昭和24(れ)400 塩酸ジアセチルモルヒネ及其の製剤の所有等の禁止及没収に関する件違反

裁判年月日・裁判所
昭和24年7月26日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 広島高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人小林右太郎、同中松澗之助、同平松勇の上告趣意は末尾に添附した別紙書 面記載の通りである。  弁護人小林右太郎上告趣

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判決文本文3,130 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人小林右太郎、同中松澗之助、同平松勇の上告趣意は末尾に添附した別紙書面記載の通りである。 弁護人小林右太郎上告趣意第一点について。 しかし、原判決において証拠として挙示した原審公判における被告人の供述によれば、被告人が取扱つた本件物件は塩酸ヘロインと表示した罐に入つていたというし、被告人もまたBから本件物件を返してくれといわれたとき、取締厳重な麻薬であることを知つたのである、そしてCに右物品の売却方を頼んだとき、Cはあぶない薬品だから一人では持つて行かれないというので、被告人はDをCにつけてやつたといつて居る事実を認めることができるから、被告人は本件物件が塩酸ヘロインであることは知つていたと推認し得る、仮に量が多いので本物か否かを疑つたとしても、本件物件が高価に売れるものであることを知つて居り、あぶない薬品だと思つたといつているのであるから、少くも塩酸ヘロインであることについて未必の認識はあつたものといわなければならない、しかも本件物件は、鑑定の結果塩酸ヂアセチルモルヒネ(ヘロイン)であることが明らかにされている、従つて原判決が被告人の原審公判廷の供述により所論の事実を認定したとしても、虚無の証拠によつて事実を認定したという違法はない。 なお原判決は、被告人の自白の外に共同被告人の原審公判廷の自白をも証拠として挙示しているのであり、共同被告人等の原審公判廷における供述も塩酸ヘロインであることについて少くとも未必の認識はあつたと認めしむるに足るもので原判決は被告人の自白だけで事実を認定したものとはいい得ない。論旨は理由がない。 同第二点について。 - 1 -原判決の認定した事実によれば本件物件を金十五万円に見積り、被告人が買受けるキヤラコ代金の内金 告人の自白だけで事実を認定したものとはいい得ない。論旨は理由がない。 同第二点について。 - 1 -原判決の認定した事実によれば本件物件を金十五万円に見積り、被告人が買受けるキヤラコ代金の内金の代りとして交付したというのであるから、原判決において適用した昭和二〇年一一月二〇日厚生省令第四四号第一条にいわゆる「販売」に該当するものと解すべきである。論旨は被告人はEの詐欺にかかつて本件物件を同人に交付したのであるから、キヤラコ売買代金の内金の代りとして本件物件を譲渡したことは無効であるから、右省令の販売に当らないと主張するが、右省令の趣旨は塩酸ヘロインの所有はもとより其一切の処分を禁止するにあるのであつて、被告人の行為が瑕疵あるものであるとしても本件の成否に関係なきものであるから、所論の点について審理を遂げないとしても、審理不尽とはいい得ない。論旨は理由がない。 弁護人中松澗之助、同平松勇の上告趣意第一点について。 原審公判調書によれば原審相被告人Fは本件塩酸ヘロイン二罐の内同人の手許に返つた一罐は、その中味だけを海中に投棄し罐は他に使用するつもりで取つておいた、と供述しており、罐が海水につかつたとか、罐を水で洗つたとかいう事実は述べていない、そしてFに対する警察官の聴取書及記録第九一丁の領置書によれば、Fは右中味だけ捨てて取つておいた塩酸ヘロインの空罐を警察官に提出し、警察官は之を証第一号として領置したことが認められるし、岡山県刑事部課長は右証一号を岡山県衛生試験所長に交付して其罐に附着している薬品の鑑定を依頼したところ、同試験所地方技官Gが之を試験し、右薬品は塩酸ヂアセチルモルヒネであると鑑定したのである、故に本件物件が客観的に塩酸ヂアセチルモルヒネであることは明らかにされている、なるほど被告人Aが取扱つた罐は既に所在不明で鑑定 