号は、評価の手法につき、「国又は関係する地方公共団体が実施する環境の保全に関する施策によって、選定項目に係る環境要素に関して基準又は目標が示されている場合には、当該基準又は目標と調査及び予測の 結果との間に整合が図られているかどうかを評価する手法であること」を掲げているところ(なお、環境アセスメント技術ガイドでも、「基準又は目標との整合性に係る評価」については、「国又は地方公共団体の「環境保全施策」のうち、環境基準が設定されている場合や環境基本計画・環境管理計画等において具体的な基準や目標が明らかにさ れている場合」に、「対象事業における環境保全措置等の取組が、国・地方公共団体が策定した環境保全施策に沿ったものであるかどうかを評価するもの」とされている(甲C環1、2)。)、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る基準又は目標とされた大気の汚 保全施策に沿ったものであるかどうかを評価するもの」とされている(甲C環1、2)。)、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る基準又は目標とされた大気の汚染に係る環境基準等は、 環境基本法16条1項の規定等により定められたものであって、上記 - 274 -の場合に該当することは明らかであるし、それに基づいて「基準又は目標との整合性に係る評価」がされたことを不相当とする理由は特段見当たらないものといえる。また、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、この「基準又は目標との整合性に係る評価」だけでなく、鉄道事業評価省令26条1号に掲げる評価の手法(「事業者によ り実行可能な範囲内でできる限り回避され、又は低減されて」いるかを評価する手法)も選定されているところ、確かに、別紙62の表によれば、一部の予測地点において、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る現況値に対する寄与率が高くなっており、その濃度が大きく上昇するものと予測されているが、参加人は、このような寄与率の程度等 を勘案しつつ、「これらはあくまで工事期間中における最大の値であり、その値が観測されるのは工事中の限られた期間にとどまる。」上、①「建設機械の稼働」による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る環境保全措置として、「排出ガス対策型建設機械の採用」、「工事規模に合わせた建設機械の設定」、「建設機械の使用時における配慮」、 「建設機械の点検及び整備による性能維持」、「揮発性有機化合物の排出抑制」、「工事の平準化」、「工事従事者への講習・指導」等を確実に実施するとともに、②「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る環境保全措置として、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点 「工事従事者への講習・指導」等を確実に実施するとともに、②「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る環境保全措置として、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点検及び整備による性能維持」、 「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行計画の配慮」、「揮発性有機化合物の排出抑制」、「環境負荷低減を意識した運転の徹底」、「工事の平準化」、「発生集中交通量の削減」、「工事従事者への講習・指導」等を確実に実施することから、これらに係る「二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境影響について低減が図られていると評価」 したというのであるし、本件全証拠を精査しても、原告らの主張する - 275 -ように、大気の汚染に係る環境基準等で定める基準値を僅かでも下回っていれば、それで足りるとしたものとは認めることができない。その上、参加人は、国交大臣の意見を踏まえ、「山岳部等の空気が清浄な地域で、かつ学校やまとまった住居等が存在する箇所など、特に配慮すべき場合においては、例えば、神奈川県相模原市緑区鳥屋地区に おける仮囲いの嵩上げ、山梨県富士川町高下地区における車両通行の一方向化による車両のすれ違いの抑制、静岡県静岡市葵区井川における資機材の搬出入量に応じた適正な車種・規格の選定、および長野県大鹿村や南木曽町におけるストックヤード(仮置き場)の確保による運搬車両台数の調整など、より一層の対策を実施し、大気汚染物質に よる大気質への影響低減に努めます。」、「工事用車両の運行に伴い排出される大気汚染物質による大気質への影響について、資料編に記載のとおり、車両の主要なルートのうち、予測値と環境基準等の差が小さい地点や寄与度の高い地点、発生土運搬に伴う新たなルートの沿道の学校やまとまった住宅等が存在する 大気質への影響について、資料編に記載のとおり、車両の主要なルートのうち、予測値と環境基準等の差が小さい地点や寄与度の高い地点、発生土運搬に伴う新たなルートの沿道の学校やまとまった住宅等が存在する地点でモニタリングを実施し ます、その結果に応じて、必要により適切な環境保全措置を実施します。」などとしていることも認められるから、地域の事情に応じた個別的な配慮が全くなされていないということはできないし、この点に明らかに合理性を欠くなどとする事情も見当たらないものといえる。 そして、その他にるる主張する点をみても、以上で述べた当裁判所 の判断に反するものであるか、あるいは、評価書等外の事実や本件認定後の事実等を述べるもの又は法的な根拠や証拠に基づかずに独自の見解を述べるものであって、当該判断を左右しないものにとどまるから、いずれも採用の限りではないといえる。 d また、原告らは、長野県下伊那郡大鹿村について、①本件認可(そ の1)に先立つ環境影響評価では、交通量の変化等に伴い国道152 - 276 -号線や長野県道253号線における騒音が増加するにもかかわらず、騒音に係る環境基準で定める「幹線交通を担う道路に近接する空間」に係る基準値(昼間の等価騒音レベルで70dB以下)を下回るため、何ら問題はないとしているが、これらの道路は、いずれも実質的にみて「幹線交通を担う道路」ではないから、「住居の用に供される地域」 に係る基準値(昼間の等価騒音レベルで55dB以下)を基準とすべきであるし、仮にこれを基準としないとしても、最高裁平成4年(オ)第1503号同7年7月7日第二小法廷判決・民集49巻7号1870頁の判示等に鑑みれば、少なくとも、60dB以下を基準とするのが相当といえる旨、②仮に れを基準としないとしても、最高裁平成4年(オ)第1503号同7年7月7日第二小法廷判決・民集49巻7号1870頁の判示等に鑑みれば、少なくとも、60dB以下を基準とするのが相当といえる旨、②仮に騒音に係る環境基準を用いるとしても、そ の基準値を満たすことはもちろん、現況からどの程度変化することになるのかも考慮すべきであるし、静ひつな生活環境を享受している地域については、特に慎重な配慮が必要と考えられる旨、③参加人による騒音に係る調査については、調査地点等が限定的であり、十分な調査がされたとは認め難いし、参加人が講ずるとした環境保全措置をみ ても、限定的な効果しか有しないものといえる旨、④本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、トンネルの掘削等に伴って生ずる発生土を仮置きし、その仮置き場から発生土置き場に向かう車両の交通量を調整することで、交通量の集中を削減し、騒音等を低減するとしているが、そもそも仮置き場がどこかも明らかでなく、これを確保す ることができる見込みもない旨なども主張している。 しかしながら、参加人が、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「建設機械の稼働」等に係る大気の汚染(粉じん等や二酸化窒素及び浮遊粒子状物質)、騒音、振動等を環境影響評価の項目として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、 その調査、予測及び評価の手法を選定するとともに、それに基づいて、 - 277 -これに係る環境影響評価を実施したことは、以上で述べたとおりであるし、原告らの主張する点を踏まえて、本件全証拠を精査しても、これを覆すに足りる事情は見当たらないものといえる(なお、騒音に係る調査地点の選定等をみても、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則したものといえるこ の主張する点を踏まえて、本件全証拠を精査しても、これを覆すに足りる事情は見当たらないものといえる(なお、騒音に係る調査地点の選定等をみても、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則したものといえることは、以上で述べたとおりであり、この点に特 段不合理なところがあるとは認められない。)。 そして、「建設機械の稼働」に係る騒音をみると、参加人は、鉄道事業評価省令29条の規定に則して、①これに係る環境保全措置として、「低騒音型建設機械の採用」、「仮囲い・防音シ-ト等の設置による遮音対策」、「工事規模に合わせた建設機械の設定」、「建設機 械の使用時における配慮」、「建設機械の点検・整備による性能維持」、「工事の平準化」、「工事従事者への講習・指導」等を検討して、別紙66の1の表のとおり、「低騒音型建設機械の採用により、工事に伴う騒音の発生を低減できる。」、「仮囲いについて、住居等周辺環境を考慮した高さの検討を行ったうえで防音シート等を設置す ることや、防音シート等を設置することで、遮音による騒音の低減効果が見込まれる。なお、防音シートの遮音性能は、透過損失10dBとされている(ASJCN-Model 2007)。」、「工事規模に合わせて必要以上の建設機械の規格、配置及び稼働とならないように計画することで、騒音の発生を低減できる。」、「建設機械の 使用にあたって、高負荷運転の防止、アイドリングストップの推進などにより、騒音の発生を低減できる。」、「法令上の定めによる定期的な点検や日々の点検及び整備により建設機械の性能を維持することで、騒音の発生を低減できる。」、「工事の平準化により偏った施工を避けることで、騒音の局所的な発生を低減できる。」、「建設機械 の高負荷運転の抑制、建設機械の点検及び設備に 性能を維持することで、騒音の発生を低減できる。」、「工事の平準化により偏った施工を避けることで、騒音の局所的な発生を低減できる。」、「建設機械 の高負荷運転の抑制、建設機械の点検及び設備について、工事従事者 - 278 -への講習・指導を実施することにより、騒音の発生の低減が見込まれる。」などとし、その検討の結果を明らかにしている。その上で、参加人は、②これに係る評価の結果として、別紙67の1⑴、2⑴、3⑴、5⑴、6⑴及び7⑴の表を示した上で、この「予測値は(中略)あくまで工事期間中の最大の値であり、その値が観測されるのは工事 中の限られた期間にとどまる。」し、以上で述べた「環境保全措置を確実に実施することから、建設機械の稼働による騒音の環境影響について低減が図られているものと評価する。」とともに、基準又は目標との整合性の検討についてみても、いずれも「特定建設作業に伴って発生する騒音の規制に関する基準」等で定める基準値を下回るため、 「建設基準の稼働による騒音は、基準又は目標との整合が図られていると評価」したものと認められる。 また、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」に係る騒音をみると、参加人は、鉄道事業評価省令29条の規定に則して、①これに係る環境保全措置として、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点 検・整備による性能維持」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行計画の配慮」、「環境負荷低減を意識した運転の徹底」、「工事の平準化」、「工事従事者への講習・指導」等を検討して、別紙66の2の表のとおり、「法令上の定めによる定期的な点検や日々の点検及び整備により資材及び機械の運搬に用いる車両の性能を維持すること で、騒音の発生を低減できる。」、「資材及び機械の運搬に用いる車 2の表のとおり、「法令上の定めによる定期的な点検や日々の点検及び整備により資材及び機械の運搬に用いる車両の性能を維持すること で、騒音の発生を低減できる。」、「資材及び機械の運搬に用いる車両及び運行ルートの分散化等を行うことにより、騒音の発生を低減できる。」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の法定速度の遵守、急発進や急加速の回避を始めとしたエコドライブの徹底により、発生する騒音を低減できる。」、「同時期に施工する工事箇所を少なくする ように努めるなどの工事の平準化により、同時期に運行する資材及び - 279 -機械の運搬に用いる車両の台数を削減し、集中を緩和することで、騒音の局所的な発生を低減できる。」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点検及び整備、環境負荷低減を意識した運転について、工事従事者への講習・指導を実施することにより、騒音の発生の低減が見込まれる。」などとし、その検討の結果を明らかにしている。その上で、 参加人は、②これに係る評価の結果として、別紙67の1⑵、2⑵、3⑵、4、5⑵、6⑵及び7⑵の表を示した上で、この「予測される騒音レベル(中略)はあくまで工事期間中の最大の値であり、その値が観測されるのは工事中の限られた期間にとどまる。」し、以上で述べた「環境保全措置を確実に実施することから、資材及び機械の運搬 に用いる車両の運行による騒音の環境影響について低減が図られているものと評価する。」とともに、基準又は目標との整合性の検討についてみても、「現況で騒音に係る環境基準を超過している地点」等が一部に存在するものの、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による寄与は小さいため、その影響は軽微と評価し、さらに、「既に 環境基準を超過している地点については、道路管理者と連絡、調整 が一部に存在するものの、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による寄与は小さいため、その影響は軽微と評価し、さらに、「既に 環境基準を超過している地点については、道路管理者と連絡、調整を密に図り、更なる環境影響の低減に努める。」などとしていることも認められる。 そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でそ の影響の低減が図られていることなどから、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのであり、その判断過程や内容等をみても、それをもって、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうか がわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本 - 280 -件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 この点につき、原告らは、国道152号線や長野県道253号線等のいずれについても、実質的にみて「幹線交通を担う道路」ではないから、「幹線交通を担う道路に近接する空間」に係る基準値(昼間の等価騒音レベルで70dB以下)を用いるべきではないし、仮にこれ を用いるとしても、静ひつな生活環境を享受している地域については、特に慎重な配慮が必要と考えられることなどを問題としている。しかしながら、「基準又は目標との整合性に係る評価」は、「国又は地方公共団体の「環境保全施策」のうち、環境基準が設定されている場合や環境基本計画・環境管理計画等において具体的な基準や目標が明ら かにされている場合」に、「対象事業における環境保全措置等の取組が、国・地方公共団体が策定 のうち、環境基準が設定されている場合や環境基本計画・環境管理計画等において具体的な基準や目標が明ら かにされている場合」に、「対象事業における環境保全措置等の取組が、国・地方公共団体が策定した環境保全施策に沿ったものであるかどうかを評価するもの」とされているところ(甲C環1、2)、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価において、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による騒音に係る基準又は目標とされた騒音 に係る環境基準については、環境基本法16条1項の規定により定められたものであるから、上記の場合に該当することになる。そして、この騒音に係る環境基準では、「幹線交通を担う道路」とは、「道路法第3条に規定する高速自動車国道、一般国道、都道府県道及び市町村道(市町村道にあっては4車線以上の区間)」等をいうものとされ ているし(丙35、120等)、道路法の規定をみても、原告らの問題とする国道152号線や長野県道253号線等のような一般国道や都道府県道については、全国的な幹線道路網又は地方的な幹線道路網を構成すべく整備されたものと考えられるから、これらが「幹線交通を担う道路」に該当することは明らかといえる。そのため、本件認可 (その1)に先立つ環境影響評価に当たり、それを前提として「基準 - 281 -又は目標との整合性に係る評価」がされたことに不相当とする理由は特段見当たらないし、むしろ「国・地方公共団体が策定した環境保全施策に沿った」ものということができる。また、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、この「基準又は目標との整合性に係る評価」だけでなく、鉄道事業評価省令26条1号に掲げる評価の手法 (「事業者により実行可能な範囲内でできる限り回避され、又は低減されて」いるかを評価する手法 、この「基準又は目標との整合性に係る評価」だけでなく、鉄道事業評価省令26条1号に掲げる評価の手法 (「事業者により実行可能な範囲内でできる限り回避され、又は低減されて」いるかを評価する手法)も選定されているところ、確かに、別紙67の表によれば、現況値が小さい予測地点を中心として、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による騒音の寄与分が大きいものも認められるが、参加人は、このような予測の結果等を勘案しつ つ、「これらはあくまで工事期間中における最大の値であり、その値が観測されるのは工事中の限られた期間にとどまる。」上、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」による騒音に係る環境保全措置として、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点検・整備による性能維持」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行計画の配慮」、「環 境負荷低減を意識した運転の徹底」、「工事の平準化」、「工事従事者への講習・指導」等の環境保全措置を確実に実施することから、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行による騒音の環境影響について低減が図られているものと評価」したというのであるし、長野県に係る本件評価書にも、「「国道152号、県道59号、県道253 号は騒音における環境基準における「幹線交通を担う道路」に区分されることから、これらの道路に近接する空間(屋内基準)の昼間の環境基準は70dBとなりますが、基準を満たしているから問題ないと考えているわけではなく、事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境影響の回避又は低減を図ってまいります。また、大鹿村内にお ける工事車両の運行速度は、道路状況等を勘案し、適切に設定してま - 282 -いります。」などと記載されていることも認められる。そして、参加人において、国交大臣の意見に 村内にお ける工事車両の運行速度は、道路状況等を勘案し、適切に設定してま - 282 -いります。」などと記載されていることも認められる。そして、参加人において、国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「建設発生土の運搬にあたっては、大気質、騒音、振動等、地域住民の生活環境への影響をできる限り低減するため、特に山岳トンネルの掘削に伴う工事用車両の運行台数が多く、沿道に住宅等がまとまって存在する 箇所においては、地方公共団体の協力も得て仮置き場(ストックヤード)の確保に努め、発生土置き場へ向かう車両の台数や時間を調整することで、発生集中交通量の削減を進めるよう努めてまいります。」、「工事用車両の運行及び建設機械の稼働、完成後における列車の走行に係る騒音については、資料編に記載のとおり、車両の主要なルート のうち予測値と環境基準等の差が小さい地点や寄与度の高い地点、発生土運搬に伴う新たなルートの沿道の学校やまとまった住宅等が存在する地点や、列車の走行に係る騒音の予測地点を基本に、環境対策工の配置状況を考慮した地点においてモニタリングを実施します。その結果に応じて、必要に応じ適切な環境保全措置を実施します。」とし ていることなども踏まえると、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断した国交大臣の判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないものと考えられる。 また、原告らは、前掲最高裁平成7年7月7日第二小法廷判決の判 示等に鑑みると、少なくとも、60dB以下を基準とするのが相当といえる旨なども主張しているが、当該判例は、一般国道等の供用に伴う騒音等によって社会通念上受忍限度を超える被害を受けたとする多数の周辺住 等に鑑みると、少なくとも、60dB以下を基準とするのが相当といえる旨なども主張しているが、当該判例は、一般国道等の供用に伴う騒音等によって社会通念上受忍限度を超える被害を受けたとする多数の周辺住民が、国家賠償法2条1項の規定による損害賠償を求めたという事案(民事事件)において、「身体的被害に至らない程度の生 活妨害を被害の中心とし、多数の被害者が全員に共通する限度におい - 283 -て各自の被害につき一律の額の慰謝料という形でその賠償を求める事案において、各自の被害が受忍限度を超えるかどうかを判断するに当たっては、侵害行為の態様及び被害の内容との関連性を考慮した共通の基準を設定して、これに基づき受忍限度を超える被害を受けた者とそうでない者とを識別することに合理性があるというべきである。原 審の適法に確定した事実関係によれば、本件においては、共通の被害である生活妨害によって被る精神的苦痛の程度は侵害行為の中心である騒音の屋外騒音レベルに相応するものということができるところ、原審は、前記1の諸要素を考慮した上、公害対策基本法9条に基づく環境基準及び騒音規制法17条1項にいう指定地域内における自動車 騒音の限度の各値をも勘案して、㈠居住地における屋外等価騒音レベルが65以上の騒音に暴露された被上告人らは、本件道路端と居住地との距離の長短にかかわらず受忍限度を超える被害を受けた、㈡本件道路端と居住地との距離が20メートル以内の被上告人らは、⑴その全員が排気ガス中の浮遊粒子状物質により受忍限度を超える被害を受 けた、⑵騒音及び排気ガスによる被害以外の心理的被害等を併せ考えると、屋外等価騒音レベルが60を超える騒音に暴露された者が受忍限度を超える被害を受けたと判断したものである。要するに、原判決は、受忍限 た、⑵騒音及び排気ガスによる被害以外の心理的被害等を併せ考えると、屋外等価騒音レベルが60を超える騒音に暴露された者が受忍限度を超える被害を受けたと判断したものである。要するに、原判決は、受忍限度を超える被害を受けた者とそうでない者とを識別するため、居住地における屋外等価騒音レベルを主要な基準とし、本件道路 端と居住地との距離を補助的な基準としたものであって、この基準の設定に不合理なところがあるということはできず、所論の違法はない。」などと判示したものにとどまり、個別具体的な事案を離れて一般的に、社会通念上受忍限度を超える騒音等の最低基準を60dBとすべき旨などを判断したものではないし、そもそも、行政事件訴訟法 上の取消訴訟として提起され、環境配慮審査に係る国交大臣の判断が - 284 -裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものと認められるかどうかなどが問題になる本件とは、事案を異にするものといわざるを得ないから、当該判例をもって、以上で述べた当裁判所の判断が左右されることはないといえる。 さらに、原告らは、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、 そもそも仮置き場がどこかも明らかでなく、これを確保することができる見込みもないことを問題にしているが、鉄道事業評価省令29条1項の規定によれば、環境保全措置は、事業者により実行可能な範囲内で環境影響をできる限り回避し、又は低減することなどを目的として検討されるものであり、評価法や鉄道事業評価省令の規定上、仮置 き場を確保することができる確実な見込みがなければ、これを環境保全措置としてはならないとする法的な根拠は見当たらないし、この点をおくとしても、地方公共団体等の協力を得て仮置き場を確保することは一般に行われているものであり、本件 な見込みがなければ、これを環境保全措置としてはならないとする法的な根拠は見当たらないし、この点をおくとしても、地方公共団体等の協力を得て仮置き場を確保することは一般に行われているものであり、本件事業でも、本件認可(その1)の後に、実際に仮置き場の計画が具体化していることも認められ るから、その見込みがないことを前提として、参加人の講ずるとした環境保全措置が明らかに合理性を欠くなどということはできないものと考えられる。 