令和6年11月21日宣告秋田地方裁判所刑事部判決令和6年(わ)第87号贈賄被告事件 主文 被告人を懲役1年6月に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、林業、土木工事の設計、監理、施工及び請負等を目的とする株式会社A(以下、単に「A」という。)の代表取締役として同社の業務全般を統括していたものであるが、秋田県秋田地域振興局が受注者である代表者B株式会社ほか4社の共同企業体と令和5年3月10日付けで契約した「道路・河川等維持管理業務委託契約」に基づく「支障木伐採搬出産廃処分工事」(同年11月6日から同年12月27日までの間を工期とする、秋田市a地内から秋田県潟上市b地内に及ぶ主要地方道c線沿線におけるもの。以下「本件工事」という。)等に関し、前記地域振興局建設部保全・環境課道路保全班副主幹として、同局が所管する一般国道及び県道の維持管理等の職務に従事するとともに、その委託における監督員として、受注者に対する指示、再委託先の業者に関する協議、その承諾等の職務にも従事していたCが、本件工事等を施工する再委託先の業者をAとするよう前記B株式会社等と協議し、これを承諾するなどの便宜な取り計らいをしたことに対する謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨の下、前記Cに対し、別表記載のとおり、令和6年1月20日、同年3月9日の2回にわたり、秋田県内の2か所において、現金合計150万円を供与し、もって前記Cの職務に関し賄賂を供与したものである。 (量刑の事情)本件は、各種工事を行う株式会社の代表者であった被告人が、秋田県の発注した工事の再委託先を自社とすること等について、県職員から便宜な取り計らいを受け、 そ である。 (量刑の事情)本件は、各種工事を行う株式会社の代表者であった被告人が、秋田県の発注した工事の再委託先を自社とすること等について、県職員から便宜な取り計らいを受け、 その謝礼等の趣旨で当該県職員に現金を供与した贈賄の事案である。被告人と当該県職員は本件以前から便宜供与と謝礼の提供を繰り返していたところ、本件はその一環として行われており、その額も計150万円と相当高額に上ることからすると、公正に行われるべき県の職務行為に対する信頼を著しく害する悪質な行為といえる。 一連の不正によって被告人の経営する会社が高額の利益を得ていたことも認められ、将来の継続的な受益を目論んで躊躇なく賄賂を提供した点は、厳しい非難に値する。 以上によれば被告人の刑事責任には軽視し難いものがあるが、被告人は早期から事実関係を認め、当該県職員との癒着状況等を詳述して代表者の地位を辞するなど反省の態度を示している。被告人に前科がなく、妻子を扶養すべき立場にあること、親族が監督を約束したこと等の事情も併せ斟酌し、今回は執行猶予が相当と認めた。 (求刑 - 懲役1年6月)令和6年11月21日秋田地方裁判所刑事部 裁判官岡田龍太郎 (別表の掲載省略)
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