Gが之を試験し、右薬品は塩酸ヂアセチルモルヒネであると鑑定したのである、故に本件物件が客観的に塩酸ヂアセチルモルヒネであることは明らかにされている、なるほど被告人Aが取扱つた罐は既に所在不明で鑑定はできないが、之と同じ物として被告人も認めた他の一罐について鑑定されているのであるから特別の事情の無いかぎり被告人の扱つた本件物件が鑑定した物件と別種の物であるとは考えられない。以上のように本件物件が現実に塩酸ヂアセチルモルヒネであ- 2 -る以上被告人が其取扱つた物が塩酸ヂアセチルモルヒネであると供述している場合、其供述により本件物件を塩酸ヂアセチルモルヒネであると認めても、何等経験則に反するところはない。なお原判決が被告人の原審公判廷における自白だけで有罪を宣告したことを非難する点については弁護人小林右太郎上告趣意第一点について説明した通りであるから重ねて説明することを省略する、論旨は理由がない。 同第二点について。 原判決挙示の証拠によれば、原審相被告人Bは、はじめから、ヘロインをキヤラコ売買代金の内金又は手附金とすることについては知つていなかつたのであるが、これを売る意思であり、被告人Aも初めは売却の意思であり、Dも之を売却するものであることを知つて居り、最後になつてAとDとの間においてこれをキヤラコの内金にしたことを認め得る、そして原判決において適用した厚生省令第一条にいわゆる「販売」が通常の売却は勿論本件のように代金の内金代りとして譲渡したような場合をも包含することは前に説明したとおりであるから、原判決が被告人A、B、D、は販売方を共謀してキヤラコ代金の内入として本件物件を交付し以つて本件物件を販売した旨を判示したとしても所論の如き理由齟齬の違法はない、論旨は理由がない。 同第三点について。 しかし原判決は所論麻薬二封度入 謀してキヤラコ代金の内入として本件物件を交付し以つて本件物件を販売した旨を判示したとしても所論の如き理由齟齬の違法はない、論旨は理由がない。 同第三点について。 しかし原判決は所論麻薬二封度入一個を岡山市から京都市迄輸送した行為と同物件を京都市において販売した行為とはそれぞれ別個の行為であり、しかも継続した意思で行つたものとは認定していない。従つて被告人の犯行を併合罪として処罰したことは当然である、論旨は原審の事実認定と異る見解に基くものであるから採用し難い。 同第四点について。 しかし検事の控訴申立書には「昭和二三年二月二五日検事に通知す裁判所事務官」- 3 -との印判が押してあり、その「検事」という文字が「被告人」と訂正されてあるが、右訂正の個所にも裁判所事務官とした下にも係員の捺印のないこと、及び控訴申立通知控に被告人の氏名が抹消されていることは所論の通りであるが、右控訴申立書の印判で検事の控訴のあつたことは被告人に通知されたものと認め得る、仮に右印判により被告人に通知のあつたことが認められないとしても原審公判調書によれば原審公判廷において裁判長は被告人Aをふくむ全被告人に対し検事控訴のあつたことを告げているので被告人は検事が求刑をする時迄之を知らないとはいえないし、又何等弁護権行使に妨げとなることもないことを推認し得るから、仮に検事が控訴したことを被告人に通知しなかつたとしても原判決に影響を及ぼすことはないから破棄の理由とはならない。論旨は理由がない。 よつて旧刑事訴訟法第四四六条により主文の通り判決する。 以上は裁判官全員一致の意見である。 検察官安平政吉関与昭和二四年七月二六日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官 一致の意見である。 検察官安平政吉関与昭和二四年七月二六日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登裁判官島保裁判官河村又介裁判官穂積重遠- 4 -

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