そして、その他にるる主張する点をみても、以上で述べた当裁判所の判断に反するものであるか、あるいは、評価書等外の事実や本件認 定後の事実等を述べるもの又は法的な根拠や証拠に基づかずに独自の見解を述べるものであって、当該判断を左右しないものにとどまるから、いずれも採用の限りではないといえる。 e さらに、原告らは、長野県下伊那郡大鹿村について、①本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、特定建設作業の規制に関する 基準等で定める基準値(75dB以下)を下回ることから問題ないと - 285 -しているが、予測の結果の評価においては、その地域の生活環境に適合する基準により判断すべきであるから、震度2の振動に相当する上記基準を静ひつな生活環境を享受している地域に適用することは相当でなく、少なくとも震度1の振動に相当する65dB以下を基準とすべきといえる旨、②仮に特定建設作業の規制に関する基準等を用いる としても、その基準値を満たすことはもちろん、現況からどの程度変化することになるのかを考慮すべきといえる旨なども主張している。 しかしながら、参加人が、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「建設機械の稼働」等に係る大気の汚染(粉じん等や二酸化 になるのかを考慮すべきといえる旨なども主張している。 しかしながら、参加人が、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「建設機械の稼働」等に係る大気の汚染(粉じん等や二酸化窒素及び浮遊粒子状物質)、騒音、振動等を環境影響評価の項目 として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定するとともに、それに基づいて、これに係る環境影響評価を実施したことは、以上で述べたとおりであるし、原告らの主張する点を踏まえて、本件全証拠を精査しても、これを覆すに足りる事情は見当たらないものといえる そして、原告らの問題とする「建設機械の稼働」に係る振動をみると、参加人は、鉄道事業評価省令29条の規定に則して、①これに係る環境保全措置として、「低振動型建設機械の採用」、「工事規模に合わせた建設機械の設定」、「建設機械の使用時における配慮」、「建設機械の点検・整備による性能維持」、「工事の平準化」、「工 事従事者への講習・指導」等を検討して、別紙71の1の表のとおり、「低振動型建設機械の採用により、工事に伴う振動の発生を低減できる。」、「工事規模に合わせて必要以上の建設機械の規格、配置及び稼働とならないように計画することで、振動の発生を低減できる。」、「建設機械の使用にあたって、高負荷運転の防止に努めることで、振 動の発生を低減できる。」、「法令上の定めによる定期的な点検や - 286 -日々の点検・整備により建設機械の性能を維持することで、振動の発生を低減できる。」、「工事の平準化により偏った施工を避けることで、振動の局所的な発生を低減できる。」、「建設機械の高負荷運転の抑制、建設機械の点検及び整備について、工事従事者への講習・指導 の発生を低減できる。」、「工事の平準化により偏った施工を避けることで、振動の局所的な発生を低減できる。」、「建設機械の高負荷運転の抑制、建設機械の点検及び整備について、工事従事者への講習・指導を実施することにより、振動の発生を低減できる。」などとし、そ の検討の結果を明らかにしている。その上で、参加人は、②これに係る評価の結果として、別紙72の1⑴、2⑴、3⑴、5⑴、6⑴及び7⑴の表を示した上で、この「予測値は(中略)あくまで工事期間中における最大の値であり、その値が観測されるのは工事中の限られた期間にとどまる。」し、以上で述べた「環境保全措置を確実に実施す ることから、建設機械の稼働による振動の環境影響について低減が図られているものと評価する。」とともに、基準又は目標との整合性の検討についてみても、いずれも「「振動規制法施行規則」に定める「特定建設作業の規制に関する基準」並びに各地方公共団体により定められる基準等を下回る。」ため、「基準又は目標との整合が図られ ていると評価」したものと認められる。 また、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」に係る振動をみると、参加人は、鉄道事業評価省令29条の規定に則して、①これに係る環境保全措置として、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点検・整備による性能維持」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運 行計画の配慮」、「環境負荷低減を意識した運転の徹底」、「工事の平準化」、「発生集中交通量の削減」、「工事従事者への講習・指導」等を検討して、別紙71の2の表のとおり、「法令上の定めによる定期的な点検や日々の点検・整備により資材及び機械の運搬に用いる車両の性能を維持することで、振動の発生を低減できる。」、「資材及 び機械の運搬に用いる車両及び運行ル おり、「法令上の定めによる定期的な点検や日々の点検・整備により資材及び機械の運搬に用いる車両の性能を維持することで、振動の発生を低減できる。」、「資材及 び機械の運搬に用いる車両及び運行ルートの分散化等を行うことによ - 287 -り、振動の発生を低減できる。」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の法定速度の遵守、急発進や急加速の回避を始めとしたエコドライブの徹底により、発生する振動を低減できる。」、「各工事箇所の着手時期を調整し、(中略)同時期に施工する工事箇所を少なくするように努めるなどの工事の平準化により、同時期に運行する資材及び機 械の運搬に用いる車両の台数を削減し、集中を緩和することで、振動の局所的な発生を低減できる。」、「ストックヤード(仮置き場)の確保に努め、ストックヤードが確保できた場合、トンネル掘削土が多く発生する時には一時的にストックヤードに仮置きを行い、ストックヤードから発生土置き場に向かう運搬車両台数を調整する。また、工 事施工ヤードに発生土を再利用するコンクリートプラントを設けることによる運搬車両台数の削減について検討していく。これらにより、発生集中交通量を削減することで、振動の発生を低減できる。」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点検及び整備、環境負荷低減を意識した運転について、工事従事者への講習・指導を実施することに より、振動の発生の低減が見込まれる。」などとし、その検討の結果を明らかにしている。その上で、参加人は、②これに係る評価の結果として、別紙72の1⑵、2⑵、3⑵、4、5⑵、6⑵及び7⑵の表を示した上で、この「予測される振動レベル(中略)はあくまで工事期間中の最大の値であり、その値が観測されるのは工事中の限られた 期間にとどまる。」し、以上で述べた「 4、5⑵、6⑵及び7⑵の表を示した上で、この「予測される振動レベル(中略)はあくまで工事期間中の最大の値であり、その値が観測されるのは工事中の限られた 期間にとどまる。」し、以上で述べた「環境保全措置を確実に実施することから、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行による振動の環境影響について低減が図られているものと評価する。」とともに、基準又は目標との整合性の検討についてみても、いずれも「「振動規制法施行規則」による「道路交通振動の限度」並びに各地方公共団体に より定められている基準等を下回る。」ため、「基準又は目標との整 - 288 -合が図られていると評価」したものと認められる。 そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の低減が図られていることなどから、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのであり、その判断過程や 内容等をみても、それをもって、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 この点につき、原告らは、特定建設作業の規制に関する基準等で定める基準値(75dB以下)については、震度2の振動に相当するものであって、静ひつな生活環境を享受している地域に適用することは相当でないことや、仮にこれを用いるとしても、現況からどの程度変化することになるのかを考慮すべきことなどを問題としている。しか しながら、鉄道事業評価省令26条3 している地域に適用することは相当でないことや、仮にこれを用いるとしても、現況からどの程度変化することになるのかを考慮すべきことなどを問題としている。しか しながら、鉄道事業評価省令26条3号は、評価の手法につき、「国又は関係する地方公共団体が実施する環境の保全に関する施策によって、選定項目に係る環境要素に関して基準又は目標が示されている場合には、当該基準又は目標と調査及び予測の結果との間に整合が図られているかどうかを評価する手法であること」を掲げているところ (なお、環境アセスメント技術ガイドでも、「基準又は目標との整合性に係る評価」については、「国又は地方公共団体の「環境保全施策」のうち、環境基準が設定されている場合や環境基本計画・環境管理計画等において具体的な基準や目標が明らかにされている場合」に、「対象事業における環境保全措置等の取組が、国・地方公共団体が策 定した環境保全施策に沿ったものであるかどうかを評価するもの」と - 289 -されている(甲C環1、2)。)、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価において、「建設機械の稼働」による振動に係る基準又は目標とされた特定建設作業の規制に関する基準等が、上記の場合に該当することは明らかであるし、それに基づいて「基準又は目標との整合性に係る評価」がされたことに不相当とする理由は特段見当たらない ものといえる。また、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、この「基準又は目標との整合性に係る評価」だけでなく、鉄道事業評価省令26条1号に掲げる評価の手法(「事業者により実行可能な範囲内でできる限り回避され、又は低減されて」いるかを評価する手法)も選定されているところ、参加人は、この振動に係る「予測値は(中 略)あくまで工事期間中における最 (「事業者により実行可能な範囲内でできる限り回避され、又は低減されて」いるかを評価する手法)も選定されているところ、参加人は、この振動に係る「予測値は(中 略)あくまで工事期間中における最大の値であり、その値が観測されるのは工事中の限られた期間にとどまる。」上、「低振動型建設機械の採用」、「工事規模に合わせた建設機械の設定」、「建設機械の使用時における配慮」、「建設機械の点検・整備による性能維持」、「工事の平準化」、「工事従事者への講習・指導」等の「環境保全措 置を確実に実施することから、建設機械の稼働による振動の環境影響について低減が図られているものと評価」したというのであるし、その他にも、国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「工事用車両の運行及び建設機械の稼働、完成後における列車の走行に係る振動については、資料編に記載のとおり、車両の主要なルートのうち、予 測値と環境基準等の差が小さい地点や寄与度の高い地点、発生土運搬に伴う新たなルートの沿道の学校やまとまった住宅等が存在する地点や、列車の走行に係る振動の予測地点を基本に、モニタリングを実施します。その結果に応じて、必要に応じ適切な環境保全措置を実施します。」などとしたことも指摘することができる。このような事情に 鑑みると、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断し - 290 -た国交大臣の判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないものと考えられる。 そして、その他にるる主張する点をみても、以上で述べた当裁判所の判断に反するものであるか、あるいは、評価書等外の事実や本件認 定後の事実等を述べるもの又は法的な根拠や証拠に基づかずに独自の見解を述べ 、その他にるる主張する点をみても、以上で述べた当裁判所の判断に反するものであるか、あるいは、評価書等外の事実や本件認 定後の事実等を述べるもの又は法的な根拠や証拠に基づかずに独自の見解を述べるものであって、当該判断を左右しないものにとどまるから、いずれも採用の限りではないといえる。 f また、原告らは、神奈川県川崎市では、川崎市環境基本条例の規定に基づき、二酸化窒素について厳しい環境目標値を設定しているが、 参加人は、これによらずに大気の汚染に係る環境影響評価を実施しているし、同市の北部地域でぜん息のり患率が高いにもかかわらず、その現状が反映されていないことなどに鑑みても、周辺住民の個別的利益に対する適正な配慮を欠くものといえる旨なども主張している。 しかしながら、以上で認定したように、神奈川県川崎市では、川崎 市環境基本条例3条の2の規定による目標値として、二酸化窒素の「1時間値の1日平均値」が「0.02ppm以下」、浮遊粒子状物質の「1時間値の1日平均値」が「0.075mg/㎥以下」に設定されているものの、川崎市公害防止等生活環境の保全に関する条例6条1項の規定により、その達成に向けて講ずべき対策上の目標値が、 いずれも別紙59の表と同じ値に設定されていたことから、参加人は、これを基準又は目標としてその整合性を検討したものであるし、これを不相当とする理由は特段見当たらないものといえる。そして、参加人が、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「建設機械の稼働」等に係る大気の汚染、騒音、振動等を環境影響評価の項目 として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、 - 291 -その調査、予測及び評価の手法を選定するとともに、それに基づいて、こ 騒音、振動等を環境影響評価の項目 として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、 - 291 -その調査、予測及び評価の手法を選定するとともに、それに基づいて、これに係る環境影響評価を実施したと認められることは、以上で述べたとおりであり、その他に主張する点を踏まえて、本件全証拠を精査しても、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断した国交大臣の判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照 らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまでいうことはできないから、いずれも採用の限りではないと考えられる。 g さらに、原告らは、現況において既に騒音に係る環境基準等で定める基準値を上回っている地域については、本件事業による寄与が乏しいとされているが、現況において既に当該基準値を上回っていれば、 本件事業で騒音等がどれだけ生じても、何ら問題はないというに等しく、周辺住民の個別的利益に対する適正な配慮を欠くものといえる旨なども主張している。 しかしながら、確かに、原告らの問題とする「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」に係る騒音をみると、別紙67の表のとおり、 「現況で騒音に係る環境基準を超過している地点」が一部に存在するものの、①本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、「基準又は目標との整合性に係る評価」だけでなく、鉄道事業評価省令26条1号に掲げる評価の手法(「事業者により実行可能な範囲内でできる限り回避され、又は低減されて」いるかを評価する手法)も選定され た上で、これに係る環境保全措置として、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点検・整備による性能維持」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行計画の配慮」、「環境負荷低減を意識した運転の徹 た上で、これに係る環境保全措置として、「資材及び機械の運搬に用いる車両の点検・整備による性能維持」、「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行計画の配慮」、「環境負荷低減を意識した運転の徹底」、「工事の平準化」、「工事従事者への講習・指導」等が検討されていることや、②「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行」によ る寄与が小さいとはいえ、「既に環境基準を超過している地点につい - 292 -ては、道路管理者と連絡、調整を密に図り、更なる環境影響の低減に努める。」とされていることなどに鑑みると、現況において既に当該基準値を上回っていれば、本件事業で騒音等がどれだけ生じても、何ら問題がないとされていたとは認め難いものといえる。そして、本件全証拠を精査しても、これを認めるに足りる事情は見当たらないから、 この点に関する原告らの主張は、その前提を欠くものというべきである。 h そして、原告らは、愛知県名古屋市等において、夜間の工事の実施が予定されているところ、それに伴う騒音等によって周辺住民に生ずる被害については、特に慎重な配慮が必要と解されるにもかかわらず、 「昼間の予測結果よりも小さな値」とあるのみで、具体的な記載がされていない旨なども主張している。 しかしながら、以上で認定したように、愛知県に係る本件評価書には、「夜間における建設機械の稼働に伴う騒音及び振動の影響について、予測及び評価を行うこと。」、「特に夜間においては、騒音及び 振動の影響をより一層低減するよう努めること。」などを求める愛知県知事の意見に対する事業者の見解として、「トンネル及び地下駅の地下部分の工事については、地上との隔離が確保されており、地上の生活環境へ影響を及ぼさないことから、昼夜間の工事を考えて どを求める愛知県知事の意見に対する事業者の見解として、「トンネル及び地下駅の地下部分の工事については、地上との隔離が確保されており、地上の生活環境へ影響を及ぼさないことから、昼夜間の工事を考えています。 また、鉄道事業の特性上やむを得ない場合(現在の列車運行を確保し ながら工事を行う場合等)の夜間作業については、これまでの鉄道事業者としての同様の工事における経験に基づいて、必要により、事前に工事内容等を周知すること等により、円滑に実施していきます。なお、中村区名駅付近の工事範囲境界における夜間作業による騒音及び振動については、東海道新幹線高架橋を仮受けする杭施工時の騒音が 約76dB、東海道新幹線高架橋下の地盤改良施工時の振動が約60 - 293 -dBとなります。夜間作業については、第8章に記載した昼間の予測結果(騒音81dB、振動68dB)よりも小さな値となります。」、「住居等の近傍における工事の実施にあたっては、評価書第8章に記載した「工事の平準化」、「建設機械の使用時における配慮」及び「資材及び機械の運搬に用いる車両の運行計画の配慮」等の環境保全 措置を、夜間も含めて講じてまいります。」などと記載されているほか、「夜間作業については、地上に影響の出ないトンネル工事及び鉄道事業の特性上止むを得ない工事において実施することを考えています。今後も引き続き、事業の具体化にあたって環境に配慮した対応策を検討していきます。工事を行う地域の方々の生活に十分配慮すると ともに、工事の着手にあたっては工事説明会を開催し、ご理解、ご協力を頂きながら進めてまいります。また、工事中には測定を行い、地元の皆様へのお知らせの仕方についても検討してまいります。」などと記載されていることが認められる。そして、評価法や鉄道 し、ご理解、ご協力を頂きながら進めてまいります。また、工事中には測定を行い、地元の皆様へのお知らせの仕方についても検討してまいります。」などと記載されていることが認められる。そして、評価法や鉄道事業評価省令の規定等を精査しても、愛知県に係る本件評価書の記載を超えて、 予測条件や予測に用いた事項等の全てを網羅的に記載すべきとする法的な根拠は見当たらないし、それにより参加人において講ずべき環境保全措置がいかに異なり得るのかも明らかでないから、それをもって、原告らの主張を是認することはできないといえる。 なお、愛知県名古屋市では、「建設機械の稼働」等に係る二酸化窒 素及び浮遊粒子状物質について、別紙59の1の表に示す基準に加え、別紙59の3の表に示す基準との整合性の検討もされているところ、このうちの「建設機械の稼働」に係る二酸化窒素については、一部で同表に示す「名古屋市の大気汚染に係る環境目標値」を上回っていることが認められるが、別紙59の1の表に示す「環境基準値とは整合 が図られている」し、その値が観測されるのは工事中の限られた期間 - 294 -にとどまるほか、これに係る環境保全措置として、「排出ガス対策型建設機械の採用」、「工事規模に合わせた建設機械の設定」、「建設機械の使用時における配慮」、「建設機械の点検及び整備による性能維持」、「揮発性有機化合物の排出抑制」、「工事の平準化」、「工事従事者への講習・指導」等を確実に実施することから、その「環境 影響について低減が図られている」と評価されていることが認められる。このような事情を踏まえて、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断した国交大臣の判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが ていることが認められる。このような事情を踏まえて、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断した国交大臣の判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、本件全証拠を精査しても、裁量権の範囲を逸脱し又は これを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 そして、その他にるる主張する点をみても、以上で述べた当裁判所の判断に反するものであるか、あるいは、評価書等外の事実や本件認 定後の事実等を述べるもの又は法的な根拠や証拠に基づかずに独自の見解を述べるものであって、当該判断を左右しないものにとどまるから、いずれも採用の限りではないといえる。 i したがって、「建設機械の稼働」等による大気の汚染、騒音、振動等に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないもの といえる。 「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等による騒音等に関する点a この点につき、掲記の証拠又は弁論の全趣旨によれば、次の事実を認めることができる。なお、この認定に沿わない主張や証拠について は、いずれも採用の限りではないと考えられる。 - 295 -⒜ 参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」に係る騒音及び振動や「列車の走行(地下を走行する場合に限る。)」に係る振動が鉄道事業評価省令別表第1に掲げる参考項目とされているほか、これらに伴い「微気圧波が発生するおそれがあり、対象事業実施区域 及びその周囲に住居等が存在すること」などを踏まえ る。)」に係る振動が鉄道事業評価省令別表第1に掲げる参考項目とされているほか、これらに伴い「微気圧波が発生するおそれがあり、対象事業実施区域 及びその周囲に住居等が存在すること」などを踏まえ、この騒音等を神奈川県、山梨県、長野県及び岐阜県に係る環境影響評価の項目として選定するとともに、この振動、微気圧波等を東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る環境影響評価の項目として選定した。また、参加人は、「鉄道施設(駅、換気施設、変 電施設)の供用」に伴い「低周波音が発生するおそれがあり、対象事業実施区域及びその周囲に住居等が存在すること」などから、この低周波音等を東京都、神奈川県、岐阜県及び愛知県に係る環境影響評価の項目として選定した。(丙1の1(7-1頁以下等)、2の1(7-1-1頁以下等)、3の1(7-1頁以下等)、5の1 (7-1頁以下等)、6の1(7-1-1頁以下等)、7の1(7-1頁以下等))そして、参加人は、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定した上で、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要等を整理して、東京都、神奈川県、 山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書に記載することとした。(丙1の1(8-1-1-1頁以下等)、2の1(8-1-1-1頁以下等)、3の1(8-1-1-1頁以下等)、5の1(8-1-1-1頁以下等)、6の1(8-1-1-1頁以下等)、7の1(8-1-1-1頁以下等)) ⒝ このうちの「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」に係 - 296 -る騒音に関する神奈川県、山梨県、長野県及び岐阜県に係る本件評価書の記載事項等は、次のとおりである。 うちの「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」に係 - 296 -る騒音に関する神奈川県、山梨県、長野県及び岐阜県に係る本件評価書の記載事項等は、次のとおりである。 ⅰ まず、調査の手法をみると、神奈川県、山梨県、長野県及び岐阜県に係る本件評価書には、前記a⒞ⅰのとおりの記載がされている。(丙2の1(8-1-2-1頁以下等)、3の1(8- 1-2-1頁以下等)、5の1(8-1-2-1頁以下等)、6の1(8-1-2-1頁以下等))ⅱ また、予測の手法をみると、神奈川県、山梨県、長野県及び岐阜県に係る本件評価書には、①予測項目について、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)に係る騒音とした。」などと記載 され、②予測の基本的な手法について、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)に係る騒音は、山梨リニア実験線における事例の引用と解析により予測を行った。」などと記載され、③予測地域について、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)に係る騒音の影響を受けるおそれがあると認められる地域として、 調査地域と同様とした。」などと記載され、④予測地点について、「予測地域の内、住居等の分布状況と環境対策工の種類を考慮し、列車の走行(地下を走行する場合を除く。)に係る騒音の影響を適切に予測することができる場所として、(中略)市町の主な代表地点及び(中略)路線近傍の学校、病院等を設定した。市町の 主な代表地点については、環境対策工の種類を考慮したうえで、基本的には路線近傍で比較的住居の集積が高いと考えられる箇所を選定したが、別に選定した路線近傍の学校、病院等の位置も考慮し、地点が偏らないように配慮した。」、「予測高さは、いずれも地上から1.2mとした。」などと記載され、⑤ 居の集積が高いと考えられる箇所を選定したが、別に選定した路線近傍の学校、病院等の位置も考慮し、地点が偏らないように配慮した。」、「予測高さは、いずれも地上から1.2mとした。」などと記載され、⑤予測対象時 期等について、「列車の走行開始時期とした。」などと記載され、 - 297 -⑥予測条件の設定について、「高さ2.0mの防音壁の設置を基本とし、現在の土地利用状況に応じ、騒音対策上必要な場合は高さ3.5mの防音壁又は防音防災フード設置することを予測の前提とした。」などと記載されている。なお、その他にも、例えば、山梨県に係る本件評価書には、予測地点について、別紙73の表 のとおりとする旨などが記載されている。(丙2の1(8-1-2-59頁以下等)、3の1(8-1-2-61頁以下等)、5の1(8-1-2-48頁以下等)、6の1(8-1-2-58頁以下等))さらに、神奈川県、山梨県、長野県及び岐阜県に係る本件評価 書には、資料編において、①「防音壁区間」における「空力音」について、「山梨リニア実験線にて測定した3両編成の列車走行時の音源分布をもとに、(中略)16両編成の音源配置における各音源の音響パワーレベルを算出した。各音源を移動する点音源列であると考え(中略)、騒音の動特性(中略)を考慮した上で、 16両編成における評価点の騒音予測を行った。」などと記載され、②「防音壁区間」における「構造物音」について、「山梨リニア実験線にて測定した3両編成の列車走行時の桁振動加速度と放射効率をもとに、(中略)16両編成の音源配置における各音源の音響パワーレベルを算出した。各音源を移動する点音源列で あると考え(中略)、騒音の動特性(中略)を考慮した上で、16両編成における評価点の騒 に、(中略)16両編成の音源配置における各音源の音響パワーレベルを算出した。各音源を移動する点音源列で あると考え(中略)、騒音の動特性(中略)を考慮した上で、16両編成における評価点の騒音予測を行った。」などと記載され、③「防音防災フード設置区間」における「フード透過音」について、「山梨リニア実験線にて測定した4両編成の列車走行時の音源分布をもとに、(中略)16両編成の音源パターンを合成する (中略)。これをもとに、騒音の動特性(中略)を考慮して4両 - 298 -と16両の相対レベル差を求め、編成両数の補正を行った」などと記載され、④「防音防災フード設置区間」における「フード構造音・桁構造物音」について、「山梨リニア実験線にて測定した4両編成の列車走行時の音源分布」から「16両換算した振動波形をもとに騒音の動特性(中略)を考慮して振動レベルに変換し 4両と16両の相対レベル差を求め、編成両数の補正を行った。」などと記載されているほか、専門家等による技術的助言として、「列車の走行に係る騒音、振動、微気圧波等の影響の把握については、山梨リニア実験線における測定結果等を活用しており、妥当である。」などと記載されている。(丙2の1(7-3-1頁 等)、2の2(環2-11-1頁以下等)、3の1(7-51頁等)、3の2(環2-10-1頁以下等)、5の1(7-57頁等)、5の2(環2-10-1頁以下等)、6の1(7-3-1頁等)、6の2(環2-9-1頁以下等))ⅲ 次に、評価の手法をみると、神奈川県、山梨県、長野県及び岐 阜県に係る本件評価書には、回避又は低減に係る評価については、「事業者により実行可能な範囲内で低減がなされているか、見解を明らかにすることにより評価を行」い、基準又 県、山梨県、長野県及び岐 阜県に係る本件評価書には、回避又は低減に係る評価については、「事業者により実行可能な範囲内で低減がなされているか、見解を明らかにすることにより評価を行」い、基準又は目標との整合性の検討については、別紙74の表のとおりの「「新幹線鉄道騒音に係る環境基準について」との整合が図られているか検討を行 った。」などと記載されている。(丙2の1(8-1-2-75頁以下等)、3の1(8-1-2-88頁以下等)、5の1(8-1-2-65頁以下等)、6の1(8-1-2-75頁以下等))ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響 評価を実施し、その結果の概要を整理して、神奈川県、山梨県、 - 299 -長野県及び岐阜県に係る本件評価書に記載したものであるところ、①これに係る予測の結果は、別紙75の表のとおりである。また、これらの本件評価書には、②これに係る環境保全措置として、「防音壁、防音防災フードの設置」、「防音防災フードの目地の維持管理の徹底」、「桁間の目地の維持管理の徹底」、「防音壁 の改良」、「個別家屋対策」、「沿線の土地利用対策」を実施する旨などが記載されている(なお、その内容として、例えば、山梨県に係る本件評価書には、別紙76の表のとおりの記載がされている。)。そして、これらの本件評価書には、③これに係る評価の結果として、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。) による各地点の予測値は(中略)あくまでピーク値であり、その値が観測されるのは列車が走行する極めて短い時間にとどまる。 本事業では、これらの状況に加え、(中略)環境保全措置を確実に実施することから、列車の走行(地下を走行する場合を除く。)に係る騒音の環境影響について低減が図られ が走行する極めて短い時間にとどまる。 本事業では、これらの状況に加え、(中略)環境保全措置を確実に実施することから、列車の走行(地下を走行する場合を除く。)に係る騒音の環境影響について低減が図られていると評価す る。」、「評価の指標となる(中略)「新幹線鉄道騒音に係る環境基準」は、新幹線鉄道騒音による被害を防止するための音源対策、障害防止対策(個別家屋対策)、土地利用対策等の各種施策を総合的に推進するに際しての行政上の目標となるべきものとされている。また、「新幹線鉄道騒音対策要綱」(中略)において も、音源対策、障害防止対策、沿線地域の土地利用対策等の対策実施を強力に推進するものとされている。生活環境の保全に配慮すべき住居等が多く存在している集落の区域や病院等の保全施設が近くにあるところにおいては、音源対策として防音防災フードを設置することを基本に考えており、結果として、地上区間の多 くの部分において、この考え方により防音防災フードを設置する - 300 -ことを想定している。しかしながらその一方で、景観上からは、防音防災フードの景観への影響や日常的な視点場における圧迫感をできる限り低減する必要があるとともに、観光振興の観点等からも走行するリニア車両を一定の区間見えるようにしてほしい、との地元自治体からの要請もあるという現状がある。走行するリ ニア車両の騒音を音源対策として抑制するためには、防音防災フードのように隙間のない構造とする必要があるが、透明材でフードを構成することは技術的に極めて困難であり、現時点においてはコンクリート製のフードとする必要がある。一方で、走行するリニア車両を見えるようにするためには、防音防災フードではな く、防音壁とする必要がある。これにより、防音防災フードによ 点においてはコンクリート製のフードとする必要がある。一方で、走行するリニア車両を見えるようにするためには、防音防災フードではな く、防音壁とする必要がある。これにより、防音防災フードによる景観への影響や日常的な視点場における圧迫感を低減することにもつながる。したがって、連続した防音壁区間を確保するため、新幹線鉄道騒音から通常の生活を保全する必要がある箇所に該当しない、河川部、農用地、工業専用地域となっている区間の他、 これらに挟まれた比較的家屋の少ない区間についても防音壁とすることを想定している。仮に、こうした場所について類型指定がなされる場合、Ⅱ類型であったとしても防音壁という音源対策だけでは基準を達成することができないため、新幹線計画と整合した開発の抑制や公共施設(道路、公園、緑地等)の配置といった 土地利用対策を関係機関に要請していくが、それらの対策によっても環境基準が達成できない場合には、障害防止対策(個別家屋対策)を実施することにより、環境基準が達成された場合と同等の屋内環境を保持して、基準との整合を図っていく。これらの点を踏まえて、音源対策としての環境対策工の配置については、関 係機関による土地利用対策の考え方も勘案し、現状の住居等の分 - 301 -布状況や土地利用の状況に基づいて、県および沿線市町と協議して決定し、計画の進捗に合わせて今後各段階で実施する説明会等の場で住民の皆様に説明し、ご理解を深めて頂く考えである。また、土地利用対策については、昭和50年に環境庁大気保全局長から各都道府県の知事に通知された環大特第100号において、 「新幹線鉄道沿線地域を含む土地利用計画を決定し、又は変更しようとする場合は、この基準の維持達成に資するよう配慮すること」とされていることか 道府県の知事に通知された環大特第100号において、 「新幹線鉄道沿線地域を含む土地利用計画を決定し、又は変更しようとする場合は、この基準の維持達成に資するよう配慮すること」とされていることから、工事期間中や供用後を含め、この趣旨に沿った取扱いが継続して進められるよう、関係機関に協力を要請していく。完成後は、環境対策工の配置を踏まえて測定地点 を選定し、騒音測定を行う。その結果、環境基準との整合が図られていない場合には、原因を究明のうえ、必要な環境保全措置を講じていく。」などと記載されている。(丙2の1(8-1-2-1頁以下等)、3の1(8-1-2-1頁以下等)、5の1(8-1-2-1頁以下等)、6の1(8-1-2-1頁以下 等))ⅴ また、東京都に係る本件評価書には、「開閉設備の設置に伴う非常口付近における騒音低減効果について、図などを用い分かりやすく説明すること。」などを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「開閉設備とは、列車が通過する前に自動 的にフラップを閉じて、空気(音)の流れを遮断することにより、騒音を低減するものです。(中略)内容をわかりやすくご理解いただけるよう、本評価書資料編に開閉設備の配置や、開閉設備のイメージ等を追記しました。準備書資料編においてもすでに記載のとおり、騒音低減効果については、山梨リニア実験線(中略) において試験装置を設置して計測を行い、約10dB騒音が低減 - 302 -されることを確認しているところです。」などと記載されており、資料編においても、これに沿う記載がされている。(丙1の1(6-3-6頁以下等)、1の2(環2-10-1頁以下等))ⅵ さらに、山梨県に係る本件評価書には、「平成25年8月から、 資料編においても、これに沿う記載がされている。(丙1の1(6-3-6頁以下等)、1の2(環2-10-1頁以下等))ⅵ さらに、山梨県に係る本件評価書には、「平成25年8月から、営業線仕様の最新車両(L0系)が試験走行を開始していること から、これまでの試験車両での測定結果等が最新車両にも適用可能であるかどうかについて検証し、騒音、振動及び低周波音の発生状況の違い等について、測定値(中略)に主眼を置いた資料を作成し評価書に記載すること。」などを求める山梨県知事の意見に対する事業者の見解として、「L0系車両による騒音、振動及 び微気圧波の測定結果は、資料編に記載したとおり、これまでの試験車両における測定結果と同程度であり、これまでの試験車両での測定結果が適用可能であることを確認しています。」などと記載されており、資料編においても、7両編成の「L0系車両における500km/h走行時の騒音測定結果を(中略)同様の手 法にて長大編成への換算を行った。その結果、予測値と概ね同程度の騒音レベルとなっている。」などと記載されている。(丙3の1(6-3-22頁等)、3の2(環2-13-1頁等))また、山梨県に係る本件評価書には、「リニア走行時に発生する騒音は、水平方向よりも上方向において、より大きくなる特性 がある。準備書においてこの特性をどのように反映して予測したか、評価書に記載すること。」などを求める山梨県知事の意見に対する事業者の見解として、「リニア走行時の騒音については、準備書の第8章に記載のとおり、走行試験の結果から点音源を設定し、空力音については騒音源より下部が路盤であるため半自由 空間として扱った上で距離減衰を算定して予測を行い、実測結果 - 303 - に記載のとおり、走行試験の結果から点音源を設定し、空力音については騒音源より下部が路盤であるため半自由 空間として扱った上で距離減衰を算定して予測を行い、実測結果 - 303 -からその妥当性を確認しています。なお、山梨県内で環境対策工として防音壁を想定している区間については、施工基面と同等あるいはそれ以上の高さとなる近傍の土地に、まとまった住居が存在する箇所はありません。」などと記載されている。(丙3の1(6-3-23頁等)) その他にも、山梨県に係る本件評価書には、「予測地点における予測結果を示す等音線図を作成すること。」などを求める山梨県知事の意見に対する事業者の見解として、「列車の走行に係る騒音について、準備書においては各地点における予測結果をガイドウェイ中心からの距離、鉄道施設、高架橋高さ、都市計画区域 指定状況、環境対策工とともに表形式で取りまとめて第8章に示していました。評価書においては、これに加え、よりわかりやすくなるように、第8章の予測地点図に予測値を記入してお示しするとともに、図上の計画路線に直角方向にガイドウェイ中心からの距離に応じた目盛りをつけた補助線を加え、目盛り毎に予測値 を記載した図を作成し、資料編に記載しました。」などと記載されており、資料編においても、それに沿う記載がされている。 (丙3の1(6-3-27頁等)、3の2(環2-7-1頁以下))ⅶ 加えて、愛知県に係る本件評価書には、「リニア特有の項目 (列車走行に伴う振動、微気圧波、磁界)及び換気施設の供用に係る項目(騒音、振動、低周波音)については、山梨リニア実験線の走行試験結果やそれを基にした解析結果、既存の換気装置における実測値やそれを基にした解析結果等から予測し 波、磁界)及び換気施設の供用に係る項目(騒音、振動、低周波音)については、山梨リニア実験線の走行試験結果やそれを基にした解析結果、既存の換気装置における実測値やそれを基にした解析結果等から予測し、記載しております。騒音、振動、微気圧波、磁界の環境対策については、 国土交通省の実用技術評価委員会において、営業線に向けて必要 - 304 -な技術が確立しているとの評価を受けています。」などと記載されている。(丙7の1(6-2-39頁等))ⅷ そして、本件評価書には、「供用後における列車の走行に係る騒音等についてモニタリングを実施するとともに、その結果に応じて、適切な環境保全措置を講じること。」、「列車走行に伴う 騒音について、環境基準の類型指定後の環境保全措置の検討に際しては、より一層の影響の低減を検討するよう、沿線の状況を踏まえた予測及び評価を行い、音源対策を基本として、適切な環境保全措置を講じることにより、環境基準の達成を図ること。」、「供用時における高速化等の走行条件等の変更がある場合は、騒 音に係る影響について調査、予測及び評価を行い、適切な環境保全措置を講じること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、「工事用車両の運行及び建設機械の稼働、完成後における列車の走行に係る騒音については、資料編に記載のとおり、(中略)列車の走行に係る騒音の予測地点を基本に、環 境対策工の配置状況を考慮した地点においてモニタリングを実施します。その結果に応じて、必要に応じ適切な環境保全措置を実施します。」、「音源対策としての環境対策工の配置については、関係機関による土地利用対策の考え方も勘案し、現状の住居等の分布状況や土地利用の状況に基づいて、県および沿線市町と協議 措置を実施します。」、「音源対策としての環境対策工の配置については、関係機関による土地利用対策の考え方も勘案し、現状の住居等の分布状況や土地利用の状況に基づいて、県および沿線市町と協議 して決定し、計画の進捗に合わせて今後各段階で実施する説明会等の場で住民の皆様に説明し、ご理解を深めて頂く考えです。 (中略)完成後は、環境対策工の配置を踏まえて測定地点を選定し、騒音測定を行います。その結果、環境基準との整合が図られていない場合には、原因を究明のうえ、必要な環境保全措置を講 じていきます。こうした考え方については、第8章にも記載いた - 305 -しました。」、「供用前において、本評価書における予測の前提条件から、供用時における高速化等の走行条件等の変更を計画する場合は、列車の走行に係る騒音の影響について調査、予測及び評価を行い、必要に応じ適切な環境保全措置を実施します。」などと記載されている。(丙2の1(13-20頁以下等)、3の 1(13-20頁以下等)、5の1(13-20頁以下等)、6の1(13-20頁以下等))⒞ また、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等に係る振動に関する東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書の記載事項等は、次のとおりである。 ⅰ まず、調査の手法をみると、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、前記a⒟ⅰのとおりの記載がされている。(丙1の1(8-1-3-1頁以下等)、2の1(8-1-3-1頁以下等)、3の1(8-1-3-1頁以下等)、5の1(8-1-3-1頁以下等)、6の1 (8-1-3-1頁以下等)、7の1(8-1-3-1頁以下等))ⅱ ま 8-1-3-1頁以下等)、3の1(8-1-3-1頁以下等)、5の1(8-1-3-1頁以下等)、6の1 (8-1-3-1頁以下等)、7の1(8-1-3-1頁以下等))ⅱ また、予測の手法をみると、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、①予測項目について、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等に係る 「振動とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)に係る振動」や「列車の走行(地下を走行する場合に限る。)に係る、トンネルの土被りが小さい場所における振動」は「山梨リニア実験線における事例の引用と解析により予測を行った。」などと記載され、 ③予測地域について、「列車の走行(地下を走行する場合を除 - 306 -く。)」等に係る「振動の影響を受けるおそれがあると認められる地域として、調査地域と同様とした。」などと記載され、④予測地点について、「予測地域の内、住居等の分布状況を考慮し」、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等に係る「振動の影響を適切に予測することができる地点として」、「市町の主 な代表地点及び(中略)路線近傍の学校、病院」や「トンネル中心線から線路直角方向10km以内に住居等が存在し、かつ土被りが小さい地点」に「設定した。」、「予測高さは、地表面とした。」などと記載され、⑤予測対象時期等について、「列車の走行開始時期とした。」などと記載され、⑥予測条件の設定につい て、「走行形態」を「車輪走行、浮上走行」、「列車長(編成両数)」を「396m(16両)」、「列車速度」を「0~500km/h」又は「70~500km/h」に「設定した。」などと記載されている。なお、その 行形態」を「車輪走行、浮上走行」、「列車長(編成両数)」を「396m(16両)」、「列車速度」を「0~500km/h」又は「70~500km/h」に「設定した。」などと記載されている。なお、その他にも、例えば、山梨県に係る本件評価書には、予測地点について、別紙77の表のとおりとする 旨などが記載されている。(丙1の1(8-1-3-38頁以下等)、2の1(8-1-3-53頁以下等)、3の1(8-1-3-59頁以下等)、5の1(8-1-3-44頁以下等)、6の1(8-1-3-53頁以下等)、7の1(8-1-3-50頁以下等)) さらに、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、資料編において、「山梨リニア実験線にて測定した4両の地盤振動加速度波形をもとに、16両相当分繰り返した場合の地盤振動加速度波形を作成した。その地盤振動加速度波形から振動の動特性を考慮して振動レベルに変換し4両 と16両の相対レベル差を求め、編成量数の補正を行った」など - 307 -と記載されているほか、専門家等による技術的助言として、「列車の走行に係る騒音、振動、微気圧波等の影響の把握については、山梨リニア実験線における測定結果等を活用しており、妥当である。」などと記載されている。(丙1の1(7-44頁等)、1の2(環3-7-1頁等)、2の1(7-3-1頁等)、2の2 (環3-8-1頁等)、3の1(7-51頁等)、3の2(環3-7-1頁等)、5の1(7-57頁等)、5の2(環3-7-1頁等)、6の1(7-3-1頁等)、6の2(環3-7-1頁等)、7の1(7-43頁等)、7の2(環3-7-1頁等))ⅲ 次に、評価の手法をみると、東京都、神奈川県、山梨県、長野 1頁等)、6の1(7-3-1頁等)、6の2(環3-7-1頁等)、7の1(7-43頁等)、7の2(環3-7-1頁等))ⅲ 次に、評価の手法をみると、東京都、神奈川県、山梨県、長野 県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、回避又は低減に係る評価については、「事業者により実行可能な範囲内で低減がなされているか、見解を明らかにすることにより評価を行」い、基準又は目標との整合性の検討については、「「環境保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について(勧告)」に示された基準値 との整合が図られているか検討を行った。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-3-43頁等)、2の1(8-1-3-62頁等)、3の1(8-1-3-76頁等)、5の1(8-1-3-54頁等)、6の1(8-1-3-62頁等)、7の1(8-1-3-56頁等)) ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書に記載したものであるところ、これらの本件評価書には、①これに係る環境保全措置として、「桁支承部の維持管理の徹底」、「ガイドウェ イの維持管理の徹底」等を実施する旨などが記載されている(な - 308 -お、その内容として、例えば、山梨県に係る本件評価書には、別紙78の表のとおりの記載がされている。)。そして、これらの本件評価書には、②これに係る評価の結果として、別紙79の表を示した上で、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等による「各地点の予測値は(中略)あくまでピーク値であり、 その値が観測されるのは列車が走行する極めて短い時間にとどまる。本事業では、これらの状況に 列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等による「各地点の予測値は(中略)あくまでピーク値であり、 その値が観測されるのは列車が走行する極めて短い時間にとどまる。本事業では、これらの状況に加え、(中略)環境保全措置を確実に実施することから、(中略)振動の環境影響について低減が図られていると評価する。」、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等に係る「振動の評価結果は(中略)、「環境 保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について(勧告)」に示された基準値を下回っている。よって、基準又は目標との整合が図られていると評価する。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-3-1頁以下等)、2の1(8-1-3-1頁以下等)、3の1(8-1-3-1頁以下等)、5の1(8-1-3 -1頁以下等)、6の1(8-1-3-1頁以下等)、7の1(8-1-3-1頁以下等))ⅴ また、東京都に係る本件評価書には、「環境対策型換気施設等の性能劣化や維持管理によっては、基準値又は目標値を超える可能性も否定できないことから、ある程度の不確実性も考慮した上 で、振動に係る事後調査を実施し、振動による影響の程度の把握に努めること。」などを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「鉄道施設の供用後の保守管理については、東海道新幹線をはじめとする、当社のこれまでの実績やノウハウに基づき、保守区や沿線の環境保全に関する窓口を設置するなどの体 制を構築して実施してまいります。鉄道施設の供用直前において - 309 -は試験運転など実施し、供用後の保守点検・整備などに必要な振動などのデータは事業者として当然把握いたします。都条例に基づく事後調査については、こうしたデータを活用するなどして実施してま 09 -は試験運転など実施し、供用後の保守点検・整備などに必要な振動などのデータは事業者として当然把握いたします。都条例に基づく事後調査については、こうしたデータを活用するなどして実施してまいります。」などと記載されている。(丙1の1(6-3-8頁等)) ⅵ さらに、山梨県に係る本件評価書には、7両編成の「L0系車両における70~500km/h走行時の振動測定結果」が「評価書に記載している測定結果(中略)と概ね同程度かそれ以下の振動レベルとなっている。」などと記載されている。(丙3の2(環3-9-1頁等)) ⅶ 加えて、愛知県に係る本件評価書には、「予測に用いた山梨リニア実験線の測定値は「粘土質砂礫」「有機質並びに砂混じりシルト」といった地盤であり、かつ表層も軟弱な箇所(N値5程度)におけるデータです。一般的に軟弱地盤の方が強固な地盤と比較すると、通常は振動は大きくなります。本準備書では、軟弱な箇 所での実測値をもとに予測をしていることや、予測地点はそれよりも距離・土被りがあることなどを踏まえれば、影響は小さいと考えます。」などと記載されている。(丙7の1(6-2-73頁等))ⅷ そして、本件評価書には、「供用後における列車の走行に伴う 振動についてモニタリングを実施するとともに、その結果に応じて、適切な環境保全措置を講じること。」、「供用時における高速化等の走行条件等の変更がある場合は、振動に係る影響について調査、予測及び評価を行い、適切な環境保全措置を講じること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、 「完成後における列車の走行に係る振動については、資料編に記 - 310 -載のとおり、(中略)列車の走行に係る振 ること。」などを求める国交大臣の意見に対する事業者の対応として、 「完成後における列車の走行に係る振動については、資料編に記 - 310 -載のとおり、(中略)列車の走行に係る振動の予測地点を基本に、モニタリングを実施します。その結果に応じて、必要に応じ適切な環境保全措置を実施します。」、「供用前において、本評価書における予測の前提条件から、供用時における高速化等の走行条件等の変更を計画する場合は、列車の走行に係る振動の影響につ いて調査、予測及び評価を行い、必要に応じ適切な環境保全措置を実施します。」などと記載されている。(丙1の1(13-23頁等)、2の1(13-23頁等)、3の1(13-23頁等)、5の1(13-23頁等)、6の1(13-23頁等)、7の1(13-23頁等)) ⒟ さらに、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等に係る微気圧波に関する東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書の記載事項等は、次のとおりである。 ⅰ まず、調査の手法をみると、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、①調査すべき項目 について、「土地利用の状況及び地形の状況とした。」などと記載され、②調査の基本的な手法について、「文献調査により、土地利用及び地形関連の文献、資料を収集し、整理した。また、文献調査の補完及び現況把握のため、現地踏査を行った。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周 囲の内、トンネル及び防音防災フードの出入口、非常口(都市部、山岳部)及び地下駅付近を対象に、列車の走行に係る微気圧波の影響を受けるおそれがあると認められる住居等が存在する地域とした。」などと記載さ の内、トンネル及び防音防災フードの出入口、非常口(都市部、山岳部)及び地下駅付近を対象に、列車の走行に係る微気圧波の影響を受けるおそれがあると認められる住居等が存在する地域とした。」などと記載されている。なお、その他にも、例えば、山梨県に係る本件評価書には、「事業特性及び地域特性を踏まえ、 調査の手法については、他事例を参考に一般的に広く用いられて - 311 -いる手法を選定した。」、「調査地域、調査地点は、予測すべき範囲を見込んだうえで、その地域の状況を把握できる地点として、影響範囲や保全の対象と考えられる住居等から選定しており、十分であると考えています。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-4-1頁以下等)、2の1(8-1-4-1頁以下 等)、3の1(6-2-51頁、7-31頁、8-1-4-1頁以下等)、5の1(8-1-4-1頁以下等)、6の1(8-1-4-1頁以下等)、7の1(8-1-4-1頁以下等))ⅱ また、予測の手法をみると、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、①予測項目につい て、「列車の走行」に伴って「トンネル及び防音防災フードの出入口」や「非常口(都市部、山岳部)及び地下駅」から「発生する微気圧波とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、別紙80の図を示した上で、「列車の走行に係るトンネル及び防音防災フード出入口から発生する微気圧波は、トンネル 及び防音防災フードの出入口へ緩衝工を設置した上で、山梨リニア実験線における事例の引用と既存の新幹線の予測手法を参考に、図8-1-4-1に示すフローに基づく解析(中略)により予測を行った。」、「列車の走行に係る非常口(都市部、山岳部)及び地下駅から発生する微気圧波 おける事例の引用と既存の新幹線の予測手法を参考に、図8-1-4-1に示すフローに基づく解析(中略)により予測を行った。」、「列車の走行に係る非常口(都市部、山岳部)及び地下駅から発生する微気圧波は、非常口(都市部、山岳部)及 び地下駅の換気設備の換気口付近へ多孔板を設置した上で、図8-1-4-2に示す、数値計算と模型試験(中略)により予測を行った。」などと記載され、③予測地域について、「列車の走行」に伴って「トンネル及び防音防災フードの出入口」や「非常口(都市部、山岳部)及び地下駅」から「発生する微気圧波の影響 を受けるおそれがあると認められる地域として、調査地域と同様 - 312 -とした。」などと記載され、④予測地点について、「トンネル及び防音防災フードの出入口」から発生する微気圧波に係る「予測地点には、(中略)緩衝工端部中心からの主な距離を設定し」、「20m地点は、微気圧波の基準値である「坑口中心から20m地点で原則50Pa以下」との整合性の検討を行うため、50m、 80mは段階的に微気圧波が小さくなることを示すため予測を実施した。」、「非常口」等から発生する微気圧波に係る「予測地点には、(中略)非常口(都市部、山岳部)中心又は地下駅の換気設備中心から主な距離を設定し」、「20m地点は、微気圧波の基準値である「坑口中心から20m地点で原則50Pa以下」 との整合性の検討を行うため、50mは段階的に微気圧波が小さくなることを示すため予測を実施した。」などと記載され、⑤予測対象時期等について、「列車の走行開始時期とした。」などと記載され、⑥予測条件の設定について、「走行形態」を「浮上走行」、「列車長(編成両数)」を「396m(16両)」、「列 車速度」を「500km/h」に「設定した。 走行開始時期とした。」などと記載され、⑥予測条件の設定について、「走行形態」を「浮上走行」、「列車長(編成両数)」を「396m(16両)」、「列 車速度」を「500km/h」に「設定した。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-4-2頁以下等)、2の1(8-1-4-4頁以下等)、3の1(8-1-4-5頁以下等)、5の1(8-1-4-4頁以下等)、6の1(8-1-4-3頁以下等)、7の1(8-1-4-3頁以下等)) さらに、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、資料編において、「微気圧波の予測については、列車のトンネル突入で生じる圧縮波を予測する「突入予測」、その圧縮波の伝播過程を予測する「伝播予測」、伝播した圧縮波が反対側の坑口や非常口から放射される圧縮波を予測す る「放出予測」の各過程に区分して行った。」、「突入予測とは、 - 313 -列車のトンネル突入に坑口周辺で生じる圧縮波を求めるものである。本予測によりトンネル坑内で生じる突入波を求め、伝播解析の初期値として用いる。基礎方程式としては、3次元の質量保存則、運動量保存則、エネルギー保存則によって記述される。」、「列車のトンネル突入によって生じた圧縮波は出口に向かって音 速で伝播する。伝播解析では、1次元圧縮性流体を対象とする1次元波動伝播解析を採用した。1次元波動伝播解析の基礎方程式は、(中略)断面内で一様と仮定した一次元の質量保存則、運動量保存則、エネルギー保存則で記述される。」、「放出予測とは、トンネル突入によって坑内で生じた突入波が伝播して出口まで達 した際、パルス状に放射される圧力波を予測するものである。なお、「トンネル出口」から放射される圧力波は数値解析により予 予測とは、トンネル突入によって坑内で生じた突入波が伝播して出口まで達 した際、パルス状に放射される圧力波を予測するものである。なお、「トンネル出口」から放射される圧力波は数値解析により予測を行い、「非常口」から放射される圧力波は模型試験により予測を行った。」、「山梨リニア実験線のトンネル出口及び模擬立坑(非常口を模擬した実験設備)における500km/h走行時 の実測値と、同一条件における予測値を比較すると(中略)、予測精度は確保されている。」などと記載されているほか、専門家等による技術的助言として、「列車の走行に係る騒音、振動、微気圧波等の影響の把握については、山梨リニア実験線における測定結果等を活用しており、妥当である。」などと記載されている。 (丙1の1(7-44頁等)、1の2(環4-2-1頁以下等)、2の1(7-3-1頁等)、2の2(環4-2-1頁以下等)、3の1(7-51頁等)、3の2(環4-2-1頁以下等)、5の1(7-57頁等)、5の2(環4-2-1頁以下等)、6の1(7-3-1頁等)、6の2(環4-2-1頁以下等)、7の 1(7-43頁等)、7の2(環4-2-1頁以下等)) - 314 -ⅲ 次に、評価の手法をみると、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、回避又は低減に係る評価については、「事業の実施による影響が、事業者により実行可能な範囲内で回避又は低減されているかについて、見解を明らかにすることにより評価を行」い、基準又は目標との整合性の 検討については、「「トンネル坑口緩衝工の設置基準(案)」(中略)に示された基準値との整合が図られているか検討を行った。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-4-5頁等)、2の1 性の 検討については、「「トンネル坑口緩衝工の設置基準(案)」(中略)に示された基準値との整合が図られているか検討を行った。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-4-5頁等)、2の1(8-1-4-7頁等)、3の1(8-1-4-8頁等)、5の1(8-1-4-7頁等)、6の1(8-1-4- 6頁等)、7の1(8-1-4-7頁等))なお、例えば、山梨県に係る本件評価書には、「国又は地方公共団体による環境保全の観点からの施策による基準又は目標が定められていないため、整備新幹線の目安値である「トンネル坑口緩衝工の設置基準(案)」に示された基準値との整合が図られて いるかを検討する。」などと記載されている。(丙3の1(7-31頁等))また、このトンネル坑口緩衝工の設置基準は、「破裂音対策」や「建具等の振動対策」等を考慮した上で、その基準値を圧力(Pa)の数値により定めたものとされており、評価委員会にお いても、「超電導リニアの列車の走行に伴い発生する微気圧波」については、「新幹線の微気圧波の物理特性と差異はないことから、整備新幹線における目安値である「トンネル坑口緩衝工の設置基準(案)」(中略)を適用する。」のが相当とされている。 (丙47、48) ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響 - 315 -評価を実施し、その結果の概要を整理して、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書に記載したものであるところ、これらの本件評価書には、①これに係る環境保全措置として、「トンネル及び防音防災フード出入口から発生する微気圧波」につき、「緩衝工の設置」、「緩衝工の維持管理」 等を実施し、「非常口 るところ、これらの本件評価書には、①これに係る環境保全措置として、「トンネル及び防音防災フード出入口から発生する微気圧波」につき、「緩衝工の設置」、「緩衝工の維持管理」 等を実施し、「非常口(都市部、山岳部)及び地下駅から発生する微気圧波」につき、「多孔板の設置」、「多孔板の維持管理」、「緩衝工の設置」、「緩衝工の維持管理」等を実施する旨などが記載されている(なお、その内容として、例えば、神奈川県に係る本件評価書には、別紙81の表のとおりの記載がされてい る。)。そして、これらの本件評価書には、②これに係る評価の結果として、別紙82の表を示した上で、「本事業では、「緩衝工の設置」及び「緩衝工の維持管理」の環境保全措置を確実に実施することから、トンネル及び防音防災フード出入口から発生する微気圧波による環境影響の低減が図られていると評価する。」、 「列車の走行に係るトンネル及び防音防災フードの出入口から発生する微気圧波の評価結果を表8-1-4-8に示す。これにより、緩衝工端部中心から20mの距離においては50Pa以下である。また、緩衝工端部中心から80mの距離においては最大でも20Paを下回ることから、今後、路線近傍の住居分布等の周 辺環境に留意し、トンネルの配置に応じて適切な位置に緩衝工を設置し、必要な延長を確保することにより、基準値との整合が図られることを確認した。また、環境対策工の具体的な設置位置を決める際には、可能な限り80m以内に民家が存在しないよう検討する。また、80m以内に民家が存在する場合などはトンネル 等の出入り口に設置する緩衝工延長を評価書で予測した150m - 316 -から延ばすなどの対策を行い基準との整合が図られるよう検討していく。」、「本事業では、「多孔板の設置」 ル 等の出入り口に設置する緩衝工延長を評価書で予測した150m - 316 -から延ばすなどの対策を行い基準との整合が図られるよう検討していく。」、「本事業では、「多孔板の設置」、「多孔板の維持管理」、「緩衝工の設置」及び「緩衝工の維持管理」の環境保全措置を確実に実施することから、列車の走行に係る非常口(都市部、山岳部)及び地下駅から発生する微気圧波による環境影響の 低減が図られていると評価する。」、「列車の走行に係る非常口(都市部、山岳部)及び地下駅から発生する微気圧波の評価結果を表8-1-4-15に示す。これにより、非常口(都市部、山岳部)中心及び地下駅の換気設備の換気口中心から20mの位置においてはすべての予測地点において20Pa以下である。なお、 非常口(都市部、山岳部)及び地下駅の換気設備の設置に当たっては、できる限り住居等が非常口(都市部、山岳部)中心及び地下駅の換気設備の換気口中心から20m以内に存在しないように計画し、20m以内に住居が存在する場合にも適切な延長の多孔板及び緩衝工を設置することにより、基準値との整合が図られる ことを確認した。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-4-1頁以下等)、2の1(8-1-4-1頁以下等)、3の1(8-1-4-1頁以下等)、5の1(8-1-4-1頁以下等)、6の1(8-1-4-1頁以下等)、7の1(8-1-4-1頁以下等)) ⅴ また、東京都に係る本件評価書には、「予測の妥当性について具体的に説明すること。」、「放出予測については、多孔板の有無による予測結果及び実測値との比較検証を行い、予測精度が十分確保されていることを確認すること。」などを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「予測手法は「列車 測については、多孔板の有無による予測結果及び実測値との比較検証を行い、予測精度が十分確保されていることを確認すること。」などを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「予測手法は「列車の空 気力学的特性およびトンネル微気圧波低減対策法に関する研究」 - 317 -(中略)に示されているように、公知に確立されたものを用いており、予測精度は十分に確保されていると考えます。」、「都市部の非常口には多孔板の設置を考えており、山梨リニア実験線の模擬立坑においても、多孔板を設置しない状態での微気圧波の測定実績はありません。予測・評価は多孔板の設置を前提に行って います。予測精度に関しては資料編に記載したとおり十分に確保されています。」などと記載されているほか、資料編において、「山梨リニア実験線のトンネル出口及び模擬立坑(非常口を模擬した実験設備)における500km/h走行時の実測値と、同一条件における予測値を比較すると(中略)、予測精度は確保され ている。」、「過去に新幹線のトンネル出口において測定されたデータ」上、「無対策時のデータと緩衝工設置後のデータの比較を実施しており、緩衝工設置により微気圧波最大値が低減している。(中略)山梨リニア実験線においても、緩衝工を設置することで微気圧波を低減できることを確認している。また、試験的に 入口緩衝工の延長を約3倍にした場合、微気圧波が約5割低減できることを確認していることからも、緩衝工を延長することで微気圧波を低減できると考える。」、「多孔板(20m)の設置により非常口出口における微気圧波は約1/2に低減可能であり、基準値を満足することがわかっている。また、山梨実験線にて多 孔板延長を調整することにより微気圧波の大きさを小さくできることを確認 より非常口出口における微気圧波は約1/2に低減可能であり、基準値を満足することがわかっている。また、山梨実験線にて多 孔板延長を調整することにより微気圧波の大きさを小さくできることを確認している。」などと記載されている(丙1の1(6-3-8頁等)、1の2(環4-2-3頁、環4-3-1頁以下等))さらに、東京都に係る本件評価書には、「非常口から放出され る圧力波の予測において、一方向のみの列車運行を想定し、微気 - 318 -圧波の放出予測を行っているが、実際の運行では、上り方向と下り方向の二方向の列車が走行することにより、圧縮波が非常口付近で同時に伝播し、両者の圧縮波が合成され大きくなるおそれもあることから、二方向の列車運行を想定した場合の予測の必要性について検討するとともに、必要に応じて予測・評価の見直しを 行うこと。」などを求める東京都知事の意見に対する事業者の見解として、「東京都内の非常口から発生する微気圧波については、上り方向列車が相模川左岸からトンネルに突入する際の圧縮波によってのみ発生し、下り方向の列車は地下のターミナル駅から出発するため、圧縮波が発生することはありません。」などと記載 されている。(丙1の1(6-3-9頁等))ⅵ 加えて、山梨県に係る本件評価書には、「L0系車両における500km/h走行時の微気圧波測定結果(中略)は、トンネル出口から20m地点で約23Paであり、基準値(坑口中心から20m地点で原則50Pa以下)に収まっている。」などと記載 されている。(丙3の2(環4-6-1頁等))また、山梨県に係る本件評価書には、「微気圧波については、技術審議会の要請に基づき周波数特性と音圧レベルに変換した値で 記載 されている。(丙3の2(環4-6-1頁等))また、山梨県に係る本件評価書には、「微気圧波については、技術審議会の要請に基づき周波数特性と音圧レベルに変換した値で影響の程度を検討し、検討の経緯及び結果を評価書に追加記載すること。」などを求める山梨県知事の意見に対する事業者の見 解として、「微気圧波については、パルス状の圧力波であり、継続時間が極めて短いことも勘案して騒音レベルであるdB表示とするより圧力レベルであるPa表示とすることが適切とされ、これまで鉄道建設における一般的な方法として、Pa表示で測定や対策が進められてきたことから、今回の予測及び評価もPa表示 で実施しました。」などと記載されているほか、資料編において、 - 319 -「緩衝工設置目安値の、「坑口中心から20m地点で50Pa」については、「鉄道技術研究報告トンネル出口微気圧波の研究(小沢)(1979.7)」において、「山陽新幹線トンネルにおいては、20m地点のPmaxが10kg/㎡(100Pa)程度以上になると空気圧音の発生がみられる」と報告されており、 これに予測精度や現象のばらつきなどを考慮して50Pa以下と設定されている。また、「民家近傍で20Pa」については、国鉄時代からの経験により、このレベルが目安値として設定され、新幹線建設が進められてきており、これまで実用上の問題は発生していない。超電導リニアについても、列車速度に関係なく上記 基準を満たすことにより「建具のガタつき」、「破裂音の発生」を防止できると考えられるため、上記緩衝工設置の目安を用いることは妥当と判断した。」などと記載されている。(丙3の1(6-3-35頁等)、3の2(環4-4-1頁等))ⅶ さらに、岐阜 防止できると考えられるため、上記緩衝工設置の目安を用いることは妥当と判断した。」などと記載されている。(丙3の1(6-3-35頁等)、3の2(環4-4-1頁等))ⅶ さらに、岐阜県に係る本件評価書には、「列車走行に係る微気 圧波については、緩衝工、多孔板の設置及びその適正な維持管理を、換気施設の稼働に係る低周波音については、環境対策型換気設備の採用、消音設備・多孔板の設置等を環境保全措置としているが、それぞれの実効性を確認するために、供用後においてモニタリングを実施すること。」などを求める岐阜県知事の意見に対 する事業者の見解として、「資料編に記載のとおり、列車の走行に係る微気圧波及び換気施設の稼働に係る低周波音については、供用後の環境管理を適切に行うことを目的に、事業者の自主的な取組みとして、完成後の測定を実施し、結果を公表します。」などと記載されている。(丙6の1(6-3-7頁等)) ⅷ そして、愛知県に係る本件評価書には、「列車の走行に伴う微 - 320 -気圧波に起因する騒音及び低周波音の影響について、山梨リニア実験線における実験データを用いて、圧力値だけでなく音圧レベルにより、適切に調査、予測及び評価を行うこと。」などを求める愛知県知事の意見に対する事業者の見解として、「微気圧波はパルス状の圧力波であり、継続時間が極めて短いことも勘案して 騒音レベルであるdB表示とするより圧力レベルであるPa表示とすることが適切とされ、これまで他の新幹線鉄道においてもPa表示で測定や対策が進められています。また、資料編(中略)には、山梨リニア実験線における実験データを追記しました。なお、微気圧波に起因する騒音については、トンネル(延長約4k m)坑口20m地点に 測定や対策が進められています。また、資料編(中略)には、山梨リニア実験線における実験データを追記しました。なお、微気圧波に起因する騒音については、トンネル(延長約4k m)坑口20m地点において微気圧波が実測値約35Paの時に、騒音の実測値は約52dBと暗騒音(49dB)とほとんど変わらない値となっております。この測定結果より、微気圧波に起因する音を推定すると約49dBとなります。(中略)継続時間が短く、エネルギーとしては小さいことから、環境への影響は小さ く予測は必要ないと考えています。また、微気圧波の圧力波は極めて微小(中略)であるとともに、低周波成分を多く含むため、普通の騒音計による測定は不正確であり、高感度で低周波領域の感度特性の良い圧力計が使用されています。このことから、当社は微気圧波における評価はPa表示にて実施することが妥当と考 えております。低周波音については社会的に関心が高まりつつあることは当社としても十分に承知しております。移動音源の低周波音に関する基準等が定められる場合は、その内容を踏まえしっかりと対応していく考えです。」などと記載されている。(丙7の1(6-3-8頁等)) また、愛知県に係る本件評価書には、「列車の走行に伴う(中 - 321 -略)振動、微気圧波(中略)の予測及び評価に当たっては、タイヤ走行、すれ違い時等、走行状況に応じてきめ細かく条件を設定すること。」などを求める愛知県知事の意見に対する事業者の見解として、「列車の走行に伴う振動の影響は、評価書第8章に記載のとおり、車輪走行と浮上走行の条件を設定し、予測・評価し ました。また、準備書第8章に記載のとおり、列車の走行に伴う微気圧波については、影響が最も大きい浮上走行時について予 価書第8章に記載のとおり、車輪走行と浮上走行の条件を設定し、予測・評価し ました。また、準備書第8章に記載のとおり、列車の走行に伴う微気圧波については、影響が最も大きい浮上走行時について予測・評価を行いました。なお、列車のすれ違いにより、特別なことが起こることはありません。」などと記載されている。(丙7の1(6-3-9頁等)) ⒠ そして、「鉄道施設(駅、換気施設、変電施設)の供用」に係る低周波音に関する東京都、神奈川県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書の記載事項等は、次のとおりである。 ⅰ まず、調査の手法をみると、東京都、神奈川県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、①調査すべき項目について、「土地 利用の状況及び地形の状況とした。」などと記載され、②調査の基本的な手法について、「文献調査により、地形図、都市計画図、住宅地図及び航空写真等の資料を収集し、整理した。また、文献調査の補完及び現況把握のため、現地踏査を行った。また、現地踏査に当たっては、文献調査により把握した地域について、必要 に応じて写真等により現況の記録を行った。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内、換気施設を対象に鉄道施設(換気施設)の供用に係る低周波音の影響を受けるおそれがあると認められる地域とした。」などと記載されている。なお、その他にも、例えば、神奈川県に係る本件評 価書には、「事業特性及び地域特性を踏まえ、調査・予測及び評 - 322 -価の手法については、他事例を参考に一般的に広く用いられている手法を選定した。」、「調査地域、調査地点は、予測すべき範囲を見込んだうえで、その地域の状況を把握できる地点として影響範囲や保全の対象と考えられる住居 ては、他事例を参考に一般的に広く用いられている手法を選定した。」、「調査地域、調査地点は、予測すべき範囲を見込んだうえで、その地域の状況を把握できる地点として影響範囲や保全の対象と考えられる住居等から選定しており、十分であると考えています。」などと記載されている。(丙1の1 (8-1-5-1頁以下等)、2の1(6-2-75頁、7-2-11頁、8-1-5-1頁以下等)、6の1(8-1-5-1頁以下等)、7の1(8-1-5-1頁以下等))ⅱ また、予測の手法をみると、東京都、神奈川県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、①予測項目について、「鉄道施設 (換気施設)の供用に係る低周波音とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、「換気装置のパワーレベルを推定し、消音装置(消音設備、多孔板)による減音量及び一般的な音の伝播による距離減衰を考慮して、換気施設からの低周波音圧レベルを求めることにより予測を行った。」などと記載され、③ 予測地域について、「鉄道施設(換気施設)の供用に係る低周波音の影響を受けるおそれがあると認められる地域として、調査地域と同様とした。」などと記載され、④予測地点について、「予測地域の内、住居等の分布状況を考慮し、「鉄道施設(換気施設)の供用に係る低周波音の影響を適切に予測することができる地点 を設定した。予測位置は、換気口中心から20m及び50mとした。予測高さは、地上1.2mとした。」などと記載され、⑤予測対象時期等について、「鉄道施設(換気施設)の供用が定常状態となる時期とした。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-5-3頁以下等)、2の1(8-1-5-3頁以下等)、 6の1(8-1-5-2頁以下等)、7の1(8-1-5-3頁 - 態となる時期とした。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-5-3頁以下等)、2の1(8-1-5-3頁以下等)、 6の1(8-1-5-2頁以下等)、7の1(8-1-5-3頁 - 323 -以下等))ⅲ 次に、評価の手法をみると、東京都、神奈川県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、回避又は低減に係る評価については、「事業の実施による影響が、事業者により実行可能な範囲内で回避又は低減されているか否かについて見解を明らかにすることに より評価を行」い、基準又は目標との整合性の検討については、別紙83の表又は図を示した上で、「鉄道施設(換気施設)の供用に係る低周波音は、国又は地方公共団体による環境保全の観点からの施策による基準又は目標が定められていないため、表8-1-5-11に示す参考値を目標として整合が図られているかを 検討した。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-5-10頁以下等)、2の1(8-1-5-10頁以下等)、6の1(8-1-5-9頁以下等)、7の1(8-1-5-12頁以下等))なお、東京都、神奈川県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書 には、専門家等による技術的助言として、「換気施設の低周波の評価にあたっては、「低周波音に対する感覚と評価に関する基礎研究」(中略)における感覚実験結果、ISO-7196の感覚閾値、「低周波音の測定方法に関するマニュアル」(中略)における建具のがたつきの閾値曲線等を参考にすると良い。」などと 記載されている。(丙1の1(7-44頁等)、2の1(7-3-1頁等)、6の1(7-3-1頁等)、7の1(7-43頁以下等))ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施 丙1の1(7-44頁等)、2の1(7-3-1頁等)、6の1(7-3-1頁等)、7の1(7-43頁以下等))ⅳ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、東京都、神奈川県、 岐阜県及び愛知県に係る本件評価書に記載したものであるところ、 - 324 -これらの本件評価書には、①これに係る環境保全措置として、「環境対策型換気施設の採用」、「消音装置の設置」、「換気施設の点検・整備による性能維持」等を実施する旨などが記載されている(なお、その内容として、例えば、神奈川県に係る本件評価書には、別紙84の表のとおりの記載がされている。)。そし て、これらの本件評価書には、②これに係る評価の結果として、この「環境保全措置を確実に実施することから、鉄道施設(換気施設)の供用により発生する低周波音に係る環境影響の低減が図られていると評価する。」、「換気施設の予測結果と閾値との関係(中略)から、換気施設の1~80Hzまでの周波数帯(1~ 20HzのG特性でのオーバーオール値を含む)においても、低周波音による影響は生じないと考えられる。以上より、鉄道施設(換気施設)の供用に係る低周波音は、目標との整合が図られていると評価する。」などと記載されている。(丙1の1(8-1-5-1頁以下等)、2の1(8-1-5-1頁以下等)、6の 1(8-1-5-1頁以下等)、7の1(8-1-5-1頁以下等))なお、長野県では、「切土工等又は既存の工作物の除去」等に伴う発破に係る低周波音も環境影響評価の対象とされているところ、これに係る本件評価書には、その低周波音に係る評価の結果 として、「切土工等又は既存の工作物の除去並びに工事施工ヤー 除去」等に伴う発破に係る低周波音も環境影響評価の対象とされているところ、これに係る本件評価書には、その低周波音に係る評価の結果 として、「切土工等又は既存の工作物の除去並びに工事施工ヤード及び工事用道路の設置においては、路線、駅位置の絞り込みや工事計画を具体化した結果、工事の実施に際し地表面における発破を使用する可能性が極めて低いうえ、仮に使用する場合でも住居等の位置及び状況を考慮し、それらの周辺では使用しないこと から、低周波音の影響は生じないと予測する。したがって、本事 - 325 -業では、切土工等又は既存の工作物の除去並びに工事施工ヤード及び工事用道路の設置に伴う発破により発生する低周波音に係る環境影響について、回避又は低減が図られていると評価する。」、「本事業では、「適切な火薬量による発破方法の採用」、「防音扉の設置」、「機械掘削工法の採用」及び「発破を行う時間帯の 制限」の環境保全措置を確実に実施することから、トンネルの工事に伴う発破により発生する低周波音に係る環境影響の回避又は低減が図られていると評価する。」などと記載されている。(丙5の1(8-1-5-1頁以下等))ⅴ また、神奈川県に係る本件評価書には、「換気施設内の換気設 備の稼働による低周波音について、消音装置の設置等を前提とし、過去事例等を参考にして予測を行い、ISO等を用いて設定した参考値以下となることを確認しております。」などと記載されている。(丙2の1(6-2-101頁等))ⅵ なお、山梨県に係る本件評価書には、「列車の走行に伴う低周 波音について(中略)事業実施後のモニタリングを行い、発生状況、環境保全措置の必要性及び内容を検討し、検討の経緯及び結果を事業実施中及び事業後の に係る本件評価書には、「列車の走行に伴う低周 波音について(中略)事業実施後のモニタリングを行い、発生状況、環境保全措置の必要性及び内容を検討し、検討の経緯及び結果を事業実施中及び事業後の手続において明らかにする旨を評価書に記載すること。」などを求める山梨県知事の意見に対する事業者の見解として、「列車走行時の低周波音について、評価項目 としての選定は行いませんでしたが、供用開始後の状況については確認を行っていきます。」などと記載されている。(丙3の1(6-3-36頁等))また、山梨県に係る本件評価書には、「列車走行に伴う低周波音」について、「低周波音とは、人間が音として聞こえる(低周 波音)と、聞こえない(超低周波音)の2種類があり、ISO7 - 326 -196では、100Hz以下の音を低周波音、20Hz以下の音を超低周波音と定義し、それぞれを区別している。」、「20Hz以上の音については、列車走行に伴う騒音に含めて予測及び評価を行っている。」、「一方、超低周波音については、高架橋等の構造物が振動して発生するものと、超電導リニアが防音壁区間 を高速で走行する際の空力的な圧力変動によって発生するものがある。」、「前者については、浮上走行により振動が少ないこと、乗り心地等を考慮して(中略)道路橋より厳しいたわみ制限を設け、高い剛性をもち振動しにくい構造としていることから影響はない。」、「後者については、これまで一般的な地上走行区間で の苦情は発生していない。低周波音の評価については、列車の様な移動する音源に対しての定量的な指標がないこと、また、圧力変動の継続時間が短いものであることから、微気圧波の基準値であるPa表示の圧力レベルで比較した。山梨リニア実験線における防音 は、列車の様な移動する音源に対しての定量的な指標がないこと、また、圧力変動の継続時間が短いものであることから、微気圧波の基準値であるPa表示の圧力レベルで比較した。山梨リニア実験線における防音防災フード設置区間での圧力変動の測定値は、(中略)5 0m離れで1Pa以下、防音壁設置区間での測定値は50m離れで約12Pa程度である。これは、建物のガタつきに関する目安値である「トンネル坑口緩衝工の設置基準(案)」(中略)の、「民家近傍で微気圧波のピーク値が20Pa以上」を下回っており、沿線への影響は小さい。」、「なお、万が一、列車走行によ り線路近傍の民家において建具のガタつきが発生した場合、列車走行との因果関係を把握し、必要に応じ適切な対応を行う。」などと記載されている。(丙3の2(環5-1-1頁以下等))⒡ 国交大臣は、以上で述べた点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内 でその影響の低減が図られていることなどから、環境の保全につい - 327 -ての適正な配慮がなされるものと判断した。 b⒜ このように、参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、鉄道事業評価省令別表第1に掲げる参考項目を勘案しつつ、環境要素に及ぼす影響の重大性等を踏まえて、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等に係る騒音、振動、微気圧波、 低周波音等を環境影響評価の項目として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定するなどしたことが認められる。また、以上で認定したように、参加人は、その選定した手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、本件評価書に記 、予測及び評価の手法を選定するなどしたことが認められる。また、以上で認定したように、参加人は、その選定した手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、本件評価書に記載した ものであるし、環境影響評価の手続で述べられた意見も勘案して、それを踏まえた対応をしていたことなども指摘することができる。 そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の低減が図られていることなどから、環境の保全について の適正な配慮がなされるものと判断したというのであり、その判断過程や内容等をみても、当該判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた 上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 ⒝ なお、参加人による調査、予測及び評価の手法の選定等のうち、例えば、低周波音についてみると、以上で認定したように、参加人は、調査の基本的な手法として、「文献調査により、地形図、都市 計画図、住宅地図及び航空写真等の資料を収集し、整理」するとと - 328 -もに、「文献調査の補完及び現況把握のため、現地踏査を行」うという手法を選定したものであることが認められる。鉄道事業評価省令24条1項2号において、調査の基本的な手法につき、「国又は関係する地方公共団体が有する文献その他の資料の入手、専門家等からの科学的知見の聴取、現地調査その他の方法により調査すべき 情報を収集し、その結果を整理し、及び解析する手法」と規定されてい は関係する地方公共団体が有する文献その他の資料の入手、専門家等からの科学的知見の聴取、現地調査その他の方法により調査すべき 情報を収集し、その結果を整理し、及び解析する手法」と規定されていることなどに鑑みると、参加人の選定した調査の基本的な手法は、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則したものということができる。 また、参加人は、調査地域を「対象事業実施区域及びその周囲の 内、換気施設を対象に鉄道施設(換気施設)の供用に係る低周波音の影響を受けるおそれがあると認められる地域」に設定しているところ、これは、鉄道事業評価省令24条1項3号において、調査地域につき、「対象鉄道建設等事業の実施により選定項目に関する環境要素に係る環境影響を受けるおそれがある地域又は土地の形状が 変更される区域及びその周辺の区域その他の調査に適切な範囲であると認められる地域」と規定されていることなどを踏まえたものと考えられるし、本件評価書にも、「調査地域、調査地点は、予測すべき範囲を見込んだうえで、その地域の状況を把握できる地点として影響範囲や保全の対象と考えられる住居等から選定しており、十 分であると考えています。」などと記載されていることが認められる。 加えて、参加人は、予測の基本的な手法について、「換気装置のパワーレベルを推定し、消音装置(消音設備、多孔板)による減音量及び一般的な音の伝播による距離減衰を考慮して、換気施設から の低周波音圧レベルを求めることにより予測を行」うという手法を - 329 -選定している。これは、鉄道事業評価省令25条1項1号において、予測の基本的な手法につき、「環境の状況の変化又は環境への負荷の量を、理論に基づく計算、模型による実験、事例の引用又は - 329 -選定している。これは、鉄道事業評価省令25条1項1号において、予測の基本的な手法につき、「環境の状況の変化又は環境への負荷の量を、理論に基づく計算、模型による実験、事例の引用又は解析その他の手法により、定量的に把握する手法」と規定されていることなどを踏まえたものと考えられるし、本件評価書にも、「事業特 性及び地域特性を踏まえ、調査・予測及び評価の手法については、他事例を参考に一般的に広く用いられている手法を選定した。」などと記載されていることが認められる。 そして、参加人の選定した評価の手法については、鉄道事業評価省令26条1号から4号までに掲げる事項に留意して選定されたも のと認められるし、その他に、本件全証拠を精査しても、以上で述べた低周波音に限らず、参加人による調査、予測及び評価の手法の選定等が評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則したものでなかったとする事情は見当たらないものといえる。 c これに対し、原告らは、「列車の走行(地下を走行する場合を除 く。)」による騒音について、①防音壁の設置等を前提とする予測値が新幹線鉄道騒音に係る環境基準で定める基準値を上回る地点が複数存在するとされているし、そもそも、この予測値は計算上のものにとどまるから、実際に生ずる騒音がこれを上回る可能性も否定し難く、予測高さを地上1.2mのみとしている点にも問題があると考えられ る旨、②山梨実験線は、4両編成の列車を用いた走行実験をするものにとどまるが、それにより生ずる騒音が新幹線鉄道騒音に係る環境基準で定める基準値を上回る地域が複数存在していることからも、参加人の対応が不十分であることは明らかといえる旨、③山梨県知事から、被害範囲を明確にするため、等音線図等を作成するよう求めら に係る環境基準で定める基準値を上回る地域が複数存在していることからも、参加人の対応が不十分であることは明らかといえる旨、③山梨県知事から、被害範囲を明確にするため、等音線図等を作成するよう求められてい たが、参加人において、これが作成されず、どの範囲の周辺住民に対 - 330 -してどの程度の被害が生ずるのかなどの点を適切に判断することができないし、高い地点に高騒音が及びやすいという性質を無視して、沿線地域よりも低い地点を予測地点に設定している点にも問題があるといえる旨などを主張している。 しかしながら、参加人が、本件認可(その1)に先立つ環境影響評 価に当たり、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等に係る騒音、振動、微気圧波、低周波音等を環境影響評価の項目として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定するとともに、それに基づいて、これに係る環境影響評価を実施したことは、以上で述べたとおりであるし、原 告らの主張する点を踏まえて、本件全証拠を精査しても、これを覆すに足りる事情は見当たらないものといえる。 そして、原告らの問題とする「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」に係る騒音をみると、参加人は、鉄道事業評価省令29条の規定に則して、①これに係る環境保全措置として、「防音壁、防音 防災フードの設置」、「防音防災フードの目地の維持管理の徹底」、「桁間の目地の維持管理の徹底」、「防音壁の改良」、「個別家屋対策」、「沿線の土地利用対策」等を検討して、別紙76の表のとおり、「騒音対策が必要な区間へ防音壁又は防音防災フードを設置することにより遮音され、騒音を低減できる。」、「防音防災フード間目地の 取り付け 線の土地利用対策」等を検討して、別紙76の表のとおり、「騒音対策が必要な区間へ防音壁又は防音防災フードを設置することにより遮音され、騒音を低減できる。」、「防音防災フード間目地の 取り付けボルトの緩みや目地材の腐食の有無等の検査を行い、検査結果をもとに必要に応じて、取り付けボルトの増締めや目地材の交換を行うことにより、その性能を維持することで、騒音を低減できる。」、「桁間目地の目地材の腐食や亀裂の有無、取り付け状況の確認等の検査を行い、検査結果をもとに必要に応じて、目地材の交換等を行うこ とにより、その性能を維持することで、騒音を低減できる。」、「防 - 331 -音壁の嵩上げ又は防音壁に吸音機能を備えることで、騒音を低減できる。」、「対象となる家屋の所有者と調整したうえで、防音型アルミサッシへの取換や防振パッキングといった家屋の防音工事等を行うことにより、騒音の影響を低減できる。」、「新幹線計画と整合した開発の抑制や公共施設(道路、公園、緑地等)の配置等の土地利用対策 を推進することで、鉄道施設との距離を確保することにより、住居等における騒音を低減できる。」などとし、その検討の結果を明らかにしている。その上で、参加人は、②これに係る評価の結果として、一部で現況値に対する寄与率が高くなっているものの、「各地点の予測値は(中略)あくまでピーク値であり、その値が観測されるのは列車 が走行する極めて短い時間にとどまる。」し、以上で述べた「環境保全措置を確実に実施することから、列車の走行(地下を走行する場合を除く。)に係る騒音の環境影響について低減が図られていると評価」している。また、参加人は、「住居等が多く存在している集落の区域や病院等の保全施設が近くにあるところにおいては、音源対策として 防音 。)に係る騒音の環境影響について低減が図られていると評価」している。また、参加人は、「住居等が多く存在している集落の区域や病院等の保全施設が近くにあるところにおいては、音源対策として 防音防災フードを設置することを基本」とする一方で、「地元自治体からの要請」等に鑑み、「河川部、農用地、工業専用地域となっている区間の他、これらに挟まれた比較的家屋の少ない区間」については、防音壁を設置することとしつつ、「新幹線計画と整合した開発の抑制や公共施設(道路、公園、緑地等)の配置といった土地利用対策を関 係機関に要請し」、仮に「それらの対策によっても環境基準が達成できない場合には、障害防止対策(個別家屋対策)を実施することにより、環境基準が達成された場合と同等の屋内環境を保持して、基準との整合を図っていく。」としたものであるし、その他にも、「完成後は、環境対策工の配置を踏まえて測定地点を選定し、騒音測定を行」 い、「その結果、環境基準との整合が図られていない場合には、原因 - 332 -を究明のうえ、必要な環境保全措置を講じていく。」としたことなども認められる。そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の低減が図られていることなどから、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのであり、そ の判断過程や内容等をみても、それをもって、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 はいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 この点につき、原告らは、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価における予測値は計算上のものにとどまることなどを問題にしているが、以上で認定したように、参加人は、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」に係る騒音について、「山梨リニア実験線における事例の引用と解析により予測を行」うという手法を選定した上で、 ①「防音壁区間」における「空力音」については、「山梨リニア実験線にて測定した3両編成の列車走行時の音源分布をもとに、(中略)16両編成の音源配置における各音源の音響パワーレベルを算出した。 各音源を移動する点音源列であると考え(中略)、騒音の動特性(中略)を考慮した上で、16両編成における評価点の騒音予測を行っ た。」とし、②「防音壁区間」における「構造物音」については、「山梨リニア実験線にて測定した3両編成の列車走行時の桁振動加速度と放射効率をもとに、(中略)16両編成の音源配置における各音源の音響パワーレベルを算出した。各音源を移動する点音源列であると考え(中略)、騒音の動特性(中略)を考慮した上で、16両編成 における評価点の騒音予測を行った。」とし、③「防音防災フード設 - 333 -置区間」における「フード透過音」については、「山梨リニア実験線にて測定した4両編成の列車走行時の音源分布をもとに、(中略)16両編成の音源パターンを合成する(中略)。これをもとに、騒音の動特性(中略)を考慮して4両と16両の相対レベル差を求め、編成両数の補正を行った」とし、④「防音防災フード設置区間」に に、(中略)16両編成の音源パターンを合成する(中略)。これをもとに、騒音の動特性(中略)を考慮して4両と16両の相対レベル差を求め、編成両数の補正を行った」とし、④「防音防災フード設置区間」における 「フード構造音・桁構造物音」については、「山梨リニア実験線にて測定した4両編成の列車走行時の音源分布」から「16両換算した振動波形をもとに騒音の動特性(中略)を考慮して振動レベルに変換し4両と16両の相対レベル差を求め、編成両数の補正を行った。」としたことなどが認められる。これは、鉄道事業評価省令25条1項1 号において、予測の基本的な手法につき、「環境の状況の変化又は環境への負荷の量を、理論に基づく計算、模型による実験、事例の引用又は解析その他の手法により、定量的に把握する手法」と規定されているほか、鉄道事業評価省令別表第2の「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」に係る騒音の項目において、予測の基本的な手法 の参考手法として、「音の伝搬理論に基づく予測式による計算」が掲げられていることなどを踏まえたものと考えられるし、専門家等による技術的助言においても、「列車の走行に係る騒音、振動、微気圧波等の影響の把握については、山梨リニア実験線における測定結果等を活用しており、妥当である。」などとされていたというのであるから、 その手法について明らかに合理性を欠くなどということはできないと解される。 また、原告らは、予測地点や予測高さの設定が適切でないことなどを問題にしているが、以上で認定したように、参加人は、「予測地域の内、住居等の分布状況と環境対策工の種類を考慮し、列車の走行 (地下を走行する場合を除く。)に係る騒音の影響を適切に予測する - 334 -ことができる場所として 人は、「予測地域の内、住居等の分布状況と環境対策工の種類を考慮し、列車の走行 (地下を走行する場合を除く。)に係る騒音の影響を適切に予測する - 334 -ことができる場所として、(中略)市町の主な代表地点及び(中略)路線近傍の学校、病院等を設定した。市町の主な代表地点については、環境対策工の種類を考慮したうえで、基本的には路線近傍で比較的住居の集積が高いと考えられる箇所を選定したが、別に選定した路線近傍の学校、病院等の位置も考慮し、地点が偏らないように配慮し た。」、「予測高さは、いずれも地上から1.2mとした。」などとしていることが認められる。これは、鉄道事業評価省令25条1項3号において、予測地点につき、「選定項目の特性に応じて保全すべき対象の状況を踏まえ、地域を代表する地点、特に環境影響を受けるおそれがある地点、保全すべき対象への環境影響を的確に把握できる地点 その他の予測に適切かつ効果的な地点」と規定されているほか、鉄道事業評価省令別表第2の「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」に係る騒音の項目において、予測地点の参考手法として、「音の伝搬の特性を踏まえて予測地域における騒音に係る環境影響を的確に把握できる地点」が掲げられていることなどを踏まえたものと 考えられるし、山梨県に係る本件評価書を例にみても、「リニア走行時に発生する騒音は、水平方向よりも上方向において、より大きくなる特性がある。準備書においてこの特性をどのように反映して予測したか、評価書に記載すること。」などを求める山梨県知事の意見に対する事業者の見解として、「リニア走行時の騒音については、準備書 の第8章に記載のとおり、走行試験の結果から点音源を設定し、空力音については騒音源より下部が路盤であるため半自由空間と 意見に対する事業者の見解として、「リニア走行時の騒音については、準備書 の第8章に記載のとおり、走行試験の結果から点音源を設定し、空力音については騒音源より下部が路盤であるため半自由空間として扱った上で距離減衰を算定して予測を行い、実測結果からその妥当性を確認しています。なお、山梨県内で環境対策工として防音壁を想定している区間については、施工基面と同等あるいはそれ以上の高さとなる 近傍の土地に、まとまった住居が存在する箇所はありません。」など - 335 -と記載されていることが認められる。そして、「予測高さ」を「地上から1.2m」に設定した点についても、①評価法上の調査及び予測は評価法上の評価のために行われるものと解されること、②参加人が評価の手法として選定した「基準又は目標との整合性に係る評価」では、「対象事業における環境保全措置等の取組が、国・地方公共団体 が策定した環境保全施策に沿ったものであるかどうかを評価するもの」とされていること(甲C環1、2)、②参加人がその基準又は目標とした新幹線鉄道騒音に係る環境基準では、「屋外において原則として地上1.2メートルの高さで行うもの」とされていることなどに鑑みると(丙45)、この点をもって、直ちに不合理なところがあるとま ではいえないものと考えられる。 加えて、原告らは、防音壁の設置等を前提とする予測値が新幹線鉄道騒音に係る環境基準で定める基準値を上回る地点が複数存在することや、山梨実験線における騒音が新幹線鉄道騒音に係る環境基準で定める基準値を上回る地域が複数存在していることなども問題にしてい る。この点につき、新幹線鉄道騒音に係る環境基準は、地域の類型ごとに基準値を定めつつ、これを当てはめる具体的な地域は、都道府県知事に 準値を上回る地域が複数存在していることなども問題にしてい る。この点につき、新幹線鉄道騒音に係る環境基準は、地域の類型ごとに基準値を定めつつ、これを当てはめる具体的な地域は、都道府県知事において指定すべきものとしているが(丙45)、中央新幹線では、その指定がされていなかったため、これを直ちに適用することはできないといえる。また、仮に「Ⅰ類型」ないし「Ⅱ類型」の地域と しての指定がされた場合を想定すると(なお、「Ⅱ類型」である「商工業の用に供される地域等Ⅰ以外の地域であって通常の生活を保全する必要がある地域」にも該当しない場合には、新幹線鉄道騒音に係る環境基準は適用されないことになる。)、確かに、「防音壁区間」において、その基準値(70dBないし75dB)を上回る予測値が認 められることになるため、これを軽視することはできないというべき - 336 -であるが、他方で、①環境基準は、人の健康等を維持するための最低限度としてではなく、より積極的に維持されることが望ましい行政上の政策目標として定められたものであって、環境基本法上も、「維持されることが望ましい基準」とされるにとどまること、②新幹線鉄道騒音に係る環境基準も、屋外でその達成が困難な場合もあり得ること を想定して、「新幹線鉄道騒音の防止施策を総合的に講じても当該達成目標期間で環境基準を達成することが困難と考えられる区域においては、家屋の防音工事等を行うことにより環境基準が達成された場合と同等の屋内環境が保持されるようにする」としていること(丙45)、③参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当た り、「住居等が多く存在している集落の区域や病院等の保全施設が近くにあるところにおいては、音源対策として防音防災フードを設置することを 参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当た り、「住居等が多く存在している集落の区域や病院等の保全施設が近くにあるところにおいては、音源対策として防音防災フードを設置することを基本」としており、原告らの問題とする「防音壁区間」は、「新幹線鉄道騒音から通常の生活を保全する必要がある箇所に該当しない、河川部、農用地、工業専用地域となっている区間の他、これら に挟まれた比較的家屋の少ない区間」で想定されるにとどまること、④「防音壁区間」における予測では、防音壁の高さが「3.5m」に仮定されるなどしているが、その施工に当たっては、別紙76の表のとおり、その嵩上げを含む「防音壁の改良」等の検討をするものとされていること、⑤その他にも、これに係る環境保全措置として、「新 幹線計画と整合した開発の抑制や公共施設(道路、公園、緑地等)の配置といった土地利用対策を関係機関に要請し」、さらに、結果的に「それらの対策によっても環境基準が達成できない場合には、障害防止対策(個別家屋対策)を実施する」とされていること、⑥国交大臣の意見に対する事業者の対応をみても、「列車の走行に係る騒音の予 測地点を基本に、環境対策工の配置状況を考慮した地点においてモニ - 337 -タリングを実施します。その結果に応じて、必要に応じ適切な環境保全措置を実施します。」とされていることなどが認められる。このような事情に鑑みると、「防音壁区間」における予測値を軽視することはできないものの、これを殊更重視しなければ、明らかに合理性を欠くことになるとまでは認められないし、国交大臣において、このよう な事情を踏まえ、全体としてみて、事業者により実行可能な範囲内でその影響の低減が図られており、環境の保全についての適正な配慮がなされる になるとまでは認められないし、国交大臣において、このよう な事情を踏まえ、全体としてみて、事業者により実行可能な範囲内でその影響の低減が図られており、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したことをもって、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないものと考えられる。そして、その他にるる主張する点をみても、 評価書等外の事実や本件認定後の事実等を述べるものにとどまるから、当該判断が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものと認めることはできないといえる。 さらに、山梨県に係る本件評価書によれば、原告らの主張するように、山梨県知事において、「予測地点における予測結果を示す等音線 図を作成すること。」などを求める意見をしていたことが認められるが、他方で、当該意見に対する事業者の見解として、「列車の走行に係る騒音について、準備書においては各地点における予測結果をガイドウェイ中心からの距離、鉄道施設、高架橋高さ、都市計画区域指定状況、環境対策工とともに表形式で取りまとめて第8章に示していま した。評価書においては、これに加え、よりわかりやすくなるように、第8章の予測地点図に予測値を記入してお示しするとともに、図上の計画路線に直角方向にガイドウェイ中心からの距離に応じた目盛りをつけた補助線を加え、目盛り毎に予測値を記載した図を作成し、資料編に記載しました。」などと記載され、資料編においても、それに沿 う記載がされていることからすると、事業者により実行可能な範囲内 - 338 -での対応はされているものと考えられるし、本件全証拠を精査しても、この点に明らかに合理性を欠くなどとする事情まではうかがえないものといえる。また、そもそ り実行可能な範囲内 - 338 -での対応はされているものと考えられるし、本件全証拠を精査しても、この点に明らかに合理性を欠くなどとする事情まではうかがえないものといえる。また、そもそも、評価法は、「環境情報の形成を図る観点」から、環境影響評価を実施する上で必要となる情報を的確かつ効率的に収集するために、配慮書の手続、方法書の手続、準備書の手続、 評価書の手続等を定めたものであって、そこで述べられた意見等の全てに対して網羅的に回答することなどを当然に要請し得るものとは解されないし、その他に、評価法や鉄道事業評価省令の規定等を精査しても、等音線図を作成すべきとする法的な根拠までは見当たらないから、原告らの主張は、その前提を欠くものと考えられる。 そして、その他にるる主張する点をみても、以上で述べた当裁判所の判断に反するものであるか、あるいは、評価書等外の事実や本件認定後の事実等を述べるもの又は法的な根拠や証拠に基づかずに独自の見解を述べるものであって、当該判断を左右しないものにとどまるから、いずれも採用の限りではないといえる。 d また、原告らは、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等による振動について、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、予測値が新幹線鉄道振動対策に係る勧告で定める基準値を下回ることから問題ないとしているが、この予測値は計算上のものにとどまり、実際に生ずる振動がこれを上回る可能性も否定し難いし、地域の 事情に応じた個別的な配慮もすべきであったといえる旨なども主張している。 しかしながら、参加人が、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等に係る騒音、振動、微気圧波、低周 える旨なども主張している。 しかしながら、参加人が、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等に係る騒音、振動、微気圧波、低周波音等を環境影響評価の項目として選 定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、 - 339 -予測及び評価の手法を選定するとともに、それに基づいて、これに係る環境影響評価を実施したことは、以上で述べたとおりであるし、原告らの主張する点を踏まえて、本件全証拠を精査しても、これを覆すに足りる事情は見当たらないものといえる。 そして、原告らの問題とする「列車の走行(地下を走行する場合を 除く。)」等に係る振動をみると、参加人は、鉄道事業評価省令29条の規定に則して、①これに係る環境保全措置として、「桁支承部の維持管理の徹底」、「ガイドウェイの維持管理の徹底」等を検討して、別紙78の表のとおり、「桁支承部の腐食や亀裂の有無、取り付け状況の確認、支承取り付け部分のコンクリートのひび割れの有無等の検 査を行い、検査結果をもとに必要に応じて、支承や取り付け部分のコンクリートの補修等を行うことにより、その性能を維持することで、振動の発生を低減できる。」、「ガイドウェイの取り付けボルトの緩みや取り付け状況の確認、ガイドウェイコンクリートのひび割れ、欠け等の検査を行い、検査結果をもとに必要に応じて、取り付けボルト の増締めやガイドウェイの補修、交換等を行うことにより、その性能を維持することで、振動の発生を低減できる。」などとし、その検討の結果を明らかにしている。その上で、参加人は、②これに係る評価の結果として、別紙79の表を示した上で、この「予測値は(中略)あくまでピーク値であり、その値が 発生を低減できる。」などとし、その検討の結果を明らかにしている。その上で、参加人は、②これに係る評価の結果として、別紙79の表を示した上で、この「予測値は(中略)あくまでピーク値であり、その値が観測されるのは列車が走行する極 めて短い時間にとどまる。」し、以上で述べた「環境保全措置を確実に実施することから、(中略)振動の環境影響について低減が図られていると評価する。」とともに、基準又は目標との整合性の検討についてみても、いずれも「「環境保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について(勧告)」に示された基準値を下回」るため、「基準又は 目標との整合が図られていると評価」したものと認められる。 - 340 -そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の低減が図られていることなどから、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのであり、その判断過程や内容等をみても、それをもって、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は 社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 この点につき、原告らは、本件認可(その1)に先立つ環境影響評 価における予測値は計算上のものにとどまることや、地域の事情に応じた個別的な配慮もすべきことなどを問題にしている。しかしながら、以上で認定したように、参加人は、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等に係る振動について、「山梨リニア実験線における事例の引用と解析に 配慮もすべきことなどを問題にしている。しかしながら、以上で認定したように、参加人は、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等に係る振動について、「山梨リニア実験線における事例の引用と解析により予測を行」うとして、「山梨リニア実験線に て測定した4両の地盤振動加速度波形をもとに、16両相当分繰り返した場合の地盤振動加速度波形を作成し」、「その地盤振動加速度波形から振動の動特性を考慮して振動レベルに変換し4両と16両の相対レベル差を求め、編成量数の補正を行った」ものであるところ、これは、鉄道事業評価省令25条1項1号において、予測の基本的な手 法につき、「環境の状況の変化又は環境への負荷の量を、理論に基づく計算、模型による実験、事例の引用又は解析その他の手法により、定量的に把握する手法」と規定されていることを踏まえたものであるし、専門家等による技術的助言においても、「列車の走行に係る騒音、振動、微気圧波等の影響の把握については、山梨リニア実験線におけ る測定結果等を活用しており、妥当である。」などとされていたとい - 341 -うのであるから、その手法について明らかに合理性を欠くなどということはできないと考えられる。そして、参加人は、別紙79の表のとおり、それによる予測値が新幹線鉄道振動対策に係る勧告で定める基準値(70dB以下)を下回り、「基準又は目標との整合が図られていると評価する。」とともに、「各地点の予測値は(中略)あくまで ピーク値であり、その値が観測されるのは列車が走行する極めて短い時間にとどまる。」上、「桁支承部の維持管理の徹底」、「ガイドウェイの維持管理の徹底」等の「環境保全措置を確実に実施することから、(中略)振動の環境影響について低減が図られていると評価」したというのである どまる。」上、「桁支承部の維持管理の徹底」、「ガイドウェイの維持管理の徹底」等の「環境保全措置を確実に実施することから、(中略)振動の環境影響について低減が図られていると評価」したというのであるし、さらに、国交大臣の意見に対する事業者の対応 として、「完成後における列車の走行に係る振動については、資料編に記載のとおり、(中略)列車の走行に係る振動の予測地点を基本に、モニタリングを実施します。その結果に応じて、必要に応じ適切な環境保全措置を実施します。」、「供用前において、本評価書における予測の前提条件から、供用時における高速化等の走行条件等の変更を 計画する場合は、列車の走行に係る振動の影響について調査、予測及び評価を行い、必要に応じ適切な環境保全措置を実施します。」などとしたことも認めることができる。国交大臣は、このような事情を踏まえて、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのであるし、本件全証拠を精査しても、当該判断が重要な事実 の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと解される。 そして、その他にるる主張する点をみても、以上で述べた当裁判所の判断に反するものであるか、あるいは、評価書等外の事実や本件認 定後の事実等を述べるもの又は法的な根拠や証拠に基づかずに独自の - 342 -見解を述べるものであって、当該判断を左右しないものにとどまるから、いずれも採用の限りではないと考えられる。 e さらに、原告らは、微気圧波について、①本件評価書では、予測値がトンネル坑口緩衝工の設置基準で定める基準値を下回ることから問題はないとしているが、こ 採用の限りではないと考えられる。 e さらに、原告らは、微気圧波について、①本件評価書では、予測値がトンネル坑口緩衝工の設置基準で定める基準値を下回ることから問題はないとしているが、これを基準とすることに合理的な根拠はない し、微気圧波の性質に鑑みると、このトンネル坑口緩衝工の設置基準で問題とする圧力の側面だけでなく、騒音等の側面からも評価されなければならない旨、②山梨実験線では、実際に、微気圧波に伴い、トンネルの開口部等において社会通念上受忍限度を超えるような被害が生じており、参加人がこの被害に対してした二重サッシの設置等によ っても、十分な効果がなかった旨なども主張している。 しかしながら、参加人が、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等に係る騒音、振動、微気圧波、低周波音等を環境影響評価の項目として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、 予測及び評価の手法を選定するとともに、それに基づいて、これに係る環境影響評価を実施したことは、以上で述べたとおりであるし、原告らの主張する点を踏まえて、本件全証拠を精査しても、これを覆すに足りる事情は見当たらないものといえる。 そして、原告らの問題とする微気圧波をみると、参加人は、鉄道事 業評価省令29条の規定に則して、これに係る環境保全措置として、「緩衝工の設置」、「緩衝工の維持管理」、「多孔板の設置」、「多孔板の維持管理」等を検討し、別紙81の表のとおり、「微気圧波対策が必要な箇所であるトンネル及び防音防災フードの出入口に、周辺の住居分布等に留意し、基準値を満足できる延長の緩衝工を設置する ことにより、微気圧波を低減できる。」、「緩衝工 り、「微気圧波対策が必要な箇所であるトンネル及び防音防災フードの出入口に、周辺の住居分布等に留意し、基準値を満足できる延長の緩衝工を設置する ことにより、微気圧波を低減できる。」、「緩衝工の性能を維持する - 343 -ため、開口部の飛来物等による閉塞の有無、開口部の腐食の有無等の検査を行い、その結果をもとに必要に応じて、飛来物の撤去や開口部の補修等を行うことで、微気圧波を低減できる。」、「微気圧波対策が必要な箇所である非常口(都市部、山間部)及び地下駅に、周辺の住居分布等に留意し、基準値を満足できる延長の多孔板を設置するこ とにより、微気圧波を低減できる。」、「多孔板の性能を維持するため、目詰まりの有無、多孔板の腐食の有無、取り付けボルトの緩み等の検査を行い、その結果をもとに必要に応じて、目詰まりの除去や多孔板の交換、取り付けボルトの増締め等を行うことで、微気圧波を低減できる。」などとし、その検討の結果を明らかにしている。その上 で、参加人は、これに係る評価の結果として、以上で述べた「環境保全措置を確実に実施することから」、「トンネル及び防音防災フード出入口から発生する微気圧波」や「非常口(都市部、山岳部)及び地下駅から発生する微気圧波」による「環境影響の低減が図られていると評価する。」とともに、基準又は目標との整合性の検討についてみ ても、「列車の走行に係るトンネル及び防音防災フードの出入口から発生する微気圧波の評価結果」として、「緩衝工端部中心から20mの距離においては50Pa以下」で、「緩衝工端部中心から80mの距離において(中略)も20Paを下回ることから、今後、路線近傍の住居分布等の周辺環境に留意し、トンネルの配置に応じて適切な位 置に緩衝工を設置し、必要な延長を確保することに 中心から80mの距離において(中略)も20Paを下回ることから、今後、路線近傍の住居分布等の周辺環境に留意し、トンネルの配置に応じて適切な位 置に緩衝工を設置し、必要な延長を確保することにより、基準値との整合が図られる」とし、また、「非常口(都市部、山岳部)及び地下駅から発生する微気圧波の評価結果」として、「非常口(都市部、山岳部)中心及び地下駅の換気設備の換気口中心から20mの位置においてはすべての予測地点において20Pa以下」であり、「できる限 り住居等が非常口(都市部、山岳部)中心及び地下駅の換気設備の換 - 344 -気口中心から20m以内に存在しないように計画し、20m以内に住居が存在する場合にも適切な延長の多孔板及び緩衝工を設置することにより、基準値との整合が図られる」としたものと認められる。そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響 の低減が図られていることなどから、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのであり、その判断過程や内容等をみても、それをもって、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせ る事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 この点につき、原告らは、微気圧波の性質に鑑みると、このトンネル坑口緩衝工の設置基準で問題とする圧力の側面だけでなく、騒音等の側面からも評価すべき旨などを主張している。しかしながら、以上 で認定したところによれば、参加人は、鉄道事業評価 と、このトンネル坑口緩衝工の設置基準で問題とする圧力の側面だけでなく、騒音等の側面からも評価すべき旨などを主張している。しかしながら、以上 で認定したところによれば、参加人は、鉄道事業評価省令26条3号の規定を踏まえつつ、微気圧波については、「国又は地方公共団体による環境保全の観点からの施策による基準又は目標が定められていない」ことから、その自主的な判断として、「整備新幹線の目安値である「トンネル坑口緩衝工の設置基準(案)」に示された基準値との整 合が図られているかを検討する。」こととしたものと認められる。そして、このトンネル坑口緩衝工の設置基準については、「破裂音対策」や「建具等の振動対策」等を考慮した上で、その基準値を圧力(Pa)の数値により定めたものであって、圧力の側面のみを殊更問題とするものではないし、①「微気圧波はパルス状の圧力波であり、継続時間 が極めて短いことも勘案して騒音レベルであるdB表示とするより圧 - 345 -力レベルであるPa表示とすることが適切とされ、これまで他の新幹線鉄道においてもPa表示で測定や対策が進められて」いることや、②評価委員会においても、「超電導リニアの列車の走行に伴い発生する微気圧波」については、「新幹線の微気圧波の物理特性と差異はないことから、整備新幹線における目安値である「トンネル坑口緩衝工 の設置基準(案)」(中略)を適用する。」のが相当とされていることなども踏まえると、これで定める基準値を用いたことをもって、直ちに明らかに合理性を欠くなどということはできないと考えられる。 さらに、原告らは、山梨実験線で実際に、微気圧波に伴って社会通念上受忍限度を超えるような被害が生じており、参加人がこの被害に 対してした二重サッシの設置等に ないと考えられる。 さらに、原告らは、山梨実験線で実際に、微気圧波に伴って社会通念上受忍限度を超えるような被害が生じており、参加人がこの被害に 対してした二重サッシの設置等によっても、十分な効果がなかったことなども問題にしているが、本件で問題になるのは、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価においてされた環境配慮審査に係る国交大臣の判断、すなわち環境の保全についての適正な配慮がなされるものとした国交大臣の判断について、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫 用したものと認められるかどうかであるところ、本件評価書の記載事項等に鑑み、これを認めることができないことは、以上で述べたとおりである。また、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価では、これに係る環境保全措置として、「緩衝工の設置」、「緩衝工の維持管理」、「多孔板の設置」、「多孔板の維持管理」等が検討されている ところ、「入口緩衝工の延長を約3倍にした場合、微気圧波が約5割低減できること」や「多孔板延長を調整することにより微気圧波の大きさを小さくできること」が確認されていることからすれば、これらの延長を調整することにより、トンネル坑口緩衝工の設置基準で定める基準値との整合を図ることができるとすることにも相応の合理性が あるし、その他にも、「供用後の環境管理を適切に行うことを目的に、 - 346 -事業者の自主的な取組みとして、完成後の測定を実施し、結果を公表します。」などとされていることも認められるから、これを踏まえて、環境の保全についての適正な配慮がなされるものとした国交大臣の判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないものと考えられる。 そして、その他に な配慮がなされるものとした国交大臣の判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないものと考えられる。 そして、その他にるる主張する点をみても、以上で述べた当裁判所の判断に反するものであるか、あるいは、評価書等外の事実や本件認定後の事実等を述べるもの又は法的な根拠や証拠に基づかずに独自の見解を述べるものであって、当該判断を左右しないものにとどまるから、いずれも採用の限りではないと考えられる。 f 加えて、原告らは、参加人が低周波音に係る評価に用いた参考値を基準とすることに合理的な根拠はない旨なども主張している。 しかしながら、参加人が、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等に係る騒音、振動、微気圧波、低周波音等を環境影響評価の項目として選 定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定するとともに、それに基づいて、これに係る環境影響評価を実施したことは、以上で述べたとおりであるし、原告らの主張する点を踏まえて、本件全証拠を精査しても、これを覆すに足りる事情は見当たらないものといえる そして、原告らの問題とする低周波音をみると、参加人は、これに係る環境保全措置として、鉄道事業評価省令29条の規定に則して、「環境対策型換気施設の採用」、「消音装置の設置」、「換気施設の点検・整備による性能維持」等を検討して、別紙84の表のとおり、「環境対策型の換気設備を採用することで、低周波音の発生を低減で きる。」、「換気施設に消音装置・多孔板を設置することで、換気施 - 347 -設の稼働に伴い発生す 4の表のとおり、「環境対策型の換気設備を採用することで、低周波音の発生を低減で きる。」、「換気施設に消音装置・多孔板を設置することで、換気施 - 347 -設の稼働に伴い発生する低周波音を低減できる。」、「換気施設の異常な騒音や振動、ケーシング内の異物の混入の有無、据付ボルトの緩み、消音設備の腐食の有無や目詰まり状況の異常等の検査に加え、定期的に分解検査を行い、換気設備内部の粉塵の堆積、腐食の進行等の検査を行うことにより、低周波音の発生を低減できる。」などとし、 その検討の結果を明らかにしている。その上で、参加人は、これらに係る評価の結果として、以上で述べた「環境保全措置を確実に実施することから、鉄道施設(換気施設)の供用により発生する低周波音に係る環境影響の低減が図られていると評価する。」とともに、「換気施設の予測結果と閾値との関係(中略)から、(中略)低周波音によ る影響は生じ」ず、別紙83の表に示す「目標との整合が図られていると評価」したものと認められる。そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の低減が図られていることなどから、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断した というのであり、その判断過程や内容等をみても、それをもって、直ちに重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められな いものと考えられる。 この点につき、原告らは、本件評価書でその評価に用いた参考値を基準とする 当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるとは認められな いものと考えられる。 この点につき、原告らは、本件評価書でその評価に用いた参考値を基準とすることに合理的な根拠はない旨などを主張しているが、以上で認定したように、参加人は、「換気施設の低周波の評価にあたっては、「低周波音に対する感覚と評価に関する基礎研究」(中略)にお ける感覚実験結果、ISO-7196の感覚閾値、「低周波音の測定 - 348 -方法に関するマニュアル」(中略)における建具のがたつきの閾値曲線等を参考にすると良い。」とする専門家等の技術的助言を受けたことから、それを踏まえて、別紙83の表又は図に「示す参考値を目標として整合が図られているかを検討した。」というのであるし、その他に、本件全証拠を精査しても、この参考値を用いたことが明らかに 合理性を欠くなどとする事情は見当たらないものといえる。 そして、その他にるる主張する点をみても、以上で述べた当裁判所の判断に反するものであるか、あるいは、評価書等外の事実や本件認定後の事実等を述べるもの又は法的な根拠や証拠に基づかずに独自の見解を述べるものであって、当該判断を左右しないものにとどまるか ら、いずれも採用の限りではないと考えられる。 g したがって、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等による騒音等に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものといえる。 磁界に関する点 a この点につき、掲記の証拠又は弁論の全趣旨によれば、次の事実を認めることができる。なお、この認定に沿わない主張や証拠については、いずれも採用の限りではないと考えられる。 ⒜ 中央新幹 この点につき、掲記の証拠又は弁論の全趣旨によれば、次の事実を認めることができる。なお、この認定に沿わない主張や証拠については、いずれも採用の限りではないと考えられる。 ⒜ 中央新幹線の走行方式として採用された超電導磁気浮上方式では、静磁界のほか、約12Hzまでの超低周波の変動磁界が発生すると されている。(丙1の2(環13-5-3頁、13-9-1頁)等)なお、この磁界の強度については、「超電導磁石からの距離の概ね3乗に反比例して低減する。」ものとされている。(丙1の2(環13-9-4頁)等)⒝ 特殊鉄道技術基準告示に係る解釈基準通達6条2項の⑷は、「施 設及び車両は、次の基準に適合するものであること。」とした上で、 - 349 -その発生する磁界について、ICNIRPガイドライン(変動磁界)の公衆ばく露に対する参考レベル及びICNIRPガイドライン(静磁界)の一般公衆ばく露のばく露限度値以下となるよう求めている。なお、この規定は、鉄道施設の完成後に事業法10条の規定による検査(全幹法14条6項の規定が適用される場合を含む。) をするに当たって必要となる技術上の基準について定める特殊鉄道技術基準告示の解釈基準として定められたものである。(乙52、丙1の2(環13-1-1頁)等)⒞ ICNIRPは、複数の専門家で構成され、WHO等から正式に承認された中立的な非政府組織であり、平成21年に、ICNIR Pガイドライン(静磁界)を制定し、平成22年には、ICNIRPガイドライン(変動磁界)を制定した。(丙1の2(環13-2-1頁以下、環13-3-1頁以下)、49等)⒟ ICNIRPガイドライン(静磁界)は、①職業的ばく露の場合に ICNIRPガイドライン(変動磁界)を制定した。(丙1の2(環13-2-1頁以下、環13-3-1頁以下)、49等)⒟ ICNIRPガイドライン(静磁界)は、①職業的ばく露の場合には、「頭部および躯幹部」に係るばく露限度値を2Tとし、「四 肢」に係るばく露限度値を8Tとする旨、②一般公衆ばく露の場合には、「身体の任意の部分」に係るばく露限度値を400mTとする旨を記載している。また、ICNIRPガイドライン(静磁界)は、「埋め込み型医用電子機器および強磁性材料含有インプラントを装着した人の不注意による有害曝露を防止し、強磁性物体の飛行 による傷害を防止するために、実際的手段の履行が必要であり、そのためには大幅に低い制限レベル、例えば0.5mT(IEC2002)、になる可能性があることをICNIRPは承知している。」が、「このような生物学的でない影響を考慮して定める曝露限度値はICNIRPの任務ではない。」旨を記載している。(丙1の2 (環13-2-9頁)等) - 350 -⒠ WHOは、「国際非電離放射線委員会(ICNIRP)が策定してきた電磁界へのばく露限度値は、(中略)査読付き科学論文のレビューを行い策定されたもの」であり、「健康に影響を及ぼすとされる生物学的影響の評価に基づいてい」るとした上で、「WHOによるレビューの主要な結論は、ICNIRPの国際的なガイドライ ンが勧告した限度値を下回る電磁界へのばく露は、健康に対して既知の影響はないように思われるということです。」と結論付けている。(丙50)⒡ ICNIRPガイドライン(静磁界)が対象としていない心臓ペースメーカについては、国際規格において、1mT以下の静磁界で 正常な動作を維持すべき 結論付けている。(丙50)⒡ ICNIRPガイドライン(静磁界)が対象としていない心臓ペースメーカについては、国際規格において、1mT以下の静磁界で 正常な動作を維持すべきものとされており、平成19年に制定された植込み型心臓ペースメーカ等承認基準においても、それに沿う承認基準が定められている。(丙1の2(環13-1-2頁)等)⒢ ICNIRPガイドライン(変動磁界)は、①「科学的データが本来有する不確かさの観点から、ばく露制限ガイドラインの制定に おいては低減係数が適用される。」旨、②「表面電荷の知覚、神経および筋組織の直接刺激、網膜閃光現象の誘発は十分に確立されており、指針の根拠として利用できる。それに加えて、視覚処理と運動との協調などの脳機能が、誘導電界による一過性の影響を受けることがあることを示す間接的な科学的証拠がある。しかしながら、 低周波の電界および磁界にばく露されたボランティアでのその他の神経行動学的研究からの証拠は、人体のばく露制限のための根拠とするには十分な信頼性はない。」旨、③「総括すると、これらのデータは、低周波の電界および/または磁界が、人体の健康に有害に作用するような神経内分泌系への影響を与えるということを示唆し ていない。」旨、④「低周波ばく露とアルツハイマー病およびAL - 351 -Sとの関連の証拠は決定的ではない。」旨、⑤「これまでの証拠は、低周波ばく露と心臓血管系疾患との関連を示唆していない。」旨、⑥「低周波の電界および磁界と発達および生殖への影響との関連の証拠は非常に弱い。」旨、⑦「小児白血病リスク」に係る研究についても、「それが因果関係か否かは不明確であり、その結果は選択 バイアス、ある程度の交絡および偶然の組み合わせで 殖への影響との関連の証拠は非常に弱い。」旨、⑦「小児白血病リスク」に係る研究についても、「それが因果関係か否かは不明確であり、その結果は選択 バイアス、ある程度の交絡および偶然の組み合わせで説明される可能性がある(中略)。2つのプール分析(中略)は、0.3-0. 4μTを超える平均ばく露について過剰リスクがあるかも知れないことを示唆したが、一方、その分析の著者らは、彼らの結果が磁界と小児白血病との因果関係を示すとは解釈できないと強く注意した。 同時に言えることは、生物物理学的メカニズムは何ら同定されておらず、また、動物および細胞研究の実験結果は、50-60Hz磁界ばく露が小児白血病の原因であるとする考えを支持していない。」旨、⑧「ICNIRPの見解は、低周波の磁界への長期ばく露が小児白血病のリスク上昇と因果的に関連することについての既存の科 学的証拠は、ばく露ガイドラインの根拠とするには非常に弱い、ということである。とりわけ、この関係が因果的でなかった場合、ばく露を低減しても健康への利益は何も生まれない。」旨などを記載している。そして、ICNIRPガイドライン(変動磁界)は、「確立された健康影響と直接的に関連付けられる物理量(1つまた は複数)に基づくばく露の制限値を基本制限と呼ぶ。本ガイドラインにおいてEMFばく露の基本制限の規定に用いる物理量は身体内電界強度」であるが、「身体内電界強度は評価が困難である。そこで、実用的なばく露評価のため、ばく露の参考レベルが与えられる。」とし、その関係について、「参考レベルを満たせば、関連す る基本制限を満たすことは保証される。もし測定値または計算値が - 352 -参考レベルを超過するとしても、そのことが必ずしも基本制限を超過することにはならない。し たせば、関連す る基本制限を満たすことは保証される。もし測定値または計算値が - 352 -参考レベルを超過するとしても、そのことが必ずしも基本制限を超過することにはならない。しかしながら、参考レベルを超過する時には必ず、関連する基本制限を満たすか否かを検証し、追加的防護策が必要か否かを決定することが必要である。」と説明した上で、その基本制限の内容を別紙85の1の表のとおりとし、その参考レ ベルの内容を別紙85の2及び3の表のとおりとする旨を記載している。(丙1の2(環13-3-1頁以下)等)⒣ WHOは、「小児白血病に関連する証拠は因果関係と見なせるほど強いものではありません。」とした上で、「白血病以外の小児がん、成人のがん、うつ病、自殺、心臓血管系疾患、生殖機能障害、 発育異常、免疫学的修飾、神経行動学的影響、神経変性疾患など」についても、「WHOのタスクグループは、これらの健康影響全てについて、ELF磁界ばく露との関連性を支持する科学的証拠は小児白血病に関する証拠よりはるかに弱いと結論しました。いくつか例を挙げれば、(すなわち心臓血管系疾患や乳がんに関する)証拠 から、ELF磁界はこれらの疾患を引き起こさないことが示されています。」と結論付けている。(丙1の2(環13-4-1頁以下)等)⒤ 国際がん研究機関(以下「IARC」という。)は、「静磁界又は静磁界及び超低周波電界のヒトに対する発がん性を示す証拠は、 不十分であ」り、「静磁界又は静磁界及び超低周波電界の実験動物に対する発がん性との関連を示す、利用可能なデータはなかった。」とした上で、総合評価として、「静磁界又は静磁界及び超低周波電界については、ヒトに対する発がん性を分類できない(グループ3)。」 動物に対する発がん性との関連を示す、利用可能なデータはなかった。」とした上で、総合評価として、「静磁界又は静磁界及び超低周波電界については、ヒトに対する発がん性を分類できない(グループ3)。」と結論付けている。(丙51) ⒥ 参加人が、専門家等の立会いの下、山梨実験線において、特殊鉄 - 353 -道技術基準告示に係る解釈基準通達6条2項の⑷の規定に則して、IEC62110(2009)及びIEC/TS62597(2011)に適合する測定方法で測定したところ、その結果は、別紙86の表のとおりであり、いずれの地点でも、ICNIRPガイドライン(変動磁界)の公衆ばく露に対する参考レベル及びICNIR Pガイドライン(静磁界)の一般公衆ばく露のばく露限度値を下回っていた。(丙1の2(環13-8-1頁以下)等)また、この測定結果については、「ビオ・サバールの法則」を用いて計算した予測値とおおむね一致するものであった。(丙1の2(環13-7-3頁)等) ⒦ 参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」による磁界については、鉄道事業評価省令別表第1に掲げる参考項目ではないが、「地上における列車の走行に伴い列車の近傍において磁界が発生するおそれがあり、対象事業実施区域及びその周囲に住民等が存在す ること」などを踏まえ、これを神奈川県、山梨県、長野県及び岐阜県に係る環境影響評価の項目として選定した上で、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定し、特殊鉄道技術基準告示に係る解釈基準通達で定める基準値との整合が図られているかを検討することとした。そして、参加人は、 これ 業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定し、特殊鉄道技術基準告示に係る解釈基準通達で定める基準値との整合が図られているかを検討することとした。そして、参加人は、 これに基づき、「山梨リニア実験線における事例の引用又は解析」を予測の基本的な手法とし、「超伝導磁石からの距離に応じた磁界(中略)をビオ・サバール(中略)の法則に基づき算出し、これにより算出された値を予測値」とするなどして、その環境影響評価を実施した結果、別紙87の表のとおり、いずれの地点でも、ICN IRPガイドライン(変動磁界)の公衆ばく露に対する参考レベル - 354 -及びICNIRPガイドライン(静磁界)の一般公衆ばく露のばく露限度値を下回ることになった。そこで、参加人は、実行可能な範囲内でその影響の回避又は低減が図られていることから、特段の環境保全措置は行わないこととし、特殊鉄道技術基準告示に係る解釈基準通達で定める基準値との整合も図られていると評価した。そし て、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断した。(丙2の1(7-1-1頁以下、8-3-7-1頁以下等)、3の1(7-1頁以下、8-3-7-1頁以下等)、5の1(7-1頁以下、8-3-8-1頁以下等)、6の1 (7-1-1頁以下、8-3-7-1頁以下等))⒧ なお、参加人は、本件評価書において、「異常時避難」に係る事業者の見解として、「超電導磁石については指令及び乗務員室からの操作によって消磁が可能なことを実験線で確認しており、磁界が避難に影響することはありません。」と説明している。(丙1の1 (6-2-107頁等)、2の1(6-2-19 は指令及び乗務員室からの操作によって消磁が可能なことを実験線で確認しており、磁界が避難に影響することはありません。」と説明している。(丙1の1 (6-2-107頁等)、2の1(6-2-199頁等)、3の1(6-2-149頁等)、4の1(6-2-165頁等)、5の1(6-187頁等)、6の1(6-2-141頁等)、7の1(6-2-155頁等))b 以上で認定したように、特殊鉄道技術基準告示に係る解釈基準通達 6条2項の⑷の規定において基準とされるICNIRPガイドライン(変動磁界)やICNIRPガイドライン(静磁界)については、複数の専門家で構成された中立的な非政府組織であるICNIRPにおいて制定されたものであるし、WHOも、それに沿う見解を述べていることなどが認められる。また、その対象となっていない心臓ペース メーカについては、国際規格において、1mTを基準として、それ以 - 355 -下の静磁界で正常な動作を維持すべきものとされているし、植込み型心臓ペースメーカ等承認基準でも、それに沿う承認基準が定められているというのであるから、参加人がこれらを基準としたことをもって、直ちに明らかに合理性を欠くなどと評価することはできないと考えられる。そして、山梨実験線における測定結果や本件認可(その1)に 先立つ環境影響評価における予測値をみると、これらを大きく下回っていることが認められるし、その他に、本件全証拠を精査しても、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいてされた国交大臣の判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないものと解される。 c これに対し、原告らは、①ICNIRPガイドライン(静磁界)において、 要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないものと解される。 c これに対し、原告らは、①ICNIRPガイドライン(静磁界)において、心臓ペースメーカ等の装着者との関係でのばく露限度値が0. 5mTとされているにもかかわらず、参加人は、そのばく露限度値を1mTとしており、合理的な根拠を欠くものというほかないし、山梨実験線における測定結果によれば、実際に車両内において、0.5m Tを超える場所があるとされているから、これらの者に健康被害が生ずるおそれがあることは否定し難いと考えられる旨、②中央新幹線(品川・名古屋間)の走行に伴って生ずる低周波磁界や高周波磁界については、神経変異疾患等の問題が指摘されているほか、山梨実験線における測定結果によれば、実際に車両外において、小児白血病の発 症率等が上昇するという研究結果がある数値(0.3µTないし0. 4µT)を超える場所があるとされていることなどに鑑みると、人体への安全性が確保されているということはできないし、その安全性を「セーフティ・サイド」に立って考える必要がある旨などを主張している。 しかしながら、原告らの主張のうち、車両内やホーム等における磁 - 356 -界に関する点については、結局のところ、乗客の安全を問題とする趣旨のものと解されるが、前記⑵で述べたところによれば、「自己の法律上の利益に関係のない違法」を理由とするものにほかならないといえるから、行政事件訴訟法10条1項の規定により、これを理由として取消しを求めることはできないと考えられる。また、原告らは、車 両外において、小児白血病の発症率等が上昇するという研究結果がある数値(0.3µTないし0.4µT)を超える場所が これを理由として取消しを求めることはできないと考えられる。また、原告らは、車 両外において、小児白血病の発症率等が上昇するという研究結果がある数値(0.3µTないし0.4µT)を超える場所があるとされていることなども問題にしているが、以上で述べたように、ICNIRPガイドライン(変動磁界)において、「ICNIRPの見解は、低周波の磁界への長期ばく露が小児白血病のリスク上昇と因果的に関連す ることについての既存の科学的証拠は、ばく露ガイドラインの根拠とするには非常に弱い、ということである。」と記載されているほか、WHOにおいても、「小児白血病に関連する証拠は因果関係と見なせるほど強いものではありません。」と結論付けられていることなどに鑑みると、これを直ちに採用することはできないといえる。 d さらに、原告らは、中央新幹線(品川・名古屋間)では、その走行に伴って、従前のレール方式による場合と比較して3倍以上もの電力を消費することになり、変電所等の周辺では、人体への影響等が懸念されているし、その設置が電力会社によるものであったとしても、その原因を作出した参加人において、それに係る環境影響評価を実施し ないことは許されない旨なども主張している。 しかしながら、評価法の規定上、環境影響評価を実施する主体が「事業者」(対象事業を実施しようとする者)であることは明らかであるところ、電力会社において設置する変電所等は、当該電力会社の事業として設置されるものと考えられるし、その他に、本件全証拠を 精査しても、参加人においてそれに係る影響等を環境影響評価の項目 - 357 -として選定しなかったことが不適切である旨などの意見が述べられていたとする事情も見当たらないものといえる。そして 査しても、参加人においてそれに係る影響等を環境影響評価の項目 - 357 -として選定しなかったことが不適切である旨などの意見が述べられていたとする事情も見当たらないものといえる。そして、その他にるる主張する点をみても、以上で述べた当裁判所の判断が左右されることはないと解されるから、この点に関する原告らの主張は、いずれも採用の限りではないと考えられる。 e したがって、磁界に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものといえる。 日照阻害に関する点a この点につき、掲記の証拠又は弁論の全趣旨によれば、次の事実を認めることができる。なお、この認定に沿わない主張や証拠について は、いずれも採用の限りではないと考えられる。 ⒜ 参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、鉄道事業評価省令別表第1に掲げる参考項目とされている「鉄道施設(嵩上式)の存在」のほか、「鉄道施設(駅、変電施設、保守基地)の存在」等に伴い「日照阻害が発生するおそれがあり、対象事 業実施区域及びその周囲に住居等が存在すること」などを踏まえ、これらの鉄道施設の存在に係る日照阻害を東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る環境影響評価の項目として選定した。(丙1の1(7-1頁以下等)、2の1(7-1-1頁以下等)、3の1(7-1頁以下等)、5の1(7-1頁以下等)、 6の1(7-1-1頁以下等)、7の1(7-1頁以下等))そして、参加人は、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定した上で、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要等を整理して、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛 、評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定した上で、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要等を整理して、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書に記載するこ ととした。(丙1の1(8-3-4-1頁以下等)、2の1(8- - 358 -3-4-1頁以下等)、3の1(8-3-4-1頁以下等)、5の1(8-3-5-1頁以下等)、6の1(8-3-4-1頁以下等)、7の1(8-3-4-1頁以下等))⒝ このうちの調査の手法をみると、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書には、①調査すべき項目 について、「土地利用の状況、日影の発生に係る地形の状況とした。」などと記載され、②調査の基本的な手法について、「文献調査により、土地利用及び地形関連の文献、資料を収集し、整理した。 また、文献調査の補完のため、現地踏査を行った。」などと記載され、③調査地域について、「対象事業実施区域及びその周囲の内」、 「高架橋、橋梁、地上駅、変電施設、保守基地」等を対象にこれらの鉄道施設の「存在に係る日照阻害の影響を受けるおそれがあると認められる地域とした。」などと記載されている。(丙1の1(8-3-4-1頁以下等)、2の1(8-3-4-1頁以下等)、3の1(8-3-4-1頁以下等)、5の1(8-3-5-1頁以下 等)、6の1(8-3-4-1頁以下等)、7の1(8-3-4-1頁以下等))なお、その他にも、例えば、山梨県に係る本件評価書には、「第8章に記載のとおり、日照阻害については、文献調査及び現地踏査により、土地利用の状況や地形の状況を把握したうえで、市町の地 域毎に住居等の分布を考慮し、予測及 山梨県に係る本件評価書には、「第8章に記載のとおり、日照阻害については、文献調査及び現地踏査により、土地利用の状況や地形の状況を把握したうえで、市町の地 域毎に住居等の分布を考慮し、予測及び評価をしました。」、「事業特性及び地域特性を踏まえ、国土交通省令に基づく参考手法を選定した。」などと記載されている。(丙3の1(5-290頁、7-37頁等))⒞ また、予測の手法をみると、例えば、山梨県に係る本件評価書に は、①予測項目について、「鉄道施設(嵩上式、駅、変電施設、保 - 359 -守基地)の存在に係る日照阻害とした。」などと記載され、②予測の基本的な手法について、「日照時間が最小となる冬至日における等時間日影線を描写した日影図を作成し、日照阻害の影響を受ける範囲を予測した。」などと記載され、③予測手順について、「太陽の高度・方位及び構造物の高さ・方位等を用い日影線を求め、日影 図を作成した。」などと記載され、④予測式について、「「道路環境影響評価の技術手法平成24年度版」(国土交通省国土技術政策総合研究所)に基づく」などと記載され、⑤予測地点について、別紙88の表及び図を示した上で、「調査地域と同様」とした「予測地域の内」、「鉄道施設(嵩上式、駅、変電施設、保守基地)の 存在に係る日照阻害の影響を適切に予測することができる地点を設定した。予測地点を表8-3-4-2及び図8-3-4-3に示す。」などと記載され、⑥予測対象時期等について、「鉄道施設(嵩上式、駅、変電施設、保守基地)の完成時とした。」などと記載され、⑦予測条件の設定について、別紙89の表を示した上で、 「予測に用いた条件を表8-3-4-3に示す。その他の予測条件となる鉄道施設の位置、高さ、形状等は、「第3章 とした。」などと記載され、⑦予測条件の設定について、別紙89の表を示した上で、 「予測に用いた条件を表8-3-4-3に示す。その他の予測条件となる鉄道施設の位置、高さ、形状等は、「第3章対象事業の目的及び内容」に示したとおりである。」、「なお、日照阻害に係る関係法令等として鉄道施設と関連のあるものは、「公共施設の設置に起因する日陰により生ずる損害等に係る費用負担について」(昭 和51年、建設省計用発第4号最近改正、平成15年7月11日国土交通省国総国調第46号)であることから、この規定内容を準用して予測を実施した。ここに示されている費用負担が生じない日陰の限度時間を表8―3-4-4に示す。なお、詳細は資料編環10-1-1頁に示す。」、「また、本事業で整備する鉄道施設 (変電施設、保守基地)は、一般の建築物に対する規制である建築 - 360 -基準法第56条の2に基づく山梨県建築基準条例(昭和36年山梨県条例第19号)第21条の2による規制内容を準用して予測を実施した。山梨県建築基準条例第21条による規制を表8-3-4-5に示す。」などと記載されており、東京都、神奈川県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書にも、おおむね同様の記載がさ れている。(丙1の1(8-3-4-3頁以下等)、2の1(8-3-4-3頁以下等)、3の1(8-3-4-7頁以下等)、5の1(8-3-5-3頁以下等)、6の1(8-3-4-3頁以下等)、7の1(8-3-4-2頁以下等))なお、例えば、東京都に係る本件評価書をみても、予測の前提と なる「計画施設の高さ」のほか、その形状等の概要が記載されているし、資料編においても、対象となる鉄道施設の存在に係る時刻別及び等時間日影線が明らかにされてい 本件評価書をみても、予測の前提と なる「計画施設の高さ」のほか、その形状等の概要が記載されているし、資料編においても、対象となる鉄道施設の存在に係る時刻別及び等時間日影線が明らかにされている。(丙1の1(3-21頁以下、8-3-4-4頁等)、1の2(環11-2-1頁以下等))また、愛知県に係る本件評価書には、本件準備書について環境の 保全の見地から述べられた意見の概要として、「日照阻害の予測式:予測地点で「計画施設の高さ」として、西尾町の保守基地は15m、換気施設等は30m、勝川町の換気施設等は25m、中区丸の内の変電施設は35m、坂下町、熊野町、中区三の丸、中村区名駅付近は10m未満(具体的な高さは隠されている)と記載してあ るが、それぞれの高さの設定根拠、なぜこの高さでないといけないのか、同じ換気施設で西尾町は30m、勝川町は25m、他は10m未満の違いは何かを記載すべきである。」、「日照阻害の予測式について、予測地点で「計画施設の高さ」として、西尾町の換気施設等は30m、勝川町の換気施設等は25m、中区丸の内の変電施 設は35mであるが、坂下町、熊野町、中区三の丸、中村区名駅付 - 361 -近は10m未満と記載してある。西尾町と勝川町の換気施設も、日照対策上、10m未満にすべきである。西尾町と勝川町の換気施設だけが高い理由はあるのか。」などと記載されているところ、これに対する事業者の見解として、「鉄道施設(換気設備、変電施設、保守基地)の存在による影響については、日照阻害による影響を適 切に予測することができる地点を選定し、日照時間が最も短くなる冬至日を対象として、これまでに実績のある予想手法により定量的に予測を行い、建築基準法等で定める規制を超える日照阻害は発生 影響を適 切に予測することができる地点を選定し、日照時間が最も短くなる冬至日を対象として、これまでに実績のある予想手法により定量的に予測を行い、建築基準法等で定める規制を超える日照阻害は発生しないものと予測しています。」、「計画施設の高さについては、準備書第3章で示した施設の概要に基づき設定しています。都市部 おける換気施設(非常口)の関連設備を置く設備棟の最大高さは、勝川町では25m、その他(坂下町、熊野町、中区三の丸、中村区名駅付近)は10m未満です。山岳部における換気施設(非常口)の高さは15m、その他の建物を30mと設定しました。変電施設の高さは35mと設定しました。計画施設の高さについては、各々 の計画施設の役割を果たすために必要な規模や建築基準法等で定められる地域又は区域毎の規制を考慮し設定しました。」などと記載されている。(丙7の1(6-2-100頁以下等))⒟ 次に、評価の手法をみると、山梨県に係る本件評価書には、回避又は低減に係る評価については、「事業者により実行可能な範囲内 で回避又は低減がなされているか、見解を明らかにすることにより行」い、基準又は目標との整合性の検討については、「鉄道施設(嵩上式、駅、変電施設、保守基地)の存在に係る日照阻害について、「公共施設の設置に起因する日陰により生ずる損害等に係る費用負担について」及び山梨県建築基準条例第21条の2による規制 との整合が図られているかを検討した。」などと記載されており、 - 362 -東京都、神奈川県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書にも、おおむね同様の記載がされている。(丙1の1(8-3-4-6頁等)、2の1(8-3-4-15頁等)、3の1(8-3-4-25頁等)、5の1(8-3-5- 野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書にも、おおむね同様の記載がされている。(丙1の1(8-3-4-6頁等)、2の1(8-3-4-15頁等)、3の1(8-3-4-25頁等)、5の1(8-3-5-10頁等)、6の1(8-3-4-10頁等)、7の1(8-3-4-6頁等)) ⒠ 参加人は、以上で述べた手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書に記載したものであるところ、これらの本件評価書には、予測の結果として、日影断面予想図を示した上で、別紙90の表のとおりの記載がされている。 なお、この結果につき、例えば、神奈川県に係る本件評価書には、「高架橋・橋梁の桁下構造は全て壁が連続しているとして想定した場合の結果であり、実際には桁下には空間が広がり、日影とならない部分は広がる可能性がある。」などと記載されている。(丙1の1(8-3-4-1頁以下等)、2の1(8-3-4-1頁以下 等)、2の2(環12-2-1頁等)、3の1(8-3-4-1頁以下等)、5の1(8-3-5-1頁以下等)、6の1(8-3-4-1頁以下等)、7の1(8-3-4-1頁以下等))また、山梨県に係る本件評価書には、①環境保全措置の検討について、「本事業では、鉄道施設(嵩上式、駅、変電施設、保守基地) の存在による日照阻害に係る環境影響を低減させるため、環境保全措置として「鉄道施設(嵩上式、駅、変電施設、保守基地)の構造物の形状・配置等の工夫」を実施する。」などと記載され、②評価の結果として、回避又は低減に係る評価については、「本事業では、鉄道施設(嵩上式、駅、変電施設、保守基地)の存在による日照阻 害への影響を低減 置等の工夫」を実施する。」などと記載され、②評価の結果として、回避又は低減に係る評価については、「本事業では、鉄道施設(嵩上式、駅、変電施設、保守基地)の存在による日照阻 害への影響を低減させるため、環境保全措置として「鉄道施設(嵩 - 363 -上式、駅)の構造物の形状・配置等の工夫」、「鉄道施設(変電施設、保守基地)の配置等の工夫」を確実に実施する。これらの措置は、他の公共事業においても採用され、その効果が確認されている。 このことから、鉄道施設(嵩上式、駅、変電施設、保守基地)の存在による日照阻害に係る環境影響の回避又は低減が図られていると 評価する。」などと記載され、基準又は目標との整合性の検討についても、「予測の結果、鉄道施設(嵩上式、駅)の周囲の一部で日照阻害が生じると予測される。なお、日影時間が規定を超えた地域は「公共施設の設置に起因する日陰により生ずる損害等に係る費用負担について」に基づき適切な対応を図るものとする。」、「また、 鉄道施設(変電施設、保守基地)の周囲では、山梨県建築基準条例第21条による規制を超える日影は生じないと予測する。」、「このことから「公共施設の設置に起因する日陰により生ずる損害等に係る費用負担について」及び山梨県建築基準条例第21条による規制との整合性が図られていると評価する。」などと記載されており、 東京都、神奈川県、長野県、岐阜県及び愛知県に係る本件評価書にも、おおむね同様の記載がされている。(丙1の1(8-3-4-1頁以下等)、2の1(8-3-4-1頁以下等)、3の1(8-3-4-1頁以下等)、5の1(8-3-5-1頁以下等)、6の1(8-3-4-1頁以下等)、7の1(8-3-4-1頁以下 等))⒡ 国交大臣は、この点を含む本件 、3の1(8-3-4-1頁以下等)、5の1(8-3-5-1頁以下等)、6の1(8-3-4-1頁以下等)、7の1(8-3-4-1頁以下 等))⒡ 国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の回避又は低減が図られているほか、必要に応じて損なわれる環境の有する価値の代償も検討されていることから、環境の保全につ いての適正な配慮がなされるものと判断した。 - 364 -b⒜ このように、参加人は、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価に当たり、鉄道事業評価省令別表第1に掲げる参考項目を勘案しつつ、環境要素に及ぼす影響の重大性等を踏まえて、「鉄道施設(嵩上式)の存在」や「鉄道施設(駅、変電施設、保守基地)の存在」等に係る日照阻害を環境影響評価の項目として選定した上で、 評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則して、その調査、予測及び評価の手法を選定するなどしたことが認められる。また、以上で認定したように、参加人は、その選定した手法に基づいて、これに係る環境影響評価を実施し、その結果の概要を整理して、本件評価書に記載したほか、その前提となる鉄道施設の形状等の概要を記載す るなどしていたことも指摘することができる。そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づいて環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の回避又は低減が図られているほか、必要に応じて損なわれる環境の有する価値の代償も検討されていることから、環境の保全についての適正な配 慮がなされるものと判断したというのであり、その判断過程や内容等をみても、当該判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし も検討されていることから、環境の保全についての適正な配 慮がなされるものと判断したというのであり、その判断過程や内容等をみても、当該判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかとまではいえないし、その他に、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとうかがわせる事情も見当たらないから、その結果を踏まえた上でされる本 件認可に違法があるとは認められないものと考えられる。 ⒝ なお、参加人による調査、予測及び評価の手法の選定等のうち、例えば、本件評価書に記載された予測の基本的な手法や予測地域についてみると、その内容は、以上で認定したとおりであるところ、これは、鉄道事業評価省令別表第2の「鉄道施設(嵩上式)の存在」 に係る日照阻害の項目において、予測の基本的な手法の参考手法と - 365 -して、「等時間の日影線を描いた日影図の作成」が掲げられ、同じく予測地点の参考手法として、「土地利用及び地形の特性を踏まえて予測地域における日照阻害に係る環境影響を的確に把握できる地点」が掲げられていることや、鉄道事業評価省令25条1項3号において、予測地点につき、「選定項目の特性に応じて保全すべき対 象の状況を踏まえ、地域を代表する地点、特に環境影響を受けるおそれがある地点、保全すべき対象への環境影響を的確に把握できる地点その他の予測に適切かつ効果的な地点」と規定されていることなどを踏まえたものと考えられる。 また、本件評価書に記載された評価の手法については、鉄道事業 評価省令26条1号から4号までに掲げる事項に留意して選定されたものと認められるし、その他に、本件全証拠を精査しても、参加人による調査、予測及び評価の手法の選定等が評価法や鉄道 は、鉄道事業 評価省令26条1号から4号までに掲げる事項に留意して選定されたものと認められるし、その他に、本件全証拠を精査しても、参加人による調査、予測及び評価の手法の選定等が評価法や鉄道事業評価省令の規定等に則したものでなかったとする事情は見当たらないものといえる。 c これに対し、原告らは、①本件事業では、日照阻害のおそれがあるところ、特に岐阜県や山梨県では、「公共施設の設置に起因する日陰により生ずる損害等に係る費用負担について」の規定等で定める日影の限度時間を上回る地域が複数存在しているし、費用負担では回復することができない健康被害等が生ずる危険も高いといえる旨、②この ような日照阻害については、現に山梨実験線の建設に伴って生じているが、多大な被害を受けている周辺住民に対する十分な補償もされていない旨などを主張している。 確かに、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価における予測の結果は、別紙90の表のとおりであり、「高架橋・橋梁」の周囲の予 測地点を中心として、一部に「公共施設の設置に起因する日陰により - 366 -生ずる損害等に係る費用負担について」の規定等で定める日影の限度時間を上回る地域が存在することが認められるが、他方で、この結果については、「高架橋・橋梁の桁下構造は全て壁が連続している」ことを想定して計算したものであるから、「実際には桁下には空間が広がり、日影とならない部分は広がる可能性がある。」とされている。 また、本件評価書の記載事項等によれば、環境保全措置として「鉄道施設(嵩上式、駅)の構造物の形式・配置等の工夫」等を実施することにより、実行可能な範囲内でその影響の回避又は低減を図ることとされているから、同表に記載された日照阻害が必ずし 境保全措置として「鉄道施設(嵩上式、駅)の構造物の形式・配置等の工夫」等を実施することにより、実行可能な範囲内でその影響の回避又は低減を図ることとされているから、同表に記載された日照阻害が必ずしも生ずるわけではないし、結果的にその限度時間を上回ることになったとしても、参 加人において、「「公共施設の設置に起因する日陰により生ずる損害等に係る費用負担について」に基づき適切な対応を図るものとする。」とされていることなどに鑑みると、それによって、直ちに基準又は目標との整合を全く欠くなどと評価することもできないと考えられる。 そして、国交大臣は、この点を含む本件評価書の記載事項等に基づい て環境配慮審査を行った結果、事業者により実行可能な範囲内でその影響の回避又は低減が図られているほか、必要に応じて損なわれる環境の有する価値の代償も検討されていることから、環境の保全についての適正な配慮がなされるものと判断したというのであり、この判断について、重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当 性を欠くことが明らかとまで評価することはできないし、その他に、本件全証拠を精査しても、原告らの主張するような健康被害等の生ずる危険が高いことなどを裏付けるに足りる事情も見当たらないものといえる。なお、山梨実験線の建設に関する点については、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価の対象ではなく(なお、別紙88の 図をみても、その既設の土木構造物等の周囲に予測地点は設定されて - 367 -いないことが認められる。)、現にその建設に伴って日照阻害が生じていることなどの事情をもって、直ちに当該環境影響評価に係る環境配慮審査の結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるということはできないし、その他にるる主張する点を踏まえ 設に伴って日照阻害が生じていることなどの事情をもって、直ちに当該環境影響評価に係る環境配慮審査の結果を踏まえた上でされる本件認可に違法があるということはできないし、その他にるる主張する点を踏まえても、以上で述べた当裁判所の判断が左右されることはないと解されるから、この点に 関する原告らの主張は、いずれも採用の限りではないと考えられる。 d したがって、日照阻害に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものといえる。 景観阻害に関する点a 原告らは、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価については、 景観阻害に関する点からみても、不合理なものであることが明らかであるし、環境の保全についての適正な配慮がなされていない旨などを主張している。 しかしながら、前記1で述べたところによれば、景観阻害に関する利益をもって、法律上の利益を有するということはできないから、こ の点に関する原告らの主張は、「自己の法律上の利益に関係のない違法」を理由とするものと認められる。そのため、行政事件訴訟法10条1項の規定により、これを理由として取消しを求めることはできないと考えられる。 b なお、原告らが指摘する最高裁平成17年(受)第364号同18年 3月30日第一小法廷判決・民集60巻3号948頁は、地上14階建てのマンションの建築によって社会通念上受忍限度を超える被害を受け、景観利益等を侵害されたとする周辺住民等が、その建築業者等に対して当該マンションの一部の撤去や不法行為に基づく損害賠償を求めたという事案(民事事件)において、「良好な景観に近接する地 域内に居住し、その恵沢を日常的に享受している者は、良好な景観が - 368 -有する客 や不法行為に基づく損害賠償を求めたという事案(民事事件)において、「良好な景観に近接する地 域内に居住し、その恵沢を日常的に享受している者は、良好な景観が - 368 -有する客観的な価値の侵害に対して密接な利害関係を有するものというべきであり、これらの者が有する良好な景観の恵沢を享受する利益(以下「景観利益」という。)は、法律上保護に値するものと解するのが相当である。」と判示したものにとどまり、行政事件訴訟法上の取消訴訟として提起され、同法10条1項所定の「法律上の利益」が 問題になる本件とは、事案を異にするものと解されるから、上記判例をもって、以上で述べた当裁判所の判断が左右されることはないといえる。すなわち、同項は、本件のように、処分の相手方以外の者(第三者)が取消訴訟を提起した場合において特に問題となるところ、ここでいう「法律上の利益」とは、当該処分の根拠法令において当該第 三者の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むかどうかにより判断されるものであり、その範囲は、民事上保護に値する権利利益の範囲と必ずしも一致するものではないから、後者の点について判示した上記判例をもって、以上で述べた当裁判所の判断が左右されることはないと考えられる。 c したがって、景観阻害に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものといえる。 南アルプス等の自然環境に関する点a 原告らは、本件認可(その1)に先立つ環境影響評価については、南アルプス等の自然環境に関する点からみても、不合理なものである ことが明らかであるし、環境の保全についての適正な配慮がなされていない旨などを主張している。 しかしながら、前記1で述べたところによ 境に関する点からみても、不合理なものである ことが明らかであるし、環境の保全についての適正な配慮がなされていない旨などを主張している。 しかしながら、前記1で述べたところによれば、南アルプス等の自然環境に関する利益をもって、法律上の利益を有するということはできないから、この点に関する原告らの主張は、「自己の法律上の利益 に関係のない違法」を理由とするものと認められる。そのため、行政 - 369 -事件訴訟法10条1項の規定により、これを理由として取消しを求めることはできないと考えられる。 b したがって、南アルプス等の自然環境に関する点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものといえる。 小括 以上で述べたところによれば、原告らは、①水資源等に関する点、②地盤沈下等に関する点、③「建設機械の稼働」等による大気の汚染、騒音、振動等に関する点、④「列車の走行(地下を走行する場合を除く。)」等による騒音等に関する点、⑤磁界に関する点、⑥日照阻害に関する点、⑦景観阻害に関する点及び⑧南アルプス等の自然環境に関す る点などについて、るる主張しているが、いずれも採用の限りではないし、これらの点をもって、本件認可に違法があるとは認められないものといえる。 コ環境影響評価に関する点についての結論したがって、環境影響評価に関する点についてみても、本件認可に違法 があるとは認められないものといえる。 なお、原告らは、環境影響評価に関する点について、その他にも、るる主張しているが、以上で述べた当裁判所の判断に反するものであるか、あるいは、評価書等外の事実や本件認定後の事実等を述べるもの又は法的な根拠や証拠に基づかずに独自 に関する点について、その他にも、るる主張しているが、以上で述べた当裁判所の判断に反するものであるか、あるいは、評価書等外の事実や本件認定後の事実等を述べるもの又は法的な根拠や証拠に基づかずに独自の見解を述べるものであって、当該判断を左 右しないものにとどまるから、いずれも採用の限りではないと考えられる。 ⑷ まとめ①全幹法9条1項の規定を適用した点、②事業法5条1項各号に掲げる基準等に関する点及び③環境影響評価に関する点についての当裁判所の判断は、以上で述べたとおりであるし、その他に、本件全証拠を精査しても、本件認 可は全幹法の規定等に則してされたものであって、これを不相当とする理由 - 370 -は見当たらないから、本件認可については、適法なものと認められる。 なお、原告らは、その他にも、るる主張しているが、以上で述べた当裁判所の判断に反するものであるか、あるいは、法的な根拠や証拠に基づかずに独自の見解を述べるものであって、当該判断を左右しないものにとどまるから、いずれも採用の限りではないと考えられる。 第4 結論よって、甲事件原告らの請求及び乙事件原告らの請求はいずれも理由がないから、これらを棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第3部 裁判長裁判官市原義孝 裁判官小西圭一は差し支えのため、裁判官和田崇寛は転補のため、いずれも署名押印することができない。 裁判長裁判官市原義孝 裁判長 裁判官 市原義孝

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